JP6695111B2 - 野菜発酵エキスの製造方法 - Google Patents

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この発明は、野菜を主原料とし、発酵させて得られる野菜発酵エキスの製造方法に関する。
一般に、野菜には様々な栄養素が含まれており、近年、野菜の健康的価値の重要性が見直されている。
ところで、通常、各種の野菜の食味には特有のエグ味や苦味があり、短時間の加熱調理では、それらの不味が残ってしまうことから、それらを消すためには長時間の調理が必要であると考えられてきた。
野菜特有のエグ味や苦味を緩和する従来の方法としては、酒類などの製造方法で知られる麹菌や酵母菌を用いた発酵工程を利用する方法があり、例えば、タマネギなどの澱粉含量の多いユリ科植物を、発酵させる前に麹、麹菌によって糖化しておくことにより、野菜特有のエグ味や苦味を抑制する製造方法が知られている(特許文献1)。
また、焙煎した小麦と蒸煮した大豆の混合物に、種麹を加えて製麹し、これに青果物と酵素を加えて醸造発酵させると同時に、さらに酵母を加えて熟成させて、醤油風味調味料を製造することが知られている(特許文献2)。
食用畜肉を原料とする畜肉エキスの製造方法としては、濃厚な風味が得られるように、麹菌の糖化反応によって原料由来のタンパク質を分解する方法が知られている(特許文献3)。
更に、タマネギを発酵させて得られるエキスの製法として、タマネギ破砕物の酵素を失活させた後、酵母菌による発酵を用いて発酵させて発酵エキスを製造し、これを食品や医薬に利用することが知られている(特許文献4)。
特開昭60−30673号公報 特開2004−97178号公報 特開2014−103888号公報 特開2004−8167号公報
しかし、野菜類を主原料として発酵調味料を製造する場合、特許文献1に記載されているように、原料の野菜類に対して、発酵に先だって麹または酵素を作用させ、酵素分解によって糖化させると、その後の工程で酵母を添加して発酵させても、糖化工程で得られた成分が、その後に添加された酵母によって消費(資化)されてしまうので、結果的に充分な甘味や旨味成分が得られないという問題がある。
また、特許文献2に記載されるように、酵素分解と酵母発酵を同時に行なう場合にも、麹による糖化作用と、酵母による資化作用が旨味成分の生成を打ち消し合って、結果として好ましい甘味成分や旨味成分を充分に生成できなかった。
なお、野菜は、酵母で発酵させると、腐敗臭が生じてしまうので、それによって野菜発酵エキスとしての風味が損なわれる場合もある。
また、特許文献3には、肉類について麹菌の糖化反応のみが記載されているに過ぎず、野菜類についての記載はなく、酵母も使用されていない。
特許文献4には、タマネギの糖分を予め酵素失活させることにより少なくすることにより、糖尿病患者に摂取可能としており、タマネギが本来有している酵素以外の麹菌を利用するものでもない。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決し、野菜類を主原料とする発酵エキスの製造方法において、穀物麹由来の糖質やタンパク質を酵母発酵によって損失させることなく、最終エキスに付与させることができ、更に酵母発酵によって発生した腐敗を感じさせる匂い物質を抑制しつつ野菜原料の青臭み、えぐ味といった雑味を除去し、しかも野菜に本来備わっている味と匂いを備えて、風味および旨味に優れた野菜発酵エキスを製造することである。
本願の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意工夫を重ねた結果、発酵の工程を改良することにより、好ましい味と匂いを有した野菜発酵エキスの製造方法を見出したのであり、換言すれば、上記の課題を解決するために、野菜類を主原料とし、発酵させて得られる野菜発酵エキスの製造方法において、第1発酵工程として、酵母を加えて酒精発酵させた後、第2発酵工程として穀物麹を加えて澱粉および蛋白質を酵素分解したのである。
