(1)概要
以下の実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の実施形態において説明する図1〜図15は、模式的な図であり、図1〜図15中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
以下では、実施形態の「防災器具」が、一例として、誘導灯器具1であること、また、変形例1〜5においても、同様に、誘導灯器具1A〜1Eであることを想定して説明する。しかし、ここで言う「防災器具」は、誘導灯器具にのみ限定されるものではない。「防災器具」は、誘導灯器具以外に、非常灯、表示灯、又は火災感知器等であってもよい。
なお、以下、誘導灯器具1の上下、左右、前後の方向を、図1にそれぞれ図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、これらの方向は、誘導灯器具1の使用方向を限定する趣旨ではない。
本実施形態の誘導灯器具1は、図1に示すように、建物等の避難口を表示するための避難口誘導灯器具である。誘導灯器具1は、誘導灯信号装置(不図示)から信号を受けた場合に誘導効果を高めるために光源(図3参照:光源装置3の例えば固体光源のLED(Light Emitting Diode)30)を点滅させる点滅形避難口誘導灯器具として構成されている。誘導灯器具1は、例えば、建物の天井材又は壁材等に相当する構造体T1に対して取り付けられる。ここでは、誘導灯器具1は、構造体T1に直付けさられる直付形の器具であることを想定するが、壁材に埋め込まれる埋込形の器具でもよい。
誘導灯器具1は、防災機能を有する機能部と、1又は複数の電池セルを有する電池ブロックと、防災機能が実行されるように機能部を駆動する駆動ブロックと、吸液部材Q1及び覆い部R1(図4参照)と、を備える。「機能部」は、電気的な負荷である。ここでは、一例として、「機能部」が、点灯又は点滅駆動される光源装置3のLED30、及び誘導音声を出力するスピーカ8であることを想定する。そのため、「駆動ブロック」は、機能部であるLED30及びスピーカ8を駆動する駆動装置4に相当し、「電池ブロック」が複数の電池セル50を有した第2蓄電池ブロック5に相当する。駆動装置4は、少なくとも第2蓄電池ブロック5から、電力供給を受けるように構成される。しかし、「機能部」は、LED30及びスピーカ8のうちいずれか一方のみであってもよい。なお、防災器具が非常灯や表示灯である場合、「機能部」は、例えばそれらの光源に相当する。また、防災器具が火災感知器等である場合、「機能部」は、例えば熱検出部や、煙検出部、警報を鳴らす出力部等に相当する。
本実施形態では、電池セル50は、一例として二次電池(蓄電池)である。通常時、駆動装置4は、電源線L1(図12及び13参照)を介して電力系統(例えば商用の電力系統)から電力供給を受けて、LED30及びスピーカ8を駆動し、第2蓄電池ブロック5を充電する。そして、電力系統の停電時、駆動装置4は、第2蓄電池ブロック5から、電力供給を受けて、LED30及びスピーカ8を駆動する。しかし、電池セル50は、一次電池であってもよく、この場合、防災器具は、電力系統と繋がっていなくてもよい。
あるいは、「機能部」は、表示板20を照らすLED211であってもよい。表示板20は、表示面(前面)を有しており、その表示面に誘導表示として人が避難している状態を示すピクトグラムが表示されている。この場合「駆動ブロック」がLED211を点灯制御する点灯ブロック22に相当し、「電池ブロック」が第1蓄電池ブロック23に相当してもよい。
ここで、吸液部材Q1は、液体を吸収可能であり、少なくとも一部が、鉛直方向において第2蓄電池ブロック5より下方に配置される。覆い部R1は、吸液部材Q1における第2蓄電池ブロック5と対向する第1面Q11とは反対側の第2面Q12を少なくとも覆う。
この構成によれば、たとえ第2蓄電池ブロック5で電解液の漏れが生じたとしても、当該電解液が吸液部材Q1で吸収される。また、吸液部材Q1で吸収しきれずに吸液部材Q1の第2面Q12の側に染み出たとしても、覆い部R1で受け止めることができる。したがって、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た液体(例えば電解液)が拡散する可能性の低減を図ることができる。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、誘導灯器具1の全体構成について詳しく説明する。誘導灯器具1は、上の「(1)概要」の欄で説明した通り、点滅形避難口誘導灯器具として構成されている。誘導灯器具1は、図1に示すように、一例として天井材又は壁材に直付けされる、誘導音付の誘導灯器具として構成されていて、全体として左右方向に長尺の形状を有している。
誘導灯器具1は、図2に示すように、第1蓄電池ブロック23を有する表示ユニット2、光源装置3、駆動装置(駆動ブロック)4、第2蓄電池ブロック5(電池ブロック)、及び筐体10等を備えている。また、誘導灯器具1は、図3に示すように、複数の端子台(第1端子台71、一対の第2端子台72、及び第3端子台73)を備えている。また、誘導灯器具1は、図3に示すように、取付部材6、スピーカ(機能部)8、並びに点検用の第1及び第2スイッチブロック16、17を、更に備えている。また、誘導灯器具1は、吸液部材Q1、覆い部R1、収容体U1、及びガイド部V1を、更に備えている。ここでは、収容体U1は、一例として第2蓄電池ブロック5及び吸液部材Q1を収容し、収容体U1の一部が、覆い部R1及びガイド部V1の機能を兼ねている。ただし、覆い部R1及びガイド部V1の各々が、収容体U1とは別の部材として設けられていてもよい。
(2.2)筐体
筐体10は、図2に示すように、それぞれ長方形の前壁11、後壁12及び4つの側壁13を有する直方体状に形成された外郭を有している。ただし、本実施形態における筐体10は、本体100とプレート101と取付台15とで構成されている。
本体100は、前面が開放された、左右方向に長尺の箱形に形成されており、筐体10の後壁12と4つの側壁13を構成している。プレート101は、筐体10の前壁11と4つの側壁13の前端部分を構成している。プレート101は、一対の取付ばね102によって着脱可能に本体100に取り付けられる。本体100の前面を覆うように当該前面にプレート101が取り付けられることによって筐体10が構成される。本体100及びプレート101は、鋼板などの不燃物で形成されている。筐体10は、誘導灯器具1を構造体T1へ取り付けるための一対の取付ボルトT10がそれぞれ挿入される一対の孔103を2組有している。1組の孔103は、後壁12における取付台15の左右両脇に設けられ、もう1組の孔103は、上側の側壁13に設けられている。
取付台15は、合成樹脂材料によって前面と下面が開放された箱形に形成されている。取付台15は、本体100の内底面(後壁12の前面)にねじ止めされている。
本実施形態では、一例として、表示ユニット2、駆動装置4、第1端子台71、及び一対の第2端子台72が、取付台15に取り付けられた状態で、筐体10内に収容されている。また、スピーカ8、光源装置3、第2蓄電池ブロック5と吸液部材Q1とを収容した収容体U1、並びに第3端子台73等が、取付台15の周囲に配置されるように、筐体10内に収容されている。
(2.3)表示ユニット
表示ユニット2は、図2に示すように、表示板20と、光源ブロック21と、点灯ブロック22と、第1蓄電池ブロック23とを有している。
表示板20は、アクリル樹脂又はポリカーボネート樹脂等の透光性を有する合成樹脂材料によって四角形の板状に形成されている。ただし、表示板20は、前後方向の厚みを上端から下端に向かって徐々に小さくするように形成されている。表示板20の前面(表示面)には避難口を示すピクトグラムが描かれている。表示板20は、その表示面がプレート101から露出するように筐体10に支持される。
