JP6793018B2 - 移動体速度検出システムおよび架線溶断防止システム - Google Patents

移動体速度検出システムおよび架線溶断防止システム Download PDF

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Description

本発明は、移動体の速度を検出する移動体速度検出システムに関し、例えば電気鉄道システムのエアセクション区間において列車速度を検出する移動体速度検出システムおよび架線の溶断を防止するための架線溶断防止システムに利用して有効な技術に関する。
電気鉄道システムにおいては、軌道に沿って敷設された架線に電力を供給する変電所が鉄道路線に沿って複数配設されており、変電所間で異なる電力系統を区分するためにエアセクションが設けられている。架空電車線方式のエアセクション区間においては、隣接する電気車走行区間を走行する電気車にそれぞれ電力を供給する2つの架線が、軌道上方に所定の距離を隔てて平行に敷設されている。
このようなエアセクションにおいては、電気車が停止または低速走行することにより、パンタグラフを介して電位差の異なる2つ架線の間に大電流が流れ、何れかまたは両方の架線が溶断する事故が発生するおそれがある。かかる架線溶断事故を防ぐために、低速走行禁止区間を設け、低速走行禁止区間では、当該区間を走行する電気車の速度を検出して、許容速度以下となるような場合には、エアセクションを境に隣り合う電気車走行区間の架線間を短絡器によって短絡させるようにする制御技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008−74354号公報 特許第5752461号公報
特許文献1に記載されている架線切断防止装置においては、エアセクション区間の入り口側と出口側にそれぞれレール電流検出器を設け、2つの電流検出器の測定電流の差分に基づいてエアセクション区間における力行電気車の存在の有無を検出して架線間の短絡制御を行うようにしている。そのため、エアセクション区間で電気車が急制動したり停止したような場合に、電気車の速度が許容速度以下となったことを素早く検知することができないという問題があった。
そこで、エアセクション区間に電磁誘導コイルを用いた複数の電気車速度検知装置を配設し、これらの速度検知装置から受信した電気車速度情報と予め記憶部に記憶されている急制動時の加速度情報とに基づいて、現在時点の電気車速度を算出して許容速度以下である場合にエアセクション区間の2つの架線の短絡制御を行うようにした架線溶断防止システムが提案されている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、特許文献2に記載されている架線溶断防止システムにおける電気車速度検知装置は、所定の間隔をおいて、軌道の一方の側面に交流磁界を発生させる送信コイルを、また軌道の他方の側面に受信コイルを設けて、送信コイルと受信コイルとの間に位置する軌道上を電気車の車輪が通過した際に受信コイルにおける受信レベルが変化するのを検知して、検知時間差から計算によって電気車速度を検出するようにしている。
そのため、速度検出装置の検知手段(コイル)が列車の走行に伴う振動の影響を受け易く耐用年数が短いとともに、軌道の保守作業開始前に検知手段を取り外したり、作業終了後に検知手段の取付け及び調整作業が必要であり、保守性が悪いという課題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、速度検出のための検知手段が列車等の移動体の走行に伴う振動の影響を受けにくく耐久性に優れるとともに、保守作業の際における検知手段の取外しや取付け及び調整作業が不要であり、保守性が良好な移動体速度検出システムおよびそれを用いた架線溶断防止システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、
水平もしくは準水平方向に検知軸を走査して予め設定された検知区間を走行する移動体表面の各部までの距離および角度を検知可能な測距手段と、該測距手段から出力される情報に基づいて前記移動体の移動速度を検出する速度検出装置と、を備えた移動体速度検出システムであって、
前記速度検出装置は、
前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の所定の形状特徴部を判別する特徴部判別手段と、
前記測距手段から出力される情報のうち前記形状特徴部に関して時間差をおいて取得した情報に基づいて前記移動体の速度を算出する速度算出手段と、
を備えるようにしたものである。
上記した構成によれば、移動体の速度を検出するための検知手段として、水平もしくは準水平方向に検知軸を走査して予め設定された検知区間を走行する移動体表面の各部までの距離および角度を検知可能な測距手段(例えば検知区間を検知ビームにより水平もしくは準水平方向に検知軸を走査して予め設定された検知区間を走行する移動体表面の各部までの距離および角度を検知可能な測距手段に走査可能な光学式の測域センサ)を使用しているため、検知手段を軌道より離れた位置に配設することができるので、検知手段が列車等の移動体の走行に伴う振動の影響を受けにくくなり耐久性に優れるとともに、保守作業の際に検知手段等速度検出装置を構成する部品の取外し取付け及び調整作業が不要であり、保守性が良好となる。また、カメラからの画像信号を処理し上記と同様にして移動体の速度を検出することも可能であるが、上記した構成によれば、画像信号を処理による列車検知と比較して、簡易なセンサおよび処理で移動体(列車)の速度検出が可能である。
