JP6913735B2 - 樹脂組成物および生体モデル - Google Patents

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Description

本発明の第一は、水添ブロック共重合体にオイルを高充填させた樹脂組成物に関する。本発明の第二は、生体モデル、すなわち臓器モデル、血管モデル、皮膚モデル等の生体モデルに用いられる、臓器、血管、皮膚等に類似した軟質性や諸物性を有する樹脂組成物及びそれを用いた生体モデルに関する。例えば、人体等の切開や切開縫合等の手術手技の向上等、医師や技術者の訓練等の分野において利用可能な熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた生体モデルに関する。本明細書においては、生体モデルは、臓器モデル、血管モデル、及び皮膚モデルを包含する概念である。
水添ブロック共重合体は、広く熱可塑性エラストマーの材料として使用されているが、原材料価格を下げより経済的にするため、あるいはより軟質なエラストマーとするためにオイルを添加した樹脂組成物として用いられる(特許文献1)。しかし、あまりに大量のオイルを添加すると、オイルのしみだし(ブリードアウト)が起こってしまう課題を有している。
外科医による手術のなかでも手術用メス等の手術用切除具を用いた心臓等の臓器の執刀は、その執刀によって切開したときの深さが深すぎるとそれが致命傷となることから、慎重で熟練した手技が要求される作業であり、その手技の技術力が外科手術の成否の結果に直結することになると言っても過言ではない。従来、ヒトの内部臓器の手術の練習は、生体を使用できないことから、一般にブタ等の動物の内部臓器が用いられている。しかし、動物の内部臓器には鮮度が要求される。また、手技練習をする者が負傷したとき、その傷口から動物の内部臓器に含まれている病原菌等が感染する恐れがあると共に、手術用切除具の衛生管理や使用済みの内部臓器の廃棄に多大なコストが必要となる。生体の内部臓器の代わりにコンニャクを用いて手技練習を行うことも考えられているが、コンニャクの切開感や触感は人体の切開感や触感とはかなり異なることから、手技練習に適しているとはいえない。そこで、生体の内部臓器の代わりに、生体の臓器に類似させた臓器モデル等の生体モデルを使用することが考えられている(特許文献2〜5)。
特開2003−268193号公報 特開2008−241988号公報 特開2007−316434号公報 特開2010−178809号公報 国際公開第2010/095519号パンフレット
臓器モデルとしては、例えば、シリコーン、ウレタンエラストマー、スチレンエラストマー等の軟質樹脂材料、いわゆるドライ系材料からなるモデルが提案されている(特許文献2参照)。しかし、従来の技術によって得られたこれらの材料の切開感や触感は人体の切開感や触感とはかなり異なることから手技練習には適しているとはいえない。これらの材料は、軟質性を生体の臓器に近づけると、その力学的強度が大幅に低下してしまい、耐久性が低下してしまう、例えば、メスで切開した断面から裂け易い、という課題がある。
また、従来のスチレン系エラストマーは、軟質性を臓器に近づけるためオイルの配合量を増やすと、保管中にオイルのブリードアウトが起こるといった課題を有している。シリコーンやウレタンエラストマーは後硬化性であり、硬化させるまでに時間がかかり生産性が低いという課題がある。さらに、内型、外型からなる型に注型して臓器モデルを作成する場合、内型を取り出す際に切り込みを入れる必要があるが、その切れ込みを再接着する際にこれら後硬化性樹脂は再接着が難しいという課題がある。特定の接着剤を使用すれば接着することも可能ではあるが、接着剤は臓器モデル材料と比較し硬質であるために、接着後の感触が異なってしまうといった課題がある。前記のこれら軟質樹脂は、軟質性を臓器に近づけても、引張り伸びが大きすぎる点が実際の臓器と大きく異なる。実際の臓器は軟質な組織ではあるが、引張り伸びは少ないという特徴があり、従来の軟質樹脂ではこの点が再現できていない。
人体のかわりになるものとして、単独もしくは2種類のポリビニルアルコールを溶解させた溶液を生体軟組織の鋳型に注入した後、冷却させることによってゲル化させ、得られた水性ゲル組成物を鋳型から取り出すことによって得られる生体軟組織の模型を使用することが提案されている(例えば特許文献3参照)。これらは相当量の水分を含む、いわゆるウエット系材料として知られている。
しかし、この生体軟組織の模型には、その製造段階で原料として2種類のポリビニルアルコールを必要とする場合が多いため、その組成の調整が煩雑である。また、溶媒として毒性の強いジメチルスルホキシドを必要とするため、ジメチルスルホキシドの除去のためのエタノール置換及び水置換という煩雑な操作を必要とするという課題がある。ポリビニルアルコール系の材料は一定の水分含量を維持する必要があるため、保管中の湿度管理や含水量の管理が必要であり、腐敗、カビ等の発生を防ぐための対策、例えば冷蔵庫保管が必要になり、長期の保管が困難で多くの場合数週間程度の使用期限が発生する。
従って、近年、ヒトの内部臓器に近似した軟質性、伸びや触感等を有し、力学的強度や耐久性に優れ、ヒトの内部臓器の手技練習に好適に使用できる、水分を含まない、いわゆるドライ系材料を使用した生体モデル用の材料開発が望まれている。
一方、内腔部を有する管の前記内腔部に配置される病変モデル(特許文献4)や、内腔部を有する管状体の途中に狭窄又は閉塞する形状をなし、管状組織に生じた病変部を模した疑似病変部材を備え、前記疑似病変部材は、少なくとも一部が塑性変形可能な材料で構成され、拡張を行なう拡張訓練に用いられることを特徴とする訓練用生体モデル(特許文献5)が提案されている。しかしながら、使用材料については、一般的な記載のみで、その特性、例えばMFRやブリードアウトに関する記載はない。
さらに、本発明に関わる分野では、医療用シミュレーター向けの皮膚モデルや血管モデル向けの材料が求められている。このようなモデルは例えば医学生や看護士の注射や輸液、輸血の操作、カテーテルの操作実習用に好適に用いられる。そのため特に皮膚の場合、触感やメスによる切開の感覚、血管の場合は触感や針を刺したときの感覚が実際の人体の皮膚や血管に近いことが好ましい。
