以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
また、以下に開示される実施形態および変形例には、同様の構成要素が含まれる。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。なお、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
[実施形態]
図1は、実施形態のコネクタ10が設けられた電子機器1の正面側からの斜視図である。なお、以下の説明では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、電子機器1の奥行方向(前後方向、短手方向)に沿い、Y方向は、電子機器1の幅方向(左右方向、長手方向)に沿い、Z方向は、電子機器1の厚さ方向(上下方向)に沿う。
また、以下の説明では、便宜上、X方向は後方、X方向の反対方向は前方とも称され、Y方向は右方、Y方向の反対方向は左方とも称され、Z方向は上方、Z方向の反対方向は下方とも称される場合がある。Y方向は、第一方向の一例であり、X方向は、第二方向の一例である。
図1に示されるように、電子機器1は、例えば、クラムシェル型(ノートブック型)のパーソナルコンピュータとして構成されており、ベース筐体2と、ディスプレイ筐体3と、を備えている。ベース筐体2には、キーボード4(入力装置)や、パームレスト8、後述するコネクタ10等が設けられ、ディスプレイ筐体3には、ディスプレイユニット6や、アンテナ5等が設けられている。
ベース筐体2は、筐体の一例である。なお、電子機器1は、この例には限定されず、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、映像表示装置、テレビジョン受像機、ゲーム機、映像表示制御装置、情報記憶装置等、コネクタ10が設けられた種々の電子機器1として構成することができる。
ベース筐体2は、例えば、キーボード4が露出する上面2a1と、上面2a1とは反対側を向いた下面2b1と、を有する。キーボード4は、上方から操作可能な状態に、ベース筐体2に支持されている。ベース筐体2内には、CPU(Central Processing Unit)や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の複数の電子部品が実装された基板が設けられている。基板内の配線とこれら複数の電子部品とによって、電子機器1の制御回路の少なくとも一部が構成されている。
ディスプレイ筐体3は、例えば、ディスプレイユニット6の表示画面6aが露出する前面3a1と、前面3a1とは反対側を向いた後面3b1と、を有する。ディスプレイユニット6は、表示画面6aが前方から視認可能な状態に、ディスプレイ筐体3に支持されている。また、前面3a1の一部および表示画面6aは、タッチパネル9の透明部によって覆われている。
ディスプレイ筐体3は、例えば、一方向(図1ではX方向)に扁平な直方体状に構成されている。ディスプレイ筐体3は、前壁3aや、後壁3b、複数の側壁3c〜3f等を有している。前壁3aは、前面3a1を含み、後壁3bは、後面3b1を含む。前壁3aは、四角形状の枠状に構成され、後壁3bは、四角形状の板状に構成されている。
側壁3cおよび側壁3eは、それぞれ、ディスプレイ筐体3の下端部3hおよび上端部3jを構成している。下端部3hは、ヒンジ7の回転中心Ax1と隣接(近接)している。上端部3jは、下端部3hよりもヒンジ7の回転中心Ax1と離間している。また、側壁3dおよび側壁3fは、それぞれ、ディスプレイ筐体3の左端部3iおよび右端部3kを構成している。
ディスプレイ筐体3は、例えば、フロントカバー31やミドルカバー32等の複数の部品(分割体)の組み合わせによって構成されている。フロントカバー31は、前壁3aと、側壁3c〜3fのそれぞれの一部と、を含む。リヤカバー32は、後壁3bと、側壁3c〜3fのそれぞれの一部と、を含む。フロントカバー31とリヤカバー32とは、爪やネジ等によって互いに結合されている。
ベース筐体2は、例えば、Z方向に扁平な直方体状の箱型に構成されている。ベース筐体2は、上壁2aや、下壁2b、複数の側壁2c〜2f等を有している。上壁2aは、上面2a1を含み、下壁2bは、下面2b1を含む。上壁2aおよび下壁2bは、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。
側壁2cおよび側壁2eは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。側壁2cは、上壁2aおよび下壁2bのX方向の反対方向の端部の間に亘り、側壁2eは、上壁2aおよび下壁2bのX方向の端部の間に亘っている。側壁2cは、ベース筐体2の前端部2hを構成し、側壁2eは、ベース筐体2の後端部2jを構成している。