ここで、望ましくは、前記形状特徴部は前記移動体の角部または隙間もしくは端部であり、
前記速度検出装置は、
前記移動体の角部または隙間に関する前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出し、
前記移動体の角部または隙間を判別できない場合に、前記移動体の端部に関する前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出するように構成する。
上記のような構成によれば、移動体の角部や隙間は、検知ビームを水平もしくは準水平方向に走査する検知手段(光学式センサ)からの検知信号がとぎれることがなく、移動体の側面と直交する方向の成分(Y成分)が急に増減する部位であるため、比較的検知が容易であり、速度の検出も容易である。一方、移動体の端部は、検知手段(光学式センサ)からの検知信号がある状態から信号が無い状態あるいは検知信号が無い状態から信号がある状態へ移行する部位であるため、角部や隙間に比べて誤検出を招き易いが、角部や隙間を判別できない場合に、移動体の端部の検知に基づいて移動体の速度を検出することによって、移動体の形状特徴部が検知できない状態を減らし信頼性の高い検出が可能となる。なお、「隙間」とは、走査時に平面情報が得られない箇所(一次元的に変化する点情報が途切れる箇所)を意味し、狭義の隙間の他に凹部を含む概念である。
また、望ましくは、前記速度検出装置は、
前記移動体が前記検知区間の進入方面区間を走行している際には、第1に前記移動体の先端角部、第2に前記移動体の隙間、第3に前記移動体の最後端部の優先順に従って、前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出し、
前記移動体が前記検知区間の進行方面区間を走行している際には、第1に前記移動体の後端角部、第2に前記移動体の隙間、第3に前記移動体の先頭端部の優先順に従って、前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出するように構成する。
かかる構成によれば、進行方面区間と進入方面区間とで、検知する形状特徴部の優先順位を変えることで、より確実に形状特徴部を検知し移動体の速度を検出することができる。
また、望ましくは、前記速度検出装置は、
前記測距手段からの情報に基づいて、前記測距手段を原点とするXY座標系における検知点のX座標およびY座標を算出する座標変換手段を備え、
前記特徴部判別手段は、前記X座標およびY座標の変化量に基づいて前記形状特徴部を判別するように構成する。
上記した構成によれば、測距手段からの情報(測距データ、検知角度等)に基づいて、検知点のX座標およびY座標を算出し、該X座標およびY座標の変化量に基づいて移動体の形状特徴部を判別するので、移動体が鉄道車両のように箱状の車体が複数連結されている場合に、より的確に形状特徴部を検知することができ、それによって移動体速度の算出を確実に実行することができる。
さらに、望ましくは、前記光学式検知手段は、前記検知区間の入り口側(または出口側)の軌道外側に配置され、
前記速度検出装置は、前記移動体が前記検知区間の進入方面区間および進行方面区間の両区間をまたがって走行している際には、前記移動体の進行方面区間側(または進入方面区間側)の形状特徴部に関する前記測距手段からの情報に基づいて算出した前記移動体の速度を優先し、当該速度の算出ができない場合に、前記移動体の進入方面区間側(または進行方面区間側)の形状特徴部に関する前記測距手段からの情報に基づいて算出した前記移動体の速度を採用するように構成する。
かかる構成によれば、測距手段としての感知器(センサ)を、例えば軌道外側に設けられている既存の電化柱を利用して設置することで、検知範囲の入り口側または出口側に偏った位置に感知器(センサ)が配設されたような場合に、より適切に走行する移動体を検知して移動速度を検出することができる。
本出願に係る他の発明は、上記のような構成を有する移動体速度検出システムと、エアセクション区間において空間を隔てて平行に張られ隣り合う電車走行区間にそれぞれ電力を供給する2つの架線間の短絡を行う短絡手段と、を備えた架線溶断防止システムにおいて、
前記検知区間はエアセクション区間であり、
前記速度検出装置は、前記速度算出手段により算出された前記エアセクション区間を走行する電車の速度が予め設定された許容速度以下である場合に前記短絡手段を動作させる制御信号を生成し出力する短絡制御手段を備え、
前記短絡手段は、前記制御信号を受信した場合に前記エアセクション区間の2つの架線間を短絡するように構成したものである。
かかる構成の架線溶断防止システムによれば、エアセクション区間において電車の速度が許容速度以下となったとしても、エアセクション区間の2つの架線間が短絡されて同電位になることによって、2つの架線に接触しているパンタグラフを介して大電流が流れるのを防ぐことができ、これにより、架線の溶断の発生を防止することができる。
本発明によれば、速度検出のための検知手段が列車等の移動体の走行に伴う振動の影響を受けにくく耐久性に優れるとともに、保守作業の際における検知手段の取外しや取付け及び調整作業が不要であり、保守性が良好な移動体速度検出システムおよびそれを用いた架線溶断防止システムを実現することができるという効果がある。