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、従来以上にオイルを高充填するための配合処方に関する。すなわち、本発明は、オイルを高充填することができかつブリードアウトを抑制することができる、より軟質な樹脂組成物を提供することを課題とする。
さらに、医療用モデルとしての応用では、例えばヒトの内部臓器等と同様の弾性(軟質性)を有し、伸びが少なく、ヒトの内部臓器等に近似した切開感や触感を有する樹脂組成物及びそれを用いた生体モデルを提供することを課題とする。
以上の課題を解決する手段は以下の通りである。
〔1〕成分(A)MFR(温度230℃、荷重2.16kg)1g/10min.以下の水添ブロック共重合体を100質量部、成分(B)オイルを1000質量部を超え2000質量部以下、及び成分(C)比表面積0.01〜30m/gのポリオレフィン系樹脂を10質量部以上120質量部以下含有する、樹脂組成物。
〔2〕さらに成分(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、成分(D)無機フィラーを1〜400質量部を含有する、〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕成分(D)無機フィラーが炭酸カルシウムである、〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕さらに成分(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、成分(E)非相溶性繊維フィラーを10〜80質量部含有する、〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の樹脂組成物。
〔5〕成分(E)非相溶性繊維フィラーがポリビニルアルコール繊維フィラーである、〔4〕に記載の樹脂組成物。
〔6〕〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物を用いた生体モデル。
〔7〕臓器モデル、皮膚モデル、又は血管モデルである、〔6〕に記載の生体モデル。
本発明によれば、オイルを高充填することができかつブリードアウトを抑制することができる、より軟質な樹脂組成物を提供することができる。また、ヒトの内部臓器、血管、あるいは皮膚等と同様の弾性(軟質性)を有し、伸びが少なく、ヒトの内部臓器等に近似した切開感や触感を有する生体モデル用樹脂組成物及びそれを用いた生体モデルを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、まず従来以上にオイルを高充填するための配合処方に関するものである。すなわちオイルを高充填でき、かつブリードアウトがなく、より軟質な材料の提供、および多様な用途に適する経済的な樹脂組成物を提供することを目的としている。この樹脂組成物は、成分(A)として水添ブロック共重合体、成分(B)としてオイル、及び成分(C)としてポリオレフィン系樹脂を含有する。
<成分(A)MFR(温度230℃、荷重2.16kgで測定)1g/10min.以下の水添ブロック共重合体>
水添ブロック共重合体は、芳香族ビニルから導かれるブロック重合単位(X)と共役ジエンから導かれるブロック重合単位(Y)とからなる芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合体の水添物(水素添加物または水素化物)を1種以上含有することが好ましい。
このような構成の芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合体の形態は、たとえばX(YX)又は(XY)〔nは1以上の整数〕で示される。これらの中では、X(YX)の形態のもの、特にX−Y−Xの形態のものが好ましい。X−Y−Xの形態のものとしては、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソプレン・ブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体からなる群から選択される1種以上の共重合体が好ましい。
このような芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合体では、ハードセグメントである芳香族ビニルブロック単位(X)が、共役ジエンゴムブロック単位(Y)の橋かけ点として存在して擬似架橋(ドメイン)を形成している。この芳香族ビニルブロック単位(X)間に存在する共役ジエンゴムブロック単位(Y)は、ソフトセグメントであってゴム弾性を有している。
ブロック重合単位(X)を形成する芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、p−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−ドデシルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの中では、スチレンが好ましい。
ブロック重合単位(Y)を形成する共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン及びこれらの組合せ等が挙げられる。これらの中では、ブタジエン、イソプレン、ブタジエンとイソプレンとの組み合わせ(ブタジエン・イソプレンの共重合)からなる群から選択される1種以上の共役ジエンが好ましい。これらのうち1種以上の共役ジエンを組み合わせて用いることもできる。ブタジエン・イソプレン共重合単位からなる共役ジエンブロック重合単位(Y)は、ブタジエンとイソプレンとのランダム共重合単位、ブロック共重合単位、テーパード共重合単位の何れであってもよい。
