以下に説明する好ましい実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
《1.全体の構成》
図1に示されるように、プラント機器状態収集システム1は、検出装置10とネットワーク構築装置20とデータ記憶装置30とを備える。また、プラント機器状態収集システム1は、例えば、携帯電話端末又はタブレット端末等の携帯端末40、ノートパソコン又はデスクトップパソコン等の管理端末60等をさらに備えてもよい。検出装置10は、複数個備えられ、各検出装置10は、図示されていないプラント内に配置される複数のプラント機器のうち対応するプラント機器に取り付けられる。複数の検出装置10は、ネットワーク構築装置20が構築する例えば無線LAN(Local Area Network)及びZigBee(登録商標)等の規格を用いた無線センサネットワーク(Wireless Sensor Network;WSN)に接続することができる。
WSNは、いわゆるメッシュ型ネットワークであることが好ましい。すなわち、複数の検出装置10がネットワーク構築装置20と接続し、各検出装置10は、それ自身が隣接する他の1又は複数の検出装置10とも接続することが好ましい。また、ネットワーク構築装置20から距離が離れていること等によってWSNと直接接続できない検出装置10が存在するときは、プラント機器状態収集システム1は中継器50をさらに備えて、WSNの接続可能範囲を補完してもよい。
図1に示される例では、3個の検出装置10がネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続されるように示されているが、WSNに接続される検出装置10は、4個以上であってもよく、1又は2個であってもよい。また、実際のプラント機器状態収集システム1では、複数のネットワーク構築装置(図1のネットワーク構築装置20及び図示されていない他の1又は複数のネットワーク構築装置)が備えられている。図示されていない他の1又は複数のネットワーク構築装置には、図1と同様に、図示されていない複数の検出装置が接続されている。
ネットワーク構築装置20は、3G回線又はLTE(Long Term Evolution)回線等のモバイル通信を利用可能に構成されている。以下、「3G回線又はLTE回線等のモバイル通信」を「3G/LTE」とも呼ぶ。ネットワーク構築装置20は、3G/LTEを介してデータ記憶装置30と通信可能に構成されている。以下、「ネットワーク構築装置20」を「センサゲートモジュール20」とも呼ぶ。
データ記憶装置30は、図示されていない記憶部を有し、プラント情報を記憶可能に構成されている。プラント情報は、例えば、複数のネットワーク構築装置20の各ネットワークID、各ネットワークIDで特定されるWSNに接続されている検出装置10のセンサID、検出装置10の接続状態、検出装置10の取付情報、検出装置10の動作条件、プラント機器の状態及び検出装置10が検出する検出値を含む。検出装置10の取付情報は、例えば、プラント内の番地等の取付エリア及び検出装置10が取り付けられたパイプ番号等の取付機器を含む。また、中継器50が接続されているWSNが存在するときは、中継器ID、これらのWSNへの接続状態及び中継器の取付情報をさらに含んでもよい。以下、「データ記憶装置30」を「クラウドサーバ30」とも呼ぶ。
携帯端末40は、例えばプラント内で働く保守員等の作業担当者が携帯するものであり、作業担当者が携帯端末40を操作して3G/LTEを介してデータ記憶装置30が記憶するプラント情報を閲覧することができる。以下、「携帯端末40」を「タブレット端末40」とも呼ぶ。
管理端末60は、例えばプラントの管理担当者が使用するものであり、管理担当者が管理端末60を操作して3G/LTEを介してデータ記憶装置30が記憶するプラント情報を閲覧及び編集することができる。また、管理担当者は、管理端末60を操作してEメール又は所定のアプリケーションによるコミュニケーション方法によって、携帯端末40を携帯する作業担当者に修繕作業の指示等をすることができる。以下、「管理端末60」を「ノートPC60」とも呼ぶ。
《2.検出装置の構成》
図1に示されるように、検出装置10は、制御部11、検出部12、報知部13及びバッテリ16を備える。検出装置10は、検出装置10の内部に備えるバッテリ16からの電力供給によって駆動するため、例えばプラント機器の設置場所が電源ケーブル等を用いた電力供給が困難な場所であってもプラント機器に取り付けることができる。また、検出装置10は、ネットワーク接続部14、タグ部15、電源制御部17及び図示されていない記憶部等をさらに備えてもよい。以下、「検出装置10」を「センサモジュール10」とも呼ぶ。
制御部11は、例えば所定のプログラムを実行することによって、検出部12、報知部13、ネットワーク接続部14、タグ部15及び電源制御部17の動作を制御する。検出部12は、センサ制御部12−1と、1又は複数のセンサ12−2を有する。各センサ12−2は、例えばプラント機器の温度、振動、湿度、圧力、ph(ペーハー)等の複数の物理量のなかから対応する物理量を検出するセンサ素子である。センサ制御部12−1は、例えば、制御部11からの命令を含んだ信号を受け取ることに応じて、1又は複数のセンサ12−2が検出する物理量を検出値として含んだ信号を出力する。
