以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図70を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)1に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機1の正面図であり、図2はパチンコ機1の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機1の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機1の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機1においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機1の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機1においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機1の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、第2スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機1の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640および第3入賞口82へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640および第3入賞口82へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機1が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機1の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機1では、第1入賞口64,第2入賞口640,第3入賞口82,のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機1は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機1が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物640a及び第2電動役物82aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物640aおよび第2電動役物82を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640、第3入賞口82のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機1では、球が第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機1は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640および第3入賞口82に付随された第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640および第3入賞口82の第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640および第3入賞口へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物640aおよび第2電動役物82aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の左側の領域において遊技盤に組み付けられ、第2スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66および第2スルーゲート67は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。また、第1入賞口64の正面視右方には、第3入賞口82が配設されている。これら、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口640,第3入賞口82は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には第1電動役物640aが付随されている。この第1電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
また、第3入賞口82には第2電動役物82aが付随されている。この第2電動役物82aは開閉可能に構成されており、通常は第2電動役物82aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第3入賞口82へと入賞しにくい状態となっている。一方、第2スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第2電動役物82aが開放状態(拡大状態)となり、球が第3入賞口82へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物640aおよび第2電動役物82aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640および第3入賞口82へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640および第3入賞口82にあるような第1電動役物640aおよび第2電動役物82aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640および第3入賞口82に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640および第3入賞口82に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2スルーゲート67に球を通過させることで、第3入賞口82に付随する第2電動役物82aが開放状態となりやすく、第3入賞口82に入賞しやすい状態であるので、第3入賞口82へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2スルーゲート67を通過させて第2電動役物82aを開放状態にすると共に、第3入賞口82への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、パチンコ機1の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
なお、上記した形態に限らず、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67のどちらかは、球が通過した場合、第2図柄とは別の図柄の当たり抽選をしてもよく、その別の図柄の抽選によって、第3入賞口82に付随する第2電動役物82aまたは、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放状態に変位するものとしてもよい。この場合、第1スルーゲート66と第2スルーゲート67に球が通過することで抽選する図柄は異なるため、第1スルーゲート66および第2スルーゲート67を球が通過して開放する電動役物はどちらか一方ずつに選択されることになる。
これにより、例えば、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放するとした場合、球を右打ちして第2スルーゲート67を通過させると、第2図柄が抽選され、第2図柄の抽選に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放し、球を左打ちして第1スルーゲート66を通過させると、第2図柄とは別の図柄が抽選され、第2図柄とは別の図柄に当たりが選択されると第1電動役物640aが開放する遊技状態とできる。
よって、確変中に第2図柄の抽選が当たり易い遊技状態とし、時短中には第2図柄とは別の図柄が当たりやすい遊技状態とすると、確変中は、右打ちして第2スルーゲート67を通過させ第2電動役物82aを開放して球を入賞させ易い遊技状態と、時短中は、左打ちして第1スルーゲート66を通過させ第1電動役物を開放して球を入賞し易い遊技状態にできる。そのため、通常中と時短中と確変中の遊技状態をそれぞれ違った遊技状態にできるので、遊技者にそれぞれの遊技状態を楽しませることができる。
また、他には、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放するとした場合、球を右打ちして第2スルーゲート67を通過させると、第2図柄とは別の図柄が抽選され、第2図柄とは別の図柄の抽選に当たりが選択されると第1電動役物640aが開放し、球を左打ちして第1スルーゲート66を通過させると、第2図柄が抽選され、第2図柄に当たりが選択されると第2電動役物82aが開放する遊技状態にもできる。
