5.詳細な説明
5.1.定義
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩(複数可)」という用語は、薬学的に許容される非毒性の酸または塩基(無機酸及び無機塩基ならびに有機酸及び有機塩基を含む)から調製される塩を指す。好適な薬学的に許容される塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から生成される金属塩、またはリシン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)及びプロカインから生成される有機塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非毒性の酸には、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、L−アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フル酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸及びp−トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な非毒性の酸には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及びメタンスルホン酸が挙げられる。したがって、具体的な塩の例には、塩酸塩及びメシル酸塩が挙げられる。他のものは当該技術分野においてよく知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1990)or Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1995)を参照されたい。
本明細書で使用されるとき、また特に指定のない限り、「立体異性体」または「立体異性体的に純粋な」という用語は、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない化合物の1つの立体異性体を意味する。例えば、キラル中心を1つ有する立体異性体的に純粋な化合物は、その化合物の逆のエナンチオマーを実質的に含まない。キラル中心を2つ有する立体異性体的に純粋な化合物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、約80重量%超の当該化合物の1つの立体異性体と約20重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを含むか、約90重量%超の当該化合物の1つの立体異性体と約10重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを含むか、約95重量%超の当該化合物の1つの立体異性体と約5重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを含むか、または約97重量%超の当該化合物の1つの立体異性体と約3重量%未満の当該化合物の他の立体異性体とを含む。化合物は、キラル中心を有し得、エナンチオマーまたはジアステレオマー及びこれらの混合物を含むラセミ化合物として生じ得る。このような異性体は全て、その混合物を含め、本明細書にて開示される実施形態の範囲に含まれる。かかる化合物の立体異性体的に純粋な形態の使用及びこれらの形態の混合物の使用は、本明細書にて開示される実施形態に包含される。例えば、特定の化合物のエナンチオマーを等量または不等量で含む混合物を、本明細書にて開示される方法及び組成物に使用することができる。これらの異性体は、不斉合成することもできるし、キラルカラムまたはキラル分割剤などの標準的な技術を使用して分割することもできる。例えば、Jacques,J.,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley−Interscience,New York,1981);Wilen,S.H.,et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);及びWilen,S.H.,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972)を参照されたい。
また、化合物は、E異性体及びZ異性体またはこれらの混合物、ならびにシス異性体及びトランス異性体またはこれらの混合物を含み得ることにも留意されたい。ある特定の実施形態において、化合物は、シス異性体またはトランス異性体のいずれかとして単離される。他の実施形態において、化合物は、シス異性体及びトランス異性体の混合物である。
本出願で使用されるとき、また本明細書及び添付される特許請求の範囲において、不定冠詞「a」及び「an」ならびに定冠詞「the」は、別段の明確な指示がない限り、単数の指示対象のみならず複数の指示対象を包含する。
本明細書で使用されるとき、また特に指定のない限り、「約」及び「およそ」という用語は、組成物または剤形の成分の投与量、量または重量パーセントに関して使用される場合、明記された投与量、量または重量パーセントから得られるものと同等の薬理作用を与えることが当業者によって認識される投与量、量または重量パーセントを意味する。ある特定の実施形態において、「約」及び「およそ」という用語は、この文脈で使用されるとき、明記された投与量、量または重量%の30%以内、20%以内、15%以内、10%以内または5%以内の投与量、量または重量パーセントが企図される。
本明細書で使用されるとき、また特に指定のない限り、「純粋」である結晶、すなわち、他の結晶性固体も非晶質固体も実質的に含まない結晶は、約10重量%未満の1つ以上の他の結晶性固体もしくは非晶質固体、約5重量%未満の1つ以上の他の結晶性固体もしくは非晶質固体、約3重量%未満の1つ以上の他の結晶性固体もしくは非晶質固体、または約1重量%未満の1つ以上の他の結晶性固体もしくは非晶質固体を含む。
本明細書で使用されるとき、また特に指定のない限り、「実質的に物理的に純粋」である固体形態とは、他の固体形態を実質的に含まないものである。ある特定の実施形態において、実質的に物理的に純粋である結晶形態は、重量基準で、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%または0.01%未満の1つ以上の他の固体形態を含む。他の固体形態の検出は、限定するものではないが、回折分析、熱分析、元素燃焼分析及び/または分光学的分析を含む、当業者に明らかな任意の方法によって実施できる。
本明細書で使用されるとき、また特に指定のない限り、「実質的に化学的に純粋」である固体形態とは、他の化学化合物(すなわち、化学的不純物)を実質的に含まないものである。ある特定の実施形態において、実質的に化学的に純粋である固体形態は、重量基準で、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%または0.01%未満の1つ以上の他の化学化合物を含む。他の化学化合物の検出は、限定するものではないが、例えば、質量分析、分光学的分析、熱分析、元素燃焼分析及び/またはクロマトグラフ分析などの化学的分析法を含む、当業者に明らかな任意の方法によって実施できる。
本明細書で使用されるとき、また特に指定のない限り、別の化学化合物、固体形態または組成物を「実質的に含まない」化学化合物、固体形態または組成物とは、当該化合物、固体形態または組成物が、ある特定の実施形態において、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%0.1%、0.05%または0.01重量%未満の他の化合物、固体形態または組成物を含むことを意味する。
特に指定のない限り、「溶媒和物」及び「溶媒和された」という用語は、本明細書で使用されるとき、溶媒を含む物質の固体形態を指す。「水和物」及び「水和された」という用語は、溶媒が水である溶媒和物を指す。「溶媒和物の多形体」とは、特定の溶媒和物組成物に固体形態が2つ以上存在することを指す。同様に、「水和物の多形体」とは、特定の水和物組成物に固体形態が2つ以上存在することを指す。本明細書で使用される「脱溶媒和された溶媒和物」という用語は、溶媒和物から溶媒を除去することによって生成され得る物質の固体形態を指す。本明細書で使用される「溶媒和物」及び「溶媒和された」という用語は、塩、共結晶または分子錯体の溶媒和物も指し得る。本明細書で使用される「水和物」及び「水和された」という用語は、塩、共結晶または分子錯体の溶媒和物も指し得る。
「互変異性体」とは、互いに平衡状態にある化合物の異性体を指す。異性体の濃度は、化合物が存在する環境に依存し、例えば、その化合物が固体であるか、または有機溶液もしくは水溶液中にあるのかに応じて異なり得る。例えば、ピラゾールは、水溶液中で、以下の異性体を示し得、これらは互いが互変異性体と呼ばれる。
当業者であれば容易に理解するように、多種多様な官能基及び他の構造が互変異性を示し得ることから、化合物1の全ての互変異性体が本発明の範囲内に含まれる。
化合物1は、1つ以上の原子において、非天然の比率の原子同位体を含有し得ることにも留意されたい。例えば、化合物1は、例えば、トリチウム(3H)または炭素14(14C)などの放射性同位体で放射標識してもよいし、重水素(2H)、炭素13(13C)、または窒素15(15N)などで同位体濃縮してもよい。本明細書で使用されるとき、「同位体置換体」は、同位体濃縮された化合物である。「同位体濃縮された」という用語は、その原子の天然の同位体組成ではない同位体組成を有する原子を指す。また、「同位体濃縮された」は、その原子の天然の同位体組成ではない同位体組成を有する原子を少なくとも1つ含有する化合物も指し得る。「同位体組成」という用語は、所与の原子についての各同位体の存在量を指す。放射性標識された化合物及び同位体濃縮された化合物は、治療薬(例えば、がん及び炎症の治療薬)、研究試薬(例えば、結合アッセイ試薬)及び診断薬(例えば、インビボ造影剤)として有用である。化合物1及び/または化合物Aの同位体変形は、放射性であるかどうかにかかわらず、本明細書にて提供される実施形態の範囲内に包含されることが意図される。いくつかの実施形態において、化合物1の同位体置換体が提供され、例えば、同位体置換体は、重水素、炭素13または窒素15で濃縮された化合物1及び/または化合物Aである。
特に指定のない限り、本明細書で使用される「組成物」という用語は、特定の成分(複数可)を(指定がある場合は、特定の量(複数可)で)含む生成物に加え、特定の成分(複数可)の特定の量(複数可)での組み合わせから直接的または間接的に生じるあらゆる生成物を包含することが意図される。「薬学的に許容される」とは、製剤中の希釈剤、賦形剤または担体が、その製剤の他の成分(複数可)と適合性がなければならず、その受容者にとって有害であってはならないことを意味する。
「JNK」とは、JNK1、JNK2またはJNK3遺伝子によって発現されるタンパク質またはそのアイソフォームを意味する(Gupta,S.,Barrett,T.,Whitmarsh,A.J.,Cavanagh,J.,Sluss,H.K.,Derijard,B.and Davis,R.J.The EMBO J.15:2760−2770(1996))。
本明細書で使用される「治療すること」とは、障害、疾患もしくは病態の全体的もしくは部分的な緩和、または障害、疾患もしくは病態に関連する症状のうちの1つ以上の全体的もしくは部分的な緩和、またはこれらの症状の更なる進行もしくは悪化の鈍化もしくは停止、または障害、疾患もしくは病態自体の原因(複数可)の改善もしくは根絶を意味する。一実施形態において、障害は、本明細書に記載されるJNK経路の阻害によって治療可能または予防可能な病態である。別の実施形態において、障害は、間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡から選択される。更に別の実施態様において、障害は、肝線維化障害、または糖尿病及び/もしくは肝線維化障害につながるメタボリック症候群である。いくつかの実施形態において、障害は、非アルコール性脂肪性肝炎、脂肪症(すなわち、脂肪肝)、肝硬変、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、肝細胞がんまたは肝線維症(慢性もしくは反復性アルコール摂取(アルコール性肝炎)、感染症(例えば、HCVなどのウイルス感染)、肝移植または薬物性肝障害(例えば、アセトアミノフェン毒性)と同時発症するもの)などの肝線維化障害である。いくつかの実施形態において、「治療すること」とは、糖尿病もしくは肝線維化障害につながるメタボリック症候群に関連する障害、疾患もしくは病態もしくは症状(非アルコール性脂肪性肝炎、脂肪症(すなわち、脂肪肝)、肝炎もしくは肝硬変など)の全体的もしくは部分的な緩和、またはこれらの症状の更なる進行もしくは悪化の鈍化もしくは停止を意味する。一実施形態において、症状は、黄疸である。
本明細書で使用される「予防すること」とは、障害、疾患もしくは病態の発症、再発もしくは拡大を全体的もしくは部分的に遅延させる及び/もしくは防止する方法、対象が障害、疾患もしくは病態にかからないようにする方法、または対象が障害、疾患もしくは病態にかかるリスクを低減する方法を意味する。一実施形態において、障害は、本明細書に記載されるJNK経路の阻害によって治療可能または予防可能な病態である。別の実施形態において、障害は、間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡から選択される。一実施形態において、障害は、本明細書に記載される、肝線維化障害、または糖尿病もしくは肝線維化障害につながるメタボリック症候群、またはそれらの症状である。別の実施形態において、障害は、間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡から選択される。更に別の実施態様において、障害は、肝線維化障害、または糖尿病及び/もしくは肝線維化障害につながるメタボリック症候群である。いくつかの実施形態において、障害は、非アルコール性脂肪性肝炎、脂肪症(すなわち、脂肪肝)、肝硬変、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、肝細胞がんまたは肝線維症(慢性もしくは反復性アルコール摂取(アルコール性肝炎)、感染症(例えば、HCVなどのウイルス感染)、肝移植または薬物性肝障害(例えば、アセトアミノフェン毒性)と同時発症するもの)などの肝線維化障害である。
化合物1または化合物Aに関連する「有効量」という用語は、本明細書にて開示される障害、疾患もしくは病態またはその症状を治療または予防できる量を意味する。
「患者」または「対象」は、哺乳動物などの動物、例えば、限定するものではないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラまたはモルモットなどを含むように本明細書にて定義され、一実施形態では哺乳動物、別の実施形態ではヒトである。一実施形態において、対象は、間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応もしくは狼瘡を有するか、またはそのリスクのあるヒトである。別において、対象は、肝線維化障害、もしくは糖尿病もしくは肝線維化障害につながるメタボリック症候群、もしくはJNK経路の阻害により治療可能もしくは予防可能な病態、もしくはその症状を有するか、またはそのリスクのあるヒトである。一実施形態において、対象は、空腹状態である。別の実施形態において、対象は、食後状態である。
5.2.化合物1
本明細書にて提供される組成物及び使用方法は、2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたは2−[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]−4−[[(1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル]アミノ]−5−ピリミジンカルボキサミドという代替名を有する化合物1
またはその薬学的に許容される立体異性体、互変異性体、固体形態、多形体、塩、水和物、包接化合物もしくは溶媒和物(総称して化合物Aと呼ぶ)に関する。
化合物A及び化合物1は、本明細書に記載されるまたは当該技術分野において知られている試薬及び方法を使用して調製することができ、これらの方法には、2013年1月31日に公開された米国特許出願公開第2013/0029987号、2014年1月30日に出願された米国仮特許出願第61/933,636号、2014年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/025,161号及び国際公開第2012/145569号に記載されている方法が挙げられる(各出願の内容全体を参照により本明細書に援用する)。
遊離塩基の形態(形態A、B、C、D、E、F、G、H及びI)は、2014年1月30日に出願された米国仮特許出願第61/933,636号及び2014年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/025,161号にて既に記載されたものである。
図示された構造とその構造に与えられた名称との間に矛盾がある場合、図示された構造のほうに重きが置かれることに留意されたい。更に、構造または構造の一部の立体化学が、例えば、太線または破線で示されていない場合、当該構造または構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものと解釈されるものとする。
5.3.医薬組成物
本明細書にて提供されるのは、化合物Aの医薬組成物及び剤形である。いくつかの実施形態において、剤形は、患者への経口投与に適したものである。他の実施形態において、本明細書にて提供される剤形は、有利な物理的及び/または薬理学的特性を示す。このような特性には、アッセイ容易性、含量均一性、製造上の流動性、溶解性及びバイオアベイラビリティならびに安定性が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書にて提供されるのは、本明細書に記載の医薬組成物及び剤形を含むキットである。また、本明細書にて提供されるのは、疾患または病態を治療、管理及び/または予防する方法であり、この方法は、本明細書に記載の医薬組成物または剤形を、必要とする患者に投与することを含む。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される単位剤形は、経口剤形である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される医薬組成物及び剤形は、錠剤である。
5.4.製剤A
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。一実施形態において、医薬組成物は、表1に記載される賦形剤または担体を含む製剤Aである。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、希釈剤、界面活性剤、崩壊剤及び滑沢剤から選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされ得る。
ある特定の実施形態において、希釈剤には、マンニトール(例えば、Mannitol200)、セルロース(例えば、AVICEL(登録商標)PH101及びAVICEL(登録商標)PH102などの微結晶セルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、希釈剤は、マンニトールである。更に別の実施態様において、希釈剤は、Mannitol200である。更に別の実施態様において、希釈剤は、セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、微結晶セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH101である。また別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH102である。
ある特定の実施形態において、界面活性剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、Methocel(商標)K3)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、界面活性剤は、Methocel(商標)K3である。
ある特定の実施形態において、崩壊剤には、カルボキシメチルセルロース(例えば、AC−DI−SOL(登録商標)などのクロスカルメロースナトリウム)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースである。別の実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。また別の実施態様において、崩壊剤は、AC−DI−SOL(登録商標)である。
一実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
ある特定の実施形態において、コーティングには、オパドライ(例えば、オパドライイエロー、オパドライホワイト及びオパドライブラウン)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、コーティングは、オパドライである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライイエローである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライホワイトである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライブラウンである。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、セルロース、HPMC、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、微結晶セルロース、HPMC、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、Methocel(商標)K3、AC−DI−SOL(登録商標)及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライホワイト、オパドライイエローまたはオパドライブラウンでコーティングされる。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、崩壊剤(複数可)、界面活性剤(複数可)及び滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされる。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、セルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約50〜70重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約1〜10重量%の崩壊剤(複数可)、約1〜10重量%の界面活性剤(複数可)及び約0.1〜2重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約63.43重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約4重量%の崩壊剤(複数可)、約3重量%の界面活性剤(複数可)及び約1重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約30〜50重量%のセルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜10重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約37.43重量%のセルロース、約26重量%のマンニトール、約4重量%のカルボキシメチルセルロース、約3重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約30〜50重量%の微結晶セルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜10重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のHPMC及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約37.43重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約4重量%のカルボキシメチルセルロース、約3重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約30〜50重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約20〜40重量%のMannitol200、約1〜10重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約1〜10重量%のMethocel(商標)K3及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約37.43重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約26重量%のMannitol200、約4重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約3重量%のMethocel(商標)K3及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約100〜400mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約7〜30mgの崩壊剤(複数可)、約5〜20mgの界面活性剤(複数可)及び約0.1〜10mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約222mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約14mgの崩壊剤(複数可)、約10.5mgの界面活性剤(複数可)及び約3.5mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜260mgのセルロース、約40〜180mgのマンニトール、約7〜30mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜20mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約131.01mgのセルロース、約91mgのマンニトール、約14mgのカルボキシメチルセルロース、約10.5mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜260mgの微結晶セルロース、約40〜180mgのマンニトール、約7〜30mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜20mgのHPMC及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約131.01mgの微結晶セルロース、約91mgのマンニトール、約14mgのカルボキシメチルセルロース、約10.5mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜260mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約40〜180mgのMannitol200、約7〜30mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約5〜20mgのMethocel(商標)K3及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約131.01mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約91mgのMannitol200、約14mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約10.5mgのMethocel(商標)K3及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、製剤Aの単一単位剤形である。特定の実施形態において、単一単位剤形は、30mg、100mgまたは200mgの錠剤である。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.5.製剤B
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。一実施形態において、医薬組成物は、表4に記載される賦形剤または担体を含む製剤Bである。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、希釈剤、界面活性剤、崩壊剤及び滑沢剤から選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされ得る。
ある特定の実施形態において、希釈剤には、マンニトール(例えば、Mannitol200)、セルロース(例えば、AVICEL(登録商標)PH101及びAVICEL(登録商標)PH102などの微結晶セルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、希釈剤は、マンニトールである。更に別の実施態様において、希釈剤は、Mannitol200である。更に別の実施態様において、希釈剤は、セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、微結晶セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH101である。また別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH102である。
ある特定の実施形態において、界面活性剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、Methocel(商標)K3)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、界面活性剤は、Methocel(商標)K3である。
ある特定の実施形態において、崩壊剤には、カルボキシメチルセルロース(例えば、AC−DI−SOL(登録商標)などのクロスカルメロースナトリウム)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースである。別の実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。また別の実施態様において、崩壊剤は、AC−DI−SOL(登録商標)である。
一実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
ある特定の実施形態において、コーティングには、オパドライ(例えば、オパドライイエロー、オパドライホワイト及びオパドライブラウン)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、コーティングは、オパドライである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライイエローである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライホワイトである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライブラウンである。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、セルロース、HPMC、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、微結晶セルロース、HPMC、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、Methocel(商標)K3、AC−DI−SOL(登録商標)及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライホワイト、オパドライイエローまたはオパドライブラウンでコーティングされる。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、崩壊剤(複数可)、界面活性剤(複数可)及び滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされ得る。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、セルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約50〜70重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約1〜20重量%の崩壊剤(複数可)、約1〜10重量%の界面活性剤(複数可)及び約0.1〜2重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約59.43重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約8重量%の崩壊剤(複数可)、約3重量%の界面活性剤(複数可)及び約1重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜40重量%のセルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜20重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約33.43重量%のセルロース、約26重量%のマンニトール、約8重量%のカルボキシメチルセルロース、約3重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜40重量%の微結晶セルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜20重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のHPMC及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約33.43重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約8重量%のカルボキシメチルセルロース、約3重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜40重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約20〜40重量%のMannitol200、約1〜20重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約1〜10重量%のMethocel(商標)K3及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約33.43重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約26重量%のMannitol200、約8重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約3重量%のMethocel(商標)K3及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約100〜400mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約10〜60mgの崩壊剤(複数可)、約5〜20mgの界面活性剤(複数可)及び約0.1〜10mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約208.1mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約28mgの崩壊剤(複数可)、約10.5mgの界面活性剤(複数可)及び約3.5mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜240mgのセルロース、約40〜180mgのマンニトール、約10〜60mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜20mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約117.1mgのセルロース、約91mgのマンニトール、約28mgのカルボキシメチルセルロース、約10.5mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜240mgの微結晶セルロース、約40〜180mgのマンニトール、約10〜60mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜20mgのHPMC及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約117.1mgの微結晶セルロース、約91mgのマンニトール、約28mgのカルボキシメチルセルロース、約10.5mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜240mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約40〜180mgのMannitol200、約10〜60mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約5〜20mgのMethocel(商標)K3及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約117.1mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約91mgのMannitol200、約28mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約10.5mgのMethocel(商標)K3及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、製剤Bの単一単位剤形である。特定の実施形態において、単一単位剤形は、30mg、100mgまたは200mgの錠剤である。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.6.製剤C
