JP6745594B2 - ピラゾール誘導体の塩の結晶 - Google Patents

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Description

本発明は、優れたホスホジエステラーゼ10A阻害作用を有し、統合失調症などの治療
剤および/または予防剤等として有用なピラゾール誘導体の新規な塩の結晶、それら結晶
の製造法、及び当該塩の結晶を含有する医薬組成物に関する。
ホスホジエステラーゼ(PDE、環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ)は、21種
の異なる遺伝子でコードされる酵素のスーパーファミリーである。これまで、アミノ酸配
列の相同性、生化学的性質、阻害薬による特徴付け等の構造的/機能的特性により11種
類が哺乳動物において同定されている。(非特許文献1、2)
細胞シグナルカスケードにおけるPDEの役割は、環状ヌクレオチドである環状アデノ
シン一リン酸(adenosine 3’,5’−cyclic monophosph
ate:cAMP)および/または環状グアノシン一リン酸(guanosine 3’
,5’−cyclic monophosphate:cGMP)のホスホジエステル結
合を加水分解すること、即ち、3’−エステル結合の加水分解を選択的に触媒し、不活性
な5’−一リン酸を形成することで、代謝的に不活性化することである。
11種類のPDEファミリーは基質特異性に基づき、cAMP特異的PDE(PDE4
、7、8)、cGMP特異的PDE(PDE5、6、9)、及び二重基質PDE(PDE
1、2、3、10、11)の3つに分類される。(非特許文献3、4)
cAMPおよびcGMPは、Gタンパク質結合受容体(GPCR、G Protein
Cuppled Receptor)を介した細胞内情報伝達における重要なセカンド
メッセンジャーであるため、PDEは、広範な生理学的機序に関与し、生物の恒常性にお
いて重要な役割を果たす。具体的には、炎症促進性メディエータの産生および作用、イオ
ンチャネル機能、筋弛緩、学習および記憶形成、分化、アポトーシス、脂質生成、グリコ
ーゲン分解ならびに糖新生等の種々の生理学的プロセスの制御に関わっている。とりわけ
、神経細胞においては、神経細胞の分化及び生存とともに神経伝達の制御に重要な役割を
果たしている(非特許文献5)。
cAMPおよびcGMPによるこれらのプロセスの制御は、プロテインキナーゼA(P
KA)及びプロテインキナーゼG(PKG)の活性化を伴い、転写因子、イオンチャネル
及び受容体を含めた多様な生理的プロセスを制御している様々な基質がリン酸化される。
cAMPおよびcGMPの細胞内濃度は、細胞外からのシグナルに応答して変動し、cA
MP及びcGMPの合成に関与する酵素(アデニルシクラーゼ(AC)およびグアニルシ
クラーゼ(GC))と、それら酵素の加水分解に関与するPDEとのバランスによって調
節されている。(非特許文献6)
PDE10Aは、1999年にヒト、マウス、ラットでその存在が報告された。(非特
許文献7、8)PDE10Aは主として、ヒトでは脳、精巣、甲状腺などに発現している
。特に、脳内の線条体の中型有棘ニューロン(MSN、medium−sized sp
iny neuron)で高度に発現しており、視床、海馬、前頭皮質および嗅結節で中
度に発現している。(非特許文献9、10)また、PDE10Aはマウス及びラットでも
脳、精巣に高発現している。(非特許文献11)これらPDE10Aが発現している脳部
位は、精神疾患の病理学的機序において重要な役割を示していることから、PDE10A
が精神障害、神経変性障害等の病理学的機序に関与することが示唆されている。(非特許
文献12)
MSNには、主にD1ドーパミン受容体を発現し、黒質線条体路(直接路)を形成する
MSNと、主にD2ドーパミン受容体を発現し、線条体淡蒼球路(間接路)を形成するM
SNの2つのMSNがある。直接路は運動遂行や報酬学習の機能に関与しており、間接路
は運動の抑制に関わっている。例えば、パーキンソン病において動きが悪くなるのは間接
路が過剰に働くことに起因し、ハンチントン病等の障害において動きが過剰になるのは直
接路が過剰に働くことに起因するものである。大脳基底核の出力核の活動は、これら2種
類の経路からの拮抗的な入力のバランスによって調節されている。PDE10Aは両方の
経路のMSNに発現していることから、PDE10Aの阻害により、両方の経路が活性化
されると考えられる。(非特許文献13)
既存の抗精神病薬は主としてD2受容体遮断作用薬であり、主に間接路の活性化を介し
たものである。一方、PDE10Aは、直接路および間接路の両MSNに発現しており、
PDE10A阻害薬には、既存薬と同様の抗精神病作用を有することが期待される。直接
路は運動遂行に関わることから、間接路の過剰な活性化による錐体外路障害に対し括抗し
て働くと考えられ、更に、本経路は線条体−視床回路からの出力を増強し、報酬学習や問
題解決といった認知機能の促進する作用も期待できる。
D1受容体活性化による細胞内cAMPレベルが上昇することで、前頭前皮質における
作業記憶に関与する一連の神経突起が調節されるようであり(非特許文献14)、また、
D1受容体活性化により、統合失調症患者の作業記憶欠陥が改善しうることが報告されて
いる。(非特許文献15)したがって、D1受容体が活性化されることで、統合失調症の
認知症状の改善が期待できる。
PDE10A阻害剤の潜在的抗精神病作用は、さらにKostowskiらの研究によ
り裏付けられている(非特許文献16)。米国特許出願公開第2003/0032579
号パンフレットには、中程度の選択性を有するPDE10A阻害剤であるパパベリン(ケ
シ属植物に含まれるイソキノリン系のアルカロイド、papaverine)が、精神病
の動物モデルであるラットにおけるアポモルフィン誘因性常同症を低減し、ラットにおけ
るハロペリドール誘因性カタレプシーを増加させる一方、ラット脳におけるドーパミン濃
度を同時に低減して、従来の抗精神病薬の作用を有することが示されている。更に患者へ
の適用からも裏付けられており、パパベリンは精神病処置用のPDE10A阻害剤として
確立されている。(特許文献1)
PDE10A阻害作用を有する化合物(PDE10A阻害剤)については、以下のよう
な報告がある。例えば、国際公開第2005/082883号パンフレット(特許文献2
)および欧州特許出願公開第EP1250923号パンフレット(特許文献3)に、PD
E10A阻害剤としてパパベリン、および各種の芳香族複素環化合物(キナゾリンおよび
イソキナゾリン化合物等)が開示されている。また、PDE10A阻害剤が、精神障害(
例えば、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、物質誘発性精神病、妄想性人格障
害、分裂病型人格障害等)、不安障害(例えば、パニック障害、広場恐怖、単一恐怖、対
人恐怖、強迫性障害、外傷後ストレス性障害、急性ストレス障害、全般性不安障害等)、
運動障害(例えば、ハンチントン病、ドーパミンアゴニスト治療に伴うジスキネジア、パ
ーキンソン病、下肢静止不能症候群等)、薬物依存症(例えば、アルコール、アンフェタ
ミン、コカイン又はアヘン薬中毒等)、認知障害の症状を伴う疾患(例えば、認知症(ア
ルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症等)、譫妄、健忘性障害、外傷後ストレス障害、精
神遅滞、学習障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)及び加齢関連認知機能低下等)、お
よび気分障害(例えば、大うつ病性障害、気分変調性障害、小うつ病性障害、及び双極性
障害(双極I型障害、双極II型障害)、気分循環性障害等)、又は気分症状(例えば、
大うつ病エピソード、躁病性もしくは混合性エピソード、軽躁病エピソード等)等の疾患
又は症状の治療又は予防のために有用であることが開示されている。更に、PDE10A
阻害剤が、神経変性疾患(例えば、パーキンソン病及びハンチントン病等)の治療又は予
防のために有用であることも開示されている。
Mennitiらの文献には、PDE10A阻害剤が、抗精神病薬としてのポテンシャ
ルを有するとともに、統合失調症における認知機能障害を改善するポテンシャルを有する
ことが報告されている。(非特許文献17)
国際公開第2003/000693号パンフレットには、PDE10A阻害剤としてイ
ミダゾトリアジン化合物が開示されており、PDE10A阻害剤が、神経変性疾患(特に
パーキンソン病)の治療又は予防のために有用であることが開示されている。(特許文献
4)
以上より、PDE10A阻害剤は、PDE10Aが関与する精神障害(例えば、(1)
妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、または残遺型の統合失調症、(2)統合失調症様
障害、(3)妄想型または抑うつ型の統合失調感情障害、(4)妄想性障害、(5)物質
誘導性精神障害、例えば、アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入
剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発された精神病、(6)妄想型人格
障害、および(7)統合失調型の人格障害等)、および、神経変性障害(例えば、(1)
パーキンソン病、(2)ハンチントン病、(3)認知症、たとえばアルツハイマー病、多
発脳梗塞性認知症、AIDS関連認知症、および前頭側頭型認知症、(4)脳外傷に関連
する神経変性、(5)脳卒中に関連する神経変性、脳梗塞に関連する神経変性、(6)低
血糖誘発性神経変性、(7)てんかん発作に関連する神経変性、(8)神経毒中毒に関連
する神経変性、および(9)多系統委縮症、(10)線条体中型有棘ニューロンの神経変
性等)等に対する治療および/ または予防に有用かつ、副作用を軽減した治療薬として
の可能性が期待される。
国際公開第2006/0072828号パンフレット(特許文献5)には、PDE10
A阻害剤として、1−メチル−4−ヘテロアリールピラゾール構造を部分構造として有す
る化合物が開示されているが、本発明のピラゾール誘導体とは分子構造が全く異なるもの
である。
国際公開第2011/036127号パンフレット(特許文献6)、国際公開第201
1/117264号パンフレット(特許文献7)、国際公開第2012/076430号
パンフレット(特許文献8)には、PDE10A阻害剤としてピラゾール−5−カルボン
酸アミド構造を有する化合物が開示されているが、特許文献6および特許文献8の化合物
はジカルボン酸アミド構造である点、特許文献7の化合物は7−アミノイミダゾ[1,2
−a]ピリミジンのカルボン酸アミドで有る点で、何れも本発明のピラゾール誘導体とは
分子構造が異なるものである。
米国特許出願公開第2003/0032579号パンフレット 国際公開第2005/082883号パンフレット 欧州特許出願公開第1250923号パンフレット 国際公開第2003/000693号パンフレット 国際公開第2006/072828号パンフレット 国際公開第2011/036127号パンフレット 国際公開第2011/117264号パンフレット 国際公開第2012/076430号パンフレット
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一般的に、水に対する溶解度が低い薬物は、消化管内での溶解性の低さと溶解速度の遅
さからバイオアベイラビリティーが低いと言われている。従って、優れたPDE10A阻
害作用を有しており、統合失調症等の治療剤および/または予防剤等として有用である、
ピラゾール誘導体の1つである、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−
(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7
−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(以下、化合物Aともい
う)について、そのフリー体に比較して、溶解性、経口吸収性(血中濃度、バイオアベイ
ラビリティー)等点でより優れた化合物を見出すことは有用である。また、一定の品質を
有する医薬品化合物の工業的な規模での供給という点から結晶を得ることができる化合物
Aの酸付加塩を見出すことは医薬品開発上有用である。
本発明者は、上記課題を解決する為に、化合物Aの酸付加塩について鋭意研究した結果
、化合物Aの特定の酸付加塩の結晶は、優れたPDE10A阻害作用を有し、また、溶解
性やバイオアベイラビリティーの点で優れた性質を有することを見出し、本発明を完成し
た。
本発明の化合物Aの特定の酸付加塩の結晶は、工業規模での供給の点からも有用であり
、経口投与可能なPDE10Aが関与する疾患の予防剤および/または治療剤、とりわけ
統合失調症等の治療剤および/または予防剤のための医薬として期待される。
本発明の4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−
フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル
−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの特定の酸付加塩、またはその溶媒和物の結晶
は、優れたPDE10A阻害作用を有し、溶解性やバイオアベイラビリティーの点で優れ
た性質を有している、また、工業規模での供給の点からも有用であり、経口投与可能なP
DE10Aが関与する疾患の予防剤および/または治療剤、とりわけ統合失調症等の治療
剤および/または予防剤のための医薬品として有用である。
図1は、(実施例1)の一塩酸塩の一水和物の結晶の粉末X線回折パターンである。 図2は、(実施例1)の一塩酸塩の一水和物の結晶の熱重量分析(TGA)曲線である。 図3は、(実施例2)の一塩酸塩の無水物の結晶の粉末X線回折パターンである。 図4は、(実施例2)の一塩酸塩の無水物の結晶の熱重量分析(TGA)曲線である。 図5は、(実施例3)の一臭化水素酸塩の無水物の結晶の粉末X線回折パターンである。 図6は、(実施例3)の一臭化水素酸塩の無水物の結晶の熱重量分析(TGA)曲線である。
本発明は、下記式
で表される4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−
フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル
−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(以下、化合物Aとも言う)の特定の酸付加塩
、またはその無水物もしくは溶媒和物の結晶に関する。また当該結晶を含む医薬、医薬組
成物、並びに当該結晶の製造方法に関する。
本発明は、以下の態様[1]〜[36]を含む。
ここで、本明細書において、態様[1]〜態様[21]のいずれかに記載の結晶を、「
本発明の化合物Aの塩の結晶」または「本発明の塩の結晶」という場合がある。
[1]本発明の第1の態様は、上記化合物Aの塩酸塩、または臭化水素酸塩の結晶である
[2]本発明の第2の態様は、前記態様[1]において、上記化合物Aの塩酸塩、または
臭化水素酸塩の無水物の結晶である。
[3]本発明の第3の態様は、前記態様[1]において、上記化合物Aの塩酸塩、または
臭化水素酸塩の溶媒和物の結晶である。
[4]本発明の第4の態様は、前記態様[3]において、上記化合物Aの塩酸塩、または
臭化水素酸塩の水和物の結晶である。
[5]本発明の第5の態様は、前記態様[4]において、上記化合物Aの塩酸塩、または
臭化水素酸塩の一水和物の結晶である。
[6]本発明の第6の態様は、前記態様[1]〜[5]のいずれか1項において、上記化
合物Aの一塩酸塩、または一臭化水素酸塩の結晶である。
[7]本発明の第7の態様は、前記化合物Aの一塩酸塩の一水和物の結晶である。
[8]本発明の第8の態様は、前記化合物Aの一塩酸塩の無水物の結晶である。
[9]本発明の第9の態様は、前記化合物Aの一臭化水素酸塩の無水物の結晶である。
[10]本発明の第10の態様は、粉末X線回折による回折角(2θ)として11.3、
12.4、15.2、20.0、21.7、23.1、24.0、25.9、および27
.8(°)に特徴的ピークを有する、前記化合物Aの一塩酸塩の一水和物の結晶である。
[11]本発明の第11の態様は、図1に示す粉末X線回折図により特徴付けられる、前
