JP6780476B2 - トーションビーム式リヤサスペンション - Google Patents
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Description
ブッシュは、内筒と、その外側に位置する外筒と、それら内筒と外筒との間に介設された弾性部材とを有している。
車両旋回時における車両の操縦安定性の向上を図るためには、外筒の車幅方向への動きを制御する必要がある。
特許文献1には、弾性部材の車両前方の箇所、車両後方の箇所にそれぞれ前方ホール、後方ホールを設け、弾性部材の剛性を調整することで外筒の車幅方向への動きを制御する技術が開示されている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、乗り心地および車両旋回時における操縦安定性の双方の向上を図る上で有利なトーションビーム式リヤサスペンションを提供することを目的とする。
請求項2記載の発明は、前記ストッパは、前記外筒の車幅方向内側の端部の全周に亘って設けられる鍔部を有し、前記弾接部は、前記弾性部材の車幅方向の内側の端部に設けられ前記鍔部と前記内側板部との間で両者に当接可能に形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記トレーリングアームの車幅方向での変位が前記ストッパにより規制された状態で、前記内筒の車両前方に位置する前記弾性部材の車幅方向内側の端部の圧縮量を他の箇所に比べて大きくする圧縮量調整部が設けられていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記内筒の車幅方向内側の端部でかつ車両前方に位置する箇所に、前記弾性部材の車幅方向内側の端部と前記内側板部との間に位置して車両前方に向かって膨出される膨出部が形成され、前記圧縮量調整部は前記膨出部を含んで構成されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記トレーリングアームの車幅方向での変位が前記ストッパにより規制された状態で、前記外筒の車両後方側への変位を規制する規制部が前記内側板部に設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記ストッパの前記内筒より車両後方側の箇所と対向する前記内側板部の箇所に、車両の後方に至るにつれて次第に前記ストッパ側に近づく傾斜部が設けられ、前記規制部は前記傾斜部を含んで構成されていることを特徴とする。
また、車両旋回時に左右の後輪に横力が加わった場合、旋回方向外側のトレーリングアームの前端(外筒)の車幅方向内側への変位がストッパにより規制されると、外筒と支持部の内側板部との間の摩擦抵抗が弾接部により増大され、旋回方向外側のトレーリングアームの前端(外筒)の車両後方への変位が抑制される。一方で、旋回方向内側のトレーリングアームの前端(外筒)は、車両前方へ変位しようとするが、ブッシュの弾性部材の内筒より後方側の部分の変形量が小さく抑えられるため、旋回方向内側のトレーリングアームの前端(外筒)の車両前方への変位が抑制される。これにより、左右の後輪が横力の方向と反対方向に傾いて車両がオーバーステア傾向となることを抑制し、車両の操縦安定性の向上を図る上で有利となる。
したがって、車両の乗り心地の向上と操縦安定性の向上を両立する上で有利となる。
請求項2記載の発明によれば、鍔部によって内側板部に当接される面積を広くした状態で、弾接部が鍔部と支持部の内側板部との間に挟持されて圧接されるため、外筒(鍔部)と内側板部との摩擦抵抗をより増大させることができる。従って、旋回方向外側のトレーリングアームの前端(外筒)の車両後方への変位を抑制する上でより有利となり、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
請求項3記載の発明によれば、規制部により旋回方向外側のトレーリングアームの前端(外筒)の車両後方への変位を抑制する上でより有利となり、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
請求項4記載の発明によれば、圧縮量調整部の構造を簡単にでき、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
請求項5記載の発明によれば、規制部により旋回方向外側のトレーリングアームの前端(外筒)の車両後方への変位を抑制する上でより有利となり、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
請求項6記載の発明によれば、規制部の構造を簡単にでき、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の図面において、符号FRは車両前方を示し、符号HLは車幅方向を示し、符号INは車幅方向内側を示す。
