JP6811031B2 - 生物硝化方法及び生物硝化システム - Google Patents
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Description
このように、多孔状のスポンジ担体を水槽に充填し、好気的条件下で流動させ、担体の内部や壁面に微生物を保持させる流動床型生物処理槽は公知であり、有機性排水の生物処理に多用されている。
しかし、アンモニア性窒素を含む地下水や表流水を上記のような流動床型生物処理層で処理する場合、有機性排水を処理する場合とは異なり、アンモニア性窒素の生物硝化反応が不安定になり、処理能力が低下することがある。処理能力の低下は、処理水中のアンモニア性窒素濃度の変動を引き起こす。
負荷変動により処理能力が低下する例として、アンモニア性窒素負荷を上げた後の処理水のアンモニア性窒素濃度の推移を示すグラフを図7に示した。このグラフは、後述する比較例1で用いたのと同じ生物硝化システムを用い、アンモニア性窒素負荷0.106kg−N/m3/d(被処理水のアンモニア性窒素濃度5.6mg/L、水滞留時間(HRT)1.3時間)、水温19℃の条件にて約1ヶ月間通水を行い、安定状態を示すようになった時点でHRTを0.9時間としてアンモニア性窒素負荷を0.144kg−N/m3/dに高め、その時点からの経過時間を横軸に、各経過時間における被処理水のアンモニア性窒素濃度を縦軸にとったグラフである。1槽目(被処理水の通水方向上流側)の流動床型生物処理槽の処理水のアンモニア性窒素濃度が0.9mg/L以下、2槽目(被処理水の通水方向下流側)の流動床型生物処理槽の処理水のアンモニア性窒素濃度が0.1mg/L以下を示すようになった状態を安定状態とした。通水時は、散気装置により、各槽の溶存酸素が飽和状態となるように過剰に空気を導入した。グラフ中、「1st」は1槽目の流動床型生物処理槽から排出された処理水のデータを示し、「2nd」は2槽目の流動床型生物処理槽から排出された処理水のデータを示す。図7に示すとおり、1槽目では、負荷変動の後に処理水の水質が大きく悪化していた。また、流動床型生物処理槽を2槽直列に配置した場合、通常、1槽目で負荷変動が吸収され、2槽目での負荷変動が小さくなるが、2槽目においても処理水の水質が悪化していた。
特に、地下水の飲用化処理においては、夜間等の水需要が少ない時間帯に、地下水の飲用化処理を停止し、水需要の多い昼間の時間帯のみ飲用化処理を行うことがある。このような水量的な負荷変動は、前述のような濃度変動による負荷変動よりもさらに、流動床型生物処理層の処理能力を低下させやすい。そのため、水量負荷変動のある条件においても、地下水に含まれるアンモニア性窒素の生物硝化反応を安定的に維持できる生物硝化方法及び生物硝化システムが求められる。
[1]散気装置が底部に設けられ、生物保持担体が充填された流動床型好気生物反応槽にて、アンモニア性窒素を含む地下水及び/又は表流水である被処理水を飲用化処理する生物硝化方法であって、
前記流動床型好気生物反応槽に前記被処理水をアンモニア性窒素負荷が0.1〜0.5(kg−N/m 3 /d)となるように通水する期間と通水しない期間とを交互に設け、前記被処理水を通水する期間は、前記散気装置から酸素含有ガスを連続的に供給し、前記被処理水を通水しない期間は、前記酸素含有ガスの供給を停止して酸素を積極的に供給しない状態を維持する、生物硝化方法。
[2]前記被処理水を通水しない期間の後、前記被処理水の通水及び前記酸素含有ガスの供給の再開時に、前記被処理水中に発生する旋回流の上昇流の流速を0.1〜0.5m/sの範囲内に保持する、[1]に記載の生物硝化方法。
[3]前記被処理水を通水しない期間が2〜12時間である、[1]又は[2]に記載の生物硝化方法。
[4]アンモニア性窒素を含む地下水及び/又は表流水である被処理水を飲用化処理する生物硝化システムであって、
散気装置が底部に設けられ、生物保持担体が充填された流動床型好気生物反応槽と、
前記被処理水を前記流動床型好気生物反応槽に供給する被処理水供給管と、
前記流動床型好気生物反応槽にて前記被処理水を処理して得られる処理水を前記流動床型好気生物反応槽から排出する処理水排出管と、
前記散気装置に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給管と、