この場合は、確変中および時短中にかかわらず、右打ちして球が第2スルーゲート67を通過すると第1電動役物を開放し、球を第2入賞口640に入賞し易い遊技状態と、左打ちして球が第1スルーゲート66を通過すると第2電動役物82aを開放し球を第3入賞口82に入賞し易い遊技状態とできる。よって、遊技者は、右打ちから左打ちまたは、左打ちから右打ちといった打ち方の変更をする必要がある。そのため、遊技者に対して、随時打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機1においては、第1入賞口64,第2入賞口64,第3入賞口82,のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の上方右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機1を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機1の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機1の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機1の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機1の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機1の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5は、パチンコ機1の正面斜視図であり、外枠2に対して内枠4及び前扉5とが開放された状態(前方へ回転された状態)が図示される。なお、図5では、パチンコ機1の遊技領域PE内の構成が省略して図示される。
図5に示すように、パチンコ機1は、パチンコ機1の外殻を形成する外枠2(枠部材)と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機1は、外枠2を島設備に取り付け固定することにより、遊技施設に設置される。
遊技機主部3は、ベース体としての内枠4(背面ユニット)と、その内枠4の前方に配置される前扉5と、内枠4の後方に配置される裏パックユニット6とを備えている。遊技機主部3のうち内枠4が外枠2に対して回動可能に支持されている。詳細には、パチンコ機1の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として、内枠4が回動基端側の上下方向を回動軸として外枠2に対して前方へ回動可能とされている。
内枠4には、前扉5が回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として、前扉5が回動基端側の上下方向を回動軸として内枠4に対して前方へ回動可能とされている。また、内枠4には、裏パックユニット6が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
前扉5は、内枠4における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉5には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部5cが形成されている。窓部5cは、正面視円形をなし、透明性を有するガラス8が嵌め込まれている。
より詳しくは、前扉5は、窓部5cを囲むようにして設けられたガラスホルダ9を有している。ガラスホルダ9は、前扉5の背面から後方に張り出しており、窓部5cの左右の縁部に沿って上下に延びる縦ホルダ部9a,9bとそれら両縦ホルダ部9a,9bの下端部を繋いで左右に延びる横ホルダ部9cとを有してなる。各ホルダ部9a〜9cには、前後に並設された2条の溝部が形成されている。縦ホルダ部9a,9bの溝部は上方及び互いに向き合う側(すなわち窓部5cの中央側)に開放されており、横ホルダ部9cの溝部は、上方に開放されているとともに、両縦ホルダ部9a,9bの溝部に対して連なっており、それら各溝部に対してガラス8が嵌まることで、遊技領域PEが内外2重に覆われた状態となっている。
前扉5の背面には、通路形成ユニット160が取り付けられている。通路形成ユニット160は、合成樹脂により成形されており、上皿17に通じる前扉側上皿通路161と、下皿50に通じる前扉側下皿通路162とが形成されてなる。通路形成ユニット160において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部163が形成されており、当該受口部163を仕切壁164によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路161と前扉側下皿通路162の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路161及び前扉側下皿通路162は上流側が遊技球分配部(図示せず)に通じており、前扉側上皿通路161に入った遊技球は上皿17に導かれ、前扉側下皿通路162に入った遊技球は下皿50に導かれる。
前扉5の背面における回動先端側(図5左側)には、後方に延びる鉤部材166(166a〜166c)が上下方向に複数並設されている。これら鉤部材166が内枠4に配設された鉤受け部材(図示せず)に係合されることで、内枠4に対する前扉5の施錠機構を構成する。また、内枠4の回動先端側(図5右側)と相対する外枠2の右側部には、鉤受け部材2a,2bが外枠2の上部および下部にそれぞれ配設されている。これら鉤受け部材2a,2bは外枠2に対する内枠4の施錠機構を構成する。
内枠4は、外形が外枠2とほぼ同一形状をなす樹脂ベース140を主体に構成されている。樹脂ベース140前面の略中央部分には、遊技盤13を収容する遊技盤収容部141が形成されている。遊技盤収容部141は、樹脂ベース140の背面側(後方)に凹み、遊技盤13を収容する収容空間を区画しており、前扉5に取り付けられた遊技盤13がその空間に収容された状態となる。遊技盤13は、木製の合板とその合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が樹脂ベース140の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤13の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
遊技盤13には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口、可変入賞装置、作動口、スルーゲート及び可変表示ユニット等がそれぞれ設けられている。一般入賞口、可変入賞装置及び作動口に遊技球が入ると、それら遊技球が検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤13の最下部には第1アウト口71が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球は第1アウト口71を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤13には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成(図示せず)によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
ここで、樹脂ベース140における遊技盤収容部141の下方には、操作ハンドル51の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構142が設けられている。より詳しくは、樹脂ベース140において遊技盤収容部141の下方には遊技球発射機構142を設置する遊技球発射機構143が形成されている。
遊技球発射機構143に設置された遊技球発射機構142は、内枠4の回動先端寄りに位置している。遊技球発射機構142は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイドと、同ソレノイドによって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レールと、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構と、それら各種構成が装着されているベースプレートとを主要な構成として備えており、同ベースプレートが樹脂ベース140に対してネジ止めされることで内枠4に対して一体化されている。
遊技球発射機構142(詳しくはソレノイド)は、電源及び発射制御装置(図示せず)に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイドの出力軸が伸縮方向、すなわち発射レールのレール方向に移動し、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域PE、詳しくは遊技盤13に装着された誘導レール75に向けて打ち出される。
誘導レール75は、遊技球を誘導すると共に遊技領域PEを区画するための部材である。誘導レール75は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された2つのレール(外レール77及び内レール76)で挟まれた領域によって遊技球の案内通路75aが形成されている。案内通路75aは、発射レールの先端側(遊技盤13の下端側)に開放された入口部分75bと、遊技領域PEの上部に位置する出口部分75cとを有している。ソレノイドの動作に基づいて遊技球発射機構142から発射された遊技球は、発射レール(内枠4)→案内通路75a(入口部分75b→出口部分75c)の順に移動することにより、誘導レール75で区画された遊技盤13の遊技領域PEに導かれる。