記化合物Aの一塩酸塩の一水和物の結晶である。
[12]本発明の第12の態様は、粉末X線回折において表2に示す回折角(2θ)、お
よび強度を有する前記化合物Aの一塩酸塩の一水和物の結晶である。
[13]本発明の第13の態様は、熱重量分析測定(TGA測定)において、図2に示す
TGA曲線を示すことを特徴とする、前記態様[7]および態様[10]ないし態様[1
2]のいずれか1項に記載の結晶である。
[14]本発明の第14の態様は、粉末X線回折による回折角(2θ)として13.2、
14.4、16.3、17.3、18.9、20.4、21.1、23.4、26.6、
26.9、27.5、および29.0(°)に特徴的ピークを有する、前記化合物Aの一
塩酸塩の無水物の結晶である。
[15]本発明の第15の態様は、図3に示す粉末X線回折図により特徴付けられる、前
記化合物Aの一塩酸塩の無水物の結晶である。
[16]本発明の第16の態様は、粉末X線回折において表3に示す回折角(2θ)、お
よび強度を有する、前記化合物Aの一塩酸塩の無水物の結晶である。
[17]本発明の第17の態様は、熱重量分析測定(TGA測定)において、図4に示す
TGA曲線を示すことを特徴とする、前記態様[8]および態様[14]ないし態様[1
6]のいずれか1項に記載の結晶である。
[18]本発明の第18の態様は、粉末X線回折による回折角(2θ)として12.4、
14.6、16.5、17.1、17.5、18.1、19.0、20.3、20.7、
21.1、22.4、23.5、23.8、24.3、25.1、25.3、26.6、
および28.8(°)に特徴的ピークを有する、前記化合物Aの一臭化水素酸塩の無水物
の結晶である。
[19]本発明の第19の態様は、図5に示す粉末X線回折図により特徴付けられる、前
記化合物Aの一臭化水素酸塩の無水物の結晶である。
[20]本発明の第20の態様は、粉末X線回折において表4に示す回折角(2θ)、お
よび強度を有する、前記化合物Aの一臭化水素酸塩の無水物の結晶である。
[21]本発明の第21の態様は、熱重量分析測定(TGA測定)において、図6に示す
TGA曲線を示すことを特徴とする、前記態様[9]および態様[18]ないし態様[2
0]のいずれか1項に記載の結晶である。
[22]本発明の第22の態様は、以下の工程1〜3を含む、前記態様[1]ないし態様
[21]いずれか1項に記載の結晶の製造方法である。
(工程1)化合物Aを不活性溶媒または含水不活性溶媒に溶解または懸濁して、溶液ま
たは懸濁液を得て、当該溶液または懸濁液中に、酸(例えば、塩酸もしくは臭化水素酸)
または酸(例えば、塩酸もしくは臭化水素酸)の水溶液もしくは不活性溶媒溶液を加える
工程
(工程2)一定温度条件下にて一定時間撹拌する工程、および
(工程3)生成した固体を濾取する工程。
[22−1]本発明の第22−1の態様は、以下の工程1〜3を含む、前記態様[7]お
よび態様[10]ないし態様[13]のいずれか1項に記載の結晶の製造方法である。
(工程1)化合物Aを不活性溶媒または含水不活性溶媒に溶解または懸濁して、溶液ま
たは懸濁液を得て、当該溶液または懸濁液中に、塩酸または塩酸の水溶液もしくは不活性
溶媒溶液を加える工程
(工程2)一定温度条件下にて一定時間撹拌する工程、および
(工程3)生成した固体を濾取する工程。
[22−2]本発明の第22−2の態様は、以下の工程1〜3を含む、前記態様[8]お
よび態様[14]ないし態様[17]のいずれか1項に記載の結晶の製造方法である。
(工程1)化合物Aを不活性溶媒または含水不活性溶媒に溶解または懸濁して、溶液ま
たは懸濁液を得て、当該溶液または懸濁液中に、塩酸または塩酸の水溶液もしくは不活性
溶媒溶液を加える工程
(工程2)一定温度条件下にて一定時間撹拌する工程、および
(工程3)生成した固体を濾取する工程。
[22−3]本発明の第22−3の態様は、以下の工程1〜3を含む、前記態様[9]お
よび態様[18]ないし態様[21]のいずれか1項に記載の結晶の製造方法である。
(工程1)化合物Aを不活性溶媒または含水不活性溶媒に溶解または懸濁して、溶液ま
たは懸濁液を得て、当該溶液または懸濁液中に、臭化水素酸または臭化水素酸の水溶液も
しくは不活性溶媒溶液を加える工程
(工程2)一定温度条件下にて一定時間撹拌する工程、および
(工程3)生成した固体を濾取する工程。
本発明において、化合物Aの酸付加塩とは、医薬製剤としての用途に適したものであり
、製薬学的に許容される塩としては、製薬学的に許容される無機酸また有機酸から得られ
るもの、すなわち、無機酸塩または有機酸塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、よう化水素酸、硝酸、
硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、
酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、エナント酸、カプリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、乳酸、ソルビン酸、マンデル酸等の脂肪族モノ
カルボン酸等との塩、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸
、酒石酸等の脂肪族ジカルボン酸との塩、クエン酸等の脂肪族トリカルボン酸との塩、安
息香酸、サリチル酸等の芳香族モノカルボン酸との塩、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸
の塩、桂皮酸、グリコール酸、ピルビン酸、オキシル酸、サリチル酸、N−アセチルシス
テイン等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ
酸類との酸付加塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る酸付加塩として、塩酸塩、または臭化水素酸塩が好まし
い。
本発明において、化合物Aの酸付加塩には、無水物、または溶媒和物(例えば、水和物
)の形態が含まれる。
本発明において、化合物Aの酸付加塩は、例えば、一塩酸塩、二塩酸塩および三塩酸塩
、或は一臭化水素酸塩、二臭化水素酸塩および三臭化水素酸塩を包含し得る。好適には、
一塩酸塩、または一臭化水素酸塩である。
本発明の化合物Aの塩の溶媒和物には、水和物または有機溶媒の溶媒和物の形態がある
。本発明における酸付加塩の水和物または同溶媒和物は、例えば一−、二−、三−、四−
、五−、六−水和物または溶媒和物としてそれぞれ存在し得る。好適には、一水和物、ま
たは一溶媒和物である。
結晶化に使用される溶媒、例えばアルコール、特にメタノール、エタノール、アルデヒ
ド、ケトン、特にアセトン、エステル、例えば酢酸エチルは、結晶格子に埋封され得る。
好ましいのは、医薬上許容される溶媒である。選択され
た溶媒または水が結晶化および後続製造工程で溶媒和物または水和物に導かれるかまたは
直接遊離酸に至る範囲は、一般的に予測不能であり、製造条件の組合せおよび化合物Aお
よび選択された溶媒、特に水間における様々な相互作用により異なる。
本発明の化合物Aの塩としては、一塩酸塩の一水和物、一塩酸塩の無水物、一臭化水素
酸塩の無水物が好適である。
本発明において、化合物Aの酸付加塩は、以下の方法により製造することができる:
(工程1)化合物Aを不活性溶媒または含水不活性溶媒に溶解または懸濁して、溶液ま
たは懸濁液を得て、当該溶液または懸濁液中に、酸または酸の水溶液もしくは不活性溶媒
溶液を加える;
(工程2)一定温度条件下(好適には、室温条件下)にて一定時間撹拌する;および、
(工程3)生成した固体を濾取する。
また必要に応じて、工程2の前または後に、以下の工程からなる群より選択される1以
上の工程を行ってもよい:
(工程a)乾燥する。
(工程b)種結晶を加える;
(工程c)溶媒を留去する;
(工程d)加熱する;
(工程e)冷却する;
(工程f)貧溶媒(酸付加塩を溶解しない不活性溶媒)を加える;および、
(工程g)超音波刺激もしくは反応容器の表面の擦過等の機械的刺激を与えることによ
り結晶の析出を開始もしくは促進させる。
工程1においては、化合物Aの不活性溶媒溶液もしくは懸濁液、または含水不活性溶媒
溶液もしくは懸濁液中に、酸または酸の水溶液もしくは不活性溶媒溶液を適宜加えること
が可能である。
上記塩の製造方法において使用される化合物Aは、後述する。
化合物Aとしては、単離し精製されたもの、固体状の反応粗生物、または、反応粗生物
の溶液のいずれのものでも使用することができる。
使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特
に限定はなく、例えば、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、シクロヘキサンのような脂
肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンク
ロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチ
ルエーテル、ブチルメチルエーテル、sec−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルメチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノンのようなケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
のようなエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロ
ニトリルのようなニトリル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル
−2−プロパノールのようなアルコール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのよ
うなアミド類;水;または、これらの混合物を用いることが可能である。
使用される不活性溶媒は、好適には、エーテル類、ケトン類、エステル類、アルコール
類、水、または、これらの混合物であり、より好適には、エタノール、1,4−ジオキサ
ン、アセトン、もしくはこれらの溶媒の混合物、またはこれらの溶媒と水との混合物であ
り、さらに好適には、エタノールと水の混合物、1,4−ジオキサンと水の混合物、また
はアセトン等である。また、反応溶液中に適量の水が存在することは、好適である。
使用される酸が一価の酸である場合、酸の使用量は、例えば、化合物A1モル(mol)
に対して0.4乃至10モルであり得、好適には、0.8乃至6モルである。
使用される酸が二価の酸である場合、酸の使用量は、例えば、化合物A1モルに対して
0.2乃至10モルであり得、好適には、0.3乃至6モルである。
使用される酸が三価の酸である場合、酸の使用量は、例えば、化合物A1モルに対して
0.1乃至10モルであり得、好適には、0.2乃至6モルである。
使用される酸の水溶液、または、不活性溶媒溶液の濃度は、例えば、0.1モル/リッ
トル(mol/l)乃至飽和溶液であり得る。好適には、1乃至20モル/リットルである。
反応温度は、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、0℃乃至100℃であり
、より好適には、10℃乃至60℃である。
反応時間は、使用される酸、溶媒、または、反応温度等によって異なるが、通常、5分
間乃至24時間であり、好適には、10分間乃至12時間である。
生成した固体は、例えば、濾過、遠心分離、または、傾斜法によって単離することがで
きる。単離された固体は、必要に応じて、不活性溶媒(好適には、反応で使用された不活
性溶媒)で洗浄することができる。
単離された固体は、通常20乃至80℃で、好適には、30乃至60℃で、減圧下にて
、乾燥することができる。乾燥時間は、通常重量がほぼ変化しなくなるまでの時間である
が、好適には、30分間乃至12時間であり、より好適には、1乃至6時間である。固体
の乾燥は、必要に応じて、シリカゲル、および/または、塩化カルシウム等の乾燥剤の存
在下にて行うことができる。
本発明において、化合物Aの塩の結晶とは、その内部構造が三次元的に構成原子(また
はその集団)の規則正しい繰り返し構造からなる固体を意味し、そのような規則的な内部
構造を有さないアモルファス状の固体とは区別される。
当該固体が結晶であるか否かは、結晶学的に周知の方法(例えば、粉末X線結晶解析、示
差走査熱量分析等)で調べることができる。例えば、ある固体について銅のKα線の照射
で得られるX線による粉末X線結晶解析を行い、そのX
線回折図において明確なピークが観測される場合には、その固体は結晶であると決定する
ことができ、明確なピークが観測されない場合にはその固体はアモルファス状であると決
定することができる。当該ピークを読み取ることはできるがピークが明確でない(例えば
、ブロードである)場合には、その固体は結晶化度の低い結晶であると決定され、そのよ
うな結晶化度の低い結晶も本発明の化合物Aの塩の結晶に包含される。
結晶化は、通常、適当な結晶化溶媒、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロ
パノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル等の
エーテル系溶媒;n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;N,N‐ジメチルホルムアミド、N
,N‐ジメチルアセトアミド、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン、ジメチルスル
ホキシド等の極性溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2‐ジクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;アセトン、ジフェニルケ
トン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒
;酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸、等の溶媒が使用される。これ
らの溶媒は、単独で用いることもできるし、二種類以上の溶媒を適当な割合、例えば、1
:1〜1:10の割合で混合して用いてもよい。
本発明において、化合物Aの一塩酸塩の一水和物の結晶を形成させる溶媒としては、水
、エタノール、1,4−ジオキサン、アセトン等の溶媒が挙げられる。好ましくは、水と
エタノール等との混合溶媒である。
本発明において、化合物Aの一塩酸塩の無水物の結晶を形成させる溶媒としては、水、
エタノール、1,4−ジオキサン、アセトン等の溶媒が挙げられる。好ましくは、水と1
,4−ジオキサン等との混合溶媒である。
本発明において、化合物Aの一臭化水素酸塩の無水物の結晶を形成させる溶媒としては
、水、エタノール、1,4−ジオキサン、アセトン等の溶媒が挙げられる。好ましくは、
アセトンである。
本発明において、結晶化は、約0℃から結晶を形成させる溶媒が沸騰する温度で実施さ
れ、好ましくは環境温度で実施される。
得られた結晶の解析方法としては、X線回折による結晶解析の方法が一般的である。さ
らに、結晶の方位を決定する方法としては、機械的な方法または光学的な方法(例えば、
FT−ラマンスペクトル、固体NMRスペクトル)なども挙げられる。また、結晶の熱分
析(示差走査熱量測定、Differential Scanning Calorim
etry(DSC))、熱重量分析(、Thermogravimetry Analy
sis(TGA))赤外吸収スペクトル(IR)分析(KBr法、溶液法)なども通常の
方法に従って測定することができる。
上記解析方法により得られるスペクトルのピークは、その性質上一定の測定誤差が必然
的に生じる。スペクトルのピークの数値が当該誤差範囲のものも本発明の塩の結晶に含ま
れる。例えば、粉末X線回折による回折角(2θ)においては、「±0.2」又は「±0
.1」の誤差が許容されることを意味する。
熱重量分析(TGA)の試験において、本発明の塩の結晶は、昇温速度毎分10℃で2
5℃から400℃の範囲を測定した場合に、重量損失を含む熱重量分析(TGA)曲線を
示す。
本発明の化合物Aの一塩酸塩の一水和物の結晶は、熱重量分析測定(TGA測定)にお
いて、図2に示す熱重量分析(TGA)曲線を有する結晶である。
本発明の化合物Aの一塩酸塩の無水物の結晶は、熱重量分析測定(TGA測定)におい
