JP6669384B2 - 液体吐出装置及び液体吐出装置の制御方法 - Google Patents
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Description
液体タンクとして、液体を補充する形式の液体タンクが知られている。このような液体タンクと液体残量算出手段とを備えた液体吐出装置では、液体がなくなったとき、ユーザーは液体タンクの貯蔵量が最大貯蔵量に達するまで液体を補充する必要がある。これは以下の理由による。液体残量算出手段は、液体タンク内の液体残量を、最大貯蔵量から推定使用量を差し引いた差分として求める。さらに、液体残量算出手段は、液体タンクに液体が補充されたとき、液体の推定使用量をゼロにリセットする。これは、液体タンクには、通常、最大貯蔵量まで液体が補充されるという前提に基づいている。最大貯蔵量まで液体が補充されない場合、液体残量を正しく算出することができない。
しかしながら、ユーザーの手元に十分な量の液体がない場合、最大貯蔵量まで液体を補充できないことがある。この場合、液体残量算出手段は液体残量を正しく算出することができない。液体残量算出手段を信頼するユーザーは、液体タンクの液体残量がゼロになったことを認識できず、液体タンクの液体残量がゼロになった後も液体吐出装置を使用し続ける可能性がある。これによって、液体吐出装置を適切に保護することができなくなる可能性が高まる。
本発明によれば、操作部で行われる操作に基づき、推定手段を無効化することができる。このため、ユーザーが誤って推定手段を信頼する可能性が低減し、液体吐出装置を適切に保護することができることが可能となる。
図1は本発明の第1の実施形態におけるインクジェット記録装置の主要部を示す斜視図である。インクジェット記録装置11は、キャリッジ12に保持された記録ヘッド13と、記録ヘッド13へインクを供給するインク流通路14と、インクを収容するインクタンク15とを備えている。本実施形態では、それぞれが別々の色に対応した4つのインクタンク15が設けられ、各インクタンク15はインクを補充可能なタイプである。インクタンク15に貯蔵されているインクはインク流通路14を介して記録ヘッド13に供給され、記録ヘッド13から吐出させられる。インクジェット記録装置11は、シートを給紙する給紙ローラ(不図示)と、シートを搬送する搬送ローラ16と、シートをインクジェット記録装置11の外部へ排紙する排紙ローラ(不図示)とを備えている。
図2(a)に示すように、インクジェット記録装置11は、スキャナユニット41を備えている。インクを補充するときは、図2(b)に示すように、ユーザーがスキャナユニット41を回動させ、インクジェット記録装置11の内部を開放する。図2(c)に示すように、タンクカバー42は、バルブ24の操作部とインクタンク15のインク補充口21のカバーを兼ねている。そこで、タンクカバー42を回動させ、インク補充口21を露出させるとともにバルブ24を閉止状態とする。その後、タンクキャップ22を取り外し、不図示のインクボトルからインクタンク15にインクを補充する。インクの補充後、タンクキャップ22を取り付け、タンクカバー42を閉じる。これによってバルブ24が作動可能な状態となり、インクタンク15からインク流通路14にインクを送出することが可能となる。その後、ユーザーはスキャナユニット41を元の位置まで回動させる。
ホストコンピュータ214には、ユーザーによって記録動作の実行が命令されたときに、記録画像や記録画像品位等の記録情報をインクジェット記録装置11との間でやりとりするための記録装置ドライバ2141が設けられている。MPU201は、インターフェース(I/F)部213を介して、ホストコンピュータ214と記録画像等のやり取りを実行する。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置11では、インクの残量はインク残量算出手段2011とインクタンク15の窓18によって検知することができる。
ステップS1では、インク残量算出手段2011が、インクジェット記録装置11のソフトパワーオン時、スキャナユニット41の閉止時、ヘッドクリーニングの終了時、各シートの排紙終了時に、インクの推定使用量を算出する。MPU201は、インクの推定使用量が閾値を超えたか否かを判定する。推定使用量が閾値を超えた場合はステップS2に進む。推定使用量が閾値を超えていない場合は「開始」に戻り、次回のタイミングでインクの推定使用量が算出されるのを待つ。なお、推定使用量が閾値を超えたか否かを判定する代わりに、インク残量の推定値が所定の閾値を下回るかどうかを判定してもよい。