報知部13は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有する。この発光素子は、制御部11の制御によって点灯又は消灯する。すなわち、制御部11は、所定の条件が満たされるときに、報知部13(発光素子)の動作を制御することによって、発光素子が発する光を用いた報知を実行することができる。所定の条件が満たされるときとは、例えば、検出装置10が後述する報知開始信号を受け取るときである。この結果、例えば、作業担当者による異常状態が発生しているプラント機器の早期の目視による特定を促すことができる。また、検出装置10が報知開始信号を受け取るときだけでなく、例えば、検出装置10に故障や通信不可などの異常が生じたとき等にも所定の条件が満たされてもよい。この場合、検出装置10自体に異常が発生したときに報知部13を発光させることで、例えば、作業担当者による異常が発生した検出装置10の早期の目視による特定を促すこともできる。
また、報知部13は、発光素子に加えて、又は発光素子に代えて、ブザー等の音響発生装置を備えることができ、この音響発生装置が発する音を用いて報知を実行してもよい。しかしながら、例えば、発光素子が発する光を用いた報知はプラント内の騒音の大きさに影響されない。そのため、例えば、作業担当者による、報知を実行中の検出装置10を探索すること及び目視によって特定することを補助する観点から、報知部13による報知には発光素子の発光が含まれることが好ましい。
ネットワーク接続部14は、ネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続可能に構成されている。タグ部15は、図示されていないタグIC及びタグアンテナを有する、例えば、NFC(Near Field Communication)に用いられるRF(Radio Frequency)タグである。タグ部15は、携帯端末40と例えばNFCを用いた通信を実現させることができる。また、タグ部15(タグIC)は、検出装置10を特定する特定情報である、例えばセンサIDを予め記憶している。さらに、タグ部15(タグIC)は、検出装置10の記憶部として機能してもよい。
バッテリ16は、例えば、複数のバッテリセルが接続されるバッテリモジュールであり、電源制御部17を経由して、制御部11、検出部12、報知部13、ネットワーク接続部14、及びタグ部15に対して電力を供給する。バッテリセルには、例えばリチウム電池等の、単位時間当たりの放電電流が小さい状況下で長期間放電に優れているという特性を有するバッテリセルが採用されることが好ましい。このような特性を有するバッテリセルは、負荷が大きくなること、すなわち単位時間当たりの放電電流が大きくなることに応じて、放電時間(電池寿命)が短くなるという特性を有する。したがって、検出装置10のバッテリ16の交換頻度を高めないためには、検出装置10の制御において瞬間的に放電電流が大きくなることを抑制することが好ましい。
制御部11は、電源制御部17が、例えば制御部11、検出部12、報知部13、ネットワーク接続部14、及びタグ部15のうちいずれの構成にバッテリ16からの電力を供給するのかを制御する。また、制御部11は、電源制御部17がバッテリ16からの電力を供給する量を制御することができる。例えば、制御部11が制御部11自身に供給される電力の量を小さくするように電源制御部17を制御することによって、制御部11又は検出装置10全体がスリープ状態に移行することができる。また、例えば、制御部11が制御部11自身に、検出装置10の動作を制御するのに十分な量の電力が供給されるように電源制御部17を制御することによって、スリープ状態が解除され、制御部11又は検出装置10全体がウェイクアップ状態に移行する。以下、制御部11又は検出装置10全体のスリープ状態を、検出装置(センサモジュール)10のスリープ状態に統一する。
検出装置10がスリープ状態に移行するときは、例えば、スリープ状態に移行する直前の制御部11による制御状態を保持可能な電力の量まで、制御部11が制御部11自身に供給される電力の量を小さくするように電源制御部17を制御する。例えば、報知部13による報知が実行されている間に検出装置10がスリープ状態に移行するときは、検出装置10がスリープ状態に移行した後も、報知部13による報知の実行が継続される。また、例えば、検出装置10がスリープ状態である間に報知部13による報知の動作状態が切り替わるときは、制御部11は検出装置10のスリープ状態を一時的に解除させて、報知部13の動作を制御する。さらに、例えば、制御部11が報知部13の動作を制御した後すぐに、検出装置10は再度スリープ状態に移行する。なお、報知部13による報知の動作状態が切り替わるときとは、例えば、報知の実行を開始又は終了するとき、以下に説明するLEDの点滅動作における点灯状態と消灯状態とが切り替わるとき等が含まれる。
《3.プラント機器状態収集システムの動作》
《3−1.プラント機器の状態を収集する動作》
図2を参照して、プラント機器状態収集システム1が、プラント機器の状態を収集する動作の例について説明する。ステップS101では、センサモジュール10は、スリープ状態を解除する。センサモジュール10は、例えば、制御部11がソフトウェアとして作動させているセンシング用タイマのカウントが終了したときに、スリープ状態を解除してもよい。
ステップS102では、センサモジュール10は、検出部12によるプラント機器の状態の検出を実行する。ステップS103では、センサモジュール10は、ステップS102で取得した検出値をセンサゲートモジュール20に自身のセンサID情報を付加して検出データとして送信する。ステップS104では、センサゲートモジュール20は、受け取った検出データを、3G/LTEを介してクラウドサーバ30に自身が構築するWSNのネットワークIDと共に送信する。
ステップS105では、クラウドサーバ30は、受け取った検出データをクラウドサーバ30の図示されていない記憶部が記憶するプラント情報に反映させて、プラント情報を更新する。また、クラウドサーバ30は、検出データからプラント機器の状態を解析してもよい。