上記のような芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合体では、芳香族ビニルブロック重合単位(X)の含有量が5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40重量%以下であることがより好ましい。この芳香族ビニル単位の含有量は赤外線分光、NMR分光法等の常法によって測定することができる。
上記のような芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合体は、種々の方法により製造することができる。製造方法としては、(1)n−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物を開始剤として、芳香族ビニル、次いで共役ジエンを逐次重合させる方法、(2)芳香族ビニル、次いで共役ジエンを重合させ、これをカップリング剤によりカップリングさせる方法、(3)リチウム化合物を開始剤として、共役ジエン、次いで芳香族ビニルを逐次重合させる方法等を挙げることができる。
水添ブロック共重合体は、上記のような芳香族ビニル・共役ジエンブロック共重合体を公知の方法により水添した物(水素添加物または水素化物)であり、好ましい水添率は90モル%以上である。この水添率は、共役ジエンブロック重合単位(Y)中の炭素−炭素二重結合の全体量を100モル%としたときの値である。「水添率が90モル%以上」とは、炭素―炭素二重結合の90モル%以上が水素添加されていることを示す。このような水添ブロック共重合体としては、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック(SEP)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEEPS)等が挙げられる。より具体的には、SEPTON(クラレ(株)社製)、クレイトン(Kraton;シェル化学(株)社製)、クレイトンG(シェル化学(株)社製)、タフテック(旭化成(株)社製)(以上商品名)等が挙げられる。
成分(A)の水添ブロック共重合体のメルトフローレート(MFR(温度230℃、荷重2.16kg))は、1g/10分以下であり、好ましくは0.1g/10分未満である。MFR(温度230℃、荷重2.16kg)とは、JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件下で測定するMFRをいう。MFRが本値より高いと、オイルを添加した際にブリードアウトし易くなったり、力学的強度が低下したりしてしまう。水添率は、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)等の公知の方法により測定する。
本実施形態では、成分(A)MFR(温度230℃、荷重2.16kgで測定)1g/10min.以下の水添ブロック共重合体として、SEEPSが好ましい。以降本明細書では、「(A)MFR(温度230℃、荷重2.16kgで測定)1g/10min.以下の水添ブロック共重合体」は、単に「(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体」と記載する場合がある。(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体の形状は、混練前のオイル吸収作業の観点から、粉末又は無定形(クラム)状が好ましい。
<成分(B)オイル>
成分(B)であるオイルとしては、最も好ましくは、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルや流動パラフィン等の鉱物油系オイル、シリコンオイル、ヒマシ油、アマニ油、オレフィン系ワックス、鉱物系ワックス等が挙げられる。これらの中では、パラフィン系及び/又はナフテン系のプロセスオイルが好ましい。プロセスオイルとしては、ダイアナプロセスオイルシリーズ(出光興産社製)、JOMOプロセスP(ジャパンエナジー社製)等が挙げられる。また、フタル酸系、トリメリット酸系、ピロメリット酸系、アジピン酸系、またはクエン酸系の各種エステル系可塑剤も用いることができる。これらは、単独で用いても、複数を用いても良い。成分(B)であるオイルは、より軟質性の調整や、より軟質な樹脂組成物を製造するために用いられる。さらに、例えば、樹脂組成物を軟質化し、より実際の臓器に近い軟質性、物性を有する生体モデルを製造するために用いる。上記のうち1種以上のオイルを組み合わせて用いることもできる。成分(B)であるオイルは、事前に成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体にあらかじめ吸収させておくのが作業性の点で好ましい。そのためには、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体の形状は、オイルを吸収しやすい、前記粉末又は無定形(クラム)状が好ましい。
成分(B)であるオイルの使用量は、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体100質量部に対して、1000質量部を越え、2000質量部以下であり、1600質量部以下がより好ましく、1400質量部以下が更に好ましい。オイルの使用量は上記の範囲内で、実際にモデルとなる臓器の部位、病変により調整される。成分(B)であるオイルの使用量が、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体100質量部に対して1000質量部以下の場合は軟質性が不足する場合があり、2000質量部を超えるとオイルを吸蔵できないためコンパウンドができない。オイルが1600質量部以下にすることで成形後に経時的にオイルがブリードアウトすることをより抑制することができる。
<成分(C)比表面積0.1〜30m/gの範囲のポリオレフィン系樹脂>
