JP6939614B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法の概要について説明する。図1は、本実施形態に係る方法にて製造される合金化溶融亜鉛めっき鋼板を厚み方向に切断した断面の一部を示す模式図である。
まず、合金化溶融亜鉛めっき鋼板1の母材である鋼板10の組成について説明する。以下では特に断りがない限り、「%」とは、「質量%」を示し、鋼板10の各成分の割合は、鋼板10の総質量に対する割合で示す。なお、鋼板10において、以下で説明する各成分を除いた残部は、鉄(Fe)及び不純物である。
C(炭素)は、鋼中に必然的に含有される元素である。Ti(チタン)及びNb(ニオブ)等が添加された極低炭素鋼板では、加工性を重視するため、C含有量は少ないほどよい。ただし、C含有量を過度に少なくした場合、鋼中の介在物が増加することで、鋼板10の伸び性に悪影響を及ぼすため、鋼板10中のC含有量の下限は0.001%とする。また、Cは、鋼板10の強度の増加に寄与する元素である。例えば、鋼板の引張強度を340MPa以上にするためには、C含有量は、0.01%以上とすることが好ましい。しかし、C含有量が0.35%を超える場合、鋼板10の溶接性が劣化するため、C含有量の上限は、0.35%とする。したがって、鋼板10中のC含有量は、0.001%以上0.35%以下であり、0.01%以上0.35%以下が好ましく、0.01%以上0.25%以下がより好ましい。
Si(ケイ素)は、鋼板10の延性を維持又は増加させつつ、かつ鋼板10の強度を向上させる元素である。Si含有量が0.001%未満である場合、鋼板10に対して要求される引張強度を実現することが困難になるため、鋼板10中のSi含有量の下限は、0.001%とする。また、Si含有量が2.5%を超える場合、本発明を適用しても十分な合金化速度の向上が得られなくなるため、鋼板中のSi含有量の上限は、2.5%とする。さらに、TRIP(Transformation Induced Plasticity)効果によって延性をさらに増加させるためには、鋼板10中のSi含有量は、0.3%以上とすることが好ましく、0.6%以上とすることがより好ましい。したがって、鋼板10中のSi含有量は、0.001%%以上2.5%以下であり、0.3%以上2.5%以下が好ましく、0.6%以上2.5%以下がより好ましい。
P(リン)は、固溶強化元素であり、鋼板10の強度の増加に有効であるものの、Siと同様に、溶融亜鉛めっきと鋼板10との合金化を遅延させる元素である。鋼板10中のP含有量が0.020%未満である場合、鋼板10に対して要求される引張強度を実現することが困難になるため、好ましくない。また、鋼板10中のP含有量が0.1%を超える場合、本発明を適用しても十分な合金化速度の向上が得られなくなるため、好ましくない。したがって、鋼板10中のP含有量は、0.020%以上0.1%以下であることが好ましい。
Mn(マンガン)は、鋼板10の強度増加に寄与する元素である。例えば、鋼板10の引張強度を340MPa以上にするためには、鋼板10中のMn含有量は、0.3%以上とすることが好ましい。ただし、Mn含有量が3.0%を超える場合、転炉における鋼の溶解及び精錬が困難になり、かつ鋼板10の溶接性が劣化する可能性があるため、鋼板10中のMn含有量は、3.0%以下とすることが好ましい。したがって、鋼板10の曲げ性の低下を抑制し、かつ鋼板10の強度を増加させるためには、鋼板10中のMn含有量は、0.3%以上3.0%以下とすることが好ましい。なお、鋼板10の引張強度を980MPa以上にするためには、鋼板10中のMn含有量は、例えば、1.8%以上3.0%以下とすることが好ましい。
S(硫黄)は、鋼中に含有される不純物元素である。鋼板10の曲げ性及び溶接性を維持する観点から、鋼板10中のS含有量は少ないほど好ましい。鋼板10中のS含有量は、0.010%以下が好ましく、0.005%以下がより好ましく、0.003%以下がさらに好ましい。
N(窒素)は、鋼中に含有される不純物元素である。鋼板10の曲げ性を維持する観点から、鋼板10中のN含有量は少ないほど好ましい。鋼板10中のN含有量は、0.0060%以下が好ましく、0.004%以下がより好ましい。
