以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の画像処理システム100の概略的な動作を説明する図の一例である。
(1)携帯端末10を携帯するユーザUは例えばコンビニエンスストアなどに赴き、電子データ化したい原稿9を複合機30にセットする。携帯端末10と複合機30は有線又は無線で接続され、通信が可能な状態となる。
(2)複合機30は原稿9を電子データ化したファイルを携帯端末10に送信する。
(3)ファイルは携帯端末10の所定のフォルダに格納される。ユーザUは印刷の際に、印刷したいファイルを選択することができる。複合機30はいわゆる普通紙にプリントする普通紙プリントと、写真品質で印刷する写真プリントに対応している。しかし、複合機30が普通紙プリントで印刷可能なファイル形式と写真プリントで印刷可能なファイル形式とは異なっている。このような前提において、携帯端末10は以下のようなファイルの表示方法を提供する。
A.普通紙プリントと写真プリントの両方でプリントフォルダ内のファイルを全て表示する。
B.普通紙プリントが選択された場合、複合機30が普通紙で印刷できないファイル形式のファイル名等をグレーアウト表示する。写真プリントが選択された場合、複合機30が写真として印刷できないファイル形式のファイル名等をグレーアウト表示する。グレーアウト表示とは、入力や選択の対象が操作又は選択できない状態で表示することをいう。入力や選択の対象としては存在するが現在の状態では選択できないことを表示色や輝度によりユーザに報知する表示態様である。
C.ユーザUが普通紙プリントと写真プリントのどちらに切り替えても、切り替える前のユーザUのファイルの選択結果が保持される。
具体的には、フォルダに3つのファイルFileA.jpg、FileB.jpg、FileC.pngが格納されているものとする。また、複合機30はPNGファイルを普通紙に印刷できないものとする。図1(b)は写真プリントが選択された状態を示す。図1(b)ではFileA.jpgとFileC.pngが選択されたため、選択状態を示すチェックマーク501が表示されている。
次に、ユーザUが普通紙プリントを選択したものとする。図1(c)は普通紙プリントが選択された状態を示す。複合機30は普通紙プリントでPNGファイルに対応していないので、携帯端末10はファイル名であるFileC.png、チェックマーク501及びタイムスタンプ(作成日時、更新日時等)をグレーアウト表示する。グレーアウト表示により、ユーザUはFileC.pngを普通紙プリントできないことを把握できる。また、写真プリントで選択されたFileC.pngの選択状態が、普通紙プリントでも維持されている。
このような表示方法によれば、ユーザUは常に(普通紙プリントと写真プリントのどちらを選択しても)フォルダ内のファイルを把握できる。また、ファイル名等が表示されてもグレーアウト表示されているファイルは印刷できないことを把握できる(仮にユーザUが選択しても選択状態にならない)。また、選択状態が保持されるので、普通紙プリントから写真プリント又は写真プリントから普通紙プリントに切り替えても、ファイルを選択し直す必要がない。
<用語について>
ファイルとは、情報処理装置におけるデータの管理単位の1つで、記憶装置などにデータを記録する際に記録単位となるひとまとまりのデータをいう。
ファイル形式とは、ファイルにデータを記録するための保存形式である。情報処理装置が扱う文書、音声、画像、動画などに適したファイル形式が定められている。また。文書、音声、画像、動画のそれぞれで更にファイル形式は細分化されている。例えば、文書では、PDFファイル、テキストファイル、Wordファイル(登録商標)が知られている。ファイル形式はファイルの拡張子で判別される場合が多い。
出力とは、ファイルに対する情報処理装置の処理結果を後段に渡すことをいう。例えば、ファイルに格納したり、ディスプレイに送信して表示させたり、プリンタに送信して印刷させたりすることをいう。
出力方法とは、ファイルの処理内容である。例えば、ファイルの印刷方法(プリント印刷、写真プリント)などである。また、ファイル自体の処理として翻訳、OCR処理、検索処理などがある。また、出力方法はファイルの出力先の機器によって決定されてもよい。機器によって例えば表示又は印刷できるファイル形式が異なる場合に有効である。
<使用形態の概略>
図2を用いて本実施形態の画像処理システム100の使用形態を説明する。図2は、本実施形態の画像処理システム100の使用形態を説明する図の一例である。複合機30は写真印刷装置50と通信可能に接続されており、写真印刷装置50はアクセスポイント45を有している。アクセスポイント45は写真印刷装置50の外部にあってもよい。複合機30は普通紙に印刷する機能(プリンタ機能)と原稿を読み取る機能(スキャナ機能)と有する装置であり、写真印刷装置50は印画紙(感光材料を塗布した用紙)に印刷する印刷装置である。
写真印刷装置50は、ディスプレイ46を有しており、ユーザUとのユーザインタフェースを提供する。また、写真印刷装置50は写真取り出し口41、メディアスロット47、硬貨投入口48、タッチエリア42、レシート出力口43、及び、釣り銭取り出し口44を有する。
また、写真印刷装置50は複合機30のプリンタドライバを有している。これは、携帯端末10がプリンタドライバを有していない場合にも、写真印刷装置50がプリンタドライバを実行し印刷設定を受け付け、複合機30に適した形式のラスタライズを行うためである。
複合機30は、画像形成装置やプリンタなどと呼ばれる機器であるが、本実施形態ではプリンタ機能とスキャナ機能を有するものとして説明する。プリンタ機能とスキャナ機能は別々の装置が提供してもよい。また、複合機30は、MFP(Multi- Function Peripheral)、複写機、コピー機などと呼ばれていてもよい。
ユーザUは携帯端末10を写真印刷装置50のタッチエリア42に接近させる。これにより、携帯端末10は、写真印刷装置50の無線通信装置309と通信し、アクセスポイント45を介して複合機30と通信するための通信情報を無線通信装置309から取得する。無線通信装置309はICタグやBluetooth(登録商標)に対応した通信装置である。したがって、携帯端末10は写真印刷装置50とアクセスポイント45を介して通信可能になる。
携帯端末10は情報処理装置としての機能を有し、印刷可能なファイルを記憶している。あるいは、携帯端末10はクラウド上の文書サーバに蓄積されているファイルを複合機30に印刷させる機能を有している(文書サーバに蓄積されているファイルをダウンロードする機能も有している)。携帯端末10は、具体的には、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC(Personal Computer)、ノートPCなどである。
ユーザUはスキャナ機能やプリンタ機能を利用するために必要なお金を写真印刷装置50に投入しておく。まず、スキャナ機能を利用する場合、ユーザUはディスプレイ46のタッチパネルを介してスキャナによる読取条件を設定する。原稿9のスキャンが行われると電子化されたファイルが複合機30から写真印刷装置50に送信される。所定の手順で携帯端末10と写真印刷装置50とが通信接続すると、写真印刷装置50が携帯端末10にファイルを送信する。また、プリンタ機能を利用する場合、ユーザUは携帯端末10のファイルを選択して、写真印刷装置50との通信接続を行い、写真印刷装置50にファイルを送信する。ユーザUはディスプレイ46のタッチパネルを介して、写真印刷装置50又は複合機30による印刷の印刷設定を入力する。プレビューなどを確認すると、写真プリントの場合は写真印刷装置50が印刷し、普通紙プリントの場合は複合機30に送信して複合機30がファイルを印刷する。
なお、写真印刷装置50と複合機30は別々の装置でなくてもよく、一つの装置として動作してもよい。図示するように別々の装置として構成されているのは、既存の複合機30の転用が可能であるためである。
<システム構成>
図3は、本実施例に係る画像処理システム100の一例の構成図である。画像処理システム100は、携帯端末10と、複合機30と、写真印刷装置50とを有する。携帯端末10と写真印刷装置50とは有線又は無線のネットワークNを介して通信可能なように構成されている。通信可能であるとは、通信する機能を備えることをいう。
また、写真印刷装置50や複合機30による印刷は使用条件を満たしたユーザUに提供されうるサービスであり、常に、携帯端末10が写真印刷装置50と通信しているとは限らない。なお、使用条件とは、料金の投入であったり、通信する機能を有していることなどである。このため、携帯端末10はネットワークNに接続しておらず、オンデマンドでネットワークNに接続する。ネットワークNとしては、大きく有線と無線とに分けられる。有線の場合、ユーザUが保持するケーブルの一端を携帯端末10に接続し、他端を写真印刷装置50に接続する。ケーブルはどのようなものでもよいが例えばマイクロUSBなどが知られている。