内枠4に配設された発射レール(遊技球発射機構142)と誘導レール75は、誘導レール75の入口部分75bと発射レールの先端部分とが遊技盤13の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レールは、誘導レール75の入口部分75b(詳しくは特定部位)と発射レールの先端部分とが遊技盤13の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レールを遊技盤13の下端縁に近づけつつ、誘導レール75の入口部分75bと発射レールとの間には所定間隔の隙間が形成されている。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路165(図2参照)が配設されている。ファール球通路165は前扉5の通路形成ユニット160に一体成形されている。仮に、遊技球発射機構142から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として案内通路75a内を逆戻りする場合には、ファール球が上記隙間を介してファール球通路165内に入ることとなる。ファール球通路165は前扉側下皿通路162に通じており、ファール球通路165に入った遊技球は、下皿50(図1参照)に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース140において発射レールの左方には、樹脂ベース140を前後方向に貫通させて通路形成部144が設けられている。通路形成部144には本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有してなり、それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、遊技球分配部に通じている。また、通路形成部144の下方には前扉5に取り付けられた通路形成ユニット160の受口部163が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路161が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側下皿通路162が配置されている。
内枠4及び遊技盤13の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、更に、遊技球を供給するための遊技球供給装置や合成樹脂製の保護カバー35等が取着されている。即ち、保護カバー150の最上部には上方に開口したタンク130が設けられており、このタンク130には遊技施設の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。そして、払出モータ(図示せず)等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置より払い出された遊技球は払出通路等を通じて上皿17(図1参照)に供給される。
内枠4の前面における回動基端側(図2左側)には、その上端部および下端部にヒンジ18が取り付けられている。ヒンジ18にはピン18dが突設されている。一方、外枠2の前面における回動基端側(図2左側)には、ヒンジ18と相対する位置に受金具25が取り付けられている。受金具25には軸孔25cが形成されており、それら軸孔25cにヒンジ18のピン18dが挿入され、そのピン18dの先端は、前扉5の上端部および下端部に形成された軸孔(図示せず)に挿入される。これによりピン18dを回動軸として、外枠2に対して内枠4及び前扉5がそれぞれ開閉可能に支持されている。
次いで、図6から図17を参照して、前扉5の所定位置(収容部511)への介設板540の戻し忘れ(取り付け忘れ)を抑制するための機構(以下「抑制機構」と称す)について説明する。
まず、抑制機構の全体構成について、図6から図9を参照して説明する。図6は、前扉5の上側部分の正面斜視図であり、図7は、前扉5の上側部分の背面斜視図である。また、図8は、前扉5の上側部分の分解正面斜視図であり、図9は、前扉5の上側部分の分解背面斜視図である。
図6から図9に示すように、前扉5の上側部分は、正面側に配設される本体部材510と、その本体部材510に収容されるパネル部材520と、本体部材510の上面に配設される天板530及び介設板540と、本体部材510の背面側に固着される背面部材550と、その背面部材550に配設されるロック部材560及びレバー部材570とを主に備える。
本体部材510は、パチンコ機1の正面上部における電飾部を構成するための光透過性材料からなる部材であり、内部に設けられたLED等の発光手段が、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、本体部材510の正面側は、少なくとも後述するパネル部材520に対応する領域が透明材料から形成され、その透明材料の部分を介して、パネル部材520に表示される機種情報等が視認可能とされる。
本体部材510の上面には、天板530及び介設板540を配設するための収容部511が凹設される。本体部材510の上面からの収容部511の凹設深さは、収容部511に天板530及び介設板540が配設された状態で、本体部材510の上面と天板530及び介設板540の上面とが面一に連なる深さに設定される。
この場合、収容部511の内周縁(内壁面)のうちの互いに対向する左右の内壁面には、スライド溝511aが形成される。スライド溝511aは、パチンコ機1の前後方向に延びる断面コ字状の凹溝であり、天板530の左右の縁部から突設される板状の突片部531が係合される。これにより、天板530を本体部材510に対して前後方向にスライド変位させることができると共に、本体部材510に背面部材550が配設された状態では、本体部材510からの天板530の取り外しを不能とできる。
なお、スライド溝511aは、収容部511の内周縁(内壁面)のうちの正面側の内壁面にも形成される。即ち、収容部511の内周縁のうちの左右のスライド溝511aの正面側の端部どうしを繋いで左右に延びる位置にもスライド溝511aが形成され、この位置のスライド溝511aには、天板530の正面側の縁部から突設される板状の突片部531が係合される。よって、正面のスライド溝511a及び左右のスライド溝511aと天板530の突片部531との係合により、本体部材510と天板530との間の隙間から異物が挿入され不正が行われることを抑制できる。
収容部511には、その底面から下方へ向けて凹設される凹部511cが形成される。凹部511cは、パチンコ機1の機種情報等が表示された板状のパネル部材520を収容するための空間であり、かかるパネル部材520を遊技者が視認できるように、本体部材510の正面側に形成される。よって、パネル部材520の交換やその位置調整を行う際には、後述するように、天板530を後方へスライド変位させる必要が生じるように形成される。
また、収容部511には、その底面から下方へ向けて凹設される逃げ部511dが形成されると共に、その逃げ部511dの正面側に保持部511eが形成される。逃げ部511dは、介設板540の挿通筒部541を受け入れるための凹部である(図12参照)。また、保持部511eは、背面部材550の挿通孔551に対面する側が開放された凹部として形成され、その凹部の内壁面および底面により、ロック部材560(基部材562)の基端を保持する(図11参照)。
天板530には、上述したように、その縁部から板状の突片部531が突設され、左右の突片部531が本体部材510のスライド溝511aに係合されることで、パチンコ機1の前後方向に沿って天板530がスライド変位可能とされる。この場合、本体部材510の背面に配設される背面部材550は、天板530の縁部に干渉(当接)可能な高さを有して形成される。これにより、天板530を後方へスライド変位させた場合には、天板530を背面部材550に干渉させて、天板530の取り外しを不能とできる。
介設板540は、天板530と背面部材550との間に介設される板状の部材であり、本体部材510の収容部511に着脱可能に配設される。介設板540が取り外されると、天板530と背面部材550との間に空間が形成され、その空間の分、天板530を後方(背面部材550側)へ向けてスライド変位させることができる(図13、図14及び図16参照)。
介設板540は、横長の板状に形成され、その長手方向一端側の底面に挿通筒部541が形成される。挿通筒部541は、ロック部材560が挿抜される部位であり、両端が開口された筒状に形成される。後述するように、挿通筒部541にロック部材560が挿通されることで、介設板540を本体部材510から取り外し不能な状態が形成できる一方、挿通筒部541からロック部材560が抜き取られることで、介設板540を本体部材510から取り外し可能な状態が形成できる。
介設板540には、その長手方向他端側(挿通筒部541と反対側)の縁部から板状の突片部542が突設され、その突片部542は、本体部材510の収容部511におけるスライド溝511aに係合される。なお、本実施形態では、突片部542の板厚寸法が、天板530の突片部531の板厚寸法よりも小さい(薄い)寸法に設定される。よって、本体部材510と介設板540との間の隙間から異物が挿入され不正が行われることを抑制できるだけでなく、後述するように、レバー部材570に跳ね上げられて、介設板540がその長手方向一端側を持ち上げた姿勢を形成する場合には(図12及び図15(b)参照)、突片部542を支点として利用できる。これにより、レバー部材570に跳ね上げられる際の介設板540の姿勢を安定化させる(本体部材510から飛び出して脱落することを防止する)ことができる。
背面部材550には、介設板540の挿通筒部541に対応する位置に挿通孔551が穿設されると共に、その挿通孔551の側方に支持軸552が正面から突設される。挿通孔551は、正面視矩形の開口として形成され、ロック部材560が挿通される。支持軸552には、レバー部材570が回転可能に軸支される。
挿通孔551の開口寸法(幅寸法および高さ寸法)は、ロック部材560の張出部562aにおける外形寸法(幅寸法および高さ寸法)よりも小さな寸法に設定される。これにより、ロック部材560が背面部材550の挿通孔551から背面側へ抜き取られることを回避できる。
また、背面部材550には、左右方向に延設される板状の突片部553が正面から突設される。突片部531は、本体部材510に装着された介設板540の底面に対面され、これにより、介設板540と背面部材550との間の隙間から異物が挿入され不正が行われることを抑制できる。