Al(アルミニウム)は、鋼の脱酸工程で添加される元素であり、鋼板10中にはsol.Al(酸可溶性アルミニウム)として含有される。Alは、炭窒化物を形成するTi等の元素の歩留まりを向上させるために有効な元素であるが、鋼板10中のSi含有量が0.2%以上である場合、必ずしも含有しなくともよい。これは、鋼板10中のSiを十分に内部酸化させるためには、酸素を消費するsol.Al含有量は少ない方が好ましいためである。鋼板10中のsol.Al含有量は、0.8%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、0.01%未満がさらに好ましい。
Cr(クロム)、Ti(チタン)、V(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)及びB(ホウ素)は、必要に応じて、鋼板10中に1種又は2種以上含有される任意元素である。これらの元素を鋼板10中に含有させることにより、例えば、強度、穴広げ性又は伸び性等の鋼板10の諸特性を向上させることができる。
続いて、合金化溶融亜鉛めっき鋼板1のめっき層20の組成について説明する。
次に、本実施形態に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。
焼鈍工程:冷間圧延した鋼板10を焼鈍する工程
めっき工程:焼鈍した鋼板10を溶融亜鉛めっき浴へ浸漬し、鋼板10の表面にめっき層20を形成する工程
合金化工程:めっき層20が形成された鋼板10を加熱し、鋼板10とめっき層20とを合金化する工程
冷延工程では、鋼板10の表層に強いせん断歪みを導入しつつ、鋼板10を所望の厚さまで冷間圧延する。具体的には、冷延工程では、熱間圧延よりも低い温度下で、鋼板10を圧延することで、鋼板10をさらに薄板化する。ただし、鋼板10の表層に強いせん断歪みを導入するために、冷延工程における圧延の少なくとも1回以上は、下記の式1及び式2を満たす圧延ロールによって行われる。下記の式1及び式2を満たす圧延ロールによる圧延によれば、圧延前後で鋼板10の板形状を急激に変化させることができるため、鋼板10の表層に強いせん断歪みを導入することができる。
焼鈍工程では、冷間圧延された鋼板10を還元雰囲気下で焼鈍する。焼鈍時の雰囲気は、例えば、水素濃度が3体積%以上12体積%以下であり、露点が−40℃以上20℃以下である窒素−水素混合の還元雰囲気としてもよい。焼鈍時の雰囲気の水素濃度を低くすることにより、露点の上昇を緩和することができるため、雰囲気の水素濃度は、3体積%以上12体積%以下とすることが好ましく、3体積%以上8体積%以下とすることがより好ましい。また、焼鈍時の雰囲気の露点は、−30℃以上10℃以下が好ましく、−20℃以上10℃以下がより好ましい。なお、焼鈍時の雰囲気には、さらに不純物ガスとして、H2O、CO2、CO、CH4等が微量含まれてもよい。
めっき工程では、めっき浴の総質量に対して0.10%以上0.20%以下のAlを少なくとも含有し、残部がZnである溶融亜鉛めっき浴へ、還元焼鈍後の鋼板10を浸漬することで、鋼板10の表面(例えば、両主面)にめっき層20を形成する。
合金化工程では、めっき層20が形成された鋼板10を、例えば、480℃以上600℃以下の温度で加熱することで、鋼板10とめっき層20との合金化を進行させる。ただし、鋼板10及びめっき層20を過度に高温で合金化させた場合、硬度が高いFeZn合金であるΓ相及びΓ1相が形成され、耐パウダリング性が低下する可能性がある。したがって、鋼板10の加熱温度は、600℃以下が好ましく、550℃以下がより好ましく、530℃以下がさらに好ましい。鋼板10の加熱温度の下限は、特に限定されないが、例えば、480℃としてもよい。合金化工程において、鋼板10を加熱する手段は、特に制限されず、輻射加熱、高周波誘導加熱又は通電加熱等のいずれを用いることも可能である。
10 鋼板
11 凹部
20 めっき層
101、102、201、202 圧延ロール
310、330 供給ロール
320、340 巻取ロール
401、402、403 圧延機
Claims (3)
- 前記熱延酸洗後の鋼板を冷間圧延する工程は、前記式1及び式2を満たす圧延ロール以外の圧延ロールによる圧延をさらに含む、請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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