JP6928888B2 - 現像装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
上方の現像剤収容部内の現像剤を回転軸心方向の一方の方向に向けて搬送する供給スクリュ等の第一現像剤搬送部材と、下方の現像剤収容部内の現像剤を回転軸心方向の他方の方向に向けて搬送する攪拌スクリュ等の第二現像剤搬送部材を備えている。また、下方から上方の現像剤収容部に現像剤を持ち上げる持ち上げ部も備えている。
下方の現像剤収容部(回収搬送経路)に設けた第二現像剤搬送部材(回収スクリュ)の現像剤搬送方向下流側程、回転軸心方向に直交する方向に現像剤を搬送する力(搬送力)が大きくなる部材(パドル)を第二現像剤搬送部材の持ち上げ部近傍に設けている。
このように現像装置を構成することで、持ち上げ部(受け渡し部)での現像剤の円滑な受け渡しが行えるとされている。
現像剤収容部が鉛直方向上下に複数配置された現像装置は、現像剤収容部が水平方向に複数配置された現像装置の現像剤の受け渡し部に比べて、下方から上方の現像剤収容部に現像剤を持ち上げる受け渡し部である持ち上げ部での現像剤の剤圧が上昇し易い。
このため、各現像剤収容部の現像剤搬送部材の駆動を開始した直後に、持ち上げ部で、急激に現像剤の剤圧が上昇してしまい、現像剤収容部が水平方向に配置された現像装置の現像剤の受け渡し部よりも、現像剤の詰まりや凝集が発生し易いという問題である。
図1は、本実施形態に係る複写機500の概略構成図である。
プリンタ部200は、4つの作像部(プロセスユニット)としてのプロセスカートリッジ1Y,M,C,K、複数の張架ローラに張架されて図1図中の矢印A方向に移動する中間転写体としての中間転写ベルト7、定着手段としての定着装置12等を備えている。また、プロセスカートリッジ1Y,M,C,Kにそれぞれ有したドラム状の感光体2Y,M,C,Kに、静電潜像を書き込む露光手段としての露光装置6Y,M,C,Kを、各プロセスカートリッジに対応して設けている。
また、各プロセスカートリッジ1の構成は、用いるトナーの色が異なるだけで、その基本構成は同様である。このため、図1では、プロセスカートリッジ1Yのみ、感光体2、帯電装置3、現像装置4、及び感光体クリーニング装置5のみ、対応するトナーの色を示すY,M,C,Kの添え字を除いた符合を付している。
プロセスカートリッジ1は、像担持体(潜像担持体)であるドラム状の感光体2、帯電手段である帯電装置3、現像手段である現像装置4、及び、クリーニング手段である感光体クリーニング装置5を一体的に支持してユニット状とした構成となっている。各プロセスカートリッジ1は、それぞれストッパーを解除することにより、複写機500本体(プリンタ部200)に対して着脱可能となっている。
帯電装置3は、ローラ状の帯電ローラを有し、帯電ローラが感光体2の表面に圧接されており、感光体2の回転により従動回転する。作像時には、帯電装置3には高圧電源により所定のバイアスが印加され、感光体2の表面を帯電する。
本実施形態のプロセスカートリッジ1は、帯電手段として、感光体2の表面に接触するローラ状の帯電装置3を用いているが、帯電手段としてはこれに限るものではなく、コロナ帯電などの非接触帯電方式を用いてもよい。
また、感光体クリーニング装置5は、中間転写ベルト7と対向する位置を通過した感光体2の表面上に残留する転写残トナーを感光体2の表面上に当接させたクリーニングブレード5aで掻き落としてクリーニングを行う(図2参照)。
一次転写ローラ8には高圧電源により一次転写バイアスが印加され、感光体2との間で一次転写電界を形成する。そして、感光体2と一次転写ローラ8との間で一次転写電界が形成されることにより、感光体2の表面上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7の表面に転写される。
中間転写ベルト7を張架する複数の張架ローラのうちの一つが駆動モータによって回転することで、中間転写ベルト7が図1図中の矢印A方向に表面移動する。この表面移動する中間転写ベルト7の表面上に各色のトナー像が順次重ねて転写されることで、中間転写ベルト7の表面上にフルカラー画像が形成される。
