JP6895291B2 - 圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン - Google Patents

圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン Download PDF

Info

Publication number
JP6895291B2
JP6895291B2 JP2017069315A JP2017069315A JP6895291B2 JP 6895291 B2 JP6895291 B2 JP 6895291B2 JP 2017069315 A JP2017069315 A JP 2017069315A JP 2017069315 A JP2017069315 A JP 2017069315A JP 6895291 B2 JP6895291 B2 JP 6895291B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
group
flow path
cavity group
rotor shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017069315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018168848A (ja
Inventor
能幸 岡部
能幸 岡部
鈴木 亮
亮 鈴木
好子 大谷
好子 大谷
勝人 荒木
勝人 荒木
片岡 正人
正人 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2017069315A priority Critical patent/JP6895291B2/ja
Publication of JP2018168848A publication Critical patent/JP2018168848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6895291B2 publication Critical patent/JP6895291B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

本開示は、圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービンに関する。
圧縮機は、ケーシングと、このケーシング内で軸線を中心として回転するロータと、を備えている。軸流圧縮機のロータは、軸線を中心として軸方向に延びているロータ軸と、ロータ軸の外周に固定され軸方向に並んでいる複数の動翼列と、を有する。
このような軸流圧縮機のロータとしては、以下の特許文献1及び特許文献2に開示されているものがある。
特許文献1に開示されているロータには、ロータの軽量化等のために複数のチャンバ(又はキャビティ)が形成されている。複数のチャンバのうち、第一チャンバと第二チャンバとは、径方向の位置が互いに同じで軸方向に並んでいる。第二チャンバは、第一チャンバに対して軸方向の上流側に位置している。また、複数のチャンバのうち、第三チャンバは、軸方向における第一チャンバと第二チャンバとの間の位置であって第一チャンバ及び第二チャンバよりも径方向内側の位置に形成されている。第一チャンバ及び第二チャンバは、いずれも、ロータ軸の外周側とケーシングの内周側との間の環状の空間で形成される空気圧縮流路と連通している。第三チャンバは、第一チャンバに連通していると共に、第二チャンバにも連通している。
空気圧縮流路中の空気の一部は、第二チャンバよりも下流側に位置している第一チャンバ内に流入する。この空気は、第一チャンバから第三チャンバ内に流入してから、第二チャンバを経て、空気圧縮流路中に戻る。
特許文献2に開示されているロータには、軸方向の位置が同じで径方向の位置が異なる複数のキャビティを有するキャビティ群が、軸方向に沿って複数設けられている。各キャビティ群において、空気圧縮流路と径方向外側のキャビティとが連通し、径方向外側のキャビティと径方向内側のキャビティとが連通している。また、軸方向に沿って隣接する上流側と下流側のキャビティ群において、径方向内側のキャビティ同士が連通している。
空気圧縮流路の空気の一部は、下流側のキャビティ群における径方向外側のキャビティに流入し、該キャビティ群の径方向内側のキャビティ、上流側のキャビティ群における径方向内側のキャビティ、及び該キャビティ群における径方向外側のキャビティの順に通過して、空気圧縮流路に戻る。
特開2013−204593号公報 特開2016−205308号公報
特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、空気圧縮流路中の空気の一部を各チャンバ又はキャビティを経て空気圧縮流路に戻すことで、空気圧縮流路を流れる空気の温度変化に対するロータ軸の熱応答性を高めている。
しかし、空気圧縮流路を流れる空気の温度変化に対して、ロータ軸の熱応答性をさらに高めることが求められている。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、気体圧縮流路を流れる気体の温度変化に対するロータ軸の熱応答性をより高めることができる圧縮機ロータ、この圧縮機ロータを備える圧縮機、及びこの圧縮機を備えるガスタービンを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る圧縮機ロータは、
圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
を備え、
前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されている。
上記(1)の構成では、気体圧縮流路を流れる気体の温度変化に対するロータ軸の熱応答性を高めることができる。
すなわち、上記(1)の構成では、ロータ軸には、気体圧縮流路の下流側となる第1キャビティ群における内側キャビティと、気体圧縮流路の上流側となる第2キャビティ群における内側キャビティとを連通する第1段間接続流路が設けられている。また、気体圧縮流路では下流側の方が上流側よりも気体の圧力が高い。
そのため、上記(1)の構成によれば、気体圧縮流路の気体の一部は、第1キャビティ群における外側キャビティに流入し、第1キャビティ群の内側キャビティ、第1段間接続流路、第2キャビティ群の内側キャビティ、及び第2キャビティ群の外側キャビティの順に通過して、第2キャビティ群の外側キャビティから気体圧縮流路に流出する。
第1段間接続流路の位置が軸線に近づくほど、第1及び第2キャビティ群における内側キャビティ内を気体が流動する範囲を増やせるため、ロータ軸の上述した熱応答性をより高めることが期待できる。しかし、第1段間接続流路の位置を単に軸線に近づけるだけでは、第1及び第2キャビティ群内における気体通過経路が長くなる分だけ圧力損失が増えるため、第1及び第2キャビティ群内を流れる気体の流量が低下する。そのため、第1及び第2キャビティ群における内側キャビティ内を気体が流動する範囲が増えても、気体との熱伝達が抑制されるため、ロータ軸の上述した熱応答性を高めることが困難になるおそれがある。
しかし、上記(1)の構成では、第1段間接続流路の入口が出口よりも径方向内側に位置する。これにより、ロータ軸が回転することによって第1段間接続流路内の気体もロータ軸と同じ回転速度で回転するので、第1段間接続流路内の気体には入口側から出口側に向かう方向に遠心力が働くので、第1段間接続流路は、第1キャビティ群の内側キャビティ内の気体を吸入し、第2キャビティ群の内側キャビティへ吐出する。したがって、第1及び第2キャビティ群を流れる気体の流量を増やすことができるので、第1及び第2キャビティ群における気体との熱伝達を向上でき、ロータ軸の上述した熱応答性を高められる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記第1段間接続流路の前記出口は、前記第1段間接続流路の前記入口よりも、前記ロータ軸の回転方向の下流側に位置している。
上記(2)の構成によれば、第1段間接続流路の出口が入口よりもロータ軸の回転方向の下流側に位置しているので、第1段間接続流路の出口の気体は、ロータの回転速度以上の速度で旋回する。そのため、第1段間接続流路の出口の気体は、遠心力により、より効率的に半径方向外側へ向かって流れることができる。これにより、第1及び第2キャビティ群を流れる気体の流量を増やすことができるので、第1及び第2キャビティ群における気体との熱伝達を向上でき、ロータ軸の上述した熱応答性を高められる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、前記ロータ軸の軸線を中心とする前記第1段間接続流路の前記出口の角度位置と前記入口の角度位置との差は、90度以上180度未満である。
上記(3)の構成によれば、ロータ軸の軸線を中心とする第1段間接続流路の出口の角度位置と入口の角度位置との差が90度以上であるので、第1段間接続流路がロータ軸の軸線に近づき、段間接続流路を流れる気体によって、ロータ軸のより中心側を冷却できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記ロータ軸は、
前記軸線方向に複数列積層された円盤形状を呈する複数のロータ盤と、
前記複数のロータ盤を前記軸線方向に沿って貫通して前記複数のロータ盤同士を締結する締結部材と、を含み、
前記第1段間接続流路の前記入口は、前記締結部材よりも径方向内側に位置する。
上記(4)の構成によれば、第1段間接続流路の入口をより軸心に近づけて、第1キャビティ群の内側キャビティ内を気体が流動する範囲を増やせるため、ロータ軸の上述した熱応答性をより高めることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、前記第1キャビティ群は、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置のうち、最も下流側の位置に形成される。
上記(5)の構成によれば、下流側に向かうにつれて温度が高くなるロータ軸における、最も下流側の第1及び第2キャビティ群に対して、気体圧縮流路の気体の一部を流すことができるので、ロータ軸の上述した熱応答性を効率よく高めることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記第1段間接続流路は、前記第2段間接続流路が形成されている前記軸線に対する周方向の位置とは異なる周方向の位置に形成されている。