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。一実施形態において、医薬組成物は、表5に記載される賦形剤または担体を含む製剤Cである。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、希釈剤、界面活性剤、崩壊剤及び滑沢剤から選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされ得る。
ある特定の実施形態において、希釈剤には、マンニトール(例えば、Mannitol200)、セルロース(例えば、AVICEL(登録商標)PH101及びAVICEL(登録商標)PH102などの微結晶セルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、希釈剤は、マンニトールである。更に別の実施態様において、希釈剤は、Mannitol200である。更に別の実施態様において、希釈剤は、セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、微結晶セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH101である。また別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH102である。
ある特定の実施形態において、界面活性剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、Methocel(商標)K3)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、界面活性剤は、Methocel(商標)K3である。
ある特定の実施形態において、崩壊剤には、カルボキシメチルセルロース(例えば、AC−DI−SOL(登録商標)などのクロスカルメロースナトリウム)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースである。別の実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。また別の実施態様において、崩壊剤は、AC−DI−SOL(登録商標)である。
一実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
ある特定の実施形態において、コーティングには、オパドライ(例えば、オパドライイエロー、オパドライホワイト及びオパドライブラウン)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、コーティングは、オパドライである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライイエローである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライホワイトである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライブラウンである。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、セルロース、HPMC、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、微結晶セルロース、HPMC、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、Methocel(商標)K3、AC−DI−SOL(登録商標)及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライホワイト、オパドライイエローまたはオパドライブラウンでコーティングされる。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、崩壊剤(複数可)、界面活性剤(複数可)及び滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされ得る。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、セルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約50〜70重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約1〜20重量%の崩壊剤(複数可)、約1〜10重量%の界面活性剤(複数可)及び約0.1〜2重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約57.93重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約8重量%の崩壊剤(複数可)、約4.5重量%の界面活性剤(複数可)及び約1重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜40重量%のセルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜20重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約31.93重量%のセルロース、約26重量%のマンニトール、約8重量%のカルボキシメチルセルロース、約4.5重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜40重量%の微結晶セルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜20重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のHPMC及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約31.93重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約8重量%のカルボキシメチルセルロース、約4.5重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜40重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約20〜40重量%のMannitol200、約1〜20重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約1〜10重量%のMethocel(商標)K3及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約31.93重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約26重量%のMannitol200、約8重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約4.5重量%のMethocel(商標)K3及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約100〜400mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約10〜60mgの崩壊剤(複数可)、約5〜30mgの界面活性剤(複数可)及び約0.1〜10mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約202.76mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約28mgの崩壊剤(複数可)、約15.75mgの界面活性剤(複数可)及び約3.5mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約50〜220mgのセルロース、約40〜180mgのマンニトール、約10〜60mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜30mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約111.76mgのセルロース、約91mgのマンニトール、約28mgのカルボキシメチルセルロース、約15.75mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約50〜220mgの微結晶セルロース、約40〜180mgのマンニトール、約10〜60mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜30mgのHPMC及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約111.76mgの微結晶セルロース、約91mgのマンニトール、約28mgのカルボキシメチルセルロース、約15.75mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約50〜220mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約40〜180mgのMannitol200、約10〜60mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約5〜30mgのMethocel(商標)K3及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約111.76mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約91mgのMannitol200、約28mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約15.75mgのMethocel(商標)K3及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、製剤Cの単一単位剤形である。特定の実施形態において、単一単位剤形は、30mg、100mgまたは200mgの錠剤である。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.7.製剤D
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。一実施形態において、医薬組成物は、表6に記載される賦形剤または担体を含む製剤Cである。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、希釈剤、界面活性剤、崩壊剤及び滑沢剤から選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされ得る。
ある特定の実施形態において、希釈剤には、マンニトール(例えば、Mannitol200)、セルロース(例えば、AVICEL(登録商標)PH101及びAVICEL(登録商標)PH102などの微結晶セルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、希釈剤は、マンニトールである。更に別の実施態様において、希釈剤は、Mannitol200である。更に別の実施態様において、希釈剤は、セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、微結晶セルロースである。更に別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH101である。また別の実施態様において、希釈剤は、AVICEL(登録商標)PH102である。
ある特定の実施形態において、界面活性剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、Methocel(商標)K3)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、界面活性剤は、Methocel(商標)K3である。
ある特定の実施形態において、崩壊剤には、カルボキシメチルセルロース(例えば、AC−DI−SOL(登録商標)などのクロスカルメロースナトリウム)が挙げられるが、これに限定されない。一実施形態において、崩壊剤は、カルボキシメチルセルロースである。別の実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。また別の実施態様において、崩壊剤は、AC−DI−SOL(登録商標)である。
一実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
ある特定の実施形態において、コーティングには、オパドライ(例えば、オパドライイエロー、オパドライホワイト及びオパドライブラウン)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、コーティングは、オパドライである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライイエローである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライホワイトである。別の実施形態において、コーティングは、オパドライブラウンである。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、セルロース、HPMC、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、マンニトール、微結晶セルロース、HPMC、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライでコーティングされる。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物Aと、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、Methocel(商標)K3、AC−DI−SOL(登録商標)及びステアリン酸マグネシウムからそれぞれ独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、オパドライホワイト、オパドライイエローまたはオパドライブラウンでコーティングされる。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、崩壊剤(複数可)、界面活性剤(複数可)及び滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、コーティングされ得る。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、セルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、マンニトール、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物A、Mannitol200、AVICEL(登録商標)PH101、AVICEL(登録商標)PH102、AC−DI−SOL(登録商標)、Methocel(商標)K3及びステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約50〜70重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約1〜10重量%の崩壊剤(複数可)、約1〜10重量%の界面活性剤(複数可)及び約0.1〜2重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約61.93重量%の希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約4重量%の崩壊剤(複数可)、約4.5重量%の界面活性剤(複数可)及び約1重量%の滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜50重量%のセルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜10重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約35.93重量%のセルロース、約26重量%のマンニトール、約4重量%のカルボキシメチルセルロース、約4.5重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜50重量%の微結晶セルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜10重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のHPMC及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約35.93重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約4重量%のカルボキシメチルセルロース、約4.5重量%のHPMC及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約20〜40重量%の化合物A、約20〜50重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約20〜40重量%のMannitol200、約1〜10重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約1〜10重量%のMethocel(商標)K3及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約28.57重量%の化合物A、約35.93重量%のAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約26重量%のMannitol200、約4重量%のAC−DI−SOL(登録商標)、約4.5重量%のMethocel(商標)K3及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約1〜10重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約3重量%添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約100〜400mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約7〜30mgの崩壊剤(複数可)、約5〜30mgの界面活性剤(複数可)及び約0.1〜10mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約216.76mgの希釈剤(複数可)/結合剤(複数可)、約14mgの崩壊剤(複数可)、約15.75mgの界面活性剤(複数可)及び約3.5mgの滑沢剤(複数可)を含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜240mgのセルロース、約40〜180mgのマンニトール、約7〜30mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜30mgのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約125.76mgのセルロース、約91mgのマンニトール、約14mgのカルボキシメチルセルロース、約15.75mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜240mgの微結晶セルロース、約40〜180mgのマンニトール、約7〜30mgのカルボキシメチルセルロース、約5〜30mgのHPMC及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約125.76mgの微結晶セルロース、約91mgのマンニトール、約14mgのカルボキシメチルセルロース、約15.75mgのHPMC及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約50〜200mgの化合物A、約60〜240mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約40〜180mgのMannitol200、約7〜30mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約5〜30mgのMethocel(商標)K3及び約0.1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約100mgの化合物A、約125.76mgのAVICEL(登録商標)PH101またはAVICEL(登録商標)PH102、約91mgのMannitol200、約14mgのAC−DI−SOL(登録商標)、約15.75mgのMethocel(商標)K3及び約3.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む医薬組成物である。
一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加されるコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約5〜20mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。一実施形態において、医薬組成物は、約10.5mg(重量)添加される、オパドライイエロー、オパドライホワイトまたはオパドライブラウンを含むコーティングを更に含む。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、製剤Dの単一単位剤形である。特定の実施形態において、単一単位剤形は、30mg、100mgまたは200mgの錠剤である。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.8.使用方法
化合物Aの医薬組成物及び剤形は、動物またはヒトの病態を治療、予防または改善する医薬品として有用である。化合物Aは、プロテインキナーゼ、特にJNK1及び/またはJNK2に対して活性である。したがって、本明細書にて提供されるのは、以下に記載される疾患の治療または予防を含む、化合物Aの医薬組成物、剤形及び塩の多くの使用である。本明細書にて提供される方法は、必要とする対象に化合物Aの医薬組成物及び剤形を投与することを含む。一態様において、本明細書にて提供されるのは、キナーゼを発現している細胞において当該キナーゼを阻害する方法であり、この方法は、当該細胞を有効量の化合物Aの医薬組成物及び剤形に接触させることを含む。一実施形態において、キナーゼは、JNK1、JNK2またはその変異体もしくはアイソフォームまたはこれらの組み合わせである。
別の態様において、本明細書にて提供されるのは、間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡から選択される1つ以上の障害を治療または予防する方法であり、この方法は、必要とする対象に有効量の化合物Aの医薬組成物または剤形を投与することを含む。いくつかのそのような実施形態において、狼瘡は、エリテマトーデス(円板状エリテマトーデスまたは皮膚エリテマトーデス)または全身性エリテマトーデスである。いくつかの実施形態において、障害は、肺線維症である。いくつかの実施形態において、肺線維症は、例えば、コンピュータ断層撮影に基づいて確認された通常型間質性肺炎(UIP)のパターンもしくは非特異性間質性肺炎(NSIP)のパターンであるか、または例えば、外科的肺生検に基づいて確認された線維性NSIPもしくはUIPのパターンである。いくつかの実施形態において、肺線維症の基礎疾患は、結合組織疾患を伴う間質性肺疾患、間質性肺線維症、特発性肺線維症(IPF)、環境性もしくは薬剤性肺線維症またはヘルマンスキー・パドラック症候群である。
別の態様において、本明細書にて提供されるのは、非アルコール性脂肪性肝炎、脂肪症(すなわち、脂肪肝)、肝硬変、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、肝炎、肝細胞がん及び肝線維症(慢性もしくは反復性アルコール摂取(アルコール性肝炎)、感染症(例えば、HCVなどのウイルス感染)、肝移植または薬物性肝障害(例えば、アセトアミノフェン毒性)と同時発症するもの)などの肝線維化障害を治療または予防するための方法であり、必要とする対象に有効量の化合物Aの医薬組成物または剤形を投与することを含む。いくつかの当該態様において、本明細書にて提供されるのは、糖尿病、または非アルコール性脂肪性肝炎、脂肪症(すなわち、脂肪肝)、肝硬変、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変及び肝炎などの肝線維化障害につながるメタボリック症候群を治療または予防するための方法であり、必要とする対象に有効量の化合物Aの医薬組成物または剤形を投与することを含む。
別の態様において、本明細書にて提供されるのは、JNK1及び/またはJNK2の阻害により治療可能または予防可能な病態を治療または予防するための方法であり、この方法は、必要とする対象に有効量の化合物Aの医薬組成物または剤形を投与することを含む。かかる病態の例には、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形性関節症、喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、粘液性大腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、ハンチントン病、肝炎、膵炎、腎炎、多発性硬化症、エリテマトーデス、2型糖尿病、肥満、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、左心室肥大、心筋梗塞、脳卒中、心臓、肺、消化管、腎臓、肝臓、膵臓、脾臓及び脳の虚血性損傷、急性または慢性臓器移植拒絶反応、移植のための臓器保全、臓器不全または四肢欠損(例えば、限定するものではないが、虚血再灌流傷害、外傷、重大な身体傷害、自動車事故、圧挫損傷または移植不全に起因するものを含む)、移植片対宿主病、エンドトキシンショック、多臓器不全、乾癬、火、化学物質または放射線への曝露に起因する熱傷、湿疹、皮膚炎、皮膚移植、虚血、手術または外傷に関連する虚血状態(例えば、車両事故、銃創または四肢圧挫)、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、細菌またはウイルス感染に対する免疫応答、悪液質、血管新生性及び増殖性疾患、固形腫瘍、ならびに結腸、直腸、前立腺、肝臓、肺、気管支、膵臓、脳、心臓、頸部、胃、皮膚、腎臓、子宮頸部、血液、喉頭、食道、口腔、咽頭、膀胱、卵巣または子宮などの各種組織のがんが挙げられる。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、JNK1及び/またはJNK2媒介性障害を有する対象の疾患マーカーレベルを調節するための方法であり、この方法は、本明細書に記載の有効量の化合物Aまたは医薬組成物を当該対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、JNK1及び/またはJNK2媒介性障害は、肺線維症である。いくつかのそのような実施形態において、疾患マーカーの調節は、循環血液、皮膚生検、結腸生検、滑液組織及び/または尿などの対象の生体試料において評価される。そのような実施形態において、疾患マーカーの調節量は、化合物Aの投与前及び投与後の疾患マーカー量の比較により評価される。いくつかの実施形態において、疾患バイオマーカーの調節は、ベースラインと比較した約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%または約100%の低減である。いくつかの実施形態において、疾患マーカーは、マトリックスメタロプロテイナーゼ7、テネイシンCまたはサーファクタントタンパク質Dのうちの1つ以上のmRNAまたはタンパク質の量である。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.9.投与経路及び用量
化合物Aの医薬組成物及び剤形は、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、丸剤、坐剤、注射剤、懸濁剤、シロップ剤、貼付剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、スプレー剤、液剤及び乳剤などの従来の製剤形態で、経口、局所または非経口により対象に投与することができる。医薬組成物中の化合物Aの有効量は、所望の効果を発揮する量、例えば、経口及び非経口の両投与の単位投与量で、対象の体重1kgあたり約0.005mg〜対象の体重1kgあたり約10mgであり得る。
対象に投与される化合物Aの用量は、かなり大幅に変動し、医療関係者の判断に依存し得る。概して、化合物Aは、対象の体重1kgあたり約0.005mg〜対象の体重1kgあたり約10mgの用量で1日1〜4回対象に投与することができるが、当該用量は、対象の年齢、体重及び健康状態ならびに投与形態に応じて適宜変更してよい。一実施形態において、用量は、対象の体重1kgあたり約0.01mg〜対象の体重1kgあたり約5mg、対象の体重1kgあたり約0.05mg〜対象の体重1kgあたり約1mg、対象の体重1kgあたり約0.1mg〜対象の体重1kgあたり約0.75mgまたは対象の体重1kgあたり約0.25mg〜対象の体重1kgあたり約0.5mgである。一実施形態において、1日あたり1回用量が投与される。任意の特定の場合において、化合物Aの投与量は、活性成分の可溶性、使用される製剤及び投与経路などの要因によって決定される。一実施形態において、局所濃縮物の適用は、約0.01〜10μMの細胞内曝露または濃度をもたらす。
別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約0.375mg/日〜約750mg/日、約0.75mg/日〜約375mg/日、約3.75mg/日〜約75mg/日、約7.5mg/日〜約55mg/日または約18mg/日〜約37mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。
別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約1mg/日〜約1200mg/日、約10mg/日〜約1200mg/日、約100mg/日〜約1200mg/日、約400mg/日〜約1200mg/日、約600mg/日〜約1200mg/日、約400mg/日〜約800mg/日、約60mg/日〜約720mg/日、約240mg/日〜約720mg/日または約600mg/日〜約800mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。特定の実施形態において、本明細書にて開示される方法は、必要とする対象に、約400mg/日、約600mg/日または約800mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。
別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約10mg/日〜約720mg/日、約10mg/日〜約480mg/日、約60mg/日〜約720mg/日または約240mg/日〜約720mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約10mg/日、約30mg/日、約60mg/日、約100mg/日、約120mg/日、約240mg/日、約480mg/日、または約720mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約60mg/日、約160mg/日、または約400mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約100mg/日、または約200mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約100mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約200mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、疾患または障害の治療または予防のための方法であり、この方法は、必要とする対象に、約10mg/日、約30mg/日、約60mg/日、約120mg/日、約160mg/日、約200mg/日、約240mg/日、約400mg/日、約480mg/日、または約720mg/日の化合物Aを含む医薬組成物または剤形を投与することを含む。
