JP6718100B2 - 除電装置 - Google Patents
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Description
例えば、図4,5に示す除電装置は、ケーシング1に軸流ファンFを設け、その送風方向xの下流側に、8本の放電電極針2a,2bを環状に配置した除電装置である。
ケーシング1は、両端に排気口1aと吸気口1bとを開口させた筒状部材で、上記吸気口1b側に上記軸流ファンFを設け、その送風方向xの下流側となる排気口1a側に複数の放電電極針2a,2bを設けている。
すなわち、上記放電電極針2aには正の電源回路3が接続され、上記放電電極2bには負の電源回路4が接続されている。また、上記電源回路3,4には、これらの出力電圧を制御するための制御回路5が接続されている。
そして、上記電源回路3,4から出力される高電圧を放電電極針2a,2bに印加し、放電電極針2a,2bの先端側で正,負のイオンを生成させるとともに、これらのイオンを上記ファンFで形成される気流に乗せて排気口1aから放出させるようにしている。
さらに、上記ケーシング1の軸方向中央には、上記ファンFを取り付けるための支持部材7が設けられている。この支持部材7は、中央の円盤部7aとこれをケーシング1の外壁と連結する複数の連結片7bとからなる。上記連結片7bは、図4に示すような帯状で、上記排気口1aの開口を塞ぐことはない。
上記モーターMを駆動すれば、上記羽根8aが回転してx方向の気流が形成される。この気流によって、上記放電電極針2a,2bで生成された正,負のイオンが排気口1aから放出されるようにしている。
その結果、処理対象の表面電位を0に近づけることができる。
また、上記のような除電装置は、帯電した物体を除電するためだけでなく、雰囲気を電気的に中和することによって静電気帯電を嫌う物体を帯電させないようにするために使用されることもある。
このように、イオンバランスを保つようにしているのは、次の理由による。
もし、除電装置から放出されるイオンの極性が極端に偏っていると、除電に必要な極性のイオンが不足して処理対象が十分に除電されないだけでなく、一方の極性のイオンによって処理対象が帯電してしまう可能性もあるからである。
このような除電装置では、上記のような異物を含んだ流れの中に上記センサとして機能するファンガード6が位置することになる。したがって、ファンガード6には、上記気流に乗って流れてきた異物が付着してしまう。特に、放電電極針2a,2bで生成されたイオンによって上記ファンガード6が帯電している場合には、異物がより付着しやすくなって、ファンガード6に、異物が堆積してしまう。
センサの感度が落ちてしまえば、センサの検出結果に基づいて制御されるイオンバランスも狂ってしまい、期待通りの除電性能が得られないこともあった。
この発明の目的は、気流によってイオンを放出させる除電装置において、放電によるイオンバランスを検出するセンサに異物が堆積して検出感度が落ちてしまうようなことがない除電装置を提供することである。
上記除電装置を前提とし、第1の発明は、上記中心部が、その中心軸に沿って上記気流の下流方向に移動したときの仮想移動軌跡内であって、上記中心部の近傍に、上記放電電極による放電のイオンバランスを検出する、円盤状の部材からなるセンサが設けられたことを特徴とする。
したがって、従来例と同様の構成要素には、図4,5と同じ符号を用い、各構成要素の詳細な説明は省略する。
また、図1,2に示すように、ケーシング1内には、軸流ファンFを設けている。上記軸流ファンFのモーターMは、支持部材7の円盤部7aに固定され、このモーターMの回転軸aがファンFの中心部8bの中心に連結されている。上記中心部8bに対する回転軸aの連結には、上記中心部8bに形成された軸孔への圧入や、接着、ねじ結合など、どのような方法を用いてもよい。
上記センサ10は、軸部10aによって、上記円盤部7aとの間隔が保たれ、センサ10が、x方向である気流方向において上記放電電極2a,2bよりも下流側に保持されている。
そして、この実施形態では、この発明のカバー部材であるファンガード6を接地している(図2参照)。
検出回路9が、上記放電電極2a,2bで生成されるイオンによる電界からイオンバランスを検出し、その検出結果を上記処理回路5へ入力する点は、上記従来例と同じである。
ただし、この実施形態のセンサ10は、図2,3で示すように、軸流ファンFの中心部8bと対向する円盤部7aに取り付けられ、ファンFの中心部8bが、中心軸線Lに沿って気流の下流方向に移動したときの仮想軌跡であるエリアE内に位置している。
このようなエリアE内に設けられたセンサ10には、上記x方向の気流が搬送する異物が付着することがない。そのため、センサ10には、従来のファンガード6のように異物が堆積しない。
