JP6768981B1 - 室内環境管理システム、管理装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、従来の単一の匂いを検出して空気清浄器などを動作させる場合に比べ、個々人に対して、より快適な室内環境を提供することを目的とする。
ここで、提供手段は、個々人に複数の匂いから特定の匂いを選択させ、匂い情報は、選択された匂いについて、室内での分布状態が個々人に把握できる情報であるようにすることができる。この場合、ユーザが知りたい匂いについて、室内での分布状態を、より容易に把握することができる。
また、要求受付手段による要求から、室内の環境整備に関する措置が取られた後の、室内での特定の匂いを検知し、室内での措置後の分布状態を把握するようにすることができる。この場合、室内の環境整備に関する措置が取られる前と後とで、匂いの分布状態の違いを知ることができる。
さらに、提供手段は、匂い情報以外の室内の環境に関する情報を併せて提供することができる。この場合、温度や湿度など室内の環境に影響を与える他の要素を提供することができる。
そして、室内の環境整備に関する措置を取る空気調和装置をさらに備えるようにすることができる。この場合、空気調和装置により室内の環境整備をすることができる。
さらに、匂い情報以外の室内の環境に関する情報を取得する第2の測定手段をさらに備えるようにすることができる。この場合、匂い情報以外の環境に与える情報を取得することができる。
またさらに、室内の環境整備に関する措置を取る空気調和装置の動作状態を学習する学習手段をさらに備えるようにすることができる。この場合、ユーザが快適と感じる空気調和装置の動作状態を学習することができる。
また、学習手段は、空気調和装置の動作状態と、要求受付手段で受け付けられた要求とを関連させて学習するようにすることができる。この場合、ユーザの要求と空気調和装置の動作状態との関係を把握することができる。
そして、測定手段は、学習の結果から、個々人による快適性向上のための空気調和装置の動作状態をさらに求めるようにすることができる。この場合、ユーザが快適と感じる空気調和装置の動作状態を提示することができる。
また、要求受付手段は、要求として、個々人が感じる匂いの程度を受け付けるようにすることができる。この場合、ユーザが要求を入力するのが、より容易になる。
<室内環境管理システム1全体の説明>
図1は、本実施の形態における室内環境管理システム1の構成例を示す図である。
図示するように本実施の形態の室内環境管理システム1は、室内の匂いを検出する匂いセンサ10と、ユーザが匂いの評価を行うための端末装置20と、匂いの分析を行う管理サーバ30と、室内の空気質の調整を行う空気調和装置40とを備える。
匂いセンサ10、端末装置20および管理サーバ30は、ネットワーク50を介して接続される。ネットワーク50は、匂いセンサ10、端末装置20および管理サーバ30との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットである。
図2は、匂いセンサ10の構成について示した概略図である。
図示する匂いセンサ10は、水晶振動子110と、感応膜120とを備える。
水晶振動子110は、水晶片111と、1組の電極112a、112bとを備える。
水晶片111は、例えば、ATカットにより切り出した水晶の薄片である。そして、水晶片111は、1組の電極112a、112bにより挟持される。
1組の電極112a、112bは、発振回路Hcに接続され、発振回路Hcにより、交流電圧を印加すると、水晶片111に所定の振動数で共振が生じる。この振動数は、共振周波数であり、例えば、水晶片111のカット面、厚み、水晶の弾性率等で定まる。
感応膜120は、水晶振動子110の振動を阻害しにくいことが求められるため、薄膜である。また、特定の匂い分子以外の吸着を阻止するため、感応膜120に、さらにバリヤ層を設けることもできる。
端末装置20は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ等のコンピュータ装置である。
図3は、室内環境管理システム1の概略動作の例について示した図である。
まず、匂いセンサ10が、室内の匂いを測定する(1A)。この場合、室内は、例えば、会議室の中である。詳しくは、後述するが、このとき、匂いセンサ10は、複数の匂いを検出する。また、このとき匂いセンサ10は、室内の複数の場所に設置され、各場所における匂いを検出する。
