以下、実施形態による車両の電源装置を、4輪自動車に搭載した場合を例に挙げ、添付図面に従って説明する。なお、図2に示す流れ図の各ステップは、それぞれ「S」という表記を用いる(例えば、ステップ1=「S1」とする)。
図1において、車両(自動車)に搭載される電源装置としての電動駆動システム1は、電力を供給する側(電力供給側)となる電源側システム2と、電力が供給される側(電力消費側)となる負荷側システムとしての電動ブレーキシステム3とを含んで構成されている。この場合、電源側システム2は、第1の蓄電装置9と、第2の蓄電装置10と、第3の蓄電装置13とを備えており、このうちの第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10は、車両のメイン電源システムとなる車両電源装置4を構成している。一方、電源側システム2から電力が供給される電動ブレーキシステム3は、車両の負荷装置としてのブレーキ制御装置16と、このブレーキ制御装置16の出力(電動機17の出力)に基づいて制動力を付与するブレーキ装置(図示せず)とを備えている。
後述するように、電動ブレーキシステム3が電動倍力装置の場合には、ブレーキ制御装置16は、電動機17と制御装置18とを含んで構成され、ブレーキ装置は、電動機17によって変位するパワーピストンとマスタシリンダ(いずれも図示せず)とを含んで構成される。一方、例えば、電動ブレーキシステム3が液圧供給装置(ESC)の場合には、ブレーキ制御装置16は、電動機17と制御装置18とを含んで構成され、ブレーキ装置は、電動機17によって駆動される液圧ポンプと制御弁とを含んで構成される。電動ブレーキシステム3が電動駐車ブレーキの場合には、ブレーキ制御装置16は、電動機17と制御装置18とを含んで構成され、ブレーキ装置は、例えば、電動機17によって駆動される制動部材押圧機構と制動部材保持機構とを含んで構成される。電動ブレーキシステム3が電動ブレーキ(電動キャリパ)の場合には、ブレーキ制御装置16は、電動機17と制御装置18とを含んで構成され、ブレーキ装置は、例えば、電動機17によって駆動される制動部材押圧機構を含んで構成される。
車両電源装置4は、ブレーキ制御装置16に電力を供給する。また、車両電源装置4は、第3の蓄電装置13に電力を供給する。車両電源装置4は、第1の配線5を介してブレーキ制御装置16の電動機17と接続されている。また、車両電源装置4は、第1の配線5および第2の配線6を介してブレーキ制御装置16の制御装置18と接続されている。さらに、車両電源装置4は、第1の配線5および第3の配線7を介して第3の蓄電装置13と接続されている。換言すれば、第1の配線5は、車両電源装置4とブレーキ制御装置16(の電動機17)との間を接続している。第2の配線6は、第1の配線5とブレーキ制御装置16(の制御装置18)との間を接続している。第3の配線7は、第1の配線5と第3の蓄電装置13との間を接続している。この場合、第2の配線6は、第1の配線5と第3の配線7との接続部位よりも車両電源装置4側で第1の配線5と接続されている。
なお、図1では、車両電源装置4から電力が供給される負荷装置として、ブレーキ制御装置16を示しており、ブレーキ制御装置16以外の車両内の負荷装置(例えば、液圧供給装置、電動ステアリング装置等)を省略している。即ち、図1では、車両電源装置4は、車両に搭載された各種の電気機器(負荷装置)のうちのブレーキ制御装置16と接続されているが、実際の車両内では、車両電源装置4は、ブレーキ制御装置16だけでなく、ブレーキ制御装置16を含む各種の負荷装置と接続されるものである。
車両電源装置4は、発電機8と、第1の電源(メイン蓄電装置)となる第1の蓄電装置9と、第2の電源(サブ蓄電装置)となる第2の蓄電装置10と、供給電力切換スイッチ11と、電源用制御装置12とを含んで構成されている。発電機8は、例えば、車両のエンジン(図示せず)が駆動しているときに、エンジンによって回転駆動されることにより発電を行う。発電機8は、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10に電気的に接続されている。発電機8は、発電電力を第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10に供給する。即ち、発電機8は、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10の充電を行うことができる。また、エンジンの駆動中(回転中、運転中)は、発電機8の発電電力を第1の蓄電装置9を含む各種の電気機器に供給することができる。
第1の蓄電装置9は、車両に設けられている。第1の蓄電装置9は、車両内の機器に電力を供給する第1の電源(主電源)となる。即ち、第1の蓄電装置9は、車両に搭載された各種の電気機器(電装品)の主電源となるもので、例えば、充放電可能なバッテリとして構成されている。第1の蓄電装置9(の正極)は、供給電力切換スイッチ11を介してブレーキ制御装置16および第3の蓄電装置13を含む各種の電気機器(車両搭載電気機器)と電気的に接続されている。第1の蓄電装置9は、発電機8の発電電力を蓄電することができる。
