JP6949546B2 - 搬送用カテーテル及び血管内留置具搬送装置 - Google Patents
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ところで、シースイントロデューサーを用いるか否かに拘わらず、血管内留置具が放出し易くなるように搬送用カテーテルの先端側の部分を裂開可能に構成すると、裂開した状態となった先端側の部分が元の形状に復元し難く、血管内で搬送用カテーテルを移動させる際に、その内壁面に対して強い刺激を与えるおそれがある。
血管内に留置される血管内留置具を搬送するための搬送用カテーテルであって、
可撓性を有し、先端側の部分を裂開させるための裂開部が設けられたカテーテル本体部を備え、
前記カテーテル本体部は、その内側に前記血管内留置具を収容し、
前記裂開部により前記先端側の部分が裂開されることで、前記先端側の部分を構成する複数の先端側構成部が互いに離間可能に構成され、
離間した前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させるための復元手段を更に備え、
前記復元手段は、前記複数の先端側構成部どうしを近付ける方向に付勢する弾性部材を含み、前記カテーテル本体部から血管内への前記血管内留置具の放出に伴い前記カテーテル本体部の内側から径方向外側への力が加えられなくなることにより、前記弾性部材の付勢力によって前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させることを特徴としている。
血管内に留置される血管内留置具と、前記血管内留置具を搬送するための搬送用カテーテルと、を備える血管内留置具搬送装置であって、
前記搬送用カテーテルは、
可撓性を有し、先端側の部分を裂開させるための裂開部が設けられたカテーテル本体部を備え、
前記カテーテル本体部は、その内側に前記血管内留置具を収容し、
前記裂開部により前記先端側の部分が裂開されることで、前記先端側の部分を構成する複数の先端側構成部が互いに離間可能に構成され、
離間した前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させるための復元手段を更に備え、
前記復元手段は、前記複数の先端側構成部どうしを近付ける方向に付勢する弾性部材を含み、前記カテーテル本体部から血管内への前記血管内留置具の放出に伴い前記カテーテル本体部の内側から径方向外側への力が加えられなくなることにより、前記弾性部材の付勢力によって前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させることを特徴としている。
図1は、本発明に係る一実施形態の血管内留置具搬送装置100の概略構成を示す斜視図であり、図2は、図1の血管内留置具搬送装置100の破線Aで囲まれた部分を拡大して示す斜視図である。
なお、図1〜図6(b)(後述)にあっては、血管内留置具搬送装置100の各部を模式的に表し、図2〜図6(b)にあっては、弾性部材25(後述)を透過させるように破線で模式的に表している。また、以下の説明では、搬送用カテーテル2の使用者からみて遠い方(遠位側)を先端側とし、使用者からみて近い方(近位側)を基端側とする。
先ず、血管内留置具1について説明する。
血管内留置具1としては、例えば、血管内に半永久的に留置されるステントグラフト11(図3(a)等参照)や、一時的に留置される異物捕捉・回収用デバイス(例えば、異物回収用デバイス12;図5(a)等参照)等が挙げられるが、一例であってこれらに限られるものではなく、公知のものであれば如何なるものも適用可能である。
なお、ステント部を構成する金属細線の材料としては、例えば、Ni−Ti合金、ステンレス鋼、チタン合金などに代表される公知の金属や金属合金が挙げられる。
また、グラフト部を構成する材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂などが挙げられる。
異物捕捉用デバイスについては、詳細な説明は省略するが、例えば、金属細線から成形され、拡張状態にて略球状をなす。また、異物回収用デバイス12については、詳細な説明は省略するが、例えば、金属細線から成形され、拡張状態にて先端側が開口した略籠状をなす。
なお、異物捕捉・回収用デバイスを構成する金属細線の材料としては、例えば、Ni−Ti合金、ステンレス鋼、チタン合金などに代表される公知の金属や金属合金が挙げられるが、異物捕捉用デバイスは、超弾性(変形しても力を取り除くとすぐに元の形に戻る性質)を有する材料から構成されるのが好ましい。
次に、搬送用カテーテル2について説明する。
搬送用カテーテル2は、内側に血管内留置具1を収容するカテーテル本体部21を有している。
