JP6815918B2 - 銀アセチリド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、銀アセチリド及びその製造方法に係り、特に限定するものではないが、固体高分子形燃料電池の触媒を製造する際に用いられる担体炭素材料として好適な炭素ナノ構造体、特にその調製時に3次元樹状構造を有する樹状炭素ナノ構造体を製造する上で有用な銀アセチリド及びその製造方法に関するものである。
近年、100℃以下の低温で作動可能な固体高分子形燃料電池が注目され、車両用駆動電源や定置型発電装置として開発や実用化が進められている。そして、一般的な固体高分子形燃料電池は、プロトン伝導性の電解質膜を挟んでその両外側にそれぞれアノード及びカソードとなる触媒層が配置された膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)を構成し、更にこの膜電極接合体を挟んでその両外側にガス拡散層が配置され、更にその両外側にセパレーターが配置された構造を基本構造(単位セル)とし、通常は、必要な出力を達成するために必要な数の単位セルをスタックすることにより構成されている。
そして、このような固体高分子形燃料電池の単位セルにおいては、アノード側とカソード側にそれぞれ配されたセパレーターのガス流路から、カソード側には酸素や空気等の酸化性ガスを、また、アノード側には水素等の還元性ガスをそれぞれ供給し、これら供給された酸化性ガス及び還元性ガス(これらを「反応ガス」ということがある。)を、それぞれガス拡散層を介して触媒層まで供給し、アノードの触媒層で起こる化学反応とカソードの触媒層で起こる化学反応との間のエネルギー差(電位差)を利用して、外部に仕事を取出すことができる。例えば、燃料ガスとして水素ガスが、また、酸化性ガスとして酸素ガスが使用される場合には、アノードの触媒層で起こる化学反応〔酸化反応:H2→2H++2e-(E0=0V)〕と、カソードの触媒層で起こる化学反応〔還元反応:O2+4H++4e-→2H2O(E0=1.23V)〕とのエネルギー差(電位差)を利用して外部に仕事を取出すことができる。
ここで、上記の触媒層を形成して化学反応を生起させる触媒については、通常、触媒担体としては電子伝導性、化学的安定性、電気化学的安定性の観点から多孔質炭素材料が用いられ、また、触媒金属としては強酸性環境下での使用が可能であって酸化反応及び還元反応に対して共に高い反応活性を示すPt又はPt合金が主として用いられている。そして、触媒金属については、一般に上記の酸化反応及び還元反応が触媒金属上で起きるので、この触媒金属の利用率を高めるためには、質量当りの比表面積を大きくすることが必要になり、一般的には数nm程度の大きさの粒子が用いられている。
そして、このような触媒金属を担持する触媒担体については、担体としての担持能力を高めるために、すなわち、上記の数nm程度の触媒金属を吸着して担持するためのサイトを多くするために、比表面積の大きな多孔質炭素材料であることが必要であると共に、上記の触媒金属を高分散状態で担持し易いように、細孔直径2〜50nmのメソ孔の容積、すなわちメソ孔容積の大きな多孔質炭素材料であることが求められ、同時に、アノード及びカソードとなる触媒層を形成した際に、反応ガスがこの触媒層中を抵抗なく拡散するための細孔形成が求められている。
そこで、従来においては、比較的大きな比表面積及びメソ孔容積を有し、同時に、立体的に枝が発達した樹状構造を持つ多孔質炭素材料として、例えばCABOT社製バルカンXC-72や、ライオン社製EC600JD及びライオン社製EC300が用いられている。また、担体炭素材料としてより好適な比表面積及びメソ孔容積を有すると共に、より好適な樹状炭素ナノ構造を持つ多孔質炭素材料を開発するための試みも行われており、近年、特に注目され始めたものとして、樹状構造を持つ銀アセチリド等の金属アセチリドを中間体として製造される樹状炭素ナノ構造体があり、これまでにも幾つかの提案がされている。
例えば、特許文献1には、金属又は金属塩を含む溶液を準備する工程と、前記溶液にアセチレンガスを吹き込んで金属アセチリドからなる樹状の炭素ナノ構造体を生成させる工程と、この炭素ナノ構造体を60〜80℃で加熱して前記樹状の炭素ナノ構造体中に金属が内包された金属内包樹状炭素ナノ構造物を作製する工程と、この金属内包樹状炭素ナノ構造物を160〜200℃に加熱して金属を噴出させ、樹状の炭素メソポーラス構造体を作製する工程と、この炭素メソポーラス構造体を減圧雰囲気下又は不活性ガス雰囲気下で1600〜2200℃に加熱する工程とからなる製造方法で調製された多孔質炭素材料であって、窒素吸着等温線をDollimore-Heal法で解析して求められる細孔径1〜20nm及び積算細孔容積0.2〜1.5cc/gを有すると共に、BET比表面積200〜1300m2/gを有して、長期に亘って電流量の低下率が低く、耐久性に優れた固体高分子形燃料電池用の触媒を調製可能な担体炭素材料が提案されている。
また、特許文献2においては、金属又は金属塩を含むアンモニア性水溶液中にアセチレンガスを吹き込んで金属アセチリドを生成させるアセチリド生成工程と、前記金属アセチリドを60〜80℃の温度で加熱して金属粒子内包中間体を作成する第1の加熱処理工程と、前記金属粒子内包中間体を120〜200℃の温度で加熱してこの金属粒子内包中間体から金属粒子を噴出させ、炭素材料中間体を得る第2の加熱処理工程と、前記炭素材料中間体を熱濃硫酸と接触させてこの炭素材料中間体を清浄化する洗浄処理工程と、更に清浄化された炭素材料中間体を1000〜2100℃で加熱処理して担体炭素材料を得る第3の加熱処理工程とからなる製造方法で調製された多孔質炭素材料であって、所定の水素含有量を有すると共に、BET比表面積600〜1500m2/g、及びラマン分光スペクトルから得られるD-バンド1200〜1400cm-1の範囲のピーク強度(lD)とG-バンド1500〜1700cm-1の範囲のピーク強度(lG)との相対強度比(lD/lG)1.0〜2.0を有し、高加湿条件下で高い電池性能を発揮し得る固体高分子形燃料電池用触媒を調製可能な担体炭素材料が提案されている。
