JP6781085B2 - 排ガス浄化触媒の製造方法 - Google Patents
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DPFによって排ガス中から濾し取られたPMは、そのままであるとDPFに堆積し続けて目詰まりを起こしてしまうことから、排ガスの熱や、エンジンの燃焼室や排ガス中への燃料の噴射によってPMを燃焼させてPMの堆積したDPFを再生している。このような再生を促進する目的で、DPFのセルの隔壁に触媒成分を被覆することがあり、触媒成分を被覆したDPFをCSF(Catalyzed Soot Filter)ということがある。本出願人も、これらの触媒を組み込んだシステムを提案している(例えば、特許文献1参照)。
GPFであれば、高温になるガソリンエンジンの排ガス中のPMを除去することが可能である一方、触媒の製造工程において新たな課題が生じていた。
ウオッシュコートには多様な手法が提案・実施されているが、その一例としてはハニカム担体の中間位置をクランプで把持した後、下部の一部を液浴に浸漬して触媒成分含有液を含浸させ、該ハニカム担体をスラリーから引き上げて反転させ、次いで、該担持体にエアーブローして余剰スラリーを分離し、該担体全体に触媒成分含有液を含浸、付着させる方法がある(例えば特許文献5)。
ここで、ウオッシュコート装置におけるハニカム担体のクランプは、バルーンのように柔らかく弾性を有する把持装置でクランプされて前記のウオッシュコートの各工程において処理される。このように柔らかく弾性を有する把持装置を使用する理由は、ハニカム担体の損傷を防ぐためである。特にGPFのような担体では後述するような高気孔率とその構成上の特徴から強度不足が懸念される。そのため、弾性を有する把持装置を使用して慎重に工程を進める必要がある。
このようなGPF用のハニカム担体は、隔壁と外皮とが一体的に形成されることがある。一体的に形成されるハニカム基材は、押出成形により、隔壁と外皮とを同時に成形し、得られた成形体を焼成することにより作製されるものであり、外皮と隔壁とが同様の気孔率を有する。
そのため、GPFに使用されるハニカムではセルの隔壁と外皮部分とが同質、すなわち熱膨張率を同じに設定する必要があった。このようにセルの隔壁と外皮部分を同質にする手段としては、セルの隔壁と外皮部分を同一材料で一体に成型することも考えられる。このようにハニカムの隔壁と外皮を一体的に成型することで、外皮と隔壁の熱膨張率を等しくなるため、製造時や触媒としての使用時の熱履歴によるクラック(損傷)を抑制することができる。
このような触媒スラリーの浸み出しは、空気圧でスラリーを払い出す工程でのみ発生するものとは限らない。GPF用のハニカム担体が高気孔率であることは前記のとおりであるが、気孔率が著しく高かったり、触媒スラリーの粘度が低かったり、触媒スラリー中の無機微粒子の粒径が著しく小さいような場合、またこれらの条件の組合せによってはハニカム担体にスラリーを供給しただけで、外皮部分から触媒スラリーが浸み出してしまうことがある。このような場合、ウオッシュコートで空気圧による触媒スラリーの払い出し、塗伸ばし、セル壁への含浸などの処理を施した際には更に浸み出しが助長される。
外皮部分全域に樹脂組成物を含む水溶液又は疎水性油脂から選ばれるシーラーを塗工した後、
前記セル内に、水を媒体としてスラリー化した触媒成分を供給する工程と、供給されたセル内の触媒スラリーを空気圧で払い出す工程を含むウオッシュコート法により触媒成分を担持し、この触媒成分を担持したハニカム担体を乾燥後、焼成して触媒成分を担持するものであって、
前記ウオッシュコート法におけるセル内の触媒スラリーを空気圧で払い出す工程で、ハニカム担体の外周に弾性把持治具を近接させ、バルーン状支持体内部を空気加圧することで外皮部分全域を把持固定することを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法が提供される。
その後、ハニカム担体の端面から触媒成分を含む前記触媒スラリー液を供給し、触媒スラリーが供給されたハニカム担体の端面から気流を当ててセル内に触媒成分を被覆した後、 ハニカム担体の外皮部分から弾性把持治具を分離する工程を経て、分離されたハニカム担体を乾燥後、焼成して触媒成分を担持することを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法が提供される。
