JP6698315B2 - グレーティング素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チャネル型光導波路を有するグレーティング素子およびその製造方法に関するものである。
グレーティング素子(回折格子素子)を、例えば半導体レーザと組み合わせて使用すると、レーザの発振波長を固定化させることができ、また、周囲の環境温度が変化しても、その発振波長をある温度範囲内で安定化することが可能である(特許文献1)。グレーティング構造は光導波路中にも形成することもでき、光導波路型のグレーティングを利用すれば、非常に小型の波長安定化光源を実現することができる(特許文献2、特許文献3)。
グレーティングの周期Pは、形成する材料、利用する光波長λによって異なり、形成する材料の実効屈折率をneffとすると、以下の関係を有する。

P=λ/(2×neff)
波長が長く、グレーティングを形成する材料の屈折率が低い場合は、グレーティングの周期が広くなり、比較的製造しやすくなる。一方、波長が短く、材料の屈折率が低くなってくると、微細なパターニングが必要となり、その制御も厳しくなってくる。例えば波長が800nmで、使用する材料の実効屈折率が2の場合は、グレーティングの周期は200nmという狭い周期となる。
特開 2000-131559 特開 2002-134833 PCT/JP2014/082687
微細なパターニングを可能とする装置として、電子描画装置、ステッパ、ナノインプリント装置などがある。しかし、電子描画装置、ステッパは高価であり、また、これらの装置を設置する環境も厳密に管理する必要があるので、大きな投資が必要で、導入後も維持費用が嵩む。これに対し、ナノインプリント装置は前者2装置に比べ低価格であるので、比較的導入しやすい装置であるものの、電子描画装置やステッパよりもパターンバラツキが生じやすいので、回折光出力が低い素子しか得られず、製造安定性が低く、歩留りを低下させる。
本発明の課題は、ナノインプリント装置のようなパターン精度が低い装置を利用しても、あるいは製造装置を設置する環境の温度、湿度の管理を緩めても、回折光出力を低下させないように製造トレランスを緩和するグレーティング構造を提供することである。
本発明は、以下の工程を有するグレーティング素子の製造方法である
すなわち、本発明は、
第一の側面と第二の側面とを有する光学材料層、および前記光学材料層に設けられた回折格子であって、前記第一の側面から前記第二の側面へと向かって交互に設けられた溝と突起とからなる回折格子を備えており、溝の長手方向に見たときに前記回折格子のデューティー比を構成する前記溝の幅および前記突起の幅が一次関数的に変化する部品を準備する工程;
前記回折格子を上側から観測することによって前記回折格子の前記デューティー比を非破壊で測定する工程であって、前記突起の上面における前記溝の前記幅と前記溝の底面における前記溝の前記幅との平均値を用いて前記デューティー比を測定する工程;および
前記デューティー比の測定結果に応じてチャネル型光導波路を形成する工程
を有することを特徴とする。
回折格子およびチャネル型光導波路が設けられたグレーティング素子において、製造条件の裕度を広くすると、チャネル型光導波路からの出力の低下が生じ、製造歩留りが低下することがあった。本発明者は、この原因を検討した結果、次の知見を得た。
すなわち、回折格子を利用する光学部品において、回折格子の効率が最も高くなる形状は、通常は、回折格子の突起の幅と溝の幅との比(突起の幅:溝の幅:以下、「デューティー比)と称す)が50:50の時である。製造条件にバラツキがなく、安定にパターニングができるのであれば、デューティー比が50:50の理想形状を常に得ることができるので、チャネル型光導波路からの出力は安定するものと考えられる。しかし、現実の製造設備および製造プロセスにおいては、製造装置の能力不足による製造バラツキが生ずる場合や、製造環境が不安定な場合があり、結果的にデューティー比が理想値からずれる。するとチャネル型光導波路からの出力が低下するため、結果的に製造歩留りの低下を招くものと思われる。
