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オーステナイト系ステンレス鋼部材及びその製造方法
JP6714159B2
Japan
Description
translated from
<1> オーステナイト系ステンレス鋼からなる母材表面に不動態層が形成されたオーステナイト系ステンレス鋼部材であって、
前記不動態層の膜厚が2〜20nmであり、前記不動態層の最表面におけるクロム原子の原子濃度が0.1〜1.0原子%であり、前記不動態層の最表面におけるケイ素原子の原子濃度が2〜10原子%であるオーステナイト系ステンレス鋼部材。
前記接液部が<1>〜<3>のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材で構成される装置。
<5> 半導体処理液の製造工程で使用される反応槽、蒸留塔、撹拌部、移送管、又は貯蔵タンクである<4>に記載の装置。
<6> 半導体処理液との接液部を有する容器であって、
前記接液部が<1>〜<3>のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材で構成される容器。
電解研磨工程、無機酸による洗浄工程、及び加熱工程により前記不動態層を形成することを含み、
前記加熱工程における加熱雰囲気が酸化性雰囲気であり、加熱温度が300〜450℃である製造方法。
本開示のステンレス鋼部材は、ステンレス鋼からなる母材表面に不動態層が形成されたステンレス鋼部材であって、不動態層の膜厚が2〜20nmであり、不動態層の最表面におけるクロム原子の原子濃度が0.1〜2.3原子%である。
本開示の装置又は容器は、半導体処理液との接液部を有する装置又は容器であって、接液部が本開示のステンレス鋼部材で構成される。
本開示のステンレス鋼部材の製造方法は、電解研磨工程、無機酸による洗浄工程、及び加熱工程により不動態層を形成することを含む。すなわち、ステンレス鋼材からなる母材の表面をそれぞれの工程で処理して、不動態層を形成する。
電解研磨工程は、ステンレス鋼材からなる母材に電解液を通液して電気を印加して行う研磨工程であり、公知の方法を採用することができる。例えば、リン酸・硫酸を通液して電気を印加すればよい。また、例えば、特開2015−227501号公報に記載されているように、硝酸を使用して電解研磨を行うこともできる。電解研磨によって、母材表面を平坦化するとともに、母材表面にクロムの酸化膜を形成することができる。
洗浄工程で使用する無機酸は、特に制限されるものではないが、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、フッ酸等が挙げられる。これら無機酸は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
母材を加熱することにより、不動態層の表面から酸化層、特に酸化クロム層を減肉するとともに、緻密な鉄酸化膜を成長させることができる。この加熱工程により、酸化クロム層の膜厚を調整、すなわち不動態層の最表面におけるクロム原子の原子濃度を調整したり、ケイ素原子の原子濃度を調整したりすることができる。特に、母材を無機酸で洗浄した後、加熱工程を実施することで、効果的に酸化クロム層の膜厚を調整できるため好ましい。
本開示の半導体処理液の製造方法は、本開示のステンレス鋼部材で構成される接液部を有する装置を使用して半導体処理液を製造するものである。
本開示の半導体処理液の貯蔵方法は、本開示のステンレス鋼部材で構成される接液部を有する容器に半導体処理液を貯蔵するものである。本開示のステンレス鋼部材で構成される接液部を有する容器に半導体処理液を貯蔵することにより、半導体処理液への金属の溶出又は脱離を抑制できる。
(不動態層の最表面における原子濃度の測定方法)
不動態層の最表面における鉄、クロム、及びケイ素の原子濃度は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy;X線光電子分光分析)により測定した。XPSの装置としては、アルバック・ファイ製のPHI5500型 X線光電子分光装置を用いた。なお、X線源にはAl−Kα330Wを用い、検出された全ての元素の光電子の数のピーク強度より、PHI社提供の相対感度因子を用いて、クロム、ケイ素、及び鉄の表面原子濃度を算出した。このとき、検出領域は800μmの直径領域とした。また、取出し角は45°、検出深さは約5nmとし、検出領域を設定した。
不動態層の膜厚は、上述したXPSによる深さ方向分析結果から算出した。スパッタ条件は、Ar+イオンを使用し、スパッタレートはSiO2換算で約0.5nm/minとした。XPS測定で得られた酸素濃度の深さ分布において、最表面から酸素の原子濃度の値が半減した深さを不動態層の膜厚として算出した。
不動態層の平均転位密度は、XRD(X-ray diffraction;X線回折)によって得られた半値幅を利用して測定した。まず、試料表面よりθ−2θ測定を行い、得られたX線回折データから、{111}面、{200}面、{220}面、及び{311}面のローレンツ関数近似によって、回折ピークの角度及び回折強度の半値幅を求め、Modified Williams-Hallの式、及びModified Warren-Averbachの式より転位密度を算出した。
