JP6694122B1 - ガソリンエンジンの排気ガス浄化用触媒、その製造方法およびそれを用いた排気ガス浄化方法 - Google Patents

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本発明は、ガソリンエンジンから排出される排気ガス中に含まれるHC、CO及びNOxをバランスよく浄化できる触媒、その製造方法およびそれを用いた排気ガス浄化方法を提供することを目的とする。本発明のガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒は、貴金属、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物が三次元構造体に担持されてなり、水銀圧入法によって測定した細孔径分布において0.001μm以上0.05μm以下の細孔径でピーク1を有する細孔および2.5μm以上5.0μm以下の細孔径でピーク2を有する細孔ならびに前記細孔径とは異なる細孔径でピーク3を有する細孔を有し、前記ピーク3を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の1.4%を超える。

Description

本発明は、ガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化するための触媒、当該触媒の製造方法、および当該触媒を用いてガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化する方法に関するものである。
内燃機関から生じる排気ガスの処理技術については、従来から多くの技術が提案されている。特に、ガソリンエンジンからの排気ガスの処理に関しては、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)の除去を目的として、様々な技術が提案されている。例えば、排気ガスを浄化するための触媒として、三次元構造体に、貴金属、マグネシウム酸化物および耐火性無機酸化物を触媒成分として含み、水銀圧入法で得られる細孔分布においてマグネシウム酸化物に起因するピークを2つ有する触媒層が形成されてなる排気ガス浄化用触媒が提案されている(国際公開第2010/044453号(US 2011/0200506 A1に対応))。
しかしながら、国際公開第2010/044453号に記載される従来の触媒では、0.1μm未満の小さな細孔の存在については示されておらず細孔の連結という観点からは、充分ではない。また、三次元構造体の角部を触媒反応に有効に活用するという観点からも、国際公開第2010/044453号に記載される触媒では充分ではない。
本発明は、上記事情を考えてなされたものであり、ガソリンエンジンから排出される排気ガス中に含まれるHC、CO及びNOxを従来技術よりも効率よく浄化できる触媒、その製造方法およびそれを用いた排気ガス浄化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、水銀圧入法によって測定した細孔径分布において0.001〜0.05μmおよび2.5〜5.0μmに加えてもう一つ異なる細孔径でピークを示す細孔を特定の細孔容積比で有する触媒が上記課題を解決し得ることを見出し、本発明の完成に至った。
詳細には、本発明の第1の側面は、ガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化するためのガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒であって、貴金属、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物が三次元構造体に担持されてなり、水銀圧入法によって測定した細孔径分布において0.001μm以上0.05μm以下の細孔径でピーク1を有する細孔および2.5μm以上5.0μm以下の細孔径でピーク2を有する細孔ならびに前記細孔径とは異なる細孔径でピーク3を有する細孔を有し、前記ピーク3を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の1.4%を超える、ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒に関する。
本発明の第2の側面は、燃焼分解温度が150〜400℃である空孔連結物質、貴金属前駆体、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物を混合してスラリーを調製し、前記スラリーを三次元構造体に塗布した後、前記燃焼分解温度に対して−150℃を超えて+50℃以下の温度で空気中で保持することを有し、前記スラリー中の前記空孔連結物質の含有量が、固形分換算で20質量%未満である、ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
本発明の第3の側面は、本発明の排気ガス浄化用触媒を用いてガソリンエンジンから排出される排気ガスを処理することを有する、ガソリンエンジン排気ガスの浄化方法に関する。
図1は、本発明の触媒による排気ガス浄化メカニズムを説明するための図面である。図1中、1は細孔径の小さな細孔(細孔1)を;2は細孔径の中間な細孔(細孔2)を;3は細孔径の大きな細孔(細孔3)を;10は触媒を;12は排気ガスを;14は触媒層を;および15は三次元構造体を、それぞれ、示す。 図2は、三次元構造体の角部を説明する図である。 図3は、触媒A〜D(実施例1〜4)および触媒F〜G(比較例1〜2)の細孔径分布である。 図4は、触媒Bのセル内表面に形成された触媒層(断面)の状態を示すSEM写真である。 図5は、触媒Cのセル内表面に形成された触媒層(断面)の状態を示すSEM写真である。 図6は、触媒Dのセル内表面に形成された触媒層(断面)の状態を示すSEM写真である。 図7は、触媒Fのセル内表面に形成された触媒層(断面)の状態を示すSEM写真である。
本発明の第1の側面は、ガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化するためのガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒であって、貴金属、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物が三次元構造体に担持されてなり、水銀圧入法によって測定した細孔径分布において0.001μm以上0.05μm以下の細孔径でピーク1を有する細孔および2.5μm以上5.0μm以下の細孔径でピーク2を有する細孔ならびに前記細孔径とは異なる細孔径でピーク3を有する細孔を有し、前記ピーク3を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の1.4%を超える、ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒に関する。本発明の触媒を用いることにより、ガソリンエンジンから排出される排気ガス中に含まれるHC、CO及びNOxを効率よく浄化できる。本明細書において、「ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒」を単に「排気ガス浄化用触媒」または「触媒」とも称する。また、特記しない限り、「排気ガス」は、ガソリンエンジンから排出される排気ガスを意味する。
本発明の第2の側面は、燃焼分解温度が150〜400℃である空孔連結物質、貴金属前駆体、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物を混合してスラリーを調製し、前記スラリーを三次元構造体に塗布した後、前記燃焼分解温度に対して−150℃を超えて+50℃以下の温度で空気中で保持することを有し、前記スラリー中の前記空孔連結物質の含有量が、固形分換算で20質量%未満である、ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒の製造方法に関する。
本発明の第3の側面は、本発明の排気ガス浄化用触媒を用いてガソリンエンジンから排出される排気ガスを処理する(排気ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する)ことを有する、ガソリンエンジン排気ガスの浄化方法に関する。
本明細書において、上記の本発明のある側面についての記載は、他の側面に相互に適宜改変されて適用され得る。
本発明の触媒は、細孔径分布において3つの異なる細孔径でピークが存在し、うち2つのピークが特定の細孔径範囲で存在しかつ残りの1つのピークが上記2つのピークとは異なる細孔径範囲で特定の細孔容積比で存在することを特徴とする。このような細孔径分布を有することにより、ガソリンエンジンから排出される排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)を効率よく(バランスよく)浄化できる。
なお、本明細書では、0.001μm以上0.05μm以下の細孔径でのピークを、「ピーク1」と、2.5μm以上5.0μm以下の細孔径でのピークを、「ピーク2」と、ピーク1,2とは異なる細孔径でのピークを、「ピーク3」と、それぞれ、称する。同様にして、0.001μm以上0.05μm以下の細孔径でピーク1を有する細孔を、「細孔1」と、2.5μm以上5.0μm以下の細孔径でのピーク2を有する細孔を、「細孔2」と、ピーク1,2とは異なる細孔径でのピーク3を有する細孔を、「空孔連結細孔3」または「細孔3」と、それぞれ、称する。また、本明細書において、特定の細孔径範囲で複数のピークが認められる場合には、log微分細孔容積が最も大きいピークを選択する。すなわち、例えば、細孔径分布において0.001μm以上0.05μm以下の細孔径において複数のピークが観察される場合には、細孔径分布の0.001μm以上0.05μm以下の細孔径の範囲において、log微分細孔容積が最も大きいピークを「ピーク1」とみなす。