この発明の野菜発酵エキスの製造方法は、主原料である野菜類に対し、第1発酵工程として、酵母を加えて酒精発酵させることにより、酵母による発酵系代謝の過程で野菜類に含まれる糖(グルコース)を分解し、さらに脂肪酸やアミノ酸等の旨味成分の生成と共に、香気成分を副生させる。
次に、第2発酵工程では、穀物麹の「コウジカビ」から生じたアミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素により分解反応が起こり、澱粉はブドウ糖や麦芽糖などに糖化され、蛋白質はアミノ酸や低分子のペプチドに加水分解され、脂肪酸や高級アルコール等も低分子化反応が起こり、前記酵母による代謝産物が有効に利用されながら、まろやかな甘味が備わると共に雑味が除去される。
上記のようにして第1発酵工程および第2発酵工程を、順に経て得られる野菜発酵エキスは、後述する試験結果からも明らかなように、腐敗を感じさせる匂い物質は少なく、また野菜原料の青臭みやえぐ味といった雑味も除かれ、かつ旨味成分は富化されている。
第1発酵工程の発酵温度は、酵母における発酵系代謝反応が活発に行われるように、20〜50℃の温度範囲で発酵させることが好ましい。20℃未満の低温では、発酵系代謝反応が不活発になって効率が悪くなり、また50℃を超える高温では、酒精発酵が活発に行われ難くなり、発酵物のアルコール濃度は低下するからである。
また上記第1発酵工程が、より活発に行われるように、発酵促進剤として酒粕を添加して行なう第1発酵工程であることが好ましい。
ここで、酒粕の成分は、日本食品成分表によれば、水分51%、炭水化物23%、蛋白質13%、脂質・灰分であり、その他にもペプチド、アミノ酸、ビタミンなどが含まれており、酵母に依る発酵に必要な様々な成分が含まれていることから、酒粕の添加により発酵速度を高めることが可能である。
次に、上記第2発酵工程の発酵温度は、40〜60℃であることが、アミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素による糖化反応や加水分解反応を活発に行わせるために好ましい。40℃未満の低温では、これらの反応は不活発になりやすく、また60℃を超える高温でも不活発になるので好ましくない。
このように発酵工程をできるだけ活発な状態で維持することにより、上記第1発酵工程の所要時間を2〜20時間で行なうことができ、また上記第2発酵工程の所要時間は、2〜5時間という短時間で行なえるので、全工程で効率よく野菜発酵エキスを製造することができる。
この発明は、上記のようにして野菜類に対する発酵工程を2段階に行ない、先ず第1発酵工程として酵母を加えて酒精発酵させた後、第2発酵工程として穀物麹を加えて澱粉および蛋白質を酵素分解して野菜発酵エキスを製造できるので、穀物麹由来の糖質やタンパク質を酵母発酵によって損失させることなく、最終エキスに付与させることができ、更には酵母発酵によって発生した腐敗を感じさせる匂い物質を抑制し、野菜原料の青臭み、えぐ味といった雑味を除去すると共に野菜に本来備わっている味と匂いを備え、かつ風味および旨味に優れた野菜発酵エキスを製造できる利点がある。
実施例1および比較例1の製造工程を示すフローチャート 実施例2および比較例2の総遊離アミノ酸量を示す図表 実施例2および比較例2のアミノ酸分析結果を示す図表 実施例3および比較例3のにおい識別センサーによる分析結果を示す図表
この発明に用いる野菜類は、一般的に食用として使用されている周知の野菜類であって、特に種類を限定したものではない。また、野菜類の可食部である葉、茎、根、実の箇所に加えて、栄養素が多く含まれている皮なども用いることができる。