突片部553には、背面部材550の正面からの突設寸法が他の部分よりも大きくされる押さえ板部553aが挿通孔551に対応する位置に形成される。押さえ板部553aは、ロック部材560が後述する第1位置まで押込み操作された状態において、そのロック部材560の上面に当接されると共に軸部562bの軸心を越える位置まで突設される。これにより、後述するように、ロック部材560が第1位置において屈曲されることを抑制できる(図11(b)参照)。
ロック部材560は、介設板540の挿通筒部541及び背面部材550の挿通孔551に挿通可能に形成される棒状の部材であり、屈曲可能に形成される。ここで、図10を参照して、ロック部材560の詳細構成について説明する。
図10は、ロック部材560の分解正面斜視図である。図10に示すように、ロック部材560は、先端部材561と、その先端部材561の基端側に連結される基部材562とを主に備え、基部材562の基端側には、複数(本実施形態では3個)の張出部562aが外面から張り出し形成される。
先端部材561は、その基端側の幅寸法が小さくされ、その幅寸法が小さくされた部分に軸支孔561aが穿設される。一方、基部材562は、幅方向に二分割され、一方の分割体の先端側に軸部562bが突設される。軸部562bを軸支孔561aに挿通した状態で、両分割体がボルトBTにより締結固定されて一体化されることで、先端部材561の基端側に基部材562が回転可能に連結される。即ち、ロック部材560が屈曲可能に形成される。
張出部562aは、背面部材550の挿通孔551を通過不能とするための突起であり、基部材562の基端側における左右の側面および底面からそれぞれ張り出し形成される。即ち、ロック部材560(先端部材561)が背面部材550の背面側から作業者により引き出し操作された場合には、張出部562aが背面部材550の正面に係合されることで(図12から図14参照)、ロック部材560の抜き取りを規制できる。
なお、張出部562aが背面部材550の正面に係合された状態では、介設板540の挿通筒部541からロック部材560(基部材562)が全て引き抜かれた状態とされ、介設板540が取り外し可能とされると共に、軸部562bが背面部材550の背面よりも外側に位置され、基部材562に対して先端部材561を屈曲させることが可能とされる。
この場合、ロック部材560は、軸部562b及び軸支孔561aの軸心方向を、水平方向(鉛直方向に直交する方向)であって前扉5の左右方向に沿わせた姿勢で配設される。よって、ロック部材560(先端部材561)が背面部材550の背面側から作業者により引き出し操作された場合には、先端部材561を、その自重により下方へ傾倒させることができる。即ち、作業者がロック部材560を屈曲させる操作を行わなかった場合でも、ロック部材560を重力の作用により屈曲した姿勢とすることができる。これにより、後述するように、レバー部材570の破損を抑制できる(図17参照)。
図6から図9に戻って説明する。レバー部材570は、基端側に軸支孔571が穿設され、この軸支孔571が背面部材550の支持軸552に回転可能に軸支されると共に、先端側を背面部材550の挿通孔551側へ向けた姿勢で、背面部材550の正面側に配設される。
レバー部材570と背面部材550との間には、金属製のねじりばねSP1が弾性的にねじり変形された状態で介設され、レバー部材570は、ねじりばねSP1の弾性回復力によって、先端側を上方へ持ち上げる回転方向へ常に付勢される。
この場合、介設板540が本体部材510の収容部511に収容された状態(挿通筒部541にロック部材560が挿通された状態)では、レバー部材570は、介設板540の底面から突出される被当接部543(図12(b)参照)によって下方へ押し下げられた姿勢とされており(図11参照)、ロック部材560が介設板540の挿通筒部541から引き抜かれると、レバー部材570の先端側がねじりばねSP1の弾性回復力により上方へ跳ね上げられる。これにより、介設板540を上方へ押し上げることができる(図12参照)。
レバー部材570の先端側が上方へ跳ね上げられた状態では、かかるレバー部材570の先端側が、背面部材550の挿通孔551に対面する位置に配置される(図12から図14参照)。これにより、ロック部材560の押し込み方向(背面部材550の背面側から正面側へ向かう方向)への移動をレバー部材570によって規制できる。
次いで、パネル部材520を交換する作業を一例として、抑制機構の操作方法について、図11から図16を参照して説明する。図11から図14は、抑制機構の状態遷移を説明するための図であり、図11(a)から図14(a)は、図8の矢印XI方向視における背面部材550の正面図であり、図11(b)から図14(b)は、図11(a)から図14(a)のXIb−XIb線からXIVb−XIVb線における背面部材550の断面図である。なお、図11(b)から図14(b)では、ロック部材560が断面視されずに図示されると共に、前扉5の上側部分における全体構造が図示される。
また、図15及び図16は、前扉5の上側部分の背面斜視図である。なお、図15(a)に示す状態は図11に示す状態に、図15(b)に示す状態は図12に示す状態に、図16(a)に示す状態は図13に示す状態に、図16(b)に示す状態は図14に示す状態に、それぞれ対応する。
パネル部材520の交換に際しては、外枠2に対して遊技機主部3を開放し、かかる遊技機主部3の内枠4に対して前扉5を開放する(図5参照)。この前扉5が開放された状態において、ロック部材560のスライド操作(押し込み操作または引き出し操作)を行う。
図11及び図15(a)に示すように、ロック部材560が第1位置に押し込み操作された状態では、介設板540の挿通筒部541にロック部材560が挿通され、挿通筒部541の一端側から突出するロック部材560(基部材562)の基端が本体部材510の保持部511e内に保持されると共に、挿通筒部541の他端側から突出するロック部材560(先端部材561)の先端が背面部材550の挿通孔551に保持される。よって、介設板540が本体部材510の収容部511から取り外し不能とされる。
この場合、保持部511eの内壁面にロック部材560の基部材562における上面および張出部562aが当接されることで、ロック部材560の上下方向(図11上下方向)及び左右方向(図11紙面垂直方向)への移動が規制されると共に、保持部511eの底面にロック部材560の基部材562における基端が当接されることで、ロック部材560の押し込み方向への移動が規制される。また、押さえ板部553aがロック部材560の上面に対面されると共にロック部材560の軸部562bの軸心を越える位置まで突設される。これにより、介設板540を上方(図11(b)上側)へ無理に持ち上げられた場合でも、ロック部材560が軸部562bを中心として屈曲されることを抑制できる。即ち、介設板540が不正に取り外されることを抑制できる。
なお、ロック部材560は、内枠4に対して前扉5が閉じられた状態において、先端(先端部材561)が内枠4の正面に当接する位置まで引き出し方向(図11(b)右側)へスライド変位された場合に、基端(基部材562)が保持部511e内に保持されるように、その長さ寸法(先端部材561及び基部材562が一直線上となる姿勢における長さ寸法、図11(b)左右方向寸法)が設定される。これにより、ロック部材560がスライド操作の方向へ位置ずれした場合でも、介設板540の取り外しを確実に規制できる。
図11及び図15に示す状態から、ロック部材560が背面部材550の背面側へ引き出し操作され、張出部562aが背面部材550の正面に係合される第2位置に達すると、ロック部材560のそれ以上の引き出し操作が不能とされる。
この引き出し操作により、ロック部材560(基部材562)が介設板540の挿通筒部541から抜き取られると共に、ロック部材560(基部材562)の基端の端面がレバー部材570を越える位置まで後退される。即ち、レバー部材570の上方に空間が形成される。
これにより、レバー部材570がねじりばねSP1の弾性回復力により回転され、その先端側が上方へ跳ね上げられる。この場合、レバー部材570の先端側の上面には介設板540の被当接部543が当接されているので、かかる被当接部543がレバー部材570によって上方へ押し上げられることで、図12及び図15(b)に示すように、介設板540の長手方向一端側が上方に持ち上げられる。
ここで、ロック部材560が第1位置に押し込み操作された状態では、本体部材510の上面に対して介設板540の上面が略面一の状態で配設されるので、かかる介設板540を無理に取り外す不正な行為を抑制できる一方、パネル部材520を交換する場合などのために作業者が介設板540を取り外す際に作業性の悪化を招く。また、介設板540の上面に作業者が把持可能な取っ手を設けた場合には、作業者による作業性は向上するが、その取っ手に治具などを係合させることが可能となるため、てこの原理を利用して介設板540を上方へ持ち上げて不正行為のための隙間を形成しやすくなる。更に、取っ手の高さの分、本体部材510の上方に他の装置(例えば、遊技データの表示装置)を配設するスペースが減少される。
これに対し、本実施形態では、ロック部材560が第1位置に押し込み操作された状態では、本体部材510の上面に対して介設板540の上面を略面一の状態として、不正行為を抑制できる一方、ロック部材560が第2位置に引き出し操作されることで、レバー部材570の跳ね上げ動作を利用して、介設板540の長手方向一端側を上方へ持ち上げることができる。即ち、上方へ持ち上げられた部分を把持できるので、介設板540を本体部材510から取り外す作業の作業性の向上を図ることができる。