て、図4に示す熱重量分析(TGA)曲線を有する結晶である。
本発明の化合物Aの一臭化水素酸塩の一水和物の結晶は、熱重量分析測定(TGA測定
)において、図6に示す熱重量分析(TGA)曲線を有する結晶である。
[23]本発明の第23の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]いずれかに記載の
結晶を有効成分として含有する医薬である。
[24]本発明の第24の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]いずれかに記載の
結晶を有効成分として含有する医薬組成物である。
[25]本発明の第25の態様は、精神障害、妄想性障害、および薬物誘発性精神病など
のある種の精神障害および状態、恐慌性障害および強迫性障害などの不安障害、パーキン
ソン病およびハンチントン病を包含する運動障害、気分障害、神経変性障害、注意および
/または認知の欠如を含む障害、肥満、ならびに薬物嗜癖からなる群から選択される少な
くとも1つの疾患又は状態を治療するための医薬であって、前記疾患または状態を治療す
るのに有効なある量の、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様に記載の結
晶を有効成分として含有する医薬組成物である。
本発明の医薬組成物によって治療することのできる「精神障害および状態」としては、
例えば、(1)妄想型、解体型、緊張型、鑑別不能型、または残遺型の統合失調症、(2
)統合失調症様障害、(3)妄想型または抑うつ型の統合失調感情障害、(4)妄想性障
害、(5)物質誘導性精神障害、たとえばアルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン
、幻覚剤、吸入剤、オピオイド、またはフェンシクリジンによって誘発された精神病、(
6)妄想型人格障害、および(7)統合失調型の人格障害等が挙げられる。但し、これら
に限定されるものではない。
本明細書中、特に断りのない限り、「統合失調症、統合失調症様障害」の症状としては
、例えば、(1)陽性症状、陰性症状、およびそれに関連する妄想および/または幻覚症
状、(2)解体した会話(頻繁に脱線したり、支離滅裂な会話)、(3)感情の平板化(
感情表現の幅と強さの著しい低下)、(4)アロギー(会話の内容と量の低下)、(5)
アンヘドニア(快感能力の消失/減退)、(6)不相応な情動、(7)不快気分(例えば
、抑うつ、不安、または怒り等)、(8)意欲低下、(9)非社会性(社会的交流から喜
びを得る能力の欠如)および(10)認知機能障害の一部等が挙げられる。但し、これら
に限定されるものではない。
本発明の医薬組成物によって治療することのできる「運動障害」としては、例えば、(
1)ハンチントン病、およびDopamineアゴニスト療法に関連する異常運動症、(
2)パーキンソン病、(3)不穏下肢症候群(Restless Legs Syndr
ome:RLS)、および(4)本態性振戦等が挙げられる。但し、これらに限定される
ものではない。
本発明の医薬組成物によって治療することのできる「他の障害」としては、例えば、(
1)強迫性障害、(2)トゥーレット症候群、および(3)チック障害等が挙げられる。
但し、これらに限定されるものではない。
本発明の医薬組成物によって治療することのできる「不安障害」としては、例えば、(
1)恐慌性障害、(2)広場恐怖症、(3)特定恐怖症、(4)社会恐怖症、(5)強迫
性障害、(6)心的外傷後ストレス障害、(7)急性ストレス障害、および(8)全般性
不安障害等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
本明細書中、特に断りのない限り、「薬物嗜癖」は薬物に対する異常な欲望を意味し、
一般に所望の薬物を摂取しようとする衝動強迫のような動機的障害、および強度の薬物切
望のエピソードを特徴とする。例えば、アルコール、アンフェタミン、コカイン、または
アヘン嗜癖等が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「注意および/または認知の欠如を含む障害」にお
ける、「注意および/または認知の欠如」は、同じ年齢の他の個体と比較して特定の個体
において、記憶、知力、または学習および論理能力などの1種または複数の認知的機能が
正常以下であることを意味する。また、「注意および/または認知の欠如」は、例えば、
加齢性認知低下で起こるような1種または複数の認知的局面の任意の特定の個体における
機能の低下を意味する。
本発明の医薬組成物によって治療することのできる「注意および/または認知の欠如を
含む障害」としては、例えば、(1)認知症、例えばアルツハイマー病、多発脳梗塞、ア
ルコール性認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認
知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連する認知症、またはAIDS関連認
知症、(2)せん妄、(3)健忘障害、(4)心的外傷後ストレス障害(Posttra
umatic stress disorder:PTSD)、(5)精神遅滞、(6)
学習障害、例えば読字障害、算数障害、または書字表出障害、(7)注意欠陥・多動性障
害(Attention Deficit/Hyperactivity Disord
er:ADHA)、および(8)加齢性認知低下等が挙げられる。但し、これらに限定さ
れるものではない。
本発明の医薬組成物によって治療することのできる「気分障害」および「気分エピソー
ド」としては、例えば、(1)大うつ病エピソード(軽度、中等度、または重度型)、躁
病エピソード、混合性エピソード、軽躁病エピソード、(2)非定型うつ病、(3)メラ
ンコリー型うつ病、(4)緊張病性うつ病、(5)産後発症気分エピソード、(6)脳卒
中後うつ病、(7)大うつ病性障害、(8)気分変調性障害/気分変調症、(9)小うつ
病性障害、(10)月経前不快気分障害、(12)統合失調症後うつ病性障害、(13)
妄想性障害または統合失調症等の精神障害に併発する大うつ病性障害、(14)双極性障
害、たとえば双極I型障害、双極II型障害、および(15)気分循環性障害等が挙げら
れる。但し、これらに限定されるものではない。
本明細書中、特に断りのない限り、「神経変性障害または状態」は、中枢神経系におけ
るニューロンの機能不全および/またはニューロン死に起因する神経機能障害または状態
を意味する。該障害および状態の治療には、該障害または状態での、危機的状態にあるニ
ューロンの機能不全および/またはニューロン死を防ぐか、かつ/または危機的状態にあ
るニューロンの機能不全またはニューロン死に起因する機能喪失を補う為に、損傷してい
るもしくは正常に働いているニューロンの機能を高められる薬剤を投与することなどが挙
げられる。
本発明の医薬組成物によって治療することのできる「神経変性障害および状態」として
は、例えば、(1)パーキンソン病、(2)ハンチントン病、(3)認知症、たとえばア
ルツハイマー病、多発脳梗塞性認知症、AIDS関連認知症、および前頭側頭型認知症、
(4)脳外傷に関連する神経変性、(5)脳卒中に関連する神経変性、脳梗塞に関連する
神経変性、(6)低血糖誘発性神経変性、(7)てんかん発作に関連する神経変性、(8
)神経毒中毒に関連する神経変性、および(9)多系統委縮症、(10)線条体中型有棘
ニューロンの神経変性等が挙げられる。但し、これらに限定されるものではない。
本明細書中、特に断りのない限り、「神経毒中毒」とは、神経毒による中毒を指す。神
経毒は、神経死、即ち神経学的損傷を引き起こしうる任意の化学物質または物質である。
神経毒の例としてアルコールが挙げられる。アルコールが妊婦によって乱用された場合、
新生児は胎児性アルコール症候群であるアルコール中毒および神経学的損傷を生じうる。
他の神経毒の例としては、カイニン酸、ドウモイ酸、およびアクロメリン酸、ある種の農
薬(例えば、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(Dichloro dipheny
l trichloroethane:DDT)等)、ある種の殺虫剤(例えば、有機リ
ン酸類等)、揮発性有機溶媒(例えば、トルエン等)、金属(例えば、鉛、水銀、ヒ素、
リン、およびアルミニウム等)、兵器として用いられるある種の化学物質(例えば、枯れ
葉剤であるエージェントオレンジまたは神経ガス等)、および神経毒性抗腫瘍剤等が挙げ
られる。但し、これらに限定されるものではない。
本明細書中、特に断りのない限り、「疾患または状態を治療する」にあるような「治療
する」とは、「疾患または状態」の進行、または1つもしくは複数の「疾患または状態」
を回復させる、緩和する、または抑制することを意味する。また、本明細書中、「治療す
る」は、患者の状態に応じて、「疾患または状態」の発症またはその「疾患または状態」
に関連する任意の症状の発症を予防することを包含する「疾患または状態」の予防、なら
びに発症前に「疾患または状態」またはその任意の症状の重症度を低減することも包含す
る。本明細書では、「治療する」はある「疾患または状態」の再発を予防するおよび改善
することも含むものとする。
[26]本発明の第26の態様は、精神障害、妄想性障害、および薬物誘発性精神病など
のある種の精神障害および状態、恐慌性障害および強迫性障害などの不安障害、パーキン
ソン病およびハンチントン病を包含する運動障害、気分障害、神経変性障害、注意および
/または認知の欠如を含む障害、肥満、ならびに薬物嗜癖からなる群から選択される少な
くとも1つの疾患または状態を治療するための医薬組成物であって、PDE10Aを阻害
するのに有効なある量の、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様に記載の
結晶を有効成分として含有する医薬組成物である。
[27]本発明の第27の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様
に記載の結晶を有効成分として含有する、精神障害、妄想性障害、および薬物誘発性精神
病などのある種の精神障害および状態、恐慌性障害および強迫性障害などの不安障害、パ
ーキンソン病およびハンチントン病を包含する運動障害、気分障害、神経変性障害、注意
および/または認知の欠如を含む障害、肥満、ならびに薬物嗜癖からなる群から選択され
る少なくとも1つの疾患または状態の予防剤および/または治療剤である。
[27−1]前記態様[27]において、好ましくは、前記態様[1]ないし態様[21
]のいずれかの態様に記載の結晶を有効成分して含有する、統合失調症の疾患または状態
の予防剤および/または治療剤である。
[28]本発明の第28の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様
に記載の結晶を有効成分として含有する、精神障害、妄想性障害、および薬物誘発性精神
病などのある種の精神障害および状態、恐慌性障害および強迫性障害などの不安障害、パ
ーキンソン病およびハンチントン病を包含する運動障害、気分障害、神経変性障害、注意
および/または認知の欠如を含む障害、肥満、ならびに薬物嗜癖からなる群から選択され
る少なくとも1つの疾患または状態の治療剤である。
[28−1]前記態様[28]において、好ましくは、前記態様[1]ないし態様[21
]のいずれかの態様に記載の結晶を有効成分として含有する、統合失調症の疾患または状
態の治療剤である。
[29]本発明の第29の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様
に記載の結晶を有効成分として含有することを特徴とする、PDE10A受容体が関与す
る疾患の予防剤および/または治療剤である。
[30]本発明の第30の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様
に記載の結晶を有効成分として含有することを特徴とする、PDE10A受容体が関与す
る疾患の治療剤である。
[31]本発明の第31の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様
に記載の結晶の医薬としての使用である。
[32]本発明の第32の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様
に記載の結晶の、医薬品の製造における使用である。
[33]本発明の第33の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様
に記載の結晶の、PDE10A阻害剤の製造における使用である。
[33−1]本発明の第33−1の態様は、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれ
かの態様に記載の結晶を有効成分として含有することを特徴とするPDE10A阻害剤で
ある。
[34]本発明の第34の態様は、精神障害、妄想性障害、および薬物誘発性精神病など
のある種の精神障害および状態、恐慌性障害および強迫性障害などの不安障害、パーキン
ソン病およびハンチントン病を包含する運動障害、気分障害、神経変性障害、注意および
/または認知の欠如を含む障害、肥満、ならびに薬物嗜癖からなる群から選択される少な
くとも1つの疾患または状態を治療する方法であって、前記疾患または状態を治療するの
に有効な量の、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様に記載の結晶を前記
疾患または状態の治療を必要とする対象に投与することを含む方法である。
[35]本発明の第35の態様は、精神障害、妄想性障害、および薬物誘発性精神病など
のある種の精神障害および状態、恐慌性障害および強迫性障害などの不安障害、パーキン
ソン病およびハンチントン病を包含する運動障害、気分障害、神経変性障害、注意および
/または認知の欠如を含む障害、肥満、ならびに薬物嗜癖からなる群から選択される少な
くとも1つの疾患または状態を治療する方法であって、PDE10Aを阻害するのに有効
な量の、前記態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様に記載の結晶を前記疾患ま
たは状態の治療を必要とする対象に投与することを含む方法である。
[36]本発明の第36の態様は、前記疾患または状態が、(1)妄想型、解体型、緊張
型、鑑別不能型、または残遺型の統合失調症、(2)統合失調症様障害、(3)妄想型ま
たは抑うつ型の統合失調感情障害、(4)妄想性障害、(5)物質誘導性精神障害、(6
)アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイド、または
フェンシクリジンによって誘発された精神病、(7)妄想型人格障害、(8)統合失調型
の人格障害、(9)ハンチントン病、(10)Dopamineアゴニスト療法に関連す
る異常運動症、(11)パーキンソン病、(12)不穏下肢症候群、(13)本態性振戦
、(14)強迫性障害、(15)トゥーレット症候群、(16)チック障害、(17)恐
慌性障害、(18)広場恐怖症、(19)特定恐怖症、(20)社会恐怖症、(21)心
的外傷後ストレス障害、(22)急性ストレス障害、(23)全般性不安障害、(24)
認知症;アルツハイマー病、多発脳梗塞、アルコール性認知症もしくは他の薬物関連認知
症、頭蓋内腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン
病に関連する認知症、AIDS関連認知症、または前頭側頭型認知症(25)せん妄、(
26)健忘障害、(27)精神遅滞、(28)学習障害;読字障害、算数障害、または書
字表出障害、(29)注意欠陥・多動性障害、(30)加齢性認知低下、(31)大うつ
病エピソード(軽度、中等度、または重度型)、躁病エピソード、混合性エピソード、軽
躁病エピソード、(32)非定型うつ病、(33)メランコリー型うつ病、(34)緊張
病性うつ病、(35)産後発症気分エピソード、(36)脳卒中後うつ病、(37)大う
つ病性障害、(38)気分変調性障害/気分変調症、(39)小うつ病性障害、(40)
月経前不快気分障害、(41)統合失調症後うつ病性障害、(42)妄想性障害または統
合失調症等の精神障害に併発する大うつ病性障害、(43)双極性障害;双極I型障害、
双極II型障害、(44)気分循環性障害、(45)脳外傷に関連する神経変性、(46
)脳卒中に関連する神経変性、脳梗塞に関連する神経変性、(47)低血糖誘発性神経変