なお、可撓性を有する材料としては、例えば、合成樹脂(エラストマー)、合成樹脂に他の材料が混合された樹脂コンパウンド、合成樹脂が多層で構成された多層構造体、または合成樹脂と金属線との複合体等が挙げられる。
なお、小径部21cの先端側開口は、閉塞手段(例えば、先端チップ3等)により閉塞されているが、閉塞手段については後述する。
具体的には、小径部21cの周方向に沿って所定の角度(例えば、180°等)を空けて複数(例えば、2つ)の切欠部22、22が形成されている。切欠部22における先端側開口に連続する2つの切欠面には丸みが付けられ、例えば、各切欠面は、他方の切欠面側に膨らむように略円弧状に形成されている。そして、各切欠部22と軸方向に対して略平行な方向に並ぶように裂開部23が複数(例えば、2つ)形成されている。
また、後述するように、小径部21cの内側に先端チップ3が配置されることで、この先端チップ3により切れ目23aの大部分が内側から塞がれている。なお、切れ目23aが完全に塞がれるように、当該切れ目23aの寸法や形状、先端チップ3の配置等を適宜任意に変更しても良い。
直線部b1は、例えば、その先端側の部分が細く尖った形状を有し、その端部を切れ目23aの基端側の端部と突き合わせるようにテーパ部21bに位置している。これにより、直線部b1と切れ目23aとの間の部分(後述する裂開規制部24)が裂けやすくなっている。
湾曲部b2は、直線部b1の基端側の部分に連続し、例えば、その外形が軸方向に長い略楕円形であって、径方向側の部分(楕円と仮想した場合の短軸の端部)と基端側の部分(楕円と仮想した場合の長軸の端部)との間がそれぞれ略「S」字状に湾曲した形状をなしている。また、湾曲部b2は、開口部23bの基端側の部分を構成し、少なくとも一部分が大径部21aに位置している。このように、裂開部23の開口部23bは、テーパ部21b及び大径部21aの先端側の部分に跨るように形成されている。
また、カテーテル本体部21に血管内留置具1が収容されることで、この血管内留置具1により開口部23bの大部分が内側から塞がれている。つまり、搬送用カテーテル2は、開口部23bを内側から塞ぐようにカテーテル本体部21に収容された状態の血管内留置具1を搬送可能となっている。なお、開口部23bが完全に塞がれるように、当該開口部23bの寸法や形状、血管内留置具1の配置等を適宜任意に変更しても良い。
すなわち、カテーテル本体部21は、裂開規制部24により小径部21cの裂開が規制された状態となっているが、裂開規制部24が軸方向に対して略平行な方向に裂けて当該裂開規制部24による規制が解除されると、当該カテーテル本体部21の先端側の部分が拡幅可能となる。
具体的には、カテーテル本体部21の先端側に血管内留置具1が変位するようにカテーテル本体部21及び血管内留置具1のうち、少なくとも一方をカテーテル本体部21の軸方向に移動させることにより、放出部211は、その内面側から径方向外側に力が加えられ、軸方向に沿って裂開する。例えば、小径部21c近傍(テーパ部21bや小径部21c)にて内面側から径方向外側に力が加えられ裂開部23により小径部21cが裂開して、当該カテーテル本体部21の先端側の部分を構成する2つの先端側構成部212、212が拡幅可能となる(図3(b)及び図4(a)等参照)。
このように、裂開部23は、血管内に血管内留置具1を放出するためにカテーテル本体部21の先端側の部分を裂開させる。そして、カテーテル本体部21の先端側の部分が裂開部23により裂開されることで2つの先端側構成部212、212が形成され、これら2つの先端側構成部212、212は、互いに離間可能に構成されている(詳細後述)。
弾性部材25は、例えば、スチレン系エラストマー(例えば、SEBS等)、シリコーン系エラストマー等からチューブ状に形成され、裂開部23によりカテーテル本体部21の先端側の部分が裂開されることで形成される2つの先端側構成部212、212を覆うように配設されている。具体的には、弾性部材25は、例えば、カテーテル本体部21の先端側の部分における裂開部23の開口部23bが形成されていない部分、すなわち、拡幅する際に回動する各先端側構成部212の基端側の部分に所定の接着剤により接着されている。つまり、弾性部材25は、2つの先端側構成部212、212どうしに架け渡される(わたる)ように配設され、これら2つの先端側構成部212、212どうしを互いに近付ける方向(閉じる方向)に付勢している。
このように、弾性部材25は、離間した2つの先端側構成部212、212を離間していない状態に復元させるための復元手段を構成している。
また、上記した小径部21c、テーパ部21b、裂開部23(切れ目23aや開口部23b)、裂開規制部24は、放出部211を構成しているが、一例であってこれに限られるものではなく、放出部211の構成は適宜任意に変更可能である。