本発明の触媒は、3つの異なる細孔径でピークを示す細孔(すなわち、大きさの異なる細孔)を有する。このうち、細孔径の小さな細孔(図1中の細孔1)は排気ガスを触媒層内に滞留させる。細孔径の大きな細孔(図1中の細孔3)は排気ガスを触媒層内でスムーズに拡散・通過させる。また、上記細孔1または細孔3とは異なる大きさの細孔(図1中の細孔2)は、これらの中間の機能を有する(すなわち、排気ガスを触媒層内に適度に滞留させると共に、排気ガスを適度に触媒層内でスムーズに拡散・通過させる)。本発明の触媒は、これらの3種の細孔を互いに連通するように配置する構造をとる。このような構造によって、排気ガス12が触媒層14の細孔1、2、3中にまで侵入し、各細孔の連通部分を介してほとんどの細孔内に拡散する。また、細孔径の異なる細孔1、2、3で排気ガスの流れ易さが異なるため、排気ガスは適切なバランスで滞留・拡散する。
さらに、本発明では、三次元構造体として、角形(例えば、三角形、四角形または六角形)の貫通口を有するハニカム担体が好ましく使用される。このような構造のハニカム担体では、図6に示されるように、平坦部に比して、角部に触媒層が厚く(アール状に)形成される場合がある。このような角部では、排気ガスが特に触媒層内部に侵入しにくい。このため、このような角部に大きな細孔が存在すると、排気ガスが触媒層内部にまで侵入・拡散できるため、好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態によると、三次元構造体が三角形、四角形または六角形の貫通口を有するハニカム担体であり、前記貫通口の角部に、70μm以上の細孔径を有する細孔を有するように、前記貴金属、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物が担持される。ここで、角部に存在する細孔は、排気ガスの角部内部への侵入・拡散のしやすさ、触媒層の強度などを考慮すると、70〜120μmの細孔が角部に存在することが好ましく、72μmを超えて103μm未満の細孔が角部に存在することがより好ましく、75〜100μmの細孔が角部に存在することが特に好ましい。特に75〜100μmの細孔が角部に存在すると、担体の角部の触媒層に適切な細孔が形成され、このように厚みのある触媒層であっても、排気ガスが触媒層内部にまで侵入・拡散できため、貴金属と排気ガスとの接触状態がさらに向上し、排気ガス浄化性能がより十分に発揮できる。
なお、本明細書において、「角部」とは、波板と平板を有する金属製三次元構造体の場合は、波板と平板との交点Xと触媒層表面の円弧面と、の間に形成される領域(図2A中の斜線部分)を指す。また、直線を有する三次元構造体の場合は、「角部」は、図2Bに示されるように、三次元構造体を構成する2辺の交点Yと、触媒層表面の円弧面と、の間に形成される領域(図2B中の斜線部分)を指す。より具体的には、図2Bに示すように、「角部」とは、前記領域において前記交点を中心として、該交点から触媒層表面への距離のうち最短の距離を示す点までを半径とする円のうち、触媒層部分(図2B中の斜線部分)を指す。また、角部における細孔の存在や細孔径は、触媒層の断面をSEM観察することにより、確認または測定できる。
ゆえに、このような触媒であれば、触媒層14内部の三次元構造体に近い触媒成分(貴金属)とも効率よくかつ適切な期間接触できる。また、排気ガスと接触することが難しい角部の三次元構造体に近い触媒成分の量が少なくなるため、角部と角部の間に存在する触媒層の厚みが薄い辺部において排気ガスと触媒成分(貴金属)との接触効率を高めることができる。このような効果により、排気ガスを効果的に浄化できる。したがって、本発明の触媒を用いることにより、ガソリンエンジンから排出される排気ガス(HC、CO、NOx)を効果的に浄化できる。
上記効果は、排気ガスの温度によらず、同様に発揮できる。このため、本発明の触媒を用いる場合には、0〜600℃の低温の排気ガス(特に、HC、CO、NOx、水蒸気等を含む)に対しても、または内燃機関からの650〜1100℃の高温の排気ガス(特に、HC、CO、NOx、水蒸気等を含む)に長時間曝された後の0〜600℃の低温の排気ガスに対しても、優れた排気ガス処理効果を発揮できる。なお、本発明は、上記推測によって限定されない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)の条件で行う。
<ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒>
本発明の排気ガス浄化用触媒は、ガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化することを目的として使用される触媒である。ガソリンエンジンから排出される排気ガスは、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスとは、粒子状物質(PM)の実質的な不在、排気ガス(例えば、CO、NOx、HC)の組成や、ディーゼルエンジンから排出されるHCよりも短鎖であるなどの多くの面で大きく異なる。このため、ディーゼルエンジンから排出される排気ガスを浄化する能力に優れる触媒であっても、必ずしもガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化する能力に優れるとは限らない。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、水銀圧入法によって測定した細孔径分布において少なくとも3つの異なる細孔径でピークを有し、前記ピークのうち1つは0.001μm以上0.05μm以下の細孔径におけるピーク1である。このような小さな細孔径でピーク(ピーク1)が認められる細孔(細孔1)が存在することによって、排気ガスが適度に触媒層内に滞留できる。排気ガスの細孔への侵入・拡散と細孔内の滞留とのバランス、細孔の連通しやすさなどを考慮すると、ピーク1(小さな細孔のピーク)が認められる細孔1の細孔径は、0.005μmを超えて0.030μm未満であることが好ましく、0.007μmを超えて0.020μm未満であることがより好ましく、0.010μmを超えて0.015μm未満であることが特に好ましい。排気ガスの拡散のしやすさ、細孔の連通しやすさなどを考慮すると、ピーク1を有する細孔1の細孔容積は、全細孔容積の、3.0%以上5.5%未満であることが好ましく、3.5%以上5.2%以下であることがより好ましく、3.9%を超えて5.0%以下であることがさらに好ましく、4.3%を超えて5.0%以下であることが特に好ましい。
また、前記ピークのうち1つは2.5μm以上5.0μm以下の細孔径におけるピーク2である。このように前記小さな細孔より大きな細孔(細孔2)が存在することによって、排気ガスがスムーズに触媒層内に通過できる。排気ガスの細孔への侵入・拡散と細孔内の滞留とのバランス、細孔の連通しやすさなどを考慮すると、ピーク2が認められる細孔径は、2.7μmを超えて4.0μm以下が好ましく、3.0μmを超えて3.4μm未満がより好ましく、3.0μmを超えて3.3μm以下が特に好ましい。また、排気ガスの拡散のしやすさ、細孔の連通しやすさなどを考慮すると、ピーク2を有する細孔2の細孔容積は、全細孔容積の、5.0%以上10.0%未満であることが好ましく、5.5%以上8.5%未満であることがより好ましく、6.0%以上8.0%以下であることがさらに好ましく、6.2%以上8.0%未満であることが特に好ましい。
本発明の触媒は、上記ピーク1、2を示す細孔径とは異なる細孔径でピーク3を有する細孔(細孔3)を有し、ピーク3を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の1.4%を超える。ここで、ピーク3の細孔容積が全細孔容積の1.4%以下であると、排気ガスの滞留または拡散を制御する細孔が十分存在しない。このため、触媒層内部の触媒成分(貴金属)と排気ガスとの接触が悪く、触媒性能が低下する(下記触媒G参照)。触媒層内部の触媒成分(貴金属)と排気ガスとの接触(排気ガスの細孔へのより侵入・拡散しやすさ、細孔内でのより適度な滞留、細孔のより連通しやすさ)などを考慮すると、ピーク3を有する細孔の細孔容積は、全細孔容積の、1.4%を超えて5.0%以下であることが好ましく、1.5%以上4.0%以下であることがより好ましく、1.5%を超えて3.8%未満であることがさらにより好ましく、1.6%以上3.3%未満であることが特に好ましい。ここで、ピーク3が認められる細孔径は特に制限されない。細孔内の排気ガスの通過しやすさ、細孔の連通しやすさなどを考慮すると、ピーク3を有する細孔は、好ましくは0.5μmを超えて1.0μm未満または90μm以上110μm以下、より好ましくは90μm以上110μm以下、特に好ましくは95μm以上100μm以下の細孔径でピークを示す。特に90μm以上110μm以下の細孔径でピークを示す大きな細孔が存在することによって、排気ガスが三次元構造体側の触媒層内部にまでスムーズに拡散するため、排気ガスは触媒成分(貴金属)と効率よく接触し、触媒性能が向上できる。なお、このような大きな細孔が存在しても、より小さな細孔1,2の存在により、細孔同士が相互に連通し、また、排気ガスは触媒層の細孔中に適度に滞留・拡散する。
本明細書において、「ピーク」は、差分細孔容量(dV)を細孔径(D)の対数扱いの差分値(d(logD))で割った値(dV/d(logD))をDに対してプロットして得られる細孔径分布(微分細孔径分布)曲線中のピークであり、かつ、このピークでのlog微分細孔容積が全細孔容積の1.0%を超えるものである。このため、log微分細孔容積が全細孔容積の1.0%以下であるものは「ピーク」には含まれないものとする。
「ピークの細孔容積」は、上記したようにして求められたピークのlog微分細孔容積(cc/g、mL/g)とする。
