JP6844258B2 - メディカルデバイス、メディカルデバイスの製造方法及びメディカルデバイス用表面処理液 - Google Patents
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Description
(1)下記(i)〜(iii)からなる群における一つ以上を、表面上及び/又は表面内の少なくとも一部に有する、メディカルデバイス。
(i)1種類以上のモノマーAと1種類以上のモノマーBとを共重合の構成成分として含む親水性コポリマー
(ii)前記親水性コポリマーの加水分解物
(iii)前記親水性コポリマーの、メディカルデバイス基材または前記親水性コポリマーとの縮合物
ここで、
モノマーA:加水分解性シリル基を有さず、アミド構造を有するモノマー
モノマーB:ビニル構造とアミド構造とが直接結合した構造と、加水分解性シリル基と、を有するモノマー
(2)前記親水性コポリマーの質量平均分子量が10万〜1千万である、上記(1)に記載のメディカルデバイス。
(3)前記親水性コポリマーに共重合の構成成分として含まれるモノマー中の1〜40モル%が前記モノマーBである、上記(1)又は(2)に記載のメディカルデバイス。
(4)前記モノマーAが下記式(a1)又は(a2)で表される構造からなる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のメディカルデバイス。
R1及びR4は水素原子又はメチル基を表し、
R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は有機基を表し、
R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜10の1価の有機基を表す。R5及びR6は結合を介して互いに環を形成していてもよい。
(5)前記親水性コポリマーに共重合の構成成分として含まれるモノマーBが、下記式(b)で表される構造からなる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のメディカルデバイス。
R7は水素原子又はメチル基を表し、
R8及びR9はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、
nは0〜2の整数を表し、
Lは単結合又は炭素数1〜100の有機基を表す。
(6)前記親水性コポリマーに共重合の構成成分として含まれるモノマーBが、下記式(c)で表される構造からなる、上記(5)に記載のメディカルデバイス。
R7は水素原子又はメチル基を表し、
R8及びR9はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、
mは1〜8の整数を表し、nは0〜2の整数を表す。
(7)前記親水性コポリマーの少なくとも一部は、前記加水分解性シリル基が縮合される官能基の一方である縮合反応により、表面上もしくは表面内の少なくとも一部に結合している、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のメディカルデバイス。
(8)眼用レンズである、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のメディカルデバイス。
(9)1種類以上の下記モノマーAと1種類以上の下記モノマーBとを含む重合原液を共重合して得られる親水性コポリマーを含む表面処理液を、メディカルデバイス基材の表面の少なくとも一部に接触させた後、
共重合の構成成分として含まれるモノマーBの加水分解性シリル基を縮合反応の一方である官能基として縮合反応を起こさせることにより、前記親水性コポリマーを表面上及び/又は表面内の少なくとも一部に結合せしめる工程を含む、メディカルデバイスの製造方法。
モノマーB:ビニル構造とアミド構造が直接結合した構造と、加水分解性シリル基と、を有するモノマー
(10)下記(i)〜(iii)からなる群における一つ以上を含む、メディカルデバイス用表面処理液。
(i)1種類以上のモノマーAと1種類以上のモノマーBとを共重合の構成成分として含む親水性コポリマー
(ii)前記親水性コポリマーの加水分解物