また、給紙部300から給紙され、図1図中の矢印S方向に搬送される記録材である用紙Pが二次転写ニップを通過する。このとき、中間転写ベルト7の表面上に形成されたフルカラー画像が、二次転写ローラ9と二次転写対向ローラ9aとの間に形成された二次転写電界によって用紙Pに転写される。
一方、二次転写ニップで用紙Pに転写されず中間転写ベルト7の表面上に残留したトナーは、転写ベルトクリーニング装置11によって回収される。
各色トナーボトル50に収容されたトナーは、各色に対応するトナー補給装置によって、各色の現像装置4に供給される。
図2は、プロセスカートリッジ1の断面構成についての説明図である。
本実施形態のプロセスカートリッジ1は現像装置4、感光体2、帯電装置3、及び感光体クリーニング装置5から構成され、感光体2、帯電装置3、感光体クリーニング装置5は感光体ユニットとして一体となっている。
また、露光装置6は発光素子としてLEDアレイが用いられており、感光体2上の長手方向の画像領域全域を露光できるように配置されている。
供給部105と攪拌部107にはそれぞれ、現像剤搬送部材である供給スクリュ106と攪拌スクリュ108が配置され現像剤を循環させている。
現像ローラ102は、現像スリーブ102aとマグネットローラ102bから構成され、その直径はφ16である。供給部105の供給スクリュ106によって現像部101内の現像ローラ102近傍まで搬送された現像剤は磁力によって現像ローラ102に吸着され、層厚規制部材103によって所望の層厚(搬送量)に規制させた後、現像領域まで搬送される。
層厚規制部材103には磁性体の金属丸棒を用いており、現像ローラ102と一定の間隔を設けて現像ケース100に固定されている。
現像装置4内に戻される現像剤が作る磁気ブラシによって、現像ケース100との間で現像装置4内に吸い込む気流を発生させる。この気流によって現像に使用されなかったトナーの飛散を防ぐことができる。このとき、現像装置4内の内圧が上昇するため、圧抜きフィルター104も配置されている。
現像装置に用いられる現像剤は、安定したトナー画像を得るために、一定のトナー濃度と帯電量を維持する必要がある。トナー濃度は現像で消費したトナーと補給トナー量により調整され、帯電量はキャリアとトナーとの混合時の摩擦帯電により付与される。
キャリアに吸着したトナーは、現像領域において、現像剤担持体である現像ローラと像担持体との間に形成された電界の影響を受け、像担持体上の静電潜像(画像部)に付着する。このときの現像領域の電界から受ける力がキャリアとの静電気力を上回り、トナーがキャリアから離れて像担持体側に飛翔する。
しかし、近年、画像形成装置本体の小型化の要求が強くなっている。フルカラーの画像形成装置では現像装置を複数配置するため現像装置自体の小型化の必要性が強く、小型化の手法の一つとして、トナー攪拌部とトナー供給部を略鉛直方向に縦配置する構成がとられている。これは上述した攪拌部と供給部を略鉛直方向に配置することで現像装置の幅を小さくすることができ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の各色の現像装置(現像ユニット)間の間隔を小さく配置することができるメリットがある。
攪拌部と供給部を略鉛直方向に配置する構成では現像剤の受け渡しを円滑にし、現像剤の滞留を抑制しなくてはならない。そのための工夫が以前より考えられている。
下方の現像剤収容部(回収搬送経路)に設けた第二現像剤搬送部材(回収スクリュ)の現像剤搬送方向下流側程、回転軸心方向に直交する方向に現像剤を搬送する力(搬送力)が大きくなる部材(パドル)を第二現像剤搬送部材の持ち上げ部近傍に設けている。
このように現像装置を構成することで、持ち上げ部(受け渡し部)での現像剤の円滑な受け渡しが行えるとされている。
現像剤収容部が鉛直方向上下に配置された現像装置は、現像剤収容部が水平方向に配置された現像装置の現像剤の受け渡し部に比べて、下方から上方の現像剤収容部に現像剤を持ち上げる持ち上げ部での現像剤の剤圧が上昇し易い。
