JP6836470B2 - 充填樹脂、接続構造、及び導波路溝充填構造 - Google Patents

充填樹脂、接続構造、及び導波路溝充填構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6836470B2
JP6836470B2 JP2017136643A JP2017136643A JP6836470B2 JP 6836470 B2 JP6836470 B2 JP 6836470B2 JP 2017136643 A JP2017136643 A JP 2017136643A JP 2017136643 A JP2017136643 A JP 2017136643A JP 6836470 B2 JP6836470 B2 JP 6836470B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
resin
groove
connection structure
opposing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017136643A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019020489A (ja
Inventor
平林 克彦
克彦 平林
信建 小勝負
信建 小勝負
笠原 亮一
亮一 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2017136643A priority Critical patent/JP6836470B2/ja
Publication of JP2019020489A publication Critical patent/JP2019020489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6836470B2 publication Critical patent/JP6836470B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

本発明は、光通信の分野に属し、特に、100mW以上のハイパワーをファイバ、導波路に伝送する際の導波路、ファイバ間、導波路溝に充填する樹脂に関する。
光通信の分野においては、ファイバ同士を接続する場合にはコネクタを用い、ファイバと導波路、導波路同士を接続する場合には接着剤を用い、導波路に掘った溝に波長板やアサーマル樹脂を充填する場合は樹脂を充填する。
しかし、入力するパワーが100mW〜数Wのハイパワーとなると、接着剤、樹脂の吸収により温度が上昇して、劣化が見られ、吸収係数の増大が見られる。
例えば、MT(Mechanical Transferable)コネクタでファイバ同士を接続する場合には、マッチングゲルを充填するが、数Wのパワーを入れると樹脂が燃えるという欠点がある。
また、導波路とファイバを接続するには、ファイバを固定したファイバブロックと導波路を接続するが、その間にはエポキシあるいはアクリルの接着剤を使用する。しかし数Wのハイパワーを入れると接着剤が燃えてしまい、吸収係数が非常に大きくなるという問題がある。
まだ導波路に掘った溝に波長板を挿入したり、アサーマルAWGのアサーマル用の溝に樹脂を充填し、数Wの光を入力すると樹脂の吸収により、屈折率が変化してしまって、AWGの特性が劣化するという問題があった。
従来のアクリル接着剤の吸収係数の波長依存性を図1に示す。1200nmおよび1400nmに大きな吸収による吸収係数の増大があり、1.55μm帯Cバンド(1535nm〜1565nm)において吸収係数は1.5dB/cmの吸収係数がある。EDFAの最もハイパワーが得られる帯域はCバンドであり、この帯域に数Wの光を入れることができるが、数Wの光を入れるとアクリルの接着剤が燃えてしまい、最悪ファイバがファイバフューズを起こす。
従来のアサーマルのAWGは樹脂の屈折率の温度係数dn/dTとガラスの屈折率の温度係数dn/dTの極性が逆であることを利用して、波長の温度依存性を相殺するため、溝に樹脂を充填する。特許文献1に、その例を示す。
樹脂はdn/dTの大きなシリコーン樹脂を充填する。アサーマル溝に充填するジメチルシリコーンの吸収係数のスペクトルを図2に示す。Cバンドにおける吸収係数は1.8dB/cmである。10mW以下の光を伝送する場合には、この程度の吸収係数は問題がないが、100mW以上のハイパワーを伝送する際には、この程度の吸収係数でも樹脂部分の温度上昇により、温度補償がうまく作用しなくなり、さらにハイパワーを入れると接着剤、樹脂が劣化する。
このように通信波長帯において、ファイバ、導波路間に充填するための吸収係数の小さな樹脂の開発が望まれていた。
通信波長帯における樹脂の吸収係数は、非特許文献1に詳しく開示されている。
この中でフッ素化ポリイミド、重水素化シリコーン、UVアクリレートが1550nmにおいて吸収係数が少ない材料としてあげられている。フッ素化ポリイミドが1.55μmにおいて、0.4dB/cm、重水素化シリコーンが0.42dB/cm、UVアクリレートが0.24dB/cmである。しかしこれらの材料はファイバ、導波路の接続に使うには問題が多い。即ちポリイミドは300℃程度で加熱してイミド化する必要があり、加熱によってファイバ、導波路が劣化してしまう。シリコーンの重水素化は非常にコストがかかり、重水素化シリコーンの市販はされていない。