第2の蓄電装置10は、第1の蓄電装置9とは別に車両に設けられている。第2の蓄電装置10は、例えば、第1の蓄電装置9の電圧低下等、第1の蓄電装置9が異常状態のときに、車両内の機器に電力を供給する第2の電源(補助電源)となる。即ち、第2の蓄電装置10は、第1の蓄電装置9が異常状態のときに、ブレーキ制御装置16を含む各種の電気機器の補助電源となるもので、例えば、充放電可能なバッテリまたはキャパシタとして構成されている。第2の蓄電装置10(の正極)は、第1の蓄電装置9と同様に、供給電力切換スイッチ11を介してブレーキ制御装置16および第3の蓄電装置13を含む各種の電気機器(車両搭載電気機器)と電気的に接続されている。第2の蓄電装置10は、例えば、第1の蓄電装置9の容量よりも小さい容量を有し、発電機8の発電電力および/または第1の蓄電装置9から供給される電力を蓄電することができる。
供給電力切換スイッチ11は、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10とのうちのいずれか一方を第1の配線5に接続させるものである。即ち、供給電力切換スイッチ11は、第1の蓄電装置9を第1の配線5に接続する状態と、第2の蓄電装置10を第1の配線5に接続する状態とのいずれかに切換えられる。供給電力切換スイッチ11は、例えば、電源用制御装置12によって切換えられる。これにより、供給電力切換スイッチ11は、第3の蓄電装置13およびブレーキ制御装置16に供給する電力を第1の蓄電装置9または第2の蓄電装置10のどちらかに切換える。
電源用制御装置12は、車両電源装置4を制御する制御装置である。電源用制御装置12は、例えば、マイクロコンピュータを含んで構成されている。即ち、電源用制御装置12は、CPU、メモリに加え、その他の必要な演算、制御、通信等を行うための回路を備えている。電源用制御装置12は、例えば、第1の蓄電装置9の状態と第2の蓄電装置10の状態とに応じて、供給電力切換スイッチ11を切換える。このために、電源用制御装置12は、第1の蓄電装置9が正常状態であるか異常状態であるかの診断(判定)、および、第2の蓄電装置10が正常状態であるか異常状態であるかの診断(判定)を行う診断部(判定部)を備えている。この診断は、例えば、第1の蓄電装置9の電圧および第2の蓄電装置10の電圧を検出する電圧センサ(図示せず)からの信号(電圧値)に基づいて行うことができる。
即ち、第1の蓄電装置9の電圧が予め設定した所定値よりも低い低電圧のときは、「第1の蓄電装置9が異常状態」と診断し、所定値以上のときは、「第1の蓄電装置9が正常状態」と診断することができる。同様に、第2の蓄電装置10の電圧が予め設定した所定値よりも低い低電圧のときは、「第2の蓄電装置10が異常状態」と診断し、所定値以上のときは、「第2の蓄電装置10が正常状態」と診断することができる。
電圧の所定値は、例えば、ブレーキ制御装置16を含む各種の電気機器を安定して動作させることができる電圧値となるように、電気機器の仕様、車両の仕様等に応じて設定することができる。なお、蓄電装置9,10の診断は、蓄電装置9,10の状態量に基づいて行うことができるが、例えば、電圧に限らず、これ以外の状態量を用いて診断してもよい。また、蓄電装置9,10が異常であるか否かの診断は、従来から知られている診断方法を含む各種の診断方法を用いることができる。さらに、診断部は、必要に応じて、第2の蓄電装置10が充電中であるか否かを判定してもよい。また、診断部は、供給電力切換スイッチ11が正常状態であるか異常状態であるかを診断(判定)してもよい。
電源用制御装置12は、第1の蓄電装置9が正常状態であるときは、図1に示すように、第1の蓄電装置9と第1の配線5とが接続されるように供給電力切換スイッチ11を切換える。これに対して、電源用制御装置12は、第1の蓄電装置9が低電圧等の異常状態であるときは、第2の蓄電装置10と第1の配線5とが接続されるように供給電力切換スイッチ11を切換える。なお、第1の蓄電装置9が正常か否かの診断を行っているときに、第2の蓄電装置10と第1の配線5とが接続されるように供給電力切換スイッチ11を切換えてもよい。
さらに、電源用制御装置12は、ブレーキ制御装置16の制御装置18と信号線を介して接続されている。電源用制御装置12は、車両電源装置4の状態、即ち、第1の蓄電装置9の状態、第2の蓄電装置10の状態、および、供給電力切換スイッチ11の状態を、ブレーキ制御装置16の制御装置18に出力する。例えば、電源用制御装置12は、第1の蓄電装置9の診断を行っているときは診断状態(診断中)である旨の信号を出力し、第1の蓄電装置9が正常状態と診断したときは正常状態である旨の信号を出力し、第1の蓄電装置9が異常状態と診断したときは異常状態である旨の信号を出力する。第2の蓄電装置10の状態についても同様に、ブレーキ制御装置16の制御装置18に出力する。また、電源用制御装置12は、第2の蓄電装置10を充電しているときに、第2の蓄電装置10が充電中である旨の信号を出力してもよい。さらに、電源用制御装置12は、供給電力切換スイッチ11の診断を行っているときは診断状態(診断中)である旨の信号を出力し、供給電力切換スイッチ11が正常状態と診断したときは正常状態である旨の信号を出力し、供給電力切換スイッチ11が異常状態と診断したときは異常状態である旨の信号を出力してもよい。
