以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。加えて、下皿15の左部には、LEDが内蔵された演出ボタン125が設けられており、演出ボタン125を押圧操作することで、後述する装飾図柄表示装置42等において対応する演出が行われたり、演出内容が変更されたりする。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段(可変抵抗器)が設けられている。そして、ハンドル18が右回りに回動操作されると、回動操作量に応じた強さで、後述する発射手段としての発射装置60によって遊技球が発射される。また、ハンドル18には、ハンドル18を握った右手の親指で押圧操作可能な発射禁止ボタン18aが設けられている。当該発射禁止ボタン18aを押圧した状態においては、ハンドル18を握っていたとしても、発射装置60による遊技球の発射が禁止される。このため、遊技球の発射を禁止しつつハンドル18の回動操作を行ったり、ハンドル18を握った状態で、一時的に遊技球の発射を止めたりすることができる。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射装置60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
さらに、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入球手段としての第1及び第2始動入賞ユニット33a、33b、スルーゲート34、可変入球手段としての中央入賞ユニット37、可変表示手段としての第1特別表示装置43L及び第2特別表示装置43R等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、始動入賞ユニット33a、33bへの入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には5個、可変入賞装置32への入球があった場合には10個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで中央入賞ユニット37について図7〜図11を参照してより詳しく説明する。中央入賞ユニット37は、遊技領域(遊技盤30)の中央部に設けられ、遊技領域を移動(流下)する遊技球が入球可能な特定領域401を形成するハウジング402と、ハウジング402の下部に設けられた振分機構403と、ハウジング402の上部両側方に形成された入球開口部405を開閉する羽部材406と、羽部材406を開閉動作させる羽用ソレノイド407とを備えている。羽部材406が閉鎖された場合には、中央入賞ユニット37が閉状態とされ(入球開口部405が閉鎖され)、特定領域401への入球が不可能とされる。一方、羽部材406が開放された場合には、中央入賞ユニット37が開状態とされ(入球開口部405が開放され)、特定領域401への入球が許容される。尚、詳しくは後述するが、羽部材406は、第1始動入賞ユニット33a又は第2始動入賞ユニット33bへの入球があり、かつ、当該入球に基づく抽選にて当選した(小当たりした)場合に所定時間だけ開状態とされる。
図9〜図11に示すように、振分機構403は、略円形状の凹部412を有するベース411と、凹部412の内側において回転可能に設けられた略円盤状の回転体413と、回転体413を常時一定方向に一定周期で回転させる回転体モータ414とを備えている。本実施形態では、回転体413は、図9〜図11の反時計回り方向に回転する構成となっている。回転体モータ414はステッピングモータにより構成され、主制御装置261から出力されるパルス信号により駆動制御される。
回転体413は、その外周縁に沿って10箇所にそれぞれ遊技球を1つずつ受入れ可能なポケット部を有している。当該10個のポケット部は、1つの特定受入れ部417と、その他(9個)の非特定受入れ部418とに区別される。非特定受入れ部418は、回転体413の外周側及び上方に開口するとともに底壁部を有しており、かかる底壁部上面は回転体413の外周側に向けて下方傾斜している。一方、特定受入れ部417は回転体413の外周側、上方、及び下方に開口しており、前記非特定受入れ部418のような底壁部は存在しない。
また、図10に示すように、ベース411は、特定領域401に入球した遊技球を遊技領域の外部に排出する特定入賞口421及び非特定入賞口422を備えている。より具体的には、特定入賞口421は、凹部412の底面に形成されており、特定受入れ部417に流入した遊技球が入球可能に構成されている。本実施形態では、特定入賞口421が特定入球手段に相当する。また、非特定入賞口422は、凹部412の側面に形成されており、非特定受入れ部418に流入した遊技球が入球可能に構成されている。
さらに、ベース411は、詳しくは後述する遊技球をパチンコ機10の外部に排出するための排出通路部217と特定入賞口421とを連通させる特定排出通路423と、排出通路部217と非特定入賞口422とを連通させる非特定排出通路424とを備えている。また、特定排出通路423には、特定排出通路423を通過する遊技球、すなわち、特定入賞口421に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段としての特定入球検知スイッチ425と、事前検知手段としての事前検知スイッチ427とが設けられている。事前検知スイッチ427は、特定入球検知スイッチ425の上流側に設けられており、特定入賞口421に入球した遊技球は、事前検知スイッチ427に検知された後、特定入球検知スイッチ425に検知される構成となっている。また、本実施形態では、特定排出通路423において事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425との間の間隔が約5mm(6mm以下)に設定されている。さらに、本実施形態では、事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425とが前後に(パチンコ機10の奥行方向に)並ぶようにして設けられている。尚、事前検知スイッチ427及び特定入球検知スイッチ425の幅は約5mmであり、遊技球の直径は約11mmとなっている。当該構成により、例えば、2つの遊技球が接触しながら特定入賞口421に入球した場合、先の遊技球が事前検知スイッチ427に検知された後、後の遊技球が事前検知スイッチ427に検知される前に、先の遊技球が特定入球検知スイッチ425に検知されるようになっている。
さらに、非特定排出通路424には、非特定排出通路424を通過する遊技球、すなわち、非特定入賞口422に入球した遊技球を検知する非特定入球検知手段としての非特定入球検知スイッチ426が設けられている。本実施形態では、特定入球検知スイッチ425による検知があった場合に、可変入賞装置32が30秒間開放状態とされる、又は、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、これが所定回数繰り返される大当たり状態(特別遊技状態)が発生する構成となっている。
尚、本実施形態では、大当たり状態の種別として、上記「ラウンド」が3回繰り返される「3ラウンド大当たり」及び「特殊3ラウンド大当たり」と、上記「ラウンド」が8回繰り返される「8ラウンド大当たり」及び「特殊8ラウンド大当たり」と、上記「ラウンド」が16回繰り返される「16ラウンド大当たり」とがある。さらに、「特殊3ラウンド大当たり」、「特殊8ラウンド大当たり」、及び「16ラウンド大当たり」に関しては、大当たり状態の終了後に、第2始動入賞ユニット33bに遊技球が入球しやすくなる高入球状態に移行する。本実施形態では、特定領域401に入球した遊技球が特定入賞口421に入球すると、特定入球検知スイッチ425の検知に基づいて大当たり状態の種別を決定するための種別抽選が行われ、当該種別抽選に基づいて、いずれかの種別の大当たり状態が付与される。
尚、特定領域401は、羽部材406が開くことで遊技球が入球できる領域であって、該領域に入球した遊技球が特定入賞口421又は非特定入賞口422に入球するまでの領域であると定義することができる。
また、中央入賞ユニット37は、入球開口部405から特定領域401に入球した遊技球を回転体413へと導く案内通路を備えている。案内通路は、入球開口部405から特定領域401に入球した遊技球が振分機構403側(回転体413)に直接落下することを防止しつつ、当該遊技球を特定領域401の奥側に案内する導入部431(図7参照)と、導入部431の奥側から遊技球を回転体413の後部近傍位置まで案内する第1案内通路432(図8参照)と、第1案内通路432を経由してきた遊技球を回転体413の前方位置へと誘導するとともに、回転体413の受入れ部417、418に流入させる第2案内通路433及び第3案内通路434(図11参照)とを備えている。本実施形態では、第1案内通路432に対応して、第1案内通路432を通過する遊技球を検知する進入検知手段としての入球カウントスイッチ437が設けられている。
図11に示すように、第2案内通路433及び第3案内通路434は、第1案内通路432の終端部から左右に分岐するようにして延設されており、第2案内通路433は凹部412(回転体413)の正面視左側の外周縁に沿って延び、第3案内通路434は凹部412(回転体413)の正面視右側の外周縁に沿って延びている。また、第2案内通路433の底面には上方に突出し、第2案内通路433の下流側に向けて下方傾斜する案内リブ433aが設けられている。当該案内リブ433aの存在により、第3案内通路434を経由した遊技球が回転体413に到達するまでの時間よりも、第2案内通路433を経由した遊技球が回転体413に到達するまでの時間の方が短くなる。
また、第2及び第3案内通路433、434の終端部の底面は、凹部412に設置された回転体413の非特定受入れ部418の底面よりも上方、かつ、受入れ部417、418(回転体413の側壁部)の上端部よりも下方に位置している。このため、第2又は第3案内通路433、434を経由した遊技球は、当該案内通路433、434の終端部位置と受入れ部417、418との相対位置とが合致したときに、回転体413の外周側から各受入れ部417、418に流入するとともに、一旦各受入れ部417、418に流入した遊技球は第2又は第3案内通路433、434側に逆流しない構成となっている。
加えて、図8に示すように、中央入賞ユニット37は、特定領域401において回転体413の上方に設けられ、特定領域401を移動する遊技球の移動経路を変更可能なルート変更手段としての第1可動役物441(図4参照)と、第1可動役物441を上下に動作させる第1役物駆動モータ442とを備えている。第1可動役物441は、特定領域401に入球した遊技球が通過可能な第4案内通路443を備えている。第1可動役物441が上方に位置している場合、第1案内通路432を通過した遊技球は、上記のように第2又は第3案内通路433、434のどちらかを経由して、回転体413の受入れ部417、418に流入する。一方、第1可動役物441が下方に位置している場合、第1案内通路432を通過した遊技球が第4案内通路443に案内される。そして、第4案内通路443を通過した遊技球は、凹部412(回転体413)の前方、かつ、第2案内通路433の終端部と第3案内通路434cの終端部との間に設けられた投下部445に案内され、当該投下部445に案内された遊技球は回転体413の受入れ部417、418へと案内される。
投下部445の終端部底面は、受入れ部417、418(回転体413)の上端部よりも上方に位置しており、第4案内通路443及び投下部445を経由した遊技球は、回転体413の上方から各受入れ部417、418に流入する。このため、第4案内通路443を経由する遊技球は、投下部445の終端部において、当該終端部と受入れ部417、418との相対位置が合致するまで待機するといった事態がなくなることから、第2又は第3案内通路433、434を経由する遊技球に比べ、遊技球が特定領域401に入球してから各受入れ部417、418に収容されるまでの時間のずれ(ばらつき)が小さくなる。本実施形態では、遊技球が特定領域401に入球してから、第4案内通路443を経由し、各受入れ部417、418に収容されるまでの平均の時間(標準時間)が約2秒となっている。
また、本実施形態では、ベース411の凹部412底面に形成される特定入賞口421は、回転体413の回転方向に沿って、第2案内通路433の終端部から第3案内通路434の終端部にかけて(凹部412の前縁部に沿って)形成されている。このため、遊技球は、第2、第3、及び第4案内通路433、434、443のいずれかを経由して特定受入れ部417に流入すると、直ちに特定入賞口421に入球して特定領域401から排出されることとなる。尚、遊技球が非特定受入れ部418に流入した場合、当該遊技球が収容された非特定受入れ部418と非特定入賞口422とが一致するまで回転体413が所定量回動した後に非特定入賞口422に入球して特定領域401から排出されることとなる。ちなみに、遊技球が特定領域401に入球してから、第4案内通路443を経由し、特定入賞口421又は非特定入賞口422に入球するまで時間は約1.8〜2.5秒となっている。尚、特定領域401に入球した遊技球が第2案内経路433、第3案内経路434を経由する場合、遊技球が特定領域401に入球してから特定入賞口421又は非特定入賞口422に入球するまでの時間は、約2.5〜4.5秒となっている。
尚、上記のように第4案内通路443及び投下部445を経由した遊技球は、回転体413の前部上方から受入れ部417、418に流入する構成であるため、第4案内通路443及び投下部445を経由した遊技球が流入したときの受入れ部417、418と前記投下部445との相対位置関係は常には一定ではない(完全に合致していなくても流入する)。これに対し、上記のように、投下部445から落下した遊技球が流入する可能性のある特定受入れ部417の位置全てに対応して特定入賞口421を形成しておくことで、投下部445から特定受入れ部417に遊技球が流入した場合には、特定受入れ部417の相対位置によらず特定受入れ部417から直ぐに特定入賞口421に排出される。これにより、遊技球が特定領域401に入球してから、第4案内通路443を経由し、特定入賞口421に入球するまでの時間のばらつきを小さくすることができる。
本実施形態では、第1役物駆動モータ442がオンの状態とされると、第1可動役物441が下方に位置した状態となり、特定領域401に入球した遊技球は第4案内通路443を経由して回転体413に至る構成となっている。尚、第1役物駆動モータ442はステッピングモータにより構成され、主制御装置261から出力されるパルス信号により駆動制御される。
また、図7、図8に示すように、中央入賞ユニット37は、ハウジング402の天辺(特定領域401の上方)に設けられた一般入賞口31と、一般入賞口33に入球した遊技球を検知する一般入賞口スイッチ221と、導入部431の後方に設けられたラウンド表示装置47(図4参照)と、ハウジング402の下部前面に設けられた普通図柄表示装置41、普通変動保留ランプ44、及び、特別変動保留ランプ46とを備えている。
ラウンド表示装置47は、2つの7セグメント表示装置により構成されている。本実施形態では、特定入賞口421に遊技球が入球すると、特定入球検知スイッチ425の検知に基づいて大当たり状態の種別を決定する種別抽選が行われるとともに、当該抽選の結果を教示するための変動表示がラウンド表示装置47にて行われる。そして、当該変動表示が停止された際に、種別抽選の結果に応じた種別の大当たり状態が付与される。
本実施形態では、特定入賞口421に遊技球が入球すると、ラウンド表示装置47にて、「03」→「08」→「P3」→「16」→「P8」→「03」→・・・という具合に高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、「3ラウンド大当たり」に当選した場合には「03」が変動停止時に表示され、「8ラウンド大当たり」に当選した場合には「08」が変動停止時に表示され、「特殊3ラウンド大当たり」に当選した場合には「P3」が変動停止時に表示され、「特殊8ラウンド大当たり」に当選した場合には「P8」が変動停止時に表示され、「16ラウンド大当たり」に当選した場合には「16」が変動停止時に表示される。尚、大当たり状態中においては、ラウンド表示装置47にて、現在のラウンド数が表示される。また、ラウンド表示装置47は、後述する主制御手段としての主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第2始動入賞ユニット33b(後述する開閉部材33c)が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球がスルーゲート34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が普通変動保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
尚、特定入賞口421を開閉可能な第1シャッタ及び第1シャッタを開閉動作させる第1ソレノイドを設けるとともに、非特定入賞口422を開閉可能な第2シャッタ及び第2シャッタを開閉動作させる第2ソレノイドを設けることとしてもよい。さらに、電源起動時には第1及び第2ソレノイドが励磁状態とされて特定入賞口421及び非特定入賞口422が開放され、停電時には第1及び第2ソレノイドが非励磁状態とされて特定入賞口421及び非特定入賞口422が閉鎖されることとしてもよい。この場合、停電の前後で入球カウンタの整合が取れなくなってしまうといった事態をより確実に防止することができる。
図4に示すように、第1始動入賞ユニット33aは、中央入賞ユニット37の左下方、及び右下方に1つずつ(合計2つ)設けられている。また、第2始動入賞ユニット33bは、中央入賞ユニット37の下方に1つ設けられている。さらに、第2始動入賞ユニット33bは両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。加えて、本実施形態では、第2始動入賞ユニット33bの直上方に遊技釘が配設されており、開閉部材33cが閉じた状態では、遊技球を第2始動入賞ユニット33bへ入球させることができない構成となっている。すなわち、第1始動入賞ユニット33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、第2始動入賞ユニット33bは、遊技球がスルーゲート34を通過することに基づく入球アシスト抽選にて当選した場合に、遊技球が開閉部材33cへ入球可能となる。尚、本実施形態では、開閉部材33cが開放されている場合、中央入賞ユニット37の右方を通過した遊技球、及び、中央入賞ユニット37の左方を通過した遊技球のいずれも第2始動入賞ユニット33bに入球可能となっている。
尚、詳しくは後述するが、第1始動入賞ユニット33a、第2始動入賞ユニット33bは、入球した遊技球をそれぞれ検知する始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bを備えている。そして、当該始動入賞スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、羽部材406を開放させる(特定領域401を開状態とする)か否か、及び、大当たり状態を発生させるか否かの抽選(開放・当否抽選)が行われるとともに、特別表示装置43L、43Rにて、当該抽選の結果を教示するための変動表示が行われる構成となっている。すなわち、当該抽選における「当たり」としては、羽部材406が開放される「小当たり」と、可変入賞装置32が開放される「大当たり」とがあり、始動入賞スイッチ224a、224bの検知に基づいて、これらどちらかの「当たり」となるか、それとも羽部材406及び可変入賞装置32いずれも開放されない「外れ」となるかの抽選が行われる。ちなみに、詳しくは後述するが、「小当たり」した場合には、羽部材406が1回(1秒間)開放され、「大当たり」した場合には、可変入賞装置32が30秒間開放状態とされる、又は、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、これが所定回数繰り返される。
尚、本実施形態では、第1及び第2始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づく開放・当否抽選にて「大当たり」に当選した場合だけでなく、上記のように特定領域401の特定入賞口421に入球した場合にも「大当たり状態」が発生する構成となっている。また、本実施形態では、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づく開放・当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には、必ず「16ラウンド大当たり」が付与される。
第1及び第2特別表示装置43L、43Rは、遊技盤30の右下部に設置され、それぞれ7セグメント表示装置により構成されている。そして、第1始動入賞ユニット33aへの遊技球の入球を契機として第1特別表示装置43Lにて切替表示(変動表示)が行われ、第2始動入賞ユニット33bへの遊技球の入球を契機として第2特別表示装置43Rにて切替表示(変動表示)が行われる構成となっている。尚、特別表示装置43L、43Rは、後述する主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われた後、当該変動表示が停止したときの表示態様(例えば、文字)により、大当たりか否かが確定的に表示される。第1又は第2始動入賞ユニット33a、33bに遊技球が入賞すると、対応する第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて、「7」→「−」→「3」→「7」→・・・という具合に高速で(例えば4msec毎に)切替表示(変動表示)がなされ、所定時間が経過すると、いずれかの表示態様を停止表示(例えば数秒間停止)する。そして、大当たり抽選にて「大当たり」に当選した場合には、「7」が変動停止時に表示され、大当たり状態が発生する。また、「小当たり」に当選した場合には、「3」が変動停止時に表示され、小当たり状態が発生する(羽部材406が開放される)。さらに、「外れ」となった場合には「−」が変動停止時に表示される。尚、第1特別表示装置43L、第2特別表示装置43Rのどちらか一方において、変動表示又は決定表示が行われている場合には、他方が消灯状態とされており(「−」を表示しておいてもよい)、どちらにおいても変動表示及び決定表示が行われていない場合には、両方においてそれぞれ「−」が表示される。
また、第1又は第2特別表示装置43L、43Rの変動表示中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では、第1及び第2始動入賞ユニット33a、33bに入賞した遊技球に対応して、合計4回までの変動表示が保留される。また、その保留回数が上記保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。尚、大当たり状態中に新たに遊技球が始動入賞ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留され、当該変動表示は大当たり状態の終了後に実行される。また、保留されている変動表示は、変動中の変動表示が停止表示された直後に開始される。すなわち、「小当たり」に対応する変動表示の後に行われる変動表示は、羽部材406が開放されるのと同時に変動が開始される。
スルーゲート34は、第2始動入賞ユニット33bと中央入賞ユニット37との間に配置され、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。本実施形態では、中央入賞ユニット37の左方を通過した遊技球、及び、中央入賞ユニット37の右方を通過した遊技球がいずれもスルーゲート34を通過可能となっている、また、スルーゲート34は、当該スルーゲート34を通過する遊技球を検知可能なスルーゲートスイッチ225を備えている。当該スルーゲートスイッチ225にて遊技球が検知された場合には、上記のように第2始動入賞ユニット33bを開状態とするか否かの入球アシスト抽選が行われるとともに、上記普通図柄表示装置41にて当該入球アシスト抽選の結果を教示するための変動表示が行われる。そして、入球アシスト抽選にて当選した場合には、変動表示の終了後に第2始動入賞ユニット33b(開閉部材33c)が規定時間だけ開状態とされる。尚、詳しくは後述するが、通常モードにおいては、入球アシスト抽選に対応する変動表示が15秒であるとともに、当選した場合の開閉部材33cの開放時間が0.4秒であるのに対し、高入球状態である時短モード及びナビモードにおいては、入球アシスト抽選に対応する変動表示が0.5秒であるとともに、当選した場合の開閉部材33cの開放時間が2秒となっている。