図1に示すように、車両の後輪18を支持するトーションビーム式リヤサスペンション10(以降リヤサスペンションという)は、トーションビーム12と、左右のトレーリングアーム14と、左右のブッシュ16とを含んで構成されている。
トーションビーム12は、車幅方向に延在している。
左右のトレーリングアーム14は、その中間部がトーションビーム12により連結され、左右の後輪18は、左右のトレーリングアーム14の後端14Bの後輪用車軸20に支持されている。左右のトレーリングアーム14の前端14Aにはブッシュ16が設けられている。
図2(A)に示すように、ブッシュ16は、金属製の外筒26および内筒28と、弾性部材30とを含んで構成され、軸方向が略車幅方向に向くようにブラケット24に支持されている。
なお、以下の図では、左側のトレーリングアーム14の前端14Aが連結されるブッシュ16について示すが、右側のトレーリングアーム14の前端14Aが連結されるブッシュ16、ブラケット24は、車幅方向の内側、外側の位置関係が反転するだけで、構造は同一である。
外筒26は内筒28よりも短い軸方向の長さと、内筒28よりも大きな内径を有している。
弾性部材30は、外筒26と内筒28との間に介設されている。
弾性部材30は、外筒26の内周面と内筒28の外周面との間の環状の空間の全域を埋めるように設けられていてもよく、あるいは、軽量化や特定方向の低剛性化のためにブッシュ16の軸方向に貫通形成された肉抜き用の孔部が弾性部材30に形成されていてもよい。
トレーリングアーム14の前端14Aは外筒26の外周面に接合されている。
外側板部2404、内筒28、内側板部2406を挿通したボルト32がナット34で締結され、内筒28の軸方向の両端が外側板部2404と内側板部2406とに当接している。これにより内筒28がブラケット24に軸方向が車幅方向を向いた状態で支持されている。
したがって、トレーリングアーム14の前端14Aが外筒26と内筒28との間に介設される弾性部材30によってブラケット24に弾性的に支持される。
したがって、例えば、弾性部材30のうち内筒28より車両前方側に位置する前方部分30Aの肉厚が弾性部材30のうち内筒28より車両後方側に位置する後方部分30Bの肉厚よりも大きくなっており、前方部分30Aが後方部分30Aより変形し易い設定となっている。つまり、ブッシュ16は、外筒26が内筒28に対して車両後方側へ変位できる変位量が大きく、車両前方側へ変位できる変位量が小さくなるよう構成されている。
これにより、トレーリングアーム14が車両後方側へ変位しやすく、車両前方側へ変位しにくくされている。
なお、前方部分30Aと後方部分30Bとの間、すなわち内筒28の上方側と下方側に位置する弾性部材30の肉厚は無段階的にあるいは段階的に変化している。
ストッパ40は、ブッシュ16の軸方向であって車幅方向内側の端部に設けられており、外筒26が軸方向で車幅方向内側へ変位した際に、ブラケット24の内側板部2406と当接することでトレーリングアーム14の変位が規制されるよう構成されている。つまり、トレーリングアーム14が車幅方向に変位すると左右何れかのブッシュ16(外筒26)の車幅方向内側への変位がストッパ40によって規制されることで、トーションビーム12によって連結された左右のトレーリングアームの車幅方向での変位、すなわちリヤサスペンション10の車幅方向での変位が規制される。
本実施の形態では、ストッパ40は、外筒26に設けられた鍔部38と、外筒26(鍔部38)と内側板部2406との間に弾性を有して介在するよう設けられた弾接部36とを含んで構成されている。
鍔部38は、外筒26の車幅方向内側の端部に全周にわたって径方向外側に突出して設けられている。
弾接部36は、外筒26より車幅方向内側へ延ばした弾性部材30の車幅方向内側の端部に設けられ、鍔部38とブラケット24の内側板部2406との間に介在して、両者に当接可能に形成されている。
本実施の形態では、内側板部2406との間に隙間S3を確保した状態で、弾接部36は車幅方向内側から鍔部38の車幅方向内側の面に沿って接合されている。
このように、鍔部38によって内側板部2406と当接される外筒26の車幅方向内側の端部の面積を増やし、弾接部36によって鍔部38が内側板部2406と当接した際の異音を防止するとともに摩擦を増やしている。
これにより、外筒26が軸方向に沿って車幅方向内側へ変位されると、鍔部38が弾接部36を介してブラケット24の内側板部2406に当接されて外筒26の変位、すなわちトレーリングアーム14の前端14Aの車幅方向内側への変位が規制される。なお、ストッパ40(弾接部36)と内側板部2406との隙間S3は、ブッシュ16の軸方向で車幅方向外側の端部と外側板部2404との隙間S4より小さく設定されている。