光源ブロック21は、1つ以上(図3では一対)のLED211と、導光部材と、LED211及び導光部材を収容するケース210と、を備える。ケース210の下面には導光部材から出射する光をケース210の外に放射するための開口が設けられている。光源ブロック21は、図2に示すように、取付台15の上部に取り付けられる。また、表示板20は、上側面を光源ブロック21のケース210の開口に対向させるようにして取付台15に取り付けられる。表示板20は、LED211により照らされる。
第1蓄電池ブロック23は、電気絶縁性を有する合成樹脂製の電池ケースに複数の電池セルを収容して構成されている。電池セルは、ニッケル水素電池のような蓄電池である。第1蓄電池ブロック23は、取付台15の右下横に突設された蓄電池収容部10E内に収容されている(図2及び図3参照)。したがって、第1蓄電池ブロック23から漏れ出た電解液が下方へ垂れ落ちて周囲の電子部品等に触れたり筐体10の外部に漏出したりする可能性は極めて低い。ただし、電池ケース及び蓄電池収容部10Eの製造は、コスト高になり易い。
点灯ブロック22は、LED211を点灯制御するように構成される。具体的には、点灯ブロック22は、常用点灯回路と、第1充電回路と、非常用点灯回路と、第1制御回路と、これらの回路を構成する電子部品が実装された実装基板を収容する樹脂製のケース220とを有している。常用点灯回路は、外部電源(例えば、商用の電力系統)から供給される電力でLED211を点灯させる。第1充電回路は、外部電源から供給される電力で第1蓄電池ブロック23の電池セルを充電する。非常用点灯回路は、外部電源の電力供給が停止した場合、第1蓄電池ブロック23から放電される電力でLED211を点灯させる。第1制御回路は、外部電源の給電状況を監視し、外部電源から電力供給されているときは常用点灯回路と第1充電回路を動作させるとともに非常用点灯回路を停止させる。また、第1制御回路は、外部電源の電力供給が停止(停電)したときは常用点灯回路と第1充電回路を停止させるとともに非常用点灯回路を動作させる。
さらに、第1制御回路は、第1充電回路を動作させているときに第1表示素子を発光させて充電中であることを表示する。第1制御回路は、第1点検スイッチがオンされている間、常用点灯回路及び第1充電回路を強制的に停止させるとともに非常用点灯回路を強制的に動作させて光源ブロック21のLED211を点灯させる。第1制御回路は、自己点検スイッチが所定時間(例えば、2秒)以上オンされると自己点検動作を行う。また、第1制御回路は、受光素子において赤外線を通信媒体とする制御信号を受信した場合も自己点検動作を行う。自己点検動作とは、規定時間(20分又は60分)が経過するまで常用点灯回路及び第1充電回路を強制的に停止させるとともに非常用点灯回路を強制的に動作させて光源ブロック21のLED211を点灯させる動作である。そして、第1制御回路は、規定時間が経過したら非常用点灯回路を停止させて非常用点灯回路の入力電圧、すなわち、第1蓄電池ブロック23の電池電圧を測定し、電池電圧の測定値に基づいて第1蓄電池ブロック23の良否を判定する。第1制御回路は、第1蓄電池ブロック23を良好と判定した場合に第1表示素子を連続して発光させ、第1蓄電池ブロック23を不良と判定した場合に第1表示素子を間欠的に発光(点滅)させる。
表示ユニット2は、筐体10の前壁11(プレート101)に設けられた四角形状の窓110から表示板20の前面を露出させるようにして筐体10内に収容される。表示ユニット2は、光源ブロック21から表示板20の上面に光を入射させ、表示板20全体を発光させることにより、表示板20の前面の輝度を高めてピクトグラムの視認性を高めている。
(2.4)光源装置
光源装置3は、図3に示すように、LED30(機能部)と、LED30を支持するホルダ31と、一対の端子板と、放熱板33と、レンズ9とを有している。
LED30は、四角形状の実装基板の中央に少なくとも1個のLEDチップが実装されて構成されている。LEDチップは、例えば、青色光を放射する青色発光ダイオードである。また、LEDチップを含む実装基板の実装面(下面)は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂で封止されている。なお、封止樹脂は上下方向から見て円形に形成されており、封止樹脂の表面がLED30の発光面となる。
さらに、実装基板は、その対角の位置にある一対の角部にそれぞれ電極を有している。一方の電極は、LEDチップのカソードと電気的に接続され、他方の電極は、LEDチップのアノードと電気的に接続されている。これらの電極は、一対の端子板のうちの対応する端子板と電気的に接続されている。
ホルダ31は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂材料によって円板状に形成されている。ホルダ31の中央部にLED30が保持されている。ホルダ31は、端子板保持部310を有している。端子板保持部310は、上向きに伸びた角筒状に形成され、一対の端子板を内部に収容して保持している。
レンズ9は、例えばガラス材料によって略ドーム形状に形成されている。レンズ9は、LED30を覆うようにホルダ31上に配置される。放熱板33は、アルミ板によって形成されている。レンズ9及びホルダ31は、放熱板33にねじ止め固定されている。
上述した構成を有する光源装置3は、取付部材6に取り付けられた状態で、筐体10に固定されている。
(2.5)取付部材とスイッチブロック
取付部材6は、例えば金属板に折り曲げ加工を施すことで形成されている。取付部材6には、光源装置3だけでなく、第1スイッチブロック16及び第2スイッチブロック17も取り付けられる。なお、光源装置3、第1スイッチブロック16及び第2スイッチブロック17は、取付部材6を下から見たとき、左側から光源装置3、第1スイッチブロック16及び第2スイッチブロック17の順番に並ぶように配置されている。
第1スイッチブロック16は、上述した第1点検スイッチ、自己点検スイッチ、第1表示素子、受光素子が実装されたプリント配線板と、プリント配線板を収容する第1ケース160と、第1点検スイッチを操作するための第1押釦161とを備える。
第1ケース160は、合成樹脂材料によって直方体形状の箱形に形成されている。第1ケース160の一面(下面)には、第1押釦161が収容される第1操作穴と、第1操作穴よりも径の小さい第2操作穴と、第1表示穴と、第1操作穴とほぼ同径の受光穴とが設けられている。第1押釦161は円柱状に形成されており、上下方向に移動可能な状態で第1操作穴内に収容されている。
第1ケース160内において、第1操作穴と上下方向に対向する位置に、押釦スイッチからなる第1点検スイッチが配置されている。したがって、第1ケース160の外から押された第1押釦161が第1ケース160内に移動し、第1押釦161の上端で第1点検スイッチが押操作されてオンする。
第1ケース160内において、第2操作穴と上下方向に対向する位置に、押釦スイッチからなる自己点検スイッチが配置されている。すなわち、自己点検スイッチは、第2操作穴を通して第1ケース160の外から挿入される細い工具(例えば、ドライバ等)の先端で押操作されてオンする。
第1ケース160内において、第1表示穴と上下方向に対向する位置に第1表示素子が配置されている。すなわち、第1表示素子の発する光は第1表示穴を通して第1ケース160の外に放射される。
第1ケース160内において、受光穴と上下方向に対向する位置に受光素子が配置されている。すなわち、自己点検用のリモートコントローラから送信される制御信号が受光穴を通して受光素子で受光(受信)される。
第1スイッチブロック16は、取付部材6の左右方向における略中央位置に、ねじ止め等により取り付けられている。