更に、特許文献3においては、金属又は金属塩を含むアンモニア性水溶液中にアセチレンガスを吹き込んで金属アセチリドを生成させるアセチリド生成工程と、前記金属アセチリドを40〜80℃の温度で加熱して金属粒子内包中間体を作成する第1の加熱処理工程と、前記金属粒子内包中間体を圧密成形し、得られた成形体を毎分100℃以上の昇温速度で400℃以上まで加熱してこの金属粒子内包中間体から金属粒子を噴出させ、炭素材料中間体を得る第2の加熱処理工程と、前記炭素材料中間体を熱濃硝酸又は熱濃硫酸と接触させてこの炭素材料中間体を清浄化する洗浄処理工程と、更に清浄化された炭素材料中間体を真空中又は不活性ガス雰囲気中1400〜2100℃で加熱処理して担体炭素材料を得る第3の加熱処理工程とからなる製造方法で調製された多孔質炭素材料であって、吸着過程の窒素吸着等温線をDollimore-Heal法で解析して求められる細孔直径2〜50nmのメソ孔の比表面積SAが600〜1600m2/gであり、ラマン分光スペクトルにおけるG’-バンド2650〜2700cm-1の範囲のピーク強度(lG’)とG-バンド1550〜1650cm-1の範囲のピーク強度(lG)との相対強度比(lG’/lG)が0.8〜2.2であり、メソ孔の内の細孔直径2nm以上10nm未満のメソ孔の比細孔面積S2-10が400〜1100m2/gであって比細孔容積V2-10が0.4〜1.6cc/gであり、メソ孔の内の細孔直径10nm以上50nm以下のメソ孔の比細孔面積S10-50が20〜150m2/gであって比細孔容積V2-10が0.4〜1.6cc/gであり、また、吸着過程の窒素吸着等温線をHorvath-Kawazoe法で解析して求められる細孔直径2nm未満の細孔の比細孔面積S2が250〜550m2/gであって、高い発電性能を維持しつつ電位変動に対して優れた耐久性を発現し得る固体高分子形燃料電池用触媒を調製可能な担体炭素材料が提案されている。
更にまた、特許文献4においては、金属アセチリドを中間体として自己分解爆発反応を経て調製された樹状炭素ナノ構造を有する多孔質炭素材料〔新日鉄住金化学社製商品名:エスカーボン(ESCARBON)(登録商標)-MCND〕を原料として用い、黒鉛化処理を行った後に、更に過酸化水素、硝酸、液中プラズマ装置等を用いた酸化処理を行って得られた担体炭素材料であって、酸素含有量OICP0.1〜3.0質量%、不活性ガス(又は真空)雰囲気中1200℃の熱処理後に残存する酸素残存量O1200℃0.1〜1.5質量%、BET比表面積300〜1500m2/g、ラマン分光スペクトルの1550〜1650cm-1の範囲に検出されるG-バンドの半値幅ΔG30〜70cm-1、及び不活性ガス(又は真空)雰囲気中1200℃の熱処理後に残存する水素残存量H1200℃0.005〜0.080質量%であり、起動・停止といった負荷変動の繰り返しに対する耐久性に優れ、また、低加湿時の運転条件下での発電性能に優れている固体高分子形燃料電池用触媒を調製可能な担体炭素材料が提案されている。
WO 2014/129597 A1号公報 WO 2015/088025 A1号公報 WO 2015/141810 A1号公報 WO 2016/133132 A1号公報
上記の特許文献1〜4に記載された担体炭素材料は、いずれも固体高分子形燃料電池用触媒を調製する上でそれぞれ所望の発電特性を発揮するものではあるが、本発明者らがその発電特性について詳細に検討したところ、低電流密度(0.1A/cm2)における出力電圧において更に改善の余地があることが判明した。
そして、この低電流密度での出力電圧を改善するためには、担体炭素材料の比表面積を大きくすると共に、細孔径2〜50nmのメソ孔容積を大きくすることが重要であるが、触媒金属、特にPt又はPt合金の高分散状態で担持させ、その利用率を向上させるためには、細孔面積を大きくすると共にメソ孔の内の特に細孔径2〜5nmのメソ孔容積V2-5を大きくすることが重要であることを突き止めた。
すなわち、触媒の利用率は、硫酸電解液中での電位掃引による水素吸着脱離の電気量から求める触媒面積と、セルに組み込んだ状態での同様の触媒面積との対比で評価されるが、前者の硫酸電解液中での触媒面積に対する後者のセルに組み込んだ状態での触媒面積の割合(利用率)は20〜30%程度に過ぎない。その原因の一つは、プロトン伝導樹脂が担体炭素の細孔を塞いで反応ガスが細孔内へ拡散し難いことにある。これは、プロトン伝導樹脂は、細孔が大きいとこの細孔内に入り込むが、細孔が数nm程度になると、高分子の配置の自由度が減少し、細孔内に侵入した時のエントロピー損失が大きくて殆ど侵入しないと考えられるからである。細孔径2〜5nmのメソ孔は、プロトン伝導樹脂は侵入しないが、数nmサイズの触媒粒子は担持され、また、この触媒粒子が担持された後でもガス拡散に支障の少ない空隙が確保される最適なサイズであるとの考えから、細孔径2〜5nmの細孔容積を大きくすることにより、Pt利用率を高めることができることを突き止めた。