第3の蓄電装置13は、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10とは別に車両に設けられている。即ち、第3の蓄電装置13は、車両電源装置4とは別に設けられている。ここで、図1では、第3の蓄電装置13は、ブレーキ制御装置16と別体、即ち、ブレーキ制御装置16のケーシング16A外に設けられている。しかし、これに限らず、第3の蓄電装置13とブレーキ制御装置16は、例えば、共通のケース内に設ける(例えば、ブレーキ制御装置16のケーシング16A内に第3の蓄電装置13を設ける)ことにより一体的に構成してもよい。
第3の蓄電装置13は、ブレーキ制御装置16専用の補助電源(蓄電装置)であり、例えば、充放電可能なバッテリまたはキャパシタとして構成されている。第3の蓄電装置13は、第1の配線5および第3の配線7を介して車両電源装置4と接続されている。また、第3の蓄電装置13は、第4の配線14および第1の配線5を介してブレーキ制御装置16の電動機17と接続されている。さらに、第3の蓄電装置13は、第4の配線14および第5の配線15を介してブレーキ制御装置16の制御装置18と接続されている。換言すれば、第4の配線14は、第3の配線7とは別系統で第3の蓄電装置13と第1の配線5との間を接続している。この場合、第4の配線14は、第1のスイッチ19と電動機17との間で第1の配線5と接続されている。第5の配線15は、第4の配線14と第2の配線6との間を接続している。この場合、第5の配線15は、第3の蓄電装置13と第2のスイッチ20との間で、かつ、ブレーキ制御装置16のケーシング16A内で第4の配線14と接続されている。また、第5の配線15は、ブレーキ制御装置16のケーシング16A内で第2の配線6と接続されている。
第3の蓄電装置13は、例えば、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10の容量よりも小さい容量を有し、必要に応じて第1の蓄電装置9または第2の蓄電装置10から供給される電力を蓄電する。また、第3の蓄電装置13は、必要に応じてブレーキ制御装置16(の電動機17および/または制御装置18)に電力を供給する。なお、第3の蓄電装置13の蓄電(充電)および電力の供給(放電)については後述する。
ブレーキ制御装置16は、車両に設けられている。ブレーキ制御装置16は、第1の蓄電装置9、第2の蓄電装置10または第3の蓄電装置13のいずれかから電力供給される車両の負荷装置である。ブレーキ制御装置16は、図示しないブレーキ装置と共に、電動ブレーキシステム3を構成している。即ち、電動ブレーキシステム3は、制動力を付与するための駆動力を出力するブレーキ制御装置16と、このブレーキ制御装置16の出力に基づいて制動力を付与する(例えば、ブレーキ液圧を発生させる)ブレーキ装置とを備えている。実施の形態では、ブレーキシステム3は、電動倍力装置(電動ブースタ)として構成されている。この場合、ブレーキ装置は、例えば、電動機17によって変位するパワーピストンと、パワーピストンの変位に基づいてブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダとを含んで構成されている。
電動倍力装置は、マスタシリンダで発生させるブレーキ液圧を電気的に制御するものである。マスタシリンダで発生したブレーキ液圧は、車両のホイルシリンダ(図示せず)に供給される。ホイルシリンダは、例えば、車両の車輪側に設けられたディスクブレーキやドラムブレーキ等のブレーキシリンダに対応する。即ち、電動倍力装置としての電動ブレーキシステム3は、運転者のブレーキペダルの操作等に基づいて、電動機17によりパワーピストンを変位させることにより、マスタシリンダでブレーキ液圧を発生させる。マスタシリンダで発生したブレーキ液圧は、ホイルシリンダに供給される。このとき、ホイルシリンダがディスクブレーキの場合には、パッドがディスクに押付けられることにより、車両に制動力が付与される。また、ホイルシリンダがドラムブレーキの場合には、シューがドラムに押付けられることにより車両に制動力が付与される。
ブレーキ制御装置16は、電動機17と、制御装置18と、第1のスイッチ19と、第2のスイッチ20と、第1のダイオード21と、第2のダイオード22とを備えている。この場合、ブレーキ制御装置16は、少なくとも電動機17と制御装置18とを含む一つの組立体(ユニット)として一体的に構成することができる。そして、ブレーキ制御装置16のケーシング16Aには、電源と接続するための端子となるコネクタ23A,23B,23Cが設けられている。即ち、ブレーキ制御装置16には、3つのコネクタ23A,23B,23Cが設けられている。
