JP6798111B2 - 疲労寿命の改善方法および構造物の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)直径が2〜11mm程度であるひずみゲージを鋼部材の表面に配置する。そのひずみゲージは、3方向のひずみを測定できる。
(2)直径が0.5〜6mm程度である止まり穴をひずみゲージの中心に開け、それに伴って開放されたひずみをひずみゲージで測定する。止まり穴の深さは、ひずみゲージの直径の30〜50%程度である。
(3)上記(2)で測定されたひずみを用い、残留応力を算出する。
図1A〜図1Cは、本実施形態の疲労寿命の改善方法によるフロー例を模式的に示す断面図である。これらの図のうち、図1Aはピーニング処理前、図1Bは止まり穴の底面へのピーニング処理後、図1Cは止まり穴の側面と鋼部材の表面との境界へのピーニング処理後をそれぞれ示す。図1A〜図1Cには、構造物が備える鋼部材10の一部を示す。
本実施形態の構造物の製造方法は、穿孔法による残留応力測定のために止まり穴が開けられた鋼部材を備える構造物を対象とする。その構造物は、例えば、実用される構造物とすることができ、より具体的には、橋梁、船舶または建設機械等とすることができる。
図3は、試験片の形状を模式的に示す正面図である。図3に示す試験片30は、板状であり、長手方向の中央に幅W2が一定である平行部33と、長手方向の両端に幅W1が一定である保持部34と、平行部33と保持部34とを繋ぐ肩部35と、を有する。平行部33の長手方向の中央に穿孔法による残留応力測定のために止まり穴31を開けた。保持部34には、試験機に固定するために複数の貫通穴32を設けた。また、肩部35の側面は、所定の半径R1のラウンド面とした。
試験片の長さL1:310mm
平行部の長さL2:60mm
保持部の幅W1:90mm
平行部の幅W2:60mm
試験片の板厚:12mm
肩部の半径R1:150mm
貫通穴の直径:16mm
鋼種:高張力鋼
グレード:日本海事協会のNK規格のKA32
降伏応力YS:354MPa
引張強さTS:487MPa
直径D1:3.2mm
深さ:2.0mm
処理方法:UIT
ピンの直径D2:3mm
ピンの先端の曲率半径Rp:3mm
振動周波数:27kHz
最大応力σmax:330MPa
応力比R:0.1
周波数:3Hz
図4Aおよび図4Bは、比較例1の止まり穴の形状を示す図である。これらの図のうち、図4Aは止まり穴を撮像した写真、図4Bは、止まり穴の中心からの距離と高さの関係を示すグラフである。比較例1の止まり穴31には、ピーニング処理が施されていないので、図4Aおよび図4Bに示す止まり穴31の形状は、穿孔法による残留応力測定の際の穴開けによって形成された形状である。
図7は、穴の中心からの距離と残留応力の関係を示す図である。図7は、ピーニング処理の前後の残留応力の測定結果を示す図である。図7より、比較例1の試験片の表面には、引張の残留応力が発生していた。本発明例1では、試験片のうちの止まり穴の周辺で残留応力が減少した。本発明例2では、ピーニング処理を施した範囲内(ピーニング処理の際にピンによって直接打撃された範囲内)で圧縮の残留応力が発生した。
図8は、疲労寿命を示す図である。図8より、比較例1では、疲労寿命が3×105回程度であった。これに対し、本発明例1では、疲労寿命が60%程度改善した。また、本発明例2では、疲労寿命が100%程度改善した。
11:穿孔法による残留応力測定のための止まり穴、 11a:底面、
11b:側面、 11c:側面と底面の境界、
11d:側面と鋼部材の表面との境界、
20:ピン、 20a:側面、 20b:先端、
30:試験片、 31:穿孔法による残留応力測定のための止まり穴、
32:貫通穴、 33:平行部、 34:保持部、 35:肩部
Claims (10)
- 穿孔法による残留応力測定のために止まり穴が開けられた鋼部材を備える構造物の疲労寿命を改善する方法であって、
当該改善方法は、前記残留応力測定を行った後に、ピンで打撃するピーニング処理を前記止まり穴の底面に施すステップを含み、
前記ピーニング処理を前記止まり穴の底面に施すステップでは、前記止まり穴の底面に位置する部位を深さ方向とともに前記止まり穴の中心側から外側に押し込むことによって、前記底面の形状を平面状から凹状の曲面に変形させるとともに、前記止まり穴の側面と前記底面との境界の角を丸くする、疲労寿命の改善方法。 - 請求項1に記載の疲労寿命の改善方法であって、
当該改善方法は、前記ピーニング処理を前記止まり穴の側面と前記鋼部材の表面との境界に施すステップを含む、疲労寿命の改善方法。 - 請求項2に記載の疲労寿命の改善方法であって、
前記ピーニング処理を前記止まり穴の側面と前記鋼部材の表面との境界に施すステップでは、前記止まり穴の側面と前記鋼部材の表面との境界をテーパー状に変形させる、疲労寿命の改善方法。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の疲労寿命の改善方法であって、
前記ピーニング処理では、直径が前記止まり穴の直径の98%以下であり、かつ、先端の曲率半径が前記ピンの直径の300%以下であるピンを用いる、疲労寿命の改善方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の疲労寿命の改善方法であって、
前記止まり穴の直径が0.5〜6mmであり、前記止まり穴の深さが0.6〜5.5mmである、疲労寿命の改善方法。 - 鋼部材を備える構造物の製造方法であって、
前記鋼部材には、穿孔法による残留応力測定のために止まり穴が開けられ、
当該製造方法は、前記残留応力測定を行った後に、ピンで打撃するピーニング処理を前記止まり穴の底面に施すステップを含み、
前記ピーニング処理を前記止まり穴の底面に施すステップでは、前記止まり穴の底面に位置する部位を深さ方向とともに前記止まり穴の中心側から外側に押し込むことによって、前記底面の形状を平面状から凹状の曲面に変形させるとともに、前記止まり穴の側面と前記底面との境界の角を丸くする、構造物の製造方法。 - 請求項6に記載の構造物の製造方法であって、
当該製造方法は、前記ピーニング処理を前記止まり穴の側面と前記鋼部材の表面との境界に施すステップを含む、構造物の製造方法。 - 請求項7に記載の構造物の製造方法であって、
前記ピーニング処理を前記止まり穴の側面と前記鋼部材の表面との境界に施すステップでは、前記止まり穴の側面と前記鋼部材の表面との境界をテーパー状に変形させる、構造物の製造方法。 - 請求項6〜8のいずれか1項に記載の構造物の製造方法であって、
前記ピーニング処理では、直径が前記止まり穴の直径の98%以下であり、かつ、先端の曲率半径が前記ピンの直径の300%以下であるピンを用いる、構造物の製造方法。 - 請求項6〜9のいずれか1項に記載の構造物の製造方法であって、
前記止まり穴の直径が0.5〜6mmであり、前記止まり穴の深さが0.6〜5.5mmである、構造物の製造方法。
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