JP6916560B1 - 微粒子の吸着および反発剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔または毛髪、マスク、衣服などに噴霧して用いることに適した、微粒子の吸着および反発剤を提供すること。【解決手段】2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドからなるカチオン性ポリマーが水中に溶解または分散した、プラスの電荷を有する物質を含む液状組成物を含有する、微粒子の吸着および反発剤。【選択図】図2

Description

本発明は、アレルゲンやウイルス、花粉、有害微粒子等をヒトが吸入してしまう事を抑制する製品に関する。
例えば、特許文献1には、特定の両性イオン基を有するポリマー、および/または、特定のアニオン基を有するポリマーを含有する花粉吸着防止剤が記載されている。
特許文献2には、有害物質の吸入抑制製品として、有害物質を吸着する電荷を持った電荷物質と、有害物質を失活させるための特定の失活剤とを含有するものが記載されている。
特許第4562585号 特許第6082550号
毛髪、顔、マスク、衣服などへの噴霧に適した優れた効果を有する製品を提供することが、本発明の課題である。
本願の上記課題は以下の組成物、剤、製品および方法により解決される。
(1)以下の成分(a)が水中に溶解または分散した、プラスの電荷を有する物質を含む液状組成物、又は該組成物を含有する微粒子の吸着および反発剤:
(a)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドからなるカチオン性ポリマー。
(2)上記の液状組成物は、さらに以下の成分(b)〜(e)を含むことができる:
(b)触媒作用および/または抗菌作用および/または抗ウイルス作用により有害物質を失活させる失活剤;
(c)ポリフェノール系脱臭剤;
(d)眼鏡の曇り止め用の親水性界面活性剤;および
(e)植物の蒸留水を含む賦香剤。
(3)上記の液状組成物は、カチオン性ポリマーを0.001〜10%(w/v)含有することができる。
(4)上記の液状組成物において、失活剤は、酸化亜鉛や、高級アミン・逆性石鹸に用いられる成分、例えばベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリドからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むことができる。
(5)上記の液状組成物において、ポリフェノール系脱臭剤は、緑茶ポリフェノール、柿タンニンからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含むことができる。
(6)上記の液状組成物において、親水性界面活性剤は、PEG-12ジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコンからなる群から選択される、HLBが8以上のポリエーテル変性シリコーンのうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
(7)上記の液状組成物は、包摂物で安定性をより向上させたものであることができる。
(8)上記の液状組成物は、Ζ電位が+10mV以上、望ましくは+20mV以上である。
(9)上記の液状組成物又は剤は、顔または毛髪、マスク、衣服等に噴霧して、有害微粒子の吸入を抑制するために用いることができる。
(10)成分(a)のカチオン性ポリマーにおいて、(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドの割合が50%以上であることができる。
(11)上記の液状組成物又は剤は、アレルゲンやウイルス等の有害微粒子等をヒトが吸入してしまう事を抑制するために顔または毛髪、マスク、衣服などに噴霧して用いる、液状組成物が容器に充填された噴霧剤製品の形態とすることができる。
(12)上記の剤を、顔または毛髪、マスク、衣服等に噴霧する、有害微粒子吸入抑制方法も、本発明の範囲内である。
本発明では、カチオン性のポリマーであるポリクオタニウム−64の電荷を利用してクーロン力による吸着・反発を利用して顔やマスクに吹きかけることで、花粉やウイルス等の侵入を抑制する。さらに、ポリクオタニウム−64は、皮膚や毛髪の保湿効果を有する。