第2スイッチブロック17は、第2点検スイッチ及び第2表示素子が実装されたプリント配線板と、プリント配線板を収容する第2ケース170と、第2点検スイッチを操作するための第2押釦171とを備える。第2ケース170は、合成樹脂材料によって直方体形状の箱形に形成されている。第2ケース170の一面(下面)には、第2押釦171が収容される第3操作穴と、第3操作穴よりも径の小さい第2表示穴とが設けられている。第2押釦171は円柱状に形成されており、上下方向に移動可能な状態で第3操作穴内に収容されている。第2ケース170内において第3操作穴と上下方向に対向する位置に、押釦スイッチからなる第2点検スイッチが配置されている。したがって、第2ケース170の外から押された第2押釦171が第2ケース170内に移動し、第2押釦171の上端で第2点検スイッチが押操作されてオンする。第2ケース170内において第2表示穴と上下方向に対向する位置に第2表示素子が配置されている。すなわち、第2表示素子の発する光は第2表示穴を通して第2ケース170の外に放射される。
第2スイッチブロック17は、取付部材6の左右方向における右端の位置に、ねじ止め等により取り付けられている。
取付部材6は、筐体10の内底面(後壁12の前面)における下端部分に固定される。光源装置3のレンズ9は、筐体10の下側の側壁13における長手方向(左右方向)の中央に設けられた挿通穴14を通して筐体10の外に突出する。また、筐体10の下側の側壁13には、第1ケース160の第1操作穴、第2操作穴、第1表示穴及び受光穴、第2ケース170の第3操作穴及び第2表示穴と各々一対一に対応した複数の穴131〜136(図1参照)が設けられている。穴131は、第1操作穴と対向している。したがって、第1押釦161の先端部分が穴131を通して筐体10の外に突出する。穴132は第2操作穴と対向している。穴133は第1表示穴と対向している。穴134は受光穴と対向している。穴135は第3操作穴と対向している。したがって、第2押釦171の先端部分が穴135を通して筐体10の外に突出する。穴136は第2表示穴と対向している。
(2.6)駆動装置
駆動装置(駆動ブロック)4は、光源装置3のLED30(機能部)を駆動する第1駆動回路と、スピーカ8(機能部)を駆動する第2駆動回路と、を有している。また、駆動装置4は、駆動回路に電力を供給するための第2蓄電池ブロック5を充電する第2充電回路と、駆動回路及び第2充電回路を制御する第2制御回路とを有している。また、駆動装置4は、スピーカ8から出力する誘導音(例えば音声メッセージ)に関するデータ等を予め記憶するメモリを有している。また、駆動装置4は、上記の回路を構成する電子部品が実装された実装基板を収容する樹脂製のケース40を有している。
第2制御回路は、信号線S1(図12及び図13参照)を介して誘導灯信号装置から信号を受信したとき、第1駆動回路を制御し、通常時は外部電源から供給される電力でLED30を駆動してLED30を発光させる。また、第2制御回路は、外部電源の停電時は第2蓄電池ブロック5から供給される電力でLED30を駆動してLED30を発光させる。ただし、第2制御回路は、誘導効果を高めるためにLED30を間欠駆動するように駆動回路を制御する。例えば、第2制御回路は、約500ms毎に約50msの期間だけLED30を駆動して発光させるように駆動回路を制御することが好ましい。要するに、駆動装置4は、非常時において、機能部に相当するLED30に、防災機能に相当する点灯又は点滅を行わせる(機能部の駆動)。
また、第2制御回路は、信号線S1を介して誘導灯信号装置から信号を受信したとき、第2駆動回路を制御し、メモリ内に記憶されるデータに基づいてスピーカ8から音声メッセージを出力させる。要するに、駆動装置4は、非常時において、機能部に相当するスピーカ8に、防災機能に相当する音声メッセージの出力を行わせる(機能部の駆動)。音声メッセージは、例えば日本語「非常口はこちらです」又は英語「here is an emergencyexit」等であることが好ましい。日本語の音声及び英語の音声のいずれを出力させるかについては、駆動装置4に設けられたスイッチ等で予め切り替えることができることが好ましい。スピーカ8から出力される音声メッセージの音量は、駆動装置4に設けられた音量調整用の摘み等によって調整可能であることが好ましい。
第2充電回路は、外部電源から供給される電力で第2蓄電池ブロック5を充電する。さらに、第2制御回路は、第2充電回路を動作させているときに第2表示素子を発光させて充電中であることを表示する。第2制御回路は、第2点検スイッチがオンされている間、第2充電回路を強制的に停止させるとともに第1駆動回路及び第2駆動回路を制御して光源装置3のLED30の発光及び、スピーカ8からの音声メッセージの出力を行わせる。
(2.7)第2蓄電池ブロック
第2蓄電池ブロック5は、図4に示すように、複数の乾電池型の電池セル50(図示例では50A〜50Fの計6つ)と、複数の電池セル50をひとまとめに包むシュリンクパック(包装材)52と、ケーブル53とを有している。
各電池セル50は、ニッケル水素電池のような蓄電池である。第2蓄電池ブロック5は、筐体10内における取付台15の左横に配置される収容体U1内に収容されている(図3参照)。シュリンクパック52は、熱収縮性を有したプラスチックチューブである。したがって、第1蓄電池ブロック23のように合成樹脂製の電池ケースに収容され、更に電池ケースが取付台15の蓄電池収容部10Eに収容される場合に比べて、製造コストの低減が図られている。
シュリンクパック52内において、各電池セル50は、その軸方向が前後方向に向くように収容されている。また、シュリンクパック52内において、3つの電池セル50A〜50Cが上段に、残りの3つの電池セル50D〜50Fが下段に、それぞれ略左右方向に沿って配列されている。ただし、下段の電池セル50D〜50Fは、上段の電池セル50A〜50Cに対して、電池セル50の半径だけ右にずれて配置されている。例えば下段左端の電池セル50Dは、上段の隣り合う電池セル50A及び50Bの間に収まるように配置されている。そのため、第2蓄電池ブロック5の外郭は、前後方向から見て短辺と長辺を有した平行四辺形となっていて、全体としては、角柱状に形成されている。
ケーブル53は、図4に示すように、その一端にプラグコネクタ530を有している。ケーブル53の他端は、直列接続されている複数の電池セル50と電気的に接続されている。プラグコネクタ530は、駆動装置4に繋がっているケーブル45の先端のレセプタクルコネクタ450と抜き差し可能に接続される。要するに、(図4では抜け外れているが)プラグコネクタ530がレセプタクルコネクタ450に差し込まれることで、第2蓄電池ブロック5は、駆動装置4と電気的に接続される。
(2.8)筐体の収容構造
以下、筐体10の収容構造について説明する。本実施形態の筐体10は、図3に示すように、表示板20の後ろ側の本体100内において、第1収容部10Aと、第2収容部10Bと、第1配線部10Cと、第2配線部10Dとを有している。本実施形態では、筐体10の取付台15に、第1収容部10A、第2収容部10B、第1配線部10C、及び第2配線部10Dが設けられている。第1収容部10A、第2収容部10B、第1配線部10C、及び第2配線部10Dは、実体を持った構造体ではなく、空間的な部位として設けられている。したがって、図3では、目安として、本体100の前方から見たときのこれらの境界線を想像線(一点鎖線)で示している。
第1収容部10Aには、点灯ブロック22が収容される。第2収容部10Bには、駆動装置4が収容される。第1配線部10Cには、電源線用の第1端子台71(図示例では2つの端子台ブロックからなる)が配置される。また、第1配線部10Cには、信号線用の一対の第2端子台72が配置される。
筐体10の外部から電源線挿通孔104A(又は104B)を通じて引き込まれた複数の電源線L1は、第1配線部10C内において、第1端子台71の一次側(複数の差込口711)に電気的に接続される。第1端子台71の二次側は、複数の導出口712から導出され第2配線部10Dに配置される複数の電線(不図示)を介して、点灯ブロック22及び駆動装置4の各々と電気的に接続される。なお、取付台15には、第2配線部10Dに配置される複数の電線が第1配線部10Cへ入り込むことを規制する壁部W1(図3参照)が設けられている。