本発明者は、こうした知見に立ち、回折格子の溝に交差する方向に向かってチャネル型光導波路を形成するのに際して、溝の長手方向に見たときに、回折格子のデューティー比が変化するように設計した。この結果、回折格子のデューティー比が好ましい値になっている場所を選択した後でチャネル型光導波路を形成することができる。この結果、チャネル型光導波路からの出力の低下を抑制し、製造歩留りの低下を防止することに成功した。
(a)は、比較例の光学材料層1を示す平面図であり、(b)は、(a)の光学材料層1にチャネル型光導波路4を設けたグレーティング素子3を示す平面図である。 (a)は、本発明例の光学材料層11を示す平面図であり、(b)は、(a)の光学材料層11にチャネル型光導波路4を設けたグレーティング素子13を示す平面図である。 (a)は、本発明例の光学材料層21を示す平面図であり、(b)は、(a)の光学材料層21にチャネル型光導波路4を設けたグレーティング素子23を示す平面図である。 (a)は、本発明例の光学材料層31を示す平面図であり、(b)は、(a)の光学材料層31にチャネル型光導波路4を設けたグレーティング素子33を示す平面図である。 本発明例のグレーティング素子を模式的に示す横断面図である。 (a)は、支持基板25を示す正面図であり、(b)は、支持基板25上にクラッド層26および光学材料層27を設けた状態を示し、(c)は、光学材料層27上に回折格子形成用のマスク層28を設けた状態を示す。 (a)は、支持基板25、クラッド層26、光学材料層27および回折格子バターンが形成されたマスク層28Aからなる部品を示し、(b)は、(a)とは別の領域におけるマスク層28Aからなるアライネントマーク58Aを含む断面部分を示す。また、(c)は、(a)の領域において光学材料層27Aに回折格子29を形成した状態を示し、(d)は、(b)の領域において光学材料層27Aに形成したアライメントマーク59を示す。 (a)は、光学材料層27A上に、光導波路形成用マスク材料層30を形成した状態を示し、(b)は、チャネル型光導波路形成用のマスク30Aを形成した状態を示し、(c)は、パターニングによってマスク材料層30がエッチングされた部位を示している。 溝幅が突起幅よりも小さくなった断面を示す光学顕微鏡写真である。 溝幅と突起幅とが同程度である断面を示す光学顕微鏡写真である。 溝幅が突起幅よりも大きくなった断面を示す光学顕微鏡写真である。 回折格子形成用のフォトマスクパターンを示す模式図である。 光導波路形成用のマスクパターンを示す模式図である。 光導波路形成時のマスクのアライメントを説明するための模式図である。 回折格子形成用のフォトマスクにより形成した基板表面上のレジストパターンを示す模式図である。
図1は従来例を示すものである。図1(a)に示すように、光学材料層1の主面1a側には回折格子2が形成されている。1bは光の入射面であり、1cは光の出射面である。なお、各図面においては、理解を容易にするために、各部分の寸法や格子数は実際のものとは異なるように図示する。
回折格子2は、交互に反復される溝2aと突起2bとからなっており、溝および突起は、光学材料層2の側面に平行な方向Lに向かって反復されている。方向Lに見たときの溝2aの幅Aと突起2bの幅Bとの比率をデューティー比と呼ぶ。
次いで図1(b)に示すように、光学材料層1にチャネル型光導波路4を形成し、グレーティング素子3を得る。チャネル型光導波路4の長手方向Pは、溝2aの長手方向Wに対して交差している必要がある。通常のグレーティング素子では、デューティー比が50:50のときに、チャネル型光導波路からの出射光量が最大となる。
ここで、現実の製造設備においては、マスク上のアライメントマークなどを使用して、チャネル型光導波路4の形成位置を定める。このとき、設計上では、チャネル型光導波路が通過する回折格子のデューティー比は50:50になっている。
しかし、製造設備および製造条件の裕度を広くすると、回折格子の各部位におけるデューティー比にバラツキが生じてくる。例えば、図9に示す断面写真では、溝幅が小さくなっており、図10に示す断面写真では、溝幅と突起幅が同程度であり、図11に示す断面写真では、溝幅が突起幅よりも大きくなっていた。このため、図1(b)に示すように所定箇所にチャネル型光導波路4を形成したとき、その光導波路が通過する回折格子の部位のデューティー比が一定しないため、光導波路からの出力が変動し、歩留り低下の原因となることが判明した。