上記(6)の構成によれば、さらに第3キャビティ群に対して、気体圧縮流路の気体の一部を流すことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。また、上記(6)の構成によれば、第1段間接続流路と第2段間接続流路とは、軸線に対する周方向の異なる位置に形成されているので、第2キャビティ群の内側キャビティにおいて、第1段間接続流路の出口から排出される気体と第2段間接続流路の入口に流入する気体とが互いに及ぼす影響を抑制できる。これにより、第1〜第3キャビティ群内を気体が効率的に流れるので、第1〜第3キャビティ群における気体との熱伝達を向上でき、ロータ軸の上述した熱応答性を高められる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記第1段間接続流路の前記出口は、前記第2段間接続流路の前記入口よりも径方向内側に位置する。
上記(7)の構成によれば、さらに第3キャビティ群に対して、気体圧縮流路の気体の一部を流すことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。また、上記(7)の構成によれば、第1段間接続流路の出口が第2段間接続流路の入口よりも径方向内側に位置するので、第2キャビティ群の内側キャビティにおいて、第1段間接続流路の出口から排出された気体が第2段間接続流路の入口に流入し易くなる。これにより、第1キャビティ群から第3キャビティ群に向かう気体の流量を増やすことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。
なお、ロータ軸との熱伝達に用いる気体の流量が増加すると、圧縮機における動力損失が増加するが、上記(7)の構成によれば、ロータ軸との熱伝達に用いる気体の総流量の増加を抑制できるので、圧縮機における動力損失を抑制しつつ、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
前記ロータ軸には、前記第1段間接続流路の前記出口と、前記第2段間接続流路の前記入口とを接続する接続管路が形成される。
上記(8)の構成によれば、さらに第3キャビティ群に対して、気体圧縮流路の気体の一部を流すことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。また、上記(8)の構成によれば、第1段間接続流路の出口と第2段間接続流路の入口とが接続管路で接続される。これにより、気体圧縮流路の気体の一部は、第1キャビティ群における外側キャビティに流入し、第1キャビティ群の内側キャビティ、第1段間接続流路、接続管路、第2段間接続流路、第3キャビティ群の内側キャビティ、及び第3キャビティ群の外側キャビティの順に通過して、第3キャビティ群の外側キャビティから気体圧縮流路に流出する。
これにより、第1キャビティ群から第3キャビティ群に向かう気体の流量を増やすことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第3段間接続流路であって、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第3段間接続流路、が形成される。
上記(9)の構成によれば、さらに第3及び第4キャビティ群に対して、気体圧縮流路の気体の一部を流すことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、前記第4キャビティ群に対して上流側に位置する第5キャビティ群と、をさらに含み、
前記ロータ軸には、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第4段間接続流路であって、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第4段間接続流路、が形成される。
上記(10)の構成によれば、さらに第4及び第5キャビティ群に対して、気体圧縮流路の気体の一部を流すことができるので、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸の上述した熱応答性を高めることができる。
(11)本発明の少なくとも一実施形態に係る圧縮機は、
上記構成(1)乃至(10)の何れかの構成の圧縮機ロータと、
圧縮機ケーシングと、を備える。
上記(11)の構成によれば、圧縮機の空力性能を向上できる。
すなわち、ロータ軸の外周面に固定され、ロータ軸の軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列を備える圧縮機では、一般的に、圧縮機ケーシングの方がロータ軸よりも熱応答性が良好である。そのため、圧縮機の運転状況により、圧縮機ケーシングとロータ軸との熱応答性の差に起因して、圧縮機ケーシングと動翼列とのクリアランスが小さくなる場合がある。このような場合であっても、圧縮機ケーシングと動翼列とが接触しないように、停止している圧縮機が常温の状態において、圧縮機ケーシングと動翼列とのクリアランスは所定のクリアランスとなるように設定されている。
圧縮機の空力性能を向上させるためには、上記所定のクリアランスを小さくする必要があるが、上述した、熱応答性の差に起因して圧縮機ケーシングと動翼列とのクリアランスが過渡的に小さくなる場合があるために、上記所定のクリアランスを小さくすることが難しかった。
しかし、上記(11)の構成によれば、ロータ軸の熱応答性を高めることができるので、圧縮機ケーシングとロータ軸との熱応答性の差を小さくすることができる。これにより、上記所定のクリアランスを小さくすることができるので、圧縮機の空力性能を向上できる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係るガスタービンは、
上記(11)の構成の圧縮機と、
前記圧縮機で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
前記燃焼ガスで駆動するタービンと、
を備える。
上記(12)の構成によれば、圧縮機の空力性能を向上できるので、ガスタービンの性能を向上できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、圧縮機ロータの熱応答性を高めることができる。
一実施形態におけるガスタービンの要部切欠側面図である。 一実施形態に係る圧縮機の要部断面図である。 一実施形態におけるロータディスクを示し、同図(A)はロータディスクの断面図であり、同図(B)は同図(A)におけるB矢視図である。 一実施形態における圧縮機の動翼及び静翼周りの要部断面図である。 一実施形態におけるトルクピンの斜視図である。 一実施形態における圧縮機内での気体の流れを示す説明図である。 一実施形態のロータ軸について、発明者らが流体解析によって空気の圧力を算出した算出点の位置を示す図である。 比較例について、発明者らが流体解析によって空気の圧力を算出した位置を示す図である。 他の実施形態におけるロータディスクを軸方向に沿って上流側から見た図である。 他の実施形態における圧縮機の要部断面図である。 他の実施形態における圧縮機の要部断面図である。 図11に係る他の実施形態に対する変形例における圧縮機の要部断面図である。 他の実施形態における圧縮機の要部断面図である。 別の実施形態に係るロータディスクを示す図であり、同図(A)はロータディスクの断面図であり、同図(B)は同図(A)におけるB矢視図である。 内側キャビティの径方向内側の領域を軸方向に沿って見た図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(ガスタービン)
初めに、一実施形態のガスタービンについて、図1を参照して説明する。
一実施形態のガスタービン100は、図1に示すように、外気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮機1と、燃料供給源からの燃料を圧縮空気に混合して燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器2と、燃焼ガスにより駆動するタービン3と、を備えている。
圧縮機1は、軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ20と、この圧縮機ロータ20を覆う筒状の圧縮機ケーシング10とを有する。なお、以下では、軸線Arが延びている方向を軸方向Daとする。また、軸方向Daの一方側を上流側、この軸方向の他方側を下流側とする。軸線Arを基準にした径方向を単に径方向Drとする。また、この径方向Drで軸線Arから遠ざかる側を径方向外側とし、この径方向Drで軸線Arに近づく側を径方向内側とする。圧縮機ケーシング10の上流側は、開口が形成されている。この開口は、圧縮機1が外部から空気を取り込む取込口11iを成す。
タービン3は、圧縮機1の下流側に配置されている。このタービン3は、軸線Arを中心として回転するタービンロータ4と、このタービンロータ4を覆う筒状のタービンケーシング5とを有する。圧縮機ロータ20及びタービンロータ4は、同一の軸線Arを中心として回転するもので、相互に連結され、ガスタービンロータ8を成している。圧縮機ケーシング10及びタービンケーシング5は、相互に連結されてガスタービンケーシング9を成している。燃焼器2は、このガスタービンケーシング9に固定されている。
(圧縮機)
一実施形態の圧縮機について、図2〜図9を参照して説明する。
一実施形態の圧縮機は、先に説明した一実施形態のガスタービン100の圧縮機1である。よって、一実施形態の圧縮機1は、軸線Arを中心として回転する圧縮機ロータ20と、この圧縮機ロータ20を覆う筒状の圧縮機ケーシング10とを有している。
一実施形態の圧縮機1は、図2に示すように、軸流圧縮機である。このため、圧縮機ロータ20は、軸線Arを中心として軸方向Daに延びているロータ軸21と、このロータ軸21の外周に固定され軸方向Daに並んでいる複数の動翼列81と、を有している。圧縮機ケーシング10の内周側には、各動翼列81の下流側の位置に静翼列11が固定されている。
1つの静翼列11は、複数の静翼12を有している。これら複数の静翼12は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで、1つの静翼列11を構成する。また、1つの動翼列81は、複数の動翼82を有している。これら複数の動翼82は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで、1つの動翼列81を構成する。