また、無線の場合、アクセスポイント45を利用するインフラストラクチャモードによる無線LANがある。また、アクセスポイントを使用しないWi−Fi Directやアドホックモードによる無線LANがある(いずれもP2P通信になる)。ただし、ネットワークNはこれらに限られない。例えば、ネットワークNはWANやインターネットを含んでいてもよいし、一部に携帯電話網を含んでいてもよい。また、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用したネットワークでもよい。
写真印刷装置50は無線通信装置309を内蔵している。携帯端末10と無線通信装置309は近距離無線通信を介して通信可能なように構成されている。無線通信装置309は例えばNFC(Near Field Communication)に対応したICタグ、Bluetooth(登録商標)などである。また、QRコード(登録商標)などが外部から読み取れるように貼付されていてもよい。
携帯端末10には、写真印刷装置50に機能の提供(例えば印刷対象データに印刷指示を行う、原稿9をスキャンさせる、FAX送信させる、コピーさせるなど)を要求することができるアプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリという)がインストールされている。ユーザUは写真印刷装置50を操作して、印刷指示に係る印刷対象データを含む印刷ジョブ、スキャンジョブ、FAX送信ジョブ、及び、コピージョブなどを生成させる。写真印刷装置50はこれらのジョブを複合機30に送信する。
また、携帯端末10は、後述するように近距離無線通信装置を備えている。ユーザUは、携帯端末10を写真印刷装置50のタッチエリア42にかざすことにより無線通信装置309と通信し、写真印刷装置50と通信を行うためのIPアドレスなどを含む通信情報を取得する。そして、携帯端末10は、取得した通信情報を使用して写真印刷装置50と通信することで、スキャンジョブを実行させたり印刷ジョブを実行させたりする。
なお、アプリは複合機30と通信して写真印刷装置50にジョブの実行を要求するブラウザ、文書作成ソフト、ビューワなどのソフトウェアでもよい。
写真印刷装置50はユーザUから設定を受け付ける機能、携帯端末10と通信する機能、ジョブを写真印刷装置50と複合機30で振り分ける機能、課金する機能等を有する。写真印刷装置50は印画紙に印刷する機能を有する。すなわち、レーザ光で印画紙を感光させ、現像液で化学変化により色素を発色定着させることで高画質な写真プリントを行う。ただし、インクジェット方式で光沢紙に印刷してもよい。
写真印刷装置50と複合機30は有線又は無線で通信する。写真印刷装置50は印刷対象データを含む印刷ジョブを複合機30に送信したり、複合機30からスキャンジョブで作成された画像データを受信する。写真印刷装置50と複合機30はUSBケーブルやLANケーブルなどで接続されてもよいし、アクセスポイントを介して無線で通信してもよい。
複合機30は、電子写真方式で画像データを印刷する。あるいはインクジェット方式で印刷してもよい。また、複合機30はスキャナ機能を有している。また、複合機30はプリンタ機能とスキャナ機能を有する装置に限られず、複数の出力方法でファイルを出力する外部の出力装置であればよい。例えば、ファクシミリ装置、プロジェクタ、HUD(Head Up Display)装置、電子黒板、デジタルサイネージなどもファイルを出力する出力装置に含まれる。ファクシミリ装置の場合、携帯端末10は例えば選択可能なファイルをファイル形式で切り替える。また、プロジェクタ、HUD、電子黒板及びデジタルサイネージの場合、携帯端末10は出力可能(選択可能)なファイルをファイル形式で切り替える。なお、外部の出力装置は出力方法が異なる2つ以上の出力装置が通信可能に構成されていてもよい。
また、必ずしも複合機30は出力する機能を有していなくてもよい。あるいは、携帯端末10と複合機30が通信しなくてもよい。例えば、携帯端末10が異なる複数の処理を実行するものであり、ファイル形式によって可能な処理が異なるような場合、本実施形態のファイルの表示方法を適用できる。例えば、翻訳処理、OCR処理、検索処理をファイルに施すためユーザがファイルを選択する場合を考える。OCR処理は文書を含む画像データに対して適用可能であり、検索処理は透明テキストを有するPDFファイルや文書ファイルに対し適用可能であり、翻訳処理は文書ファイルに対し適用可能である。
<ハードウェア構成>
≪携帯端末10≫
本実施例に係る携帯端末10は、例えば図4に示すようなハードウェア構成により実現される。図4は、本実施例に係る携帯端末10の一例のハードウェア構成図である。図4に示す携帯端末10は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、通信I/F107、SSD(Solid State Drive)108、及び近距離無線通信装置109などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
入力装置101は、例えば、タッチパネルであり、携帯端末10に各操作信号を入力するのに用いられる。なお、入力装置101は、キーボードやマウスなどであってもよい。表示装置102は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)などであり、携帯端末10による処理結果を表示する。
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。また、外部I/F103には写真印刷装置50と接続するための有線のケーブルが接続される。記録媒体103aには、本実施形態の表示方法を実現するプログラムが格納され得る。携帯端末10は外部I/F103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。
記録媒体103aは、例えば、SDメモリカード(SD Memory card)などの記録媒体である。記録媒体103aは、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、CD(Compact Disk)、フレキシブルディスクなどの記録媒体であってもよい。
RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、携帯端末10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。
CPU106は、ROM105やSSD108などの記憶装置からプログラムやデータをRAM104上に読み出し、処理を実行することで、携帯端末10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
通信I/F107は、ネットワークNを介した通信を行うためのインタフェースである。例えば、通信I/F107は、携帯端末10をネットワークNを介して写真印刷装置50に接続するためのインタフェースである。また、通信I/F107は、携帯電話網やインターネット等に接続するためのインタフェースであってもよい。具体的には、無線LANの通信装置、携帯電話網を介した通信装置などである。
SSD108は、プログラム108aやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラム108aやデータには、例えば携帯端末10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)や、OS上において各種機能を提供するアプリなどがある。SSD108は格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステム及び/又はDB(データベース)により管理している。なお、携帯端末10は、SSD108の代わりに又はSSD108と併せて、HDD(Hard Disk Drive)等を備えていてもよい。
近距離無線通信装置109は、例えば、NFCの通信規格にしたがった通信装置である。例えば、リーダ・ライタなどと呼ばれる場合がある。また、Bluetooth(登録商標)などの通信装置でもよい。これにより、携帯端末10は、近距離無線通信装置109を介して写真印刷装置50の無線通信装置309とデータ通信を行うことができる。
本実施例に係る携帯端末10は、上記したハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
<<複合機30>>
本実施例に係る複合機30は、例えば図5に示すようなハードウェア構成により実現される。図5は、本実施例に係る複合機の一例のハードウェア構成図である。図5に示す複合機30は、コントローラ201、操作パネル202、外部I/F203、通信I/F204、プリンタ205及びスキャナ206などを有している。