ステップS106では、センサモジュール10は、例えば15分等の所定時間のカウントが実行されるようにセンシング用タイマを設定する。ステップS107では、センサモジュール10は、スリープ状態に移行する。
その後、例えばセンシング用タイマのカウントが終了したときに、センサモジュール10がスリープ状態を解除する(ステップS101)。以下、例えばセンシング用タイマのカウントが終了することによって、センサモジュール10がスリープ状態を解除する時点を、「検出タイミング」とも呼ぶ。また、センサモジュール10がプラント機器の状態を検出することを、以下、「センシング」(広義のセンシング)とも呼ぶ。
プラント機器状態収集システム1では、センサモジュール10のセンシング用タイマに設定された所定時間毎に、センサモジュール10がプラント機器の状態を検出し、検出されたプラント機器の状態が、自動的にクラウドサーバ30が記憶するプラント情報に反映される。その結果、作業担当者は、定期的なプラント機器の状態の検出を実施するために、対象のプラント機器が配置されている位置に移動する必要がない。また、管理担当者は、遠隔でプラント機器の状態を監視することができる。
《3−2.プラント機器の状態に異常状態が発生したときの動作》
図3を参照して、プラント機器の状態に異常状態が発生したときのプラント機器状態収集システム1の動作の例について説明する。ステップS201では、プラントの管理担当者が、例えばノートPC60を操作して、3G/LTEを介してクラウドサーバ30が記憶しているプラント情報を取得する。
管理担当者は、取得したプラント情報をノートPC60の画面上で閲覧して、プラント機器の状態に異常状態が発生していないか確認する。例えば、検出データに異常な値が含まれているプラント機器が存在するときには、管理担当者が閲覧するノートPC60の画面上で、該当するプラント機器に対して、「要確認」等の管理担当者に異常状態が発生しているか否かを判定することを促す表示がされてもよい。
管理担当者が、プラント機器の状態が異常状態であると判定したときには、ステップS202では、管理担当者は、例えばノートPC60を操作して、クラウドサーバ30が記憶しているプラント情報のうち、該当するプラント機器の状態を例えば「異常状態発生」に更新する。
ステップS203では、管理担当者は、例えばノートPC60を操作して、タブレット端末40を携帯する作業担当者に対して、作業指示を行う。この作業指示は、例えば、3G/LTEを介して、Eメール又は所定のアプリケーションによるコミュニケーション方法によって行われ、作業指示には、異常状態が発生したプラント機器の位置情報、異常状態の内容及び修繕等の作業内容等が含まれている。また、代替的に、ステップS202で管理担当者によってプラント機器状態が更新されることによって、例えば、作業担当者に対して、自動的にクラウドサーバ30から作業指示がなされるようにしてもよい。
ステップS204では、クラウドサーバ30は、プラント機器の異常状態を検出した(「異常状態発生」となったプラント機器の状態を検出した)センサモジュール10が接続されているWSNを構築するセンサゲートモジュール20に対して、例えば報知開始信号を送信する。この報知開始信号には、例えば、プラント機器の異常状態を検出したセンサモジュール10のセンサIDが含まれている。
ステップS205では、報知開始信号を受け取ったセンサゲートモジュール20は、受け取った報知開始信号に含まれるセンサIDで特定されるセンサモジュール10に報知開始信号を送信する。ステップS206では、報知開始信号を受け取ったセンサモジュール10は、報知部13による報知を実行する。
修繕等の作業が必要なプラント機器に取り付けられたセンサモジュール10が報知部13による報知を実行することによって、例えば報知部13が有するLEDが点灯する。例えば、作業指示を受け取った作業担当者が、該当するプラント機器の設置場所の近くまで移動したときに、センサモジュール10のLEDの点灯を視認することによって、作業担当者による該当するプラント機器の探索及び目視による特定を補助することができる。
作業担当者は、プラント機器に対する修繕等の指示された作業を完了させた後に、ステップS207で、タブレット端末40を操作して、管理担当者に対して作業完了報告を行う。作業完了報告を受けた管理担当者は、ノートPC60を操作して、クラウドサーバ30が記憶しているプラント情報を閲覧する。管理担当者は、異常状態が発生していたプラント機器の異常状態が解消されたと判定したときに、ステップS208で、ノートPC60を操作して、クラウドサーバ30が記憶しているプラント情報のうち、該当するプラント機器の状態を例えば「異常状態解消」に更新する。
ステップS209では、クラウドサーバ30は、ステップS204で報知開始信号を送信したセンサゲートモジュール20に対して、例えば報知終了信号を送信する。この報知終了信号には、例えば、ステップS204で送信された報知開始信号に含まれていたセンサモジュール10のセンサIDが含まれている。
ステップS210では、報知終了信号を受け取ったセンサゲートモジュール20は、受け取った報知終了信号に含まれるセンサIDで特定されるセンサモジュール10に報知終了信号を送信する。ステップS211では、報知終了信号を受け取ったセンサモジュール10は、報知部13による報知を終了させる。
管理担当者による、ステップS201で行われるクラウドサーバ30が記憶しているプラント情報の取得することと、取得したプラント情報を閲覧してプラント機器の状態に異常状態が発生していないか確認することとは、定期的に行われることである。ここで、管理担当者が、ステップS201で取得したプラント情報を閲覧した結果、全てのプラント機器に異常状態が発生していないと判定したときには、ステップS202からステップS211の処理は実行されない。