筐体10の外部から信号線挿通孔104C(又は104D)から引き込まれた複数の信号線S1は、各第2端子台72の一次側に電気的に接続される。各第2端子台72の二次側は、電線(不図示)を介して、駆動装置4と電気的に接続される。誘導灯器具1は、複数の信号線S1を介して、例えば、煙感知器等に接続されている外部の誘導灯信号装置、並びに、建物の上層階又は下層階にある別の誘導灯器具と接続されていて、これらと通信可能となっている。
詳細な説明は省略するが、スピーカ8は、スピーカ8を保持する樹脂製の保持部材が本体100内における取付台15の左横にねじ止めされて、筐体10内に収容されている。第2蓄電池ブロック5は、筐体10内において、スピーカ8より下に配置されている。また、第3端子台73は、筐体10内において、スピーカ8より上に固定されていている。第3端子台73の一次側は、信号線(不図示)を介して、駆動装置4と電気的に接続される。第3端子台73は、その右端面に電線挿入口を有している。スピーカ8の入力端と電気的に接続されている電線(不図示)の先端を、電線挿入口に挿入し、第3端子台73の前端面にあるねじを締めつけることで、当該電線が第3端子台73の二次側と電気的に接続され得る。
(2.9)吸液部材と収容体
以下、吸液部材Q1及び収容体U1について図3〜図5を参照しながら説明する。なお、図5は、誘導灯器具1の下部を左側から見た要部の断面図である。
(2.9.1)吸液部材
吸液部材Q1は、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た液体(例えば電解液)を吸収可能に構成されている。吸液部材Q1は、水、油、溶剤等の液体に対して吸収性が比較的高い材料が好ましい。具体的には、吸液部材Q1は、一例として、所定の厚さ(例えば5ミリ)を有する略矩形のシート状の不織布として形成されている。本実施形態では、吸液部材Q1として、王子キノクロス株式会社製のハトシート(登録商標)が用いられている。吸液部材Q1は、図4に示すように、矩形のシート状の本体部Q13と、本体部Q13の前端の下部から前方に突出する突起部Q14とを有している(図4参照)。
(2.9.2)収容体
収容体U1は、例えば、それぞれが金属材料により形成されたボディU11とカバーU12とを有している(図4参照)。ボディU11とカバーU12とが、取付金具(ねじU13及び蝶ナットU14)によって互いに組み付けられることで、収容体U1は、略矩形の箱状となる。収容体U1は、その内部に、吸液部材Q1及び第2蓄電池ブロック5を収容可能に構成されている。
ボディU11は、底壁U110、第1側壁U111、第2側壁U112、補強片U113、及び固定片U114を有している。ただし、ボディU11は、例えば一枚の金属板に対して折り曲げ加工を施すことで形成されている。したがって、底壁U110、第1側壁U111、第2側壁U112、補強片U113、及び固定片U114は、一体となって形成されている。
底壁U110は、矩形の板状に形成されている。第1側壁U111は、その表面が底壁U110の表面に対して略直角を成すように、底壁U110の左端から上方に延びている。図示例では、底壁U110の厚み方向が、上下方向に対してやや傾斜している。しかし、以下では、特に断りが無ければ、収容体U1の説明において、底壁U110の厚み方向が上下方向、第1側壁U111の厚み方向が左右方向、第2側壁U112の厚み方向が前後方向として説明する。本実施形態では、この底壁U110がガイド部V1に相当する(図4参照)。第1側壁U111は、その厚み方向から見たときに略L字の板状となっている。第1側壁U111は、吸液部材Q1が載せられる部位である。第1側壁U111は、その厚み方向から見たときに、吸液部材Q1と略同形で、吸液部材Q1の投影領域よりも僅かに大きく形成されている。本実施形態では、この第1側壁U111が覆い部R1に相当する(図4参照)。
第2側壁U112は、その表面が底壁U110の表面に対して略直角を成すように、底壁U110の後端から上方に延びている。第2側壁U112は、その厚み方向から見たときに略L字の板状となっている。第2側壁U112は、その厚み方向に貫通する一対のねじ挿通孔U115を有している。一対のねじ挿通孔U115のうち一方は、第2側壁U112の左端近傍に、他方は、第2側壁U112の右端において上方に突出する部位に設けられている。
補強片U113は、その表面が第2側壁U112の表面に対して略直角を成すように、第2側壁U112の右端から前方に延びている。補強片U113は、その厚み方向から見たときに細長い矩形の板状となっている。補強片U113は、その前端に、後方に凹んだ凹所U116を有している。固定片U114は、第1側壁U111の前端から左方に突出している。固定片U114は、その厚み方向から見たときに矩形の板状となっている。固定片U114は、その厚み方向に貫通して、ねじU13が挿通される孔(不図示)を有している。
カバーU12は、天壁U120、前壁U121、右壁U122、後壁U123、左壁U124、及び固定片U125を有している。ただし、カバーU12は、例えば一枚の金属板に対して折り曲げ加工を施すことで形成されている。したがって、天壁U120、前壁U121、右壁U122、後壁U123、左壁U124、及び固定片U125は、一体となって形成されている。
天壁U120は、矩形の板状に形成されている。前壁U121は、その表面が天壁U120の表面に対して略直角を成すように、天壁U120の前端から下方に延びている。前壁U121は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。右壁U122は、その表面が天壁U120の表面に対して略直角を成すように、天壁U120の右端から下方に延びている。右壁U122は、その外面の略中央付近において、補強片U113の凹所U116が挿入され得る突起U15を有している。また、右壁U122の前端と前壁U121の右端との間には、第2蓄電池ブロック5のケーブル53を収容体U1の外部に導出するための導出口U16が設けられている。
後壁U123は、その表面が天壁U120の表面に対して略直角を成すように、天壁U120の後端から下方に延びている。後壁U123は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。後壁U123の右端と右壁U122の後端との間には、切り欠き状に形成された逃がし溝U17が設けられている。逃がし溝U17は、ボディU11の右上の挿通孔U115を通ったねじの先端、及びナットを逃がすための溝である。
左壁U124は、その表面が天壁U120の表面に対して略直角を成すように、天壁U120の左端から下方に延びている。左壁U124は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。左壁U124の前端と前壁U121の左端との間には、切り欠き状に形成された露出口U18(図4及び図5参照)が設けられている。
固定片U125は、左壁U124の前端から左方に突出している。固定片U125は、左右方向から見たときにL字の板状となっている。固定片U125は、ボディU11の固定片U114と対向する。固定片U125は、固定片U114の孔を通ったとねじU13が挿通される孔U19を有している。
第2蓄電池ブロック5は、天壁U120、4つの壁U121〜U124、並びに、ボディU11の底壁U110、第2側壁U112及び補強片U113によって囲まれた収容空間内で保持される。一方、吸液部材Q1は、ボディU11の第1側壁U111とカバーU12の左壁U124との間の収容空間内で保持されている(図5参照)。要するに、左壁U124は、第2蓄電池ブロック5の収容空間と、吸液部材Q1の収容空間とを仕切る仕切壁となっている。ただし、吸液部材Q1の突起部Q14は、露出口U18を介して、第2蓄電池ブロック5の最下部51と向き合っている。