性、(48)てんかん発作に関連する神経変性、(49)神経毒中毒に関連する神経変性
、(50)多系統委縮症、ならびに(51)線条体中型有棘ニューロンの神経変性からな
る群から選択される少なくとも1つの疾患または状態である、前記態様[1]ないし態様
[21]のいずれかの態様に記載の結晶を有効成分として含有する医薬組成物又は態様[
34]ないし態様[35]のいずれかの態様に記載の方法である。
本発明の態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様に記載の結晶のPDE10A
阻害作用は適宜選択した方法、例えば、後述の薬理実験例1(ヒト由来PDE10A阻害
作用)で測定する事ができる。
本発明の態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様に記載の結晶は、薬理実験例
1(ヒトPDE10A阻害作用)において、優れたPDE10A阻害活性を有する。また
、本発明の態様[1]ないし態様[21]のいずれかの態様に記載の結晶は、PDE10
Aに対して非常に選択的であり、選択的PDE10A阻害剤である。
本明細書において特に断りが無い限り、「選択的PDE10A阻害剤」とは、PDE1
〜9またはPDE11阻害活性と比して、大幅にPDE10A阻害活性を有する化合物を
意味する。
一実施形態において、「選択的PDE10A阻害剤」とは、好ましくは、他の任意のP
DE酵素(例えば、PDE1A、2A、3A、4A、4B、5A、6、7A、7B、8A
、9A、および11A)阻害に関して、その化合物が有するIC50値の約1/1000
以下であるPDE10A阻害活性を有する化合物である。(言い換えると、該化合物は、
他の任意のPDE酵素を阻害する場合に必要とされるIC50値の用量の約1/1000
以下でPDE10A活性を同程度阻害する。)
本発明の塩の結晶には、同位元素(例えば、水素の同位体、HおよびHなど、炭素
の同位体、11C、13C、および14Cなど、塩素の同位体、36Clなど、フッ素の
同位体、18Fなど、ヨウ素の同位体、123Iおよび125Iなど、窒素の同位体、
Nおよび15Nなど、酸素の同位体、15O、17O、および18Oなど、リンの同位
体、32Pなど、ならびに硫黄の同位体、35Sなど)で標識、又は置換された結晶も包
含される。
ある種の同位元素(例えば、11C、18F、15O、および13Nなどの陽電子放出
同位元素)で標識または置換された本発明の塩の結晶は、例えば、陽電子断層法(Pos
itron Emission Tomography;PET)において使用するトレ
ーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用
である。
ある種の同位体標識で標識または置換された本発明の塩の結晶は、薬物および/または
基質の組織分布研究において有用である。例えば、Hおよび14Cは、それらの標識ま
たは置換が容易であり、かつ検出手段が容易である点から、該研究目的において有用であ
る。
同位体標識された本発明の塩の結晶は、当業者に知られている通常の技法によって、ま
たは後述の実施例に記載する合成方法に類似する方法によって得る事ができる。また、非
標識化合物の代わりに、得られた同位体標識化合物を薬理実験に用いる事ができる。
[4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル
−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−
ピラゾール−5−カルボキサミド(以下、化合物Aともいう)の製造方法]
以下に、本発明において塩の結晶化に使用する化合物Aの製造方法について説明する。
化合物Aは、市販化合物または市販化合物から文献公知の製造方法により容易に得るこ
とが出来る化合物を出発原料もしくは合成中間体として、既知の一般的化学的な製造方法
を組み合わせることで容易に製造することが可能であり、下記Scheme1に示す代表
的な製造方法に従い製造することができる。また、本発明は以下に説明する製造方法に、
何ら限定されるものではない。
前記の化合物Aの製造法において、化合物Aの製造に用いられる各原料化合物は、塩を
形成していてもよく、このような塩としては、製薬学的に許容しうる塩であれば特に限定
されないが、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸
との塩、塩基性、又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
金属塩の好適な例としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウ
ム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ
土類金属塩、アルミニウム塩などが挙げられる(例えば、モノ塩の他、二ナトリウム塩、
二カリウム塩も含む)。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、t−ブチ
ルアミン、t−オクチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン
、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、
ピコリン、リシン、アルギニン、オルニチン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン
、グルコサミン、フェニルグリシンアルキルエステル、グアニジン、2,6−ルチジン、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N'−ジベンジル
エチレンジアミン等との塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、よう化水素酸、硝酸、
硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、
酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、エナント酸、カプリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、乳酸、ソルビン酸、マンデル酸等の脂肪族モノ
カルボン酸等との塩、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸
、酒石酸等の脂肪族ジカルボン酸との塩、クエン酸等の脂肪族トリカルボン酸との塩、安
息香酸、サリチル酸等の芳香族モノカルボン酸との塩、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸
の塩、桂皮酸、グリコール酸、ピルビン酸、オキシル酸、サリチル酸、N−アセチルシス
テイン等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエ
ンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ
酸類との酸付加塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン
などとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン
酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する
場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(
例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)などの無機塩、アンモニウム塩な
ど、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸
、硫酸、リン酸など無機酸との塩、又は酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、
マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有
機酸との塩が挙げられる。
また、化合物Aの製造に用いられる各原料化合物は、反応液のままか粗製物として次の
反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、それ自
体が公知の手段、例えば、抽出、濃縮、中和、濾過、蒸留、再結晶、クロマトグラフィー
などの分離手段により容易に精製することができる。
前記の化合物Aの製造方法中の反応条件については、特に断らない限り、以下の如きと
する。反応温度は、−78℃から溶媒が還流する温度の範囲であり、特に温度が記載され
ていない場合は、室温(0〜35℃)であり、反応時間は、反応が十分進行する時間であ
る。
また、製造方法中の各工程は、無溶媒、あるいは反応前に原料化合物を適当な反応に関
与しない溶媒に溶解又は懸濁して行うことができる。反応に関与しない溶媒としては、具
体的には、水;シクロヘキサン、ヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒;ベンゼン、クロロベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;メタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、2−メトキシエタノール
等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド
、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン等の
極性アミド系溶媒:ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;アセトニトリル、プ
ロピオニトリル等のニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフ
ェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン
等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素
、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;トリエチルアミン、N,N−
ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン等の塩基性溶媒;無水酢酸等の酸無水
物;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸;塩酸
、硫酸等の無機酸;であるが、一種の溶媒を単独で用いてもよく、または反応条件により
適宜選択し二種以上の溶媒を適宜の割合で混合して用いてもよい。
前記化合物Aの製造法中において用いられる塩基(又は脱酸剤)として、具体的には、
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム等の無機塩基;トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリブチル
アミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリ
ジン(DMAP)、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロ
リジン、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1
,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7
−ウンデセン、イミダゾール等の有機塩基;ソディウムメトキシド、ソディウムエトキシ
ド、カリウムtert−ブトキシド、ソディウムtert−ブトキシド等金属アルコキシ
ルド類;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;ナトリウムアミ
ド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミド;
メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチ
ウム等の有機リチウム試薬;が挙げられる。また、化合物Aの製造法において用いられる
酸、又は酸触媒として、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸等の無機酸
;酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、フタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエ
ン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホ
ン酸等の有機酸;三フッ化ホウ素エーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無
水塩化亜鉛、無水塩化鉄等のルイス酸;が挙げられる。ただし、上記に記載したものに必
ずしも限定されるわけではない。
[本発明の塩の結晶との併用剤]
本発明の塩の結晶、もしくは該結晶を用いた医薬は、医療現場で行われている一般的な
方法で、他の薬物もしくは薬剤と併用することも可能である。本発明の塩の結晶と併用し
うる薬物としては、例えば、(A)精神疾患、特に統合失調症、もしくは双極性障害、強
迫性障害、大うつ病、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、認知機能障
害や記憶障害の治療薬、(B)統合失調症と併発し易い疾患の治療薬等が挙げられる。
前記(A)の薬物としては、例えば、(1)非定型抗精神病薬[具体的には、オランザ
ピン、クエチアピン、クロザピン、ジプラシドン、リスペリドン、パリペリドン、ペロス
ピロン、ブロナンセリン、ルラシドン、アリピプラゾール、セルチンドール、アミスルプ
リド、イロペリドン、ビフェプルノックス、アセナピン、メルペロン、ブレクスピプラゾ
ール、ゾテピン等]、(2)定型抗精神病薬[具体的には、クロルプロマジン、プクロル
ペラジン、ペルフェナジン、レボメプロマジン、フルフェナジン、チオリダジン、プロペ
リシアジン、スピペロン、モペロン、ハロペリドール、チミペロン、ブロムペリドール、
ピモジド、フロロピパミド、スルピリド、チアプリド、スルトプリド、ネモナプリド、オ
キシペルチン等]、(3)選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)[具体的には
、エスシタロプラム、シタロプラム、パロキセチン、セルトラリン、フルボキサミン、フ
ルオキセチン等]、(4)選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SN
RI)[具体的には、ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラファキシン、ネファゾド
ン等]、(5)選択的ノルアドレナリン・ドーパミン再取り込み阻害薬(NDRI)[具
体的には、ブブロピン等]、(6)ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗
うつ薬(NaSSA)[具体的には、ミルタザピン等]、(7)トリアゾロピリジン系抗
うつ薬(SARI)[具体的には、トラゾドン等]、(8)四環系抗うつ薬[具体的には
、セチプチリン、ミアンセリン、マプロチリン等]、(9)三環系抗うつ薬[具体的には
、アミトリプチリン、トリミプラミン、イミプラミン、ノルトリプチリン、クロミプラミ
ン、ロフェプラミン、アモキサピン、ドスレピン等]、(10)その他抗うつ薬[具体的
には、NS−2359、Lu AA21004、DOV21947等]、(11)α7ニ
コチン受容体作動薬、(12)α7ニコチン受容体活性調節薬、(13)α7ニコチン受
容体部分調節薬[具体的には、SSR−180711、PNU−120596等]、(1
4)その他のPDE阻害薬[PDE1阻害薬、PDE2阻害薬、PDE4阻害薬、PDE
5阻害薬、PDE7阻害薬、PDE9阻害薬等]、(15)NK2拮抗薬、(16)NK
3拮抗薬、(17)ムスカリン型M1アセチルコリン受容体活性調節薬、(18)ムスカ
リン型M2アセチルコリン受容体活性調節薬、(19)アデノシン受容体調節薬、(20