ところで、上記特許文献1〜4で提案された担体炭素材料の製造方法について詳細に検討してみると、銀アセチリドの合成工程においては、硝酸銀のアンモニア性水溶液中にアセチレンガスを導入して銀アセチリドを合成しているが、このアセチレンガスの導入に際しては、反応系内の硝酸銀とこの反応系内で硝酸銀と反応するアセチレンとのモル比を考慮し、反応系内に導入されたアセチレンが若干過剰となるようにアセチレンガスの吹込み量を制御し、30分程度の時間をかけて反応系からアセチレンガスが放出され始めるまでアセチレンガスを吹き込み、アセチレンガスが放出され始めた時点を硝酸銀の反応終了点と判断して反応系内へのアセチレンガスの吹込みを停止している。そして、この合成工程で得られた銀アセチリドについては、銀アセチリドが爆発性物質であることから、通常は、例えば、反応系内に沈殿物として生成した反応混合物をメンブランフィルターで濾過して回収し、この反応混合物をメタノール等の溶剤中に再分散させて再び濾過する再分散-濾過の洗浄操作を行って洗浄しており、そして、この洗浄後に得られた「洗浄後の反応生成物」をそのまま次の工程で使用している。
このため、得られた銀アセチリドを所定の温度に加熱し自己分解爆発反応を誘発させて得られた分解生成物(洗浄処理前の炭素材料中間体)中の銀の量と炭素の量とを測定してみると、銀アセチリドの分子式(Ag-C≡C-Ag)から求められる銀と炭素の理論モル比が1.0であるのに対して、実際には合成された銀アセチリドの銀−炭素モル比は1.1前後になっており、銀に対して炭素の存在量が過剰になっていることが判明し、本発明者らはこのような銀アセチリド中に存在する余分な炭素(C)はアセチレン分子であると推定した。
なお、本発明において「銀アセチリド」とは、分子構造式Ag-C≡C-Agで表される化合物そのものではなく、上述の如き銀アセチリド合成工程で得られた洗浄後の反応生成物をいう。
そこで、本発明者らは、銀アセチリドの自己分解爆発反応の際における銀アセチリドの銀−炭素モル比と、銀アセチリドの分解エネルギーと、分解生成物におけるメソ孔の細孔径の大きさとの間に何らかの関連性が存在するものと考え、製造中間体としての銀アセチリドの合成に際して、合成される銀アセチリドの3次元樹状構造中における銀−炭素モル比を制御することにより、銀アセチリドの自己分解爆発反応の際の分解エネルギーを制御し、この自己分解爆発反応によって生成する分解生成物の、ひいてはこの分解生成物から銀粒子等を洗浄・除去して得られる樹状炭素ナノ構造体のメソ孔容積を制御することが可能ではないかとの考えに到達した。
そして、この考えの下に、銀アセチリドの合成に際して、合成される銀アセチリドの3次元樹状構造中に存在する炭素の量をこれまでの炭素の存在量よりも少ない範囲内に制御しつつ、また、敢えて僅かに余分な炭素(C)を導入し、これによって銀アセチリドの自己分解爆発反応の際の分解エネルギーを制御することにより、この銀アセチリドを自己分解爆発反応させて製造される樹状炭素ナノ構造体におけるメソ孔容積を制御することを試みた結果、メソ孔容積を制御すること、特に細孔径2〜5nmのメソ孔容積を大きくすることに成功した。これは、銀アセチリドの製造過程で導入された余分な炭素(C)の量が制御されて分解エネルギーが制御され、銀アセチリドの自己分解爆発反応の際における枝の形成、銀粒子放出の激しさ等が制御され、形成される銀粒子のサイズが過度に成長しないまま外部に放出されて相対的に細孔径が比較的小さくなり、細孔径2〜50nmのメソ孔の細孔径の大きさの分布が比較的小さい方向にずれ、細孔径2〜5nmのメソ孔容積が大きくなったものと考えられる。
更に、本発明者らは、合成された銀アセチリドの銀−炭素モル比について、自己分解爆発反応後の分解生成物(洗浄処理前の炭素材料中間体)について、空気雰囲気下の熱重量分析において測定される最終残量から求められる銀のモル量(MAg)に対してこの銀以外のものを炭素であるとして求められる炭素のモル量(MC)とから算出される銀−炭素モル比(MC/MAg)が理論モル比とよく整合することを見出し、銀アセチリドの銀の量と炭素の量とを上記の銀−炭素モル比(MC/MAg)で定量化できることを見出した。なお、上記の「銀以外のもの」には、酸素、水素等の炭素以外の元素が僅かに含まれていることがある。
そして、本発明者らは、銀アセチリドの合成に際して、如何にして合成される銀アセチリド中に存在する炭素の存在量を制御するかについて更に検討した結果、銀アセチリドの製造に際して、硝酸銀のアンモニア性水溶液中に導入するアセチレンガスの吹込み速度を制御して従来よりも反応時間を長くし、また、必要により従来よりも反応温度を低くすることにより、反応系内に導入されるアセチレン分子を無駄なく確実に硝酸銀と反応させることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、上述した各知見に基づいて発明されてものであり、その目的とするところは、固体高分子形燃料電池の触媒を製造する際に用いられる担体炭素材料として好適な3次元樹状構造を有する樹状炭素ナノ構造体を製造する上で有用な銀アセチリドを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、このような固体高分子形燃料電池の触媒を製造する際に用いられる担体炭素材料として好適な3次元樹状構造を有する樹状炭素ナノ構造体を製造する上で有用な銀アセチリドの製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) アセチレンの水素原子が1価の銀原子と置換したM22型の銀アセチリドであって、
3次元樹状構造を有し、自己分解爆発反応後の分解生成物を測定用試料とする空気雰囲気下での400℃までの熱重量分析において、400℃近傍での残量から算出される銀のモル量(MAg)に対して銀以外のものを炭素のモル量(MC)として求められる銀−炭素モル比(MC/MAg)が1.0≦MC/MAg≦1.06であることを特徴とする銀アセチリド。