前記流動床型好気生物反応槽への前記被処理水の供給量を調整する被処理水供給量調整手段と、
前記散気装置への前記酸素含有ガスの供給量を調整する酸素含有ガス供給量調整手段と、
を備え、
前記被処理水供給量調整手段は、前記流動床型好気生物反応槽に前記被処理水をアンモニア性窒素負荷が0.1〜0.5(kg−N/m 3 /d)となるように供給する期間と供給しない期間とを交互に設けるように構成されており、
前記酸素含有ガス供給量調整手段は、前記被処理水を供給する期間は前記酸素含有ガスの供給を連続的に行い、前記被処理水を供給しない期間は前記酸素含有ガスの供給を停止するように構成されている、生物硝化システム。
[5]前記酸素含有ガス供給量調整手段は、さらに、前記被処理水を供給しない期間の後、前記被処理水の供給及び前記酸素含有ガスの供給の再開時に、前記被処理水中に発生する旋回流の上昇流の流速が0.1〜0.5m/sの範囲内に保持されるように、前記酸素含有ガスの供給量を調整するように構成されている、[4]に記載の生物硝化システム。
[6]前記被処理水を通水しない期間が2〜12時間である、[4]又は[5]に記載の生物硝化システム。
(生物硝化システム)
図1は、本発明の第一実施形態の生物硝化システム1の概略構成図である。
生物硝化システム1は、アンモニア性窒素を含む地下水及び/又は表流水である被処理水を処理するものであって、
散気装置7が底部に設けられ、生物保持担体3が充填された流動床型好気生物反応槽2と、
前記被処理水を流動床型好気生物反応槽2に供給する被処理水供給管4と、
流動床型好気生物反応槽2にて前記被処理水を処理して得られる処理水を流動床型好気生物反応槽2から排出する処理水排出管5と、
散気装置7に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給管6と、
被処理水供給管4に設けられた、流動床型好気生物反応槽2への前記被処理水の供給量(通水量)を調整するポンプ10と、
酸素含有ガス供給管6に設けられた、散気装置7への酸素含有ガスの供給量(曝気量)を調整する弁8と、
酸素含有ガス供給管6の弁8の上流側に設けられたブロア11と、
ポンプ10、弁8及びブロア11それぞれの動作を制御する制御装置(図示略)と、
を備える。
被処理水供給管4の下流端は、流動床型好気生物反応槽2内の、被処理水の供給(通水)時において液面となる位置よりも上方に配置されている。
処理水排出管5の上流端は、流動床型好気生物反応槽2の側壁の上部に接続されている。この処理水排出管5の接続位置が、被処理水の供給時において液面となる位置である。この液面での流動床型好気生物反応槽2の水量が有効水量となる。
酸素含有ガス供給管6の下流端は、流動床型好気生物反応槽2の底部の、散気装置7が取り付けられた位置に接続されている。
制御装置によってポンプ10を動作させることにより、被処理水の供給源から被処理水を、被処理水供給管4を経て流動床型好気生物反応槽2に供給することができる。また、ポンプ10による送液量を調整することにより、被処理水の供給量(通水量)を調整できる。
制御装置によって弁8が開の状態でブロア11を動作させることにより、空気等の酸素含有ガスを、酸素含有ガス供給管6を経て散気装置7に供給することができる。また、ブロア11による送気量を調整することにより、酸素含有ガスの供給量(曝気量)を調整できる。
流動床型好気生物反応槽2としては、片側旋回流方式及び両側旋回流方式のものが好ましく用いられる。
図2に、流動床型好気生物反応槽2にて被処理水の通水及び酸素含有ガスの供給を行っている際の被処理水の流れ(旋回流)を模式的に示すフロー図を示す。
流動床型好気生物反応槽2に充填された生物保持担体3は、前記旋回流により、流動床型好気生物反応槽2内を自由に流動できるようになっている。
生物保持担体3としては、特に限定されず、流動床型好気生物反応槽に用いられる担体として公知のものを用いることができる。
生物保持担体3を構成する材料としては、例えばポリビニールアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレタン等が挙げられる。
生物保持担体3の形状としては、例えば直方体、球体、筒体、糸状体等が挙げられる。生物保持担体3は、多孔状でも非多孔状でもよく、硝化菌をより多く保持できる点で、多孔状であることが好ましい。