また、ハニカム担体のセル隔壁に触媒スラリーを被覆する際に、予め樹脂組成物水溶液による外皮塗工を行うことから、触媒スラリーが外皮部分に浸出することを防げるので、装置周辺が汚れることもなくなる。
また、ハニカム担体を液密状態で担持すれば樹脂組成物の乾燥時間を節約できるので、排ガス浄化触媒の生産効率を向上することもできる。
本発明で用いられるハニカム担体(単にハニカムともいう)は、図2に示すように、複数のセルを形成する多孔質の隔壁と、気孔率が30%以上である多孔質の外皮部分からなり、上下に開口端部を有するハニカム状の基材1である。
ハニカム担体は、その構造の特徴から、フロースルー型(フロースルーハニカム)とウォールフロー型(ウォールフローハニカム)に大別されている。フロースルー型は、一方の開放端面から他方の開口端面に向けて開口する多数の通孔端部が封止されておらず、酸化触媒、還元触媒、三元触媒に広く用いられている。これに対し、ウォールフロー型は、通孔の一端が、互い違いに封止されているもので、排ガス中の煤やSOF(Soluble Organic Fraction:可溶性有機成分)等、固形成分を濾し取ることができるため、DPFとして用いられている。
本発明はそのどちらにも使用できるが、GPFのような多孔質の外皮を有し空気圧で払い出す際に障害にもなる前記封止部を有するハニカム状の基材では、本発明によって製造時に触媒スラリーが外皮部分に浸出することを防止できることから、特にGPFに用いられるウォールフローハニカムに好適に使用できる。
また、隔壁と外皮部分とは、材質が同じであっても異なるものでもよい。GPF用のハニカム担体では同質材料により形成されることが好ましい。同質材料とはサーマルショックによるクラック発生が防げる程度の熱膨張率や気孔率の差の範囲である材料のことを示す。さらに、同一材料による一体成型で製造されることが好ましい。効率的な製造が可能であり、材料の違いによる問題を回避できるためである。また、高温となるガソリンエンジン用触媒では熱膨張率の差によりクラックが生じるなどの問題も懸念される。このため、隔壁と外皮部分とは、熱膨張率の同じものであるか、同一材料による一体成型のものが好ましい。
また、目封止部の材質は、ハニカム基材の材質と同様な材質が好ましい。目封止部の材質とハニカム基材の材質とは、同じ材質でも、異なる材質であってもよい。
本発明におけるハニカム構造体は、セルの隔壁、外皮部分の細孔容積は0.3〜1.6 ml/gである場合に有効であり、0.8〜1.6 ml/gであることが好ましく、1.0〜1.6 ml/gであるとより好ましい。また、ハニカム基材(隔壁及び外皮)の平均細孔径は10〜25μmである場合に有効であり、15〜25μmであることが好ましく、20〜25μmであるとより好ましい。
また、このような細孔の特性は、気孔率(細孔容積率)として表すこともできる。本発明におけるハニカム構造体の気孔率とは、セルの隔壁と外皮部分の厚みと長さ、セルの密度から求められる多孔質体の幾何学的な体積における細孔容積の占める割合を意味するものであり、本発明においては50〜80%であり、60〜80%が好ましく、60〜70%がより好ましい。
細孔容積、細孔系、気孔率が大きすぎるとハニカム担体の圧力損失が高くなりすぎて、GPFとして用いた場合に、エンジンの出力低下を招くことがある。また、細孔容積、細孔系、気孔率が小さすぎると十分な強度が得られないことがある。
ハニカム基材の外皮の厚さは、300〜1000μmであることが好ましく、500〜800μmであることが特に好ましい。外皮の厚さが300μm未満であると、十分な強度が得られないことがある。また、外皮の厚さが1000μmを超えると、ハニカム担体の圧力損失が高くなりすぎて、GPFとして用いた場合に、エンジンの出力低下を招くことがある。
また、セルのハニカム基材の長さ方向に対して垂直な断面における形状(以下、「セル形状」という。)も特に限定されないが、四角形、六角形、八角形等の多角形あるいはそれらを組み合わせたもの、例えば四角形、六角形、四角形と八角形を組み合わせたもの等が好ましい。