別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約10mg〜約100mg、約1mg〜約200mg、約30mg〜約200mg、約35mg〜約1400mg、約125mg〜約1000mg、約250mg〜約1000mg、または約500mg〜約1000mgの化合物Aを含む単位剤形である。
別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約35mg、約50mg、約60mg、約70mg、約100mg、約120mg、約125mg、約140mg、約175mg、約200mg、約240mg、約250mg、約280mg、約350mg、約480mg、約500mg、約560mg、約700mg、約720mg、約750mg、約1000mgまたは約1400mgの化合物Aを含む単位剤形である。
別の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、約30mg、約100mgまたは約200mgの化合物Aを含む単位剤形である。
化合物Aの医薬組成物及び剤形は、1日1回、2回、3回、4回以上投与することができる。一実施形態において、化合物Aの医薬組成物及び剤形は、1日1回、14日間投与することができる。
化合物Aの医薬組成物及び剤形は、便宜上の理由で経口投与することができる。一実施形態において、経口投与される場合、化合物Aの医薬組成物及び剤形は、食事及び水とともに投与される。別の実施形態において、化合物Aの医薬組成物及び剤形(例えば、顆粒剤または分散性錠剤)は、水または果汁(例えば、リンゴ果汁またはオレンジ果汁)中に分散させ、懸濁剤として経口投与される。
化合物Aの医薬組成物及び剤形はまた、皮内、筋肉内、腹腔内、経皮(percutaneously)、静脈内、皮下、経鼻、硬膜外、舌下、脳内、膣内、経皮(transdermally)、経腸、経粘膜、吸入による投与、または耳、鼻、眼もしくは皮膚への局所的投与が可能である。投与方法は、医療関係者の裁量に委ねられ、一部には、医学的状態の部位により決まり得る。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.10.剤形の製造方法
本明細書にて提供される剤形は、いずれの製剤法によっても調製できるが、いずれの方法も、活性成分と、1つ以上の必要な成分を構成する賦形剤とを結合させるステップを含む。一般に、組成物は、活性成分を液体賦形剤もしくは微粉化した固体賦形剤またはその両方と均一に混合(例えば、直接ブレンド)し、次いで、必要であれば、生成物を所望の形態に形成(例えば、ローラー圧縮などの圧密化)することによって調製される。所望により、標準的な水性または非水性技術によって錠剤をコーティングすることができる。
本明細書にて提供される剤形は、任意に1つ以上の補助成分とともに、圧縮または成形することによって作製することができる。圧縮錠は、任意に上述の賦形剤及び/または界面活性剤もしくは分散剤と混合した粉末または顆粒などの易流動性形態の活性成分を好適な機械で圧縮することによって作製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を好適な機械で成形することによって製造することができる。
いくつかの実施形態において、活性成分及び賦形剤は、直接ブレンドされ、そのまま錠剤に圧縮される。直接ブレンドは、圧密化法を使用して製造する際の成分の浮遊粒子によって引き起こされることがある健康への悪影響を低減または排除することができるので、ある特定の場合、圧密化された(例えばローラー圧縮された)剤形よりも直接ブレンドされた剤形のほうが有利であり得る。
直接ブレンド製剤は、最終剤形、例えば錠剤に加工する前に、1つのみのブレンドステップ、すなわち活性物質と賦形剤のブレンドステップしか要しないため、ある特定の場合において有利であり得る。これにより、浮遊粒子または浮遊塵埃の生成を最小に抑えることができる。一方、ローラー圧縮法は塵埃を生成しやすい。ローラー圧縮法では、多くの場合、更なる加工のために、圧密化された材料をより小さな粒子に粉砕する。粉砕作業は、製造におけるこのステップの目的が材料の粒径を小さくすることであるため、かなりの量の浮遊粒子を生成し得る。次いで、粉砕された材料は、他の成分とブレンドされ、最終剤形に製造される。
特定の活性成分、特に溶解性の低い化合物については、活性成分の溶解率を上げる一助とするために、活性成分の粒径を微粉末まで減じさせる。溶解率の向上は、活性成分を胃腸管で効率的に吸収させるのに必要であることが多い。しかしながら、微粉末を直接ブレンドして錠剤に圧縮する場合、賦形剤は、好ましくは、成分を直接ブレンド法に適したものにする特定の特性を付与する必要がある。このような特性の例には、許容可能な流動特性が挙げられるが、これに限定されない。したがって、一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、得られる混合物を直接ブレンド法に適したものにする特性、例えば、良好な流動特性を付与することができる賦形剤の使用、及び当該賦形剤を含む組成物である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、本明細書に記載の組成物を調製するための方法であり、この方法は、(i)所望量の化合物A及び所望量の賦形剤の第1の部分を秤量することと、(ii)界面活性剤(複数可)の水溶液を調製することと、(iii)界面活性剤(複数可)は含めずに、化合物Aと賦形剤の第1の部分との混合物をふるいに通すことと、(iv)化合物Aと、界面活性剤(複数可)の水溶液と、賦形剤の第1の部分とを混合またはブレンドすることと、(v)混合物を乾燥させることと、(vi)賦形剤の第2の部分をふるいに通すことと、(vii)ステップ(v)の混合物と賦形剤の第2の部分とを混合またはブレンドすることと、(viii)所望量の滑沢剤を秤量することと、(ix)滑沢剤をふるいに通すことと、(x)ステップ(vii)の混合物と滑沢剤とを混合またはブレンドすることと、(xi)ステップ(x)の混合物を圧縮することと、(ix)圧縮した混合物をコーティング剤でコーティングすることとを含む。一実施形態において、化合物Aと、賦形剤と、滑沢剤との混合物は錠剤の形態に圧縮される。一実施形態において、ふるいは、18メッシュのふるいである。別の実施形態において、ふるいは、1000μmふるいである。一実施形態において、ふるいは、20メッシュのふるいである。別の実施形態において、ふるいは、841μmふるいである。一実施形態において、ふるいは、30メッシュのふるいである。別の実施形態において、ふるいは、595μmふるいである。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.11.溶解プロファイル
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される化合物Aを含む錠剤は、0.1NのHCl水溶液、0.01NのHCl水溶液または約pH4.5の緩衝水溶液中で、化合物Aの約A00%が約10〜20分、約30〜40分、約50〜60分、約70〜80分、約90〜100分または約110〜120分で放出される溶解性プロファイルを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される化合物Aを含む錠剤は、0.1NのHCl水溶液中で化合物Aの約50%が約5〜10分で放出される溶解性プロファイルを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される化合物Aを含む錠剤は、0.1NのHCl水溶液中で化合物Aの約50%が約8分で放出される溶解性プロファイルを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される化合物Aを含む錠剤は、0.01NのHCl水溶液中で化合物Aの約50%が約1〜5分で放出される溶解性プロファイルを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される化合物Aを含む錠剤は、0.01NのHCl水溶液中で化合物Aの約50%が約3分で放出される溶解性プロファイルを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される化合物Aを含む錠剤は、pH約4.5の緩衝水溶液中で化合物Aの約50%が約10〜15分で放出される溶解性プロファイルを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される化合物Aを含む錠剤は、pH約4.5の緩衝水溶液中で化合物Aの約50%が約12分で放出される溶解性プロファイルを有する。
1つのそのような実施形態において、化合物Aは、化合物1である。別の実施形態において、化合物Aは、化合物1の薬学的に許容される塩である。更に別の実施態様において、化合物Aは、化合物1の固体形態である。
5.12.化合物1の塩
更に、本明細書にて提供されるのは、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、L−酒石酸塩、L−リンゴ酸塩、L−乳酸塩、コハク酸塩、p−トルエン硫酸塩(トシル酸塩)、メタン硫酸塩(メシル酸塩)、ベンゼン硫酸塩(ベシル酸塩)、フマル酸塩及びクエン酸塩を含む、化合物1の薬学的に許容される塩である。
ある特定の実施形態において、化合物Aの医薬組成物及び剤形は、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、L−酒石酸塩、L−リンゴ酸塩、L−乳酸塩、コハク酸塩、p−トルエン硫酸塩(トシル酸塩)、メタン硫酸塩(メシル酸塩)、ベンゼン硫酸塩(ベシル酸塩)、フマル酸塩及びクエン酸塩を含む、化合物1の1つ以上の薬学的に許容される塩を含む。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される使用方法は、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、L−酒石酸塩、L−リンゴ酸塩、L−乳酸塩、コハク酸塩、p−トルエン硫酸塩(トシル酸塩)、メタン硫酸塩(メシル酸塩)、ベンゼン硫酸塩(ベシル酸塩)、フマル酸塩及びクエン酸塩を含む、化合物1の1つ以上の薬学的に許容される塩を投与することを含む。
本明細書にて提供される塩(例えば、化合物1のHCl塩、H2SO4塩、H3PO4塩、L−酒石酸塩、L−乳酸塩、L−リンゴ酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩、ベシル酸塩及びフマル酸塩)は、限定するものではないが、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、顕微鏡法(例えば、走査型電子顕微鏡法(SEM)、偏光顕微鏡法(PLM)及びホットステージ顕微鏡法))、熱分析(例えば、示差走査熱量測定法(DSC))、動的水蒸気吸着法(DVS)、熱重量分析(TGA)、分光法(例えば、赤外線、ラマン及び固体核磁気共鳴)、超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)、及びプロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを含む、当業者に知られている多くの方法を使用して特性評価を行うことができる。本明細書にて提供される塩の粒径及び粒径分布は、レーザー光散乱法などの従来の方法によって決定することができる。
X線粉末回折パターンのピークの数値は、機器ごとまたは試料ごとにわずかに変動し得るため、引用される値は絶対的なものではなく、2θ±0.2°などの許容されるばらつきがあるものとして解釈されるべきであることを理解されたい(United State Pharmacopoeia,page2228(2003)参照)。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1の塩を作製するための蒸発法であり、この方法は、1)化合物1を溶媒中に溶解して溶液を得ることと、2)酸性対イオンを添加することと、3)溶液を蒸発させて固体を得ることと、4)固体を回収することとを含む。ある特定の実施形態において、溶媒は、ACN、EtOH、EtOAc、ヘキサン、IPA MeOAc、MTBE、MeNO2またはアセトンである。ある特定の実施形態において、酸性対イオンは、HCl、H2SO4、H3PO4、L−酒石酸、L−乳酸、L−リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはフマル酸により提供される。
5.13.化合物1のHCl塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のHCl塩である。ある特定の実施形態において、HCl塩は、7つの異なる形態を有する。
ある特定の実施形態において、HCl塩は、化合物1及びHClを含む溶液の蒸発により調製される。ある特定の実施形態において、HCl塩は、EtOH/IPA、IPA、EtOAc、アセトンまたは水中に化合物1及びHClを含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、HCl塩の形態1は、ACN中に化合物1及びHClを含む溶液の蒸発、SGF中への懸濁または水分への曝露により調製された水和物である。
一実施形態において、HCl塩の形態2は、水を含有し、EtOH/IPAまたはIPA中に化合物1及びHClを含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、HCl塩の形態2は、水分に曝露したとき水和物(HCl塩の形態1)に変換され、水に懸濁したとき水和物(HCl塩の形態7)に変換される。
一実施形態において、HCl塩の形態3は、EtOAc中に化合物1及びHClを含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、HCl塩の形態4は、アセトン中に化合物1及びHClを含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、HCl塩の形態5は、HCl塩の形態2を180℃まで加熱することにより調製される。一実施形態において、HCl塩の形態5は、水分に曝露したとき、水和物(HCl塩の形態1)に変換される。
一実施形態において、HCl塩の形態6は、脱水和物である。一実施形態において、HCl塩の形態6は、HCl塩の形態2を220℃まで加熱することにより調製される。一実施形態において、HCl塩の形態6は、水分に曝露したとき、水和物(HCl塩の形態1)に変換される。
一実施形態において、HCl塩の形態7は、水和物である。一実施形態において、HCl塩の形態7は、HCl塩の形態1を周囲温度で水に懸濁することにより調製される。
一実施形態において、HCl塩は、固体である。一実施形態において、HCl塩は、結晶性である。一実施形態において、HCl塩は、無水である。一実施形態において、HCl塩は、吸湿性である。別の実施形態において、HCl塩は、水和物である。別の実施形態において、HCl塩の形態1は、一水和物である。
一実施形態において、HCl塩の形態2は、図34に示される代表的なTGAサーモグラムに実質的に相当するTGAサーモグラムを有する。ある特定の実施形態において、HCl塩の形態2は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約25℃〜約119.9℃で試料の総質量のうち約2.82%の総質量減少を含むTGAサーモグラムを示す。したがって、ある特定の実施形態において、HCl塩の形態2は、ほぼ周囲温度から約300℃に加熱したとき、その総質量の約2.82%を失う。
一実施形態において、HCl塩の形態2は、約25℃から約300℃に加熱したとき、163.0℃での吸熱事象を含む、図34に示されるDSCサーモグラムを有する。一実施形態において、DSCサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したとき、約220℃の開始温度を有する融解分解事象を更に含む。
一実施形態において、HCl塩の形態2は、図41に示されるDVS等温線プロットを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態1〜4は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態1〜4は、図6に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、HCl塩の形態1〜4は、図7に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態1は、図75に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、HCl塩の形態1は、図75に示されるように、約5.5、7.5、9.0、9.7、11.2、13.1、13.9、15.9、16.5、17.2、17.3、18.3、19.6、19.8、21.7、22.0、22.9、23.7、24.6、24.9、25.9、26.4、27.3、27.7、28.2、28.5、29.9、30.6、31.0、31.2、31.7、32.0、32.6、33.0、33.4、33.7、34.2、36.3、37.8または38.8°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、HCl塩の形態1は、約5.5、11.2、17.2、17.3、18.3、19.6、21.7または23.7°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態1は、約5.5、13.1、18.3、19.6または21.7°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態1は、表32に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態2は、図76に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、HCl塩の形態2は、図76に示されるように、約5.37、7.92、9.23、9.53、11.95、12.40、12.61、13.09、14.90、15.69、16.52、17.92、18.17、18.64、18.94、20.54、20.69、20.93、21.36、21.69、22.05、22.80、23.55、24.28、24.71、25.09、25.25、25.78、25.99、27.02、28.42、28.87、29.63、30.74、31.58、31.87、32.33、32.76、33.35、34.02、35.10、36.06、36.61、37.00、37.86、38.10、39.16または39.92°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、HCl塩の形態2は、約7.92、9.23、18.64、18.94、20.69、25.25、27.02または29.63°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態2は、約7.92、9.23、18.94、20.69または29.63°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態2は、約7.92、9.23、11.95、12.40または18.94°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態2は、表33に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47または48の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態3は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態3は、図77に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、HCl塩の形態3は、図77に示されるように、約5.71、9.48、9.85、11.34、13.24、14.10、16.75、17.86、18.44、19.67、21.82、23.10、23.84、25.03、26.04、27.81、30.65、31.83または38.91°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、HCl塩の形態3は、約5.71、9.85、11.34、13.24、16.75、18.44、19.67または21.82°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態3は、約5.71、11.34、13.24、16.75または18.44°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態3は、約5.71、9.48、11.34、13.24または18.44°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態3は、表34に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態4は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態4は、図78に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、HCl塩の形態4は、図78に示されるように、約5.65、5.73、7.50、9.31、9.77、11.38、13.77、14.23、16.20、17.16、17.54、18.16、18.69、19.06、20.56、21.65、21.75、22.10、22.65、23.05、24.04、26.18、28.30、28.45、28.70、29.59、30.90、32.47または35.63°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、HCl塩の形態4は、約5.65、5.73、9.77、11.38、13.77、17.16、21.65または29.59°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態4は、約5.65、5.73、9.77、11.38または13.77°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態4は、約5.65、9.77、11.38、13.77または21.65°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態4は、表35に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28または29の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態5は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態5は、図79に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、HCl塩の形態5は、図79に示されるように、約5.63、6.29、7.61、8.45、9.74、10.76、11.27、12.23、12.59、13.16、14.02、14.63、15.97、16.63、16.92、17.35、17.74、18.40、18.69、19.10、19.66、21.80、22.63、23.05、23.80、24.58、24.98、25.94、26.51、27.78、28.25、28.57、30.62、31.38、31.78、32.61、33.01、33.40、35.40、37.88または38.82°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、HCl塩の形態5は、約5.63、17.35、18.40、18.69、19.66、21.80、23.80または25.94°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態5は、約5.63、18.69、19.66、21.80または23.80°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態5は、約5.63、8.45、10.76、14.63または21.80°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態5は、表36に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40または41の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態6は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態6は、図80に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、HCl塩の形態6は、図80に示されるように、約5.58、7.61、8.27、9.13、9.74、11.19、13.14、13.99、15.91、16.65、16.87、17.33、18.38、19.67、19.92、21.79、21.99、23.03、23.32、23.77、24.66、24.97、25.33、25.92、26.52、27.38、27.76、28.24、28.54、30.62、31.34、31.74、32.63、33.04、33.47、36.38、37.83または38.79°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、HCl塩の形態6は、約5.58、11.19、13.14、17.33、18.38、19.67、21.79または23.77°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態6は、約5.58、17.33、18.38、19.67または21.79°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態6は、約5.58、8.27、18.38、19.67または21.79°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態6は、表37に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37または38の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、HCl塩の形態7は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、HCl塩の形態7は、図81に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、HCl塩の形態7は、図81に示されるように、約5.54、7.61、8.95、9.85、11.14、12.86、14.14、15.77、16.83、17.29、17.51、18.04、18.33、18.69、19.82、21.94、23.05、23.90、28.28、30.66、32.02または38.98°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、HCl塩の形態7は、約5.54、7.61、11.14、18.04、19.82、21.94、23.05または38.98°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態7は、約5.54、7.61、18.04、19.82または23.05°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態7は、約5.54、7.61、8.95、12.86または18.04°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、HCl塩の形態7は、表38に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.14.化合物1のH2SO4塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のH2SO4塩である。ある特定の実施形態において、H2SO4塩は、3つの異なる形態を有する。
一実施形態において、H2SO4塩の形態1は、ACN、IPAまたはEtOAc中に化合物1及びH2SO4を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、H2SO4塩の形態2は、アセトン中に化合物1及びH2SO4を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、H2SO4塩の形態3は、形態1を80℃及び75%相対湿度で保存することにより調製される。一実施形態において、H2SO4塩の形態3は、形態1を80℃及び75%相対湿度で2週間保存することにより調製される。
一実施形態において、H2SO4塩は、固体である。一実施形態において、H2SO4塩は、結晶性である。一実施形態において、H2SO4塩は、無水である。一実施形態において、H2SO4塩は、吸湿性である。別の実施形態において、H2SO4塩は、水和物である。
ある特定の実施形態において、H2SO4塩は、蒸発により調製される。一実施形態において、H2SO4塩は、ACN、IPA、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びH2SO4を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、H2SO4塩の形態1は、図35に示される代表的なTGAサーモグラムに実質的に相当するTGAサーモグラムを有する。ある特定の実施形態において、H2SO4の形態1の塩は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約25℃〜約119.9℃で試料の総質量のうち約0.28%の総質量減少を含むTGAサーモグラムを示す。したがって、ある特定の実施形態において、H2SO4塩の形態1は、ほぼ周囲温度から約300℃に加熱したとき、その総質量の約0.28%を失う。
一実施形態において、H2SO4塩の形態1は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約86.0℃〜88.4℃でのTg様事象を含む、図35に示されるDSCサーモグラムを有する。一実施形態において、DSCサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したとき、約235℃の開始温度を有する融解分解事象を更に含む。
一実施形態において、H2SO4塩の形態1は、図43に示されるDVS等温線プロットを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、H2SO4塩の形態1〜3は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、H2SO4塩の形態1〜2は、図8に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態3は、図84に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、H2SO4塩の形態1〜2は、図9に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、H2SO4塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、H2SO4塩の形態1は、図82に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、H2SO4塩の形態1は、図82に示されるように、約5.40、5.66、9.02、10.74、14.78、16.16、16.65、17.65、18.18、18.69、19.67、20.50、21.62、22.28、22.75、24.13、24.57、24.88、25.42、26.55、28.49、29.17、29.88、31.29、32.15、32.66、33.21、34.02、35.78、36.86、37.43、38.27または39.64°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、H2SO4塩の形態1は、約5.40、10.74、18.18、18.69、21.62、22.28、22.75または26.55°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態1は、約5.40、18.18、18.69、21.62または22.28°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態1は、約5.40、10.74、18.18、18.69または22.28°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態1は、表39に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、H2SO4塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、H2SO4塩の形態2は、図83に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、H2SO4塩の形態2は、図83に示されるように、約5.63、5.67、15.25、16.08、17.87、18.57、21.83、22.24、22.75、25.90、26.53または27.18°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、H2SO4塩の形態2は、約5.63、5.67、15.25、16.08、17.87、18.57、22.24または22.75°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態2は、約5.63、5.67、17.87、18.57または22.75°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態2は、約5.63、11.30、15.25、17.87または18.57°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態2は、表40に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、H2SO4塩の形態3は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、H2SO4塩の形態3は、図84に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、H2SO4塩の形態3は、図84に示されるように、約5.60、10.68、11.22、12.41、13.81、15.11、15.96、16.86、17.67、18.10、18.48、18.78、19.15、21.53、22.10、22.38、22.61、23.65、24.56、25.22、25.85、26.27、27.24、33.38、34.20または37.96°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、H2SO4塩の形態3は、約5.60、17.67、11.22、22.38、15.11、18.10、22.61、22.10、27.24、10.68、18.48または15.96の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態3は、約5.60、17.67、11.22、22.38または15.11°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態2は、約5.60、11.22、15.11、15.96、17.67または19.15°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H2SO4塩の形態3は、表41に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.15.化合物1のH3PO4塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、H3PO4塩である。