次に、匂いセンサ10は、測定した匂いに関する情報を出力情報として、管理サーバ30に送信する(1B)。出力情報は、ネットワーク50を介し、管理サーバ30に送られる。
そして、管理サーバ30は、匂いセンサ10で測定した匂いを分析し、室内における匂いの分布状態を匂い情報として求める(1C)。この分布状態は、詳しくは後述するが、例えば、匂いの分布状態を表すマップとして作成される。
また、ユーザは、室内の匂いを評価し、端末装置20に入力することができる(1F)。この評価の方法は特に限られるものではない。例えば、快/不快などの二者選択であってもよく、1〜5の5段階評価であってもよい。
そして、ユーザの評価と空気調和装置40の動作状態とは、関連付けられて管理サーバ30に記憶される(1I)。つまり、管理サーバ30では、ユーザの評価と空気調和装置40の動作状態との関係を蓄積し、学習する。
<室内環境管理システム1の機能構成の説明>
図4は、室内環境管理システム1の機能構成例を示したブロック図である。
なおここでは、室内環境管理システム1が有する種々の機能のうち本実施の形態に関係するものを選択して図示している。
匂い検出部12は、匂い分子を検出する機能部である。即ち、上述した水晶振動子110、感応膜120、発振回路Hc、制御装置Sに対応する。匂い検出部12は、水晶振動子210の共振周波数を検知する。
また、匂いに関する情報は、匂いについての情報だけでなく、他の情報を含んでいてもよい。例えば、匂いの取得時刻、匂いを取得した匂いセンサ10の固有IDなどを含んでいてもよい。また、匂いセンサ10中に実装されるセンサチップの固有IDなどを含んでいてもよい。
匂い情報作成部13は、例えば、制御装置Sに対応する。
送受信部21は、管理サーバ30から匂いの分布に関する情報を取得する。また、ユーザによる室内の匂いの評価を管理サーバ30に対し送信する。送受信部21は、例えば、通信I/FやCPUに対応する。
表示部23は、管理サーバ30から送られ、室内の匂いの分布を表すマップを表示する。表示部23は、室内に存在するユーザが、管理サーバ30にて測定された複数の匂いをもとに室内における複数の匂いの個々の匂い状況を把握するための、匂い情報を提供する提供手段として機能する。表示部23は、例えば、表示機構に対応する。
この分析は、以下に示す匂い検知結果を利用することで行うことができる。
図5では、匂いセンサ10による匂い検知結果として、匂いセンサ10により検知された匂いを、主成分分析により二次元マッピングした結果を示している。ここで、横軸は、第1主成分であり、縦軸は、第2主成分である。図では、それぞれをPC(主成分:Principal Component)1、PC2として図示している。
図5で図示するように、匂いが付着していない衣服、たばこ臭が付着している衣服、室内空気については、匂いの匂い検知結果が異なっており、それぞれが区別可能である。つまり、このような匂い検知結果にて、種々の匂いの区別が可能である。そして、この場合は、異なった複数の評価軸は、匂いが付着していない衣服、たばこ臭が付着している衣服、室内空気のそれぞれの匂いになる。
次に、室内環境管理システム1の実際の動作例について説明を行う。
図6は、室内環境管理システム1の動作を説明したフローチャートである。
まず、匂いセンサ10の匂い検出部12が、室内の空気中の匂いを測定する(ステップ101)。そして、匂い情報作成部13が、匂いに関する情報である出力情報を作成する(ステップ102)。出力情報は、送受信部11を介して、管理サーバ30に送られ、管理サーバ30の送受信部31が受信する(ステップ103)。
管理サーバ30では、出力情報を基に、分析部33が、室内の匂いの分布を匂い情報として作成する(ステップ104)。
ここでは、室内Snの匂いの分布をマップMpとした場合を示している。そして、異なった複数の評価軸として、特定の匂いが存在する室内Snの場所を示している。
このうち、図7(a)では、室内Snのタバコ臭の分布を示している。また、図7(b)では、室内Snの加齢臭の分布を示している。さらに、図7(c)では、室内Snの食べ物臭の分布を示している。なお、ここでは、タバコ臭、加齢臭、食べ物臭の匂いをそれぞれ別々に表示したが、色分けをするなどの方法で、まとめて表示してもよい。また、後述するユーザによる匂いの評価が悪い匂いについて表示するようにしてもよい。即ち、ユーザによる匂いの評価が予め定められたレベルより悪い場合に表示する。