図2は本発明例を示すものである。図2(a)に示すように、光学材料層11の主面11a側には回折格子12が形成されている。11bは光の入射面であり、11cは光の出射面である。回折格子12は、交互に反復される溝12aと突起12bとからなっており、溝および突起は、光学材料層11の側面11d、11eに平行な方向Lに向かって反復されている。
ここで、溝12aの幅Aは、光学材料層の第一の側面11dから第二の側面11eへと向かって(溝の長手方向Wに向かって)なめらかに単調増加しており、突起12bの幅Bは、光学材料層の第一の側面から第二の側面へと向かってなめらかに単調減少している。この結果、デューティー比は、溝の長手方向Wに向かって変動する。
この光学材料層を利用し、図2(b)に示すように、チャネル型光導波路4を形成し、グレーティング素子13を得る。チャネル型光導波路4の長手方向Pは、溝12aの長手方向Wに対して交差している必要がある。この交差角度は、70°以上が好ましく、80°以上が更に好ましく、両者が直交していることが最も好ましい。この際、本発明によれば、回折格子の各部位のデューティー比を測定し、デューティー比が所望の数値になる部位(あるいは所望の数値に近い部位)を選択し、その部位にチャネル型光導波路を形成することができる。この結果、回折格子の部位ごとのデューティー比のバラツキに起因する光導波路からの出射光量のバラツキを抑制し、製造歩留りを向上させることができる。
図3は本発明例を示すものである。図3(a)に示すように、光学材料層21の主面21a側には回折格子22が形成されている。21bは光の入射面であり、21cは光の出射面である。回折格子22は、交互に反復される溝22aと突起22bとからなっており、溝および突起は、光学材料層21の側面21d、21eに平行な方向Lに向かって反復されている。
ここで、溝22aの幅Aは、光学材料層の第一の側面から第二の側面へと向かって(溝の長手方向Wに向かって)なめらかに単調増加しており、突起22bの幅Bは、光学材料層の第一の側面から第二の側面へと向かってなめらかに単調減少している。この結果、デューティー比は、溝の長手方向Wに向かって変動する。
この光学材料層を利用し、図3(b)に示すように、チャネル型光導波路4を形成し、グレーティング素子23を得る。チャネル型光導波路4の長手方向Pは、溝22aの長手方向Wに対して交差している必要がある。この交差角度は、70°以上が好ましく、80°以上が更に好ましく、両者が直交していることが最も好ましい。この際、本発明によれば、回折格子の各部位のデューティー比を測定し、デューティー比が所望の数値になる部位(あるいは所望の数値に近い部位)を選択し、その部位にチャネル型光導波路を形成することができる。この結果、回折格子の部位ごとのデューティー比のバラツキに起因する光導波路からの出射光量のバラツキを抑制し、製造歩留りを向上させることができる。
以上の実施例では、デューティー比(突起の幅:溝の幅)が、溝の長手方向に見たときに滑らかに変化し、特には突起の幅と溝の幅が一次関数的に変化する。
図4はこの実施形態に係るものである。図4(a)に示すように、光学材料層31の主面31a側には回折格子32が形成されている。31bは光の入射面であり、31cは光の出射面である。回折格子32は、交互に反復される溝35と突起36とからなっており、溝および突起は、光学材料層31の側面31d、31eに平行な方向Lに向かって反復されている。
ここで、溝35の幅Aは、光学材料層の第一の側面から第二の側面へと向かって(溝の長手方向Wに向かって)段階的に増加している。本例では、溝35は、相対的に幅Aの広い第一の部分35a、より幅の狭い第二の部分35b、幅の狭い部分35cを含む。隣接する各部分の間では幅に段差がある。また、本例では、突起36は、相対的に幅Bの狭い第一の部分36a、より幅の広い第二の部分36b、幅の広い部分36cを含む。隣接する各部分の間では幅に段差がある。このように、溝幅が段階的に変化する場合には、各部分のデューティー比を測定し、デューティー比が所望の数値になる部分(あるいは所望の数値に近い部分)を選択し、その部分にチャネル型光導波路を形成することができる。この結果、回折格子の部位ごとのデューティー比のバラツキに起因する光導波路からの出射光量のバラツキを抑制し、製造歩留りを向上させることができる。