また、全細孔容積に対する各ピークの細孔容積の割合(%)は、上記にて求められた各ピークの細孔容積を全細孔容積(細孔径分布全体の積算細孔容積)で除したものに100をかける[=(ピークの細孔容積/全細孔容積)×100]ことによって算出される。
−細孔径分布測定−
細孔径分布、細孔径(細孔直径)および細孔容積は公知の方法によって測定できるが、水銀圧入法にて測定することが好ましい。本明細書では、細孔径、細孔容積および細孔径分布は、「触媒便覧」、触媒学会編、講談社、2008年、144頁を参照して測定する。なお、測定は、触媒の細孔とコージェライト担体等の三次元構造体の細孔とを区別するために、三次元構造体に触媒成分をコートした後に(即ち、貴金属、アルミナやセリア・ジルコニア複合酸化物などが三次元構造体に担持された最終製品としての触媒の状態で)行う。より具体的には、細孔径分布、細孔容積および全細孔容積は、下記の方法によって測定される。
200℃で1時間減圧処理した後、1〜60,000psia(測定細孔径0.001〜1000μmに相当)の測定圧力で水銀圧入曲線を測定することにより、各触媒の細孔径分布(微分細孔径分布)を求める。ここで、水銀圧入法は、毛細管現象の法則に基づき、例えば、水銀および円筒細孔の場合には、この法則は式:D=−(1/P)4γcosθで表される(Dは細孔径(μm)を表わし;Pは測定圧力(psia)を表わし;γは表面張力(dyne/cm)を表わし;θは接触角(°)を表わす)。すなわち、水銀圧入法は、測定圧力Pの関数としての細孔への進入水銀体積を測定するものである。細孔径分布は、P(測定圧力)を関数として算出されたD(細孔径)の分布である。全細孔容積は、測定時の最大圧力までに水銀が圧入された細孔容積の積算値(cc(mL))を触媒質量(g)で割った値である。また、平均細孔径(直径)は、Pの関数として算出されたDの平均値である。なお、水銀の表面張力は484dyne/cm、接触角は130°とする。
得られた細孔径分布において、各ピーク1、2、3の細孔径、各ピーク1、2、3の細孔容積および全細孔容積を求める。また、全細孔容積および各ピークの細孔容積から、各ピークの全細孔容積に対する細孔容積の割合(%)を求める。
(貴金属)
本発明の触媒は、貴金属(触媒成分)を必須に含む。ここで、貴金属の種類は特に制限されないが、具体的には、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などが挙げられる。これらの貴金属は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用されてもよい。これらのうち、貴金属は、好ましくは白金、パラジウムおよびロジウムであり、より好ましくは白金および/またはパラジウムとロジウムとの組み合わせであり、特に好ましくはパラジウムおよびロジウムである。すなわち、本発明の好ましい形態によると、貴金属は、白金、パラジウムおよびロジウムからなる群より選択される少なくとも一種である。また、本発明のより好ましい形態によると、貴金属は、白金およびパラジウムの少なくとも一方ならびにロジウムである。本発明の特に好ましい形態によると、貴金属は、パラジウムおよびロジウムである。
ここで、白金(Pt)の使用量(担持量)は、特に制限されないが、排気ガス浄化能を考慮すると、三次元構造体1リットル当たり、貴金属換算で、0.01〜20gが好ましく、0.05〜10gがより好ましく、0.5gを超えて5g未満が最も好ましい。
パラジウム(Pd)の使用量(担持量)は、特に制限されないが、排気ガス(特にHC)浄化能を考慮すると、三次元構造体1リットル当たり、貴金属換算で、0.01〜20gが好ましく、0.05〜5gがより好ましく、0.3〜3gが最も好ましい。
ロジウム(Rh)の使用量(担持量)は、特に制限されないが、排気ガス(特にNOx)浄化能を考慮すると、三次元構造体1リットル当たり、貴金属換算で、0.01〜20gが好ましく、0.05〜5gがより好ましく、0.1〜3gが最も好ましい。
また、貴金属が白金およびパラジウムである際の、白金とパラジウムの混合比(白金:パラジウム(質量比))は、50:1〜1:1、40:1〜1:1、30:1〜1.1:1、20:1〜1.3:1、5:1〜1.5:1の順で好ましい。白金とパラジウムの混合比の範囲が上記好ましい範囲になるにつれて、排気ガス浄化効率が向上できる。
また、貴金属がパラジウムおよびロジウムである際の、パラジウムとロジウムとの混合比(白金:ロジウム(質量比))は、好ましくは30:1〜1.1:1、より好ましくは20:1〜1.3:1、特に好ましくは5:1〜1.5:1である。パラジウムとロジウムの混合比の範囲が上記好ましい範囲になるにつれて、排気ガス浄化効率が向上できる。
貴金属(パラジウム、ロジウム)の原料としては、硝酸塩、酢酸塩、アミン塩やアンモニウム塩などを用いることができ、硝酸塩(実施例:硝酸パラジウム、硝酸ロジウム)がより好ましい。
貴金属源の量は、特に制限されないが、上記したような各貴金属の含有量(担持量)となるような量であることが好ましい。なお、貴金属源を2種以上組み合わせて使用する場合には、貴金属源の合計量が上記貴金属の含有量(担持量)となるような量であることが好ましい。
(アルミナ)
本発明の触媒に用いられるアルミナは、アルミニウムの酸化物が含まれるものであれば特に制限されず、γ、δ、η、θ−アルミナなどの活性アルミナ、ランタナ含有アルミナ、シリカ含有アルミナ、シリカ−チタニア含有アルミナ、シリカ−チタニア−ジルコニア含有アルミナなどが挙げられる。これらのアルミナは、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。これらのうち、高温耐久性および高比表面積の観点から、γ、δ、またはθ−アルミナ、ランタナ含有アルミナが好ましい。また、ランタナ含有アルミナの場合には、ランタナ含有アルミナ中のランタナ含有率は0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。なお、本明細書において、X含有アルミナとは、アルミニウムを全体の半分を超える割合(金属換算でのモル比)で含み、X成分を残りの割合で含むことを意味する。例えば、ランタナ含有アルミナは、ランタナ含有アルミナを構成するランタン(La)及びアルミニウム(Al)の合計モルに対するアルミニウム(Al)のモルの割合[=Al/(La+Al)]が0.5を超える。
アルミナの性状は特に制限されないが、排気ガスの温度での劣化抑制、耐熱性などの観点から、700℃以上、好ましくは1000℃以上において比表面積の変化が少ないことが好ましい。上記観点から、アルミナの融点は、好ましくは1000℃以上であり、より好ましくは1000〜3000℃であり、さらに好ましくは1500〜3000℃である。
また、アルミナのBET比表面積もまた、特に制限されないが、触媒成分を担持させる観点から、好ましくは50〜750m/g、より好ましくは120〜750m/g、特に好ましくは150〜750m/gである。このような比表面積であれば、十分量の貴金属(触媒成分)をアルミナに担持させることができ、触媒成分と排気ガスとの接触面積を増加させたり、反応物を吸着させたりすることができる。その結果、触媒全体としての反応性をさらに高めることが可能となる。
アルミナの形状は、特に制限されず、例えば、粒状、微粒子状、粉末状、円筒状、円錐状、角柱状、立方体状、角錐状、不定形状など、いずれの形状であってもよいが、好ましくは、粒状、微粒子状、粉末状であり、より好ましくは粉末状である。アルミナが粒状、微粒子状、粉末状である場合の、アルミナの平均二次粒径は、好ましくは5〜20nmであり、より好ましくは5〜10nmである。このような範囲であれば、細孔1をより効率よく形成できる。なお、本明細書において、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物および耐火性無機酸化物の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定することができる。また、アルミナ(粉砕前)の平均二次粒径は、好ましくは20〜150μmであり、より好ましくは30〜90μmである。このような範囲であれば、細孔2をより効率よく形成できる。また、触媒成分をアルミナ表面に効率よく担持することができる。なお、本明細書において、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物および耐火性無機酸化物の平均二次粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置によって測定することができる。なお、本明細書において、「粒径」は、粒状、微粒子状、粉末状サンプルの輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味する。
アルミナの含有量(担持量)は、特に制限されないが、三次元構造体1L当たり、好ましくは10〜300gであり、より好ましくは50〜200gである。三次元構造体1L当たりのアルミナの含有量が10g以上であると、貴金属を十分にアルミナに分散でき、より十分な耐久性を有する触媒が得られる。一方、アルミナの含有量が300g以下であると、貴金属と排気ガスとの接触状態が良好となり、排気ガス浄化性能がより十分に発揮され得る。
(セリア・ジルコニア複合酸化物)
本発明の触媒に使用されるセリア・ジルコニア複合酸化物(CeO−ZrO)は、酸素吸蔵材として作用し、特に酸素吸蔵放出速度が速いとの特長を有する。ここで、酸素貯蔵材(「酸素吸蔵放出物質」とも称される)は、運転状況に応じて変化する空燃比(A/F)の変動に応じて、酸化雰囲気(リーン)では酸素を吸蔵し、還元雰囲気(リッチ)では酸素を放出することにより、酸化・還元反応を安定して進行させる機能を有する。
