以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示し、Z軸方向を図1に示すシャフト31の軸方向(一方向)とし、X軸方向を図1に示すバスバーユニット60の長さ方向、すなわち、図1の左右方向とし、Y軸方向をバスバーユニット60の幅方向、すなわち、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)をリア側(第2の側)とし、Z軸方向の負の側(−Z側)をフロント側(第1の側)とする。また、シャフト31の軸周りをθZ方向とする。また、特に断りのない限り、以下の説明において軸方向とは、シャフト31の軸方向を意味するものとする。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のモータ10を示す断面図である。図1において示す断面は、後述するステータ40のティース部42を通る断面である。
本実施形態のモータ10は、ブラシレスモータである。モータ10は、図1に示すように、ハウジング部20と、シャフト31を有するロータ30と、ステータ40と、バスバーユニット60と、複数のOリングと、フロントベアリング(第1の軸受)51と、リアベアリング(第2の軸受)52と、オイルシール80と、を備える。複数のOリングは、フロント側Oリング(第1のOリング)71と、リア側Oリング(第2のOリング)72と、を含む。
[ハウジング部]
ハウジング部20は、内側にバスバーユニット60が圧入される筒状の金属製部材である。ハウジング部20は、フロントハウジング部(第1のハウジング部)21と、リアハウジング部(第2のハウジング部)22と、を有する。ハウジング部20の内側には、ロータ30と、ステータ40と、バスバーユニット60と、フロントベアリング51と、リアベアリング52と、フロント側Oリング71と、リア側Oリング72と、オイルシール80と、が保持される。
(フロントハウジング部)
図2から図4は、フロントハウジング部21を示す図である。図2は、斜視図である。図3は、平面図、すなわち、リア側(+Z側)から視た図である。図4は、正面図である。
フロントハウジング部21は、図1から図3に示すように、両端にフロント側開口部24と出力軸孔27とを有する多段の円筒形状である。すなわち、ハウジング部20は、出力軸孔27を有する。
フロントハウジング部21は、フロント側開口部24側(+Z側)から、フロント側フランジ部28と、バスバーホルダ挿入部(第1筒部)21aと、ステータ保持部21bと、フロントベアリング保持部(第1軸受保持部)21cと、オイルシール保持部21dと、を軸方向(Z軸方向)に沿ってこの順に有する。言い換えると、ハウジング部20は、フロント側フランジ部28と、バスバーホルダ挿入部21aと、ステータ保持部21bと、フロントベアリング保持部21cと、オイルシール保持部21dと、を有する。バスバーホルダ挿入部21aと、ステータ保持部21bと、フロントベアリング保持部21cと、オイルシール保持部21dとは、それぞれ同心の円筒形状であり、直径はこの順に小さくなる。
フロント側フランジ部28は、バスバーホルダ挿入部21aのリア側(+Z側)の端部から径方向外側に拡がる。フロント側フランジ部28には、図2及び図3に示すように、厚み方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔28a,28b,28cを有する。貫通孔28a〜28cの平面視(XY面視)形状は、特に限定されず、本実施形態においては、図3に示すように例えば、角丸長方形状である。
バスバーホルダ挿入部21aは、図1に示すように、バスバーユニット60のフロント側(−Z側)の端部をシャフト31の径方向外側から囲む。バスバーホルダ挿入部21aは、フロント側開口部24を有する。
ステータ保持部21bは、図1及び図3に示すように、貫通孔21fを有する平面視(XY面視)で円形の底部21eを有する。言い換えると、ハウジング部20は、底部21eを有する。貫通孔21fは、出力軸孔27と連通する。ステータ保持部21bの内周面23には、ステータ40の外周面、すなわち、後述するコアバック部41のコアバック外側面41aが嵌合されている。これにより、フロントハウジング部21には、ステータ40が保持される。
フロントベアリング保持部21cは、フロントベアリング51を保持する。本実施形態においては、フロントベアリング保持部21cの内周面とフロントベアリング51の外周面とが嵌合されている。フロントベアリング保持部21cは、軸方向(Z軸方向)に延びている。
オイルシール保持部21dは、内部にオイルシール80を保持する。オイルシール保持部21dは、フロントベアリング保持部21cよりさらに軸方向(Z軸方向)のフロント側(+Z側)に延びている。
出力軸孔27は、フロントベアリング保持部21cの内部と、オイルシール保持部21dの内部と、によって構成される。言い換えると、フロントベアリング保持部21cとオイルシール保持部21dとは、それぞれ出力軸孔27の少なくとも一部を有している。
(リアハウジング部)
リアハウジング部22は、図1に示すように、フロントハウジング部21のバスバーユニット60側(+Z側)、すなわち、リア側に設けられている。
図5から図7は、リアハウジング部22を示す図である。図5は、斜視図である。図6は、底面図、すなわち、フロント側(−Z側)から視た図である。図7は、正面図である。
リアハウジング部22は、図5から図7に示すように、バスバーホルダ圧入部(第2筒部)22aと、蓋部22bと、リア側フランジ部29と、を有する。
バスバーホルダ圧入部22aは、図1及び図5から図7に示すように、フロント側(−Z側)に開口するリア側開口部25を有する筒状である。バスバーホルダ圧入部22aは、バスバーユニット60、より詳細には後述するバスバーユニット60の本体部61aのリア側(+Z側)の端部をシャフト31の径方向外側から囲む。バスバーホルダ圧入部22aは、フロントハウジング部21におけるバスバーホルダ挿入部21aのリア側(+Z側)の端部と、フロント側フランジ部28及びリア側フランジ部29を介して連結されている。
バスバーホルダ圧入部22aの平面視(XY面視)形状は、円形状に矩形状を接続した形状である。バスバーホルダ圧入部22aの内周面は、略円柱面状の圧入用内周面25aを含む。バスバーホルダ圧入部22aの矩形状の部分には、一部が軸方向(Z軸方向)に切り欠かれた切り欠き部25bがある。すなわち、リアハウジング部22は、バスバーホルダ圧入部22aの一部が軸方向(Z軸方向)に切り欠かれた切り欠き部25bを有する。
蓋部22bは、バスバーホルダ圧入部22aのリア側(+Z側)の端部に接続されている。蓋部22bは、本体部61aのリア側(+Z側)の端部を覆う。蓋部22bは、後述する外殻部62の軸方向(Z軸方向)のリア側(+Z側)を閉塞している。蓋部22bのフロント側(−Z側)の面は、リア側Oリング72の全周と接触している。
リア側フランジ部29は、バスバーホルダ圧入部22aのフロント側(−Z側)の端部から径方向外側に拡がる。リア側フランジ部29には、図5及び図6に示すように、厚み方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔29a,29b,29cがある。貫通孔29a〜29cの平面視(XY面視)形状は、特に限定されず、本実施形態においては、例えば、円形状である。
図1に示すように、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とは、フロント側フランジ部28とリア側フランジ部29とを重ね合わせて接合されている。
本実施形態においては、フロントハウジング部21におけるバスバーホルダ挿入部21aのリア側(+Z側)の端部であるフロント側フランジ部28と、リアハウジング部22の切り欠き部25bと、によってコネクタ用開口部26が構成されている。言い換えると、コネクタ用開口部26は、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とによって構成されている。コネクタ用開口部26は、軸方向(Z軸方向)と直交する方向(X軸方向)に開口している。
[ロータ]
ロータ30は、図1に示すように、シャフト31と、ロータコア32と、ロータマグネット33と、を有する。
シャフト31は、一方向(Z軸方向)に延びる中心軸Jを中心とする。シャフト31は、フロントベアリング51とリアベアリング52とによって、軸周り(θZ方向)に回転可能に支持されている。シャフト31のフロント側(−Z側)の端部は、ステータ保持部21bにおける底部21eに位置する貫通孔21fを介して、出力軸孔27からハウジング部20の外部に突出している。シャフト31の軸周りには、オイルシール80が設けられている。
ロータコア32は、シャフト31を軸周り(θZ方向)に囲んで、シャフト31に固定されている。
ロータマグネット33は、ロータコア32の軸周り(θZ方向)に沿った外周面に固定されている。
ロータコア32及びロータマグネット33は、シャフト31と一体となって回転する。
[ステータ]
ステータ40は、ロータ30を軸周り(θZ方向)に囲み、ロータ30をシャフト31周りに回転させる。ステータ40は、コアバック部41とティース部42とを含むステータコア45と、ティース部42に配置されたコイル部43と、コイル部43が設けられたボビン(インシュレータ)44と、を有する。
ステータコア45のコアバック部41の形状は、シャフト31と同心の円筒状である。
ステータコア45のティース部42は、コアバック部41のコアバック内側面41b(図15参照)からシャフト31に向かって延びている。ティース部42の延びた先端とロータマグネット33との間には、第2隙間83が設けられている。すなわち、ティース部42とロータ30との間には第2隙間83がある。ティース部42は、複数設けられ、コアバック部41のコアバック内側面41bの周方向に均等な間隔で配置されている。