野菜類の具体例としては、例えばタマネギ、人参、トマト、かぼちゃ、さつまいもなどが挙げられる。その他にも、ダイコン、キャベツ、セロリ、キュウリ、ホウレンソウ、ピーマン、ニンニク、ショウガなどの食用の草本植物、またはサンショウの葉や実など、一部の食用木本性の植物も含まれ、またイチゴ、スイカ、メロン、バナナ、リンゴのような果実的野菜であっても良く、またゼンマイやツクシのような山菜であっても良い。
なお、野菜と果実の定義は、地域によっても異なる概念であって明確に区別することはできないため、需要者の嗜好に合うように、野菜類と共に果実等を発酵原料に用いることもできる。
また、この発明の第1発酵工程に用いる酵母は、発酵によりアルコールを産生し、食品の加工に一般的に用いられている周知の酵母を用いることができる。例えば出芽酵母であるサッカロマイセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)またはその亜種であるパン酵母、清酒酵母、ビール酵母、ワイン酵母などをイーストメーカー等から入手可能である。また、同様なアルコール産生酵母であって分裂酵母であるシゾサッカロマイセス(chizosaccharomyces)属の酵母も使用可能であり、好適な酵母の例として「白神こだま酵母」(特許第3995183号)を挙げることができる。
この発明の第2発酵工程に用いる穀物麹は、コウジカビ等の食品発酵に有効なカビを穀物に繁殖させたものであり、コウジカビは、古くから酒、味噌、醤油、鰹節などの発酵を利用した食品(発酵食品)の製造に利用されており、自然界の常在真菌である。
例えば、甘酒、味噌、醤油の醸造に用いられるコウジカビとして、アスペルギルス オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス アワモリ(Aspergillus awamori)などが挙げられる。
また、麹菌の色素による分類としては、黄麹菌、白麹菌、黒麹菌のどれを用いてもよく、種麹メーカーの穀物麹を用いても良いが、その際には、殺菌処理されていない麹の生成する酵素が失活していないものを使用する。
穀物麹における穀物の種類は、特に限定されることなく、一般的に食用やその原料に用いられる穀物類を用いることができ、例えば脱穀された米類や小麦などの麦類、または大豆等の豆類などが挙げられる。
この発明の実施形態の野菜発酵エキスの製造方法を、製造工程順に、以下詳細に説明する。
先ず、洗浄および皮むき等の前処理された原料の野菜類(以下、単に野菜と称する。)を粉砕する。
粉砕後の大きさは、特に限定されるものではないが、0.1〜0.5mm程度の大きさに粉砕して好ましい発酵状態が得られる。この粉砕工程により、野菜の組織から有効成分、酵素、糖質などが溶出し、効率よく以下の工程(酵母菌や麹菌の発酵工程)を行うことができる。
上記粉砕された野菜を加熱処理して、野菜の中に含まれる酵素を失活させ、もしくは雑菌を滅菌する。加熱温度は、90〜100℃である。加熱時間は、3〜60分であるが、野菜に含まれる有効成分を損なわないためには、できるだけ短時間で加熱処理を行うことが好ましい。なお、野菜を加熱処理する際には水を加えても良い。
そして、加熱処理した野菜を20〜50℃に冷却する。冷却した野菜加熱エキスに、酵母を加え発酵を行う。酵母の使用方法に関しては、周知の定法に従う。発酵の温度帯は、20〜50℃の範囲が好ましく、より好ましくは30〜40℃である。
なお、加熱処理した野菜を発酵させる際には、発酵を促進させるようなもの、例えば酒粕などを一緒に発酵させることが好ましい。酒粕の種類は、特に限定されず、一般的に市販されているもので良い。
加熱処理した野菜を発酵させる際には、殺菌や味の調整のために食塩などを一緒に発酵させても良い。
発酵は、静置し、または通気撹拌しながら行なうことができ、電気ヒータや蒸気加熱などの温度管理できるタンクを使用することが好ましい。上記温度帯で加熱して2〜20時間発酵させることで好ましい発酵状態が得られる。