また、後述するように、本実施形態では、パネル部材520の交換が可能な状態を形成するためには、複数の操作工程(ロック部材560の引き出し操作、介設板540の取り外し、天板530のスライド変位)が必要となるところ、ロック部材560の引き出し操作が行われると、介設板540の長手方向一端が持ち上げられることで、次の操作工程が、介設板540の取り外しであることを、作業者に認識させることができる。
図13及び図16(a)に示すように、本体部材510から介設板540が取り外されることで、天板530の後方(背面側、天板530と背面部材550との間)に空間が形成されるので、かかる空間を利用して、天板530を後方へスライド変位(後退)させることができる。その結果、図14及び図16(b)に示すように、天板530の前方(正面側)が開放され、パネル部材520の交換が可能とされる。
図14及び図16(b)に示す状態において、パネル部材520を交換した後は、後方(背面側)へスライド変位(後退)されている天板530を前方(正面側)へスライド変位(前進)させる。これにより、図13及び図16(a)に示すように、天板530の後方(背面側、天板530と背面部材550との間)に空間が形成されるので、その空間に介設板540を取り付ける。
即ち、介設板540の長手方向他端側に形成される突片部542を本体部材510のスライド溝511aに係合(挿通)させる。これにより、介設板540の被当接部543がレバー部材570の上面に当接(載置)されることで、図12及び図15(b)に示すように、介設板540は、その長手方向一端側が上方に持ち上げられた姿勢で、本体部材510の収容部511に配設される。
この状態(図12及び図15(b)に示す状態)から、介設板540の長手方向一端側が下方へ押し込まれると、ねじりばねSP1の弾性回復力に抗しつつ、レバー部材570が被当接部543によって下方へ押し下げられる。介設板540がその上面を本体部材510及び天板530の上面と略面一となる位置まで押し下げられると、レバー部材570の先端側が背面部材550の挿通孔551よりも下方へ配置されると共に、介設板540の挿通筒部541が本体部材510の保持部511e及び背面部材550の挿通孔551と一直線上となる位置(即ち、挿通筒部541の両端開口が保持部511e及び挿通孔551に対面される位置)に配置される。
よって、第2位置にあるロック部材560を第1位置へ向けて押込み操作することで、かかるロック部材560の基端側(基部材562)が、介設板540の挿通筒部541及び本体部材510の保持部511eに順に挿通され、図11及び図15(a)に示す状態が形成される。即ち、介設板540(及び天板530)が本体部材510から取り外し不能とされた状態が形成される。
なお、ロック部材560は、第1位置へ押し込み操作された状態では、その先端端面(図11(b)右側の面)が背面部材550の背面よりも正面側(図11(b)左側)に位置される。よって、内枠4に対して前扉5が閉じられた状態では、ロック部材560は、本体部材510及び背面部材550の内部に収容されると共に、背面部材550の背面の開放が内枠4によって閉封されるので、かかるロック部材560を外部からの操作することを不能とできる。
次いで、介設板540の所定位置(収容部511)への戻し忘れ(取り付け忘れ)を抑制機構によって抑制する動作について説明する。この場合、図11から図16に加え、図17を参照する。図17は、遊技機主部3の上面模式図であり、内枠4が模式的に図示される。
ここで、本実施形態によれば、介設板540を取り外し、天板530を後方へスライド変位させることで、パネル部材520の交換が可能とされる。この場合、介設板540を所定位置に戻し忘れると、本体部材510の上面(収容部511)が部分的に開放され、その開放された部分を利用して不正が行われるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、介設板540が取り外された状態では、ロック部材560が引き出し操作により第2位置に配置されており、かかるロック部材560が第2位置に配置された状態では、背面部材550の背面からロック部材560(先端部材561)が突出される。そのため、図17(a)及び図17(b)に示すように、内枠4の正面と前扉5の背面との間にロック部材560が介在されることで、内枠4に対して前扉5を閉じることができない。これにより、作業者に対して介設板540の戻し忘れを認識させることができる。
また、この状態(介設板540を戻し忘れている状態)では、レバー部材570の先端側が、ねじりばねSP1の弾性回復力により、背面部材550の挿通孔551に対面される位置まで上方へ跳ね上げられ、ロック部材560の第1位置への押し込み操作が規制されている。かかるロック部材560を第1位置へ押し込み操作する(即ち、前扉5を内枠4に対して閉じることが可能な状態を形成する)ためには、介設板540を所定位置(収容部511における天板530の後方)において下方へ押し込み、レバー部材570の先端側を挿通孔551よりも下方へ押し下げる必要がある。即ち、介設板540を所定位置へ戻さない限り、ロック部材560を第1位置へ押し込み操作すること(前扉5を内枠4に対して閉じること)ができないので、介設板540の戻し忘れを抑制することができる。
ここで、本実施形態では、上述したように、介設板540の長手方向一端側を持ち上げた状態が形成可能とされ(図12参照)、これにより、介設板540を取り外す際の作業の向上が図られている。一方で、このように、長手方向一端が持ち上げられただけの状態では、介設板540が所定位置に適正に戻されていると作業者が誤認識するおそれがある。
例えば、介設板540を取り外すために、図11に示す状態からロック部材560を第2位置へ引き出し操作した、或いは、介設板540を取り付けるために、図13に示す状態から介設板540の突片部542を本体部材510のスライド溝511aに係合(挿通)させ、図12に示す状態を形成した段階で、その作業者が何らかの理由で現場を離れた場合、別の作業者は、介設板540が所定位置に適正に戻されていると誤認識して、前扉5を内枠4に対して閉じてしまうおそれがある。そのような構成では、介設板540が取り外し可能となり、不正行為が行われるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、介設板540の長手方向一端側が持ち上げられた状態であっても、図12(a)及び図12(b)に示すように、レバー部材570の先端側を背面部材550の挿通孔551に対面する位置まで上方へ跳ね上げさせ、ロック部材560の第1位置への押し込み操作を規制することができる。即ち、介設板540が所定位置から完全に取り外されていない(長手方向一端側を持ち上げた姿勢で収容部511に配置されている)場合であっても、ロック部材560を第1位置へ押し込み操作することを規制することができる。よって、例えば、別の作業者が、介設板540が所定位置に適正に戻されていると誤認識した場合であっても、前扉5を内枠4に対して閉じた状態が形成されることを回避できる。
以上のように、本実施形態によれば、ロック部材560を第1位置から第2位置へ引き出し操作することで(図11及び図12参照)、介設板540の取り外しが許容されるところ、ロック部材560が第2位置に配置された状態では(図12から図14参照)、内枠4に対して前扉5を閉じることが規制され(図17参照)、かかるロック部材560を第2位置から第1位置へ押し込み操作するためには、介設板540を所定位置(収容部511)に配置することが必要とされるので(図11参照)、かかる介設板540を所定位置に戻し忘れることを抑制できる。
即ち、介設板540を所定位置(収容部511)から取り外すためには、ロック部材560を第1位置から第2位置へ引き出し操作することが必要とされる一方、ロック部材560が第2位置に引き出し操作された状態では、かかるロック部材560が背面部材550の背面から突出され、内枠4に対して前扉5を閉じることが規制されるので、ロック部材560を第2位置から第1位置へ押し込み操作する動作を必須の作業として作業者に必ず行わせることができる。この必須の作業(ロック部材560の第2位置から第1位置への押し込み操作)のためには、レバー部材570を下方へ押し下げる必要があり、そのためには、介設板540を所定位置に戻さなければならないため、かかる介設板540を所定位置に戻し忘れることを確実に抑制できる。
本実施形態によれば、ロック部材560が内枠4及び前扉5の間に介在されることで、内枠4に対して前扉5を閉じることを規制するので、製品コストの削減を図ることができる。即ち、ロック部材560が、介設板540の本体部材510からの取り外しの規制および許容を切り替える役割と、内枠4に対して前扉5を閉じることを規制する役割とを兼用するため、後者の役割のための部材を別途設けることを不要とできる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、ロック部材560は、屈曲可能(先端部材561が基部材562に対して回転可能)に形成され、第2位置に引き出し操作された状態では、屈曲された先端側(先端部材561)が内枠4と前扉5との間に挟持されるので、内枠4に対して前扉5が閉じられた際に、ロック部材560が第1位置(レバー部材570の背面)へ向けて押し込まれることを回避できる。その結果、レバー部材570やこれに干渉する部分の破損を抑制できる。
特に、本実施形態では、ロック部材560が第2位置に引き出し操作された状態では、屈曲された先端側(先端部材561)の底面が、前扉5の背面に面接触されるように、軸部562bの軸心位置および先端部材561の厚み寸法が設定される(図12(b)参照)。これにより、内枠4と前扉5との間に挟持される際の面圧を小さくして、破損を抑制できる。
