JP6884324B2 - 異種金属の接合機器及び異種金属の接合方法 - Google Patents

異種金属の接合機器及び異種金属の接合方法 Download PDF

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Description

この発明は、アルミニウムと他の種類の金属からなる異種金属をスポット的に摩擦接合する異種金属の接合器機及び接合方法に関し、さらに詳しくは重ね合わされた複数の金属部材からなる異種金属の接合しようとする部分に、接合部材を移動かつ回転させながらその先端に設けたツールを押し付け、前記ツールと異種金属との間で生ずる摩擦熱でツール周囲の被接合物を加熱、軟化させて異種金属を接合点で反応させて、異種金属をスポット接合する技術に係るものである。
従来、この種の技術は、摩擦攪拌接合方法(FSW)として知られているところであり、例えば特許第4511526号公報(特許文献1)に開示されている。
特許文献1に開示されている摩擦攪拌スポット接合方法は、接合ツールを被接合物に押し付けた状態で接合ツールの回転軸を傾斜させ、接合ツールの被接合物への押し付け部を移動させることを特徴とし、また、スポット接合装置は、軸対称形状をした接合ツールと、前記接合ツールを軸周りに回転させる接合ツール回転装置と、前記接合ツールを回転軸方向に移動させる接合ツール駆動装置と、前記接合ツールの回転軸方向の一点を支点として前記接合ツールの回転軸を傾斜させる接合ツール回転軸変換装置とを備えたことを特徴とするものある。
そして、特許文献1の接合方法は、接合ツールを接合線に沿って連続的に移動することをしないので、接合ツールを連続的に移動する通常のFSW施工方法に比べて裏当て部材の押し付けが容易であり、曲面形状をした被接合物の接合に適し、また、従来のスポット接合に比べて、金属結合される領域を広くすることができ、接合強度を高めることができるという作用効果が期待されるものである。
しかしながら、前記特許文献1の接合装置は、接合ツールの回転や接合ヘッドの移動をそれぞれモータ駆動で行うものであるため、接合装置を所定の場所に設置して作業を行う場合はよいが、作業者が手で持って作業するにはモータが相当の重量があるため困難であり、携帯には不向きであるという問題があった。
特許第4511526号公報(WO2005/089998)
そこでこの発明は、前記従来の問題を解決し、作業者が手軽に手で持って作業することができ、携帯性に優れた異種金属の接合機器及び異種金属の接合方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、先端部にツールを有する接合部材を、その軸線方向に移動かつ回転させながら、前記ツールの近傍の異種金属の接合しようとする部分に、前記ツールを押し付け、前記ツールと異種金属との間で生ずる摩擦熱でツール周囲の異種金属を加熱、軟化させて異種金属を接合点で反応させて、異種金属をスポット接合する装置であって、前記接合部材をその軸線方向に移動させる第1駆動部材と、前記接合部材をその軸線まわりに回転させる第2駆動部材と、前記接合点で反応した異種金属に圧縮エアを吹き付けて冷却する冷却用圧縮エア噴き出し口を有する第3駆動部材とを備え、前記第1駆動部材、前記第2駆動部材、及び前記第3駆動部材は、いずれも圧縮エアを駆動源として構成されていることにある。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1駆動部材、前記第2駆動部材、及び前記第3駆動部材は、同一の圧縮エア供給源から圧縮エアが供給されることにある。
請求項3に記載の発明は、前記接合部材のツールの先端と対向する位置に、平坦な受け面を有する受け部材を有し、前記受け面上に異種金属を重ね合わせて配置し、接合部材を異種金属に押し付けるときの押圧力を、前記受け部材によって受ける異種金属の接合機器としたことにある。
請求項4に記載の異種金属の接合方法は、請求項1ないし4のいずれかに記載の異種金属の接合機器が、ハンディタイプのスポット摩擦接合ガンであり、このスポット摩擦接合ガンを、作業者が手で持ってスポット摩擦接合作業を移動可能に行うことにある。