(2.9.3)収容体の組立
以下、収容体U1の組立手順について説明する。以下で説明する組立手順は、単なる一例であり、特に限定されるものではない。
収容体U1の組立作業者(以下、単に作業者と呼ぶ)は、まず、ボディU11を筐体10の本体100に固定する。具体的には、作業者は、本体100の後壁12に設けられている一対の挿通孔105(図4参照)にねじ(不図示)を通し、更に、ボディU11の第2側壁U112にある一対のねじ挿通孔U115に、それぞれ通してナット等で締め付ける。なお、本体100に固定されたボディU11の底壁U110の表面が、前後方向から見たときに、鉛直方向に対して傾いた状態となるように、一対の挿通孔105及び一対のねじ挿通孔U115の位置関係が規定されている。
次に作業者は、吸液部材Q1をボディU11の第1側壁U111(覆い部R1)の上に載せる。具体的には、その第1面Q11(右面)が第2蓄電池ブロック5の収容空間の側を向くように、言い換えると、第1面Q11とは反対側の第2面Q12(左面)が第1側壁U111と面接触するように、吸液部材Q1を配置する。このとき突起部Q14が第1側壁U111の前端の下部から延び出ている部位に対応するように、吸液部材Q1を載せる。吸液部材Q1の下面は、底壁U110の上面における左端の領域に接触する。吸液部材Q1は、第1側壁U111に対して接着剤等の固定手段によって固定されてもよいし、経年劣化した吸液部材Q1の交換作業を考慮すれば、固定されなくてもよい。
続いて作業者は、第2蓄電池ブロック5を底壁U110の上面における吸液部材Q1の右横の領域に載せる。このとき角柱状の外郭を有する第2蓄電池ブロック5において最も表面積の大きい一面(図4では下面)が底壁U110の上面と接触するように載せる。
そして作業者は、カバーU12の左壁U124がボディU11に載せられた吸液部材Q1と第2蓄電池ブロック5との間に差し込まれるように、カバーU12をボディU11の上から被せる。このとき突起U15を補強片U113の凹所U116に嵌めることで位置決めが達成される。また作業者は、第2蓄電池ブロック5のケーブル53を導出口U16から導出させる。
最後に作業者は、ねじU13を後方から固定片U114の孔に通し、更に固定片U125の孔U19に通した後、蝶ナットU14で締め付けることで、収容体U1の組立が完了する。ねじU13は、溶接等で予め固定片U114と一体となって形成されてもよい。
(2.9.4)電解液の漏出抑制構造
以下、吸液部材Q1及び収容体U1による漏出抑制構造について説明する。収容体U1内に収容された吸液部材Q1は、少なくとも一部(ここでは突起部Q14)が、鉛直方向において第2蓄電池ブロック5より下方に配置されている(図5参照)。そして、第1側壁U111は、吸液部材Q1における第2蓄電池ブロック5と対向する第1面Q11とは反対側の第2面Q12を覆うように配置されている。
したがって、たとえ第2蓄電池ブロック5で電解液の液漏れが生じたとしても、当該電解液が、ボディU11の底壁U110上を伝って露出口U18を通過後、吸液部材Q1の突起部Q14で吸収される。つまり、覆い部R1(第1側壁U111)と一体となって形成されているガイド部V1(底壁U110)が、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た電解液を吸液部材Q1に向けてガイドする。
電解液は、突起部Q14で吸収後、本体部Q13に拡がる。また、吸液部材Q1で吸収しきれずに吸液部材Q1の第2面Q12の側に染み出たとしても、第1側壁U111で受け止めることができる。したがって、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た液体(例えば電解液)が筐体10内で拡散して周囲の電子部品等に触れてしまう可能性を低減できる。また、筐体10の外部に漏出してしまう可能性も更に低減できる。
特に、吸液部材Q1及び第2蓄電池ブロック5が、箱状の収容体U1内に収容されていることで、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た電解液を効率良く吸液部材Q1に集めることができる。また、収容体U1が金属製であるため、電解液による収容体U1の腐食が抑制される。さらに、覆い部R1及びガイド部V1が収容体U1の一部によって構成されているため、これらが別の部材として設けられる場合に比べて、部品点数の削減を図ることができる。
なお、一般的に、ニッケル水素電池のような二次電池は、一次電池に比べれば液漏れを起こし難いとはいえ、充放電が繰り返し行われると複数の電池セル間で電位差が生じてしまい、ガスが発生し易くなる。そのため、液漏れの発生は避けられない。これに対して、誘導灯器具1が吸液部材Q1及び覆い部R1を備えるため、たとえ電池セル50がニッケル水素電池のような二次電池であっても、電解液の拡散を低減できる。
また上述した通り、シュリンクパック52によって複数の電池セル50がひとまとめに包まれていることで、第2蓄電池ブロック5は、全体として角柱状となっている。更に、ボディU11が筐体10に対して傾斜して固定されている。言い換えると、第2蓄電池ブロック5、吸液部材Q1及び第1側壁U111(覆い部R1)が並ぶ並び方向は、鉛直方向に対して傾斜している。また、第2蓄電池ブロック5の外郭における一の角部が、第2蓄電池ブロック5の最下部51である。その結果、第2蓄電池ブロック5から流出した電解液は、最下部51である当該角部に集まり易くなる。したがって、最下部51が平坦な面である場合に比べて、吸液部材Q1の表面積を小さくできる。
ところで、ボディU11が筐体10に対して傾斜して固定されているため、吸液部材Q1は、鉛直方向から見たとき、最下部51と重ならない位置にある(図3参照)。ただし、ガイド部V1(底壁U110)が第2蓄電池ブロック5から漏れ出た電解液を吸液部材Q1に向けてガイドするため、たとえ吸液部材Q1が上記の位置にあっても、電解液は効率良く吸液部材Q1で吸収される。
(3)変形例
以下に、いくつかの変形例について列記する。以下では上述した実施形態を「基本例」と呼ぶ。
(3.1)変形例1
基本例の防災器具は、1つのプレート101が、本体100の前面を覆う片面タイプの誘導灯器具1であった。しかし、防災器具は、例えば、図6に示すように、同一の構造を有する2つのプレート101が、本体100に対してそれぞれ前方と後方とから取付可能となった両面タイプの誘導灯器具1A(変形例1)であってもよい。例えば、基本例で説明した筐体10の後壁13の背面に、もう1つ別のプレート101が取り付けられることで、誘導灯器具1Aが提供されてもよい。この場合においても、基本例の吸液部材Q1及び収容体U1が適用されることが望ましい。
(3.2)変形例2
基本例及び変形例1では、スピーカ8を備えた、誘導音付の誘導灯器具として構成されていた。しかし、防災器具は、例えば、図7及び図8に示すように、スピーカ8を備えていない誘導灯器具1B(変形例2)であってもよい。
ただし、誘導灯器具1Bにおいては、スピーカ8を収容するスペースが不要となるため、筐体10の左右方向の寸法が、基本例及び変形例1の筐体10に比べて小さい。そのため、第2蓄電池ブロック5を収容するスペースも、基本例及び変形例1に比べて狭い。そこで、誘導灯器具1Bは、基本例及び変形例1の収容体U1とは異なる構造を有した収容体U2を備えている。
(3.2.1)変形例2の収容体
以下、収容体U2について、図9及び図10を参照しながら説明する。なお、基本例と共通する構成要素については、同じ参照符号を付与して適宜に説明を省略する。