側壁2dおよび側壁2fは、いずれも、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。側壁2dは、上壁2aおよび下壁2bのY方向の反対方向の端部の間に亘り、側壁2fは、上壁2aおよび下壁2bのY方向の端部の間に亘っている。側壁2dは、ベース筐体2の左端部2iを構成し、側壁2fは、ベース筐体2の右端部2kを構成している。
ベース筐体2は、例えば、トップカバー21やボトムカバー22等の複数の部品(分割体)の組み合わせによって構成されている。トップカバー21は、上壁2aと、側壁2c〜2fのそれぞれの一部と、を含む。ボトムカバー22は、下壁2bと、側壁2c〜2fのそれぞれの一部と、を含む。トップカバー21とボトムカバー22とは、爪やネジ等によって互いに結合されている。
また、図1に示されるように、側壁2fには、コネクタ10が設けられている。コネクタ10は、例えば、RJ−45(モジュラー式)コネクタ等によって構成され、LANケーブル42(図4,5参照)のケーブル側コネクタ40と接続可能である。LANケーブル42は、通信ケーブルの一例である。
図2は、コネクタ10の斜視図であって、可動部13が収納位置P1に位置された状態の図であり、図3は、コネクタ10の斜視図であって、可動部13が突出位置P2に位置された状態の図である。図2,3に示されるように、コネクタ10は、例えば、ベース部11と、可動部13と、コネクタ端子14と、を備えている。
ベース部11は、ベース筐体2の内部に固定されている。ベース部11には、Y方向に向けて開放された挿入口12が設けられている。挿入口12は、上述した側壁2fからY方向に露出し、ケーブル側コネクタ40(図4参照)の少なくとも一部が挿入される。ベース部11は、固定部等とも称される。
可動部13は、ベース部11にX方向に沿って延びる回転中心Ax2を有したヒンジを介して回転可能に支持されている。可動部13は、ヒンジの回転中心Ax2回りに回転することで、収納位置P1(図2参照)と、突出位置P2(図3参照)と、の間で移動可能(開閉可能)である。可動部13は、フラップや、レバー、蓋等とも称される。可動部13は、ベース部11とともにコネクタ10のボディを構成している。
ベース部11は、例えば、天壁11aと、底壁11bと、複数の立壁11c〜11eと、傾斜面11gと、を有している。ベース部11の挿入口12は、天壁11a、底壁11b、および立壁11c〜11eによって囲まれている。また、挿入口12は、可動部13が収納位置P1(図2参照)に位置された状態では、当該可動部13によってY方向から少なくとも一部が覆われる(塞がれる)。
天壁11aおよび底壁11bは、いずれも、Z方向と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。天壁11aは、コネクタ10の上端部を構成し、底壁11bは、コネクタ10の下端部を構成している。天壁11aには、Z方向に貫通した開口部11fが設けられている。開口部11fは、例えば、ケーブル側コネクタ40のロックレバー41(図4参照)の逃げ穴として機能しうる。
立壁11cおよび立壁11dは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。立壁11cは、天壁11aおよび底壁11bのX方向の反対方向の端部の間に亘り、立壁11dは、天壁11aおよび底壁11bのX方向の端部の間に亘っている。立壁11cは、コネクタ10の左端部を構成し、立壁11dは、コネクタの右端部を構成している。
立壁11eは、Y方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びている。立壁11eは、天壁11aおよび底壁11bのY方向の反対方向の端部の間に亘っている。立壁11eは、コネクタ10の後端部を構成している。また、立壁11eには、コネクタ端子14が設けられている。
傾斜面11gは、天壁11aのY方向の端面に設けられている。傾斜面11gは、Y方向の反対方向に向かうにつれてZ方向(上方)へ向かうように傾斜している。そして、本実施形態では、傾斜面11gと可動部13の端部13a1との当接によって可動部13の突出位置P2から収納位置P1とは反対側、すなわち図2,3の回転中心Ax2回りの反時計回り方向への回転が制限される。これにより、可動部13が突出位置P2で保持される。傾斜面11gは、ストッパ部の一例である。
可動部13は、例えば、ベース壁13aと、ロック壁13bと、複数の端壁13c,13dと、を有している。ベース壁13aは、可動部13が収納位置P1に位置された状態では、立壁11eと平行に延びた板状に構成されている。ベース壁13aは、ベース部11のY方向の端面11hと傾斜面11gとの間の隙間(凹部)に収容されている。ベース壁13aは、ベース部11の端面11hとともにコネクタ10の前端部を構成している。
