JP6895291B2 - 圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されているロータには、ロータの軽量化等のために複数のチャンバ(又はキャビティ)が形成されている。複数のチャンバのうち、第一チャンバと第二チャンバとは、径方向の位置が互いに同じで軸方向に並んでいる。第二チャンバは、第一チャンバに対して軸方向の上流側に位置している。また、複数のチャンバのうち、第三チャンバは、軸方向における第一チャンバと第二チャンバとの間の位置であって第一チャンバ及び第二チャンバよりも径方向内側の位置に形成されている。第一チャンバ及び第二チャンバは、いずれも、ロータ軸の外周側とケーシングの内周側との間の環状の空間で形成される空気圧縮流路と連通している。第三チャンバは、第一チャンバに連通していると共に、第二チャンバにも連通している。
しかし、空気圧縮流路を流れる空気の温度変化に対して、ロータ軸の熱応答性をさらに高めることが求められている。
圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されている。
すなわち、上記(1)の構成では、ロータ軸には、気体圧縮流路の下流側となる第1キャビティ群における内側キャビティと、気体圧縮流路の上流側となる第2キャビティ群における内側キャビティとを連通する第1段間接続流路が設けられている。また、気体圧縮流路では下流側の方が上流側よりも気体の圧力が高い。
そのため、上記(1)の構成によれば、気体圧縮流路の気体の一部は、第1キャビティ群における外側キャビティに流入し、第1キャビティ群の内側キャビティ、第1段間接続流路、第2キャビティ群の内側キャビティ、及び第2キャビティ群の外側キャビティの順に通過して、第2キャビティ群の外側キャビティから気体圧縮流路に流出する。
前記ロータ軸は、
前記軸線方向に複数列積層された円盤形状を呈する複数のロータ盤と、
前記複数のロータ盤を前記軸線方向に沿って貫通して前記複数のロータ盤同士を締結する締結部材と、を含み、
前記第1段間接続流路の前記入口は、前記締結部材よりも径方向内側に位置する。
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記第1段間接続流路は、前記第2段間接続流路が形成されている前記軸線に対する周方向の位置とは異なる周方向の位置に形成されている。
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記第1段間接続流路の前記出口は、前記第2段間接続流路の前記入口よりも径方向内側に位置する。
なお、ロータ軸との熱伝達に用いる気体の流量が増加すると、圧縮機における動力損失が増加するが、上記(7)の構成によれば、ロータ軸との熱伝達に用いる気体の総流量の増加を抑制できるので、圧縮機における動力損失を抑制しつつ、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記ロータ軸には、前記第1段間接続流路の前記出口と、前記第2段間接続流路の前記入口とを接続する接続管路が形成される。
これにより、第1キャビティ群から第3キャビティ群に向かう気体の流量を増やすことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第3段間接続流路であって、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第3段間接続流路、が形成される。
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、前記第4キャビティ群に対して上流側に位置する第5キャビティ群と、をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第4段間接続流路であって、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第4段間接続流路、が形成される。
上記構成(1)乃至(10)の何れかの構成の圧縮機ロータと、
圧縮機ケーシングと、を備える。
すなわち、ロータ軸の外周面に固定され、ロータ軸の軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列を備える圧縮機では、一般的に、圧縮機ケーシングの方がロータ軸よりも熱応答性が良好である。そのため、圧縮機の運転状況により、圧縮機ケーシングとロータ軸との熱応答性の差に起因して、圧縮機ケーシングと動翼列とのクリアランスが小さくなる場合がある。このような場合であっても、圧縮機ケーシングと動翼列とが接触しないように、停止している圧縮機が常温の状態において、圧縮機ケーシングと動翼列とのクリアランスは所定のクリアランスとなるように設定されている。
圧縮機の空力性能を向上させるためには、上記所定のクリアランスを小さくする必要があるが、上述した、熱応答性の差に起因して圧縮機ケーシングと動翼列とのクリアランスが過渡的に小さくなる場合があるために、上記所定のクリアランスを小さくすることが難しかった。
上記(11)の構成の圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
前記燃焼ガスで駆動するタービンと、
を備える。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
初めに、一実施形態のガスタービンについて、図1を参照して説明する。