)ムスカリン型M4アセチルコリン受容体活性調節薬、(21)ムスカリン型M5アセチ
ルコリン受容体活性調節薬、(22)アデノシン受容体調節薬、(23)グリシントラン
スポーター1(GlyT1)阻害薬[具体的には、ALX5407、SSR504734
等]、(24)グルタミン酸増強薬[具体的には、アンパカイン]、(25)NMDA受
容体阻害薬[具体的には、塩酸メマンチン等]、(26)代謝性グルタミン酸受容体調節
薬(mGlu)[具体的には、CDPPB、MPEP等]、(27)抗不安薬((i)ベ
ンゾジアゼピン系抗不安薬[具体的には、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、オキサゾ
ラム、メダゼパム、クロキサゾラム、ロラゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、プラゼパム
、ブロマゼパム、フルジアゼパム、メキサゾラム、アルプラゾラム、フルトプラゼパム、
フルタゾラム、ロフラゼプ酸エチル等]、(ii)チエノジアゼピン系抗不安薬[具体的
には、エチゾラム、クロチアゼパム等]、(iii)セロトニン5−HT1A作動薬[具
体的には、タンドスピロン等])、(28)睡眠導入剤((i)ベンゾジアゼピン系睡眠
導入剤[具体的には、ニトラゼパム、エスタゾラム、塩酸フルラゼパム、ニメタゼパム、
フルラゼパム、ハロキサゾラム、フルニトラゼパム、塩酸リルマザポン、ロルメタゼパム
、トリアゾラム等]、(ii)チエノジアゼピン系眠導入剤[具体的には、ブロチゾラム
等]、(iii)非ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤[具体的には、ゾルピデム等]、(i
v)メラトニン受容体作動薬[具体的には、ラメルテオン等])、(v)シクロピロロン
系眠導入剤[具体的には、ゾピクロン等]、(29)βアミロイドワクチン、(30)β
アミロイド分解酵素等、(31)脳機能賦活薬[具体的には、アニラセタム、ニセルゴリ
ン等]、(32)カンナビノイド調節薬、(33)コリンエステラーゼ阻害薬[具体的に
は、塩酸ドネペジル、リバスチグミン、臭化水素酸ガランタミン等]、(34)MAO−
B阻害剤[具体的には、ラサリジン等](35)パーキンソン病治療薬((i)ドーパミ
ン受容体作動薬[具体的には、レボドパ、塩酸アマンタジン、メシル酸ブロモクリプチン
、メシル酸ペルゴリド、カベルゴリン、塩酸タリペキソール、塩酸プラミペキソール水和
物、塩酸セレギリン、塩酸ロピニロール等]、(ii)モノアミン酸化酵素阻害薬[具体
的には、デプレニル、セルジリン(セレギリン)、レマセミド,リルゾール等]、(ii
i)抗コリン剤[具体的には、トリヘキシフェニジル、プロフェナミン、ビペリデン、塩
酸ピロヘプチン、塩酸メチキセン、塩酸マザチコール等]、(iv)COMT阻害剤[具
体的には、エンタカポン等]、(v)筋萎縮性側索硬化症治療薬[具体的には、リルゾー
ル等、神経栄養因子等]、(vi)アポトーシス阻害薬[具体的には、CPI−1189
、IDN−6556、CEP−1347等]、(vii)神経分化・再生促進剤[具体的
には、レテプリニム(Leteprinim]、キサリプローデン(Xaliprode
n;SR−57746−A]、SB−216763等])等が挙げられる。
また、前記(B)の薬物としては、例えば、(36)糖尿病治療薬((i)PPARγ
作用薬(作動薬、阻害薬)[具体的には、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタ
ゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、ネトグリタゾン等]、(ii)
インスリン分泌促進薬[(a)スルホニル尿素剤(具体的には、トルブタミド、アセトヘ
キサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、グリメピ
リド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド等)、(b)非スルホニル
尿素剤等]、(iii)速効型インスリン分泌促進剤(具体的には、ナテグリニド、ミチ
グリニド、レパグリニド等)、(iv)αグルコシダーゼ阻害薬[具体的には、アカルボ
ース、ボグリボース、ミグリトール、カミグリボース、アジポシン、エミグリテート、プ
ラジミシン−Q、サルボスタチン等]、(v)インスリン抵抗性改善薬[具体的には、(
a)PPARγ作用薬、(b)PTP−1B阻害薬、(c)DPP−4阻害薬[具体的に
は、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、サクサグリプチン、NVP−
DPP−728等]、(d)GLP−1及びGLP−1作動薬[具体的には、エキセナチ
ド、リラグルチド等]、(e)11β−HSD阻害薬等、(f)GPR40作動薬、(g
)GPR119作動薬、(h)GPR120作動薬]、(vi)肝糖新生抑制剤[具体的
には、グルカゴン拮抗薬等]、(vii)ビグアナイド剤[具体的には、メトホルミン、
ブホルミン、フェンホルミン等]、(viii)インスリンまたはインスリン誘導体[具
体的には、インスリン亜鉛懸濁液、インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、レギュ
ラーインスリン、NPHインスリン、インスリングラルギン、インスリンデテミル、混合
型インスリン等]、(ix)α2拮抗薬[具体的には、ミダグリゾール、イサグリドール
、デリグリドール、イダゾキサン、エファロキサン等])、(37)抗肥満薬((i)ア
ドレナリンβ3受容体作動薬[具体的には、KRP−204、TRK−380/TAC−
301等]、(ii)CB−1受容体拮抗薬[具体的には、リモナバン、SR−1477
78、BAY−65−2520等]、(iii)ニューロペプチドY(NPY)受容体拮
抗薬[具体的には、S−2367等]、(iv)摂食抑制薬[モノアミン再取り込み阻害
剤[具体的には、シブトラミン、マジンドール等]]、(v)リパーゼ阻害薬[具体的に
は、オルリスタット、セチリスタット等]、(vi)ペプチドYY(PYY)受容体拮抗
薬等)、(38)コレステロール低下薬等の高脂血症治療薬((i)ω3脂肪酸類[具体
的には、イコサペント酸エチル(EPA−E製剤、例えば、製品名:エパデール(登録商
標)等)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イコサペント酸エチルおよびドコサヘキサエ
ン酸エチルの混合製剤(例えば、製品名:ロバザTM、オマコール(登録商標)等)等]、
(ii)HMG−CoA還元酵素阻害剤[具体的には、アトルバスタチン、シンバスタチ
ン、ピタバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン
、リバスタチン、ロスバスタチン等](iii)HMG−CoA合成酵素阻害剤、(iv
)コレステロール吸収阻害剤[具体的には、エゼチミブ]、(v)アシル−CoA・コレ
ステロールアシル転移酵素(ACAT)阻害剤、(vi)CETP阻害剤、(vii)ス
クアレン合成酵素阻害剤、(viii)抗酸化剤[具体的には、プロブコール等]、(i
x)PPARα作動薬[具体的には、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィ
ブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、ゲムフィブロジル、KRP−101
等]、(x)PPARδ作動薬、(xi)LXR作動薬、(xii)FXR作動薬[具体
的には、INT−747等]、(xiii)MTTP阻害剤、(xiv)スクアレンエポ
シダーゼ阻害剤等)、(39)降圧剤((i)利尿剤[具体的には、トリクロルメチアジ
ド、ヒドロクロロチアジド、メフルシド、インダパミド、メチクラン、クロルタリドン、
トリパミド、フロセミド、トラセミド、ブメタニド、エタクリン酸、スピロノラクトン、
トリアムテレン、エプレレノン等]、(ii)カルシウム受容体拮抗薬[具体的には、ア
ムロジピン、フェロジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニトレンジピン
、ニルバジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、マニジピン、バルニジピン、エホニジ
ピン、シルニジピン、ベニジピン、ジルチアゼム等]、(iii)アンジオテンシン変換
酵素阻害薬(ACEI)[具体的には、カプトプリル、リシノプリル、エナラプリル、デ
ラプリル、ペリンドプリル、ベナゼプリル、トランドラプリル、キナプリル、アラセプリ
ル、イミダプリル、テモカプリル、シラザプリル等]、(iv)アンジオテンシン受容体
拮抗薬(ARB)[具体的には、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタン、バルサ
ルタン、カンデサルタンシレキセチル、イルベサルタン等]、(v)直接的レニン阻害薬
[具体的には、アリスキレン等]、(vi)α受容体遮断薬[具体的には、トラゾリン、
フェントラミン、ドキサゾシン、プラゾシン、ブナゾシン、テラゾシン、ウラピジル等]
、(vii)β受容体遮断薬[具体的には、ボピンドロール、ピンドロール、チモロール
、ジクロロイソプレナリン、アルプレノロール、カルテオロール、インデノロール、ブニ
トロロール、ペンブトロール、プロプラノロール、ナドロール、ニプラジロール、チリソ
ロール、アセブトロール、セリプロロール、メトプロロール、アテノロール、ビソプロロ
ール、ベタキソロール、プラクトロール、ベバントロール、ブトキサミン、カルベジロー
ル、アモスラロール、アロチノロール、ラベタロール等]、(viii)α1β遮断薬[
具体的には、カルベジロール、ラベタロール、アロチノロール、ベバントロール等]、(
ix)α受容体刺激薬[具体的には、クロニジン、メチルドパ、グアンファシン等])
、(40)非ステロイド性抗炎症薬[具体的には、メロキシカム、テオキシカム、インド
メタシン、イブプロフェン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、アスピリン、インドメタシ
ン等]、(41)疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)、(42)抗サイトカイン薬
[具体的には、TNF阻害薬、MAPキナーゼ阻害薬]、(43)ステロイド薬[具体的
には、デキサメサゾン、ヘキセストロール、酢酸コルチゾン等]、(44)性ホルモンま
たはその誘導体[具体的には、プロゲステロン、エストラジオール、安息香酸エストラジ
オール等]、(45)副甲状腺ホルモン(PTH)等が挙げられる。
前記疾患に対して既存薬と併用することにより、既存薬の投薬量を下げることが可能で
あり、既存薬の副作用を軽減することが可能となる。もちろん、当該薬物を用いた併用方
法は、前記疾患に限定されるものではなく、且つ併用される薬物は前記に例示した化合物
に限定されない。
本発明の塩の結晶と併用薬物の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の塩の
結晶と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、
(1)本発明の塩の結晶と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、
(2)本発明の塩の結晶と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与
経路での同時投与、
(3)本発明の塩の結晶と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与
経路での時間差をおいての投与、
(4)本発明の塩の結晶と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投
与経路での同時投与、
(5)本発明の塩の結晶と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投
与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の塩の結晶−併用薬物の順序での投与
、あるいは逆の順序での投与)などが用いられる。
以下、これらの投与形態をまとめて、本発明の塩の結晶の併用剤と略記する。
本発明の塩の結晶の併用剤を投与するに際しては、併用薬物と本発明の塩の結晶とを同
時期に投与してもよいが、併用薬物の投与の後、本発明の塩の結晶を投与してもよいし、
本発明の塩の結晶の投与後、併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、
時間差は投与する有効成分、剤形、及び投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先
に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、
より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の塩の結晶を投与する方法が挙げられる。本
発明の塩の結晶を先に投与する場合、本発明の塩の結晶を投与した後、1分〜1日以内、
好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分〜1時間以内に併用薬物を投与す
る方法が挙げられる。
併用薬物は、副作用が問題とならなければ、どのような量を設定することも可能である
。併用薬物としての一日投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状等によっても
異なるが、例えば、統合失調症の患者(成人、体重約60kg)に経口投与する場合、通常
1回量として約0.1〜約20mg/kg体重、好ましくは約0.2〜10mg/kg体
重、さらに好ましくは約0.5〜約10mg/kg体重であり、この量を1日1回〜数回
(例えば3回)投与するのが望ましい。
本発明の塩の結晶が併用薬物と組み合せて使用される場合には、お互いの剤の量は、そ
れらの剤の反対効果を考えて安全な範囲内で低減できる。
本発明の塩の結晶の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の塩の結晶、又は(及び)上
記併用薬物を公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬、例えば、
錠剤(糖衣錠、フイルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカ
プセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤などとすることができ、それらは、経口的
、又は非経口的に安全に投与することができる。
本発明の塩の結晶の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体として
は、上記した本発明の塩の結晶の医薬に使用されるものと同様のものを使用することがで
きる。
本発明の塩の結晶の併用剤における本発明の塩の結晶と併用薬物との配合比は、投与対
象、投与ルート、疾患などにより適宜選択することができる。上記併用薬物は、2種以上
を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができ
る。また、本発明の塩の結晶と併用薬物の配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、
症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場
合、本発明の塩の結晶1重量部に対し、併用薬物を0.01〜100重量部用いればよい
。例えば、本発明の塩の結晶の併用剤における本発明の塩の結晶の含有量は、製剤の形態
によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜99.9重量%の範囲であり、
好ましくは約0.1〜50重量%の範囲であり、さらに好ましくは約0.5〜20重量%
程度の範囲である。
本発明の塩の結晶の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違する
が、通常製剤全体に対して約0.01〜99.9重量%の範囲であり、好ましくは約0.