また、ベース壁13aには、傾斜面11g側の端部13a1を切り欠いた切欠部13eが設けられている。ベース壁13aは、可動部13が収納位置P1に位置された状態では、切欠部13eによってZ方向に向けて開放された略U字状に構成されている。切欠部13eは、例えば、ケーブル側コネクタ40のロックレバー41(図4,5参照)の逃げ穴として機能しうる。
図3に示されるように、端壁13cおよび端壁13dは、いずれも、X方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。端壁13cは、ベース壁13aのX方向の反対方向の端部と接続され、端壁13dは、ベース壁13aのX方向の端部と接続されている。
端壁13c,13dの端面は、例えば、ベース壁13aの端部13a1から当該端部13a1とは反対側の端部(ロック壁13b)に向かうにつれてベース壁13aから離れるように傾斜している。これにより、可動部13の剛性や強度が高められている。端壁13c,13dは、可動部13が収納位置P1に位置された状態では、立壁11c,11dの内側に収納される。
図4は、コネクタ10の斜視図であって、挿入口12にケーブル側コネクタ40が挿入された状態の図であり、図5は、図4のYZ断面図である。図4,5に示されるように、ロック壁13bは、ベース壁13aの傾斜面11gとは反対側の端部に設けられている。ロック壁13bは、ベース壁13aと交差(直交)し、ベース壁13aと端壁13c,13dとの間に亘っている。
ロック壁13bには、ベース壁13aとは反対側の端部を切り欠いた切欠部13fが設けられている。切欠部13fは、例えば、ケーブル側コネクタ40のロックレバー41の逃げ穴として機能しうる。ロック壁13bは、ロックレバー41に向けて開放された略U字状に構成されている。
また、ロック壁13bは、外面13b1と、内面13b2(図5参照)と、を有している。内面13b2は、ロックレバー41からX方向に沿って突出した突出部41aとY方向に面している。そして、本実施形態では、突出部41aとロック壁13bの内面13b2とが引っ掛かることによってケーブル側コネクタ40のコネクタ10に対するY方向への移動が制限される。
ロック壁13bは、ロック部の一例である。なお、ケーブル側コネクタ40をコネクタ10から取り外す場合には、ロックレバー41をZ方向の反対方向(下方)に押し下げることによって、突出部41aとロック壁13bの内面13b2とのロックを容易に解除することができる。
本実施形態では、可動部13は、上述した収納位置P1(図2参照)に位置された状態では、挿入口12(Y方向)に対して垂直な姿勢でベース部11およびベース筐体2の内部に収納されている。この状態では、可動部13が挿入口12の少なくとも一部を塞ぎ、かつロック壁13bが挿入口12内に隠れるため、ロックレバー41をロック不能である。
一方、可動部13は、突出位置P2(図3,4参照)に位置された状態では、ベース部11およびベース筐体2からY方向に突出し、挿入口12(Y方向)に対して平行以上の角度で保持される。すなわち、可動部13は、Y方向に向かうにつれてZ方向へ向かうように傾斜した姿勢、言い換えるとロックレバー41に沿うように傾斜した姿勢で保持されている。この状態では、可動部13が挿入口12を開放し、かつロック壁13bが挿入口12から露出するため、ロックレバー41をロック可能となる。
以上のように、本実施形態では、コネクタ10は、電子機器1のベース筐体2(筐体)の内部に設けられ当該ベース筐体2のY方向(第一方向)に露出しケーブル側コネクタ40の少なくとも一部が挿入される挿入口12、が設けられたベース部11と、ケーブル側コネクタ40のロックレバー41をロックするロック壁13b(ロック部)が設けられ、ロック壁13bがベース筐体2に収納された収納位置P1と、ロック壁13bがベース筐体2からY方向に突出しロックレバー41をロック可能な突出位置P2と、の間で移動可能にベース部11に支持された可動部13と、を備える。
このような構成によれば、例えば、可動部13に設けられたロック壁13bを利用してベース筐体2からY方向に突出した突出位置P2でロックレバー41をロックすることができる。その結果、例えば、ベース筐体2にロックレバー41を逃がすための切欠部を設けたり、ベース筐体2のZ方向の高さを増大してロックレバー41を逃がす空間を確保したりといった不都合が生じ難い。また、例えば、ロックレバー41を挿入口12のY方向の開方端(端面11h)よりもY方向に突出した突出位置P2でロックできるため、ケーブル側コネクタ40の挿入口12への挿入量ひいてはコネクタ10をY方向により小型(薄型)に構成することができる。
また、本実施形態では、可動部13は、収納位置P1と突出位置P2との間でY方向と交差したX方向(第二方向)に沿って延びた回転中心Ax2回りに回転可能に構成されている。
このような構成によれば、例えば、可動部13のロック壁13bによってロックレバー41を突出位置P2でロックできるコネクタ10を、比較的簡素な構成によって実現することができる。