一実施形態の圧縮機について、図2〜図9を参照して説明する。
また、以下の説明では、軸方向Daにおける位置が異なる2つのキャビティ群22について言及する際に、該2つのキャビティ群のうち、空気圧縮流路19における圧縮空気の流れに関して上流側に位置するキャビティ群22を上流段のキャビティ群22と呼ぶことがあり、下流側に位置するキャビティ群22を下流段のキャビティ群22と呼ぶことがある。
一実施形態では、図2に示すように、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとは、一組を成す。この組では、第1キャビティ群22Aが下流側キャビティ群22dを成し、第2キャビティ群22Bが上流側キャビティ群22uを成す。同様に、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとは、一組を成す。この組では、第3キャビティ群22Cが下流側キャビティ群22dを成し、第4キャビティ群22Dが上流側キャビティ群22uを成す。同様に、第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとは、一組を成す。この組では、第5キャビティ群22Eが下流側キャビティ群22dを成し、第6キャビティ群22Fが上流側キャビティ群22uを成す。
段間接続流路39における下流側キャビティ群22dの内側キャビティ25に対する開口は、入口開口39iを成す。段間接続流路39における上流側キャビティ群22uの内側キャビティ25に対する開口は、出口開口39oを成す。入口開口39iは、出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。入口開口39i及び出口開口39oは、内側キャビティ25の径方向内側の領域25bにそれぞれ設けられている。
段間接続流路39は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで複数形成されている。
一実施形態では、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組、及び第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとが成す組のそれぞれに対して、段間接続流路39が設けられている。
以下、一実施の形態の圧縮機ロータ20において、熱応答性がより高まる理由について説明する。
すなわち、上述した一実施形態のロータ軸21には、複数の動翼列81の相互間の軸方向Daにおける各位置に、軸線Arの周囲に延在する環状を成し、径方向Drで互いに離間している複数のキャビティ23を有するキャビティ群22がそれぞれ形成されている。キャビティ群22の各々は、複数のキャビティ23のうちで最も径方向Dr外側に位置するとともに動翼列81が存在する空気圧縮流路19と連通する外側キャビティ24と、外側キャビティ24よりも径方向Dr内側に位置するとともに外側キャビティ24と連通する内側キャビティ25と、を含む。
キャビティ群22は、第1キャビティ群22Aと、第1キャビティ群22Aに対して上流側に位置する第2キャビティ群22Bと、を含む。
ロータ軸21には、第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25と、第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39が形成されている。段間接続流路39では、第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25に開口する入口である入口開口39iが、第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25に開口する出口である出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。
すなわち、上述した一実施形態のロータ軸21では、ロータ軸21には、空気圧縮流路19の下流側となる第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25と、空気圧縮流路19の上流側となる第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39が設けられている。また、上述したように、空気圧縮流路19では下流側の方が上流側よりも気体の圧力が高い。
そのため、上述した一実施形態のロータ軸21によれば、空気圧縮流路19の空気の一部は、第1キャビティ群22Aにおける外側キャビティ24に流入し、第1キャビティ群22Aの内側キャビティ25、段間接続流路39、第2キャビティ群22Bの内側キャビティ25、及び第2キャビティ群22Bの外側キャビティ24の順に通過して、第2キャビティ群22Bの外側キャビティ24から空気圧縮流路19に流出する。
図7は、一実施形態のロータ軸21について、発明者らが流体解析によって空気の圧力を算出した算出点の位置を示す図である。また、図8は、比較例について、発明者らが流体解析によって空気の圧力を算出した位置を示す図である。図8の比較例に示した段間接続流路40では、入口開口40iの径方向Drの位置と出口開口40oの径方向Drの位置とが同じである。
図7において、算出点Pu1は出口流路34uの出口であり、算出点Pu2は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr外側端であり、算出点Pu3は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr内側端であり、算出点Pu4は段間接続流路39の入口開口39iである。