1〜50重量%の範囲であり、さらに好ましくは約0.5〜20重量%の範囲である。
本発明の塩の結晶の併用剤における担体などの添加剤の含有量は、製剤の形態によって
相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%の範囲であり、好ましくは約
10〜90重量%の範囲である。
本発明の塩の結晶、及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよ
い。
上記したように投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量より少ない量で十分な
場合もあり、また範囲を超えて投与する必要がある場合もある。
本発明の塩の結晶は、単回または多回投与のいずれかで、単独でまたは薬学的に許容で
きる担体と組み合わせて投与することができる。適切な医薬担体には、不活性固体希釈剤
または充填剤、滅菌水溶液、および種々の有機溶媒が包含される。それにより形成される
医薬組成物は次いで、錠剤、粉剤、ロゼンジ、液体調剤、シロップ剤、注射液などの様々
な投与形態で容易に投与することができる。これらの医薬組成物は、香味剤、結合剤、賦
形剤などの追加成分を場合により含有できる。したがって、本発明の塩の結晶は、経口、
口腔、鼻腔、非経口(たとえば、静脈内、筋内、または皮下)、経皮(たとえば、パッチ)、
もしくは直腸投与用に、または吸入もしくは注入(insufflation)による投与
に適した形態で製剤化することができる。
[本発明の予防・治療剤の製剤化]
本発明の塩の結晶の医薬は、医薬組成物の形態で投与される。
本発明の塩の結晶の医薬組成物は、本発明の4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−
イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]
ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの塩の結晶
を含み、医薬上許容される添加剤と組み合わせて作られる。より詳細には、賦形剤(例;
乳糖、白糖、マンニット、結晶セルロース、ケイ酸、トウモロコシデンプン、バレイショ
デンプン)、結合剤(例;セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース(HPMC))、結晶セルロース、糖類(乳糖、マンニット、
白糖、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、)、デンプン類(トウモロコシデン
プン、バレイショデンプン)、α化デンプン、デキストリン、ポリビニルピロリドン(PV
P)、マクロゴール、ポリビニルアルコール(PVA))、滑沢剤(例;ステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルボキシメチルセルロース)、崩壊剤(例;
デンプン類(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン)、カルボキシメチルスターチナ
トリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ク
ロスポピドン)、被膜剤(例;セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、アミノアルキルメタクリレートコポリマ
ーE、メタクリル酸コポリマーLD)、可塑剤(例;クエン酸トリエチル、マクロゴール)
、隠蔽剤(例;酸化チタン)、着色剤、香味剤、防腐剤(例;塩化ベンザルコニウム、パラ
オキシ安息香酸エステル)、等張化剤(例;グリセリン、塩化ナトリウム、塩化カルシウム
、マンニトール、ブドウ糖)、pH調節剤(例;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、塩酸、硫酸、リン酸緩衝液などの緩衝液)、安定化剤(例;糖、糖アルコール
、キサンタンガム)、分散剤、酸化防止剤(例;アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソ
ール(BHA)、没食子酸プロピル、dl−α−トコフェロール)、緩衝剤、保存剤(例;パ
ラベン、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム)、芳香剤(例;バニリン、l−メン
トール、ローズ油)、溶解補助剤(例;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート
80、ポリエチレングリコール、リン脂質コレステロール、トリエタノールアミン)、吸
収促進剤(例;グリコール酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、
アシルカルニチン類、リモネン)、ゲル化剤、懸濁化剤、または乳化剤、一般的に用いら
れる適当な添加剤または溶媒の類を、本発明の塩の結晶と適宜組み合わせて種々の剤形と
することが出来る。
種々の剤形とは、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、エアゾール剤、吸入剤、軟
膏剤、貼付剤、坐剤、注射剤、トローチ剤、液剤、酒精剤、懸濁剤、エキス剤、エリキシ
ル剤等があげられる。また、経口、皮下投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、経皮投与、静脈
内投与、動脈内投与、神経周囲投与、硬膜外投与、硬膜下腔内投与、脳室内投与、直腸内
投与、吸入等により患者に投与し得る。
本発明の塩の結晶は、通常のカテーテル技法または注入(infusion)を用いるこ
とを含む、注射による非経口投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、保存剤を
添加して、たとえばアンプルまたは多回投与容器で、単位投与形態として提供することが
できる。これらの製剤は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤、またはエマルショ
ンなどの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤などの製剤
化剤を含有することができる。あるいは活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、たとえ
ば滅菌発熱物質除去水で再構成するための粉末形態であることもできる。
製品溶液が必要とされる場合、製品溶液は患者への経口または非経口投与に必要とされ
る強度の溶液を生じるのに充分な量で、水(または他の水性媒質)に単離包接複合体を溶解
することによって製造できる。これらの化合物は、口腔内で活性成分が放出されるように
設計されている、迅速分散投与形態(fddf)に製剤化することができる。これらの製剤
は多くの場合、急速溶解性ゼラチンをベースとしたマトリクスを用いて製剤化されている
。これらの投与形態はよく知られており、広範な薬物を送達するために用いることができ
る。ほとんどの迅速分散投与形態は、担体または構造形成剤としてゼラチンを利用する。
典型的に、ゼラチンは、包装から取り出すときに破損を防ぐ充分な強度を投与形態に付与
するために用いられるが、ひとたび口に入れると、ゼラチンはその投与形態が即時分解す
ることを可能にする。あるいは、同じ効果を得るために、種々のデンプンが用いられる。
本発明の塩の結晶はまた、たとえば通常の坐剤基剤、たとえばカカオバターまたは他の
グリセリドなどを含有する、坐剤または停留浣腸などの直腸組成物に製剤化することもで
きる。
鼻腔内投与または吸入による投与の場合、本発明の塩の結晶は、患者によって圧搾され
るか、もしくはポンプで送り出されるポンプスプレー容器から溶液または懸濁液の形態で
、または適切な噴射剤、たとえば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタ
ン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、もしくは他の適切なガスを用いて、加
圧式容器もしくはネブライザからエアロゾルスプレー形(aerosol spray
presentation)として、好都合に送達される。加圧式エアロゾルの場合、投
与単位は、計量された量を送達する弁を提供することによって決定することができる。加
圧式容器またはネブライザは、活性化合物の溶液または懸濁液を含有することができる。
吸入器または注入器で用いるカプセル剤およびカートリッジ剤(たとえば、ゼラチンから
製造される)は、本発明の塩の結晶とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤と
の混合粉末を含有させて製剤化することができる。
平均的成人において上述の状態を治療するためのエアロゾル製剤は、好ましくはエアロ
ゾルの各計量用量または「1吹き(puff)」が本発明の塩の結晶約20mgから約10
00mgを含有するように設定される。エアロゾルによる総日用量は、約100mgから
約10mgの範囲内となる。投与は1日数回、たとえば2、3、4、または8回、たとえ
ば各回1、2、または3用量の投与であることができる。
本発明の医薬組成物中の本発明の塩の結晶の含量は、剤形、本発明の塩の結晶の投与量
等により異なるが、例えば、組成物全量に対して、約0.01〜100重量%、好ましく
は0.1〜95重量%である。
上述の状態を治療するために、本発明の塩の結晶の投与量は、投与対象、投与ルート(
経口、非経口、直腸、または口腔等)、対象疾患、症状等によっても異なるが、例えば、
統合失調症の患者(成人、体重約60kg)に経口投与する場合、通常1回量として約0.
1〜約20mg/kg体重、好ましくは約0.2〜10mg/kg体重、さらに好ましく
は約0.5〜約10mg/kg体重であり、この量を1日1回〜数回(例えば3回)投与す
るのが望ましい。
[薬理実験例]
以下に実験例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限
定されるものではない。
以下の薬理実施例1は、本発明の塩の結晶の有効性を試験する方法を提供する。
薬理実験例1:in vitro化合物評価
(酵素阻害活性評価:ヒトPDE10A阻害作用)
IMAP TR−FRET Phosphodiersterase Evaluat
ion Assay Kit(モレキュラーデバイス)を用いて測定した。384ウェル
プレート(Corning)に希釈した各濃度の被検化合物10μLおよび1×IMAP
Reaction Buffer containing 0.1%BSA(kit添付
の5×より作成、10mM Tris−HCl、pH=7.2、10mM MgCl
0.05%NaN、および0.1% BSA)で2ng/mLに希釈したPDE10A
酵素(BPAバイオサイエンス)5μLを加え、5分間室温にてプレインキュベーションし
た。1×IMAP Reaction Buffer containing 0.1%
BSAで400nMに希釈したキット添付のcAMP基質を5μLを加えて60分間室温
にて反応させた。さらにキット添付のIMAP TR−FRET Binding so
lution 60μLを添加して3時間以上放置したのち、ARVO SX(Perk
inElmer)にて励起波長340nmでTerbiumの蛍光強度(Emissio
n=490nm)及びTR−FRET(Emission=520nm)を測定すること
によって、産生された5’−AMPの量を算出した。被検化合物の代わりに溶媒を添加し
たウェルのカウントを0%、PDE10A酵素を加えていないウェルのカウントを100
%として各被検化合物の阻害活性を算出した。
被検化合物である4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオ
ロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1
−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(化合物A)のPDE10A阻害活性
はIC50値として表1に示した。
以下に示す薬理実験例2(被検化合物をMK−801投与30分前にラットに経口投与
することによる自発運動抑制に関する実験)により、精神障害および神経変性障害治療薬
としての有効性が示される。
薬理実験例2:MK−801誘発ロコモーター活性評価
(動物)
雄性Sprague−Dawleyラットを購入し、飼育施設に到着後、動物を少なく
とも一週間の馴化期間をおいて実験に使用する。動物は、温度と湿度をコントロールした
実験室で、12時間明暗サイクル下で飼育し、食餌と水を自由摂取させる。
(薬物投与)
被験化合物は、0.5w/v%メチルセルロース400溶液 (和光純薬工業株式会社、
日本)に懸濁し、経口投与 (p.o.)する。(+)−MK−801 hydrogen
maleate ((5R,10S)−(+)−5−メチル−10,11−ジヒドロ−
5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5,10−イミンマレイン酸水素塩、シグマ
アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州) は、生理食塩水に溶解し、皮下投与(s.