ユーザーの手元に、インクタンク15に最大貯蔵量まで補充する量のインクがない場合は、第2のエラー解除方法を選択することにより、インク残量算出手段2011が誤作動する可能性をなくすことができる。つまり、ユーザーは手元にあるインクの量に応じて、インク残量算出手段2011の作動、無効化を選択することが可能になる。
なお、本実施形態では物理的に構成されたインク残量検知センサが設けられていないが、このようなインク残量検知センサが設けられている場合でも、上述したインク残量管理方法を実行することは可能である。特に、インク残量検知センサが故障したときなどに、一時的に上述のインク残量管理方法を実行することが考えられる。
以下に第2の実施形態について説明する。前述した実施形態と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態では、制御部は、入力手段2112からの信号に基づき、インク残量算出手段2011の状態を、上述した第1の状態若しくは第2の状態、または第3の状態に設定する。第3の状態は、第1の状態と同様、インク残量算出手段2011が作動する状態である。しかし、第3の状態が設定されたときには、インク残量算出手段2011はインクの推定使用量を、インクタンク15の最大貯蔵量より小さい所定のインク貯蔵量(液体貯蔵量)に対応した値に設定する。
ステップS4で、MPU201は、入力手段2112から送られた信号に基づき、ユーザーが第3のエラー解除方法を選択したと判定する。
ステップS5では、MPU201はインク残量算出手段2011の状態を、インク残量算出手段2011が作動する第1の状態に設定する。従って、インク残量算出手段2011は作動状態のままである。
ステップS6では、ユーザーは図2を参照して説明した手順に従い、インクをインクタンク15の中間の貯蔵量まで補充する。本実施形態では、インクタンク15の窓18の上限の目盛り17aと下限の目盛り17bの中間の位置に中間目盛り(図示せず)が付されている。ユーザーはこの中間目盛りまでインクを補充する。インク残量算出手段2011はその後、インクがインクタンク15に中間の貯蔵量まで補充されたことを前提に、インクの推定使用量として最大貯蔵量の半分の値を設定する。すなわち、ここでは最大貯蔵量の半分のインクが既に消費されたものと想定している。
インクの推定使用量は最大貯蔵量の1/2だけでなく,1/4,3/4、1/3,2/3など様々に設定することができる。インクの推定使用量は最大貯蔵量の1/2の1点だけでなく、複数の点を設定することができる。これに応じてインクタンク15の目盛りとエラー解除方法を追加することができる。
以下に第3の実施形態について説明する。前述した実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第3の実施形態では、インク残量エラーの発生前に、ユーザーがインクを補充する。ステップS1,S2は実行されず、ユーザーの判断によりステップS3が実行される。
ステップS3では、ユーザーはインクタンク15の窓18を通してインクが少なくなったことを確認した後、インクをインクタンク15の最大貯蔵量(上限の目盛り17a)まで補充する。本実施形態ではインク残量エラーは発生していないが、ユーザーは第1及び第2の実施形態と同様に解除キーを操作する。入力手段2112(本実施形態では解除キー)はユーザーの命令が入力されるとともに、命令に基づき所定の信号を発生させる。
ステップS4で、MPU201は、入力手段2112から送られた所定の信号に基づき、インク残量算出手段2011の状態を、インク残量算出手段2011が作動する第1の状態またはインク残量算出手段2011が無効化された第2の状態に設定する。
本実施形態でも、第2の実施形態のように3以上のエラー解除方法を設定することができる。
以下に第4の実施形態について説明する。前述した実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第1の実施形態では、解除キーの押下時間に応じてエラー解除方法が選択され、選択されたエラー解除方法に基づきインク残量算出手段2011の状態が設定された。これに対して本実施形態では、カラー印刷を開始するためのカラースタートボタン(図示せず)を押下したときに第1のエラー解除方法が選択される。また、モノクロ印刷を開始するためのモノクロスタートボタン(図示せず)を押下したときに第2のエラー解除方法が選択される。エラー解除方法の選択に用いられるボタンは他のボタンまたはキーでもよく、タッチパネル内に表示されたボタンでもよい。すなわち、本実施形態では、入力手段2112は少なくとも2つの操作部2113を有しており、MPU201はどの操作部2113が操作されたかによって、インク残量算出手段2011の状態を設定する。