コントローラ201はCPU211、RAM212、ROM213と、NVRAM214、HDD215を有する。ROM213は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM212はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM214は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD215は各種のプログラム215aやデータが格納されている。
CPU211は、ROM213やNVRAM214、HDD215などからプログラム215aやデータ、設定情報等をRAM212上に読み出し、処理を実行することで、複合機30全体の制御や機能を実現する。
操作パネル202はユーザUからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。本実施形態では複合機30の操作パネル202は使用されないが、操作パネル202で読取条件や印刷設定を受け付けてもよい。
外部I/F203は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体203aや写真印刷装置50等がある。これにより、複合機30は外部I/F203を介して写真印刷装置50と通信できる。なお、記録媒体203aには、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
通信I/F204は、ネットワークNを介した通信を行うためのインタフェースである。本実施形態では、複合機30はネットワークNに接続しなくてよい
プリンタ205は、印刷対象データを印刷して出力するための印刷装置である。スキャナ206は原稿9を光学的に読み取って電子データに変換する読み取り装置である。
本実施例に係る複合機30は、上記したハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
<<写真印刷装置50のハードウェア構成>>
図6は、写真印刷装置50のハードウェア構成図の一例を示す。写真印刷装置50は、一般的なPCやサーバ等の情報処理装置と同様の構成に加え、写真印刷装置50に特有の構成を有する。
写真印刷装置50は、CPU301、RAM302、ROM303、ディスプレイ46、タッチパネル305、ネットワークI/F306、HDD307、外部I/F308、無線通信装置309及びI/F310がバスを介して接続されている。また、I/F310にはメディアI/F311、写真搬送部312、写真印刷ユニット313、レシート印刷装置314及び課金装置315が接続されている。
CPU301は演算手段であり、HDD307からRAM302に展開されたプログラム307pを実行し図6に示された各機能を制御することで写真印刷装置全体の動作を制御する。RAM302は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU301が情報を処理する際の作業領域として用いられる。
ROM303は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムやBIOS設定など格納されている。HDDは、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OSや写真印刷装置用のプログラム等が格納されている。
外部I/F308は、外部装置や記憶媒体が接続されるインタフェースであり、例えばUSBケーブルなどが接続される。本実施形態では外部I/F308に複合機30が接続されているものとする。
無線通信装置309は、例えばNFCなどの通信規格のICタグである。あるいは、Bluetoothなどの通信装置でもよい。無線通信装置309は携帯端末10の近距離無線通信装置109の接近を検出すると、近距離無線通信装置109と通信して携帯端末10に通信情報を送信する。無線通信装置309は、写真印刷装置50の筐体の内部の所定位置に配置されて構成されているが、写真印刷装置50の外部に配置されていてもよい。無線通信装置309が提供する通信情報は、リーダ・ライタなどを用いて管理者が書き換えることが可能である。
また、無線通信装置309は、写真印刷装置50と一体である必要はなく、写真印刷装置50の近くや写真印刷装置50とは別の装置、又は、案内板などに配置されていてもよい。また、複合機30が無線通信装置309を有していてもよい。
I/F310は、メディアI/F311、写真搬送部312、写真印刷ユニット313、レシート印刷装置314及び課金装置315と、バスBとの動作クロックの違いを調整して、メディアI/F311、写真搬送部312、写真印刷ユニット313、レシート印刷装置314及び課金装置315からバスB又はその逆の通信を制御する。また、I/F310はメディアI/F311、写真搬送部312、写真印刷ユニット313、レシート印刷装置314及び課金装置315からの通信を調停する。
メディアI/F311はUSBメモリやSDメモリなどの記憶媒体が接続されるインタフェースである。本実施形態ではメディアI/F311に接続された記憶媒体からファイルを読み出して印刷することができる。
写真搬送部312は、印刷された写真をユーザUが取り出すための機構であり、紙搬送機構や写真取り出し口41などが相当する。写真印刷ユニット313は、印画紙に写真を印刷する装置であり、レーザの光源、露光装置、及び現像器等を有する。レシート印刷装置314は、例えば熱転写方式の印刷装置であり原稿9の読み取り数、印刷枚数、単価、合計金額などをレシートとして印刷する。
課金装置315は、投入された硬化の金種と数を判定し投入金額を算出し、また、スキャンジョブと印刷ジョブの進捗に応じて投入金額から単価を減じる。残金はCPU301に通知され、CPU301はスキャンジョブと印刷ジョブを継続するかどうかを判定する。また、ユーザUが返金する操作を行うと残金を釣り銭取り出し口44から返金する。
<機能について>
画像処理システム100は、例えば図7に示すような機能ブロックにより表すことができる。図7は、本実施例に係る画像処理システム100の一例の機能ブロック図である。
<<携帯端末の機能>>
画像処理システム100の携帯端末10は、情報取得部11、UI表示部12、操作受付部13、端末通信部14、ファイル処理部16及び認証部17などを有する。携帯端末10が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成要素のいずれかが、SSD108からRAM104に展開されたプログラム108pに従ったCPU106からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム108pには画像処理システム100に対応したアプリが含まれている。
また、携帯端末10は、RAM104やSSD108などにより実現され、各種情報を記憶部する記憶部19を有する。記憶部19には、通信情報191及びファイル形式情報192等が記憶され、また、ファイル記憶部193が構築される。通信情報の一例を表1に示し、ファイル形式情報を表2に示し、ファイル記憶部193を図8にて説明する。
情報取得部11は、CPU106がプログラム108pを実行することや近距離無線通信装置109を制御することなどにより実現され、写真印刷装置50の無線通信装置309から通信情報191を取得する。情報取得部11は通信情報191を記憶部19に記憶させる。これにより、端末通信部14は写真印刷装置50と通信することができる。
UI表示部12は、CPU106がプログラム108pを実行することや表示装置102を制御することなどにより実現され、UI(ユーザインタフェース)画面の生成及び表示を行う。また、UI表示部12はファイル表示部15を有している。ファイル表示部15は、ファイル記憶部193に記憶されているファイルをUIとして表示する際、ファイル情報の表示態様を制御する。なお、ファイル情報とは、ファイルに関する情報をいい、例えばファイル名、タイムスタンプ、及び、選択状態などである。
操作受付部13は、CPU106がプログラム108pを実行することや入力装置101を制御することなどにより実現され、ユーザUによる携帯端末10への操作を受け付ける。
端末通信部14は、CPU106がプログラム108pを実行することや通信I/F107を制御することなどにより実現され、通信情報191を用いて写真印刷装置50と各種のデータを送受信する。
ファイル処理部16は、CPU106がプログラム108pを実行すること等により実現され、ファイルに関する処理を行う。例えば、ファイル情報の更新を行い、ファイルをコピーしたり、ファイル移動したり、削除したり、クラウドから取得したりする。
認証部17は、CPU106がプログラム108pを実行すること等により実現され、ユーザの認証に関する処理を行う
<<写真印刷装置の機能>>
次に、写真印刷装置50は、情報提供部51、操作受付部52、携帯通信部53、全体制御部54、写真印刷部55、画面表示部56、複合機通信部57、及び通信部58などを有する。写真印刷装置50が有するこれら各機能部は、図6に示された各構成要素のいずれかが、HDD307からRAM302に展開されたプログラムに従ったCPU301からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