さらに、本発明の組成物には、有害物質の失活を目的として触媒作用のあるもの、抗菌作用のあるもの、抗ウイルス作用のあるものが含まれている。
本発明の組成物・製品をマスクに使う場合、マスク外気側に使用する事で、有害物質吸引効果が得られる。また、マスク口側(皮膚側)に使用する事で、脱臭と当人の呼気からのウイルスなどの感染拡大が抑制される。さらに、本発明の組成物・製品においては、賦香、脱臭、眼鏡の曇り止め効果を付加している。眼鏡の曇り止めは、レンズに塗布してふき取ることで曇り止め効果を得ることができる。
本発明の製品の使用形態の例示。 処方例1の反発効果を示す。 MIC法による、処方例1の抗菌効果を示す。上から、検体含有のプレートに大腸菌(E)、黄色ブドウ球菌(S)、緑膿菌(P)を接種した。左がブランク、右が10倍濃縮液を450μl相当濃度になるよう調製したもの。 ペーパーディスク法による、処方例1の抗菌効果を示す。 処方例2の曇り止め効果を示す。 処方例2又は処方例4の反発効果を示す。
本発明は、アレルゲンやウイルス、花粉、有害微粒子等をヒトが吸入してしまう事を抑制する製品において、カチオン性のポリマーの電荷を利用してクーロン力による吸着・反発を利用して吸引を防ぐ顔または毛髪、マスク、衣服などに噴霧することのできる組成物・製品を提供する。本発明の組成物は、微粒子の吸着および反発剤として使用される。
1.成分
(a)ポリクオタニウム-64
カチオン性のポリマーとは、カチオン性の基が導入された高分子物質である。本発明で使用される「ポリクオタニウム-64(Polyquaternium-64)」は、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(略称:MPC)及びカチオンモノマーである2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(商品名:ブレンマー(登録商標)QA)からなる、次の化学式で表わされる第4級アンモニウム塩の重合体である(日本化粧品工業連合会のホームページより)。
Figure 0006916560
ポリクオタニウム−64は、優れた皮膚浸透性・皮膚透過性を有し、皮膚刺激性が低いことから、皮膚に噴霧・塗布する組成物に配合するために好適である。現在市販されている典型的なポリクオタニウム-64(商品名:Lipidure C)は、MPC70%、カチオンモノマー30%からなる合成ポリマーである。ポリマーの分子量は60万以上であることが好ましい。しかしながら、本発明では、ポリクオタニウム−64であるカチオン性ポリマー中のMPCとカチオンモノマーの比率、およびポリマーの分子量は様々に変化させることが可能である。本発明において、ポリマー中のカチオンモノマーの割合は特に限定されず、50%以上、あるいは55%以上、あるいは60%以上であってもよい。
本発明の組成物において、ポリクオタニウム−64の含有量は、0.001〜10%(w/v)であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1%(w/v)である。
(b)有害物質を失活させる失活剤
本発明の組成物・製品には、有害物質の失活を目的とした物質が含まれている。本発明が対象とする有害物質は、主として、空中に漂い、ヒトが吸入してしまうことでアレルギー反応や疾患等の人体に有害な作用を引き起こす物質である。例えば、花粉、微粒子状の大気汚染物質(PM2.5等)その他のアレルゲン、病原性のウイルス、その他の有害微粒子が挙げられる。有害物質の失活のための失活剤として、触媒作用、抗菌作用、抗ウイルス作用を有する物質が使用可能である。そのような失活剤の具体例として酸化亜鉛や、高級アミン・逆性石鹸に用いられる成分、例えばベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド等が挙げられる。
(c)ポリフェノール系脱臭剤
本発明の組成物・製品には、ポリフェノール系の脱臭剤が含まれている。例としては、緑茶ポリフェノールや柿タンニン等の天然物由来の物質が挙げられる。これらは、空間消臭などに使用されているが、顔や髪への噴霧においても問題なく使用可能である。
(d)親水性界面活性剤