(iii)前記親水性コポリマーの、メディカルデバイス基材または前記親水性コポリマーとの縮合物
ここで、
モノマーA:加水分解性シリル基を有さず、アミド構造を有するモノマー
モノマーB:ビニル構造とアミド構造とが直接結合した構造と、加水分解性シリル基と、を有するモノマー
(i)1種類以上のモノマーAと1種類以上のモノマーBとを共重合の構成成分として含む親水性コポリマー
(ii)前記親水性コポリマーの加水分解物
(iii)前記親水性コポリマーの、メディカルデバイス基材または前記親水性コポリマーとの縮合物
ここで、
モノマーA:加水分解性シリル基を有さず、アミド構造を有するモノマー
モノマーB:ビニル構造とアミド構造とが直接結合した構造と、加水分解性シリル基と、を有するモノマー。
N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミドがさらに好ましい。これらは単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
モノマーB:ビニル構造とアミド構造が直接結合した構造と、加水分解性シリル基と、を有するモノマー
本発明のメディカルデバイスの製造方法の好ましい態様の1つは、下記工程1〜工程4をこの順に含むものである。
<工程1>
1種類以上の下記モノマーAと1種類以上の下記モノマーBとを含む重合原液を共重合してなる親水性コポリマーを作成し、該親水性コポリマーを含有する表面処理液を調製する工程。
モノマーA:加水分解性シリル基を有さず、アミド構造を有するモノマー
モノマーB:ビニル構造とアミド構造とが直接結合した構造と、加水分解性シリル基と、を有するモノマー
<工程2>
表面処理対象となるメディカルデバイス基材表面の少なくとも一部と上記表面処理液を接触させる工程。
<工程3>
上記表面処理液に含まれる親水性コポリマーの加水分解性シリル基を、縮合される官能基の一方又は両方として、メディカルデバイスの表面の少なくとも一部を構成する官能基と縮合せしめる工程。
<工程4>
余剰なポリマー(主に親水性コポリマー)を洗浄除去する工程。
(i)1種類以上のモノマーAと1種類以上のモノマーBとを共重合の構成成分として含む親水性コポリマー
(ii)前記親水性コポリマーの加水分解物
(iii)前記親水性コポリマーの、メディカルデバイス基材または前記親水性コポリマーとの縮合物
ここで、
モノマーA:加水分解性シリル基を有さず、アミド構造を有するモノマー
モノマーB:ビニル構造とアミド構造とが直接結合した構造と、加水分解性シリル基と、を有するモノマー
本発明では、上記製造方法において用いられる表面処理液を含めて「メディカルデバイス用表面処理液」としており、すなわち、親水性コポリマー由来物を適切な液体に溶解した液体を指している。なお、本明細書において、メディカルデバイス用表面処理液を表面処理液と記載する場合がある。
(1)親水性コポリマーの分子量測定
島津製作所製 Prominence GPCシステムを用いて測定した。装置構成は以下の通りである。ポンプ:LC−20AD、オートサンプラ:SIL−20AHT、カラムオーブン:CTO−20A、検出器:RID−10A、カラム:東ソー社製GMPWXL(内径7.8mm×30cm、粒子径13μm)。溶出溶媒として、水/メタノール=1/1(0.1N硝酸リチウム添加)を使用し、流速:0.5mL/分、測定時間:30分で測定した。サンプル濃度は0.2質量%とし、サンプル注入量を100μLとした。検量線はAgilent社製ポリエチレンオキシド標準サンプル(0.1kD〜1258kD)を用いて算出した。
親水性コポリマー2mgを重クロロホルム2mlに溶解し、NMRサンプルチューブに入れてNMR測定を行った。モノマーBに由来すると帰属されるピークのプロトン比と、それ以外のモノマーに由来すると帰属されるピークのプロトン比から、親水性コポリマー中に共重合成分として含まれるモノマー中のモノマーBのモル分率を求めた。
実施例2〜5も同じモノマーAとモノマーBの組み合わせであるため、同様にしてモノマーBのモル分率を求めた。他のモノマーの組み合わせからなる共重合体の場合は適宜、適切なプロトン由来のピークを選択してモル分率を求めることができる。