なお、本明細書において、第2隙間とは、ステータのティース部とロータ部との間に設けられた隙間である。
コイル部43は、導電線43aで構成される。導電線43aはボビン44に巻き回されている。ボビン44は、各ティース部42に装着されている。これにより、ボビン44は、少なくともステータコア45とコイル部43との間に介在して設けられる。
ボビン44は、ボビン本体部44eと、内側ボビン突出部(インシュレータ突出部)44aと、外側ボビン突出部(インシュレータ突出部)44bと、を有する。
ボビン本体部44eは、導電線43aが巻き回される部分である。
内側ボビン突出部44aは、ボビン本体部44eの径方向内側の端部に設けられている。外側ボビン突出部44bは、ボビン本体部44eの径方向外側の端部に設けられている。内側ボビン突出部44aと外側ボビン突出部44bとは、ボビン本体部44eから軸方向のリア側(+Z側)に延びている。すなわち、内側ボビン突出部44aと外側ボビン突出部44bとは、ステータコア45のリア側(+Z側)に設けられ軸方向(Z軸方向)に延びている。内側ボビン突出部44aと外側ボビン突出部44bとの間には、コイル部43が設けられている。
[バスバーユニット]
図8から図10は、バスバーユニット60を示す図である。図8は、斜視図である。図9は、平面図である。図10は、側面図である。図8から図10において示すバスバーユニット60は、ハウジング部20に保持されていない状態を示している。図11及び図12は、モータ10を示す部分拡大断面図である。図11及び図12において示す断面は、図1において示す断面と同様に、ステータ40のティース部42を通る断面である。
バスバーユニット60は、ステータ40に駆動電流を供給するユニットである。バスバーユニット60は、図1、図8及び図9に示すように、コイル接続バスバー(バスバー)91と、センサ接続バスバー92と、バスバーホルダ61と、を有する。
(コイル接続バスバー)
コイル接続バスバー91は、ステータ40に電気的に接続され、ステータ40に駆動電流を供給するバスバーである。図示は省略するが、コイル接続バスバー91は、複数設けられている。コイル接続バスバー91の一端は、後述するコネクタ部61bの電源用開口部67の底面から突出して設けられ、ハウジング部20の外部に露出している。この外部に露出したコイル接続バスバー91の一端に外部電源が接続される。
複数のコイル接続バスバー91の他端には、コイル接続部91a,91b,91c,91d,91e,91fが設けられている。コイル接続部91a〜91fは、後述するバスバーホルダ61の外殻部62の内周面から突出して設けられ、図示は省略するがそれぞれ対応するステータ40のコイル部43に電気的に接続されている。これにより、コイル接続バスバー91とステータ40とが、電気的に接続される。
(センサ接続バスバー)
センサ接続バスバー92は、図示しないホール各種センサと電気的に接続され、各種センサに電源を供給するバスバーである。各種センサは、例えば、磁気センサ、光センサ、温度センサ、加速度センサ等である。図示は省略するが、センサ接続バスバー92は複数設けられている。センサ接続バスバー92の一端は、後述するコネクタ部61bの電源用開口部67の底面から突出して設けられ、外部に露出している。この外部に露出したセンサ接続バスバー92の一端に外部電源が接続される。センサ接続バスバー92の他端は、各種センサに接続されている。
(バスバーホルダ)
バスバーホルダ61は、コイル接続バスバー91と、センサ接続バスバー92と、を支持する樹脂製のホルダである。バスバーホルダ61のリア側(+Z側)は、図1に示すように、リアハウジング部22のバスバーホルダ圧入部22aに収容されている。バスバーホルダ61のフロント側(−Z側)は、フロントハウジング部21のバスバーホルダ挿入部21aに収容されている。
バスバーホルダ61を構成する材料は、絶縁性を有する樹脂である範囲において特に限定されない。バスバーホルダ61は、例えば、射出成形によって、一体として製造される。バスバーホルダ61は、図1及び図8から図10に示すように、本体部61aと、コネクタ部61bと、リアベアリング保持部(第2軸受保持部)61cと、を有する。
本体部61aは筒状である。本体部61aは、図9に示すように、外殻部62と、連結部64a,64b,64cと、複数の突出部(接触部)と、を有する。本実施形態においては、複数の突出部は、3つ以上設けられている。一例として図9においては、複数の突出部として、突出部(接触部)65a,65b,65cの3つが設けられている例を示している。すなわち、本体部61aには、突出部65a〜65cが設けられている。
外殻部62は、中心軸Jを周方向に囲む筒状の部分である。外殻部62のリア側(+Z側)の端面には、外殻部62の外形に沿ってOリング用リア側溝部74がある。Oリング用リア側溝部74には、リア側Oリング72が嵌め込まれる。
外殻部62は、図12に示すように、蓋部22bと軸方向(Z軸方向)に離間する。すなわち、外殻部62と蓋部22bとの間には第3隙間81が設けられている。言い換えると、本体部61aと蓋部22bとの間には第3隙間81が設けられている。
なお、本明細書において第3隙間81とは、本体部61aと蓋部22bとの間に介在する隙間である。
外殻部62は、ハウジング収容外周部62aと、コネクタ連結部62bと、Oリング保持部62cと、を有する。すなわち、本体部61aは、ハウジング収容外周部62aと、コネクタ連結部62bと、Oリング保持部62cと、を有する。
ハウジング収容外周部62aの中心軸Jに垂直な断面(XY断面)の形状、及び平面視(XY面視)形状は、図9に示すように、リアベアリング保持部61cと同心で中心角φが240°以上の円弧形状である。
ハウジング収容外周部62aは、本実施形態においてはリアハウジング部22のバスバーホルダ圧入部22aに圧入される。すなわち、ハウジング収容外周部62aは、ハウジング部20に圧入される。これにより、バスバーユニット60が、ハウジング部20の内側に圧入される。本実施形態においては、ハウジング収容外周部62aは、リアハウジング部22のみに圧入されている。
コネクタ連結部62bは、コネクタ部61bと連結される部分である。コネクタ連結部62bは、ハウジング収容外周部62aの両端部に接続され、コネクタ部61b側(+X側)に凸となる形状である。コネクタ連結部62bは、コネクタ用開口部26に挿通され、外部に露出している。すなわち、コネクタ連結部62bは、バスバーホルダ挿入部21aの内側から径方向外側に突出している。
コネクタ連結部62bは、図11に示すように、フロントハウジング部21のリア側(+Z側)の端部であるフロント側フランジ部28と軸方向(Z軸方向)に離間している。すなわち、バスバーホルダ挿入部21aのリア側(+Z側)の端部とコネクタ連結部62bとの間には、第4隙間82が設けられている。
なお、本明細書において、第4隙間82とは、本体部61aと蓋部22bとの間に介在する隙間である。
Oリング保持部62cは、フロント側Oリング71を保持する。Oリング保持部62cは、図8及び図10に示すように、ハウジング収容外周部62aのフロント側(−Z側)に設けられている。Oリング保持部62cは、外殻部62のフロント側の端部に位置する。すなわち、本体部61aは、フロント側にOリング保持部62cを有する。Oリング保持部62cは、Oリング保持部本体63と、凸部63a,63b,63cと、を有する。
Oリング保持部本体63は、ハウジング収容外周部62aと同心の円筒形状である。Oリング保持部本体63の軸周り(θZ方向)に沿った外周面のフロント側(−Z側)には、フロント側に向かって径が一段小さくなっている小径段部69が設けられている。小径段部69は、Oリング保持部本体63、すなわち、Oリング保持部62cの外周面の一部である小径部側面(第2側面)63gと、小径部側面63gと交差する小径部段差面(第2端面)63dと、を含む。
小径部側面63gと小径部段差面63dとは接続されている。本実施形態において、小径部段差面63dは平坦な面であり、軸方向(Z軸方向)と垂直である。本実施形態において、小径部側面63gは、軸方向と平行である。
本実施形態においては、小径段部69には、フロント側Oリング71とリア側Oリング72とのうち、フロント側Oリング71が保持される。すなわち、小径段部69には、モータ10が有するOリングの一部が保持される。
なお、本明細書において、Oリングの一部とは、複数設けられたOリングのうちのいくつかのOリングを示す場合と、一つのOリングの部分を示す場合と、を含む。
図11に示すように、Oリング保持部本体63の内周面のフロント側(−Z側)には、フロント側に向かって径が一段大きくなっている大径段部68が設けられている。すなわち、本体部61aは、大径段部68を有する。大径段部68は、径方向に延びる大径部段差面(第1端面)63fと、軸方向(Z軸方向)に延びる大径部側面(第1側面)63eと、を含む。言い換えると、本体部61aは、大径部段差面63fと、大径部側面63eと、を有する。本実施形態においては、大径部段差面63fと大径部側面63eとは接続されている。
大径部段差面63fは、Oリング保持部本体63の内周面の一部である。大径部段差面63fは、大径部側面63eから径方向内側に延びている。本実施形態において大径部段差面63fは、平坦な面である。大径部段差面63fは、例えば、軸方向(Z軸方向)に垂直である。大径部段差面63fは、コアバック部41のリア側(+Z側)のコアバック端面(端面)41cと接触している。すなわち、大径部段差面63fは、ステータコア45のリア側(+Z側)のコアバック端面41cと接触している。