装飾図柄表示装置42は、中央入賞ユニット37の右方に設けられ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rによる変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42を備えている。本実施形態では、装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり状態(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。また、当該可変入賞装置32は、遊技領域(遊技盤30)の下部中央に配置されており、中央入賞ユニット37の左方の遊技領域を通過した遊技球、及び、中央入賞ユニット37の右方を通過した遊技球がいずれも入球可能となっている。加えて、中央入賞ユニット37の左方には第2可動役物447が設けられている。第2可動役物は、図示しない第2役物駆動モータにより上下に動作可能に構成されている。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、外レール構成部52の略先端部(図4の右上部)には、返しゴム54が取着されている。所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって例えば遊技盤30の略中央部側へ戻されることとなる。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30の背面には、中央入賞ユニット37等を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び始動入賞ユニット33a、33b等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、第1始動入賞ユニット33a、第2始動入賞ユニット33bには、それぞれに対応して始動入球検知手段としての第1始動入賞スイッチ224a、第2始動入賞スイッチ224bが設けられている。さらに、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲートスイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及びスルーゲートスイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、始動入賞ユニット33a、33bへの入球を検出する始動入賞スイッチ224a,224b、中央入賞ユニット37に設けられた入球カウントスイッチ437、特定入球検知スイッチ425、事前検知スイッチ427、及び非特定入球検知スイッチ426は中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(スルーゲートスイッチ225、特定入球検知スイッチ425、事前検知スイッチ427、及び非特定入球検知スイッチ426により検出された場合を除く)。
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、始動入賞ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部端子板240が設けられている。
外部端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図12は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。特別遊技状態制御手段、開閉制御手段としての主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、第1及び第2特別表示装置43L、43R、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43L、43R、及び普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、始動入賞ユニットスイッチ224a,224b、スルーゲートスイッチ225、入球カウントスイッチ437、特定入球検知スイッチ425、事前検知スイッチ427、非特定入球検知スイッチ426、ハンドル18の各種スイッチなどの各種検出スイッチや、各種基板、羽用ソレノイド407、回転体モータ414、第1役物駆動モータ442、第2役物駆動モータなどの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御手段としてのサブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、演出ボタン125、各種電飾部及びランプ102〜104、第2可動役物447(第2役物駆動モータ)が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43L、43Rの表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射禁止ボタン18a(図1参照)が操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御手段としての主制御装置261に設けられたCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選を行うこととしている。具体的には、図13に示すように、第1及び第2始動入賞スイッチ224a、224bの検知に基づいて、特定領域401(羽部材406)を開状態とさせるか否かを決める開放抽選、及び、大当たり状態を発生させるか否かを決める当否抽選に使用する開放乱数生成手段としての当選乱数カウンタC1と、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる変動表示の時間(変動時間)の決定に使用する変動時間乱数生成手段としての変動時間選択カウンタC2と、当選乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、普通図柄表示装置41の抽選(第1及び第2始動入賞ユニット33a、33bの開閉部材33cを開状態とするか否かの入球アシスト抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC3とを用いることとしている。また、遊技球が特定入賞口421に入球した場合に付与される大当たり状態の種別を決定するための種別抽選には、当選種別判定値生成手段としての種別選択カウンタNxが使用される。すなわち、種別選択カウンタNxによって、「3ラウンド大当たり」、「特殊3ラウンド大当たり」、「8ラウンド大当たり」、「特殊8ラウンド大当たり」、及び「16ラウンド大当たり」のいずれを付与するかが決定されるようになっている。
カウンタC1,C2,CINI,C3,Nxは、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、当選乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値が記憶される保留記憶エリアとしての特別変動保留エリアと、普通図柄乱数カウンタC3の値が記憶される普通変動保留エリアとが設けられている。特別変動保留エリア及び普通変動保留エリアは、ともに1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とを備えている。
また、特別変動保留エリアの各保留エリアには、第1及び第2始動入賞ユニット33a、33bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、当選乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の値等が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、上記のように特別表示装置43L、43Rにおける変動表示を合計4回まで保留可能としている。さらに、普通変動保留エリアの各保留エリアには、スルーゲート34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC3の値が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、上記のように普通図柄表示装置41における変動表示を4回まで保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、当選乱数カウンタC1は、例えば0〜399の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり399)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、当選乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該当選乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、当選乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜399)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、当選乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、当選乱数カウンタC1の値が当選乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1又は第2始動入賞ユニット33a、33bに入賞した(第1及び第2始動入賞スイッチ224a、224bに検知された)タイミングで、当選乱数カウンタバッファに格納されている当選乱数カウンタC1の値が、特別変動保留エリアに格納される。
本実施形態では、特別変動保留エリアに格納された当選乱数カウンタC1の値に基づいて、羽部材406を開放させる「小当たり」となるか否かの開放抽選が行われるだけでなく、可変入賞装置32を開放させる「大当たり」となるか否かの当否抽選が行われる。「小当たり」となる乱数の値の数は398で、その値は「2〜399」である。「大当たり」となる乱数の値の数は1つで、その値は「0」である。すなわち、398/400の確率で「小当たり」に当選し、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「3」が停止表示され、特定領域401(羽部材406)が所定時間開放されることとなる。また、1/400の確率で「大当たり」に当選し、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「7」が停止表示され、可変入賞装置32が30秒間開放状態とされる、又は、可変入賞装置32に8個の遊技球が入賞することを1ラウンドとして、これが所定回数繰り返される大当たり状態が発生することとなる。本実施形態では、当該第1及び第2始動入賞スイッチ224a、224bの検知に基づく当否抽選にて「大当たり」に当選した場合には前記ラウンドが16回繰り返される「16ラウンド大当たり」が付与される構成となっている。ちなみに、当選乱数カウンタC1の値のうち「1」は「外れ」に対応する値であり、「外れ」の場合には、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにおいて「−」が停止表示される。尚、本実施形態では、ROM502に対し、当選乱数カウンタC1の値が「小当たり」や「大当たり」に対応するか否かの判定を行う際に参照される開放値記憶手段としての当否判定テーブルが設けられている。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード及びサポートモードの間で切替設定される。
本実施形態の通常モードとは、第2始動入賞ユニット33bへ遊技球が入球しやすい高入球状態及び大当たり状態以外の状態であって、第2始動入賞ユニット33bへの入球がほぼ望めない状態をいう。具体的に、通常モードにおいては、スルーゲート34を遊技球が通過することに基づいて行われる入球アシスト抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置41の変動時間が15秒で、入球アシスト抽選にて当選した場合の開閉部材33cの開放時間が0.4秒である。
サポートモードとは、高入球状態をいう。具体的に、サポートモードにおいては、普通図柄表示装置41の変動時間が0.5秒で、入球アシスト抽選にて当選した場合の開閉部材33cの開放時間が2秒である。つまり、通常モードに比べ、普通図柄表示装置41の変動時間が短く、かつ、開閉部材33cの開放時間が長くなる。これによって、開閉部材33cが開状態となっている時間帯が長くなるため、第2始動入賞ユニット33bに対して遊技球が頻繁に入球するようになり、当否抽選が連続してなされるとともに、球持ちのよい状態となる。加えて、サポートモードは、大当たり状態が発生しなくても、特別表示装置43L、43Rにて合計100回の変動表示が行われた時点で終了し、その後、通常モードに移行する。
尚、第1、第2始動入賞ユニット33a、33bの入球に基づく当否・開放抽選にて「小当たり」や「大当たり」する確率はいずれのモードにおいても同一である。また、いずれのモードにおいても、当否・開放抽選にて「小当たり」した場合の特別表示装置43L、43Rの変動時間は1秒又は3秒で、当否・開放抽選にて「小当たり」した場合の羽部材406の開放時間は1秒である。加えて、スルーゲート34への遊技球の通過に基づいて行われる入球アシスト抽選の当選確率は、いずれのモードにおいても同一である。
また、各モード間の切替えの条件としては、通常モードにおいて、「特殊3ラウンド大当たり」、「特殊8ラウンド大当たり」、「16ラウンド大当たり」に当選した場合には、大当たり状態終了後にサポートモードに移行し、それ以外の大当たりに当選した場合には、大当たり終了後に再度通常モードとなる。サポートモードにおいて、「3ラウンド大当たり」、「8ラウンド大当たり」に当選した場合には、大当たり状態終了後に通常モードに移行し、「特殊3ラウンド大当たり」、「特殊8ラウンド大当たり」、「16ラウンド大当たり」に当選した場合には大当たり状態終了後に再度サポートモードとなる。また、上記の通り、サポートモードにおいて、特別表示装置43L、43Rの変動表示が合計100回行われた場合、(101回目の変動表示から)通常モードに移行する。
変動時間選択カウンタC2は、例えば0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり49)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。変動時間選択カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動時間選択カウンタバッファに変動時間選択カウンタC2の値が格納される。そして、遊技球が第1、第2始動入賞ユニット33a、33bに入賞したタイミングで、変動時間選択カウンタバッファに格納されている変動時間選択カウンタC2の値がRAM503の特別変動保留エリアに格納される。本実施形態では、変動時間選択カウンタC2の値のうち「1〜49」が「1秒変動」に対応し、「0」が「3秒変動」に対応する。尚、本実施形態では、ROM502に対し、変動時間選択カウンタC2の値が「1秒変動」及び「3秒変動」のどちらに対応するかの判定を行う際に参照される変動時間判定値記憶手段としての変動時間選択テーブルが設けられている。
種別選択カウンタNxは、例えば0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。種別選択カウンタNxは定期的に(本実施形態では通常処理において4msec毎に1回)更新され、種別決定カウンタバッファに種別選択カウンタNxの値が格納される。そして、中央入賞ユニット37の特定領域401に入球した遊技球が特定入賞口421に入球し、当該遊技球が特定入球検知スイッチ425にて検知されたタイミングで、種別決定カウンタバッファに格納されている種別選択カウンタNxの値が読み出されるとともに、当該値に基づいて、付与される大当たり状態の種別が決定される。
尚、ROM502には、種別選択カウンタNxの値がいずれの大当たりに対応するかの判定を行う際に参照される当選種別判定値記憶手段としての種別判定テーブルが設けられている。具体的には、種別選択カウンタNxの値が「0」であれば「3ラウンド大当たり」の付与が決定され、「1」であれば「8ラウンド大当たり」の付与が決定され、「2」であれば「特殊3ラウンド大当たり」の付与が決定され、「3」であれば「16ラウンド大当たり」の付与が決定され、「4」であれば「特殊8ラウンド大当たり」の付与が決定される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、当選乱数カウンタC1、変動時間選択カウンタC2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC3は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかのスルーゲート34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC3の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は8つあり、その範囲は「1〜8」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC3の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第2始動入賞ユニット33b(開閉部材33c)が所定時間の間、開状態となる。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図16は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図16において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。尚、スイッチの検知に応じて遊技球の払出しが行われる場合、対応する賞球カウンタの値を加算して、本処理を終了する。一方、検出信号の入力がなされていないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。なお、後述する通常処理の外部出力処理において、各賞球カウンタの値に基づく賞球コマンドが払出制御装置311へ出力される。また、この賞球コマンドの出力に際して、各賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では399)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、当選乱数カウンタC1、変動時間選択カウンタC2、及び普通図柄乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,49,9)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304〜ステップS309では、各種入賞に対応した処理が行われる。すなわち、ステップS304では、第1及び第2始動入賞ユニット33a、33bへの入賞に伴う始動入賞処理を実行する。ステップS305では、スルーゲート34への遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を行う。ステップS306では、特定領域401内に遊技球が存在するか否かを判定する残存球監視処理を実行する。ステップS307では、中央入賞ユニット37の特定領域401への入球に伴う入球カウント処理を実行する。ステップS308では、特定入賞口421への入球に伴う特定入賞処理を実行する。ステップS309では、非特定入賞口422への入球に伴う非特定入賞処理を実行する。ステップS309の後、タイマ割込み処理を一旦終了する。尚、ステップS304〜ステップS309の各処理の詳細については後述する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図18のフローチャートを参照して説明する。尚、特別変動保留エリアの実行エリア及び各保留エリアには、当選乱数カウンタC1の値を記憶する当否乱数記憶エリア、変動時間選択カウンタC2の値を記憶する変動時間乱数記憶エリア、保留された変動表示が第1始動入賞ユニット33aへの入球に基づくものであるか否かを判別するための第1始動入賞フラグが設けられている。また、本実施形態では、特別変動保留エリアには(当選乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値を記憶する領域とは別に)、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づく当否・開放抽選において「大当たり」に当選したことを示す大当たり発生フラグ、「外れ」たことを示す外れフラグ、「小当たり」に当選したことを示す小当たり発生フラグが設けられている。また、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間を示す1秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグが設けられている。
先ず、ステップS501では、第1及び第2始動入賞ユニット33a、33bへの遊技球の入球を契機とする変動表示の保留数をカウントする保留カウンタNaの値が上限値(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判別する。当該ステップS501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS501で肯定判別された場合には、ステップS502において、遊技球が第1始動入賞ユニット33aに入賞したか否かを第1始動入賞スイッチ224aの検知情報により判別する。当該ステップS502で否定判別された場合には、後述するステップS509に移行する。一方、ステップS502で肯定判別された場合、ステップS503に進み、保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS504では、当選乱数カウンタバッファ、変動時間選択カウンタバッファに記憶されている当選乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS505では、当選乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値が記憶された保留エリアの第1始動入賞フラグをオンにする。
続くステップS506では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当選乱数カウンタC1の値が「小当たり」又は「大当たり」に対応する値であるか否かを判別する当否判定処理を行う。尚、当否判定処理の詳細については後述する。
続くステップS507では、ステップS506で当選乱数カウンタC1の値が「小当たり」に対応する値であると判定された場合に、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値に基づいて、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間を判別する変動時間判定処理を行う。尚、変動時間判定処理の詳細については後述する。
続くステップS508では、先発コマンドの設定処理を行う。尚、先発コマンドには、保留記憶された変動情報(変動表示の内容を決定するために使用される所定情報)が第1始動入賞ユニットaの入球に基づく変動情報(変動表示)であるかを示す情報、「小当たり」や「大当たり」に対応する変動情報であるかを示す情報、変動時間を示す情報が含まれ、次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力される。
ここで、ステップS506の当否判定処理の詳細について、図19を参照して説明する。
先ず、ステップS5101では、新たに特別変動保留エリアに記憶された当選乱数カウンタC1の値が「大当たり」に対応する値である「0」と一致するか否かを判別する。ステップS5101で肯定判別された場合、すなわち、大当たり状態が発生すると判別された場合には、ステップS5102において大当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
また、ステップS5101で否定判別された場合には、ステップS5103において、新たに特別変動保留エリアに記憶された当選乱数カウンタC1の値が「外れ」に対応する値である「1」と一致するか否かを判別する。当該ステップS5103で肯定判別された場合、すなわち、「外れ」であると判別された場合には、ステップS5104において外れフラグをオンにした後、本処理を終了する。一方、ステップS5103で否定判別された場合、すなわち「小当たり」であると判別された場合には、ステップS5105において小当たり発生フラグをオンにした後、本処理を終了する。
次に、ステップS507の変動時間判定処理について、図20を参照して説明する。
先ず、ステップS5201では、直前に行われた当否判定処理にて、小当たり発生フラグが設定されたか否かを判別する。ステップS5201で否定判別された場合には、ステップS5202において、特別表示装置43L、43Rにおいて行われる変動表示の変動時間が7秒であることを示す7秒変動フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