静翼12は、図4に示すように、径方向Drに延びる翼体13と、翼体13の径方向Dr外側に設けられている外側シュラウド14と、翼体13の径方向Dr内側に設けられている内側シュラウド15と、を有する。外側シュラウド14は、圧縮機ケーシング10の内周側に取り付けられている。内側シュラウド15には、その径方向Dr内側にシールリング16が設けられている。動翼82は、径方向Drに延びる翼体83と、翼体83の径方向Dr内側に設けられているプラットフォーム84と、プラットフォーム84の径方向Dr内側に設けられている翼根85と、を有する。翼根85はロータ軸21に埋め込まれている。
一実施形態の圧縮機1で圧縮過程の空気が通る空気圧縮流路19は、軸線Arを中心として環状を成している。この空気圧縮流路19の外周側は、圧縮機ケーシング10及び静翼12の外側シュラウド14により画定されている。また、この空気圧縮流路19の内周側は、動翼82のプラットフォーム84及び静翼12の内側シュラウド15により画定されている。空気は、圧縮機ロータ20の回転により、この空気圧縮流路19内を圧縮されつつ上流側から下流側に流れていく。
ロータ軸21には、図2に示すように、複数の動翼列81の相互間の軸方向Daにおける各位置に、言い換えると、複数の静翼列11の軸方向Daにおける各位置に、軸線Arを中心として軸線Arの周囲に延在する環状を成し、径方向Drで互いに離間している複数のキャビティ23が形成されている。軸方向Daで隣接する二つの動翼列81の相互間の軸方向Daにおける位置に形成されている複数のキャビティ23は、一つのキャビティ群22を構成する。よって、ロータ軸21には、複数のキャビティ群22が軸方向Daに並んで形成されている。
一つのキャビティ群22は、ロータ軸21内で最も径方向Dr外側に形成されている外側キャビティ24と、この外側キャビティ24よりも径方向Dr内側に形成されている内側キャビティ25とを備える。
ロータ軸21には、さらに、外側キャビティ24と空気圧縮流路19とを連通させる径方向外側流路34と、外側キャビティ24と内側キャビティ25とを連通させる複数の径方向中間流路35と、内側キャビティ25のうち、後述する上流側第3アーム部46u及び下流側第3アーム部46dを挟んで径方向外側の領域25aと径方向内側の領域25bとを連通させる径方向内側流路38とが形成されている。径方向外側流路34は、軸線Arを中心として環状に広がる流路である。一方、複数の径方向中間流路35及び径方向内側流路38は、周方向Dcで互い離間している。
ロータ軸21は、軸方向Daで互いに積層される複数のロータディスク41と、複数のロータディスク41及び複数の内側キャビティ25を軸方向Daに貫通するスピンドルボルト51と、隣り合うロータディスク41相互の相対回転を規制する円柱状のトルクピン55と、を有する。
一つのロータディスク41には、一つの動翼列81が取り付けられている。よって、ロータディスク41は、複数の動翼列81毎に存在する。
図3に示すように、一つのキャビティ群22を構成する複数のキャビティ23、このキャビティ群22における径方向外側流路34、径方向中間流路35及び径方向内側流路38は、図3に示すように、いずれも、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41間に形成されている。なお、同図(A)は、ロータディスク41の断面図であり、同図(B)は、同図(A)におけるB矢視図である。
一つのロータディスク41の上流側には、このロータディスク41の上流側の外側キャビティ24を形成するために下流側に向かって凹む上流側第1凹部43uと、このロータディスク41の上流側の内側キャビティ25の径方向外側の領域25aを形成するために下流側に向かって凹む上流側第2凹部45uと、このロータディスク41の上流側の内側キャビティ25の径方向内側の領域25bを形成するために下流側に向かって凹む上流側第3凹部47uと、が形成されている。よって、上流側第1凹部43uの径方向Dr外側には、上流側第1凹部43uの底面に対して、相対的に軸方向Da上流側に向かって突出する環状の上流側第1アーム部42uが形成されている。また、上流側第1凹部43uと上流側第2凹部45uとの間には、上流側第1凹部43uの底面及び上流側第2凹部45uの底面に対して、相対的に軸方向Da上流側に向かって突出する環状の上流側第2アーム部44uが形成されている。また、上流側第2凹部45uと上流側第3凹部47uとの間には、上流側第2凹部45uの底面及び上流側第3凹部47uの底面に対して、相対的に軸方向Da上流側に向かって突出する環状の上流側第3アーム部46uが形成されている。
環状の上流側第2アーム部44uには、下流側に向かって凹んで、上流側第1凹部43uと上流側第2凹部45uとを連通させる複数の上流側ピン溝44upが形成されている。また、環状の上流側第3アーム部46uには、下流側に向かって凹んで、上流側第2凹部45uと上流側第3凹部47uとを連通させる複数の上流側流路溝46upが形成されている。
また、一つのロータディスク41の下流側には、このロータディスク41の下流側の外側キャビティ24を形成するために上流側に向かって凹む下流側第1凹部43dと、このロータディスク41の下流側の内側キャビティ25の径方向外側の領域25aを形成するために上流側に向かって凹む下流側第2凹部45dと、このロータディスク41の下流側に内側キャビティ25の径方向内側の領域25bを形成するために上流側に向かって凹む下流側第3凹部47dと、が形成されている。よって、下流側第1凹部43dの径方向Dr外側には、下流側第1凹部43dの底面に対して、相対的に軸方向Da下流側に向かって突出する環状の下流側第1アーム部42dが形成されている。また、下流側第1凹部43dと下流側第2凹部45dとの間には、下流側第1凹部43dの底面及び下流側第2凹部45dの底面に対して、相対的に軸方向Da下流側に向かって突出する環状の下流側第2アーム部44dが形成されている。また、下流側第2凹部45dと下流側第3凹部47dとの間には、下流側第2凹部45dの底面及び下流側第3凹部47dの底面に対して、相対的に軸方向Da下流側に向かって突出する環状の下流側第3アーム部46dが形成されている。
環状の下流側第2アーム部44dには、上流側に向かって凹んで、下流側第1凹部43dと下流側第2凹部45dとを連通させる複数の下流側ピン溝44dpが形成されている。また、環状の下流側第3アーム部46dには、上流側に向かって凹んで、下流側第2凹部45dと下流側第3凹部47dとを連通させる複数の下流側流路溝46dpが形成されている。
外側キャビティ24は、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの上流側のロータディスク41における下流側第1凹部43dと、下流側のロータディスク41における上流側第1凹部43uとにより画定される。内側キャビティ25の径方向外側の領域25aは、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの上流側のロータディスク41における下流側第2凹部45dと、下流側のロータディスク41における上流側第2凹部とにより画定される。内側キャビティ25の径方向内側の領域25bは、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの上流側のロータディスク41における下流側第3凹部47dと、下流側のロータディスク41における上流側第3凹部47uとにより画定される。
軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの上流側のロータディスク41における下流側第1アーム部42dと、下流側のロータディスク41における上流側第1アーム部42uとは、互いに軸方向Daで対向し且つ離間している。径方向外側流路34は、軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの上流側のロータディスク41における下流側第1アーム部42dと、下流側のロータディスク41における上流側第1アーム部42uとにより画定される。
軸方向Daで隣接する二つのロータディスク41のうちの上流側のロータディスク41における複数の下流側ピン溝44dpと、下流側のロータディスク41における複数の上流側ピン溝44upとは、軸方向Daで互いに対向している。トルクピン55が装着されるピン孔は、下流側ピン溝44dpと上流側ピン溝44upとにより画定される。トルクピン55が装着されるピン孔は、円柱状のトルクピン55の形状に対応して円柱状を成す。
ロータディスク41には、上流側第2凹部45uの底面から下流側第2凹部45dの底面に貫通して、スピンドルボルト51が挿通されるボルト貫通孔48が形成されている。また、ロータディスク41の径方向Dr外側であって、上流側第1アーム部42uと下流側第2アーム部44dとの間には、動翼82の翼根85(図4参照)が装着される動翼装着部49が形成されている。
円柱状のトルクピン55には、図5に示すように、円柱の一方の端面から他方の端面に貫通する貫通孔56が形成されている。この貫通孔56は、径方向中間流路35を形成する。
説明の便宜上、ロータ軸21で最も下流側のキャビティ群22を第1キャビティ群22Aと呼び、第1キャビティ群22Aと軸方向Daで隣り合う上流側のキャビティ群22を第2キャビティ群22Bと呼び、第2キャビティ群22Bと軸方向Daで隣り合う上流側のキャビティ群22を第3キャビティ群22Cと呼ぶ。以下、同様に、第3キャビティ群22Cと軸方向Daで隣り合う上流側のキャビティ群22を第4キャビティ群22Dと呼び、第4キャビティ群22Dと軸方向Daで隣り合う上流側のキャビティ群22を第5キャビティ群22Eと呼び、第5キャビティ群22Eと軸方向Daで隣り合う上流側のキャビティ群22を第6キャビティ群22Fと呼ぶ。
また、以下の説明では、軸方向Daにおける位置が異なる2つのキャビティ群22について言及する際に、該2つのキャビティ群のうち、空気圧縮流路19における圧縮空気の流れに関して上流側に位置するキャビティ群22を上流段のキャビティ群22と呼ぶことがあり、下流側に位置するキャビティ群22を下流段のキャビティ群22と呼ぶことがある。