大径部側面63eは、大径部段差面63fの径方向外側に位置し、大径部段差面63fからフロント側(−Z側)に延びている。本実施形態において大径部側面63eは、コアバック部41のコアバック外側面41aに沿った面である。言い換えると、本実施形態において大径部側面63eは、ステータ40の側面に沿った面である。大径部側面63eの軸方向(Z軸方向)の寸法は、大径部段差面63fの径方向の寸法よりも大きい。
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向(Z軸方向)に延びる場合のみを含むものではなく、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向(Z軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合のみを含むものではなく、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
本実施形態においては、図示は省略するが、大径部側面63eは、フロント側(−Z側)に向かうに従ってステータ40から離間する向きにわずかに傾斜している。大径部側面63eの傾斜角度は、例えば、軸方向(Z軸方向)に対して1°以下程度である。これにより、大径段部68の径、すなわち、大径部側面63eの位置におけるOリング保持部本体63の内径は、フロント側(−Z側)へ向かうに従って漸次大きくなる。言い換えると、Oリング保持部本体63の内径は、フロント側(−Z側)の端部、すなわち、開口端に向かって先広がりとなっている。
Oリング保持部本体63の内周面である大径部側面63eは、コアバック部41の径方向外側のコアバック外側面(外側面)41aと、接触する、または図示しない第1隙間を介し対向する。コアバック外側面41aは、ステータコア45の側面である。すなわち、大径部側面63eは、ステータコア45の側面と接触する、または第1隙間を介し対向する。
なお、本明細書において、第1隙間とは、本体部61aとステータコア45との間に介在する隙間である。
また、本明細書において、ステータ40のリア側の端面とは、ステータコア45のリア側の端面、及びボビン44のリア側の端面を含む。
また、本明細書において、ステータ40の側面とは、径方向と交差するステータ40の面を含むものであり、ステータ40におけるステータコア45の径方向の内側または径方向の外側に設けられた面や、ステータ40におけるボビン44の径方向の内側または径方向の外側に設けられた面等を含む。また、本明細書において、ステータ40の側面とは、ステータ40におけるステータコア45が孔や溝等を有する場合、その孔や溝等の内壁面のうち径方向と交差する面も含む。
また、本明細書において、面と面とが接触する、または隙間を介し対向する、とは、面と面とが全体において隙間なく接触している状態、面と面とが一部において接触し、他の一部において隙間を介し対向する状態、及び面と面とが全体において隙間を介し対向する状態を含む。
本実施形態においては、大径部側面63eとコアバック部41のコアバック外側面41aとは、例えば、隙間嵌めされている。すなわち、大径部側面63eとコアバック部41のコアバック外側面41aとの間には、少なくとも一部に第1隙間が介在している。
本実施形態においては、大径部側面63eとコアバック部41のコアバック外側面41aとの間に介在する第1隙間の径方向の寸法は、図1に示すティース部42とロータマグネット33との間に介在する第2隙間83の径方向の寸法W3よりも小さい。
なお、本明細書において、第1隙間の径方向の寸法とは、第1隙間のうち、径方向の寸法が最大となる部分における径方向の寸法を含む。
また、本明細書において、第2隙間の径方向の寸法とは、第2隙間のうち、径方向の寸法が最小となる部分における径方向の寸法を含む。
凸部63a,63b,63cは、図8及び図10に示すように、小径部側面63gから径方向外側に突出している。凸部63a,63b,63cは、小径部段差面63dと離間
する位置に設けられている。言い換えると、小径部側面63gには、小径段部69の小径
部段差面63dと離間する位置に凸部63a,63b,63cが設けられている。
凸部63a,63b,63cは、Oリング保持部本体63の周方向に延びている。凸部63a,63b,63cは、小径部側面63gの周方向に等間隔に配置されている。平面視(XY面視)において、凸部63a,63b,63cの周方向の中心位置は、それぞれ突出部65a,65b,65cが設けられた位置と同じ位置である。
凸部63a,63b,63cのリア側(+Z側)の面と、小径部段差面63dと、Oリング保持部本体63の外周面の一部である小径部側面63gと、によってOリング用フロント側溝部73a,73b,73cが形成されている。Oリング用フロント側溝部73a,73b,73cには、フロント側Oリング71が嵌め込まれている。
連結部64a,64b,64cは、外殻部62と、外殻部62の内側に設けられたリアベアリング保持部61cと、を連結する。
連結部64aは、リアベアリング保持部61cの外周の略半周に亘って接続されている。
連結部64b,64cは、細長の形状である。連結部64b,64cは、リアベアリング保持部61cの外周のうち連結部64aと接続されていない部分を、連結部64aとともに略3分割するように接続されている。
リアベアリング保持部61cと外殻部62との間には、間隙64d,64e,64fが設けられている。すなわち、本体部61aは、間隙64d,64e,64fを有する。
間隙64dは、連結部64aと、連結部64bと、外殻部62と、リアベアリング保持部61cとによって形成されている。間隙64eは、連結部64bと、連結部64cと、外殻部62と、リアベアリング保持部61cとによって形成されている。間隙64fは、連結部64cと、連結部64aと、外殻部62と、リアベアリング保持部61cとによって形成されている。
間隙64dが設けられる位置は、平面視においてコイル接続部91a,91bを含む位置である。間隙64eが設けられる位置は、平面視においてコイル接続部91c,91dを含む位置である。間隙64fが設けられる位置は、平面視においてコイル接続部91e,91fを含む位置である。
図13(A),(B)は、突出部65bを示す平面図である。図13(A)は、本体部61aがバスバーホルダ圧入部22aに圧入されていない状態を示す図である。図13(B)は、本体部61aがバスバーホルダ圧入部22aに圧入された状態を示す図である。
突出部65a〜65cは、図8から図10及び図13(A)に示すように、ハウジング収容外周部62aの軸周り(θZ方向)に沿った略円柱面状の外周面62dに設けられている。突出部65a〜65cは、外周面62dから径方向の外側に突出している。突出部65a〜65cは、シャフト31の軸方向(Z軸方向)、すなわち、中心軸Jに沿って延びている。突出部65a〜65cの断面(XY断面)形状は、特に限定されず、半円形状であっても、半楕円形状であっても、矩形状であっても、多角形状であってもよい。本実施形態においては、突出部65a〜65cの断面形状は、例えば、半楕円形状である。
本実施形態において突出部65a〜65cは、シャフト31の軸方向(Z軸方向)におけるフロント側Oリング71とリア側Oリング72との間に設けられている。
突出部65bは、リアベアリング保持部61cのコネクタ連結部62bが設けられている側と逆側(−X側)の、ハウジング収容外周部62aの端部に設けられている。
突出部65a,65cは、突出部65bとともにハウジング収容外周部62aの周方向を略3分割する位置に設けられている。すなわち、複数の突出部65a〜65cは、ハウジング収容外周部62aの周方向に等間隔に配置されている。
なお、本明細書において等間隔とは、隣り合う突出部同士の周方向の距離が厳密に同じ場合だけでなく、設計誤差の範囲内で異なる場合も含む。具体的には、等間隔とは、例えば、隣り合う突出部同士の周方向の距離の比が、0.9以上、1.1以下となる場合を含む。
図13(A)に示す突出部65bの突出高さW1、及び幅W2は、本実施形態においては、軸方向(Z軸方向)の全体にわたって一様である。突出部65bは、本体部61aが圧入されていない状態でバスバーホルダ圧入部22aの内径から外側にはみ出す高さを備える。突出部65a,65cについても同様である。ハウジング収容外周部62aの外周面62dは、バスバーホルダ圧入部22aの圧入用内周面25aの内側に位置する。
本実施形態では、本体部61aが圧入された状態において突出部65bは、図12及び図13(B)に示すように、圧入用内周面25aと接触し、圧入用内周面25aから応力を受ける。すなわち、突出部65bは、リアハウジング部22と接触し、ハウジング部20の内周面から応力を受ける。これにより、突出部65bは、弾性変形する。本実施形態においては、突出部65a〜65cがハウジング収容外周部62aの周方向に等間隔に配置されているため、突出部65a〜65cは均等に弾性変形する。突出部65a,65cについても同様である。
本実施形態においては、圧入用内周面25aと本体部61aとは、突出部65a〜65cにおいて接触している。これにより、ハウジング収容外周部62aの外周面62dには、圧入用内周面25aと離間する非接触部66が設けられている。すなわち、非接触部66は、ハウジング部20の内周面と離間する。
コネクタ部61bは、図示しない外部電源と接続される部分である。コネクタ部61bは、図1及び図8から図10に示すように、コネクタ連結部62bの外周面の一部から、シャフト31の径方向外側(+X側)に向かって延びており、径方向外側(+X側)に開口した概略直方体の筒状である。バスバーホルダ61のコネクタ部61bの全体は、コネクタ用開口部26を介して、ハウジング部20の外部に露出している。