情報提供部51は、CPU301がプログラムを実行することや無線通信装置309を制御することなどにより実現され、通信情報を携帯端末10に提供する。
操作受付部52は、CPU301がプログラムを実行することやタッチパネル305を制御することなどにより実現され、ユーザUによる写真印刷装置50への操作を受け付ける。
携帯通信部53は、CPU301がプログラムを実行することやネットワークI/F306を制御することなどにより実現され、携帯端末10と各種情報の送受信を行う。
写真印刷部55は、CPU301がプログラムを実行することや写真印刷ユニット313及び写真搬送部312などを制御することなどにより実現され、写真を印刷する。
画面表示部56は、CPU301がプログラムを実行することやディスプレイ46を制御することなどにより実現され、ユーザUが写真印刷装置50を操作するための各種の画面の生成及び表示を行う。
複合機通信部57は、CPU301がプログラムを実行することや外部I/F308を制御することなどにより実現され、複合機30と各種情報の送受信を行う。
通信部58は、CPU301がプログラムを実行することやネットワークI/F306を制御することなどにより実現され、ネットワークNを介して各種のサーバなどと通信する。
全体制御部54はCPU301がプログラムを実行することなどにより実現され、写真印刷装置50の全体的な動作を制御する。
<<複合機の機能>>
次に、複合機30は、普通紙印刷部31、全体制御部32、装置通信部33、及び原稿読取部34などを有する。複合機30が有するこれら各機能部は、図5に示された各構成要素のいずれかが、HDD215からRAM212に展開されたプログラムに従ったCPU211からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
普通紙印刷部31は、CPU211がプログラム215pを実行することやプリンタ205を制御することなどにより実現され、普通紙に画像データを印刷する。
装置通信部33は、CPU211がプログラム215pを実行することや外部I/F203を制御することなどにより実現され、写真印刷装置50と各種情報の送受信を行う。
原稿読取部34は、CPU211がプログラム215pを実行することやスキャナ206を制御することなどにより実現され、原稿9を読み取って画像データを生成する。
全体制御部は、CPU211がプログラム215pを実行することなどにより実現され、複合機30の全体的な動作を制御する。
<情報提供部(無線通信装置)が記憶している通信情報>
情報提供部(無線通信装置)51が記憶している通信情報について表1を用いて説明する。この通信情報は携帯端末10の記憶部19に記憶される。
表1は通信情報191の一例を示す。通信情報191は、ネットワークNを介して携帯端末10が写真印刷装置50と通信を行うための情報である。通信情報191には、ネットワークNにおける写真印刷装置50のIPアドレス、ネットワークNを識別するためのSSID(Service Set Identifier)、ネットワークNにおける暗号化方式、パスワード、複合機30のHTTP(HyperText Transfer Protocol)ポート番号又はHTTPS(HTTP over SSL/TLS)ポート番号などの情報を含む。なお、携帯端末10がデータを暗号化して通信しない場合、パスワードがなくても通信自体は可能である。
表2はファイル形式情報192の一例を示す。ファイル形式情報192は、普通紙プリントと写真プリントのそれぞれに対応するファイル形式を示す。例えば、JPEG及びTIFFのファイル形式は普通紙プリントと写真プリントに対応し、BMP及びPNGは写真プリントにのみ対応し、PDFは普通紙プリントにのみ対応する。これは、BMP及びPNGは画像データの場合がほとんどなので普通紙プリントされる可能性がほとんどないためである。また、写真に印刷するデータがPDFファイルで用意されることはほとんどないためである。こうすることで、ユーザが誤って普通紙プリントしたり、写真プリントすることを抑制できる。ただし、ファイル形式によって対応するプリント形式に違いがあるのには種々の理由があり、固定的なものではない。このため、表2の内容も一例に過ぎない。
<ファイル記憶部について>
図8はファイル記憶部193の構成を模式的に説明する図の一例である。ファイル記憶部193は、図示するようにスキャンフォルダ21とプリントフォルダ22という2つの ファイル記憶部193は、RAM104やSSD108などにより実現され、画像データをファイルとして記憶すると共に、記憶されている情報の読み出しを行う。ファイル記憶部193は例えばOSが提供するファイルシステムが利用されてよく、一例としてフォルダやディレクトリなどでよい。
本実施形態のアプリは少なくともスキャンフォルダ21とプリントフォルダ22を有している。複合機30が原稿9をスキャンして生成した画像データを端末通信部14が受信すると、端末通信部14は自動的にスキャンフォルダ21に格納する。したがって、スキャンフォルダ21にはスキャンされた画像データがファイルとして格納される。なお、ファイルは携帯端末10が扱う情報の単位であり、画像データが含まれるものとする。
プリントフォルダ22は、携帯端末10が複合機30に印刷させるファイルが格納されるフォルダである。プリントフォルダ22には、ユーザUの操作によりスキャンフォルダ21のファイルがコピーされる。また、携帯端末10で動作するアプリが扱う以外のファイルをユーザUがOSの機能を使ってプリントフォルダ22に移動又はコピーすることができる。したがって、スキャンフォルダ21には任意のファイルが格納される。プリントの際は、ユーザUがプリントフォルダ22で選択した全てのファイルが写真印刷装置50に送信される。
選択状態を保持するためプリントフォルダ22の各ファイルは属性が記録されている。
表3は、プリントフォルダ22のファイルの属性を模式的に説明する。表3では、各ファイルがファイル名、選択状態、及び、タイムスタンプの各属性を有する。なお、ファイルの属性には、この他、作成者、ファイルの種類等もあり得るが省略されている。
UI表示部12はこの選択状態を取得して、チェックマーク501の表示と非表示を切り替える。このように、選択状態が管理されるので、写真プリントと普通紙プリントが切り替えられても、携帯端末は選択状態を保持できる。
<画像処理システム100の動作手順>
図9は、画像処理システム100のスキャン時の動作手順を説明するシーケンス図の一例である。なお、適宜、図10〜図14の画面例を説明する。ユーザUは自分が持っている原稿9をスキャンして画像データを生成するため、写真印刷装置50のディスプレイ46を操作する。
S1:写真印刷装置50のディスプレイ46にはサービス選択画面601が表示されている。ユーザUはサービスの中から「スキャン」ボタン606を選択する。写真印刷装置50の操作受付部52は「スキャン」ボタン606の押下を受け付ける。図10(a)にサービス選択画面601の一例を示す。
S2:また、ユーザUはスキャンしたい原稿9を複合機30のADF(Auto Document Feeder)又はコンタクトガラス上にセットする。
S3:次に、ユーザUは写真印刷装置50に読取条件を設定する。読取条件は、例えばカラー・白黒の選択、原稿サイズ、原稿9の向き、ファイル形式(PDF、JPEG、OCR付きPDFなど)、解像度、濃度、などである。写真印刷装置50の操作受付部52は読取条件を受け付ける。図10(b)に読取条件設定画面611の一例を示す。
S4:最後の読取条件をユーザUが設定すると、写真印刷装置50の画面表示部56は読み取りスタート画面621をディスプレイ46に表示する。ユーザUは読取条件を確認して読み取りスタートボタン622を押下する。写真印刷装置50の操作受付部52は読み取りスタートボタン622の押下を受け付ける。図11(a)に読み取りスタート画面621の一例を示す。
S5:写真印刷装置50の全体制御部54は読み取りスタートボタン622の押下に対し、複合機通信部57により読取条件と共にスキャンジョブを複合機30に送信する。複合機30の装置通信部33はスキャンジョブを受信する。
S6:複合機30の全体制御部32はスキャンジョブを受信したので原稿読取部34により原稿9を読み取る。原稿読取部34は画像データを生成する。
S7:複合機30の装置通信部33は画像データを写真印刷装置50に送信する。写真印刷装置50の複合機通信部57は画像データを受信する。
S8:写真印刷装置50の全体制御部54はスキャンジョブに対し画像データを受信したので、画面表示部56にプレビューを表示させる。画面表示部56はディスプレイに画像データを表示する。図11(b)にプレビュー画面631の一例を示す。