成分(C)比表面積0.1〜30m/gの範囲のポリオレフィン系樹脂は、オイル充填時のブリードアウト抑制に有効である。さらに樹脂組成物の伸びと応力の調整のために用いることができる。ポリオレフィン系樹脂の比表面積は、0.01〜30m/gの範囲であるが、上記比表面積はJIS Z8830:2013に準拠して測定する。比表面積が上記範囲より小さい場合は、得られる本実施形態の組成範囲を有する樹脂組成物はオイルのブリードアウトが激しくなる恐れがある。比表面積が上記範囲より大きいポリオレフィン系樹脂は、工業的に製造することが困難である。以降、本明細書では、「成分(C)比表面積0.1〜30m/gの範囲のポリオレフィン系樹脂」を、単に「(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂」と記載する場合がある。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は、これらから選択される1種以上を用いることができる。好ましくはポリエチレン系樹脂が用いられ、ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン系繊維が最も好ましく用いられる。ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)のいずれでも良く、これら1種以上を組み合わせて用いても良い。ポリエチレン系樹脂の密度は、0.88〜0.97g/cmの範囲が好ましく、MFRは任意であるが、190℃、加重2.16kgで、0.01〜150g/10分の範囲が好ましい。なお、MFRの測定方法は上述のとおりである。
(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂の含有量は、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体100質量部に対して10質量部以上120質量部以下であり、好ましくは80質量部以下である。
ポリオレフィン系樹脂の形状は任意であり、繊維状でも、粉末状でも良い。ポリオレフィン繊維または粉末にはあらかじめ電子線等で適度に架橋させておいても良い。本明細書では、繊維とファイバーは同じ意味である。本繊維は、コイル状やその他の任意の形状を含む概念である。繊維の場合、直径は好ましくは0.1μm〜30μm、長さは好ましくは1μm〜20mm、特に好ましくは100μm〜10mmである。長さの直径に対する比は、少なくとも5以上である。粉末の場合、その平均径は好ましくは0.1μm〜30μmの範囲である。ポリオレフィン系繊維、特にポリエチレン系の繊維は、例えば三井化学株式会社製ケミベストとして入手可能である。
驚くべきことに、成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を配合することでオイルのしみだし(ブリードアウト)が抑制される。そのため、成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を配合することにより、ブリードアウトを抑制しつつ成分(B)であるオイルを上記高含有量で配合することができる。これらの成分(B)であるオイルを上記の高含有量で配合する条件下において、(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を配合しない場合、得られる樹脂組成物はブリードアウトが激しく、実用的ではない。
この成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、成分(B)オイル、および成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物は、ブリードアウトがほとんどなく、非常に軟質であるために、様々な物性を有する軟質樹脂の基本組成として有用である。この組成を基本とし、さらに他の樹脂やフィラー、繊維等をさらに配合することで、硬度が過度に上昇することを防いで十分に軟質で、引張り強度や引張り伸び等を適宜変更し目的の物性に合わせることが可能となる。
成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、成分(B)オイル、および成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物は、オイルのしみだし(ブリードアウト)がなく、軟質エラストマーとして好適に、種々の用途に使用することができる。例えば、文具やスポーツ用品、工具、自動車内装のグリップ材、電線被覆材、パッキン類、制振材、雑貨類に好適に用いられる。また、ロボットの表皮材や、医療用の生体モデル部材、すなわち臓器モデル部材、医療手技練習用の臓器モデル部材、あるいは血管モデル部材や皮膚モデル部材としても好適に使用できる。
<成分(D)無機フィラー>
樹脂組成物には、成分(D)として無機フィラーを含有することができる。成分(D)無機フィラーを含有することで、樹脂組成物の触感の向上や伸びと応力、オイル吸油性を調整することができる。成分(D)である無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、クレー(粘土)、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ、カーボンブラック等が挙げられる。これらの中では、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タルク、クレーからなる群から選択される1種以上を含有することが好ましく、炭酸カルシウムを含有することがより好ましい。
炭酸カルシウムの比表面積は、0.05m/g以上50m/gの範囲が、分散性の点から好ましい。通常の樹脂は一般に無機フィラーを充填すると硬度が上昇し、力学物性が低下するが、本実施形態の樹脂組成物に炭酸カルシウムを配合しても硬度の上昇を抑制することが出来、50%モジュラスおよび破断点強度が増加してより臓器に力学物性を近づけることができる。また、炭酸カルシウムを添加することで、臓器類似の触感を有することができる。ここで言う臓器類似の触感とは、最大静止摩擦力または静止摩擦係数で表現することができる。
