JP6723174B2 - 破断延性評価方法 - Google Patents

破断延性評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6723174B2
JP6723174B2 JP2017024915A JP2017024915A JP6723174B2 JP 6723174 B2 JP6723174 B2 JP 6723174B2 JP 2017024915 A JP2017024915 A JP 2017024915A JP 2017024915 A JP2017024915 A JP 2017024915A JP 6723174 B2 JP6723174 B2 JP 6723174B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
relationship
acquisition step
fracture ductility
fracture
evaluation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017024915A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018132362A (ja
Inventor
能智 宮城
能智 宮城
鈴木 健太
健太 鈴木
孝典 唐戸
孝典 唐戸
高弘 福田
高弘 福田
石川 博司
博司 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2017024915A priority Critical patent/JP6723174B2/ja
Publication of JP2018132362A publication Critical patent/JP2018132362A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6723174B2 publication Critical patent/JP6723174B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

本発明は、破断延性評価方法に関する。
ガスタービンや蒸気タービン等の高温で使用される翼部材等の構造部材は、クリープ変形によって劣化してしまう可能性がある。そのため、定期点検等で構造部材のクリープ寿命を評価して損傷度の診断し、適切に補修や構造部材の交換を行う必要がある。
このようなクリープ変形による損傷度合いを推定する方法が、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1には、クリープ破断寿命比を推定するNi基耐熱合金の余寿命評価法が記載されている。Ni基耐熱合金の余寿命評価法では、高温長時間使用によるγ’相の変化を画像処理装置によって予め作成した校正曲線を用い、Ni基耐熱合金のメタル使用温度推定とクリープ破断寿命比を迅速かつ定量的に推定している。
特許第3310818号公報
ところで、クリープ変形による損傷度合いを評価する際に面内等方を仮定した公称ひずみを用いた場合、評価した破断延性値やクリープ寿命が実測値と大きくずれる可能性がある。これは、評価対象物の結晶方位のずれによる変形メカニズムの違いを考慮して破断延性を評価していないことで生じる。そのため、結晶方位のずれを考慮した精度の高い破断延性の評価方法が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、結晶方位のずれを考慮して破断延性を高い精度で評価することが可能な破断延性評価方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る破断延性評価方法は、複数の試験片に引張試験を実施し、前記引張試験後の前記試験片の結晶方位をそれぞれ取得する結晶方位取得工程と、前記引張試験後の異なる結晶方位を有する前記試験片に異なる温度条件でクリープ試験を実施し、前記試験片のクリープひずみと時間との関係である第一関係をそれぞれ取得する第一関係取得工程と、複数の前記第一関係から前記試験片の破断延性値をそれぞれ取得する破断延性値取得工程と、前記破断延性値取得工程で取得した複数の前記破断延性値と、前記結晶方位取得工程で取得した結晶方位との関係である第二関係を複数の温度条件で取得する第二関係取得工程と、複数の前記第二関係から、所定の結晶方位における前記破断延性値と温度との関係である第三関係を取得する第三関係取得工程と、前記第三関係から評価対象物の評価温度における前記破断延性値である評価破断延性値を取得する評価破断延性値取得工程とを含む。
このような構成によれば、事前に測定した結晶方位と第一関係とに基づいて、破断延性値と結晶方位との関係である第二関係が取得される。この第二関係に基づいて、異なる結晶方位毎に破断延性値と温度との関係である第三関係が取得される。この第三関係に基づいて、評価対象物の任意の評価温度における評価破断延性値が取得される。そのため、結晶方位にずれに応じて異なる第三関係を選択して評価破断延性値が取得される。したがって、結晶方位のずれに応じた評価破断延性値を取得することができる。