S9:ユーザUはディスプレイ46に表示されたプレビュー633を目視して、意図した画像データが得られたかどうかを判断する。意図した画像データが得られた場合、読取終了ボタン632を押下する。これにより、全体制御部54は画像データを送信するための処理を開始する。なお、意図した画像データが得られない場合、ユーザUはやり直しボタン634を押下する。この場合、ユーザUはステップS3から再度行う。
S10:ユーザUはスキャンにより生成された画像データを携帯端末10で受信するため、携帯端末10が実行するアプリを起動させる。これ以前に起動していてもよい。ユーザUは、図14(a)のアプリ起動画面701でWi-Fiプリントボタン702を選択する。携帯端末10の操作受付部13はこの操作を受け付け、UI表示部12はWi-Fiプリント画面711を表示する。図14(b)にWi-Fiプリント画面711を示す。更に、ユーザUはスキャナで取り込むボタン715を押下する。携帯端末10の操作受付部13はこの操作を受け付け、UI表示部12はスキャン取り込み画面721を表示する。図14(c)にスキャン取り込み画面721を示す。
S11:ユーザUはスキャン取り込み画面721で接続ボタン722を押下する。携帯端末10の操作受付部13はこの操作を受け付け、端末通信部14は写真印刷装置50との通信接続を開始する。どのように通信接続を行うかはAndroid(登録商標) OSとiOS(登録商標)で異なっている。Android(登録商標) OSの場合、記憶部19に記憶されている通信情報191をアプリがOSに設定して通信接続することができる。iOS(登録商標)の場合、ユーザUが通信情報を設定する操作を行うことで通信接続される。これらにより、通信情報191に含まれるアクセスポイントのSSIDとパスワードが設定され携帯端末10はアクセスポイントに接続でき、通信情報に含まれる写真印刷装置50のIPアドレスを宛先にすることで写真印刷装置50と通信できる。
S12:通信接続が完了すると、写真印刷装置50の全体制御部54はPINコードを発行する。PIN(Personal Identification Number)コードはユーザUを認証するための情報である。携帯端末10と写真印刷装置50は無線で通信しているため、原稿9を用意したユーザU以外の第三者の携帯端末と通信する可能性も否定できない。このため、PINコードを携帯端末10に表示させ、ユーザUがそのPINコードを写真印刷装置50に入力した場合、写真印刷装置50は原稿9を用意したユーザUの携帯端末10と通信していると判定する。このため、写真印刷装置50の携帯通信部53は発行されたPINコードを携帯端末10に送信する。
S13:携帯端末10の端末通信部14はPINコードを受信すると、UI表示部12がPINコードを表示装置102に表示する。図14(d)にPINコード画面731を示す。したがって、ユーザUはPINコードを読み取ることができる。
S14:ユーザUは携帯端末10の表示装置102に表示されたPINコードを写真印刷装置50に入力する。写真印刷装置50の操作受付部52はPINコードを受け付ける。図12(a)にPINコード入力画面641の一例を示す。
S15:そして、全体制御部54は発行したPINコードと入力されたPINコードが一致するか否かを判定する。本実施形態では一致したものとして説明する。一致した場合、写真印刷装置50の画面表示部56は料金画面651を表示する。図12(b)に料金画面651の一例を示す。
S16:全体制御部54はPINコードが一致したのでユーザUを認証できたものと判定する。料金画面651でユーザが保存スタートボタン654を押下すると、操作受付部52がこれを受け付け、携帯通信部53は画像データを携帯端末10に送信する。なお、ユーザUが指定したファイル形式に変換し、更に日時などのファイル名を付与する。携帯端末10の端末通信部14は画像データを受信する。
S17:携帯端末10の端末通信部14はファイル記憶部193のスキャンフォルダ21に画像データを記憶する。ファイル記憶部193のスキャンフォルダ21に新たな画像データが記憶されると、UI表示部12がスキャンフォルダ画面741を表示する。図14(e)にスキャンフォルダ画面741を示す。
S18:画像データを受信すると携帯端末10の端末通信部14は受信完了を写真印刷装置50に送信する。これにより、写真印刷装置50の画面表示部56は終了画面661を表示する。図13に終了画面661の一例を示す。
S19:これにより、写真印刷装置50の携帯通信部53は通信接続を切断する。例えばWi-Fiの通信接続を切断する。
<スキャン時の画面例>
図10〜図14の画面例について説明する。図10(a)のサービス選択画面601は、「白黒簡単コピー」ボタン602、「いろいろなコピー」ボタン603、「プリント」ボタン604、「ファクス」ボタン605、「スキャン」ボタン606、「行政サービス」ボタン607などの選択可能に表示する。本実施形態では「スキャン」ボタン606が選択される。「白黒簡単コピー」ボタン602は普通紙に白黒でコピーするためのボタンである。「いろいろなコピー」ボタン603は普通紙に白黒又はカラーでコピーするためのボタンである。「プリント」ボタン604は記憶媒体からファイルを印刷したり、携帯端末10のファイルを印刷したりするためのボタンである。「ファクス」ボタン605はファクス送信するためのボタンであり、「スキャン」ボタン606は原稿をスキャンして画像データを取得するためのボタンである。「行政サービス」ボタン607は住民票の写しや印鑑証明などを印刷するためのボタンである。
図10(b)の読取条件設定画面611は読取条件の1つである原稿サイズの選択を受け付けるための画面である。読取条件設定画面611には自動、L板、B5、A4、B4、A3の各原稿サイズの選択ボタン、及び、原稿セット例613が表示されている。ユーザUは原稿9のサイズを選択したり、原稿のセット方向を確認できる。この他の読取条件の設定画面については省略されている。
図11(a)の読み取りスタート画面621は、各種の読取条件623、読み取りスタートボタン622及び原稿向き表示欄624を有している。ユーザUは読取条件623を確認し、読み取りスタートボタン622を押下する。また、原稿向き表示欄624を見て原稿の向きを確認できる。
図11(b)のプレビュー画面631は、読み取られた画像データのプレビュー633、やり直しボタン634、次の原稿9を読み取るボタン635、及び、読取終了ボタン632を有している。プレビュー633は複合機30が読み取った原稿の画像データを表示する。やり直しボタン634が押下されると、画像データは破棄され読取条件設定画面611が表示される(料金はかからない)。次の原稿9を読み取るボタン635が押下されると、読み取りスタート画面621が表示される。読取終了ボタン632はPINコード入力画面641を表示させるためのボタンである。
図12(a)のPINコード入力画面641は、PINコード入力欄643、テンキー642及びメッセージ644を表示する。まず、メッセージ644には「スマートフォンに表示されているPINコードを入力してください」と表示されている。ユーザUはテンキー642で携帯端末10に表示されたPINコードを、PINコード入力欄643に入力する。
図12(b)の料金画面651はプレビュー652と、料金欄653と、中止ボタン655と、保存スタートボタン654が表示されている。料金欄653は、スキャンした合計枚数、合計金額、投入金額、及び不足金額を表示する。不足金額がない場合、保存スタートボタン654が有効になり、ユーザUは保存スタートボタン654を押下できる。これにより、画像データが携帯端末10に送信され、課金装置315により合計金額が収納される。不足金額がある場合、ユーザUは保存スタートボタン654を押下できない。この場合、ユーザUは不足金額を投入するか中止ボタン655を押下する。これにより、画像データが破棄される。
図13の終了画面661は、スキャン結果情報662、続けるボタン663、領収書を印刷して終了ボタン664、及び、終了ボタン665を有する。スキャン結果情報662により、ファイル名、ファイル数、合計枚数、合計サイズ、及び、合計金額をユーザUが確認できる。続けるボタン663が押下されると例えば読取条件設定画面611に戻る。領収書を印刷して終了ボタン664が押下されると領収書(レシート)が印刷されサービス選択画面601に戻る。終了ボタンが押下されると領収書(レシート)が印刷されずにサービス選択画面601に戻る。
図14(a)のアプリ起動画面701は、Wi-Fiプリントボタン702及びクラウドプリントボタン703を有する。Wi-Fiプリントボタン702は、携帯端末10と写真印刷装置50とを無線LANで通信させ、携帯端末10が画像データを写真印刷装置50に送信しプリントさせるためのボタンである。また、Wi-Fiプリントボタン702により複合機30でスキャンした原稿9の画像データを取得できる。クラウドプリントボタン703は携帯端末10がクラウド上のファイルを指定すると複合機30がダウンロードしてプリントするためのボタンである。