弁8としては、例えばゲート弁やバタフライ弁等が挙げられる。
固液分離装置9としては、例えばスクリーン等が挙げられる。
ポンプ10としては、例えば渦巻きポンプ等が挙げられる。
(1)ポンプ10を動作させて、流動床型好気生物反応槽2に前記被処理水を供給する期間と、ポンプ10の動作を停止して、流動床型好気生物反応槽2に前記被処理水を供給しない期間とを交互に設けるステップ。
(2)前記被処理水を供給する期間は、弁8を開としブロア11を動作させて、酸素含有ガスの供給を連続的に行い、前記被処理水を供給しない期間は、弁8を閉としブロア11の動作を停止して、前記酸素含有ガスの供給を停止するステップ。
(3)前記被処理水を供給しない期間の後、前記被処理水の供給及び前記酸素含有ガスの供給の再開時に、前記被処理水中に発生する旋回流の上昇流の流速が0.1〜0.5m/sの範囲内に保持されるように、前記酸素含有ガスの供給量を調整するステップ。
前記(1)のステップは、被処理水供給量調整手段により行われ、前記(2)、(3)のステップは、酸素含有ガス供給量調整手段により行われる。
かかる制御装置としては、例えば、前記(1)〜(2)または前記(1)〜(3)のステップを実行させるように構成されたプログラムが入力されたコンピュータが挙げられる。
生物硝化システム1は、アンモニア性窒素を含む地下水/又は表流水である被処理水を処理し、被処理水に含まれるアンモニア性窒素を生物硝化するために用いられる。生物硝化システム1で被処理水を処理することにより、被処理水よりもアンモニア性窒素濃度が低減された処理水が得られる。
生物硝化システム1では、流動床型好気生物反応槽2に被処理水を供給(通水)する期間と供給しない期間とを交互に設け、被処理水を供給する期間は、散気装置7から酸素含有ガスを連続的に供給し、被処理水を供給しない期間は、前記酸素含有ガスの供給を停止して酸素を積極的に供給しない状態を維持する。
この生物硝化方法では、まず、ポンプ10を動作させ、被処理水の供給源(図示なし)から被処理水を、被処理水供給管4を経て、硝化菌が付着した生物保持担体3が充填された流動床型好気生物反応槽2内に供給する。また、弁8を開とし、ブロア11を動作させて、酸素含有ガスを、酸素含有ガス供給管6を経て流動床型好気生物反応槽2内の散気装置7に供給する。これにより、散気装置7から被処理水中に酸素含有ガスが供給され、曝気が行われる。
曝気により流動床型好気生物反応槽2内に酸素が供給されると、被処理水中のアンモニア性窒素は、硝化菌の作用により流動床型好気生物反応槽2内でアンモニア酸化される。
アンモニア酸化の化学式は次式(I)で示される。
NH4 ++2O2+HCO3 −→HNO3+H2CO3+H2O (I)
硝化菌の生物保持担体3への付着は、例えば、種菌が付着した生物保持担体を一定量添加する方法により行うことができる。
Nitrosobactorを代表とする硝化菌は、独立栄養であり、基本的には炭酸ガスを唯一の炭素源としており、有機物基質を必要とせずアンモニアの存在下で生育できるが、その増殖速度は極めて小さい。したがって、生物硝化反応を高く保持するには、硝化菌を生物反応槽内に大量に保持する操作が必要となる。このために、硝化菌を、浮遊菌体ではなく生物保持担体3に付着した状態で保持する流動床型好気生物反応槽2が好適である。
被処理水のアンモニア性窒素濃度は、特に限定されないが、例えば1〜10mg/L程度が好ましい。アンモニア性窒素濃度は、連続的にはイオン電極、回分式には比色計等により測定される。
被処理水のBODは、5mg/L以下が好ましい。BODは、溶存酸素の減少速度から測定される。
被処理水の水温は、生物硝化反応を高く保持する観点から、10〜30℃が好ましく、15〜25℃がより好ましい。
アンモニア性窒素負荷は、0.1〜0.5kg−N/m3/dが好ましく、0.15〜0.25kg−N/m3/dがより好ましい。アンモニア性窒素負荷が前記範囲の上限値以下であれば処理量がより優れ、前記範囲の上限値以下であれば処理能力がより優れる。アンモニア性窒素負荷は、被処理水のアンモニア性窒素濃度と被処理水の通水量の積と、流動床型好気生物反応槽2の容積の関係により求められる。
HRTは、流動床型好気生物反応槽2から排出される処理水の所望のアンモニア性窒素濃度に応じて設定され、特に限定されないが、通常、0.5〜2.0時間程度である。
