JP6973118B2 - 係留チェーン用鋼および係留チェーン - Google Patents
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Description
C:0.15〜0.45%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.0〜2.5%、
P:0.1%以下、
S:0.05%以下、
Al:0.1%以下、
N:0.01%以下、
W:0.01〜1.0%、
Cr:0.1%以下、
Ni:0〜5.0%、
Sb:0〜0.5%、
Mo:0〜1.0%、
V:0〜1.0%、
Ca:0〜0.01%、
Mg:0〜0.01%、
REM:0〜0.01%、
Nb:0〜0.1%、
Ti:0〜0.1%、
B:0〜0.01%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記式(i)を満足する、係留チェーン用鋼。
1−4.32W+0.25Cr≦0.80・・・(i)
但し、上記式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
Ni:0.01〜5.0%、
Sb:0.01〜0.5%、
Mo:0.01〜1.0%、
V:0.01〜1.0%、
Ca:0.0001〜0.01%、
Mg:0.0001〜0.01%、および
REM:0.0001〜0.01%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)に記載の係留チェーン用鋼。
Nb:0.001〜0.1%、
Ti:0.001〜0.1%、および
B:0.0001〜0.01%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)または(2)に記載の係留チェーン用鋼。
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、強度を確保するために必要な元素である。係留チェーンとしての強度を確保するために、C含有量は0.15%以上とする。しかしながら、C含有量が0.45%を超えると、母材および溶接熱影響部の靭性が著しく低下する。このため、C含有量は、0.45%以下とする。C含有量は0.17%以上であるのが好ましく、0.20%以上であるのがより好ましい。また、C含有量は0.42%以下であるのが好ましく、0.40%以下であるのがより好ましい。
Siは、脱酸のために必要な元素であるが、0.6%を超えて含有させると溶接熱影響部の靭性が低下する。このため、Si含有量は0.6%以下とする。なお、靭性の観点からSi含有量はより低いほうが望ましい。この場合、Si含有量は0.55%以下であるのが好ましく、0.5%以下であるのがより好ましい。一方、Si含有量を過度に低減すると、脱酸の効果が十分に得られなくなるため、Si含有量は0.01%以上であるのが好ましい。
Mnは、強度を確保するために必要な元素である。強度を確保するために、Mn含有量は1.0%以上とする。しかしながら、Mnを、2.5%を超えて含有させると、靭性が著しく低下する。このため、Mn含有量は2.5%以下とする。Mn含有量は1.2%以上であるのが好ましく、1.3%以上であるのがより好ましい。また、Mn含有量は2.4%以下であるのが好ましく、2.3%以下であるのがより好ましい。
Pは不純物として粒界に偏析し、靭性を低下させる元素である。そして、P含有量が0.1%を超えると靭性が著しく低下する。このため、P含有量は0.1%以下とする。P含有量は少なければ少ないほど好ましい。P含有量は0.08%以下であるのが好ましく、0.05%以下であるのがより好ましい。
Sは不純物として鋼中に存在し、MnSを形成する。このMnSは腐食の起点となり、耐食性を低下させる。このため、S含有量は0.05%以下とする。S含有量は少なければ少ないほど好ましい。S含有量は0.045%以下であるのが好ましく、0.04%以下であるのがより好ましい。
Alは脱酸剤として必要な元素であり、含有させることで脱酸効果が得られる。また、AlはNと結合し、AlNを形成することで、結晶粒を微細化させる。しかしながら、Alを、0.1%を超えて含有させると靭性の低下を招く。このため、Al含有量は0.1%以下とする。なお、Al含有量は0.08%以下であるのが好ましく、0.06%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を安定して得るために、Al含有量は0.005%以上であるのが好ましい。
Nは、Alと結合しAlNを形成することにより、結晶粒を微細化させる効果がある。しかしながら、N含有量が0.01%を超えると靭性が低下する。このため、N含有量は0.01%以下とする。N含有量は0.008%以下であるのが好ましく、0.006%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、N含有量は0.001%以上であるのが好ましい。
Wは、腐食環境において溶出したWがタングステン酸イオンを形成することにより鋼の溶出を著しく抑制する効果を有する。このため、W含有量は0.01%以上とする。しかしながら、W含有量が1.0%を超えると、効果が飽和するだけでなく靭性が低下する。このため、W含有量は1.0%以下とする。W含有量は0.03%以上であるのが好ましく、0.05%以上であるのがより好ましい。また、W含有量は0.8%以下であるのが好ましく、0.6%以下であるのがより好ましい。
Crは、鋼材のコスト上昇を抑えつつ強度を高める作用を有するが、塩化物が濃化する薄膜水形成環境において耐食性を著しく低下させる。このため、Cr含有量は0.1%以下とする。Cr含有量は0.08%以下であるのが好ましく、0.06%以下であるのがより好ましい。
Niは薄膜水形成環境での鋼の溶出を著しく抑制し耐食性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Ni含有量が5.0%を超えると効果が飽和するばかりでなく、鋼材のコストが上昇する。このため、Ni含有量は5.0%以下とする。Ni含有量は4.5%以下であるのが好ましく、4.0%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Ni含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.05%以上であるのがより好ましく、0.1%以上であるのがさらに好ましい。
Sbは、薄膜水形成環境において鋼の溶出を抑制する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Sbを、0.5%を超えて含有させると靭性が著しく低下する。このため、Sb含有量は0.5%以下とする。Sb含有量は0.4%以下であるのが好ましく、0.3%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Sb含有量は0.01%以上であるのが好ましく、0.03%以上であるのがより好ましく、0.05%以上であるのがさらに好ましい。