導波路に溝を掘って種々の吸収係数を持った樹脂を充填し、光入力のパワーを変えた場合の温度を簡単な計算でシミュレーションした。その結果を図3に示す。溝の幅は37μm、導波路コア幅は13μm,コア厚は6μmとした。例えばシリコーンゲル1.8dB/cmの場合1W入力すると温度は80℃にもなり、温度無依存化を達成できない。また2W入力すると温度は140℃なり、樹脂の劣化が生じる。樹脂の劣化が生じないためには、1W入力で50℃以下にする必要がある。
従って充填する樹脂の吸収係数を0.7dB/cm以下とすればよい。
特許第343697号公報
丸野「ポリマー光導波路の形成とそのデバイス特性」光学31巻2号(2002)81(11)〜87(17)
従来の導波路間又はファイバ間用の充填樹脂では、光の吸収を少なくして、温度上昇、劣化を抑え、ハイパワー光の伝送においても伝送ロスの増加を抑えるという課題があった。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであり、光の吸収を少なくして、温度上昇、劣化を抑え、ハイパワー光の伝送においても伝送ロスの増加を抑えることを目的としている。
本発明は、通信波長帯においてハイパワーを入れた場合でも、樹脂が劣化しないために、必要な樹脂の吸収係数を明らかにし、それを満足する樹脂を発見したことにある。従来のエポキシ接着剤、アクリル接着剤、シリコーン樹脂よりも、小さな吸収係数を持つ樹脂に代えることにより、光の吸収を少なくして、温度上昇、劣化を抑え、ハイパワー入力時でも、吸収係数の増加がない。
温度上昇を抑えるには、通信波長帯における吸収係数の低い樹脂を充填すればよい。樹脂の通信波長帯の吸収係数を測定した報告は少なく、光通信用のポリマー導波路用材料としての報告が数件しかない。そこで約100種類の材料の透過スペクトルを測定し、1535nm〜1565nmでの吸収係数の少ない材料を探した。
水素をフッ素化、あるいは重水素化した材料の吸収スペクトルを測定した。図4にその結果を示す。重水素化シリコーンは、C−Dの吸収が1500nm辺りにくるのでかえって、重水素化前よりも吸収係数が大きくなる。シロキサン結合を基本とするシリコーンの水素をFに置き換えたフロロシリコーンはC−HがC−Fに代わることにより、上記の1200nm、1400nm、1535nmの吸収が少なくなり、1535nm〜1565nmにおいては、0.7dB/cmの吸収を達成し、本発明の課題であるハイパワー耐性を持つ。
さらにフッ素化を進め、シリコーンの主鎖にパーフルオロポリエーテルを持ち、下記の式で書かれる通称「フッ素ゲル」はC−Hの吸収である1200nm、1400nm、1535nmの吸収を殆ど持たず、通信波長帯1535nm〜1565nmにおいては、0.1dB/cmという驚異的な低吸収係数を示した。
これらの材料の吸収係数をまとめて表1に示す。この中で吸収係数が0.7dB/cm以下のものは、酸素と炭素と水素の他にシリコンとフッ素の両方を含むフッ素ゲルとフロロシリコーンのみであることがわかった。

フッ素を含む樹脂はフッ素ゴムやテフロンがあるが、フッ素を含むだけでは、吸収係数は低くならない。またシリコンを含む樹脂は、シリコーンを代表として、種々あるが、シリコンを含むだけでは吸収係数は低くならない。シリコーンとフッ素を両方含み、なおかつその量が1モル%以上の場合において、吸収係数の低減が見られた。
シリコーンの主鎖にパーフルオロポリエーテルを含む樹脂(通称フッ素ゲル)を溝に充填した場合の温度上昇を見積もった。シミュレーションの結果を示す図3から、2Wのハイパワーを入力してもシリコーンからフッ素ゲルに代えることにより、温度が130℃→28℃に抑えられる。ハイパワーを入力しても吸収係数の増大もなく、劣化もないことがわかる。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
本発明の充填樹脂の一様態は、1535から1565nmの通信波長帯域の100mW以上のハイパワー光を通過させる対向する導波路間用の充填樹脂において、
1535から1565nmの通信波長帯域において吸収係数が0.7dB/cm以下であり、かつ、
酸素、炭素、水素の他に、シリコン及びフッ素を1モル%以上含むフロロシリコーン又はフッ素ゲルであることを特徴とする。
前記充填樹脂は、前記フッ素ゲルの主鎖がパーフルオロポリエーテルの部位を含み、構造が以下の化学式で表されることを特徴とする。
前記接続構造は、1535から1565nmの通信波長帯域の100mW以上のハイパワー光を通過させる対向する導波路間の接続機構において、
1535から1565nmの通信波長帯域において吸収係数が0.7dB/cm以下であり、かつ、酸素、炭素、水素の他に、シリコン及びフッ素を1モル%以上含むフロロシリコーン又はフッ素ゲルである樹脂が前記対向する導波路間に充填された状態で導波路を対向して固定することを特徴とする。
前記接続構造は、前記対向する導波路は光ファイバと基板上に形成された導波路であり、
前記接続構造は、前記光ファイバが固定され、接着剤により前記基板に接合されるファイバブロックであり、前記対向する導波路間の前記樹脂が充填された領域に前記接着剤が流入するのを防止する溝を有するファイバブロックである、または、