一方、ステップS5201で肯定判別された場合、すなわち、「小当たり」であると判別された場合には、ステップS5203において、変動時間選択テーブルを参酌し、新たに特別変動保留エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS5203で否定判別された場合、すなわち、変動時間選択カウンタC2の値が「1〜49」である場合には、ステップS5204において、特別表示装置43L、43Rにおいて行われる変動表示の変動時間が1秒であることを示す1秒変動フラグをオンにする。一方、ステップS5203で肯定判別された場合には、ステップS5205において、特別表示装置43L、43Rにおいて行われる変動表示の変動時間が3秒であることを示す3秒変動フラグをオンにした後、本処理を終了する。
図18の説明に戻り、ステップS508の処理の後、又は、ステップS502で否定判別された場合には、ステップS509において、遊技球が第2始動入賞ユニット33bに入賞したか否かを第2始動入賞ユニットスイッチ224bの検知情報により判別する。当該ステップS509で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS510において、保留カウンタNaを1インクメントする。
続くステップS511では、当選乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の各値を、特別変動保留エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに格納する。ステップS512では、当否判定処理を行う。尚、ステップS512の当否判定処理は、上記ステップS506の当否判定処理と同様であり、詳細な説明は省略する。
続くステップS513では、変動時間判定処理を行う。尚、ステップS513の当否判定処理は、上記ステップS507の変動時間判定処理と同様であり、詳細な説明は省略する。ステップS513の後、ステップS514において、先発コマンドの設定処理を行い、本処理を終了する。本実施形態では、ステップS504及びステップS511の処理が、判定値抽出処理と判定値格納処理とに相当し、ステップS505及びステップS512の処理が開放判定処理(の一部)を構成し、ステップS506及びステップS513の処理が変動時間判定処理(の一部)を構成する。
次に、ステップS305のスルーゲート通過処理について図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球がスルーゲート34を通過したか否かをスルーゲートスイッチ225の検出情報により判別する。
ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球がスルーゲート34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の保留数をカウントする普通保留カウンタNbの値が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、スルーゲート34への遊技球の通過が確認され、且つ、普通保留カウンタNbの値<4であることを条件にステップS603に進み、普通保留カウンタNbを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC3の値を、RAM503の普通変動保留エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、スルーゲート通過処理を終了する。
次に、ステップS306の残存球監視処理について図22を参照して説明する。尚、本実施形態では、大当たり状態以外の通常遊技状態において、特定入賞口421への入球(特定入球検知スイッチ425の検知)があった場合に大当たり状態を発生させる有効状態と、特定入賞口421への入球があっても大当たり状態を発生させない無効状態とがある。また、本実施形態では、特別表示装置43L、43Rの変動表示が保留されている場合であっても、現在変動中の変動表示に対応して羽部材406が開状態とされる場合、当該変動表示が停止表示された直後に次の変動表示が開始されるのではなく、開状態とされた羽部材406が閉状態とされるまで、次の変動表示が待機される構成となっている。さらに、羽部材406が開状態とされている際に特定領域401に遊技球が入球し、羽部材406が閉状態とされた後も当該遊技球が特定領域401に残存している場合には、特定領域401に残存する全ての遊技球が特定領域401から排出されるまで次の変動表示が待機される構成となっている。
先ず、ステップS7101では、特定領域401内に存在する遊技球の数を特定するための入球カウンタの値が「0」であるか否かを判別する。当該ステップS7101で否定判別された場合には、ステップS7102において、特定領域401に対して遊技球が最後に入球してから所定時間が経過したか否かを判別するための監視タイマの値が「0」であるか否かを判別する。当該ステップS7102で否定判別された場合には、ステップS7103において監視タイマの値を1減算してから本処理を終了する。
尚、本実施形態では、特定領域401への入球があった際に、監視タイマに「2500」がセットされる。このため、特定領域401に最後の入球があってから5秒後に監視タイマが「0」になる。本実施形態では、特定領域401に遊技球が入球してから、当該遊技球が特定入賞口421又は非特定入賞口422に入球するまでの時間は概ね1.8〜4.5秒となっている。つまり、特定領域401に最後の入球があってから5秒が経過した時点では、特定領域401から全ての遊技球が排出されているはずである。
また、ステップS7102で肯定判別された場合、つまり、遊技球が特定領域401に入球してから排出されるまでの想定時間を越える5秒を経過しても未だ入球カウンタの値が「0」になっておらず、特定領域401内において球詰まりが発生していることが考えられる場合には、ステップS7104においてエラー報知処理を行う。具体的に、ステップS7104では、球詰まりの発生を報知するための処理を行う。その後、ステップS7105において特定入賞口421への入球が大当たり状態の発生の契機として有効な有効状態であることを示す有効フラグをオフする処理を行ってから、本処理を終了する。
また、ステップS7101で肯定判別された場合、すなわち、特定領域401内に遊技球が存在していない場合には、ステップS7106に進み、有効フラグをオフする処理を行う。
続くステップS7107では、特別表示装置43L、43Rの変動表示を待機させる状態であることを示す変動待機フラグをオフする処理を行った後、本処理を終了する。尚、ステップS7104のエラー報知処理において、有効フラグをオフする処理を行うこととしてもよい。
次に、ステップS307の入球カウント処理について、図23を参照して説明する。先ず、ステップS7201では、遊技球が特定領域401に入球したか否かを、第1案内通路432に設けられた入球カウントスイッチ437の検知情報により判別する。当該ステップS7201で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS7201で肯定判別された場合には、ステップS7202に進み、入球カウンタの値を1加算する。続くステップS7203では、残存球監視処理で参酌される監視タイマの設定処理を行う。本実施形態では、入球カウントスイッチ437の検出がある毎に監視タイマに「2500」がセットされ、既に監視タイマに所定の数値が設定されている場合であっても、「2500」が上書きされる。ステップS7203の後、ステップS7204において有効フラグをオンにしてから、本処理を終了する。
次に、ステップS308の特定入賞処理について、図24を参照して説明する。尚、本実施形態では、上記の通り、特定入賞口421に遊技球が入球することによって大当たり状態が発生することとなる。また、特定入賞口421に入球した遊技球は、事前検知スイッチ427、特定入球検知スイッチ425の順に検知されることとなる。
先ず、ステップS7301では、特定入球検知スイッチ425の検知があったか否かを判別する。ステップS7301で否定判別された場合、ステップS7302に進み、事前検知スイッチ427の検知があったか否かを判別する。当該ステップS7302で否定判別された場合 には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS7302で肯定判別された場合、ステップS7303に進み、有効フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS7303で肯定された場合、すなわち有効状態である場合には、ステップS7304において、事前検知スイッチ427の検知があったことを示す事前検知フラグをオンにしてから、本処理を終了する。一方、ステップS7303で否定判別された場合には、すなわち無効状態である場合には、事前検知フラグをオンすることなく、そのまま本処理を終了する。
また、ステップS7301で肯定判別された場合、すなわち特定入球検知スイッチ425の検知があった場合には、ステップS7305に進み、有効フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS7305で肯定判別された場合(有効状態である場合)には、ステップS7306に進み、事前検知フラグがオンであるか否かを判別する。
ステップS7305で否定判別された場合、すなわち、無効状態において特定入球検知スイッチ425の検知があった場合、又は、ステップS7306で否定判別された場合、すなわち、特定入球検知スイッチ425の検知に先立って事前検知スイッチ427の検知がなかった場合には、ステップS7307においてエラー報知処理を行う。具体的に、ステップS7307では、エラー表示ランプ104を点灯させたり、エラー発生音を出力させたり、外部端子板240を介してホールコンピュータに不正行為があったことを通報したりする。その後、本処理を終了する。本実施形態では、エラー報知処理を行う機能が報知手段に相当する。
尚、ステップS7306で否定判別される状況としては、事前検知スイッチ427の検知がないのにもかかわらず特定入球検知スイッチ425の検知があった場合や、事前検知スイッチ427の検知と特定入球検知スイッチ425の検知とが同時に行われた場合が挙げられる。特に、本実施形態では、事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425との間の距離が約5mmであり、かつ、事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425とが互いに前後に配置されているため、不正な電波を発して事前検知スイッチ427及び特定入球検知スイッチ425の一方にだけ誤検知を行わせるといった行為が事実上不可能となる。また、本実施形態では、特定入球検知スイッチ425及び事前検知スイッチ427の検知があったか否かを判別する当該特定入賞処理(検知情報確認処理)が2msec毎に行われるとともに、遊技球が事前検知スイッチ427に検知されてから特定入球検知スイッチ425に検知されるまでに2msec以上かかることから、特定入球検知スイッチ425の検知に先立って、事前検知スイッチ427の検知があったことを確実に把握することができる。
一方、ステップS7305及びステップS7306で共に肯定判別された場合には、ステップS7308にて事前検知フラグをオフする処理を行い、ステップS7309にて入球カウンタの値を1減算する処理を行う。その後、ステップS7310において、後述する大当たり中フラグを参酌し、大当たり状態中であるか否かを判別する。当該ステップS7310で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、大当たり状態中においては、特定入賞口421に遊技球が入球しても、後述する大当たりフラグをオンにする処理が行われないようになっている。尚、本実施形態では、大当たり状態中においては特別表示装置43L、43Rにおける変動表示が行われない(或いは、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示が停止表示されない)構成となっているため、基本的に大当たり状態中に羽部材406が開放されることはない。
一方、ステップS7310で否定判別された場合には、ステップS7311において、特定入賞口421への入球(特定入球検知スイッチ425の検知)があったことを示す特定入賞フラグがオンされているか否かを判別する。ステップS7311で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、既に大当たり状態を発生させることが決定されている状態においては、特定入賞口421に遊技球が入球してもその分の大当たりは無効とされる。一方、ステップS7311で否定判別された場合には、ステップS7312で特定入賞フラグをオンにする。
続く、ステップS7313では、大当たり状態の種別等を決定する当選種別設定処理を行う。当該ステップS7313の後、本処理を終了する。本実施形態では、ステップS7106の有効フラグをオフする処理、及びステップS7204の有効フラグをオンする処理、及びステップS7301の有効フラグがオンであるか否かを判別する処理の機能が許可制御手段を構成する。
ここで、ステップS7313の当選種別設定処理について、図25を参照して説明する。先ず、ステップS7501では、種別決定カウンタバッファに格納されている種別選択カウンタNxの値が「0」であるか否かを判別する。当該ステップS7501で肯定判別された場合には、ステップS7502において「3ラウンド大当たり」に当選したことを示す3R大当たりフラグをオンにしてから、ステップS7510に移行する。
また、ステップS7501で否定判別された場合には、ステップS7503に進み、種別決定カウンタバッファに格納されている種別選択カウンタNxの値が「1」であるか否かを判別する。当該ステップS7503で肯定判別された場合には、ステップS7504において「8ラウンド大当たり」に当選したことを示す8R大当たりフラグをオンにしてから、ステップS7510に移行する。
また、ステップS7503で否定判別された場合には、ステップS7505に進み、種別決定カウンタバッファに格納されている種別選択カウンタNxの値が「2」であるか否かを判別する。当該ステップS7505で肯定判別された場合には、ステップS7506において「特殊3ラウンド大当たり」に当選したことを示す特殊3R大当たりフラグをオンにしてから、ステップS7510に移行する。
また、ステップS7505で否定判別された場合には、ステップS7507に進み、種別決定カウンタバッファに格納されている種別選択カウンタNxの値が「3」であるか否かを判別する。当該ステップS7507で肯定判別された場合には、ステップS7508において「16ラウンド大当たり」に当選したことを示す16R大当たりフラグをオンにしてから、ステップS7510に移行する。
一方、ステップS7507で否定判別された場合には、ステップS7509において「特殊8ラウンド大当たり」に当選したことを示す特殊8R大当たりフラグをオンにしてから、ステップS7510に移行する。
ステップS7510では、ラウンド表示装置47における変動時間(変動表示の残余時間)を計測するためのラウンド抽選タイマに2秒に相当する値「500」をセットする。その後、ステップS7511において、効果音発生コマンドを設定してから、本処理を終了する。尚、上記各種大当たりフラグは、RAM503において、特別変動保留エリアとは別に設定されている。また、詳しくは後述するが、オンされた大当たりフラグは大当たり状態の終了時にオフされる。
次に、ステップS309の非特定入賞処理について図26を参照して説明する。先ず、ステップS7401では、遊技球が非特定入賞口422に入球したか否かを、非特定入球検知スイッチ426の検知情報により判別する。当該ステップS7401で否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する、一方、ステップS7401で肯定判別された場合には、ステップS7402において入球カウンタの値を1減算し、その後、本処理を終了する。
図17は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図17のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S212の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS214の初期値乱数カウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43L、43Rや第2始動入賞ユニット33b等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドであり、本実施形態における指令情報に相当する。これに対し、変動パターンコマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかるコマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示するように表示制御装置45に対し指示を出す。
ステップS202では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS203では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
続くステップS204では、ラウンド表示制御処理を実行する。この処理では、ラウンド表示装置47の制御内容の設定などが行われる。このラウンド表示制御の詳細は後述する。
ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、第1及び第2特別表示装置43L、43Rにおいてどのような制御を行うか当該特別表示装置43L、43Rの制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の演出パターンの設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、羽部材開閉処理を実行する。この処理では、羽部材406(羽用ソレノイド407)の制御内容の設定が行われる。羽部材開閉処理の詳細については後述する。
ステップS208では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS209では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、始動入賞ユニット33においてどのような制御を行うか当該始動入賞ユニット33の制御内容の設定が行われる。契機対応ユニット制御処理の詳細は後述する。
ステップS210では、種別選択カウンタNxの更新処理を行う。より詳しくは、種別選択カウンタNxを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値(本実施形態では4)に達した際0にクリアする。そして、種別選択カウンタNxの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域(種別決定カウンタバッファ)に格納する。
ステップS211では、第1可動役物441の駆動処理を行う第1役物駆動処理を行う。第1役物駆動処理の詳細は後述する。
その後は、ステップS212において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS213で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS213で肯定判別されてステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS213で否定判別された場合、ステップS214に進み、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では399)に達した際0にクリアする。そして、当該処理の後、ステップS212に移行する。つまり、ステップS213の判別の時点で、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行されることとなる。
ここで、ステップS201〜S211の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち当選乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS212:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS215以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS215において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS216において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS217において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS218において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS219でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS220でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS212の処理は、ステップS201〜S211で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS214の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS215)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図29のフローチャートを参照して説明する。尚、第1表示制御処理よりもラウンド表示制御処理の方が先に行われるが、便宜上、第1表示制御処理を先に説明する。
図29において、ステップS801では、大当たり中フラグを参照し、大当たり中であるか否かを判別する。尚、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間(ここで言う大当たり状態終了後の所定時間とは、大当たり状態終了後、通常遊技(特別表示装置43L、43Rにおける変動表示)が開始されるまでの時間であり、一般にこの時間帯は、装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の終了や大当たり後に付与されるモードを示す表示が行われる)とが含まれる。また、特別表示装置43L、43Rにて変動表示が大当たりに対応する態様にて停止表示されてから可変入賞装置32(大入賞口)が開放されるまでの間の期間(一般にこの時間帯は装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の開始を示す表示が行われる)についても大当たり中に含まれる。
ステップS801で肯定判別された場合、すなわち大当たり中である場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、大当たり中においては、新たに変動表示を開始させることも、変動表示を終了させることもない。尚、本実施形態では、変動表示中に特定入賞口421に遊技球が入球して大当たり状態が発生した場合、変動表示中であった変動表示は、大当たり状態の終了後に行われる。また、詳しくは後述するが、かかる変動表示は変動の途中から(中断時の状態から)ではなく、最初から行われる。
ステップS801で否定判別された場合には、ステップS802において、特定入賞口421に遊技球が入球したか否かを示す特定入賞フラグがオンであるか否かを判別する。尚、特定入賞フラグは、特定入球検知スイッチ425の検知があった際にオンされ(特定入賞処理のステップS7312参照)、ラウンド表示装置47における変動表示が終了して大当たり中フラグがオンされる際にオフされる(後述するラウンド表示制御処理のステップS1505参照)。すなわち、特定入賞フラグがオンであるか否かを判別することで、ラウンド表示装置47において変動表示中であるか否かを判別することができる。当該ステップS802で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS802で否定判別された場合には、ステップS803において、詳しくは後述する第1表示中フラグの設定状況を見て、第1又は第2特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを判別する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示を開始する際(変動表示設定処理の開始設定処理)にオンにされ、第1及び第2特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示される際(ステップS813参照)にオフにされる。