セリア・ジルコニア複合酸化物は、ランタン(La)、イットリウム(Y)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)からなる群より選択される少なくとも一の金属を含んでもよい。具体的には、セリア−ジルコニア−ランタナ複合酸化物、セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物などが挙げられる。
セリア・ジルコニア複合酸化物のBET比表面積は、特に制限されないが、好ましくは50〜750m/g、より好ましくは80〜250m/gである。また、セリア・ジルコニア複合酸化物の形状は、特に制限されず、例えば、粒状、微粒子状、粉末状、円筒状、円錐状、角柱状、立方体状、角錐状、不定形状など、いずれの形状であってもよいが、好ましくは、粒状、微粒子状、粉末状である。セリア・ジルコニア複合酸化物が粒状、微粒子状、粉末状である場合の、セリア・ジルコニア複合酸化物の平均二次粒径は、好ましくは1〜50μmであり、より好ましくは5〜20μmである。
セリア・ジルコニア複合酸化物の含有量(担持量;酸化物換算)は、特に制限されないが、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは5〜200g、より好ましくは5〜100g、さらに好ましくは10〜90gである。このうち、セリア・ジルコニア複合酸化物(酸素貯蔵材)に含まれるセリウム(Ce)の含有量は、酸化物(CeO)換算で、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは5〜200gであり、より好ましくは5〜100gであり、さらに好ましくは5〜50gである。また、セリア・ジルコニア複合酸化物に含まれるジルコニウム(Zr)の含有量は、酸化物(ZrO)換算で、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは5〜200gであり、より好ましくは10〜150gであり、さらに好ましくは20〜100gである。また、セリア・ジルコニア複合酸化物がランタン(La)をさらに含む場合の、セリア・ジルコニア複合酸化物に含まれるLaの含有量は、酸化物(La)換算で、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは1〜50gであり、より好ましくは1〜35gであり、さらに好ましくは1〜20gである。また、セリア・ジルコニア複合酸化物がイットリウム(Y)をさらに含む場合の、セリア・ジルコニア複合酸化物に含まれるYの含有量は、酸化物(Y)換算で、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは0〜50gであり、より好ましくは0〜35gであり、さらに好ましくは0〜20gである。また、セリア・ジルコニア複合酸化物がネオジム(Nd)をさらに含む場合の、セリア・ジルコニア複合酸化物に含まれるNdの含有量は、酸化物(Nd)換算で、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは0〜50gであり、より好ましくは0〜35gであり、さらに好ましくは0〜20gである。また、セリア・ジルコニア複合酸化物がプラセオジム(Pr)をさらに含む場合の、セリア・ジルコニア複合酸化物に含まれるPrの含有量は、酸化物(Pr11)換算で、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは0〜50gであり、より好ましくは0〜35gであり、さらに好ましくは0〜20gである。このような含有量でセリア・ジルコニア複合酸化物(Ce、Zr、La、Y、Nd及び/又はPr)が含まれることにより、酸化・還元反応を安定して進行させることができる。
また、本発明による触媒がアルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物を含むが、アルミナとセリア・ジルコニア複合酸化物との混合比(質量比)は、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは10:2〜5:10、最も好ましくは10:3〜10:10である。このような比であれば、十分量の貴金属(触媒成分)をアルミナに担持させることができ、触媒成分と排気ガスとの接触面積を増加させると共に、セリア・ジルコニア複合酸化物が排気ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を十分吸着できる。その結果、触媒全体としての反応性をさらに高めると共に排気ガスの浄化性能をさらに高めることが可能となる。
また、セリア・ジルコニア複合酸化物(酸素貯蔵材)の結晶構造は、立方晶、正方晶、単斜晶、斜方晶などがあるが、好ましくは立方晶、正方晶又は単斜晶であり、より好ましくは立方晶又は正方晶である。
(耐火性無機酸化物)
本発明の触媒は、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物以外の耐火性無機酸化物をさらに含んでもよい。ここで、該耐火性無機酸化物は、高い比表面積を有しており、これに触媒成分を担持させることで、触媒成分と排ガスとの接触面積を増加させたり、反応物を吸着させたりすることができる。その結果、触媒全体としての反応性をさらに高めることが可能となる。
該耐火性無機酸化物は、800℃以上、好ましくは1000℃以上において比表面積の変化が少ないことが好ましい。耐火性無機酸化物のBET比表面積は、触媒成分を担持させる観点から、好ましくは50〜750m/g、より好ましくは80〜250m/gである。
該耐火性無機酸化物は、例えば、粒状、微粒子状、粉末状、円筒状、円錐状、角柱状、立方体状、角錐状、不定形状など、いずれの形状であってもよいが、好ましくは、粒状、微粒子状、粉末状であり、より好ましくは粉末状である。耐火性無機酸化物が粒状、微粒子状、粉末状である場合の、耐火性無機酸化物の平均一次粒径は、好ましくは5〜20nmであり、より好ましくは5〜10nmである。このような範囲であれば、細孔1を形成できるため好ましい。また、後述する粉砕前の耐火性無機酸化物の平均二次粒径は、好ましくは、20〜150μmであり、より好ましくは50〜90μmである。このような範囲であれば細孔2を形成できるため好ましい。
該耐火性無機酸化物としては、例えば、ゼオライト、チタニア、ジルコニア、シリカなどを挙げることができる。これらの耐火性無機酸化物は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。これらのうち、高温耐久性および高比表面積の観点から、ジルコニアが好ましい。
該耐火性無機酸化物の含有量は、三次元構造体1L当たり、好ましくは10〜300gであり、より好ましくは50〜200gである。三次元構造体1L当たりの耐火性無機酸化物の含有量が10g以上であると、貴金属が十分に分散でき、十分な耐久性を有する触媒が得られる。一方、三次元構造体の含有量が300g以下であると、貴金属と排ガスとの接触状態が良好となり、排ガス浄化性能が十分に発揮され得る。
(空孔連結物質)
本発明に係る特定の細孔径分布は、下記に詳述されるが、空孔連結物質および空孔連結条件(特に燃焼分解温度及び空孔連結温度)によって制御される。このようにスラリーが空孔連結物質を含むことにより、以下のようにして本発明に係る特定の細孔径分布が得られると推測される。なお、本発明は、下記推測によって限定されない。例えば、細孔径分布において、0.001μm以上0.05μm以下の細孔径範囲で認められるピーク(ピーク1)、2.5μm以上5.0μm以下の細孔径範囲で認められるピーク(ピーク2)、及び上記細孔径範囲以外の細孔径範囲(特に90μm以上110μm以下)で認められるピーク(ピーク3)を選択する。この3つの異なる細孔径のピークのうち、ピーク1は、小さい細孔径(好ましい形態では、最も小さい細孔径)を有し、アルミナおよび/またはセリア・ジルコニア複合酸化物に存在する細孔によるピークであると推測される。ピーク2は、上記ピーク1より大きな細孔径をピークであり、スラリー中の水分、貴金属源(貴金属の出発原料)由来の細孔(貴金属源が貴金属に還元される際に形成される細孔)または三次元構造体に存在する細孔によるピークであると推測される。ピーク3は、上記ピーク1や2以外の細孔径のピークであり、好ましい形態では最も大きな細孔径のピークであり、空孔連結物質によって形成される細孔(空孔連結細孔3)によるピークであると推測される。空孔連結細孔3は、後述する空孔連結工程で空孔連結物質が燃焼した際に発生するガス塊により、または空孔連結物質が後述する焼成工程で一気に燃焼することにより形成した孔である。このように空孔連結物質をスラリーに配合することによって、後述の(d)空孔連結工程や(e)焼成工程で、ピーク2、3の細孔(細孔2、3)が効率よく形成できる。
なお、「触媒が空孔連結物質由来の細孔(空孔連結細孔)を有する」ことは、元素分析などの公知の方法によって決定できる。例えば、空孔連結物質が炭素原子を含む場合には、元素分析などの公知の方法によって触媒中の炭素含有量を測定することによって空孔連結物質使用の有無を調べることができる。より詳細には、触媒の炭素(C)量(C1量(質量%))を元素分析により測定する。この炭素量が0.04質量%以上である場合には、触媒は空孔連結物質由来の細孔を有すると判断する。なお、本明細書において、触媒の炭素量は下記方法に従って、測定される。触媒を裁断し、触媒中心付近で触媒端面から50〜70mmの中央付近を採取し、採取したものをマイクロスコープを用いながら、触媒層を剥がしとることによって、元素分析用のサンプルを調製する。元素分析は、全自動元素分析装置 vario EL cube(elementar社製)を用いて、製造社の指示に従って行う。