一実施形態では、図2に示すように、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとは、一組を成す。この組では、第1キャビティ群22Aが下流側キャビティ群22dを成し、第2キャビティ群22Bが上流側キャビティ群22uを成す。同様に、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとは、一組を成す。この組では、第3キャビティ群22Cが下流側キャビティ群22dを成し、第4キャビティ群22Dが上流側キャビティ群22uを成す。同様に、第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとは、一組を成す。この組では、第5キャビティ群22Eが下流側キャビティ群22dを成し、第6キャビティ群22Fが上流側キャビティ群22uを成す。
下流側キャビティ群22dの外側キャビティ24と空気圧縮流路19とを連通させる径方向外側流路34は、空気圧縮流路19中の空気を外側キャビティ24に流入させる入口流路34dを成す。また、上流側キャビティ群22uの外側キャビティ24と空気圧縮流路19とを連通させる径方向外側流路34は、外側キャビティ24内の空気を空気圧縮流路19中に流出させる出口流路34uを成す。
下流側キャビティ群22dと上流側キャビティ群22uとの間のロータディスク41には、下流側キャビティ群22dの内側キャビティ25と上流側キャビティ群22uの内側キャビティ25とを連通させる段間接続流路39が形成されている。すなわち、段間接続流路39は、隣接して配置された下流段のキャビティ群22dと上流段のキャビティ群22uとを、それぞれの内側キャビティ25において接続する流路である。
段間接続流路39における下流側キャビティ群22dの内側キャビティ25に対する開口は、入口開口39iを成す。段間接続流路39における上流側キャビティ群22uの内側キャビティ25に対する開口は、出口開口39oを成す。入口開口39iは、出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。入口開口39i及び出口開口39oは、内側キャビティ25の径方向内側の領域25bにそれぞれ設けられている。
段間接続流路39は、軸線Arを中心として周方向Dcに並んで複数形成されている。
一実施形態では、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組、及び第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとが成す組のそれぞれに対して、段間接続流路39が設けられている。
次に、圧縮機ケーシング10内での空気の流れについて、図6を用いて説明する。
圧縮機ケーシング10の取込口11i(図1参照)から供給された空気が空気圧縮流路19内に流入すると、空気は、この空気圧縮流路19内を下流側に流れつつ、次第に圧縮される。従って、空気圧縮流路19内の圧力は、下流側の方が高い。このため、一の動翼列81を基準にして下流側の空気圧縮流路19に連通する下流側キャビティ群22dの径方向外側流路34内の圧力は、この一の動翼列81を基準にして上流側の空気圧縮流路19に連通する上流側キャビティ群22uの径方向外側流路34内の圧力より高い。よって、下流側キャビティ群22dの径方向外側流路34には、空気圧縮流路19内の空気が流入する。このため、この径方向外側流路34は、前述したように、入口流路34dとして機能する。
入口流路34d内に流入した空気は、下流側キャビティ群22dの外側キャビティ24に流入する。この空気は、トルクピン55に形成されている径方向中間流路35を経て、内側キャビティ25に流入する。内側キャビティ25に流入した空気は、段間接続流路39を経て、上流側キャビティ群22uの内側キャビティ25に流入する。この空気は、トルクピン55に形成されている径方向中間流路35を経て、上流側キャビティ群22uの外側キャビティ24に流入する。外側キャビティ24に流入した空気は、上流側キャビティ群22uの外側キャビティ24と空気圧縮流路19とを連通させる径方向外側流路34から空気圧縮流路19に流出する。このため、この径方向外側流路34は、前述したように、出口流路34uとして機能する。
すなわち、本実施形態では、空気圧縮流路19内の軸方向Daにおける圧力差をドライビングフォースとして、空気圧縮流路19中の空気の一部が空気圧縮流路19から下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22uを経て空気圧縮流路19に戻る循環流を生じさせている。この循環流は、ロータ軸21中の各キャビティ内の換気を促進する。
ところで、図4に示すように、動翼82の径方向外側端と、この径方向外側端と径方向Drで対向する圧縮機ケーシング10の内周面との間には、クリアランスがある。このクリアランスは、一般的にチップクリアランスCCと呼ばれ、圧縮機性能の観点から、できる限り小さいことが好ましい。
圧縮機ロータ20、特にロータ軸21は、径方向Drの寸法が、圧縮機ケーシング10の径方向Drの厚さ寸法に比べて大きい。このため、圧縮機ロータ20は、圧縮機ケーシング10に対して熱容量が大きく、空気圧縮流路19を流れる空気の温度変化に対する熱応答性が圧縮機ケーシング10よりも低い。よって、空気圧縮流路19を流れる空気が温度変化した場合に、圧縮機ロータ20と圧縮機ケーシング10との熱応答性の差により、チップクリアランスCCに変化が生じる。
チップクリアランスCCの変化が大きい場合、定常クリアランスを大きくする必要がある。なお、定常クリアランスとは、ガスタービン100の安定運転が継続し、且つ圧縮機ロータ20及び圧縮機ケーシング10が共に継続して同じ温度になっているときのチップクリアランスCCである。この定常クリアランスが大きいと、ガスタービン100の定常運転時、動翼82の径方向外側端と圧縮機ケーシング10の内周面との間を通過する空気が多くなる。このため、定常クリアランスが大きいと、ガスタービン100の定常運転時における圧縮機性能が低くなり、ガスタービン性能が低下する。
そこで、本実施形態では、前述したように、ロータ軸21中に空気圧縮流路19内の空気を流すことで、空気圧縮流路19を流れる空気の温度変化に対する圧縮機ロータ20の熱応答性を高め、チップクリアランスCCの変化を小さくしている。本実施形態では、このように、チップクリアランスCCの変化が小さくなるので、定常クリアランスを小さくすることができる。よって、本実施形態では、ガスタービン100の定常運転時時における圧縮機性能を高めることができ、結果としてガスタービン性能を高めることができる。
特に、上述した一実施形態では、圧縮機ロータ20の熱応答性をより高めることができるので、圧縮機ロータ20と圧縮機ケーシング10との熱応答性の差を小さくすることができる。これにより、定常クリアランスを小さくすることができるので、圧縮機の空力性能を向上でき、結果としてガスタービン性能を高めることができる。
以下、一実施の形態の圧縮機ロータ20において、熱応答性がより高まる理由について説明する。
(段間接続流路39を設けたことによる作用効果)
すなわち、上述した一実施形態のロータ軸21には、複数の動翼列81の相互間の軸方向Daにおける各位置に、軸線Arの周囲に延在する環状を成し、径方向Drで互いに離間している複数のキャビティ23を有するキャビティ群22がそれぞれ形成されている。キャビティ群22の各々は、複数のキャビティ23のうちで最も径方向Dr外側に位置するとともに動翼列81が存在する空気圧縮流路19と連通する外側キャビティ24と、外側キャビティ24よりも径方向Dr内側に位置するとともに外側キャビティ24と連通する内側キャビティ25と、を含む。
キャビティ群22は、第1キャビティ群22Aと、第1キャビティ群22Aに対して上流側に位置する第2キャビティ群22Bと、を含む。
ロータ軸21には、第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25と、第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39が形成されている。段間接続流路39では、第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25に開口する入口である入口開口39iが、第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25に開口する出口である出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。
これにより、空気圧縮流路19を流れる空気の温度変化に対するロータ軸21の熱応答性を高めることができる。
すなわち、上述した一実施形態のロータ軸21では、ロータ軸21には、空気圧縮流路19の下流側となる第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25と、空気圧縮流路19の上流側となる第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39が設けられている。また、上述したように、空気圧縮流路19では下流側の方が上流側よりも気体の圧力が高い。
そのため、上述した一実施形態のロータ軸21によれば、空気圧縮流路19の空気の一部は、第1キャビティ群22Aにおける外側キャビティ24に流入し、第1キャビティ群22Aの内側キャビティ25、段間接続流路39、第2キャビティ群22Bの内側キャビティ25、及び第2キャビティ群22Bの外側キャビティ24の順に通過して、第2キャビティ群22Bの外側キャビティ24から空気圧縮流路19に流出する。
段間接続流路39の位置が軸線Arに近づくほど、第1及び第2キャビティ群22A,22Bにおける内側キャビティ25内を空気が流動する範囲を増やせるため、ロータ軸21の上述した熱応答性をより高めることが期待できる。しかし、段間接続流路39の位置を単に軸線Arに近づけるだけでは、第1及び第2キャビティ群22A,22B内における空気の通過経路が長くなる分だけ圧力損失が増えるため、第1及び第2キャビティ群22A,22B内を流れる空気の流量が低下する。そのため、第1及び第2キャビティ群22A,22Bにおける内側キャビティ25内を空気が流動する範囲が増えても、空気との熱伝達が抑制されるため、ロータ軸21の上述した熱応答性を高めることが困難になるおそれがある。