更に、本実施形態では、ロック部材560は、軸部562b及び軸支孔561aの軸心方向が、パチンコ機1の左右方向に沿わせた姿勢で配設されるので、第2位置へ引き出し操作された場合には、先端部材561を、その自重により下方へ傾倒させることができる(図12(b)参照)。即ち、作業者がロック部材560を屈曲させる操作を行わなかった場合であっても、ロック部材560を重力の作用により屈曲した姿勢とすることができる。これにより、内枠4に対して前扉5が閉じられた際に、ロック部材560が第1位置(レバー部材570の背面)へ向けて押し込まれることを回避でき、レバー部材570やこれに干渉する部分の破損を抑制できる。
次いで、図18から図25を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、ロック部材560が屈曲可能に形成される場合を説明したが、第2実施形態のロック部材2560は、伸縮可能に形成される。なお、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図18(a)は、第2実施形態におけるロック部材2560の上面図であり、図18(b)は、図18(a)の矢印XVIIIb方向視におけるロック部材2560の側面図であり、図18(c)は、図18(b)の矢印XVIIIc方向視におけるロック部材2560の正面図であり、図18(d)は、図18(a)のXVIIId−XVIIId線におけるロック部材2560の断面図である。
図18に示すように、第2実施形態におけるロック部材2560は、先端部材2561と、その先端部材2561を出没可能に保持する基部材2562と、その基部材2562の内部に収容される圧縮ばねSP2とを備える。
先端部材2561は、断面円形の棒状体として形成される棒状部2561aと、その棒状部2561aの基端部において径方向外方へ張り出して形成される円板状のピストン部2561bとを備える。
基部材2562の内部には、先端部材2561のピストン部2561bを軸心方向(図18(d)左右方向)に摺動可能に保持するための断面円形の摺動案内部2562bが形成される。
なお、基部材2562の外形(幅寸法および高さ寸法)は、第1実施形態における基部材562の外形と略同一の寸法に設定される。また、摺動案内部2562bの先端側の端面には、先端部材2561の棒状部2561aを摺動可能に挿通される開口が形成されると共に、基端側の開口は封止される。
圧縮ばねSP2は、金属製のコイルスプリングであり、弾性的に圧縮変形された状態で、基部材2562の摺動案内部2562bに収納される。よって、ロック部材2560は、圧縮ばねSP2の弾性回復力が先端部材2561を突出方向へ付勢し、その付勢により、無負荷状態では、全長が最大となる最大伸長状態に維持される一方、先端部材2561が軸心方向に押し込まれると、全長が短縮される。
次いで、第2実施形態における抑制機構の操作方法について、図19から図22を参照して説明する。図19から図22は、抑制機構の状態遷移を説明するための図であり、図19(a)から図22(a)は、図8の矢印XIa方向視における背面部材550の正面図に対応し、図19(b)から図22(b)は、図19(a)から図22(a)のXIXb−XIXb線からXXIIb−XXIIb線における背面部材550の断面図である。なお、図19(b)から図22(b)では、前扉5の上側部分における全体構造が図示される。
図19に示すように、ロック部材2560が第1位置に押し込み操作された状態では、介設板540の挿通筒部541にロック部材2560(基部材2562)が挿通され、挿通筒部541の一端側から突出する基部材2562の基端が本体部材510の保持部511e内に保持されると共に、挿通筒部541の他端側から突出する基部材2562の先端が背面部材550の挿通孔551に保持される。よって、介設板540が本体部材510の収容部511から取り外し不能とされる。
この場合、先端部材2561(棒状部2561a)は、その先端が背面部材550の背面よりも寸法L1だけ背面側へ突出される。よって、内枠4に対して前扉5を閉じた状態では、内枠4の正面に当接された棒状部2561aが、圧縮ばねSP2を圧縮変形させる方向へ押し込まれる。よって、圧縮ばねSP2の弾性回復力により棒状部2561aが突出方向へ付勢されているので、後述するように、内枠4に対して前扉5を開放する際には、棒状部2561aに内枠4を押し出させて、開放の動作に必要な力を補助させることができる。
なお、ロック部材2560は、内枠4に対して前扉5が閉じられた状態において(図23参照)、基部材2562の先端が内枠4の正面に当接する位置まで引き出し方向へスライド変位された場合に、基部材2562の基端が保持部511e内に保持されるように、その長さ寸法(図19(b)左右方向寸法)が設定される。これにより、ロック部材2560がスライド操作の方向へ位置ずれした場合でも、介設板540の取り外しを確実に規制できる。
図19に示す状態から、ロック部材2560が背面部材550の背面側へ引き出し操作され、張出部562aが背面部材550の正面に係合される第2位置に達すると、ロック部材2560のそれ以上の引き出し操作が不能とされる。これにより、第1実施形態の場合と同様に、レバー部材570がねじりばねSP1の弾性回復力により回転され、その先端側が上方へ跳ね上げられることで、図20に示すように、介設板540の長手方向一端側が上方に持ち上げられる。
図20に示すように、ロック部材2560は、第2位置まで引き出し操作されると、背面部材550の背面から基部材2562が寸法L2だけ突出される。よって、内枠4の正面と前扉5の背面との間にロック部材560(基部材2562)が介在されることで、前扉5を内枠4に対して閉じることができない。これにより、作業者に対して介設板540の戻し忘れを認識させることができる。
この場合、ロック部材2560は、先端部材2561の棒状部2561aが基部材2562から突出された状態とされるので、後述するように、介設板540を戻し忘れた状態で、内枠4に対して前扉5を閉じる場合には、先に先端部材2561(棒状部2561a)が内枠4の正面に当接され、かかる棒状部2561aが押し込まれる際に、圧縮ばねSP2を弾性的に圧縮変形させるので、その緩衝作用により衝突の勢いを弱めて、レバー部材570の破損を抑制できる。
なお、本体部材510から介設板540を取り外した後、天板530を後方へスライド変位させてパネル部材520を交換する動作およびパネル部材520を交換した後に天板530を前方へスライド変位させて介設板540を装着する動作は(図20、図21及び図22参照)、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
図20に示すように、介設板540がその長手方向一端側を上方に持ち上げた姿勢で、本体部材510の収容部511に配設された後は、第1実施形態の場合と同様に、介設板540の長手方向一端側を下方へ押し込み、レバー部材570を被当接部543によって下方へ押し下げた状態で、ロック部材2560を第1位置へ向けて押込み操作する。これにより、ロック部材2560の基端側(基部材2562)が、介設板540の挿通筒部541及び本体部材510の保持部511eに順に挿通され、図19に示す状態(介設板540(及び天板530)が本体部材510から取り外し不能とされた状態)が形成される。
なお、ロック部材2560の第1位置への押し込み操作は、先端部材2561の棒状部2561aを押し込むことで、圧縮ばねSP2を圧縮させつつ、かかる圧縮ばねSP2を介して、基部材2562が保持部511eに保持される位置まで前進させることで行われる。
また、ロック部材2560は、第1位置へ押し込み操作された状態では、上述したように、棒状部2561aが寸法L1だけ背面部材550の背面から突出されるが、内枠4に対して前扉5が閉じられた状態では、棒状部2561aは、背面部材550の内部に収容されると共に、背面部材550の背面の開放が内枠4によって閉封されるので、かかるロック部材2560(棒状部2561a)を外部からの操作することを不能とできる。
次いで、図23を参照して、内枠4に対する前扉5の開放動作について説明する。図23は、内枠4及び前扉5の部分拡大断面図である。なお、前扉5の断面は、図19(b)に対応する。
上述したように、ロック部材2560は、第1位置に押し込み操作された状態では、先端部材2561(棒状部2561a)の先端を背面部材550の背面よりも寸法L1だけ背面側へ突出させた姿勢を形成する(図19参照)。
よって、図23に示すように、内枠4に対して前扉5を閉じた状態では、内枠4の正面に当接された棒状部2561aが、寸法L1の分だけ正面側(図23左側)へ押し込まれ、圧縮ばねSP2を更に圧縮変形させる。即ち、ロック部材2560は、圧縮ばねSP2の弾性回復力により、先端部材2561が突出方向(図23右方向)へ常に付勢された状態とされる。
従って、内枠4に対して前扉5を開放する際には、圧縮ばねSP2の付勢力で突出される先端部材2561により内枠4を開放方向(前扉5から離間する方向、図23右方向)へ押し出すことができると共に、その反作用により前扉5も開放方向(内枠4から離間する方向、図23左方向)へ押し出すことができる。その結果、内枠4に対して前扉5を開放するために必要な力を補助して、作業者の負担を軽減できる。
次いで、図24及び図25を参照して、介設板540を戻し忘れた状態で内枠4に対して前扉5を閉じた際のレバー部材570の破損防止の構造について説明する。
図24(a)から図24(c)は、内枠4に対して前扉5を閉じる際の状態遷移を説明するための内枠4及び前扉5の上面図であり、図25(a)から図25(c)は、図24(a)から図24(c)のXXVa−XXVa線からXXVc−XXVc線における内枠4及び前扉5の断面図である。
上述したように、ロック部材2560は、第2位置に引き出し操作された状態では、背面部材550の背面から基部材2562が寸法L2だけ突出されると共に、その基部材2562から先端部材2561(棒状部2561a)が最大に突出された状態とされる(図20参照)。