図14(b)のWi-Fiプリント画面711は、写真や文書をプリントボタン712、Webページをプリントボタン713、テキストをプリントボタン714、スキャナで取り込むボタン715、及びスキャンフォルダボタン716を有する。写真や文書をプリントボタン712は、携帯端末10の画像データを写真や普通紙でプリントするためのボタンである。Webページをプリントボタン713は、Webページをプリントするためのボタンである。テキストをプリントボタン714は携帯端末10が保持するテキストデータをプリントするためのボタンである。スキャナで取り込むボタン715はスキャナ206が読み取った画像データを携帯端末10が取得するためのボタンである。スキャンフォルダボタン716はアプリのスキャンフォルダ21を表示するためのボタンである。
図14(c)のスキャン取り込み画面721は、保存可能容量欄723、及び接続ボタン722を有する。保存可能容量欄723は携帯端末10の空き容量でありスキャンされた画像データを保存できるかどうかをユーザUが判断するための目安となる。接続ボタン722は、携帯端末10と写真印刷装置50を無線LANで通信接続させるためのボタンである。
図14(d)のPINコード画面731は、PINコード欄732を有する。PINコード欄732には写真印刷装置50が発行したPINコードが表示される。ユーザUはこのPINコードを写真印刷装置50に入力する。
図14(e)のスキャンフォルダ画面741は、スキャンフォルダ内の全てのファイルを表示する。スキャンフォルダ21には複合機30がスキャンしたフォルダが自動的に格納される。
<プリント時の動作>
図15は、画像処理システム100のプリント時の動作手順を説明するシーケンス図の一例である。なお、適宜、図16〜図19の画面例を説明する。ユーザUはスキャンした原稿9の画像データを印刷するため、写真印刷装置50のディスプレイ46を操作する。このように、ユーザUは移動中、重い原稿9を持って移動する必要がなくなる。
S1:写真印刷装置50のディスプレイ46にはサービス選択画面601が表示されている。サービス選択画面601は図10(a)に示した。プリントを行う場合、ユーザUはサービスの中から「プリント」ボタン604を選択する。写真印刷装置50の操作受付部52は「プリント」ボタン604の選択を受け付ける。
S2:また、ユーザUは携帯端末10が実行するアプリを操作してファイルを選択する。まず、ユーザUは、図19(a)のアプリ起動画面701でWi-Fiプリントボタン702を選択し、図19(b)のWi-Fiプリント画面711でスキャンフォルダボタン716を押下する。スキャンした画像データを選択してプリントフォルダ22に移動させるためである。携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、UI表示部12は図19(c)のスキャンフォルダ画面741を表示する。
S3:ユーザUは印刷するファイルに所定の操作を行うことで選択状態にする(例えば、タップする)。更にユーザUはファイルをプリントフォルダ22に移動するための操作を行う。携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、ファイル処理部16は選択されたファイルをプリントフォルダ22にコピーする。
S4:次に、ユーザUは図19(b)のWi-Fiプリント画面711に戻って、写真や文書をプリントボタン712を押下する。携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、UI表示部12は図19(d)のプリント画面751を表示する。なお、ユーザは、スキャンフォルダ画面741から直接、プリント画面751に遷移させることもできる。ユーザUは普通紙プリントボタン752又は写真プリントボタン753を選択すると共に、ファイルリスト欄754から印刷するファイルを選択する。
S5:携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、UI表示部12はユーザが選択したファイルを選択状態にして表示する。選択状態のファイルにはチェックマーク501が表示される。なお、この選択の詳細は後述される。
S6:ユーザUが次へボタン755を押下すると、携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、端末通信部14が写真印刷装置50と通信接続する。上記のように携帯端末10が写真印刷装置50から通信情報を読み取ることで携帯端末10の記憶部19には通信情報191が記憶されている。通信情報191によりスキャン時と同様に通信接続できる。
S7:通信接続できると、UI表示部12は図19(e)の送信画面761を表示する。ユーザUが送信ボタン762を押下すると、携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、端末通信部14が画像データ(ユーザUが選択したファイル)を写真印刷装置50に送信する。
S8:画像データの送信が終了すると、携帯端末10の端末通信部14は複合機30との通信を切断する。また、端末通信部14が通信完了の旨を受信すると、UI表示部12は図19(f)の送信完了画面771を表示する。ユーザUがOKボタン772を押下すると、操作受付部13が操作を受け付け、UI表示部12は図19(a)のアプリ起動画面701を表示する。
S9:写真印刷装置50の端末通信部14はファイルを受信すると、画面表示部56がディスプレイ46に印刷設定に関する画面を表示する。例えば、図16(a)の写真印刷設定画面801、図16(b)の画像選択画面811等を表示する。
S10:ユーザUは図16(a)の写真印刷設定画面801でフチありかフチなしを選択し、図16(b)の画像選択画面811で印刷する画像データを選択したり、印刷枚数を選択したりする。また、カラー・白黒、用紙サイズなど各種の印刷設定を行う。写真印刷装置50の操作受付部52はユーザUの操作を受けつける。
S11:ユーザUが次へボタン812を押下すると、操作受付部52が操作を受け付け、画面表示部56が図17(a)のプリントスタート画面821をディスプレイ46に表示する。ユーザUがプリントスタートボタン822を押下すると、操作受付部52がプリントスタートを受け付ける。
次のステップS12とS13はどちらかが実行される。
S12:写真プリントの場合、写真印刷装置50の写真印刷部55は印刷設定に基づき画像データを写真プリントする。画面表示部56は図17(b)の印刷中画面831をディスプレイ46に表示する。
S13:普通紙プリントの場合、写真印刷装置50の複合機通信部57は印刷設定と画像データを含む印刷ジョブを複合機30に送信する。
S14:これにより、複合機30の普通紙印刷部31は印刷設定に基づき画像データを普通紙に印刷する。
S15:写真印刷装置50の全体制御部54は写真プリントが終了すると(又は複合機30から印刷終了を受信すると)、画面表示部56に終了画面841を表示させる。図18に終了画面841の一例を示す。
<<プリント時の画面例>>
図16〜図19の画面例について説明する。図16(a)の写真印刷設定画面801は印刷設定の1つであるフチなしとフチありのいずれかをユーザUが選択するための画面である。写真印刷設定画面801は、プレビュー欄802、フチなしボタン803及びフチありボタン804を有し、ユーザUが選択できるようになっている。
図16(b)の画像選択画面811は、ユーザUが印刷するファイルと枚数を選択するための画面である。画像選択画面811では携帯端末10から送信された画像データがリスト状に表示されている。ユーザUは任意の画像データを選択状態にして(例えばタップする)プラスボタン813、マイナスボタン814を押下すことで枚数を入力する。また、ユーザUが決定して次へボタン812を押下すると、プリントスタート画面821が表示される。
図17(a)は、プリントスタート画面821の一例である。プリントスタート画面821はユーザUがプリントを開始するためのボタンである。プリントスタート画面821はプレビュー欄823、料金欄824、及び、プリントスタートボタン822を有する。プレビュー欄823は画像データのプレビューが表示される欄であり、料金欄824は合計枚数、合計金額、及び投入金額を表示する。合計金額>投入金額の場合、ユーザUはプリントスタートボタン822を押下できない。あるいは、プリントスタート後、合計金額>投入金額になった時点で印刷が終了する。この場合、ユーザUは硬貨投入口から不足金額を入金する。
図17(b)は印刷中画面831の一例である。印刷中画面831は印刷中の状態を報知するための画面である。印刷中画面831は、プリント中画像欄832、プリントの進捗欄833、料金欄834、及び、中止ボタン835を有する。プリント中画像欄832にはプリント中の画像データのプレビューなどが表示され、プリントの進捗欄833にはプリントの進捗状況が表示される。料金欄834は図17(a)と同様である。中止ボタン835は、プリントを途中で中止するためのボタンである。