また、図3に示されているフローチャートにおいて、プラント機器の状態に異常状態が発生しているか否かの確定は、管理担当者が行っている。しかしながら、代替的に、クラウドサーバ30において、プラント機器の状態に異常状態が発生しているか否かを確定してもよい。この場合、ステップS203の作業指示は、クラウドサーバ30から自動的に行われてもよく、プラント機器の状態に異常状態が発生していることがクラウドサーバ30から自動的に管理担当者に通知されてもよい。
ここで、プラント機器状態収集システム1において、センサモジュール10の報知部13による報知が実行されている間に、このセンサモジュール10の検出部12によるプラント機器の状態の検出が実行される状況が発生し得る。例えば、図3に示されるフローチャートのステップS206の処理が実行されてからステップS211の処理が実行されるまで間に、同じセンサモジュール10において図2に示されるフローチャートのステップS102の処理が実行される状況である。
しかしながら、センサモジュール10の報知部13による報知と検出部12によるプラント機器の状態の検出とが、何かしらの対策がされることなく同時に実行されることによって、センサモジュール10のバッテリ16の単位時間当たりの放電電流が大きくなる。このことは、センサモジュール10のバッテリ16の交換頻度を高める要因となり得る。そこで、センサモジュール10では、報知部13が報知を実行している間に検出タイミングが訪れるときには、制御部11は、検出部12によるプラント機器の状態の検出及び報知部13による報知の少なくとも一方の実行態様を変更する。このとき、例えば検出部12によるプラント機器の状態の検出の終了又は報知部13による報知の終了のいずれか早い時点までのバッテリ16の負荷が抑えられるように、制御部11は、検出部12によるプラント機器の状態の検出及び報知部13による報知の少なくとも一方の実行態様を変更する。
《4.検出部の詳細な動作》
《4−1.第1動作態様》
図4(A)、図4(B)及び図4(C)(以下、単に図4とも呼ぶ。)を参照して、センサモジュール10の第1動作態様を説明する。図4は、図2に示されているフローチャートにおけるプラント機器状態収集システム1の動作のうち、センサモジュール10の詳細な動作を示すフローチャートである。図4には、センサモジュール10の動作として、制御部11、検出部12、報知部13及びネットワーク接続部14における個別の動作が示されている。また、図4には、制御部11の動作として、ソフトウェアとして作動するアプリケーションブロック111、センサ制御ブロック112、LED制御ブロック113及び通信制御ブロック114における個別の動作が示されている。なお、図4は、制御部11のソフトウェアとして作動するブロック(プログラム)の数を限定するものではなく、例えば、図示されていないセンシング用タイマブロック、LED用タイマブロック等のブロック(プログラム)がソフトウェアとして作動する。
図4では、報知部13はLEDを発光素子として有しており、報知部13による報知はLEDを発光(動作)させることを含むものを例として説明する。また、LEDが発光している(動作している)ことには、LEDを点灯させることと、LEDが点灯及び消灯を繰り返すことによってLEDを点滅させることとが含まれる。さらに、LEDを点滅させることは、例えば、制御部11の図示されていないLED用タイマブロックが点灯時間及び消灯時間を交互にカウントすることに応じて、報知部13のLEDを点灯(報知実行)及び消灯(報知停止)させることによって実現される。
代替的に、報知部13がLEDに加えて又はLEDに代えてブザーを音響発生装置として有してもよく、報知部13による報知はブザーを動作させることを含んでもよい。この場合、ブザーの動作には、例えば、制御部11の図示されていないブザー用タイマブロックが動作時間及び停止時間を交互にカウントすることに応じて、報知部13のブザーを動作(報知実行)及び停止(報知停止)する間欠的な動作を含んでもよい。
ステップS301では、センサモジュール10の制御部11のアプリケーションブロック111が、センシングイベントが発生したことを取得する。例えば、検出タイミングとなりセンサモジュール10がスリープ状態を解除することによって、アプリケーションブロック111はセンシングイベントが発生したことを取得する。
ステップS302では、アプリケーションブロック111は、LED制御ブロック113に対してLEDの動作を休止させるように命令する(Pause命令)。ステップS303では、LED制御ブロック113は、LEDが動作中であるか否か、すなわちLEDが点灯中又は点滅中であるか否かを判定する。
ステップS303の判定がYESであるときは、ステップS304でLED制御ブロック113は、LEDの動作を休止させると共に、PauseフラグをONにする。すなわち、LED制御ブロック113(制御部11)は、報知部13に対してLEDを消灯させるように命令する。また、LEDの動作が点滅動作であるときは、LED制御ブロック113は、さらに、例えば図示されていないLED用タイマブロックのカウントを停止する。
ステップS305では、報知部13はLEDを消灯させ、制御部11のLED制御ブロック113にLEDを消灯させたことを通知する。LED制御ブロック113は、ステップS305の通知を受け取ったとき、又は、ステップS303の判定結果がNOであるときに、アプリケーションブロック111にPause命令に対応したことを通知する。すなわち、報知部13のLEDが動作中(点灯中又は点滅中)であるときはLEDの動作が休止される一方で、報知部13のLEDが動作中でないとき(消灯中であるとき)はLEDの消灯が継続される。