収容体U2は、例えばそれぞれが金属材料により形成されたボディU21とカバーU22とを有している(図9参照)。ボディU21とカバーU22とが取付金具(ねじU13及び蝶ナットU14)によって互いに組み付けられることで、収容体U2は、略矩形の箱状となる。収容体U2は、その内部に第2蓄電池ブロック5を収容可能に構成されている。一方、吸液部材Q1は、ボディU21における、カバーU22で覆われていない下方の部位に配置されている。
ボディU21は、底壁U210、第1側壁U211、第2側壁U212、天壁U213、補強片U214、及び固定片U215を有している。ただし、ボディU21は、例えば一枚の金属板に対して折り曲げ加工を施すことで形成されている。したがって、底壁U210、第1側壁U211、第2側壁U212、天壁U213、補強片U214、及び固定片U215は、一体となって形成されている。
底壁U210は、矩形の板状に形成されている。誘導灯器具1Bでは、基本例及び変形例1とは異なり、収容体U2を、筐体10に対して傾斜させるほどのスペースが存在しない。そのため、収容体U2は、底壁U210の厚み方向が上下方向に一致するように配置されている。底壁U210は、吸液部材Q1が載せられる部位である。底壁U210は、その厚み方向から見たときに、吸液部材Q1の投影領域よりも僅かに大きいように形成されている。本変形例では、この底壁U210が覆い部R1に相当する(図9参照)。
第1側壁U211は、その厚み方向から見たときに上下方向に長尺の略L字の板状となっている。第1側壁U211は、その表面が底壁U210の表面に対して略直角を成すように、底壁U210の左端の後部から上方に延びている。第1側壁U211の内面のうち略上半分の第1内面U23がカバーU22によって覆われる領域である(図9参照)。一方、略下半分の第2内面U24がカバーU22によって覆われない領域である(図9参照)。第1内面U23の前後方向の寸法は、第2内面U24の前後方向の寸法よりも小さい。本変形例では、この第1側壁U211がガイド部V1に相当する(図9参照)。
第2側壁U212は、その厚み方向から見たときに上下方向に長尺の略矩形の板状となっている。第2側壁U212は、その表面が第1側壁U211の表面に対して略直角を成すように、第1側壁U211の後端から右方に延びている。第2側壁U212は、その厚み方向に貫通する一対のねじ挿通孔U216を有している。一対のねじ挿通孔U216のうち一方は、第2側壁U212の左上隅に、他方は、第2側壁U212の右下隅に設けられている。本変形例では、この第2側壁U212もガイド部V1に相当する。
天壁U213は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。天壁U213は、その表面が第1側壁U211の表面に対して略直角を成すように、第1側壁U211の上端から右方に延びている。補強片U214は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっていて、第1側壁U211における第1内面U23を有する部位の下端の前部から右方に突出している。固定片U215は、天壁U213の前端から上方に突出している。固定片U215は、その厚み方向から見たときに矩形の板状となっている。固定片U215は、その厚み方向に貫通して、ねじU13が挿通される孔(不図示)を有している。
カバーU22は、右壁U220、前壁U221、下壁U222、後壁U223、上壁U224、及び固定片225を有している。ただし、カバーU22は、例えば一枚の金属板に対して折り曲げ加工を施すことで形成されている。したがって、右壁U220、前壁U221、下壁U222、後壁U223、上壁U224、及び固定片225は、一体となって形成されている。
右壁U220は、矩形の板状に形成されている。前壁U221は、その表面が右壁U220の表面に対して略直角を成すように、右壁U220の前端から左方に延びている。前壁U221は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。
下壁U222は、その表面が右壁U220の表面に対して略直角を成すように、右壁U220の下端から左方に延びている。下壁U222は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。また、下壁U222の前端と前壁U221の下端との間には、第2蓄電池ブロック5のケーブル53を導出するための導出口U25が設けられている。
後壁U223は、その表面が右壁U220の表面に対して略直角を成すように、右壁U220の後端から左方に延びている。後壁U223は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。また、後壁U223の下端と下壁U222の後端との間には、切り欠き状の第1凹所U26が形成されている。
上壁U224は、その表面が右壁U220の表面に対して略直角を成すように、右壁U220の上端から左方に延びている。上壁U224は、その厚み方向から見たときに略矩形の板状となっている。また、上壁U224の前端と前壁U221の上端との間には、切り欠き状の第2凹所U27が形成されている。
固定片225は、上壁U224の前端から上方に突出している。固定片225は、上下方向から見たときにL字の板状となっている。固定片225は、ボディU21の固定片U215と対向する。固定片225は、固定片U215の孔を通ったとねじU13が挿通する孔U28を有している。
第2蓄電池ブロック5は、ボディU21の第1側壁U211の略上半分、並びに、カバーU22の4つの壁U220〜U224によって囲まれた収容空間内に保持される。一方、吸液部材Q1は、第2蓄電池ブロック5の収容空間から比較的距離を空けた位置にあるボディU11の底壁U210の上面に配置されている。なお、下壁U222の左後ろの角U29は、面取りされているため、カバーU22がボディU21に組み付けられたときに、隙間が形成される。吸液部材Q1の突起部Q14は、当該隙間を介して、第2蓄電池ブロック5の最下部51と向き合っている。また、吸液部材Q1の本体部Q13の前端は、導出口U25を介して、第2蓄電池ブロック5の最下部51と向き合っている。
(3.2.2)変形例2の収容体の組立
以下、収容体U2の組立手順について説明する。なお、以下で説明する組立手順は、単なる一例であり、特に限定されるものではない。
作業者は、まず、ボディU21を筐体10の本体100に固定する。具体的には、作業者は、本体100の後壁12に設けられている一対の挿通孔(不図示)にねじ(不図示)を通し、更に、ボディU21の第2側壁U212にある一対のねじ挿通孔U216に、それぞれ通してナット等で締め付ける。ここでは、基本例の収容体U1とは異なり、本体100に固定されたボディU21は、その長手方向が鉛直方向に対して平行となるように、上記一対の挿通孔及び一対のねじ挿通孔U216の位置関係が規定されている。
次に作業者は、吸液部材Q1をボディU21の底壁U210(覆い部R1)の上に載せる。具体的には、その第1面Q11(上面)が第2蓄電池ブロック5の収容空間の側を向くように、言い換えると、第1面Q11とは反対側の第2面Q12(下面)が底壁U210と面接触するように、吸液部材Q1を配置する。吸液部材Q1は、第1側壁U111に対して接着剤等の固定手段によって固定されてもよいし、経年劣化した吸液部材Q1の交換作業を考慮すれば、固定されなくてもよい。
続いて作業者は、第2蓄電池ブロック5を、ボディU21の補強片U214よりも上に配置させる。このとき角柱状の外郭を有する第2蓄電池ブロック5において最も表面積の大きい一面(図9では左面)が第1側壁U211の第1内面U23と接触するように載せる。そして、作業者は、カバーU22をボディU11の右から被せる。このとき作業者は、第2蓄電池ブロック5のケーブル53を導出口U25から導出させる。
最後に作業者は、ねじU13を後方から固定片U215の孔に通し、更に固定片U225の孔U28に通した後、蝶ナットU14で締め付けることで、収容体U2の組立が完了する。ねじU13は、溶接等で予め固定片U215と一体となって形成されてもよい。