コネクタ部61bには、バスバーホルダ61の長さ方向の一方側(+X側)に開口する電源用開口部67がある。電源用開口部67の底面には、上述したように、コイル接続バスバー91と、センサ接続バスバー92と、が突出して設けられている。
リアベアリング保持部61cは、外殻部62の内側に設けられている。リアベアリング保持部61cは、リアベアリング52を保持する。リアベアリング保持部61cの平面視(XY面視)形状は円形状であり、平面視におけるリアベアリング保持部61cの中央を中心軸Jが通る。リアベアリング保持部61cは、中心軸Jと同心の中心孔61eを有する。
[フロント側Oリング及びリア側Oリング]
フロント側Oリング71は、フロントハウジング部21の内側に設けられている。フロント側Oリング71は、バスバーホルダ61のOリング保持部62cに保持されている。具体的には、フロント側Oリング71は、Oリング用フロント側溝部73a,73b,73cに嵌め込まれ、Oリング保持部本体63の外周面における小径部側面63gに保持される。言い換えると、フロントハウジング部21とバスバーホルダ61との間には、フロント側Oリング71が設けられている。
フロント側Oリング71は、フロントハウジング部21(他方側のハウジング部)の内周面、より詳細にはバスバーホルダ挿入部21aの内周面と、本体部61aの外周面、より詳細にはOリング保持部62cの小径部側面63gとに一周に亘り接触している。すなわち、フロント側Oリング71は、一周に亘り本体部61aとハウジング部20とに接触する。フロント側Oリング71は、バスバーホルダ挿入部21aの内周面から応力を受けている。
フロント側Oリング71は、突出部65a〜65cよりもフロントハウジング部21側(−Z側,他方のハウジング部側)に配置されている。すなわち、フロント側Oリング71は、突出部65a〜65cと異なる位置に配置されている。
図11に示すように、本実施形態においては、フロント側Oリング71の軸方向(Z軸方向)のフロント側(−Z側)の端部は、ステータ40の軸方向のリア側(+Z側)の端部、すなわち、コアバック部41のコアバック端面41cよりもフロント側に位置している。言い換えると、フロント側Oリング71のフロント側の一部は、軸方向においてステータ40と本体部61aとが重なる範囲に配置されている。
リア側Oリング72は、リアハウジング部22の内側に設けられている。リア側Oリング72は、本体部61aの外殻部62に位置するOリング用リア側溝部74に嵌め込まれている。すなわち、リア側Oリング72は、外殻部62の軸方向(Z軸方向)のリア側(+Z側)に配置されている。言い換えると、リアハウジング部22とバスバーホルダ61との間には、リア側Oリング72が設けられている。
リア側Oリング72の全周は、リアハウジング部22の蓋部22bのフロント側(−Z側)の面と接触している。すなわち、リア側Oリング72は、一周に亘り本体部61aとハウジング部20とに接触している。リア側Oリング72は、蓋部22bのフロント側(−Z側)の面から応力を受けている。
リア側Oリング72は、軸方向(Z軸方向)において、リアハウジング部22のバスバーホルダ圧入部22aの突出部65a〜65cよりも奥側(+Z側)に配置されている。すなわち、リア側Oリング72は、突出部65a〜65cと異なる位置に配置されている。
フロント側Oリング71とリア側Oリング72とは、シャフト31の軸方向(Z軸方向)において、突出部65a〜65cが設けられた位置と異なる位置に配置されている。本実施形態においては、軸方向(Z軸方向)におけるフロント側Oリング71とリア側Oリング72との間に、フロントハウジング部21とリアハウジング部22との接合面が位置する。
フロント側Oリング71及びリア側Oリング72の構成は、特に限定されず、いかなる公知のOリングを用いてもよい。本実施形態においては、フロント側Oリング71及びリア側Oリング72は、例えば、丸断面を有する細長いシリコンゴムをリング状に加工したものである。
[フロントベアリング及びリアベアリング]
フロントベアリング51は、フロントハウジング部21のフロントベアリング保持部21cに保持されている。すなわち、フロントベアリング51は、ステータ40のフロント側(−Z側)に配置されている。
リアベアリング52は、バスバーホルダ61のリアベアリング保持部61cに保持されている。すなわち、リアベアリング52は、ステータ40のリア側(+Z側)に配置されている。
フロントベアリング51とリアベアリング52との軸方向(Z軸方向)の間には、ステータ40が配置される。フロントベアリング51とリアベアリング52とは、ロータ30のシャフト31を支持している。
フロントベアリング51及びリアベアリング52の構成は、特に限定されず、いかなる公知のベアリングを用いてよい。
[オイルシール]
オイルシール80は、オイルシール保持部21dの内部に、シャフト31の軸周り(θZ方向)に装着される。オイルシール80は、フロントハウジング部21のオイルシール保持部21dとシャフト31との間からハウジング部20内に水や油等が侵入することを抑制する。オイルシール80の構成は、特に限定されず、いかなる公知のオイルシールを用いてもよい。
モータ10には、コネクタ部61bを介して、外部電源が接続される。接続された外部電源は、コネクタ部61bが有する電源用開口部67の底面から突出するコイル接続バスバー91及びセンサ接続バスバー92と電気的に接続される。これにより、コイル接続バスバー91及びセンサ接続バスバー92を介して、ステータ40のコイル部43及び図示しない各種センサに駆動電流が供給される。コイル部43に供給される駆動電流は、例えば、各種センサのうちの磁気センサによって計測されるロータ30の回転位置に応じて制御される。コイル部43に駆動電流が供給されると、磁場が発生し、この磁場によってシャフト31を有するロータ30が回転する。このようにして、モータ10は、回転駆動力を得る。
次に、本実施形態のモータ10の組み立て手順について説明する。
まず、フロントハウジング部21に、フロントベアリング51と、ステータ40と、ロータ30とを保持させる。具体的には、フロントベアリング51をフロントハウジング部21のフロントベアリング保持部21cに保持させる。フロントハウジング部21のステータ保持部21bの内周面23にステータ40の外周面を嵌合させて、ステータ40を固定する。ロータ30のシャフト31をフロントベアリング51に挿入し、フロントベアリング51を介してロータ30を支持させる。
次に、バスバーユニット60のリアベアリング保持部61cにリアベアリング52を保持させ、フロント側Oリング71とリア側Oリング72とを、それぞれOリング用フロント側溝部73a,73b,73cとOリング用リア側溝部74とに嵌め込む。
次に、バスバーユニット60をフロントハウジング部21におけるバスバーホルダ挿入部21aにフロント側開口部24から挿入する。このとき、シャフト31のリア側(+Z側)の端部が、バスバーユニット60に保持されたリアベアリング52に挿入されるようにする。これにより、ロータ30のシャフト31は、フロントベアリング51とリアベアリング52とによって両端支持された状態となる。
本体部61aのOリング保持部62cは、フロントハウジング部21のバスバーホルダ挿入部21aに挿入された状態となる。このとき、Oリング保持部62cの内周面における大径部側面63eは、ステータ40の径方向外側の側面、すなわち、コアバック部41のコアバック外側面41aと嵌合され、大径部段差面63fがステータ40におけるコアバック部41のコアバック端面41cに接触する。
大径部側面63eがコアバック部41のコアバック外側面41aと嵌合されることにより、バスバーホルダ61の本体部61aの径方向の位置が決まる。すなわち、本体部61aは、ステータ40によって、シャフト31の径方向において位置決めされる。
Oリング保持部62cの外周面に設けられたフロント側Oリング71は、バスバーホルダ挿入部21aの内周面と接触し、応力を受ける。これにより、本体部61aは、フロント側Oリング71を介して、バスバーホルダ挿入部21aの内周面から応力を受ける。
本体部61aがフロント側Oリング71を介してバスバーホルダ挿入部21aの内周面から応力を受けることによって、本体部61aがステータ40に押し付けられ、上述したようにステータ40によって位置決めされた本体部61aの径方向の位置が固定される。これにより、フロントハウジング部21に対するバスバーユニット60の径方向の位置が固定される。
また、大径部段差面63fがステータ40の外縁部と接触することにより、フロントハウジング部21に対するバスバーユニット60の軸方向(Z軸方向)位置が決まる。すなわち、本体部61aは、ステータ40によって、軸方向において位置決めされる。
次に、バスバーユニット60に、リアハウジング部22をリア側(+Z側)から被せて、バスバーホルダ圧入部22aに本体部61aにおける外殻部62のハウジング収容外周部62aを圧入する。圧入は、フロント側フランジ部28と、リア側フランジ部29とが接触するまで行う。このとき、リアハウジング部22の蓋部22bのフロント側(−Z側)の面は、リア側Oリング72の全周と接触する。これにより、リアハウジング部22に対してバスバーユニット60が圧入固定される。
次に、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とを接合する。フロントハウジング部21とリアハウジング部22とを接合する方法は、特に限定されず、本実施形態においては、例えば、リベットを用いずに、かしめる方法を選択できる。