なお、ハニカム基材の大きさは、直径60mm程度かつ長さが70mmのように比較的小ぶりなものから、直径300mm程度かつ長さが200mmのように大型なものもあり、本発明は、これらサイズによって制限されない。
このように、ハニカム基材の各セルの一方の開口端部に目封止部を形成することにより、ハニカム担体は、高いPM捕集効率を持ったウォールフロー型フィルターとなる。このウォールフロー型フィルターにおいては、入口端面からセル内に流入した排ガスが、隔壁を透過した後、出口端面からセル外に流出する。そして、排ガスが隔壁を透過する際に、隔壁が濾過層として機能し、排ガス中に含まれるPMが捕集される。
尚、目封止部は、入口端面と出口端面とが、それぞれの開口端部が目封止されたセルと、目封止されていないセルとにより、互い違いの市松模様を呈する配置となるように形成されることが好ましい。しかし、本発明の実施形態は、このようなウォールフロー型フィルターに限られるものでは無い。
本発明の排ガス浄化触媒の製造方法は、複数のセルを形成する多孔質の隔壁と、隔壁により構成されたセルの少なくとも一部が開口した端面を有し、気孔率が30%以上である多孔質の外皮部分からなるハニカム担体に対し、外皮部分全域に樹脂組成物を含む水溶液又は疎水性油脂から選ばれるシーラーを塗工した後、
前記セル内に、水を媒体としてスラリー化した触媒成分を供給する工程と、供給されたセル内の触媒スラリーを空気圧で払い出す工程を含むウオッシュコート法により触媒成分を担持し、この触媒成分を担持したハニカム担体を乾燥後、焼成して触媒成分を担持するものであって、
前記ウオッシュコート法におけるセル内の触媒スラリーを空気圧で払い出す工程で、ハニカム担体の外周に弾性把持治具を近接させ、バルーン状支持体内部を空気加圧することで外皮部分全域を把持固定することを特徴とする。
本発明では、その外皮部分に触媒スラリーが浸み込まない様に樹脂組成物または疎水性油脂から選ばれるシーラー(シール成分ともいう)をハニカム担体の外皮部分に含浸させる。シーラーの種類は、特に限定されるものでは無いが、コストや取扱いの容易さの点から水溶性の樹脂もしくは樹脂組成物が好ましい(水溶性樹脂組成物ともいう)。
通常、このような疎水性油脂は、乾燥させることが難しいことから、従来のウオッシュコート法をそのまま適用すると、外皮部分の含浸させた疎水性油脂が気流の適用時の圧力で外側に押し出されてしまうが、本発明の方法であれば外皮部分全域がバルーン等の弾性体でシールされていることから、外皮部分のシール成分として流動性のある疎水性油脂を使用しても、ウオッシュコート時の圧力によって疎水性油脂成分が押し出され、外皮部分に触媒スラリーが浸入することがない。
このような疎水性油脂成分の種類は、特に限定されるものでは無く、通常入手可能な油脂成分の中から適宜選択することが可能であるが、油脂中に無機成分を含まない事が好ましく、また後段の操作である焼成工程において揮発や燃焼により除去されることから、菜種油等の植物由来の油脂や、牛脂などの動物性油脂を使用することが好ましい。
ハニカム担体の外皮部分へ樹脂組成物水溶液などのシーラーを塗工する手段は、特に限定されず、例えば図5のような塗工装置をもって処理することができる。
図5の塗工装置では、駆動・塗布ローラー7を2つ並べ、その上に、ハニカム基材を載置して、ローラーにより回転させ円周側面に塗布液を付着させる例を模式的に示している。
ハニカム担体1への樹脂組成物水溶液8の供給量は、駆動・塗布ローラー7の回転速度、駆動・塗布ローラー7への載置時間などにより制御することができる。このように所定量の樹脂組成物水溶液8が供給されたハニカム担体1の外皮部分9に浸入した樹脂組成物水溶液81は、外皮部分内部に触媒スラリーの浸入を防ぐ層として機能する。
従来、ハニカム担体の外皮を樹脂組成物で塗工していないと、把持するバルーンがハニカム担体の一部分しか覆っていないので、ウオッシュコート時の気流の適用時に、バルーンで覆われていない外皮部分の内部に触媒スラリーが浸入していた。
樹成物水溶液が塗工されたハニカム担体は、次に触媒スラリーの被覆、すなわちウオッシュコートが適用されるが、樹脂組成物水溶液の乾燥が不十分であると、スラリーの浸み出し抑制に対して大きな効果が得られない。