また、本発明の第二態様に係る破断延性評価方法では、第一態様において、前記第三関係取得工程は、前記第二関係から前記所定の結晶方位において推定される推定破断延性値を取得し、前記推定破断延性値を前記破断延性値として第三関係を取得してもよい。
このような構成とすることで、第二関係に基づいて推定破断延性値を取得することで、測定時のばらつきを抑えることができる。その結果、精度の高い第三関係を取得することができる。
また、本発明の第三態様に係る破断延性評価方法では、第一態様又は第二態様において、前記評価破断延性値取得工程は、前記第三関係から前記破断延性値よりも所定の比率で低下させてクライテリア破断延性値を取得し、前記クライテリア破断延性値と温度の関係である第四関係を取得する第四関係取得工程と、前記第四関係に基づいて、前記評価温度における前記評価破断延性値を取得する補正評価破断延性値取得工程とを有していてもよい。
このような構成とすることで、第四関係に基づいて、評価判断延性値を取得することで、実際の製品に適用する際に必要な裕度を持たせた評価を行うことができる。
また、本発明の第四態様に係る破断延性評価方法では、第一又から第三態様の何れか一つにおいて、予め定めた結晶塑性構成式のパラメータを前記第一関係に基づいて逆解析を実施して取得するパラメータ取得工程と、前記評価対象物について伝熱解析を実施し、前記評価対象物の温度分布を取得する温度分布取得工程と、前記パラメータ取得工程で取得したパラメータと前記温度分布取得工程で取得した前記温度分布とに基づいて結晶塑性解析を実施し、クリープひずみと時間との関係を推定した推定第一関係を取得する結晶塑性解析工程と、前記推定第一関係から前記評価破断延性値取得工程で取得した前記評価破断延性値に達する破断予想時間を取得する破断予想時間取得工程とを含んでいてもよい。
このような構成とすることで、逆解析を実施した結晶塑性構成式のパラメータを用いて結晶塑性解析を行うことで、単結晶のすべり系に依存したせん断変形や回転変形を考慮することができる。この結晶塑性解析の結果を用いて推定第一関係を取得することで、異なる結晶方位毎のミクロな挙動を考慮したクリープひずみと時間との関係が得られる。このような推定第一関係に基づいて、評価破断延性値における破断予想時間を取得することで、実機に即した寿命評価を高い精度で実施することができる。
本発明によれば、結晶方位のずれを考慮して破断延性を高い精度で評価することができる。
本実施形態に係る破断延性評価方法を示すフロー図である。 本発明の実施形態に係る第一関係取得工程で取得される第一関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る破断延性値取得工程で取得される破断延性値の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る第二関係取得工程で取得される第二関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る第三関係取得工程で取得される第三関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るパラメータ取得工程で取得されるパラメータを同定する様子の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る第四関係取得工程で取得される第四関係の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る破断予想時間取得工程で取得される破断予想時間の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図1から図8を参照して説明する。
破断延性評価方法S1は、評価対象物の結晶方位Xのずれである倒れ角を考慮して破断延性を評価する方法である。ここで、倒れ角とは、単結晶の成長方向に対して傾斜している角度である。倒れ角は、結晶方位Xを測定することで得られる。また、本実施形態の評価対象物は、例えば、ガスタービンや蒸気タービンのような高温高圧の環境下で使用される構造部材である。より具体的には、本実施形態の評価対象物は、例えば、動翼や静翼等の翼部材である。
本実施形態の破断延性評価方法S1は、図1に示すように、結晶方位取得工程S10と、第一関係取得工程S20と、破断延性値取得工程S30と、第二関係取得工程S40と、第三関係取得工程S50と、パラメータ取得工程S60と、温度分布取得工程S70と、評価破断延性値取得工程S80と、結晶塑性解析工程S90と、破断予想時間取得工程S100とを含んでいる。
結晶方位取得工程S10は、予め複数の試験片から結晶方位Xをそれぞれ取得する。ここで、試験片は、評価対象物と同じ物性値を有するとみなせる材料に基づいて作成されている。本実施形態の結晶方位取得工程S10は、複数の試験片に引張試験を実施する。結晶方位取得工程S10は、引張試験後の試験片の結晶方位Xをそれぞれ取得する。具体的には、引張試験後の試験片に対してX線回折法や走査電子顕微鏡(SEM)による結晶解析(EBSD)が実施されることで、試験片の結晶方位Xが取得される。これにより、結晶方位取得工程S10では、結晶方位Xの異なる複数の試験片が取得される。