ステップS306では、アプリケーションブロック111は、センサ制御ブロック112に対して検出値を通知させる命令をする。ステップS307では、センサ制御ブロック112は、検出部12に対して1つのセンサ12−2の検出値を通知させるように命令する。ステップS308では、検出部12は、制御部11のセンサ制御ブロック112に対して1つのセンサ12−2の検出値を通知する。
ステップS309では、センサ制御ブロック112は、受け取った検出部12の1つのセンサ12−2の検出値をアプリケーションブロック111に対して通知する。ステップS310では、アプリケーションブロック111は、受け取った検出値にセンサモジュール10のセンサIDを付加する等、センサゲートモジュール20に送信するための検出データを作成する。作成された検出データは、例えば送信バッファに保持されてもよい。また、ステップS310では、アプリケーションブロック111は、センサ制御ブロック112に対して、検出値を受け取ったことを通知する。
ステップS311では、センサ制御ブロック112は、検出部12が有する全てのセンサ12−2の検出値を通知したか否かを判定する。ステップS311の判定結果がNOであるときは、センサ制御ブロック112は、再度ステップS307の処理を実行する。すなわち、センサ制御ブロック112による検出部12が有する全てのセンサ12−2の検出値の通知が完了するまで、ステップS307、ステップS308、ステップS309、ステップS310、及びステップS311の処理の実行が繰り返される。
ステップS311の判定結果がYESであるときは、センサ制御ブロック112は、アプリケーションブロック111に対して、検出部12が有する全てのセンサ12−2の検出値の通知が完了したことを通知する。ステップS312では、アプリケーションブロック111は、通信制御ブロック114に対して、例えば送信バッファに保持されている検出データを送信するよう命令する。
ステップS313では、通信制御ブロック114(制御部11)は、ネットワーク接続部14に対して検出データを送信するように命令する。ステップS314では、ネットワーク接続部14は、センサゲートモジュール20に対して検出データを送信する。ステップS315では、センサゲートモジュール20は、センサモジュール10に対して、検出データを受け取ったことを通知する。ステップS316では、センサモジュール10のネットワーク接続部14は、制御部11の通信制御ブロック114に対して、検出データの送信が成功したことを通知する。
ステップS317では、通信制御ブロック114は、アプリケーションブロック111に対して、検出データの送信が完了したことを通知する。ステップS318では、
アプリケーションブロック111は、センシングイベントが終了したことを取得する。
ステップS319では、アプリケーションブロック111は、LED制御ブロック113に対してLEDの動作を再開させるように命令する(Resume命令)。ステップS320では、LED制御ブロック113は、PauseフラグがONであるか否かを判定する。
ステップS320の判定がYESであるときは、ステップS321でLED制御ブロック113は、LEDの動作を再開させると共に、PauseフラグをOFFにする。すなわち、LED制御ブロック113(制御部11)は、報知部13に対してLEDを点灯させるように命令する。また、休止前のLEDの動作が点滅動作であったときは、LED制御ブロック113は、さらに、例えば図示されていないLED用タイマブロックのカウントを再開する。
ステップS322では、報知部13はLEDの動作を再開させ、制御部11のLED制御ブロック113にLEDの動作を再開させたことを通知する。LED制御ブロック113は、ステップS322の通知を受け取ったとき、又は、ステップS320の判定結果がNOであるときに、アプリケーションブロック111にResume命令に対応したことを通知する。すなわち、ステップS303の判定時点において報知部13のLEDが動作中(点灯中又は点滅中)であったときはLEDの動作が再開される一方で、ステップS303の判定時点において報知部13のLEDが動作中でなかったとき(消灯中であったとき)はLEDの消灯が継続される。
ステップS323では、アプリケーションブロック111は、例えば図示されていないセンシング用タイマブロックのカウントを開始(又はリセット)させ、センサモジュール10をスリープ状態に移行させる。
以上のように、センサモジュール10の第1動作態様では、報知部13が報知を実行している間に検出タイミングが訪れるときには、制御部11は、検出部12によるプラント機器の状態の検出の終了時点までのバッテリ16の負荷が抑えられるように、報知部13による報知の実行態様を変更させている。その結果、センサモジュール10のバッテリ16の交換頻度を高めることの要因となる、センサモジュール10の制御において瞬間的にバッテリ16の放電電流が大きくなることが抑制される。
具体的に、センサモジュール10の第1動作態様では、報知部13が報知を実行している間に検出タイミングが訪れるときには、制御部11が報知部13による報知を休止させる。そのため、検出部12によるプラント機器の状態の検出と報知部13による報知とが同時に実行されることがなく、検出部12によるプラント機器の状態の検出に必要な電流と報知部13による報知に必要な電流とが同時にバッテリ16から取り出されることがない。
また、センサモジュール10の第1動作態様では、検出部12によるプラント機器の状態の検出を、報知部13による報知よりも優先することによって、所定時間毎のデータ記憶装置30が記憶しているプラント機器の状態の更新が中断されない。その結果、例えば、プラント機器の状態の推移を分析又は集計するとき等に、所定時間毎に定期的に収集されたプラント機器の状態のデータを用いて行うことができる。