例えば、図1及び図2等にあっては、血管内留置具1としてのステントグラフト11を血管内に留置する際に用いられる先端チップ3を例示して説明する。
先端チップ3は、搬送用カテーテル2の内側に収縮状態で収容されているステントグラフト11を搬送用カテーテル2の先端側から露出させるためのものであり、例えば、ガイドワイヤGに外挿される長尺なロッドRの先端部に固定されている。
また、先端チップ3には、詳細な説明は省略するが、例えば、収縮状態のステントグラフト11を留置部位にて拡張させるための先端フックを係止するための係止溝(図示略)が設けられている。このような先端フック及び先端チップ3を用いて収縮状態のステントグラフト11を留置部位にて拡張させる方法(仕組み)については、例えば、特開2000−350785号公報又は国際公開第2005/99806号パンフレットに記載の公知の方法を用いることができ、ここでは詳細な説明は省略する。
また、ロッドRを構成する材料としては、例えば、樹脂(プラスチック、エラストマー)又は金属など、適度な硬度及び柔軟性を有する種々の材料等が挙げられる。
次に、血管内留置具搬送装置100の使用方法について、図3(a)〜図6(b)を参照して説明する。
なお、以下の説明では、事前に血管内にガイドワイヤGが挿通されて、当該ガイドワイヤGに沿って血管内留置具搬送装置100が導入されるものとする。
なお、図3(a)〜図4(b)にあっては、血管内留置具1として、拡張状態にて略筒状のステントグラフト11を例示して説明する。
そして、搬送用カテーテル2の位置を固定した状態で、使用者がロッドRを操作して先端チップ3を遠位側に相対的に移動させる。すると、この先端チップ3の移動に伴ってステントグラフト11がカテーテル本体部21内で軸方向先端側に相対的に移動し、このステントグラフト11によりテーパ部21bや小径部21cにて内面側から径方向外側に力が加えられていく。そして、裂開規制部24による規制が解除されると(すなわち、裂開部23により小径部21cが裂開すると)、図3(b)中白抜きの矢印で示すように、当該カテーテル本体部21の2つの先端側構成部212、212が拡幅可能となる(図3(b)参照)。
なお、ステントグラフト11は、血管内に放出されることで放出された部分から自動的に拡張していき、拡張状態での外径はカテーテル本体部21の内径よりも大きくなるが、カテーテル本体部21は、弾性部材25の付勢力に抗して、2つの先端側構成部212、212がさらに拡幅された状態となる(図4(a)参照)。このとき、裂開部23の開口部23bは基端側に膨らむように湾曲して形成されているため、2つの先端側構成部212、212が拡幅する際に開口部23bの基端側に応力が集中し難くなり、当該開口部23bの基端側の部分が裂けてしまうことを抑制することができる。
なお、図5(a)〜図6(b)にあっては、血管内留置具1として、拡張状態にて先端側が開口した略籠状の異物回収用デバイス12を例示して説明する。
そして、搬送用カテーテル2の位置を固定した状態で、使用者が異物回収用デバイス12に接続されている管状部材12aを操作して当該異物回収用デバイス12を基端側(近位側)に相対的に移動させる。すると、異物回収用デバイス12がカテーテル本体部21内に引き込まれていき、この異物回収用デバイス12の基端側のテーパ部12bにより小径部21cやテーパ部21bにて内面側から径方向外側に力が加えられていく。このとき、カテーテル本体部21は、図5(b)中白抜きの矢印で示すように、弾性部材25の付勢力に抗して、2つの先端側構成部212、212が拡幅された状態となる(図5(b)参照)。
したがって、カテーテル本体部21の先端側の部分を構成する2つの先端側構成部212、212が離間してしまっても、復元手段により離間していない状態に復元することができ、カテーテル本体部21の先端側の部分が離間していない閉じた状態とすることができる。これにより、例えば、搬送用カテーテル2を血管内で移動させても、その内壁面に対して強い刺激を与えるおそれを低減することができる。
したがって、カテーテル本体部21の先端側の部分が裂開されることで形成される2つの先端側構成部212、212どうしが弾性部材25により近付ける方向に付勢され、2つの先端側構成部212、212が離間してしまっても、離間していない状態に復元させることができる。特に、カテーテル本体部21は、その内側に血管内留置具1を収容し、裂開部23は、血管内留置具1を血管内に放出するために裂開するように構成されている。これにより、血管内留置具1を血管内に放出するためにカテーテル本体部21の先端側の部分が裂開して、2つの先端側構成部212、212が離間してしまっても、弾性部材25により2つの先端側構成部212、212が離間していない状態に適正に復元させることができる。
