以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置、及び、接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
また、「略**」との記載は実質的に**と認められるものを含む意図であり、例えば「略円弧状」を例に挙げて説明すると、完全な円弧状はもとより、実質的に円弧状と認められるものを含む意図である。
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸のマイナス側が床面(図示しない)側、Z軸のプラス側が天井(図示しない)側を表している。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面(水平面)上において、互いに直交する方向である。X−Y平面は、照明器具が備える器具本体の一方側の面に平行な平面である。なお、説明の都合上、図2〜図5では、照明器具1を通常の使用時の姿勢とは上下逆の姿勢で図示している。
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る照明器具について説明する。
[1.照明器具の構成]
[1−1.照明器具の全体構成]
まず、本実施の形態に係る照明器具1の全体構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る照明器具1の天井側の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具1の床面側の外観を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る照明器具1を分解して示す分解斜視図である。
照明器具1は、例えば住宅等の建物の天井に設置され、建物の内部の空間を照明するためのシーリングライトである。図1〜図3に示すように、照明器具1は、器具本体10、電源ユニット20、発光モジュール30、レンズカバー40、側方カバー50、外郭カバー60、枠体70、及び、クッション部材80を備えている。なお、天井は、照明器具1が取り付けられる造営材の設置面の一例である。
以下、照明器具1の各構成要素について、図1〜図8を参照しながら詳細に説明する。
[1−2.器具本体]
器具本体10について、図1及び図3を参照しながら説明する。
器具本体10は、電源ユニット20、発光モジュール30、側方カバー50及びクッション部材80を支持するための筐体である。器具本体10は、中央部に円形状の開口部11を有するリング状に形成されている。器具本体10は、例えばアルミニウム板又は鋼板等の板金をプレス加工することによって形成される。
開口部11の周縁部には、器具本体10を器具取付部材(図示しない)に装着するためのホルダ12が固定されている。ホルダ12の内部には、器具取付部材が脱着自在に嵌合される。なお、器具取付部材とは、天井に設置された引っ掛けシーリングボディ(図示しない)に器具本体10を脱着自在に取り付けるためのアダプタである。また、引っ掛けシーリングボディは、商用電源(図示しない)と電線(図示しない)を介して電気的に接続されている。照明器具1が天井に設置されることにより、商用電源からの交流電力が電線及び引っ掛けシーリングボディを介して照明器具1に供給される。
なお、器具本体10は、発光モジュール30からの熱を放熱するためのヒートシンクとしても機能する。
さらに、図1に示すように、器具本体10の一方側の面(本実施の形態では、天井側の面)には、例えば、ウレタン等で形成されたクッション部材80が複数取り付けられている。複数のクッション部材80は、器具本体10の周方向に沿って配置されている。照明器具1が天井に設置された際に、複数のクッション部材80が器具本体10と天井との間に挟み込まれることにより、器具本体10のぐらつき又は回転が抑制される。
[1−3.電源ユニット]
次に、電源ユニット20について、図1及び図3を参照しながら説明する。電源ユニット20は、発光モジュール30を発光させるための電力を生成するためのユニットである。電源ユニット20は、例えば、器具本体10の一方側の面に配置される。電源ユニット20は、基板21と、基板21に実装された複数の回路部品22と、基板21及び複数の回路部品22を覆うケース23を有している。
基板21は、複数の回路部品22を実装するためのプリント配線基板である。基板21は、複数の回路部品22が床面側を向くようにして、ケース23の他方側の面(本実施の形態では、床面側の面)に取り付けられている。
複数の回路部品22の各々は、発光モジュール30を発光させるための電力を生成するための電源回路を構成する電源用回路部品である。複数の回路部品22は、上述した商用電源から電線を介して供給されてきた交流電力を直流電力に変換する。複数の回路部品22で生成された直流電力が発光モジュール30に供給されることにより、発光モジュール30が発光する。
なお、複数の回路部品22には、上述した電源用回路部品だけでなく、その他の回路を構成する回路部品が含まれていてもよい。例えば、複数の回路部品22は、調光回路又は昇圧回路等を構成する駆動用回路部品を含んでいてもよく、あるいは、通信回路を構成する通信用回路部品(通信モジュール)等を含んでいてもよい。