本発明の組成物・製品には、親水性界面活性剤が含まれている。これは、マスクして眼鏡をすることで眼鏡が曇りやすくなるため、製品の主目的に加えて、レンズに塗布してふき取ることで曇り止め効果を付加したものである。眼鏡の曇り止めの効果を示す成分として親水性の界面活性剤が使用できる。当然ながら、肌への噴霧にも問題なく使用可能な物質が好ましい。なお、一般的な親水性活性剤のうち、脂肪酸などは蒸発により原料由来のベトツキを生じる物質や、原料に起因する粘調整などが生じる物質もあり、これらは本発明の主効果を損なうことも確認している。したがって、本発明で用いる親水性界面活性剤は、HLBが8以上のポリエーテル変性シリコーンであることが好ましく、例えば、PEG-12ジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコン等が挙げられる。
(e)賦香剤
本発明の組成物・製品には、賦香剤が含まれている。例としては、植物の蒸留水を含む物質が挙げられる。例えば、特許第4795475号に記載されたウメ抽出物、例えば、ウメ根抽出物やウメ果実蒸留水;特許第2526362号に記載されたウメ果汁醗酵液;特開2012-116761号に記載された植物由来水蒸気蒸留水、例えば、パッションフルーツ、シマミカン、バナナ、アテモヤ、ウメ、タンカン、レモンライム、ジンジャーから選択される1種又は2種以上の植物の水蒸気蒸留水;特許第3544505号に記載されたトウキ抽出物;ダマスクスバラ花水、ボスウェリアサクラ樹脂水、ラベンダー花水、その他。
(f)包接作用を有する物質
本発明の組成物・製品には、さらに、包接化合物を形成して機能成分を安定化させる物質が含まれていてもよい。そのような物質の例として、α、β、γ-シクロデキストリンまたはその誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン)等が挙げられる。
(g)その他の成分
本発明の組成物・製品には、一般に化粧品に用いられている成分(油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、アミノ酸類、ビタミン類、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、抗炎症剤、抗しわ剤、肌荒れ改善剤、ニキビ用薬剤、アルカリ類、キレート剤、金属封鎖剤、等)を適宜配合することができる。また、保湿成分、生薬エキス、チロシナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、リパーゼのような酵素、レチノール、アスコルビン酸、トコフェロール、ピリドキサール、リボフラビンのようなビタミンやその誘導体、β−カロチン、クロロフィルのような有機系色素、グリセリン、ソルビトール、尿素、乳酸、プロピレングリコール、ポリチレングリコールおよび共重合体、グルコース誘導体等のようなモイスチャー成分、パラフイン、ステアリルアルコール、セチルアルコール、スクワラン、シリコーンオイル、ステアリス等のようなエモリエント成分、トリートメント成分、フケ抑制成分、養毛、育毛成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、分散のための成分、ポリクオタニウム−10のような帯電防止剤、皮膜形成剤等を組合せて用いてもよい。
2.製品
本発明は、上述の成分が水中に溶解または分散した、プラスの電荷を有する物質を含む液状組成物を、顔または毛髪、マスク、衣服などに噴霧・塗布することのできる製品として提供される。組成物がプラスに帯電していることから、空気中に浮遊する有害物質がマイナスに帯電している場合にはそれに吸着し、反対に、空気中に浮遊する有害物質がプラスに帯電している場合には反発する。本発明の組成物は、Ζ電位が+10mV以上であることが好ましく、+20mV以上であることがさらに好ましい。
本発明の製品は、スプレー、ローション、クリーム、ゲル、ムース等の任意の形態とすることができる。使用性の観点からは、スプレーとして用いるのが好適である(図1を参照)。使用者が、顔または毛髪、マスク、衣服などにスプレーすることで、アレルゲンやウイルス、花粉、有害微粒子等の侵入を抑制する効果が期待できる。さらに、有害物質を失活させる失活剤の作用により、マスクを通り抜けて侵入した、あるいは顔または毛髪、マスク、衣服などに吸着した有害物質による症状が現れないようにする効果が期待できる。また、植物の蒸留水を含む賦香剤がほのかに香り、気分をリフレッシュできる。また、マスクに吹きかけることで、フィルターの性能を向上させる効果が期待できる。また、眼鏡のレンズに塗布して、ティッシュなどで軽く拭くことにより、曇り止め効果が得られる。