さらに、センサモジュール10の第1動作態様では、検出部12によるプラント機器の状態の検出が完了した後に、報知部13による報知の実行を再開させる。その結果、作業担当者による、例えば異常状態が発生しているプラント機器又は異常が発生している検出装置10の探索及び目視による特定を補助することができる。
《4−2.第2動作態様》
図5(A)、図5(B)及び図5(C)(以下、単に図5とも呼ぶ。)を参照して、センサモジュール10の第2動作態様を説明する。センサモジュール10の第2動作態様は、上述したセンサモジュール10の第1動作態様の変形例であり、センサモジュール10の第1動作態様と重複する部分については説明を省略する。
ステップS401は、センサモジュール10の第1動作態様のステップS301に対応する。ステップS402では、センサモジュール10の制御部11のアプリケーションブロック111は、センサ制御ブロック112に対して、検出部12が有するセンサ12−2のうちi(iは整数)番目のセンサ12−2のセンシング所要時間(検出値の通知に必要な時間)を通知するように命令する。なお、ステップS401からステップS402に進んだときは、整数iには1が代入されている。
ステップS403では、センサ制御ブロック112は、アプリケーションブロック111に対して、検出部12が有するセンサ12−2のうちi番目のセンサ12−2のセンシング所要時間を通知する。このとき、センサ制御ブロック112は、i番目のセンサ12−2のセンシング所要時間を演算することによって取得してもよく、センサ12−2毎のセンシング所要時間が予め決定されている場合はこれを取得してもよい。
ステップS404では、アプリケーションブロック111は、LED制御ブロック113に対して、報知部13のLEDの動作状態を通知するよう命令する。ステップS405では、LED制御ブロック113は、アプリケーションブロック111に対して、報知部13のLEDの動作状態を通知する。ここで、報知部13のLEDの動作状態は、例えば、動作中(点灯中又は点滅中)であるか否かであり、LEDが点滅中であるときは図示されていないLED用タイマブロックのカウント状態も含む。
ステップS406では、アプリケーションブロック111は、現時点からLEDが点灯されるまでの時間が、i番目のセンサ12−2のセンシング所要時間よりも長いか否かを判定する。現時点からLEDが点灯するまでの時間は、例えば、現時点において点灯状態であれば0であり、点滅中における消灯状態であればLED用タイマブロックのカウント状態から決定され、点滅中でなく消灯状態であれば無限大である。
ステップS406の判定がNOのときは、アプリケーションブロック111は、再度ステップS402の処理を実行する。すなわち、アプリケーションブロック111によって現時点からLEDが点灯されるまでの時間が、i番目のセンサ12−2のセンシング所要時間よりも長いと判定されるまで、ステップS402、ステップS403、ステップS404、ステップS405及びステップS406の処理の実行が繰り返される。
ステップS406の判定がYESのときは、ステップS407で、アプリケーションブロック111は、センサ制御ブロック112に対して検出部12のi番目のセンサ12−2の検出値を通知させる命令をする。また、ステップS407では、アプリケーションブロック111は、整数iに、現在の整数iに1を加えた整数を代入する。
ステップS408は、センサモジュール10の第1動作態様のステップS307に対応する。ステップS409はステップS308に対応する。ステップS410はステップS309に対応する。ステップS411はステップS310に対応する。なお、センサモジュール10の第2動作態様においては、ステップS408、ステップS409及びステップS410の処理の結果、アプリケーションブロック111に検出部12が有するセンサ12−2のうちi番目のセンサ12−2の検出値が通知される。
ステップS412は、センサモジュール10の第1動作態様のステップS311に対応する。ただし、ステップS412の判定結果がNOのときは、センサ制御ブロック112は、アプリケーションブロック111に対して、検出部12が有する全てのセンサ12−2の検出値の通知が完了していないことを通知する。この通知を受けたアプリケーションブロック111は、再度ステップS402の処理を実行する。その一方で、ステップS412の判定結果がYESのときは、センサ制御ブロック112は、アプリケーションブロック111に対して、検出部12が有する全てのセンサ12−2の検出値の通知が完了したことを通知する。
ステップS413では、アプリケーションブロック111は、検出データ送信所要時間(検出データを送信することに要する時間)を取得する。アプリケーションブロック111による検出データ送信所要時間の取得は、例えば、通信制御ブロック114から検出データ送信所要時間を受け取ることによって取得してもよく、予め検出データ送信所要時間が決定されている場合はこれを取得してもよい。
ステップS414はステップS404に対応する。ステップS415はステップS405に対応する。すなわち、アプリケーションブロック111は、現時点におけるLEDの動作状態を取得する。
ステップS416では、アプリケーションブロック111は、現時点からLEDが点灯されるまでの時間が、検出データ送信所要時間よりも長いか否かを判定する。ステップS416の判定がNOのときは、アプリケーションブロック111は、再度ステップS413の処理を実行する。すなわち、アプリケーションブロック111によって現時点からLEDが点灯されるまでの時間が、検出データ送信所要時間よりも長いと判定されるまで、ステップS413、ステップS414、ステップS415及びステップS416の処理の実行が繰り返される。