請求項5に記載の発明は、先端部にツールを有する接合部材を、その軸線方向に移動かつ回転させながら、前記ツールの近傍の異種金属の接合しようとする部分に、前記ツールを押し付け、前記ツールと異種金属との間で生ずる摩擦熱で前記ツール周囲の異種金属を加熱、軟化させて異種金属を接合点で反応させて、異種金属をスポット摩擦接合する異種金属の接合方法において、前記接合部材の軸線方向の回転を停止した状態で異種金属が接合点で反応する前に、異種金属に圧縮エアを吹き付けて冷却する異種金属の接合方法としたところにある。
請求項6に記載の発明は、前記異種金属の少なくとも一方が着磁性金属である場合において、前記ツールを押し付けた際の前記ツールに生じる反力を前記着磁性金属に着磁する磁石によって受け止めること異種金属の接合方法としたことにある。
この発明は、請求項1に記載の発明によれば、前記接合部材をその軸線方向に移動させる第1駆動部材と、前記接合部材をその軸線まわりに回転させる第2駆動部材と、前記接合点で一体化した異種金属に圧縮エアを吹き付けて冷却する冷却用圧縮エア噴き出し口を有する第3駆動部材とを備え、前記第1駆動部材、第2駆動部材、及び第3駆動部材は、いずれも圧縮エアを駆動源として構成されているので、従来のように接合部材を駆動するためのモータを搭載する必要がなく、装置全体を軽量化することができる。これにより、装置の携帯性が格段に向上するばかりでなく、作業者の作業効率及び装置のメンテナンス性も向上する。
加えて、第1駆動部材、第2駆動部材、及び第3駆動部材は、同一の圧縮エア供給源から圧縮エアが供給されるので、同一のエア供給源から各駆動部材にエアを供給でき、装置全体をより軽量化することができる。
請求項に記載の発明によれば、接合部材のツールの先端と対向する位置に、平坦な受け面を有する受け部材を有し、前記受け面上に異種金属を重ね合わせて配置し、接合部材を異種金属に押し付けるときの押圧力を、前記受け部材によって受けるので、接合部材を異種金属に押し付けるときの押圧力を受け部材によって確実に受けることができ、かつ異種金属の受け面に接する側も平坦な面に仕上げることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1又は2のいずれかに記載の異種金属接合機器は、ハンディタイプのスポット摩擦接合ガンであり、このスポット摩擦接合ガンを、作業者が手で持ってスポット摩擦接合作業を移動可能に行うことができるので、作業者はより効率よくスポット接合作業を行うことができる。
この発明に係わる異種金属の接合機器の一実施の形態を示す全体正面図である。 同上の平面図である。 同上の左側面図である。 同上のスピンドルユニットの横断面図である。 同上の回転駆動用ロータのA−A’線断面図である。 同上の第1駆動部材、第2駆動部材、及び第3駆動部材とこれらを駆動するための圧縮エア供給源との関係を示す図である。 この発明の異種金属の接合方法を説明する図である。
以下、この発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1〜4において、1はこの発明の一実施の形態である異種金属の接合機器である。異種金属の接合機器1は、たとえば2枚のアルミニウム合金板などのワークを重ね継手で接合する場合に用いられ、接合部材2と、フレーム3と、受け部材4とを含んで構成されている。
接合部材2は、ツール5及びスピンドル6で構成される。ツール5は、スピンドル6の先端側に設けられ、スピンドル6は、駆動軸となるスピンドル軸7に固定されている。スピンドル軸7は、ボールベアリング8を介してスピンドル軸受9に収容されている。スピンドル軸受9は、後述するスピンドルユニット20の先端部に収容されている。ツール5、スピンドル6及びスピンドル軸7は、すべて同軸となるように設けられる。このときの軸線をL1とする。
フレーム3は、略L字状に形成された鋼質性の部材であり、その先端部に受け部材4が固定されている。受け部材4は、ツール5に対向して配置される円盤状の部材であって、ツール5の軸線L1と同軸となるように配置されている。この受け部材4のツール5の先端を向いた面は平坦な面に形成され、スポット摩擦接合するとき、異種金属を支持し、ツール5の押圧力を受ける受け面4’として機能する。