本発明の製品は、スプレー剤として使用するために、組成物中に低級アルコール(例えばエチルアルコール等)、揮発性油(低沸点鎖状シリコーン油や環状シリコーン油、低沸点イソパラフィン系炭化水素油など)などがさらに配合されていても良い。エアロゾールタイプのスプレーとして用いる場合には、さらに適当な噴射剤(液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)等)が配合される。本発明の製品は、スプレー剤として使用するために適した、噴霧機構を有する容器に充填されていてもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
処方例1
Figure 0006916560
※処方例1のポリクオタニウム-64は、市販品(MPC:カチオンモノマー=70:30)である。
調製方法
(1) 別途用意した容器に、原料〈ヒドロキシプロピルシクロデキストリン〉および〈酸化亜鉛〉を水または蒸留水で予め混合・分散させておく。
※分散されていることを確認した後、(2)で投入すること。
(2) (1)で予め調製した溶液と(1)以外の原料を乳化釜に「水(又は蒸留水)→粉物原料→液体原料→(1)溶液」の順に投入する。
(3) (2)を65〜75℃まで加温し、撹拌、均一に溶解させる。(ホモミキサー2200rpm, アンカー30rpm, 真空 0.03MPa)
(4) 35℃まで冷却しながら、撹拌する。
(ア)反発効果
試験方法
プラスチック容器に処方例1を噴霧して乾燥させた後、ポリスチレンビーズを入れた。比較対象として、プラスチック容器に水を噴霧して乾燥させたものも用意した。さらに、蓋にも同様に噴霧し乾燥させた。ポリスチレンビーズの入った容器を手で強くふって、ポリスチレンビーズにプラスの電荷を発生させ、内部のポリスチレンビーズの様子を目視にて観察した。
結果
水を噴霧した方はポリスチレンビーズが容器内側に吸着し、処方例1を噴霧した方はポリスチレンビーズが容器内側に吸着していなかった。水噴霧では、プラスの電荷が発生したポリスチレンビーズが、マイナスの電荷をもった容器内側に吸着したが、処方例1の塗布により容器内側がプラスの電荷となり吸着しなかったことが確認された。結果を図2に示す。
(イ)吸着効果
試験方法
ストローの先端に処方例1をスプレー(0.15 cc吐出ポンプ:3プッシュ程度)し、乾燥させた。比較対照として、水をスプレーしたストローも同様の方法で作成した。固定台となるカップの底に虫ピンを内側から挿し、中心に穴をあけた別のストローを虫ピンの先端から通して、ストローが回転するように組み立てた。回転する側のストローをティッシュペーパーでこすり、マイナスの電荷を発生させ、ストローを近づけた際の様子を目視で観察した。
結果
摩擦による静電気を発生させマイナスを帯びたストローに、水をスプレーしたストローを接近させても反応はなかった。一方で、処方例1をスプレーしたストローを接近させると、固定台に組み立てたストローは吸い寄せられるように回転した。水の場合、電荷を帯びていないため反応しなかったのに対し、処方例1はカチオン化ポリマーを配合するため、プラスの電荷を帯びたストローにマイナスの静電気を帯びたストロー(固定台に組み立てたストロー)が吸い寄せられて回転したことが確認された。
(ウ)抗菌効果(発育阻止)
試験方法
450μL噴霧相当になるように処方例1を寒天培地にて希釈し、固化させた。試験菌株3菌種をミューラーヒントン液体培地にて32.5±2.5℃、22±2時間培養した。培養液0.1mLを滅菌精製水10mLと混合し、106cfu/mLになるように調製したものを接種菌液とした。白金耳を用い、調製した接種菌液で寒天培地に2cm程度画線を引き、ミューラーヒントン液体培地にて32.5±2.5℃、24時間培養した。
結果
MIC法による抗菌力試験結果を図3に示す。検体含有条件で菌株3菌種について、全て発育は阻止されており、処方例1が抗菌効果を有していることが確認された。
(エ)抗菌効果
試験方法
試験菌株2菌種をミューラーヒントン液体培地にて32.5±2.5℃、22±2時間培養後、滅菌精製水を用いて1056cfu/mlになるように調製したものを菌液とした。