c.)する。ラットに対して被験化合物は5 mL/kg体重、MK−801は1 mL
/kg体重の容量で投与する。
(MK−801誘発自発運動量亢進に対する拮抗作用)
げっ歯類において精神刺激誘発薬 (例、アンフェタミン、コカイン、メタンフェタミ
ン、MK−801及びフェンシクリジン)による自発運動量亢進の評価は、統合失調症の
動物モデルとして広く汎用されている (Schizophrenia Bulleti
n 2010, vol.36:1066−1072; Psychopharmaco
logy 1999, vol.145:237−250)。ラットにおける被験化合物
のMK−801誘発自発運動量亢進に対する拮抗作用について試験を行う。試験まで、雄
性Sprague−Dawleyラット (約300g)を、飼育ケージ内で測定を実施
する部屋に60分以上馴化させる。馴化後、動物に溶媒又は化合物 (0.3または1
mg/kg体重)のいずれかを経口投与し、すぐに飼育ケージに戻す。被験化合物の投与
60分後に、再び動物を飼育ケージより取り出し、溶媒 (生理食塩水)またはMK−8
01 (0.2 mg/kg体重)を皮下投与し、すぐに動物を赤外線センサーの付いた
自発運動量測定チャンバー (室町機械株式会社、日本)に入れて測定を開始する。自発
運動量は、10分ごとにカウントを行う。MK−801投与後120分間の累積カウント
を各処置群について計算を行う。全てのデータは平均値と平均値の標準誤差として表す。
統計解析は、コントロール群とMK−801単独投与群の比較についてはStudent
’s t−testを用い (p<0.05で有意差あり)、MK−801単独投与群と
被験化合物投与群の比較についてはDunnett’s test (p<0.05で有
意差あり)を用いて解析を行う。
薬理実験例3:代謝安定性試験
本発明の塩の結晶の10mMのDMSO 溶液を最終濃度1μMとなるように肝ミクロ
ソーム溶液(ヒト、マウス;XenoTech)、NADPH生成溶液(β−NADP、
Glucose−6−Phosphate、G−6−PDH(Y)、MgClを含む水
)に添加する。その溶液を37℃で20分間インキュベートした後、アセトニトリルで反
応停止する。反応液をフィルタープレート(MultiScreenHTS−HVプレー
ト(Millipore))で遠心ろ過し、高速液体クロマトグラム/マススペクトロメ
トリーを用いて、ろ液中の試験化合物を測定する。同様に反応時間0分のサンプルをコン
トロールとして測定し、ミクロソーム反応サンプルとコントロールの比より、分解率(%
)を算出する。
薬理実験例4:パッチクランプ法によるhERG阻害試験
hERG(human ether−a−go−go related gene)チ
ャネルに対する作用を全自動パッチクランプシステム(Patchliner(Nani
on))を用いて測定する。細胞(hERG−HEK(Upstate))のhERG
Kr電流を確認するため、膜電位を−80mVに保持して定期的に脱分極パルスを加える
。発生した電流が安定した後、試験化合物を添加する。試験化合物のhERGチャネルに
対する作用は、40mV、0.5秒間の脱分極パルスに続く−40mV、0.5秒間の再
分極パルスによって誘導されるテール電流の変化によって確認する。刺激は10秒に1回
の頻度で行う。測定は室温で行う。hERGチャネル阻害率は、試験化合物適用前の最大
テール電流に対する適用2分後のテール電流の減少率(抑制率)として算出する。
この抑制率を算出することにより、薬物によるQT延長とそれに続く致死的な副作用(
心室頻拍や突然死など)を誘発する可能性が示される。
薬理実験例5:タンパク結合試験
本発明の塩の結晶の10mMのDMSO 溶液を最終濃度10μMとなるように正常血
漿(ヒト、ラット)に添加する。簡易平衡透析装置(RED Device(Linde
n Bioscience))にて37℃で4時間透析した後、透析膜の内側(血漿側)溶
液と外側(PBS側)溶液を、高速液体クロマトグラム/マススペクトロメトリーを用いて
、試料中の試験化合物を測定する。PBS側と血漿側の比から非結合分率(%)を算出し
、100−非結合分率(%)より蛋白結合率(%)を算出する。
薬理実験例6:安全性試験
本発明の塩の結晶をマウスまたはラットに単回で経口投与し、死亡例は認められず、目
立った行動異常も観察されないことにより、本発明の塩の結晶の安全性が示される。
以上の結果より、本発明の化合物Aの塩の結晶は、優れたPDE10A阻害作用を有す
ることが示された。また、安全性試験において何ら異常が認められず、本発明の低い毒性
が示される。
更に、本発明の化合物Aの塩の結晶は、上記の試験を行うことにより、代謝安定性、h
ERGチャネル阻害作用の回避等の1つの点において良好であることが確認される。
従って、本発明の化合物Aの塩の結晶は、選択的PDE10A阻害剤として、精神障害
、妄想性障害、および薬物誘発性精神病などのある種の精神障害および状態、恐慌性障害
および強迫性障害などの不安障害、ならびにパーキンソン病およびハンチントン病を包含
する運動障害、気分障害、神経変性障害、注意および/または認知の欠如を含む障害、肥
満、および薬物嗜癖等の疾患の予防及び/または治療剤に用いることが期待される。
本発明の化合物Aの塩の結晶は、以下に示す各種疾患に対して有望な予防、あるいは治
療効果がを示すことが期待される。具体的には、(1)妄想型、解体型、緊張型、鑑別不
能型、または残遺型の統合失調症、(2)統合失調症様障害、(3)妄想型または抑うつ
型の統合失調感情障害、(4)妄想性障害、(5)物質誘導性精神障害、(6)アルコー
ル、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイド、またはフェンシク
リジンによって誘発された精神病、(7)妄想型人格障害、(8)統合失調型の人格障害
、(9)ハンチントン病、(10)Dopamineアゴニスト療法に関連する異常運動
症、(11)パーキンソン病、(12)不穏下肢症候群、(13)本態性振戦、(14)
強迫性障害、(15)トゥーレット症候群、(16)チック障害、(17)恐慌性障害、
(18)広場恐怖症、(19)特定恐怖症、(20)社会恐怖症、(21)心的外傷後ス
トレス障害、(22)急性ストレス障害、(23)全般性不安障害、(24)認知症;ア
ルツハイマー病、多発脳梗塞、アルコール性認知症もしくは他の薬物関連認知症、頭蓋内
腫瘍もしくは脳外傷に関連する認知症、ハンチントン病もしくはパーキンソン病に関連す
る認知症、AIDS関連認知症、または前頭側頭型認知症(25)せん妄、(26)健忘
障害、(27)精神遅滞、(28)学習障害;読字障害、算数障害、または書字表出障害
、(29)注意欠陥・多動性障害、(30)加齢性認知低下、(31)大うつ病エピソー
ド(軽度、中等度、または重度型)、躁病エピソード、混合性エピソード、軽躁病エピソ
ード、(32)非定型うつ病、(33)メランコリー型うつ病、(34)緊張病性うつ病
、(35)産後発症気分エピソード、(36)脳卒中後うつ病、(37)大うつ病性障害
、(38)気分変調性障害/気分変調症、(39)小うつ病性障害、(40)月経前不快
気分障害、(41)統合失調症後うつ病性障害、(42)妄想性障害または統合失調症等
の精神障害に併発する大うつ病性障害、(43)双極性障害;双極I型障害、双極II型
障害、(44)気分循環性障害、(45)脳外傷に関連する神経変性、(46)脳卒中に
関連する神経変性、脳梗塞に関連する神経変性、(47)低血糖誘発性神経変性、(48
)てんかん発作に関連する神経変性、(49)神経毒中毒に関連する神経変性、(50)
多系統委縮症、(51)線条体中型有棘ニューロンの神経変性等に対して有望な治療効果
が期待できる。
次に、本発明をさらに詳細に説明するために実施例、試験例をあげるが、これらの例は
単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範
囲で変化させてもよい。
核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定には、ジェオールJNM−ECX400P(J
EOL JNM−ECX400P)FT−NMR(日本電子(株)製)、ジェオールJN
M−ECX300(JEOL JNM−ECX300)FT−NMR(日本電子(株)製
)を用いた。LC −Massは以下のいずれかの方法で測定した。Waters Fr
actionLynx MSシステム(Waters製)を用い、カラムは資生堂製、C
APCELL Pakカラム(2.0mm×50mm、3μm)を用い、移動相は、メタ
ノール:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液=10:90(0分)〜100:0(2分)
〜100:0(3分)のグラジエント条件を用いた。
(実施例)の(物性データ)において、LC−MSはLC −Mass(液体クロマト
グラフィー−質量分析スペクトル)を意味し、LC−MS中、Mは分子量、RTは保持時
間(リテンションタイム)、[M+H]、[M+3H]3+、および[M+Na]
分子イオンピークを意味するものとする。H−NMR(プロトン核磁気共鳴)データ中
、NMRシグナルのパターンで、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット
、qはカルテット、mはマルチプレット、brはブロード、Jはカップリング定数、Hz
はヘルツ、CDClは重クロロホルム、DMSO−dは重ジメチルスルホキシドを意
味する。H−NMRデータ中、水酸基(OH基)、アミノ基(NH)、カルボキシル
基(COOH)のプロトン等、ブロードバンドであるため確認ができないシグナルについ
ては、データに記載していない。また、実施例中の「室温」は、通常約10℃から約35
℃の温度を示すものとする。
結晶化に使用した溶媒は、市販品グレードであり、更に精製することなく使用した。
粉末X線回折分析は、R‐AXIS IV diffractometer Ultra
X18(リガク社製)を用いて、debye−scherrer法(X−ray sou
rce : 50kV, 100mA、Wavelength :1.5418Å (CuKa
lpha)、Camera length: 200mm、温度:室温、Phi Posi
tion :0 度、Exposure time:10分、Delta Phi :120
度)で測定した。もしくはD8 Discover with GADDS CS(ブル
カー社製)を用いて,Bragg−Brentano法(X−ray source : 4
0kV、40mA、Wavelength :1.5418Å (CuKalpha)、C
amera length: 250mm、温度:室温、Phi Position :0
度、Exposure time:2分、Theta1:7度、Theta2:7度)で
測定した。
元素分析の測定は、C,H,NはCHN自動分析法をvario EL III(El
ementar Analytical社製)を用いて測定した。またCl,Brはフラ
スコ燃焼―イオンクロマトグラフ法をDX−AQ−1120(Dionex社製)を用い
て測定した。
熱重量分析(TGA)は、Q50(TA Instruments社製)を用いて、昇
温速度毎分10℃で25℃から400℃の範囲を測定した。
純度測定は、装置:Waters ACQUITY UPLC H−Class(Wat
ers社製)カラム:watersACQUITYBEHShieldRP18(粒子径
1.7μm、サイズ2.1x50mm)を用いた。移動層には10mmol/L炭酸水素
アンモニウム緩衝液pH9.0およびアセトニトルを用い、試料は50 μg/mLの 1
、4―ジオキサン:アセトニトリル: 10 mmol/L 炭酸水素アンモニウム緩衝液
= 20:20:60溶液を調製し実施した。
溶解性の試験は、以下にように実施した。本発明の塩の結晶を1mg/mLとなるよう
に人工胃液(SGF)に添加する。その溶液を37℃で2時間1000rpmにて撹拌し
ながらインキュベーションした後、フィルタープレートでろ過する。ろ液をHPLCにて
分析し、最大吸収波長にてピークを検出し、ピーク面積を測定する。同様に試験化合物の
既知濃度(0.01、0.03、0.1、0.3、1μg/mL)を添加した1、4−ジ
オキサン溶液を検量線標準溶液として各々のピーク面積を測定し、検量線のピーク面積よ
り化合物の溶解度(μg/mL)を算出した。
当該人工胃液(SGF、2時間撹拌)は、水、リン酸緩衝液(pH6.8、24時間)
、緩衝液(pH3.0、24時間)、或は人工腸液(FaSSIF、pH6.5、6時間
/FeSSIF、pH5.0、6時間)など様々な溶液と撹拌時間に変えて実施すること
ができる。
(参考例1)4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2
−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチ
ル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(化合物A)の合成
<工程1>メチル 4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H
−ピラゾール−5−カルボキシレートの合成
メチル 4−ブロモ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.9
g)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェ
ニル(0.15g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.16
g)及びトリエチルアミン(3.7mL)の1,4−ジオキサン(19mL)溶液に、4
,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.5mL)を加え、窒
素雰囲気下、100℃にて30分撹拌した。反応溶液に、4,4,5,5−テトラメチル
−1,3,2−ジオキサボロラン(1.5mL)を加え、30分同温にて撹拌した後、炭
酸カリウム(3.6g)の水溶液(3.9mL)及び4−クロロ−2,5−ジメチルピリ
ミジン(CASレジストリー番号:75712−74−2)(1.0g)の1,4−ジオ
キサン(4mL)溶液を順次加え、同温度にて1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢
酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し得られた残渣を
をシリカゲルカラムクロマトグラフフィ−(シリカゲル:溶出液;ヘプタン:酢酸エチル
=3:1〜1:1〜0:1)にて精製し、標記化合物(1.9g)を橙色液体として得た

(物性データ)LC−MS:M=246,RT=0.37(分),[M+H]=24
7. 1H−NMR (CDCl) δ:8.49(1H,s),7.57(1H,s)
,4.21(3H,s),3.70(3H,s),2.71(3H,s),2.15(3
H,s).