図8において、算出点Pu11は出口流路34uの出口であり、算出点Pu12は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr外側端であり、算出点Pu13は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr内側端であり、算出点Pu14は段間接続流路40の入口開口40iである。
図8における下流側キャビティ群22dの各算出点Pd11,Pd12,Pd13,Pd14の圧力をそれぞれpd11,pd12,pd13,pd14とすると、pd14<pd13<pd12<pd11であった。同様に、図8における上流側キャビティ群22uの各算出点Pu11,Pu12,Pu13,Pu14の圧力をそれぞれpu11,pu12,pu13,pu14とすると、pu14<pu13<pu12<pu11であった。
そして、図8における下流側キャビティ群22dの算出点Pd14の圧力pd14と、上流側キャビティ群22uの算出点Pu14の圧力pu14とは略等しく、pd14≒pu14であった。
また、図8の比較例における下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22uを流れる空気の流量はQ1であった。
図7における下流側キャビティ群22dの各算出点Pd1,Pd2,Pd3,Pd4の圧力をそれぞれpd1,pd2,pd3,pd4とすると、pd4<pd3<pd2<pd1であった。同様に、図7における上流側キャビティ群22uの各算出点Pu1,Pu2,Pu3,Pu4の圧力をそれぞれpu1,pu2,pu3,pu4とすると、pu4<pu3<pu2<pu1であった。
なお、一実施形態のロータ軸21では、下流側キャビティ群22dの算出点Pd4の圧力pd4は、図8の比較例における下流側キャビティ群22dの算出点Pd14の圧力pd14及び上流側キャビティ群22uの算出点Pu14の圧力pu14と略等しく、pd4≒pd14(≒pu14)であった。
しかし、一実施形態のロータ軸21では、上流側キャビティ群22uの算出点Pu4の圧力pu4は、下流側キャビティ群22dの算出点Pd4の圧力pd4よりも高くなり、pd4<pu4であった。
そして、一実施形態のロータ軸21では、下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22uを流れる空気の流量は、比較例における空気の流量Q1より大幅に増加した。
よって、圧縮機の空力性能を向上でき、ガスタービン性能を高めることができる。
上述した一実施形態では、ロータ軸21は、軸方向Daに複数列積層された円盤形状を呈する複数のロータディスク41と、複数のロータディスク41を軸方向Daに沿って貫通して複数のロータディスク41同士を締結するスピンドルボルト51と、を含む。そして、段間接続流路39の入口開口39iは、スピンドルボルト51よりも径方向Dr内側に位置する。
これにより、段間接続流路39の入口開口39iをより軸心(軸線Ar)に近づけて、第1キャビティ群22Aの内側キャビティ25内を空気が流動する範囲を増やせるため、ロータ軸21の上述した熱応答性をより高めることができる。
上述した一実施形態では、第1キャビティ群22Aは、複数の動翼列81の相互間の軸方向Daにおける各位置のうち、最も下流側の位置に形成される。
したがって、上述した一実施形態では、最も下流側の第1キャビティ群22Aから段間接続流路39を介して上流側に隣接する第2キャビティ群22Bに空気圧縮流路19の空気の一部が流れる。
これにより、下流側に向かうにつれて温度が高くなるロータ軸21における、最も下流側の第1及び第2キャビティ群22A,22Bに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができるので、ロータ軸21の上述した熱応答性を効率よく高めることができる。
よって、圧縮機の空力性能を向上でき、ガスタービン性能を高めることができる。
すなわち、一般的に圧縮機1のような軸流圧縮機では、下流側に向かうにつれて翼高さが低くなる。したがって、軸流圧縮機の上流側と下流側とでチップクリアランスCCが同じであったとしても、下流側に向かうにつれて翼高さに対するチップクリアランスCCの割合は大きくなる。
翼高さに対するチップクリアランスCCの割合が大きくなるほど損失が大きくなるので、
下流側ほどチップクリアランスCCを小さくしたい。しかし、上述したように下流側ほどロータ軸21の温度域が高くるため、チップクリアランスCCの変動量が大きくなる傾向にある。そのため、下流側のチップクリアランスCCを小さくすることが難しかった。
しかし、上述した一実施形態では、上述したように最も下流側の第1及び第2キャビティ群22A,22Bに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができるので、ロータ軸21の最も下流側の第1及び第2キャビティ群22A,22Bを構成するロータディスク41の熱応答性が向上し、ロータ軸21の下流側において上述した定常クリアランスを小さくすることができる。これにより、圧縮機の空力性能を向上でき、ガスタービン性能を高めることができる。
