JP6682781B2 - 制震建物および制震方法 - Google Patents

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本発明は、内部にボイド空間を有する外部建物と、外部空間のボイド空間内に構築された内部建物との間に制震部材を設けることにより構成された制震建物に関する。
従来より、高層建物では、地震力や風荷重による大きな水平力が入力されると、それに応じて、大きな変位が生じるため、柱や梁の本数を増やす、柱や梁の断面積を大きくする、または柱梁架構内に耐震壁を設ける等の方法により、耐震性を向上している。ところが、これらの方法では、建物の開口面積が減ったり、建物の居室空間が削られたりして、平面計画の妨げになるという問題があった。
そのため、本出願人らは、建物を構成するラーメン架構を有する外部建物内に、剛性が高く振動特性の異なる耐震壁やラーメン架構などの独立部材要素を独立して設け、この外部建物と独立部材要素との間を制震ダンパーにより接続した制震構造を提案している。このような制震構造によれば、外部建物と独立部材要素との変形モードが異なることを利用して、制震ダンパーにより効率よく振動エネルギーを吸収することができ、これにより外部建物の剛性を高くしなくても耐震性を向上できるので、前述のような問題を解消できる(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2009―19479号公報 特開2012―211506号公報
これら、特許文献1および2に記載された発明では、低コストで且つ高い耐震性能を有しており、外部建物の重心・剛心位置と、内部に設けた独立部材要素である連層耐震壁架構の重心・剛心位置を極力合わせることにより、お互いの建物におけるねじれの挙動が起こらないように工夫していた。
しかしながら、このように、外部建物と内部の連層耐震壁架構との重心・剛心位置を合わせるためには、非常に大きい平面形状(すなわち、大きな敷地面積)が必要となり、広い敷地面積を有する建物にのみ適用可能となっている。このため、近年のような狭小化する敷地事情を抱えた建物においては、適用することができず、このような狭小建物に適用可能な技術の開発が急務となっている。
そこで、本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、外部建物の内側に構造体を構築し、これらを制震部材により連結する制震建物を、狭小建物にも適用可能とすることを目的とする。
以上の課題を解決するべく、本発明に係る制震建物は、
内部に鉛直方向に延びる空間を有する外部建物と、
前記空間内に前記外部建物との間に前記外部建物と接する箇所が無いように隙間を設けて構築され、前記外部建物に比べて剛性の高い内部建物と、を備え、
前記外部建物と内部建物とは、制震部材のみによって接続され、
前記外部建物の重心と前記内部建物の重心との位置がずれており、前記制震部材による減衰力の合力が作用する減衰力位置を、前記内部建物の重心側より前記外部建物の重心側へ近づけるように、当該制震部材の配置または減衰能力が設定されている
ことを特徴とする。
また、前記制震部材は、
前記外部建物の重心位置に遠い側の配置数より、
前記外部建物の重心位置に近い側の配置数の方が多く設定されている
ことを特徴とする。
このとき、前記内部建物は、少なくとも一部が耐震壁を備えている壁構造であり、前記外部建物は、少なくとも一部がラーメン構造であってもよい。このとき、前記内部建物の壁厚が、前記外部建物の重心位置に近い側の壁厚と、遠い側の壁厚とで変更されていてもよい。
また、前記内部建物と前記外部建物とを接続する通路が設けられており、前記内部建物は、エレベータおよび階段を設けるためのスペースとして利用されていてもよい。さらに、前記内部建物は鉄筋コンクリート造、鉄骨コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造であってもよい。
また、前記内部建物は、前記外部建物に比べて高さが低くてもよい。この場合、前記前記外部建物は、前記内部建物の上方を覆うように設けられた架構を有してもよい。さらに、前記外部建物に支持されて前記内部建物の上方を覆う屋根を備えてもよい。
また、前記外部建物の梁剛性が、当該外部建物を単独の構造物とした場合に、この構造物が設計地震に対して自立し得ない大きさに設定されていてもよい。このとき、前記外部建物の少なくとも一部が無梁構造であってもよい。
さらに、前記内部建物と、前記外部建物とは、これらの低層階において、構造的に接続されていてもよい。
本発明の建物の制震方法は、
建物の制震方法であって、