前記デューティー比は、光学材料層中に確実に所望のデューティー比となる場所を生じさせるという観点からは、30:70〜70:30であることが好ましい。
図5は、グレーティング素子の横断面形状を模式的に示す図である。
本例では、支持基板16上にクラッド層17を介して光学材料層18が設けられており、光学材料層18の上面側に回折格子19が形成されている。また、光学材料層18には一対のリッジ溝70が形成されており、リッジ溝の間にリッジ型光導波路4が形成されている。
以下、グレーティング素子の好適な製造手順について例示する。まず、図6(a)に示すように、支持基板25を準備する。
支持基板の具体的材質は特に限定されず,ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、AlN、SiC、ZnO、石英ガラスなどのガラス、合成石英、水晶、Siなどを例示することができる。ここで、支持基板の加工し易さという観点からは、支持基板の材質は、石英ガラスなどのガラス、合成石英、水晶、Siであることが好ましい。
支持基板の厚さは、ハンドリングの観点からは、250μm以上が好ましく、また小型化という観点からは、1mm以下が好ましい。
次いで、図6(b)に示すように、支持基板25上にクラッド層26および光学材料層27を形成する。次いで、図6(c)に示すように、光学材料層27上に、回折格子を形成するためのマスク材料層28を形成する。
クラッド層を設ける場合には、クラッド層の厚さを厚くすることによって、伝搬光の支持基板への染み出しを抑制できるので、この観点からは、クラッド層の厚さは0.5μm以上が好ましい。
なお、光学材料層の表面に上側クラッド層をさらに設けることもできる。こうしたクラッド層および上側クラッド層は、光学材料層の材質よりも低い屈折率を有する材質から形成するが、たとえば酸化珪素、酸化タンタル、酸化亜鉛によって形成することができる。
光学材料層は、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化タンタル、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、五酸化ニオブ、酸化マグネシウム等の光学材料から形成することが好ましい。小型の光学部品を提供するという観点からは、光学材料層の屈折率は、1.4以上が好ましく、2以上がさらに好ましい。
光学材料層中には、光導波路の耐光損傷性を更に向上させるために、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有させてもよく、この場合、マグネシウムが特に好ましい。また結晶中には、ドープ成分として、希土類元素を含有させることができる。希土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、Dy、Prが好ましい。
光学材料層の厚さは、特に限定されないが、光の伝搬損失を低減するという観点からは、0.5〜3μmが好ましい。
次いで、回折格子パターンを形成する。回折格子を形成するために、図12に示すようなフォトマスク36を使用する。
本例のフォトマスク36には、ウエハー上に形成する素子数量に対応して回折格子パターン37が設けられており、隣接する回折格子パターン37の間には、切断用の枠部が設けられている。また、所定箇所に、回折格子の位置決め用のアライメントマーク38が設けられている。
図15には、フォトマスク36を使用して、パターン処理した後の光学材料層上27のパターンを示す。
また、図7(a)、(b)は、光学材料層27上の回折格子領域およびアライメントマーク領域を含む断面図を示す。図15のA−A‘断面が図7(a)に対応しており、図15のB−B’断面が図7(b)に対応している。
フォトマスク36の回折格子部38およびアライメントマークに対応して、それぞれ、光学材料層27上に回折格子28Aおよびアライメントマーク58Aが形成される。