ケース23は、基板21及び複数の回路部品22を覆うためのカバーである。本実施の形態では、基板21はケース23の他方側の面に固定されている。ケース23は、例えば、金属又は樹脂などにより形成されている。ケース23が金属で形成されている場合、基板21及び複数の回路部品22で発生した熱を効率よく放熱することができる。
[1−4.発光モジュール]
次に、発光モジュール30について、図3を参照しながら説明する。
発光モジュール30は、例えば白色光を発するための光源である。白色光とは、例えば、色温度(相関色温度)が2600K〜7100Kの光である。発光モジュール30は、複数の基板31と、複数の基板31の各々に実装された複数の発光素子32とを有している。発光モジュール30は、部屋全体を明るくする、室内照明用途の光源である。
基板31は、複数の発光素子32を実装するためのプリント配線基板であり、略円弧状に形成されている。複数の基板31の各々は、器具本体10の開口部11を囲むようにして、器具本体10の他方側の面(本実施の形態では、床面側の面)にネジ(図示しない)により取り付けられている。なお、本実施の形態では発光モジュール30は4つの基板31から構成されている例について説明しているが、基板31の数はこれに限定されない。
基板31としては、例えば、樹脂をベースとする樹脂基板、金属をベースとするメタルベース基板、セラミックからなるセラミック基板等を用いることができる。また、基板31は、リジッド基板に限定されず、フレキシブル基板であってもよい。
複数の発光素子32は、基板31の径方向に配置されている。本実施の形態では、複数の発光素子32は、基板31の周方向に6列配置されている。各列において、複数の発光素子32は、基板31の周方向に間隔を置いて配置されている。これにより、発光モジュール30全体としては、複数の発光素子32はリング状に配置されるようになる。
発光素子32の各々は、パッケージ化された表面実装(SMD:Surface Mount Device)型の白色LED素子である。すなわち、発光素子32の各々は、凹部を有する白色樹脂製のパッケージ(容器)と、パッケージの凹部の底面に一次実装されたLEDチップと、パッケージの凹部内に封入された封止部材とを有している。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。封止部材には、青色LEDチップからの青色光を励起光として蛍光発光するYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の黄色蛍光体が含有されている。
このように、発光素子32の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB−Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして発光素子32の各々から白色光が出射される。
なお、照明器具1の光源は、特に限定されるものではない。例えば、発光モジュール30の代わりに、半導体レーザ等の半導体発光素子、有機EL素子(OLED)、無機EL素子、又は、その他の固体発光素子を用いて構成された発光モジュールが用いられてもよい。また、発光モジュール30の代わりに、蛍光管が用いられてもよい。また、発光モジュール30は白色光を発光する例について説明したが、これに限定されない。
[1−5.レンズカバー]
次に、レンズカバー40について、図3〜図6を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る照明器具1の外郭カバー60及び枠体70を省略した状態を示す平面図である。図5は、図4のVa−Va線における本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。断面図である。具体的には、図5の(a)は、図4のVa−Va線における本実施の形態に係る照明器具1の断面図であり、図5の(b)は、図5の(a)の破線領域の拡大断面図である。図6は、本実施の形態に係るレンズ41a及び42aの配光特性を示す図である。ここで、断面図とは、Y軸とZ軸とで規定される平面で切断された照明器具1の断面のみを示しており、以降においても同様である。
レンズカバー40は、発光素子32の各々からの光の配光角を拡大するための光学部材である。レンズカバー40は、リング状に形成されている。また、レンズカバー40は、透光性を有する材料(例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などの透明な樹脂等)で形成されている。レンズカバー40は、複数の基板31の各々を覆うようにして、器具本体10の他方側の面にネジ43により取り付けられる。
図4に示すように、レンズカバー40は、レンズカバー40における開口部11側の内側領域(レンズカバー40のうちの仮想線Lより内側の領域)である第1レンズカバー部41と、第1レンズカバー部41より外周側の外側領域(レンズカバー40のうちの仮想線Lより外周側の領域)である第2レンズカバー部42とを有する。つまり、第1レンズカバー部41は、複数の発光素子32のうちの基板31の中心側に配置された発光素子32を覆う。また、第2レンズカバー部42は、複数の発光素子32のうちの基板31の外周側に配置された発光素子32を覆う。