本発明に係る移動体速度検出システムの構成例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態の列車速度検出システムにおける車体検知用のセンサと列車との関係を示す説明図である。 (A)〜(C)は本発明の実施形態の列車速度検出システムにおける検知用センサによる検知範囲(走査範囲)へ進入した列車の初速検出部位および後続速度の検出部位を示す説明図である。 実施形態の列車速度検出システムにおける列車速度算出処理の全体の流れを示すフローチャートである。 図4の列車速度算出処理における進行方面速度VAの初速算出処理の手順を示すフローチャートである。 図5の初速算出処理における角検出処理の手順を示すフローチャートである。 図5の初速算出処理における先頭検出処理の手順を示すフローチャートである。 図4の列車速度算出処理における進行方面速度VAの後続速度算出処理の手順を示すフローチャートである。 図8の後続速度算出処理における隙間検出処理の手順を示すフローチャートである。 図9の隙間検出処理の概念を説明するための図である。 VB後続速度算出処理における最後尾検出処理の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の移動体速度検出システムを、複数の車両が連結されてなる鉄道車両(電気車)の速度検出システム(以下、列車速度検出システムと称する)に適用した場合の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る列車速度検出システムの構成を示す概略構成図である。
図1において、符号10は軌道(レール)20上を走行する電気車、符号30は電気車10の車体を検知する測距手段としての測域センサ(感知器)、符号40は電気車10の車体の形状特徴部の検知時間差に基づいて電気車の速度を検出する速度検出装置、符号50は隣接する電気車走行区間を走行する電気車にそれぞれ電力を供給する2つの架線(架線A,架線B)が所定の距離を隔てて平行に敷設されているエアセクション区間である。図1には示されていないが、上記エアセクション区間に対応して、上記2つの架線A,B間を短絡可能な短絡手段としてのAS短絡器が設けられている。
架線A,Bは、電化柱21A−21B間や21C−21D間に渡された梁22A,22Bより垂下された支柱(もしくは電化柱)に固定された可動ブラケットによってそれぞれ吊架されている。
本実施形態においては、特に限定されるものでないが、エアセクション区間50の列車進入方面側であって建築限界Lの外側に測域センサ30が配設されている。具体的には、既設の設備である電化柱21Dに、取付金具等を用いて測域センサ30が取り付けられている。なお、測域センサ30は、エアセクション区間50のほぼ中央であって建築限界Lの外側すなわち軌道の外側に、専用の支柱を立てて配設するようにしてもよい。
上記測域センサ30としては、水平もしくは準水平方向に検知ビームを回転走査して反射光を受光可能な回転式光電センサやレーザースキャンセンサを使用することができる。測域センサ30の走査範囲は190度程度あればよく、検知距離は、エアセクション区間50の長さと同程度の(例えば50m)であればよい。現在市販されている測域センサには上記条件を満たし角度分解能が約0.125度のものがあるので、本実施形態のシステムでは、そのような性能を有する市販の測域センサを使用することができる。
また、測域センサ30の設置高さは、検知対象の車両の車体床面(約110cm)よりも高く天井(約4m)よりも低ければよいが、設置やメンテナンスのし易さを考慮すると、車体床面よりも若干高い位置(例えば120〜150cm)程度とするのが望ましい。なお、検知ビームの走査方向は、完全な水平方向に限定されず、列車の先頭車両から最後尾車両までを走査できる方向であれば、水平に対して斜めになっていてもよい。本明細書における「準水平方向」は、上記のような方向を含む概念である。
速度検出装置40は、AC100Vの交流をDC24Vの直流に変換して測域センサ30へ供給するAC−DCコンバータ41、ケーブル42を介して測域センサ30からの検知情報信号(測距データ)が入力されるパーソナルコンピュータ(PC)のようなデータ処理装置43、データ処理装置43からの信号を受けて所定のロジックに従ってAS短絡器の制御信号SCを生成して出力する短絡制御手段としてのシーケンサ44を備えている。
データ処理装置43によって検出されたエアセクション区間内での列車の速度が予め設定された許容速度以下になると、シーケンサ44が制御信号SCを出力し、AS短絡器はこの制御信号SCを受信すると2つの架線A,B間を短絡させるように動作して、列車のパンタグラフを介して大電流が流れて架線が溶断するのを防止する。なお、上記シーケンサ44は、データ処理装置43の動作を監視するとともに、測域センサ30からの故障信号を受けて故障表示を行うための信号を生成して出力したりする機能も備えている。