ステップS416の判定がYESのときは、アプリケーションブロック111は、ステップS417の処理を実行する。ステップS417は、センサモジュール10の第1動作態様のステップS312に対応する。ステップS418はステップS313に対応する。ステップS419はステップS314に対応する。ステップS420はステップS315に対応する。ステップS421はステップS316に対応する。ステップS422はステップS317に対応する。
ステップS423では、アプリケーションブロック111は、センシングイベントが終了したことを取得する。また、ステップS423では、アプリケーションブロック111は、整数iに1を代入する。ステップS424は、センサモジュール10の第1動作態様のステップS323に対応する。
以上のように、センサモジュール10の第2動作態様では、報知部13が報知を実行している間に検出タイミングが訪れるときには、制御部11は、検出部12によるプラント機器の状態の検出の終了又は報知部13による報知の終了のいずれか早い時点までのバッテリ16の負荷が抑えられるように、検出部12によるプラント機器の状態の検出の実行態様を変更させている。その結果、センサモジュール10のバッテリ16の交換頻度を高めることの要因となる、センサモジュール10の制御において瞬間的にバッテリ16の放電電流が大きくなることが抑制される。
具体的に、センサモジュール10の第2動作態様では、報知部13が報知を実行している間に検出タイミングが訪れるときには、制御部11は、報知部13による報知が終了又は停止するまで待機した後に、検出部12によるプラント機器の状態の検出を実行する。そのため、検出部12によるプラント機器の状態の検出と報知部13による報知とが同時に実行されることがなく、検出部12によるプラント機器の状態の検出に必要な電流と報知部13による報知に必要な電流とが同時にバッテリ16から取り出されることがない。
また、センサモジュール10の第2動作態様では、報知部13による報知を、検出部12によるプラント機器の状態の検出よりも優先することによって、報知部13による報知が中断されない。その結果、作業担当者による、例えば異常状態が発生しているプラント機器又は異常が発生している検出装置10の探索及び目視による特定に要する時間が、報知部13による報知が中断されることに起因して長時間化することを防ぐことができる。
また、センサモジュール10の第2動作態様では、例えばLEDの点滅動作等の報知部13の報知実行及び報知停止を繰り返す動作において、LEDの消灯時間等の報知停止時間内に、検出部12によるプラント機器の状態の検出を実行することができる可能性がある。すなわち、例えば、LEDの点滅動作における消灯時間の長さを、検出部12によるプラント機器の状態の検出に要する時間より長く調整することによって、その消灯時間内に検出部12によるプラント機器の状態の検出を実行することができる。したがって、センサモジュール10の第2動作態様では、所定時間毎のデータ記憶装置30が記憶しているプラント機器の状態の更新が中断されないことと、作業担当者による例えば異常状態が発生しているプラント機器又は異常が発生している検出装置10の探索及び目視による特定を補助することとの両立を図ることができる。
センサモジュール10の第1動作態様及び第2動作態様は、プラントの明るさ及び騒音の大きさ等の環境、取り付けられるプラント機器の種類、プラントの管理方針、センシングに要する時間の長さ等によって、適した動作態様が選択されることが好ましい。また、センサモジュール10の動作態様は第1動作態様及び第2動作態様に限定されない。また、第1態様及び第2態様は、一部の処理が変更されてもよく、一部の処理の実行が省略されてもよい。すなわち、センサモジュール10のバッテリ16の交換頻度を高めることの要因となる、センサモジュール10の制御において瞬間的にバッテリ16の放電電流が大きくなることが抑制される限り、センサモジュール10の動作態様は自由に変形され得る。
例えば、第1態様におけるステップS304でLEDの動作を休止する代わりに、LEDの発光輝度を低下させる処理を含むような変形例が採用されてもよい。このような変形例が採用されることによって、例えば、所定時間毎のデータ記憶装置30が記憶しているプラント機器の状態の更新が中断されないことと、作業担当者による例えば異常状態が発生しているプラント機器又は異常が発生している検出装置10の探索及び目視による特定を補助することとの両立を図ることができる。
また、例えば、第2態様におけるステップS401の処理が実行されてからステップS423の処理が実行されるまでの間は、LEDの点滅動作における点灯状態のLEDの発光輝度が低下されるような変形例が採用されてもよい。すなわち、このような変形例のように、報知部13が報知を実行している間に検出タイミングが訪れるときには、制御部11は、検出部12によるプラント機器の状態の検出の終了又は報知部13による報知の終了のいずれか早い時点までのバッテリ16の負荷が抑えられるように、検出部12によるプラント機器の状態の検出及び報知部13による報知の双方の実行態様を変更させてもよい。このような変形例が採用されることによって、例えば、所定時間毎のデータ記憶装置30が記憶しているプラント機器の状態の更新が中断されないことと、作業担当者による例えば異常状態が発生しているプラント機器又は異常が発生している検出装置10の探索及び目視による特定を補助することとの両立を図ることができる。
《4−3.第3動作態様》