実施例、比較例に記載した条件で作製したサンプル片(不動態層を有する部材)からイソプロピルアルコール中に溶出した金属を、金属溶出量として評価した。金属溶出試験において、サンプル片は、室温で2週間浸漬保持した。保持後のイソプロピルアルコールをナス型フラスコに約500mL採取し、ロータリーエバポレータで濃縮乾固させた後、0.1N硝酸約25mLで2回に分けて回収した。回収した0.1N硝酸溶液中の金属溶出量を、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いて定量した。このとき、濃縮前のイソプロピルアルコールの重量と回収後の0.1N硝酸溶液の重量との比から濃縮倍率を算出し、イソプロピルアルコール重量当たりの金属溶出量に換算した。なお、金属溶出量は小数点以下第2位を四捨五入した。
縦30mm、横120mm、厚さ3mmのSUS304Lステンレス鋼を準備した。
ステンレス鋼をリン酸・硫酸系電解液により電解電流密度20〜60A/dm2の条件で電解研磨し、表面を約20μm除去した。
次いで、電解研磨後のステンレス鋼の表面の加工変質層を無機酸(20〜30%硝酸水溶液)で洗浄することにより、表面を10〜50μm除去した。加工変質層を除去した後、抵抗率1MΩ・cm以上の純水により精密洗浄を行った。
大気雰囲気且つ大気圧下、250〜650℃の温度範囲で2時間の加熱処理を行うことにより、不動態層が表面に形成されたサンプル片を得た。
(不動態層の最表面の組成比、及び不動態層の膜厚の測定)
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたサンプル片に対して、XPSで表面を解析することにより、不動態層の最表面の組成比、及び不動態層の膜厚を測定した。不動態層の最表面の組成比とは、XPSによる深さ方向分析結果における深さ0nmの位置の組成比を意味する。結果を表2に示す。また、実施例2のXPSによる深さ方向分析結果を図1に示す。図1に示すとおり、酸素濃度が半分の値となるまでスパッタ時間は約9分であった。スパッタレートは約0.5nm/min(SiO2換算)であることから、実施例2における不動態層の膜厚は約5nm(SiO2換算)と算出した。なお、実施例2の不動態層の平均転位密度は2.3×1015/m2であった。
実施例1〜5及び比較例1、2、4で得られたサンプル片を、高純度イソプロピルアルコール(株式会社トクヤマ、電子工業用グレード)1Lで満たした樹脂製ボトルに浸漬し、室温で2週間保持した。2週間経過後、サンプル片から高純度イソプロピルアルコール中に溶出した金属溶出量を上述したICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)で評価した。結果を表3に示す。なお、比較例3は不動態層の膜厚が1nmと非常に薄かったため、金属溶出試験を行わなかった。
実施例2で得られたサンプル片を、高純度イソプロピルアルコール(株式会社トクヤマ、電子工業用グレード)1Lで満たした樹脂製ボトルに浸漬し、室温で2ヶ月間保存した。そして、保存前後の高純度イソプロピルアルコールに溶出した金属溶出量を上述したICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)で評価し、保存後における金属溶出量の増加量を算出した。保存安定性試験は2回行った。結果を表5に示す。なお、比較例3は不動態層の膜厚が1nmと非常に薄かったため、保存安定性試験を行わなかった。
Claims (9)
Hide Dependent
translated from
- オーステナイト系ステンレス鋼からなる母材表面に不動態層が形成されたオーステナイト系ステンレス鋼部材であって、
前記不動態層の膜厚が2〜20nmであり、前記不動態層の最表面におけるクロム原子の原子濃度が0.1〜1.0原子%であり、前記不動態層の最表面におけるケイ素原子の原子濃度が2〜10原子%であるオーステナイト系ステンレス鋼部材。 - 半導体処理液との接液部に使用される請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材。
- 前記不動態層の膜厚が3〜20nmである請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材。
- 半導体処理液との接液部を有する装置であって、
前記接液部が請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材で構成される装置。 - 半導体処理液の製造工程で使用される反応槽、蒸留塔、撹拌部、移送管、又は貯蔵タンクである請求項4に記載の装置。
- 半導体処理液との接液部を有する容器であって、
前記接液部が請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材で構成される容器。 - 請求項5に記載の装置を使用して半導体処理液を製造する半導体処理液の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材で構成される容器に半導体処理液を貯蔵する半導体処理液の貯蔵方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーステナイト系ステンレス鋼部材の製造方法であって、
電解研磨工程、無機酸による洗浄工程、及び加熱工程により前記不動態層を形成することを含み、
前記加熱工程における加熱雰囲気が酸化性雰囲気であり、加熱温度が300〜450℃である製造方法。