さらに、第1レンズカバー部41には、複数のレンズ41aが形成されており、第2レンズカバー部42には、複数のレンズ42aが形成されている。複数のレンズ41a及び42aは、複数の発光素子32の各々に対応するように設けられている。複数の発光素子32の各々から発せられた光は、各々に対応するレンズ41a又は42aを透過することで、配光制御される。なお、後述するが、レンズ41a及び42aは、それぞれ異なる配光特性を有するレンズであり、レンズ42aはレンズ41aに比べ広配光の配光特性を有する。
複数のレンズ41aは、開口部11を囲むように第1レンズカバー部41の周方向に沿って、第1レンズカバー部41に形成されている。本実施の形態では、複数のレンズ41aは、第1レンズカバー部41の周方向に沿って2列形成されている。各列において、複数のレンズ41aは、第1レンズカバー部41の周方向に間隔を置いて形成されている。具体的には、複数のレンズ41aは、複数の発光素子32と一対一で対応するように、複数の発光素子32に対応する第1レンズカバー部41の位置に形成されている。これにより、第1レンズカバー部41において、複数の発光素子32に対応するように、複数のレンズ41aはリング状に形成される。
複数のレンズ42aは、第1レンズカバー部41を囲むように第2レンズカバー部42の周方向に沿って、第2レンズカバー部42に形成されている。本実施の形態では、複数のレンズ42aは、第2レンズカバー部42の周方向に沿って4列形成されている。各列において、複数のレンズ42aは、第2レンズカバー部42の周方向に間隔を置いて形成されている。具体的には、複数のレンズ42aは、複数の発光素子32と一対一で対応するように、複数の発光素子32に対応する第2レンズカバー部42の位置に形成されている。これにより、第2レンズカバー部42において、複数の発光素子32に対応するように、複数のレンズ42aはリング状に形成される。
複数のレンズ41a及び42aは、例えば、略同心円状に形成されている。例えば、複数のレンズ41a及び42aは、開口部11の中心を基準に略同心円状に形成されている。なお、レンズカバー40に形成されるレンズ41a及び42aの列数は、上記に限定されない。例えば、レンズ41a及び42aは、それぞれ同数形成されてもよいし、レンズ42aの方が多く形成されてもよい。
また、図4に示すように、レンズカバー40は、器具本体10の他方側の面にネジ43で取り付けられている。具体的には、レンズカバー40の内周及び外周にはネジ穴(図示しない)が形成されており、レンズカバー40の他方側の面(本実施の形態では、床面側の面)からネジ43がネジ穴に螺号することにより、レンズカバー40は器具本体10にネジ止めされる。なお、発光モジュール30の基板31には、レンズカバー40に形成されたネジ穴と同じ位置にネジ穴が形成されており、発光モジュール30とレンズカバー40とがネジ43で器具本体10の他方側の面に固定されていてもよい。
また、図4に示すように、器具本体10の他方側の面には、側方カバー取付部13が形成されている。側方カバー取付部13には凹部(図示しない)が形成されており、側方カバー50の一端部51には凸部(図示しない)が形成されている。例えば、側方カバー取付部13の凹部と一端部51の凸部とが嵌合することにより、側方カバー50は器具本体10に取り付けられる。なお、図4では、器具本体10の他方側の面に側方カバー取付部13が3つ、略等間隔で器具本体10の周方向に形成されている例について示しているが、側方カバー取付部13の数及び位置は、これに限定されない。側方カバー取付部13は、側方カバー50を器具本体10に脱着自在に取り付けることができれば、数及び位置は特に限定されない。
続いて、レンズカバー40の断面形状について、図5を参照しながら説明する。
図5の(a)に示すように、レンズカバー40は、断面視において、凹凸形状を有する。また、図5の(b)に示すように、レンズカバー40は、基板31の他方側の面(本実施の形態では、床面側の面)に配置される。断面視において、第1レンズカバー部41には、Y軸方向に2列でリング状に並ぶレンズ41aが形成されており、第2レンズカバー部42には、Y軸方向に4列でリング状に並ぶレンズ42aが形成されている。また、断面視において発光素子32はY軸方向に6列でリング状に並んで配置されており、発光素子32の各々は、レンズ41a又は42aで覆われている。つまり、レンズ41a又は42aは、発光素子32の各々に一対一で形成されている個別レンズである。これにより、複数の発光素子32の各々からの光に対して、所望の配光制御を行うことができる。
レンズ41aの各々は、複数の発光素子32のうちの開口部11に近い領域に配置されている発光素子32の各々を覆っている。言い換えると、レンズ41aは、照明器具1を床面側から見た場合に、後述する外郭カバー60の中央付近から出射される照明光を主に配光制御するためのレンズである。一方、レンズ42aは、複数の発光素子32のうちのレンズ41aに覆われる発光素子32より外側に配置されている発光素子32の各々を覆っている。言い換えると、レンズ42aは、照明器具1を床面側から見た場合に後述する外郭カバー60の外周付近から出射される照明光、及び、後述する側方カバー50に入射させるための光を主に配光制御するためのレンズである。
ここで、図5の(b)に示すように、レンズ41a及び42aは、断面視において形状が異なる。より詳しくは、レンズカバー40の一方側の面(本実施の形態では、天井側の面)には、発光素子32からの光の配光を制御するために、床面側に向けて凹みが形成されているが、その凹みの形状がレンズ41aと42aとで異なる。