(2) 前記自己分解爆発反応後の分解生成物を測定用試料とする空気雰囲気下での熱重量分析において、質量減少率が0.5%になるときの温度T0.5(0.5%質量減少温度)が130℃以上であることを特徴とする前記(1)に記載の銀アセチリド。
(3) 硝酸銀のアンモニア水溶液中にアセチレンガスを吹き込んで硝酸銀とアセチレンガスとを反応させて3次元樹状構造を有する銀アセチリドを製造するに際し、
前記硝酸銀に対するアセチレンガスのモル比を0.50〜0.53の範囲に制御すると共に、前記アセチレンガスの吹込み時間を10〜30時間に調整することを特徴とする銀アセチリドの製造方法。
(4) 前記硝酸銀とアセチレンガスとの反応の際における反応温度を0〜20℃に調整することを特徴とする前記(3)に記載の銀アセチリドの製造方法。
本発明の銀アセチリドによれば、これを自己分解爆発反応させることにより、比表面積及びメソ孔容積が大きい、特に細孔径2〜5nmのメソ孔容積が大きい樹状炭素ナノ構造体からなり、耐久性に優れていると共に発電特性、特に低電流密度での出力電圧特性に優れた固体高分子形燃料電池用触媒の担体炭素材料として有用な多孔質炭素材料を製造することができる。
また、本発明の銀アセチリドの製造方法によれば、上記の比表面積及びメソ孔容積、特に細孔径2〜5nmのメソ孔容積が大きい樹状炭素ナノ構造体からなり、固体高分子形燃料電池用触媒の担体炭素材料用製造原料として有用な銀アセチリドを容易に製造することができる。
図1は、本発明において、熱重量分析を実施する際の方法を説明するためのグラフ図である。 図2は、本発明の実施例17〜20において測定された熱重量分析の結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の銀アセチリド及びその製造方法について、詳細に説明する。
本発明の銀アセチリドは、アセチレンの水素原子が1価の銀原子と置換したM22型の銀アセチリドであって、3次元樹状構造を有すると共に、自己分解爆発反応後の分解生成物 (金属状態の銀と炭素との複合体)についての空気雰囲気下での熱重量分析において、最終残量から算出される銀のモル量(MAg)と銀以外のものを炭素のモル量(MC)として求められる銀−炭素モル比(MC/MAg)が1.0≦MC/MAg≦1.06の範囲内である。なお、上記の「銀以外のもの」には、酸素、水素等の炭素以外の元素が僅かに含まれていることがある。
銀アセチリドは、アセチレンの水素原子が1価の銀原子と置換したM22型であって、分子式(Ag-C≡C-Ag)を有し、この分子式から求められる銀と炭素のモル比(銀−炭素モル比)が理論的には1.0であるのに対して、本発明の銀アセチリドは、空気雰囲気下での熱重量分析において、最終残量から算出される銀のモル量(MAg)とそれ以外を炭素のモル量(MC)とした場合に、これら銀のモル量(MAg)と炭素のモル量(MC)との銀−炭素モル比(MC/MAg)が1.0≦MC/MAg≦1.06の範囲内であり、好ましくは1.01≦MC/MAg≦1.06、より好ましくは1.02≦MC/MAg≦1.06の範囲内である。この銀−炭素モル比(MC/MAg)が1.0未満であると、銀アセチリドの中に硝酸銀が取り込まれて爆発力が弱くなり、細孔容積が小さくなって触媒担体として適さなくなり、反対に、銀−炭素モル比(MC/MAg)が1.06を超えて大きくなると、この銀アセチリドを自己分解爆発反応させて得られる樹状炭素ナノ構造体の細孔径2〜5nmのメソ孔容積V2-5が低下し、低電流密度での出力電圧特性に優れた固体高分子形燃料電池用触媒の調製に有用な担体炭素材料としての多孔質炭素材料が得られない。
≪熱重量分析の方法≫
本発明において、銀アセチリドの特性を調べるために行うその自己分解爆発反応の分解生成物を測定用試料とする空気雰囲気下での400℃までの熱重量分析(以下、この熱重量分析を単に「銀アセチリドの熱重量分析」ということがある。)については、銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)を正確に測定するために、熱重量分析を以下の方法に従って行う必要がある。
先ず、熱重量分析装置には測定試料をその装置の仕込み量の上限値近くまで使用し、0.01質量%程度までの重量減少をできる限り正確に検出できるようにすると共に、使用する空気については、圧縮乾燥空気を用いて流量を一定に管理し、測定中に測定試料が動くのを極力抑制する。また、測定試料中に含まれる水分を予め十分に除去するために、測定試料を装置にセットした後、例えば窒素ガスフロー下で一晩50℃に保持して十分に乾燥させた後、室温に降温させ、乾燥空気に切り替えて測定する。更に、実際の測定及び解析に際しては、空気流量200cc/分及び昇温速度10℃/分の測定条件で室温から400℃まで行い、60℃以下の温度域での急激な重量減少は水分と推察されるため、質量の原点を70℃での値として解析する。そして、例えば、図1に示す例では、400℃近傍での残量が89.62質量%なので、炭素の原子量12.01と銀の原子量107.87を考慮し、銀−炭素モル比(MC/MAg)は1.04と計算される。
また、本発明の銀アセチリドは、好ましくは、上記の銀アセチリドの熱重量分析において、70℃での質量を100%としてそこからの質量減少率が0.5%になるときの温度(0.5%質量減少温度)が130℃以上、より好ましくは140℃以上である。銀−炭素モル比(MC/MAg)は、銀アセチリド合成工程で得られる分解生成物中に含まれるアセチレンの量を示し、爆発のエネルギーの大きさに関する制御の指標であるが、この0.5%質量減少温度は、自己分解爆発反応後の分解生成物中に含まれる過剰な炭素の性状を示すものである。アセチレンに由来する過剰な炭素は銀との接触が弱いため爆発反応時に芳香族炭素になり難く、その後の多孔質炭素材料の製造工程を経て非晶質の煤状物質になり易く、多孔質炭素材料の細孔を潰し、あるいは細孔容積を減少させる等、銀アセチリドから製造される多孔質炭素材料の特性を損なう虞があり、更には、その結果として固体高分子形燃料電池用触媒の担体炭素材料として用いた場合にその発電特性、特にPt利用率の低下を招来する虞がある。