また、異種金属の接合機器1は、接合部材2(ツール5及びスピンドル6)をその軸線L1方向に沿って移動させる第1駆動部材S1と、接合部材2をその軸線L1まわりに回転させる第2駆動部材S2と、接合部材2を駆動して一体化した異種金属に圧縮エアを吹き付けて冷却する第3駆動部材S3と、を備えている。これらの各駆動部材S1、S2、S3は、いずれも同一の圧縮エア供給源(図6参照)から供給される圧縮エアで駆動可能に構成されている。以下、各駆動部材の構成について詳しく説明する。
(第1駆動部材S1)
第1駆動部材S1は、主にアーム部10、エアシリンダ13、及びピストン16により構成される。アーム部10は、2つのアーム(短アーム11、長アーム12)で構成され、これらのアームが連結して正面視略L字状に形成されている。短アーム11は、端部11aが支点Aでスピンドル軸受9の側部に固定され、端部11aと反対側の端部11bが支点Bで長アーム12の端部12aと連結されている。長アーム12は、機器1の前後方向(図1のX1−X2方向)に延在して設けられ、短アーム11と連結される端部12aと反対側の端部12bがエアシリンダ13の下部に配されている。短アーム11と長アーム12とは、支点Bを中心として一体的に回動可能となっている。また、アーム部10には図示しないバネなどの付勢部材が設けられており、長アーム12の端部12aには矢印Y1方向への付勢力が常時作用している。
エアシリンダ13には、前記圧縮エア供給源が接続される接続管部14が固定されており、この接続管部14にはツール前進用エア開閉バルブ15が設けられている。ツール前進用エア開閉バルブ15は、圧縮エア供給源からエアシリンダ13への圧縮エアの供給をコントロールするためのバルブであり、このバルブ15を開くことにより圧縮エア供給源からエアシリンダ13に圧縮エアが供給される。また、エアシリンダ13は、下端にピストン16が固定されており、圧縮エア供給源から圧縮エアの供給を受けると、空気圧の作用で図1に示す矢印Y2方向に下降してピストン16を押し下げる。
押し下げられたピストン16は、長アーム12の端部12bに当接し、そのまま端部12bをY2方向へ押し下げる。そうすると、アーム部10は、てこの原理により支点Aを中心として揺動し、短アーム11の端部11aに軸線L1方向に沿ったX1方向への応力が作用する。このX1方向への応力により、端部11aがスピンドル軸受9とともにX1方向へ移動(前進)し、これに伴い、スピンドル軸7、スピンドル6及びツール5が一体的にX1方向へ移動(前進)する。
一方、ツール前進用エア開閉バルブ15を閉じてエアシリンダ13に対する圧縮エアの供給を停止すると、エアシリンダ13及びピストン16が上昇してピストン16が長アーム12の端部12bから離間する。すると、端部12bは、前記付勢部材によって作用するY1方向の付勢力によってY1方向へ引き付けられる。これにより、アーム部10は支点Aを中心として揺動し、短アーム11の端部11aに前述のY1方向とは反対向きのY2方向の応力が作用する。この応力により、端部11aがスピンドル軸受9とともにX2方向へ移動(後退)し、これに伴い、スピンドル軸7、スピンドル6及びツール5が一体的にX2方向へ移動(後退)する。このようにして、接合部材2の軸線L1方向への移動が実現される。
(第2駆動部材S2)
第2駆動部材S2は、主に回転伝達用スプライン17、回転駆動用ロータ18、及びロータ回転用ベーン19により構成され、これらはスピンドルユニット20内に設けられている。スピンドルユニット20は、ユニット全体を覆う外筒21を備えた略円柱状の部材であり、異種金属の接合機器1の下部に設けられている。
スピンドルユニット20は、図4にその断面を示すように、先端にスピンドル軸受9が収容され、このスピンドル軸受9にスピンドル軸7が保持されている。スピンドル軸7は、その軸後端がボス22に固定されており、ボス22の凹部内に回転伝達用スプライン17が設けられている。回転伝達用スプライン17は、駆動軸23を介して回転駆動用ロータ18に連結されている。駆動軸23の前後端外周には、ボールベアリング24が介装されている。