レンズ41aに形成されている凹みは、断面視において、レンズ42aに形成されている凹みより浅い。また、レンズ41aに形成されている凹みは、断面視において、略台形状である。一方、レンズ42aに形成されている凹みは、断面視において、レンズ41aに形成されている凹みより深い。また、レンズ42aに形成されている凹みは、断面視において、略三角形状である。これにより、発光素子32からの光がレンズカバー40に入射する光の配光のされ方が異なる。レンズ41aでは、床面側に出射する光の光量が多くなり、レンズ42aでは、天井に水平な方向に出射する光の光量が多くなる。言い換えると、レンズ41aは狭配光の配光特性を有しており、レンズ42aは、広配光の配光特性を有している。
なお、図5の(b)において、一点鎖線は発光素子32の光軸Jを示している。光軸Jは、Z軸に平行な軸である。また、発光素子32の光軸Jと当該発光素子32を備える照明器具1の光軸とは、平行の関係にある。
続いて、上記で説明したレンズ41a及び42aの配光特性について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係るレンズ41a及び42aの配光特性を示す図である。より詳しくは、図6の(a)は、レンズ41a単体での配光ピーク角度の一例を示す図であり、図6の(b)は、レンズ42a単体での配光ピーク角度の一例を示す図である。つまり、図6は、照明器具1の配光特性ではなく、レンズのみでの配光特性を示している。また、図6では、半円の中心から半円の外周(円弧)へ向かうほど光の取り出し効率が高いことを示している。また、図6では、光軸Jと平行な方向(以降、光軸方向とも記載する)を基準(0°)とし、光軸Jと直交する方向を90°及び−90°として図示している。図6において、0°は、照明器具1の直下方向を示している。
なお、レンズの配光ピーク角度とは、発光素子32の光軸方向と、光の取り出し効率が最大となる方向(図中の破線方向)とが成す角度であり、光軸方向を基準とした(言い換えると、光軸方向に対する)角度である。つまり、レンズの配光ピーク角度が大きいほど、当該レンズを透過した光は、光軸Jに対して直交する方向と近い方向に、より多く出射される。本実施の形態に係る照明器具1は、設置面の一例である天井に対して照明器具1の器具本体10が略平行に設置される。そのため、レンズの配光ピーク角度が大きいほど、当該レンズを透過した光は、天井(天井面)に対して水平に近い方向により多く出射される。
図6の(a)及び図6の(b)に示すように、レンズ41a及び42aはそれぞれ、配光ピーク角度を2つ有するレンズである。具体的には、光軸Jに対して互いに反対側に2つの配光ピーク角度を有する。つまり、レンズ41a及び42aは、バットウィング状の配光特性を有するレンズである。言い換えると、レンズカバー40は、バットウィング状の配光特性のレンズ41a及び42aを有し、発光素子32から出射された光の配光角を広げる配光制御を行う。
これにより、発光素子32からレンズ41a及び42aに入射した光を、側方カバー50が配置されている方向により多く出射することができる。また、発光素子32がランバート配光特性を有する場合でも、レンズ41a及び42aがバットウィング状の配光特性を有することで、発光素子32から出射される光の最大光度となる方向(本実施の形態では、照明器具1の直下方向)が輝点として見えにくくなる。つまり、照明器具1を床面側から見た場合、外郭カバー60から出射される照明光の明るさの不均一性が低減されて見える。
さらに、レンズ41a及び42aでは、配光ピーク角度が異なる。図6の(a)及び図6の(b)に示すように、第2レンズカバー部42に形成されているレンズ42aの配光ピーク角度は、第1レンズカバー部41に形成されているレンズ41aの配光ピーク角度より大きい。言い換えると、配光ピーク角度が大きいレンズ42aはレンズカバー40の外側領域に配置されており、配光ピーク角度がレンズ42aより小さいレンズ41aはレンズカバー40の内側領域に配置されている。つまり、レンズカバー40の外側領域(言い換えると、後述する側方カバー50に近い領域)には、配光ピーク角度が大きいレンズ(レンズ42a)が配置されている。これにより、レンズカバー40から出射した光が、側方カバー50へ入射しやすくなる。
なお、レンズ41aの配光ピーク角度は、例えば、70°以上80°以下であり、一例として74°である。また、レンズ42aの配光ピーク角度は、例えば、75°以上85°以下であり、一例として79°である。
[1−6.側方カバー]
次に、側方カバー50について、図3、図4及び図7を参照しながら説明する。図7は、図4のVa−Va線に対応する、本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。なお、図7では、天井91側が上になるように図示している。つまり、図7は、照明器具1を通常の使用時の姿勢で図示している。また、同図では、引っ掛けシーリングボディ100及び器具取付部材101を模式的に破線で示している。
側方カバー50は、透光性を有し発光モジュール30を囲む枠状の部材であり、発光モジュール30から側方カバー50に入射した光を有効に活用するための光学部材である。言い換えると、側方カバー50は、発光モジュール30を側方から覆うように配置されている。