本実施の形態では、内筒28より車両前方側に位置する内筒28の外周面2802と外筒26の内周面2602との間の車両前後方向での寸法S1を、内筒28より車両後方側に位置する内筒28の外周面2802と外筒26の内周面2602との間の車両前後方向での寸法S2よりも大きく形成することで、外筒26の内筒28に対する車両後方側への変位量が大きく、車両前方側への変位量が小さくなるよう設定されている。
すなわち、弾性部材30のうち内筒28より車両前方側に位置する前方部分30Aの肉厚が弾性部材30のうち内筒28より車両後方側に位置する後方部分30Bの肉厚よりも大きくなっており、弾性部材30の前方部分30Aが後方部分30Aより変形し易くされている。
これによると、例えば、車両が前方に走行している状態で後輪18が段差などを乗り上げた場合、トレーリングアーム14から外筒26に対して車両後方に向かう荷重が加わる。
この際、弾性部材30のうち肉厚が大きい前方部分30Aの変形量を大きく確保できるため、トレーリングアーム14から外筒26に加わる車両後方向きの荷重が肉厚の大きい前方部分30Aで効率的に吸収され、乗り心地の向上を図る上で有利となる。
したがって、車両後突時における衝撃荷重をリヤサスペンション10で効率よく吸収する上で有利となる。
図1に示すように、例えば、車両が右旋回した場合、車体は左方向に変位しようとすることから左右の後輪18にはそれぞれ右向きの横力Fが加わることになる。
このような右向きの横力Fが左右の後輪18に加わることにより、左右のトレーリングアーム14は、右に並進した後、左右のブッシュ16を支点としてそれぞれ矢印G方向に揺動して右側に傾く。
その結果、旋回方向外側である左側の後輪18は車両後方に変位し、旋回方向内側である右側の後輪18は車両前方に変位し、これにより左右の後輪18の向きは右向きである横力Fの方向と反対方向である左向きに変化する。
車体が右旋回している状態で左右の後輪18が左向きになると、すなわち、車体の旋回方向に対して後輪18の向きが反対方向になると、車両がオーバーステア傾向となり車両の操縦安定性に影響を与える可能性がある。
ここで、本実施の形態のように弾性部材30のうち前方部分30Aの肉厚が大きく、ブッシュ16の内筒28より前方側が変形しやすい構成となっていると、乗り心地が向上する反面、旋回方向外側である左側のトレーリングアーム14が車両後方に大きく変位されることとなり、ブッシュ16を支点としてトレーリングアーム14がより揺動しやすくなり、操縦安定性が悪化する傾向となることが懸念される。
まず、図2(A)、(B)に示すように、車両が右旋回した場合の旋回方向の外側である左側のブッシュ16の動作について説明する。
車両が右旋回し後輪18に右向きの横力Fが作用すると、トレーリングアーム14に作用する右向きの横力Fによって、車両の左側のブッシュ16の外筒26は、ブッシュ16の軸方向に沿って車幅方向内側へ変位する。
ここで、ストッパ40がブラケット24の内側板部2406に当接されることにより外筒26の軸方向で車幅方向内側への変位が規制される。外筒26の車幅方向内側への変位が規制されると、ブッシュ16を支点にトレーリングアーム14が車幅方向内側へ向かって揺動されるため、外筒26が車両後方へ変位しようとするが、ストッパ40と内側板部2406との摩擦力により、外筒26の車両後方への変位が抑制される。
なお、本実施の形態では、鍔部38によって内側板部2406に当接する外筒26の端部の面積を拡大し、鍔部38に合わせて弾接部36を設けているので、確実に内側板部2406との摩擦抵抗を増大することができ、より確実に外筒26の車両後方側への変位を抑制することができる。
この結果、旋回方向の外側である左側のトレーリングアーム14の車両後方への変位が抑制され、左側の後輪18の変位が抑制される。
また、本実施の形態では、内側板部2406の鍔部38と対向する部分は平坦な面とされているが、例えば、複数の突起や窪み、溝等を形成してもよい。この場合、鍔部38によって押圧される弾接部36と内側板部2406との摩擦抵抗がより増大され、より確実に外筒26の車両後方側への変位を抑制することができる。
後輪18に右向きの横力Fが作用すると、トレーリングアーム14に作用する右向きの横力Fによって、車両の右側のブッシュ16の外筒26は、ブッシュ16の軸方向に沿って車幅方向外側へ変位する。左側のブッシュ16のストッパ40により車幅方向外側の変位が規制されると、左側のブッシュ16を支点にして旋回方向内側となる右側のトレーリングアーム14が車両前方側へ変位しようとするので、外筒26には車両前方への力が作用する。
ここで、右側のブッシュ16においても、内筒28より車両前方側に位置する内筒28の外周面2802と外筒26の内周面2602との間の車両前後方向での寸法S1が、内筒28より車両後方側に位置する内筒28の外周面2802と外筒26の内周面2602との間の車両前後方向での寸法S2よりも大きく形成されている。