よって、図24及び図25に示すように、ロック部材2560が第2位置にある状態(即ち、介設板540を戻し忘れた状態)で、内枠4に対して前扉5が閉じられる場合には、まず、先端部材2561(棒状部2561a)を内枠4の正面に当接させることができる。これにより、棒状部2561aが押し込まれる際に、圧縮ばねSP2を弾性的に圧縮変形させ、その緩衝作用により衝突の勢いを弱めることができる。その結果、レバー部材570の破損を抑制できる。
次いで、図26から図31を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、介設板540が所定位置に配設されていない状態において、内枠4に対する前扉5の開閉(回転)動作が可能とされる場合を説明したが、第3実施形態における前扉5は、介設板3540が所定位置に配設されていない状態では、内枠4に対する開閉(回転)動作が規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図26は、第3実施形態における遊技機主部3の上面図であり、主要な構成のみを透視して図示する。
図26に示すように、第3実施形態における抑制機構は、作業者により操作されるロック部材3560と、そのロック部材3560の操作を規制するレバー部材3570と、内枠4及び前扉5の間(回動軸および軸受の間)に介設されるワンウェイクラッチ3580と、そのワンウェイクラッチ3580及びロック部材3560を連結する連結部材3590とを主に備える。
ロック部材3560は、背面部材3550の背面から一端側(図26下側)が操作可能に突出される操作部3561と、その操作部3561の他端側(図26上側)から側方(図26左側)へ向けて張り出す係合部3562とを備え、これら各部3561,3562から上面視略L字状の部材として形成される。
ロック部材3560は、背面部材3550に形成された案内部3554(図29参照)に沿って左右方向(図26左右方向)にスライド操作可能に形成され、図示しない付勢ばねの付勢力により図26に示す初期位置に維持される。この付勢ばねの付勢力に抗して、ロック部材3560が解除位置(図26右方向)へ向けてスライド操作されると、そのスライド変位が連結部材3590を介してワンウェイクラッチ3580へ伝達され、ワンウェイクラッチ3580が駆動状態とされると共に、係合部3562による係合が解除されて、介設板3540が本体部材3510から取り外し可能とされる。
ここで、図27及び図28を参照して、ワンウェイクラッチ3580及び介設板3540について順に説明する。
図27(a)は、ロック部材3560が初期位置にスライド操作された状態におけるワンウェイクラッチ3580及び連結部材3590の部分断面上面図であり、図27(b)は、ロック部材3560が解除位置にスライド操作された状態におけるワンウェイクラッチ3580及び連結部材3590の部分断面上面図である。
図27(a)及び図27(b)に示すように、ワンウェイクラッチ3580は、内枠4の上端側に取着されるヒンジ18(図26参照)から突設されるピン18dに連結される内輪3581と、背面部材3550に固着される取付板3555に連結される外輪3582と、内輪3581の各カム面に配設される複数のローラ3583と、それら各ローラ3583を保持する保持器3584と、保持器3584に連結されカム面に対するローラ3583の位相を切り替えるスイッチングプレート3585とを主に備えて構成される。
連結部材3590は、一端がロック部材3560に回転可能に軸支されると共に(図26参照)、他端がワンウェイクラッチ3580のスイッチングプレート3585に回転可能に軸支され、ロック部材3560のスライド操作をスイッチングプレート3585に伝達する。
図27(a)に示すように、ロック部材3560が初期位置に配置された状態(介設板3540が取り外し不能な状態で所定位置に配設された状態、図26参照)では、スイッチングプレート3585がロック部材3560側へ傾倒された姿勢とされることで、ローラ3583がカム面の中立位置に配置され、内輪3581及び外輪3582の噛み合い空間から離れる。これにより、ワンウェイクラッチ3580が中立空転状態(内輪3581に対して外輪3582が空転する状態)とされる。その結果、内枠4に対する前扉5の開閉(回転)が許容される。
図27(b)に示すように、ロック部材3560が解除位置に配置された状態(介設板3540が取り外し可能な状態または取り外された状態、図29(b)及び図29(c)参照)では、スイッチングプレート3585がロック部材3560から離間する方向へ起立された姿勢とされることで、ローラ3583がカム面の端部に配置され、内輪3581及び外輪3582の間に形成されるくさびに噛み込まれる。これにより、ワンウェイクラッチ3580が駆動状態(内輪3581に対する外輪3582の一方向への回転が規制される状態)とされる。その結果、内枠4に対する前扉5の開じる方向への回転が規制される。
なお、この状態では、内輪3581に対する外輪3582の他方向への回転は許容される。即ち、内枠4に対する前扉5の開放方向への回転は許容することができる。
図28(a)は、介設板3540の上面図であり、図28(b)は、図28(a)の矢印XXVIIIb方向視における介設板3540の側面図であり、図28(c)は、図28(b)のXXVIIIc−XXVIIIc線における介設板3540の断面図である。なお、図28では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、突片部542の図示が省略される。
図28に示すように、介設板3540は、横長の板状に形成され、その長手方向他端側の底面に挿通筒部3541及び被当接部3543が形成される。挿通筒部3541は、ロック部材3560の係合部3562が挿抜される部位であり、両端が開口された筒状に形成される。挿通筒部3541にロック部材3560の係合部3562が挿通されることで、介設板3540を本体部材3510から取り外し不能な状態が形成できる一方(図29(a)参照)、挿通筒部3541からロック部材3560の係合部3562が抜き取られることで、介設板3540を本体部材3510から取り外し可能な状態が形成できる(図29(b)参照)。
被当接部3543は、レバー部材3570の上面に当接される部位であり、介設板3540が本体部材3510(収容部511)に取り付けられる際には、被当接部3543によってレバー部材3570を下方へ押し下げることができると共に(図29(a)参照)、レバー部材3570が上方へ跳ね上げられる際には、被当接部3543を介して、介設板3540を上方へ押し上げることができる(図29(b)参照)。
図26に戻って説明する。レバー部材3570は、基端側に軸支孔3571が穿設され、この軸支孔3571が本体部材3510の支持軸3512に回転可能に軸支される(図29参照)。支持軸3512は、その軸心を本体部材3510の左右方向(図26左右方向)に沿わせる向きに形成される。よって、レバー部材3570は、先端側を本体部材3510の正面側(図26上側)へ向けた姿勢で配設される。
レバー部材3570と本体部材3510との間には、金属製のねじりばね(図示せず)が弾性的にねじり変形された状態で介設され、レバー部材3570は、ねじりばねの弾性回復力によって、先端側を上方へ持ち上げる回転方向へ常に付勢される。
この場合、介設板3540が本体部材3510の収容部511に収容された状態(挿通筒部3541にロック部材3560の係合部3562が挿通された状態)では、レバー部材3570は、介設板3540の被当接部3543によって下方へ押し下げられた姿勢とされており(図29(a)参照)、ロック部材3560の係合部3562が介設板3540の挿通筒部3541から引き抜かれると、レバー部材3570の先端側がねじりばねの弾性回復力により上方へ跳ね上げられる。これにより、介設板3540を上方へ押し上げることができる(図29(b)参照)。
レバー部材3570の先端側が上方へ跳ね上げられた状態では、かかるレバー部材3570の先端側が、ロック部材3560の係合部3562の先端に対面する位置に配置される(図29(c)及び図30(c)参照)。これにより、ロック部材3560が初期位置へスライド操作されること(即ち、ワンウェイクラッチ3580が中立状態とされること)をレバー部材570によって規制できる。
次いで、第3実施形態における抑制機構の操作方法について、図29から図31を参照して説明する。
図29から図31は、抑制機構の状態遷移を説明するための図であり、図29は、前扉5の部分拡大断面図であり、図30は、前扉5の部分拡大上面図であり、図31は、遊技機主部3の上面図である。
なお、図29(a)は、図30(a)及び図31(a)に示す状態に、図29(b)は、図30(b)及び図31(b)に示す状態に、図29(c)は、図30(c)及び図31(c)に示す状態に、それぞれ対応する。また、図30(a)及び図30(b)では、介設板3540の挿通筒部3541及び被当接部3543を破線により模式的に図示する。
パネル部材520(図9参照)の交換等のために、介設板3540を取り外す際には、まず、図29(a)、図30(a)及び図31(a)に示すように、内枠4に対して前扉5を開放することで、背面部材3550の背面側からロック部材3560をスライド操作可能な状態を形成する。
図29(a)、図30(a)及び図31(a)に示す初期位置からロック部材3560が解除位置(図29(a)紙面奥方向、図30(a)右方向)へ向けてスライド操作されると、ロック部材3560の係合部3562が、介設板3540の挿通筒部3541から抜き取られると共に、レバー部材3570の側方に退避される。その結果、レバー部材3570がねじりばねの弾性回復力により回転され、その先端側(軸支孔3571と反対側)が上方へ跳ね上げられることで、被当接部3543が上方へ押し上げられ、図29(b)、図30(b)及び図31(b)に示すように、介設板3540の長手方向一端側が上方に持ち上げられる。