また、本実施形態では、ベース部11には、可動部13との当接によって当該可動部13の突出位置P2から収納位置P1とは反対側への回転を制限する傾斜面11g(ストッパ部)が設けられている。
このような構成によれば、例えば、傾斜面11gによって可動部13を突出位置P2で保持することができる。よって、例えば、可動部13のロック壁13bとロックレバー41とのロック状態がより確実に得られやすい。
また、本実施形態では、傾斜面11gは、突出位置P2において可動部13をY方向に向かうにつれてZ方向(上方)へ向かうように傾斜した姿勢で保持している。
仮に、可動部13を突出位置P2においてY方向に沿った姿勢で保持した場合、ロックレバー41を逃がすために可動部13に比較的大きな切欠部13e,13fを設ける必要がある。その点、本実施形態によれば、可動部13が突出位置P2において傾斜した姿勢で保持されるため、ロックレバー41を逃がすための切欠部13e,13fが比較的小さく構成されやすく、ひいては可動部13の剛性や強度が確保されやすい。
また、本実施形態では、電子機器1は、コネクタ10と、コネクタ10が設けられLANケーブル42(通信ケーブル)のケーブル側コネクタ40と接続可能なベース筐体2(筐体)と、を備えている。
このような構成によれば、例えば、コネクタ10を利用してベース筐体2からY方向に突出した突出位置P2でロックレバー41をロックすることができる。その結果、例えば、ベース筐体2にロックレバー41を逃がすための切欠部を設けたり、ベース筐体2のZ方向の高さを増大してロックレバー41を逃がす空間を確保したりといった不都合が生じ難い。
[変形例]
図6は、変形例のコネクタ10Aの斜視図であって、可動部13が収納位置P1に位置された状態の図であり、図7は、コネクタ10Aの斜視図であって、可動部13が突出位置P2に位置された状態の図である。コネクタ10Aは、上記実施形態のコネクタ10と同様の構成を備えている。よって、コネクタ10Aは、当該同様の構成に基づく上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
ただし、本変形例では、図6,7に示されるように、可動部13が収納位置P1と突出位置P2との間でY方向に沿ってスライド可能に構成されている点が、上記実施形態と相違している。本変形例では、コネクタ10Aは、例えば、ベース部11と、可動部13と、コネクタ端子14と、可動アーム15と、を備えている。可動アーム15は、接続機構の一例である。
ベース部11は、上記実施形態と同様にベース筐体2の内部に固定されている。ベース部11には、Y方向に向けて開放された挿入口12が設けられている。挿入口12は、ベース筐体2の側壁2fからY方向に露出し、ケーブル側コネクタ40(図8参照)の少なくとも一部が挿入される。
可動部13は、ベース部11の天壁11aにY方向に沿ってスライド可能に支持されている。可動部13は、後述する可動アーム15の回転中心Ax3回りの回転に連動して、収納位置P1(図6参照)と、突出位置P2(図7参照)と、の間で移動可能に構成されている。
図8は、コネクタ10Aの斜視図であって、挿入口12にケーブル側コネクタ40が挿入された状態の図であり、図9は、コネクタ10Aの可動部13の斜視図である。図8,9に示されるように、可動部13は、例えば、ベース壁13aと、取付壁13iと、スライドピン13kと、を有している。
ベース壁13aは、ベース部11の天壁11aと平行に延びた板状に構成されている。ベース壁13aは、可動部13が収納位置P1に位置された状態では、ベース部11とベース筐体2の上壁2aとの間のスペースに収納される。ベース壁13aは、コネクタ10Aの上端部を構成している。
また、ベース壁13aには、Y方向の端部を切り欠いた切欠部13hが設けられている。切欠部13hの内面(縁部)は、ロックレバー41の突出部41aと面したロック面13h1を有している。本変形例では、突出部41aとロック面13h1とが引っ掛かることによってケーブル側コネクタ40のコネクタ10Aに対するY方向への移動が制限される。
ロック面13h1は、ロック部の一例である。なお、ケーブル側コネクタ40をコネクタ10Aから取り外す場合には、ロックレバー41をZ方向の反対方向(下方)に押し下げることによって、突出部41aとロック面13h1とのロックを容易に解除することができる。
図10は、可動部13の斜視図であって、図9とは異なる角度から見た図であり、図11は、図7のYZ断面図である。図10,11に示されるように、取付壁13iは、例えば、ベース壁13aのX方向の両端部に設けられている。取付壁13iは、ベース壁13aからZ方向の反対方向に突出し、天壁11aに設けられた開口部11j(図7,11参照)に挿入されている。取付壁13iは、開口部11j内をY方向に沿ってスライド可能に支持されている。開口部11jは、挿入口12と連通している。