次いで、上記の方法で得られた野菜発酵物に穀物麹を加え、加熱を行う。麹菌の使用方法に関しては、周知の定法に従う。加熱の温度帯は、40〜60℃の範囲が好ましい。
穀物麹添加後の加熱は、均一に撹拌できるようなタンクを用いておこなう。例えば回転式の撹拌翼(プロペラ)を有するタンクを用いて撹拌しながら行うのが好ましい。また、タンクには電気ヒータや蒸気などで温度管理できる設備が備わっていることが好ましい。穀物麹添加後は、上記温度帯に保ちながら2〜5時間加熱することで好ましい結果を得られる。
また、必要に応じてこれらの野菜発酵エキスを殺菌処理して保存する。殺菌処理によって酵素を失活させておけば、その後のエキスの品質は安定する。
上記のようにして、好ましい味と匂いを有した野菜発酵エキスを効率良く製造でき、得られた野菜発酵エキスは、周知の調味料で味付けすることにより、焼き肉のたれ、ドレッシング、スープ、飲料などに利用できる。
[実施例1-A]
図1のフローチャート(左側)に示す製造工程に従い、皮を剥かれた生タマネギを細かく粉砕し、得られた粉砕タマネギ90gに対し、約2倍量の180gの水を入れタマネギエキスとした。
次いで、発酵促進剤として酒粕0.5質量%(全量%)を前記のタマネギエキスに投入し、90〜100℃で3分間加熱殺菌を行った。その後、30℃まで自然冷却した。
得られたタマネギ加熱エキスの初期Brix値をデジタル糖度計(アタゴ社製:PR-201)で測定し、表1(A)に記載した。
次に、酵母菌(白神こだま酵母)を既知の濃度で投入し、第1発酵工程として30℃で7時間発酵させた。得られた発酵液を、55℃まで加熱した後、黄米麹を所定の量投入し、55℃で2時間撹拌して、第2発酵工程を行なった。
次いで、酵母菌および、麹菌の失活およびアルコールを蒸発させるため、90〜100℃で3分間充分に撹拌を行いながら加熱を行ない、タマネギ発酵エキスを得た。
得られたタマネギ発酵エキスの初期(発酵前)および最終(発酵後)Brix値は、デジタル糖度計(アタゴ社製:PR-201)で測定し、表1(A)中に示した。
[実施例1-B]
図1のフローチャート(左側)に示す製造工程に従い、また実施例1-Aにおいて、主原料の生タマネギの粉砕物90gに加え、リンゴピューレ(森食品工業社製)、カボチャおよびニンジンを5gずつ混合した粉砕物を合計105g混合すると共に、約2倍量の210gの水を入れて原材料を混合野菜類とし、野菜発酵エキスを得た。
次いで、発酵促進剤として酒粕を0.5質量%(全量%)投入し、90〜100℃で3分間加熱殺菌を行ない、その後、30℃まで自然冷却した。
得られた野菜発酵エキスの初期(発酵前)および最終(発酵後)Brix値は、デジタル糖度計(アタゴ社製:PR-201)で測定し、表1(B)中に示した。
次に、酵母菌(白神こだま酵母)を投入し、第1発酵工程として30℃で16時間発酵させ、得られた発酵液を、55℃まで加熱した。
その後、黄米麹を所定の量投入し、55℃で2時間撹拌して、第2発酵工程を行ない、次いで、90〜100℃で3分間充分に撹拌を行いながら加熱を行なうことにより、酵母菌および、麹菌の失活およびアルコールを蒸発させて野菜発酵エキスを得た。
[比較例1-A]
図1のフローチャート(右側)に示す製造工程に従い、実施例1-Aにおいて酵母菌による発酵と麹菌による加熱の順番を逆にしたこと以外は、全く同様にして、加熱殺菌後、充分に自然冷却した後、黄米麹を所定の量投入し、55℃で2時間撹拌させた。
その後、30℃まで自然冷却し、酵母菌を既知の濃度投入し、30℃で7時間撹拌した。90〜100℃で3分間加熱し、タマネギ発酵エキスを得た。
上記製造工程中の初期(発酵前)および最終(発酵後)Brix値は、デジタル糖度計(アタゴ社製:PR-201)で測定し、表1-A中に示した。
[比較例1-B]
図1のフローチャート(右側)に示す製造工程に従い、実施例1-Bにおいて酵母菌による発酵と麹菌による加熱の順番を逆にしたこと以外は、全く同様にして、加熱殺菌後、充分に自然冷却した後、黄米麹を所定の量投入し、55℃で2時間撹拌させた。