このような樹脂組成物水溶液の不充分な乾燥により、容易に触媒スラリーの浸み出してしまう要因はいくつか考えられるが、その一つはハニカム基材の外皮の薄さによるものと思われる。前述の様にハニカム基材の外皮は通常300〜1000μmと極めて薄い。そのため、樹脂組成物水溶液が完全に乾燥していない状態であると、多少増粘した程度では気流の圧力に抗して細孔内で留まる事が困難で、ウオッシュコートにおける気流適用時の圧力や、水溶液シーラー中への水性触媒スラリーの拡散、また外部部分を構成する細孔の毛細管現象等が作用して、触媒スラリーが浸み出してしまうものと考えられる。
本発明のウオッシュコート法では、まず図1のa)に示すように、ハニカム担体1の外周部にバルーン状支持体2を有する弾性把持治具3を近接させ、該バルーン状支持体の内部に空気を供給してバルーンでハニカム担体を把持固定する。
また、把持するタイミングは、ハニカム担体にシーラーが塗工された後、完全に乾燥するまでの間であれば構わないが、乾燥時間をとらず、そのまま把持工程に進むのが好ましい。
したがって本発明において液密とは、気流の適用によって未乾燥の樹脂組成物水溶液の移動が抑制され、触媒スラリーがハニカム担体の外皮部分に浸入しない程度であることを意味する。
弾性把持治具のバルーンでハニカム担体を把持しながら、図1の中央に示すように、触媒成分を含むスラリーをハニカム担体に供給する。このような触媒スラリーの供給の仕方については、特に制限されるものではなく、図1においても矢印(1)で二方向に示したように、ハニカムの上端もしくは下端いずれから供給しても良い。
このように本発明に使用される触媒スラリーとしては、B型粘度計による粘度が10〜200mPasのものが挙げられる。また、触媒スラリー粘度は、アルミナ等の無機微粒子の含有量にも影響され、このような無機微粒子の濃度としては5〜60質量%のような触媒スラリーが挙げられる。また、無機微粒子に由来する粘性については、無機微粒子の粒径の影響も無視できず、例えば0.1〜10μmの無機微粒子を含む触媒スラリーが挙げられる。
次に、図1の右側、すなわち矢印(2)のように、触媒スラリーが供給されたハニカム担体1は、必要によりバルーン2にフードを被せた後、担体1の一方の端面からエアーブローを加えて、余剰の触媒スラリーの除去、触媒スラリーのセル壁表面への塗り伸ばし、触媒スラリーのセル壁内部への充填を行う。
ところが、本発明では、シーラーである樹脂組成物水溶液がハニカム担体の外皮部分に塗工された直後、また塗工後に不充分な乾燥状態であっても、外皮部分全域をバルーン状支持体で液密に把持することで、ウオッシュコート時の気流の適用によって外皮部分への触媒スラリーの浸入を防ぐことができ、外皮部分から浸み出してしまうことが無く、かつ触媒製造工程の大幅な時間短縮を図ることができる。
エアーブローが適用され触媒スラリーが塗工されたハニカム担体は、続いて弾性把持具から分離される。弾性把持具3からのハニカム担体1の分離は、バルーン2内部の空気を空気流通口4から解放するか減圧処理を施すことによる。
特許文献6では、更にハニカム担体内側から外皮に触媒スラリーが浸み出てしまうことを防ぐために、ハニカム担体の外皮部分全域を把持した態様についても開示されている。しかし、特許文献6には本発明のような樹脂組成物水溶液などのシーラーによる外皮部分への触媒スラリーの浸入抑制については記載も示唆も無いから、特許文献6のような製法は、GPFのようなハニカム触媒の製造には適用できず、熱履歴によるクラックの発生や、背圧の上昇を招くことになる。
本発明では、最後に触媒スラリーの塗布されたハニカム担体を乾燥後、焼成して触媒成分を担持する。これにより触媒成分がハニカム担体に担持される。
ここで、乾燥、焼成の条件は特に制限されない。乾燥は例えば100〜200℃で0.1〜3時間かけて行い、焼成は例えば酸化性雰囲気下、400〜600℃で0.5〜5時間かけて行うことができる。
まず、図2のGPF用のハニカム担体の外皮部分9に、図5に示した塗工装置をもって樹脂組成物水溶液8を塗工する。ここでは樹脂組成物としてPVAを用いハニカム担体1を塗工装置の駆動・塗布ローラー7の上で回転しながら、外皮部分9に樹脂組成物水溶液8を塗布する。外皮部分9への樹脂組成物水溶液81の塗工量は、樹脂組成物水溶液8の濃度や、駆動・塗布ローラー7の回転数によって適宜調整される。