そして、ステップS803で否定判別された場合、すなわち、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合には、ステップS804に進み、羽部材406が開放中であることを示す開放中フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS804で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、本実施形態では、羽部材406が開放されている間は、特別表示装置43L、43Rの変動表示が行われないように(開始されないように)なっている。
一方、ステップS804で否定判別された場合には、ステップS805に進み、(羽部材406の閉鎖後において)特別表示装置43L、43Rの変動表示を待機させる状態であることを示す変動待機フラグがオンであるか否かを判別する。当該変動待機フラグは、後述する羽部材開閉処理において開状態とされていた羽部材406を閉状態とする際にオンされ、上述の残存球監視処理にて特定領域401内に遊技球が存在しないと判断された場合にオフされる。
当該ステップS805で肯定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、本実施形態では、羽部材406が閉鎖された後も、特定領域401内に遊技球が存在している場合には、特別表示装置43L、43Rの変動表示が行われないように(開始されないように)なっている。
一方、ステップS805で否定判別された場合には、ステップS806に進み、始動入賞ユニット33への入球を契機とする変動表示(変動表示)の保留数をカウントする保留カウンタNaの値が0よりも大きいか否かを判別する。ステップS806で否定判定された場合、すなわち、変動表示が1つも保留記憶されていない場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS806で肯定判別された場合、すなわち、変動表示が1つでも保留記憶されている場合には、ステップS807において、保留カウンタNaから1を減算する。
続くステップS808では、特別変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このシフト処理は、特別変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。尚、当該シフト処理においては、当選乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値だけでなく、大当たり発生フラグ、外れフラグ、小当たり発生フラグ、1秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグのオン・オフの設定状態についてもシフトされる。
続くステップS809では変動表示設定処理が行われる。ここで、変動表示設定処理の詳細について、図30を参照して説明する。尚、本実施形態では、変動表示設定処理が、開放判定処理(ステップS901、ステップS903)、変動表示設定処理(ステップS910)に相当する。
先ず、ステップS901では、当否判定テーブルを参酌し、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された当選乱数カウンタC1の値が大当たりに対応する値と一致するか否かを判別する。すなわち、当選乱数カウンタC1の値が「0」であるか否かを判別することで「大当たり」か否かを判別する。尚、変形例として、大当たり発生フラグがオンであるかを判別することで「大当たり」か否かを判別することとしてもよい。
ステップS901で肯定判別された場合、すなわち「大当たり」である場合には、ステップS902にて大当たりとなる変動パターン(大当たり変動パターン)を決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS910へ移行する。
ステップS901で否定判別された場合には、ステップS903において実行エリアの当選乱数カウンタC1の値が「0」であるか否かを判別することで「外れ」か否かを判別する。尚、変形例として、外れフラグがオンであるか否かを判別することで「外れ」か否かを判別することとしてもよい。
ステップS903で肯定判別された場合、すなわち「外れ」である場合には、ステップS904において外れとなる変動パターン(外れ変動パターン)を決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS910へ移行する。
ステップS903で否定判別された場合、すなわち「小当たり」である場合には、ステップS905において、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶された変動時間選択カウンタC2の値が「0」であるか否かを判別することで、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間が3秒であるか否かを判別する。尚、変形例として、実行エリアの3秒変動フラグがオンであるか否か(又は1秒変動フラグがオンであるか否か)を判別することとしてもよい。
ステップS905で否定判別された場合には、ステップS906において1秒の変動表示の後に小当たりとなる変動パターン(小当たり1秒変動パターン)を決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS907において、羽開放フラグをオンにしてから、ステップS910に移行する。
一方、ステップS905で肯定判別された場合には、ステップS908において、3秒の変動表示の後に小当たりとなる変動パターン(小当たり3秒変動パターン)を決定し、変動パターンコマンドに設定する。その後、ステップS909において羽開放フラグをオンにしてから、ステップS910に移行する。本実施形態では、ステップS907、ステップS909の処理が開放処理(の一部)を構成する。
ステップS910では、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。第1表示タイマとは、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。ちなみに、「大当たり」又は「外れ」の場合には7秒に相当する「1750」がセットされ、「小当たり」の場合には、上記のように決定された小当たり時の変動パターンに応じて、「250」、「750」のいずれかがセットされる。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43L、43Rにおいて切替表示(変動表示)が開始される。上述したように特別表示装置43L、43Rは7セグメント表示装置であり、表示されている文字が「7」であれば「−」、「−」であれば「3」、「3」であれば「7」へ切替表示を行う。
さらに、本実施形態では、当該開始設定処理において、第1入賞フラグがオンされているか否かを判別し、肯定判別された場合には第1特別表示装置43Lでの変動表示を行い、否定判別された場合には第2特別表示装置43Rでの変動表示を行うことを決定する。そして、ステップS910の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図29の説明に戻り、ステップS803で肯定判別された場合、すなわち特別表示装置43L、43Rの変動表示中である場合には、ステップS810に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。つまり、4msec毎に第1表示タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS811に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS811が肯定判別される。
ステップS811で否定判別された場合には、ステップS812において、特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、43Rに対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在表示されている文字が「7」であれば「−」、「−」であれば「3」、「3」であれば「7」への切替えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4msec毎に特別表示装置43L、43Rの切替表示(変動表示)が実現される。
一方、ステップS811で肯定判別された場合には、ステップS813において第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップS814において特別表示装置43L、43Rにて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43L、42Rに対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、「大当たり」である場合には「7」を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、「外れ」である場合には「−」を停止表示させ、「小当たり」である場合には「3」を停止表示させる。
続いて、ステップS815において判別情報設定処理を行った後、本処理を終了する。ここで、判別情報設定処理について、図31を参照して説明する。
先ず、ステップS1001では、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する(実行エリアの当選乱数カウンタC1の値や大当たり発生フラグの設定に基づいて判別してもよい)。ここで、大当たりに対応すると判別された場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たり中フラグ、第1可変フラグ、第1可変タイマ、ラウンド数カウンタ、及び入賞カウンタ等の設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たり中フラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。
第1可変フラグとは、可変入賞装置32(大入賞口)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報であり、ここでは開状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される(オンされる)。本実施形態では、第1可変フラグがオンされた場合に、可変入賞装置32が開状態とされる。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間等を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際等に参酌される。本例では、第1可変タイマに対して30秒に相当する「7500」が値として設定される。これにより、1ラウンドあたりの最大開放時間(可変入賞装置32が開状態とされる最長時間)が30秒となる。
ラウンド数カウンタとは、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、大当たり種別に応じて総ラウンド数を示す「3」、「8」、「16」のいずれかが値として設定される。但し、本実施形態では、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づいて行われる当否・開放抽選にて「大当たり」に当選した場合には「16ラウンド大当たり」となるため、本処理では16ラウンドを示す「16」が値として設定される。
入賞カウンタとは、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントする手段であり、本処理では、1ラウンドあたりの最大入球個数を示す「8」が値として設定される。尚、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図16参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると、入賞カウンタの値が1減算される。
また、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、サポートモード(高入球状態)の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように大当たり終了時にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、サポートモードの設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、大当たりの終了後(サポートモードの付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1006においてサポートモードフラグをオフする処理を行い、ステップS1007において通常モードフラグをオンする処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS1005で、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
次に、ステップS204のラウンド表示制御処理について、図27を参照して説明する。
先ず、ステップS1501では、特定入賞口421への入球があったか否かを示す特定入賞フラグ(図24の特定入賞処理参照)がオンであるか否かを判別する。当該ステップS1501で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1501で肯定判別された場合には、ステップS1502に進み、ラウンド抽選タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1502で否定判別された場合には、ステップS1503に進み、ラウンド抽選タイマの値を1減算する。尚、上記のように、本実施形態では、特定入賞処理において各種大当たりフラグをオンした際にラウンド抽選タイマに対して「500」がセットされ(ステップS7315参照)、当該ステップS1502において4msec毎にその値が1ずつ減算される。すなわち、本実施形態では、ラウンド表示装置47において行われる大当たり状態の種別を教示するための変動表示が2秒行われる構成となっている。
続く、ステップS1504では、ラウンド表示装置47の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。尚、切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、ラウンド表示装置47に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在表示されている文字が「03」であれば「08」、「08」であれば「P3」、「P3」であれば「16」、「16」であれば「P8」、「P8」であれば「03」への切替えを行うよう設定する。これによって、ラウンド表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎にラウンド表示装置47の切替表示(変動表示)が実現される。
また、ステップS1502で肯定判別された場合、すなわち、ラウンド表示装置47の変動時間が経過した場合、ステップS1505において特定入賞フラグをオフし、ステップS1506においてラウンド表示装置47にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、ラウンド表示装置47に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、「3ラウンド大当たり」に当選した場合には「03」を停止表示させ、「8ラウンド大当たり」に当選した場合には「08」を停止表示させ、「特殊3ラウンド大当たり」に当選した場合には「P3」を停止表示させ、「16ラウンド大当たり」に当選した場合には「16」を停止表示させ、「特殊8ラウンド大当たり」に当選した場合には「P8」を停止表示させる。
その後、ステップS1507において大当たり設定処理を行い、本処理を終了する。大当たり設定処理では、特定入賞口421へ遊技球が入球したことに基づいて発生する大当たり状態の設定が行われる。尚、ステップS1505の特定入賞フラグをオフする処理を大当たり設定処理の後に行うこととしてもよい。
ここで、ステップS1507の大当たり設定処理について、図28を参照して説明する。
先ず、ステップS1601では、16R大当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS1601で肯定判別された場合、すなわち、種別決定カウンタバッファの種別選択カウンタNxの値が「3」であるときに特定入球検知スイッチ425の検知があった場合には、ステップS1602において16ラウンド大当たり設定を行った後、本処理を終了する。具体的には、16ラウンド大当たり設定では、大当たり中フラグをオンにし、第1可変フラグをオンにし、第1可変タイマに「7500」を設定し、ラウンド数カウンタに「16」を設定し、入賞カウンタに「8」を設定する。
ステップS1601で否定判別された場合には、ステップS1603において特殊8R大当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS1603で肯定判別された場合、すなわち、種別選択カウンタNxの値が「4」であるときに特定入球検知スイッチ425の検知があった場合には、ステップS1604において8ラウンド大当たり設定を行った後、本処理を終了する。具体的には、8ラウンド大当たり設定では、大当たり中フラグをオンにし、第1可変フラグをオンにし、第1可変タイマに「7500」を設定し、ラウンド数カウンタに「8」を設定し、入賞カウンタに「8」を設定する。
ステップS1603で否定判別された場合、ステップS1605において8R大当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS1605で肯定判別された場合、すなわち、種別選択カウンタNxの値が「1」であるときに特定入球検知スイッチ425の検知があった場合には、上記ステップ1604に進み、8ラウンド大当たり設定を行った後、本処理を終了する。
ステップS1605で否定判別された場合、すなわち、種別選択カウンタNxの値が「0」又は「2」であるときに特定入球検知スイッチ425の検知があった場合には、ステップS1606において3ラウンド大当たり設定を行った後、本処理を終了する。具体的には、3ラウンド大当たり設定では、大当たり中フラグをオンにし、第1可変フラグをオンにし、第1可変タイマに「7500」を設定し、ラウンド数カウンタに「3」を設定し、入賞カウンタに「8」を設定する。
尚、詳細な説明は省略するが、上記のように、大当たり状態中においては、ラウンド表示装置47においてラウンド数が表示される。ちなみに、当該ラウンド表示装置47の表示設定は、大当たり設定処理や判別情報設定処理の各種大当たり設定と、可変入賞装置制御処理のラウンド送り処理及び終了設定処理とに際して、ラウンド数カウンタの値に基づいて行われることとしてもよい。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図32を参照して説明する。
まず、ステップS1201において大当たり中フラグを参酌し、大当たり中か否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
ステップS1201で肯定判別された場合、ステップS1202において、第1可変タイマのカウント値を1減算する。続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判別する。
ステップS1203で肯定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、当該ステップS1204では、第1可変フラグがオンされるときに設定される1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間が残されているか否かを判別する。
ステップS1204にて否定判別された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタの値が「0」であるか否か、すなわち、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が1ラウンドあたりの規定個数(本例では8個)に達したか否かを判別する。ステップS1205にて否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(ラウンド終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、本処理を終了する。
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判別された場合には、ステップS1206に進み、ラウンド数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち、ラウンド数(可変入賞装置32の開放回数)が規定回数に達したか否かを判別する。
ステップS1206で肯定判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。当該終了設定処理の詳細は後述する。
ステップS1206で否定判別された場合、すなわちラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1208において、ラウンド送り処理を行い、本処理を終了する。ラウンド送り処理では、ラウンド数カウンタの値を1減算する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで可変入賞装置32の開閉処理が繰り返し行われる。また、ラウンド送り処理では、第1可変フラグをオフにするとともに、第1可変タイマに対して、次のラウンドが開始されるまでの時間(ウエイト時間)をセットする。加えて、ラウンド数カウンタの値の減算に伴い、ラウンド表示装置47におけるラウンド数の表示を変更させる。
また、上記ステップS1203にて否定判別された場合、すなわち、ラウンド間のウエイト期間中である場合には、ステップS1209に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1209にて肯定判別された場合、すなわちウエイト期間が終了し、次のラウンドを開始するタイミングに至った場合には、ステップS1210においてラウンド開始処理を行う。ラウンド開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、第1可変タイマに対して1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間(本例では「7500」)を設定し、入賞カウンタに対して1ラウンドあたりの最大入賞個数(本例では「8」)を設定する。加えて、ラウンド表示装置47におけるラウンド数の表示を終了させる。ステップS1209にて否定判別された場合、又は、ステップS1210にてラウンド開始処理が完了した場合には、本処理を終了する。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32(大入賞口)を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32(大入賞口)を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
ここで、ステップS1207の終了設定処理について、図33を参照して説明する。
先ず、ステップS1301では、第1可変フラグをオフする。続くステップS1302では、大当たり中フラグをオフする。その後、ステップS1303において、通常モードフラグがオンであるか否かを判別し、大当たり状態前の遊技モードが通常モードであったか否か(通常モードにおいて大当たりとなったか否か)を判別する。当該ステップS1303で肯定判別された場合には、ステップS1304に移行する。
ステップS1304では、いましがた実行された大当たり状態の種別が「特殊3ラウンド大当たり」、「特殊8ラウンド大当たり」、及び「16ラウンド大当たり」のいずれかであったか否かを判別する。具体的には、特殊3R大当たりフラグがオンであるか否か、特殊8R大当たりフラグがオンであるか否か、及び、16R大当たりフラグがオンであるか否かを判別する。また、便宜上、図示を省略するが、ステップS1304では、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当選乱数カウンタC1の値が「0」であるか否かについての判別も行い、当該判別で肯定判別された場合にも、ステップS1304で肯定判別されることとなる。例えば、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測するための第1表示タイマの値が0であるか否かを判別し、否定判別された場合には、特殊3R大当たりフラグ、特殊8R大当たりフラグ、及び16R大当たりフラグのいずれかがオンである場合にステップS1304で肯定判別され、一方、肯定判別された場合には、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当選乱数カウンタC1の値が「0」である場合にステップS1304で肯定判別されることとしてもよい。