具体的には、フロント側フランジ部28に位置する貫通孔28a,28b,28cと、リア側フランジ部29に位置する貫通孔29a,29b,29cと、をそれぞれ位置合わせした状態で、フロント側フランジ部28とリア側フランジ部29とを重ね合わせる。この状態で、リア側フランジ部29側(+Z側)にダイスを配置し、フロント側フランジ部28側(−Z側)からパンチを打ち込む。これにより、フロント側フランジ部28の打ち込み部分28d,28e,28f、及びリア側フランジ部29の打ち込み部分29d,29e,29fがダイスに押し込まれてリア側(+Z側)に突出し、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とが接合される。
これにより、フロントハウジング部21とリアハウジング部22との相対位置が固定され、ハウジング部20に対してバスバーユニット60が固定される。
次に、出力軸孔27からシャフト31周りにオイルシール80を設置する。
以上により、モータ10が組み立てられる。
本実施形態によれば、バスバーホルダ61の本体部61aは、ステータ40によって軸方向及びシャフト31の径方向において、位置決めされる。そのため、ハウジング部20にバスバーホルダ61を位置決めするための段差を設ける必要がなく、ハウジング部20が大型化することを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、大型化を抑制しつつバスバーホルダ61を位置決めできる構造を有するモータ10が得られる。
また、バスバーホルダ61がハウジング部20によって位置決めされる場合においては、ステータ40に対するバスバーホルダ61の位置は、ハウジング部20を介して決定される。そのため、ハウジング部20を介する分だけ設計誤差が累積し、ステータ40とバスバーホルダ61との相対位置精度が低下する虞があった。
これに対して、本実施形態によれば、バスバーホルダ61の本体部61aが直接ステータ40によって位置決めされるため、バスバーホルダ61とステータ40との相対位置精度が低下することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、比較的剛性の高いステータ40に対して、バスバーホルダ61を位置決めするため、バスバーホルダ61とステータ40とを精度よく位置決めできる。
また、本実施形態によれば、本体部61aは、大径段部68の大径部段差面63fがステータコア45におけるコアバック部41のコアバック端面41cと接触することで、軸方向において位置決めされる。また、本体部61aは、大径段部68の大径部側面63eが、ステータコア45におけるコアバック部41のコアバック外側面41aと接触する、または第1隙間を介し対向することで、径方向において位置決めされる。したがって、本実施形態によれば、面と面とが接触、あるいは対向することで、本体部61aの位置が決められるため、本体部61aを精度よく位置決めすることができる。
また、本実施形態によれば、大径部側面63eはコアバック部41のコアバック外側面41aと接触する、または第1隙間を介し対向するため、バスバーホルダ61の本体部61aはステータ40の径方向外側の端部において径方向に位置決めされる。これにより、本体部61aを位置決めするために、本体部61aの一部がステータ40の径方向内側に配置されることがない。したがって、本実施形態によれば、バスバーホルダ61の本体部61aを位置決めするために、ステータ40の径方向内側の構造、すなわち、ティース部42やコイル部43、ボビン44等の設計を、従来のステータの構造に対して、変更することが不要である。
また、本実施形態によれば、大径部側面63eとコアバック部41のコアバック外側面41aとの間に介在する第1隙間の径方向の寸法は、ティース部42とロータ30との間の第2隙間83の径方向の寸法W3よりも小さい。そのため、バスバーホルダ61の本体部61aが、第1隙間が介在することによって、径方向にわずかに動き、その動きに伴ってリアベアリング52を介してロータ30が径方向にわずかに動いたとしても、ロータ30とステータ40のティース部42とが接触することはない。
また、本実施形態によれば、本体部61aの軸方向の位置決めに用いられる大径部段差面63fは平坦な面であり、本体部61aの径方向の位置決めに用いられる大径部側面63eは、コアバック部41のコアバック外側面41aに沿った面である。そのため、大径部段差面63fとコアバック端面41cとの接触面積と、大径部側面63eとコアバック外側面41aとの接触面積と、を大きくできる。これにより、本実施形態によれば、本体部61aとステータ40のコアバック部41との接触面が規定されやすく、本体部61aをより精度よく位置決めできる。
また、例えば、ステータコア45が転積によって構成される場合には、積層されるステータコア45のシャフト31に対する径方向の位置に偏りが生じ、この偏りが層ごとに周方向にバラつく場合がある。このような場合、ステータコア45によって径方向に位置決めされるバスバーホルダ61の本体部61aの位置が、大径部側面63eが接触、または対向するステータコア45の層の偏りに応じて、シャフト31に対してずれる場合があった。
これに対して、本実施形態によれば、本体部61aの大径部側面63eの軸方向の寸法は、本体部61aの大径部段差面63fの径方向の寸法よりも大きい。そのため、大径部側面63eが接触、または対向するステータコア45の層の数を多くできる。したがって、本実施形態によれば、本体部61aの径方向の位置は、ステータコア45の複数の層の偏りによって決まるため、一つの方向に偏ることが抑制され、結果として、本体部61aの径方向の位置がシャフト31に対してずれることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、大径段部68の径、すなわち、大径部側面63eの位置におけるOリング保持部本体63の内径は、フロント側(−Z側)へ向かうに従って漸次大きくなる。そのため、バスバーホルダ61を、例えば、射出成形により製造する場合、本体部61aのフロント側を成形する金型を本体部61aの内側から抜きやすい。これにより、バスバーホルダ61の製造時において金型を抜く際に、本体部61aの大径段部68が歪むことを抑制できる。
また、本実施形態によれば、ハウジング部20が、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とを有している。そのため、モータ10の組み立て時において、フロントハウジング部21にステータ40を固定した後に、フロントハウジング部21のフロント側開口部24を介して露出するステータ40に対してバスバーホルダ61の本体部61aを位置決めできる。
したがって、本実施形態によれば、モータ10の組み立て時において、ステータ40に対して、バスバーホルダ61の本体部61aの位置決めをすることが容易である。
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ61を位置決めした後に、リアハウジング部22をバスバーホルダ61にリア側から被せることで、バスバーホルダ61をハウジング部20内に収容できるため、バスバーホルダ61の保護性能を向上できる。
また、本実施形態のモータ10の組み立て時において、リアハウジング部22は、フロント側フランジ部28とリア側フランジ部29とが接触することで、フロントハウジング部21に対して、軸方向に位置決めされる。この際、リアハウジング部22の蓋部22bが、フロント側フランジ部28とリア側フランジ部29とが接触する前に、本体部61aと接触する場合には、リアハウジング部22とフロントハウジング部21とを接合できず、バスバーホルダ61をハウジング部20に収容できない。
これに対して、本実施形態によれば、本体部61aと蓋部22bとの間に第3隙間81が設けられているため、モータ10の組み立て時において、蓋部22bが、フロント側フランジ部28とリア側フランジ部29とが接触する前に、本体部61aと接触することを防止でき、本体部61aを位置決めできる。
また、樹脂製のバスバーホルダ61の熱膨張率が、金属製のハウジング部20の熱膨張率よりも大きい場合、バスバーホルダ61の熱膨張による変形量は、ハウジング部20の熱膨張による変形量よりも大きい。そのため、ハウジング部20に対して、バスバーホルダ61が大きく膨張することで、バスバーホルダ61が破損する虞があった。
これに対して、本実施形態によれば、本体部61aと蓋部22bとの間に第3隙間81が設けられているため、バスバーホルダ61の熱膨張による変形量とハウジング部20の熱膨張による変形量と差を第3隙間81によって吸収できる。したがって、本実施形態によれば、熱膨脹によりバスバーホルダ61が破損することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、バスバーホルダ61の本体部61aには、リアハウジング部22と接触する突出部65a〜65cが設けられているため、バスバーホルダ61をリアハウジング部22に対して安定して固定できる。
また、本実施形態のモータ10の組み立て時において、バスバーユニット60をフロントハウジング部21にフロント側開口部24から挿入する際に、本体部61aの大径部段差面63fがステータコア45におけるコアバック部41のコアバック端面41cと接触する前に、コネクタ連結部62bがフロントハウジング部21のフロント側フランジ部28と接触する場合には、本体部61aをステータ40によって位置決めすることができない。
これに対して、本実施形態によれば、バスバーホルダ挿入部21aのリア側の端部、すなわち、フロント側フランジ部28とコネクタ連結部62bとの間には、第4隙間82が設けられている。そのため、本体部61aの大径部段差面63fがコアバック部41のコアバック端面41cと接触する前に、コネクタ連結部62bがフロントハウジング部21のフロント側フランジ部28と接触することを防止できる。したがって、本実施形態によれば、本体部61aをステータ40によって位置決めすることができる。