しかし、上述した一実施形態のロータ軸21では、段間接続流路39の入口開口39iが出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。これにより、ロータ軸21が回転することによって段間接続流路39内の空気もロータ軸21と同じ回転速度で回転するので、段間接続流路39内の空気には入口開口39i側から出口開口39o側に向かう方向に遠心力が働くので、段間接続流路39は、第1キャビティ群22Aの内側キャビティ25内の空気を吸入し、第2キャビティ群22Bの内側キャビティ25へ吐出する。したがって、第1及び第2キャビティ群22A,22Bを流れる空気の流量を増やすことができる。
ここで、発明者らが行った、上述した一実施形態のロータ軸21における、上述した一組を成す下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22uを通過する空気についての流体解析の結果について説明する。発明者らは、一実施形態のロータ軸21の上述した一組を成す下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22uにおける各部の空気の圧力と、下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22u内を流れる空気の流量を流体解析によって求めた。また、発明者らは、一実施形態との比較例として、段間接続流路39の入口開口39iの径方向Drの位置と出口開口39oの径方向Drの位置とが同じであった場合についても同様に、各部の空気の圧力と、空気の流量を流体解析によって求めた。
図7は、一実施形態のロータ軸21について、発明者らが流体解析によって空気の圧力を算出した算出点の位置を示す図である。また、図8は、比較例について、発明者らが流体解析によって空気の圧力を算出した位置を示す図である。図8の比較例に示した段間接続流路40では、入口開口40iの径方向Drの位置と出口開口40oの径方向Drの位置とが同じである。
図7において、算出点Pd1は入口流路34dの入口であり、算出点Pd2は下流側キャビティ群22dにおける径方向中間流路35の径方向Dr外側端であり、算出点Pd3は下流側キャビティ群22dにおける径方向中間流路35の径方向Dr内側端であり、算出点Pd4は段間接続流路39の入口開口39iである。
図7において、算出点Pu1は出口流路34uの出口であり、算出点Pu2は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr外側端であり、算出点Pu3は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr内側端であり、算出点Pu4は段間接続流路39の入口開口39iである。
図8において、算出点Pd11は入口流路34dの入口であり、算出点Pd12は下流側キャビティ群22dにおける径方向中間流路35の径方向Dr外側端であり、算出点Pd13は下流側キャビティ群22dにおける径方向中間流路35の径方向Dr内側端であり、算出点Pd14は段間接続流路40の入口開口40iである。
図8において、算出点Pu11は出口流路34uの出口であり、算出点Pu12は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr外側端であり、算出点Pu13は上流側キャビティ群22uにおける径方向中間流路35の径方向Dr内側端であり、算出点Pu14は段間接続流路40の入口開口40iである。
まず、比較例の流体解析の結果について述べる。
図8における下流側キャビティ群22dの各算出点Pd11,Pd12,Pd13,Pd14の圧力をそれぞれpd11,pd12,pd13,pd14とすると、pd14<pd13<pd12<pd11であった。同様に、図8における上流側キャビティ群22uの各算出点Pu11,Pu12,Pu13,Pu14の圧力をそれぞれpu11,pu12,pu13,pu14とすると、pu14<pu13<pu12<pu11であった。
そして、図8における下流側キャビティ群22dの算出点Pd14の圧力pd14と、上流側キャビティ群22uの算出点Pu14の圧力pu14とは略等しく、pd14≒pu14であった。
また、図8の比較例における下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22uを流れる空気の流量はQ1であった。
次に、一実施形態のロータ軸21に関する流体解析の結果について述べる。
図7における下流側キャビティ群22dの各算出点Pd1,Pd2,Pd3,Pd4の圧力をそれぞれpd1,pd2,pd3,pd4とすると、pd4<pd3<pd2<pd1であった。同様に、図7における上流側キャビティ群22uの各算出点Pu1,Pu2,Pu3,Pu4の圧力をそれぞれpu1,pu2,pu3,pu4とすると、pu4<pu3<pu2<pu1であった。
なお、一実施形態のロータ軸21では、下流側キャビティ群22dの算出点Pd4の圧力pd4は、図8の比較例における下流側キャビティ群22dの算出点Pd14の圧力pd14及び上流側キャビティ群22uの算出点Pu14の圧力pu14と略等しく、pd4≒pd14(≒pu14)であった。
しかし、一実施形態のロータ軸21では、上流側キャビティ群22uの算出点Pu4の圧力pu4は、下流側キャビティ群22dの算出点Pd4の圧力pd4よりも高くなり、pd4<pu4であった。
そして、一実施形態のロータ軸21では、下流側キャビティ群22d及び上流側キャビティ群22uを流れる空気の流量は、比較例における空気の流量Q1より大幅に増加した。
このように、上述した一実施形態のロータ軸21では、第1及び第2キャビティ群22A,22Bを流れる空気の流量を増やすことができるので、第1及び第2キャビティ群22A,22Bにおける空気との熱伝達を向上でき、ロータ軸21の上述した熱応答性を高められる。
よって、圧縮機の空力性能を向上でき、ガスタービン性能を高めることができる。
(入口開口39iの径方向Drの位置に基づく作用効果)
上述した一実施形態では、ロータ軸21は、軸方向Daに複数列積層された円盤形状を呈する複数のロータディスク41と、複数のロータディスク41を軸方向Daに沿って貫通して複数のロータディスク41同士を締結するスピンドルボルト51と、を含む。そして、段間接続流路39の入口開口39iは、スピンドルボルト51よりも径方向Dr内側に位置する。
これにより、段間接続流路39の入口開口39iをより軸心(軸線Ar)に近づけて、第1キャビティ群22Aの内側キャビティ25内を空気が流動する範囲を増やせるため、ロータ軸21の上述した熱応答性をより高めることができる。
(段間接続流路39が下流側に設けられたことによる作用効果)
上述した一実施形態では、第1キャビティ群22Aは、複数の動翼列81の相互間の軸方向Daにおける各位置のうち、最も下流側の位置に形成される。
したがって、上述した一実施形態では、最も下流側の第1キャビティ群22Aから段間接続流路39を介して上流側に隣接する第2キャビティ群22Bに空気圧縮流路19の空気の一部が流れる。
これにより、下流側に向かうにつれて温度が高くなるロータ軸21における、最も下流側の第1及び第2キャビティ群22A,22Bに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができるので、ロータ軸21の上述した熱応答性を効率よく高めることができる。
よって、圧縮機の空力性能を向上でき、ガスタービン性能を高めることができる。
また、上述した一実施形態では、以下の理由によって圧縮機の空力性能を向上できるので、ガスタービン性能を高めることができる。
すなわち、一般的に圧縮機1のような軸流圧縮機では、下流側に向かうにつれて翼高さが低くなる。したがって、軸流圧縮機の上流側と下流側とでチップクリアランスCCが同じであったとしても、下流側に向かうにつれて翼高さに対するチップクリアランスCCの割合は大きくなる。
翼高さに対するチップクリアランスCCの割合が大きくなるほど損失が大きくなるので、
下流側ほどチップクリアランスCCを小さくしたい。しかし、上述したように下流側ほどロータ軸21の温度域が高くるため、チップクリアランスCCの変動量が大きくなる傾向にある。そのため、下流側のチップクリアランスCCを小さくすることが難しかった。
しかし、上述した一実施形態では、上述したように最も下流側の第1及び第2キャビティ群22A,22Bに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができるので、ロータ軸21の最も下流側の第1及び第2キャビティ群22A,22Bを構成するロータディスク41の熱応答性が向上し、ロータ軸21の下流側において上述した定常クリアランスを小さくすることができる。これにより、圧縮機の空力性能を向上でき、ガスタービン性能を高めることができる。
(段間接続流路39を複数組のキャビティ群22に対して設けたことによる作用効果)
上述した一実施形態では、ロータ軸21には、第3キャビティ群22Cにおける内側キャビティ25と、第4キャビティ群22Dにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39が設けられている。第3キャビティ群22Cにおける内側キャビティ25に開口する入口開口39iは、第4キャビティ群22Dにおける内側キャビティ25に開口する出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。
これにより、さらに第3及び第4キャビティ群22C,22Dに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができるので、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
(段間接続流路39の延在方向について)
上述した一実施形態では、図3(B)に示すように、段間接続流路39は径方向Drに延在している。すなわち、上述した一実施形態では、図3(B)に示すように、段間接続流路39のそれぞれにおいて、軸線Arを中心とする入口開口39iの角度位置と出口開口39oの角度位置とは一致している。
しかし、例えば図9に示すように、段間接続流路39は径方向Drとは異なる方向に延在していてもよい。すなわち、段間接続流路39のそれぞれにおいて、軸線Arを中心とする入口開口39iの角度位置と出口開口39oの角度位置とが異なっていてもよい。
図9は、他の実施形態におけるロータディスク41を軸方向Daに沿って上流側から見た図である。当該他の実施形態に係るロータディスク41では、段間接続流路39の出口開口39oは、入口開口39iよりもロータ軸21の回転方向の下流側に位置している。