コンタクトレンズ形状の試験片を、室温でバイアル瓶中のリン酸緩衝液中に浸漬し、蒸気滅菌した。試験片をリン酸緩衝液から引き上げ、人指で5回擦った時の感応評価を下記5段階の評価により行って、0サイクルの易滑性とした。
500mlのビーカーに攪拌子(36mm)を入れ、パルミチン酸メチル1.5gと純水500gを入れた。ウォーターバスの温度を37℃に設定し、前述のビーカーをウォーターバスの中央に置き、マグネチックスターラーで1時間攪拌した。回転速度は600rpmとした。球冠形状(縁部の直径約14mm、厚さ約0.1mm)のサンプルを1枚ずつバスケットに入れ、前述のビーカー内に投入し、そのまま攪拌した。1時間後、攪拌を止め、バスケット内のサンプルを40℃の水道水と家庭用液体洗剤(ライオン株式会社製“ママレモン”(登録商標))でこすり洗いした。洗浄後のサンプルを蒸留水が入った12ウェルプラスチックディッシュに入れ、冷蔵庫中で終夜静置した。サンプルの白濁を目視観察し、下記の基準でサンプルへのパルミチン酸メチルの付着量を判定した。
静止接触角はKYOWA社製のWET−6000を使用し、液滴法により測定した。コンタクトレンズ基材及び表面処理したレンズ基材は、RO水に24時間以上浸漬した。それぞれ、マイクロシリンジにて約1μLの液滴(RO水)を接触させ、かかるレンズ表面と液滴との接する角度を接触角として測定した。
カトーテック株式会社製摩擦感テスターKE−SE−STPを用いて測定した。ステージ上によく洗浄した清浄なガラス板を設置し、その上にコンタクトレンズ専用の測定用アダプターを用いてコンタクトレンズ3枚を円周上に等間隔に配置した。コンタクトレンズはリン酸緩衝液140μLを液滴上でガラス面と接触させ、87gの静荷重存在下、0.1mm/秒の速さで測定用アダプターを動かし、表面の動摩擦係数を測定した。
コンタクトレンズ表面の形態を研究するためにAFMを利用した。島津製作社製WET−SPM9500J3型を用いて、ダイナミックモードにより空気中で5μm四方の範囲を測定した。得られたAFM像を付属ソフトで解析し、表面粗さ(Rms)を算出した。
[基材の作成]
成分aとして以下の成分を混合し、よく撹拌した。
トリフルオロエチルアクリレート(ビスコート3F、大阪有機化学工業)(57.9質量部)
2−エチルヘキシルアクリレート(7質量部)
ジメチルアミノエチルアクリレート(0.1質量部)
重合性基を有する紫外線吸収剤(RUVA−93、大塚化学)(0.5質量部)
着色剤Reactive Blue246(0.02質量部)
重合開始剤“イルガキュア”(登録商標)819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、0.5質量部)
t−アミルアルコール(10質量部)
この成分aの混合液に、成分bとして両末端にメタクリロイルオキシ基を有するポリジメチルシロキサン(FM7726、JNC、質量平均分子量29kD、数平均分子量26kD)(28質量部)及び片末端にメタクリロイルオキシ基を有するポリジメチルシロキサン(FM0721、JNC、質量平均分子量5000)(7質量部)を加え、よく混合し攪拌した。
[加水分解性シリル基を有するモノマーの合成例]
窒素気流下、冷却管、滴下ロートを装着した300mL三ツ口フラスコに、3−アミノプロピルトリエトキシシラン66.42g(300mmol)、テトラヒドロフラン300mLを入れて−30℃に冷却した。この溶液にトリエチルアミン60mLをゆっくりと加え、5分間撹拌させた後、アクリル酸クロリド25mL(309mmol)とテトラヒドロフラン50mLとの混合溶液を30分かけて滴下し、さらに室温で5時間撹拌させた。この反応混合溶液に酢酸エチル100mLを加え、ハイフロスーパーセルを敷いた桐山ロートで吸引ろ過、濃縮した。得られた粗体について油拡散ポンプを用いて減圧蒸留で精製し、37.79gの目的物を得た。
[親水性コポリマーの調製]