一実施形態において、H3PO4塩は、固体である。一実施形態において、H3PO4塩は、結晶性である。一実施形態において、H3PO4塩は、無水である。一実施形態において、H3PO4塩は、吸水性でない。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるH3PO4塩は、化合物1及びH3PO4を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、H3PO4塩は、ACN、IPA、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びH3PO4を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、H3PO4塩は、図36に示される代表的なTGAサーモグラムに実質的に相当するTGAサーモグラムを有する。ある特定の実施形態において、H3PO4塩は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約25℃〜約119.9℃で試料の総質量のうち約0.25%の総質量減少を含むTGAサーモグラムを示す。したがって、ある特定の実施形態において、H3PO4塩は、ほぼ周囲温度から約300℃に加熱したとき、その総質量の約0.25%を失う。
一実施形態において、H3PO4塩は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約169.9℃の開始温度を有する脱水事象を含む、図36に示されるDSCサーモグラムを有する。一実施形態において、DSCサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したとき、約238.3℃の開始温度を有する融解分解事象を更に含む。
一実施形態において、H3PO4塩は、図45に示されるDVS等温線プロットを実質的に有する。.
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、H3PO4塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、H3PO4塩は、図10に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、H3PO4塩は、図11に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、H3PO4塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、H3PO4塩は、図85に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、H3PO4塩は、図85に示されるように、約5.58、5.73、11.30、15.27、16.07、16.37、16.95、17.46、17.72、18.37、20.64、20.98、21.73、22.34、22.66、23.31、23.65、24.14、25.88、26.42、28.10、28.39、29.89、30.38、30.88、31.35、33.13、34.32、35.08、35.91、37.43または38.89°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、H3PO4塩は、約5.58、5.73、11.30、15.27、16.95、23.65、25.88または28.39°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H3PO4塩は、約5.58、5.73、11.30、15.27または28.39°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、H3PO4塩は、表50に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.16.化合物1のL−酒石酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のL−酒石酸塩である。
一実施形態において、L−酒石酸塩は、固体である。一実施形態において、L−酒石酸塩は、結晶性である。一実施形態において、L−酒石酸塩は、わずかに吸湿性である。別の実施形態において、L−酒石酸塩は、水和物である。別の実施形態において、L−酒石酸塩は、二水和物である。別の実施形態において、L−酒石酸塩は、ヘミ酒石酸二水和物である。
ある特定の実施形態において、L−酒石酸塩は、化合物1及びL−酒石酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、L−酒石酸塩は、ACN、IPA、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びL−酒石酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、化合物1とL−酒石酸の化学量論比は、L−酒石酸塩で約2:1である。
一実施形態において、L−酒石酸塩は、図37に示される代表的なTGAサーモグラムに実質的に相当するTGAサーモグラムを有する。ある特定の実施形態において、L−酒石酸塩は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約25℃〜約119.9℃で試料の総質量のうち約3.97%の総質量減少を含むTGAサーモグラムを示す。したがって、ある特定の実施形態において、L−酒石酸塩は、ほぼ周囲温度から約300℃に加熱したとき、その総質量の約3.97%を失う。
一実施形態において、L−酒石酸塩は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約89.5℃の開始温度を有する脱水事象を含む、図37に示されるDSCサーモグラムを有する。一実施形態において、DSCサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したとき、約201.5℃の開始温度を有する融解分解事象を更に含む。
一実施形態において、L−酒石酸塩は、図47に示されるDVS等温線プロットを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−酒石酸塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−酒石酸塩は、図2に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、L−酒石酸塩は、図13に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−酒石酸塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−酒石酸塩の形態1は、図88に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−酒石酸塩の形態1は、図88に示されるように、約6.04、9.47、12.14、13.73、14.57、15.19、16.19、16.68、17.30、18.27、19.98、20.31、21.14、22.08、22.75、23.21、23.84、24.33、25.92、26.51、27.09、27.75、28.44、29.52、31.15、31.83、32.73、33.31、34.99、35.55、36.80、37.25、37.77または38.41°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、L−酒石酸塩の形態1は、約6.04、16.19、16.68、17.30、19.98、20.31、23.21または24.33°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−酒石酸塩の形態1は、約6.04、16.19、16.68、19.98または24.33°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−酒石酸塩の形態1は、約6.04、12.14、16.19、18.27または24.33°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−酒石酸塩の形態1は、表51に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33または34の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−酒石酸塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−酒石酸塩の形態2は、図89に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−酒石酸塩の形態2は、図89に示されるように、約5.02、6.29、6.46、9.71、12.47、12.63、15.21、16.51、16.56、17.23、18.82、20.72、22.49、22.71、24.04、24.86、24.95、27.08、28.25、29.30、30.78、31.16、31.30、33.13、33.96、34.36、34.87、35.03、35.14、35.29、36.36または36.58°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、L−酒石酸塩の形態2は、約6.29、6.46、12.63、16.51、17.23、20.72、24.04または24.95°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−酒石酸塩の形態2は、約6.29、6.46、16.51、20.72または24.04°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−酒石酸塩の形態2は、約6.29、12.63、16.51、18.82または24.95°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−酒石酸塩の形態2は、表52に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.17.化合物1のL−乳酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のL−乳酸塩である。ある特定の実施形態において、L−乳酸塩は、2つの異なる形態を有する。
ある特定の実施形態において、L−乳酸塩は、化合物1及びL−乳酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、L−乳酸塩は、ヘキサンまたはEtOAc中に化合物1及びL−乳酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、ヘキサン中に化合物1及びL−乳酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、EtOAc中に化合物1及びL−乳酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、L−乳酸塩は、固体である。一実施形態において、L−乳酸塩は、結晶性である。一実施形態において、L−乳酸塩は、中程度の吸湿性である。別の実施形態において、L−乳酸塩は、水和物である。
一実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、図39に示される代表的なTGAサーモグラムに実質的に相当するTGAサーモグラムを有する。ある特定の実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約25℃〜約119.9℃で試料の総質量のうち約1.74%の総質量減少を含むTGAサーモグラムを示す。したがって、ある特定の実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、ほぼ周囲温度から約300℃に加熱したとき、その総質量の約1.74%を失う。
一実施形態において、L−酒石酸塩の形態2は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約76.5℃の開始温度を有する脱水事象を含む、図39に示されるDSCサーモグラムを有する。一実施形態において、DSCサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したとき、約145.3℃の開始温度を有する融解分解事象を更に含む。
一実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、図52に示されるDVS等温線プロットを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−乳酸塩の形態1〜2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−乳酸塩の形態1〜2は、図16に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、L−乳酸塩の形態1〜2は、図17に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−乳酸塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、図86に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、図86に示されるように、約5.77、7.93、9.57、9.81、10.01、11.69、12.09、12.81、13.72、14.39、14.66、16.10、16.89、17.19、17.70、18.89、19.20、19.54、19.72、20.16、20.43、20.96、21.55、21.84、23.12、24.22、24.67、24.92、25.21、26.19、27.06、28.55、29.20、30.43、32.82、34.36または36.29°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、約5.77、9.57、9.81、16.10、18.89、19.54、20.16または24.22°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、約5.77、9.57、16.10、19.54または20.16°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、約5.77、7.93、16.10、20.16または24.22°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−乳酸塩の形態1は、表53に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36または37の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−乳酸塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、図87に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、図87に示されるように、約9.69、10.23、12.14、12.74、13.29、13.51、15.62、16.05、16.29、16.87、17.02、17.55、18.00、18.51、18.97、19.47、20.41、20.98、21.45、22.39、22.64、23.08、23.50、23.84、24.03、24.46、24.88、25.21、26.42、26.86、27.24、27.77、28.23、28.53、30.47、31.04、31.58、32.44、33.93、35.53、36.58、37.11または38.68°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、約9.69、10.23、13.29、17.02、18.51、18.97、19.47または20.41°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、約10.23、17.02、18.97、19.47または20.41°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、約9.69、10.23、13.29、17.02または18.97°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−乳酸塩の形態2は、表54に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42または43の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.18.化合物1のL−リンゴ酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のL−リンゴ酸塩である。ある特定の実施形態において、L−リンゴ酸塩は、4つの異なる形態を有する。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩は、固体である。一実施形態において、L−リンゴ酸塩は、結晶性である。一実施形態において、L−リンゴ酸塩は、吸湿性である。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩は、水和物である。
ある特定の実施形態において、L−リンゴ酸塩は、化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、L−リンゴ酸塩は、ACN、IPA、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態1は、ACN中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、MeNO2中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態3は、EtOAc中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態4は、IPA中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、化合物1とL−リンゴ酸の化学量論比は、L−リンゴ酸塩で約1:1である。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、図38に示される代表的なTGAサーモグラムに実質的に相当するTGAサーモグラムを有する。ある特定の実施形態において、L−リンゴ酸塩は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約25℃〜約94.8℃で試料の総質量のうち約1.21%の総質量減少を含むTGAサーモグラムを示す。したがって、ある特定の実施形態において、L−リンゴ酸塩は、ほぼ周囲温度から約300℃に加熱したとき、その総質量の約1.21%を失う。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、約25℃から約300℃に加熱したとき、約94.8℃の開始温度を有する脱水事象を含む、図38に示されるDSCサーモグラムを有する。一実施形態において、DSCサーモグラムは、約25℃から約300℃に加熱したとき、約100.8の開始温度を有する固体−固体転移事象を更に含む。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、図50に示されるDVS等温線プロットを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−リンゴ酸塩の形態1〜4は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態1〜4は、図18に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態1〜4は、図19に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−リンゴ酸塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態1は、図90に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態1は、図90に示されるように、約5.52、11.12、15.86または17.18°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態1は、約5.52、11.12、15.86または17.18°の2θに1、2、3または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態1は、表55に示されるように、1、2、3または4つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−リンゴ酸塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、図91に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、図91に示されるように、約5.48、6.15、7.56、8.50、8.99、9.50、11.08、12.21、12.97、15.23、16.09、17.16、17.50、18.01、18.48、19.21、19.69、20.38、21.09、21.75、22.47、22.72、23.70、24.44、24.96、25.23、25.80、26.20、26.51、27.78、28.41、30.01、30.41、32.95、34.90、35.28、35.91、36.41または37.63°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、約5.48、6.15、7.56、12.97、15.23、17.16、18.48または21.09°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、約5.48、6.15、7.56、18.48または21.09°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、約5.48、6.15、7.56、15.23または21.09°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態2は、表56に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38または39の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−リンゴ酸塩の形態3は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態3は、図92に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態3は、図92に示されるように、約4.89、5.49、7.25、11.74、12.39、15.76、16.34、16.73、19.79、20.54または21.23°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態3は、約4.89、5.49、7.25、11.74、12.39、15.76、16.73または20.54°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態3は、約4.89、5.49、7.25、15.76または20.54°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態3は、約4.89、5.49、7.25、11.74または15.76°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態3は、表57に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、L−リンゴ酸塩の形態4は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態4は、図93に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態4は、図93に示されるように、約5.91、8.34、10.45、10.91、12.67、13.10、13.48、15.34、16.71、17.49、17.89、18.22、18.72、18.95、19.41、19.84、20.21、20.77、21.22、21.62、21.91、22.60、23.99、24.56、25.03、26.20、27.19、27.52、28.45、29.19、29.60、29.96、30.24、30.99、31.61、34.44、35.66、36.10、36.86、37.19、37.83、38.58または39.05°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態4は、約5.91、10.91、18.22、18.72、20.77、21.22、21.91または26.20°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態4は、約5.91、10.91、18.72、20.77または21.22°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態4は、約5.91、10.91、12.67、18.72または20.77°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、L−リンゴ酸塩の形態4は、表58に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42または43の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.19.化合物1のクエン酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のクエン酸塩である。
一実施形態において、クエン酸塩は、固体である。一実施形態において、クエン酸塩は、非晶質である。
ある特定の実施形態において、クエン酸塩は、MTBE、MeNO2、ヘキサンまたはMeOAc中に化合物1及びクエン酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、化合物1のクエン酸の化学量論比は、クエン酸塩で約1:1である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、クエン酸塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、クエン酸塩は、図20に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、クエン酸塩は、図21に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
5.20.化合物1のコハク酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のコハク酸塩である。ある特定の実施形態において、コハク酸塩は、3つの異なる形態を有する。
一実施形態において、コハク酸塩は、固体である。一実施形態において、コハク酸塩は、結晶性である。
ある特定の実施形態において、コハク酸塩は、化合物1及びコハク酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、コハク酸塩は、ACN、IPA、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びコハク酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、コハク酸塩の形態1は、ACNまたはEtOH中に化合物1及びコハク酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、コハク酸塩の形態2は、EtOAc中に化合物1及びコハク酸を含む溶液の蒸発により調製される。
ある特定の実施形態において、固体形態、例えば、コハク酸塩の形態1〜2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、コハク酸塩の形態1〜2は、図22に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、コハク酸塩の形態1〜2は、図23に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、コハク酸塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、コハク酸塩の形態1は、図94に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、コハク酸塩の形態1は、図94に示されるように、約5.86、8.43、11.07、11.79、12.67、13.55、13.69、14.47、16.84、17.38、17.74、18.77、18.97、19.22、20.59、21.11、21.33、21.43、21.83、21.90、22.23、22.78、23.74、23.97、24.84、25.12、26.29、27.42、28.10、28.20、28.39、28.88、29.35、29.57、29.82、30.88、31.61、33.87、34.33、35.36、39.11または39.85°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、コハク酸塩の形態1は、約5.86、11.79、17.74、18.77、21.90、23.74、26.29または31.61°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、コハク酸塩の形態1は、約5.86、11.79、23.74、26.29または31.61°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、コハク酸塩の形態1は、約5.86、11.79、13.69、21.33または23.74°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、コハク酸塩の形態1は、表59に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41または42の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、コハク酸塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、コハク酸塩の形態2は、図95に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、コハク酸塩の形態2は、図95に示されるように、約5.69、5.90、6.18、11.02、16.48、17.31、18.49、20.99、22.30、23.16、29.01または30.85°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、コハク酸塩の形態2は、約5.69、5.90、6.18、11.02、16.48、18.49、20.99または30.85°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、コハク酸塩の形態2は、約5.69、5.90、6.18、18.49または20.99°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、コハク酸塩の形態2は、約5.69、6.18、11.02、18.49または20.99°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、コハク酸塩の形態2は、表60に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.21.化合物1のトシル酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のトシル酸塩である。ある特定の実施形態において、トシル酸塩は、3つの異なる形態を有する。
一実施形態において、トシル酸塩は、固体である。一実施形態において、トシル酸塩は、結晶性である。