このため、各現像剤収容部の現像剤搬送部材の駆動を開始した直後に、持ち上げ部で、急激に現像剤の剤圧が上昇してしまい、現像剤収容部が水平方向に配置された現像装置の現像剤の受け渡し部よりも、現像剤の詰まりや凝集が発生し易いという問題である。
そこで、発明者らは、本実施形態の現像装置4を、以下に説明するように構成することとした。
まず、プロセスカートリッジ1の斜視説明図を用いて説明する。
図3は、プロセスカートリッジ1の斜視説明図である。そして、図3(a)が、複写機500に装着するときの装着方向奥側から見たプロセスカートリッジ1の斜視説明図、図3(b)が、複写機500に装着するときの装着方向手前側から見たプロセスカートリッジ1の斜視説明図である。図4は、現像ローラ102への供給部105からの現像剤の供給状態の断面説明図、図5は、縦2軸循環型の現像装置4の構成についての長手方向の断面説明図、図6は、縦2軸循環型の現像装置4の持ち上げ領域109aの断面説明図である。
そして、複写機500本体に取り付けられた駆動モータで、図3(a)に示す駆動入力ギアである入力ギア121を回転させることで現像装置4を駆動している。
このように接続している理由は、図4に示すように、現像ローラ102と供給スクリュ106の回転方向を一致させ、現像ローラ102への現像剤の供給性を高めるためである。同一方向の回転にすることで、より現像ローラ102に近い位置に現像剤を搬送できる。
そして、図3(a)に示すように、入力ギア121は、現像ローラギア122と駆動する供給入力ギア123に接続される。また、図3(b)に示すように、供給スクリュ106の回転軸の他端側に設けられた供給出力ギア124から、アイドラギアである伝達ギア125を介して、攪拌スクリュ108を駆動する攪拌入力ギア126に、供給スクリュ106の回転駆動力が伝達される。
各連通部の開口径は長手方向を25[mm]、図5図中、紙面に垂直な幅方向を10[mm]とした長方形としている。
そして、供給スクリュ106と攪拌スクリュ108により、図5図中の矢印方向に現像剤を搬送することで、供給部105と攪拌部107の間で現像剤を循環させている。
現像ローラ102上で現像に使用された現像剤は現像ローラ102上に形成された反発磁力によって供給部105に再び戻され、図5図中左側の連通部である落下部開口110を通して攪拌部107まで搬送される。
供給部105に設けた供給スクリュ106はスクリュ外径がφ15[mm]で、図6に示す持上げ領域109aの回転軸の軸径がφ6[mm]、その他の部分はφ8[mm]としている。攪拌部107に設けた攪拌スクリュ108はスクリュが外径φ15[mm]で、軸径はφ6[mm]としている。また、供給スクリュ106及び攪拌スクリュ108の長さはいずれも290[mm]としている。但し、供給スクリュ106はリード長45mmで条数は3条、攪拌スクリュ108はリード長28mmで条数は2条としている。
そして、現像装置4では、供給スクリュ106と攪拌スクリュ108は同一の回転数で駆動させている。
現像装置4に設けた回転体である現像ローラ102、供給スクリュ106、及び攪拌スクリュ108の駆動列を上述したように構成することで、図6図中の矢印A・Bに示すように、供給スクリュ106と攪拌スクリュ108の回転方向を一致させることができる。このように供給スクリュ106と攪拌スクリュ108の回転方向を一致させることで、攪拌スクリュ108によって持上げられた現像剤は素早く供給スクリュ106によって供給部105側に取り込まれる。
図7は、供給スクリュ106及び攪拌スクリュ108の回転方向による現像剤の滞留の抑制についての説明図であり、図7(a)が順方向回転させた場合の説明図、図7(b)が逆方向回転させた場合の説明図である。
したがって、供給スクリュ106と攪拌スクリュ108の回転方向を一致させることで、攪拌スクリュ108によって持上げられた現像剤を、素早く供給スクリュ106によって供給部105側に取り込まれることとなる。
したがって、供給入力ギア123で回転駆動される供給スクリュ106が、攪拌入力ギア126で回転駆動される攪拌スクリュ108に比べ僅かに駆動開始が早くなる。