内部に鉛直方向に延びる空間を有する外部建物と、
前記空間内に前記外部建物との間に前記外部建物と接する箇所が無いよう隙間を設けて構築され、前記外部建物に比べて剛性の高い内部建物と、
の間を、制震部材のみによって接続することにより前記建物を構成し、
前記外部建物の重心と前記内部建物の重心との位置がずれており、前記制震部材による減衰力の合力が作用する減衰力位置を、前記内部建物の重心側より前記外部建物の重心側へ近づけるように、当該制震部材の配置または減衰能力を設定する
ことを特徴とする。
なお、前述した建物は、内部に鉛直方向に延びる空間を有する外部建物と、前記空間内に前記外部建物との間に隙間を設けて構築され、前記外部建物に比べて剛性の高い内部建物と、前記外部建物と内部建物との間を接続するように設けられた制震部材と、を備える前記建物を設計し、前記外部建物の重心と前記内部建物の重心との位置がずれており、前記制震部材による減衰力の合力が作用する減衰力位置を、前記内部建物の重心側より前記外部建物の重心側へ近づけるように、当該制震部材の配置または減衰能力を設定する方法によって設計されることが好ましい。
本発明によれば、外部建物の内側に構造体を構築し、これらを制震部材により連結する制震建物を、狭小建物にも適用できる。
本実施形態の制震建物の構成を示す鉛直方向断面図である。 制震建物の制震ダンパーが取り付けられた階の水平方向断面図である。 制震建物の制震ダンパーが取り付けられていない階の水平方向断面図である。 制震建物の制震ダンパーが取り付けられた階の水平方向断面図である。 制震建物の制震ダンパーが取り付けられた階の水平方向断面図である。 梁剛性が必要梁剛性よりも低くなるような梁構造の例を示す図である。 他の実施形態による制震建物の制震ダンパーが取り付けられた階の水平方向断面図である。 従来の制震建物の制震ダンパーが取り付けられた階の水平方向断面図である。
以下、本発明に係る制震建物、制震方法およびその設計方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う制震建物、制震方法およびその設計方法もまた本発明の技術思想に含まれる。また、以下の実施形態では、図2〜図5および図7において、紙面上方を北側、下方を南側として説明する。
図1〜図5に示すように、本実施形態の制震建物10は、平面視略矩形状に形成された内部に上下方向に延びるボイド空間40を有する外部建物20と、外部建物20のボイド空間40内に構築された内部建物30と、を備えている。また、制震建物10は、外部建物20と内部建物30とを接続するように、ボイド空間40内の所定の高さ(換言すれば、外部建物20および内部建物30における所定の階の位置や、所定の階と階との間に跨る位置など)に設けられた制震部材としての複数の制震ダンパー41を備えている。
内部建物30は、外部建物20に比べて高さが低く、内部建物30の上部の空間は吹抜42となっている。外部建物20の頂部には、吹抜42の上部を覆うように屋根25が設けられており、ボイド空間40に雨が降りこむのを防ぎ、内部建物30の屋上部に設置された設備等が雨水により劣化するのを防いでいる。
外部建物20は高層建物からなり、その各階には、外周に沿って複数の住戸ユニット22が配置されると共に、各住戸ユニット22に面し、ボイド空間40を取り囲むように廊下24が配置されている。また、各階には、上下階を連絡するためのエレベータ26が廊下24に面して設けられている。外部建物20のボイド空間40は、自然換気を利用した換気や排気のスペースとして、また、共通室外機などの設備機器が設置され設備機器スペースとして利用される。
外部建物20は架構式構造からなり、一般的なラーメン架構に比べて、柱21や梁23の寸法が小さく形成されると共に、柱21間のスパンが広く、柱21および梁23の数が少ない。このため、外部建物20は一般的なラーメン架構に比べて剛性が低くなっている。また、外部建物20は、上述のように柱21および梁23が少ないため、従来の高層建物に比べて内部空間の設計の自由度を向上させることができると共に、各住戸ユニット22を開放的なものとすることができる。
内部建物30は壁式鉄筋コンクリート造の建物であり、外周壁32としてフリーウォール式の耐震壁が用いられた壁構造からなる。このように、内部建物30は外周壁32に耐震壁を用いることにより、外部建物20に比べて、剛性が高くなっている。従って、内部建物30は外部建物20に比べて固有周期が短いため、制震建物10に地震動などの外力が作用した場合、内部建物30は外部建物20とは異なる振動モードで振動する。