したがって、右側のブッシュ16の弾性部材30の後方部分30Bの肉厚が前方部分30Aの肉厚よりも小さいため、右側のトレーリングアーム14とともに外筒26が前方に変位しようとしても、その変位量が抑制される。
その結果、旋回方向の内側である右側のトレーリングアーム14の車両前方側への変位が抑制され、右側の後輪18の変位が抑制される。
なお、車両の左旋回時には、左右の後輪18における左右のブッシュ16の動作が右旋回時の場合と入れ替わるのみで、作用効果も同じであるため、詳細な説明を省略する。
また、本実施の形態では、ストッパ40を、弾性部材30の部分および外筒26の部分を利用して構成した場合について説明したが、ストッパ40の構成は種々考えられる。例えば、内側板部2406に、弾性部材30に当接可能な突起部を設けることでストッパ40を構成してもよく、弾性部材30を利用したストッパ40の構成は実施の形態に限定されず、様々な構造が採用可能である。ただし、ストッパ40を実施の形態のように構成すると、構造が簡単で車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
また、本実施の形態では、外筒26および内筒28が均一な肉厚の円筒形状である場合について説明したが、外筒26および内筒28の肉厚は任意である。例えば、外筒26および内筒28の断面形状を周方向にわたって変化させることによって上記の寸法S1、S2を得るようにしてもよい。
次に、第2の実施の形態について図3(A)、(B)を参照して説明する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成に加えて内筒28に圧縮量調整部42を設けたものである。なお、ここでは、第1の実施の形態と同一の構成部材には、同一の番号を付して、その詳細な説明を省略する。
圧縮量調整部42は、外筒26の車幅方向内側の端部のストッパ40(鍔部38および弾接部36)がブラケット24の内側板部2406に当接して車幅方向での変位が規制された状態で、内筒28の車両前方に位置する弾性部材30の部分(前方部分30A)のうち車両後方に位置する部分30Cの圧縮量を他の箇所に比べて大きくすることで、車両後方への変位を抑制するよう規制するものである。
本実施の形態では、内筒28の軸方向で車幅方向内側の端部でかつ車両前方に位置する箇所に車両前方側へ膨出形成された膨出部42Aが設けられており、この膨出部42Aが圧縮量調整部42を構成している。膨出部42Aは、弾性部材30の車幅方向内側の端部と内側板部2406との間に配置されて外筒26が車幅方向内側に変位されてストッパ40(鍔部38および弾接部36)が内側板部2406に当接された状態で弾性部材30に当接するように構成されている。
したがって、第1の実施の形態と同様に、ストッパ40により外筒26の軸方向で車幅方向内側への変位が規制され、これにより、外筒26の車両後方への変位が抑制される。すなわち、弾接部36によって、外筒26(鍔部38)と内側板部2406との摩擦抵抗が増大され外筒26の車両後方への移動が抑制される。
さらに、本実施の形態では、内筒28に膨出部42Aで構成される圧縮量調整部42が形成されているので、外筒26が車幅方向内側に変位すると、弾性部材30と膨出部42Aが当接されて内筒28の車両前方に位置する弾性部材30の前方部分30Aのうち車両後方に位置する部分30Cが膨出部42Aによって変形されて圧縮量が他の箇所に比べて大きくなるため、弾接部36と内側板部材2406との摩擦抵抗に加えて外筒26の車両後方側への変位に対する抵抗が増え、外筒26の車両後方への移動量がより確実に抑制される。
したがって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、より確実に旋回方向外側のトレーリングアーム14の変位を抑制することができるので、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
次に、第3の実施の形態について図4(A)、(B)を参照して説明する。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成に加えてブラケット24の内側板部2406に規制部44を設けたものである。なお、ここでは、第1の実施の形態と同一の構成部材には、同一の番号を付して、その詳細な説明を省略する。
規制部44は、外筒26の車幅方向内側の端部のストッパ40(鍔部38および弾接部36)がブラケット24の内側板部2406に当接した際に、外筒26の内筒28より車両後方で車幅方向内側に位置する箇所に当接することで車両後方側への変位を規制するものである。
本実施の形態では、外筒26の車幅方向内側の鍔部38の内筒28より車両後方側の箇所に対向するブラケット24の内側板部2406の箇所に、車両の後方に至るにつれて次第に外筒26(鍔部38)に近づくよう傾斜される傾斜部2406Aが設けられ、規制部44は傾斜部2406Aを含んで構成されている。