このため、持ち上げ領域109aの現像剤が駆動開始直後に緩むことで、駆動直後に持ち上げ領域109aでの現像剤の急激な剤圧上昇を抑制し、現像剤の固着や凝集を防ぐことができる。また、現像剤を現像ローラ102に供給する供給スクリュ106は現像ローラ102と同時に駆動されるため、現像ローラが先に回転開始して瞬間的に現像ローラの汲み上げ量が減少してしまう供給不良は発生しない。また、現像ローラの汲み上げが変動するとトナー飛散やスリーブのトナー汚れが発生し、蓄積すると画像不良になる可能性があるため、これらの理由からも、現像ローラと供給スクリュの駆動は同時に行われることが好ましい。
上述したように、現像装置4の駆動開始直後、攪拌部107による現像剤の持上げよりも先に供給部105の現像剤を緩めることで、持ち上げ領域109aにおける急激な剤圧の上昇を抑制することができる。しかも、上述した現像剤を緩める効果は、同一回転数のときにスクリュ形状の羽根の通過回数が多くなる条数が多いもののほうが、軸方向の搬送効率がアップするため、上述した持ち上げ領域109aにおける急激な剤圧の上昇を抑制する効果を得やすくなる。
図8は、現像装置4の持ち上げ領域109aの供給部105と攪拌部107の説明図である。
図8に示すように、現像装置4の持ち上げ領域109aは、現像装置4の長手方向一端側に設けた持ち上げ部開口109の上下に形成される。
持ち上げ部開口109の上方にある供給部105の部分が上部領域109b、持ち上げ部開口109の下方にある攪拌部107の部分が下部領域109cとなり、部開口109の領域、上部領域109b、及び下部領域109cで持ち上げ領域109aを構成する。
このため、現像装置4では、持ち上げ領域109aは、上方の供給部105の上部領域109bと、下方の攪拌部107の下部領域109cとを有し、供給部105の上部領域109bの容積は、攪拌部107の下部領域109cの容積よりも大きくなっている。
このように構成することで、現像装置4の駆動開始直後に、下方の攪拌部107の下部領域109cから持ち上がってくる現像剤の体積によりも、上方の供給部105の上部領域109bの空間の容積が大きくなる。これにより、上方の上部領域109bと下方の下部領域109cを有した持ち上げ領域109aにおける現像剤の移動が円滑に行われる。
そして、現像装置4に回転駆動力を入力する入力ギア121は、供給スクリュ106を回転駆動する供給入力ギア123に接続され、攪拌スクリュ108を回転駆動する攪拌入力ギア126には、供給入力ギア123を介して回転駆動力が伝達される。
攪拌スクリュ108を回転駆動する攪拌入力ギア126には、供給入力ギア123を介して回転駆動力が伝達される。このため、現像装置4の駆動開始時に、上方の供給部105に設けた供給スクリュ106が下方の攪拌部107の攪拌スクリュ108よりも、僅かではあるが回転開始が早い。このように、攪拌スクリュ108よりも先に供給スクリュ106を回転駆動させることで、持ち上げ領域109aの上部領域109bの現像剤を緩めた後、持ち上げ領域109aの下部領域109cの現像剤を持ち上げることができる。これにより、駆動開始直後の持ち上げ部での急激な現像剤の剤圧上昇を抑制することが可能となる。
よって、現像剤収容部が鉛直方向上下に配置された現像装置の持ち上げ領域109aで、駆動開始直後の現像剤の剤圧上昇による、現像剤の詰まりや凝集の発生を抑制できる現像装置4を提供できる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
現像ローラ102に現像剤を供給する機能を供給スクリュ106に持たせた構成では、供給スクリュ106と現像ローラ102の回転駆動開始のタイミングを一致させることができ、現像ローラ102への現像剤の供給不良の発生を抑制できる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