500mL三口フラスコにN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA、和光純薬製、18.84g、190.1mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN、和光純薬製、52.1mg、210μmol)、合成例1で得られた化合物(TSPA、2.75mg、9.99mmol)、t−アミルアルコール(TAA、東京化成工業株式会社製、50.38g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けた冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。超音波照射下、10mmHgまで吸引し窒素フラッシュするというサイクルを5回ほど繰り返して、混合溶液内の溶存酸素を除去した。続いてオイルバス上60℃で撹拌させながら1時間半反応させ、急激な粘度上昇が観察されたところで反応容器をオイルバスから引き上げて空冷した。重合反応溶液にエタノール50mLを加えて撹拌し、粘度を下げてから、アセトン:ヘキサン=100mL:600mL中へ注いでポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーをエタノール40mLに再溶解させ、アセトン:ヘキサン=50mL:500mLを注いで再沈殿させた。同様の操作を2回繰り返した後、真空乾燥機中で40℃終夜加熱乾燥させた。乾燥させたポリマーは液体窒素を用いて凍結粉砕して粉末状にし、再び真空乾燥機で乾燥させた。得られたポリマー粉末の量は15.33gで、数平均分子量(Mn)=117000、質量平均分子量(Mw)=496000であり、収率80%で目的物(親水性コポリマー)を得た。
シリコーン基材を処理するアルカリ処理液として、4mol/L水酸化ナトリウム10v/v%エタノール水溶液を調製した。表面処理液については、親水性コポリマーの粉末を蒸留水に溶解して2wt%水溶液を調製し、5μm孔径のメンブレンフィルターで加圧ろ過を行った。
スクリュー管中のアルカリ処理液20mLに、このアルカリ処理液を撹拌しながら参考例1に記載の方法で得たレンズ基材を入れ、60℃で1時間撹拌した。アルカリ処理液からレンズを取り出し、RO水で3回すすぎ洗いした。
スクリュー管中の表面処理液20mLに、この表面処理液を撹拌しながらアルカリ処理したレンズを入れ、80℃で1時間撹拌した。
加熱後のレンズを軽くRO水で洗浄後、バイアル瓶中のリン酸緩衝液に浸漬し、蒸気滅菌(121℃、30分)し、上記の分析及び評価方法で、表面処理の効果を調べた。
共重合に供するTSPA(モノマーB)の親水性コポリマー調製時の全モノマーに対するモル比を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを調製し、コーティングを行い、分析及び評価を行った。
実施例1の共重合に供するN,N−ジメチルアクリルアミド2モル%相当を、ブレンマーPME−400(日油株式会社製)に置換した以外は、実施例1と同様にしてサンプルを調製し、分析及び評価を行った。
参考例1に記載の方法で得たレンズ基材について、アルカリ処理による前処理のみを行い、加水分解性シリル基を有する親水性コポリマーと接触させなかった。この場合には、表面に親水性基が生じるため、水濡れ性と動摩擦係数は下がったものの、その効果は一時的であり、7回の擦り洗いを終えた段階で元の基材と同程度の易滑性に戻り、十分な耐久性を有する表面処理方法ではなかった。また、抗脂質付着性も十分とは言えなかった。
したがって、アルカリによる表面処理だけでは、十分に表面特性を維持できないことが確認できた。
親水性コポリマーをポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)にした以外は実施例1と同様にして、シランカップリング反応によるコーティングを行った。親水性コポリマーであるポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)のデバイス表面への物理的吸着によって、一時的に水濡れ性と動摩擦係数は良好な値を示したが、上記親水性コポリマーが加水分解性シリル基を有さないため、基材表面と親水性コポリマー間で縮合反応が起きず、共有結合により固定されることがなかった。したがって、7回の擦り洗いを終えた段階で元の基材と同程度の易滑性に戻り、十分な耐久性を有する表面処理方法では無いことがわかった。また、抗脂質付着性も十分とは言えなかった。