測域センサ30は、ビームをスキャンすることで、ビームが物体に当たって反射する光を受信してその物体の反射点までの距離を検出するもので、周期的(例えば50msおき)に検知範囲を走査して存在する物体表面までの距離を検出する。一方、データ処理装置43は、測域センサ30から時間差をおいて出力される検知情報(測距データ)に基づいて、エアセクション区間50を走行する電気車10の移動距離を算出し、この移動距離と検知時間差とから電気車の速度を算出する。なお、測域センサ30からは測定された距離データと検知角度が出力される。本実施形態においては、特に限定されるものでないが、データ処理装置43が、測域センサ30から受信した距離データと検知角度とに基づいて、例えばセンサの位置を原点、線路と平行な方向をX軸、線路と直交する方向をY軸とするXY座標で表わしたデータを算出(変換)し、XY座標値に基づいて速度検出等の処理を実行する。
次に、本実施形態における列車速度検出の考え方について、図2および図3を用いて説明する。
本実施形態においては、図2に示すように、列車が測域センサ30を中心として右から左へ走行する場合、中心よりも左側で検出した列車速度を「進行方面速度VA」、中心よりも右側で検出した列車速度を「進入方面速度VB」と称する。前述したように、測域センサ30は短時間(50ms)に検知範囲を走査するので、図2に示すように列車が位置する場合、ノイズ等の影響がなければ、データ処理装置43は「進行方面速度VA」と「進入方面速度VB」の両方を算出することができる。
データ処理装置43は、「進行方面速度VA」と「進入方面速度VB」の両方を取得できた場合、後に説明する判断処理においては「進行方面速度VA」を優先的に使用し、「進行方面速度VA」を取得できなかった場合に「進入方面速度VB」を使用する。
また、データ処理装置43は、図2において○印が付されている車体の先頭や隙間、最後尾等の特徴部までの距離と検知時間差から列車速度を算出する。ここで、「特徴部」は、検出精度を高めるために、車体の表面がほぼ直角に曲がっている箇所が適している。かかる条件を満たすため、本実施形態においては、「特徴部」として車体の先頭の角部や車両の隙間(連結部)、車体最後尾の角部を選択している。
一方、図3(A)に示すように、右側から測域センサ30の検知範囲に進入して来た列車の初速を算出する場合、データ処理装置43は、車体先端の右側の角部Crを列車先頭と認識し、車体先端の左側を角部Clとして認識することができるが、本実施形態においては、まず角部Clの検出データに基づいて「進入方面速度VB」を算出し、角部Clの検出データが得られなかった場合に列車先頭である車体先端の右側角部Crの検出データに基づいて「進入方面速度VB」を算出する。
さらに、列車の後続速度を算出する場合、データ処理装置43は、図3(B)に示すように、列車が測域センサ30の中心から右側(進入方面領域)に位置するときは、車体先端の左側角部Clを速度算出対象として優先的に扱い、角部Clの検出データが得られなかった場合には、車両の隙間の検出データ、次に列車の最後尾の検出データ、の順に速度算出対象として扱う。
一方、後続速度を算出する場合、図3(C)に示すように、列車が測域センサ30の中心から左側(進行方面領域)に位置するときは、列車の最後尾角部CRを速度算出対象として優先的に扱い、最後尾の検出データが得られなかった場合には、車両の隙間の検出データ、次に車体先端の左側角部Clの検出データ、の順に速度算出対象として扱う。なお、「車両の隙間」としては、車両連結部の他に、車両側面のドアと車体(戸袋部分)の境界の凹み等を選択しても良い。
次に、本実施形態の列車速度検出システムにおけるデータ処理装置43によるエアセクション内の列車速度算出処理の具体的な手順の一例を、図4および図5〜図11のフローチャートを用いて説明する。
図4に示されているように、列車速度算出処理においては、先ず測域センサ30から出力される測距データを受信して距離情報と角度情報とから検知点のXY座標を算出し(ステップS1)、X軸方向またはY軸方向に所定長さ(例えば1500mm)以上連続した点があるか否か判定する(ステップS2)。ここで、所定長さ以上連続した点がある(YES)と検知範囲(走査範囲)へ進入している列車があると判定し、所定長以上連続した点がない(NO)と検知範囲(走査範囲)へ進入している列車がないと判定する。
ステップS2の判定は、ある程度以上の大きさを有するものを列車とみなす考え方であり、連続点の判別長さをあまり小さくし過ぎると障害物を誤検知する可能性がある一方、大きくし過ぎると誤検知の可能性がある。そこで、本実施例では、連続点の判別長さを1500mmとした。なお、連続点の途中で一時的な車両なし状態が検出された場合には、反射によるエラーと考えて連続とみなすようにしても良い。
上記ステップS2で、進入列車有りと判定するとステップS3へ進み、前回の進行方面速度VAのデータがあるか否か判定する。そして、前回の進行方面速度VAのデータがない(NO)と判定するとステップS4へ進んで初速算出処理(図5参照)を実行し、前回の進行方面速度VAのデータがある(YES)と判定するとステップS5へ進んで、進行方面速度VAの後続速度算出処理(図8参照)を実行する。
その後、ステップS6へ進み、進行方面速度VAが有効であるか否か判定する。そして、進行方面速度VAが有効である(YES)と判定すると、ステップS7へ進んで現列車速度VをVAと決定し、ステップS1へ戻る。
一方、上記ステップS6で、進行方面速度VAが有効でない(NO)と判定するとステップS8へ進んで、進入方面速度VBのデータがあるか否か判定する。そして、前回の進入方面速度VBのデータがない(NO)と判定するとステップS9へ進んで速度VBの初速算出処理を実行し、前回の進入方面速度VBの速度データがある(YES)と判定すると、ステップS10へ進んで速度VBの後続速度算出処理を実行する。