このようなメソ孔容積V2-5の大きい銀アセチリドを製造するためには、銀アセチリドを生成させる銀アセチリド生成工程において、反応系内に存在する銀イオンに対して、可及的に制御されたアセチレン量を導入し、この導入されたアセチレンを可及的に確実に銀イオンと反応させてアセチレンの水素を銀に置換させる必要があり、このためには、硝酸銀のアンモニア性水溶液中、すなわち反応系内に存在する銀の量に対して、アセチレンガスとして導入される炭素の量を目標とする銀と炭素の理論モル比を考慮して制御し、同時に、反応時間を長くし、すなわち、反応系内に導入するアセチレンガスの吹込み速度を遅くし、反応系内での銀イオンとアセチレンとの接触を確実にさせることが必要である。そして、より安定して本発明による銀アセチリドを得るために、好ましくは、反応系内の硝酸銀に対してこの反応系内に導入されるアセチレンの硝酸銀-アセチレンモル比(C2H2/AgNO3)が0.50以上0.53以下、より好ましくは0.505以上0.53以下の範囲になるように制御すると共に、前記アセチレンガスの吹込み時間を1時間以上30時間以下、より好ましくは10時間以上30時間以下、より好ましくは20時間以上30時間以下とするのがよい。
また、反応系内での銀イオンとアセチレンとの反応をより正確に制御する上で、反応温度を低くして反応系内でのアセチレンの溶存量を多くすることも効果的であり、好ましくは前記硝酸銀とアセチレンガスとの反応の際における反応温度を0℃以上30℃以下、より好ましくは0℃以上20℃以下に調整するのがよく、より好ましくは、10時間以上の長時間をかけてゆっくりと反応させるのがよい。反応温度を従来行われていた室温(25℃)よりも低くすることにより、銀−炭素モル比(MC/MAg)を1.0≦MC/MAg≦1.06の範囲内でより正確に制御することができる。更に、低温で10時間以上の長時間をかけてゆっくりと反応させることにより、アセチレン分子が銀アセチリド分子集合体の中に均一に分散し、自己分解爆発反応時に芳香族性の骨格炭素に転換する割合が高くなって煤状物質の生成が抑制される。
本発明の銀アセチリドによれば、従来の方法と同様の方法により、この銀アセチリドを40〜80℃、好ましくは60〜80℃の温度で加熱処理して銀粒子内包中間体を作成し(第1の加熱処理工程)、得られた銀粒子内包中間体を120〜400℃、好ましくは160〜200℃の温度で加熱処理して自己分解爆発反応により銀粒子を噴出させ、分解生成物(洗浄処理前の炭素材料中間体)を調製し(第2の加熱処理工程)、次いで得られた分解生成物(洗浄処理前の炭素材料中間体)を硝酸、硫酸等の酸と接触させてこの炭素材料中間体中の銀粒子等を除去して清浄化し(洗浄処理工程)、この清浄化された炭素材料中間体を真空中又は不活性ガス雰囲気中1400〜2400℃、好ましくは1500〜2300℃で加熱処理すること(第3の加熱処理工程)により、固体高分子形燃料電池用触媒の担体炭素材料として好適な3次元樹状構造を有する樹状炭素ナノ構造体からなる多孔質炭素材料を容易に製造することができる。
そして、本発明の銀アセチリドを製造中間体として得られた多孔質炭素材料は、従来のこの種の樹状炭素ナノ構造体に比べて、BET比表面積や耐久性において同等あるいはより優れているだけでなく、メソ孔容積、特に触媒金属のPt又はPt合金を高分散状態で担持してその利用率を向上させる上で重要な細孔径2〜5nmのメソ孔容積がより大きくなり、その結果、固体高分子形燃料電池用触媒の担体炭素材料として用いた場合には、低電流密度での出力電圧特性を顕著に改善することができるものである。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の銀アセチリド及びその製造方法を具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において、調製された銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)及び0.5%質量減少温度と、各実施例及び比較例の銀アセチリドを用いて得られた担体炭素材料のBET比表面積及びメソ孔容積V2-5とを、それぞれ以下のようにして測定した。
〔銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)の測定〕
各実施例及び比較例で得られた銀アセチリドを用い、後述する第1の加熱処理工程及び第2の加熱処理工程により自己分解爆発反応させて分解生成物(洗浄処理前の炭素材料中間体)を調製し、得られた分解生成物から測定用試料約10mgを測り採り、また、熱重量分析装置〔(株)日立ハイテクサイエンス製STA7200〕を用い、前述した方法で測定と解析を行った。最終残量から算出される銀のモル量(MAg)と、この銀以外のものを炭素とみなして測定される炭素のモル量(MC)とを測定し、測定された銀のモル量(MAg)に対する炭素のモル量(MC)とのモル比(MC/MAg)を求めた。なお、熱重量分析は、同じ測定用試料に対して同じ測定条件で3回実施し、その平均値を測定値としているが、3回の測定結果は数%以内で一致していた。
〔銀アセチリドの0.5%質量減少温度の測定〕
前記の銀アセチリドの熱重量分析における銀−炭素モル比(MC/MAg)の測定の結果を用い、残重量が100%から99.5%に減少したときの温度を読み、その温度を0.5%質量減少温度とした。
〔担体炭素材料のBET比表面積及びメソ孔容積V2-5の測定〕