電動機17は、車両の制動力を付与する(ブレーキ液圧を発生させる)ための駆動源となる。電動機17は、例えば、電動アクチュエータとなるモータと、パワー素子としてのインバータ回路とを含んで構成されている。電動機17のモータは、例えば、DCブラシレスモータ等の電動モータとして構成されている。モータは、運転者によるブレーキペダルの踏込みに基づく制動要求信号や自動ブレーキ制御装置等からの制動要求信号に応じて回転駆動することにより、車両の制動力を発生させる。この場合、モータの回転は、ブレーキ装置を構成するベルト変速機等の減速機構、ボールネジ等の回転直動変換機構を介してパワーピンストンの直動変位(軸方向変位)に変換される。そして、パワーピストンの変位に基づいて、マスタシリンダ内でブレーキ液圧が発生することにより、ホイルシリンダにブレーキ液圧が供給され、車両に制動力が付与される。
一方、電動機17のインバータ回路は、モータに必要な電力を供給するものである。インバータ回路内には、例えば、複数のスイッチング素子が収容されている。スイッチング素子のオン(閉)/オフ(開)は、制御装置18によって制御される。即ち、電動機17のモータは、制御装置18によりインバータ回路を介して制御される。
制御装置18は、電動機17を制御する。これに加えて、制御装置18は、第1のスイッチ19および第2のスイッチ20の接続、遮断を制御する。さらに、制御装置18は、第3の蓄電装置13に対する電力供給の許可、禁止を制御する。制御装置18は、例えば、マイクロコンピュータを含んで構成されている。即ち、制御装置18は、CPU、メモリに加え、その他の必要な演算、制御、通信等を行うための回路を含んで構成されている。メモリには、後述の図2に示す処理フローを実行するための処理プログラム(第3の蓄電装置13の制御処理に用いる処理プログラム)が格納されている。
制御装置18は、電動機17のインバータ回路を制御(スイッチング制御)することにより、電動機17のモータを制御(駆動制御、回転制御)する。制御装置18には、例えば、運転者によるブレーキペダルの操作量(変位量、踏込み量)を検出するストロークセンサ(図示せず)が信号線(図示せず)を介して接続されている。ストロークセンサの検出信号は、ブレーキ制御装置16の制動要求信号として制御装置18に入力される。また、制御装置18は、CAN(Controller Area Network)を構成する車両データバス(図示せず)を介して自動ブレーキ制御装置を含む各種の電子機器(各種のECU)に接続されている。この場合、自動ブレーキ制御装置の自動ブレーキ指令は、ブレーキ制御装置16の制動要求信号として制御装置18に入力される。制御装置18は、制動要求信号に基づいて、電動機17を制御する。
第1のスイッチ19は、第1の配線5の途中に設けられている。即ち、第1のスイッチ19は、車両電源装置4と電動機17との間で、かつ、ブレーキ制御装置16のケーシング16A内に設けられている。第1のスイッチ19は、例えば、車両電源装置4から電動機17に対する電力の供給を許可するときに接続され、ブレーキ制御装置16の異常時に遮断される。また、第1のスイッチ19は、第3の蓄電装置13から第2のスイッチ20を介して電動機17に電力を供給するときに遮断される。第1のスイッチ19の接続、遮断は、制御装置18により切換えられる。このために、第1のスイッチ19は、例えば、電磁リレーにより構成され、信号線を介して制御装置18と接続されている。
第2のスイッチ20は、第4の配線14の途中に設けられている。即ち、第2のスイッチ20は、第3の蓄電装置13と電動機17との間で、かつ、ブレーキ制御装置16のケーシング16A内に設けられている。第2のスイッチ20は、車両電源装置4から第1のスイッチ19を介して電動機17に電力を供給するときは遮断され、第3の蓄電装置13から電動機17に電力を供給するときに接続される。第2のスイッチ20の接続、遮断は、制御装置18により切換えられる。このために、第2のスイッチ20も、第1のスイッチ19と同様に、例えば、電磁リレーにより構成され、信号線を介して制御装置18と接続されている。
第1のダイオード21は、第5の配線15の途中に設けられている。第1のダイオード21は、第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16の制御装置18に向かう方向の電流を許容し、逆方向の電流を遮断する。第2のダイオード22は、第2の配線6の途中に設けられている。第2のダイオード22は、車両電源装置4からブレーキ制御装置16の制御装置18に向かう方向の電流を許容し、逆方向の電流を遮断する。第1のダイオード21および第2のダイオード22は、電流の逆流を防止する逆流防止装置である。なお、第1のダイオード21は、第2のスイッチ20と同様のスイッチにより構成してもよい。この場合、このスイッチは、例えば、車両電源装置4から第2の配線6を介して制御装置18に電力を供給するときに遮断し、第3の蓄電装置13から制御装置18に電力を供給するときに接続する。
ところで、車両電源を主電源と補助電源とにより構成すると共に、車両電源とは別にブレーキ制御装置専用の補助電源を備える構成とした場合、ブレーキ制御装置としては、3系統の電源供給が可能となり、信頼性のさらなる向上を図ることができる。しかし、例えば、3系統の電源を常に使用可能な状態にするために、3系統すべての電源を充電しておくと、消費電力が大きくなる可能性がある。