Moは、強度を高める作用を有する。また、Moは腐食環境において溶出したMoがモリブデン酸イオンを形成し、インヒビター作用により鋼の溶出を抑制する作用を有する。この結果、Moは耐食性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。
VもMoと同様の作用を有する。腐食環境において溶出したVがバナジン酸イオンを形成することにより鋼の溶出を抑制する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。
Caは、イオンとして溶出し、pHの低下が生じた腐食界面においてpHを上昇させる。この結果、腐食が抑制されるため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Ca含有量が0.01%を超えると効果が飽和するだけでなく靭性が低下する。このため、Ca含有量は0.01%以下とする。Ca含有量は0.008%以下であるのが好ましく、0.006%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Ca含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0003%以上であるのがより好ましく、0.0005%以上であるのがさらに好ましい。
Mgは、Caと同様、腐食界面のpHを上昇させることで腐食を抑制する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.01%を超えると効果が飽和するだけでなく靭性も低下する。このため、Mg含有量は0.01%以下とする。Mg含有量は0.008%以下であるのが好ましく、0.006%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Mg含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0003%以上であるのがより好ましく、0.0005%以上であるのがさらに好ましい。
REMは、CaおよびMgと同様、腐食界面のpHを上昇させることで腐食を抑制する効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、REM含有量が0.01%を超えると、効果が飽和するだけでなく靭性も低下する。このため、REM含有量は0.01%以下とする。REM含有量は0.008%以下であるのが好ましく、0.006%以下であるのがより好ましい。
Nbは、強度を高める作用を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Nb含有量が0.1%を超えると靭性が低下する。このため、Nb含有量は0.1%以下とする。Nb含有量は0.08%以下であるのが好ましく、0.05%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Nb含有量は0.001%以上であるのが好ましく、0.003%以上であるのがより好ましく、0.005%以上であるのがさらに好ましい。
Tiは、Nと結合してTiNを形成することにより溶接熱影響部の靭性を向上させる。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Ti含有量が0.1%を超えると効果が飽和する。このため、Ti含有量は0.1%以下とする。Ti含有量は0.08%以下であるのが好ましく、0.05%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、Ti含有量は0.001%以上であるのが好ましく、0.005%以上であるのがより好ましく、0.01%以上であるのがさらに好ましい。
Bは、強度を高める作用を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、B含有量が0.01%を超えると靭性が低下する。このため、B含有量は0.01%以下とする。B含有量は0.008%以下であるのが好ましく、0.005%以下であるのがより好ましい。一方、上記効果を得るためには、B含有量は0.0001%以上であるのが好ましく、0.0003%以上であるのがより好ましく、0.0005%以上であるのがさらに好ましい。
上記の式(i)は本発明の鋼の耐食性能を表すものであり、式(i)満足する場合、係留チェーン用鋼として十分な耐食性を確保できる。一方、式(i)を満足しない場合は耐食性が十分でなく、係留チェーンとして長期の使用が困難である。
上記の化学組成を有する鋼塊を連続鋳造法により製造する。鋼塊は、造塊法によりインゴットにしてもよい(JIS G 0203(2009)参照。)。続いて、得られた鋼塊を800〜1250℃の範囲で均熱、熱間圧延(熱間棒鋼圧延)を施し、棒鋼とする。本発明では棒鋼の径は特に限定されないが、例えば、50〜120mmの範囲とする。また、熱間圧延のうちの仕上げ圧延は、800℃以上で行なう。続いて、得られた棒鋼を室温まで、空冷または放冷により冷却する。
Claims (5)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.15〜0.45%、
Si:0.6%以下、
Mn:1.0〜2.5%、
P:0.1%以下、
S:0.05%以下、
Al:0.1%以下、
N:0.01%以下、
W:0.01〜1.0%、
Cr:0.1%以下、
Ni:0〜5.0%、
Sb:0〜0.5%、
Mo:0〜1.0%、
V:0〜1.0%、
Ca:0〜0.01%、
Mg:0〜0.01%、
REM:0〜0.01%、
Ti:0〜0.1%、
B:0〜0.01%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記式(i)を満足する、係留チェーン用鋼。
1−4.32W+0.25Cr≦0.80・・・(i)
但し、上記式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ni:0.01〜5.0%、
Sb:0.01〜0.5%、
Mo:0.01〜1.0%、
V:0.01〜1.0%、
Ca:0.0001〜0.01%、
Mg:0.0001〜0.01%、および
REM:0.0001〜0.01%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1に記載の係留チェーン用鋼。 - 前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.001〜0.1%、および
B:0.0001〜0.01%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1または2に記載の係留チェーン用鋼。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の鋼を用いた係留チェーン。
- 表面に防食被覆層を備えた請求項4に記載の係留チェーン。
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