当該ステップS1304で肯定判別された場合には、ステップS1305において、サポートモードフラグをオンし、ステップS1306において、通常モードフラグをオフする。その後、ステップS1307において、変動回数カウンタに「100」を設定してからステップS1312に移行する。すなわち、大当たり終了後は、変動表示が100回行われるまでのサポートモードとなる。一方、ステップS1304で否定判別された場合には、そのままステップS1312に移行する。すなわち、大当たり終了後は再び通常モードとなる。
ステップS1303で否定判別された場合、すなわち、大当たり状態前の遊技モードがサポートモードであった場合には、ステップS1308に移行する。
ステップS1308では、いましがた実行された大当たり状態の種別が「3ラウンド大当たり」、「8ラウンド大当たり」であったか否かを判別する。具体的には、3R大当たりフラグがオンであるか否か、8R大当たりフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS1308で肯定判別された場合には、ステップS1309において、通常モードフラグをオンし、ステップS1310において、サポートモードフラグをオフしてからステップS1312に移行する。すなわち、大当たり終了後は通常モードとなる。
一方、ステップS1308で否定判別された場合には、ステップS1311において、変動回数カウンタに「100」を設定してからステップS1312に移行する。すなわち、大当たり終了後は、変動表示が100回行われるまで再度サポートモードとなる。
さて、ステップS1312では、各種大当たりフラグをオフする処理を行う。尚、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づく当否・開放抽選にて当選したことに起因して大当たりした場合にはオンされている大当たりフラグはないが、特定入賞口421への入球に基づいて大当たりした場合には、各種大当たりフラグのうち1つがオンされているため、それをオフする。
続く、ステップS1313では、変動時間リセット処理を実行する。具体的に、当該処理では、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間(変動表示の残余時間)を計測するための第1表示タイマの値が0であるか否かを判別する(当該判別に代えて、第1表示中フラグがオンであるか否かを判別することとしてもよい。)。ここで肯定判別された場合、すなわち、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づいて行われる当否・開放抽選によって大当たり状態が発生した場合には、そのままステップS1314に移行する。一方、否定判別された場合には、特別変動保留エリアの実行エリアに記憶されている当選乱数カウンタC1及び変動時間選択カウンタC2の値に基づいて、元々の変動時間を第1表示タイマに設定する。すなわち、特別表示装置43L、43Rにおける変動表示中に特定入賞口421に遊技球が入球した場合、当該変動表示は大当たり終了後に行われることとなるが、当該変動表示を最初から行わせるべく、当該処理が行われる。また、サブ制御装置262に対し、特別保留エリアの実行エリアに記憶された変動情報に基づいた変動表示を最初から行わせるための変動リセットコマンドを設定する。
続くステップS1314では、装飾図柄表示装置42におけるエンディング表示(装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の終了や大当たり後に付与されるモードを示す表示が行われる)を行うための表示制御などを行い、その後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、大当たり状態の終了時、及び、変動回数カウンタの値が0となったときに、サブ制御装置262に対して遊技モード(通常モード、時間短縮モード、ナビモード)の情報が送られ、サブ制御装置262でも現在どの遊技モードにあるかを把握できる構成となっている。
次に、ステップS207の羽部材開閉処理について、図34を参照して説明する。
先ず、ステップS1801では、羽開放フラグがオンされているか否かを判別する。尚、羽開放フラグは、特別表示装置43L、43Rにて「小当たり」に対応する変動表示が開始される際にオン設定される(変動表示設定処理のステップS907、ステップS909参照)。ステップS1801で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1801で肯定判別された場合には、ステップS1802において、羽部材406が開放中であることを示す開放中フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS1802で否定判別された場合、すなわち、「小当たり」の当選によってこれから羽部材406を開放する場合には、ステップS1803に移行する。
ステップS1803では、第1表示タイマの値が「0」であるか否かを判別することで、特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示された(終了した)か否かを判別する。当該ステップS1803で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1803で肯定判別された場合、すなわち、羽部材406を開放するタイミングが到来した場合には、ステップS1804において、開放中フラグをオンにするとともに、ステップS1805において、羽部材406を開状態とさせる処理を行う。つまり、特別表示装置43L、43Rの変動表示が停止表示された直後に羽部材406が開状態とされる。また、「小当たり」に対応する特別表示装置43L、43Rの変動表示中に大当たり状態が発生した場合には、上記のように大当たり状態中に当該変動表示が停止表示されることがない上、大当たり状態中に羽部材406が開放されることもない。
その後、ステップS1807において、羽部材406の開放時間の残り(閉鎖までの時間)を計測するために開閉制御タイマに対して1秒に相当する値「250」を設定してから、本処理を終了する。尚、本実施形態では、当否・開放抽選にて小当たりした場合、羽部材406の開放時間を一律1秒に設定しているが、開放時間のバリエーションを増やしてもよい。例えば、特別変動保留エリアの1秒変動フラグがオンになっている場合には羽部材406を1秒間開放し、3秒変動フラグがオンになっている場合には羽部材406を2秒間開放することとしてもよい。また、例えば、通常モードにおいては羽部材406を1秒間開放し、サポートモードにおいては羽部材406を1.5秒間開放することとしてもよい。さらに、例えば、実行エリアの当選乱数カウンタC1の値が「2〜40」の場合には羽部材406を2回開放し、「41〜399」の場合には羽部材406を1回開放するよう構成するとともに、「2〜40」の場合には、「41〜399」の場合に比べ、特別表示装置43L、43Rの変動時間として「3秒」が選択され易いように構成してもよい。
また、ステップS1802で肯定判別された場合、ステップS1807において、開閉制御タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS1807で否定判別された場合には、ステップS1808において、開閉制御タイマの値を1減算し、本処理を終了する。
一方、ステップS1807で肯定判別された場合、すなわち、羽部材406を閉状態とするタイミングが到来した場合には、ステップS1809において、開放中フラグをオフし、ステップS1810において、羽開放フラグをオフし、ステップS1811において、羽部材406を閉状態とさせる処理を行う。
さらに、ステップS1812において、特別表示装置43L、43Rの変動表示を待機させることを示す変動待機フラグをオンにする。当該変動待機フラグは、上記のように、残存球監視処理(図22参照)にて入球カウンタの値が「0」であると判別された場合にオフされる。つまり、羽部材406が閉鎖されても、特定領域401に遊技球が存在している場合には、変動表示が開始されることはなく、特定領域401から全ての遊技球が排出された時点で、次の変動表示が開始されることとなる。ステップS1812の後、本処理を終了する。
尚、第1表示制御処理の停止設定処理に際し、羽開放フラグをオンするとともに、羽部材406の開放時間を設定する処理を行うこととしてもよい。この場合、ステップS907、ステップS908、ステップS909、ステップS911が省略されるとともに、ステップS1802〜ステップS1806の処理が省略され、ステップS1801で肯定判別された場合に、ステップS1807に移行することとなる。
次に、前記ステップS208の第2表示制御処理について図35のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、普通保留カウンタNbの値が0よりも大きいか否かを判別する。このとき、普通保留カウンタNbの値が0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ普通保留カウンタNbの値>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、普通保留カウンタNbから1を減算する。ステップS2104では、普通変動保留エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、普通変動保留エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。
本実施形態では、サポートモードと通常モードとでは普通図柄表示装置41における変動表示の変動時間が異なっており、サポートモードにおいては、第2表示タイマに対して0.5秒に相当する値「125」が設定され、通常モードにおいては、第2表示タイマに対して15秒に相当する値「3750」が設定される。尚、詳しい説明は省略するが、大当たり状態中においては、通常モードと同様に第2表示タイマに対して「3750」が設定される。
当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
また、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、普通変動保留エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC3の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、普通図柄乱数カウンタC3の数値0〜9のうち「1〜8」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、普通図柄判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、始動入賞ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、第2始動入賞ユニット33b(開閉部材33c)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第2可変タイマとは、第2始動入賞ユニット33bの開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、サポートモードと通常モードとでは第2始動入賞ユニット33b(開閉部材33c)の開放時間が異なっており、サポートモードにおいては、第2可変タイマに対して2秒に相当する値「500」が設定され、通常モードにおいては、第2可変タイマに対して0.4秒に相当する値「100」が設定される。尚、詳しい説明は省略するが、大当たり状態中においては、通常モードと同様に第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切替表示(変動表示)を継続して行うための切替表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切替表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切替表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS209の契機対応ユニット制御処理について、図36のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第2始動入賞ユニット33b(開閉部材33c)が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、第2可変フラグがオンではない(第2始動入賞ユニット33bが閉状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は第2始動入賞ユニット33bが開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第2始動入賞ユニット33bに対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には第2始動入賞ユニット33bに対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、第2始動入賞ユニット33bが開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には第2始動入賞ユニット33bに対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、第2始動入賞ユニット33bが閉状態となる。
次に、ステップS211の第1役物駆動処理について、図37を参照して説明する。
先ず、ステップS2501では、サポートモードフラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS2501で肯定判別された場合には、ステップS2502において、第1役物駆動フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS2502で否定判別された場合には、ステップS2503において第1役物駆動フラグをオンするとともに、ステップS2504において第1役物駆動モータ442をオンにしてから、本処理を終了する。尚、上記のように、第1役物駆動モータ442がオンされることにより、第1可動役物441が下方に位置して、特定領域401に入球した遊技球が第4案内通路443を経由して回転体413に至る構成となっている。
また、ステップS2502において肯定判別された場合、そのまま本処理を終了する。すなわち、サポートモードにおいては、常に第1役物駆動モータ442がオンの状態とされ、特定領域401に入球した遊技球が必ず第4案内通路443を経由して回転体413に至るようになっている。
また、ステップS2501で否定判別された場合、すなわち、通常モードである場合には、ステップS2505に移行し、第1役物駆動フラグがオンであるか否かを判別する。当該ステップS2505で否定判別された場合、ステップS2506において、第1役物駆動タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS2506で否定判別された場合には、ステップS2507で第1役物駆動タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップS2506で肯定判別された場合には、ステップS2508に移行し、第1役物駆動フラグをオンにする。続くステップS2509において第1役物駆動モータ442をオンし、ステップS2510において第1役物駆動タイマに対し1秒に相当する値「250」を設定してから、本処理を終了する。
また、ステップS2505で肯定判別された場合、ステップS2511に移行し、第1役物駆動タイマの値が「0」であるか否かを判別する。当該ステップS2511で否定判別された場合には、ステップS2512において第1役物駆動タイマの値を1減算してから、本処理を終了する。
一方、ステップS2511で肯定判別された場合には、ステップS2513において、第1役物駆動フラグをオフする。続くステップS2514において、第1役物駆動モータ442をオフし、ステップS2515において、第1役物駆動タイマに対し5秒に相当する値「1250」を設定してから、本処理を終了する。すなわち、本実施形態では、通常モードにおいては、第1可動役物441が周期的に上下動する(5秒間上方に位置し、1秒間下方に位置することを繰り返す)構成となっている。ちなみに、第1可動役物441が上方に位置している場合、特定領域401に入球した遊技球は、第2案内通路433又は第3案内通路434のどちらかを経由して回転体413に至るようになっている。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図38を参照して受信割込み処理を説明し、その後図39を参照してメイン処理を説明する。
図38は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図40に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図39を参照して説明する。図39は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、続くステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図40のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、ステップS3201において、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う。
ここで、ステップS3201のコマンド判定処理について、図41を参照して説明する。
まず、ステップS3301では、コマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図38参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図40のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図42を参照しつつ説明する。
先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
続くステップS3903では、先発コマンドに含まれる変動情報を、RAM553に設けられた保留情報格納エリアに格納する保留情報格納処理を行う。尚、先発コマンドには、上記のように、第1始動入賞ユニット33aの入球を契機とする変動表示であるか(第1始動入賞フラグの設定)を示す情報、大当たりに対応する変動情報であるか(大当たり発生フラグの設定)を示す情報、小当たりに対応する変動表示であるか(小当たり発生フラグの設定)を示す情報、外れに対応する変動表示であるか否か(外れフラグの設定)を示す情報、変動表示の変動時間(1秒変動フラグ、3秒変動フラグ、7秒変動フラグの設定)を示す情報が含まれる。
また、保留情報格納エリアは、主制御装置261の特別変動保留エリアと同様に、4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)と、1つの実行エリアとを備えている。保留情報格納エリアには、変動表示(特別変動保留エリアに記憶された情報)に基づく先発コマンドの受信履歴に合わせて、先発コマンドに含まれる変動情報が時系列的に格納される。当該構成を採用することで、主制御装置261の特別変動保留エリアに記憶された変動情報を、サブ制御装置262においても把握することができる。
ここで、ステップS3903の保留情報格納処理について、図43を参照して説明する。
先ず、ステップS4101では、先発コマンドを受信したか否か(先発コマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。ステップS4101で肯定判別された場合には、ステップS4102において、保留情報格納エリアに保留記憶されている変動情報の保留数をカウントする保留カウンタNcを1インクメントする。
続くステップS4103では、先発コマンドに含まれる大当たりか否かの情報、小当たりか否かの情報、変動時間の情報等を含む変動情報を、保留情報格納エリアの空いている保留エリアのうち最初のエリアに記憶する。その後、ステップS4104において、演出表示内容の決定に際して用いられる各種カウンタの値を取得し、当該値を変動情報が記憶されたのと同じ保留エリアに記憶する。
ステップS4104の処理を行った後、又は、ステップS4101で否定判別された場合には、ステップS4105に移行し、変動パターンコマンドを受信したか否か(変動パターンコマンドがRAM553のコマンドバッファに記憶されたか否か)を判別する。当該ステップS4105で肯定判別された場合には、ステップS4106において、保留カウンタNcの値を1減算する。
ステップS4106の後、ステップS4107において、保留情報格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留情報格納エリアの第1〜第4保留エリアに格納されているデータ(フラグ情報も含む)を実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリア→実行エリア、第2保留エリア→第1保留エリア、第3保留エリア→第2保留エリア、第4保留エリア→第3保留エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
ステップS4107の処理を行った後、又は、ステップS4205で否定判別された場合には、ステップS4108において、変動リセットコマンドを受信したか否かを判別する。尚、変動リセットコマンドは、変動表示中に特定入賞口421に遊技球が入球して大当たり状態が発生することで変動表示が中断された場合に主制御装置261から出力される(図33の終了設定処理のステップS1313参照)。
ステップS4108で肯定判別された場合、ステップS4109において、変動パターンコマンドの受信に際してRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、変動時間タイマに対して元々の変動時間に対応する値を設定する。つまり、変動時間タイマには、特別表示装置43L、43Rの変動表示が中断された時点での残りの変動時間が記憶されているのであるが、当処理において、当該変動表示の元々の変動時間(変動開始時の残りの変動時間)が変動時間タイマに上書きされることとなる。これにより、大当たり状態の終了後、表示設定処理において、特別表示装置43L、43Rの変動表示に対応した表示演出が再度初めから行われるように表示コマンドが生成されることとなる。当該ステップS4109の後、又はステップS4108で否定判別された場合、本処理を終了する。
図42の説明に戻り、ステップS3903の後又はステップS3901で否定判別された場合には、ステップS3904へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本例では1msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3905へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3912へと移行する。
ステップS3905では、演出表示内容の決定に際して用いられる各種カウンタの更新処理を実行する。続くステップS3906では表示設定処理を行う。ここでは、基本的に変動パターンコマンドの受信に際してRAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。従って、ここで装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定され、変動パターンコマンドの変動時間に対応する値が変動時間タイマに設定される。この際、サブ制御装置262は、各種演出の種別(変動種別)と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う。尚、サブ制御装置262の通常処理は1msec毎に行われるため、例えば、特別表示装置43L、43Rにおける変動時間が1秒である旨の情報を受信した場合、変動時間タイマには1秒に相当する値「1000」が設定される。
また、当該ステップS3906では、演出ボタン125の操作の有無についても確認し、演出ボタン125の操作が確認された場合には、これに応じた設定を行う。さらに、本実施形態では、終了設定処理において変動回数カウンタに「100」が設定された場合や、判別情報設定処理において変動回数カウンタの値が1減算された場合に、その旨を含むコマンドが主制御装置261からサブ制御装置262に出力され、サブ制御装置262では、当該コマンド情報に基づいて、装飾図柄表示装置42にてナビモードの残り回数を表示する構成となっている。本実施形態では、装飾図柄表示装置42にてナビモードの残り回数を表示する機能が残数教示手段に相当する。