図3及び図7に示すように、側方カバー50は、天井91(設置面の一例)側の端部である一端部51と、床面側の端部である他端部52と、断面視において、一端部51から他端部52に向けて、外方に傾斜している傾斜部53と、を有する。また、側方カバー50は、例えば、透光性を有する材料で形成されている。例えば、側方カバー50は、透光性を有するアクリル樹脂で形成されている。
一端部51は、器具本体10に取り付けられる取付部であり、側方カバー50を器具本体10に固定する。また、他端部52は、枠体70を介して外郭カバー60が取り付けられる取付部であり、側方カバー50に外郭カバー60を固定する。一端部51は、器具本体10に取り付けられた状態で、他端部52より天井91側に位置する。また、一端部51は、器具本体10に取り付けられた状態で、発光モジュール30より天井91側に位置する。
傾斜部53は、天井91と垂直な方向から見たときに天井91から遠ざかるにつれ外方に向かう向きに、天井91と垂直な方向に対して傾斜している。例えば、傾斜部53は、一端部51から他端部52に向けて、天井91と垂直な方向に対して外方に傾斜している。これにより、発光モジュール30から傾斜部53の内面(発光モジュール30側の面)に入射した光(図中の光L1)は、傾斜部53の外面(内面と背向する面)から天井91側に出射される(図中の光L11)。そして、傾斜部53から出射された光L11(照明光)は、床面ではなく主に天井91又は壁などに照射される。照明器具1が照明する空間に居る人物(以降、ユーザと記載する)は、天井91又は壁に反射した光により、天井91や壁を従来よりも明るく感じることができる。よって、照明器具1を用いることで、従来の照明器具よりも天井91又は壁を明るく照らすことができるので、照明器具1が照明する空間全体を明るくすることができる。
また、図7に示すように、本実施の形態では、傾斜部53は、断面視において、天井91から遠ざかるにつれ外方に向かう向きに、天井91と垂直な方向に対して直線状に傾斜している。言い換えると、図4及び図7から、傾斜部53は、天井91と平行な方向(例えば、X軸方向又はY軸方向)から見たときに、天井91から遠ざかるにつれ外方に向かう向きに、天井91と垂直な方向に対して直線状に傾斜している。
傾斜部53に入射した光は、傾斜部53の内面に対する当該光の入射角に応じて、傾斜部53の外面に対する出射光の出射角が変化する。言い換えると、天井91に対する傾斜部53の角度に応じて、傾斜部53の外面から出射する光の配光を制御することができる。例えば、傾斜部53は、天井91に対して30°〜90°の角度θで直線状に傾斜しており、一例として58°で傾斜している。なお、傾斜部53の天井91に対する角度は、上記に限定されず、照明する空間の広さやレンズカバー40が有するレンズ41a及び42aの配光特性に応じて、適宜決定されればよい。
傾斜部53の断面視形状が直線状である場合、発光モジュール30から所定の角度で傾斜部53の内面に入射した光の内面に対する入射角は、内面内において略同一の角度となる。つまり、当該光は傾斜部53の内面で略同方向に屈折される。そして、当該光は、傾斜部53の外面においても略同方向(例えば、天井91側の方向)に出射される。言い換えると、傾斜部53の断面視形状が直線状であることにより、傾斜部53に入射した光の配光状態を面内で略同一に制御することができる。よって、特定の箇所が明るくなるといいた、傾斜部53から出射された照明光が照らす領域(天井91又は壁など)に明暗差が生じることを抑制することができる。
上記のように、傾斜部53は、発光モジュール30から側方カバー50(傾斜部53)に入射した光を天井91や壁に出射することで、当該光を有効に活用するための光学部材である。
なお、図7に示すように、側方カバー50が器具本体10に取り付けられた状態で、一端部51は発光モジュール30より天井91側に位置している。つまり、傾斜部53は、発光モジュール30を囲んでいる。これにより、発光モジュール30から天井91と水平な方向に出射された光も傾斜部53に入射するので、傾斜部53は当該光を天井91側に出射することができる。
また、本実施の形態に係る照明器具1は、床面に向けても照明光を出射する。具体的には、発光モジュール30から外郭カバー60に向けて出射された光(図中の光L2)は、外郭カバー60で拡散され、拡散された光(図中の光L12)は床面に向けて照射される。これにより、床面を明るく照らすことができる。なお、図7では各種光を模式的に一方向の矢印(光L1、光L2、光L11、光L12)で示している。例えば、外郭カバー60で拡散された光L12は、外郭カバー60の拡散度合いに応じて様々な方向へ照射されるが、一方向の矢印で示している。
上記のように、照明器具1によれば、傾斜部53から出射した光L11が天井91や壁に照射され、外郭カバー60から出射した光L12が床面に照射されるので、床面だけでなく、天井91や壁など照明する空間全体を照らすことができる。言い換えると、照明器具1は、照明する空間全体を明るくすることができる。これにより、ユーザは、従来のように床面だけを照らしていた場合に比べ、空間がより明るいように感じることができる。よって、本実施の形態に係る照明器具1によれば、従来よりも照明効果を高めることができる。
なお、傾斜部53の断面視形状は、直線状に限定されず、例えば、湾曲していてもよい。
上記で説明したように、レンズカバー40の第2レンズカバー部42に形成されているレンズ42aは、広配光のレンズである。そのため、発光モジュール30から出射された光を側方カバー50へ向けて出射しやすくなる。つまり、より多くの光が傾斜部53から出射し、天井91や壁に照射されるので、天井91や壁をより明るくすることができる。これにより、照明効果が高まる。