その後、ステップS11へ進み、進入方面速度VBが有効であるか否か判定する。そして、進入方面速度VBが有効である(YES)と判定するとステップS12へ進んで現列車速度VをVBと決定し、ステップS1へ戻る。
上記ステップS2で進入列車なしと判定した場合あるいは上記ステップS11で進入方面速度VBが有効でない(NO)と判定した場合には、ステップS13へ進み、列車なしが所定回数(例えば50回)連続したか否か判定する。そして、列車なしが所定回数連続していない(NO)と判定するとステップS14へ進んで、現列車速度Vの前回値を保持し、ステップS1へ戻る。一方、ステップS13で、列車なしが所定回数連続した(YES)と判定するとステップS15へ進んで、現列車速度Vと進行方面速度VAと進入方面速度VBをリセットし、ステップS1へ戻る。
次に、図4の列車速度算出処理のステップS4における進行方面速度VAの初速算出処理の手順の一例を図5のフローチャートを用いて説明する。
進行方面速度VAの初速算出処理においては、先ず角検出処理(図6参照)を実行する(ステップS21)。そして、角検出処理の結果、車体角部の検出があったか否か判定し(ステップS22)、角部の検出があった(YES)と判定すると、ステップS23へ進んで、当該「角」についての今回の検出時[t]のX座標XCAA[t]と前回の検出時[t-1]のX座標XCAA[t-1]とから、X軸方向の移動距離(XCAA[t]−XCAA[t-1])を求め、該距離を検出周期Ts(例えば50ms)で割ることで、暫定速度Vtmpを算出し、算出値をメモリに記憶する。続いて、直近の過去所定回分(例えば3回分)の暫定速度Vtmpの平均値を算出して進行方面速度VAとする(ステップS27)。
一方、上記ステップS22で、角部の検出がなかった(NO)と判定すると、ステップS24へ進んで先頭検出処理(図7参照)を実行する。そして、車体先頭の検出があったか否か判定し(ステップS25)、先頭の検出があった(YES)と判定すると、ステップS26へ進んで、当該「先頭」についての前回の検出時[t-1]のX座標XFAA[t-1]と今回の検出時[t]のX座標XFAA[t]とから、X軸方向の移動距離(XFAA[t-1]−XFAA[t])を求め、該距離を検出周期Tsで割ることで、暫定速度Vtmpを算出し、算出値をメモリに記憶する。その後、直近の過去所定回分(例えば3回分)の暫定速度Vtmpの平均値を算出して進行方面速度VAとする(ステップS27)。
また、上記ステップS25で、先頭の検出がなかった(NO)と判定すると、ステップS28へ進んで、列車検出なしとして初速の設定をせずに当該初速算出処理を終了する。
図4の列車速度算出処理のステップS9における進入方面速度VBの初速算出処理の手順は、図5の進行方面速度VAの初速算出処理の手順(S21〜S28)と同じであり、「角」についての今回と前回の検出X座標をXCBA[t],XCBA[t-1]とし、「先頭」についての今回と前回の検出X座標をXFBA[t],XFBA[t-1]としたとき、図5のステップS23における式Vtmp=(XCAA[t]−XCAA[t-1])/TsをVtmp=(XCBA[t]−XCBA[t-1])/Tsに置き換え、ステップS26における式Vtmp=(XFAA[t]−XFAA[t-1])/Tsを、Vtmp=(XFBA[t]−XFBA[t-1])/Tsに置き換えるだけでよいので、図示および説明は省略する。
図6には、図5の進行方面速度VA(または進入方面速度VB)の初速算出処理のステップS21における角検出処理の手順が示されている。
図6に示すように、角検出処理においては、先ず、Y成分の変化分が小さくかつX方向の連続点から、X成分の変化分が小さくY方向の連続点へ移行する変化点があるか否か判定する(ステップS41)。図3(A)に符号Clが付されている車両先頭角部や図3(C)に符号CRが付されている最後尾角部を測域センサ30で検知して得られる座標は、X成分の変化分が小さくY成分の変化が大きいので、ステップS41では、このような条件を満たすXY座標が得られた場合に、車両の角部を検出したと判定するものである。
そこで、ステップS41で、「否(NO)」すなわち角部の検出がないと判断した場合には、何もせずに当該角検出処理を終了する。また、ステップS41で、「肯定」(YES)であれば、ステップS42へ進んで、上記変化点の位置が測域センサ30から見て進行方面か進入方面かを判定する。そして、進行方面であればステップS43へ進んで、上記変化点を角とみなし、当該座標を、現時刻tにおける「角」のX座標XCA[t]として設定する。その後、過去所定サイクル(例えば10サイクル:0.5s)分のXCA[t]の平均をXCAA[t]とする(ステップS44)。この座標値XCAA[t]が、図5のステップS23において、暫定速度Vtmp(角)の算出に使用されることとなる。
一方、上記ステップS42で、変化点の位置が測域センサ30から見て進入方面であると判定すると、ステップS45へ進んで、上記変化点を角とみなし、当該座標を、現時刻tにおける「角」のX座標XCB[t]として設定する。その後、過去所定サイクル(例えば10サイクル:0.5s)分のXCB[t]の平均をXCBA[t]とする(ステップS46)。この座標値XCBA[t]が、進入方面速度VBの初速算出処理における角検出処理(図5のステップS23に相当)において、暫定速度Vtmp(角)の算出に使用されることとなる。