供給スクリュ106と攪拌スクリュ108が異なる方向に回転する構成では、上方に設けた供給スクリュ106の羽根形状で、下方に設けた攪拌スクリュ108で持ち上げた現像剤の一部を叩き落としてしまう。一方、供給スクリュ106と攪拌スクリュ108が同一方向に回転する構成では、上方に設けた供給スクリュ106の羽根形状で、下方に設けた攪拌スクリュ108で持ち上げた現像剤の一部をすくい上げることができる。
したがって、持ち上げ領域109aにおける、下方の攪拌部107から上方の供給部105への現像剤の移動を、供給スクリュ106と攪拌スクリュ108との回転方向を異ならせた構成よりも、円滑におこなうことができる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
簡易な構成で、供給スクリュ106と攪拌スクリュ108の回転方向を同一の方向にできる。
アイドラギアである伝達ギア125を設けた側は、伝達ギア125とその軸受け、及び供給スクリュ106や攪拌スクリュ108の回転軸と軸受け部に設けたシール部材との摺動で温度が上昇し易い。このように温度が上昇し易い伝達ギア125を設ける側を、現像剤が満たされた状態で移動する持ち上げ領域109a側としている。このように構成することで、伝達ギア125を設けた側で生じた熱を、持ち上げ領域109aに満たされた現像剤により、現像装置4の長手方向全体に分散させることができる。
したがって、伝達ギア125を設けた側で局所的な温度上昇が生じて、伝達ギア125を設けた側のシール部材の近傍で、現像剤に含まれるトナーの凝集や、供給部105や攪拌部107、シール部材等へのトナーの固着が発生することを抑制することができる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
供給スクリュ106を介して回転駆動される攪拌スクリュ108の攪拌入力ギア126のあそびを最大限利用することができ、回転駆動開始時の攪拌スクリュ108に対する供給スクリュ106の回転開始タイミングを、逆回転動作を行わない構成よりも早くできる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
現像装置4の駆動開始直後に、下方の攪拌部107の下部領域109cから持ち上がってくる現像剤の体積によりも、上方の供給部105の上部領域109bの空間の容積が大きくなる。これにより、上方の上部領域109bと下方の下部領域109cを有した持ち上げ領域109aにおける現像剤の移動が円滑に行われる。
このように構成することで、次のような効果を奏することができる。
攪拌スクリュ108のスクリュ形状により、下方の攪拌部107の下部領域109cから現像剤が持ち上げられる回数よりも、供給スクリュ106のスクリュ形状により、上方の供給部105の上部領域109bから現像剤が軸方向に搬送される回数の方が多くなる。
また、同一回転数であれば、条数が多いほうが現像剤を崩しやすく、供給スクリュ106のスクリュ形状の条数が攪拌スクリュ108のスクリュ形状の条数より大きい構成の方が駆動直後の現像剤の剤圧上昇を抑制する効果を高めることができる。
したがって、上方の供給部105の上部領域109bに空間がある状態で、下方の攪拌部107の下部領域109cから現像剤の持ち上げが行われることとなる。このため、供給スクリュ106のスクリュ形状の条数が、攪拌スクリュ108のスクリュ形状の条数よりも大きくない構成に比べて、駆動直後の現像剤の剤圧上昇をさらに抑制できる。
このように構成することで、上述したいずれかの現像装置4と同様な効果を奏することができるプロセスカートリッジ1を提供できる。
このように構成することで、上述したいずれかの現像装置4、又は上述したプロセスカートリッジ1と同様な効果を奏することができる複写機500を提供できる。
例えば、プリンタ、ファクシミリや、プリンタ、ファクシミリ、複写機、及びスキャナ等の機能を兼ね備えた複合機等にも、適用可能である。
(態様A)