各菌液を0.1mlずつシャーレに分注し、そのシャーレにミューラーヒントンカンテン培地を流し込み、含菌平板を作成する。
滅菌したペーパーディスク(直径6mm)に10倍に濃縮した処方例1を15μL染み込ませ、それらを含菌寒天平板上に置き、32.5±2.5℃にて24時間培養する。
培養後、阻止円直径を0.1mmまで測定し、縦横計測したものの平均値を結果とする。
結果表の阻止円はペーパーディスク(直径6mm)を含んだ円の大きさを指す。
結果
ペーパーディスク法による抗菌力試験結果を図4に示す。水を浸み込ませた方は阻止円が確認できなかったが、処方例1を浸み込ませた方は阻止円ができており、処方例1が抗菌効果を有していることが確認された。
なお、上記組成の水は、蒸留水に置換しても良い。また、上記組成には、曇り止め成分としてPEG−12ジメチコンを添加しても良い。また、上記組成には、消臭成分としてチャ乾留液を添加しても良い。
処方例2
Figure 0006916560
※処方例2のポリクオタニウム-64は、市販品(MPC:カチオンモノマー=70:30)である。
処方例3
Figure 0006916560
※処方例3のポリクオタニウム-64は、市販品(MPC:カチオンモノマー=70:30)である。
(オ)反発効果
試験方法
プラスチック容器に処方例2を噴霧して乾燥させた後、ポリスチレンビーズを入れた。比較対象として、プラスチック容器に水を噴霧して乾燥させたものも用意した。さらに、蓋にも同様に噴霧し乾燥させた。ポリスチレンビーズの入った容器を手で強くふって、ポリスチレンビーズにプラスの電荷を発生させ、内部のポリスチレンビーズの様子を目視にて観察した。
結果
水を噴霧した方はポリスチレンビーズが容器内側に吸着し、処方例2を噴霧した方はポリスチレンビーズが容器内側に吸着していなかった。水噴霧では、プラスの電荷が発生したポリスチレンビーズが、マイナスの電荷をもった容器内側に吸着したが、処方例2の塗布により容器内側がプラスの電荷となり吸着しなかったことが確認された。
(カ)吸着効果
試験方法
ストローの先端に処方例2を噴霧(0.15 cc吐出ポンプ:3プッシュ程度)し、乾燥させた。比較対照として、水をスプレーしたストローも同様の方法で作成した。固定台となるカップの底に虫ピンを内側から挿し、中心に穴をあけた別のストローを虫ピンの先端から通して、ストローが回転するように組み立てた。回転する側のストローをティッシュペーパーでこすり、マイナスの電荷を発生させ、ストローを近づけた際の様子を目視で観察した。
結果
摩擦による静電気を発生させマイナスを帯びたストローに、水を噴霧したストローを接近させても反応はなかった。一方で、処方例2を噴霧したストローを接近させると、固定台に組み立てたストローは吸い寄せられるように回転した。水の場合、電荷を帯びていないため反応しなかったのに対し、処方例2はカチオン化ポリマーを配合するため、噴霧によりプラスの電荷を帯びたストローにマイナスの静電気を帯びたストロー(固定台に組み立てたストロー)が吸い寄せられて回転したことが確認された。
(キ)曇り止め効果
試験方法
眼鏡のガラス部分に直接、処方例2を裏表に噴霧(0.15 cc吐出ポンプ:1プッシュ程度ずつ)した後、乾いたティッシュペーパーで拭いた。対象として片方は未塗布とした。沸騰したお湯の上にかざし、曇りの発生状況を目視にて確認した。
結果
結果を図5に示す。未塗布のガラスは曇りが発生したが、塗布を行ったガラスは曇りが発生しなかった。
(ク)消臭効果
試験方法
消臭効果の検証を目的に、臭気のある食品の例としてウオッシュチーズの発酵臭が軽減できるかを官能試験により調べた。具体的にはウオッシュチーズを精製水に10%になるように秤とり懸濁液を調整した。調整した懸濁液の臭気を確認した。その後、調整した懸濁液0.4gに処方例2もしくは処方例3を0.3mL噴霧し臭気を確認し、処方例2もしくは処方例3の噴霧前後の臭気を比較した。
結果
結果を以下の表に示す。4名のパネラーによる官能試験の結果、消臭効果が確認された。
Figure 0006916560
処方例4
Figure 0006916560
※処方例4のポリクオタニウム-64は、特注品(MPC:カチオンモノマー=45:55)である。
(ケ)反発効果
試験方法