また、側方カバー50には、例えば、光拡散材が内部に分散された乳白色の拡散パネルを用いることができる。これにより、発光モジュール30から側方カバー50に入射した光は、側方カバー50を透過することで散乱されるので、側方カバー50から出射された光は、略均一の明るさで天井91又は壁を照らすことができる。つまり、ユーザは、略均一な明るさの天井91又は壁を確認することができる。よって、側方カバー50が乳白色である場合、照明する空間内の明るさがより均一となるので、さらに照明効果が高まる。
また、側方カバー50は、外面及び内面の少なくとも一方に凹凸(図示しない)が形成されていてもよい。例えば、側方カバー50の周方向に亘って凹部及び凸部がそれぞれ形成される。例えば、凹部と凸部とが交互に形成される。この場合、側方カバー50の断面形状は、外面又は内面の少なくとも一方が波状となる。なお、凸部又は凹部の断面視形状は、三角形状(凹部では、逆三角形状)又は円弧状などである。または、凹凸は、例えば、ドット状に形成されていてもよい。形成される凹凸の深さ(頂部と谷部とで規定される深さ)は、例えば、0.5mm〜1.0mmであり、隣り合う頂部間の距離は、例えば、3mm〜5mmである。なお、凹凸の形状は上記に限定されず、天井91に対する傾斜部53の角度θ、照明する空間の広さ、レンズカバー40の配光特性などにより、適宜決定されればよい。
凹凸は、例えば、平板状に形成された傾斜部53の外面又は内面をバイトなどの切削工具を用いて切削加工する、又は、所定の凹凸が形成された金型を用いて射出形成などにより凹凸を有する傾斜部53を一体成形することにより形成される。
傾斜部53の内面、つまり発光モジュール30からの光が入射する面に凹凸が形成されている場合、発光モジュール30からの光は内面で拡散され、当該拡散された光が傾斜部53を透過し、傾斜部53の外面から出射される。また、傾斜部53の外面、つまり傾斜部53から外部に光が出射される面に凹凸が形成されている場合、傾斜部53の内面に入射した光は傾斜部53の外面で拡散され出射される。傾斜部53の外面及び内面の少なくとも一方に凹凸が形成されていることで、発光モジュール30からの光は傾斜部53の外面及び内面の少なくとも一方で散乱される。よって、傾斜部53から出射される照明光の明るさが略均一となる。これにより、傾斜部53からの照明光が照射された天井91又は壁は、略同一の明るさとなるので、より照明効果を高めることができる。なお、傾斜部53の外面にシボ加工などにより、微細な凹凸が形成されていてもよい。
また、傾斜部53は、一端部51から他端部52に向けて全体が外方に傾斜している例について説明したが、これに限定されず、傾斜部53の少なくとも一部が一端部51から他端部52に向けて外方に傾斜していてもよい。
[1−7.外郭カバー]
次に、外郭カバー60について、図2、図3及び図7を参照しながら説明する。
外郭カバー60(下面パネル)は、発光モジュール30を覆うカバーである。本実施の形態では、外郭カバー60の平面視形状は、略円形状である。
外郭カバー60は、透光性を有する材料(例えば、透光性を有するアクリル樹脂)で形成されている。例えば、外郭カバー60は、光拡散材が内部に分散された乳白色の拡散パネルを用いることができる。これにより、発光モジュール30から外郭カバー60に入射した光は、外郭カバー60を透過することで散乱される。つまり、外郭カバー60から床面に照射される照明光は、略均一な明るさで床面を照らすことができる。
図7に示すように、外郭カバー60は、側方カバー50の他端部52及び枠体70により側方カバー50に固定される。側方カバー50の他端部52に枠体70がネジ(図1のネジ71を参照)により取り付けられている。外郭カバー60の外周部が側方カバー50の他端部52と枠体70とに挟まれることで、外郭カバー60は側方カバー50に固定される。
なお、外郭カバー60の断面視形状は、略矩形状である。言い換えると、外郭カバー60は、平板状のカバーである。つまり、外郭カバー60の表面は略平らであり、外郭カバー60の表面には凹凸が少ない。これにより、例えば照明器具1の演出効果を高めるために、外郭カバー60に所定の模様を形成する場合、シルク印刷などの一般的な印刷手法で当該模様を外郭カバー60の表面(例えば、外郭カバー60の床面側の面)に形成することができる。また、外郭カバー60の表面にシボ加工などにより、微細な凹凸が形成されていてもよい。
[1−8.枠体]
次に、枠体70について、図1〜図3及び図7を参照しながら説明する。枠体70は、外郭カバー60を側方カバー50に固定するための部材である。
枠体70の断面視形状は、略L字状である。枠体70の一方側の面(本実施の形態では、天井側の面)には、一方側の面から天井91側に突出したネジ穴(図示しない)が形成されている。側方カバー50及び外郭カバー60には、枠体70のネジ穴に対応した貫通孔(例えば、切欠き状の開口)が形成されている。当該貫通孔に枠体70のネジ穴を挿入しネジがネジ穴にねじ込まれることにより、外郭カバー60は側方カバー50に固定される。これにより、衝撃などで外郭カバー60が周方向に回転することを抑制できる。