内部建物30の内部には、例えば立体駐車機31等を設置することができ、この立体駐車機31に車両が上下複数層に駐車可能となっている。なお、立体駐車機31への車両の出入りは、例えば、外部建物20の地上階に設けられた出入口を通して行われる。また、内部建物30の内部構成としては、本実施形態のような立体駐車機31を設けた立体駐車場に限らず、吹き抜け状態としても良いし、この他、種々の構成を広く適用することが可能となっている。
上述のように、内部建物30は、外周壁32を耐震壁としたため開口が少なく、また、外部建物20からのアクセスも制限されてしまうので、内部建物30を含めた制震建物10全体を住戸として利用する場合には居住性が損なわれてしまう問題がある。これに対して、本実施形態では、内部建物30を住戸からのアクセスが不要な立体駐車場として利用することにより、内部建物30の外周壁32を耐震壁により囲む構成としても、このような問題を生じることなく、内部建物30を有効利用できる。
また、立体駐車機31から騒音や振動が発生するが、上述のように、内部建物30は外周壁32を耐震壁とすることにより十分な遮音性能が確保されており、さらに、内部建物30と外部建物20との間に隙間であるボイド空間40が存在するため、外部建物20の住戸に騒音や振動が伝わるのを防止できる。
制震ダンパー41は、地震動などの外力が作用した場合に、外部建物20と内部建物30の変形差が大きくなるような階層において、内部建物30の四隅のうち、所定の隅部から水平に1方向または2方向に延びるように設けられ、外部建物20のボイド空間40に面する部分に接続されている。これにより、外力が作用することによって内部建物30に対して外部建物20が、水平方向何れの方向に相対移動しても、制震ダンパー41により振動エネルギーを吸収することができる。
このような制震ダンパー41としては、オイルダンパー、摩擦ダンパー、粘性ダンパー、粘弾性ダンパー、履歴型ダンパー、鋼製ダンパーまたはこれらを組み合わせたものを用いることができる。なお、本実施形態では、制震ダンパー41を平面的に配置するものとしたが、内部建物30と外部建物20の異なる高さの位置を結ぶように設置することもできる。また、図2との対応部分に同一符号を付した図3に示すように、階によっては、外部建物20と内部建物30との間に制震ダンパー41が設けられていないところも存在する。
本実施形態の制震建物10に外力が作用すると、前述のように外部建物20に比べて内部建物30の剛性が高いため、外部建物20および内部建物30は、異なる振動モードで振動する。この際、前述のように、制震ダンパー41が外部建物20と内部建物30の変形差が大きくなるような位置を接続するように取り付けられているため、制震ダンパー41により効率よく振動エネルギーを吸収することができる。
また、内部建物30を鉄筋コンクリート造とし、外周壁に耐震壁を用いることにより、内部建物30に十分な剛性を持たせることができる。これにより、外力が作用した際に、内部建物30および外部建物20が異なる周期で振動することとなり、制震ダンパー41により効率よく振動エネルギーを吸収することができる。このため、十分な耐震性を確保するために外部建物20に高い剛性を持たせる必要がなく、外部建物20の柱21や梁23の数を少なくすると共に、各部材の径を細くすることができ、住戸ユニット22を開放的なものとし、居住性を向上することができる。
ところで、本実施形態の場合、制震建物10は、外部建物20の中心よりやや北側に内部建物30が配置されており、外部建物20の重心P1は外部建物20の中心よりやや南側に位置しているため、内部建物30の重心P2との位置がずれている。このとき、外部建物20は前述の通り架構式構造からなり、その重心P1と剛心Q1との位置が、それぞれ外部建物20の中心よりやや南側に位置しており、かつ、これら重心P1と剛心Q1との位置がずれている。また、内部建物30は前述の通り壁構造からなり、この場合、上下左右が対称であることから、重心P2と剛心Q2との位置が一致している。
本実施形態のように、外部建物20の重心P1と内部建物30の重心P2との位置がずれている制震建物10の場合、地震動などの外力が作用すると、当該制震建物10は制震ダンパー41の減衰力により、外部建物20の重心P1が慣性力による捩りモーメントによって、剛心Q1を中心として振られる方向に捩れる特性を有している。例えば、図2との対応部分に同一符号を付した図8に示す従来の制震建物110のように、制震ダンパー41を内部建物30の四隅より2方向に延び、外部建物20のボイド空間40に面する部分に均等に配置した場合、内部建物30の重心P2と剛心Q2との一致した位置に、制震ダンパー41による減衰力の合力が作用する減衰力位置Rが位置することになる。そのため、このように、制震ダンパー41を従来の配置とした制震建物110では、外部建物20が重心P1の剛心Q1を中心とする捩りモーメントによって捩れてしまう虞があった。そこで、制震建物10では、制震ダンパー41による減衰力位置Rを、内部建物30の重心P2側より外部建物20の重心P1側へ近づけるように、当該制震ダンパー41の配置または減衰能力を設定するようにした。