鉛直方向上下に設けられた供給部105や攪拌部107などの現像剤収容部と、供給部105などの上方の現像剤収容部内の現像剤を回転軸心方向の一方の方向に向けて搬送する供給スクリュ106などの第一現像剤搬送部材と、攪拌部107などの下方の現像剤収容部内の現像剤を回転軸心方向の他方の方向に向けて搬送する攪拌スクリュ108などの第二現像剤搬送部材と、下方から上方の現像剤収容部に現像剤を持ち上げる持ち上げ領域109a(持ち上げ部開口109)などの持ち上げ部と、を備えた現像装置4などの現像装置において、当該現像装置に回転駆動力を入力する入力ギア121などの駆動入力ギアは、前記第一現像剤搬送部材を回転駆動する供給入力ギア123などの第一駆動ギアに接続され、前記第二現像剤搬送部材を回転駆動する攪拌入力ギア126などの第二駆動ギアには、前記第一駆動ギアを介して回転駆動力が伝達されることを特徴とする。
第二現像剤搬送部材を回転駆動する第二駆動ギアには、第一駆動ギアを介して回転駆動力が伝達される。このため、現像装置の駆動開始時に、上方の現像剤収容部に設けた第一現像剤搬送部材が下方の現像剤収容部の第二現像剤搬送部材よりも、僅かではあるが回転開始が早い。このように、第二現像剤搬送部材よりも先に第一現像剤搬送部材を回転駆動させることで、持上げ部の持ち上げ領域109aなどの上部の現像剤を緩めた後、持ち上げ部の下部領域109cなどの下部の現像剤を持ち上げることができる。これにより、駆動開始直後の持ち上げ部での急激な現像剤の剤圧上昇を抑制することが可能となる。
よって、現像剤収容部が鉛直方向上下に配置された現像装置の持ち上げ部で、駆動開始直後の現像剤の剤圧上昇による、現像剤の詰まりや凝集の発生を抑制できる現像装置を提供できる。
(態様A)において、現像剤を担持して現像領域まで搬送する現像ローラ102などの現像剤担持体を備え、前記駆動入力ギアは、前記現像剤担持体を回転駆動する現像ローラギア122などの現像駆動ギアと、前記第一駆動ギアとに接続されていることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
現像剤担持体に現像剤を供給する機能を第一現像剤搬送部材に持たせた構成では、第一現像剤搬送部材と現像剤担持体の回転駆動開始のタイミングを一致させることができ、現像剤担持体への現像剤の供給不良の発生を抑制できる。
(態様A)又は(態様B)において、前記第一現像剤搬送部材と、前記第二現像剤搬送部材は、同一方向に回転することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
第一現像剤搬送部材と第二現像剤搬送部材が異なる方向に回転する構成では、上方に設けた第一現像剤搬送部材の羽根形状などの形状で、下方に設けた第二現像剤搬送部材で持ち上げた現像剤の一部を叩き落としてしまう。一方、第一現像剤搬送部材と第二現像剤搬送部材が同一方向に回転する構成では、上方に設けた第一現像剤搬送部材の形状で、下方に設けた第二現像剤搬送部材で持ち上げた現像剤の一部をすくい上げることができる。
したがって、持ち上げ部における、下方から上方の現像剤収容部への現像剤の移動を、第一現像剤搬送部材と第二現像剤搬送部材との回転方向を異ならせた構成よりも、円滑におこなうことができる。
(態様C)において、前記第一現像剤搬送部材を回転駆動した回転駆動力は、伝達ギア125などのアイドラギアを介して前記第二駆動ギアに伝達されることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
簡易な構成で、第一現像剤搬送部材と第二現像剤搬送部材の回転方向を同一の方向にできる。
(態様D)において、各現像剤搬送部材の回転軸の長手方向の両端近傍にそれぞれ設けられ、前記回転軸を受ける軸受け部の隙間をシールするシール部材を備え、前記アイドラギアは、前記長手方向の前記持ち上げ部を設けた側に配置されていることを特徴とする。
アイドラギアを設けた側は、アイドラギアとその軸受け、及び現像剤搬送部材の回転軸と軸受け部に設けたシール部材との摺動で温度が上昇し易い。このように温度が上昇し易いアイドラギアを設ける側を、現像剤が満たされた状態で移動する持ち上げ部側とすることで、アイドラギアを設けた側で生じた熱を、持ち上げ部に満たされた現像剤により、現像装置の長手方向全体に分散させることができる。