第一関係取得工程S20は、試験片のクリープひずみC1と時間tとの関係である第一関係を取得する。本実施形態の第一関係取得工程S20は、引張試験後の異なる結晶方位Xを有する複数の試験片に対して、温度条件を変えてクリープ試験をそれぞれ実施する。第一関係取得工程S20では、クリープ試験の結果に基づいて、図2に示すような曲線を示すグラフとして第一関係が取得される。第一関係取得工程S20では、温度条件及び結晶方位Xの異なる第一関係が複数取得される。具体的には、一の結晶方位Xを有する複数の試験片に対して複数の温度条件でクリープ試験をそれぞれ実施する。これを異なる結晶方位Xを有する試験片でも実施する。これにより、第一関係取得工程S20では、様々な結晶方位X及び温度条件の組み合わせ毎に第一関係が取得される。
破断延性値取得工程S30は、複数の第一関係から試験片の破断延性値F1をそれぞれ取得する。本実施形態の破断延性値取得工程S30では、第一関係におけるクリープ試験を開始した時点の変化量の大きな遷移領域A1と、遷移領域A1の後に時間tに対してクリープひずみC1が線形に変化する定常領域A2とから破断延性値F1が取得される。より具体的には、図3に示すように、実際に試験片が破断した破断時間t1における定常領域A2の第一関係を線形に延長させた際のクリープひずみC1の値が破断延性値F1として算出されて取得される。破断延性値F1は、温度条件及び結晶方位Xの異なる第一関係毎に複数取得される。
第二関係取得工程S40は、破断延性値取得工程S30で取得した複数の破断延性値F1と、結晶方位取得工程S10で取得した結晶方位Xとの関係である第二関係を複数の温度条件でそれぞれ取得する。第二関係取得工程S40では、図4に示すように、複数の破断延性値F1を結晶方位Xに応じてプロットする。その後、プロットしたデータは、異なる温度条件毎に複数の第二関係として算出されて取得される。
第三関係取得工程S50は、第二関係取得工程S40で取得した複数の第二関係から、所定の結晶方位Xにおける破断延性値F1と温度Tとの関係である第三関係を取得する。本実施形態の第三関係取得工程S50は、第二関係における破断延性値F1と、結晶方位Xとから図4に示すような近似線を算出する。この近似線は、温度条件毎に複数(図4の例では二つ)算出される。所定の結晶方位Xにおける近似線上の点における破断延性値F1を推定破断延性値F2として取得する。これにより、第三関係取得工程S50は、第二関係から所定の結晶方位Xにおいて推定される推定破断延性値F2を取得する。取得した推定破断延性値F2を結晶方位X毎にまとめて近似直線を得ることで、推定破断延性値F2を破断延性値F1とした第三関係が取得される。具体的には、図5に示すように、異なる結晶方位X1、X2、X3、X4、X5毎に複数(本実施形態では例えば五つ)の近似直線が第三関係として取得される。
上述したような結晶方位取得工程S10から第三関係取得工程S50までを評価対象物を評価する前の事前準備として複数の試験片を用いて実施する(事前試験工程)。
次に、パラメータ取得工程S60は、予め定めた結晶塑性構成式のパラメータを第一関係に基づいて逆解析を実施して取得する。本実施形態のパラメータ取得工程S60では、クリープ試験で実際に得られた既知の結果である第一関係から、予め定めた理論式である結晶塑性構成式における未知の解析条件であるパラメータを推定する。使用する結晶塑性構成式としては、例えば、以下のような単結晶超合金の結晶塑性構成式(参考文献:D.W.Maclachian,Comp.Moter.Sci.,2002,vol25,pp.129−141)を用いる。
Figure 0006723174
Figure 0006723174
γ:所定のすべり系のせん断ひずみ速度
E:所定のすべり系での温度依存材料パラメータ
S:所定のすべり系のせん断ひずみ速度に影響を及ぼす内部軟化変数
g:所定のすべり系のせん断ひずみ速度に影響を及ぼす硬化変数
τ:所定のすべり系のせん断応力
α:所定のすべり系のすべり率
p:一次すべり系
c:共面すべり系
具体的には、図6に示すように、第一関係取得工程S20で取得された第一関係の定常領域A2における直線と、パラメータ取得工程S60での結晶塑性構成式の結果とが一致するように複数のパラメータを同定する。パラメータ取得工程S60は、評価対象物を評価するための解析条件を整えるための事前準備として、評価対象物を評価する前に実施される(事前解析工程)。
温度分布取得工程S70は、評価対象物について伝熱解析を実施し、評価対象物の温度分布を取得する。本実施形態の温度分布取得工程S70は、評価対象物の全体の温度分布の情報を伝熱解析によって取得し、評価対象物の任意の位置における温度情報を取得する。具体的には、温度分布取得工程S70は、第一に評価対象物の部分的な温度Tを実際に測定することで取得する。その後、測定した部分的な温度Tの情報を境界条件として伝熱FEM解析が実施されることで、評価対象物の全体としての温度分布の情報が取得される。伝熱FEM解析では、例えば、評価対象物がガスタービンの翼部材の場合には、形状データ、燃焼ガス温度、燃焼ガス熱伝達率、冷却側温度、及び冷却側熱伝達率を入力して、温度Tの情報を出力させる。