ここで、回折格子28Aを形成するマスクパターンの材料は、エッチング加工深さが浅い場合は、フォトレジストで十分であるが、深い回折格子を得ようとすると、フォトレジストでは十分な加工ができない場合がある。深い回折格子を得る場合には、エッチング耐性のある金属材料を使用することがある。金属材料にパターニングする場合は、光学材料層27上に金属を成膜して、その上部にフォトレジストを塗付して、露光処理、現像処理、さらには金属のエッチング処理を経て形成する。
次いで、マスクパターン28Aを利用して、その下にある光学材料層27をエッチングする。エッチング後、マスクパターン28Aを剥離する処理を行うことで、図7(c)や(d)に示すように回折格子29やアライメントマーク59のパターンが得られる。27Aは、エッチング処理された光学材料層である。
次いで、回折格子29のデューティー比を測定する。この際には、好ましくは、回折格子の周期が0.8μm以上であれば、レーザ顕微鏡で回折格子を上から測定することで、デューティー比を非破壊で測定可能である。また、回折格子の周期が更に低い場合には、原子間間力顕微鏡(AFM)や透過型電子顕微鏡(SEM)によって回折格子を上から測定することで、回折格子のデューティー比を非破壊で測定できる。
回折格子のデューティー比を測定する場合、溝幅A、突起幅Bが上面から溝の底面まで同じである場合には、上面における測定値を採用すれば良い。しかし、溝幅Aが、突起の上面においては相対的に大きくなっており、溝の底面では小さくなっている場合がある。この場合には、突起の上面で溝幅を測定し、また溝の底面における溝幅を測定し、両測定値の平均を溝幅Aとする。
次いで、光導波路を回折格子29上に形成する。光導波路を形成するために、例えば図13に示すようなフォトマスク39を使用する。フォトマスク39には、所定パターンのチャネル型光導波路形成用の開口部61が形成されている。また、フォトマスク39には、回折格子用のフォトマスク36で形成したアライメントマーク59に重ね合わせしやすいようにアライメントマーク46が形成されている。
光導波路を形成するため、図8(a)に示すように、回折格子29上に、光導波路形成用のマスク材料層30を形成する。マスク材料層30の表面は、下地の回折格子パターン29やアライメントパターン59を反映した凹凸パターンが形成され、アライメントマーク59はマスク材料層30上から視認できる。次いで、光導波路用のフォトマスク39を利用して、フォトマスク39上のアライメントマーク46と、基板上のアライメントマーク59とを位置合わせしてパターニングを行う。次いで、現像処理し、マスク材料層30をエッチングすることによって、図8(b)に示す、チャネル型光導波路形成用のマスク30Aを得る。また、図8(c)には、パターニングによってマスク材料層30がエッチングされた部位を示しており、この部位が、リッジ導波路を形成するパターンであれば、リッジ溝が形成される領域となる。
マスク材料層30の材質としては、Cr、Ni、Ti、Al、タングステンシリサイド等及びその多層膜が例示できる。
チャネル型光導波路はリッジ型光導波路には限定されず、プロトン交換型光導波路やチタン拡散型光導波路などであってもよい。
また、マスク材料層や光学材料層のエッチング方法としては、ドライエッチング及びウェットエッチングが例示できる。
ドライエッチングは例えば、反応性エッチング等が有り、ガス種としてフッ素系・塩素系が例示できる。
ウェットエッチングは例えば、フッ酸系やTMAH系が例示できる。
次に、デューティー比の測定値に合わせてチャネル型光導波路の形成位置を調節する方法について例示する。
図14に示すウエハー50には、多数のグレーティング素子を同時に形成する。本例では、縦に9列のチャネル型光導波路を同時に形成するが、むろんこうした図面は理解の便宜のために現実の寸法とは異なっており、実際には多数の素子を縦横に形成する。
ここで、ウエハー50の表面にマスク56を形成し、マスク56の開口部52、53を通してエッチングを行うことで、チャネル型光導波路をマスク下の光学材料層に形成する。