このとき、内部建物30の外周壁32には前述の捩れが作用するが、外周壁32を耐震壁とすることにより十分な捩れ剛性が確保されているため、制震建物10における制振効果への影響はない。なお、内部建物30の外周壁32を均一な壁厚で構成した場合、その最下層において、南面の負担せん断力が北面の約1.2倍となる。そのため、内部建物30の北側と南側とで外周壁32の壁厚を変更(例えば、北面650mm,南面750mm)することにより、前記せん断力を平均化することが可能となっている。
具体的に、制震建物10において、制震ダンパー41による減衰力位置Rは、制震建物10の北側における制震ダンパー41の配置の比率を「1」とし、南側における制震ダンパー41の配置の比率を「x」とすると、北:南=x:1に位置している。一方、本実施形態における外部建物20の重心P1の位置は、外部建物20の形状および重量の設定条件により、制震建物10の北側からの距離:南側からの距離=7.725m:1.725mの位置になることが別途算定される。その場合、減衰力位置Rを内部建物30の重心P2側より外部建物20の重心P1の位置に近づけるには、x:1=7.725m:1.725mとすれば良いことから、x=4.478となるので、北:南=1:4.478、すなわち、北:南=1:5の比率で制震ダンパー41を配置すれば良いことがわかる。これに基づき、本実施形態の制震建物10では、階数によって、図2〜図5に示すように制震ダンパー41の配置を調整し、制震建物10全体として、北:南=1:5の比率で制震ダンパー41を配置するようにした。換言すれば、制震ダンパー41を制震建物10全体として、外部建物20の重心P1の位置に遠い北側の配置数より、外部建物20の重心P1の位置に近い南側の配置数の方が多くなるように配置している。なお、制震ダンパー41は階によって異なる配置としても良いし、同様の配置としても良い。要は、制震建物10全体として、北:南=1:5の比率で配置するものであれば、その配置は種々の態様を広く適用できる。また、そのとき、制震ダンパー41は同一減衰力のものを用いても良いし、異なる減衰力のものを混在させても良い。
これにより、外力が作用することにより内部建物30に対して外部建物20が、水平方向何れの方向に相対移動しても、制震ダンパー41により振動エネルギーを吸収することができる上、2つの建物20,30の重心がずれている場合に、減衰力の作用位置をずれた方向に近づけることで、外部建物20の捩れを効果的に抑制でき、制震建物10の制震効果を向上させることができる。なお、ここでは、制震ダンパー41の配置の比率を、制震建物10の北側と南側とで増減させることで、制震ダンパー41による減衰力位置Rを、内部建物30の重心P2側より外部建物20の重心P1側へ近づけるようにした場合について述べたが、当該制震ダンパー41の減衰能力を調整することによって、減衰力位置Rを、内部建物30の重心P2側より外部建物20の重心P1側へ近づけるように、制震ダンパー41を設けるようにしても良い。
また、外部建物20のように、重心P1と剛心Q1との位置がずれている建物に対して、地震動などの外力が作用すると、当該外部建物20は制震ダンパー41の減衰力により、重心P1が慣性力による捩りモーメントによって、剛心Q1を中心として振られる方向に捩れる特性を有している。そのため、外部建物20では、外部建物20の柱21や梁23の配置や強度を調整することで剛心Q1の位置を重心P1側へ変更したり、前述のように制震ダンパー41の配置や減衰能力を調整することで重心P1と剛心Q1との間の位置に、前記減衰力位置Rを配置したりすることが好ましい。これにより、外部建物20における前述のような捩れを抑制できる。
ところで、上記実施形態では、外部建物20の柱梁の数や寸法を少なくすることにより、外部建物20の剛性を低下させて固有周期を長周期化させることにより制震建物10の制震効果を向上していが、特に、外部建物20の梁の剛性を低下させることにより、外部建物20の剛性を低下させて、固有周期を長周期化させることも可能である。
一般的なラーメン架構を用いて独立した超高層建物を構築する場合には、設計用地震荷重が作用しても、これに耐え得る建物の耐震性が得られるような梁剛性(以下、必要梁剛性という)を確保することが必要である。なお、設計用地震荷重とは、構造設計の際に、十分な耐力を有するかどうかを検討するために用いられる地震荷重である。