また、本実施形態によれば、フロント側フランジ部28とコネクタ連結部62bとの間に第4隙間82が設けられているため、上述したのと同様に、熱膨脹によってバスバーホルダ61が破損することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、フロントハウジング部21とバスバーホルダ61との間、及びリアハウジング部22とバスバーホルダ61との間にはそれぞれOリング、すなわち、フロント側Oリング71及びリア側Oリング72が設けられている。したがって、本実施形態によれば、ハウジング部20とバスバーホルダ61との隙間から、水や油等がロータ30やステータ40に到達することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、小径段部69にフロント側Oリング71が設けられているため、フロント側Oリング71を介して、本体部61aがバスバーホルダ挿入部21aの内周面から応力を受ける。そのため、本実施形態によれば、本体部61aがステータ40に押し付けられ、本体部61aの径方向位置を固定できる。
また、本実施形態によれば、フロント側Oリング71のフロント側の一部は、軸方向においてステータ40と本体部61aとが重なる範囲に配置されている。これにより、本体部61aが、フロント側Oリング71を介して、バスバーホルダ挿入部21aの内周面から応力を受けた際に、本体部61aがステータ40に押し付けられる力を大きくできる。したがって、本実施形態によれば、より安定して、ステータ40に対してバスバーホルダ61の本体部61aを固定できる。
また、本実施形態によれば、Oリング保持部62cには小径段部69が設けられている。そのため、小径段部69の小径部段差面63dによって、バスバーホルダ61をフロントハウジング部21に挿入する際に、フロント側Oリング71がリア側(+Z側)にずれて外れることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、Oリング保持部62cは、凸部63a,63b,63cを有する。そのため、凸部63a,63b,63cによって、バスバーホルダ61をフロントハウジング部21に挿入する際に、フロント側Oリング71がフロント側(−Z側)にずれて外れることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、凸部63a,63b,63cと小径部段差面63dとによって、Oリング用フロント側溝部73a,73b,73cが形成されているため、フロント側Oリング71を安定して保持できる。
また、本実施形態によれば、凸部63a,63b,63cが小径部側面63gの周方向に等間隔に配置されているため、Oリング用フロント側溝部73a,73b,73cが小径部側面63gの周方向に等間隔に設けられる。したがって、本実施形態によれば、フロント側Oリング71をより安定して保持できる。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
本実施形態においては、大径部段差面63fは、平坦な面でなくてもよいし、軸方向に垂直でなくてもよい。
また、本実施形態においては、大径部側面63eは、ステータ40の側面、すなわち本実施形態においてはコアバック外側面41a、に沿っていなくてもよいし、軸方向に平行であってもよい。
また、本実施形態においては、大径部側面63eの軸方向の寸法が、大径部段差面63fの径方向の寸法より小さくてもよい。
また、本実施形態においては、大径部側面63eの軸方向の寸法と、大径部段差面63fの径方向の寸法とが、等しくてもよい。
また、本実施形態においては、小径部段差面63dは、軸方向に垂直でなくてもよい。
また、本実施形態においては、小径部側面63gは、軸方向に平行でなくてもよい。
また、本実施形態においては、外殻部62と蓋部22bとの間には第3隙間81が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においては、バスバーホルダ挿入部21aのリア側(+Z側)の端部とコネクタ連結部62bとの間には、第4隙間82が設けられていなくてもよい。
本実施形態においては、突出部65a〜65cは設けられていなくてもよい。この場合においては、例えば、図14に示すような構成であってもよい。
図14は、本実施形態の他の一例であるモータ110を示す部分拡大断面図である。図14において示す断面は、図1等において示した断面と同様である。
なお、以下の説明において、上記説明した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等によって、説明を省略する場合がある。
モータ110は、図14に示すように、バスバーホルダ161を有する。
バスバーホルダ161の本体部161aは、外殻部162を有する。この構成において外殻部162の外周面には、上記説明した外殻部62と異なり、突出部が設けられていない。
外殻部162のリア側(+Z側)の端部における外縁は、リアハウジング部22と接触している。すなわち、外殻部162のリア側の端部における外縁には、リアハウジング部22と接触する接触部165が設けられている。言い換えると、本体部161aには、リアハウジング部22と接触する接触部165が設けられており、接触部165は、バスバーホルダ161のリア側の端部における外縁に設けられている。
この構成においては、バスバーホルダ161がリアハウジング部22に挿入されていない状態において、外殻部162のリア側の端部における外縁165aが、リアハウジング部22の内側面よりも外側に位置するように設けられている。そのため、モータ110の組み立て時において、バスバーホルダ161をリアハウジング部22に挿入すると、外縁165aがリアハウジング部22の内側面に接触して、押しつぶされる。これにより、外殻部162のリア側の端部における外縁には、リアハウジング部22と接触する接触部165が設けられる。
この構成によれば、上記説明した実施形態と同様にして、バスバーホルダ161をリアハウジング部22に対して安定して固定できる。
また、上記説明においては、ステータコア45におけるコアバック部41のコアバック外側面41aに対して、本体部61aの径方向の位置決めをする構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、図15に示すように、ステータコア45におけるコアバック部41のコアバック内側面(内側面)41bに対して本体部261aの径方向の位置決めをする構成としてもよい。すなわち、本実施形態においては、本体部を径方向に位置決めするためのステータコア45の側面は、コアバック部41のコアバック外側面41aまたはコアバック内側面41bである構成を採用できる。
図15は、本実施形態の他の一例であるモータ210を示す部分拡大断面図である。図15において示す断面は、図1や図11等と異なり、ティース部42を避けた位置の断面である。すなわち、図15は、図1や図11等に対して、軸周り(θZ方向)にわずかに回転した状態を示す断面図である。
なお、以下の説明において、上記説明した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等によって、説明を省略する場合がある。
モータ210は、図15に示すように、本体部261aを有するバスバーホルダ261を有する。
バスバーホルダ261の本体部261aは、外殻部262と、連結部64aと、を有する。
外殻部262は、ハウジング収容外周部62aと、Oリング保持部262cと、位置決め部268と、を有する。
Oリング保持部262cは、内側に大径段部が設けられていない点を除いて、上記説明したOリング保持部62cと同様の構成である。
位置決め部268は、Oリング保持部262cよりも径方向の内側に設けられている。位置決め部268は、連結部64aのフロント側(−Z側)の面から突出している。位置
決め部268は、図示は省略するが、隣り合うティース部42同士の間隙に対応して複数設けられている。位置決め部268は、位置決め端面(第1端面)268dを有する基部268aと、位置決め側面(第1側面)268cを有する先端突出部268bと、を有する。
基部268aは、連結部64aのフロント側(−Z側)の面に接続されている。位置決め端面268dは、基部268aのフロント側(−Z側)の端面である。位置決め端面268dは、位置決め側面268cから径方向外側に延びる平坦な面である。位置決め端面268dは、ステータコア45のコアバック部41のリア側(+Z側)のコアバック端面41cと接触している。
先端突出部268bは、基部268aの位置決め端面268dの径方向内側の端部から、フロント側(−Z側)に突出している。先端突出部268bは、隣り合うティース部42同士の間隙に位置する。
位置決め側面268cは、先端突出部268bの径方向外側の側面である。位置決め側面268cは、位置決め端面268dと接続され、位置決め端面268dから軸方向(Z軸方向)のフロント側(−Z側)に延びている。位置決め側面268cは、上記説明した大径部段差面63fと大径部側面63eとの関係と異なり、位置決め端面268dの径方向内側に位置している。
すなわち、本実施形態においては、本体部を径方向に位置決めする第1側面は、大径部段差面63fのように第1端面である大径部側面63eの径方向外側、若しくは位置決め側面268cのように第1端面である位置決め端面268dの径方向内側に位置する構成を採用できる。