酸素含有ガスの供給量は、供給された酸素含有ガスによって形成される旋回流の上昇流の流速が0.1〜0.5m/sの範囲内に保持される量とすることが好ましい。旋回流の上昇流の流速は、0.1〜0.2m/sの範囲内であることがより好ましい。旋回流の上昇流の流速が前記範囲の下限値以上であれば生物保持担体3の流動性がより優れ、前記範囲の上限値以下であれば電力効率がより優れる。
酸素含有ガスの供給量は、前記酸素含有ガス供給量調整手段により調整できる。
旋回流の上昇流の流速は、電磁流速計等により測定できる。
酸素含有ガスを曝気する期間は、被処理水を供給する期間と同じである。
酸素含有ガスの供給を停止する期間は、被処理水を供給しない期間と同じである。
旋回流の上昇流の流速は、酸素含有ガスの供給量により調整できる。酸素含有ガスの供給量は、前記酸素含有ガス供給量調整手段により調整できる。
生物硝化システム1及びこれを用いた生物硝化方法にあっては、流動床型好気生物反応槽2に被処理水を通水しない期間に曝気を停止し、酸素を積極的に供給しない状態を維持することにより、被処理水のアンモニア性窒素濃度の変動や被処理水の水量の変動等の負荷変動があった場合でも、被処理水に含まれるアンモニア性窒素の生物硝化反応を安定的に維持することができる。そのため、得られる処理水の水質を、変動の小さい安定的なものとすることができる。
本発明にあっては、意外にも、被処理水を通水しない期間に曝気操作も停止することで、負荷変動による影響を低減できる。これは、通水停止時に曝気を停止することによって、生物保持担体に保持された硝化菌の自己消化(自己酸化分解)を抑制できるためと考えられる。自己消化を抑制できることで、硝化菌の保持量を維持でき、通水再開時にも硝化反応を安定的に生じさせ得ると考えられる。
(生物硝化システム)
図3は、本発明の第二実施形態の生物硝化システム20の概略構成図である。なお、以下に示す実施形態において、前出の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
生物硝化システム20は、第一実施形態の生物硝化システム1を2つ直列に連結したものである。ただし、1槽目(被処理水の通水方向上流側)の流動床型好気生物反応槽2から処理水を排出する処理水排出管5の下流端が2槽目の流動床型好気生物反応槽2に接続されており、この処理水排出管5が、2槽目の流動床型好気生物反応槽2に被処理水を供給する被処理水供給管を兼ねるようになっている。つまり1槽目の流動床型好気生物反応槽2から排出された処理水が、2槽目の流動床型好気生物反応槽2の被処理水として用いられるようになっている。また、制御装置(図示なし)は、1つのポンプ10、2つの弁8,8及び2つのブロア11,11それぞれの動作を制御するようになっている。
生物硝化システム20を用いた生物硝化方法は、第一実施形態の生物硝化システム1を用いた生物硝化方法と同様にして行うことができ、好ましい態様も同様である。
1槽目、2槽目それぞれの流動床型好気生物反応槽2における生物保持担体3の充填量、酸素含有ガスの供給量、HRT(水滞留時間)等はそれぞれ同じでもよく異なってもよい。
生物硝化システム20及びこれを用いた生物硝化方法にあっては、第一実施形態と同様に、負荷変動があった場合でも、被処理水に含まれるアンモニア性窒素の生物硝化反応を安定的に維持することができ、得られる処理水の水質を、変動の小さい安定的なものとすることができる。
また、2槽の流動床型好気生物反応槽2,2を直列に連結しているため、流動床型好気生物反応槽2が1槽のみの場合に比べて、負荷変動の影響をより小さくすることができ、アンモニア性窒素の生物硝化反応を安定的に維持する効果がより優れる。
(生物硝化システム)
図4は、本発明の第三実施形態の生物硝化システム30の概略構成図である。
生物硝化システム30は、流動床型好気生物反応槽2の上部の開口を覆う覆蓋12をさらに備える以外は、第一実施形態の生物硝化システム1と同様である。
覆蓋12には、空気排出口12aが形成されている。空気排出口12aは、流動床型好気生物反応槽2の外部から流動床型好気生物反応槽2内への空気の流入を抑制し、流動床型好気生物反応槽2内から外部への気体の流出は抑制しないように構成されている。
生物硝化システム30を用いた生物硝化方法は、第一実施形態の生物硝化システム1を用いた生物硝化方法と同様にして行うことができ、好ましい態様も同様である。