尚、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
また、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において、当否・開放抽選に基づく大当たり状態の発生を予告する演出が行われる。さらに、かかる予告演出は、特別表示装置43L、43Rにて変動中の変動表示に対応して行われるだけでなく、特別変動保留エリアに格納された変動情報に対応しても行われる構成となっている。すなわち、変動パターンコマンドの受信に際してRAM553のコマンドバッファに格納された情報、及び、保留情報格納エリアに格納された変動情報に基づいて表示演出を生成することとなる。
さらに、本実施形態では、羽部材406が開状態にある場合、及び、羽部材406が閉状態とされても特定領域401に遊技球が残存している場合には、特別表示装置43L、43Rの変動表示が行われない構成となっている。このため、このように変動表示が行われない状態においては、装飾図柄表示装置42において専用の表示演出が行われるようになっている。
以下、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出について、図44を参照して説明する。
図44(a)に示すように、装飾図柄表示装置42では、特別表示装置43L、43Rの変動表示に対応する表示演出として、宇宙人が回転寿司屋で寿司を食べる演出表示が行われる。
具体的に、装飾図柄表示装置42には、寿司屋の回転台と、回転台を流れる皿に載せられた寿司と、宇宙人とが表示される。回転台を流れる寿司は、保留情報格納エリアに記憶された変動情報の数によって変化し、例えば、実行エリアと第1保留エリアとに変動情報が記憶されている場合には、装飾図柄表示装置42において、2つの寿司(2皿)が表示されることとなる。
また、実行エリアの変動情報を示す寿司は、宇宙人の前を流れ、それを宇宙人が箸を使って食べることができれば、小当たり又は大当たりが発生する(外れの場合は寿司を落とす)。具体的に、先発コマンドを受信した時点で装飾図柄表示装置42において表示される寿司が1個追加され、変動パターンコマンドを受信した時点で、装飾図柄表示装置42に最も早くに表示された寿司(実行エリアにシフトされた変動情報に対応する寿司)が宇宙人の前まで流れてくる。さらに、特別図柄表示装置43L,43Rの変動表示中においては、宇宙人が箸で寿司を取ろうとする表示がなされ、特別図柄表示装置43L,43Rの変動表示が停止表示される時点で、宇宙人が寿司を口に入れる又は寿司を落とす表示がなされる。
さらに、装飾図柄表示装置42にて表示される寿司の大きさは、大・中・小の3種類あり、1秒変動の「小当たり」の場合には「小」の寿司、3秒変動の「小当たり」の場合には「中」の寿司、「大当たり」及び「外れ」の場合には「中」又は「大」の寿司が表示される。この寿司の大きさの違いは、保留された変動表示に対応する寿司が装飾図柄表示装置42に表示された時点で認識できるようになっている。これによって、遊技者は、保留された変動表示に対しても「大当たり」への期待を高めることができる。
また、装飾図柄表示装置42では、羽部材406が開放されるのとほぼ同時に、宇宙人が宇宙船を呼び出す表示演出が開始される。尚、羽部材406の開放中、装飾図柄表示装置42において、遊技者に対し、遊技球を特定領域401に入球させることを促す表示がなされることとしてもよい。その後、特定領域401に遊技球が入球し、入球カウントスイッチ437の検知が行われると装飾図柄表示装置42に宇宙船が表示される。そして、(有効状態において)特定入賞口421に遊技球が入球した場合、宇宙人が宇宙船に乗り込んで大当たり状態の発生を告知する表示がなされ、その後、ラウンド表示装置47の変動表示に対応する表示演出、及び、大当たり状態に対応する表示演出へと続いていく。一方、特定入賞口421に入球することなく特定領域401から全ての遊技球が排出された場合、宇宙船が消え去る表示がなされ、その後、特別図柄表示装置43L,43Rの変動表示に対応する表示演出が開始される。
また、特定領域401に遊技球が入球することなく羽部材406が閉鎖された場合には、宇宙船が表示されることなく当該表示演出が終了し、特別図柄表示装置43L,43Rの変動表示に対応する表示演出が開始される。
尚、上記フローチャートの説明では、便宜上、羽部材406の開状態とされている間、及び、特定領域401から遊技球が排出されるまでの間に行われる専用の表示演出に関する処理の説明を省略したが、ここでまとめて説明する。すなわち、主制御装置261は、羽部材406が開放された場合(例えばステップS1806の後)、入球カウントスイッチ437の検知があった場合(例えばステップS7204の後)、特定入球検知スイッチ425の検知があった場合(例えばステップS7313の後)、羽部材406が閉鎖された場合(例えばステップS1812の後)、入球カウンタの値が「0」になった場合(例えばステップS7107の後)に、これら各種情報をサブ制御装置262に出力するためのコマンドを設定し、通常処理の次回の外部出力処理(ステップS201参照)にてサブ制御装置262に出力する。そして、サブ制御装置262は、当該各種情報に基づいて、上記専用の表示演出を行う。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3907で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに演出表示が継続される。
ステップS3906に続くステップS3907では、第2可動役物447を駆動させる第2役物駆動処理が行われる。本実施形態では、羽部材406が開状態とされる際に、第2役物駆動モータが駆動され、第2可動役物447が1回上下に往復動作される。また、変動パターンコマンドに大当たりの情報が含まれている場合、(保留情報格納エリアに大当たりの情報が記憶されている場合でも可)において、演出ボタン125が操作された場合に、一定の確率で第2可動役物447が上下に振動するように構成されている。
ステップS3908のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。また、当該ランプ設定処理では、先発コマンドを受信した場合に、消灯状態にある特別変動保留ランプ46のうちの1つ(例えば、消えているランプのうち一番左側のもの)を点灯状態とする。さらに、変動パターンコマンドを受信した場合に、点灯状態にある特別変動保留ランプ46のうちの1つ(例えば、点灯しているランプのうち一番右側のもの)を消灯させる。加えて、普通図柄表示装置41の変動表示が保留された旨の情報を受信した場合に、普通変動保留ランプ44のうちの1つを点灯させ、普通図柄表示装置41の変動表示が開始された旨の情報を受信した場合に、普通変動保留ランプ44のうちの1つを消灯させる処理も行う。
ステップS3909の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカ24の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3909で行われる。
ステップS3910では、客待ち演出(例えば、装飾図柄表示装置42において特別表示装置43L、43Rの変動表示に対応する表示演出が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3911では、上記ステップS3905〜3910の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、特別表示装置43L、43Rの変動表示に対応する表示演出を装飾図柄表示装置42に行わせる際に、表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップS3905〜S3911の処理が実行された後、又は、上記ステップS3904で否定判別された場合には、ステップS3912に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3913に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3912で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3914において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
以上詳述したように、本実施形態によれば、大当たり状態以外の通常の遊技状態において、特定入球検知スイッチ425の検知に基づいて大当たり状態が発生される有効状態と、特定入球検知スイッチ425の検知があっても大当たり状態が発生しない無効状態とがあり、入球カウントスイッチ437の検知があった場合に有効状態に切替わり、羽部材406が閉状態とされた後、特定領域401内に遊技球が存在しないと判別された場合に無効状態に切替わる構成となっている。このため、基本的に常時有効状態となっているものに比べ、電波等により特定入球検知スイッチ425に誤った検知を行わせて大当たり状態を発生させるといった不正行為を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、入球カウントスイッチ437の検知があってから、特定領域401内に存在する遊技球の数を計数する入球カウンタの値が0になるまでの間だけ有効状態(有効フラグオン)とされ、それ以外の特定領域401に遊技球が入球していないような状態においては無効状態(有効フラグオフ)とされる。このため、有効状態とされている期間(有効期間)を極力短くすることができる。従って、特定入球検知スイッチ425に誤検知させるといった不正行為を抑制する等といった上記作用効果が一層確実に奏される。尚、特定領域で球詰まりが発生した場合には、入球カウントスイッチ437に遊技球が最後に検知されてから、遊技球が特定領域401から排出されているはずのタイミングで5秒後にエラー報知処理が行われるとともに、有効フラグがオフされる(無効状態とされる)。
また、無効状態において特定入球検知スイッチ425の検知があると、エラー報知処理が行われる上、大当たり状態が発生しないようになっている(特定入賞処理参照)。このため、上記不正行為の早期発見、上記不正行為による遊技ホールの損害の防止等を図ることができる。尚、エラー状態の解除は、パチンコ機10の後面側に設けられたエラー解除スイッチ(図示略)を遊技ホール関係者が操作することにより行われる。また、特定入賞処理において特定入球検知スイッチ425の検知があったか否かを判別する前に有効状態か否かを判別し、否定判別された場合に特定入球検知スイッチ425の検知があったか否かの判別自体が行われないように構成することでも、不正に大当たり状態を発生させてしまうといった事態を防止することができるが、この場合、エラー報知が行えないため、特定入賞処理において特定入球検知スイッチ425の検知があったか否かの判別の後に改めて有効状態か否かの判別を行うことが望ましい。
さらに、本実施形態では、特定入賞口421に入球した遊技球を特定入球検知スイッチ425よりも前に検知する事前検知スイッチ427が設けられ、特定入球検知スイッチ425の検知があった場合、事前に事前検知スイッチ427の検知が行われているか否かの判別が行われ、肯定判別された場合にのみ大当たり状態を発生させる構成となっている。つまり、大当たり状態を発生させるためには、特定入球検知スイッチ425の検知の前に事前検知スイッチ427の検知が行われていなければならない。具体的に、例えば、特定入球スイッチ425に向けて電波が発射されることで、特定入球検知手段425及び事前検知スイッチ427の検知が同時に行われた場合、大当たり状態は発生しない。従って、大当たり状態を発生させるためには、事前検知スイッチ427の検知の所定時間後に特定入球検知スイッチ425の検知があること(検知の順番)が条件となるため、特定入球検知スイッチ425に電波等を不正に検知させて大当たり状態を発生させるといった不正行為をより確実に抑制することができる。
特に、本実施形態では、事前検知スイッチ427は、特定入賞口421に入球した遊技球を検知するように配置され、本実施形態では、事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425との間の距離が約5mmとなっている。このように、事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425とを近接配置することで、不正な電波を発して事前検知スイッチ427及び特定入球検知スイッチ425の一方にだけ誤検知を行わせるといった行為が事実上不可能となる。すなわち、不正な電波を発して先ず特定入球検知スイッチ425の検知を行わせることなく事前検知スイッチ427に誤検知させた後、再度不正な電波を発して特定入球検知スイッチ425に誤検知させるといった事態を防止することができる。特に、本実施形態では、事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425とが前後に配置されていることから、一方のスイッチ427、425だけに誤検知を行わせるといった事態を一層確実に防止することができる。従って、電波を用いて不正に大当たり状態を発生させるといった行為を確実に防止することができる。また、特定入球検知スイッチ425及び事前検知スイッチ427の検知があったか否かを判別する処理(検知情報確認処理)が2msec周期で行われ、遊技球が事前検知スイッチ427に検知されてから特定入球検知スイッチ425に検知されるまでの間に少なくとも2msec以上かかることにより、特定入球検知スイッチ425の検知に先立って、事前検知スイッチ427の検知があったことを確実に把握することができる。
また、本実施形態では、特別表示装置43L、43Rにおいて、必ずしも保留されている変動表示が、現在変動中の変動表示が停止表示された直後に開始されるものではなく、現在変動中の変動表示に対応して羽部材406が開放される場合には、羽部材406が閉鎖されるまで保留されている変動表示が開始されないようになっている。さらに、羽部材406が閉鎖されても、特定領域401に遊技球が存在している(入球カウンタの値が0ではないと判別される)場合には、特定領域401から全ての遊技球が排出されるまで(入球カウンタの値が0であると判別されるまで)保留されている変動表示が開始されないようになっている。当該構成によって、羽部材406の先の開放に際して特定領域401に入球した遊技球と、後の開放に際して特定領域401に入球した遊技球とが、特定領域401において混在しないようになっている。このため、羽部材406の先の開放と、後の開放との間において有効期間を一旦区切る(無効状態)を挟むことができる(羽部材406の先の開放に対応して設定される有効期間と、後の開放に対応して設定される有効期間とが連続することを避けることができる)。従って、有効期間を極力短くするといった上記作用効果が一層確実に奏される。
尚、保留されている変動表示が開始されないのではなく、保留されていた変動表示は開始されたが停止表示されないよう構成してもよい。また、本実施形態では、保留されている変動表示の開始が待機させられている間、装飾図柄表示装置42において専用の演出表示(宇宙人が宇宙船を呼び出して乗り込む演出)が行われる。つまり、保留されている変動表示の開始が待機されることによって、特別表示装置43L、43Rの変動表示に対応する装飾図柄表示装置42の演出表示がいきなり途切れることによって遊技者に違和感を与えるおそれがあるが、変動表示を待機させている間、専用の演出表示を行うことによってかかる不具合を防止することができる上、演出性の向上を図ることができる。また、変動表示の開始が待機させることに伴って、羽部材406の開放の間隔が比較的長くなるため、遊技球を発射させ続けると遊技球のロスになることが懸念されるが、変動表示を待機させている間、専用の演出表示を行うことによって、変動表示が待機されている状態であることを認知させやすくなり、かかる不具合を抑制することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(d)上記実施形態では、第1始動入賞ユニット33a及び第2始動入賞ユニット33bのどちらに遊技球が入球しても、開放抽選及び当否抽選の当選確率や変動表示時間等が同じであったが、第1始動入賞ユニット33aに遊技球が入球した場合と、第2始動入賞ユニット33bに入球した場合とで、開放抽選及び当否抽選に際しての大当たりや小当たりの振分けや、各抽選にて当選した場合の特典の内容等が異なるように構成してもよい。
例えば、第1始動入賞ユニット33aへの入球に基づく抽選にて小当たりに当選した場合には、第1特別表示装置43Lにて1秒又は3秒の変動表示が行われた後、羽部材406の0.8秒間の開放が1回又は2回行われ、第2始動入賞ユニット33bへの入球に基づく抽選にて小当たりに当選した場合には、第2特別表示装置43Rにて1秒の変動表示が行われた後、羽部材406の1秒の開放が1回行われることとしてもよい。また、例えば、第1始動入賞ユニット33aに遊技球が入球した場合に払出される遊技球の数と、第2始動入賞ユニット33bに入球した場合に払出される遊技球の数とが異なることとしてもよい。さらに、第1始動入賞ユニット33aに遊技球が入球した場合、当否乱数カウンタC1の値が「0」であると判別された後、さらに、種別選択カウンタNxの値に基づいて大当たりの種別を決定する処理が行われることとしてもよい。
また、「小当たり」1回につき羽部材406が複数回(例えば2回)開放されることもあるように(動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づく抽選にて、例えば、羽部材406が1回開放される「第1の小当たり」、羽部材406が2回開放される「第2の小当たり」、「大当たり」、「外れ」のいずれかに振分けられるように)構成した場合であって、「小当たり」1回につき羽部材406が2回開放される場合、羽部材406の開放のインターバルの長さが変化するよう構成してもよい。例えば、羽部材406の先の開放期間が終了したときに特定領域401内に遊技球が存在するか否かを判別し、存在しないと判別された場合には、羽部材406を一旦閉鎖して、又は、閉鎖することなく羽部材406の後の開放が開始されるとともに、存在すると判別された場合には、特定領域401から全ての遊技球が排出された時点で羽部材406の後の開放が開始されるよう構成してもよい。この場合、特定入球検知スイッチ425の検知が大当たり状態の発生の契機として有効な有効状態とされる羽部材406の先の開放期間と後の開放期間との間において、一旦無効状態を挟むことができ、有効状態とされる期間(有効期間)を極力短く区切ることができる。従って、電波等を用いて特定入球検知スイッチ425に誤検知を行わせるといった不正行為をより確実に抑止することができる。
また、上記実施形態では、第1始動入賞ユニット33a及び第2始動入賞ユニット33bへの入球に基づく変動表示が合計4つまで保留される構成となっているが、例えば、各第1始動入賞ユニット33a及び第2始動入賞ユニット33bへの入球にそれぞれ対応してそれぞれ4つまで(合計8つの)変動表示を保留できる構成としてもよい。当該構成を採用する場合、各始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づく変動表示の保留数を点灯態様によって示す保留ランプ46がそれぞれ設けられる。また、当該構成を採用する場合、例えば、第1始動入賞ユニットaへの入球に基づく変動表示よりも、第2始動入賞ユニット33bへの入球に基づく変動表示の方が優先して消化されるように構成されてもよいし、第1始動入賞ユニット33a及び第2始動入賞ユニット33bに入球があった順番通りに対応する変動表示が実行される構成としてもよい。
さらに、上記実施形態では、第1始動入賞ユニット33aが2つ、第2始動入賞ユニット33bが1つ設けられているが、始動入球手段の数は特に限定されるものではなく、例えば、第2始動入賞ユニット33bを1つ設けるだけでもよい。また、始動入球手段の配置についても特に限定されるものではない。但し、中央入賞ユニット37の左方及び右方を通過する遊技球のいずれも始動入球手段に入球する可能性があるように始動入球手段を配置することが望ましい。
尚、上記実施形態では、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づいて行われる抽選にて「大当たり」(16ラウンド大当たり)に当選する場合があるが、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づく抽選では「大当たり」の付与が決定されることがないように(「小当たり」か「外れ」に振分けられるように)構成してもよい。さらに、始動入賞ユニット33a、33bへ入球があった場合、必ず羽部材406が開放されるように(必ず「小当たり」し、外れがないように)構成してもよい。
(b)上記実施形態では、入球カウントスイッチ437の検知があった場合に有効状態に切替わり、羽部材406が閉状態とされた後、特定領域401内に遊技球が存在しないと判別された場合に無効状態に切替わる構成となっているが、「小当たり」に対応する変動表示が開始されてから当該変動表示に対応して羽部材406が開放された際に特定領域401に入球した遊技球が特定入球検知スイッチ425に検知されるまでの間に有効状態に切替わり、羽部材406が閉鎖された後、特定領域401に遊技球が存在しないと判別される場合、又は、特定領域401に遊技球が存在しているはずがないと判別される場合に無効状態に切替わるよう構成されていればよい。この場合にも、大当たり状態以外の通常の遊技状態において有効期間を十分に短くする(短く区切る)ことができ、特定入球検知スイッチ425に誤検知させるといった不正行為を抑制するといった作用効果が奏される。
但し、羽部材406が開放されてから有効状態に切り替えることが望ましく、上記実施形態のように、進入検知手段としての入球カウントスイッチ437の検知があってから有効状態に切り替えることがより望ましい。すなわち、羽部材406が開放されてから有効状態とする構成を採用することで、羽部材406が未だ開放されておらず、遊技球が特定領域401に入球する可能性がないときに、有効状態としてしまうといった事態を回避することができ、有効期間をより短く区切ることができる。さらに、入球カウントスイッチ437の検知があってから有効状態とする構成を採用することで、特定領域401に遊技球が入球していないのにもかかわらず、有効状態としてしまうといった事態を回避することができ、有効期間をより一層短く区切ることができる。
尚、タイマを用いて、入球カウントスイッチ437の検知があってから(羽部材406が開放されてから)所定時間後に有効状態に切り替えられるよう構成することも可能である。この場合、有効期間をさらに短く区切ることも可能である。但し、タイマを設けたり、タイマの設定をしたりする必要があるため、入球カウントスイッチ437の検知があった時点で(羽部材406が開放された時点で)有効状態に切り替える構成の方が、処理の簡素化などを図ることができる。ちなみに、入球カウントスイッチ437の検知があってから所定時間後(入球カウントスイッチ437に検知された遊技球が特定入球検知スイッチ425(事前検知スイッチ427)や非特定入球検知スイッチ426に検知される前のタイミングであることが前提)に有効状態に切り替えるといった構成を採用する場合、有効期間を短く区切るといった点で最も効果的である。
また、入球カウンタの値が0になることに基づいて有効フラグをオフする(無効状態に切り替える)のではなく、例えば、羽部材406が閉鎖される直前に特定領域401に入球した遊技球が特定領域401から排出されているはずのタイミングで無効状態に切り替えることとしてもよい。この場合、例えば、遊技球が特定領域401に入球してから排出されるまで(特定入球検知スイッチ425又は非特定入球検知スイッチ426に検知されるまで)の標準時間に対して誤差時間を足した排出予定時間を予め記憶している排出予定時間記憶手段としての記憶エリアと、羽部材406が閉鎖されてからの時間を計測するための計測タイマとを設けるとともに、羽部材406が閉鎖された時点で計測タイマに対し記憶エリアに記憶されている排出予定時間を設定し、排出予定時間が経過した時点で、無効状態に切替えるといった構成が挙げられる。このように、特定領域401に遊技球が存在しているはずがないと判別されることで無効状態に切替える場合にも、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
ちなみに、変動表示が開始される時点で、或いは、羽部材406を開状態とした時点で、無効状態に切り替えるまでの時間の計測を開始する場合、変動時間や羽部材406の開放時間のばらつき等があると排出予定時間をその都度算出する必要が生じるため、構成の複雑化を招くおそれがある。もちろん、かかるばらつきが一切ないように構成することも考えられるが、この場合、遊技バリエーションに関する制約が大きくなり、単調感を招くおそれがある。これに対し、上記のように羽部材406が閉鎖されてから無効状態に切り替えるまでの時間の計測を開始することで、上記不具合を回避することができる。