(3.2.3)変形例2における電解液の漏出抑制構造
以下、吸液部材Q1及び収容体U2による漏出抑制構造について説明する。収容体U2内に収容された吸液部材Q1の全部が、鉛直方向において第2蓄電池ブロック5より下方に配置されている(図10参照)。そして、覆い部R1である底壁U210は、吸液部材Q1における第2蓄電池ブロック5と対向する第1面Q11とは反対側の第2面Q12を覆うように配置されている。
したがって、たとえ第2蓄電池ブロック5で電解液の液漏れが生じたとしても、当該電解液が、導出口U25から下方に落下後、吸液部材Q1で吸収される。あるいは、電解液は、面取りされた角U29と第1側壁U211とによって囲まれる上記隙間等を通過後そのまま下方に落下、又は第1側壁U211の第2内面U24や第2側壁U212の内面を伝って下方に流れて、吸液部材Q1で吸収される。本変形例では、覆い部R1(底壁U210)と一体となって形成されているガイド部V1(第1側壁U211及び第2側壁U212)が、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た電解液を吸液部材Q1に向けてガイドする。
本変形例においても、電解液が吸液部材Q1で吸収しきれずに吸液部材Q1の第2面Q12の側に染み出たとしても、底壁U210で受け止めることができる。したがって、基本例と同様に、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た電解液が拡散して周囲の電子部品等に触れたり筐体10の外部に漏出したりする可能性を低減できる。
本変形例においては、第2蓄電池ブロック5、吸液部材Q1及び底壁U210(覆い部R1)が並ぶ並び方向は、鉛直方向に対して傾斜しておらず平行である。ただし、本変形例においても、第2蓄電池ブロック5の外郭における一の角部が、第2蓄電池ブロック5の最下部51である。その結果、第2蓄電池ブロック5から流出した電解液は、最下部51である当該角部に集まり易くなる。したがって、最下部51が平坦な面である場合に比べて、吸液部材Q1の表面積を小さくすることができる。
なお、基本例と異なり、本変形例では、収容体U1が筐体10に対して傾斜していないことから、電解液がガイド部V1を伝うことなく自由落下する可能性が高い。この点を考慮して、本変形例の吸液部材Q1は、鉛直方向から見たときに、最下部51と重なる位置にある(図8参照)。したがって、自由落下する電解液を、吸液部材Q1にて、より高い確率で捕捉することができる。
ところで、本変形例では、図10に示すように、吸液部材Q1は、筐体10の本体100とプレート101との境界Z1を跨ぐように配置されている。そのため、筐体10が2つの部材(本体100とプレート101)の組み付けにより構成される場合であっても、それらの繋ぎ目である境界Z1から電解液が外部に漏出する可能性を低減できる。ここでは、更に覆い部R1(底壁U210)も、境界Z1を跨ぐように配置されているため、更に漏出の可能性を低減できる。
(3.3)変形例3
変形例2の防災器具は、スピーカ8を備えておらず、かつ、1つのプレート101が本体100の前面を覆う片面タイプの誘導灯器具1Bであった。しかし、防災器具は、例えば、図11に示すように、同一の構造を有する2つのプレート101が、本体100に対してそれぞれ前方と後方とから取付可能となった両面タイプの誘導灯器具1C(変形例3)であってもよい。この場合においても、変形例2の吸液部材Q1及び収容体U2が適用されることが望ましい。
(3.4)変形例4
基本例及び変形例1の防災器具は、天井材又は壁材等に直付けされる、誘導音付の誘導灯器具1、1Aであった。そのため、光源装置3を露出する挿通穴14は下側の側壁13に設けられて、LED30の光軸が下方を向いていた。しかし、防災器具は、例えば、図12に示すように、光源装置3を露出する挿通穴14が、プレート101の下部に設けられて、LED30の光軸が前方を向いている、スピーカ8付きの誘導灯器具1D(変形例4)であってもよい。要するに、変形例4の誘導灯器具1Dは、壁材等の構造体T1に埋め込みされる埋込形の誘導灯器具である。この場合においても、基本例の吸液部材Q1及び収容体U1が適用されることが望ましい。
(3.5)変形例5
変形例2及び変形例3の防災器具は、天井材又は壁材等に直付けされる、スピーカ8を備えていない誘導灯器具1B、1Cであった。そのため、光源装置3を露出する挿通穴14は下側の側壁13に設けられて、LED30の光軸が下方を向いていた。しかし、防災器具は、例えば、図13に示すように、光源装置3を露出する挿通穴14が、プレート101の下部に設けられて、LED30の光軸が前方を向いている、スピーカ8を備えていない誘導灯器具1E(変形例5)であってもよい。要するに、変形例5の誘導灯器具1Eは、壁材等の構造体T1に埋め込みされる埋込形の誘導灯器具である。
ただし、誘導灯器具1Eは、基本例及び変形例1、4と同様に収容体U1が適用されるが、吸液部材Q1が収容体U1に配置されていない点で、基本例及び変形例1、4と異なる。
以下、誘導灯器具1Eについて、図14及び図15を参照しながら説明する。なお、基本例と共通する構成要素については、同じ参照符号を付与して適宜に説明を省略する。
本変形例の誘導灯器具1Eは、上述の通り、埋込形の誘導灯器具であるため、筐体10の本体100及びプレート101の形状が、基本例のものと異なる(図5と図15とを比較参照)。すなわち、誘導灯器具1Eが壁材等の構造体T1に埋め込みされたときに、筐体10の前壁11は、その周縁が構造体T1の開口縁の面より手前に位置するようにフランジ状に構成されている。
具体的には、本体100は、その前面の開口縁の全周にわたって、本体100の上下及び左右方向の中心から離れる方向に突出する4つの周縁突起106を有している。すなわち、4つの周縁突起106は、上下左右4つの側壁13の各々の前端からそれぞれ外方に突出している。一方、プレート101を前後方向から見たときに、その投影領域が、本体100の(4つの周縁突起106を含めた)外周縁と略一致するように、プレート101の上下左右方向の寸法が規定されている。また、プレート101の外周縁には、その全周にわたって後方に突出する突片107が設けられている(図15参照)。また、プレート101が本体100に組み付けられたときに、4つの周縁突起106の先端が、突片107の先端(後端)と接触するように互いの寸法関係が規定されている(図15参照)。
本変形例において、基本例と同様の収容体U1が、筐体10に対して、傾斜させずにねじ止め固定されている。そして、吸液部材Q1は、収容体U1ではなく、本体100とプレート101とによって挟まれるようにして保持されている。吸液部材Q1は、筐体10を前後方向から見たときに、筐体10の左下隅に配置される。吸液部材Q1は、その厚み方向が前後方向に沿うように、下側の側壁13の周縁突起106と、当該周縁突起106に対向するプレート101の本体1020との間で保持される。このとき、吸液部材Q1の第1面Q11(上面)は、第2蓄電池ブロック5の最下部51と対向する。吸液部材Q1の第2面Q12(下面)は、突片107の上面と接触する。
つまり、本変形例では、覆い部R1が、筐体10の一部であるプレート101の突片107によって構成されている(図15参照)。また、本変形例では、下側の側壁13が、ガイド部V1に相当する(図15参照)。
本変形例においても、たとえ第2蓄電池ブロック5から電解液が漏れ出たとしても、当該電解液が落下後、吸液部材Q1で吸収される。あるいは、電解液は、落下後に、ガイド部V1である下側の側壁13の上面を伝って前方に流れて、吸液部材Q1で吸収される。また、本変形例においても、電解液が吸液部材Q1で吸収しきれずに吸液部材Q1の第2面Q12の側に染み出たとしても、突片107で受け止めることができる。したがって、基本例と同様に、第2蓄電池ブロック5から漏れ出た電解液が拡散して周囲の電子部品等に触れたり筐体10の外部に漏出したりする可能性を低減できる。