枠体70に形成されるネジ穴は、枠体70の一方側の面から天井91側に突出して形成されているので、図2に示すように床面側から照明器具1を見てもネジを視認することはできない。言い換えると、枠体70を用いることで、照明器具1の美観を損ねることなく、外郭カバー60を側方カバー50に固定することができる。
[2.照明器具を天井に設置した場合の照明効果]
続いて、照明器具1が天井に取り付けられ、空間を照らしている様子について、図8を参照しながら説明する。図8は、本実施の形態に係る照明器具1を設置した状態の一例を示すイメージ図である。具体的には、照明器具1を部屋90に設置した状態を示している。部屋90は、照明器具1が照明する空間の一例である。図8では、照明器具1は天井91(設置面の一例)に取り付けられている例を示している。また、図8では、照明器具1から出射される照明光を実線で示しており、当該照明光が天井91又は壁で反射された光を破線で示している。なお、図8では一例として、照明器具1から部屋90の天井91の隅に照射された光(実線のうち、床面93側に出射していない光)、及び、当該光が天井91で反射された光(破線で示せいている光)を示している。
上記でも説明したように、本実施の形態に係る照明器具1は、従来の照明器具のように床面93を照らすことに加え、天井91又は壁92を照らすことに特徴を有する。
従来の照明器具(図示しない)であれば、主に床面を照らすので、天井又は壁は暗い。つまり、照明器具が照明する空間では、明るさが不均一である。このため、ユーザは、本来の明るさより暗く感じることがある。
一方、本実施の形態に係る照明器具1であれば、天井91又は壁92にも照明光を照射することができる。つまり、ユーザ200は、照明器具1から床面93に照射された光に加え、照明器具1の傾斜部53から出射され、天井91又は壁92で反射された光を観察することができる。例えば、ユーザ200は、天井91側を見上げることで、天井91又は壁92が明るいことを確認できる。これにより、ユーザ200は、部屋90の全体が明るいと感じることができるので、従来の照明器具に比べ部屋90が明るいと感じることができる。つまり、照明器具1によれば、照明効果を高めることができる。
さらに、本実施の形態に係る傾斜部53の断面視形状が直線状であることから、部屋90における明るさの均一性(例えば、天井91又は壁92は略同じ明るさとなるなど)が高い。これにより、さらに照明効果を高めることができる。
また、照明器具1の照明効果を高めることで、例えば、従来よりも器具光束の低い照明器具を用いても、ユーザ200は従来と同等の明るさを感じることができる。これにより、照明器具の消費電力を削減することができる。
なお、照明器具1は天井91又は壁92の一部のみを照らしてもよいし、天井91又は壁92の少なくとも一方を意図的に照らしてもよい。
[3.効果]
次に、本実施の形態に係る照明器具1の効果について説明する。
本実施の形態に係る照明器具1は、造営材の設置面(例えば、天井91)に取り付けられる照明器具1であって、器具本体10と、器具本体10に取り付けられ、基板31及び基板31に配置された発光素子32を有する発光モジュール30と、透光性を有し、発光モジュール30を囲む枠状の側方カバー50と、を備える。側方カバー50は、設置面と垂直な方向から見たときに設置面から遠ざかるにつれ外方に向かう向きに、設置面と垂直な方向に対して傾斜している傾斜部53を有する。
これにより、発光モジュール30から透光性を有する側方カバー50に入射した光は、側方カバー50を透過し、外部に照明光として出射される。また、側方カバー50の傾斜部53が断面視において設置面(例えば、天井91)から遠ざかるにつれて外方に傾斜していることで、傾斜部53に入射した光は、主に天井91又は壁92などに照射される。つまり、従来よりも天井91又は壁92を明るく照らすことができる。よって、本実施の形態に係る照明器具1は、照明効果を高めることができる。
また、傾斜部53は、設置面に対して平行な方向から見たときに直線状に傾斜している。
これにより、傾斜部53は面内で略一様に配光を制御することができる。よって、特定の箇所が明るくなるなど、傾斜部53から出射された照明光が照らす領域に明暗差が生じることを抑制することができる。
また、さらに、発光素子32を覆い、バットウィング状の配光特性のレンズ41a、42aを有するレンズカバー40を備える。
これにより、発光素子32からレンズ41a及び42aに入射した光を、側方カバー50が位置する方向により多く出射することができる。つまり、側方カバー50(傾斜部53)から天井91又は壁92へ出射される光の光量を増やすことができる。よって、天井91又は壁92をより明るく照らすことができるので、照明効果をより高めることができる。
また、発光モジュール30は、複数の発光素子32を有し、レンズカバー40は、複数の発光素子32のうちの基板31の中心側に配置された発光素子32を覆う第1レンズカバー部41と、基板31の外側に配置された発光素子32を覆う第2レンズカバー部42とを有する。そして、第2レンズカバー部42に形成されたレンズ41aの発光素子32の光軸方向に対する配光ピーク角度は、第1レンズカバー部41に形成されたレンズ41aの光軸方向に対する配光ピーク角度より大きい。
このように、側方カバー50に近い領域には、配光ピーク角度が広いレンズ(レンズ42a)が配置されている。これにより、発光素子32から出射されレンズカバー40を透過した光のうち、側方カバー50へ入射する光の光量を効率的に増やすことができる。つまり、側方カバー50(傾斜部53)から天井91又は壁92へ出射される光の光量を効率的に増やすことができる。よって、天井91又は壁92をより明るく照らすことができるので、照明効果をより高めることができる。