したがって、上記センサ10は異物の堆積によって感度が低下してしまうことがなく、検出感度が維持される。
そのため、イオンバランスの正確な検出ができ、センサ10の検出結果に基づいて、制御回路5が、放電電極針2a,2bで生成されるイオンの正,負のバランスを適正に保つことができる。
上記モーターMを固定する支持部材7を、上記中心部8bよりも上流側に設けた場合には、上記支持部材7とは別の支持部材によって、ファンFの中心部8bの下流側へ移動したときの上記仮想移動軌跡内であって上記中心部8bの近傍位置に、上記センサ10を支持する必要がある。
軸方向であるx方向の気流は、上記中心部8bで遮断されるため、上記中心部8bのx方向の仮想移動軌跡であるエリアE内では、ファンFの上流側から異物を吸い込んだ気流はほとんど導かれない。しかし、上記中心部8bから下流側への距離が大きくなるにしたがって、x方向の気流は上記中心部8bの中心軸線Lに近づく方向にも広がる。そのため、中心部8bから大きく離れると、上記エリアE内であっても、ケーシング1の上流側の異物を搬送する気流が流れ込むことがある。
このような異物を搬送する軸線方向の気流の影響を受けないようにするために、上記センサ10を、上記中心部8bの近傍に設けているのである。
一方で、センサ10の直径が小さくなれば、その外周に沿って配置された放電電極針2a,2bとセンサ10との距離が大きくなってしまうため、検出感度が下がってしまうこともある。そのため、上記センサ10の大きさや、その設置位置は放電電極針2a,2bへの印加電圧、ファンFによる風量、検出回路9の検出精度などに応じて設定すべきである。
しかし、この実施形態のように、センサ10と帯電物体との間に位置するファンガード6が接地されていれば、上記帯電物体の影響を排除でき、センサ10はイオンバランスを正確な検出できる。
そのため、センサ10の外周に沿って配置された複数の放電電極針2a,2bのいずれからも、センサ10までの距離がほぼ同等に保たれるとともに、ファンFで形成される気流の影響も、センサ10の外周においてほぼ均一になる。
したがって、センサ10が、特定の放電電極針で生成されたイオンのみを検出してしまうようなことが起こらないで、イオンバランスのより正確な検出ができる。
センサ10は、放電電極針2a,2bから離れすぎていると、生成された正,負のイオンの影響が小さくなり過ぎて検出精度が落ちてしまうが、センサ10は、放電電極2a,2bからあまり離れすぎない位置であれば、上流下流にかかわりなく、放電電極針2a,2bで生成される正,負のイオンによって形成される電界を検出することが可能である。そのうえで、上記中心部8bの近傍であれば、異物による検出感度の低下を防止できる。
さらに、放電電極針2a,2bの数も限定されないことは当然である。
上記遮断部材は、上記支持部材7の円盤部7aのようにしてケーシング1に連結することができる。
なお、上記中心部8bを備えたファンFを用いる場合であっても、遮断部材を設け、この遮断部材によってx方向の気流が遮断される範囲内にセンサ10を設けることができる。
2a,2b 放電電極針
1a 排気口
1b 吸気口
F (軸流)ファン
6 (カバー部材)ファンガード
8a 羽根
8b 中心部
9 検出回路
10 センサ
M モーター
a 回転軸
L 中心軸線
x (気流の)方向
E (仮想移動軌跡)エリア
Claims (3)
- ケーシング内に、
複数の羽根及びこれら羽根を放射状に支持する中心部からなる軸流ファンと、
この軸流ファンによって生成される気流の下流側に設けられた複数の放電電極と、を備え、
上記放電電極によって生成されるイオン流を噴出させる除電装置において、
上記中心部が、その中心軸線に沿って上記気流の下流方向に移動したときの仮想移動軌跡内であって、上記中心部の近傍に、上記放電電極による放電のイオンバランスを検出する、円盤状の部材からなるセンサが設けられた除電装置。 - ケーシング内に、
複数の羽根及びこれら羽根を放射状に支持する中心部からなる軸流ファンと、
この軸流ファンによって生成される気流の下流側に設けられた複数の放電電極と、を備え、
上記放電電極によって生成されるイオン流を噴出させる除電装置において、
上記軸流ファンの下流側に、上記軸流ファンによって生成される気流を遮る遮断部材を設けるとともに、この遮断部材が、その中心軸線に沿って上記気流の下流方向に移動したときの仮想移動軌跡内であって、上記遮断部材の近傍に、上記放電電極による放電のイオンバランスを検出する、円盤状の部材からなるセンサが設けられた除電装置。 - 上記ケーシングには、上記イオン流の噴出側にカバー部材が設けられるとともに、このカバー部材が接地された請求項1又は2に記載の除電装置。
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