なお、本変形例では、プレート101の一部(突片107)が、覆い部R1であったが、筐体10の一部であれば特に限定されるものではなく、例えば、本体100の一部が、覆い部R1であってもよい。すなわち、プレート101が突片107を有する代わりに、本体100が下側の側壁13の周縁突起106の先端(下端)から更に前方に突出する突片(覆い部R1)を有していてもよい。
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)は、構造体(T1)に取り付けられる。防災器具は、防災機能を有する機能部(例えば光源装置3のLED30)と、1又は複数の電池セル(50)を有する電池ブロック(例えば第2蓄電池ブロック5)と、駆動ブロック(例えば駆動装置4)と、吸液部材(Q1)と、覆い部(R1)とを備える。駆動ブロック(駆動装置4)は、上記防災機能が実行されるように機能部を駆動する。駆動ブロック(駆動装置4)は、少なくとも電池ブロックから、電力供給を受けるように構成される。吸液部材(Q1)は、液体を吸収可能であり、少なくとも一部が、鉛直方向において電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)より下方に配置される。覆い部(R1)は、吸液部材(Q1)における電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)と対向する第1面(Q11)とは反対側の第2面(Q12)を少なくとも覆う。第1の態様によれば、電池ブロック(例えば第2蓄電池ブロック5)から漏れ出た液体(電解液等)が拡散してしまう可能性の低減を図ることができる。
第2の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)は、第1の態様において、筐体(10)を更に備えることが好ましい。筐体(10)は、機能部(LED30)、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)、駆動ブロック(駆動装置4)、吸液部材(Q1)、及び覆い部(R1)を収容することが好ましい。筐体(10)は、開放された一面を有する本体(100)と、当該一面を覆うように本体(100)に取り付けられるプレート(101)とを有することが好ましい。吸液部材(Q1)は、本体(100)とプレート(101)との境界(Z1)を跨ぐように配置されていることが好ましい。第2の態様によれば、筐体(10)が2つの部材(本体(100)とプレート(101))の組み付けにより構成される場合であっても、それらの繋ぎ目である境界(Z1)から液体が外部に漏出する可能性を低減できる。
第3の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)に関して、第1の態様において、覆い部(R1)は、筐体(10)の一部によって構成されていることが好ましい。筐体(10)は、機能部(LED30)、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)、駆動ブロック(駆動装置4)、及び吸液部材(Q1)を収容することが好ましい。第3の態様によれば、覆い部(R1)が、筐体(10)とは別の部材として設けられる場合に比べて、部品点数の削減を図ることができる。
第4の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)に関して、第1〜第3の態様のいずれか1つにおいて、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)は、角柱状の外郭を有することが好ましい。また、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)は、その最下部(51)が外郭における一の角部となるように配置されていることが好ましい。第4の態様によれば、最下部(51)が電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)の角部となるため、電池ブロック(例えば第2蓄電池ブロック5)から漏れ出た液体が当該角部に集まる。したがって、吸液部材(Q1)の表面積を小さくすることができる。
第5の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)に関して、第1〜第4の態様のいずれか1つにおいて、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)、吸液部材(Q1)及び覆い部(R1)が並ぶ並び方向は、鉛直方向に対して傾斜していることが好ましい。第5の態様によれば、電池ブロック(例えば第2蓄電池ブロック5)から漏れ出た液体が最下部(51)に集まり易くなる。
第6の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)に関して、第1〜第5の態様のいずれか1つにおいて、吸液部材(Q1)は、鉛直方向から見たときに、電池ブロックの最下部(51)と重なる位置にあることが好ましい。第6の態様によれば、構成を簡素化しつつ、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)から漏れ出た液体を効率良く吸液部材(Q1)に集めることができる。
第7の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)に関して、第1〜第5の態様のいずれか1つにおいて、吸液部材(Q1)は、鉛直方向から見たときに、電池ブロックの最下部(51)と重ならない位置にあることが好ましい。この場合、防災器具は、覆い部(R1)と一体となって形成され、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)から漏れ出た液体を吸液部材(Q1)に向けてガイドするガイド部(V1)を、更に備えることが好ましい。第7の態様によれば、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)から漏れ出た液体を更に効率良く吸液部材(Q1)に集めることができる。
第8の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)は、第1〜第7の態様のいずれか1つにおいて、箱状に形成されて、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)及び吸液部材(Q1)を収容する金属製の収容体(U1、U2)を、更に備えることが好ましい。覆い部(R1)は、収容体(U1、U2)の一部によって構成されていることが好ましい。第8の態様によれば、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)から漏れ出た液体を効率良く吸液部材(Q1)に集めることができる。また、収容体(U1、U2)が金属製のため、電解液等の液体による収容体(U1、U2)の腐食が抑制される。さらに、覆い部(R1)が収容体(U1、U2)と別の部材として設けられる場合に比べて、部品点数の削減を図ることができる。
第9の態様に係る防災器具(誘導灯器具1、1A〜1E)に関して、第1〜第8の態様のいずれか1つにおいて、電池ブロック(第2蓄電池ブロック5)は、電池セル(50)を複数有していることが好ましい。また、複数の電池セル(50)は、熱収縮性を有する合成樹脂製の包装材(シュリンクパック52)によってひとまとめに包装されていることが好ましい。第8の態様によれば、複数の電池セル(50)が1つにまとめられることで、電池ブロック全体として見たときに電解液等の液体が流出する箇所を1箇所(例えばシュリンクパック52の開口等)に集約できる。