各実施例及び比較例で得られた銀アセチリドを用い、後述する第1の加熱処理工程、第2の加熱処理工程、洗浄工程、及び第3の加熱処理工程により調製された樹状炭素ナノ構造体からなる担体炭素材料について、約30mgを測り採り、120℃で2時間真空乾燥した後に、自動比表面積測定装置(マイクロトラックベル社製BELSORP MAX)を用い、窒素ガスを吸着質に用いて窒素ガス吸着等温線を測定した。吸着時の等温線のp/p0が0.05〜0.15の範囲において、装置に付属の解析ソフトを用いてBET解析を実施しBET比表面積を算出した。
≪実施例1〜6及び比較例1≫
(1) 銀アセチリド生成工程
アンモニア濃度2.0質量%のアンモニア水溶液中に硝酸銀を濃度2.0質量%の割合で溶解して硝酸銀含有アンモニア水溶液を調製し、この硝酸銀含有アンモニア水溶液中にアルゴンや窒素等の不活性ガスを40〜60分間吹き込んで、溶存する酸素を不活性ガスに置換し、この銀アセチリド生成工程で生成した銀アセチリドが分解爆発を起こす危険性を排除した。
このようにして調製された硝酸銀濃度2.0質量%の硝酸銀含有アンモニア水溶液中に、反応系内の硝酸銀に対してこの反応系内に導入されるアセチレンのモル比(C2H2/AgNO3)が表1に示す値となるように、アセチレンガスの吹込み量及び吹込み速度を設定し、撹拌下に室温(25℃)で30時間をかけてアセチレンガスをゆっくりと一定の吹込み速度で吹き込み、反応系内に銀アセチリドの白い沈殿物を生成させた。
生成した銀アセチリドの沈殿物については、メンブレンフィルターで濾過して沈殿物を回収し、この回収された沈殿物をメタノールに再分散させ、再び濾過して得られた沈殿物をシャーレに取り出し、少量のメタノールを含浸させ、実施例1〜6及び比較例1(実験記号E1-1〜E1-6及びC1-1)の銀アセチリドを調製した。
(2) 第1の加熱処理工程
上記の銀アセチリド生成工程で得られた各実施例及び比較例の銀アセチリドについて、メタノールが含浸された状態のまま約0.5gを直径5mmのステンレス製ペレット成形金型内に装入し、ゆっくりと圧力を高めて0.5kg/cm2まで加圧しペレットに成形した。
このようにして成形されたペレットを直径5cm程度のステンレス製円筒容器内に移し、これを真空加熱電気炉に入れ、60℃で約15〜30分間かけて真空乾燥し、各実施例及び比較例の銀アセチリド由来の銀粒子内包中間体を調製した。
(3) 第2の加熱処理工程
次に、上記第1の加熱処理工程で得られた真空乾燥直後の60℃の銀粒子内包中間体を、そのまま更に真空加熱電気炉から取り出すことなく、昇温速度約10℃/分で200℃まで昇温させて加熱し、この過程で、銀アセチリドの自己分解爆発反応を誘発させ、銀と炭素との複合物からなる分解生成物(洗浄処理前の炭素材料中間体)を調製した。
(4) 洗浄処理工程
上記第2の加熱処理工程で得られた銀と炭素との複合物からなる分解生成物の炭素材料中間体について、濃度60質量%の濃硝酸による洗浄処理を実施し、炭素材料中間体の表面に残存した銀粒子やその他の不安定な炭素化合物を除去し清浄化した。
(5) 第3の加熱処理工程
上記洗浄処理工程で清浄化された炭素材料中間体について、不活性ガス雰囲気中で表1に示す加熱温度条件で2時間加熱処理を実施し、各実施例及び比較例の銀アセチリド由来の担体炭素材料を得た。この第3の加熱処理工程での熱処理温度は、結晶性の制御のためにこれまで一般的に採用されている温度であり、この加熱処理により各実施例及び比較例の銀アセチリド由来の炭素材料の物性変化と電池特性への影響を調べたものである。
以上のようにして調製された各実施例1〜6及び比較例1の銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)及び0.5%質量減少温度と、これら各実施例1〜6及び比較例1の銀アセチリド由来の担体炭素材料のBET比表面積及び細孔径メソ孔容積V2-5とを測定した。
結果を表1に示す。
≪実施例7〜12≫
上記の銀アセチリド生成工程において、硝酸銀-アセチレンモル比(C2H2/AgNO3)を0.53に固定し、また、アセチレンガス吹込み時の反応温度を室温(25℃)に固定し、アセチレンガス吹込み時のアセチレンガス吹込み時間を表1に示す時間に変化させて銀アセチリドの合成を行ったこと以外は、実施例1〜6及び比較例1の場合と同様にして、銀アセチリド生成工程、第1の加熱処理工程、第2の加熱処理工程、洗浄処理工程、及び第3の加熱処理工程を実施し、それぞれ各実施例7〜12(実験記号E2-1〜E2-6)の銀アセチリドを調製すると共に、これら銀アセチリド由来の担体炭素材料を調製した。
このようにして調製された各実施例7〜12の銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)及び0.5%質量減少温度と、これら各実施例7〜12の銀アセチリド由来の担体炭素材料のBET比表面積及び細孔径メソ孔容積V2-5とを測定した。
結果を表1に示す。
≪実施例13〜16≫
上記の銀アセチリド生成工程において、硝酸銀-アセチレンモル比(C2H2/AgNO3)を0.53に固定し、また、アセチレンガス吹込み時のアセチレンガス吹込み時間を20時間に固定し、アセチレンガス吹込み時の反応温度を表1に示す時間に変化させて銀アセチリドの合成を行ったこと以外は、実施例1〜6及び比較例1の場合と同様にして、銀アセチリド生成工程、第1の加熱処理工程、第2の加熱処理工程、洗浄処理工程、及び第3の加熱処理工程を実施し、それぞれ各実施例13〜16(実験記号E3-1〜E3-4)の銀アセチリドを調製すると共に、これら銀アセチリド由来の担体炭素材料を調製した。