図18は、終了画面841の一例である、終了画面841はプリントの終了をユーザUに報知するための画面である。終了画面841は、プリント結果情報842、続けるボタン843、領収書を印刷して終了ボタン844、及び、終了ボタン845を有する。プリント結果情報842により、合計枚数、及び、合計金額をユーザUが確認できる。続けるボタン843が押下されると例えば写真印刷設定画面801に戻る。領収書を印刷して終了ボタン844が押下されると領収書(レシート)が印刷されサービス選択画面601に戻る。終了ボタン845が押下されると領収書(レシート)が印刷されずにサービス選択画面601に戻る。
図19(a)は図14(a)と同じであり、図19(b)は図14(b)と同じである。図19(c)のスキャンフォルダ画面741は、スキャンフォルダ21のファイルの一覧を表示する。図14(e)のスキャンフォルダ画面741と同じ画面である。図19(c)では3つのファイルが選択状態になっている。ファイルが選択状態にされ、ユーザが転送ボタン742を押下すると、選択されたファイルはプリントフォルダ22にコピーされる。
図19(d)のプリント画面751はユーザUがプリントするファイルを選択するための画面である。プリント画面751は、普通紙プリントボタン752、写真プリントボタン753、ファイルリスト欄754、及び、次へボタン755を有する。普通紙プリントボタン752が押下されると普通紙プリントが可能なファイル形式のファイルがグレーアウトされずに表示され、普通紙プリントが可能でないファイル形式のファイルがグレーアウトされて表示される。写真プリントボタン753が押下されると写真プリントが可能なファイル形式のファイルがグレーアウトされずに表示され、写真プリントが可能でないファイル形式のファイルがグレーアウトされて表示される。ファイルリスト欄754にはファイル名、チェックマーク501、タイムスタンプなどのファイル情報が表示される。次へボタン755が押下されると図19(e)の送信画面761が表示される。
図19(e)は送信画面761の一例である。送信画面761は画像データの送信の最終的な確認をユーザUから受け付けるためのボタンである。送信画面761は送信ボタン762を有する。送信ボタン762は、ユーザUが選択したファイルを写真印刷装置50に送信するためのボタンである。
図19(f)は送信完了画面771の一例である。送信完了画面771は画像データの送信が完了したことをユーザUに報知するための画面である。送信完了画面771には、「写真印刷装置50の画面でプリント操作を行ってください。」というメッセージ773、及び、OKボタン772が表示される。メッセージ773によりユーザUは写真印刷装置50を操作すべきことを把握できる。また、ユーザUがOKボタン772を押下すると図19(a)のアプリ起動画面701に戻る。
<プリントフォルダにおけるファイルの選択>
図20を用いて、スキャンフォルダ21からプリントフォルダ22へのファイルのコピー等について説明する。図20はスキャンフォルダ21に格納されているファイルを模式的に示す。図20では、1.jpg、2.bmp、3.png、4.tiff、5.pdf、6.jpgの6つのファイルが格納されている。ユーザUがスキャンフォルダ画面741で1.jpg、2.bmp、3.png、4.tiff、5.pdfを選択して転送する操作を行ったものとする。この場合、ファイル処理部16はスキャンフォルダ21の1.jpg、2.bmp、3.png、4.tiff、5.pdfをプリントフォルダ22にコピーする。これにより、ユーザUがプリントフォルダ22のファイルを選択できるようになる。
図21は、プリント画面751におけるファイル情報の表示方法を説明する図の一例である。図21(a)は、ユーザが写真プリントボタン753を選択することによって出力方法が指定されたプリント画面751の一例を示す。プリントフォルダ22には5つのファイルが含まれているので5つのファイルが表示されている。このうち、pdfファイルは写真プリントに非対応なので、ファイル表示部15は5.pdfファイルのファイル情報をグレーアウト表示する。また、操作受付部13は5.pdfファイルの選択を受け付けることができない。一方、1.jpg、2.bmp、3.png、4.tiffは写真プリントに対応しているため、ファイル表示部15はこれらを通常の輝度で表示し(強調して表示し)、操作受付部13も選択を受け付けることができる。図21(a)では1.jpg、2.bmp及び3.pngの選択が受け付けられている。このためファイル表示部15は1.jpg、2.bmp、3.pngの先頭にチェックマーク501を表示する。
この選択状態のまま、図21(b)に示すように、ユーザUが普通紙プリントボタン752を押下して異なる出力方法を指定したものとする。ファイル表示部15は普通紙プリントに対応しているか否かに関係なく全てのファイルのファイル情報を表示する。したがって、ユーザUは普通紙プリントボタン752と写真プリントボタン753のどちらを選択しても常にプリントフォルダ22の全てのファイルを確認できる。
しかしながら、bmpファイルとpngファイルは普通紙プリントに非対応なので、ファイル表示部15はチェックマーク501を表示したまま2.bmp及び3.pngをグレーアウト表示する。これにより、ユーザUは2.bmp及び3.pngを普通紙プリントできないことを把握できる。
また、ファイル表示部15は普通紙プリントに対応したpdfファイルを通常の輝度で表示するので、ユーザUは5.pdfを選択できることを把握できる。図21(b)でユーザUは5.pdfを選択したものとする。操作受付部13はこの選択を受け付けて、ファイル表示部15が5.pdfの先頭にチェックマーク501を表示する。
この選択状態のまま、図21(c)に示すように、ユーザUが写真プリントボタン753を押下したものとする。図21(a)と同様にファイル表示部15は5.pdfファイルのファイル情報をグレーアウト表示するが、2.bmpと3.pngを通常の輝度で表示する。また、2.bmpと3.pngは選択状態のままであるため、チェックマーク501を表示する。したがって、ユーザUは一度選択したファイルを選択し直す必要がない。
なお、図21ではユーザUが普通紙プリントボタン752又は写真プリントボタン753を押下することで、普通紙プリントに対応したファイルと写真プリントに対応したファイルが表示されるが、プリントモードの切り替えボタンの押下により普通紙プリントと写真プリントが切り替えられてもよい。切り替えボタンは、1回の押下で普通紙プリントに対応したファイルを表示させ、次の押下で写真プリントに対応したファイルを表示させるボタンである。また、携帯端末10がタッチパネルを有する場合、ユーザUが画面上の所定の領域をスワイプ等することで普通紙プリントと写真プリントを切り替えてもよい。
<<表示手順>>
図22は、ファイル表示部15がプリント画面の表示を行う手順を示すフローチャート図の一例である。図22の処理はプリント画面751の表示中、繰り返し実行される。
まず、ファイル表示部15は、プリントフォルダ22に格納されているファイルのファイル情報を読み出す(S10)。すなわち、ファイル名、選択状態、タイムスタンプなど表示される情報を読み出す。
次に、ファイル表示部15は、普通紙プリントボタン752が押下されたか又は写真プリントボタン753が押下されたかを判定する(S20)。Wi-Fiプリント画面711等からプリント画面751に遷移した直後の場合、最後にプリント画面751を表示した時の状態を採用する。あるいは、予め普通紙プリントボタン752と写真プリントボタン753のどちらが優先か定められている場合は優先されている状態を採用する。
ステップS20の判定がYesの場合、普通紙プリントボタン752が押下されたので、ファイル表示部15はbmpファイル、pngファイルのファイル情報をグレーアウト表示する(S30)。その他のファイル形式のファイル情報は通常の輝度で表示する。また、操作受付部13はbmpファイル、pngファイルに対する操作を受け付けない。どのように実現してもよいが、例えばOSがタップを無視する、OSがタップを検知してもファイル表示部15が何もしないなどが考えられる。
ステップS20の判定がNoの場合、写真プリントボタン753が押下されたので、ファイル表示部15はpdfファイルのファイル情報をグレーアウト表示する(S40)。その他のファイル形式のファイル情報は通常の輝度で表示する。また、操作受付部13はpdfファイルに対する操作を受け付けない。
次に、ファイル表示部15は選択状態に変更があるか否かを判定する(S50)。すなわち、操作受付部13がユーザUによるファイルの選択操作、又は、ファイルの選択解除の操作を受け付けた否か判定する。ステップS50の判定がNoの場合、処理はステップS20に戻る。
ステップS50の判定がYesの場合、ファイル処理部16はファイル情報の選択状態を更新する(S60)。
そして、ファイル表示部15はファイル情報を参照して、チェックマーク501を更新して表示する(S70)。すなわち、ファイルが新たに選択された場合はチェックマーク501を表示し、ファイルが未選択になった場合はチェックマーク501を消去する。