そこで、実施の形態では、車両電源の主電源と補助電源の各々の状態に応じて、ブレーキ制御装置専用の補助電源への充電を制御することにより、消費電力が増大することを抑制した上で、ブレーキ制御装置に3系統の電源から電力供給可能となる電源構成としている。この場合、ブレーキ制御装置の制御装置は、ブレーキ制御装置専用の補助電源を使用するか否かを判断する使用判定手段と、その使用要否に基づいてブレーキ制御装置専用の補助電源への充電を制御する充電制御手段とを備えている。
使用判定手段は、車両電源の主電源と補助電源の2系統が使用可能か否かを判断するものである。この判断は、車両電源の主電源と補助電源の故障状態、充電状態および電源切換回路を診断している状態に基づいて行うことができる。充電制御手段は、ブレーキ制御装置専用の補助電源へ出力する充電許可信号を制御することにより、この補助電源の充電を制御する。なお、充電制御手段は、ブレーキ制御装置専用の補助電源の起動とシャットダウンとを切換える信号を制御することにより、この補助電源の充電を制御するようにしてもよい。
実施の形態では、第3の蓄電装置13は、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10が正常状態であるときは、いずれの蓄電装置9,10からも電力供給が禁止される。これに対して、第3の蓄電装置13は、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10のうち一方が異常状態であるとき、電力が供給される。また、第3の蓄電装置13は、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10のうち一方が診断状態であるとき、電力が供給される。さらに、第3の蓄電装置13は、第2の蓄電装置10が充電中であるとき、電力が供給される。また、実施の形態では、第3の蓄電装置13は、供給電力切換スイッチ11が異常状態であるとき、電力が供給される。また、第3の蓄電装置13は、供給電力切換スイッチ11が診断状態であるとき、電力が供給される。
このために、第3の蓄電装置13は、ブレーキ制御装置16の制御装置18と信号線を介して接続されている。制御装置18は、第3の蓄電装置13に対して充電制御信号(ON信号、OFF信号)を出力することにより、第3の蓄電装置13に対する電力供給の許可、禁止を制御する。例えば、制御装置18は、車両電源装置4(即ち、第1の蓄電装置9、第2の蓄電装置10)から第3の蓄電装置13に電力が供給されることを禁止するときは、第3の蓄電装置13に対して充電を禁止する信号(充電禁止信号:OFF信号)を出力する。この場合、第3の蓄電装置13は、例えば内蔵したスイッチを遮断することにより、車両電源装置4からの電力が供給されないようにする(充電が行われないようにする)。
これに対して、制御装置18は、車両電源装置4から第3の蓄電装置13に電力が供給されることを許可するときは、第3の蓄電装置13に対して充電を許可する信号(充電許可信号:ON信号)を出力する。この場合、第3の蓄電装置13は、例えば内蔵したスイッチを接続することにより、車両電源装置4からの電力が供給されるようにする(充電が行われるようにする)。
制御装置18は、車両電源装置4の状態、即ち、第1の蓄電装置9の状態、第2の蓄電装置10の状態、および、供給電力切換スイッチ11の状態に基づいて、第3の蓄電装置13を制御する。第1の蓄電装置9の状態、第2の蓄電装置10の状態、および、供給電力切換スイッチ11の状態は、車両電源装置4の電源用制御装置12から取得する。例えば、電源用制御装置12は、第1の蓄電装置9が正常状態であるか異常状態であるか診断状態であるかの信号、第2の蓄電装置10が正常状態であるか異常状態であるか診断状態であるかの信号、および、供給電力切換スイッチ11が正常状態であるか異常状態であるか診断状態であるかの信号を制御装置18に出力する。また、電源用制御装置12は、必要に応じて、第2の蓄電装置10が充電中のときに充電中の信号を制御装置18に出力する。制御装置18は、電源用制御装置12から受け取った信号に基づいて、第3の蓄電装置13を使用するか否か(即ち、充電するか否か)を判定する。
例えば、制御装置18は、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10とが共に正常であるときは、第3の蓄電装置13へ充電を禁止する信号を送信する(充電許可信号をOFFにする)。これにより、第3の蓄電装置13を使用しない状態にする。これに対して、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10とのうちの一方が異常(故障)のときは、第3の蓄電装置13へ充電を許可する信号を送信する(充電許可信号をONにする)。これにより、第3の蓄電装置13を使用可能な状態にする。また、車両電源装置4が診断中で2系統共に正常であることが確認できないときも、第3の蓄電装置13へ充電を許可する信号を送信する。さらに、例えば、車両の始動時等、第2の蓄電装置12が充電中であるときも、第3の蓄電装置13へ充電を許可する信号を送信する。なお、制御装置18で行われる図2の制御処理については、後で詳述する。