図5は、図4に示す回転駆動用ロータ18のA−A’線断面図である。回転駆動用ロータ18は、外筒21に対して偏心して設けられ、回転駆動用ロータ18の外周と外筒21の内周との間に所定大きさの空隙U1、U2が形成されている。また、回転駆動用ロータ18は、周方向に長孔25が複数(ここでは5つ)形成されており、この長孔25にロータ回転用ベーン19が嵌め込まれている。ロータ回転用ベーン19は、回転駆動用ロータ18の中心から放射方向に沿って長孔25内を進退可能となっている。
スピンドルユニット20の回転駆動用ロータ18より後端側には、エア導入部26及びエア供給路27が設けられている。エア導入部26は、軸線L1に沿って前端部26a、中間部26b、後端部26cに区分けされており、前端部26aにはエア供給路27aが、中間部26bにはエア供給路27bが、後端部26cにはエア供給路27cがそれぞれ形成されている。このうち、前端部26aのエア供給路27aは、前述した回転駆動用ロータ18と外筒21との間の空隙U1に連通している。また、後端部26cのエア供給路27cは、前記圧縮エア供給源が接続される接続管部28に連通している。
エア供給路27bが形成されている中間部26bは、エア導入スイッチ29の操作に応じて外筒21内を軸線L1と交叉する方向(図1のY1−Y2方向)にスライド可能に構成されている。エア導入スイッチ29は、スピンドル回転操作レバー30とともに外筒21の外側に設けられ、レバー30の操作に伴って外筒21内に進入し、中間部26bに作用する。
具体的には、作業者がレバー30を操作しない平常時には、中間部26bのエア供給路27bがその前後のエア供給路27a、27cと連通しないように中間部26の位置が規制されている。したがって、圧縮エア供給源から供給されるエアは中間部26bにおいて遮断され、空隙U1内に導入されることはない。一方、作業者がレバー30を握ると、エア導入スイッチ29が中間部26bに作用し、中間部26bをY1方向にスライドさせる。そうすると、中間部26bのエア供給路27bは、その前後のエア供給路27a、27cと連通するようになる。これにより、エア供給源から供給された圧縮エアが、エア供給路27c、27b、27aを経て空隙U1内に導入される。
空隙U1内に圧縮エアが導入されると、その圧力で回転駆動用ロータ18が軸線L1を中心として図5の矢印方向に回転し、さらにその回転による遠心力でロータ回転用ベーン19が長孔25から外方へ突出する。ロータ回転用ベーン19は、先端を外筒21の内周面に当接させて摺動しつつ、ベーン表面で圧縮エアの圧力を受け、回転駆動用ロータ18の回転力を増幅させる。回転駆動用ロータ18の回転力は、回転伝達用スプライン17及びボス22を介してスピンドル軸7に伝達され、この回転力がさらにスピンドル6及びツール5に伝達される。こうして、スピンドル6及びツール5の軸線L1まわりの回転駆動が実現される。
(第3駆動部材S3)
第3駆動部材S3は、先端部にノズル32を備えた冷却用エア送出管31で構成されている。冷却用エア送出管31は、異種金属の接合機器1の側部に設けられる管状の部材であり、ノズル32の先端は冷却用エア噴き出し口33となっている。冷却用エア噴き出し口33は、受け部材4の受け面4’に臨むようにして設けられ、この噴き出し口33からスポット摩擦接合された異種金属を冷却するための圧縮エアが送出される。
冷却用エア送出管31の途中には、冷却用エア開閉バルブ34が設けられ、この管31の後端は、冷却用エアの供給源となる前記エア供給源が接続される接続管部35と連通している。冷却用エア開閉バルブ34は、エア供給源からの冷却用エアの供給をコントロールするためのバルブであり、このバルブ34を開くとエア供給源から管31内に圧縮エアが供給され、噴き出し口33から異種金属に噴射される。こうして、スポット摩擦接合された異種金属の冷却が行われる。
異種金属の冷却は、ツール5の回転による摩擦で高熱となった異種金属の温度を低下させるとともに、異種金属の接合をより強固にするために行われる。異種金属は、ツール5の回転による摩擦熱で例えば400℃程度まで熱せられるが、この熱を冷却しないと金属間化合物が成長して強度低下をもたらし、所望の接合強度が得られないことがある。異種金属の接合機器1では、冷却用エア送出管31を備えることにより、異種金属を接合後直ちに冷却することができ、接合部分の広がりを抑制して異種金属の接合をより強固にすることができる。