このようにして調製された各実施例13〜16の銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)及び0.5%質量減少温度と、これら各実施例13〜16の銀アセチリド由来の担体炭素材料のBET比表面積及び細孔径メソ孔容積V2-5とを測定した。
結果を表1に示す。
≪比較例2〜8≫
上記の銀アセチリド生成工程において、硝酸銀-アセチレンモル比(C2H2/AgNO3)を0.60とし、また、アセチレンガス吹込み時のアセチレンガス吹込み時間及び反応温度を表1に示す時間に変化させて銀アセチリドの合成を行ったこと以外は、実施例1〜6及び比較例1の場合と同様にして、銀アセチリド生成工程、第1の加熱処理工程、第2の加熱処理工程、洗浄処理工程、及び第3の加熱処理工程を実施し、それぞれ各比較例2〜8(実験記号C4-1〜C4-7)の銀アセチリドを調製すると共に、これら銀アセチリド由来の担体炭素材料を調製した。
このようにして調製された各比較例2〜8の銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)及び0.5%質量減少温度と、これら各比較例2〜8の銀アセチリド由来の担体炭素材料のBET比表面積及び細孔径メソ孔容積V2-5とを測定した。
結果を表1に示す。
≪実施例17〜20≫
上記の銀アセチリド生成工程において、硝酸銀-アセチレンモル比(C2H2/AgNO3)を0.53とし、アセチレンガス吹込み時のアセチレンガス吹込み時間を30時間とし、また、アセチレンガス吹込み時の反応温度を5℃とし、第3の加熱処理工程での熱処理温度を表1に示す温度に変化させたこと以外は、実施例1〜6及び比較例1の場合と同様にして、銀アセチリド生成工程、第1の加熱処理工程、第2の加熱処理工程、洗浄処理工程、及び第3の加熱処理工程を実施し、それぞれ各実施例17〜20(実験記号E5-2〜E5-5)の銀アセチリドを調製すると共に、これら銀アセチリド由来の担体炭素材料を調製した。
このようにして調製された各実施例17〜20の銀アセチリドの銀−炭素モル比(MC/MAg)及び0.5%質量減少温度と、これら各実施例17〜20の銀アセチリド由来の担体炭素材料のBET比表面積及び細孔径メソ孔容積V2-5とを測定した。
結果を表1に示す。また、これらの実施例で得られた銀アセチリドの熱重量分析の結果を図2に示す。
≪比較例9〜12≫
また、市販の多孔質炭素材料も比較例9〜12として検討した。
用いた多孔質炭素材料は、樹状構造を持ち細孔も発達し比表面積が大きい多孔質炭素材料A(ライオン社製ケッチェンブラックEC600JD)(比較例9)、この多孔質炭素材料Aを1800℃で2時間アルゴン流通下で熱処理した多孔質炭素材料B(比較例10)、樹状構造を持たない典型的な多孔質炭素材料として多孔質炭素材料C(東洋炭素社製CNOVEL-MH)(比較例11)、及びこの多孔質炭素材料Cを不活性雰囲気中で2000℃及び2時間の加熱処理した多孔質炭素材料D(比較例12)である。
これら比較例9〜12の各多孔質炭素材料A〜DのBET比表面積及び細孔径メソ孔容積V2-5を測定した。
結果を表1に示す。
≪触媒の調製、触媒層の作製、MEAの作製、燃料電池の組立、及び電池性能の評価≫
次に、以上のようにして調製され、また、準備された担体炭素材料を用い、以下のようにして触媒金属が担持された固体高分子型燃料電池用触媒を調製し、また、得られた触媒を用いて触媒層インク液を調製し、次いでこの触媒層インク液を用いて触媒層を形成し、更に形成された触媒層を用いて膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)を作製し、この作製されたMEAを燃料電池セルに組み込み、燃料電池測定装置を用いて発電試験を行った。以下、各部材の調製及び発電試験によるセル評価について詳細に説明する。
(1) 固体高分子型燃料電池用触媒(白金担持炭素材料)の作製
上記で作製した担体炭素材料、或いは、市販の炭素材料を、蒸留水中に分散させ、この分散液にホルムアルデヒドを加え、40℃に設定したウォーターバスにセットし、分散液の温度がバスと同じ40℃になってから、撹拌下にこの分散液中にジニトロジアミンPt錯体硝酸水溶液をゆっくりと注ぎ入れた。その後、約2時間撹拌を続けた後、濾過し、得られた固形物の洗浄を行った。このようにして得られた固形物を90℃で真空乾燥した後、乳鉢で粉砕し、次いで水素を5体積%含むアルゴン雰囲気中200℃で1時間熱処理をして白金触媒粒子担持炭素材料を作製した。
なお、この白金担持炭素材料の白金担持量については、担体炭素材料と白金粒子の合計質量に対して30質量%となるように調整し、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES: Inductively Coupled Plasma - Atomic Emission Spectrometry)により測定して確認した。
(2) 触媒層の調製
以上のようにして調製された白金担持炭素材料(Pt触媒)を用い、また、電解質樹脂としてDupont社製ナフィオン(登録商標:Nafion;パースルホン酸系イオン交換樹脂)を用い、Ar雰囲気下でこれらPt触媒とナフィオンとを白金触媒粒子担持炭素材料の質量に対してナフィオン固形分の質量が1.0倍、非多孔質炭素に対しては0.5倍の割合で配合し、軽く撹拌した後、超音波でPt触媒を解砕し、更にエタノールを加えてPt触媒と電解質樹脂とを合わせた合計の固形分濃度が1.0質量%となるように調整し、Pt触媒と電解質樹脂とが混合した触媒層インク液を調製した。
このようにして調製された固形分濃度1.0質量%の各触媒層インク液に更にエタノールを加え、白金濃度が0.5質量%のスプレー塗布用触媒層インク液を作製し、白金の触媒層単位面積当たりの質量(以下、「白金目付量」という。)が0.1mg/cm2となるようにスプレー条件を調節し、上記スプレー塗布用触媒層インクをテフロン(登録商標)シート上にスプレーした後、アルゴン中120℃で60分間の乾燥処理を行い、触媒層を作製した。