また、傾斜部53の外面及び内面の少なくとも一方には、凹凸が形成されている。
これにより、傾斜部53の内面に凹凸が形成されている場合、発光モジュール30からの光は内面で拡散され、当該拡散された光が傾斜部53を透過し、傾斜部53の外面から出射される。また、傾斜部53の外面に光が出射される面に凹凸が形成されている場合、傾斜部53の内面に入射した光は傾斜部53の外面で拡散され出射される。つまり、傾斜部53の外面及び内面の少なくとも一方に凹凸が形成されていることで、発光モジュール30からの光は傾斜部53の外面及び内面の少なくとも一方で散乱される。よって、側方カバー50から出射される照明光の明るさが略均一となる。これにより、側方カバー50からの照明光が照射された天井91又は壁92は、略同一の明るさとなるので、照明器具1は、照明効果をより高めることができる。
また、傾斜部53は、乳白色である。
これにより、発光モジュール30から傾斜部53に入射した光(例えば、図7のL1)は傾斜部53を透過することで散乱される。つまり、傾斜部53から出射された照明光(例えば、図7のL11)は、天井91又は壁92を略均一の明るさで照らすことができる。よって、照明する空間内の明るさをより均一にすることができるので、照明器具1は、さらに照明効果を高めることができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、照明器具1が取り付けられる造営材の設置面が天井91である場合について説明したが、設置面はこれに限定されない。例えば、造営材の設置面は、建物の壁92等であってもよい。なお、設置面が壁92である場合、一方側の面は、照明器具1が設置されている壁92などであり、他方側の面は設置面と対向する壁92などである。
これにより、造営材の設置面が天井91である場合と同様の効果を奏する。
また、上記実施の形態では、外郭カバー60は平板状の部材である例について説明したが、外郭カバー60の形状は特に限定されない。例えば、外郭カバー60はドーム状であってもよいし、その他の形状であってもよい。例えば、外郭カバー60の平面視形状は矩形状(スクウェア状)であってもよいし、長尺状であってもよい。
これにより、外郭カバー60が平板状である場合と同様の効果を奏する。
また、上記実施の形態では、照明器具1をシーリングライトとしたが、これに限定されない。例えば、ペンダントライト、ブラケットライト、バスルームライト又はキッチンライト等としてもよい。
また、上記実施の形態では、発光素子をSMD構造としたが、これに限定されない。例えば、LEDチップを基板に直接実装したCOB(Chip On Board)構造であってもよい。この場合、封止部材によって、基板上に実装された複数のLEDチップを一括に封止してもよく、あるいは、個別に封止してもよい。また、封止部材には、上述した黄色蛍光体等の波長変換材が含有されていてもよい。
また、上記実施の形態では、複数の基板31をリング状に並べることにより発光モジュール30を構成したが、これに限定されない。例えば、1つのリング状の基板で発光モジュール30を構成してもよい。
また、上記実施の形態では、発光素子32が基板31に複数配置されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、基板31に配置される発光素子32は1つであってもよい。
また、上記実施の形態では、レンズカバー40は、配光ピーク角度の異なる2種類のレンズ41a及び42aで構成されている例について説明したが、これに限定されない。レンズカバー40が有する複数のレンズは、全てが同一の配光ピーク角度を有するレンズで構成されていてもよいし、配光ピーク角度が異なる3種類以上のレンズで構成されていてもよい。なお、配光ピーク角度が異なる3種類以上のレンズで構成されている場合、レンズカバー40の最外周には、配光ピーク角度が最も広いレンズが形成される。
また、上記実施の形態では、第1レンズカバー部41と第2レンズカバー部42とは一体で形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1レンズカバー部41と第2レンズカバー部42とは、別体で形成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、側方カバー50は透光性を有する材料で構成されている例について説明したが、これに限定されない。側方カバー50のうちの傾斜部53が透光性を有する材料で構成されていればよく、一端部51及び他端部52は透光性を有していなくてもよい。
また、上記実施の形態では、レンズ41a及びレンズ42aはバットウィング状の配光特性を有するレンズである例について説明したが、これに限定されない。例えば、レンズ41a及び42aは、側方カバー50に向けて光を出射できる配光特性を有するレンズであればよい。
また、上記実施の形態では、器具本体10がリング状である例について説明したが、器具本体10の形状は特に限定されない。
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の主旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。