評価破断延性値取得工程S80は、評価対象物が破断すると推定される推定破断延性値F2を評価破断延性値Fxとして取得する。本実施形態の評価破断延性値取得工程S80は、温度分布取得工程S70で取得した評価対象物の温度分布の情報に基づいて、評価対象物における評価したい位置(評価点)での温度Tの情報である評価温度Thを抽出する。抽出した評価温度Thを対象となる結晶方位Xでの第三関係に当てはめる。これにより、評価点での評価破断延性値Fxが取得される。
ここで、本実施形態の評価破断延性値取得工程S80は、推定破断延性値F2よりも低いクライテリア破断延性値を取得する。本実施形態の評価破断延性値取得工程S80は、第四関係取得工程S81と、補正評価破断延性値取得工程S82とを有する。
第四関係取得工程S81は、第三関係から推定破断延性値F2よりも所定の比率で低下するように補正されたクライテリア破断延性値を取得する。本実施形態の第四関係取得工程S81では、所定の結晶方位X毎のクライテリア破断延性値を取得する。その後、第四関係取得工程S81は、クライテリア破断延性値と温度Tの関係である第四関係を取得する。第四関係は、図7に示すように、クライテリア破断延性値を破断延性値F1として直線で表され、異なる結晶方位X毎に複数(本実施形態の例では一つ)取得される。クライテリア破断延性値は、例えば、推定破断延性値F2から10%程度の比率で低下させて設定する。したがって、図7において第四関係として求められる直線は、第三関係である近似直線に対して平行をなすように下方に記載される。
補正評価破断延性値取得工程S82は、第四関係に基づいて、評価温度Thにおける推定破断延性値F2を取得する。本実施形態の補正評価破断延性値取得工程S82は、温度分布取得工程S70で取得した評価対象物の任意の評価点での評価温度Thを評価対象となる結晶方位Xでの第四関係に当てはめる。これにより、評価点でのクライテリア破断延性値である評価破断延性値Fhが取得される。
結晶塑性解析工程S90は、パラメータ取得工程S60で取得したパラメータと温度分布取得工程S70で取得した温度分布とに基づいて結晶塑性解析(CPFEM)を実施する。結晶塑性解析工程S90は、クリープひずみC1と時間tとの関係を推定した推定第一関係を取得する。結晶塑性解析では、温度分布取得工程S70で取得した温度分布の情報や、荷重や、評価対象物の形状や、結晶方位Xやすべり面等の拘束条件として入力し、応力及びひずみの情報を出力させる。本実施形態の結晶塑性解析は、結晶粒を考慮した非弾性有限要素解析を汎用ソルバーによって実施される。これにより、結晶塑性解析工程S90では、図8に示すような推定第一関係を示す曲線が、異なる結晶方位X毎に複数取得する。
破断予想時間取得工程S100は、結晶塑性解析工程S90で取得した推定第一関係から評価破断延性値取得工程S80で取得した評価破断延性値Fhに達する破断予想時間txを取得する。本実施形態の破断予想時間取得工程S100は、評価対象物の評価部の結晶方位Xに応じて、複数の推定第一関係の中から適当な推定第一関係のグラフを選択する。選択した推定第一関係のグラフに、評価破断延性値取得工程S80で取得した評価破断延性値Fhを当てはめることで、評価破断延性値Fhに対応する破断予想時間txを取得する。
上記のような破断延性評価方法S1によれば、事前に測定した結晶方位Xと第一関係とに基づいて、破断延性値F1と結晶方位Xとの関係である第二関係が取得される。この第二関係に基づいて、異なる結晶方位X毎の破断延性値F1と温度Tとの関係である第三関係が取得される。この第三関係に基づいて、評価対象物の任意の評価温度Thにおける評価破断延性値Fh(Fx)が取得される。そのため、結晶方位Xにずれに応じて異なる第三関係を選択して評価破断延性値Fh(Fx)が取得される。したがって、結晶方位Xのずれに応じた評価破断延性値Fh(Fx)を取得することができる。これにより、結晶方位Xのずれを考慮して破断延性を高い精度で評価することができる。その結果、評価破断延性値Fh(Fx)が設計基準を満たしていない場合には、例えば、評価対象物である翼部材のクリープ起因の結晶すべり損傷を予め設計変更して防ぐことができる。また、評価破断延性値Fh(Fx)の低い翼部材が製品に適用されてしまうことを防ぐことができる。
また、第三関係取得工程S50において、第二関係に基づいて近似線を算出して推定破断延性値F2を取得することで、破断延性値F1の測定時のばらつきを抑えることができる。その結果、精度の高い第三関係を取得することができる。
また、評価破断延性値取得工程S80で推定破断延性値F2を直接使用せずに所定に比率で低下させたクライテリア破断延性値を用いて第四関係を取得している。そして、第四関係に基づいて、評価破断延性値Fhを取得することで、実際の製品に適用する際に必要な裕度を持たせた評価を行うことができる。
また、第一関係と一致させるように同定させた結晶塑性構成式のパラメータを用いて結晶塑性解析を行うことで、単結晶のすべり系に依存したせん断変形や回転変形を考慮することができる。この結晶塑性解析の結果を用いて推定第一関係を取得することで、異なる結晶方位X毎のミクロな挙動を考慮したクリープひずみC2と時間tとの関係が得られる。このような推定第一関係に基づいて、評価破断延性値Fhにおける破断予想時間txを取得することで、実機に即した寿命評価を高い精度で実施することができる。これにより、例えば、評価対象物が翼部材の場合には、製品における部品に交換のタイミングを適切に行うことができる。