また、取付壁13iには、それぞれ長穴13jが設けられている。長穴13jは、取付壁13iをX方向に貫通し、Z方向に縦長に延びている。長穴13jには、可動アーム15の突出部15b(図11参照)が挿入される。可動部13は、長穴13jの内面(縁部)が可動アーム15の突出部15bによって押圧されることによりY方向に沿ってスライド移動する。
スライドピン13kは、長穴13jのY方向に隣接して設けられている。スライドピン13kは、取付壁13iからX方向またはX方向の反対方向に突出し、立壁11c,11dに設けられた溝部11i(図7,11参照)に挿入されている。スライドピン13kは、溝部11i内をY方向に沿ってスライド可能に支持されている。溝部11iは、上述した開口部11jとX方向に連通している。溝部11iは、レール等とも称される。
可動アーム15は、例えば、アーム部15aと、突出部15bと、を有している。突出部15bは、アーム部15aのZ方向の端部に設けられている。突出部15bは、アーム部15aからX方向またはX方向の反対方向に突出し、上述した取付壁13iの長穴13j内に挿入されている。突出部15bは、ピンや、伝達部等とも称される。
アーム部15aは、ベース部11の立壁11c,11dにX方向に沿って延びる回転中心Ax3を有したヒンジを介して回転可能に支持されている。アーム部15aは、ヒンジの回転中心Ax3回りに回転することで、収納位置P1に対応した第一位置(図6参照)と、突出位置P2に対応した第二位置(図7,11参照)と、の間で移動可能である。
アーム部15aは、挿入口12内に設けられ、ケーブル側コネクタ40と面している。本変形例では、アーム部15aがケーブル側コネクタ40にY方向の反対方向に押圧されることによって、突出部15bが可動部13を収納位置P1から突出位置P2へと移動させるよう、構成されている。突出部15bおよび取付壁13iの長穴13jは、回転直動変換機構等とも称される。
なお、コネクタ10Aには、例えば、アーム部15aを突出位置P2に対応した第二位置(図11参照)から収納位置P1に対応した第一位置(図6参照)側へ向けて付勢するコイルスプリング等の付勢部材が設けられてもよい。これにより、ケーブル側コネクタ40をコネクタ10Aから取り外した場合に、可動アーム15を自動的に第二位置(図11参照)から第一位置(図6参照)へと復帰させることができる。
以上のように、本変形例では、コネクタ10Aは、挿入口12が設けられたベース部11と、ロックレバー41をロックするロック面13h1(ロック部)が設けられ、ロック面13h1がベース筐体2に収納された収納位置P1と、ロック面13h1がベース筐体2からY方向に突出しロックレバー41をロック可能な突出位置P2と、の間で移動可能にベース部11に支持された可動部13と、を備える。よって、本変形例によっても、上記実施形態のコネクタ10と同様の作用効果を得ることができる。
また、本変形例では、可動部13は、収納位置P1と突出位置P2との間でY方向に沿ってスライド可能に構成されている。
このような構成によれば、例えば、可動部13のロック面13h1によってロックレバー41を突出位置P2でロックできるコネクタ10Aを、比較的簡素な構成によって実現することができる。
また、本変形例では、挿入口12内に設けられ、ケーブル側コネクタ40にY方向の反対方向に押圧されることにより可動部13を収納位置P1から突出位置P2へと移動させる可動アーム15を備えている。
このような構成によれば、例えば、可動アーム15によってケーブル側コネクタ40の挿入口12への挿入に連動して可動部13を収納位置P1から突出位置P2へと移動させることができる。よって、例えば、ユーザーが手で可動部13を収納位置P1から突出位置P2へと移動させる作業が不要となり、ひいてはケーブル側コネクタ40の取付作業に要する手間が減りやすい。
また、本変形例では、可動部13は、ロック面13h1が設けられたベース壁13aと、ベース壁13aから挿入口12内に突出し長穴13jが設けられた取付壁13iと、を有し、可動アーム15は、ベース部11にX方向(第二方向)に沿って延びた回転中心Ax3回りに回転可能に支持されたアーム部15aと、アーム部15aから突出し長穴13j内に挿入された突出部15bと、を有している。
このような構成によれば、例えば、突出部15bと取付壁13iの長穴13jとによって、可動アーム15の回転中心Ax3回りの回転を可動部13のY方向に沿った直動に変換することができる。また、例えば、長穴13jによってアーム部15aの回転中心Ax3回りの回転に伴う突出部15bのZ方向の移動(上下動)を吸収することができる。
以上、本発明の実施形態および変形例が例示されたが、上記実施形態および変形例は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態および変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。