成分(D)である無機フィラーの使用量は、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体100質量部に対して、1質量部以上、400質量部以下であることが好ましい。成分(D)である無機フィラーとして炭酸カルシウムを配合する場合、(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは10〜150質量部である。炭酸カルシウムの配合量を200質量部以下にすることで、オイルの配合組成が上記範囲内のいずれの場合でもブリードアウトをより抑制することができる。
<成分(E)非相溶性繊維フィラー>
樹脂組成物には、成分(E)として非相溶性繊維フィラーを含有することができる。「成分(E)非相溶性繊維フィラー」とは、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体及び(B)オイルからなる樹脂組成物の主要成分に対して相溶性を有しないフィラーのことを示す。成分(E)非相溶性繊維フィラーを含有することで、樹脂組成物の力学物性、特に応力を調整することができる。具体的には硬度を過度に上昇させずに、破断強度を増大し、糸引裂強度を向上させ、引張り伸びを減少させることができ、より臓器に力学物性を近づけることができる。
成分(E)非相溶性繊維フィラーとしては、例えば、その分子構造内に炭化水素以外のヘテロ原子、例えば酸素や窒素を含む有機または無機繊維を挙げることができる。無機繊維としては、ナイロン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、セルロース系繊維、カーボン繊維、カーボンナノファイバー、金属繊維等を挙げることができる。成分(E)非相溶性繊維フィラーとして、好ましくはポリビニルアルコール繊維フィラーを用いる。なお、成分(E)非相溶性繊維フィラーの概念には、前記(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂は含まれない。
成分(E)非相溶性繊維フィラーの含有量は、(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体100質量部に対して10〜80質量部とすることが好ましい。この範囲にすることで、上記力学物性に対する効果を十分に得ることができるとともに、応力の低下や、成形加工性への悪影響を防ぐことができる。
(E)非相溶性繊維フィラーを用いる場合は、そのガラス転移温度や結晶融点、分解温度よりも、成形加工の温度を低くすることが好ましい。そのガラス転移温度や結晶融点より成形加工温度が高くなる場合にはあらかじめ電子線等で有機の繊維状フィラーを架橋させておいてもよい。
なお、本明細書では、繊維とファイバーは同じ意味である。「繊維フィラー」は、コイル状やその他の任意の形状を含む概念である。繊維状フィラーの直径は、好ましくは0.001μm〜50μmであり、長さは好ましくは10μm〜1mmであり、特に好ましくは1μm〜100μmである。長さの直径に対する比は、少なくとも5以上であることが好ましい。
成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、成分(B)オイル、および成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を含み、必要に応じて成分(D)無機フィラー、および/または(E)非相溶性繊維フィラーを配合した樹脂組成物は、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、成分(B)オイル、および成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物と同様に、軟質エラストマーとして好適に、種々の用途に使用することができる。例えば、文具やスポーツ用品、工具、自動車内装のグリップ材、電線被覆材、パッキン類、制振材、雑貨類に好適に用いられる。また、ロボットの表皮材や、特に好ましくは医療用の生体モデル、医療手技練習用の生体モデル部材としても好適に使用できる。
本実施形態に係る上記樹脂組成物には、必要に応じて上記、その他の樹脂、エラストマー、ゴム、可塑剤、フィラーや安定剤、老化防止剤、耐光性向上剤、紫外線吸収剤、軟化剤、滑剤、加工助剤、着色剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、結晶核剤、発泡剤等を配合し、用いることができる。樹脂組成物を製造するには、公知の適当なブレンド法を用いることができる。例えば、単軸、二軸のスクリュー押出機、バンバリー型ミキサー、プラストミル、コニーダー、加熱ロールなどで溶融混練を行うことができる。溶融混練を行う前に、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサー、タンブラーなどで各原料を均一に混合しておくこともよい。溶融混練温度はとくに制限はないが、100〜300℃、好ましくは150〜250℃が一般的である。
(樹脂組成物)
以上の成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、成分(B)オイル、および成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物のE硬度は、1〜50が好ましい。E硬度は、1〜20の範囲、又は1〜5の範囲にすることもできる。本樹脂組成物の引張り弾性率は0.02〜0.6MPaが好ましく、0.02〜0.5MPaとすることもできる。本発明の樹脂組成物の50%モジュラス(引張試験における伸び50%の時点での応力)は、0.005〜0.3MPaが好ましく、0.005〜0.1MPa、0.01〜0.1MPaとすることもできる。破断点伸びは100%以上500%以下が好ましく、破断点強度は、0.01MPa以上が好ましい。
(生体モデル用樹脂組成物)
生体モデル用の樹脂組成物について述べる。本実施形態の樹脂組成物は、上記軟質性と力学物性に加え、生体臓器、皮膚、あるいは血管の物性に近いことが好ましい。樹脂組成物の生体モデルでの利用に際し、目的を阻害しない範囲で、例えば、顔料、染料等の着色剤、香料、酸化防止剤、抗菌剤等の添加剤を使用しても良い。生体モデルを生体の臓器、血管、皮膚に近似させるために、着色剤によりこれらに近似した色に着色することが好ましい。