前記対向する導波路は光ファイバと光ファイバであり、
前記接続構造は前記光ファイバを対向して固定するコネクタである
ことを特徴とする。
前記接続構造は、前記対向する導波路は基板上に形成され導波路であり、
前記接続構造は、前記基板上に形成され導波路を切断するように設けられた溝であり、前記樹脂が充填された溝である
ことを特徴とする。
前記対向する導波路の端面に、MgF、CaF、又はLiFの膜を下記の条件で備えたことを特徴とする。
0は導波路コアの屈折率、n1はMgF, CaF,又はLiFの屈折率、n2は導波路間、ファイバ間充填樹脂の屈折率である。
本発明によれば、従来のシロキサンを架橋させたシリコーン、アクリル接着剤、エポキシ接着剤に代えて、シリコーンのHをフッ素化したもの、あるいはさらにフッ素化を進めたシリコーンの主鎖をパーフルオロエーテルに置き換えたものが、1100nm〜1600nmの波長領域において、吸収係数が低く(0.7dB/cm〜0.1dB/cm)、100mW以上のハイパワーの光を入力した場合にアサーマルAWGの樹脂の温度上昇を抑える効果がある。
従来のアクリル接着剤の吸収係数の波長依存性を示す図である。 ジメチルシリコーンの吸収係数のスペクトルを示す図である。 導波路溝に樹脂を充填して、ハイパワーの光を入力した場合の温度(シミュレーション)を示す図である。 重水素化シリコーン、フッ素化シリコーン、フッ素ゲルの吸収係数の波長依存性を示す図である。 (a)本発明の実施例1の導波路溝充填構造を示す上面図である。(b)本発明の実施例1の導波路溝充填構造を示す立体図である。 本発明の実施例2のMTコネクタを示す図である。 (a)樹脂を充填する導波路溝を示す上面図である。(b)樹脂を充填する導波路溝を示す立体図である。 樹脂を充填する溝を備えたマッハツェンダ干渉計(MZI)を備えたアサーマルAWGを示す図である。 本発明の実施例4の温度無依存アレイ導波路回折格子を示す図である。
以下、本発明の充填樹脂、光波長合分波回路、温度無依存アレイ導波路回折格子、接続構造、及び導波路溝充填構造の形態について、図を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定されず、本明細書等において開示する発明の趣旨から逸脱することなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施例に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を用い、その繰り返しの説明は省略する。
[実施例1]
本実施例では、フッ素ゲルを導波路とファイバの接続に用いた場合、溝付きファイバブロックを用い、コア部にフッ素ゲル、接着部にアクリル接着剤を用いた例を示す。
ファイバと導波路を接続する実施例1の構造を図5に示す。図5(a)は、導波路溝充填構造を示す上面図である。図5(b)は、導波路溝充填構造を示す立体図である。この構造は、導波路501、導波路501内に設けられた導波路コア502、ファイバを固定するファイバブロック503、アクリル系接着剤504、ファイバブロック503内を通るファイバ505、ファイバブロック503に設けられた接着剤流入防止用溝506、及びシリコーンの主鎖にパーフルオロポリエーテルを含む樹脂507(通称フッ素ゲル)からなる。導波路501とファイバブロック503は、アクリル系接着剤504及びシリコーンの主鎖にパーフルオロポリエーテルを含む樹脂507を介して接合している。
通常はファイバ505と導波路501はアクリル系接着剤で全面を接着するが、1W以上のハイパワーの光を入れると燃えてしまうという欠点があった。そこでシリコーンの主鎖にパーフルオロポリエーテルを含む樹脂(フッ素ゲル)をファイバと導波路の間に充填する。フッ素ゲルは接着強度が不足しているため、接着剤として使えない。そこで接着剤流入防止溝506をファイバブロック503に設けて、両脇に接着剤であるアクリル系接着剤504、中央部にフッ素ゲル507を充填した。このようにすることにより、1535nmで1W以上のハイパワーの光を入れても樹脂507は劣化することなく、接続することが可能となった。1100nm〜1600nmの光を入れても温度上昇が少なく、樹脂507が劣化せず、吸収係数が増大することはなかった。
[実施例2]
MTコネクタの接着部にパーフルオロポリエーテルを主鎖に持つ樹脂フッ素ゲルを用い、フッ素ゲルを充填した例を示す。
多芯のファイバを接続する場合には、図6に示すMTコネクタを使用する。図6に示すように、MTコネクタは、樹脂により一体成形されたフェルール604に多心の光ファイバを固定し、2本のガイドピン603で整列する構造を有する。フェルール604は、シングルモード光ファイバの接続に使用できる性能を有している。さらに、MTコネクタは、ブーツ602、リボンファイバ605、クリップ606を有する。多芯の場合ファイバのコア同士をフィジカルコンタクトすることが難しいため、ファイバ間にシリコーンを主材とするマッチングジェル601を端面に塗る必要がある。しかしこのマッチングジェルは1W以上のハイパワーを入れると燃えてしまうという欠点があった。そこでマッチングジェルの代わりフッ素ゲルを塗った。シリコーンマッチングジェルをフッ素ゲルに代えることにより、1W以上のハイパワーを入れても吸収係数の増大が見られなかった。