上述した一実施形態では、ロータ軸21には、第3キャビティ群22Cにおける内側キャビティ25と、第4キャビティ群22Dにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39が設けられている。第3キャビティ群22Cにおける内側キャビティ25に開口する入口開口39iは、第4キャビティ群22Dにおける内側キャビティ25に開口する出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。
これにより、さらに第3及び第4キャビティ群22C,22Dに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができるので、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
(段間接続流路39の延在方向について)
上述した一実施形態では、図3(B)に示すように、段間接続流路39は径方向Drに延在している。すなわち、上述した一実施形態では、図3(B)に示すように、段間接続流路39のそれぞれにおいて、軸線Arを中心とする入口開口39iの角度位置と出口開口39oの角度位置とは一致している。
しかし、例えば図9に示すように、段間接続流路39は径方向Drとは異なる方向に延在していてもよい。すなわち、段間接続流路39のそれぞれにおいて、軸線Arを中心とする入口開口39iの角度位置と出口開口39oの角度位置とが異なっていてもよい。
これにより、出口開口39oの空気の旋回速度がロータディスク41の回転速度より大きくなるため、遠心力で効率的に半径方向外側へ空気を流すことができる。したがって、第1及び第2キャビティ群22A,22Bを流れる空気の流量を増やすことができるので、第1及び第2キャビティ群22A,22Bにおける空気との熱伝達を向上でき、ロータ軸21の上述した熱応答性を高められる。
図9に示した一実施形態の段間接続流路39は、角度差θ1が鋭角となる場合の一例である。また、図14には、角度差θ1が鈍角となる場合の一例を示す。なお、図14は、別の実施形態に係るロータディスク41を示す図であり、図14(A)はロータディスク41の断面図であり、図14(B)は図14(A)におけるB矢視図である。説明の便宜上、図14(B)で図示された段間接続流路39の数はスピンドルボルト51と同数としているが、段間接続流路39の数はスピンドルボルト51と同数に限定されない。
図14(B)に示す段間接続流路39のそれぞれでは、軸方向Daに沿って見たときに環状を呈する内側キャビティ25の径方向内側の領域25bにおける、最も径方向内側となる壁部25cを挟んで、入口開口39iと出口開口39oとが設けられている。
段間接続流路39は、角度差θ1が大きくなるほど、軸線Arに近づく。
角度差θ1が90度を超えると、図15における入口開口39iの中心位置が一方の線分L1を超えて図示下方に位置することとなり、段間接続流路39は、より軸線Arに近づくとともに、ロータディスク41の中心近傍における段間接続流路39の延在距離が長くなる。
このように、段間接続流路39は、角度差θ1が大きくなるほど、軸線Arに近づくとともに、ロータディスク41の中心近傍における段間接続流路39の延在距離が長くなる。そのため、角度差θ1が大きくなるほど、段間接続流路39を流れる空気によって、ロータディスク41のより中心側を効率的に冷却できる。
上述した一実施形態では、図6に示すように、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組、及び第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとが成す組のそれぞれに対して、段間接続流路39が設けられていた。しかし、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組、及び第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとが成す組の、少なくとも1組に対して、段間接続流路39を設けてもよい。また、上記3組よりも上流側の組に対して段間接続流路39を設けてもよい。
なお、上述したように下流側ほどロータ軸21の温度域が高くるため、上記3組の何れか1組又は2組に段間接続流路39を設けるのであれば、上側の組よりも下流側の組に段間接続流路39を設けた方が、ロータ軸21の上述した熱応答性を効率よく高めることができる。
上述した一実施形態では、図6に示すように、第2キャビティ群22Bと第3キャビティ群22Cとの間に位置するロータディスク41には段間接続流路39が設けられていない。しかし、例えば図10に示すように、第2キャビティ群22Bと第3キャビティ群22Cとの間に位置するロータディスク41に段間接続流路39を設けてもよい。
図10は、他の実施形態における圧縮機1の要部断面図である。以下の説明では、ロータ軸21で最も下流側のロータディスク41を第1ロータディスク41Aと呼び、第1ロータディスク41Aと軸方向Daで隣り合う上流側のロータディスク41を第2ロータディスク41Bと呼び、第2ロータディスク41Bと軸方向Daで隣り合う上流側のロータディスク41を第3ロータディスク41Cと呼ぶ。第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとの間に位置するロータディスク41が第2ロータディスク41Bであり、第2キャビティ群22Bと第3キャビティ群22Cとの間に位置するロータディスク41が第3ロータディスク41Cである。