上記した樹脂組成物は、オイルや添加物のしみだし(ブリードアウト)がなく、成形加工が容易で、かつ軟質で、生体の臓器、血管、または皮膚に近い感触と実用的な力学的強度、耐引き裂き性を有するので、生体モデル用の熱可塑性樹脂組成物として好適である。以上に示してきた本組成の熱可塑性樹脂組成物は、生体の臓器、血管、または皮膚に近い軟質性と力学物性を有するために例えば、以下のような軟質性と力学物性を有することが好ましい。
生体モデル用とする場合の樹脂組成物のE硬度は3〜50が好ましい。樹脂組成物の引張り弾性率は0.05〜1MPaが好ましい。樹脂組成物の50%モジュラス(引張試験における伸び50%の時点での応力)は0.01〜0.5MPaが好ましく、0.03〜0.3MPaがより好ましい。特に臓器組織は軟質でありながら伸びが小さいので、破断点伸びは30%以上300%以下が好ましく、30%以上200%以下が最も好ましく、破断点強度は、0.1MPa以上が好ましい。生体モデル用樹脂組成物の耐久性の尺度である糸引裂き強度は1N以上が好ましく、1.5N以上がより好ましい。樹脂組成物の糸引裂き伸びは10mm以上が好ましい。
以下に、樹脂組成物を医療用の生体モデル、医療手技練習用の生体モデルに用いるに当たって重要な触感について説明する。樹脂組成物は、上記軟質性と力学物性に加え、生体臓器の触感に近いことが好ましい。ここで生体臓器の触感に近いという観点からは外科を専攻している医師、生体モデルの製造に従事している専門家の意見を参考に判断できるが、触感の数値化は好ましくは最大静止摩擦力または静止摩擦係数で表現できる。荷重10gの時の最大静止摩擦力が80gf以上、静止摩擦係数が8以上の場合が好ましい。ここで静止摩擦係数とは、最大静止摩擦力/加重で示される。本条件を満たすことで、しっとり感等といった生体臓器の触感に近づけることができる。本触感を与えるためには、成分(D)無機フィラーとして炭酸カルシウムを、(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体に対して10〜150質量部配合するのが好ましい。
以上、生体モデル用の好ましい条件をすべて満たす、好ましい配合組成としては、成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体100質量部に対し、成分(B)オイルが1000質量より多く1600質量部以下、成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂が10質量部以上、80質量部以下、かつ、成分(D)である無機状フィラーとして、炭酸カルシウムが10質量部以上150質量部以下である。
さらに以下の条件を満たすことで、最も生体モデルとして好ましい、軟質でありながら引張り伸びが小さく、糸引き裂き強度が高いという特徴、具体的には引張り伸びが200%以下という条件を満たすことができる。成分(E)である(E)非相溶性繊維フィラーを、特に好ましくはポリビニルアルコール繊維フィラーを、10質量部以上、80質量部以下の範囲で含む。
上記各種用途の樹脂組成物の成形法としては、様々な注型成形、真空成形、射出成形、ブロー成形、押出し成形等公知の成形法を用いることができる。また、樹脂組成物は、力学物性の改良や耐熱性の改良を目的として、溶融混練の際に架橋剤を加え、通常の樹脂組成物を動的に架橋するための公知の方法で、動的な架橋処理(動的な加硫処理)を行うこともできる。また、公知の方法により発泡させて用いることもできる。発泡は、特に極めて軟質の材料とするために有用である。
本実施形態に係る樹脂組成物によれば、従来にないオイル高充填樹脂組成物を提供することができ、それにより用途に応じ様々な物性を設計、再現可能となる。特に従来に無い、ブリードアウトがなく、より軟質な樹脂組成物を提供できる。また、より生体の臓器、皮膚、血管に近い軟質性と感触を有し、高い力学的強度を有し、耐久性に優れ、取り扱いが容易な樹脂組成物を提供できる。
[生体モデル]
本実施形態に係る生体モデルは、上記樹脂組成物を医療用又は医療手技練習用の生体モデルとして応用するものであり、上記した樹脂組成物を用いてなる。生体モデルとしては、例えば臓器モデル、皮膚モデル、血管モデルを挙げることができる。
(臓器モデル)
臓器モデルは、上記樹脂組成物を用いているので、ヒトの内部臓器と同様の弾性(軟質性)を有し、伸びが少なく、ヒトの内部臓器に近似した切開感や触感を有し、手術用メス等の手術用切除具を用いた手技練習やクリッピング等の手技練習に好適に使用できる。
以下に、上記樹脂組成物を用いた医療用の生体モデル、医療手技練習用の生体モデルについて説明する。生体モデルのなかでも一般的な臓器モデルとしては、心臓、肝臓、膵臓が好ましい。心臓、肝臓、膵臓の臓器モデルは手術の訓練に使用される。心臓、肝臓、膵臓の臓器モデルは、模擬手術時の切開端や縫合状態の維持が難しいという課題がある。即ち、メスで切開した端部から使用中に機械的な応力によって更に引き裂かれる現象、縫合した糸の張力により引き裂かれてしまう現象が発生するという課題がある。従来の素材は、糸引裂き強度や伸びが十分ではないためこれらの現象が起こりやすい。本実施形態の樹脂組成物は、生体の臓器、特にヒトの臓器と同等レベルの十分な糸引裂き強度や伸びを示すため、心臓、肝臓、膵臓の臓器モデル用として好ましい。臓器モデルは、3Dデータを用いて上記公知の成形方法で製造することができる。例えば臓器モデル用の臓器3Dデータは以下のサイトから購入、ダウンロードすることが可能である。
http://www.3dscanstore.com/
http://3dprint.nih.gov/
http://3-d-craft.com/press/2607
http://www.model-wave.com/
医療手技練習用の生体モデルとしては、例えば医師または医学生が、内視鏡的止血術の手技を練習するにあたって用いる、手技練習用潰瘍模型が挙げられる。具体的には上部消化器や下部消化器模型の対象部位に組み込み、あるいは貼り付けて、内視鏡下に止血操作を練習するための手技練習用潰瘍模型である。さらに、医師または医学生が、内視鏡的剥離術に関する手技を練習するにあたって用いる練習用模型が挙げられる。具体的には上部消化器や下部消化器模型の対象部位に組み込み、あるいは貼り付けて、内視鏡下にがん等の病変粘膜や粘膜下層の剥離操作を、繰り返し練習するための手技練習用模型である。