[実施例3]
導波路溝にフッ素ゲルを充填した場合、及びパーフルオロポリエーテルを主鎖に持つ樹脂(フッ素ゲル)をA−AWG(アレイ導波路回折格子)に充填した場合を示す。
導波路溝は図7に示すように導波路を切断するように掘られている。導波路は、樹脂を充填する溝701、表面に溝701を有する導波路702、導波路内を通る導波路コア703、及び充填した樹脂704からなる。この溝に従来はジメチルシリコーン樹脂が充填されてきた。しかし先に述べたようにジメチルシリコーンは吸収係数が1.8dB/cmあり、数100mWを入れると温度が上昇して、アサーマルの条件を満足できなくなる。このためフッ素ゲルに代えた。
図8に示すMZ干渉計を前段に備えたアサーマルAWG(特許文献3:特開2010−44349)のアサーマル溝に通称フッ素ゲルとよぶパーフルオロエーテルを主鎖に持つ樹脂を充填した。アサーマルAWGは、第一のスラブ導波路801、アレイ導波路802、第二のスラブ導波路803、第二の入出力導波路804、分割三角溝(樹脂挿入)805、第一の入出力導波路806、温度依存型位相差生成カプラ807、第一のアーム導波路808、第二のアーム導波路809、方向性結合器810、温度補償材料充填溝811、及び温度補償材料充填溝812からなる。なお、分割三角溝(樹脂挿入)805、温度補償材料充填溝811、及び温度補償材料充填溝812がアサーマル溝に相当する。
比較のために通常のジメチルシリコーンを充填したサンプルも準備した。入力パワーを1mWと200mWとして、透過スペクトルと透過波長の温度依存性を測定した。その結果を従来のシリコーンを充填したものは、200mWのハイパワーを入れるとスペクトル形状がフラットトップとならず、なおかつ波長の温度依存性は1mW入力時の温度依存性よりも300pm程度短くなる。このため温度依存性を解消しようとしても入力パワーによって大きく波長が変化してしまう。
これに対して、フッ素ゲルを充填したものは、200mWのハイパワーを入力してもスペクトルの形状は崩れず、波長の温度依存性も殆ど変化しなかった。
同様に通常のジメチルシリコーンのHをFに置き換えたフロロシリコーンを充填した場合にも、ほぼ同様の効果が見られた。
このように従来のシリコーンの主鎖部をパーフルオロポリエーテルで置き代えたものを充填することにより、ハイパワーの光を入力した場合にも、アサーマルAWGの温度上昇を抑えることができ、透過スペクトルの形状、透過波長の温度依存性にも変化をもたらさないという効果がある。上記に示した構造式のみでなく、シロキサンを架橋したシリコーンのHをフッ素に置き換えたものでも効果があった。
厳密に構造式を記載することはできないが、酸素、炭素、水素の他に、Siの含有量且つFの含有量が1モル%以上の樹脂は、上記の効果が見られた。
[実施例4]
実施例1で充填したフッ素ゲル、フロロシリコーンは屈折率が1.31〜1.33とガラスの屈折率14.5と比べると低い。このため溝の壁面部で屈折率ミスマッチによる吸収係数が生じるという欠点がある。この欠点を解決するために、壁面にARコートを形成するのが有効である。
屈折率n1とn2の材料界面の、反射率は下記の式で与えられ、
例えば、フッ素ゲルと石英ガラスの間では0.33%の反射がある。溝は通常5〜10個程度設けられるので、0.33×2×(5〜10)=3〜6%の反射ロスが生じることになる。これを押さえるためには、温度無依存アレイ導波路回折格子の溝壁面にARコートを付けることが有効である。
フッ素ゲル、フロロシリコーンは1.3〜1.33の屈折率n2を持ち、1.46の屈折率n0のガラス材料の間にARを付ける場合の材料は、下記の式を満足する屈折率n1を持つ材料を選択する必要があり、
であり、1.38〜1.39の屈折率を持つ材料、即ちCaF, MgF, 又はLiFが適している。
これらの材料を
の条件の膜厚dで形成すればよい。1.55μmの場合、CaF, MgF, 又は LiFを280nm程度形成すればよい。
通常ARコートは反射面に対して、垂直に形成するが、溝壁面に付ける場合には、スパッタリング法が有効である。図9のように、スパッタターゲット906、プラズマ907を用いたスパッタリングにより、壁面全体にARコートを付けた。温度無依存アレイ導波路回折格子は、Si基板901、導波路クラッド(石英ガラス)902、ARコート膜903、フッ素ゲルあるいはフロロシリコーン904、導波路コア905からなる。
ARを壁面に付着することにより、吸収係数を0.3dB低減することができた。
本実施例では、導波路溝の壁面にARコートを形成したが、ファイバあるいは導波路の端面にARコートを形成してもよい。
501 導波路
502 導波路コア
503 ファイバを固定するファイバブロック
504 アクリル系接着剤
505 ファイバ
506 接着剤流入防止用溝
507 シリコーンの主鎖にパーフルオロポリエーテルを含む樹脂
601 マッチングジェル
602 ブーツ
603 ガイドビン
604 フェルール
605 リボンファイバ
606 クリップ
701 樹脂を充填する溝
702 導波路
703 導波路コア
704 充填した樹脂
801 第一のスラブ導波路
802 アレイ導波路