図7には、図5の進行方面速度VA(または進入方面速度VB)の初速算出処理のステップS25における先頭検出処理の手順が示されている。
図7に示すように、先頭検出処理においては、先ず、測域センサ30から見て左回りに向かって連続点の検出が検出不能に変わる境界があるか否か判定する(ステップS51)。図3(A)において、測域センサ30が検知ビームを左回りに走査すると、符号Crが付されている部位(先頭)まではXY座標が得られていたものが、検知ビームが符号Crの部位を過ぎると急にXY座標が得られなくなるので、ステップS41では、このような条件を満たす検知結果が得られた場合に、車両の先頭を検出したと判定するものである。
そこで、ステップS51で、「否(NO)」すなわち先頭の検出がないと判断した場合には、何もせずに当該先頭検出処理を終了する。また、ステップS51で、「肯定(YES)」であれば、ステップS52へ進んで、上記変化点の位置が測域センサ30から見て進行方面か進入方面かを判定する。そして、進行方面であればステップS53へ進んで、上記変化点を先頭とみなし、当該座標を、現時刻tにおける「先頭」のX座標XFA[t]として設定する。その後、過去所定サイクル(例えば10サイクル:0.5s)分のXFA[t]の平均をXFAA[t]とする(ステップS54)。この座標値XFAA[t]が、図5のステップS26において、暫定速度Vtmp(先頭)の算出に使用されることとなる。
一方、上記ステップS52で、変化点の位置が測域センサ30から見て進入方面であると判定すると、ステップS55へ進んで、上記変化点を車体先頭とみなし、当該座標を、現時刻tにおける「先頭」のX座標XFB[t]として設定する。その後、過去所定サイクル(例えば10サイクル:0.5s)分のXFB[t]の平均をXFBA[t]とする(ステップS56)。この座標値XFBA[t]が、進入方面速度VBの初速算出処理における先頭検出処理(図5のステップS26に相当)において、暫定速度Vtmp(先頭)の算出に使用されることとなる。
次に、図4の列車速度算出処理のステップS5における進行方面速度VAの後続速度算出処理の手順の一例を図8のフローチャートを用いて説明する。
進行方面速度VAの後続速度算出処理においては、先ず角検出処理(図6参照)を実行する(ステップS61)。そして、角検出処理の結果、角部の検出があったか否か判定し(ステップS62)、角部の検出があった(YES)と判定すると、ステップS63へ進んで、当該「角」についての今回の検出時[t]のX座標XCAA[t]と前回の検出時[t-1]のX座標XCAA[t-1]とから、X軸方向の移動距離(XCAA[t]−XCAA[t-1])を求め、該距離を検出周期Ts(例えば50ms)で割ることで、暫定速度Vtmpを算出し、算出値をメモリに記憶する。
一方、ステップS62で、角部の検出がなかった(NO)と判定すると、ステップS64へ進んで、隙間検出処理(図9参照)を実行する。そして、隙間検出処理の結果、隙間の検出があったか否か判定し(ステップS65)、隙間の検出があった(YES)と判定すると、ステップS66へ進んで、当該「隙間」についての今回の検出時[t]のX座標XGAA[t]と前回の検出時[t-1]のX座標XGAA[t-1]とから、X軸方向の移動距離(XGAA[t]−XGAA[t-1])を求め、該距離を検出周期Tsで割ることで、暫定速度Vtmpを算出し、算出値をメモリに記憶する。
また、ステップS65で、隙間の検出がなかった(NO)と判定すると、ステップS67へ進んで、先頭検出処理(図7参照)を実行する。そして、先頭処理の結果、先頭の検出があったか否か判定し(ステップS68)、先頭の検出があった(YES)と判定すると、ステップS69へ進んで、当該「先頭」についての今回の検出時[t]のX座標XFAA[t]と前回の検出時[t-1]のX座標XFAA[t-1]とから、X軸方向の移動距離(XFAA[t]−XFAA[t-1])を求め、該距離を検出周期Tsで割ることで、暫定速度Vtmpを算出し、算出値をメモリに記憶する。ステップS68で、先頭の検出がなかった(NO)と判定したときは、ステップS75へ移行する。
ステップS63,S66,S69の後、ステップS70へ進んで、後のステップS75で計数される前回までの無効データの継続回数をチェックして、無効データ継続回数が例えば5回未満の時はステップS71へ進み、無効データ継続回数が例えば5回以上9回未満の時はステップS72、無効データ継続回数が例えば9回以上の時はステップS73へ進む。
そして、ステップS71では、暫定速度Vtmpが前回の進行方面速度VAよりも例えば10km/h以上増減しているか否か判定し、10km/h以上増減している(YES)と判定すると、ステップS74へ進んで、今回算出した暫定速度Vtmpを有効データとみなして、直近の過去所定回分(例えば3回分)の有効暫定速度Vtmpの平均値を算出して進行方面速度VAとする。
一方、ステップS72では、算出した暫定速度Vtmpが前回の進行方面速度VAよりも例えば20km/h以上増減しているか否か判定し、20km/h以上増減している(YES)と判定すると、ステップS74へ進んで、今回算出した暫定速度Vtmpを有効データとみなして、直近の過去所定回分(例えば3回分)の有効暫定速度Vtmpの平均値を算出して進行方面速度VAとする。