図6は、第1駆動部材S1、第2駆動部材S2、及び第3駆動部材S3とこれらの各駆動部材を駆動する圧縮エア供給源との関係を示す図である。異種金属の接合機器1では、図6に示すように、接合部材2(ツール5及びスピンドル6)を軸線L1方向に移動させる第1駆動部材S1と、接合部材2を軸線L1まわりに回転させる第2駆動部材S2と、異種金属を冷却するエアを供給する第3駆動部材S3とを、同一のエア供給源で駆動することができる。これにより、きわめて軽量な圧縮エアという同一の駆動源を用いて、接合部材2の前進及び回転駆動と被接合物の冷却とを実現することができ、従来のようにモータを用いて駆動する場合よりも装置全体を軽量化することができる。したがって、作業者は装置を手に持って作業を行うことができるようになり、装置の携帯性が格段に向上するばかりでなく、作業者の作業効率及び装置のメンテナンス性も向上する。
なお、受け部材4を設けるのに代えて、異種金属W1、W2のいずれかが着磁金属である場合には、接合部材を有しているアーム部10側に磁石を設けて、着磁性金属に着磁させることによって、押し付け時に生じるツール5の反力をこの磁石の磁力でもって受けるようにしても良い、この場合には、受け部材4を異種金属Wの上方を超えて裏側へ当てる手間が省ける利点がある。
図7は、異種金属のスポット接合方法について説明する図である。図7では、異種金属の接合機器1の構成のうち説明に特に必要な構成のみを模式的に表している。
まず、図7(a)に示すように、異種金属WのワークW1として鉄板を、ワークW2としてアルミニウム板を用い、これらの2枚の異種の金属板を摩擦接合する場合を例示して説明する。この場合において、異種金属Wは、例えば自動車のボデイを構成する金属板材のように、静止物に固定されて不動の状態にあるが、摩擦接合する近辺には受け部材4を固定しているフレーム3が回り込めるような端縁が存在しているものとする。
図7(b)に示すように、ポンチ40等の工具を用いて、アルミニウム板W2の表面にスポット摩擦接合する接合点の目印となる切り欠き41を形成する。そして、図7(c)に示すように、切り欠き41を軸線L1上に合わせつつ、ツール前進用エア開閉バルブ15を開いてエアシリンダ13に圧縮エアを所定量供給し、ツール5を前進させてアルミニウム板W2に形成している切り欠き41に入れる。
この状態で、更にツール5が前進すると、図7(d)に示すように、異種金属Wが受け部材4の受け面4’に当接する。さらにツール前進用エア開閉バルブ15を開いてツール5を図1のX1方向へ前進させ、ツール5をアルミニウム板W2側から受け面4’方向へ押し付けながら、スピンドル回転操作レバー30を握ってエア導入スイッチ29をオンする。こうして、圧縮エアを空隙U1(図5参照)に導入し、回転駆動用ロータ18を回転させることでスピンドル6及びツール5を軸線L1まわりに回転させる。
すると、回転するツール5とアルミニウム板W2との摩擦によって、アルミニウム板W2が加熱されて軟化し、切り欠き41から板内にツール5が挿入される。このようにして、摩擦熱で加熱、軟化したアルミニウム板W2にツール5が挿入された状態でツール5を高速回転させることによって塑性流動が誘起され、接合点P近傍が攪拌される。
そして、所定の接合時間(例えば1〜10秒程度)にわたって攪拌したら、図7(e)に示すように、スピンドル回転操作レバー30を放してエア導入スイッチ29をオフし、第2駆動部材の駆動を停止してスピンドル6及びツール5の回転を停止させる。このとき、ツール前進用エア開閉バルブ15は開いたままにして第1駆動部材の駆動は継続し、ツール5をアルミニウム板W2に押し付け続ける。
そして、図7(f)に示すように、冷却用エア開閉バルブ34を開き、ノズル32先端の冷却用エア噴き出し口33から鉄板W1及びアルミニウム板W2に圧縮エアを噴き掛ける。すると、塑性流動し生成した金属間化合物の成長が止まり、接合点Pで鉄板W1とアルミニウム板W2が摩擦接合する。なお、摩擦接合をより強固にするため、冷却の際も第1駆動部材を駆動させてツール5をアルミニウム板W2へ押し付け続けておくとよい。