したがって、2つの先端側構成部212、212を覆うようにカテーテル本体部2の先端側の部分に弾性部材25が配設されるだけで、弾性部材25を2つの先端側構成部212、212どうしに架け渡されるように簡便に配設することができ、当該2つの先端側構成部212、212どうしを近付ける方向に適正に付勢することができる。
例えば、搬送用カテーテル2は、裂開部23によりカテーテル本体部21の先端側の部分が裂開するような構成としたが、当該先端側の部分は必ずしも裂開する必要はない。すなわち、カテーテル本体部21の先端側の部分を構成する複数の先端側構成部212、…をその一部分どうしをほぼ接触させるように近接させた状態を離間していない状態とし、この状態から複数の先端側構成部212、…が互いに離間可能に構成されていてもよい。
加えて、復元手段として、弾性部材25を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、複数の先端側構成部212、…を離間していない状態に復元させ易くなるように、例えば、カテーテル本体部21の先端側の部分(特に、開口部23b等)の形状や厚さや材質等を変更するようにしてもよい。
また、上記実施形態にあっては、小径部21cの先端側に切欠部22が形成された搬送用カテーテル2を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、切欠部22を形成するか否かは適宜任意に変更可能である。
1 血管内留置具
2 搬送用カテーテル
21 カテーテル本体部
212 先端側構成部
23 裂開部
25 弾性部材
3 先端チップ
Claims (5)
- 血管内に留置される血管内留置具を搬送するための搬送用カテーテルであって、
可撓性を有し、先端側の部分を裂開させるための裂開部が設けられたカテーテル本体部を備え、
前記カテーテル本体部は、その内側に前記血管内留置具を収容し、
前記裂開部により前記先端側の部分が裂開されることで、前記先端側の部分を構成する複数の先端側構成部が互いに離間可能に構成され、
離間した前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させるための復元手段を更に備え、
前記復元手段は、前記複数の先端側構成部どうしを近付ける方向に付勢する弾性部材を含み、前記カテーテル本体部から血管内への前記血管内留置具の放出に伴い前記カテーテル本体部の内側から径方向外側への力が加えられなくなることにより、前記弾性部材の付勢力によって前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させる搬送用カテーテル。 - 前記弾性部材は、
前記複数の先端側構成部どうしに架け渡され、前記カテーテル本体部の軸方向に移動不可に配設されている請求項1に記載の搬送用カテーテル。 - 前記弾性部材は、前記複数の先端側構成部を覆うように前記先端側の部分に配設されている請求項1または2に記載の搬送用カテーテル。
- 前記裂開部は、前記血管内留置具を血管内に放出するために裂開するように構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送用カテーテル。
- 血管内に留置される血管内留置具と、前記血管内留置具を搬送するための搬送用カテーテルと、を備える血管内留置具搬送装置であって、
前記搬送用カテーテルは、
可撓性を有し、先端側の部分を裂開させるための裂開部が設けられたカテーテル本体部を備え、
前記カテーテル本体部は、その内側に前記血管内留置具を収容し、
前記裂開部により前記先端側の部分が裂開されることで、前記先端側の部分を構成する複数の先端側構成部が互いに離間可能に構成され、
離間した前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させるための復元手段を更に備え、
前記復元手段は、前記複数の先端側構成部どうしを近付ける方向に付勢する弾性部材を含み、前記カテーテル本体部から血管内への前記血管内留置具の放出に伴い前記カテーテル本体部の内側から径方向外側への力が加えられなくなることにより、前記弾性部材の付勢力によって前記複数の先端側構成部を離間していない状態に復元させる血管内留置具搬送装置。
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JP2017089700A JP6949546B2 (ja) | 2017-04-28 | 2017-04-28 | 搬送用カテーテル及び血管内留置具搬送装置 |
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