また、ステップS73では、算出した暫定速度Vtmpが前回の進行方面速度VAよりも例えば40km/h以上増減しているか否か判定し、40km/h以上増減している(YES)と判定すると、ステップS75へ進んで、今回算出した暫定速度Vtmpを有効データとみなして、直近の過去所定回分(例えば3回分)の有効暫定速度Vtmpの平均値を算出して進行方面速度VAとする。
ステップS71,S72,S73でそれぞれ所定速度(10km/h,20km/h,40km/h)以上増減していない(NO)と判定すると、ステップS75へ移行して、今回算出した暫定速度Vtmpを無効データとみなし、無効データ継続回数を加算(+1)するとともに、進行方面速度VAとして前回の速度をそのまま保持して、当該後続速度算出処理を終了する。
進入方面速度VBの後続速度算出処理(図4の列車速度算出処理のステップS10)の手順は、図8の進行方面速度VAの後続速度算出処理の手順(S61〜S75)と同じであり、図8のステップS67における「先頭検出」を「最後尾検出」に置き換えるとともに、ステップS68における「先頭あり?」の判定を「最後尾あり?」に置き換え、ステップS63における式Vtmp=(XCAA[t]−XCAA[t-1])/Tsを、Vtmp=(XCBA[t]−XCBA[t-1])/Tsに置き換え、ステップS66における式Vtmp=(XGAA[t]−XGAA[t-1])/Tsを、Vtmp=(XGBA[t]−XGBA[t-1])/Tsに置き換え、ステップS69における式Vtmp=(XFAA[t]−XFAA[t-1])/Tsを、Vtmp=(XRBA[t]−XRBA[t-1])/Tsに置き換えればよいので、図示および説明は省略する。
図9には、図8の進行方面速度VA(または進入方面速度VB)の後続速度算出処理のステップS64における隙間検出処理の手順が示されている。
図9に示すように、隙間検出処理においては、先ず、測域センサ30により検知された座標のY成分が小さいX方向の連続点からX成分またはY成分の変化率が急激に増加する点があるか否か判定する(ステップS81)。図10(A)や(B)において、測域センサ30が検知ビームを左回りに走査すると、符号CGが付されている部位(隙間)まではほぼ同一値であったY座標(Y成分)またはX座標(X成分)が、検知ビームが符号CGの部位の直前もしくはこの部位を過ぎると急に増加することとなるので、ステップS81では、このような条件を満たす検知結果が得られた場合に、車両の隙間(連結部)を検出したと判定する。
そして、ステップS81で、「否(NO)」すなわち隙間なしと判断した場合には、何もせずに当該隙間検出処理を終了する。また、ステップS81の判定で、「肯定(YES)」であれば、ステップS82へ進んで、上記変化点の位置が測域センサ30から見て進行方面か進入方面かを判定する。そして、進行方面であればステップS83へ進んで、上記変化点を隙間とみなし、当該座標を、現時刻tにおける「隙間」のX座標XGA[t]として設定する。その後、過去所定サイクル(例えば10サイクル:0.5s)分のXGA[t]の平均をXGAA[t]とする(ステップS84)。この座標値XGAA[t]が、図8のステップS66において、暫定速度Vtmp(隙間)の算出に使用されることとなる。
一方、上記ステップS82で、変化点の位置が測域センサ30から見て進入方面であると判定すると、ステップS85へ進んで、上記変化点を隙間とみなし、当該座標を、現時刻tにおける「隙間」のX座標XGB[t]として設定する。その後、過去所定サイクル(例えば10サイクル:0.5s)分のXGB[t]の平均をXGBA[t]とする(ステップS86)。この座標値XGBA[t]が、進入方面速度VBの後続速度算出処理の中で、暫定速度Vtmp(隙間)の算出に使用されることとなる。
図11には、図4の列車速度算出処理の進入方面速度VBの後続速度算出処理(ステップS10)の中で実行される最後尾検出処理の手順が示されている。このフローチャート(S91〜S96)は、図7の先頭検出処理のフローチャート(S51〜S56)と同じである。図7と図9との差異は、図7のステップS51における「センサから見て左回りに向かって連続点の検出が検出不能に変わる境界があるか」の判定が、ステップS91では「センサから見て右回りに向かって連続点の検出が検出不能に変わる境界がある」かの判定に代わっている点と、図7のステップS53〜S56における「先頭」が「最後尾」に代わり、検出点の座標XFA[t],XFB[t]がXRA[t],XRB[t]に、また平均座標XFAA[t]がXRAA[t],XRBA[t]に代わっている点のみであるので、説明は省略する。
本実施形態の列車速度検出システムにおいては、データ処理装置43が上記のようにして検知範囲内を走行する列車の速度を算出することができ、本システムをエアセクション区間に適用して、エアセクション区間内に進入した列車が急に減速していることをデータ処理装置43が検知した場合には、図示しない短絡器を短絡する制御を行うことで、隣り合う電気車走行区間の架線間でパンタグラフを介して大電流が流れ、架線が溶断する事故が発生するのを防止することができる。