鉄板W1及びアルミニウム板W2を十分に冷却したら、再度スピンドル回転操作レバー30を握り、図7(g)に示すように、第2駆動部材を駆動させ回転させながらツール前進用エア開閉バルブ15を閉じ、第1駆動部材の駆動を停止してツール5をアルミニウム板W2から離間させる。こうして、図7(h)に示すように、鉄板W1及びアルミニウム板W2のスポット摩擦接合が完了する。
以上のように、本発明の異種金属の接合機器及び接合方法によれば、接合部材2をその軸線L1方向へ移動させる第1駆動部材S1と、接合部材2を軸線L1まわりに回転させる第2駆動部材S2と、異種金属を冷却するための圧縮エアを供給する第3駆動部材S3とが、同一のエア供給源でしかも別途場所の離れた処に置かれる駆動源を用いて駆動可能となっているため、きわめて軽量な空気(圧縮エア)の配管だけの重量しか作業者の負担にならない状態で、ツール5の前進及び回転駆動と異種金属の冷却とを実現することができる。これにより、従来のようなモータを搭載した装置に比して装置全体を軽量化することができ、携帯性に優れた異種金属の接合機器1を提供することができる。
また、本発明の異種金属の接合機器1は、冷却エア送出管31からなる第3駆動部材S3を備えるので、異種金属を接合後直ちに冷却することができる。これにより、金属間化合物の成長を止めて接合強度の低下を抑制し、異種金属をより強固に接合することができる。
また、本発明の異種金属の接合機器1は、圧縮エアを駆動源としてきわめて軽量なため、ハンディタイプのスポット摩擦接合ガンとして用いることもできる。この場合、例えばバランサによってガンを移動可能に支持し、作業者がガンを持ってスポット摩擦接合作業を行うようにしてもよい。これにより、作業者はより効率よくスポット摩擦接合作業を行うことができる。
1 異種金属の接合機器
2 接合部材
3 フレーム
4 受け部材
4’受け面
5 ツール
6 スピンドル
7 スピンドル軸
9 スピンドル軸受
10 アーム部
13 エアシリンダ
15 ツール前進用エア開閉バルブ
16 ピストン
18 回転駆動用ロータ
19 ロータ回転用ベーン
20 スピンドルユニット
29 エア導入スイッチ
30 スピンドル回転操作レバー
31 冷却用エア送出管
33 冷却用エア噴き出し口
34 冷却用エア開閉バルブ
S1 第1駆動部材
S2 第2駆動部材
S3 第3駆動部材
W 異種金属
P 接合点

Claims (3)

  1. 先端部にツールを有する接合部材を、その軸線方向に移動かつ回転させながら、前記ツールの近傍の異種金属の接合しようとする部分に、前記ツールを押し付け、前記ツールと異種金属との間で生ずる摩擦熱で前記ツール周囲の異種金属を加熱、軟化させて異種金属を接合点で反応させて、異種金属をスポット摩擦接合する異種金属の接合器機であって、
    前記接合部材をその軸線方向に移動させる第1駆動部材と、前記接合部材をその軸線まわりに回転させる第2駆動部材と、前記接合点で反応した異種金属に圧縮エアを吹き付けて冷却する冷却用圧縮エア噴き出し口を有する第3駆動部材とを備え、前記第1駆動部材、前記第2駆動部材、及び前記第3駆動部材は、いずれも同一の圧縮エア供給源から圧縮エアを駆動源として構成されていることを特徴とする異種金属の接合器機。
  2. 前記接合部材の前記ツールの先端と対向する位置に、平坦な受け面を有する受け部材を有し、前記受け面上に異種金属を重ね合わせて配置し、前記接合部材を異種金属に押し付けるときの押圧力を、前記受け部材によって受ける請求項1に記載の異種金属の接合器機。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の異種金属の接合器機は、ハンディタイプのスポット摩擦接合ガンであり、このスポット摩擦接合ガンを、作業者が手で持ってスポット摩擦接合作業を移動可能に行うことを特徴とする異種金属の接合器機。
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