プラスチック容器に処方例2もしくは処方例4を噴霧して乾燥させた後、ポリスチレンビーズを入れた。比較対象として、プラスチック容器に水を噴霧して乾燥させたものも用意した。さらに、蓋にも同様に噴霧し乾燥させた。ポリスチレンビーズの入った容器を手で強くふって、ポリスチレンビーズにプラスの電荷を発生させ、内部のポリスチレンビーズの様子を目視にて観察した。
結果
結果を図6に示す。水を噴霧した方はポリスチレンビーズが容器内側に吸着し、処方例2もしくは処方例4を噴霧した方はポリスチレンビーズが容器内側に吸着していなかった。水噴霧では、プラスの電荷が発生したポリスチレンビーズが、マイナスの電荷をもった容器内側に吸着したが、処方例2もしくは処方例4の塗布により容器内側がプラスの電荷となり吸着しなかったことが確認された。

Claims (12)

  1. 以下の成分(a)である、プラスの電荷を有する物質を含む液状組成物を含有する、微粒子の吸着および反発剤:
    (a)2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドからなるカチオン性ポリマー。
  2. 液状組成物がさらに以下の成分を含む、請求項1に記載された微粒子の吸着および反発剤:
    (b)触媒作用および/または抗菌作用および/または抗ウイルス作用により有害物質を失活させる失活剤;
    (c)ポリフェノール系脱臭剤;
    (d)眼鏡の曇り止め用の親水性界面活性剤;および
    (e)植物の蒸留水を含む賦香剤。
  3. 液状組成物がカチオン性ポリマーを0.001〜10%(w/v)含有する、請求項1又は2に記載された微粒子の吸着および反発剤。
  4. 失活剤が、酸化亜鉛、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリドから選択される1つ又は2つ以上を含む、請求項2または3に記載の微粒子の吸着および反発剤。
  5. ポリフェノール系脱臭剤が、緑茶ポリフェノール、柿タンニンからなる群から選択される1つ又は2つ以上を含む、請求項〜4のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤。
  6. 親水性界面活性剤が、PEG-12ジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコンからなる群から選択される、HLBが8以上のポリエーテル変性シリコーンのうちの1つ又は2つ以上を含む、請求項〜5のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤。
  7. α、β、γ−シクロデキストリンまたはその誘導体による物で安定性をより向上させた、請求項1〜6のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤。
  8. Ζ電位が+10mV以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤。
  9. 顔または毛髪、マスク、衣服等に噴霧して、有害微粒子の吸入を抑制するために用いる、請求項1〜8のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤。
  10. 成分(a)のカチオン性ポリマーにおいて、(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメチルアンモニウムクロライドの割合が50%以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤。
  11. アレルゲンやウイルス等の有害微粒子等をヒトが吸入してしまう事を抑制するために顔または毛髪、マスク、衣服などに噴霧して用いる、請求項1〜10のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤が容器に充填された噴霧剤製品。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の微粒子の吸着および反発剤を顔または毛髪、マスク、衣服等に噴霧する、有害微粒子吸入抑制方法、但し治療方法を除く
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