実施形態による車両の電源装置は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
車両の運転者がブレーキペダルを踏込み操作すると、ブレーキ制御装置16の制御装置18は、ブレーキペダルの踏込み量に応じて電動機17(のモータ)を駆動し、マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる。マスタシリンダ内で発生したブレーキ液圧は、ホイルシリンダ(前輪側ブレーキ、後輪側ブレーキ)に供給される。これにより左,右の前輪と左,右の後輪とに制動力が付与される。一方、運転者がブレーキペダルの踏込みを解除すると、電動機17が踏込み時とは逆方向に回転し、ホイルシリンダからマスタシリンダにブレーキ液が戻る。これにより、制動力の付与が解除される。
ここで、ブレーキ制御装置16には、車両電源装置4から電力が供給される。例えば、第1の蓄電装置9が正常状態のときは、第1の蓄電装置9の電力がブレーキ制御装置16に供給される。第1の蓄電装置9が異常状態で第2の蓄電装置10が正常状態のときは、第2の蓄電装置10の電力がブレーキ制御装置16に供給される。このように、車両電源装置4から電力が供給されるときは、ブレーキ制御装置16の第1のスイッチ19が接続され、第2のスイッチ20が遮断される。
これに対して、車両電源装置4が異常状態(例えば、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10との両方が異常状態)のときは、第3の蓄電装置13の電力がブレーキ制御装置16に供給される。このとき、即ち、ブレーキ制御装置16に第3の蓄電装置13の電力を供給するときは、第1のスイッチ19が遮断され、第2のスイッチ20が接続される。
次に、ブレーキ制御装置16の制御装置18で行われる制御処理、即ち、第3の蓄電装置13に対する電力供給の許可、禁止の制御の処理フローについて、図2を参照しつつ説明する。図2の制御処理は、例えば、制御装置18に通電している間、所定の制御周期で繰り返し実行される。
図2の制御処理が開始されると(処理ルーチンが起動されると)、制御装置18は、S1で、第1の蓄電装置9が故障しているか否か、即ち、第1の蓄電装置9が異常状態であるか否かを判定する。この判定は、車両電源装置4の電源用制御装置12から送信される情報(信号)、例えば、第1の蓄電装置9の情報(正常、異常、診断中の信号)に基づいて判定することができる。S1で「YES」、即ち、第1の蓄電装置9が異常状態(故障)であると判定された場合は、S7に進む。これに対して、S1で「NO」、即ち、第1の蓄電装置9が異常状態(故障)でないと判定された場合は、S2に進む。
S2では、第2の蓄電装置10が故障しているか否か、即ち、第2の蓄電装置10が異常状態であるか否かを判定する。この判定は、車両電源装置4の電源用制御装置12から送信される情報(信号)、例えば、第2の蓄電装置10の情報(正常、異常、診断中、充電中の信号)に基づいて判定することができる。S2で「YES」、即ち、第2の蓄電装置10が異常状態(故障)であると判定された場合は、S7に進む。これに対して、S2で「NO」、即ち、第1の蓄電装置9が異常状態(故障)でないと判定された場合は、S3に進む。
S3では、供給電力切換スイッチ11が故障しているか否か、即ち、供給電力切換スイッチ11が異常状態であるか否かを判定する。この判定は、車両電源装置4の電源用制御装置12から送信される情報(信号)、例えば、供給電力切換スイッチ11の情報(正常、異常、診断中の信号)に基づいて判定することができる。S3で「YES」、即ち、供給電力切換スイッチ11が異常状態(故障)であると判定された場合は、S7に進む。これに対して、S3で「NO」、即ち、供給電力切換スイッチ11が異常状態(故障)でないと判定された場合は、S4に進む。
S4では、車両電源装置4の診断中であるか否か、即ち、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10のうちの一方が診断状態であるか否か、または、供給電力切換スイッチ11が診断状態であるか否かを判定する。この判定も、車両電源装置4の電源用制御装置12から送信される情報(第1の蓄電装置9、第2の蓄電装置10、および、供給電力切換スイッチ11の情報)に基づいて判定することができる。S4で「YES」、即ち、診断中であると判定された場合は、S7に進む。これに対して、S4で「NO」、即ち、診断中でないと判定された場合は、S5に進む。
S5では、第2の蓄電装置10が充電中であるか否かを判定する。この判定も、車両電源装置4の電源用制御装置12から送信される情報(第2の蓄電装置10の情報)に基づいて判定することができる。S5で「YES」、即ち、第2の蓄電装置10が充電中であると判定された場合は、S7に進む。これに対して、S5で「NO」、即ち、第2の蓄電装置10が充電中でないと判定された場合は、S6に進む。