本実施形態の樹脂組成物は、公知の成形方法により生体モデルに成形することができる。例えば押出し成形、注型成形、射出成形、真空成形、ブロー成形等、目的の臓器モデルに合わせ様々な成形方法を用いることができる。以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
(皮膚モデル)
医療用の皮膚モデルとしては、例えば、特に研修医、看護士向けの人体シミュレーターの皮膚等を挙げることができる。医療手技練習用の皮膚モデルとしては、例えば、注射、点滴実習用の腕モデルの皮膚、腹腔鏡手術や頭部手術シミュレーターの皮膚等を挙げることができる。
(血管モデル)
医療用の血管モデルとしては、例えば、研修医、看護士向けの人体シミュレーターの血管等を挙げることができる。医療手技練習用の血管モデルとしては、例えば、注射、点滴実習用の腕モデルの血管、カテーテル実習用シミュレーターの血管等を挙げることができる。
本実施形態に係る生体モデルによれば、より生体の臓器、皮膚、血管に近い軟質性と感触を有し、高い力学的強度を有し、耐久性に優れ、取り扱いが容易な生体モデルとすることができる。
以下、本発明の理解のために実施例を示すが、本発明は本実施例に限定されるものではない。特記しない限り、23±2℃、湿度50±5%の環境下で実施した。
(1)材料
<成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体>
・SEEPS(SEPTON−J3341、クラレ社製)、MFR(温度230℃、荷重2.16kg)0.0g/10分(0.0g/10分とは流動しないことをいう)、スチレン含有量40質量%、水添率90モル%以上
<比較成分(A)>
・SEPS(SEPTON2007クラレ社製)、MFR(温度230℃、荷重2.16kg)2.4g/10分、スチレン含有量30質量%、樹脂形状:クラム状
<成分(B)オイル>
パラフィンオイル(出光興産社製PW−90)
<成分(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂>
ポリエチレン系繊維(三井化学社製、ケミベストFDSS−2、繊維長0.6mm)、比表面積7m/g
<比較成分(C)>
市販のペレット形状ポリエチレン系樹脂(日本ポリエチレン社製、ノバテックHD、HJ590N)、ペレットは直径3mm、長さ3mmの円柱状。比表面積は0.01m/gより十分に小さい。
<成分(D)無機フィラー>
炭酸カルシウム(日東粉化工業社製NS#100)、比表面積は1m/g
<成分(E)非相溶性繊維フィラー>
・ビニロン繊維(クラレ社製、ビニロン繊維RM182(繊維長4mm)
(2)混練方法
成分(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体(SEPTONJ−3341等)は、無定形の粉末でメーカーより供給される。混練数日前に、水添ブロック共重合体に対し、所定量のオイルを滴下し十分に染みこませておいた。なお、ここで染み込ませたオイルの量は、表1に記載の配合量に含まれる。ブラベンダープラスチコーダー(ブラベンダー社製PL2000型)を使用し、すべての原料を投入した後、180℃、回転速度50回/分、6分間混練しサンプルを作製した。
(3)試験片作成方法
サンプルシート作製は、以下に従った。
物性評価用の試料は加熱プレス法(180℃、時間5分、圧力50kg/cm)により成形した各種厚さ(1.0mm、5.0mm)のシートを用いた。
(4)E硬度
5.0mm厚シートを重ね、JIS K7215プラスチックのデュロメーター硬さ試験法に準じ、23±1℃の条件にてタイプEのデュロメーター硬度を求めた。この硬度は瞬間値である。
(5)引張り試験(引張り弾性率、50%モジュラス、引張り破断点伸び、引張り破断点強度)
JIS K6251に準拠し、1.0mm厚さシートを2号1/2号型テストピース形状にカットし、島津製作所製AGS−100D型引張り試験機を用い、23±1℃の条件にて引張り速度100mm/minにて測定した。引張弾性率は初期引張弾性率である。
(6)糸引裂き試験(糸引裂き強度、糸引裂き伸び)
縦35mm、横25mm、1.0mm厚さのシートに、縦方向5mm、横方向12.5mmの位置にマニーアイド縫合針(外科直弾4丸針)、手術用糸(ブレードシルク3号)を通し、その糸を速度100mm/minで引張り、シートが破断するまでの強度と伸びを測定した。
(7)触感(触感官能テスト)
外科を専攻している医師、生体モデルの製造に従事している4名に触感を観察してもらい、以下の評価基準に基づいて評価した(1人当たり0〜2点で評価した)。4人の合計が4点以上の場合を合格とし、6点以上を優れた触感であるとした。
〔評価基準〕
2点:生体臓器に十分に近似している。
1点:生体臓器にある程度は近似している。
0点:生体臓器と近似していない。
(8)触感評価
触感評価には厚さ1.0mmのシートを使用した。株式会社トリニティーラボ社製トライボマスターType:TL201TsT、ウレタン樹脂製指モデル触覚接触子付きを使用し、温度23℃、湿度50%の環境下、荷重10g、速度10mm/sec.、データ取り込み速度1ミリsec.、測定長30mmで測定し、時間に対する摩擦力の関係を測定し、最大静止摩擦力、静止摩擦係数を求めた。
(実施例1〜4)
(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、(B)オイルおよび(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を使用し、表1に示す組成で混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を得て各物性の評価を行った。各成分の添加量は、質量部である。物性測定結果を表2に示す。
(実施例5〜7)