これに対して、内部建物30および外部建物20を制震ダンパー41で結ぶことにより、内部建物30および外部建物20の耐震性が向上され、外部建物20の剛性を低下させることが可能となり、外部建物20の梁剛性を必要梁剛性よりも低くしても、建物全体として設計用地震荷重が作用してもこれに耐え得るような耐震性を持たせることができる。このため、外部建物20の梁構造として、例えば、図6(A)に示すような無梁構造50や、同図(B)に示すような梁せいがスラブ厚と同じような梁構造51や、同図(C)に示すような梁せいが非常に小さい梁構造52を採用することが可能となる。
このような梁構造を採用することにより、外部建物20の剛性が必要梁剛性より低くし、固有周期を長くすることができるので、建物全体としての制震効果が向上し、地震時の変形を小さくすることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、外力が作用することにより内部建物30に対して外部建物20が、水平方向何れの方向に相対移動しても、制震ダンパー41により振動エネルギーを吸収することができる上、2つの建物の重心がずれている場合に、減衰力の作用位置をずれた方向に近づけることで、外部建物20の捩れを効果的に抑制でき、制震建物10の制震効果を向上させることができる。よって、外部建物20の内側に構造体としての内部建物30を構築し、これらを制震ダンパー41により連結する制震建物10を、狭小建物にも適用できる。
また、内部建物30を住戸に比べて比較的に開口が少なくてもよい駐車場として利用することにより、内部建物30の構造として大断面の鉄筋コンクリート造の柱梁架構を採用することができる。また、駐車場は居住空間とアクセス不要であるため、外周壁などに開口を設ける必要がなく、外周壁として無開口の耐震壁を用いることができる。このように、内部建物30を鉄筋コンクリート造の大断面の柱梁架構によって構成することにより、内部建物30に低コストで高い剛性を持たせることができる。また、立体駐車場は騒音源となるが、内部建物30の外周壁を耐震壁とし、また、内部建物30は外部建物20に対して独立して設けられるため、外部建物20への振動および騒音を遮断することが可能となる。
なお、本実施形態では、内部建物30を鉄筋コンクリート造として内部建物30の剛性を高める構成としたが、これに限らず、鉄骨コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造としてもよい。また、内部建物30の柱梁架構にブレース材を組み込むことにより、内部建物30の剛性を高めてもよく、要するに、外部建物20よりも高い剛性を有し、低コストで作成することができればよい。
また、本実施形態では、内部建物30を外部建物20よりも高さが低いものとしたが、これに限らず、同程度の高さにしても良く、また、外部建物20よりも高くしてもよい。
また、本実施形態では、内部建物30の外壁に開口を設けていないが、これに限らず、開口を設けて、外部建物20との間に足場を渡して、内部建物30と外部建物20との間で移動可能にしてもよい。このようにすれば、内部建物30に階段やエレベータなどの共用施設を設けたり、倉庫として利用したりすることもできる。
また、上記実施形態では、内部建物30および外部建物20を夫々独立して構築するものとしたが、これに限らず、これらの建物20、30の低層階において、構造的に接続することも可能である。
ここで、本発明の別の実施形態について説明する。具体的に、図2〜5との対応部分に同一符号を付した図7は本発明の別の実施形態である制震建物100を示す図である。同図に示すように、本実施形態の制震建物100では、外部建物20が内部建物30を平面視凹状に囲むように配置されていることを除き、前述した制震建物10とほぼ同様に構成されている。この場合も前述した実施形態と同様に、制震ダンパー41を外部建物20の重心P1の位置に遠い側の配置数より、外部建物20の重心P1の位置に近い側の配置数の方が多くなるように配置し、制震ダンパー41による減衰力の合力が作用する減衰力位置Rを、内部建物30の重心P2側より外部建物20の重心P1側へ近づけるように、当該制震ダンパー41の配置または減衰能力を設定する。これにより、外力が作用することにより、内部建物30に対して外部建物20が水平方向何れの方向に相対移動しても、制震ダンパー41により振動エネルギーを吸収することができる上、2つの建物20,30の重心がずれている場合に、減衰力の作用位置をずれた方向に近づけることで、外部建物20の捩れを効果的に抑制でき、制震建物100の制震効果を向上させることができる。