さらに、例えば、入球カウントスイッチ437に最後に検知された遊技球が特定領域401から排出されているはずのタイミングで無効状態に切り替えることとしてもよい。この場合、例えば、遊技球が入球カウントスイッチ437に検知されてから特定領域401外に排出されるまでの標準時間に対して誤差時間を足した排出予定時間を予め記憶している記憶エリアと、入球カウントスイッチ437の検知が行われてからの時間を計測する計測タイマとを設けるとともに、入球カウントスイッチ437の検知が行われた時点で、記憶エリアに記憶されている排出予定時間が計測タイマに設定されるとともに、排出予定時間が経過した時点で、無効状態に切り替えるといった構成が挙げられる。当該構成を採用する場合にも、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
尚、上記のように、無効状態への切り替えを計測タイマを用いて行う場合、初期の設定(納入時)においては、前記記憶手段には遊技球が排出されるまでの時間が記憶され、稼働後は、常時、遊技球が排出されるまでの時間を計測し、その値の平均値を前記記憶手段に記憶することとしてもよい。この場合、特定領域401内の部材が一部破損するなどして遊技球が排出されるまでの時間が変化した場合にも対応することができる。尚、入球カウントスイッチ437を省略することの可能であるが、この場合、特定領域401に遊技球が残存しているか否かを把握することができなくなったり、有効状態と無効状態との切替制御が若干煩雑になったりするので、設ける方が望ましい。
(c)また、例えば、遊技球が特定領域401に入球してから入球カウントスイッチ437に検知されるまでの標準時間(又はこれに誤差時間を足した時間)を予め記憶している入球確認時間記憶エリアと、羽部材406が開放されてから、羽部材406の閉鎖後さらに入球確認時間記憶エリアに記憶されている時間が経過するまでの間においてオンの状態とされる入球確認フラグとを備え、入球カウントスイッチ437の検知があった場合に入球確認フラグがオンであるか否かを判別し、肯定判別されることで上記した入球カウント処理が行われ、否定判別されることでエラー報知処理が行われることとしてもよい。この場合、入球カウントスイッチ437の検知があっても入球確認フラグがオンとなっていなければ有効状態に切替わらない(無効状態が維持される)ため、例えば、入球カウントスイッチ437に電波を発射して誤検知させ、有効状態に切替えた上で、特定入球検知スイッチ425に電波を発射して誤検知させ、大当たり状態を発生させるといった事態を防止することができる。
(d)上記実施形態では、特別表示装置43L、43Rが設けられ、羽部材406の開放に先立って変動表示が行われる構成であったが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、始動入賞ユニット33a、33bへの入球に基づいて必ず羽部材406が開放されるよう構成されるとともに、羽部材406の開放中に始動入賞ユニット33a、33bへの入球があった場合には、羽部材406の開放の権利が保留され、羽部材406が閉鎖された時点で、保留された権利に基づく羽部材406の開放が行われるよう構成してもよい。さらに、羽部材406が閉鎖された後も、特定領域401に遊技球が存在する(入球カウンタの値が0ではない)と判別される場合には、羽部材406の開放がさらに待機され、特定領域401に遊技球が存在しないと判別された時点で羽部材406が開放されるよう構成してもよい。
また、例えば、始動入賞ユニット33a、33bへの1回の入球に基づいて羽部材406が複数回開放されるといった構成を採用する場合において、羽部材406の先の開放が終了してから(閉鎖されてから)後の開放が開始されるとともに、先の開放に際して遊技球が特定領域401に入球した場合、後の開放がさらに待機させられ、特定領域401から全ての遊技球が排出された時点で、後の開放が開始されるよう構成してもよい。
これらの構成を採用する場合にも、羽部材406の先の開放に際して特定領域401に入球した遊技球と、後の開放に際して特定領域401に入球した遊技球とが、特定領域401において混在しないようになる。従って、羽部材406の先の開放と後の開放との間に無効状態を挟むことができ、結果として、有効期間を極力短くすることができる。
また、上記実施形態では、入球カウンタの値が0ではない場合、羽部材406が開放しないように構成されているが、例えば、始動入賞ユニット33a、33bへ遊技球が1球入球したことにつき、羽部材406が2回開放される構成であって、羽部材406の1回目の開放のときに特定領域401に入球した遊技球が2回目の開放の前までに必ず排出されているように、特定領域401内の通路432、433、434、443等が構成されていることとしてもよい。この場合、2回目の開放に際して入球カウンタの値が0であることを確認するといった処理を省略することができる。また、2回目の開放のタイミングが一定であるため、羽部材406の開放に合わせて演出を行う場合、かかる演出の制御を行い易い。尚、入球カウンタの値を確認する構成の方が、1回目2回目の開放に際して特定領域401に入球した遊技球が混在するといった事態をより確実に防止できる。
(e)上記実施形態では、事前検知手段としての事前検知スイッチ427と、特定入球検知手段としての特定入球検知スイッチ425とが約5mmの間隔を隔てて設けられているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、特定入球検知スイッチ425の検知に先立って事前検知スイッチ427の検知が行われるよう構成されていればよい。例えば、事前検知スイッチ427を特定領域401内に設けることとしてもよい。態様例として、例えば、事前検知スイッチ427を省略し、特定入球検知スイッチ425の検知があった場合、入球カウントスイッチ437の検知が事前にあったか否かを判別し、肯定判別された場合に大当たり状態を発生させるよう構成してもよい。この場合、入球カウントスイッチ437が事前検知手段を構成する。但し、特定入球検知スイッチ425に向けて電波を発射した場合に、特定入球検知スイッチ425だけでなく、事前検知スイッチ427も電波を検知してしまうように、特定入球検知スイッチ425及び事前検知スイッチ427を極力近接配置することが望ましい。
また、上記実施形態では、事前検知スイッチ427と特定入球検知スイッチ425とが互いに前後に配置されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、上下や左右に配置されていることとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、事前検知スイッチ427、特定入球検知スイッチ425、及び入球カウントスイッチ437として近接スイッチを採用しているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、これらのいずれか、又はこれらの組み合わせ、或いは全部を接触式のスイッチとしてもよい。例えば、事前検知スイッチ427を接触式のスイッチにし、特定入球検知スイッチ425を近接スイッチとした場合、事前検知スイッチ427及び特定入球検知スイッチ425に向けて不正な電波を発射した場合、特定入球検知スイッチ425のみ誤検知が行われるため、事前検知スイッチ427の検知がないのにもかかわらず、特定入球検知スイッチ425の検知があったとして、エラーの処理が行われることとなる。
(f)上記実施形態では、特別表示装置43L、43Rの変動表示中に大当たり状態が発生した場合、当該変動表示が大当たり状態終了後に行われるとともに、途中からではなく最初から行われるように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、大当たり状態が発生することで中断された特別表示装置43L、43Rの変動表示は、大当たり終了後に行われるが、変動時間は大当たり状態前に行われた変動表示の時間を差し引いた時間だけ行われる(例えば中断された時点の状態から再スタートする)構成としてもよい。つまり、大当たり状態中は第1表示制御タイマの減算処理をスキップし、大当たり状態後、大当たり状態前の第1表示タイマの値(変動残余時間)がそのまま引き継がれるように構成してもよい。
また、例えば、特別表示装置43L、43Rの変動表示中に特定入賞口421に遊技球が入球して大当たり状態が発生した場合、当該変動表示を大当たり状態が開始されるまでに強制的に終了させることとしてもよい。さらに、例えば、当該構成において、中断される変動表示が「大当たり」に対応するものであった場合、特定入球検知スイッチ425の検知に基づく種別抽選の結果によらず(又は当該種別抽選を行うことなく)16ラウンド大当たりを発生させることとしてもよい。
(g)上記実施形態では、変動表示の設定(変動パターンコマンドの設定)に際し、当選乱数カウンタC1の値や変動時間選択カウンタC2の値に基づいて変動時間等を決定しているが、例えば、大当たり発生フラグや3秒変動フラグ等のフラグの設定状況に基づいて変動時間等を決定してもよい。この場合、変動表示の内容を決定する変動表示設定処理に際し、始動入賞処理において既に行われている判定や変動時間の判定の結果を参酌するだけでよく、再度当選乱数カウンタC1の値が「小当たり」や「大当たり」に対応する値であるか否かの判別や、変動時間選択カウンタC2の値が何秒の変動時間に対応する値であるか否かの判別を行わなくて済む。
また、上記実施形態では、特別変動保留エリアにおいて、当選乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値を記憶する領域とは別に、小当たり発生フラグ、大当たり発生フラグ、3秒変動フラグ等が設けられているが、当選乱数カウンタC1や変動時間選択カウンタC2の値を記憶する領域に対し、大当たりするか否かや変動時間等の情報を上書きする構成を採用してもよい。この場合、大当たり発生フラグや3秒変動フラグ等のフラグを別途設ける必要がなく、記憶領域の簡素化を図ることができる。但し、上記実施形態によれば、変動表示の設定(変動表示設定処理)に際し、事前に行われた当否判定処理や変動時間判定処理の結果を基に変動表示の設定を行うわけではなく、始動入賞時に(始動入賞処理において)抽出された当選乱数カウンタC1、変動時間選択カウンタC2の値と、当否判定テーブル、変動時間選択テーブルに記憶されている値とを直接対比させて、その結果に応じて、変動表示の設定を行うことができる。
(h)上記実施形態ではサブ制御装置262が設けられ、サブ制御装置262により装飾図柄表示装置42の表示制御が行われているが、主制御装置261において装飾図柄表示装置42の表示制御を行うこととしてもよい。また、この場合、サブ制御装置262を省略してもよい。さらに、上記実施形態では、特別表示装置43L、43Rにて変動表示が行われている場合、装飾図柄表示装置42において、特別表示装置43L、43Rにて変動中の変動表示に対応する(変動表示の結果を示唆する)表示演出だけでなく、保留されている変動表示に対応する表示演出が行われるよう構成されているが、保留されている変動表示の内容を示唆する表示演出等を省略してもよい。この場合、始動入賞処理にて変動表示の内容を把握したり、先発コマンドをサブ制御装置262に出力したりする必要がなくなるため、制御負担を軽減することができる。また、装飾図柄表示装置42を省略することも可能である。加えて、保留ランプ46の発光色を変えることで、保留されている変動表示の結果を示唆するよう構成してもよい。
(i)上記実施形態では、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示中の変動表示に対応して羽部材406が開放される場合、開放された羽部材406が閉鎖され、かつ、特定領域401に遊技球が存在しないと判別された時点で、特別変動保留エリアに記憶されている次の変動表示が開始される構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。
例えば、変動表示に対応して羽部材406が開放されてもされなくても、特別表示装置43L、43Rにおいて変動表示が停止表示された直後に保留されていた変動表示が開始されるよう構成してもよい。この場合、先の変動表示に対応して羽部材406が開放された際に特定領域401に入球した遊技球と、後の変動表示に対応して羽部材406が開放された際に特定領域401に入球した遊技球とが特定領域401において混在することが考えられる。このため、有効期間を区切ることが困難となり、上記実施形態に比べ有効期間が比較的長くなる場合がある。
(j)上記実施形態では、特定入賞口421に遊技球が入球して特定入球検知スイッチ425の検知が行われることで大当たり状態の発生が約束されるとともに、大当たり状態の種別を決定するための種別抽選が行われ、大当たり状態の種別が決定される構成となっている。すなわち、種別選択カウンタNxを用いて大当たり状態の種別を決定しているが、特にこのような構成に限定されるものではない。
例えば、特定入賞口421に入球した遊技球が案内される領域を設けるとともに、当該領域に対して遊技球が入球可能な5つの入球部を備えた可動振分手段としての回転体を設ける。また、各入球部に個別に対応して、各入球部に入球した遊技球をそれぞれ検知する特定入球検知スイッチ425を設ける。さらに、各特定入球検知スイッチと、大当たり状態の各種別とが対応付けられており、特定入賞口421に入球した遊技球がいずれの入球部に入球するかによって(どの特定入球検知スイッチの検知があったかによって)、異なる種別の大当たり状態が発生する構成となっている。
回転体は、各入球部が特定入賞口421の直下方を順番で通過するようにして、一定速度で回転する。このため、特定入賞口421に遊技球が入球したときに、特定入賞口421の下方に位置していた入球部に遊技球が入球する。
また、例えば、複数の入球部のうち最も遊技球が入球しやすくなる入球部を切替えていく可動振分手段を回転体によって構成するのではなく、例えば、特定入賞口421に入球した遊技球が案内される領域に対し複数の入球部を固定的に設け、各入球部に個別に通じる通路を順次開閉するシャッタ装置を設けることで可動振分手段を構成してもよい。この場合、特定入賞口421に入球した遊技球は、シャッタ装置によって各入球部に個別に通じる通路のうち開通している通路を通り、いずれかの入球部へと入球する。
さらに、例えば、上記実施形態の回転体413の10個のポケットのうち特定受入れ部417を5つにするとともに、特定受入れ部417に個別に対応して特定入球検知スイッチ425を設け、どの特定入球検知スイッチの検知があったかによって、異なる種別の大当たり状態が発生する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、特定領域401内に第1可動役物441が設けられ、サポートモードにおいては、常に第1可動役物441が下方に位置して、特定領域401に入球した遊技球は、必ず導入部431、第1案内通路432、第4案内通路443、及び投下部445を経由して振分機構403に至るように構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、サポートモードにおいても通常モードのときと同様に第1可動役物441が周期的に上下動するよう構成してもよいし、第1可動役物441を省略してもよい。
(k)また、例えば、特定領域401内において、特定入賞口421に入球しやすい遊技球ルートと、入球しにくい遊技球ルートとを設けるとともに、各遊技球ルートを通過する遊技球を検知する検知スイッチを設け、装飾図柄表示装置42においてかかる検知スイッチの検知状況に応じた演出表示が行われるよう構成してもよい。この場合、特定領域401を見ていなくても、遊技球の行方が把握できるようになる上、演出性の向上等を図ることができる。
(l)上記実施形態では、大当たり状態として、「3ラウンド大当たり」、「8ラウンド大当たり」、「特殊3ラウンド大当たり」、「特殊8ラウンド大当たり」、「16ラウンド大当たり」が設定されているが、大当たり状態の種別は特に限定されるものではなく、遊技機の機種毎に適宜設定することができる。
また、上記実施形態では、「通常モード」、「サポートモード」があったが、当該遊技モードの設定についても特に限定されるものではなく、遊技機の機種毎に適宜設定することができる。例えば、通常モードやサポートモードよりも当否・開放抽選にて「大当たり」に当選し易いモードを設けてもよいし、通常モードにおいて所定条件が成立した場合にもサポートモードが付与されるように(大当たり状態の終了後、通常モードで開始されても途中からサポートモードに移行し得る)構成してもよい。また、サポートモードを省略し、通常モードのみの構成であってもよい。
さらに、上記実施形態では、大当たり状態の種別が決定されることで、大当たり終了後に付与される遊技モードの種別についても決定される構成となっているが、大当たりの種別の決定と、遊技モードの種別の決定とが別々に行われる構成としてもよい。例えば、遊技モードの種別を決定する種別選択カウンタNxの他に、大当たり状態の種別を決定する当選種別乱数カウンタを設けることとしてもよい。
(m)上記実施形態では特に言及していないが、「ラウンド」が3回繰り返される大当たりに当選した場合、大当たり状態が開始される段階又は大当たり中においては、「3ラウンド大当たり」及び「特殊3ラウンド大当たり」のどちらであるかが把握しにくいように構成してもよい。つまり、特別表示装置43L、43Rの変動停止時に特別表示装置43L、43Rを視認すれば大当たり状態の種別を特定することは可能であるが、遊技者が装飾図柄表示装置42を視認している限り、どちらの大当たりであるかが判らないように構成してもよい。また、「ラウンド」が8回繰り返される大当たりに当選した場合、大当たり状態が開始される段階又は大当たり中においては、「8ラウンド大当たり」及び「特殊8ラウンド大当たり」のどちらであるかが把握しにくい構成としてもよい。
さらに、上記実施形態では、大当たり状態の終了時(終了設定処理)において、大当たり状態終了後に付与されるモードを判別する構成となっているが、大当たり状態の開始時や大当たりラウンドの最中に大当たり状態終了後のモード判別を行うこととしてもよい。当該構成を採用する場合、大当たり状態中において、大当たり状態終了後に付与されるモードを示唆したり、告知したりする等の演出を行うことができ、興趣の向上を図ることができる。
(n)上記実施形態では、特定入賞口421に遊技球が入球したタイミングに応じて、大当たり状態の種別が決定されるように構成されているが、例えば、始動入賞ユニット33a、33bに遊技球が入球したタイミングに応じて大当たり状態の種別が決定されるように構成してもよい。具体的に、始動入賞ユニット33a、33bに入球があった場合、上記のように変動表示(変動情報)が特別変動保留エリアの保留エリアに記憶されるとともに、少なくとも当該変動情報が「小当たり」であると判別された場合に、種別選択カウンタNxの値が抽出され、当該変動情報に対応付けて記憶される(当該変動情報と同じ特別変動保留エリアの保留エリアに記憶される)。そして、所定の変動表示に対応して羽部材406が開放されたときに特定領域401に入球した遊技球が特定入賞口421に入球すれば、当該所定の変動表示に対応して記憶された種別選択カウンタNxの値に対応する種別の大当たり状態が付与されることとなる。
(o)上記実施形態では、当選種別判定値生成手段としての種別選択カウンタNxは、通常処理に際して4msec毎に更新されるよう構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新されるよう構成してもよいし、例えば、当選乱数カウンタC1と同様に、種別選択カウンタNxに対応する初期値乱数カウンタ(取り得る値の範囲が種別選択カウンタNxと同じ)を設け、種別選択カウンタNxが1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタの値が種別選択カウンタNxの次の初期値として読み込まれるよう構成してもよい。さらに、大当たり状態中(各種大当たりフラグがオンされている状態)において、種別選択カウンタNx等を更新してもよい。
(p)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、可変入賞装置32を省略するとともに、特定入賞口421及び非特定入賞口422への入球(特定入球検知スイッチ425及び非特定入球検知スイッチ426の検知)に基づき所定数の遊技球が払出されるものとして、中央入賞ユニット37の羽部材406が開放されてから所定時間(例えば30秒)経過するまで、或いは、特定領域401に所定数(例えば8個)の遊技球が入球するまでを1ラウンドとして、それが所定ラウンド(例えば、3、8、又は16ラウンド)繰り返される間の遊技状態を大当たり状態とした遊技機に適用してもよい。この場合、中央入賞ユニット37が可変入賞装置32の機能を兼ねることとなる。この場合、入球カウントスイッチ437を羽部材406の極力近傍に設けることで、1ラウンドの終了条件である特定領域401への所定数の遊技球の入球がカウントされた際に、速やかに羽部材406を閉鎖することができる。また、入球カウントスイッチ437を羽部材406に近接配置することで、遊技球が入球カウントスイッチ437に検知されてから特定入球検知スイッチ425又は非特定入球検知スイッチ426に検出されるまでの時間が長くなってしまった場合、有効期間を極力短くするために、入球カウントスイッチ437に検知があってから所定時間後(遊技球が排出される前のタイミング)に有効状態に切替わるよう構成してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機などとして実施してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種として、例えば、発射装置にて発射された遊技球が案内される遊技領域と、遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段とを備え、始動入球手段への入球に基づいて入球が許容されることとなる特定領域に入球した遊技球が、同領域内の特定入球手段に入賞した場合に遊技者にとって有利な大当たり状態が発生するといった遊技機、例えばパチンコ機等が知られている(例えば、特開平11−197312号公報参照)。
このような遊技機に関しては、特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段の検知が行われると大当たり状態が発生するため、例えば、特定入球検知手段に向けて不正に電波を発射する等して特定入球手段に誤った検知を行わせ、大当たり状態を発生させてしまうといった不正行為が行われることが懸念される。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、不正行為の抑制を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段1.発射手段により発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な特定領域を有し、前記特定領域への入球が許容される開状態と、前記特定領域への入球が禁止される閉状態とに状態変化可能な可変入球手段と、
前記特定領域に入球した遊技球が入球可能な特定入球手段と、
前記特定入球手段に入球した遊技球を検知する特定入球検知手段と、
前記特定入球検知手段の検知に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態制御手段と、
前記特定領域の外部に設けられ、前記遊技領域を移動する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段に入球した遊技球を検知する始動入球検知手段と、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて、前記可変入球手段を開状態とさせる開閉制御手段とを備え、
前記特定入球検知手段の検知に基づいて前記特別遊技状態制御手段により特別遊技状態が発生される有効状態と、前記特定入球検知手段の検知があっても前記特別遊技状態制御手段による特別遊技状態を発生させる制御が行われない無効状態とに遊技機の状態を切替える許可制御手段を備え、
前記許可制御手段は、前記始動入球手段に遊技球が入球して前記可変入球手段を開状態とさせることが決定されてから、当該決定に基づいて前記可変入球手段が開状態とされた際に前記特定領域に入球した遊技球が前記特定入球手段に入球するまでの間に前記有効状態に切り替え、
前記可変入球手段が閉状態とされた後、前記特定領域に遊技球が存在しないと判別される場合、又は、前記特定領域に遊技球が存在しているはずがないと判別される場合に前記無効状態に切り替えることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、特定入球検知手段の検知が特別遊技状態の発生の契機として有効な有効状態と、特定入球検知手段の検知があっても特別遊技状態の発生の契機とならない無効状態とに切替わる構成となっている。このため、基本的に常時有効状態となっているものに比べ、電波等により特定入球検知手段に誤った検知を行わせて特別遊技状態を発生させるといった不正行為を抑制することができる。