<工程2>4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−1−メチル−1H−ピラゾ
ール−5−カルボン酸の合成
(参考例1)<工程1>で得られたメチル 4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−
イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシレート(1.9g)のメタノ−
ル(15mL)及び水(15mL)混合溶液に、水酸化ナトリウム(0.31g)を加え
、50℃で1時間撹拌した。減圧下、反応溶液中のメタノ−ルを留去し、1規定塩酸にて
pHを5〜6とした後、減圧下、水を留去した。得られた残渣を塩化メチレンで洗浄し、
ろ液を減圧下濃縮することで、標記化合物(0.94g)を黄色固体として得た。
(物性データ)LC−MS:M=232,RT=0.65(分),[M+H]=23
3. H−NMR (DMSO−d) δ:8.49(1H,s),7.61(1H,
s),4.07(3H,s),2.55(3H,s),2.15(3H,s).
<工程3>4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−
フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル
−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(化合物A)の合成
(参考例1)<工程2>で得られた4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−
1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキシリック アシッド(715mg)、6−
フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−アミ
ン ハイドロクロライド(国際公開第2012/076430号パンフレット、p80、
実施例30−h)に記載の方法に準じて取得)(815mg)、2−(1H−7−アザベ
ンゾトリアゾール1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ
フォスフェ−ト メタナミニウム(2.34g)及びジイソプロピルエチルアミン(2.
69mL)のN−メチルピロリドン(7.7mL)溶液を、80℃にて3時間撹拌した。
反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣ををシリカゲルカラムクロマトグラフフ
ィ−(NHシリカゲル:溶出液;ヘプタン:酢酸エチル=3:1〜1:1)にて精製し、
得られたフラクションを減圧下濃縮した。得られた残渣(固体)をメタノ−ルでトリチュ
レ−トすることで、標記化合物(377mg)を無色固体として得た。
(物性データ)LC−MS:M=442,RT=1.13(分),[M+H]=44
3. H−NMR(400MHz,CDCl,δppm): 11.72(1H,s)
,8.78(1H,d,J=8Hz),8.63(1H,s),8.59(1H,d,J
=8Hz),8.27−8.24(2H,m),7.70(1H,s),7.51−7.
49(3H,m),4.31(3H,s),2.78(3H,s),2.42(3H,s
).
(実施例1)
4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル
−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−
ピラゾール−5−カルボキサミド一塩酸塩の一水和物の結晶
4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル
−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−
ピラゾール−5−カルボキサミドの固体(13.0g)を10%の水を含むエタノール(
1.04L)懸濁し、濃塩酸(14.7mL)を加え、加熱還流下溶解した。活性炭(0
.65g)を加え、加熱還流した。活性炭をセライトを用いて熱時ろ過により除去した。
得られた溶液を放冷し、室温で16時間攪拌した。得られた懸濁液を氷冷下、30分攪拌
した。固体をろ取し、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フル
オロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−
1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド一塩酸塩の一水和物の結晶(12.
6g)を得た。
<元素分析> C23H19FN8O・1HCl・1H2Oとして;
計算値:C,55.59;H,4.46;N,22.55;Cl,7.13.
実測値:C,55.58;H,4.50;N,22.78;Cl,6.89.
(実施例1)で得られた一塩酸塩の一水和物の結晶の粉末X線回折の測定結果を以下の
表2および図1に示す。また、該結晶の熱重量分析(TGA)曲線を図2に示す。
(実施例2)
4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル
−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−
ピラゾール−5−カルボキサミドの一塩酸塩の無水物の結晶
4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル
−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−
ピラゾール−5−カルボキサミドの固体(220mg)を1,4−ジオキサン(8mL)
に約60℃で溶解し、すぐに1M塩酸水溶液(0.5mL)を加えた。1時間室温で静置
し、析出した固体をろ取し、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6
−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イ
ル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド一塩酸塩の無水物の結晶(2
08mg)を得た。
(実施例2)で得られた一塩酸塩の無水物の結晶の粉末X線回折の測定結果を以下の表
3および図3に示す。また、該結晶の該結晶の熱重量分析(TGA)曲線を図4に示す。
(実施例3)
4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル
−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−
ピラゾール−5−カルボキサミドの一臭化水素酸塩の無水物の結晶
4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル
−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−
ピラゾール−5−カルボキサミドの固体(440mg)を1,4−ジオキサン(14mL
)に50℃で溶解し、1規定臭化水素酸水溶液(1mL)を加えた。その後溶媒を留去し
、得られたアモルファスを80mg計り取りアセトン(0.8mL)を加え外温73℃で
溶解後に室温まで放冷し、2時間攪拌した。固体をろ取し、4−(2,5−ジメチルピリ
ミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[
1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミ
ド一臭化水素酸塩の無水物の結晶(66mg)を得た。
<元素分析>C23H19FN8O・1HBrとして;
計算値:C,52.78;H,3.85;N,21.41;Br,15.27.
実測値:C,52.70;H,3.82;N,21.48;Br,14.86.
(実施例3)で得られた一臭化水素酸塩の無水物の結晶の粉末X線回折の測定結果を以下
の表4および図5に示す。また、該結晶の熱重量分析(TGA)曲線を図6に示す。
(試験例1)溶解性試験
前記方法に従い、本発明の塩の結晶を試験した。
各種の形態の溶解性を改変した人工胃液(SGF)中において溶解性試験を実施したとこ
ろ、一塩酸水和物および臭化水素酸塩においてフリー体のおよそ11倍、及び27倍の溶
解性の改善が見られた。
(試験例2)ファーマコキネティクス試験(ラット、イヌ)
<ラット>
本発明の塩の結晶を10週齢の雄性RccHanTM:WISTに30または100m
g/kg(投与溶媒はCorn oil、5mL/kg)で経口単回投与した後、1、2
、4、8、24時間後に頸静脈より採血する。血液を遠心分離(3000rpm、15分
間、4℃)して得られた血漿を用いて、高速液体クロマトグラム/マススペクトロメトリ
ーにて、血漿中の試験化合物を測定する。同様に試験化合物の既知濃度(0.001、0
.002、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、
2μg/mL)を添加した標準溶液を測定し、作成した検量線より血漿中濃度(μg/m
L)を算出し、最高血漿中濃度をCmax(μg/mL)、血漿中濃度下面積をAUC(
μg・hr/mL)とした。尚、使用溶媒、測定条件等は当業者が適宜設定することが可
能である。
<イヌ>
本発明の塩の結晶をおよそ1〜2カ年齢の雄性Beagle dogに30mg/kg
(投与溶媒はCorn oil、2mL/kg)で経口単回投与した後、0.25、0.
5、1、2、4、8、24時間後に前肢橈側皮静脈より採血する。血液を遠心分離(30
00rpm、15分間、4℃)して得られた血漿を用いて、高速液体クロマトグラム/マ
ススペクトロメトリーにて、血漿中の試験化合物を測定する。同様に試験化合物の既知濃
度(0.001、0.002、0.005、0.01、0.02、0.05、0.1、0
.2、0.5、1、2μg/mL)を添加した標準溶液を測定し、作成した検量線より血
漿中濃度(μg/mL)を算出し、最高血漿中濃度をCmax(μg/mL)、血漿中濃
度下面積をAUC(μg・hr/mL)とした。尚、使用溶媒、測定条件等は当業者が適
宜設定することが可能である。
上記の結果から、本発明の塩の結晶は、溶解性及び吸収性が非常に高いことが明らかと
なった。
本発明の化合物Aの塩の結晶は、優れたPDE10A阻害作用を示すので、統合失調症
等の疾患の臨床上有用な予防剤および/または治療剤を提供することができる。また、本
発明の化合物Aの塩の結晶は、薬効、安全性、体内動態、安定性等(特に、溶解性、吸収
性)の点で優れており、一定の品質を有する医薬品化合物の工業的な規模での供給という
点からも有用である
以上、本発明の具体的な態様のいくつかを詳細に説明したが、当業者であれば示された
特定の態様には、本発明の教示と利点から実質的に逸脱しない範囲で様々な修正と変更を
なすことは可能である。従って、そのような修正および変更も、すべて特許請求の範囲で
請求される本発明の精神と範囲内に含まれるものである。

Claims (21)

  1. 4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一塩酸塩の一水和物の結晶。
  2. 粉末X線回折による回折角(2θ)として11.3±0.2、12.4±0.2、15.2±0.2、20.0±0.2、21.7±0.2、23.1±0.2、24.0±0.2、25.9±0.2、および27.8±0.2(°)に特徴的ピークを有することを特徴とする、請求項1に記載の結晶。
  3. 下記図に示す粉末X線回折図により特徴付けられる、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一塩酸塩の一水和物の結晶。
  4. 粉末X線回折において下記表に示す回折角(2θ)、および強度を有する4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一塩酸塩の一水和物の結晶。
  5. 熱重量分析測定(TGA測定)において、図2に示すTGA曲線を示すことを特徴とする、前記請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の結晶。
  6. 4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一塩酸塩の無水物の結晶。
  7. 粉末X線回折による回折角(2θ)として13.2±0.2、14.4±0.2、16.3±0.2、17.3±0.2、18.9±0.2、20.4±0.2、21.1±0.2、23.4±0.2、26.6±0.2、26.9±0.2、27.5±0.2、および29.0±0.2(°)に特徴的ピークを有することを特徴とする、請求項6に記載の結晶。
  8. 下記図に示す粉末X線回折図により特徴付けられる、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一塩酸塩の無水物の結晶。
  9. 粉末X線回折において下記表に示す回折角(2θ)、および強度を有する4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一塩酸塩の無水物の結晶。
  10. 熱重量分析測定(TGA測定)において、図4に示すTGA曲線を示すことを特徴とする、前記請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の結晶。
  11. 4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一臭化水素酸塩の無水物の結晶。
  12. 粉末X線回折による回折角(2θ)として12.4±0.2、14.6±0.2、16.5±0.2、17.1±0.2、17.5±0.2、18.1±0.2、19.0±0.2、20.3±0.2、20.7±0.2、21.1±0.2、22.4±0.2、23.5±0.2、23.8±0.2、24.3±0.2、25.1±0.2、25.3±0.2、26.6±0.2、および28.8±0.2(°)に特徴的ピークを有することを特徴とする、請求項11に記載の結晶。
  13. 下記図に示す粉末X線回折図により特徴付けられる、4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一臭化水素酸塩の無水物の結晶。
  14. 粉末X線回折において下記表に示す回折角(2θ)、および強度を有する4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドの一臭化水素塩の無水物の結晶。
  15. 熱重量分析測定(TGA測定)において、図6に示すTGA曲線を示すことを特徴とする、前記請求項11ないし請求項14のいずれか1項に記載の結晶。
  16. 以下の工程1〜3を含む、請求項1に記載の一塩酸塩の一水和物の結晶の製造方法:
    (工程1)4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドを水を含むアルコール溶液に懸濁して、懸濁液を得て、当該懸濁液中に、濃塩酸を加える工程
    (工程2)一定温度条件下にて一定時間撹拌する工程、および
    (工程3)生成した固体を濾取する工程。
  17. 以下の工程1〜3を含む、請求項6に記載の一塩酸塩の無水物の結晶の製造方法:
    (工程1)4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドをエーテルに溶解して、溶液を得て、当該溶液中に、塩酸の水溶液を加える工程
    (工程2)一定温度条件下にて一定時間静置する工程、および
    (工程3)生成した固体を濾取する工程。
  18. 以下の工程1〜5を含む、請求項11に記載の一臭化水素酸塩の無水物の結晶の製造方法:
    (工程1)4−(2,5−ジメチルピリミジン−4−イル)−N−(6−フルオロ−2−フェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−7−イル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミドをエーテルに溶解して、溶液を得て、当該溶液中に、臭化水素酸の水溶液を加える工程
    (工程2)溶媒を留去する工程、
    (工程3)工程2で得られたアモルファスを冷却する工程、
    (工程4)一定温度条件下にて一定時間撹拌する工程、および
    (工程5)生成した固体を濾取する工程。
  19. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の結晶を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
  20. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の結晶を有効成分として含有することを特徴とするPDE10A阻害剤。
  21. 請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の結晶を有効成分として含有することを特徴とする、統合失調症の疾患または状態の予防剤および/または治療剤。
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