空孔連結物質は、150〜400℃の燃焼分解温度を有する。ここで、空孔連結物質の燃焼分解温度が150℃未満であると、後述する乾燥工程で除去できなかった水の蒸発と空孔連結物質の燃焼が同時に起こるため好ましい空孔連結細孔が形成されない。このため、本発明に係る特定の細孔径分布が得られない。また、空孔連結物質の燃焼分解温度が400℃を超えると、空孔連結物質の燃焼分解温度と焼成温度とが近くなるため貴金属源(特に硝酸塩)の分解と有機成分の燃焼が同時並行で進む。このため、やはり本発明に係る特定の細孔径分布が得られない。本発明に係る特定の細孔径分布の制御しやすさ、操作性などを考慮すると、空孔連結物質の燃焼分解温度は、好ましくは180〜380℃、より好ましくは200℃を超えて300℃未満、特に好ましくは230℃を超えて280℃未満である。燃焼分解温度が前記範囲であれば、スラリー中の他の有機成分の燃焼分解温度と近く、分解時に発生する二酸化炭素や水蒸気により空孔の連結がより効率良く進行する。このような燃焼分解温度を有する空孔連結物質としては、以下に制限されないが、ポリメタクリル酸メチル(燃焼分解温度:373℃)、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル)(燃焼分解温度:255℃)、ポリエチレングリコールドデシルエーテル(ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル)、ライススターチ(燃焼分解温度:320℃)、メラミンシアヌレートなどが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルエーテル、ポリメタクリル酸メチル、ライススターチが好ましく、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルがより好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態では、空孔連結物質は、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルエーテル、ポリメタクリル酸メチル及びライススターチからなる群より選択される。本発明のより好ましい形態では、空孔連結物質は、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルおよび/またはポリメタクリル酸メチルである。本発明の特に好ましい形態では、空孔連結物質は、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルである。なお、上記空孔連結物質は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用されてもよい。ここで、燃焼分解温度は公知の方法によって測定できるが、TG−DTA(Thermogravimetry-Differential Thermal Analysis:熱重量示差熱分析)を用いて測定することが好ましい。本明細書では、燃焼分解温度は下記実施例に記載の方法によって測定される。なお、空孔連結物質は市販品を使用してもよい。
150℃において固体の空孔連結物質を用いる場合、空孔連結物質の平均粒子径は、本発明に係る好適な細孔径分布を得るための重要な因子の一つである。空孔連結物質の平均粒子径は、好ましくは0.4μm以上、より好ましくは1μm超、さらに好ましくは2μm以上、特に好ましくは3μm以上である。また、空孔連結物質の平均粒子径の上限は、本発明に係る好適な細孔径分布を得るためには、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm未満、さらに好ましくは6μm以下、特に好ましくは5μm以下である。すなわち、本発明の好ましい形態では、空孔連結物質の平均粒子径が0.4μm以上15μm以下である。本発明のより好ましい形態では、空孔連結物質の平均粒子径が1μm超10μm未満である。本発明のさらにより好ましい形態では、空孔連結物質の平均粒子径が2μm以上6μm以下(特に3μm以上5μm以下)である。なお、上記空孔連結物質の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡像から、任意の粒子を無作為に選んで100個の直径を測定し、その数平均値を算出することによって求められる。
空孔連結物質の使用量(投入量)は、本発明に係る好適な細孔径分布を得るための重要な因子の一つである。すなわち、空孔連結物質の使用量(投入量)は、スラリー中の空孔連結物質の含有量が、固形物換算で、20質量%未満である。ここで、スラリー中の空孔連結物質の含有量が20質量%以上であると、空孔が過剰に連結され、触媒層内の細孔では無くなるため、ピーク3を有する細孔の細孔容積が少なくなってしまう。本発明の好ましい細孔径分布を得やすいという観点から、スラリー中の空孔連結物質の含有量は、好ましくは10質量%未満であり、より好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。なお、スラリー中の空孔連結物質の含有量の下限は、特に制限されないが、通常、0.5質量%以上であり、好ましくは1質量%以上である。すなわち、本発明の好ましい形態では、スラリー中の空孔連結物質の含有量が、固形分換算で0.5質量%以上20質量%未満である。本発明のより好ましい形態では、スラリー中の空孔連結物質の含有量が、固形分換算で0.5質量%以上10質量%未満である。本発明のさらに好ましい形態では、スラリー中の空孔連結物質の含有量が、固形分換算で1質量%以上5質量%以下である。本発明の特に好ましい形態では、スラリー中の空孔連結物質の含有量が、固形分換算で1質量%以上3質量%以下である。また、本発明の好ましい形態では、空孔連結物質を、スラリー中の空孔連結物質の含有量が固形分換算で0.5質量%以上20質量%未満(0.5質量%以上10質量%未満、1質量%以上5質量%以下、1質量%以上3質量%以下)の割合になるように混合する。このような量であれば、空孔連結物質により、上記したような空孔連結細孔3をより容易に形成できる。また、細孔1、2、3をより容易に相互に連通できる。
(助燃剤)
本発明の触媒は、空孔連結物質の燃焼を促進する助燃剤をさらに含んでもよい。ここで、助燃剤は特に制限されないが、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等の第2属元素は、水と反応することで発熱するため、空孔連結物質の燃焼を促進する機能を有する。これらの元素は、排ガス浄化用触媒中に、酸化物、硫酸塩又は炭酸塩の形態で含有され得る。中でも、Ba、Srを助燃剤として用いることが好ましく、硫酸バリウム(BaSO)または酸化バリウム(BaO)を助燃剤として用いることがより好ましい。これらの助燃剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用しても構わない。
助燃剤(特に、BaSO、BaO)の含有量は、三次元構造体1リットル当たり、好ましくは0〜50gであり、より好ましくは0.1〜30gであり、さらに好ましくは0.5〜20gである。
(三次元構造体)
本発明の触媒は、貴金属およびアルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物が三次元構造体に担持されてなる。
ここで、三次元構造体は、特に制限されず、当該分野で通常使用される耐火性三次元構造体を同様にして使用することができる。三次元構造体としては、例えば、貫通口(ガス通過口、セル形状)が三角形、四角形、六角形を有するハニカム担体等の耐熱性担体が使用できる。三次元構造体は一体成形型のもの(三次元一体構造体、一体構堰体)が好ましく、例えば、モノリス担体、メタルハニカム担体、パンチングメタル等が好ましく用いられる。
モノリス担体としては、通常、セラミックハニカム担体と称されるものであればよく、特に、コージェライト、ムライト、アルミナ、α−アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を材料とするものが好ましく、中でもコージェライト質のもの(コージェライト担体)が特に好ましい。その他、ステンレス鋼、Fe−Cr−Al合金等を含む酸化抵抗性の耐熱性金属を用いて一体構造体としたもの等が用いられる。
これらモノリス担体は、押出成型法やシート状素子を巻き固める方法等によって製造される。その貫通口(ガス通気口、セル形状)の形は、六角形(ハニカム)、四角形、三角形又はコルゲート(コルゲーション形)の何れであってもよい。セル密度(セル数/単位断面積)は、100〜1200セル/平方インチであれば十分に使用可能であり、好ましくは200〜900セル/平方インチ、より好ましくは200〜600セル/平方インチ、さらに好ましくは250〜500セル/平方インチ(1インチ=25.4mm)である。
<排気ガス浄化触媒の製造方法>
本発明の排気ガス浄化用触媒は、公知の手法を適宜参照することにより製造することができるが、上述したように、本発明の触媒は、水銀圧入法によって測定した細孔径分布において0.001μm以上0.05μm以下の細孔径でピーク1を有する細孔、2.5μm以上5.0μm以下の細孔径でピーク2を有する細孔ならびに前記ピーク1や2が示す細孔径とは異なる細孔径でピーク3を有する細孔を有し、ピーク3を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の1.4%を超えるという特定の細孔径分布を有する。このような構造を得るためには、触媒成分に加えて特定の燃焼分解温度(150〜400℃)を有する空孔連結物質を含むスラリーを三次元構造体に塗布した後、上記燃焼分解温度に対して特定の温度差で保持(熱処理)することが重要である。
すなわち、本発明は、燃焼分解温度が150〜400℃である空孔連結物質、貴金属前駆体、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物を混合してスラリーを調製し、前記スラリーを三次元構造体に塗布した後、前記燃焼分解温度に対して−150℃を超えて+50℃以下の温度で空気中で保持することを有し、前記スラリー中の前記空孔連結物質の含有量が、固形分換算で0.5質量%以上20質量%未満である、ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒の製造方法をも提供する(本発明の第2の側面)。このように特定の空孔連結物質を用いて特定の温度条件で熱処理を行うことにより、本発明に係る特定の細孔径分布が得られる。