803 第二のスラブ導波路
804 第二の入出力導波路
805 分割三角溝(樹脂挿入)
806 第一の入出力導波路
807 温度依存型位相差生成カプラ
808 第一のアーム導波路
809 第二のアーム導波路
810 方向性結合器
811, 812 温度補償材料充填溝
901 Si基板
902 導波路クラッド(石英ガラス)
903 ARコート膜
904 フッ素ゲルあるいはフロロシリコーン
905 導波路コア
906 スパッタターゲット
907 プラズマ

Claims (6)

  1. 1535から1565nmの通信波長帯域の100mW以上のハイパワー光を通過させる対向する導波路間用の充填樹脂において、
    1535から1565nmの通信波長帯域において吸収係数が0.7dB/cm以下であり、かつ、
    酸素、炭素、水素の他に、シリコン及びフッ素を1モル%以上含むフロロシリコーン又はフッ素ゲルであることを特徴とする充填樹脂。
  2. 前記フッ素ゲルの主鎖がパーフルオロポリエーテルの部位を含み、構造が以下の化学式で表されることを特徴とする請求項1に記載の充填樹脂。
  3. 1535から1565nmの通信波長帯域の100mW以上のハイパワー光を通過させる対向する導波路間の接続機構において、
    1535から1565nmの通信波長帯域において吸収係数が0.7dB/cm以下であり、かつ、酸素、炭素、水素の他に、シリコン及びフッ素を1モル%以上含むフロロシリコーン又はフッ素ゲルである樹脂が前記対向する導波路間に充填された状態で導波路を対向して固定することを特徴とする接続構造。
  4. 前記対向する導波路は光ファイバと基板上に形成された導波路であり、
    前記接続構造は、前記光ファイバが固定され、接着剤により前記基板に接合されるファイバブロックであり、前記対向する導波路間の前記樹脂が充填された領域に前記接着剤が流入するのを防止する溝を有するファイバブロックである、または、
    前記対向する導波路は光ファイバと光ファイバであり、
    前記接続構造は前記光ファイバを対向して固定するコネクタである
    ことを特徴とする請求項に記載の接続構造。
  5. 前記対向する導波路は基板上に形成され導波路であり、
    前記接続構造は、前記基板上に形成され導波路を切断するように設けられた溝であり、前記樹脂が充填された溝である
    ことを特徴とする請求項に記載の接続構造。
  6. 前記対向する導波路の端面に、MgF、CaF、又はLiFの膜を下記の条件で備えたことを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の接続構造。
    0は導波路コアの屈折率、n1はMgF, CaF,又はLiFの屈折率、n2は導波路間、ファイバ間充填樹脂の屈折率である。
JP2017136643A 2017-07-12 2017-07-12 充填樹脂、接続構造、及び導波路溝充填構造 Active JP6836470B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017136643A JP6836470B2 (ja) 2017-07-12 2017-07-12 充填樹脂、接続構造、及び導波路溝充填構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017136643A JP6836470B2 (ja) 2017-07-12 2017-07-12 充填樹脂、接続構造、及び導波路溝充填構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019020489A JP2019020489A (ja) 2019-02-07
JP6836470B2 true JP6836470B2 (ja) 2021-03-03

Family

ID=65354344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017136643A Active JP6836470B2 (ja) 2017-07-12 2017-07-12 充填樹脂、接続構造、及び導波路溝充填構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6836470B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6526204B1 (en) * 2000-07-11 2003-02-25 Shipley Company Llc Optical fiber array for preventing flow of glue between fibers and waveguide
JP2009042335A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバの接続構造および光ファイバの接続方法
JP2009116135A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Polymatech Co Ltd 光部品接合材
JP5612533B2 (ja) * 2010-06-04 2014-10-22 日本電信電話株式会社 石英導波路溝内の充填用材料および光波長合分波回路の屈折率調整方法