位置決め側面268cは、コアバック部41の径方向内側のコアバック内側面41bと接触する、または第1隙間を介し対向する。言い換えると、位置決め側面268cは、ステータコア45の側面と接触する、または第1隙間を介して対向し、ステータコア45の側面は、コアバック部41のコアバック内側面41bである。
位置決め端面268d及び位置決め側面268cは、上述した点以外の構成については、上記説明した大径部段差面63f及び大径部側面63eと同様の構成を採用できる。
複数の位置決め部268の位置決め端面268dがステータコア45のコアバック端面41cと接触することで、本体部261aの軸方向(Z軸方向)位置が決められる。複数の位置決め部268の位置決め側面268cがコアバック部41のコアバック内側面41bと接触する、または第1隙間を介し対向することで、本体部261aの径方向位置が決められる。
このように、この構成によれば、上記説明と同様にして、本体部261aは、ステータ40によって、軸方向(Z軸方向)及びシャフト31の径方向において、位置決めされる。そのため、この構成によれば、ハウジング部20が大型化することを抑制できる。
なお、この構成においては、位置決め側面268cと位置決め端面268dとが接続されていなくてもよい。位置決め側面268cと位置決め端面268dとが接続されていないとは、例えば、ハウジング収容外周部62aのフロント側の端部に、第1側面としての位置決め側面を有する位置決め部と、第1端面としての位置決め端面を有する位置決め部とが、それぞれ別途設けられているような場合である。
また、この構成においては、位置決め部268が先端突出部268bを有していなくてもよい。この場合においては、Oリング保持部262cの内側面が、ステータコア45のコアバック部41のコアバック外側面41aと、接触する、または第1隙間を介し対向する構成とすることができる。すなわち、この場合においては、本体部261aは、位置決め部268の基部268aの位置決め端面268dがコアバック部41のコアバック端面41cと接触することで、軸方向に位置決めされる。そして、本体部261aは、Oリング保持部262cの内側面が、ステータコア45のコアバック部41のコアバック外側面41aと、接触する、または第1隙間を介し対向することで、径方向に位置決めされる。
また、この構成の位置決め部268のように、複数の突出する部分によって本体部261aの径方向の位置決めをする場合、位置決め側面268cは、平坦な面であってもよい。
また、本実施形態においては、小径部側面63gには、凸部63a〜63cのように、凸部が複数設けられる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、小径部側面63gに設けられる凸部は1つであってもよい。
また、本実施形態においては、フロント側Oリング71の全体が、軸方向においてステータ40と本体部61aとが重なる範囲に配置される構成としてもよい。すなわち、本実施形態においては、フロント側Oリング71のフロント側の少なくとも一部が、軸方向においてステータ40と本体部61aとが重なる範囲に配置される構成を採用できる。
また、上記説明においては、バスバーホルダ61における本体部61aのハウジング収容外周部62aは、リアハウジング部22のみに圧入された構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、例えば、ハウジング収容外周部62aが、フロントハウジング部21とリアハウジング部22との両方に圧入された構成としてもよいし、フロントハウジング部21のみに圧入された構成としてもよい。
また、上記説明においては、コネクタ用開口部26は、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とによって構成されるものとしたが、これに限られない。本実施形態においては、コネクタ用開口部26は、例えば、リアハウジング部22の蓋部22bのリア側(+Z側)の面に設けられる構成としてもよい。
また、本実施形態においては、リアハウジング部22は設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においては、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とが一体の部材であってもよい。
また、上記説明においては、フロントハウジング部21の内側にフロント側Oリング71が設けられ、リアハウジング部22の内側にリア側Oリング72が設けられる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、フロントハウジング部21とリアハウジング部22とのうちの少なくとも一方の内側にOリングが設けられる構成としてもよい。すなわち、本実施形態においては、フロント側Oリング71とリア側Oリング72とのうち、いずれか一方が設けられていない構成としてもよい。
また、本実施形態において、例えば、モータ10がフロント側Oリング71とリア側Oリング72とのうちフロント側Oリング71のみを有する場合には、本実施形態のモータ10が有する全てのOリング、すなわち、フロント側Oリング71のみが、Oリング保持部62cの小径段部69に保持される。すなわち、本実施形態においては、小径段部69に、モータ10が有するOリングの少なくとも一部が保持される構成を採用できる。
また、本実施形態においては、フロント側Oリング71とリア側Oリング72との両方が設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においては、フロント側フランジ部28とリア側フランジ部29とが合わされる接合面にOリングを設ける構成としてもよい。
また、本実施形態においては、オイルシール80が設けられていなくてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、ステータコアのティース部によって、本体部が位置決めされる点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等によって、説明を省略する場合がある。
図16は、本実施形態のモータ310を示す断面図である。図16において示す断面は、図1で示す断面と同様に、ステータ340のティース部342を通る断面である。
本実施形態のモータ310は、図16に示すように、ステータ340と、本体部361aを有するバスバーホルダ361と、を有する。
ステータ340は、ティース部342が、ボビン44よりも径方向の内側に突出して設けられている点を除いて、第1実施形態のステータ40と同様の構成である。
バスバーホルダ361の本体部361aは、外殻部362と、連結部64aと、を有する。
外殻部362は、ハウジング収容外周部62aと、Oリング保持部262cと、位置決め部368と、を有する。
位置決め部368は、ボビン44よりも径方向の内側に設けられている。位置決め部368は、連結部64aのフロント側(−Z側)の面から突出している。位置決め部368は、筒状であってもよいし、ティース部342ごとに複数設けられていてもよい。位置決め部368は、位置決め端面(第1端面)368dを有する基部368aと、位置決め側面(第1側面)368cを有する先端突出部368bと、を有する。
基部368aは、連結部64aのフロント側(−Z側)の面に接続されている。位置決め端面368dは、基部368aのフロント側の端面である。位置決め端面368dは、位置決め側面368cから径方向外側に延びる平坦な面である。位置決め端面368dは、ステータコア345のティース部342のリア側(+Z側)のティース端面(端面)342bと接触している。
先端突出部368bは、基部368aの位置決め端面368dの径方向内側の端部から、フロント側(−Z側)に突出している。先端突出部368bは、ティース部342とロータ30との第2隙間383に位置する。位置決め側面368cは、先端突出部368bの径方向外側の側面である。
位置決め側面368cは、位置決め端面368dと接続され、位置決め端面368dからフロント側(−Z側)に延びている。位置決め側面368cは、位置決め端面368dの径方向内側に位置している。位置決め側面368cは、ティース部342の径方向内側のティース内側面(内側面)342aと接触する、または第1隙間を介し対向する。言い換えると、位置決め側面368cは、ステータコア345の側面と接触する、または第1隙間を介して対向し、ステータコア345の側面は、ティース部342のティース内側面342aである。
位置決め側面368cとステータコア345との間に介在する第1隙間の径方向の寸法は、第1実施形態と同様に、ティース部342とロータ30との間の第2隙間383の径方向の寸法W4より小さい。本実施形態においては、寸法W4は、ティース部342とロータ30との間に設けられる先端突出部368bの径方向の寸法よりも大きい。
位置決め端面368d及び位置決め側面368cは、上述した点以外の構成については、第1実施形態の大径部段差面63f及び大径部側面63eと同様の構成を採用できる。
位置決め部368が各ティース部342に対して位置決めされることにより、本体部361aの軸方向(Z軸方向)位置、及び径方向位置が決められる。
このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、本体部361aが、ステータ340によって、軸方向(Z軸方向)及びシャフト31の径方向において、位置決めされるため、ハウジング部20が大型化することを抑制できる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態に対して、ステータコアが溝部を有しており、溝部にバスバーホルダが嵌合されている点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等によって、説明を省略する場合がある。