これにより、出口開口39oの空気の旋回速度がロータディスク41の回転速度より大きくなるため、遠心力で効率的に半径方向外側へ空気を流すことができる。したがって、第1及び第2キャビティ群22A,22Bを流れる空気の流量を増やすことができるので、第1及び第2キャビティ群22A,22Bにおける空気との熱伝達を向上でき、ロータ軸21の上述した熱応答性を高められる。
なお、段間接続流路39のそれぞれにおける、軸線Arを中心とする入口開口39iの角度位置と出口開口39oの角度位置との角度差θ1は、180度未満であればよい。すなわち、段間接続流路39のそれぞれにおける、軸線Arを中心とする入口開口39iの角度位置と出口開口39oの角度位置との角度差θ1は、鋭角であってもよく、直角であってもよく、鈍角であってもよい。
図9に示した一実施形態の段間接続流路39は、角度差θ1が鋭角となる場合の一例である。また、図14には、角度差θ1が鈍角となる場合の一例を示す。なお、図14は、別の実施形態に係るロータディスク41を示す図であり、図14(A)はロータディスク41の断面図であり、図14(B)は図14(A)におけるB矢視図である。説明の便宜上、図14(B)で図示された段間接続流路39の数はスピンドルボルト51と同数としているが、段間接続流路39の数はスピンドルボルト51と同数に限定されない。
図14(B)に示す段間接続流路39のそれぞれでは、軸方向Daに沿って見たときに環状を呈する内側キャビティ25の径方向内側の領域25bにおける、最も径方向内側となる壁部25cを挟んで、入口開口39iと出口開口39oとが設けられている。
段間接続流路39は、角度差θ1が大きくなるほど、軸線Arに近づく。
図15は、内側キャビティ25の径方向内側の領域25bを軸方向Da、すなわち軸線Arに沿って見た図であり、角度差θ1が90度である段間接続流路39の1つを模式的に示す。この場合、軸線Arを通り、径方向に延在して互いに直交する2つの線分L1,L2のうち、一方の線分L1上に入口開口39iが存在し、他方の線分L2上に出口開口39oが存在する。
角度差θ1が90度を超えると、図15における入口開口39iの中心位置が一方の線分L1を超えて図示下方に位置することとなり、段間接続流路39は、より軸線Arに近づくとともに、ロータディスク41の中心近傍における段間接続流路39の延在距離が長くなる。
このように、段間接続流路39は、角度差θ1が大きくなるほど、軸線Arに近づくとともに、ロータディスク41の中心近傍における段間接続流路39の延在距離が長くなる。そのため、角度差θ1が大きくなるほど、段間接続流路39を流れる空気によって、ロータディスク41のより中心側を効率的に冷却できる。
なお、段間接続流路39は、直線状に延在していてもよく、曲線状に延在していてもよく、少なくとも入口開口39iが出口開口39oよりも径方向Dr内側に形成されていれば、段間接続流路39の経路は特に限定されない。
(他の実施形態について)
上述した一実施形態では、図6に示すように、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組、及び第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとが成す組のそれぞれに対して、段間接続流路39が設けられていた。しかし、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組、及び第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとが成す組の、少なくとも1組に対して、段間接続流路39を設けてもよい。また、上記3組よりも上流側の組に対して段間接続流路39を設けてもよい。
なお、上述したように下流側ほどロータ軸21の温度域が高くるため、上記3組の何れか1組又は2組に段間接続流路39を設けるのであれば、上側の組よりも下流側の組に段間接続流路39を設けた方が、ロータ軸21の上述した熱応答性を効率よく高めることができる。
(段間接続流路39を設けるキャビティ群22の組について)
上述した一実施形態では、図6に示すように、第2キャビティ群22Bと第3キャビティ群22Cとの間に位置するロータディスク41には段間接続流路39が設けられていない。しかし、例えば図10に示すように、第2キャビティ群22Bと第3キャビティ群22Cとの間に位置するロータディスク41に段間接続流路39を設けてもよい。
図10は、他の実施形態における圧縮機1の要部断面図である。以下の説明では、ロータ軸21で最も下流側のロータディスク41を第1ロータディスク41Aと呼び、第1ロータディスク41Aと軸方向Daで隣り合う上流側のロータディスク41を第2ロータディスク41Bと呼び、第2ロータディスク41Bと軸方向Daで隣り合う上流側のロータディスク41を第3ロータディスク41Cと呼ぶ。第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとの間に位置するロータディスク41が第2ロータディスク41Bであり、第2キャビティ群22Bと第3キャビティ群22Cとの間に位置するロータディスク41が第3ロータディスク41Cである。
すなわち、図10に示すように、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第2ロータディスク41Bと第3ロータディスク41Cのそれぞれに段間接続流路39を設けた。
図10において、第2ロータディスク41Bの断面と、第3ロータディスク41Cの断面とは、周方向Dcの位置が異なる。すなわち、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが異なっている。なお、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが同じであってもよい。
当該他の実施形態によれば、第3キャビティ群22Cに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができる。これにより、上述した変形例における、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組にだけ段間接続流路39を設けた場合よりも、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
また、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが異なっている。これにより、第2キャビティ群22Bの内側キャビティ25において、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oから排出される空気と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iに流入する気体とが互いに及ぼす影響を抑制できる。したがって、第1〜第3キャビティ群22A〜22C内を空気が効率的に流れるので、第1〜第3キャビティ群22A〜22Cにおける空気との熱伝達を向上でき、ロータ軸21の上述した熱応答性を高められる。
また、例えば図11に示すように、第2キャビティ群22Bと第3キャビティ群22Cとの間に位置する第2ロータディスク41Bに段間接続流路39を設けてもよい。
図11は、さらに他の実施形態における圧縮機1の要部断面図である。図11に示すように、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第2ロータディスク41Bと第3ロータディスク41Cのそれぞれに段間接続流路39を設けた。
なお、図11において、第2ロータディスク41Bの断面と、第3ロータディスク41Cの断面とは、周方向Dcの位置が同じである。すなわち、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置と、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の周方向Dcの位置とが同じである。しかし、図11に示すように、当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21では、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iは、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置する。
当該他の実施形態によれば、第3キャビティ群22Cに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができる。これにより、上述した変形例における、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組にだけ段間接続流路39を設けた場合よりも、軸線方向に沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
また、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iは、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oよりも径方向Dr内側に位置するので、第2キャビティ群22Bの内側キャビティ25において、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oから排出された空気が第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iに流入し易くなる。これにより、第1キャビティ群22Aから第3キャビティ群22Cに向かう気体の流量を増やすことができるので、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量の増加を抑制しつつ、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
なお、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量が増加すると、圧縮機1における動力損失が増加するが、上記構成によれば、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量の増加を抑制できるので、圧縮機1における動力損失を抑制しつつ、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