したがって、第1の実施の形態と同様に、弾接部36によって外筒26(鍔部38)と内側板部2406との摩擦抵抗が増大することで外筒26の車両後方への移動が抑制される。
さらに、本実施の形態では、ブラケット24の内側板部2406に傾斜部2406Aで構成される規制部44が形成されているため、外筒26が車両後方側へ変位されると傾斜部2406Aに対向する外筒26の鍔部38が弾接部36を介して傾斜部2406Aによって押圧されるため、弾接部36と内側板部材2406との摩擦抵抗に加えて外筒26の車両後方側への変位に対する抵抗が増え、外筒26の後方への移動量をより確実に抑制される。
従って、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、より確実に旋回方向外側のトレーリングアーム14の変位を抑制することができるので、車両の操縦安定性の向上を図る上でより有利となる。
例えば、第2の実施の形態と第3の実施の形態とを組み合わせ、膨出部42Aと傾斜部2406Aとの双方を設けても良く、その場合は、後輪18を介してトレーリングアーム14に横力Fが作用した際に、旋回方向の外側に位置するブッシュ16の外筒26の後方への移動量を抑制する上でより一層有利となり、車両の操縦安定性の向上を図る上でより一層有利となる。
12 トーションビーム
14 トレーリングアーム
14A 前端
14B 後端
16 ブッシュ
22 サイドメンバ
24 ブラケット(支持部)
2402 基板部
2404 外側板部
2406 内側板部
2406A 傾斜部
26 外筒
28 内筒
30 弾性部材
36 弾接部
38 鍔部
40 ストッパ
42 圧縮量調整部
42A 膨出部
44 規制部
Claims (6)
- トーションビームで連結され、左右後輪を支持する左右のトレーリングアームと、
前記左右のトレーリングアームの前端を車体に揺動可能に連結するブッシュと、を備え、
前記ブッシュが、前記車体の支持部に支持される内筒と、前記トレーリングアームの前端が連結される外筒と、前記内筒と前記外筒との間に介設される弾性部材とを有し、
前記内筒の両端が前記支持部の車幅方向外側の外側板部と車幅方向内側の内側板部に支持され、前記ブッシュの軸方向が車幅方向を向いた状態で前記トレーリングアームの前端が前記車体に連結される車両のトーションビーム式サスペンションであって、
前記内筒と前記外筒との間の車両前後方向における寸法は、前記内筒より車両後方側での前記寸法に対して、前記内筒より車両前方側での前記寸法の方が大きく形成され、
前記トレーリングアームの前端の前記外筒の軸方向での変位を規制するストッパが、前記外筒の軸方向で車幅方向内側に設けられ、前記ストッパが前記外筒と前記内側板部との間に弾性を有して介在される弾接部を含んで構成されている、
ことを特徴とする車両のトーションビーム式サスペンション。 - 前記ストッパは、前記外筒の車幅方向内側の端部の全周に亘って設けられる鍔部を有し、前記弾接部は、前記弾性部材の車幅方向の内側の端部に設けられ前記鍔部と前記内側板部との間で両者に当接可能に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の車両のトーションビーム式サスペンション。 - 前記トレーリングアームの車幅方向での変位が前記ストッパにより規制された状態で、前記内筒の車両前方に位置する前記弾性部材の車幅方向内側の端部の圧縮量を他の箇所に比べて大きくする圧縮量調整部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両のトーションビーム式サスペンション。 - 前記内筒の車幅方向内側の端部でかつ車両前方に位置する箇所に、前記弾性部材の車幅方向内側の端部と前記内側板部との間に位置して車両前方に向かって膨出される膨出部が形成され、
前記圧縮量調整部は前記膨出部を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項3記載の車両のトーションビーム式サスペンション。 - 前記トレーリングアームの車幅方向での変位が前記ストッパにより規制された状態で、前記外筒の車両後方側への変位を規制する規制部が前記内側板部に設けられている、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の車両のトーションビーム式サスペンション。 - 前記ストッパの前記内筒より車両後方側の箇所と対向する前記内側板部の箇所に、車両の後方に至るにつれて次第に前記ストッパ側に近づく傾斜部が設けられ、
前記規制部は前記傾斜部を含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の車両のトーションビーム式サスペンション。
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