以下では、本発明の好ましい形態として、(a)スラリー調製工程、(b)スラリー塗布工程、(c)乾燥工程、(d)空孔連結工程、および(e)焼成工程を含む本発明の排気ガス浄化触媒の製造方法を説明する。なお、上記本発明の特徴部分((d)空孔連結工程)以外の形態については、下記以外の公知の方法を同様にしてまたは適宜修飾して適用でき、下記好ましい形態によってのみに本発明は限定されない。また、以下では、「燃焼分解温度が150〜400℃である空孔連結物質」を単に「空孔連結物質」とも称する。
(a)スラリー調製工程
本工程では、空孔連結物質、貴金属源(貴金属前駆体)、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物ならびに必要であれば他の添加成分を混合してスラリーを調製する[最終的に各触媒成分(貴金属、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物等)となる原料および空孔連結物質を含むスラリーを調製する]。スラリーは、各触媒成分の原料および空孔連結物質を水性媒体中で混合し、湿式粉砕することにより調製される。なお、各触媒成分の原料は、当該分野において使用される通常材料を適宜採用することができる。例えば、アルミナやセリア・ジルコニア複合酸化物は上記(種類、担持量など)と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、本発明の触媒が他の添加成分を含む場合も、各添加成分は上記(種類、担持量など)と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、空孔連結物質、貴金属源、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物および他の添加成分の説明は、上記したのと同様であるため、ここでは説明を省略する。
水性媒体としては、水(純水、超純水、脱イオン水、蒸留水等)、エタノール、2−プロパノールなどの低級アルコール、有機系のアルカリ水溶液などを使用することができる。中でも、水、低級アルコールを使用することが好ましく、水を使用することがより好ましい。水性媒体の量は、特に制限されないが、スラリー中の固形分の割合(固形分質量濃度)が5〜60質量%、より好ましくは10〜50質量%となるような量であることが好ましい。固形分の割合は、上述のスラリーをるつぼに入れ、550℃で30分間空気中にて焼成を行う前のスラリーの質量に対する、550℃で30分間空気中にて焼成した後に残存している固形分の質量の割合から算出することができる。また、スラリーは、150〜400℃の燃焼分解温度を有する空孔連結物質を含む。
ここで、貴金属源、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物、空孔連結物質、他の添加成分などの添加順序は、特に制限されず、一括して水性媒体中に投入してもまたは適切な順番で別々に添加してもよい。例えば、水性媒体に、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物、空孔連結物質および他の添加成分を添加し、5分間〜24時間攪拌した後、貴金属源を添加し、5分間〜24時間攪拌することもできる。または、水性媒体にアルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物を添加し、5分間〜24時間攪拌した後、空孔連結物質を添加し、5分間〜24時間攪拌した後、貴金属源を添加し、5分間〜24時間攪拌した後、他の添加成分を添加することもできる。または、水性媒体に、貴金属源、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物を添加し、5分間〜24時間攪拌した後、空孔連結物質を添加し、5分間〜24時間攪拌した後、他の添加成分を添加することもできる。上記において、各原料を添加した後の混合物(スラリー)のpHを6以上、好ましくは7以上8未満に調整することが好ましい。このため、各添加工程後の混合物(スラリー)のpHが8以上である場合は、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸などの酸を用いて、pHを8未満に調整することが好ましい。また、各添加工程後の混合物(スラリー)のpHが6未満である場合には、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの塩基を用いて、pHを6以上、好ましくは7以上に調整することが好ましい。
次に、このようにして得られたスラリーを湿式粉砕する。ここで、湿式粉砕は、例えば、ボールミルなどを用いた公知の手法により行うことができる。また、湿式粉砕条件は、特に制限されない。例えば、50〜5000回転/分の回転速度で5分間〜5時間、湿式粉砕することが好ましい。このような条件で湿式粉砕することにより、空孔連結物質の平均粒子径が5μm程度(またはこれ以下)となる。なお、上記攪拌を湿式粉砕によって行ってもよい。
(b)スラリー塗布工程
本工程では、上記(a)スラリー調製工程において得られたスラリーを三次元構造体に塗布する。スラリーを三次元構造体上に塗布する方法は、ウォッシュコートなどの公知の方法を適宜採用することができる。また、スラリーの塗布量は、スラリー中の固体物の量、及び形成する触媒層の厚さに応じて当業者が適宜設定することができる。スラリーの塗布量は、好ましくは、貴金属、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物、ならびに(含む場合には)任意の他の添加成分が上記したような含有量(担持量)となるような量である。
(c)乾燥工程
乾燥工程は、スラリー塗布工程において塗布された三次元構造体上のスラリーを乾燥する工程である。
乾燥工程では、空気中で、好ましくは50〜170℃、より好ましくは70〜150℃の温度で、5分間〜10時間、好ましくは15分間〜3時間、三次元構造体に塗布されたスラリー塗膜を乾燥する。
(d)空孔連結工程
本工程では、上記(c)にて得られた乾燥スラリー塗膜(触媒前駆層)を、燃焼分解温度に対して−150℃を超えて+50℃以下の温度で空気中で熱処理(保持)する。上述したように、本工程により、空孔連結物質を燃焼分解させて、乾燥スラリー塗膜(触媒前駆層)中の空孔連結物質をガス塊として除去し、細孔2、3を形成すると共に細孔1、2、3を相互に連結させる。これに対して、空孔連結工程を経ず、乾燥工程後焼成工程を行う場合には、本発明に係る細孔径分布が安定して得られない。なお、乾燥工程を経ずに、空孔連結工程から焼成工程を行う場合には、細孔2、3の細孔径および細孔容積を上記した好ましい範囲にすることが困難になる場合がある。
ここで、(d)空孔連結工程での熱処理温度は、燃焼分解温度に対して−150℃を超えて+50℃以下である。なお、空孔連結物質は、燃焼分解温度の約−50℃付近から燃焼・分解が開始する。しかし、熱処理温度が燃焼分解温度に対して−150℃以下であると、空孔連結物質が十分燃焼せずに十分量のガス塊を発生できず、次工程の(e)焼成工程で空孔連結物質が一気に燃焼してしまう。このため、十分な細孔容積を有する空孔連結細孔3が形成できない。また、熱処理温度が燃焼分解温度に対して+50℃を超えると、空孔連結物質が一気に燃焼してしまうため、過度に大きな細孔が形成されてしまう(細孔2が形成されにくいまたは形成されない)。このため、排気ガスの拡散性が良くなりすぎ、触媒成分と接触せずに通過する排気ガスが増え、結果排気ガス浄化率が低下してしまう。熱処理温度は、燃焼分解温度に対して、好ましくは−100℃以上+40℃以下、より好ましくは−50℃以上+35℃以下、特に好ましくは0℃を超えて+30℃未満である。上記熱処理温度は、特にポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル等の燃焼分解温度が300℃未満である空孔連結物質に対して特に好適に適用できる。また、ポリメタクリル酸メチル等の燃焼分解温度が300℃以上である空孔連結物質に対しては、熱処理温度は、燃焼分解温度に対して、−100℃を超えて−85℃未満であることが好ましい。このような熱処理温度で空孔連結物質を燃焼させることにより、細孔2、3の細孔径および細孔容積を上記した好ましい範囲により容易に制御できる。また、熱処理時間は、細孔1、2、3が相互に連結して、本発明に係る細孔径分布が得られる限り、特に制限されない。熱処理時間は、好ましくは10分間〜3時間、好ましくは15分間〜1時間である。このような熱処理時間で空孔連結物質を燃焼させることにより、細孔2、3の細孔径および細孔容積を上記した好ましい範囲により容易に制御できる。
また、(d)空孔連結工程での熱処理は、空気等のガスを流しながら行うことが好ましい。当該操作により、有機成分(特に空孔連結物質)をより効率よく除去できる。ここで、ガスを流す速度(ガス流速)は、特に制限されないが、好ましくは0.1m/秒以上、より好ましくは0.2〜1.2m/秒である。
(e)焼成工程
本工程では、上記(d)後に、塗膜を焼成する。これにより、触媒成分(貴金属、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物等)が三次元構造体に付着する。また、触媒層中に残存している窒素含有成分、水素含有成分、炭素含有成分が除去される。
ここで、焼成条件は、特に制限されない。例えば、焼成を、空気中で、440℃〜800℃、好ましくは450℃〜610℃、より好ましくは450℃〜555℃の温度で、10分間〜3時間、好ましくは15分間〜1時間、行う。このような条件であれば、触媒成分(貴金属、アルミナ、セリア・ジルコニア複合酸化物等)を効率よく三次元構造体に付着できる。