さらに、可変入球手段が閉状態であり、さらには、可変入球手段が開状態とされることも決定されていない状態で、なおかつ、特定領域に遊技球が存在していない、或いは、存在しているはずがないと判別されるような状態においては無効状態とされる。つまり、少なくとも可変入球手段を開状態とさせることが決定される前の段階において無効状態としておくことができ、さらには、可変入球手段が閉状態とされた後、特定領域に遊技球が存在しない状態となると再び無効状態とされる。このため、有効状態とされている期間(有効期間)を極力短くすることができる。従って、特定入球検知手段に誤検知させるといった不正行為を抑制する等といった上記作用効果が一層確実に奏される。
尚、「前記無効状態において前記特定入球検知手段の検知があった場合、報知手段により報知が行われること」としてもよいし、「前記無効状態において前記特定入球検知手段の検知があった場合、遊技が一時停止状態とされること」としてもよい。この場合、上記不正行為の早期発見、上記不正行為による遊技ホールの損害の防止等を図ることができる。ここで言う遊技の一時停止状態としては、例えば、発射手段による遊技球の発射が行われない状態、各種入球検知手段の検知が無効にされる状態、可変入球手段が閉状態とされて閉状態が維持される状態等が挙げられ、当該一時停止状態は、遊技機の後面側等の通常接触を図ることのできない位置に設けられたエラー解除手段を遊技ホール関係者が操作することにより解除される。
尚、「当該決定に基づいて前記可変入球手段が開状態とされた際に前記特定領域に入球した遊技球が前記特定入球手段に入球するまでの間」とあるのは、特定領域に入球した遊技球が特定入球手段に必ず入球するといったことを意味するものではなく、特定領域に入球した遊技球が特定入球手段に入球する場合には、遊技球が特定入球手段に入球する前の段階で有効状態に切り替えられていることを意味する。つまり、特定領域に入球した遊技球が特定入球手段に入球することなく特定領域から排出される場合もある構成の遊技機にも適用可能である。また、許可制御手段は、特別遊技状態(及び特別遊技状態の発生が決定されている状態)においては、無効状態に切り替えることとしてもよい。
手段2.前記開閉制御手段は、
前記可変入球手段を開状態とするか否かの開放抽選に用いられる開放乱数生成手段と、
前記開放抽選にて当選する値として、前記開放乱数生成手段で生成され得る値のうち予め定められた値を記憶している開放値記憶手段と、
前記開放乱数生成手段の値を記憶可能な複数の保留エリアを有する保留記憶エリアとを備え、
前記保留記憶エリアは、複数の保留エリアと、1つの実行エリアとを備え、
前記開放抽選の結果を教示するための変動表示が行われる可変表示手段を備え、
前記始動入球検知手段の検知に基づいて、前記開放乱数生成手段の値を抽出する判定値抽出処理と、
前記判定値抽出処理にて抽出された前記開放乱数生成手段の値を、前記保留記憶エリアの保留エリアのいずれかに記憶する判定値格納処理と、
前記可変表示手段における変動表示の実行に先立って、前記保留エリアに記憶されている情報を前記実行エリア側にシフトするシフト処理と、
前記シフト処理により前記保留記憶エリアの前記実行エリアに記憶された前記開放乱数生成手段の値が、前記開放値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かを判別する開放判定処理と、
前記開放判定処理の結果に基づいて、前記可変表示手段にて行われる変動表示の設定を行う変動表示設定処理と、
前記開放判定処理の結果が前記開放乱数生成手段の値と前記開放値記憶手段の値との一致を示す場合に、前記変動表示設定処理にて設定された変動表示の終了後に前記可変入球手段を開状態とする開放処理とを行う構成であって、
前記許可制御手段は、前記開放判定処理の結果が前記開放乱数生成手段の値と前記開放値記憶手段の値との一致を示す場合に、前記可変表示手段にて当該開放判定処理の結果を教示するための変動表示が開始されてから、当該開放判定処理の結果に基づいて前記可変入球手段が開状態とされた際に前記特定領域に入球した遊技球が前記特定入球手段に入球するまでの間に前記有効状態に切り替えることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、保留記憶エリアが複数の保留エリアを有し、変動表示の設定に関わる開放乱数生成手段の値を複数回分記憶可能であるため、結果的に、開放抽選の結果を教示する変動表示が保留されることとなる。また、本手段では、変動停止後に可変入球手段が開状態とされることとなる変動表示の開始前の段階において無効状態としておくことができる。つまり、本手段では、変動表示中に始動入球手段に遊技球が入球した場合にその分の変動表示が保留されて実行中の変動表示の停止後に行われる構成、すなわち、俗に言う変動表示が保留される構成であるため、例えば、始動入球手段に遊技球が入球した時点で可変入球手段を開状態とさせることが決定されるとともに有効状態に切り替えられる構成であると、実行中の変動表示が「外れ(一致しない)」に対応したものである場合に、有効期間が無駄に長くなってしまうおそれがある。これに対し、本手段2の構成を採用することで、かかる不具合を回避することができる。
手段3.前記可変入球手段が開状態とされている場合、及び前記特定領域に遊技球が存在していると判別される場合、又は、前記特定領域に遊技球が存在している可能性があると判別される場合には、前記可変表示手段における変動表示が停止表示されないことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、可変表示装置において変動表示が停止表示された後、可変入球手段が開状態とされている場合や特定領域に遊技球が存在している場合には、次の変動表示に基づいて可変表示が開状態とされないように構成されている。つまり、特定領域において遊技球が存在する可能性がなくなってから、可変入球手段の次の開放が行われる。これにより、可変入球手段の先の開放に際して特定領域に入球した遊技球と、後の開放に際して特定領域に入球した遊技球とが、特定領域において混在しないようになっている。このため、可変入球手段の先の開放と、後の開放との間において有効期間を一旦区切る(無効状態)を挟むことができる(可変入球手段の先の開放に対応して設定される有効期間と、後の開放に対応して設定される有効期間とが連続することを避けることができる)。従って、有効期間を極力短くするといった上記手段1の作用効果が一層確実に奏される。
尚、「可変表示手段における変動表示が停止表示されない」としては、可変表示手段において変動表示が停止表示された後、可変入球手段が開状態とされるとともに、可変表示手段において次の変動表示は開始されるが当該変動表示が停止表示されない(変動表示が延長される)構成、及び、可変表示手段において変動表示が停止表示された後、可変入球手段は開状態とされるが、可変表示手段における変動表示は開始されない(変動表示の開始が待機される)構成が挙げられる。後者の構成を採用する場合、変動表示を急遽引き延ばす(再編成する)表示制御を行う必要がなく、制御の複雑化を抑制することができる。具体例を挙げると、可変表示手段における変動表示が停止表示される際に、可変入球手段が開状態とされるか否かを判別し、開状態とされないと判別された場合には、変動表示の停止表示後、次の変動表示を開始させる。一方、開状態とされる場合には、変動表示が停止しても次の変動表示を開始させることなく、変動表示の停止表示後、可変入球手段を開状態とさせる。さらに、可変入球手段が閉状態とされる際に、特定領域に遊技球が存在するか否かを判別し、存在しないと判別された場合には、可変入球手段を閉状態とした後、次の変動表示を開始させる。一方、存在すると判別された場合には、可変入球手段を閉状態とした後も、遊技球が特定領域から排出されるまでかかる判別を続け、存在しないと判別された時点で、次の変動表示を開始させる。
尚、「前記可変表示手段における変動表示に対応して各種演出表示が行われる演出表示手段を備え、前記変動表示が停止されることのない状態においては、前記演出表示手段にて、前記可変表示手段における変動表示に対応して行われる演出表示とは異なる専用の演出表示が行われること」としてもよい。つまり、上記手段3のように、変動表示(の停止表示)が待機される場合、可変表示手段の変動表示に対応する演出表示手段の演出表示がいきなり途切れることによって遊技者に違和感を与えるおそれがあるが、変動表示を待機させている間、専用の演出表示を行うことによってかかる不具合を防止することができる上、演出性の向上を図ることができる。また、変動表示が待機させられることに伴って、可変入球手段の開放の間隔が比較的長くなるため、遊技球を発射させ続けると遊技球のロスになることが懸念されるが、変動表示を待機させている間、専用の演出表示を行うことによって、変動表示が待機されている状態であることを認知させやすくなり、かかる不具合を抑制することができる。
手段4.前記開閉制御手段は、前記可変入球手段を複数回開状態とさせることが決定されている場合、前記可変入球手段を1回分ずつ、閉状態を挟んで、複数回開状態とさせる構成であって、
前記開閉制御手段は、前記可変入球手段が閉状態にある場合に、前記特定領域に遊技球が存在していると判別される場合、又は、前記特定領域に遊技球が存在している可能性があると判別される場合には、前記可変入球手段を閉状態に維持することを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
手段4によれば、可変入球手段の先の開放に際して特定領域に入球した遊技球と、後の開放に際して特定領域に入球した遊技球とが、特定領域において混在しないようになっている。例えば、始動入球検知手段の検知が1回行われることに基づいて、可変入球手段が複数回(例えば2回)開放され得るような構成の場合においても、可変入球手段の先の開放に際して特定領域に入球した遊技球が特定領域から排出されない限り、次の開放が行われることはない。このため、可変入球手段の先の開放と、後の開放との間において有効期間を一旦区切る(無効状態)を挟むことができる(可変入球手段の先の開放に対応して設定される有効期間と、後の開放に対応して設定される有効期間とが連続することを避けることができる)。従って、上記手段3と同様に、有効期間を極力短くするといった上記作用効果が一層確実に奏される。
尚、当該手段4には、始動入球手段への入球があった場合、変動表示が行われることなく当該入球に基づいて可変入球手段が開状態とされる構成を含む趣旨であり、可変入球手段が開状態である最中に始動入球手段への入球があった場合、当該入球に基づく可変入球手段を開状態とされる権利が保留され、可変入球手段が閉状態とされた後にかかる権利が行使される(可変入球手段が開状態とされる)。
また、「前記開閉制御手段は、前記可変入球手段を開状態とするか否かの開放抽選に用いられる開放乱数生成手段と、前記開放抽選にて当選する値として、前記開放乱数生成手段で生成され得る値のうち予め定められた値を記憶している開放値記憶手段と、前記開放乱数生成手段の値を記憶可能な複数の保留エリアを有する保留記憶エリアとを備え、前記保留記憶エリアは、複数の保留エリアと、1つの実行エリアとを備え、前記始動入球検知手段の検知に基づいて、前記開放乱数生成手段の値を抽出する判定値抽出処理と、前記判定値抽出処理にて抽出された前記開放乱数生成手段の値を、前記保留記憶エリアの保留エリアのいずれかに記憶する判定値格納処理と、前記保留記憶エリアの前記実行エリアに記憶された前記開放乱数生成手段の値が、前記開放値記憶手段に記憶されている値と一致するか否かを判別する開放判定処理と、前記開放判定処理に先立って、前記保留エリアに記憶されている情報を前記実行エリア側にシフトするシフト処理と、前記開放判定処理の結果が前記開放乱数生成手段の値と前記開放値記憶手段の値との一致を示す場合に、前記可変入球手段を開状態とする開放処理とを行う構成であって、前記開閉制御手段は、前記可変入球手段が既に開状態とされている場合、(前記シフト処理、前記開放判定処理、及び)前記開放処理の実行を待機するとともに、前記特定領域に遊技球が存在していると判別される場合、又は、前記特定領域に遊技球が存在している可能性があると判別される場合にも、(前記シフト処理、前記開放判定処理、及び)前記開放処理の実行を待機すること」としてもよい。
手段5.前記許可制御手段は、前記可変入球手段が開状態とされてから、当該可変入球手段が開状態とされた際に前記特定領域に入球した遊技球が前記特定入球手段に入球するまでの間に前記有効状態に切り替えることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
手段5によれば、少なくとも可変入球手段が開状態とされる前の段階において無効状態としておくことができる。つまり、遊技球が特定領域(特定入球手段)に入球する可能性のないタイミングである可変入球手段が開状態とされる前から有効状態とするといった無駄を省くことができる。従って、有効期間を極力短くするといった上記手段1の作用効果が一層確実に奏される。尚、可変入球手段が開状態とされることに基づいて、可変入球手段が開状態とされた時点で有効状態に切替わる構成としてもよいし、可変入球手段が開状態とされてから所定時間が経過した時点で有効状態に切替わる構成としてもよい。後者の構成を採用する場合、可変入球手段が開状態とされてから有効状態に切り替えるタイミングまでの間の時間を計測するタイマ等が必要となるが、前者の場合には必要ない。また、後者の構成を採用する場合、有効状態とされている期間をより短くすることができる。尚、後者の構成を採用する場合の態様例としては、可変入球手段が開状態とされた時点で、可変入球手段が開状態とされた直後に特定領域に入球した遊技球が特定入球検知手段に検知され得るまでの時間よりも短い時間に相当する値がタイマに設定される構成が挙げられる。
手段6.前記特定領域に入球した全ての遊技球を検知する進入検知手段を備え、
前記許可制御手段は、前記進入検知手段によって遊技球が検知されてから、当該進入検知手段に検知された遊技球が前記特定入球手段に入球するまでの間に前記有効状態に切り替えることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
手段6によれば、少なくとも進入検知手段によって遊技球が検知される前の段階において無効状態としておくことができる。つまり、特定領域に遊技球が入球していない、すなわち、遊技球が特定入球手段に入球する可能性がないのにもかかわらず、有効状態とするといった無駄を省くことができる。従って、有効期間を極力短くするといった上記手段1の作用効果がより一層確実に奏される。
尚、進入検知手段の検知に基づいて、進入検知手段の検知があった時点で有効状態に切替わる構成としてもよいし、進入検知手段の検知があってから所定時間が経過した時点で有効状態に切替わる構成としてもよい。後者の構成を採用する場合、進入検知手段の検知があってから有効状態に切り替えるタイミングまでの間の時間を計測するタイマ等が必要となるが、前者の場合には必要ない。また、後者の構成を採用する場合、進入検知手段の検知があって時点で、進入検知手段に検知された遊技球が特定入球検知手段に検知され得るまでの時間よりも短い時間に相当する値がタイマに設定される。さらに、前者の構成を採用する場合、進入検知手段は、前記特定領域に入球した遊技球が必ず通過する位置のうち最も下流側の位置に設けられていることとしてもよい。この場合、進入検知手段に検知されてから特定領域外に排出されるまで(特定入球検知手段又は非特定入球検知手段に検知されるまで)の時間を短くすることができ、結果的に上記タイマを設けなくても有効期間をより短く設定することができる。
手段7.遊技球が前記特定領域に入球してから前記特定入球検知手段に検知されるまでの標準時間に対して誤差の時間を足した排出予定時間を予め記憶している排出予定時間記憶手段と、
開状態にあった前記可変入球手段が閉状態とされてからの時間を計測する切替タイミング計測手段とを備え、
前記許可制御手段は、前記可変入球手段が閉状態とされてから前記排出予定時間が経過したと判別された場合に前記無効状態に切り替えることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段7によれば、特定領域に入球した遊技球が特定入球手段に入球する場合、当該遊技球は、遅くとも可変入球手段が閉状態とされてから排出予定時間が経過する前に特定入球検知手段に検知されることとなる。そして、可変入球手段が閉状態とされてから排出予定時間が経過した時点で、すなわち、特定領域に遊技球が存在しているはずがないと判別されることで無効状態に切替えている。従って、上記手段1の作用効果が確実に奏される。
ちなみに、可変入球手段を開状態とすることが決定された時点で、或いは、可変入球手段を開状態とした時点で、無効状態に切り替えるまでの時間の計測を開始する場合、可変入球手段を開状態とすることが決定されてから可変入球手段が実際に開状態とされるまでの時間のばらつきや、可変入球手段の開状態となっている時間(開放時間)のばらつき等があると、排出予定時間をその都度算出する必要が生じるため、構成の複雑化を招くおそれがある。もちろん、かかるばらつきが一切ないように構成することも考えられるが、この場合、遊技バリエーションに関する制約が大きくなり、単調感を招くおそれがある。これに対し、上記のように可変入球手段が閉状態とされてから無効状態に切り替えるまでの時間の計測を開始することで、上記不具合を回避することができる。
尚、排出予定時間は、特定領域に入球してから特定入球手段に入球するまでの時間のデータを取る等して予め検証された時間である。また、誤差の時間の「誤差」とは、遊技球が前記特定入球手段に至るまでの間に遅れが生じた場合の誤差である。例えば、特定領域に入球してから特定入球手段に入球するまでの時間のデータを取り、そのうち球詰まりが発生した場合を除く最も長い時間を排出予定時間として排出予定時間記憶手段に記憶させることとしてもよい。
手段8.前記特定領域に入球した全ての遊技球を検知する進入検知手段と、
遊技球が前記進入検知手段に検知されてから前記特定入球検知手段に検知されるまでの標準時間に対して誤差の時間を足した排出予定時間を記憶する排出予定時間記憶手段と、
前記進入検知手段による検知が行われてからの時間を計測する切替タイミング計測手段とを備え、
前記許可制御手段は、前記進入検知手段の検知があってから前記排出予定時間が経過したと判別された場合に前記無効状態に切り替えることを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
手段8によれば、特定領域に入球した遊技球が特定入球手段に入球する場合、当該遊技球は、遅くとも進入検知手段の検知があってから排出予定時間が経過する前に特定入球検知手段に検知されることとなる。そして、進入検知手段の検知があってから排出予定時間が経過した時点で、すなわち、特定領域に遊技球が存在しているはずがないと判別されることで無効状態に切替えている。従って、上記手段1の作用効果がより確実に奏される。
手段9.前記特定領域に入球した全ての遊技球を検知する進入検知手段と、
前記特定領域に入球した遊技球のうち前記特定入球手段に入球しなかった遊技球が入球する非特定入球手段と、
前記非特定入球手段に入球した遊技球を検知する非特定入球検知手段とを備え、
前記特定領域に入球した遊技球は、前記進入検知手段に検知された後、前記特定入球手段又は前記非特定入球手段に入球して前記特定領域から排出される構成であって、
前記進入検知手段の検知と、前記特定入球検知手段及び前記非特定入球検知手段の検知とに基づいて、前記特定領域に存在する遊技球の数を計数する残存球監視手段を備え、
前記許可制御手段は、前記残存球監視手段の計数に基づき、前記特定領域に入球した遊技球が全て前記特定領域から排出されたと判別された場合に、前記無効状態に切り替えることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
手段9によれば、特定領域から遊技球が排出された時点で無効状態に切替えることができる。すなわち、特定領域に遊技球が存在しないと判別されることで無効状態に切替えている。このため、(特定領域にて球詰まりが発生しない限り)上記手段7や手段8よりも早いタイミングで無効状態に切り替えることができる。従って、上記手段1の作用効果が一層確実に奏される。また、手段7や手段8に対応しては、通常は遊技球が特定領域から排出された時点で無効状態とされ、特定領域で球詰まりが発生した場合には、遊技球が特定領域から排出されているはずのタイミングで無効状態とされることとしてもよい。
尚、「前記許可制御手段は、前記残存球監視手段に基づいて前記特定領域に遊技球が存在すると判別された場合に前記有効状態に切替え、前記特定領域に遊技球が存在しないと判別された場合に前記無効状態に切替える」こととしてもよい。当該構成を採用することで、上記手段6及び手段9と同様の作用効果が奏される。
手段10.前記特定入球検知手段に検知される遊技球を、当該遊技球が前記特定入球検知手段に検知される前に必ず検知する事前検知手段を備え、
前記特別遊技状態制御手段は、前記特定入球手段の検知があった場合に、事前に前記事前検知手段の検知があったか否かを判別し、前記事前検知手段の検知があったと判別された場合に特別遊技状態を発生させ、前記事前検知手段の検知がなかったと判別された場合には特別遊技状態を発生させないことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
手段10によれば、特定入球検知手段の検知があっても、事前検知手段の検知がなければ特別遊技状態は発生しない。つまり、特別遊技状態を発生させるためには、特定入球検知手段及び事前検知手段の両方の検知が必要となるため、特定入球検知手段に電波等を不正に検知させて特別遊技状態を発生させるといった不正行為を抑制することができる。
さらに、本手段によれば、特定入球検知手段の検知の前に事前検知手段の検知が行われていなければならない。つまり、(1)前記事前検知手段の検知と前記特定入球検知手段の検知とが同時に行われた場合、(2)前記事前検知手段の検知が行われていないのにもかかわらず前記特定入球検知手段の検知が行われた場合には、特別遊技状態は発生しない。具体的に、例えば、特定入球検知手段が不正電波を検知した際に、事前検知手段もかかる不正電波を同時に検知した場合、特定入球検知手段及び事前検知手段の両方の検知が行われるのではあるが、特別遊技状態は発生しない構成となっている。従って、特別遊技状態を発生させるためには、事前検知手段の検知の所定時間後に特定入球検知手段の検知があること(検知の順番)が条件となるため、特定入球検知手段に電波等を不正に検知させて特別遊技状態を発生させるといった不正行為をより確実に抑制することができる。
尚、前記事前検知手段は前記進入検知手段であることとしてもよい。この場合、検知手段の数を減らすことができ、構成の簡素化などを図ることができる。また、「前記特定入球手段に入球した遊技球を前記特定入球手段に検知される前に検知する事前検知手段を備えること」としてもよい。この場合、特定入球検知手段と事前検知手段とを近接配置することができ、電波を発射して事前検知手段に誤検知させることなく、特定入球検知手段に誤検知させる(事前検知手段及び特定入球検知手段の一方だけに電波を検知させる)といった事態をより困難又は事実上不可能とすることができ、上記作用効果が一層確実に奏される。
手段11.前記事前検知手段は、前記特定入球検知手段よりも前に前記特定入球手段に入球した遊技球を検知する位置に設けられ、
前記特定入球検知手段及び前記事前検知手段の検知があったか否かを判別する検知情報確認処理は、遊技球が前記事前検知手段に検知されてから前記特定入球検知手段に検知されるまでの間に少なくとも1回行われる周期で実行されることを特徴とする手段10に記載の遊技機。
手段11によれば、特定入球検知手段に検知されることとなる全ての遊技球を事前に検知するための事前検知手段は、特定入球手段に入球した後の遊技球を検出する位置に設けられている。これにより、事前検知手段と特定入球検知手段とをより近接配置することができ、不正な電波を発して事前検知手段及び特定入球検知手段の一方にだけ誤検知を行わせるといった行為が事実上不可能となる。すなわち、不正な電波を発して先ず特定入球検知手段の検知を行わせることなく事前検知手段に誤検知させた後、再度不正な電波を発して特定入球検知手段に誤検知させるといった事態を防止することができる。従って、電波を用いて不正に特別遊技状態を発生させるといった行為を確実に防止することができる。また、特定入球検知手段及び事前検知手段の検知があったか否かを判別する検知情報確認処理が、遊技球が事前検知手段に検知されてから特定入球検知手段に検知されるまでの間に少なくとも1回行われる周期で実行されることにより、特定入球検知手段の検知に先立って、事前検知手段の検知があったことを確実に把握することができる。
尚、前記事前検知手段及び前記特定入球手段は、2つの遊技球が接触しながら前記事前検知手段及び前記特定入球手段にそれぞれ検知される場合であっても、後の遊技球が前記事前検知手段に検知される前に、先の遊技球が前記特定入球検知手段に検知されるよう相対配置されていることとしてもよい。また、事前検知手段と特定入球検知手段との間の距離は、遊技球の直径から事前検知手段の厚みを引いた長さよりも小さいこととしてもよい。この場合、上記作用効果が確実に奏される。さらに、事前検知手段と特定入球検知手段とは互いに前後に配置されていることとしてもよい。この場合、事前検知手段及び特定入球検知手段の一方にだけ誤検知を行わせるといった行為をより確実に防止することができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。