JP5230829B1 (ja) * 2012-03-09 2013-07-10 株式会社フジクラ 水分の除去方法、光ファイバの半田付け方法、及び、半導体レーザモジュールの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019020489A (ja) 2019-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Li et al. Silica-based optical integrated circuits
Okamoto Wavelength-division-multiplexing devices in thin SOI: Advances and prospects
US8369666B2 (en) Optical wavelength multiplexing/ de-multiplexing circuit
US10324260B1 (en) Optical assembly using low DN/DT optical adhesive
JP4675336B2 (ja) 導波路型可変光減衰器
US8195016B2 (en) Optical fiber switch including an index matching elastomeric solid layer and related methods
US8231281B2 (en) Repeatable optical waveguide interconnection including an index matching elastomeric solid layer providing core and cladding index of refraction matching and related methods
Zhao et al. High‐Performance Mode‐Multiplexing Device with Anisotropic Lithium‐Niobate‐on‐Insulator Waveguides
US8137001B2 (en) Repeatable optical waveguide interconnection including an index matching elastomeric solid layer and related methods
CN111367014A (zh) 一种用于光互联的具有模斑转换功能的片上边缘耦合器
JP6836470B2 (ja) 充填樹脂、接続構造、及び導波路溝充填構造
JP6798313B2 (ja) リブ型光導波路およびそれを用いた光合分波器
US8175426B2 (en) Optical fiber switch including an index matching elastomeric solid layer providing core and cladding index of refraction matching and related methods
JP5612533B2 (ja) 石英導波路溝内の充填用材料および光波長合分波回路の屈折率調整方法
WO2004113963A1 (ja) 光学素子
JP2007010692A (ja) 光導波路及びその製造方法
Ibrahim et al. A thermo-optic multimode interference switch structure based on vinyltriethoxysilane (VTES) hybrid organic–inorganic sol–gel
WO2012039142A1 (ja) 光導波回路
Maegami et al. CMOS-Compatible Silicon Nitride Waveguide on Silicon Photonics Platform
Hoppe et al. Bandwidth-enhancement of silicon grating couplers using dispersive coatings
Furusawa et al. Dispersion properties of bent silicon nitride waveguides
JP2003222748A (ja) 光導波路型偏波分離素子及びその製造方法
Shacklette Polymers in the light path
Zou et al. Polymer Bragg gratings for telecom applications
Yamauchi et al. Leakage loss and phase variation of a buried directional coupler on a silicon substrate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200623

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6836470

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150