S6では、第3の蓄電装置13を使用しないようにする。即ち、この場合は、制御装置18は、第3の蓄電装置13に充電を禁止する信号を送信する(充電許可信号をOFFにする)。これにより、第3の蓄電装置13は、例えば内蔵したスイッチを遮断することにより、充電が行われないようにする。これに対して、S7では、第3の蓄電装置13を使用する。即ち、この場合は、制御装置18は、第3の蓄電装置13に充電を許可する信号を送信する(充電許可信号をONにする)。これにより、第3の蓄電装置13は、例えば内蔵したスイッチを接続することにより、充電が行われる。第3の蓄電装置13の充電が行われると、その後、仮に車両電源装置4が故障したとしても(即ち、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10との両方が異常状態になったとしても)、第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給できる。
このように、実施形態によれば、第1の蓄電装置9および第2の蓄電装置10が正常状態であるときは、第3の蓄電装置13に対する電力供給が禁止され、第3の蓄電装置13の充電が行われない。この状態で、仮に第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10とのうちの一方が異常状態になったとしても、ブレーキ制御装置16には、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10とのうちの他方から電力を供給することができる。このため、ブレーキ制御装置16への電力供給を確保しつつ、消費電力が増大することを抑制できる。換言すれば、「電力供給の信頼性を高めること」と「消費電力を抑制すること」とを両立できる。
実施形態によれば、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10とのうちの一方が異常状態であるとき、第3の蓄電装置13に電力が供給される。このため、仮に第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10との両方が異常状態になったとしても、この両方が異常状態となる前に、第3の蓄電装置13の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置13から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給すること」とを両立できる。
実施形態によれば、供給電力切換スイッチ11が異常状態であるとき、第3の蓄電装置13に電力が供給される。このため、供給電力切換スイッチ11が異常状態のとき(例えば、切換ができなくなったとき)に、仮にブレーキ制御装置16に電力を供給している第1の蓄電装置9または第2の蓄電装置10が異常状態になったとしても、この状態になる前に、第3の蓄電装置13の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置13から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給すること」とを両立できる。
実施形態によれば、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10とのうちの一方が診断状態であるとき、第3の蓄電装置13に電力が供給される。このため、第1の蓄電装置9と第2の蓄電装置10のうち一方が診断状態のときに、仮に他方が異常状態になったとしても、この状態になる前に、第3の蓄電装置13の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置13から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給すること」とを両立できる。
実施形態によれば、供給電力切換スイッチ11が診断状態であるとき、第3の蓄電装置13に電力が供給される。このため、供給電力切換スイッチ11が診断状態のときに、仮にブレーキ制御装置16に電力を供給している第1の蓄電装置9または第2の蓄電装置10が異常状態になったとしても、この状態になる前に、第3の蓄電装置13の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置13から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置13からブレーキ制御装置16に電力を供給すること」とを両立できる。
実施形態によれば、負荷装置がブレーキ制御装置16であり、第3の蓄電装置13がブレーキ制御装置16専用の電源である。このため、ブレーキ制御装置16への電力供給を確保しつつ、消費電力が増大することを抑制できる。
なお、上述の実施形態では、第3の蓄電装置13に対する電力供給の制御として、制御装置18から第3の蓄電装置13に対して充電許可信号(ON信号、OFF信号)を送信することにより、第3の蓄電装置13の内蔵スイッチを接続、遮断する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、制御装置18から第3の蓄電装置13に対してスリープ信号またはシャットダウン信号を送信し、第3の蓄電装置13を停止状態(第3の蓄電装置13を起動していない状態、第3の蓄電装置13の制御回路を非通電状態)にすることにより、第3の蓄電装置13が充電しないようにしてもよい。