また、焼成は、空気等のガスを流しながら行うことが好ましい。当該操作によっても、有機成分(特に空孔連結物質)をより効率よく除去できる。ここで、ガスを流す速度(ガス流速)は、特に制限されないが、好ましくは0.1m/秒以上、より好ましくは0.2〜1.2m/秒である。
上記により、本発明の触媒が製造できる。
<排気ガスの浄化方法>
本発明の触媒は、ガソリンエンジンから排出される排気ガス(炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx))に対して高い浄化性能を発揮できる。ゆえに、本発明は、本発明の排気ガス浄化用触媒を用いてガソリンエンジンから排出される排気ガスを処理する(特に排気ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)を浄化する)ことを有する、ガソリンエンジン排気ガスの浄化方法をも提供する(本発明の第3の側面)。ガソリンエンジンを用いて排気ガスの浄化率(浄化能)は、例えば、下記ライトオフ(LO)試験におけるCO、THC、NOxの各浄化率が50%に達する時の温度(T50(℃))によって評価できる。なお、T50が低いほど、触媒は高い排気ガス浄化性能を発揮することを示す。
排気ガスは、通常、HC、CO、NOxを含み、例えば、窒素酸化物(例えば、NO、NO、NO)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、酸素(O)、水素(H)、アンモニア(NH)、水(HO)、二酸化硫黄(SO)、炭化水素(HC)などを任意の割合で含む。
本形態の排気ガス浄化方法を適用するガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンを除くことを意図しており、通常のガソリンエンジンに加えて、例えば、ガソリンハイブリッドエンジン、天然ガス、エタノール、ジメチルエーテルなどを燃料として用いるエンジンなどを包含する。中でも、ガソリンエンジンであることが好ましい。
本発明の触媒に排気ガスを接触させる方法としては、例えば、排気ガス浄化用触媒をガソリンエンジンの排気ポートの排気流路中に触媒を設置し、排気ガスを排気流路に流入させる方法が挙げられる。
排気ガスの温度は、0℃〜800℃、つまり通常のガソリンエンジンの運転時の排気ガスの温度範囲内であることが好ましい。ここで、温度が0℃〜800℃であるガソリンエンジンの排気ガスにおける空燃比(A/F)は10〜30であり、好ましくは11〜14.7である。または、他の好ましい一形態として、排気ガスの温度は800〜1200℃の高温領域であってもよい。ここで、温度が800〜1200℃である内燃機関の排気ガスの空燃比は、好ましくは10〜18.6である。
また、本発明に係る触媒は、50〜600℃の低温の排気ガス(特に、HC、CO、NOx、水蒸気等を含む)に対しても、または触媒床部の温度が650〜900℃の高温の排気ガス(特に、HC、CO、NOx、水蒸気等を含む)に長時間曝された後の50〜600℃の低温の排気ガスに対しても、優れた排気ガス処理効果を発揮できる。
このため、上記したような本発明の触媒または上記したような方法によって製造される触媒は、温度が650〜900℃、好ましくは700℃〜850℃である排気ガスに曝されていてもよい。また、本発明の触媒を高温の排気ガスに曝す時間(排気ガスを流入させる時間)も、特に限定されるものではなく、例えば、10〜800時間、好ましくは16〜500時間、より好ましくは40〜100時間である。このような高温の排気ガスに曝された後にも本発明の触媒は、高い性能を有する。このように高温の排気ガスに曝された後の触媒の排気ガス浄化性能を調べるために、熱処理として、650〜900℃の排気ガスに、10〜300時間曝す処理を触媒に施した後に、排気ガス浄化性能(触媒の劣化に対する耐性)を評価することが有効である。
なお、本明細書において「排気ガスの温度」とは、触媒入口部における排気ガスの温度を意味する。ここで、「触媒入口部」とは、排気ガス浄化用触媒が設置された排気管における排気ガス流入側の触媒端面から内燃機関側に向かって10cmまでの部分を指し、かつ、排気管の長手方向(軸方向)の中心部分の箇所を指す。また、本明細書において「触媒床部」とは、上記排気管における排気ガス流入側の触媒端面から排気ガス流出側の触媒端面までの間の中央部分であり、かつ、排気管の横断面の中心部分の箇所(排気管の横断面が円形でない場合は、排気管の横断面の重心部分の箇所)を指す。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
実施例1
パラジウム原料としての硝酸パラジウム、ロジウム原料としての硝酸ロジウム、セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物(BET比表面積:80m/g、Ce/Zrモル比:1/2.8、平均二次粒子径:10μm)、ランタナ含有アルミナ(ランタナ含有率は5質量%、平均二次粒子径:73μm、BET比表面積:148m/g)、酸化バリウムおよびポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル)(SIGMA−ALDRICH製、Brij(登録商標)58)を、Pd:Rh:セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物:ランタナ含有アルミナ:酸化バリウム:ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの混合比が0.5:0.15:80:120:1.5:2.02となるように各材料を秤量した。ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルを除く秤量した各原料を純水中に分散させ、この分散液を湿式粉砕機(ボールミル)を用いて、200回転/分の回転速度で20分間湿式粉砕した後、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(Brij58)を添加し、さらに5分間同様に湿式粉砕することによってスラリーA1を調製した。なお、スラリーA1中のポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの含有量(固形分換算)は1質量%である。
このスラリーA1を、直径33mm、長さ76mmの円柱状で0.066Lの四角形の貫通口を有するコージェライト担体(1平方インチ当たりセル600個、セル壁厚み4ミリインチ)に、ウォッシュコートし、前駆体A2を得た。
次に、この前駆体A2を150℃で20分乾燥して、前駆体A3を得た。さらに、この前駆体A3を280℃で20分空気中で保持(熱処理)し(空孔連結工程)、空孔連結物質を燃焼分解させ、前駆体A4を得た。次に、この前駆体A4を500℃で1時間の空気中で焼成を行い、触媒Aを得た。このようにして得られた触媒Aは、担体1L当たり、202.15g(パラジウム0.5g、ロジウム 0.15g、セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物 80g、ランタナ含有アルミナ 120g、酸化バリウム 1.5g)の触媒成分がコージェライト担体にコートされたものである。
また、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(空孔連結物質)の燃焼分解温度を以下の方法にて示差熱・熱重量分析装置(TG−DTA)を用いて測定したところ、255℃であった。なお、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(空孔連結物質)は、200℃付近で燃焼を開始した。
−空孔連結物質の燃焼分解温度の測定方法−
30mgの空孔連結物質(試料)を、キャリヤーガス(空気)を流通させたTG−DTA(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名:TG−DTA2020SR)の天秤にセットし、ベースラインが安定した後、100ml/分で空気流通下、25℃から800℃まで10℃/分の速度で昇温する条件下で、試料が燃焼分解するときの示差熱を測定する。ここで、燃焼分解とは、TG−DTA測定データのDTAプロファイルにおいて、試料30mgあたり100μV以上の示差熱を発生し、その後、それ以上の示唆熱を発生しない状態を意味し、上記状態(示唆熱が最大の状態)を示す温度を「空孔連結物質の燃焼分解温度(℃)」とする。
実施例2
実施例1において、Pd:Rh:セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物:ランタナ含有アルミナ:酸化バリウム:ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの混合比が0.5:0.15:80:120:1.5:6.06となるように各材料を秤量した以外は、実施例1と同様の方法に従って、触媒Bを得た。なお、スラリー中のポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの含有量(固形分換算)は3質量%である。
このようにして得られた触媒Bのセル表面に形成された触媒層の状態(断面)をSEMにて観察した。結果を図4に示す。図4に示されるように、触媒Bのセルの角部に、70〜90μmの細孔径を有する細孔が形成されることが分かる。
実施例3
実施例1において、Pd:Rh:セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物:ランタナ含有アルミナ:酸化バリウム:ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの混合比が0.5:0.15:80:120:1.5:10.11となるように各材料を秤量した以外は、実施例1と同様の方法に従って、触媒Cを得た。なお、スラリー中のポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの含有量(固形分換算)は5質量%である。