生物硝化システム30及びこれを用いた生物硝化方法にあっては、第一実施形態と同様に、負荷変動があった場合でも、被処理水に含まれるアンモニア性窒素の生物硝化反応を安定的に維持することができ、得られる処理水の水質を、変動の小さい安定的なものとすることができる。
また、空気排出口12aが形成された覆蓋12で流動床型好気生物反応槽2の上部の開口が覆われていることにより、被処理水を供給しない期間(酸素含有ガスの供給を停止する期間)に、流動床型好気生物反応槽2の外部の空気が流動床型好気生物反応槽2上部の気相部分に流入し、この空気中の酸素が被処理水中に移動することを抑制できる。これにより、被処理水を供給しない期間中の硝化菌の自己消化(自己酸化分解)及びそれに伴う硝化菌の保持量の低下をより効果的に抑制でき、被処理水の供給再開時の生物硝化反応の安定性がより高まる。
例えば、上記の各実施形態では、ポンプ10、弁8及びブロア11を制御装置により制御する例を示したが、ポンプ10、弁8、ブロア11を、手動、遠隔操作等により制御してもよい。
第二実施形態では、2槽の流動床型好気生物反応槽2を直列に連結した例を示したが、流動床型好気生物反応槽2を3槽以上直列に連結した構成としてもよく、2槽以上の流動床型好気生物反応槽2を並列に連結した構成としてもよい。処理能力の点では、第二実施形態に示したように、2槽の流動床型好気生物反応槽2を直列に連結した構成が好ましい。
第二実施形態の複数の流動床型好気生物反応槽2,2に第三実施形態に示したような、空気排出口12aが形成された覆蓋12を設けてもよい。
本実施例においては、図3に示した生物硝化システム20と同様の構成の生物硝化システムを用いて、以下の手順で生物硝化を行った。
被処理水として、地下水に塩化アンモニウムおよび重炭酸水素ナトリウムを加え、アンモニア窒素濃度を5.6mg/L、アルカリ度を80mg/Lに調整した人工地下水を用意した。
流動床型好気生物反応槽2として、完全混合槽型の透明アクリル製水槽を用いた。前記透明アクリル製水槽は、幅:120mm、奥行き:60mm、高さ:270mm(有効水量1.75L)の片側旋回流角型水槽である。水槽底部には散気球が設けられている。この透明アクリル製水槽に生物保持担体3を充填率が30体積%となるように充填した。生物保持担体3としては、発泡ポリウレタン製のスポンジ担体(株式会社イノアックコーポレーション製、商品名ウォターフレックス、5mm角型:品番AQ−14)を用いた。
スポンジ担体を透明アクリル製水槽に充填する前に、すでに培養して硝化菌が付着しているスポンジ担体を一定量添加した。
通水開始から約1か月経過後に安定状態、すなわち1槽目のアンモニア性窒素濃度が0.9mg/L、2槽目のアンモニア性窒素濃度が0.1mg/L以下を示すようになった。このように安定状態となったことを確認した上で、1日の通水工程として、通水及び曝気を連続的に行う期間を16時間設け、その後の8時間、通水を停止するとともに曝気を停止する期間を設ける操作を1週間繰り返した。
上記操作を繰り返す間、通水及び曝気の停止後に通水及び曝気を再開した後の、前記透明アクリル製水槽から排出された処理水のアンモニア性窒素濃度(処理水アンモニア性窒素濃度)の代表的な推移を図5に示した。1槽目出口(1st)の処理水アンモニア性窒素濃度は、再開後2時間ほど安定状態の0.9mg/Lを上回ったものの、再開2.5時間後には0.9mg/Lを示した。また、2槽目出口(2nd)の処理水アンモニア性窒素濃度は、再開後1時間までは安定状態の0.1mg/Lを上回る0.2mg/Lを示したものの、その1時間後には0.1mg/Lを示した。
このように、通水と通水停止のサイクルを繰り返しても、通水停止時に曝気を停止することにより、極めて安定な運転が可能なことが確認された。
実施例1で用いたのと同じ生物硝化システム及び人工地下水を用い、以下の手順で生物硝化を行った。
前記透明アクリル製水槽に前記人工地下水(17℃)を通水した。通水は、水槽底部の散気球から空気を導入し、曝気流動状態にて、水滞留時間(HRT)が0.9時間となるように行った。この時のアンモニア性窒素負荷は0.144kg−N/m3/dであった。空気の導入量は、被処理水の旋回流の上昇流の流速が0.15m/sに保持される量とした。