上述の実施形態では、第1の蓄電装置9または第2の蓄電装置10からの電力供給により第3の蓄電装置13を充電する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、発電機からの電力供給により第3の蓄電装置13を充電できるように構成してもよい。
実施形態では、ブレーキ制御装置16として電動倍力装置を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、ブレーキ制御装置は、例えば、液圧供給装置(ESC)、電動駐車ブレーキ、電動ブレーキ等、制御装置によって電動機を制御することにより車両に制動力を発生させる各種のブレーキ制御装置を用いることができる。また、負荷装置は、ブレーキ制御装置に限らず、例えば、電動パワーステアリング装置等、各種の負荷装置を用いることができる。
以上説明した実施形態に基づく車両の電源装置として、例えば下記に述べる態様のものが考えられる。
(1).第1の態様としては、車両に設けられる第1の蓄電装置と、前記第1の蓄電装置とは別に前記車両に設けられる第2の蓄電装置と、前記第1の蓄電装置および前記第2の蓄電装置とは別に前記車両に設けられる第3の蓄電装置と、前記第1の蓄電装置、前記第2の蓄電装置または前記第3の蓄電装置のいずれかから電力供給される前記車両の負荷装置と、を有する車両の電源装置であって、前記第3の蓄電装置は、前記第1の蓄電装置および前記第2の蓄電装置が正常状態であるとき、いずれの蓄電装置からも電力供給が禁止される。
この第1の態様によれば、第1の蓄電装置および第2の蓄電装置が正常状態であるときは、第3の蓄電装置の充電が行われない。この状態で、仮に第1の蓄電装置と第2の蓄電装置とのうちの一方が異常状態になったとしても、負荷装置には、第1の蓄電装置と第2の蓄電装置とのうちの他方から電力を供給することができる。このため、負荷装置への電力供給を確保しつつ、消費電力が増大することを抑制できる。
(2).第2の態様としては、第1の態様において、前記第3の蓄電装置および前記負荷装置に供給する電力を前記第1の蓄電装置または前記第2の蓄電装置のどちらかに切換える供給電力切換スイッチを有する。この第2の態様によれば、供給電力切換スイッチを切換えることにより、第3の蓄電装置および負荷装置に供給する電力を第1の蓄電装置または第2の蓄電装置のどちらかに切換えることができる。
(3).第3の態様としては、第1の態様または第2の態様において、前記第3の蓄電装置は、前記第1の蓄電装置および前記第2の蓄電装置のうち一方が異常状態であるとき、電力が供給される。
この第3の態様によれば、仮に第1の蓄電装置と第2の蓄電装置との両方が異常状態になったとしても、この両方が異常状態となる前に、第3の蓄電装置の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給すること」とを両立できる。
(4).第4の態様としては、第1の態様または第2の態様において、前記第3の蓄電装置は、前記第1の蓄電装置および前記第2の蓄電装置のうち一方が診断状態であるとき、電力が供給される。
この第4の態様によれば、第1の蓄電装置と第2の蓄電装置のうち一方が診断状態のときに、仮に他方が異常状態になったとしても、この状態になる前に、第3の蓄電装置の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給すること」とを両立できる。
(5).第5の態様としては、第2の態様において、前記第3の蓄電装置は、前記供給電力切換スイッチが異常状態であるとき、電力が供給される。
この第5の態様によれば、供給電力切換スイッチが異常状態であるときに、仮に負荷装置に電力を供給している第1の蓄電装置または第2の蓄電装置が異常状態になったとしても、この状態になる前に、第3の蓄電装置の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給すること」とを両立できる。
(6).第6の態様としては、第2の態様において、前記第3の蓄電装置は、前記供給電力切換スイッチが診断状態であるとき、電力が供給される。
この第6の態様によれば、供給電力切換スイッチが診断状態であるときに、仮に負荷装置に電力を供給している第1の蓄電装置または第2の蓄電装置が異常状態になったとしても、この状態になる前に、第3の蓄電装置の充電が行われる。これにより、第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給する必要があるときに、この第3の蓄電装置から電力を供給することができる。この結果、「消費電力の増大を抑制すること」と「必要なときに第3の蓄電装置から負荷装置に電力を供給すること」とを両立できる。
(7).第7の態様としては、第1の態様ないし第6の態様のいずれかにおいて、前記車両の負荷装置がブレーキ制御装置であり、前記第3の蓄電装置が前記ブレーキ制御装置専用の電源である。
この第7の態様によれば、ブレーキ制御装置への電力供給を確保しつつ、消費電力が増大することを抑制できる。