この際、設計どおりであれば、光導波路用開口部52がアライメントマーク51を通過するように設計する。開口部53と52との間隔は予め一定値に設計されている。ここで、設計どおりであれば、開口部52がアライメントマーク51を通過するとき、同時に、開口部52、53が、それぞれ回折格子のうち、目的のデューティー比(例えば50:50)を有する部位の上を通過する。
しかし、デューティー比の測定結果から、デューティー比が50:50の部位が設計位置から距離dだけ離れている場合には、アライメントマーク51と光導波路用開口部52との間隔をdだけ離す。こうした調整は、露光装置のテーブルを移動させることによって可能である。これによって、開口部52、53が、それぞれ回折格子のうち、目的のデューティー比(例えば50:50)を有する部位の上を通過するようになる。
ウェハー間の製造バラツキにより、距離dはウェハー間でばらついたものになる。ウェハーそれぞれに対して、距離dを移動させることで、開口部52、53が、デューティー比(例えば50:50)を有する部位の上を通過させることができる。
回折格子のパターニングはナノインプリントによる工程でも可能であり、マスクのパターンをモールドと呼ばれる型に転写することになる。
図2に示すようなパターンの光学材料層11およびグレーティング素子13を試作した。
具体的には、支持基板25としてはSi基板を使用した(図6)。支持基板25上に、厚さ1μmの酸化珪素クラッド層26を形成し、その上にTaからなる光学材料層27を形成した。この光学材料層の厚さは2μmとし、成膜方法はスパッタとした。
光学材料層27上にマスク材料層28を形成し、マスク材料層28をフォトリソグラフィーによってパターニングし、回折格子29を得た。回折格子の長さを30μmとし、溝の深さを100nmとし、回折格子の周期を193nmとした。次いで、AFM(原子間力顕微鏡)によって、回折格子の各部分のデューティー比を測定した。ただし、設計上は、図2(a)に示すように、光学材料層11の一方の側面11dにおけるデューティー比を30:70とし、他方の側面11eにおけるデューティー比を70:30とした。前記測定の結果、デューティー比が50:50になる部位は、設計部位から1.5μmだけ離れていた。
次いで、フォトリソグラフィー法によってマスク材料層をパターニングし、チャネル型光導波路用の開口部52、53を形成した。そして、ドライエッチングによって、下にある光学材料層をエッチングし、リッジ溝を形成した。この際、アライメントマークと開口52との間隔dは上の測定値に合わせて1.5μmとした。光学材料層の厚さは1.2μmとし、リッジ幅は3μmとし、リッジ溝の深さは1.0μmとした。チャネル型光導波路に入射した光の反射率を評価した結果、約8%となった。
回折格子の溝の深さを100nmと浅くしたので、回折格子部による過剰損失はほとんど発生しなかった。
(比較例)
実施例と同様にしてグレーティング素子を試作した。ただし、本例では、図1に示すように、設計上、回折格子のデューティー比を、回折格子の全長にわたって一定(50:50)とした。そして、設計位置にリッジ型光導波路を形成し、光導波路での反射率を測定したところ、約5%となった。
ここで、チャネル型光導波路の形成位置におけるデューティー比を測定したところ、約40%であった。これが反射率低下の原因であったと考えられる。

Claims (1)

  1. 第一の側面と第二の側面とを有する光学材料層、および前記光学材料層に設けられた回折格子であって、前記第一の側面から前記第二の側面へと向かって交互に設けられた溝と突起とからなる回折格子を備えており、溝の長手方向に見たときに前記回折格子のデューティー比を構成する前記溝の幅および前記突起の幅が一次関数的に変化する部品を準備する工程;
    前記回折格子を上側から観測することによって前記回折格子の前記デューティー比を非破壊で測定する工程であって、前記突起の上面における前記溝の前記幅と前記溝の底面における前記溝の前記幅との平均値を用いて前記デューティー比を測定する工程;および
    前記デューティー比の測定結果に応じてチャネル型光導波路を形成する工程
    を有することを特徴とする、グレーティング素子の製造方法。
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