端末装置20では、ユーザの操作に応じ、匂い情報を表示する(ステップ106)。これは、端末装置20で、ユーザに複数の匂いから特定の匂いを選択させることで表示される。例えば、メニューやリストの中から選択することができる。そして、ユーザが知りたい匂いを選択すると、例えば、図7(a)〜(c)に示したようなマップMpが表示される。マップMpを使用することで、匂い情報は、選択された匂いについて、室内での分布状態がユーザに把握できる情報として、ユーザに提供される。
図8は、端末装置20でユーザが評価を行うときに表示される画面を示した図である。
ここでは、端末装置20の表示機構20Aに、ユーザが評価を入力する画面を表示した例を示している。図示するように、表示機構20Aには、「室内の匂いについて、評価を入力してください。」のメッセージMe1とともに、1〜5の5段階の評価を入力するラジオボタンRbが表示される。そしてユーザが1〜5の何れかを選択し、ボタンB1を押下すると、評価が受け付けられる。これは、ユーザによる快適性向上のための要求として、ユーザが感じる匂いの程度を受け付ける、と言うこともできる。
この評価は、送受信部21が管理サーバ30に対し送信し、管理サーバ30では、送受信部31が受信する(ステップ108)。
そして、動作状態受付部32が、空気調和装置40の動作状態を取得する(ステップ109)。つまり、動作状態受付部32は、ユーザが評価を行ったときの、空気調和装置40の動作状態を取得する。
さらに、記憶部34が、ユーザの評価と空気調和装置40の動作状態とを関連付けて記憶する(ステップ110)。
なお、管理サーバ30が、ネットワーク50を介して、空気調和装置40の操作をリモートで行うこともできる。この場合、ステップ110で学習した結果に基づき、管理サーバ30は、室内の空気の状態がよくなるように、空気調和装置40を制御する。
ここでは、空気調和装置40の運転状態として、エアコンディショナ(エアコン)、加湿器、換気扇の運転状態をユーザが評価を行ったときの日時とともに記憶することを示している。ここで、ONは、空気調和装置40が動作しており、OFFは、動作していないことを示す。また、暖房ONは、エアコンが暖房運転で動作していることを示す。
また、このときのユーザの評価と測定データとを記憶することを示している。ユーザの評価は、図8で説明した1〜5の5段階の評価である。また、ここで挙げた測定データは、タバコ臭、食べ物臭、加齢臭についての匂い情報である。また、測定データとして、匂いの項目ではないが、併せて、室内の温度、湿度についても記憶することを示している。さらに、評価を行ったユーザのIDを評価ユーザIDとして記憶することを示している。
このような形式で、記憶部34が記憶することで、ユーザの評価と匂い情報との関連性を学習することができる。また、ユーザの評価と空気調和装置40の動作状態とを関連付けて学習することができる。そしてこれを基に、例えば、管理者は、室内の匂いに対するユーザの評価を把握することができる。また、ユーザの評価がよいときの空気調和装置40の運転状態を把握することができる。
そして、以上詳述した形態によれば、日々更新される学習により、ユーザの好みが反映される。そのため、ユーザが快適とする空気調和装置40の運転状態の精度が向上する。さらに、ユーザの好みだけでなく、匂いセンサ10による匂いの測定結果に基づき、空気調和装置40の操作を行う。そのため、どのユーザに対しても快適な室内環境になることが期待できる。さらに、図9のようにユーザと関連付けることで、ユーザが変わっても、ユーザに合わせ、室内環境を変更できる。
ここで、以上説明を行った本実施の形態における管理サーバ30が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。そして、この処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、管理サーバ30に設けられたコンピュータ内部の図示しないCPUが、上述した各機能を実現するプログラムを実行し、これらの各機能を実現させる。
Claims (13)
- 室内に配置され、複数の匂い分子を検知して匂いを識別する匂いセンサと、
前記匂いセンサが検知できる複数の匂いについて、異なった複数の評価軸で測定する測定手段と、