その後、30℃まで自然冷却し、酵母菌を既知の濃度投入し、30℃で16時間撹拌した。90〜100℃で3分間加熱し、野菜発酵エキスを得た。
上記製造工程中の初期(発酵前)および最終(発酵後)Brix値は、デジタル糖度計(アタゴ社製:PR-201)で測定し、表1-B中に示した。
<官能評価試験>
実施例1-A,1-B、比較例1-A,1-Bの評価は、成人男性6名と成人女性4名の計10名のパネラーによって行ない、実施例1-A,1-Bおよび比較例1-A,1-Bにおいて甘味を感じるものをどちらか選ばせる評価試験を行ない、その結果を表2に示した。
表1および表2の結果からも明らかなように、比較例1-A、1-Bに比べて実施例1-A,1-Bは、発酵後のBrix値が高いという結果が得られた。甘味に関する官能評価においても比較例1-A,1-Bに比べて実施例1-A,1-Bを甘いと感じた人が多かった。
以上の結果から、この発明の製造方法は従来方法より甘味の強いエキスを製造できることがわかる。
[実施例2]
皮を剥かれた生タマネギを細かく粉砕し、得られた粉砕タマネギ200gに対し、約2倍量の400gの水と食塩を1.0質量%(全量%)を入れタマネギエキスとした。次いで、発酵の促進剤として酒粕1.0質量%(全量%)をタマネギエキスに投入し、90〜100℃で3分間加熱殺菌を行った。その後、30℃まで自然冷却した。次に、酵母菌(白神こだま酵母)を既知の濃度投入し、30℃で20時間発酵させた。その後、得られた発酵液を、55℃まで加熱した後、黄米麹を所定の量投入し、55℃で3時間撹拌させた。酵母菌および、麹菌の失活およびアルコールを蒸発させるため、90〜100℃で30分間充分に撹拌を行いながら加熱を行い、タマネギ発酵エキスを得た。
[比較例2]
実施例1-Aにおいて、酵母菌による発酵と麹菌による加熱の順番を逆にしたこと以外は、全く同様にして、加熱殺菌し充分に自然冷却した後、黄米麹を所定の量投入し55℃で3時間撹拌した。その後、30℃まで自然冷却し酵母菌を既知の濃度投入し、0℃で20時間撹拌した。90〜100℃で30分間加熱し、タマネギ発酵エキスを得た。
実施例2、比較例2のタマネギ発酵エキスの総遊離アミノ酸量の測定値を、以下の表3および図2に示し、アミノ酸スコアを図3に示した。また、発酵後の最終Brix値をデジタル糖度計(アタゴ社製:PR- 201)で測定し、表3中に併記した。
表3および図2、3の結果からも明らかなように、比較例2に比べて実施例2において高い総遊離アミノ酸量の値が得られた。特に、旨味を有するアスパラギン酸およびグルタミン酸の値は、比較例2に比べて実施例2の方が高いアミノ酸値を得ることができた。以上の結果より、この発明の製造方法によると従来の方法より高いアミノ酸値のエキスを製造できることがわかる。
[実施例3]
タマネギを細かく粉砕し、得られた粉砕タマネギ100gに対し、約2倍量の200gの水を入れタマネギエキスとした。次いで、発酵の促進剤として酒粕1.0質量%(全量%)をタマネギエキスに投入し、90〜100℃で3分間加熱殺菌を行った。その後、30℃まで自然冷却した。次に、酵母菌(白神こだま酵母)を既知の濃度投入し、30℃で8時間発酵させた。その後、得られた発酵液を、55℃まで加熱した後、黄米麹を所定の量投入し、55℃で2時間撹拌させた。酵母菌および、麹菌の失活およびアルコールを蒸発させるため、90〜100℃で3分間充分に撹拌を行いながら加熱を行い、タマネギ発酵エキスを得た。得られたタマネギ発酵エキスを、におい識別センサーシステムFOX(アルファ・モス・ジャパン社製)を用いて測定した。測定結果は図4および表4に示した。
[比較例3]