以下に第5の実施形態について説明する。前述した実施形態と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態では、操作された操作部2113の個数によってインク残量算出手段2011の状態を設定する。モノクロスタートボタンとカラースタートボタンを押した場合、第1のエラー解除方法が選択される。モノクロスタートボタンまたはカラースタートボタンだけを押した場合、第2のエラー解除方法が選択される。複数のボタンを押す場合において、押す順番を規定することもできる。例えば、モノクロスタートボタン、カラースタートボタンの順に押した場合、第1のエラー解除方法が選択され、カラースタートボタン、モノクロスタートボタンの順に押した場合、どのエラー解除方法も選択されないようにすることができる。
15 インクタンク(液体タンク)
201 MPU(制御部)
2011 液体残量算出手段
2112 入力手段
Claims (8)
- 液体を補充可能な液体タンクと、
前記液体タンクに貯蔵されている液体を吐出する吐出動作を行う液体吐出ヘッドと、
前記液体タンク内の液体の使用量を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された使用量の推定値が第1閾値を超えた場合にエラーを報知する報知手段と、
前記推定値が前記第1閾値を超えた場合に前記吐出動作を停止する制御部と、
ユーザーにより操作可能な操作部と、を備える液体吐出装置であって、
前記制御部は、前記操作部に第1操作が行われた場合は、前記推定値をリセットし、前記推定手段を有効のままとして、前記吐出動作を許容し、前記操作部に前記第1操作と異なる第2操作が行われた場合は、前記推定手段を無効化して前記吐出動作を許容することを特徴とする液体吐出装置。 - 前記第1操作は前記操作部を所定時間以上の時間押す動作であり、前記第2操作は前記操作部を前記所定時間より短い時間押す動作であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記操作部は第1解除キーと第2解除キーを含み、前記第1操作は前記第1解除キーを押す動作であり、前記第2操作は前記第2解除キーを押す動作であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記操作部に前記第1操作及び前記第2操作と異なる第3操作が行われた場合、前記報知手段は前記推定値が前記第1閾値よりも少ない第2閾値を超えた場合にエラーを報知することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記報知手段は、前記液体吐出装置がソフトパワーオンされたときに前記推定値が前記第1閾値を超えている場合にエラーを報知することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- 前記液体タンクへの液体の補充が可能な位置に回動可能なスキャナユニットを備え、
前記報知手段は、前記スキャナユニットが閉じられたときに前記推定値が前記第1閾値を超えている場合にエラーを報知することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。 - 前記液体吐出ヘッドにより記録が行われた記録媒体を排出する排出手段を備え、
前記報知手段は、前記排出手段による記録媒体の排出終了時に前記推定値が前記第1閾値を超えている場合にエラーを報知することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。 - 液体を補充可能な液体タンクと、前記液体タンクに貯蔵されている液体を吐出する吐出動作を行う液体吐出ヘッドと、ユーザーにより操作可能な操作部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、
前記液体タンク内の液体の使用量を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された使用量の推定値が第1閾値を超えた場合にエラーを報知する報知工程と、
前記推定値が前記第1閾値を超えた場合に前記吐出動作を停止する停止工程と、
前記停止工程の後に前記操作部に第1操作が行われた場合は、前記推定値をリセットし、前記推定工程を有効のままとして、前記吐出動作を許容する第1解除工程と、
前記停止工程の後に前記操作部に前記第1操作と異なる第2操作が行われた場合は、前記推定工程を無効化して前記吐出動作を許容する第2解除工程と、を有することを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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