前記室内に存在する個々人が、前記測定手段にて測定された複数の匂いをもとに当該室内における当該複数の匂いの個々の匂い状況を把握するための、匂い情報を提供する提供手段と、
提供された前記匂い情報をもとに、前記個々人による快適性向上のための要求を受け付ける要求受付手段と、
を備え、
前記提供手段は、前記個々人に複数の匂いから特定の匂いを選択させ、
前記匂い情報は、選択された匂いについて、前記室内での分布状態が前記個々人に把握できる情報であること、を特徴とする室内環境管理システム。 - 前記要求受付手段による要求から、前記室内の環境整備に関する措置が取られた後の、当該室内での前記特定の匂いを検知し、当該室内での措置後の分布状態を把握すること、を特徴とする請求項1記載の室内環境管理システム。
- 前記提供手段は、前記匂い情報以外の前記室内の環境に関する情報を併せて提供することを特徴とする請求項1記載の室内環境管理システム。
- 前記室内の環境整備に関する措置を取る空気調和装置をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の室内環境管理システム。
- 前記匂い情報以外の前記室内の環境に関する情報を取得する第2の測定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の室内環境管理システム。
- 前記室内の環境整備に関する措置を取る空気調和装置の動作状態を学習する学習手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の室内環境管理システム。
- 前記学習手段は、前記空気調和装置の動作状態と、前記要求受付手段で受け付けられた要求とを関連させて学習することを特徴とする請求項6記載の室内環境管理システム。
- 前記測定手段は、学習の結果から、前記個々人による快適性向上のための前記空気調和装置の動作状態をさらに求めることを特徴とする請求項7記載の室内環境管理システム。
- 前記要求受付手段は、要求として、前記個々人が感じる匂いの程度を受け付けることを特徴とする請求項1記載の室内環境管理システム。
- 室内に配置され、複数の匂い分子を検知して匂いを識別する匂いセンサから、匂いに関する情報を取得する匂い情報取得手段と、
前記匂いセンサが検知できる複数の匂いについて、異なった複数の評価軸で測定する測定手段と、
前記室内に存在する個々人が、前記測定手段にて測定された複数の匂いをもとに当該室内における当該複数の匂いの個々の匂い状況を把握するための、匂い情報を送信する手段と、
前記匂い情報をもとに、前記個々人による快適性向上のための要求を受信する手段と、
を備え、
前記匂い情報は、前記個々人により複数の匂いから選択された特定の匂いについて、前記室内での分布状態が当該個々人に把握できる情報であること、を特徴とする管理装置。 - 前記室内の環境整備に関する措置を取る空気調和装置の動作状態と、前記室内に存在する個々人が、前記測定手段にて測定された複数の匂いをもとに受け付けた、当該個々人による快適性向上のための要求とを関連させて学習する学習手段をさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の管理装置。
- コンピュータに、
室内に配置され、複数の匂い分子を検知して匂いを識別する匂いセンサから、匂いに関する情報を取得する匂い情報取得機能と、
前記匂いセンサが検知できる複数の匂いについて、異なった複数の評価軸で測定する測定機能と、
前記室内に存在する個々人が、前記測定機能にて測定された複数の匂いをもとに当該室内における当該複数の匂いの個々の匂い状況を把握するための、匂い情報を送信する機能と、
前記匂い情報をもとに、前記個々人による快適性向上のための要求を受信する機能と、
を実現させ、
前記匂い情報は、前記個々人により複数の匂いから選択された特定の匂いについて、前記室内での分布状態が当該個々人に把握できる情報であること、を特徴とするプログラム。 - 前記室内の環境整備に関する措置を取る空気調和装置の動作状態と、前記室内に存在する個々人が、前記測定機能にて測定された複数の匂いをもとに受け付けた、当該個々人による快適性向上のための要求とを関連させて学習する学習機能をさらに備えたことを特徴とする請求項12記載のプログラム。
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