ある特定の実施形態において、トシル酸塩は、化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、トシル酸塩は、ACN、IPA、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、トシル酸塩の形態1は、ACN中に化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、トシル酸塩の形態2は、MeNO2またはアセトン中に化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、トシル酸塩の形態3は、EtOAc中に化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、トシル酸塩の形態1〜3は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、トシル酸塩の形態1〜3は、図24に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、トシル酸塩の形態1〜3は、図25に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、トシル酸塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、トシル酸塩の形態1は、図96に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、トシル酸塩の形態1は、図96に示されるように、約4.50、6.22、8.88、9.55、9.67、12.19、13.25、13.89、14.86、15.71、17.14、17.73、18.29、18.63、19.45、19.90、21.06、21.71、22.64、23.12、23.88、24.27、25.43、25.84、26.06、26.37、27.71、28.45、28.82、29.20、30.62、31.45、33.81、34.89または35.38°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、トシル酸塩の形態1は、約6.22、8.88、12.19、13.89、17.14、19.45、21.71または22.64°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態1は、約6.22、8.88、13.89、19.45または21.71°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態1は、約6.22、8.88、12.19、13.89または21.71°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態1は、表61に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、トシル酸塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、トシル酸塩の形態2は、図97に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、トシル酸塩の形態2は、図97に示されるように、約5.78、6.24、6.48、7.01、8.13、9.79、11.67、12.04、12.60、14.25、15.04、15.57、16.42、17.53、18.13、18.31、18.89、19.55、19.90、21.36、21.61、21.94、22.49、22.74、23.05、23.35、23.59、24.36、24.55、25.53、25.78、26.54、27.40、28.07、28.49、29.32、30.44、32.58、33.16、33.62、35.52または36.88°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、トシル酸塩の形態2は、約6.24、6.48、8.13、11.67、15.04、18.31、18.89または23.59°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態2は、約6.24、8.13、11.67、15.04または18.31°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態2は、約5.78、6.24、6.48、8.13または21.36°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態2は、表62に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41または42の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、トシル酸塩の形態3は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、トシル酸塩の形態3は、図98に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、トシル酸塩の形態3は、図98に示されるように、約5.59、7.44、8.91、11.22、13.13、13.78、14.05、14.89、15.62、17.78、18.15、19.24、19.70、20.77、21.72、21.96、22.40、23.49、24.97、25.97、26.66、28.92または31.46°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、トシル酸塩の形態3は、約5.59、11.22、13.13、17.78、18.15、20.77、21.96または22.40°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態3は、約5.59、11.22、18.15、20.77または22.40°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態3は、約5.59、7.44、11.22、18.15または20.77°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、トシル酸塩の形態3は、表63に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.22.化合物1のメシル酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のメシル酸塩である。ある特定の実施形態において、メシル酸塩は、2つの異なる形態を有する。
一実施形態において、メシル酸塩は、固体である。一実施形態において、メシル酸塩は、結晶性である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるメシル酸塩は、化合物1及びメタンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、メシル酸塩は、ACN/IPA、EtOH/IPA、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びメタンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、メシル酸塩の形態1は、ACN/IPA、EtOH/IPAまたはアセトン中に化合物1及びメタンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、メシル酸塩の形態2は、EtOAc中に化合物1及びメタンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、メシル酸塩の形態1〜2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、メシル酸塩の形態1〜2は、図26に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、メシル酸塩の形態1〜2は、図27に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、メシル酸塩の形態1は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、メシル酸塩の形態1は、図99に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、メシル酸塩の形態1は、図99に示されるように、約5.78、7.87、10.30、10.71、11.61、11.86、12.39、13.50、13.83、14.17、15.05、15.56、15.80、16.29、17.06、17.49、17.74、18.10、18.30、18.54、19.25、19.89、20.18、20.58、20.98、21.56、21.95、23.41、24.22、24.82、25.53、26.08、26.77、27.27、28.17、28.38、29.03、29.31、29.87、30.81、32.02、32.99、34.03、35.01、35.45、35.72、36.33または37.65°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、メシル酸塩の形態1は、約5.78、10.71、11.61、17.49、18.10、18.30、18.54または23.41°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、メシル酸塩の形態1は、約5.78、10.71、11.61、18.10または23.41°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、メシル酸塩の形態1は、約5.78、7.87、10.71、18.10または19.25°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、メシル酸塩の形態1は、表64に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47または48の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、メシル酸塩の形態2は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、メシル酸塩の形態2は、図100に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、メシル酸塩の形態2は、図100に示されるように、約5.14、5.26、10.45、16.37、18.36、20.41、20.95、21.59、21.86、22.14、22.63、23.33、24.24、25.76、26.16、28.41または31.70°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、メシル酸塩の形態2は、約5.14、5.26、10.45、18.36、20.41、20.95、21.59または26.16°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、メシル酸塩の形態2は、約5.14、5.26、10.45、18.36または20.95°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、メシル酸塩の形態2は、約5.14、10.45、18.36、20.41または20.95°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、メシル酸塩の形態2は、表65に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.23.化合物1のベシル酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のベシル酸塩である。
一実施形態において、ベシル酸塩は、固体である。一実施形態において、ベシル酸塩は、結晶性である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供されるベシル酸塩は、化合物1及びベンゼンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、ベシル酸塩は、MeNO2中に化合物1及びベンゼンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製される。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、ベシル酸塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、ベシル酸塩は、図28に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、ベシル酸塩は、図29に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、ベシル酸塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、ベシル酸塩は、図101に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、ベシル酸塩は、図101に示されるように、約6.29、7.84、9.64、11.32、12.63、14.38、15.89、16.81、17.44、19.09、19.39、19.82、20.31、20.79、21.63、22.35、22.82、23.87、25.30、26.12、27.64、28.94または34.90°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、ベシル酸塩は、約6.29、9.64、11.32、14.38、19.39、20.79、23.87または27.64°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、ベシル酸塩は、約6.29、11.32、14.38、19.39または23.87°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、ベシル酸塩は、約6.29、7.84、11.32、14.38または20.79°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、ベシル酸塩は、表66に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
5.24.化合物1のフマル酸塩
一実施形態において、本明細書にて提供されるのは、化合物1のフマル酸塩である。
一実施形態において、フマル酸塩は、固体である。一実施形態において、フマル酸塩は、結晶性である。一実施形態において、フマル酸塩は、ヘミフマル酸塩である。
ある特定の実施形態において、フマル酸塩は、化合物1及びフマル酸を含む溶液の蒸発により調製される。一実施形態において、フマル酸塩は、ACN中に化合物1及びフマル酸を含む溶液の蒸発により調製される。
一実施形態において、化合物1のフマル酸の化学量論比は、フマル酸塩で約2:1である。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、フマル酸塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、フマル酸塩は、図28に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。
一実施形態において、フマル酸塩は、図29に示されるラマンスペクトルを実質的に有する。
ある特定の実施形態において、本明細書にて提供される固体形態、例えば、フマル酸塩は、例えば、X線粉末回折測定値により示されるように、実質的に結晶性である。一実施形態において、フマル酸塩は、図102に示されるX線粉末回折パターンを実質的に有する。一実施形態において、フマル酸塩は、図102に示されるように、約5.97、8.31、11.09、11.92、12.38、12.97、13.53、14.72、15.81、16.66、18.51、18.92、20.94、21.36、21.76、22.34、23.33、24.08、24.65、25.58、26.31、28.74、29.20、29.83、30.96、31.72、34.86または36.34°の2θに1つ以上の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。具体的な実施形態において、フマル酸塩は、約5.97、11.09、18.92、21.36、21.76、26.31、28.74または31.72°の2θに1、2、3、4、5、6、7または8つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、フマル酸塩は、約5.97、11.09、21.36、21.76または26.31°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、フマル酸塩は、約5.97、8.31、11.09、20.94または24.08°の2θに1、2、3、4または5つの特徴的なX線粉末回折ピークを有する。別の実施形態において、フマル酸塩は、表67に示されるように、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27または28の特徴的なX線粉末回折ピークを有する。
6.実施例
以下の実施例は、限定ではなく、例示として示すものである。以下の略語を説明及び実施例で使用する。
ACN:アセトニトリル
DSC:示差走査熱量測定法
DVS:動的水蒸気吸着法
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エタノール
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
IPA:イソプロパノール
MeNO2:ニトロメタン
MeOH:メタノール
mp:融点
MTBE:tert−ブチルメチルエーテル
NMR:核磁気共鳴
RH:相対湿度
SGF:人工胃液(ペプシン非含有)
XRPD:X線粉末回折
化合物Aを含むいくつかの組成物を調製し、多数の物理的及び化学的特性について試験した。次いで、変更を加え、その結果得られた製剤について、望ましい物理的及び化学的特性を有する製剤が明らかになるまで同様に試験した。以下の実施例は、これらの製剤及びその試験について記載するものである。
6.1.製剤A
表1は、100mg力価の化合物1の単一単位用量に関する製剤処方(製剤A)を示す。
製剤Aの調製プロセスは、以下のステップを含んだ。
a)賦形剤を秤量する。
b)APIを秤量する。
c)造粒結合剤溶液(5%)を調製する。
d)約70℃まで加熱することにより570gの精製水(USP)を調製する。
e)攪拌しながら30gのHPMCを水にゆっくりと分散させ、材料が完全に溶解するまで攪拌を続ける。
f)化合物1、Avicel101、Mannitol200及びAc−Di−Sol(部分1)を18/20メッシュのふるいに通す。
g)適切な大きさのボウルを備えたKG5造粒機に、化合物1、Avicel101、Mannitol200及びAc−Di−Sol(部分1)を投入し、10分間、乾燥混合する。
h)造粒結合剤溶液が均一に施されるようにするのに適した噴霧速度をもたらすのに十分なノズルチップ及び蠕動チューブをKG5に取り付ける。必要に応じて追加の水を添加する。
i)塊状材料を十分に湿らせ、造粒が確実にボウル全体で視覚的に均一な外観を呈するようにする。
j)造粒機から湿塊を排出し、GPCG−1流動層造粒機の膨張室に移す。2未満の乾燥減量のエンドポイントが達成されるまで乾燥する。
k)適切なふるい(0.075R)を取り付けたComil(登録商標)を使用して、乾燥させた顆粒を粉砕する。
l)かさ密度/タップ密度試験及び粒径分布分析を実施する。試験完了後、この試験材料を粉砕した造粒物に戻す。
m)粉砕した顆粒の正味重量を得る。
n)粉砕による収率(%)を算出する。
o)ステップnの収率に従って、顆粒外賦形剤を再度算出し、再度秤量する。
p)Avicel102及びAc−Di−Sol(部分2)を18/20メッシュのふるいに通す。
q)適切な大きさのV型ブレンダー中で、粉砕した造粒物とふるいに通したAvicel102及びAc−Di−Solとを合わせ、100回転でブレンドする(所望のブレンド時間を達成するようにブレンダー速度を調整する)。
r)ステアリン酸マグネシウムを30メッシュのふるいに通す。
s)ふるいに通したステアリン酸マグネシウムをブレンダーに加え、50回転でブレンドする(所望のブレンド時間を達成するようにブレンダー速度を調整する)。
t)ブレンドを好適な容器中に排出し、適切にラベリングする。かさ密度/タップ密度試験及び粒径分布分析を実施する。試験完了後、この試験材料を最終ブレンド材料に戻す。
u)選択した治具を使用して、Compacta打錠機の圧縮ステーションを準備する。
v)錠剤重量に関する以下の表3の仕様が満たされるまで打錠圧を調整する。初期錠剤物性が許容できること(すなわち、0.3%未満の摩損度、キャッピングなし)を確保してから圧縮を行う。硬度、錠剤厚み及び崩壊時間を測定し、記録した。
w)錠剤を圧縮し、内側をポリエチレン袋で二重に覆った色の付いた容器中に許容可能なコア錠剤を回収する。
摩損度試験を、圧縮ステップ開始時の錠剤10個及びバッチ完了後の錠剤10個のコンポジット試料に対して実施した。装置及び方法は、USP/NF<1216>及びSOP PHARM0008に規定されている。仕様は、重量減少が0.3%未満、キャッピングなしであった。
崩壊時間試験は、圧縮ステップ開始時の錠剤6個及びバッチ完了後の錠剤6個のコンポジット試料に対して実施した。ディスクを1つ使用する装置及び方法は、USP/NF<701>に規定されている。
硬度試験を、圧縮ステップの開始時、中間及び終了時に採取した10個の試料に対して実施した。錠剤10個の硬度を測定し、平均を算出した。
厚さ試験を、ステップの開始時に採取した10個の錠剤試料及びステップ完了後の錠剤10個のコンポジット試料に対して実施した。錠剤10個の厚さを測定し、平均を算出した。
ステップの開始時、中間及び終了時の錠剤10個を個別に秤量する。重量を0.1mgまで記載する。合格基準:理論上の錠剤重量(350.0mg)+/−7%。合格限界:325.5〜374.5mg。
ステップの開始時、中間及び終了時に10個の錠剤の試料を取り、一緒に秤量し、平均錠剤重量(ATW)を算出した。ATWを0.1mgまで記録する。合格基準:錠剤10個の平均重量が理論値+/−5%以内であること。平均錠剤重量(350.0mg)。合格限界:332.5〜367.5mg。
6.2.製剤B
表4は、100mg力価の化合物1の単一単位用量に関する製剤処方(製剤B)を示す。
製剤Bの調製プロセスは、製剤Aの調製と同じステップを含む。
6.3.製剤C
表5は、100mg力価の化合物1の単一単位用量に関する製剤処方(製剤C)を示す。
製剤Cの調製プロセスは、製剤Aの調製と同じステップを含む。
6.4.製剤D
表6は、100mg力価の化合物1の単一単位用量に関する製剤処方(製剤D)を示す。
製剤Dの調製プロセスは、製剤Aの調製と同じステップを含む。
6.5.製剤開発
目的:本行為の目的は、先行して100mg剤形の開発に使用された、化合物1の一般的なブレンド造粒プロセスのスケーラビリティを確認し、30mg及び200mg剤形の圧縮プロセス及びコーティングプロセスを評価することであった。これらの実験の第1の目的は、3つ全ての力価の後続するCTM製造に備えた技術知識の獲得であった。
開発:共通の造粒物を製造するとともに、剤形30mg〜200mgの範囲を可能にするために、本行為の基準として、以下の表7の処方を選択した。
共通の造粒物内に含まれるこの28.57%の化合物1に基づいて、以下の表8の仕様を満たすように3つの別個の剤形を作製した。
湿式造粒法のためのプロセス及び装置を図1に示す。
造粒:第1に、5%結合剤溶液を調製した。これは、1)2850gの精製水(USP)を70℃まで加熱することと、2)150gのヒプロメロース3cps(MethocelK3)を水中に分散させることと、3)溶解するまで混合することとを含む。第2に、化合物1、微結晶セルロース(Avicel101)、マンニトール(pearlitol200)及びクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol)部分1を含む顆粒内材料を20メッシュのふるいでふるい分けた。第3に、表9及び表10のパラメータに従って、造粒プロセスをPMA造粒機の25Lボウル中で実施した。
*結合剤を添加してから約15分までチョッパを停止。
表11、表12及び表13のパラメータに従って、45Lボウルを備えたO’Hara FBDで乾燥プロセスを実施した。
混合物をふるい075R050(0.075”)によりふるい分けた後、混合物を1400RPMで粉砕した。
微結晶セルロース(Avicel102)及びクロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol)部分2を含む顆粒外賦形剤の量は、粉砕した顆粒剤の収率に応じて調整した。次いで、顆粒外賦形剤を20メッシュのふるいによりふるい分けた。
粉砕した材料及び顆粒外賦形剤を16Qt V型ブレンダー中で4分間、30RPM(120回転)でブレンドした。
ステアリン酸マグネシウムを30メッシュのふるいによりふるい分け、次いで、粉砕した材料及び顆粒外賦形剤と16Qt V型ブレンダー中で2分間、30RPM(60回転)でブレンドした。
顆粒材料の分析データを以下の表14、表15及び表16に示す。
各圧縮イベントの前に、最低でも3つの圧縮力を評価し、Compacta打錠機でいずれが最適な錠剤物性をもたらすか決定した。この評価結果を以下の表17に示す。
化合物1の30mg錠剤の作製は、Compacta B−D打錠機で、0.25”の標準的な円形凹状プレーン/プレーン治具と7つのステーションを使用し、目標摩損度0.3%未満、キャッピングなしで行った。目標錠剤重量を表18に示す。
化合物1の100mg錠剤の作製は、Compacta B−D打錠機で、0.2220”×0.5720”の改変した標準的な凹状プレーン/プレーン治具と4つのステーションを使用し、目標摩損度0.3%未満、キャッピングなしで行った。目標錠剤重量を表19に示す。
化合物1の200mg錠剤の作製は、Compacta B−D打錠機で、0.6693”×0.3937”の標準的な凹状プレーン/プレーン治具と4つのステーションを使用し、目標摩損度0.3%未満、キャッピングなしで行った。目標錠剤重量を表20に示す。
プロセス中の圧縮試験結果を表21に示す。
フィルムコーティング:
オパドライイエロー(03B12885)を15%固形分のコーティング懸濁液として使用して、化合物1の30mg錠剤をコーティングした。最低懸濁混合時間は45分であった。コーティング後、錠剤は約3重量%増加した。コーティングパン搭載量は1358gであった。使用したコーターは、12”のパンを備えるO’Hara Labcoat IIであった。
フィルムコーティングは、O’Haraコーティングパン中で予熱したコア錠剤に対して以下のとおり約3%の重量増加まで施した(以下の表のステップ中データを少なくとも15分ごとに記録する)。
a)平均予熱後錠剤重量(ステップ5から)=104.4mg
b)所望の目標重量(3重量%増加)=6a×1.03)=107.5mg
c)目標給気温度=60℃(公称排気温度を維持するように調整可能)
d)目標風量(cfm)=60〜120
微粒化空気圧(psi):19、パターン空気圧(psi):19、噴霧距離:4”
e)最終の平均オパドライコート錠剤重量:107.6mgを記録する。
オパドライホワイト(YS−1−18202−A)を15%固形分のコーティング懸濁液として使用して、化合物1の100mg錠剤をコーティングした。最低懸濁混合時間は45分であった。コーティング後、錠剤は約3重量%増加した。コーティングパンの搭載量は2487gであった。使用したコーターは、15”のパンを備えるO’Hara labcoat IIであった。
フィルムコーティングは、O’Haraコーティングパン中で予熱したコア錠剤に対して以下のとおり約3%の重量増加まで施した(以下の表のステップ中データを少なくとも15分ごとに記録する)。
a)平均予熱前錠剤重量(ステップ5から)=349.9mg
b)所望の目標重量(3重量%増加)=6a×1.03)=360.4mg
c)目標給気温度=60℃(公称排気温度を維持するように調整可能)
d)目標風量(cfm)=60〜120
微粒化空気圧(psi):20、パターン空気圧(psi):20、噴霧距離:5”
e)最終の平均オパドライコート錠剤重量:360.5mgを記録する。
オパドライブラウン(03B16878)を15%固形分のコーティング懸濁液として使用して、化合物1の200mg錠剤をコーティングした。最低懸濁混合時間は45分であった。コーティング後、錠剤は約3重量%増加した。コーティングパンの搭載量は4252gであった。使用したコーターは、19”のパンを備えるO’Hara labcoat IIであった。
フィルムコーティングは、O’Haraコーティングパン中で予熱したコア錠剤に対して以下のとおり約3%の重量増加まで施した(以下の表のステップ中データを少なくとも15分ごとに記録する)。
a)平均予熱前錠剤重量(ステップ5から)=698.9mg
b)所望の目標重量(3重量%増加)=6a×1.03)=719.9mg
c)目標給気温度=60℃(公称排気温度を維持するように調整可能)
d)目標風量(cfm)=60〜120
微粒化空気圧(psi):20、パターン空気圧(psi):20、噴霧距離:5”
e)最終の平均オパドライコート錠剤重量:360.5mgを記録する。
図2は、0.1NのHCl中における化合物1の錠剤の溶解性プロファイルを示す。
図3は、0.01NのHCl中における化合物1の錠剤の溶解性プロファイルを示す。
図4は、pH4.5の水溶液中における化合物1の錠剤の溶解性プロファイルを示す。
6.6.イヌ薬物動態学的研究プロトコール
合計4匹のオスのビーグル犬(可能な限り10kgに近いもの)を試験に割り当てた。各相に関して、投与前の少なくとも8時間、また血液試料採取の初めの4時間、全ての動物を絶食させた(該当する場合、食餌は、4時間の採取間隔で最後の血液試料を採取してから30分以内に戻した)。合計絶食時間は24時間を超えた。
第1相:以下の表に概説するように、第1群の各動物に化合物1のカプセル剤用量を単回投与した。
第2相:以下の表に概説するように、約5日のウォッシュアウト後、第1群の各動物に化合物1の錠剤用量を単回投与した。
A 全てのカプセル剤/錠剤の処方物は予め製剤化された状態で提供され、それをそのまま使用した。B 血液試料は、投与前及び投与後0.5(30分)、1、2、4、8、12及び24時間に採取し、血漿を得るために処理した。
図5は、化合物1のカプセル剤及び錠剤のイヌにおけるpKデータを示す。
6.7.臨床プロトコール:健康な対象における化合物1の多重投与の薬物動態及び薬力学、ならびに化合物1の単回投与の薬物動態に対する食事及び処方の影響を評価するための2パート第1相試験
主要目的:
パート1:ヒト皮膚の紫外線(UV)照射後のJNK活性に対する化合物1の多重経口投与の効果を評価すること。
パート2:製剤化された化合物1錠剤の食事存在下における薬物動態と、単回経口投与後の有効成分充填カプセル(AIC)製剤と比較した、製剤化した化合物1錠剤の相対的バイオアベイラビリティを評価すること。
副次的目的:
パート1:化合物1の単回及び多重経口投与の安全性を評価すること。
パート2:食事と合わせて投与されたときの製剤化された化合物1錠剤の安全性及び忍容性を評価すること。
試験デザイン:これは、健康な対象における化合物1の多重投与の薬物動態及び薬力学、ならびに化合物1の単回投与の薬物動態に対する食事及び処方の影響を評価するための2パート第1相試験である。
パート1:UV照射後のJNK活性に対する化合物1の効果を評価するためのオープンラベル多重投与3期間固定順序試験である。
本試験は、スクリーニングフェーズ(第−21日〜第−2日)、投与前の最小紅斑量(MED)の決定、ベースライン(第−1日)、化合物1の漸増用量が投与される3つの治療/評価期間、及び追跡調査のための来院で構成される。各期間の間にウォッシュアウトは設けない。
投与前日(ベースライン)及び各投与期間の6日目(第6、第12及び第18日)に、線で囲まれた対象の臀部上部位にMED強度の2倍のUV光が当てられる。ベースライン(第−1日)時の照射は、第6、第12及び第18日に照射が計画されている投与後2時間とほぼ同じ時間に行われる必要がある。UV照射から8時間後、UV曝露部位から皮膚パンチ生検検体が採取される。拘束終了は第19日である。追跡調査のための来院は、期間3の最終投与後7〜10日間(すなわち、第25日〜第28日)になされる。早期中止(ET)の来院は、中止日の10日以内になされる。
MEDが期間1の投与から10日以内に決定される。最初の試行でMEDがうまくいかなかった場合に備えて、MEDは、第−2日より前に行われることが推奨される。MED評価に拘束は必要とされない。
有効なMEDを有する健康な適格性のあるスクリーニングされた被験者16名は、期間1の第−1日に、ベースライン評価(2倍のMED照射を含み、生検を伴う)及び拘束の開始のために、試験施設に来院するものとする。
予定された入院手順の後、被験者のウエストラインと殿裂との間の右臀部上部に皮膚試験部位が線で囲まれる。試験部位は最小3cm×3cmであり、うつ伏せになった被験者に対してインク(スキンマーカー使用)で線が引かれる。被験者は、臀部の1つの部位に2倍のMEDのUV照射を受ける。UV照射から8時間後(+/−10分)にUV曝露部位からベースライン皮膚パンチ生検検体が1つ採取される。
被験者は、第1日に、最低8時間の絶食後、午前8時頃に試験薬の初回投与を受ける。
全ての被験者に以下の固定順序で以下の用量の化合物1が投与される。
治療A:活性物質充填カプセル剤(AIC)としての化合物1 60mg、QD×6日、続けて、
治療B:化合物1 160mg AIC、QD×6日、続けて、
治療C:化合物1 400mg AIC、QD×6日。
各期間を通じて、被験者は、第−1日(またはベースラインの2倍MEDが第−1日の日の早くに予定されている場合には早くて第2日)から試験施設で生活してよく、第19日に、安全性審査が良好であり、試験関連手順が完了した後に退院することができる。
試験薬(AICとして)は、約240mLの非炭酸水(室温)とともに経口投与される。各投与期間の6日目における朝の投与後の最初の食事は、投与後4時間である。その他の全ての投与日には、投与後最低2時間の絶食の後に次の食事/スナックを提供することができる。
皮膚試験部位は、ベースライン(第−1日)、第6、第12及び第18日に、被験者のウエストラインと殿裂との間の右臀部上部に線で囲まれる。右臀部は、3つの異なる試験部位、すなわち、ベースライン時での2倍MED照射のための1つの指定部位及び3期間のそれぞれ(第6日、第12日及び第18日)での指定部位に分けられる。各試験部位はできる限り大きくする(最小3cm×3cm)。試験部位の領域は、うつ伏せになった被験者に対してインク(スキンマーカー使用)で線が引かれる。
被験者は、第6、第12及び第18日の試験薬の投与から2時間(+/−10分)後に、臀部の1つの部位に2倍のMEDのUV照射を受ける。ベースライン時の紫外線照射は、第1日に関して計画された投与時間の約2時間後に予定されるものとする。UV曝露部位は、一番左から始まって一番右へと移動する順序にすることが提案される(すなわち、曝露部位1はベースライン用、曝露部位4は期間3用)。
皮膚パンチ生検検体は、UV照射から8時間後(+/−10分)にUV曝露部位から1つ採取される。試験全体を通して4つの生検検体(すなわち、ベースラインと、期間あたり1つの生検検体)が採取される。生検検体は、Celgeneにより指定された第三者によって組織スライドに処理され、免疫組織化学(ICH)により分析される。この第三者は、治療期間(ベースライン及び用量)について知らされない。
被験者は、第19日に、予定された全ての手順が完了したら、臨床施設から退院する。
有害事象(AE)モニタリング、身体検査、バイタルサイン、心電図(ECG)、安全性検査評価及び創傷治癒の評価が、安全性評価の指定時点で実施される。
化合物1の濃度分析のために、予め定めた時点(第6、第12及び第18日:投与前、投与後0.5、2、4、6、10、12及び24時間)に一連の血液試料が採取される。全ての評価は、事象及び手順の表に従って実施される。
手順(治療の変更を除く)は、3期間全てにわたって一貫したものである。
治療期間の間の活動、環境、食物、手順及びスケジュールは、可能な限り一貫するように保たれるものとする。
パート2:パート2は、3期間のオープンラベル無作為化クロスオーバー試験である。この試験は、スクリーニングフェーズ(第−21日〜第−2日)、ベースライン(第−1日)、3つの治療/評価期間、及び電話による追跡調査で構成される。
適格性のある被験者12名は、ベースライン評価のために期間1の第−1日に試験施設に入院する。引き続き試験への参加適格性を有する被験者は、期間1の第1日に、3つの投与順序のうちの1つに無作為に割り当てられ、期間中、以下の投与レジメンのうちの1つを受ける。
治療D:2×AICとしての化合物1 100mg、絶食状態下で単回経口投与。
治療E:1×化合物1 200mg(製剤化された錠剤(複数可))、絶食状態下で単回経口投与。
治療F:1×化合物1 200mg(製剤化された錠剤(複数可))、摂食状態(標準高脂肪朝食)下で単回経口投与。