通水開始から約1か月経過後に、安定状態となったことを確認した上で、1日の通水工程として、通水及び曝気を連続的に行う期間を16時間設け、その後の8時間、通水を停止するとともに曝気を継続する期間を設ける操作を1週間繰り返した。
上記操作を繰り返す間、通水及び曝気の停止後に通水及び曝気を再開した後の処理水アンモニア性窒素濃度の代表的な推移を図6に示した。1槽目出口(1st)のアンモニア性窒素濃度は、通水再開直後に2mg/L程度と高い値を示し、安定状態の0.9mg/Lに達したのは通水工程の終わりの16時間後となった。また、2槽目出口(2nd)のアンモニア性窒素濃度は、通水再開の1時間後に0.3mg/Lと高い値を示し、安定状態の0.1mg/Lに達するのに約6時間を要した。
このように、通水と通水停止のサイクルを繰り返す際、通水停止期間に曝気を継続すると、通水再開時に処理水の水質が悪化する結果となった。
2 流動床型好気生物反応槽
3 生物保持担体
4 被処理水供給管
5 処理水排出管
6 酸素含有ガス供給管
7 散気装置
8 弁
9 固液分離装置
10 ポンプ
11 ブロア
12 覆蓋
12a 空気排出口
20 生物硝化システム
30 生物硝化システム
Claims (6)
- 散気装置が底部に設けられ、生物保持担体が充填された流動床型好気生物反応槽にて、アンモニア性窒素を含む地下水及び/又は表流水である被処理水を飲用化処理する生物硝化方法であって、
前記流動床型好気生物反応槽に前記被処理水をアンモニア性窒素負荷が0.1〜0.5(kg−N/m 3 /d)となるように通水する期間と通水しない期間とを交互に設け、前記被処理水を通水する期間は、前記散気装置から酸素含有ガスを連続的に供給し、前記被処理水を通水しない期間は、前記酸素含有ガスの供給を停止して酸素を積極的に供給しない状態を維持する、生物硝化方法。 - 前記被処理水を通水しない期間の後、前記被処理水の通水及び前記酸素含有ガスの供給の再開時に、前記被処理水中に発生する旋回流の上昇流の流速を0.1〜0.5m/sの範囲内に保持する、請求項1に記載の生物硝化方法。
- 前記被処理水を通水しない期間が2〜12時間である、請求項1又は2に記載の生物硝化方法。
- アンモニア性窒素を含む地下水及び/又は表流水である被処理水を飲用化処理する生物硝化システムであって、
散気装置が底部に設けられ、生物保持担体が充填された流動床型好気生物反応槽と、
前記被処理水を前記流動床型好気生物反応槽に供給する被処理水供給管と、
前記流動床型好気生物反応槽にて前記被処理水を処理して得られる処理水を前記流動床型好気生物反応槽から排出する処理水排出管と、
前記散気装置に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給管と、
前記流動床型好気生物反応槽への前記被処理水の供給量を調整する被処理水供給量調整手段と、
前記散気装置への前記酸素含有ガスの供給量を調整する酸素含有ガス供給量調整手段と、
を備え、
前記被処理水供給量調整手段は、前記流動床型好気生物反応槽に前記被処理水をアンモニア性窒素負荷が0.1〜0.5(kg−N/m 3 /d)となるように供給する期間と供給しない期間とを交互に設けるように構成されており、
前記酸素含有ガス供給量調整手段は、前記被処理水を供給する期間は前記酸素含有ガスの供給を連続的に行い、前記被処理水を供給しない期間は前記酸素含有ガスの供給を停止するように構成されている、生物硝化システム。 - 前記酸素含有ガス供給量調整手段は、さらに、前記被処理水を供給しない期間の後、前記被処理水の供給及び前記酸素含有ガスの供給の再開時に、前記被処理水中に発生する旋回流の上昇流の流速が0.1〜0.5m/sの範囲内に保持されるように、前記酸素含有ガスの供給量を調整するように構成されている、請求項4に記載の生物硝化システム。
- 前記被処理水を通水しない期間が2〜12時間である、請求項4又は5に記載の生物硝化システム。
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JP2016095591A JP6811031B2 (ja) | 2016-05-11 | 2016-05-11 | 生物硝化方法及び生物硝化システム |
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