このようにハニカム担体1の外皮部分9に塗工された樹脂組成物水溶液81は、乾燥させることなく、次工程のウオッシュコートに移る。
本実施態様では、ハニカムの外皮部分に含浸された樹脂が乾燥していないので、図4のように外皮部分全域が液密に把持固定される。バルーン2で把持されたハニカム担体には、この状態で液槽6などから触媒スラリーが供給される。触媒スラリーはハニカム担体の下端から供給されるが、触媒スラリーがハニカム担体の上端から供給されるようにしてもよい。
本実施態様によれば、樹脂組成物溶液81に時間のかかる乾燥工程を加えず、塗工後即座に触媒スラリーをウオッシュコートした場合で有っても、樹脂組成物水溶液81が外皮部分9の表面に押し出されてくる事が無く外皮部分9の内部に留まることができるので、ウオッシュコートにおいて気流を適用し、その圧力がセル内の触媒スラリーに加わっても、触媒スラリーが外皮部分9に浸入することが無く、後述する焼成工程や触媒としての使用時の熱履歴によるクラックの発生が抑制され、触媒としての使用時において外皮部分の細孔が塞がれず背圧の上昇を招く事が無い。
本発明は、ディーゼル車からの排ガス浄化用ハニカム触媒(CSF)の製造にも適用することができる。
2:バルーン(支持体)
3:弾性把持治具
4:空気流通口
6:触媒スラリー液槽
7:被覆液塗工スポンジ
8:被覆液
81:ハニカムに塗工された樹脂組成物水溶液
9:外皮部分
Claims (6)
- 複数のセルを形成する多孔質の隔壁と、隔壁により構成されたセルの少なくとも一部が開口した端面を有し、気孔率が30%以上である多孔質の外皮部分からなるハニカム担体に対し、
外皮部分全域に樹脂組成物を含む水溶液又は疎水性油脂から選ばれるシーラーを塗工した後、
前記セル内に、水を媒体としてスラリー化した触媒成分を供給する工程と、供給されたセル内の触媒スラリーを空気圧で払い出す工程を含むウオッシュコート法により触媒成分を担持し、この触媒成分を担持したハニカム担体を乾燥後、焼成して触媒成分を担持するものであって、
前記ウオッシュコート法におけるセル内の触媒スラリーを空気圧で払い出す工程で、ハニカム担体の外周に弾性把持治具を近接させ、バルーン状支持体内部を空気加圧することで外皮部分全域を把持固定することを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。 - 前記ウオッシュコート法に際して、セル内のシーラーが未乾燥の状態で、ハニカム担体の外皮部分全域を弾性把持治具のバルーン状支持体をもって液密把持固定し、
その後、ハニカム担体の端面から触媒成分を含む前記触媒スラリー液を供給し、触媒スラリーが供給されたハニカム担体の端面から気流を当ててセル内に触媒成分を被覆した後、 ハニカム担体の外皮部分から弾性把持治具を分離する工程を経て、分離されたハニカム担体を乾燥後、焼成して触媒成分を担持することを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化触媒の製造方法。 - 前記ハニカム担体は、外皮部分の気孔率が、50〜80%であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
- 前記ハニカム担体の外皮部分は、水銀ポロシメーターにより測定される平均細孔径が、10〜30μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
- 前記ハニカム担体のセルは、入口端面側の開口端部及び出口端面側の開口端部に目封止部を有し、該目封止部が互い違いに配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
- 前記触媒組成物は、Pt、Pd、Rhから選ばれる1種以上の貴金属元素を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化触媒の製造方法。
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