(3) MEAの作製
以上のようにして作製した触媒層を用い、以下の方法でMEA(膜電極複合体)を作製した。
ナフィオン膜(Dupont社製NR211)から一辺6cmの正方形状の電解質膜を切り出した。また、テフロン(登録商標)シート上に塗布されたアノード及びカソードの各触媒層については、それぞれカッターナイフで一辺2.5cmの正方形状に切り出した。
このようにして切り出されたアノード及びカソードの各触媒層の間に、各触媒層が電解質膜の中心部を挟んでそれぞれ接すると共に互いにずれが無いように、この電解質膜を挟み込み、120℃、100kg/cm2で10分間プレスし、次いで室温まで冷却した後、アノード及びカソード共にテフロン(登録商標)シートのみを注意深く剥ぎ取り、アノード及びカソードの各触媒層が電解質膜に定着した触媒層−電解質膜接合体を調製した。
次に、ガス拡散層として、カーボンペーパー(SGLカーボン社製35BC)から一辺2.5cmの大きさで一対の正方形状カーボンペーパーを切り出し、これらのカーボンペーパーの間に、アノード及びカソードの各触媒層が一致してずれが無いように、上記触媒層−電解質膜接合体を挟み、120℃、50kg/cm2で10分間プレスしてMEAを作製した。
なお、作製された各MEAにおける触媒金属成分、炭素材料、電解質材料の各成分の目付量については、プレス前の触媒層付テフロン(登録商標)シートの質量とプレス後に剥がしたテフロン(登録商標)シートの質量との差からナフィオン膜(電解質膜)に定着させた触媒層の質量を求め、触媒層の組成の質量比より算出した。
(4) 燃料電池の性能評価
各実施例及び比較例で調製され、また、準備された担体炭素材料を用いて作製したMEAについて、それぞれセルに組み込み、燃料電池測定装置にセットして、次の手順で燃料電池の性能評価を行った。
反応ガスについては、カソードに空気を、また、アノードに純水素を、それぞれ利用率が40%と70%となるように、セル下流に設けられた背圧弁で圧力調整し、背圧0.05MPaで供給した。また、セル温度は80℃に設定し、また、供給するガスについては、カソード及びアノード共に、加湿器中で65℃に保温された蒸留水でバブリングを行い、改質水素相当の水蒸気を含ませてセルに供給した。
このような設定の下にセルにガスを供給した条件下で、負荷を徐々に増やし、100mA/cm2及び1000mA/cm2におけるセル端子間電圧を出力電圧として記録し、得られた燃料電池の性能について、各電流密度の電圧により、下記の合格ランク◎及び○と不合格ランク×の基準で評価を行った。結果を表1に示す。
〔合格ランク〕
◎:100mA/cm2における出力電圧が0.83V以上であって、且つ、1000mA/cm2における出力電圧が0.65V以上であるもの。
○:100mA/cm2における出力電圧が0.81V以上0.83未満であって、且つ、1000mA/cm2における出力電圧が0.60V以上0.65V未満であるもの。
〔不合格ランク〕
×:合格ランク○に満たないもの。
〔耐久性の評価〕
上記セルにおいて、アノードはそのままに、カソードには上記と同じ加湿条件のアルゴンガスを流しながら、セル電圧を1.0Vにして4秒間保持する操作とセル電圧を1.3Vにして4秒間保持する操作とを繰り返す操作(矩形波的電圧変動の繰返し操作)を1サイクルとし、この矩形波的電圧変動の繰返し操作を400サイクル実施した後、1000mA/cm2における出力電圧を基に、サイクル前に対するサイクル後の1000mA/cm2における出力電圧の「維持率」を算出した。この維持率を下記の合格ランク◎及び○と不合格ランク×の基準で評価を行った。結果を表1に、維持率の評価結果を示す。
〔合格ランク〕
◎:1000mA/cm2における出力電圧の低下率が10%以下であるもの。
○:1000mA/cm2における出力電圧の低下率が10〜15%であるもの
〔不合格ランク〕
×:合格ランク○に満たないもの、即ち、出力電圧の低下率が15%以上であるもの。
Figure 0006815918

Claims (4)

  1. アセチレンの水素原子が1価の銀原子と置換したM22型の銀アセチリドであって、
    3次元樹状構造を有し、自己分解爆発反応後の分解生成物を測定用試料とする空気雰囲気下での400℃までの熱重量分析において、400℃近傍での残量から算出される銀のモル量(MAg)に対して銀以外のものを炭素のモル量(MC)として求められる銀−炭素モル比(MC/MAg)が1.0≦MC/MAg≦1.06であることを特徴とする銀アセチリド。
  2. 前記自己分解爆発反応後の分解生成物を測定用試料とする空気雰囲気下での熱重量分析において、質量減少率が0.5%になるときの温度T0.5(0.5%質量減少温度)が130℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の銀アセチリド。
  3. 硝酸銀のアンモニア水溶液中にアセチレンガスを吹き込んで硝酸銀とアセチレンガスとを反応させて3次元樹状構造を有する銀アセチリドを製造するに際し、
    前記硝酸銀に対するアセチレンガスのモル比を0.50〜0.53の範囲に制御すると共に、前記アセチレンガスの吹込み時間を10〜30時間に調整することを特徴とする銀アセチリドの製造方法。
  4. 前記硝酸銀とアセチレンガスとの反応の際における反応温度を0〜20℃に調整することを特徴とする請求項3に記載の銀アセチリドの製造方法。
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