(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、(B)オイルおよび(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を使用し、さらに(D)比表面積が1m/gである炭酸カルシウム、及び(E)ポリビニルアルコール(ビニロン)繊維フィラー(RM182,4mm)を使用し、表1に示す組成で混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を得て各物性の評価を行った。物性測定結果を表2に示す。
(実施例8)
(A)特定の条件を満たす水添ブロック共重合体、(B)オイルおよび(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を使用し、さらに(D)比表面積が1m/gである炭酸カルシウムを使用し、表1に示す組成で混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を得て各物性の評価を行った。物性測定結果を表2に示す。
(比較例1)
水添ブロック共重合体としてMFR(温度230℃、荷重2.16kg)が2.4g/10分であるSEPS(SEPTON2007クラレ社製)を使用した以外は、実施例1と同じ条件で、表1に示す配合により混練を行い、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はブリードアウトが激しく物性評価は行わなかった。
(比較例2)
(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を使用しないで混練を行った以外は、実施例1と同じ条件で、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はブリードアウトが激しく物性評価は行わなかった。
(比較例3)
(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂の代わりに、市販のペレットで供給されるポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製、ノバテックHD、HJ590N)を使用して混練を行いた以外は実施例1と同じ条件で、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はブリードアウトが激しく物性評価は行わなかった。
(比較例4、5)
(C)特定の条件を満たすポリオレフィン系樹脂を使用しないで、炭酸カルシウム、またはポリビニルアルコール繊維フィラー(RM182−4mm)を使用し混練を行った以外は、実施例8、実施例5と同じ条件で、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物はブリードアウトが激しく物性評価は行わなかった。
(比較例6)
現行の心臓のモデルに用いられている後硬化型ウレタン樹脂(ポリウレタン)の物性測定値を表2に示す。
(参考例1〜4)
訓練用生体臓器である、新鮮な豚の心臓を用い、表1に示す部位ごとに、上記物性測定を行った。表1において、「右心筋/繊維垂直」とは、豚の心臓の右室心筋を、筋繊維とは垂直方向に沿って物性測定を行ったことをいう。「右心筋/繊維平行」とは、豚の心臓の右室心筋を、筋繊維と平行方向に沿って物性測定を行ったことをいう。「大動脈/垂直」とは、豚の心臓の大動脈を、大動脈とは垂直方向に沿って物性測定を行ったことをいう。「大動脈/輪切り」とは、豚の心臓の大動脈を輪切り方向に沿って物性測定を行ったことをいう。結果を表2に示す。
Figure 0006913735
Figure 0006913735
実施例1〜4の結果より、成分(A)特定の水添ブロック共重合体、(B)オイル、(C)特定のポリオレフィン系樹脂を本発明の範囲内で含んでなる樹脂組成物は、ブリードアウトが無く、所定の軟質性と引張り伸び、引張り破断強度を示すことが分かる。これに対し、比較例1〜5で得られた樹脂組成物は、オイルのブリードアウトが激しく、従って想定した組成の樹脂組成物が得られていないことは明らかである。そのため、物性測定は行わなかった。
さらに、成分(D)無機フィラーや(E)非相溶性繊維フィラーを配合した実施例5、実施例6、及び実施例7は、軟質性と力学的強度、伸びの少なさに加え、触感評価(静止摩擦係数)も、生体モデルとしての好ましい条件を満たしている。

Claims (7)

  1. 成分(A)MFR(温度230℃、荷重2.16kg)1g/10min.以下の水添ブロック共重合体を100質量部、
    成分(B)オイルを1000質量部を超え2000質量部以下、及び、成分(C)比表面積0.01〜30m/gのポリオレフィン系樹脂を10質量部以上120質量部以下含有する、樹脂組成物。
  2. さらに成分(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、成分(D)無機フィラーを1〜400質量部含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 成分(D)無機フィラーが炭酸カルシウムである、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. さらに成分(A)水添ブロック共重合体100質量部に対し、成分(E)非相溶性繊維フィラーを10〜80質量部含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 成分(E)非相溶性繊維フィラーがポリビニルアルコール繊維フィラーである、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項2から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた生体モデル。
  7. 臓器モデル、皮膚モデル、又は血管モデルである、請求項6に記載の生体モデル。
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