したがって、アイドラギアを設けた側で局所的な温度上昇が生じて、アイドラギアを設けた側のシール部材の近傍で、現像剤に含まれるトナーの凝集や、現像剤収容部、シール部材等へのトナーの固着が発生することを抑制することができる。
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、当該現像装置を用いる画像形成装置の一連の作像プロセス終了後、一旦、駆動停止された後に、所定量だけ前記駆動入力ギアを逆回転させる逆回転動作が行われることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
第一現像剤搬送部材を介して回転駆動される第二現像剤搬送部材の第二駆動ギアのあそびを最大限利用することができ、回転駆動開始時の第二現像剤搬送部材に対する第一現像剤搬送部材の回転開始タイミングを、逆回転動作を行わない構成よりも早くできる。
(態様A)乃至(態様F)のいずれかにおいて、前記持ち上げ部は、前記上方の現像剤収容部の上部領域109bなどの持ち上げ領域と、前記下方の現像剤収容部の下部領域109cなどの持ち上げ領域とを有し、前記上方の現像剤収容部の持ち上げ領域の容積は、前記下方の現像剤収容部の持ち上げ領域の容積よりも大きいことを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、次のような効果を奏することができる。
現像装置の駆動開始直後に、下方の現像剤収容部の持ち上げ領域から持ち上がってくる現像剤の体積によりも、上方の現像剤収容部の持ち上げ領域の空間の容積が大きくなる。これにより、上方と下方の持ち上げ領域を有した持ち上げ部における現像剤の移動が円滑に行われる。
(態様A)乃至(態様G)のいずれかにおいて、前記第一現像剤搬送部材及び前記第二現像剤搬送部材は、スクリュ形状を有した現像剤搬送部材であり、前記第一現像剤搬送部材のスクリュ形状の条数が、前記第二現像剤搬送部材のスクリュ形状の条数よりも大きいことを特徴とする。
第二現像剤搬送部材のスクリュ形状により、下方の現像剤収容部の持ち上げ領域から現像剤が持ち上げられる回数よりも、第一現像剤搬送部材のスクリュ形状により、上方の現像剤収容部の持ち上げ領域から現像剤が軸方向に搬送される回数の方が多くなる。
また、同じスクリュ径であれば、スクリュ形状の条数が多い程、搬送効率が上がり、各持上げ領域では、第一現像剤搬送部材の方が軸方向の搬送力が大きい。
また、同一回転数であれば、条数が多いほうが現像剤を崩しやすく、第一現像剤搬送部材のスクリュ形状の条数が第二現像剤搬送部材のスクリュ形状の条数より大きい構成の方が駆動直後の現像剤の剤圧上昇を抑制する効果を高めることができる。
現像装置4などの現像装置と、感光体2などの像担持体、帯電装置3などの帯電装置、及び感光体クリーニング装置5などのクリーニング装置の少なくともいずれかを有するプロセスカートリッジ1などのプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの現像装置を有することを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの現像装置と同様な効果を奏することができるプロセスカートリッジを提供できる。
像担持体上に形成した静電潜像を現像する現像装置を備える画像形成装置において、
前記現像装置として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの現像装置、又は前記現像装置を有したプロセスカートリッジとして、(態様I)のプロセスカートリッジを備えることを特徴とする。
これによれば、本実施形態で説明したように、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの現像装置、又は(態様I)のプロセスカートリッジと同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
2 感光体
3 帯電装置
4 現像装置
5 感光体クリーニング装置
100 現像ケース
101 現像部
102 現像ローラ
105 供給部
106 供給スクリュ