図10において、第2ロータディスク41Bの断面と、第3ロータディスク41Cの断面とは、周方向Dcの位置が異なる。すなわち、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが異なっている。なお、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが同じであってもよい。
また、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが異なっている。これにより、第2キャビティ群22Bの内側キャビティ25において、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oから排出される空気と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iに流入する気体とが互いに及ぼす影響を抑制できる。したがって、第1〜第3キャビティ群22A〜22C内を空気が効率的に流れるので、第1〜第3キャビティ群22A〜22Cにおける空気との熱伝達を向上でき、ロータ軸21の上述した熱応答性を高められる。
図11は、さらに他の実施形態における圧縮機1の要部断面図である。図11に示すように、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第2ロータディスク41Bと第3ロータディスク41Cのそれぞれに段間接続流路39を設けた。
なお、図11において、第2ロータディスク41Bの断面と、第3ロータディスク41Cの断面とは、周方向Dcの位置が同じである。すなわち、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが同じである。しかし、図11に示すように、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iは、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。
また、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iは、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置するので、第2キャビティ群22Bの内側キャビティ25において、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oから排出された空気が第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iに流入し易くなる。これにより、第1キャビティ群22Aから第3キャビティ群22Cに向かう気体の流量を増やすことができるので、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量の増加を抑制しつつ、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
なお、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量が増加すると、圧縮機1における動力損失が増加するが、上記構成によれば、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量の増加を抑制できるので、圧縮機1における動力損失を抑制しつつ、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
図12は、図11に係る他の実施形態に対する変形例における圧縮機1の要部断面図である。図12に示す変形例では、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oと第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iとが接続管路60で接続されている。
これにより、第1キャビティ群22Aから第3キャビティ群22Cに向かう空気の流量を増やすことができるので、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量の増加を抑制しつつ、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
しかし、ある一対のキャビティ群に対して他の一対のキャビティ群が隣接していなくてもよい。
図13は、さらに他の実施形態における圧縮機1の要部断面図である。当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21は、第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25と、第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39、及び第4キャビティ群22Dにおける内側キャビティ25と、第5キャビティ群22Eにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39を備えている。すなわち、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとを含む一対のキャビティ群と、第4キャビティ群22Dと第5キャビティ群22Eとを含む一対のキャビティ群との間には、いずれの段間接続流路39とも接続されていない第3キャビティ群22Cが介在している。