このようにして得られた触媒Cのセル表面に形成された触媒層の状態(断面)をSEMにて観察した。結果を図5に示す。図5に示されるように、触媒Cのセルの角部に、70〜110μmの細孔径を有する細孔が形成されることが分かる。
実施例4
実施例1において、Pd:Rh:セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物:ランタナ含有アルミナ:酸化バリウム:ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの混合比が0.5:0.15:80:120:1.5:20.22となるように各材料を秤量した以外は、実施例1と同様の方法に従って、触媒Dを得た。なお、スラリー中のポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの含有量(固形分換算)は10質量%である。
このようにして得られた触媒Dのセル表面に形成された触媒層の状態(断面)をSEMにて観察した。結果を図6に示す。図6に示されるように、触媒Dのセルの角部に、70〜110μmの細孔径を有する細孔が形成されることが分かる。
実施例5
実施例3において、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの代わりに、ポリメタクリル酸メチル(平均粒子径:2.5μm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法に従って、触媒Eを得た。なお、スラリー中のポリメタクリル酸メチルの含有量(固形分換算)は5質量%である。
また、ポリメタクリル酸メチル(空孔連結物質)の燃焼分解温度を実施例1に記載の方法と同様にして測定したところ、373℃であった。なお、ポリメタクリル酸メチル(空孔連結物質)は、321℃付近で燃焼を開始した。
比較例1
実施例1において、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルを添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法に従って、触媒Fを得た。なお、スラリー中のポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルは0質量%である。
このようにして得られた触媒Fのセル表面に形成された触媒層の状態(断面)をSEMにて観察した。結果を図7に示す。図7に示されるように、触媒Fのセルの角部に、70μm以上の細孔径を有する細孔が形成されていないことが分かる。図4〜6と図7との比較から、70〜110μmの細孔径を有する大きな細孔は空孔連結物質に由来するものであることが考察される。
比較例2
実施例1において、Pd:Rh:セリア−ジルコニア−ランタナ−イットリア複合酸化物:ランタナ含有アルミナ:酸化バリウム:ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの混合比が0.5:0.15:80:120:1.5:40.43となるように各材料を秤量した以外は、実施例1と同様の方法に従って、触媒Gを得た。なお、スラリー中のポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルは20質量%である。
比較例3
実施例3において、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテルの代わりに、活性炭(平均粒子径:6.1μm)を使用した以外は、実施例1と同様の方法に従って、触媒Hを得た。なお、スラリー中の活性炭の含有量(固形分換算)は5質量%である。
また、活性炭(空孔連結物質)の燃焼分解温度を実施例1に記載の方法と同様にして測定したところ、586℃であった。なお、活性炭(空孔連結物質)は、500℃付近で燃焼を開始した。
上記のようにして得られた触媒A〜Hについて、以下のようにして水銀圧入法により細孔径分布を測定した。触媒A〜D及びF〜Gの細孔径分布を図3に示す。また、以下のようにして、結細孔1、2及び3の細孔径および各細孔の容積の全細孔容積に対する割合(%)を求めた。結果を下記表1に示す。なお、下記表1に、各実施例及び比較例で使用した空孔連結物質の種類、燃焼分解温度(℃)、熱処理温度と燃焼分解温度との差(℃)[=熱処理温度(℃)−燃焼分解温度(℃)](下記表1中の「温度差(℃)」)および投入量(質量%(固形分換算))を併せて示す。
−細孔径分布測定−
触媒A〜H(試料)の細孔径分布を水銀圧入法により測定した。詳細には、600mgの試料を、ポロシメーター(株式会社島津製作所社製、商品名:オートポアIII9420)を用いた。各触媒の細孔1、2、3について各ピークの細孔径(細孔直径)、および全細孔容積に対するピークの細孔容積の割合(%)を求めた。結果を表1に示す。
[排気ガス浄化能評価試験:ライトオフ(LO)試験]
実施例1〜5および比較例1〜3の触媒A〜Hについて、以下のライトオフ(LO)試験により、排気ガス浄化能を評価した。詳細には、各触媒(0.066L)を、各触媒を、排気量3.0リットルのMPIエンジン排気口から25cm下流側に設置した。900℃(触媒入口温度)で50時間、A/F=14.6、振幅=±0.5、周波数=1.0Hzで耐熱処理(耐久処理)した。なお、触媒入口温度は、触媒端面から1cm上方で測定した。
次に、A/F=14.6、振幅=±0.5、周波数=1.0Hzで、触媒入口ガス温度を150℃から500℃まで20℃/分で昇温させた排気ガスを各触媒に流した。この時触媒出口から排出されるガスをサンプリングし、CO、HC、NOxの各浄化率を算出した。各ガスの浄化率が50%に達する温度をT50(℃)とし、結果を下記表2に示す。T50が低いほど、各ガスの着火性が高い(触媒性能が高い)ことを意味する。
下記表2から、実施例1〜5の触媒A〜Eは、比較例1〜3の触媒F〜Hに比して、各ガス(CO、HC、NOx)に対してT50が有意に低い、ゆえに触媒性能が有意に高いことが分かる。
本出願は、2018年11月12日に出願された日本特許出願番号2018−212053号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。
10…触媒、
1…細孔径の小さな細孔(細孔1)、
2…細孔径の中間な細孔(細孔2)、
3…細孔径の大きな細孔(細孔3)、
12…排気ガス、
14…触媒層、
15…三次元構造体。

Claims (7)

  1. ガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化するためのガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒であって、貴金属、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物が三次元構造体に担持されてなり、水銀圧入法によって測定した細孔径分布において0.001μm以上0.05μm以下の細孔径でピーク1を有する細孔および2.5μm以上5.0μm以下の細孔径でピーク2を有する細孔ならびに前記細孔径とは異なる細孔径でピーク3を有する細孔を有し、前記ピーク3を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の1.4%を超え、
    前記三次元構造体が三角形、四角形または六角形の貫通口を有するハニカム担体であり、前記貫通口の角部に、70μm以上の細孔径を有する細孔を有するように、前記貴金属、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物が担持される、ガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒。
  2. 前記ピーク3を有する細孔は、90μm以上110μm以下の細孔径でピークを示す、請求項1に記載のガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒。
  3. 前記ピーク3を有する細孔の細孔容積が全細孔容積の1.4%を超え5.0%以下である、請求項1または2に記載のガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒。
  4. 前記貴金属が白金およびパラジウムの少なくとも一方ならびにロジウムである、請求項1〜のいずれか1項に記載のガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒。
  5. 燃焼分解温度が150〜400℃である空孔連結物質、貴金属前駆体、アルミナおよびセリア・ジルコニア複合酸化物を混合してスラリーを調製し、前記スラリーを三次元構造体に塗布した後、前記燃焼分解温度に対して−150℃を超えて+50℃以下の温度で空気中で保持することを有し、前記スラリー中の前記空孔連結物質の含有量が、固形分換算で20質量%未満である、請求項1〜いずれか1項に記載のガソリンエンジン排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  6. 前記空孔連結物質がポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルエーテル、ポリメタクリル酸メチルおよびライススターチからなる群より選択される、請求項に記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の排気ガス浄化用触媒を用いてガソリンエンジンから排出される排気ガスを処理することを有する、ガソリンエンジン排気ガスの浄化方法。
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