(実施形態の他の変形例)
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、本実施形態のように温度分布取得工程S70は、評価破断延性値取得工程S80や結晶塑性解析工程S90の前にまとめて実施される実施順序に限定されるものではない。例えば、評価破断延性値取得工程S80及び結晶塑性解析工程S90の前に別々に温度分布取得工程S70を実施してもよい。
また、本実施形態における各工程は連続して実施することに限定されるものではない。例えば、事前試験工程は、予め実施してデータを蓄積しておき、パラメータ取得工程S60、温度分布取得工程S70、評価破断延性値取得工程S80、結晶塑性解析工程S90、及び破断予想時間取得工程S100等の工程は別途実施されてもよい。同様に、パラメータ取得工程S60も事前に実施してデータを蓄積しておき、結晶塑性解析工程S90及び破断予想時間取得工程S100は別途実施されてもよい。
S1 破断延性評価方法
S10 結晶方位取得工程
X 結晶方位
S20 第一関係取得工程
C1 クリープひずみ
t 時間
S30 破断延性値取得工程
A1 遷移領域
A2 定常領域
t1 破断時間
F1 破断延性値
S40 第二関係取得工程
S50 第三関係取得工程
F2 推定破断延性値
T 温度
S60 パラメータ取得工程
S70 温度分布取得工程
S80 評価破断延性値取得工程
S81 第四関係取得工程
S82 補正評価破断延性値取得工程
Fx、Fh 評価破断延性値
Th 評価温度
S90 結晶塑性解析工程
S100 破断予想時間取得工程
tx 破断予想時間

Claims (4)

  1. 複数の試験片に引張試験を実施し、前記引張試験後の前記試験片の結晶方位をそれぞれ取得する結晶方位取得工程と、
    前記引張試験後の異なる結晶方位を有する前記試験片に異なる温度条件でクリープ試験を実施し、前記試験片のクリープひずみと時間との関係である第一関係をそれぞれ取得する第一関係取得工程と、
    複数の前記第一関係から前記試験片の破断延性値をそれぞれ取得する破断延性値取得工程と、
    前記破断延性値取得工程で取得した複数の前記破断延性値と、前記結晶方位取得工程で取得した結晶方位との関係である第二関係を複数の温度条件で取得する第二関係取得工程と、
    複数の前記第二関係から、所定の結晶方位における前記破断延性値と温度との関係である第三関係を取得する第三関係取得工程と、
    前記第三関係から評価対象物の評価温度における前記破断延性値である評価破断延性値を取得する評価破断延性値取得工程とを含む破断延性評価方法。
  2. 前記第三関係取得工程は、前記第二関係から前記所定の結晶方位において推定される推定破断延性値を取得し、前記推定破断延性値を前記破断延性値として第三関係を取得する請求項1に記載の破断延性評価方法。
  3. 前記評価破断延性値取得工程は、
    前記第三関係から前記破断延性値よりも所定の比率で低下させてクライテリア破断延性値を取得し、前記クライテリア破断延性値と温度の関係である第四関係を取得する第四関係取得工程と、
    前記第四関係に基づいて、前記評価温度における前記評価破断延性値を取得する補正評価破断延性値取得工程とを有する請求項1又は請求項2に記載の破断延性評価方法。
  4. 予め定めた結晶塑性構成式のパラメータを前記第一関係に基づいて逆解析を実施して取得するパラメータ取得工程と、
    前記評価対象物について伝熱解析を実施し、前記評価対象物の温度分布を取得する温度分布取得工程と、
    前記パラメータ取得工程で取得したパラメータと前記温度分布取得工程で取得した前記温度分布とに基づいて結晶塑性解析を実施し、クリープひずみと時間との関係を推定した推定第一関係を取得する結晶塑性解析工程と、
    前記推定第一関係から前記評価破断延性値取得工程で取得した前記評価破断延性値に達する破断予想時間を取得する破断予想時間取得工程とを含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の破断延性評価方法。
JP2017024915A 2017-02-14 2017-02-14 破断延性評価方法 Active JP6723174B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017024915A JP6723174B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 破断延性評価方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017024915A JP6723174B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 破断延性評価方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018132362A JP2018132362A (ja) 2018-08-23