図6(A)、図6(B)、図6(C)、図6(D)及び図6(E)(以下、単に図6とも呼ぶ。)を参照して、センサモジュール10の第3動作態様を説明する。センサモジュール10の第3動作態様は、上述したセンサモジュール10の第1動作態様のもう1つの変形例であり、センサモジュール10の第1動作態様と重複する部分については説明を省略する。
センサモジュール10の第3動作態様においては、アプリケーションブロック111がPause命令を実行するとともに(図4(A)及び図6(A)のステップS302参照)、センサ制御ブロック112も図6(A)のステップS306と図6(B)のステップS307との間で、Pause命令を実行する(図6(B)のステップS302′参照)。検出部12によるプラント機器の状態の検出を、報知部13による報知よりも優先するときには、報知部13による報知を確実に休止させることが好ましい。
したがって、何らかの要因で例えばステップS303の判定結果に誤りがあったときでも、すなわち実際に報知部13のLEDが動作中(点灯中又は点滅中)である間にLED制御ブロック113の判定結果がNOを誤って示すときには、報知部13による報知を休止させることができない。このような事情に鑑み、センサモジュール10の第3動作態様においては、報知部13による報知を確実に休止させるために、冗長な処理(図6(B)のステップS302′,S303′,S304′,S305′)を実行することができる。しかしながら、このような冗長な処理は必ずしも実行する必要はなく、例えば図6(A)のステップS302,S303,S304,S305を省略してもよい。
ところで、センサモジュール10の第3動作態様においては、報知部13による報知の実行を早期に再開させることができる。具体的には、センサ制御ブロック112は、図6(B)のステップS308と図6(C)のステップS309との間で、Resume命令を実行する(図6(C)のステップS319′,S320′,S321′,S322′参照)。プラント機器の状態を検出するセンシングを検出部12によるプラント機器の状態の検出の終了をセンサ制御ブロック112(広義には制御部11)が認識するまでの検出値取得処理時間(図6(B)のステップS307からステップS308まで)においてバッテリ16の放電電流が最も大きくなることに鑑み、この検出値取得処理時間だけ報知部13の報知を実行させない。言い換えれば、その後に、検出したプラント機器の状態を表すデータを制御部が作成するまでの検出データ作成処理時間(図6(C)のステップS309から図6(D)のステップS311まで)においてバッテリ16の放電電流が少ないので、検出部12によるプラント機器の状態の検出の終了の直後に、報知部12の報知を早期に実行することができる。なお、ステップS309において検出値の単位を変換する、或いは特定の物理量(例えば加速度)である検出値を別の物理量(例えば速度)である検出値に変換するなど、センサ制御ブロック112が検出値を演算する場合であっても、バッテリ16の放電電流が少ないことを本発明者は認識した。
このように、センサモジュール10の第3動作態様においては、センサ制御ブロック112(広義には制御部11)と検出部12との間の検出用の通信時間である検出値取得処理時間(狭義のセンシング)だけ、プラント機器の状態の検出が報知部13による報知よりも優先するので、報知が休止される時間を短くすることができる。
なお、センサモジュール10の第3動作態様においては、報知部13による報知の実行を確実に再開させるために、冗長な処理(図6(E)のステップS319,S320,S321,S322)を実行することができる。しかしながら、このような冗長な処理は必ずしも実行する必要はなく、省略してもよい。
《4−4.第2動作態様の変形例》
センサモジュール10の第3動作態様と同様に、センサモジュール10の第2動作態様の変形例においては、センシング所要時間(図5(B)のステップS408からステップS411まで)を短くすることができる。具体的には、センシング所要時間は、検出部12によるプラント機器の状態の検出値の取得に必要なセンシング取得所要時間(ステップS408からステップS409まで)と、検出値に基づく検出データの作成に必要なセンシング生成所要時間(ステップS408からステップS409まで)とに分けて、図5(A)のステップS406におけるセンシング所要時間として、センシング取得所要時間だけを採用することができる。
センサモジュール10の第2動作態様の変形例においては、報知部12が報知を点滅によって実行している間に現時点から点滅が消灯状態から点灯状態に切り替わるまでの時間が検出部12によるプラント機器の状態の検出値の取得に必要なセンシング取得所要時間よりも長いときに、検出部12によるプラント機器の状態の検出を実行してもよい。
センサモジュール10の第2動作態様の変形例においては、検出部12によるプラント機器の状態の検出値の取得に必要なセンシング取得所要時間においてバッテリ16の放電電流が最も大きくなることに鑑み、このセンシング取得所要時間だけ報知部12の点灯が消灯状態であればバッテリ16への大きな負荷が抑えられる。したがって、その後に、検出値に基づく検出データの作成に必要なセンシング生成所要時間であってもその時間中はバッテリ16の放電電流が少ないので、センシング取得所要時間が経過した直後であっても、報知部12の点灯を早期に点灯状態に戻すことができる。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。また、検出装置10は、センサ12−2に代えてあるいは加えてプラント機器の状態としてプラント機器の画像を撮像するカメラを検出部12が備え、プラント機器の画像を表す画像データをプラント機器の状態を表すデータとしてデータ記憶装置30に送信するカメラモジュールであってもよい。