なお、当該他の実施形態に対する変形例として、例えば当該他の実施形態に対して、さらに、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oと第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iとを接続する接続管路を設けてもよい。
図12は、図11に係る他の実施形態に対する変形例における圧縮機1の要部断面図である。図12に示す変形例では、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39の出口開口39oと第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39の入口開口39iとが接続管路60で接続されている。
これにより、空気圧縮流路19の空気の一部は、第1キャビティ群22Aにおける外側キャビティ24に流入し、第1キャビティ群22Aの内側キャビティ25、第2ロータディスク41Bにおける段間接続流路39、接続管路60、第3ロータディスク41Cにおける段間接続流路39、第3キャビティ群22Cの内側キャビティ25、及び第3キャビティ群22Cの外側キャビティ24の順に通過して、第3キャビティ群22Cの外側キャビティ24から空気圧縮流路19に流出する。
これにより、第1キャビティ群22Aから第3キャビティ群22Cに向かう空気の流量を増やすことができるので、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量の増加を抑制しつつ、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
上述した一実施形態では、図6に示すように、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとが成す組と、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組とが隣接していた。そして、第3キャビティ群22Cと第4キャビティ群22Dとが成す組と、第5キャビティ群22Eと第6キャビティ群22Fとが成す組とが隣接していた。すなわち、上述した一実施形態では、段間接続流路39を介して接続された下流側キャビティ群22dと上流側キャビティ群22uとを含む一対のキャビティ群を複数有し、これら一対のキャビティ群が軸方向Daで隣接していた。
しかし、ある一対のキャビティ群に対して他の一対のキャビティ群が隣接していなくてもよい。
図13は、さらに他の実施形態における圧縮機1の要部断面図である。当該他の実施形態に係る圧縮機1のロータ軸21は、第1キャビティ群22Aにおける内側キャビティ25と、第2キャビティ群22Bにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39、及び第4キャビティ群22Dにおける内側キャビティ25と、第5キャビティ群22Eにおける内側キャビティ25とを連通する段間接続流路39を備えている。すなわち、第1キャビティ群22Aと第2キャビティ群22Bとを含む一対のキャビティ群と、第4キャビティ群22Dと第5キャビティ群22Eとを含む一対のキャビティ群との間には、いずれの段間接続流路39とも接続されていない第3キャビティ群22Cが介在している。
当該他の実施形態によれば、第4及び第5キャビティ群22D,22Eに対して、空気圧縮流路19の空気の一部を流すことができる。これにより、ロータ軸21との熱伝達に用いる空気の流量の増加を抑制しつつ、軸方向Daに沿った広い範囲でロータ軸21の上述した熱応答性を高めることができる。
(出口開口39oの径方向Drの位置について)
上述した一実施形態では、例えば図3に示すように、段間接続流路39の入口開口39i及び出口開口39oは、内側キャビティ25の径方向内側の領域25bにそれぞれ設けられている。すなわち、上述した一実施形態では、段間接続流路39の入口開口39i及び出口開口39oは、スピンドルボルト51や径方向内側流路38よりも径方向Dr内側に設けられている。しかし、例えば出口開口39oは、径方向内側流路38に設けられていてもよく、スピンドルボルト51の近傍となる径方向Drの位置に設けられていてもよい。
(段間接続流路39の配設数について)
上述した一実施形態では、例えば図3(B)に示すように、1つのロータディスク41に複数の段間接続流路39が設けられている。しかし、例えば、1つのロータディスク41に対する段間接続流路39の配設数は1以上であればよい。なお、1つのロータディスク41に2以上の段間接続流路39を設ける場合、周方向Dcに等ピッチで配置すれば、ロータディスク41の温度が変化しつつある過渡状態であっても熱によるロータディスク41の変形によってロータディスク41の動的バランスに及ぼす影響を抑制できる。
なお、上述した一実施形態のガスタービン100は、発電用に用いてもよく、航空機用や、船舶用、車両用等、様々な用途に用いることができる。また、上述した一実施形態の
圧縮機1は、ガスタービン100だけでなく、例えば真空ポンプ等、ガスタービン以外の装置に用いられるものであってもよい。また、圧縮機ロータ20は、軸流圧縮機用のロータであったが、タービンのロータ等、軸流圧縮機以外の装置に用いられるものであってもよい。
1 圧縮機
2 燃焼器
3 タービン
10 圧縮機ケーシング
20 圧縮機ロータ
21 ロータ軸
22 キャビティ群
23 キャビティ
24 外側キャビティ
25 内側キャビティ
39 段間接続流路
39i 入口開口
39o 出口開口
41 ロータディスク
51 スピンドルボルト
60 接続管路
81 動翼列
100 ガスタービン

Claims (12)

  1. 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
    前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
    前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
    を備え、
    前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
    前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
    前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
    前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置し、前記入口と前記出口とを結ぶ直線に沿って延在する第1段間接続流路、が形成されている
    圧縮機ロータ。
  2. 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
    前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
    前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
    を備え、
    前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
    前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
    前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
    前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
    前記第1段間接続流路の前記出口は、前記第1段間接続流路の前記入口よりも、前記ロータ軸の回転方向の下流側に位置している
    縮機ロータ。
  3. 前記ロータ軸の軸線を中心とする前記第1段間接続流路の前記出口の角度位置と前記入口の角度位置との差は、90度以上180度未満である
    請求項2に記載の圧縮機ロータ。
  4. 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
    前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
    前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
    を備え、
    前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
    前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
    前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
    前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
    前記ロータ軸は、
    前記軸線方向に複数列積層された円盤形状を呈する複数のロータ盤と、
    前記複数のロータ盤を前記軸線方向に沿って貫通して前記複数のロータ盤同士を締結する締結部材と、を含み、
    前記第1段間接続流路の前記入口は、前記締結部材よりも径方向内側に位置する
    縮機ロータ。
  5. 前記第1キャビティ群は、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置のうち、最も下流側の位置に形成される
    請求項1乃至4何れか1項に記載の圧縮機ロータ。
  6. 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
    前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
    前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
    を備え、
    前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
    前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
    前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