大阪有機化学工業製LAMBIC−771Wを用いて表面処理を行う以外は実施例1と同様にしてコーティングを行った。該製品は、浴室用ミラーなどの防曇剤として利用される、末端に加水分解性シリル基を有する親水性コポリマーであるが、本発明に係る親水性コポリマーとは異なるコーティングに際しては、製造元提供の説明書に記載の方法に従って処理を行った。水濡れ性と動摩擦係数は大きく改善されたが、易滑性は初期の状態から十分とは言えなかった。また、7回の擦り洗いを終えた段階で元の基材と同程度の易滑性に戻り、十分な耐久性を有する表面処理方法では無かった。また、抗脂質付着性も十分とは言えなかった。
したがって、末端のみに加水分解性シリル基を有していても耐久性が十分でなく、本発明のように複数点での結合が可能であることが重要であることが確認できた。
参考例1に記載の方法で得たレンズ基材について、特開昭52−84258号公報の実施例1に記載の方法で表面処理を行った。水濡れ性と動摩擦係数は処理前と比較してほとんど変わらず易滑性もほぼ変化がなく、有効な表面処理方法では無かった。また、抗脂質付着性も元の基材と同等で、十分とは言えなかった。
Claims (5)
- 下記(i)〜(iii)からなる群における一つ以上を、表面上及び/又は表面内の少なくとも一部に有し、下記親水性コポリマーの質量平均分子量が10万〜1千万であり、ソフトコンタクトレンズである、メディカルデバイス。
(i)1種類以上のモノマーAと1種類以上のモノマーBとを共重合の構成成分として含む親水性コポリマー
(ii)前記親水性コポリマーの加水分解物
(iii)前記親水性コポリマーの、メディカルデバイス基材または前記親水性コポリマーとの縮合物
ここで、
モノマーA:N,N−ジメチルアクリルアミド
モノマーB:下記式(c)で表される構造からなるモノマー
R 7 は水素原子又はメチル基を表し、
R 8 及びR 9 はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、
mは1〜4の整数を表し、nは0〜2の整数を表す。 - 前記親水性コポリマーに共重合の構成成分として含まれるモノマー中の1〜40モル%が前記モノマーBである、請求項1に記載のメディカルデバイス。
- 前記親水性コポリマーの少なくとも一部は、前記加水分解性シリル基が縮合される官能基の一方である縮合反応により、表面上もしくは表面内の少なくとも一部に結合している、請求項1又は2に記載のメディカルデバイス。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のメディカルデバイスを製造する方法であって、1種類以上の下記モノマーAと1種類以上の下記モノマーBとを含む重合原液を共重合して得られる親水性コポリマーを含む表面処理液を、メディカルデバイス基材の表面の少なくとも一部に接触させた後、
共重合の構成成分として含まれるモノマーBの加水分解性シリル基を縮合反応の一方である官能基として縮合反応を起こさせることにより、前記親水性コポリマーを表面上及び/又は表面内の少なくとも一部に結合せしめる工程を含み、前記親水性コポリマーの質量平均分子量が10万〜1千万である、メディカルデバイスの製造方法。
モノマーA:N,N−ジメチルアクリルアミド
モノマーB:前記式(c)で表される構造からなるモノマー - 請求項1〜3のいずれかに記載のメディカルデバイス用の表面処理液であって、下記(i)〜(iii)からなる群における一つ以上を含み、下記親水性コポリマーの質量平均分子量が10万〜1千万である、メディカルデバイス用表面処理液。
(i)1種類以上のモノマーAと1種類以上のモノマーBとを共重合の構成成分として含む親水性コポリマー
(ii)前記親水性コポリマーの加水分解物
(iii)前記親水性コポリマーの、メディカルデバイス基材または前記親水性コポリマーとの縮合物
ここで、
モノマーA:N,N−ジメチルアクリルアミド
モノマーB:前記式(c)で表される構造からなるモノマー
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