投与前少なくとも10時間、全ての被験者を一晩絶食させる。治療D及びE(絶食)を受ける被験者は、投与後少なくとも4時間、絶食を続ける。
治療Fの場合、被験者には、投与前の30分以内に、標準高脂肪(食事の総カロリー含量のうち50%)高カロリー(約800〜1000カロリー)朝食が提供される(FDA Center for Drug Evaluation and Research Food Effect Guidance(FDA,2002)に基づく)。食事は、約150、250及び500〜600カロリーをそれぞれタンパク質、炭水化物及び脂肪から得られるものとする。被験者は、提供から30分以内に全ての食事を摂取しなければならない。投与は、食事提供後30分(±5分)に行われなければならない。
各試験期間を通じて、被験者は、第−1日から試験施設に入院する。被験者は、最終期間の第5日に、試験手順が完了したら、試験施設から退院する。各治療期間は、最後の化合物1の投与から次に予定される投与まで、少なくとも7日であるが10日を超えないウォッシュアウト期間により間隔が置かれる。化合物1の血漿中濃度を測定するために、各期間中、投与前、投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、5、8、12、24、36、48、72及び96時間に一連の血液試料が採取される。
必要であれば、被験者は、期間1及び/または期間2の第5日の朝に予定されている手順の後、施設を離れ、次の期間のために戻ってもよい。特定の場合には、相互に合意するのであれば、より長いウォッシュアウトが許容され得る。
試験集団。健康な男女。被験者16名がパート1に登録される。志願者12名がパート2に登録される。被験者は、パート1またはパート2のいずれかのみに参加可能とする。
試験期間。パート1:約7週間(スクリーニングを含む)。パート2:約6週間(スクリーニングを含む)。
試験の終了は、試験を完了するための最後の被験者の最後の来院日またはプロトコール及び/もしくは統計解析計画書において予め指定された主要解析、副次的解析及び/もしくは探索的解析に必要とされる最終データポイントの最後の被験者からの受領日のいずれか遅い日として定義される。
試験治療。AICとしての化合物1(30mg及び100mgの用量力価)及び製剤化した錠剤(200mg)がCelgeneによりバルク容器で提供される。
パート1:治療A(60mg):2×AICとしての化合物1 30mg、QD×6日、治療B(160mg):2×AICとしての化合物1 30mg+1×AICとしての化合物1 100mg、QD×6日、治療C(400mg):4×AICとしての化合物1 100mg、QD×6日
パート2:治療D:AICとしての化合物1 2×100mg(200mg)、絶食状態でQD投与、治療E:製剤化された錠剤としての化合物1(1×200mg)、絶食状態でQD投与、治療F:製剤化された錠剤としての化合物1(1×200mg)、摂食状態でQD投与
安全性評価の概要:安全性は、試験全体を通して観察される。安全性評価は、有害事象(AE)報告、PE、バイタルサイン、12誘導ECG、臨床検査による安全性試験(標準的な臨床化学、血液学及び尿検査に加えて、肝機能検査(LFT)、総コレステロール、トリグリセリド、高密度リポタンパク質(HDL)及び低密度リポタンパク質(LDL)を含む)、併用薬/処置の検討、創傷治癒の評価及び女性被験者に対する妊娠検査を含む。
インフォームドコンセント書式(ICF)に署名がなされた時点から試験完了までの試験全体を通して、また化合物1の最終投与から28日以内に試験責任医師に知らされた時点の全てのAE(及びそれ以後のいずれかの時点で試験責任医師に知らされたIPとの関連が疑われる重篤な有害事象(SAE))が観察され、記録される。全ての併用薬及び併用処置が、被験者がICFに署名した時点から試験完了まで検討され、記録される。追跡調査のための来院(パート1)または追跡調査のための電話(パート2)が全ての被験者に対して計画される。何らかの理由で被験者が試験を中止する場合は、ET来院が行われる。
薬物動態評価の概要:試験の両パートにおいて、化合物1の血漿中濃度を測定するために、指定された時点に血液試料が採取される。
パート1:第6、第12及び第18日:投与前、投与後0.5、2、4、6、10、12及び24時間に血液/血漿が採取される。
定常状態における血漿PKパラメータには、AUCτ(0時間からタウ時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積、タウは投与間隔)、Cmax(最高血漿中濃度)、Cmin(最低血漿中濃度)、Tmax(Cmaxまでの時間)が挙げられるがこれらに限定されない。
パート2:各期間:投与前、投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、5、8、12、24、36、48、72及び96時間に血液/血漿が採取される。
定常状態におけるPKパラメータには、AUC0−t(0時間から最終定量可能濃度までの血漿中濃度−時間曲線下面積)、AUC∞(0時間から無限大時間まで外挿した血漿中濃度−時間曲線下面積)、CL/F(経口投与時の見かけの全身血漿クリアランス)、Vz/F(終末相に基づく経口投与時の見かけの総分布容積)、t1/2(終末相の消失半減期);Cmax(最高血漿中濃度)、及びTmax(Cmaxまでの時間)が挙げられるがこれらに限定されない。
薬力学評価の概要:MED決定のための個別の紫外線B(UVB)曝露:
左臀部の6つの部位へのUV強度を漸増させたUVB曝露からなる期間1の初回投与10日以内のUVB曝露
UVB曝露後、約24時間でのMED決定
個別のUVB曝露(2倍のMED):
ベースライン(第−1日)ならびに第6、第12及び第18日:化合物1の投与から2時間後における臀部上部の1つの部位への2倍のMEDのUVB曝露
生検検体の採取:ベースライン(−1日目)ならびに第6、第12及び第18日:UVB照射後8時間に各試験部位からパンチ生検検体(直径約3mm×深さ約0.8mm)が1つ採取される(合計で4つのパンチ生検検体)。
生検試料の分析:生検検体の分析が行われ、免疫組織化学(IHC)アッセイによりphospho−cJun発現について分析される。同じ皮膚生検検体を使用して、他のバイオマーカー、限定するものではないが、c−Junなども探索されてよく、別途報告され得る。
Phospho−cJunのIHCデータは、アナログスコアリングシステムまたは積分光学濃度の自動測定のいずれかにより、治療について知らされていない熟練した個人によって分析され得る。Phospho−c−JunのIHCデータは、パート1のみのために、治療について知らされていない熟練した個人によって、組織切片内で染色された表皮ケラチノサイト核の強度及び数に基づいて0〜4のスケールで主観的に評価される。
6.8.健康な被験者における化合物1の多重投与の薬物動態及び薬力学、ならびに化合物1の単回投与の薬物動態に対する食事及び処方の影響を評価するための2パート第1相試験
主要目的:パート1:ヒト皮膚の紫外線(UV)照射後のJNK活性に対する化合物1の多重経口投与の効果を評価すること、ならびにパート2:製剤化された化合物1錠剤の食事存在下におけるPKと、単回経口投与後の有効成分充填カプセル(AIC)製剤に対する製剤化した化合物1錠剤の相対的バイオアベイラビリティとを評価すること。
副次的目的:パート1:化合物1の単回及び多重経口投与の安全性を評価すること、ならびにパート2:食事と合わせて投与されたときの製剤化された化合物1錠剤の安全性及び忍容性を評価すること。
試験計画
全体的な試験デザイン及び計画:
これは、健康な対象における化合物1の多重投与のPK及び薬力学(PD)、ならびに化合物1の単回投与のPKに対する食事及び処方の影響を評価するための2パート2施設第1相試験であった。本試験のパート1及びパート2は、2つの異なる施設で実施した。
パート1:
パート1は、UV照射後のJNK活性に対する化合物1の効果を評価するためのオープンラベル多重投与3期間固定順序試験であった。
本試験は、スクリーニングフェーズ(第−21日〜第−2日)、投与前の最小紅斑量(MED)の決定、ベースライン(第−1日)、化合物1の漸増用量が投与される3つの治療/評価期間、及び追跡調査のための来院で構成された。各投与期間の間にウォッシュアウトは設けなかった。
最初の試行でMED決定がうまくいかなかった場合に備えて、第−2日までにMEDを決定した。MED評価に拘束は求めなかった。有効なMEDを有する被験者16名が、第−1日に、ベースライン評価(2倍のMED照射を含み、生検を伴う)及び拘束の開始のために、試験施設に来院した。
被験者は、第1日に、最低8時間の絶食後、初回投与を受けた。全ての被験者が、以下の固定順序で以下の化合物1の経口投与を受けた。
・治療A:AICとしての化合物1 60mg、QD×6日、
・治療B:AICとしての化合物1 160mg、QD×6日、及び
・治療C:AICとしての化合物1 400mg、QD×6日。
各治療の間にウォッシュアウトは設けなかった。拘束終了は第19日であった。追跡調査のための来院は、第3期間の最終投与後7〜10日日(すなわち、第25日〜第28日)に行われた。早期中止(ET)の来院は、中止日の10日以内になされた。
パート2:
パート2は、3期間のオープンラベル無作為化クロスオーバー試験であった。本試験は、スクリーニングフェーズ(第−21日〜第−2日)、ベースライン(第−1日)、3つの治療/評価期間、及び電話による追跡調査で構成された。
適格性のある被験者12名が、期間1の第−1日に、拘束及びベースライン評価のために試験施設に来院した。引き続き試験への参加適格性を有する被験者を、期間1の第1日に、3つの投与順序(表29)のうちの1つに無作為に割り当て、期間中、以下の投与レジメンのうちの1つが施された。
・治療D:2×AICとしての化合物1 100mg、絶食状態下で単回経口投与、
・治療E:1×製剤化された錠剤の化合物1 200mg、絶食状態下で単回経口投与、及び
・治療F:1×製剤化された錠剤の化合物1 200mg、摂食状態(標準高脂肪朝食)下で単回経口投与。
投与前少なくとも10時間、全ての被験者を一晩絶食させた。治療Fの場合、被験者に、投与の30分前に、標準高脂肪朝食を提供した。食事提供後30分(±5分)に投与を行った。
各治療期間は、7〜8日のウォッシュアウト期間により間隔を置いた。被験者は、最終期間の第5日に、試験手順が完了したら、試験施設から退院した。第3期間の最終投与から7日後に試験終了(EOS)の電話を行った。
試験デザインの考察、対照群の組み入れ選択
パート1:
これは、ヒト皮膚における化合物1のJNK阻害に対する効果を評価するための固定順序多重治療(低用量から高用量)デザインであった。化合物1の3つの用量レベルを調査して曝露反応関係を得た。固定順序により、試験の効率的な実施が可能であった。各治療間にウォッシュアウトを設けなかったが、化合物1の濃度が定常状態に達することが予想され、またPK及びPDが評価される、各治療期間の第6日に、PD及びPKのキャリーオーバー効果は予想されなかった。固定順序デザインとの時間の交絡因子は、PK及びPDの両方の観点から限定されていた。したがって、この固定順序デザインは、試験目的の適切な評価を可能にするものであった。
本試験は、試験責任医師、被験者及び試験依頼者に対してオープンラベルであったが、皮膚パンチ生検試料の処理及び分析を行う第三者に対してはブランドにした。
各治療は、6日間のQDであった。曝露の定常状態は、第6日までに達することが予想された。
紫外線曝露は、ベースライン時と、化合物1の定常状態におけるTmaxが予想される各治療の第6日における投与後2時間とに行った。UV照射量は、JNKを活性化することが証明されているUVBのMEDの2倍量であった。UV曝露後8時間に皮膚生検検体を採取した。この時間は、c Junリン酸化が安定状態に達する時間である。皮膚生検検体は、ベースラインで1つ、各治療期間の6日目にそれぞれ1つ、合計で4つ採取した。
2倍のMEDのUV曝露及び皮膚生検の手順は、健康な被験者に十分許容されるものであった。
パート2:
これは、化合物1の相対的バイオアベイラビリティ及び食事影響を評価するための無作為化単回投与3方向クロスオーバーデザインであった。絶食状態下で投与された単一の200mgの化合物1の製剤化された錠剤(治療E)のバイオアベイラビリティを、2×AICとしての化合物1 100mg(治療D)と比較して評価した。食事影響については、絶食状態下で投与された200mgの化合物1の製剤化された錠剤(治療E)と、摂食状態下で投与された200mgの化合物1の製剤化された錠剤(治療F)とを比較することによって調査した。
試験集団の選択
組み入れ基準
被験者は、本試験への登録に適格であるためには、以下の基準の全てを満たしていた必要がある。
1.試験に関連する何らかの評価/手順が実施される前に、書面によるインフォームドコンセント文書(ICD)を理解し、自発的に署名していなければならなかった。
2.試験責任医師とコミュニケーションを取り、試験来院スケジュール及び他のプロトコール要件を理解することができ、これを厳守することに同意していなければならなかった。
3.ICD署名時に年齢が18〜65歳(18歳以上65歳以下)である男性または女性*でなければならなかった。
*妊娠可能な女性(WCBP)は、試験期間中及び試験終了時における妊娠検査の継続に同意していなければならなかった。これは、被験者が異性との性的接触からの完全禁欲を実施した場合でも適用された。WCBPは、子宮摘出を受けていないか、または少なくとも24ヶ月連続して自然閉経していない(すなわち、先行する連続24ヶ月のいずれかの時点で月経があった)性的に成熟した女性であった)。
a.女性は、試験薬の開始前28日、試験治療中(投与中断も含む)及び試験薬の中止後少なくとも28日間、中断なく、異性との性的接触からの完全禁欲**(毎月確認されていなければならない)を誓約しているか、または効果の高い2つの避妊法の使用に同意し、かつこれを順守できていなければならなかった。
b.妊娠可能でない女性は、スクリーニングから少なくとも6ヶ月前に外科的に不妊となっているか(子宮摘出または両側卵管結紮)、または閉経後(スクリーニング前に月経が24ヶ月なく、スクリーニング時に血漿中卵胞刺激ホルモンが40IU/Lを超えるものとして定義)でなければならなかった。卵管結紮の場合、文書の提出を要した。
4.男性は、有効な精管切除を受けた場合であっても、試験薬の実施中、すなわち本試験の参加中、投与中断中及び試験薬の中止後少なくとも28日間、完全禁欲**を実施しているか、または妊娠女性もしくはWCBPとの性的接触時にコンドーム(ラテックス製コンドームが推奨された)を使用することに同意していなければならなかった。
**完全禁欲は、被験者の好ましい通常のライフスタイルと一致したときに許容可能であった(周期的禁欲(例えば、カレンダー法、排卵法、症候体温法、排卵後法)及び膣外射精法は、許容される避妊法ではなかった)。
5.ボディマス指数(BMI=体重(kg)/(身長(m)2)18〜33kg/m2(18kg/m2以上から33kg/m2以下の間)を有していなければならなかった。
6.試験責任医師の決定により、病歴、PE、臨床検査による試験結果、バイタルサイン及び12誘導ECGに基づいて、健康でなければならなかった。
a.無熱でなければならなかった(発熱は38℃または100.3°F超と定義された)。
b.収縮期血圧80〜140mmHgの範囲、拡張期血圧40〜90mmHgの範囲、及び脈拍数40〜110拍/分の範囲を有していなければならなかった。
c.Fridericiaの式を用いて心拍数に対して補正したQT間隔の値が男性被験者で430msec以下、女性被験者で450msec以下でなければならなかった。ECGは、被験者の適格性を決定するために、最大3回繰り返すことができた。
7.パート1のみに対する追加基準:
a.Fitzpatrickの皮膚タイプIまたはIIを有していなければならなかった。
b.投与前10日以内に有効なMEDを有していなければならなかった。
除外基準
以下のいずれかの存在により、被験者を本試験の登録から除外した。
1.何らかの臨床的に有意である神経系、胃腸系、肝臓、腎臓、呼吸器系、心血管系、代謝系、内分泌系、血液系、皮膚系、心理学的または他の主要な障害の病歴(すなわち、3年以内)を有した。
2.検査所見の異常の存在を含む何らかの状態であって、試験に参加した場合、被験者に許容できないリスクをもたらすか、または試験からのデータ解釈力を交絡させると思われる状態を有した。
3.初回投与から30日以内に、ワクチンを含む、何らかの全身または局所的な処方薬物を使用した。
4.初回用量投与から14日以内に、何らかの全身または局所的な非処方薬物(薬草を含む)(ビタミン/ミネラルサプリメントは除く)を使用した。
5.初回用量投与から30日以内に、何らかの代謝酵素阻害物質または誘導物質(すなわち、シトクロムP450[CYP]3A誘導物質及び阻害物質またはセント・ジョーンズ・ワート)を使用した。
a.CYP3A4の阻害物質及び/または誘導物質の決定には、インディアナ大学の「Cytochrome P450 Drug Interaction Table」を使用した。
6.薬物吸収、分布、代謝及び排泄に影響する可能性がある何らかの外科的または医学的状態(例えば、肥満手術)を有した。
a.虫垂切除及び胆嚢切除は許容可能とした。
7.初回用量投与前8週間以内に献血または血漿成分献血をした。
8.投与前2年以内の薬物乱用(現行版の診断・統計マニュアル(DSM)により定義)の病歴または不法薬物の摂取を示す陽性の薬物スクリーニング試験を有した。
9.投与前2年以内のアルコール中毒(現行版のDSMにより定義)の病歴または陽性のアルコールスクリーニングを有した。
10.スクリーニング時に、血清肝炎を有することがわかっていたか、B型肝炎表面抗原もしくはC型肝炎抗体の保持者であることがわかっていたか、またはヒト免疫不全ウイルス抗体検査について陽性結果を有した。
11.初回用量投与前30日以内、または既知である場合には試験薬(新規化学物質)の5半減期以内(いずれか長いほう)に、試験薬の曝露を受けた。
12.1日10本以上のタバコまたは他のタバコ製品で同等量を喫煙していた(自己申告)。
13.多数の薬物アレルギー(すなわち、2つ以上)の病歴を有した。
パート1のみにおける被験者の追加除外基準:
1.サンバーン、日焼け、不均一な皮膚色調、入れ墨、瘢痕、過剰な体毛、多数のしみまたは任意の他の傷により、試験部位及び試験部位周辺の皮膚を評価できなかった。
2.試験開始(第1日)から7日以内に何らかのクリームまたはローション(すなわち、日焼け止め指数(SPF)を有するもの)を試験領域(すなわち、臀部)に使用した。
3.試験開始から4週間以内に、刺激もしくは感作の何らかの試験または試験領域へのUV曝露を伴う何らかの試験に参加した。
4.過去2ヶ月以内に生検(計画された試験領域におけるもの)を必要とする別の試験に参加した。
5.創傷治癒または血液凝固の異常に関する病歴を有した。
6.皮膚損傷後の皮膚ケロイド形成または肥厚性瘢痕形成の病歴を有した。
7.日光への曝露による重症反応の病歴を有した。
8.リドカインまたは他の類似の局所麻酔薬に対するアレルギーの病歴を有した。
9.エピネフリンに対するアレルギーの病歴を有した。
治療または評価からの被験者の除外
以下の事象は、被験者が試験用医薬品及び/または本試験を中止するのに十分な理由であるとみなされた。
・有害事象、
・被験者による脱落、
・死亡、
・追跡調査不能、及び
・プロトコール違反。
中止の理由は、原資料及び症例報告書(CRF)に記載された。
被験者の中止の決定は、治療担当医師の責任に帰属し、試験依頼者による遅延や拒否はなかった。ただし、試験責任医師は、被験者の中止の前に、メディカルモニターに連絡を取り、検討及び考察のために適切な関係文書を送付することができた。
何らかの理由で被験者が試験を中止する場合は、ET来院が行われた。ET来院時に追跡調査のための来院に関して予定された手順が確実に実施されるように、あらゆる努力がなされた。
治療
行われた治療
パート1:
全ての被験者が、以下のAICとしての化合物1の経口投与を受けた。
・第1日〜第6日:治療A:化合物1 60mg AIC、QD×6日、
・第7日〜第12日:治療B:化合物1 160mg AIC、QD×6日、及び
・第13日〜第18日:治療C:化合物1 400mg AIC、QD×6日。
治療は、少なくとも8時間の一晩の絶食後の朝に行われた。投与は全て、240mLの室温の非炭酸水とともになされた。水は、薬物投与の前後1時間を除き、希望とおりに許可された。各投与期間の6日目における朝の投与後の最初の食事は、投与後4時間であった。その他の全ての投与日には、投与後最低2時間の後に次の食事/スナックが提供された。
被験者は、投与後少なくとも2時間、半横臥位を維持した。
パート2:
各期間の第1日に、被験者は、各治療(D、EまたはF)を受けた。
・治療D:2×AICとしての化合物1 100mg、絶食状態下で単回経口投与、
・治療E:1×化合物1 200mg(製剤化された錠剤)、絶食状態下で単回経口投与、及び
・治療F:1×化合物1 200mg(製剤化された錠剤)、摂食状態(標準高脂肪朝食)下で単回経口投与。
治療D及びEは、少なくとも10時間の一晩の絶食後の朝に行われた。治療D及びE(絶食)を受ける被験者は、投与後少なくとも4時間、絶食を続けた。治療Fの場合、被験者には、投与前の30分に、標準高脂肪(食事の総カロリー含量のうち50%)高カロリー(約800〜1000カロリー)朝食が提供された。食事は、約150、250及び500〜600カロリーをそれぞれタンパク質、炭水化物及び脂肪から得られるものであった。被験者は、提供から30分以内に全ての食事を摂取した。食事提供後30分(±5分)に投与を行った。
被験者には、割り当てられた治療に応じて、AICとしての100mg化合物1を2錠または200mg錠剤を1錠投与した。投与は全て、240mLの室温の非炭酸水とともになされた。水は、薬物投与の前後1時間を除き、希望とおりに許可された。
試験用医薬品の識別
被験者の治療群への割り付け方法
投与前に、被験者のイニシャル及び臨床施設によって割り当てられたスクリーニング固有番号により各被験者を識別した。期間1の第1日の朝、かつ投与前に、各被験者に固有の被験者番号を割り当てた。
パート2では、期間1の第1日の朝の投与前に、コンピュータ生成無作為化コードに基づいて、3つの治療順序のうちの1つに被験者をランダムに割り付けた。
試験における用量の選択
パート1:
化合物1の用量は、60、160及び400mg QD×6日であった。入手可能なヒトPK及び前臨床薬理学データに基づけば、これらの用量により、最小と最大の両方のJNK阻害を含むPD効果範囲がもたらされることが予測された。この用量範囲はまた、ラットで抗線維化活性が観察されたAUC(23400ng・h/mL)に相当するAUCをもたらす用量(240mg QD)を包含した。
更に、選択された化合物1の用量は、毒性試験及びヒトの経験により裏付けられた。ラット及びイヌにおけるGLP多重投与毒性試験で化合物1を28日間試験した。有害反応レベルが観察されなかったイヌのAUCは、81200ng・h/mLであった。これは、定常状態で480mg QDが投与されているヒトで観察されるAUCよりも高く、最大480mg QD×14日の化合物1の用量は健康な被験者に十分許容されるものであった。
パート2:
製剤化された錠剤の最大単位力価は、200mgの化合物1であった。その他の単位力価を有する錠剤は、同じ処方である。AICの利用可能な力価は、10、30及び100mgであった。したがって、単一の200mg錠剤(治療E)のバイオアベイラビリティを、2×100mg AIC参照(治療D)と比較して試験した。
製剤化された錠剤は、将来の臨床試験に使用するために計画されたものであり、したがって、食事影響について、絶食状態下で投与された200mgの化合物1の製剤化された錠剤(治療E)のPKを、摂食状態下で投与された200mgの化合物1の製剤化された錠剤(治療F)と比較して評価した。
薬物動態、薬力学及び安全性の変量
薬物動態学的パラメータ
薬物動態学的試料採取の方法及びタイミング
パート1:
化合物1の血漿PK分析のための血液試料は、第6、第12及び第18日の次の時点:投与前ならびに投与後0.5、2、4、6、10、12及び24時間に採取した。
パート2:
化合物1の血漿PK分析のための血液試料は、全期間の次の時点、すなわち投与前ならびに投与後0.5、1、1.5、2、2.5、3、5、8、12、24、36、48、72及び96時間に採取した。
治療D(化合物1 AIC、絶食)中、各PK時点でDBS試料(ランセットにより指に)を被験者から採取し、化合物1の全血中濃度を測定するために使用した。
薬物濃度の決定
化合物1の血漿中濃度は、検証済み液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC−MS/MS)法を使用して測定した。パート2における化合物1の全血中濃度は、検証済みLC−MS/MS法を使用して測定した。
薬物動態学的パラメータの算出
血漿及び全血PKの各パラメータをノンコンパートメント解析により化合物1について得た。PKパラメータの算出には実際のサンプリング時間を使用した。
パート1:
AUCτ:0時間からタウ時間までのAUC、タウは投与間隔。
Cmax:最高血漿中濃度。
Cmin:最低血漿中濃度。
Tmax:Cmaxまでの時間。
パート2:
AUCt:0時間から最終定量可能濃度までのAUC。
AUC∞:0時間から無限大時間まで外挿したAUC。
Cmax:最高血漿中濃度。
Tmax:Cmaxまでの時間。
CL/F:経口投与時の見かけの全身血漿クリアランス。
Vz/F:経口投与時の見かけの総分布容積。
t1/2:終末相の消失半減期。
薬力学的パラメータ
薬力学的試料採取の方法及びタイミング
パート1の場合、期間1の登録から2日前(すなわち、第−2日)までに左臀部の6つの非保護部位にUV強度を漸増させてUVB曝露し、UVB曝露から約24時間(±1時間)後にMEDを決定した。
ベースライン(第−1日)及び各投与期間の6日目(第6、第12及び第18日)に、被験者のウエストラインと殿裂との間の右臀部上部に皮膚試験部位を線で囲んだ。右臀部は、4つの異なる試験部位、すなわち、ベースライン時の2倍MED照射のための1つの部位及び3つの投与期間それぞれの部位に分けられた。各試験部位は、最低3cm×3cmであった。被験者は、第6、第12及び第18日に照射が計画されている投与後2時間とほぼ同じ時間にベースライン(第−1日)時の2倍のMEDのUV照射を受けた。UV照射から8時間後(±10分)、UV曝露部位から皮膚パンチ生検検体を採取した。生検検体は、第三者によって組織スライドに処理され、免疫組織化学(IHC)による分析がなされた。この第三者は、治療期間(ベースライン及び用量)について知らされなかった。
薬力学的パラメータの決定
生検検体のPhospho−c−Jun発現についてIHCにより分析した。Phospho−c−JunのIHCデータは、治療について知らされていない熟練した個人が、組織切片内で染色された表皮ケラチノサイト核の強度及び数に基づいて0〜4のスケールで主観的に評価した。IHCはまた、積分光学濃度の自動測定によっても分析した。
被験者
被験者の内訳
全体で、28名の被験者が本試験に登録し、27名の被験者が試験を完了した。パート1において、被験者16名のうち15名が試験を完了した。パート2に登録し、無作為化された被験者は、12名全員が試験を完了した。パート1において、被験者1名がウイルス感染である治療下で発現した有害事象(TEAE)を発現したが、試験責任医師によって、化合物1との関連はないであろうと評価された。ウイルス感染は、第10日に始まり、第11日に試験手順の中止に至った。被験者は、本人の求めにより第13日に退院するまで、モニタリングのために施設に留まった。被験者の内訳に関する概要を表32に表す。
N=被験者の総数、PD=薬力、PK=薬物動態。
注:中止理由の百分率は、試験から早期離脱した被験者の数に基づく。その他の全ての百分率は、登録被験者数に基づく。
薬物動態/薬力学の評価
分析集団
薬物動態集団:
PK集団には、少なくとも1回用量の化合物1が投与された本試験の被験者28名全員(パート1で16名及びパート2で12名)を含めた。パート1の被験者1名が第11日に試験手順を中止した。したがって、この被験者の第12日または第18日におけるPK試料は、採取されなかった。
薬力学集団:
PD集団には、所定期間内に全ての所要量の化合物1の投与を受け、2倍のMEDが曝露され、少なくとも1つの治療期間の評価可能な生検検体(ベースライン生検検体を除く)のある、本試験のパート1の被験者16名のうち15名を含めた。被験者1名は、そのベースラインのphospho−c−Jun光学濃度スコアが、他の被験者のベースラインスコアの平均以下の4標準偏差(SD)を超えていたためPD集団から除外した。別の被験者は、第11日に試験を中止したため、第12日または第18日の評価可能な生検検体はなかったが、第6日以降の生検データがあったため、PD集団に含めた。
薬物動態/薬力学の結果
薬物動態の結果
化合物1の血漿中濃度及び全血中濃度
化合物1(パート1及びパート2)の時間に対する平均(±標準偏差)血漿中濃度プロファイルをそれぞれ図103、図104及び図105に示す。
個々の濃度−時間データを検討すると、全ての用量レベルで、被験者の大多数が投与後96時間まで定量可能な化合物1血漿中濃度を示すことが判明した。図106に示すように、化合物1の血漿中濃度は全血中濃度と高度に相関した。
パート1及びパート2の血漿薬物動態パラメータに関する要約統計をそれぞれ表33及び表34に表す。
パート1:
化合物1は、評価した各用量レベルで、Tmax中央値が投与後約1.0〜4時間であり、単回または多重経口投与後、速やかに吸収された。Cmaxに到達した後、化合物1は、双指数関数的に血漿から減少し始めた。化合物1の平均終末相半減期は、多重投与後の約14〜21時間であると推定された。化合物1の全身曝露(AUC∞、AUCt及びCmax)は、用量が60mgから400mgに増えるにつれ、多重経口投与後、用量比例性を上回って増加するようであった。
AUC0−τ=0時間からτ(タウ)時間までの血漿中濃度対時間曲線下面積、τは24時間(投与間隔の長さ)、Cmax=最高血漿中濃度、Cmin=投与後24時間での血漿中濃度、CV=変動係数、N=被験者総数、Tmax=最高血漿中濃度到達時間。
a)Tmaxは、中央値(最低値、最高値)として表す。
治療A:AICとしての化合物1 60mg、QD×6日。
治療B:AICとしての化合物1 160mg、QD×6日。
治療C:AICとしての化合物1 400mg、QD×6日。
AUC∞=0時間から無限大時間までの血漿中濃度対時間曲線下面積、AUCt=0時間から最後の定量可能な濃度までの血漿中濃度対時間曲線下面積、Cmax=最高血漿中濃度、CL/F:見かけの全身血漿クリアランス、N=被験者総数、t1/2=終末消失半減期、Tmax=最高血漿中濃度到達時間、Vz/F=見かけの総分布容積。
a)Tmaxは、中央値(最低値、最高値)として表す。
治療D:2×AICとしての化合物1 100mg、絶食状態下で単回経口投与。
治療E:1×製剤化された錠剤(複数可)としての化合物1 200mg、絶食状態下で単回経口投与。
治療F:1×製剤化された錠剤(複数可)としての化合物1 200mg、摂食状態下で単回経口投与。
パート2において、化合物1は、2×100mgカプセル剤または200mg錠剤の単回経口投与として行った。絶食状態下において、錠剤は、カプセル剤と比較して同等のAUCt及びAUC∞に達したが、Cmax(約17%)は、カプセル剤処方に比べて低かった(表34)。Tmaxは、いずれの処方でも類似していた。
表33及び表35に示されるように、絶食状態または摂食状態下で200mg錠剤の単回経口用量として投与された化合物1は、同等のAUCt及びAUC∞をもたらしたが、摂食状態のCmaxは、絶食状態と比較してわずかに高かった(約6%差)。化合物1のTmax中央値は、絶食状態と比較して、摂食状態下で単一の200mg化合物1錠剤を投与した後には、0.87時間遅くなった(表36)。
薬物動態学的パラメータの統計分析
表35に示されるとおり、AUCt及びAUC∞に関する治療間の幾何平均比の90%信頼区間は、80%〜125%の範囲内に完全に含まれるが、Cmaxに関する治療間の幾何平均比の90%信頼区間は、80%〜125%の範囲外であった。統計分析は、ピーク濃度(Cmax)が約17%低いが、200mg錠剤が同等の曝露程度をもたらすことを更に裏付けている。この結果は、食事の存在が化合物1の錠剤処方のPKに影響を与えなかったことも示した。
化合物1を200mg錠剤または2×100mgカプセル剤として投与した場合、統計的に有意な変化は確認されなかった(p>0.05)。
化合物1を錠剤として食事とともに投与した場合、絶食状態と比較して、tmax中央値に統計的に有意な(p<0.05)増加(0.87時間の増加)が観察されたが(中央値の差の90%信頼区間はゼロを含まない)、この変化(0.87時間の吸収遅延)は、臨床的に有意性はないと思われる。
AUC0−∞=0時間から無限大時間まで外挿した血漿中濃度−時間曲線下面積、AUC0−t=0時間から最後の測定可能な時点であるt時間までのAUC、Cmax=最高血漿中濃度、LS=最小二乗。
治療D:2×AICとしての化合物1 100mg、絶食状態下で単回経口投与。
治療E:1×製剤化された錠剤(複数可)としての化合物1 200mg、絶食状態下で単回経口投与。
治療F:1×製剤化された錠剤(複数可)としての化合物1 200mg、摂食状態下で単回経口投与。
幾何最小二乗(LS)平均値、幾何LS平均値の比(摂食/絶食)及び当該比の90%信頼区間(CI)は、自然対数変換した薬物動態に対して、治療、期間及び順序を固定効果として含み、順序内にネストされた被験者をランダム効果として含む分散分析(ANOVA)モデルから得た。
比及び当該比の90%信頼区間は、百分率で表した。
被験者間変動係数=(exp(ANOVAの平均二乗誤差)−1)×100の平方根。
tmax=最高血漿中濃度到達時間。
治療D:2×AICとしての化合物1 100mg、絶食状態下で単回経口投与。
治療E:1×製剤化された錠剤(複数可)としての化合物1 200mg、絶食状態下で単回経口投与。
治療F:1×製剤化された錠剤(複数可)としての化合物1 200mg、摂食状態下で単回経口投与。
中央値、中央値の差(摂食−絶食)及び中央値の差の90%信頼区間は、Hodges−Lehmann推定量から得た。
p値は、ウイルコクソン符号順位検定から得た。
薬力学の結果
Phospho c−Junの免疫組織化学:定量分析
Aperioイメージングソフトウェア(Leica Biosystems)を使用して、Phospho c−JunのIHC画像を陽性核染色の積分光学濃度に関してQuintilesで分析した。Phospho c−junスコア(光学濃度スケール)は、Aperio核phospho c−jun定量的画像解析アルゴリズムにより決定した場合に、「3+」の染色強度(陽性染色を決定するためのカットオフ)を有する核の百分率を表す。個々の積分光学濃度のベースラインに対するパーセントを治療ごとに図107に表す。phospho c−jun染色は、60mg投与群ではベースラインから減少しないが、160mg投与群(p=0.18)では7.5%減少し、400mg群では29.5%減少する(p<0.0001)。
以下は、ベースライン値と比較して光学濃度スコアが減少した被験者の百分率である。
60mg投与:4/14=29%
160mg投与:11/13=85%
400mg投与:13/13=100%
Phospho c−Junの免疫組織化学:組織病理スコア
Phospho c−Jun免疫組織化学(IHC)画像を、Quintilesの2名の独立した病理学者が0〜4のスコアスケールを使用して、評価した。上皮c−Jun陽性核の百分率は、以下のように評価された。
0=0%〜19%
1=20%〜39%
2=40%〜59%
3=60%〜79%
4=80%〜100%
個々の組織病理スコア中央値を治療ごとに図107に表し、ベースラインからの絶対変化を図108に表す。組織病理学スコア中央値のベースラインからの変化は、治療による有意な影響を受けない。3つの全治療群を通して、スコアの増加(14)よりも減少(18)が図面上多く、スコアが変化も減少もしていない個体の百分率は、用量依存的に増加する。60mg投与群で8/15=53%、160mg投与群で10/14=71%、及び400mg投与群で11/14=79%。