なお、データ処理装置43に、列車が走行する軌道範囲(Y方向の軌道幅)以外の測距データをカットするマスク機能を持たせることで、軌道脇に設置されている鉄道設備等の検知に伴うノイズ成分を低減して速度検出精度を高めるように構成しても良い。また、軌道のカーブ区間にエアセクションが存在する場合には、上記マスクを軌道の曲りに応じて湾曲させることで、カーブ区間においても列車の速度を精度よく検出できるようにすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、上記実施形態では、速度検出装置40を構成するデータ処理装置43の他にシーケンサ44を設けているが、データ処理装置43にシーケンサ44の機能を持たせるように構成しても良い。
また、上記実施形態においては、測域センサ30を電化柱21Dを利用して設置した場合について説明したが、測域センサ30は、電化柱21A〜21Cのいずれかあるいはエアセクション区間50のほぼ中間地点に設置しても良く、中間地点に設置した場合には、センサの検知距離はエアセクション区間50の長さの半分程度(例えば25m)あればよい。
さらに、上記実施形態においては、線路と平行な方向をX軸、線路と直交する方向をY軸とするXY座標で表わしたデータを取得してX方向の列車速度を算出する場合を例にとって説明したが、X成分の差分の他にY成分の差分をとることで、測域センサ30に対して斜め方向へ移動する移動体の速度を検出するシステムを構成することも可能である。また、測域センサ30からの検知情報(距離データ及び角度情報)をXY座標に変換せずに、極座標のデータのまま処理して車体の角部等を判別して速度を算出することも可能である。
また、上記実施形態においては、本発明に係る移動体の速度検出システムをエアセクション区間内に進入した列車の速度検出に適用した場合を説明したが、本発明は駅構内に進入する列車や徐行区間等に接近する列車の速度を検出したり、道路上を走行する車その他の移動体の速度を検出したりする場合にも利用することができる。
10 電気車
30 測域センサ(光学式検知手段,測距手段)
40 速度検出装置
41 AC−DCコンバータ
42 ケーブル
43 データ処理装置
44 シーケンサ

Claims (5)

  1. 水平もしくは準水平方向に検知軸を走査して予め設定された検知区間を走行する移動体表面の各部までの距離および角度を検知可能な測距手段と、該測距手段から出力される情報に基づいて前記移動体の移動速度を検出する速度検出装置と、を備えた移動体速度検出システムであって、
    前記速度検出装置は、
    前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の所定の形状特徴部を判別する特徴部判別手段と、
    前記測距手段から出力される情報のうち前記形状特徴部に関して時間差をおいて取得した情報に基づいて前記移動体の速度を算出する速度算出手段と、
    を備えることを特徴とする移動体速度検出システム。
  2. 前記形状特徴部は前記移動体の角部または隙間もしくは端部であり、
    前記速度検出装置は、
    前記移動体の角部または隙間に関する前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出し、
    前記移動体の角部または隙間を判別できない場合に、前記移動体の端部に関する前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の移動体速度検出システム。
  3. 前記速度検出装置は、
    前記移動体が前記検知区間の進入方面区間を走行している際には、第1に前記移動体の先端角部、第2に前記移動体の隙間、第3に前記移動体の最後端部の優先順に従って、前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出し、
    前記移動体が前記検知区間の進行方面区間を走行している際には、第1に前記移動体の後端角部、第2に前記移動体の隙間、第3に前記移動体の先頭端部の優先順に従って、前記測距手段からの情報に基づいて前記移動体の速度を算出することを特徴とする請求項2に記載の移動体速度検出システム。
  4. 前記速度検出装置は、
    前記測距手段からの情報に基づいて、前記測距手段を原点とするXY座標系における検知点のX座標およびY座標を算出する座標変換手段を備え、
    前記特徴部判別手段は、前記X座標およびY座標の変化量に基づいて前記形状特徴部を判別することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移動体速度検出システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の移動体速度検出システムと、エアセクション区間において空間を隔てて平行に張られ隣り合う電車走行区間にそれぞれ電力を供給する2つの架線間の短絡を行う短絡手段と、を備えた架線溶断防止システムであって、
    前記検知区間は前記エアセクション区間であり、
    前記速度検出装置は、前記速度算出手段により算出された前記エアセクション区間を走行する電車の速度が予め設定された許容速度以下である場合に前記短絡手段を動作させる制御信号を生成し出力する短絡制御手段を備え、
    前記短絡手段は、前記制御信号を受信した場合に前記エアセクション区間の2つの架線間を短絡するように構成されていることを特徴とする架線溶断防止システム。
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