    前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
    前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
    前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
    前記第1段間接続流路は、前記第2段間接続流路が形成されている前記軸線に対する周方向の位置とは異なる周方向の位置に形成されている
    縮機ロータ。
  7. 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
    前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
    前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
    を備え、
    前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
    前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
    前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
    前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
    前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
    前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
    前記第1段間接続流路の前記出口は、前記第2段間接続流路の前記入口よりも径方向内側に位置する
    縮機ロータ。
  8. 圧縮機ケーシング内で軸線を中心として回転する圧縮機ロータであって、
    前記軸線に沿って延在するロータ軸と、
    前記ロータ軸の外周面に固定され、前記軸線方向に沿って並んでいる複数の動翼列と、
    を備え、
    前記ロータ軸には、複数の前記動翼列の相互間の前記軸線方向における各位置に、前記軸線の周囲に延在する環状を成し、前記軸線に対する径方向で互いに離間している複数のキャビティを有するキャビティ群がそれぞれ形成され、
    前記キャビティ群の各々は、前記複数のキャビティのうちで最も径方向外側に位置するとともに前記動翼列が存在する気体圧縮流路と連通する外側キャビティと、前記外側キャビティよりも径方向内側に位置するとともに前記外側キャビティと連通する内側キャビティと、を含み、
    前記キャビティ群は、第1キャビティ群と、前記第1キャビティ群に対して上流側に位置する第2キャビティ群と、を含み、
    前記ロータ軸には、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第1段間接続流路であって、前記第1キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第1段間接続流路、が形成されており、
    前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群をさらに含み、
    前記ロータ軸には、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第2段間接続流路であって、前記第2キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第2段間接続流路、が形成され、
    前記ロータ軸には、前記第1段間接続流路の前記出口と、前記第2段間接続流路の前記入口とを接続する接続管路が形成される
    縮機ロータ。
  9. 前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、をさらに含み、
    前記ロータ軸には、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第3段間接続流路であって、前記第3キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第3段間接続流路、が形成される、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の圧縮機ロータ。
  10. 前記キャビティ群は、前記第2キャビティ群に対して上流側に位置する第3キャビティ群と、前記第3キャビティ群に対して上流側に位置する第4キャビティ群と、前記第4キャビティ群に対して上流側に位置する第5キャビティ群と、をさらに含み、
    前記ロータ軸には、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティと、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティとを連通する第4段間接続流路であって、前記第4キャビティ群における前記内側キャビティに開口する入口が、前記第5キャビティ群における前記内側キャビティに開口する出口よりも径方向内側に位置する第4段間接続流路、が形成される、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の圧縮機ロータ。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載の圧縮機ロータと、
    圧縮機ケーシングと、を備える
    圧縮機。
  12. 請求項11に記載の圧縮機と、
    前記圧縮機で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼ガスで駆動するタービンと、
    を備えるガスタービン。
JP2017069315A 2017-03-30 2017-03-30 圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン Active JP6895291B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017069315A JP6895291B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017069315A JP6895291B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018168848A JP2018168848A (ja) 2018-11-01
JP6895291B2 true JP6895291B2 (ja) 2021-06-30

Family

ID=64018604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017069315A Active JP6895291B2 (ja) 2017-03-30 2017-03-30 圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6895291B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59218399A (ja) * 1983-05-25 1984-12-08 Hitachi Ltd タ−ボ形流体機械における境界層制御装置
US10487668B2 (en) * 2013-09-06 2019-11-26 United Technologies Corporation Gas turbine engine airfoil with wishbone baffle cooling scheme
JP6468532B2 (ja) * 2015-04-27 2019-02-13 三菱日立パワーシステムズ株式会社 圧縮機ロータ、圧縮機、及びガスタービン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018168848A (ja) 2018-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10670039B2 (en) Compressor rotor, compressor, and gas turbine
US8191374B2 (en) Two-shaft gas turbine
US8961132B2 (en) Secondary flow arrangement for slotted rotor
JP6225092B2 (ja) ラビリンスシール、遠心圧縮機及び過給機
US10161251B2 (en) Turbomachine rotors with thermal regulation
RU2716940C1 (ru) Центробежный компрессор с рециркуляционным каналом
JP6432110B2 (ja) ガスタービン
JP5088610B2 (ja) 遠心圧縮機ケーシング
CN108138655B (zh) 燃气轮机转子、燃气轮机以及燃气轮机设备
KR20150081342A (ko) 원심압축기 및 이를 구비한 과급기 및 원심압축기의 운전방법
CN108138656B (zh) 压缩机转子、具备该压缩机转子的燃气轮机转子、以及燃气轮机
JP6895291B2 (ja) 圧縮機ロータ、圧縮機及びガスタービン
JP5263562B2 (ja) 遠心圧縮機ケーシング
JP6571813B2 (ja) ガスタービン圧縮機のディスク組立体
CN105518309A (zh) 旋转机械
JP6598174B2 (ja) 圧縮機ロータ、圧縮機、及びガスタービン
CN113557354B (zh) 可变容量型增压器
WO2021192414A1 (ja) 可変容量型過給機
RU2256801C2 (ru) Газотурбинный двигатель
CN104929692A (zh) 带有冷却孔入口的转子轴
JP2023007748A (ja) 遠心式回転装置
CN103423171B (zh) 透平压缩机

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6895291

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150