JP6723174B2 true JP6723174B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=63248296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017024915A Active JP6723174B2 (ja) 2017-02-14 2017-02-14 破断延性評価方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6723174B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110320117A (zh) * 2019-07-15 2019-10-11 泰州市金鹰精密铸造有限公司 基于单晶叶片蠕变性能的测试方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018132362A (ja) 2018-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cuddihy et al. On cold dwell facet fatigue in titanium alloy aero-engine components
RU2686745C9 (ru) Восстановленный элемент конструкции из сплава на основе никеля и способ изготовления этого элемента
JP5403256B2 (ja) 多結晶金属材の疲労強度評価装置と方法
EP2757362B1 (en) Damage evaluation method and maintenance evaluation index policy
Palmert et al. Thermomechanical fatigue crack growth in a single crystal nickel base superalloy
JP6077042B2 (ja) 切欠き係数推定方法、切欠き係数推定システム及び切欠き係数推定装置
Rabbolini et al. Fatigue crack growth in Haynes 230 single crystals: an analysis with digital image correlation
JP2020003373A (ja) 寿命予測方法、寿命予測装置および寿命予測装置用プログラム
JP4979730B2 (ja) クリープ損傷評価方法
JP6202531B2 (ja) クリープ速度分布評価方法
JP6723174B2 (ja) 破断延性評価方法
Maharaj et al. Modelling of creep in Inconel 706 turbine disc fir-tree
JP2004237304A (ja) はんだ接合寿命予測方法
JP6093567B2 (ja) ニッケル基超合金の劣化診断方法
JP6657788B2 (ja) 金属材料の余寿命予測方法
JP3794943B2 (ja) Ni基合金製部品のメタル温度、材料特性推定法
US11772155B2 (en) Method for manufacturing a metal workpiece limiting the appearance of recrystallized grains in said workpiece
JP6555077B2 (ja) 金属材料の余寿命予測方法
CN113984496A (zh) 一种单晶高温合金静态弹性常数的测量方法
JP2009074857A (ja) ニッケル基合金部品の寿命推定方法
JP5583489B2 (ja) 金属材料の損傷評価方法および装置
JP2009074868A (ja) ニッケル基合金部品の寿命推定方法
Amaro et al. Towards the development of a physics-based thermo-mechanical fatigue life prediction model for a single crystalline Ni-base superalloy
Tahir Creep-Fatigue Damage Investigation and Modeling of Alloy 617 at High Temperatures
JP2020066049A (ja) 鍛造組織の予測方法、鍛造組織の予測装置及び塑性加工製品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170215

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181109

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6723174

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150