実施例3において、酵母菌による発酵と麹菌による加熱の順番を逆にしたこと以外は、全く同様にして加熱殺菌後充分に自然冷却した後、黄米麹を所定の量投入し、55℃で2時間撹拌させた。その後、30℃まで自然冷却し、酵母菌を既知の濃度投入し30℃で8時間撹拌した。90〜100℃で3分間加熱し、タマネギ発酵エキスを得た。得られたタマネギ発酵エキスを、におい識別センサーシステムFOX(アルファ・モス・ジャパン社製)を用いて測定した。測定結果は、図4および表4に示した。
図4および表4の結果からも明らかなように、比較例3に比べて実施例3のアンモニアおよびアミン類を示すLY2/G値や硫黄類を示すLY2/gCTL値が低い値を示した。これらのアンモニア・アミン類や硫黄類は、一般的に腐敗臭といわれている臭気物質である。以上の結果より、この発明の製造方法によると従来の方法より、腐敗を示す臭気物質の発生量を抑制できたことがわかる。
[実施例4〜7]
タマネギを細かく粉砕し、タマネギ800gに対し、約2倍量の1600gの水と1.0質量%(全量%)の食塩を投入した。発酵を促進させるものとして酒粕を0.5質量%(全量%)入れた。その後、酒粕に含まれるアルコール分を飛ばすため、90~100℃で60分間加熱し、タマネギ加熱エキスを得た。次いで、30℃まで自然冷却した後、酵母菌を既存の濃度添加し20℃、30℃、40℃、50℃(実施例4〜7)で2時間発酵させた。
発酵後、酵母菌を失活させるために、85℃で15分間加熱した後、充分に冷却し、15,000rpmで15分間遠心分離をおこなった。遠心分離後の上澄み液を3か所より抜き取り、エタノールの定量をおこなった。定量は、食品分析試薬 F-kit エタノール(Roche/R-Biopharm社製)を使用した。3か所のエタノール濃度およびその平均値を表5に示した。
[比較例4〜5]
実施例4〜7において、発酵する温度以外は全く同様にして発酵温度60℃、70℃におけるエタノール濃度について測定した。3か所のエタノール濃度およびその平均値は表5中に併記した。
[比較例6](コントロール)
90〜100℃で60分間加熱したタマネギ加熱エキスを、実施例4〜7に記載した方法と同様にしてエタノール濃度を測定した。3か所のエタノール濃度およびその平均値を表5中に示した。
表5の結果からも明らかなように、発酵させていないコントロール(比較例6)には、90〜100℃、60分の加熱で酒粕に由来するアルコール分が、殆ど含まれないことが分かる。
また、タマネギエキスを20〜50℃の範囲で発酵させた実施例4〜7のタマネギ発酵エキスは、発酵をさせていない比較例6のタマネギ加熱エキスと比べて、明らかなアルコールの生成が得られた。
一方、60〜70℃の範囲で発酵した比較例4〜5のタマネギエキスは、発酵をさせていない比較例6のタマネギ加熱エキスと同等のアルコール量しか検出されなかった。
また、野菜の代表例であるタマネギを用いた加熱エキスを発酵させることにより、20〜50℃の範囲内であれば2時間という短い時間で充分に発酵の効果が得られていると認められた。

Claims (5)

  1. タマネギ、人参及びトマトから選ばれる1種以上の野菜類を主原料とし、発酵させて得られる野菜発酵エキスの製造方法において、
    第1発酵工程として、酵母を加えて酒精発酵させた後、第2発酵工程として穀物麹を加えて澱粉および蛋白質を酵素分解することを特徴とする野菜発酵エキスの製造方法。
  2. 前記第1発酵工程の発酵温度が、20〜50℃である請求項1に記載の野菜発酵エキスの製造方法。
  3. 上記第1発酵工程が、発酵促進剤として酒粕を添加して行なう発酵である請求項1または2に記載の野菜発酵エキスの製造方法。
  4. 上記第2発酵工程の発酵温度が、40〜60℃である請求項1〜3のいずれかに記載の
    野菜発酵エキスの製造方法。
  5. 上記第1発酵工程の所要時間が、2〜20時間であり、かつ上記第2発酵工程の所要時間が2〜5時間である請求項1〜4のいずれかに記載の野菜発酵エキスの製造方法。
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