上述した一実施形態では、例えば図3に示すように、段間接続流路39の入口開口39i及び出口開口39oは、内側キャビティ25の径方向内側の領域25bにそれぞれ設けられている。すなわち、上述した一実施形態では、段間接続流路39の入口開口39i及び出口開口39oは、スピンドルボルト51や径方向内側流路38よりも径方向Dr内側に設けられている。しかし、例えば出口開口39oは、径方向内側流路38に設けられていてもよく、スピンドルボルト51の近傍となる径方向Drの位置に設けられていてもよい。
上述した一実施形態では、例えば図3(B)に示すように、1つのロータディスク41に複数の段間接続流路39が設けられている。しかし、例えば、1つのロータディスク41に対する段間接続流路39の配設数は1以上であればよい。なお、1つのロータディスク41に2以上の段間接続流路39を設ける場合、周方向Dcに等ピッチで配置すれば、ロータディスク41の温度が変化しつつある過渡状態であっても熱によるロータディスク41の変形によってロータディスク41の動的バランスに及ぼす影響を抑制できる。
圧縮機1は、ガスタービン100だけでなく、例えば真空ポンプ等、ガスタービン以外の装置に用いられるものであってもよい。また、圧縮機ロータ20は、軸流圧縮機用のロータであったが、タービンのロータ等、軸流圧縮機以外の装置に用いられるものであってもよい。
2 燃焼器
3 タービン
10 圧縮機ケーシング
20 圧縮機ロータ
21 ロータ軸
22 キャビティ群
23 キャビティ
24 外側キャビティ
25 内側キャビティ
39 段間接続流路
39i 入口開口
39o 出口開口
41 ロータディスク
51 スピンドルボルト
60 接続管路
81 動翼列
100 ガスタービン
Claims (12)
- 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置し、前記入口と前記出口とを結ぶ直線に沿って延在する第1段間接続流路、が形成されている
圧縮機ロータ。 - 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
前記第1段間接続流路の前記出口は、前記第1段間接続流路の前記入口よりも、前記ロータ軸の回転方向の下流側に位置している
圧縮機ロータ。 - 前記ロータ軸の軸線を中心とする前記第1段間接続流路の前記出口の角度位置と前記入口の角度位置との差は、90度以上180度未満である
請求項2に記載の圧縮機ロータ。 - 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
前記ロータ軸は、
前記軸線方向に複数列積層された円盤形状を呈する複数のロータ盤と、
前記複数のロータ盤を前記軸線方向に沿って貫通して前記複数のロータ盤同士を締結する締結部材と、を含み、
前記第1段間接続流路の前記入口は、前記締結部材よりも径方向内側に位置する
圧縮機ロータ。 - 前記第1キャビティ群は、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置のうち、最も下流側の位置に形成される
請求項1乃至4何れか1項に記載の圧縮機ロータ。 - 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記第1段間接続流路は、前記第2段間接続流路が形成されている前記軸線に対する周方向の位置とは異なる周方向の位置に形成されている
圧縮機ロータ。 - 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記第1段間接続流路の前記出口は、前記第2段間接続流路の前記入口よりも径方向内側に位置する
圧縮機ロータ。 - 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記ロータ軸には、前記第1段間接続流路の前記出口と、前記第2段間接続流路の前記入口とを接続する接続管路が形成される
圧縮機ロータ。 - 前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第3段間接続流路であって、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第3段間接続流路、が形成される、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の圧縮機ロータ。 - 前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、前記第4キャビティ群に対して上流側に位置する第5キャビティ群と、をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第4段間接続流路であって、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第4段間接続流路、が形成される、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の圧縮機ロータ。 - 請求項1乃至10の何れか1項に記載の圧縮機ロータと、
圧縮機ケーシングと、を備える
圧縮機。 - 請求項11に記載の圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
前記燃焼ガスで駆動するタービンと、
を備えるガスタービン。
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