薬物動態及び薬力学の要約及び結論
薬物動態学の要約及び結論
化合物1のPKは、絶食状態または摂食状態下での200mgの単回経口用量、ならびに60mg、160mg及び400mg QDでの化合物1の多重経口用量の投与後の健康な被験者において良好に特徴付けられた。
化合物1の全身曝露(AUCt及びCmax)は、用量が60mgから400mgに増えるにつれ、多重投与後、用量比例性を上回って増加するようであった。
化合物1は、速やかに吸収され、血漿からゆっくりと消失し、終末消失t1/2は、200mgの単回経口投与後約20時間であった。
絶食状態下において、200mg錠剤の投与は、2×100mgカプセル剤の投与と比較して同等のAUCt及びAUC∞をもたらしたが、Cmax(約17%)は、カプセル剤処方に比べて低かった。
食事は、健康な被験者における化合物1の単回経口200mg錠剤のPKに影響を与えなかった。
化合物1の血漿中濃度は、全血中濃度によく相関した。
薬力学の要約及び結論
化合物1は、皮膚におけるUVB誘発phospho c−jun発現を用量依存的に阻害した。UVB誘発phospho c−junの減少は、試験した化合物1の最高用量400mgで29.5%であり、160mgの中間用量で−7.5%であり、60mgの最低用量で変化なしであった(積分光学濃度の自動定量的画像解析により測定)。
組織病理学者によるスコアリングシステムを使用すると、皮膚におけるUVB誘発phospho c−jun発現の化合物1関連阻害は、有意に達しなかった。これは、染色された表皮ケラチノサイト核の強度及び数に関する熟練した個人による主観的スコアリング(0〜4のスケール)を使用した、アッセイの限界に起因すると思われる。
安全性の概要及び結論
全体として、被験者28名のうち11名(39.3%)が17例のTEAEを報告した。
SAEまたは重症のTEAEを発現した被験者はいなかった。TEAEの大部分は、軽症の重症度であった。被験者1名がウイルス感染のTEAEにより試験を中止したが、これは、試験責任医師によって、化合物1との関連はないであろうと判断された。本試験全体で、被験者28名のうち11名(39.3%)が17例のTEAEを報告した。この試験で最もよくみられたTEAEは、本質的に胃腸系のものであり、悪心(被験者4名で観察)及び下痢(被験者2名で観察)が含まれ、これらは、試験責任医師によって、化合物1との関連が疑われると判断された。臨床的に有意な変化または所見は、いかなるものも、臨床検査による評価、バイタルサイン測定またはECGで確認されなかった。全体として、悪心及び下痢は、化合物1のSAD/MAD試験でこれまでに報告されており、標準的治療で管理可能であることから、試験中に顕著な臨床上の安全性に関する所見はなかった。
化合物1の多重投与は、60、160及び400mg AIC QDで6日間、健康な男性被験者に投与したとき、安全であり、良好な忍容性であった。摂食と絶食の両方の状態における製剤化された錠剤としての200mgの単回投与及び絶食状態におけるAICとしての200mgの単回投与は、健康な被験者で安全であり、良好な忍容性であった。
考察及び全体的結論
考察
本試験の主要目的は、
ヒト皮膚のUV照射後のJNK活性に対する化合物1の多重経口投与の効果を評価すること、
製剤化された化合物1錠剤の食事存在下におけるPKを評価すること、及び
単回経口投与後のAIC製剤に対する製剤化した化合物1錠剤の相対的バイオアベイラビリティを評価することであった。
副次的目的は、化合物1の単回及び多重経口投与ならびに食事と合わせて投与されたときの製剤化された化合物1錠剤の安全性及び忍容性を評価することであった。
パート1において、化合物1の定常状態曝露を決定するために、化合物1を60mg、160mg及び400mgの多重経口用量としてQDで6日間、投与した。化合物1の定常状態曝露(AUCt及びCmax)は、用量が60mgから400mgに増えるにつれ、多重投与後、用量比例性を上回って増加するようであった。変動係数に基づくと、PKパラメータの被験者間のばらつきは、概ね適度な範囲であった。
パート2において、化合物1を絶食状態及び摂食状態下で200mgカプセル剤または200mg錠剤の単回経口用量として投与して、200mg錠剤が200mgカプセル剤と同等の曝露を達成するかどうか、また食事が化合物1のPKに影響を与えるのかどうかについて特定した。
化合物1のPKは、Tmax中央値が全ての投与量で投与後約1.95〜3時間であり、すみやかな吸収であることが特徴付けられた。Cmaxに到達した後、化合物1は、双指数関数的に血漿から減少し始めた。化合物1の平均終末消失半減期は、約20時間と推定された。
絶食状態下において、単一の200mg錠剤の投与は、2×100mgカプセル剤の投与と比較して同等のAUCt及びAUC∞に達したが、Cmaxは、カプセル剤処方に比べて低かった(約17%)。Tmaxは、いずれの処方の投与後でも類似していた。これらの結果は、200mg錠剤が曝露程度において同等であり、ピーク曝露が約17%低いことを示している。このピーク曝露の低下は、食事として予想される場合、Tmaxまでの時間を延ばすことが多い。
絶食状態または摂食状態下で200mg錠剤の単回経口用量として投与された化合物1は、同等のAUCt及びAUC∞をもたらしたが、摂食状態のCmaxは、絶食状態と比較してわずかに高かった(約6%差)。化合物1のtmax中央値は、絶食状態と比較して、摂食状態下で単一の200mg化合物1錠剤を投与した後には、0.87時間遅くなった。Cmaxの差がわずかであり、AUC曝露に変化がないという結果から、食事は、化合物1のPKに有意性のある影響をもたらさないとみなされる。
化合物1は、phospho c−junのIHC光学濃度を定量的画像解析により測定したとき、皮膚におけるUVB誘発phospho c−junを用量依存的に阻害した。光学濃度スコアがベースラインから減少した被験者の百分率は、60mg投与群の29%から160mg投与群では85%まで、400mg投与群では100%まで増加した。光学濃度スコアのベースラインからの変化率として評価すると、化合物1は、皮膚におけるUVB誘発phospho c−junを、400mgの用量で29.5%有意に減少させ、160mgの用量では7.5%の非有意の減少であった。
化合物1は、60、160または400mg AICの多重経口用量としてQDで6日間、健康な被験者に投与したとき、安全であり、良好な忍容性であった。200mg化合物1の単回経口投与は、絶食状態下でAICまたは製剤化された錠剤として、また摂食状態下で製剤化された錠剤として健康な被験者に投与したとき、安全であり、良好な忍容性であった。
SAEまたは重症のTEAEを発現した被験者はいなかった。TEAEの大部分は、軽症の重症度であった。被験者1名がウイルス感染のTEAEにより試験を中止したが、これは、試験責任医師によって、化合物1との関連はないであろうと判断された。本試験全体で、被験者28名のうち11名(39.3%)が17例のTEAEを報告した。この試験で最もよくみられたTEAEは、本質的に胃腸系のものであり、悪心(被験者4名で観察)及び下痢(被験者2名で観察)が含まれ、これらは、試験責任医師によって、化合物1との関連が疑われると判断された。臨床的に有意な変化または所見は、いかなるものも、臨床検査による評価、バイタルサイン測定またはECGで確認されなかった。
結論
薬物動態に関する結論
化合物1の全身曝露(AUCt及びCmax)は、用量が60mgから400mgに増えるにつれ、多重投与後、用量比例性を上回って増加するようであった。
絶食状態下において、200mg錠剤の投与は、200mgカプセル剤の投与と同等のAUCt及びAUC∞をもたらしたが、Cmaxがより低いこと(約17%)が確認された。
食事は、健康な被験者における化合物1の単回経口200mg錠剤のPKに影響を与えなかった。
化合物1の血漿中濃度は、化合物1の全血中濃度によく相関した。
薬力学に関する結論
化合物1は、皮膚におけるUVB誘発phospho c−jun発現を用量依存的に阻害した。UVB誘発phospho c−junの減少は、試験した化合物1の最高用量400mgで29.5%であり、160mgの中間用量で−7.5%であり、60mgの最低用量で変化なしであった(積分光学濃度の自動定量的画像解析により測定)。
組織病理学者によるスコアリングシステムを使用すると、皮膚におけるUVB誘発phospho c−jun発現の化合物1関連阻害は、有意に達しなかった。これは、染色された表皮ケラチノサイト核の強度及び数に関する熟練した個人による主観的スコアリング(0〜4のスケール)を使用した、アッセイの限界に起因すると思われる。
安全性に関する結論
化合物1は、60、160及び400mg AICの多重経口用量としてQDで6日間投与したとき、健康な男性被験者において安全であり、良好な忍容性であった。
200mg化合物1の単回経口投与は、絶食状態下でAICまたは製剤化された錠剤として、また摂食状態下で製剤化された錠剤として投与したとき、健康な被験者において安全であり、良好な忍容性であった。
6.9.肺線維症の被験者における化合物1の12週間の多重投与に関する安全性、忍容性、薬物動態学及び薬力学を評価するための第1b相多施設オープンラベル時差的投与試験
主要目的:肺線維症の被験者における化合物1の安全性及び忍容性を評価すること。
副次的目的:肺線維症の被験者の血漿試料から化合物1の薬物動態学的(PK)プロファイルを評価すること。
試験デザイン。本試験は、オープンラベル時差的用量増加コホート拡大試験であり、アメリカ合衆国(USA)及びオーストラリアの複数試験施設で被験者登録を行う。本試験は、以下の2つの治療群から構成される。
−低用量(100mg)の化合物1、連続12週間1日1回(QD)経口投与。
−高用量(200mg)の化合物1、連続12週間QD経口投与。
化合物1の高用量群は、少なくとも3名の被験者が最低2週間の低用量の化合物1を完了し、低用量治療群が試験用量増加の中止基準を満たさないと判定されるまで開始されない。
各被験者は、スクリーニング期間(治療前4週間まで)、12週間の治療フェーズ及び4週間の追跡調査のための来院に参加する。被験者は、適格性についてスクリーニングされる。スクリーニング時に組み入れ基準の全てを満たし、除外基準のいずれをも満たさない被験者は、第1日に、評価のために、また被験者の登録された用量レベルに従って化合物1のQD用量の投与を開始するために、試験施設に来院する。3名の被験者がまず登録され、低用量の化合物1 100mgのQDを受け、2週間の治療にわたって、予定された全ての評価について評価される。合計で3名の被験者が第2週の来院を完了したら、高用量レベル(200mg QD)での試験継続についての決定がなされる。
高用量への増加に関する基準が満たされる場合、低用量(100mg QD)の被験者は低用量を続け、更なる3名の被験者が高用量レベル(200mg QD)に登録される。高用量への増加に関する基準が満たされない場合、後続の治療群を決定するために、予め定められた用量増加決定ツリーが利用される。低用量(100mg QD)での被験者3名のうち1名が、個々の被験者における投与中止基準を満たす事象を発現した場合、別の3名の被験者が低用量群に登録される。被験者3名のうち2名以上が、個々の被験者における投与中止基準を満たす場合、用量増加は行われない。個々の被験者が、個々の被験者における中止基準のいずれかを満たす事象を発現しない限り、全ての被験者(低用量及び高用量)は、合計12週間、化合物1を継続する。更に、化合物1の用量は、個々の被験者における減量基準のいずれかを満たす高用量レベル(200mg QD)の任意の個々の被験者に関して、低用量レベル(100mg QD)に減量されてもよい。高用量群の2名以上の被験者が、個々の中止基準を満たす事象を発現した場合、更なる3名の被験者で200mg QD用量群が繰り返されるか、または更なる3名の被験者が高用量に登録されるか、または試験が中止され得る。
試験来院は、スクリーニング時、第1日及び第1、第2、第3、第4、第6、第8、第10、第12及び第16週に行われる。臨床安全性検査評価、PK評価及びPD分析のために、血液及び尿試料が指定時間に採取される。安全性は、試験全体を通して観察される。
被験者が試験を中止する場合は、早期中止来院が行われる。
試験集団。試験集団は、肺線維症を患う少なくとも18歳の成人男性または成人女性の被験者約9〜18名から構成される。具体的には、被験者は、コンピュータ断層撮影に基づいて確認された通常型間質性肺炎(UIP)のパターンもしくは非特異性間質性肺炎(NSIP)のパターン、または外科的肺生検で確認された線維性NSIPもしくはUIPのパターンを有する。基礎疾患には、限定するものではないが、結合組織疾患を伴う間質性肺疾患、間質性肺線維症、特発性肺線維症(IPF)、環境性もしくは薬剤性肺線維症またはヘルマンスキー・パドラック症候群が含まれ得る。
試験の期間。各被験者の試験期間は、最長20週間であり、4週間のスクリーニング期間、12週間の治療フェーズ及び4週間の追跡調査を含む。試験の総期間は、最初の被験者の最初の来院から最後の被験者の最後の来院までで、約12ヶ月が見込まれる。
試験の終了。試験の終了は、試験を完了するための最後の被験者の最後の来院日またはプロトコールもしくは統計解析計画書において予め指定された主要解析、副次的解析及び/もしくは探索的解析に必要とされる最終データポイントの最後の被験者からの受領日のいずれか遅い日として定義される。
試験治療。試験治療群は、以下を含む。
−低用量(100mg)の化合物1、12週間QD経口投与。
−高用量(200mg)の化合物1、12週間QD経口投与。
化合物1の高用量群は、少なくとも3名の被験者が最低2週間の低用量の化合物1を完了し、低用量治療群が試験用量増加の中止基準を満たさないと判定された後に開始される。
個々の被験者における中止基準。被験者に対する化合物1の投与は、以下の個々の被験者における中止基準のいずれかが生じた場合、中止されるものとする。
−悪心、嘔吐または下痢であって、電解質(ナトリウム、クロール、カリウム及び/またはクレアチニン)異常をもたらし、かつ/または静脈水分補給を要するもの。
−試験責任医師の決定による腸重積症、腸閉塞症または中程度/重症の消化管出血。
−試験責任医師により化合物1に関連するとみなされたあらゆる重篤な有害事象(SAE)。
−アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が8×正常値上限(ULN)を超える。
−ALTまたはASTが2週間を超えて5×ULNを超える。
−ALTまたはASTが3×ULNを超え、総ビリルビンが2×ULNを超える。
−ALTまたはASTが3×ULNを超え、疲労、悪心、嘔吐、右上腹部痛または圧痛、発熱、発疹及び/または好酸球増加(5%超)の出現を伴うもの。
−被験者に許容できないリスクを与えると思われる他のあらゆる事象。
アミノトランスフェラーゼASTもしくはALTまたはビリルビン増大に基づいて、個々の被験者における投与中止基準を満たす被験者は、再投与されるべきではない。AST、ALTまたはビリルビン増加以外の事象に対する再投与は、試験責任医師の裁量で行うことができる。被験者には、個々の被験者における中止基準を満たす前に投与されていた用量と同じ用量が再投与されるものとする。ただし、高用量群の被験者は、試験責任医師及び試験依頼者がその被験者の最善の利益になると決定した場合、100mgに減量され得る。
試験責任医師により化合物1の投与に関連するとみなされた個々の被験者の投与中止基準を満たす事象を発現している被験者は、その被験者が合計2週間の投与を完了していない場合であっても、用量増加決定時に考慮される。
個々の被験者における減量基準。個々の被験者における減量基準は、高用量の化合物1が投与されている被験者にのみ適用される。低用量の化合物1が投与されている被験者には減量は存在しないので、これらの基準を満たす低用量被験者は、注意深く観察されるか、100mg QDの再投与(試験責任医師の裁量)前に投与中断について検討されるか、または投与中止もしくはその事象が個々の被験者における中止基準を満たす程度まで悪化した場合には試験の中止について検討されるものとする。
200mgのQD投与の被験者が、個々の被験者における減量基準を満たす事象を発現する場合、被験者がその事象から回復した後、用量を100mg QDに減量することができる。被験者の用量は、以下の個々の被験者における減量基準のいずれか1つが生じた場合、減らされるものとする。
−ALTまたはASTが3×ULNを超え、これが反復分析で確認され、かつ個々の被験者における中止基準を満たさず、かつ重症の肝毒性の徴候がないもの。試験責任医師はまた、交絡する医薬品の中止と、被験者の注意深い観察も検討するものとする。
−腹部不快感、悪心または嘔吐などの中程度または重症の胃腸系有害事象(AE)を発現しているあらゆる被験者は、試験責任医師の裁量で対処療法的に治療され得る(オンダンセトロン、サリチル酸ビスマス、5−HT3など)。その事象が5日後に改善されない場合、その事象が改善するまで投与が保留され、改善した時点で化合物1が減量用量で再開される。
−試験責任医師により化合物1に関連するとみなされ、かつ試験責任医師により用量を減量することで改善するとみなされたあらゆる他の事象。試験責任医師は、このようないずれかの用量の減量について、速やかにCelgeneに通知するものとする。
試験用量増加の中止基準。100mgの低用量治療群から200mg QDの高用量群への増加を中止するための基準は、少なくとも3名の被験者が最低2週間の低用量の化合物1を完了した後に評価される。化合物1の高用量(200mg QD)群は、予め定められた用量増加基準が満たされる場合にのみ登録される。
各用量増加前に検討される安全性パラメータには、関連AE、身体検査の所見、バイタルサイン、12誘導心電図、臨床検査による安全性試験及び併用薬/処置に関する検討が含まれる。
薬物動態評価の概要。以下による薬物動態評価項目。
−まばらに採取した化合物1の血漿試料中濃度
−まばらに採取した化合物1の乾燥血液スポット試料中の濃度
以下のパラメータ(これらに限定されない)に関する必要に応じた母集団ベースPK法:
−見かけのクリアランス。
−見かけのセントラル分布容積。
−一次吸収速度。
−母集団PK解析では疾患を共変量として探索することが可能である。薬物の最高血漿中濃度及び血漿中濃度−時間曲線下面積などの導出されるPKパラメータはまた、必要に応じて、集団PKモデルに基づいて決定されてもよい。
薬力学評価の概要。PDバイオマーカーのための採血には、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
−マトリックスメタロプロテイナーゼ−7
−テネイシンC
有効性評価の概要。探索的有効性評価は以下を含む。
−少なくとも、努力肺活量、一秒量及び肺拡散能を含むものとする、肺機能検査。
−パルスオキシメトリによる酸素飽和度。
安全性評価の概要。安全性は、試験全体を通して観察される。化合物1の安全性は、以下の評価に基づいて評価される。
−完全な身体検査。
−臨床検査による評価(化学、血液学、顕微鏡検査を伴う尿検査)。
−尿妊娠検査。
−miR−122レベル。miR−122レベルの迅速な反射的評価は、肝毒性の臨床的徴候もしくは肝機能試験の異常(ASTまたはALT>2.5×ULN)に対して、または試験責任医師の裁量により、実施される。
−血清学(B型肝炎表面抗原、C型肝炎ウイルス抗体及びヒト免疫不全ウイルス)
−肝臓超音波診断。
−INR。
−心拍数、血圧、呼吸数及び体温を含むバイタルサイン。
−12誘導心電図。
−有害事象。インフォームドコンセント書式に署名がなされた時点から化合物1の最終投与後28日までの試験全体を通して、全てのAEが観察され、記録される。それ以後のいずれかの時点で試験責任医師に知らされ、化合物1の投与との関連が疑われる、あらゆるSAEも報告されなければならない。
−被験者がインフォームドコンセント書式に署名した時点から試験終了まで、併用薬及び併用処置が検討され、記録される。
迅速な反射的評価は、肝毒性の臨床的徴候もしくは肝機能試験の異常(ASTまたはALT>2.5×ULN)に対して、または試験責任医師の裁量により、実施される。肝毒性の反射的評価には、臨床検査による評価、miR−122、肝臓超音波診断、B型肝炎表面抗原、C型肝炎ウイルス抗体及びヒト免疫不全ウイルスに関する血清学、ならびに国際標準比の繰り返しが含まれる。被験者の徴候及び症状に基づいて、更なる評価が試験責任医師の裁量で実施されるものとする。試験責任医師はまた、交絡する医薬品の中止と、被験者の注意深い観察も検討するものとする。
安全性検討会議は、
−最初の被験者への投与後4週間ごと、
−被験者3名が、低用量の化合物1での最初の2週間の治療を完了した後、
−試験責任医師の決定により、いずれかの被験者で著しい毒性が観察された場合
に行われる。
組み入れ基準。被験者候補は、本試験に登録されるには、以下の基準の全てを満たさなければならない。1.18歳以上の被験者。2.次のうちの少なくとも1つによって裏付けられた肺線維症疾患の臨床診断が確定している。a.コンピュータ断層撮影(CTスキャン)に基づいた通常型間質性肺炎(UIP)パターン、またはb.CTスキャンに基づいた非特異性間質性肺炎(NSIP)パターン、またはc.外科的肺生検で確認された線維性NSIP、またはd.外科的肺生検で確認されたUIPパターン。線維性肺疾患の基礎的病因は、限定するものではないが、次のうちのいずれか:結合組織疾患を伴う間質性肺疾患、特発性肺線維症(IPF)、環境性もしくは薬剤性肺線維症、間質性肺線維症の他の形態、ヘルマンスキー・パドラック症候群を含む、任意の原因であってよい。3.試験に関連する何らかの手順が実施される前に、書面によるICFを理解し、自発的に署名しなければならない。4.試験責任医師とコミュニケーションを取り、試験の要件を理解及び順守することができ、制限事項及び検査スケジュールを厳守することに同意しなければならない。5.ASTまたは血漿中グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼが正常値範囲内である。6.ALTまたは血漿中グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼが正常値範囲内である。7.総ビリルビン及びINRが正常値範囲内である。8.試験責任医師の決定により、臨床的に有意な検査上の試験結果がない。9.男性被験者は、化合物1の実施中及び試験薬物の最終投与後少なくとも28日間に妊娠可能な女性(FCBP)との性行為に携わる場合、天然(動物)薄膜ではないバリア避妊法(例えば、ラテックス製またはポリウレタン製コンドームが許容可能)の使用に同意する。FCBPは、子宮摘出もしくは両側卵巣摘出を受けていないか、または少なくとも24ヶ月連続して自然閉経していない(すなわち、先行する連続24ヶ月のいずれかの時点で月経があった)性的に成熟した女性と定義される。10.全てのFCBPは、スクリーニング時及び第1日に、陰性の妊娠検査を有していなければならない。妊娠の可能性のある行為に携わるあらゆるFCBPは、化合物1の実施中及び化合物1の最終投与後少なくとも28日間、2つの形態の避妊法、すなわち、効果の高い1つの形態(すなわち、ホルモン、子宮内避妊器具、卵管結紮、精管切除したパートナー)と、追加の1つの形態(ラテックス製コンドームまたは天然[動物]薄膜でない任意のラテックス製以外のコンドーム[例えば、ポリウレタン]、ダイアフラム、スポンジ)を同時に使用しなければならない。効果の高い1つの形態の避妊法を使用することができない場合、バリア避妊法のうち2つの形態、すなわち、ラテックス製コンドームまたは天然(動物)薄膜ではない任意のラテックス製以外のコンドーム[例えば、ポリウレタン]を、殺精子剤を含むスポンジまたは殺精子剤を含むダイアフラムのいずれかとともに使用しなければならない。11.閉経後(スクリーニング前に月経が24ヶ月なく、スクリーニング時にエストラジオール量が30pg/mL未満であり、FSH量が40IU/L超であるものと定義される)である女性被験者。
除外基準。被験者候補は、以下のうちのいずれかが生じる場合、登録から除外される。1.化合物1の初回用量投与前30日以内、または既知である場合には試験薬(新規化学物質)の5半減期以内(いずれか長いほう)に、試験薬の曝露を受けた。2.臨床職員の一員または試験施設職員の家族である被験者。3.スクリーニング時にFVCが予測値の40%未満。4.スクリーニング時にDLcoが予測値の20%未満。5.被験者の死亡に帰結するか、またはICFの署名から1年以内の死亡リスクを増加させる可能性がある、肺線維症以外の何らかの状態。6.現在治療が必要な肺高血圧症の既知の臨床診断。7.試験責任医師の決定により、嚢胞性線維症、活動性アスペルギルス症、活動性結核または肺線維症以外の他の重篤な呼吸器合併症を有する被験者。反応性気道疾患、慢性閉塞性肺疾患及び喘息を有する被験者は、繊維症がその被験者の呼吸器障害の主な寄与因子である場合に限り、試験責任医師の意見で、含めることができる。8.投与4週間以内の任意の細胞傷害性薬の使用。9.肺線維症の何らかの標的治療を現在受けており、かつ初回試験投与前6週間以上の期間、一定の投与を受けていない(被験者候補は、試験期間中に用量増加が計画されている場合、除外されるべきである)。10.初回投与前30日以内のEsbriet(登録商標)(ピルフェニドン)またはOfev(登録商標)(ニンテダニブ)の使用。11.スタチン(HMG−CoA還元酵素阻害薬)の投与を現在受けており、かつ初回試験投与前6週間以上の期間、一定の投与を受けていない(被験者候補は、試験期間中に用量増加が計画されている場合、除外されるべきである)。12.輸送体P−gp、BCRP、OAT3、OATP1B1、OATP1B3及びOCT2の基質であり、狭い治療指数(例えば、P−gp基質のジゴキシン)を有する薬を服用している。13.初回試験投与から2週間以内の1日あたり3グラムを超える用量でのアセトアミノフェン(パラセタモール)の使用。14.初回試験投与前2週間以内の1日あたり2グラムを超える用量でのナイアシンの使用。15.被験者の試験への参加を妨げる可能性のある何らかの重大な医学的状態、検査所見の異常または精神医学的疾患。16.再発性細菌感染症(過去2年以内に入院に至った及び/または静脈内抗生物質治療を要した少なくとも3つの主要な感染症)の病歴。17.HIV、HBVまたはHCVの病歴。最終のHCV治療後に6ヶ月の持続的ウイルス学的著効を有した、HCVが治療された被験者は、含めることができる。18.ICFに署名する前の5年以内における、非黒色腫皮膚がんを除く活動性悪性腫瘍の病歴。
6.10.塩のスクリーニング
6.10.1.塩の固体状態の特性決定
化合物1の遊離塩基及び塩の物理化学的性質について、物理化学的特性評価にまとめる。これには、結晶化度、融点、水及び人工胃液(SGF、ペプシン非含有)中の溶解度、吸湿性、ストレス条件下における固体状態の加速物理的及び化学的安定性が含まれる。化合物1の遊離塩基及び塩の物理化学的性質を表38にまとめる。評価した塩及び遊離塩基のうち、リン酸塩が良好な物理化学的性質を示した。
詳細については、以下のセクションに記載した。
1H NMR:試料の一部をジメチルスルホキシド(DMSO−d6)(TMS含有)中に溶解し、NMR分光計をスキャン回数32または64で使用して試験した。
元素分析:塩に関する元素分析は、Intertek Pharmaceutical Services/QTIにより実施した。
ラマン:RigakuゼロバックグラウンドXRPD試料ホルダーに試料の一部を置き、ラマンを、反射モードを使用して分析した。条件を以下に示した。
露光時間:2秒、
積算回数:2回、
倍率:10X、及び
レーザー出力:300mW。
XRPD:RigakuゼロバックグラウンドXRPD試料ホルダーに試料の一部を置き、XRPDを3〜40度の2θ角度から5度/分の速度、40kV及び44mAで使用して分析した。
同時TGA/DSC:アルミニウム(Al)製るつぼに試料の一部を入れ、TGA/DSCシステムを10℃/分の加熱速度で使用して試験した。空のAl製パンをブランクとして使用した。
DSC:Al製試料パンに試料の一部を量り取り、Al製穴あき蓋を圧着し、DSC Q1000システムを10℃/分の加熱速度で使用して試験した。空の蓋付きAl製パンを標準として使用した。
TGA:Al製試料パンに試料の一部を入れ、TGA Q500システムを10℃/分の加熱速度で使用して試験した。
DVS:石英試料ホルダーに試料の一部を入れ、DVS−Advantageシステムを2連続吸着/脱着サイクルで使用して試験した。設定は以下に記載する。
溶媒:水、
温度:25℃、
吸着/脱着サイクル1:50−95−0%相対湿度、
吸着/脱着サイクル2:0−95−0%相対湿度、
ステップ幅:10%相対湿度、ならびに
dm/dt(%/分):0.001/15分、最低10分及び最高180分。
PLM:透明スライドガラス上に試料の一部を置き、シリコーン油で分散させ、10倍対象及び透過光の顕微鏡下で観察した。
水及びSGF中の溶解度:試料の一部を2mLの透明HPLCバイアル中に量り取った。水1mLを添加した後、バイアルにキャップをし、オービタルシェーカー上で300RPM、周囲温度で24時間振盪させた。シェーカーから試料を取り出し、校正したpH計を使用してpH測定を実施した。次いで、0.2μmのナイロン膜遠心分離管フィルターを使用して、14000RPMで5分間、試料の一部を濾過した。適切な希釈でHPLC/UVを使用して濾液を分析した。XRPDを使用して濾過した固体残留物を分析した。
SGF中の溶解度については、上述と同じ手順で試料を調製し、分析した。
6.10.2.塩の概要
13の酸性対イオン及び種々の溶媒を使用して、化合物1に関する塩のスクリーニングを実施した。得られた結晶性塩は、塩酸塩(HCl)、硫酸塩(H2SO4)、リン酸塩(H3PO4)、L−酒石酸塩、L−リンゴ酸塩、L−乳酸塩、コハク酸塩、p−トルエン硫酸塩(トシル酸塩)、メタン硫酸塩(メシル酸塩)、ベンゼン硫酸塩(ベシル酸塩)及びフマル酸塩であった。非晶質塩は、対イオンにクエン酸を使用したときに得られた。結晶性塩の大部分で多数の形態または多形体が観察された。塩スクリーニングの結果を表37にまとめる。
注:
クエン酸塩は、非晶質である。
最初の再結晶化溶媒:A=ACN、B=EtOH、C=EtOAc、D=アセトン。
遊離塩基:形態A(出発物質)、形態D(MeOH溶媒和物)。遊離塩基の形態A、形態B、形態C及び形態Gは、2014年1月30日に出願された米国仮特許出願第61/933,636号及び2014年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/025,161号にて既に記載されたものである。
MeOAc=酢酸メチル、EtOAc=酢酸エチル、ACN=アセトニトリル、EtOH=エタノール、MeOH=メタノール、MeNO2=ニトロメタン、IPA=イソプロパノール、PsOH=p−トルエンスルホン酸、MsOH=メタンスルホン酸。
更に得られた結晶性塩:ベシル酸塩及びフマル酸塩。
物理化学的特性評価には、結晶化度、融点、水及び人工胃液(SGF、ペプシン非含有)中の溶解度、吸湿性、ストレス条件下における固体状態の加速物理的及び化学的安定性が含まれた。化合物1の遊離塩基及び塩の物理化学的性質を表38にまとめる。評価した塩及び遊離塩基のうち、リン酸塩がより良好な物理化学的性質を示した。
6.10.3.塩の調製
L−アスパラギン酸以外の全ての酸について、0.12mol/Lの濃度を使用した。HCl、H2SO4、H3PO4、L−乳酸、メタンスルホン酸及びベンゼンスルホン酸はACNで調製し、L−酒石酸、L−リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及びフマル酸はMeOHで調製した。L−アスパラギン酸(0.03mol/L)は水で調製した。化合物1(遊離塩基)604.8mgをメタノール/ジクロロメタン(MeOH/DCM、1/1v/v、予め混合)50mL中に溶解し、5分間の超音波処理後、濃度12.1mg/mLの透明溶液を得た。ベシル酸塩及びフマル酸塩の試料を除き、これを塩調製物として使用した。
塩試料は、1:1.05の遊離塩基:酸の化学量論比に基づいて調製した。1.04mLの遊離塩基溶液のアリコート(すなわち、0.039mmoleの遊離塩基)を0.342mLの酸(すなわち、0.041mmoleの酸)と混合して、2mLまたは4mLの透明ガラスバイアル中に1つの塩試料を得た。各酸について、4つの塩試料を同様の手順で調製した。
ベシル酸塩及びフマル酸塩に関しては、2mLのMeOH/ジクロロメタン中に33.3mgの化合物1(遊離塩基)を溶解して、16.7mg/mLの溶液を生成した。1mLの遊離塩基溶液を0.453mLの酸と混合して塩試料を得、各酸について、試料を1つのみとした。
塩試料の調製は、次のステップを含んだ。
1)化合物1の溶液を入れた試料バイアルにカバー(2mLバイアルの場合)またはキャップ(4mLバイアルの場合)をし、オービタルシェーカー上で、150RPM、周囲温度で2時間振盪する、
2)カバーまたはキャップを取り外す、
3)ドラフトチャンバー中、窒素パージ下で試料バイアル中の溶媒を蒸発させる、
4)1つの試料に対して1つの溶媒になる方法に基づいて、各酸性対イオンに対応する4つの試料バイアル中にACN、EtOH、EtOAcまたはアセトンをそれぞれ添加する、
5)酸性対イオンを添加する、
6)試料バイアルにカバーまたはキャップをし、200RPM、周囲温度で24時間振盪する、
7)カバー及びキャップを取り外す、
8)ドラフトチャンバー中、窒素パージ下で試料バイアル中の溶媒を蒸発させる、
9)乾燥時に粉末様固体が目視で観測されない場合、粉末様固体が生成されるように追加の溶媒を添加する、
10)乾燥中に粉末様固体が目視で観測される場合、0.45μmのナイロン膜遠心分離管フィルターを使用して、14000RPMで5分間、試料を濾過する、
11)固体を回収し、実験室真空系に接続された密閉チャンバ内で2時間、固体を乾燥させる、ならびに
12)最後に固体を回収する。
これらの固体を、ラマン、XRPD、プロトンNMR(1H NMR)、TGA/DSC及び/またはPLMを使用する分析に供した。
6.10.4.元素分析
元素分析の結果を表39に表す。これらは、試験した元素の理論値と一致する。
注:L−酒石酸塩の理論値の計算は、ヘミ酒石酸二水和物に基づく。
6.10.5.塩スクリーニングの結果
表37に表されるとおり、HCl、H2SO4、H3PO4、L−酒石酸、L−乳酸、L−リンゴ酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸の各酸については、結晶性塩が得られた。クエン酸では、非晶質塩が得られた。
XRPD及びラマンデータに基づくと、H3PO4塩及びL−酒石酸塩以外の塩で多数の形態が観察された。1H NMR及び同時TGA/DSCでは、水または有機溶媒を含有する形態がいくつか示された。
6.10.5.1.化合物1のHCl塩
全部で7つの異なる形態のHCl塩を調製した。
簡潔に述べれば、以下の7つの形態のHCl塩を調製した。
HCl塩の形態1:ACN中での結晶化、SGF中への懸濁、または水分への曝露により得られる水和物;
HCl塩の形態2:水を含有し、EtOH/IPAまたはIPA中での結晶化により得られるもの、水分に曝露したとき水和物(形態1)に変換され、水に懸濁したとき(形態7)に変換される;
HCl塩の形態3:EtOAc中での結晶化により得られるもの;
HCl塩の形態4:アセトン中での結晶化により得られるもの;
HCl塩の形態5:形態2を180℃まで加熱して得られるもの、水分に曝露したとき水和物の形態1に変換される;
HCl塩の形態6:形態2を220℃まで加熱して得られる脱水和物、水分に曝露したとき水和物の形態1に変換される;
HCl塩の形態7:形態1を周囲温度で水に懸濁することにより得られる水和物。
化合物1のHCl塩の形態1〜4のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図6及び図7に示す。
HCl塩の形態1は、図75に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