107 攪拌部
108 攪拌スクリュ
109 持ち上げ部開口
109a 持ち上げ領域
109b 上部領域
109c 下部領域
121 入力ギア
122 現像ローラギア
123 供給入力ギア
124 供給出力ギア
125 伝達ギア
126 攪拌入力ギア
500 複写機
P 用紙
Claims (9)
- 現像剤を担持して現像領域まで搬送する現像剤担持体と、鉛直方向上下に設けられた現像剤収容部と、
上方の現像剤収容部内の現像剤を前記現像剤担持体に供給し、且つ、前記現像剤担持体から戻された現像剤を受け取り、且つ、現像剤を回転軸の一方の方向に向けて搬送する第一現像剤搬送部材と、下方の現像剤収容部内の現像剤を回転軸の他方の方向に向けて搬送する第二現像剤搬送部材と、
前記現像剤収容部の前記他方側で下方から上方の現像剤収容部に現像剤を持ち上げる持ち上げ部と、
前記現像剤収容部の前記一方側で上方から下方の現像剤収容部に現像剤を落下させる落下部と、を備えた現像装置において、
当該現像装置への回転駆動力が入力される駆動入力ギアは、当該現像装置の固定軸に備わるアイドラギアであり、
前記駆動入力ギアは、前記第一現像剤搬送部材を回転駆動する第一駆動ギア及び前記現像剤担持体を回転駆動する現像駆動ギアに接続され、
前記第二現像剤搬送部材を回転駆動する第二駆動ギアには、前記第一駆動ギアを介して回
転駆動力が伝達され、
前記現像剤担持体と前記第一現像剤搬送部材は回転方向が同じであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1に記載の現像装置において、
前記第一現像剤搬送部材と、前記第二現像剤搬送部材は、同一方向に回転することを特徴
とする現像装置。 - 請求項2に記載の現像装置において、
前記第一現像剤搬送部材を回転駆動した回転駆動力は、アイドラギアを介して前記第二駆
動ギアに伝達されることを特徴とする現像装置。 - 請求項3に記載の現像装置において、
各現像剤搬送部材の回転軸の長手方向の両端近傍にそれぞれ設けられ、前記回転軸を受け
る軸受け部の隙間をシールするシール部材を備え、
前記アイドラギアは、前記長手方向の前記持ち上げ部を設けた側に配置されていることを
特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一に記載の現像装置において、
当該現像装置を用いる画像形成装置の一連の作像プロセス終了後、
一旦、駆動停止された後に、所定量だけ前記駆動入力ギアを逆回転させる逆回転動作が行
われることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一に記載の現像装置において、
前記持ち上げ部は、前記上方の現像剤収容部の持ち上げ領域と、前記下方の現像剤収容部
の持ち上げ領域とを有し、
前記上方の現像剤収容部の持ち上げ領域の容積は、前記下方の現像剤収容部の持ち上げ領
域の容積よりも大きいことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一に記載の現像装置において、
前記第一現像剤搬送部材及び前記第二現像剤搬送部材は、スクリュ形状を有した現像剤搬
送部材であり、
前記第一現像剤搬送部材のスクリュ形状の条数が、前記第二現像剤搬送部材のスクリュ形
状の条数よりも大きいことを特徴とする現像装置。 - 現像装置と、像担持体、帯電装置、及びクリーニング装置の少なくともいずれかを有する
プロセスカートリッジにおいて、
前記現像装置として、請求項1乃至7のいずれか一に記載の現像装置を有することを特徴
とするプロセスカートリッジ。 - 像担持体上に形成した静電潜像を現像する現像装置を備える画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項1乃至7のいずれか一に記載の現像装置、又は前記現像装置
を有したプロセスカートリッジとして、請求項8に記載のプロセスカートリッジを備える
ことを特徴とする画像形成装置。
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