内部建物30および外部建物20を高層化した場合には、内部建物30に外力が作用すると、建物の下層部分に非常に大きな転倒モーメントが生じることとなる。これに対して、本実施形態では、前述のように内部建物30および外部建物20の低層階の部分を構造的に接合しているため、内部建物30および外部建物20の低層階が一体となってこの外力に抵抗することとなり、転倒モーメントが作用することにより基礎に生じる引抜力および圧縮力を軽減することができる。
また、内部建物30に外力が作用した場合には、下層階ほど大きなせん断力が作用することとなる。これに対しても、内部建物30および外部建物20の低層階を構造的に一体とすることで、このせん断力を外部建物20にも負担させることが可能となり、内部建物30および外部建物20の低層階が一体となってせん断力に抵抗することが可能となる。
また、前述のように内部建物30を立体駐車場として利用する場合には、内部建物30の下層階に車両の出入りのための開口を設ける必要がある。このように内部建物30の下層階に開口を設けると、内部建物30の剛性が低下してしまうため、外部建物20と内部建物30の固有周期の差が小さくなり、その結果、制震ダンパー41によるエネルギー吸収能力が低下する。しかしながら、本実施形態では、立体駐車場からの出入りのための開口を外部建物20と構造的に接続された低層階に設けることにより、開口を設けることによる内部建物30の剛性の低下を防止することができ、これにより、制震ダンパー41によるエネルギー吸収能力が低下することを防ぐことができる。
また、前述した実施形態では、外部建物20の上端に掛け渡すように屋根25を設けた場合について説明したが、これに限らず、例えば、外部建物20の上部をボイド空間40の上部を閉塞するように構築し、外部建物20の上部により内部建物30の上方を覆う構成としてもよい。かかる構成によってもボイド空間40内に雨水が入りこむのを防止できる。また、必ずしも、外部建物20の上端高さにおいて内部建物30の上方を覆う必要はなく、例えば、直上の高さなど、外部建物20の上端よりも低い高さ位置において内部建物30の上方を覆う構成としてもよい。また、前述した実施形態のように、屋根25を設ける場合においても、外部建物20の上端高さに限らず、外部建物20の上端よりも低い高さに設けてもよい。
さらに、外部建物20およびまたは内部建物30は、平面視略矩形状や凹状に限ることはなく、この他、種々の形状を広く適用することができる。
10,100,110 制震建物
20 外部建物
21 柱
22 住戸ユニット
23 梁
24 廊下
25 屋根
26 エレベータ
30 内部建物
31 立体駐車機
40 ボイド空間
41 制震ダンパー
42 吹抜
P1,P2 重心
Q1,Q2 剛心
R 減衰力位置

Claims (3)

  1. 内部に鉛直方向に延びる空間を有する外部建物と、
    前記空間内に前記外部建物との間に前記外部建物と接する箇所が無いように隙間を設けて構築され、前記外部建物に比べて剛性の高い内部建物と、を備え、
    前記外部建物と内部建物とは、制震部材のみによって接続され、
    前記外部建物の重心と前記内部建物の重心との位置がずれており、前記制震部材による減衰力の合力が作用する減衰力位置を、前記内部建物の重心側より前記外部建物の重心側へ近づけるように、当該制震部材の配置または減衰能力が設定されている
    ことを特徴とする制震建物。
  2. 前記制震部材は、
    前記外部建物の重心位置に遠い側の配置数より、
    前記外部建物の重心位置に近い側の配置数の方が多く設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の制震建物。
  3. 建物の制震方法であって、
    内部に鉛直方向に延びる空間を有する外部建物と、
    前記空間内に前記外部建物との間に前記外部建物と接する箇所が無いよう隙間を設けて構築され、前記外部建物に比べて剛性の高い内部建物と、
    の間を、制震部材のみによって接続することにより前記建物を構成し、
    前記外部建物の重心と前記内部建物の重心との位置がずれており、前記制震部材による減衰力の合力が作用する減衰力位置を、前記内部建物の重心側より前記外部建物の重心側へ近づけるように、当該制震部材の配置または減衰能力を設定する
    ことを特徴とする建物の制震方法。
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