HCl塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表40に示す。
HCl塩の形態2は、図76に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。HCl塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表41に示す。
HCl塩の形態3は、図77に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
HCl塩の形態3のX線回折ピークの一覧を以下の表42に示す。
HCl塩の形態4は、図78に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
HCl塩の形態4のX線回折ピークの一覧を以下の表43に示す。
HCl塩の形態5は、図79に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
HCl塩の形態5のX線回折ピークの一覧を以下の表44に示す。
HCl塩の形態6は、図80に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
HCl塩の形態6のX線回折ピークの一覧を以下の表45に示す。
HCl塩の形態7は、図81に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
HCl塩の形態7のX線回折ピークの一覧を以下の表46に示す。
HCl塩の形態2のTGA/DSCサーモグラム(図34)において、TGAで119.9℃まで加熱した時の2.82%の重量減少は、物質中の水分に起因する。DSCサーモグラムにおける163.0℃での小さな吸熱ピークは、220℃前後での融解及び分解が続く、固体−固体転移事象であると思われる。
HCl塩の形態2の吸着/脱着を図41に表す。このHCl塩(形態2)は、本質的に吸湿性であり、水分を吸収すると一水和物を形成する可能性があることが示された。水分の吸収は、サイクル2の吸着等温線から40%の相対湿度で4.89%である。これは、HCl塩の一水和物に関する含水量の理論値(4.79%)に近い。水和物は吸湿性でないが、25℃でも相対湿度が20%未満であれば、水分は速やかに離脱するようである。図42に示されるように、DVS後の試料のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンとは異なる。
ストレス条件下における化合物1のHCl塩のXRPDパターンを図55に表す。出発物質のXRPDパターンと比較すると、80℃下で2週間保存したHCl塩の形態2のXRPDパターンは変わらないが、80℃/75%の相対湿度下で保存したHCl塩のXRPDパターンは異なる。これらの結果により、このHCl塩は、80℃の乾燥条件下で物理的に安定であるが、湿潤条件下では安定でないことが示される。
DSCにてHCl塩の形態2を10℃/分で180℃まで加熱した。試料パンが35〜45℃の間で排出されたDSC実行終了時の固体残留物について、ラマン及びXRPDを即座に実施した。その後、固体残留物を40℃/75%の相対湿度で6日まで保存し、XRPDを使用して試験した。
DSCにてHCl塩の形態2を10℃/分で220℃まで加熱した。試料パンが35〜45℃の間で排出されたDSC実行終了時の固体残留物について、ラマン及びXRPDを即座に実施した。その後、固体残留物を40℃/75%の相対湿度で64時間まで保存し、XRPDを使用して試験した。
図56のラマン及び図57のXRPDにより示されるように、HCl塩の形態2をそれぞれ180℃及び220℃まで加熱すると、2つのHCl塩の新しい形態が得られた。180℃まで加熱した材料を形態5、220℃まで加熱した材料を形態6と名付けた。2つの形態は、40℃/75%の相対湿度で保存した後、同じ条件で2週間保存した加熱していないHCl塩(出発物質)と同じXRPDパターンを示した。これにより、形態5及び形態6は、40℃で水分に曝されると、水和物になる傾向があることが示された。物理的安定性試験のために40℃/75%の相対湿度で保存したHCl塩の試料は水和物であることがTGA/DSC(図58)により確認された。図57のXRPDにより示されるように、水和物は、水中におけるHCl塩の溶解度試験から得た固体残留物(暫定的に形態7と指定する)とは異なる。
HCl塩(形態2)に関する同時TGA/DSCについても、220℃まで加熱し、25℃まで冷却し、次いで280℃まで加熱することにより実施した。加熱/冷却速度は10℃/分であった。TGA/DSCサーモグラムを図59に表す。最初の加熱プロセスにより、131.2℃までのTGAから2.91%の重量減少が観察された。210℃までの2回目の加熱中には、いかなる重量減少も他の熱事象も観察されなかった。これは、形態6(220℃まで加熱したHCl塩)は水を含有しないことを示す。HCl塩の形態1は、最初にACNを使用する結晶化により得たが(1H NMRに基づくと、試料中に含有されるACNはない)、SGF中に懸濁したHCl塩または水分に曝露したHCl塩と同じ物質である可能性が高い。図60に示されるとおり、形態1は、水和物であると思われた。形態6は水を含有しないが、水分に曝露したとき水和物に変換されることから、脱水和物である可能性が高かった。
6.10.5.2.化合物1のH2SO4塩
H2SO4塩の形態1は、ACN、IPAまたはEtOAc中に化合物1及びH2SO4を含む溶液の蒸発により調製した。H2SO4塩の形態2は、アセトン中に化合物1及びH2SO4を含む溶液の蒸発により調製した。
化合物1のH2SO4塩の形態1〜2のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図8及び図9に示す。
H2SO4塩の形態1は、図82に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
H2SO4塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表47に示す。
H2SO4塩の形態2は、図83に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
H2SO4塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表48に示す。
H2SO4塩の形態1のTGA/DSCサーモグラム(図35)において、TGAで119.9℃まで加熱したときの0.28%の重量減少は、物質中の微量の水分に起因する。DSCサーモグラムでは86.0℃〜88.4℃に小さなTg様事象が認められたが、本研究で更なる調査は行わなかった。TGAサーモグラムは、119.9℃から連続的な重量減少が始まることを示し、DSCは、220℃前後で著しい融解及び分解が開始することを示した。
H2SO4塩の形態1の吸着/脱着を図43に表す。このH2SO4塩(形態1)は、本質的に吸湿性であることが示された。図44に示されるように、DVS試験後の固体残留物のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンとは異なる。
ストレス条件下における化合物1のH2SO4塩のXRPDパターンを図61に表す。出発物質のXRPDパターンと比較すると、80℃下で2週間保存したH2SO4塩のXRPDパターンは変わらないが、80℃/75%の相対湿度下で保存したH2SO4塩のXRPDパターンは異なる。これらの結果により、このH2SO4塩は、80℃の乾燥条件下で物理的に安定であるが、湿潤条件下では安定でないことが示される。化学的安定性により、H2SO4塩がストレス条件下で安定であることが示されたので、80℃/75%の相対湿度条件下で2週間保存してH2SO4塩の新しい形態(形態3)を得た。
H2SO4塩の形態3は、図84に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
H2SO4塩の形態3のX線回折ピークの一覧を以下の表49に示す。
6.10.5.3.化合物1のH3PO4塩
化合物1のH3PO4塩は、ACN、EtOH、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びH3PO4を含む溶液の蒸発により調製した。
化合物1のH3PO4塩のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図10及び図11に示す。
H3PO4塩は、図85に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
H3PO4塩のX線回折ピークの一覧を以下の表50に示す。
H3PO4塩のTGA/DSCサーモグラム(図36)において、TGAで119.9℃まで加熱したときの0.25%の重量減少は、物質中の微量の水分に起因する。TGAの結果は、連続的な重量減少が169.9℃前後から開始することを示し、DSCは、238.3℃の開始温度を有する融解及び分解を示した。
H3PO4塩の吸着/脱着を図45に表す。H3PO4塩が吸湿性でないことが示されている。図46に示されるように、DVS試験後の固体残留物のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンと変わらなかった。
ストレス条件下における化合物1のH3PO4塩のXRPDパターンを図62に表す。出発物質のXRPDパターンと比較すると、H3PO4塩のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンと同じであり、これは、80℃の条件下及び80℃/75%の相対湿度の条件下で2週間にわたって物理的に安定であったことを示す。
6.10.5.4.化合物1のL−酒石酸塩
化合物1のL−酒石酸塩は、ACN、EtOH、EtOAcまたはアセトン中に化合物1及びL−酒石酸を含む溶液の蒸発により調製した。
化合物1のL−酒石酸塩のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図12及び図13に示す。
L−酒石酸塩の形態1は、図88に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−酒石酸塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表51に示す。
L−酒石酸塩の形態2は、図89に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−酒石酸塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表52に示す。
L−酒石酸塩は、図14の1H NMR及び図15のTGA/DSCから示されるように、ヘミ酒石酸二水和物であった。1H NMRは、化合物1の遊離塩基とL−酒石酸の化学量論比が約2:1であることを示した。TGA/DSCは、L−酒石酸塩の再結晶化に異なる溶媒を使用した場合、類似の重量減少及び融解事象を示し、水和物であることが示された。
L−酒石酸塩のTGA/DSCサーモグラム(図37)において、TGAで119.9℃まで加熱した時の3.97%の重量減少は、物質中の水分に起因し、89.5℃の開始温度を有するDSC中の脱水事象に一致している。これにより、この試料は、含水量の理論値が4.34%である二水和物である可能性が示された。TGA及びDSCの両方から裏付けられるように、脱水生成物は、201.5℃前後で融解及び分解が開始した。
L−酒石酸塩の吸着/脱着を図47に表す。L−酒石酸塩は水和物であるが、塩調製時に真空オーブンで乾燥すると、水分が部分的に失われる。吸着試験で水分に曝されると、吸収された水がまず消費され、水和物の形成を満たすことから、L−酒石酸塩の水和物は、わずかに吸湿性である。図49に示されるように、DVS試験後の固体残留物のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンと変わらなかった。L−酒石酸塩を50℃で3時間予熱し、直ちに2サイクル吸着/脱着プロセス(すなわち、0−95−0−95−0%の相対湿度)を開始することにより、更なるDVS試験を実施した。5.53%の重量減少は、出発物質に関するTGAで観察された3.97%よりも大きかったことから、L−酒石酸塩が、真空オーブンから取り出した後すぐに水分を再摂取したことがわかる。予熱後の吸着/脱着等温線を図48に表した。20%の相対湿度のRHであっても、水和物が速やかに形成されることが明示された。試験は、2時間以内に20%の相対湿度に達する。サイクル1の20%の相対湿度での吸着は4.32%であり、これは、ヘミ酒石酸二水和物塩中の含水量の理論値(4.34%)によく合致する。80%の相対湿度での水和物の水吸収は、0.81%と推定される(すなわち、サイクル1の吸着における20%の相対湿度と80%の相対湿度との差)。吸着/脱着は、25℃でのサイクル2の吸着/脱着を通して再現できる。DVS試験終了後、固体残留物は、出発物質及び予熱ステップなしの先のDVS試験から得た固体のXRPDパターンと同じXRPDパターンであった。
図63に表されるように、ストレス条件下の化合物1のL−酒石酸塩のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンと同じであり、これは、80℃の条件下及び80℃/75%の相対湿度の条件下で2週間にわたって物理的に安定であったことを示している。
試料を5℃/分で加熱し、XRDを12°/分の2θでスキャンすることにより、L−酒石酸塩に関するXRD−DSC組み合わせ実験を実施した。データを図64に図示した。XRPDパターン(左側)が96.5℃〜131.5℃で変化しており、DSC(右側)で観察された吸熱ピークと一致している。これにより、この温度範囲で脱水が生じ、無水物になることが示された。
L−酒石酸塩の無水物を単離するために、DSCでL−酒石酸塩の一部を130℃まで10℃/分で加熱した。XRPDを使用して固体残留物を即座に分析した。図65に示されるように、XRPDパターンは、加熱前と加熱後の材料で同一であり、無水物が迅速に水分を摂取して水和物を形成することが示唆される。したがって、水和物は、無水物よりも安定である。
6.10.5.5.化合物1のL−乳酸塩
L−乳酸塩の形態1は、ヘキサン中に化合物1及びL−乳酸を含む溶液の蒸発により調製した。L−乳酸塩の形態2は、EtOAc中に化合物1及びL−乳酸を含む溶液の蒸発により調製した。
化合物1のL−乳酸塩のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図16及び図17に示す。
L−乳酸塩の形態1は、図86に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−乳酸塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表53に示す。
L−乳酸塩の形態2は、図87に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−乳酸塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表54に示す。
L−乳酸塩の形態2のTGA/DSCサーモグラム(図39)において、加熱時の連続的な重量減少が認められ、TGAの結果では76.5℃前後から開始する。119.9℃まで加熱した時の1.74%の総重量減少は、試料中の水分に起因した。DSC曲線で145.3℃の開始温度を有する吸熱ピークは、TGA曲線の同じ温度範囲における著しい重量減少と関連し、塩の分解を示すが、これは更なる実験で確認された。
L−乳酸塩の形態2の吸着/脱着を図52に表す。L−乳酸塩が中程度に吸湿性であることが示されている。図53に示されるように、DVS試験後の固体残留物のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンと同じである。
図67に表されるように、ストレス条件下の化合物1のL−乳酸塩の形態2のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンと異なった。これは、L−乳酸塩の形態2が80℃の条件下及び80℃/75%の相対湿度の条件下で2週間にわって物理的に安定でなかったことを示唆している。
6.10.5.6.化合物1のL−リンゴ酸塩
L−リンゴ酸塩の形態1は、ACN中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製した。L−リンゴ酸塩の形態2は、MeNO2中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製した。L−リンゴ酸塩の形態3は、EtOAc中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製した。L−リンゴ酸塩の形態4は、IPA中に化合物1及びL−リンゴ酸を含む溶液の蒸発により調製した。L−リンゴ酸塩の1H NMRは、化合物1の遊離塩基とL−リンゴ酸の化学量が約1:1であることを示した。
化合物1のL−リンゴ酸塩のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図18及び図19に示す。
L−リンゴ酸塩の形態1は、図90に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−リンゴ酸塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表55に示す。
L−リンゴ酸塩の形態2は、図91に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−リンゴ酸塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表56に示す。
L−リンゴ酸塩の形態3は、図92に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−リンゴ酸塩の形態3のX線回折ピークの一覧を以下の表57に示す。
L−リンゴ酸塩の形態4は、図93に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
L−リンゴ酸塩の形態4のX線回折ピークの一覧を以下の表58に示す。
L−リンゴ酸塩の形態2のTGA/DSCサーモグラム(図38)において、TGAで94.8℃まで加熱した時の1.21%の重量減少は、物質中の水分に起因する。多数の吸熱事象がDSCの結果で観察された。100.8℃の開始温度を有する最初の事象は、固体−固体転移事象であると思われた。2番目の事象に続いて3番目のブロードな事象があり、これは、TGA上の連続的かつ著しい重量減少を有する温度範囲と一致することから、融解及び分解が生じたことを示唆している。
L−リンゴ酸塩の形態2の吸着/脱着を図50に表す。L−リンゴ酸塩が吸湿性物質であることが示されている。図51に示されるように、DVS試験後の固体残留物のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンとは異なる。
図66に表されるように、ストレス条件下の化合物1のL−リンゴ酸塩のXRPDパターンは、出発物質のXRPDパターンと異なった。これは、L−リンゴ酸塩が80℃の条件下及び80℃/75%の相対湿度の条件下で2週間にわって物理的に安定でなかったことを示している。
6.10.5.7.化合物1のクエン酸塩
化合物1のクエン酸塩は、MTBE、MeNO2、ヘキサンまたはMeOAc中に化合物1及びクエン酸を含む溶液の蒸発により調製した。クエン酸塩に関する図20のXRPDパターン及び図21のラマンスペクトルは、クエン酸塩が非晶質であることを示した。クエン酸塩の1H NMRは、化合物1の遊離塩基とクエン酸の化学量が約1:1であることを示した。
6.10.5.8.化合物1のコハク酸塩
コハク酸塩の形態1は、ACNまたはEtOH中に化合物1及びコハク酸を含む溶液の蒸発により調製した。コハク酸塩の形態2は、EtOAc中に化合物1及びコハク酸を含む溶液の蒸発により調製した。アセトンを使用してコハク酸塩を結晶化すると、コハク酸塩(形態1)及び遊離塩基(形態B)の混合物が得られた。
コハク酸塩の形態1〜2のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図22及び図23に示す。
コハク酸塩の形態1は、図94に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
コハク酸塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表59に示す。
コハク酸塩の形態2は、図95に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
コハク酸塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表60に示す。
6.10.5.9.化合物1のトシル酸塩
トシル酸塩の形態1は、ACN中に化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製した。トシル酸塩の形態2は、MeNO2またはアセトン中に化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製した。トシル酸塩の形態3は、EtOAc中に化合物1及びp−トルエンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製した。
トシル酸塩の形態1〜3のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図24及び図25に示す。
トシル酸塩の形態1は、図96に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
トシル酸塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表61に示す。
トシル酸塩の形態2は、図97に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
トシル酸塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表62に示す。
トシル酸塩の形態3は、図98に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
トシル酸塩の形態3のX線回折ピークの一覧を以下の表63に示す。
6.10.5.10.化合物1のメシル酸塩
メシル酸塩の形態1は、ACN/IPA、EtOH/IPAまたはアセトン中に化合物1及びメタンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製した。メシル酸塩の形態2は、EtOAc中に化合物1及びメタンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製した。
メシル酸塩の形態1〜2のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図26及び図27に示す。
メシル酸塩の形態1は、図99に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。メシル酸塩の形態1のX線回折ピークの一覧を以下の表64に示す。
メシル酸塩の形態2は、図100に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
メシル酸塩の形態2のX線回折ピークの一覧を以下の表65に示す。
6.10.5.11.化合物1のベシル酸塩及びフマル酸塩
各酸について、それぞれ試料を1つのみ調製した。両方の塩が結晶性であった。化合物1のフマル酸塩は、ACN中に化合物1及びフマル酸を含む溶液の蒸発により調製した。ベシル酸塩は、MeNO2中に化合物1及びベンゼンスルホン酸を含む溶液の蒸発により調製した。フマル酸塩の1H NMRスペクトルは、フマル酸塩がヘミフマル酸塩である可能性を示した(すなわち、遊離塩基とフマル酸の化学量が2:1であった)。
化合物1のベシル酸塩及びフマル酸塩のXRPDパターン及びラマンスペクトルをそれぞれ図28及び図29に表す。
ベシル酸塩は、図101に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
ベシル酸塩のX線回折ピークの一覧を以下の表66に示す。
フマル酸塩は、図102に示すように、結晶性XRPDパターンを有した。
フマル酸塩のX線回折ピークの一覧を以下の表67に示す。
6.10.6.塩スケールアップの結果
スクリーニング研究から観察された結晶性塩の形態、すなわち、HCl(形態2)、H2SO4(形態1)、H3PO4(形態1)、L−酒石酸塩(形態1、ヘミ酒石酸水和物)、L−リンゴ酸塩(形態2)及びL−乳酸塩(形態2)は、首尾良くスケールアップされ、遊離塩基とともに特性評価を行った。
酸の濃度は、塩スクリーニング実験で使用したものとは異なった。塩スケールアップに使用した化合物1の量及び酸を表68にまとめた。
化合物1の遊離塩基を秤量し、MeOH/DCM中に溶解し、次いで、40mLの透明ガラスバイアル中で、指定のモル比に基づいて酸性対イオン溶液と混合した。次いで、バイアルにキャップをし、200RPM、周囲温度で2時間振盪させた。その後、キャップを取り外し、窒素パージ下で乾燥させるためにバイアルをドラフトチャンバー中に保存した。次いで、再結晶化溶媒を試料に加え、懸濁液試料を生成した。全ての塩を同じ手順で調製した。6mLの最終再結晶化溶媒を次のとおり試料に加えた。
HCl塩の試料にIPA、
H2SO4塩の試料にIPA、
H3PO4塩の試料にEtOAc、
L−酒石酸塩の試料にアセトン、
L−リンゴ酸塩の試料にニトロメタン及びアセトン1mL、ならびに
L−乳酸塩の試料にn−ヘキサン。
更に、L−リンゴ酸塩とL−乳酸塩の両方の試料に、それぞれ対応する対イオンを使用した塩スクリーニング中に得られた結晶性試料で播種した。
再結晶化溶媒中の全ての試料を、攪拌子を使用して周囲温度で約3日攪拌した。0.2μmのナイロン膜遠心分離管フィルターを使用して、14000RPMで5分間、試料をそれぞれ濾過した。固体を覆い、真空オーブン中、周囲温度で2日間、乾燥させた。HCl塩とLリンゴ酸塩の両方については、1H NMR試験で少量の再結晶化溶媒を含有することが示されたので、真空オーブン中、60℃で1日、更に乾燥させた。H2SO4塩は、n−ヘキサン中で再度スラリー化し、濾過して、真空オーブン中、60℃で一晩乾燥することにより回収した。
最後に、種々の固体状態特性評価技術を使用して分析するまで、塩と遊離塩基の両方を密封バイアル中にて周囲温度で保存した。使用した化合物は、遊離塩基(形態A)、HCl塩(形態2)、H2SO4塩(形態1)、H3PO4塩(形態1)、L−酒石酸塩(形態1)、L−リンゴ酸塩(形態2)及びL−乳酸塩(形態2)であった。
6.10.7.固体状態の安定性
物理的安定性:試料の一部を4mLの透明ガラスバイアルに充填した。4つの試料を各塩について調製した。バイアル(開いた状態)を4つの異なるストレス条件下でそれぞれ保存した。ストレス条件は、40℃、40℃/75%の相対湿度、80℃及び80℃/75%の相対湿度であった。温度はオーブンを使用して制御し、75%の相対湿度は飽和塩化ナトリウム水溶液を使用して制御した。2週間の時点で、XRPDを使用する分析のために、80℃及び80℃/75%の相対湿度で保存した試料を取り出した。
化学的安定性:約1mgの化合物1を4mLの透明ガラスバイアルに正確に量り取った。6つのバイアルを各塩について調製した。2つの試料を冷蔵庫に保存した。開いたバイアル中の他の4つの試料を4つのストレス条件下でそれぞれ保存した。2週間の時点で、80℃及び80℃/75%の相対湿度で保存した試料を取り出し、溶媒中に溶解し、適切に希釈した後、UV検出を備えるHPLCを使用して分析した。冷蔵庫に保存した試料1セットを使用して、ストック液及び標準液を調製した。HPLC法を表69に表した。
表70に表されるように、遊離塩基及び塩の残存率(%)は、L−リンゴ酸塩を除き、100±2%以内であった。これは、これらの遊離塩基及び塩が、L−リンゴ酸塩を除き、80℃の条件下及び80℃/75%の相対湿度の条件下で2週間にわたって化学的に安定であったことを示している。クロマトグラムをそれぞれ図68、図69、図70、図71、図72、図73及び図74に表す。遊離塩基及びL−リンゴ酸塩を除く塩については余分なピークが観察されたが、ピーク面積百分率は0.1%未満であった。L−リンゴ酸塩に関しては、著しい劣化が生じたため、ストレス条件下で化学的に安定ではなかった。
6.10.8.結論
本研究で使用した13の酸性対イオンのうち11から結晶性塩が得られた。全ての塩が水中の遊離塩基よりも高い溶解度を示した。L−リンゴ酸塩を除き、全ての塩及び遊離塩基が80℃及び80℃/75%の相対湿度下で2週間にわたって化学的に安定であった。化合物1(遊離塩基)、H3PO4塩及びL−酒石酸塩は、ストレス条件下で物理的に安定であった。HCl塩及びH2SO4塩は、80℃条件下で安定であったが、80℃/75%の相対湿度下では安定ではなかった。L−乳酸塩は、ストレス条件下で物理的に安定ではなかった。L−リンゴ酸塩は、ストレス条件下で、物理的にも化学的にも安定ではなかった。化合物1(遊離塩基)、H3PO4塩及びL−酒石酸塩(水和物)は、吸湿性でなかった。L−乳酸塩は中程度の吸湿性であり、他の塩は吸湿性であった。
いくつかの参考文献を引用したが、その開示全体が、参照により本明細書に援用される。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
[構成1]
約20〜40重量%の2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、包接化合物、同位体置換体、代謝産物もしくは固体形態、約30〜50重量%の微結晶セルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜10重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
[構成2]
約28.57重量%の2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、包接化合物、同位体置換体、代謝産物もしくは固体形態、約37.43重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約4重量%のカルボキシメチルセルロース、約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
[構成3]
約20〜40重量%の2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、包接化合物、同位体置換体、代謝産物もしくは固体形態、約20〜40重量%の微結晶セルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜20重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
[構成4]
約28.57重量%の2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、包接化合物、同位体置換体、代謝産物もしくは固体形態、約33.43重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約8重量%のカルボキシメチルセルロース、約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
[構成5]
約28.57重量%の2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、包接化合物、同位体置換体、代謝産物もしくは固体形態、約31.93重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約8重量%のカルボキシメチルセルロース、約4.5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
[構成6]
約20〜40重量%の2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、包接化合物、同位体置換体、代謝産物もしくは固体形態、約20〜50重量%の微結晶セルロース、約20〜40重量%のマンニトール、約1〜10重量%のカルボキシメチルセルロース、約1〜10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び約0.1〜2重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
[構成7]
約28.57重量%の2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩、立体異性体、溶媒和物、水和物、包接化合物、同位体置換体、代謝産物もしくは固体形態、約35.93重量%の微結晶セルロース、約26重量%のマンニトール、約4重量%のカルボキシメチルセルロース、約4.5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び約1重量%のステアリン酸マグネシウムを含む、医薬組成物。
[構成8]
JNK経路の阻害により治療可能または予防可能な疾患または障害を治療または予防するための方法であって、前記疾患または障害を有する患者に、有効量の構成1〜7のいずれか1に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
[構成9]
間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡を治療または予防するための方法であって、前記間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡を有する患者に、有効量の構成1〜7のいずれか1に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
[構成10]
前記疾患または障害が、肝線維化障害、糖尿病または肝線維化障害につながるメタボリック症候群である、構成8に記載の方法。
[構成11]
JNK経路の阻害により治療可能または予防可能な疾患または障害を治療または予防するための方法における使用のための構成1〜7のいずれか1に記載の医薬組成物。
[構成12]
前記疾患または障害が、間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡からなる群から選択される、構成11に記載の使用のための構成1〜7のいずれか1に記載の医薬組成物。
[構成13]
前記疾患または障害が、肝線維化障害、糖尿病または肝線維化障害につながるメタボリック症候群である、構成11に記載の使用のための構成1〜7のいずれか1に記載の医薬組成物。
[構成14]
塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、L−酒石酸塩、L−リンゴ酸塩、L−乳酸塩、コハク酸塩、p−トルエン硫酸塩、メタン硫酸塩、ベンゼン硫酸塩、フマル酸塩またはクエン酸塩である、2−(tert−ブチルアミノ)−4−((1R,3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシルアミノ)−ピリミジン−5−カルボキサミドの塩。
[構成15]
JNK経路の阻害により治療可能または予防可能な疾患または障害を治療または予防する方法における使用のための構成14に記載の塩。
[構成16]
前記疾患または障害が、間質性肺線維症、全身性強皮症、強皮症、慢性移植腎症、抗体関連型拒絶反応または狼瘡からなる群から選択される、構成15に記載の使用のための構成14に記載の塩。
[構成17]
前記疾患または障害が、肝線維化障害、糖尿病または肝線維化障害につながるメタボリック症候群である、構成15に記載の使用のための構成14に記載の塩。