図17は、本実施形態のモータ410を示す断面図である。図17において示す断面は、図15で示す断面と同様に、ティース部42を避けた位置の断面である。
本実施形態のモータ410は、図17に示すように、ステータ440と、本体部461aを有するバスバーホルダ461と、を有する。
ステータ440は、コアバック部441とティース部42とを含むステータコア445と、コイル部43と、を有する。
コアバック部441は、リア側(+Z側)のコアバック端面(端面)441cに開口し、フロント側(−Z側)に窪む溝部(凹部)441dを有する。言い換えると、ステータコア445は、リア側のコアバック端面441cからフロント側に窪む溝部441dを有する。コアバック部441は、溝部441dを有する点を除いて、第1実施形態のコアバック部41と同様の構成である。
溝部441dは、平面視(XY面視)円環状に設けられていてもよいし、コアバック部441のコアバック端面441cに周方向に沿って、複数設けられていてもよい。
バスバーホルダ461の本体部461aは、外殻部462を有する。
外殻部462は、ハウジング収容外周部62aと、Oリング保持部462cと、を有する。
Oリング保持部462cは、小径段部69のフロント側(−Z側)に、さらにもう一段径が小さくなっている第2小径段部469が設けられている点において、第1実施形態において図15で示したOリング保持部262cと異なる。
Oリング保持部462cは、Oリング保持部本体463と、先端突出部468と、を有する。
Oリング保持部本体463は、フロント側(−Z側)の端面である位置決め端面(第1端面)468bを有する。位置決め端面468bは、コアバック部441のコアバック端面441cと接触している。
先端突出部468は、Oリング保持部本体463の位置決め端面468bの径方向内側の端部に、フロント側(−Z側)に突出して設けられている。先端突出部468は、溝部441dの内部に収容されている。先端突出部468のフロント側(−Z側)の端部は、溝部441dの底面よりリア側(+Z側)である。先端突出部468は、例えば、溝部441dが平面視円環状に設けられる場合には、筒状に設けられ、溝部441dが周方向に沿って複数設けられる場合には、溝部441dごとに複数設けられる。
先端突出部468は、径方向外側の側面である位置決め側面(第1側面)468aを有する。位置決め側面468aは、溝部441dの内壁面のうち径方向外側の内壁面と接触する、または第1隙間を介し対向する。言い換えると、位置決め側面468aは、ステータコア445の側面と接触する、または第1隙間を介して対向し、ステータコア445の側面は、溝部441dの内壁面である。これにより、バスバーホルダ361が溝部441dに嵌合される。
Oリング保持部本体463の位置決め端面468bと、先端突出部468の位置決め側面468aとによって、第2小径段部469が形成されている。位置決め端面468bと位置決め側面468aとは、上述した点以外の構成については、第2実施形態における位置決め端面368dと位置決め側面368cと同様の構成を採用できる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、本体部461aが、ステータ440によって、軸方向(Z軸方向)及びシャフト31の径方向において、位置決めされるため、ハウジング部20が大型化することを抑制できる。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用してもよい。
本実施形態においては、先端突出部468の位置決め側面468aが、径方向の内側の側面であってもよい。この場合においては、位置決め側面468aは、溝部441dの内壁面のうち径方向の内側の内壁面と接触する、または第1隙間を介し対向する。
また、上記説明においては、先端突出部468は、Oリング保持部462cに含まれる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、例えば、第2実施形態において示した位置決め部268と同様の位置決め部がOリング保持部462cとは別に設けられる構成としてもよい。この場合においては、位置決め部の先端突出部が、溝部に収容される。
また、本実施形態においては、ステータコア445が溝部441dの代わりに、孔部等の凹部を有する構成としてもよい。
<第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態に対して、ステータのボビンによって、本体部が位置決めされる点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等によって、説明を省略する場合がある。
図18は、本実施形態のモータ510を示す断面図である。図18において示す断面は、図1で示す断面と同様に、ステータ40のティース部42を通る断面である。
本実施形態のモータ510は、図18に示すように、本体部561aを有するバスバーホルダ561を有する。
バスバーホルダ561の本体部561aは、外殻部562と、連結部64aと、を有する。
外殻部562は、ハウジング収容外周部62aと、Oリング保持部262cと、位置決め部568と、を有する。
位置決め部568は、Oリング保持部262cよりも径方向の内側に設けられている。位置決め部568は、ハウジング収容外周部62aのフロント側(−Z側)の端部からフロント側に突出している。位置決め部568は、位置決め端面(第1端面)568dを有する基部568aと、位置決め側面(第1側面)568cを有する先端突出部568bと、を有する。
基部568aは、ハウジング収容外周部62aのフロント側(−Z側)の端部に接続されている。位置決め端面568dは、基部568aのフロント側の端面である。位置決め端面568dは、位置決め側面568cから径方向内側に延びる平坦な面である。位置決め端面568dは、ボビン44の外側ボビン突出部44bのリア側(+Z側)のボビン端面(端面)44cと接触している。
先端突出部568bは、基部568aの位置決め端面568dの径方向外側の端部から、フロント側(−Z側)に突出している。位置決め側面568cは、先端突出部568bの径方向内側の側面である。位置決め側面568cは、位置決め端面568dと接続され、位置決め端面568dからフロント側(−Z側)に延びている。位置決め側面568cは、位置決め端面568dの径方向外側に位置している。位置決め側面568cは、外側ボビン突出部44bの径方向外側の側面であるボビン外側面(外側面)44dと接触する、または第1隙間を介し対向する。
位置決め端面568dと位置決め側面568cとは、上述した点以外の構成については、第1実施形態における小径部段差面63dと大径部側面63eと同様の構成を採用できる。
本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、本体部561aが、ステータ40のボビン44によって、軸方向(Z軸方向)及びシャフト31の径方向において、位置決めされるため、ハウジング部20が大型化することを抑制できる。
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用してもよい。
上記説明においては、先端突出部568bの径方向内側の位置決め側面568cが外側ボビン突出部44bの径方向外側のボビン外側面44dと接触する、または第1隙間を介して対向する構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、先端突出部568bの径方向外側の側面が外側ボビン突出部44bの径方向内側の側面と接触する、または第1隙間を介して対向する構成としてもよい。
また、本実施形態においては、位置決め部568の位置決め端面568dが内側ボビン突出部44aの端面と接触し、位置決め部568の位置決め側面568cが内側ボビン突出部44aの側面と接触する、または第1隙間を介し対向する構成としてもよい。
なお、上記説明した第1実施形態から第4実施形態においては、いずれも本体部の第1端面と第1側面とは、共に同じ部材、例えば、コアバック部、ティース部、ボビン、に対して、位置決めされる構成としたが、これに限られない。本発明の実施形態においては、本体部の第1端面と第1側面とがそれぞれ別の部材に対して位置決めされてもよい。例えば、本発明の実施形態においては、第1端面がコアバック部のリア側の端面と接触し、第1側面がティース部の内側面と接触する、または第1隙間を介し対向する構成としてもよいし、第1端面がボビンのリア側の端面と接触し、第1側面がコアバック部の側面と接触する、または第1隙間を介し対向する構成としてもよい。
また、上記説明した第1実施形態から第4実施形態においては、いずれもバスバーホルダの本体部の第1端面が、ステータのリア側の端面と接触することで、本体部の軸方向の位置決めを行う構成としたが、これに限られない。本発明の実施形態は、例えば、ステータの側面に溝が設けられ、かつ、本体部にはフロント側に突出し先端が鉤状の位置決め部が設けられ、その位置決め部の鉤状の先端が、ステータ側面の溝に挿入されることによって、本体部の軸方向の位置決めがされてもよい。
また、上記説明した第1実施形態から第4実施形態においては、いずれもバスバーホルダの本体部の第1側面が、ステータの側面と接触する、または第1隙間を介し対向することで、本体部の径方向の位置決めを行う構成としたが、これに限られない。本発明の実施形態においては、本体部が、ステータによって、軸方向及びシャフトの径方向において、位置決めされる範囲内で、本体部とステータとがどのように配置されていてもよい。
また、本発明の実施形態は、上記説明した第1実施形態から第4実施形態を適宜、組み合わせた構成としてもよい。