この後、処理はステップS20に戻り、ユーザUの操作に応じてファイル情報の表示処理が繰り返し実行される。別の画面に遷移すると図22の処理は終了する。
<クラウドプリントについて>
クラウドプリントとは、クラウドに保存されたファイルを複合機30が取得して印刷する印刷形態をいう。本実施形態のファイルの表示方法はクラウドプリントでも同様であるが、クラウドプリントの場合は、携帯端末10から写真印刷装置50にファイルを送信するWi-Fiプリントよりも多くのファイル形式のファイルをユーザが選択できる。
まず、図23を用いて、画像処理システム100の動作手順を説明する。図23は、クラウドプリントにおいて、画像処理システム100の動作手順を説明するシーケンス図の一例である。なお、図23では図15との相違を主に説明する。なお、適宜、図24の画面例を説明する。図23の文書サーバ60はクラウド上に存在し、ユーザの文書ファイルを管理する情報処理装置である。
まず、ステップS1は図15と同様でよい。
S2:ユーザUは携帯端末10が実行するアプリを操作してクラウドプリントを選択する。ユーザUは、図24(a)のアプリ起動画面701でクラウドプリントボタン703を選択する。
S3-1:携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、UI表示部12は図24(b)の認証画面901を表示する。ユーザはユーザIDとパスワードを入力してログインボタン902を押下する。
S3-2:携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、認証部17がユーザIDとパスワードを送信して文書サーバ60に認証要求する。
S3-3:文書サーバ60はユーザIDとパスワードでユーザを認証する。ここではユーザの認証が成立したものとする。認証が成立すると文書サーバ60はユーザIDに対応付けられているファイルの一覧であるファイルリストを携帯端末10に送信する。これにより、UI表示部12は、図24(c)のクラウドプリント画面911を表示する。
S4:次に、ユーザUはクラウドプリント画面911で、写真や文書をプリントボタン912を押下する。携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、UI表示部12は図24(d)のプリント画面921を表示する。ユーザUは普通紙プリントボタン922又は写真プリントボタン923を選択すると共に、ファイルリスト欄924から印刷するファイルを選択する。
ステップS5、S6は図15と同様である。
S7:通信接続できると、図19(e)の送信画面761が表示され、ユーザUが送信ボタン762を押下する。携帯端末10の操作受付部13はユーザUの操作を受け付け、端末通信部14が画像データでなくユーザUが選択したファイルのファイルIDを写真印刷装置50に送信する。ファイルIDはファイルを特定する情報、ファイルを識別する情報ある。また、ユーザUのユーザIDとパスワードを送信することが好ましい。複合機30が文書サーバ60の認証を受けるためである。
S8-1:画像データの送信が終了すると、携帯端末10の端末通信部14は複合機30との通信を切断する。
S8-2:ファイルIDを取得すると、写真印刷装置50の通信部58はファイルIDと共にファイル要求を文書サーバ60に送信する。
S8-3:文書サーバ60がこのファイルIDのファイルを送信するので、写真印刷装置50の通信部58はファイルを受信する。これにより、図15と同様に写真印刷装置50が画像データを取得できたことになる。以降のステップS9〜S14の処理は図15と同様でよい。
なお、図23のシーケンス図では携帯端末10から写真印刷装置50へファイルIDを送信することによって写真印刷装置50がユーザによって選択されたファイルを特定し、特定したファイルを文書サーバ60へ要求しているが、別の方法で写真印刷装置50が文書サーバ60にファイルを要求してもよい。例えば、ユーザによって文書サーバ60にファイルが登録された際に文書サーバ60によって固有の認証情報を発行し、発行された認証情報を登録されたファイルに関連付けて文書サーバ60に保存する。なお、認証情報には例えばPINコードやパスワード等が含まれる。発行された認証情報は、ユーザの携帯端末10の表示画面に表示又はユーザのメールアドレス等の所定の通知先に通知することでユーザは予め認証情報を取得しておくことができる。ユーザはディスプレイ46のタッチパネルを介して認証情報を入力することによって、写真印刷装置50は入力された認証情報を文書サーバ60へ送信し、文書サーバ60は受信した認証情報と一致する認証情報がファイルに関連付けられて保存されているか否かを判定し、一致する認証情報があれば関連付けられているファイルを写真印刷装置50へ送信する。以降のステップは図23のシーケンス図のS9〜S14と同様である。また、認証情報に関連付けられるファイルは複数であってもよい。なお、ディスプレイ46のタッチパネルを介して認証情報を入力する代わりに、携帯端末10から写真印刷装置50と確立された通信セッションを介して認証情報を送信してもよい。
クラウドプリントの利点は、文書サーバ60が多様なファイル形式に対応できる点である。例えば、使用頻度が高いが携帯端末10では動作しないアプリケーションソフト(例えば、Word(登録商標)、Excel(登録商標)等)を動作させることができるので、これらのアプリケーションソフトのファイル形式のファイルを開いてプリンタドライバに送出できる。
したがって、プリント画面921において、普通紙プリントボタン922又は写真プリントボタン923が押下された際に、選択可能となるファイル形式もWi-Fiプリントとは異なっている。しかしながら、プリント画面921におけるファイル情報の表示方法は、Wi-Fiプリントのプリント画面751と同様でよい。
<<クラウドプリント時の画面例>>
図24の画面例について説明する。図24(a)は図14(a)と同じである。
図24(b)の認証画面901は、ユーザが認証操作を行うための画面である。認証画面901は、ユーザID入力欄903、パスワード入力欄904及びログインボタン902を有する。ユーザID入力欄903はユーザIDを入力するための欄であり、パスワード入力欄904はパスワードを入力するための欄である。ログインボタン902は認証要求を送信するためのボタンである。
図24(c)のクラウドプリント画面911は、図19(b)のWi-Fiプリント画面711と同様であるが、スキャナで取り込むボタン715がなく、クラウドプリント一覧ボタン915を有する。クラウドプリント一覧ボタン915は、文書サーバ60のファイルを取得してファイルの内容を表示させるためのボタンである。
図24(d)のプリント画面921は、ユーザUがプリントするファイルを選択するための画面である。プリント画面921の構成はプリント画面751と同様である。
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の画像処理システムは、ユーザUが普通紙プリントと写真プリントのどちらを選択しても常にフォルダ内のファイルを把握できる。また、グレーアウト表示により印刷できないファイルを把握できる。また、ユーザが普通紙プリントと写真プリントのどちらに切り替えても、選択状態が保持されるので、普通紙プリントから写真プリント又は写真プリントから普通紙プリントに切り替えても、ファイルを選択し直す必要がない。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態では、普通紙プリントと写真プリントのように印刷方法によってファイル情報の表示態様を切り替えたが、プリントとファクスのように出力先によってファイル情報の表示態様を切り替えてもよい。例えば、プリントではPDFファイルの出力が禁止されていないが、ファクスの送信が禁止されている場合などに適用できる。この他、白黒のプリントとカラーのプリントでも同様に表示態様を切り替えることができる。
また、ファイル形式でなくファイル名に特定の用語や文字列が含まれているかどうかによって、ファイル情報の表示態様を切り替えてもよい。また、ファイルの作成者によってファイル情報の表示態様を切り替えてもよい。
また、本実施形態では、普通紙プリントと写真プリントの2つ印刷方法が切り替えられたが、更に熱転写プリントやインクジェットプリントなどの印刷方法をユーザが選択できてもよい。この場合も、印刷方法とファイル形式などによってファイル情報の表示態様を制御できる。
また、図7などの構成例は、携帯端末10、写真印刷装置50、及び複合機30の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。また、携帯端末10、写真印刷装置50、及び複合機30の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、操作受付部13は受付手段の一例であり、ファイル形式情報192は出力情報記憶手段の一例であり、ファイル表示部15はファイル表示手段の一例である。端末通信部14は通信手段の一例である。