JP6849012B2 - 樹脂成形品 - Google Patents
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Description
この端子台を組み立てる際には、まず、金属板材をプレス加工によって打ち抜いて曲げ加工を施すことにより、L字状に曲がった導電板を形成する。導電板を形成したところで、導電板を成形金型内にセットし、成形金型内に成形樹脂を流し込んで1次モールド成形によって1次成形体を成形する。そして、この1次成形体を中子として2次モールド成形することでコネクタハウジングを成形する。
したがって、曲げ部の側縁部とコネクタハウジングを成形する成形金型との間において樹脂を食い切ってコネクタハウジングを成形しようとすると、余肉の影響で曲げ部の側縁部とコネクタハウジングを成形する成形金型との間に隙間が生じ、曲げ部において樹脂漏れが生じてしまう。
しかしながら、外周縁部を基準に側縁部全体や曲げ部の外周縁部を平面状に整形する場合、曲げ部における幅寸法にばらつきが生じてしまう。したがって、コネクタハウジングの成形作業を行う際に、導電板毎に成形金型の配置を調整する必要があり、コネクタハウジングの成形作業の効率が低下してしまう。
前記一対の平板部は、相手方導電体に接続可能な接続部である構成としてもよい。
例えば、曲げ部に接続部が連なって設けられていると、曲げ部において樹脂漏れが生じた場合には、接続部の接続面に成形樹脂が付着し、相手方導電体と接続部との接続信頼性が低下してしまう嫌いがある。
ところが、このような構成によると、曲げ部に平面状の加工を行って平板部側平面部と面一状に連なる平面部を形成し、平板部側平面部および平面部と成形金型とによって樹脂を食い切ることができるから、接続部への樹脂漏れを防ぐために非常に有効である。
実施形態について図1から図18を参照して説明する。
本実施形態は、車両に搭載される機器の図示しないケースに取り付けられる端子台(「樹脂成形品」の一例)10を例示しており、端子台10は、ケース内に配された図示しない機器側端子とワイヤハーネスの端末に設けられた図示しない相手方端子(「相手方導電体」の一例)とを中継するものである。なお、以下の説明において、左右方向とは、図2および図10における左右方向を基準とし、上下方向とは、図2および図10における上下方向を基準とする。また、前後方向とは、図5、図11および図17における左右方向を基準とし、図示左方を前方、図示右方を後方として説明する。
ハウジング40は、図1、図3および図5に示すように、各端子20の上端部を前後左右から覆う覆い部41と、各端子20の上端部と共に覆い部41を全周に亘って囲む筒状部42と、ケースに設けられた図示しない取付孔に嵌合される嵌合部43とを備えて構成されている。
1次成形品61における端子20は、上述したように、肉厚の金属板材をプレス加工によって打ち抜いて、曲げ加工を施すことによって形成された曲げ部22を有する端子20である。
そこで、曲げ部22の側面22Aに生じた余肉を平面状に加工するプレス加工などを施すことにより、曲げ部22の側面22Aにおける内周縁部には、図18の模式図に示すように、平面状をなす平面部32が形成されている。また、平面部32は、図15に示すように、接続部側平面部27および本体側平面部25と面一状に形成されている。なお、端子20のその他の構成については、重複するため、説明を省略する。
端子台10の組み立てでは、最初に1次成形品61を複数成形する。
1次成形品61は、まず肉厚の金属板材をプレス加工打ち抜いて曲げ加工を施すことによって端子20を形成し、端子20を成形金型(図示せず)内にセットする。
押圧されると共に、本体側平面部25の上端部25Aおよび端子本体21の前面21Aにおける上端部が成形金型によって押圧された状態となる。また、端子20の電線側接続部23においては、接続部側平面部27の後端部27Aおよび接続部側平面部27の上半分が成形金型によって押圧され、曲げ部22においては、左右方向両側の側面22Aにおける平面部32が押圧された状態となる。すなわち、端子20の両側面においては樹脂食い切り面33が成形金型によって押圧された状態となる。
そして、モールド部62が冷却されて硬化することで端子20とモールド部62とが一体に固定された1次成形品61が完成する。
しかしながら、肉厚の金属板材を折り曲げると、曲げ部の側面における外周縁部は、曲げ部の外側の外曲面の延びに伴って左右方向内側に向けて減肉された状態となり、曲げ部の側面における内周縁部は、曲げ部の内側の内曲面に撓みが生じて外側に膨出する余肉が生じてしまう。
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態では、端子20の曲げ部22に平面部32が形成された端子台10を一例として示した。しかしながら、これに限らず、合成樹脂製の樹脂部に金属製のブラケットや金属プレートなどをインサート成形して樹脂成形品を成形する際に、本明細書で開示した技術を適用してもよい。
(2)上記実施形態では、略直角に折り曲げた曲げ部22に平面部32を構成した。しかしながら、これに限らず、鈍角や鋭角に折り曲げた曲げ部に平面部を構成してもよい。
20:端子(金属部材)
21:端子本体(平板部)
22:曲げ部
23:電線側接続部(平板部、接続部)
25:本体側平面部(平板部側平面部)
27:接続部側平面部(平板部側平面部)
30:内曲面(曲げ部の内側の面)
32:平面部
40:ハウジング(樹脂部)
62:モールド部
Claims (2)
- 板状の金属部材と、合成樹脂製の樹脂部と、を備え、
前記金属部材は、折り曲げられた曲げ部と、前記曲げ部の両端部に連なる一対の平板部と、を有し、
前記樹脂部は、前記金属部材の一部を覆うと共に前記一対の平板部の一部を覆うモールド部を有し、
前記曲げ部は、前記モールド部と対向すると共に前記モールド部に覆われている内曲面と、前記金属部材の板厚方向において前記内曲面と反対側に配された外曲面と、前記内曲面と前記外曲面との両側端をそれぞれ連結する一対の側面と、を有し、
前記一対の側面は、前記板厚方向において前記内曲面の側に配された内周縁部をそれぞれ有し、
前記内周縁部は、平面状に形成された平面部を有し、
前記一対の平板部は、平面状に形成された平板部側平面部を有し、
前記平面部と前記平板部側平面部とは、前記モールド部から露出した状態で前記モールド部と隣り合っており、
前記平面部は、前記平板部側平面部と面一状に連なっており、
前記一対の側面は、前記板厚方向において前記内周縁部と反対側に配置された外周縁部を有し、
前記曲げ部における前記外周縁部間の寸法は、前記曲げ部における前記内周縁部間の寸法よりも小さくなっている樹脂成形品。 - 前記一対の平板部は、相手方導電体に接続可能な接続部を有する請求項1に記載の樹脂成形品。
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