これにより、図29(c)、図30(c)及び図31(c)に示すように、介設板3540を本体部材3510から取り外すことができる。なお、本体部材3510から介設板3540を取り外した後、天板530を後方へスライド変位させてパネル部材520を交換する動作およびパネル部材520を交換した後に天板530を前方へスライド変位させて介設板3540を装着する動作は、第1実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
図29(b)、図30(b)及び図31(b)に示すように、ロック部材3560が解除位置までスライド操作されると、上述したように、そのロック部材3560のスライド操作が連結部材3590を介してワンウェイクラッチ3580に伝達され、かかるワンウェイクラッチ3580が駆動状態に切り替えられる。これにより、内枠4に対する前扉5の開じる方向(図31(b)及び図31(c)の矢印A方向)への回転を規制することができるため、作業者に対して介設板3540の戻し忘れを認識させることができる。
パネル部材520の交換等を行った後、図29(b)、図30(b)及び図31(b)に示すように、介設板3540がその長手方向一端側を上方に持ち上げた姿勢で、本体部材3510の収容部511に配設された後は、介設板3540を下方へ押し込み、レバー部材3570を被当接部3543によって下方へ押し下げた状態で、ロック部材3560を初期位置へ向けてスライド操作する。これにより、ロック部材3560の係合部3562が介設板3540の挿通筒部3541に挿通され、図29(a)、図30(a)及び図31(a)に示す状態(介設板3540(及び天板530)が本体部材3510から取り外し不能とされた状態)が形成される。
また、ロック部材3560が初期位置までスライド操作されると、上述したように、そのロック部材3560のスライド操作が連結部材3590を介してワンウェイクラッチ3580に伝達され、かかるワンウェイクラッチ3580が中立状態に切り替えられる。これにより、内枠4に対する前扉5の開閉(回転)が許容される。即ち、内枠4に対して前扉5を開じることができる。
以上のように、本実施形態によれば、内枠4に対して前扉5を開放することで、ロック部材3560をスライド操作することが可能となり、その結果、介設板3540の取り外しが許容されると共に、その介設板3540が所定位置(収容部511)に配置されていない状態では、内枠4に対して前扉5を閉じることができないので、介設板3540を所定位置へ戻し忘れることを抑制できる。
即ち、介設板3540を所定位置から取り外すためには、内枠4に対して前扉5を開放することが必要とされるので、介設板3540を所定位置から取り外した場合には、内枠4に対して前扉5を閉じる動作を必須の作業として作業者に必ず行わせることができる。この場合、介設板3540を所定位置に戻さなければ、内枠4に対して前扉5を閉じることができず、遊技可能な状態を形成できないため、介設板3540を所定位置に戻し忘れることを確実に抑制できる。
この場合、本実施形態では、内枠4に対して前扉5が開放された後、介設板3540が所定位置から取り外されると、その取り外された時点で、即ち、その開放されている位置(図31(b)に示す位置)から、内枠4に対して前扉5が閉じる方向へ変位することが規制されるので、介設板3540を所定位置に戻し忘れることを確実に抑制できる。
即ち、例えば、第1実施形態の場合のように、内枠4の正面に前扉5の背面を重ねて、これらの間にロック部材560(先端部材561)を介在させることで、閉じた状態を形成できなくさせる構造(即ち、ロック部材560に内枠4の正面が当接する回転位置までは、内枠4に対する前扉5の閉じる方向への変位が許容される構造)では、実際に閉じた状態が形成されていなくても、内枠4の正面に前扉5の背面が重なっていることで(図17(b)参照)、閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識する恐れがある。また、閉じる動作が大きな力で行われると、内枠4に対して前扉5が、ロック部材560を挟み込みつつ衝突するため、破損する恐れがある。
これに対し、本実施形態では、介設板3540が所定位置から取り外されると、内枠4に対して前扉5が閉じる方向へ変位すること自体を規制することができる、即ち、介設板3540が所定位置へ戻されない限り、内枠4に対して前扉5が開放された状態が維持されるので、閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識することを抑制できる。また、閉じる方向への変位自体を規制できることで、かかる閉じる動作に伴う衝突により部材が破損することを回避できる。
なお、本実施例では、ロック部材3560が前扉5の幅方向(図26左右方向)における中央よりも回転軸(ピン18d)へ近い側(図26右側)に配設される。そのため、ロック部材3560を初期位置から解除位置へスライド変位させるために、内枠4に対して前扉5を開放させる際には、比較的大きな開放角度まで開放させる必要を生じさせることができる。その結果、内枠4に対して前扉5を閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識することを抑制しやすくできる。
ここで、本実施形態では、介設板3540が所定位置から取り外された場合(即ち、ワンウェイクラッチ3580が駆動状態とされた場合)、内枠4に対して前扉5が閉じる方向へ変位することは規制するが、内枠4に対して前扉5が開放方向へ変位することは許容する。これにより、介設板3540を所定位置に戻し忘れているため、内枠4に対して前扉5を閉じることができない場合に、作業者が、前扉5を閉じる方向および開放させる方向へ交互に回転させることを試行すると、前扉5の開放角度を徐々に大きくさせることができる。これにより、介設板3540の所定位置への戻し忘れであることを作業者に認識させやすくできる。また、回動軸(ピン18d)における故障や異物の噛み込みとは異なる動作を形成できるので、この点からも、介設板3540の所定位置への戻し忘れであることを作業者に認識させやすくできる。
次いで、図32から図37を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、パネル部材520(交換対象)の有無に関わらず、介設板540が所定位置に配設されることで、内枠4に対して前扉5を閉じることが可能とされる場合を説明したが、第4実施形態では、天板4530に加え、パネル部材4520が配設された場合に、内枠4に対して前扉5を閉じることが可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図32は、第4実施形態における前扉5の分解正面斜視図である。図32に示すように、第4実施形態における抑制機構は、パネル部材4520が天板4530に締結固定され、このパネル部材4520が締結固定された状態の天板4530を本体部材510の上面(収容部511)に配設する。ここで、パネル部材4520及び天板4530について、図33及び図34を参照して説明する。
図33(a)は、図32の矢印XXXIII方向視における天板4530の背面図であり、図33(b)は、図33(a)のXXXIIIb−XXXIIIb線における天板4530の断面図である。
また、図34(a)は、図32の矢印XXXIII方向視における天板4530及びパネル部材4520の背面図であり、図34(b)は、図34(a)のXXXIVb−XXXIVb線における天板4530及びパネル部材4520の断面図であり、図34(c)は、図34(a)のXXXIVc−XXXIVc線における天板4530及びパネル部材4520の断面図である。
図33及び図34に示すように、天板4530は、第1実施形態における天板530及び介設板540を一体化すると共に、左右の縁部から突設される突片部531,542を省略した板状体として形成される。即ち、天板4530には、その正面側の縁部に突片部531が形成されており、かかる突片部531を本体部材510のスライド溝511aに係合(挿通)可能とされる。また、天板4530の底面には、挿通筒部541が形成され、ロック部材560が挿通可能とされる。
天板4530には、その底面に当接部材4532が配設される。当接部材4532は、長尺板状の部材であり、その長手方向を前扉5の前後方向(図33(b)左右方向)に沿わせた姿勢で配設されると共に、長手方向略中央が天板4530の底面に支持軸4533によって回転可能に軸支される。
この場合、天板4530と当接部材4532との間には、ねじりばね(図示せず)が弾性的にねじり変形された状態で介設され、当接部材4532は、ねじりばねの弾性回復力によって、長手方向一端側(図33(b)右側)が天板4530の底面へ当接される回転方向に付勢される。即ち、当接部材4532は、パネル部材4520が締結固定されていない状態では、図33(b)に示す状態に維持される。
天板4530の底面には、当接部材4532の長手方向他端側(図33(b)左側)の上面に対面する領域に沿って凹溝4534が凹設され、その凹溝4534の内部空間へ当接部材4532の長手方向他端側を受け入れ可能とされる。よって、図34に示すように、天板4530の底面にパネル部材4520が締結固定された場合には、パネル部材4520によって当接部材4532の長手方向他端側が凹溝4534内に押し込まれることで、当接部材4532の長手方向一端側を天板4530の底面から離間させることができる。
即ち、後述するように、天板4530にパネル部材4520が装着(締結固定)されていない状態では、当接部材4532の長手方向一端側が上方(天板4530の底面側)に位置するため(図33(b)参照)、天板4530を本体部材510(収容部511)に配設した際に、当接部材4532の長手方向一端側によるレバー部材570の下方への押し下げを不能とできる。一方、天板4530にパネル部材4520が装着(締結固定)された状態では、当接部材4532の長手方向一端側が下方(天板4530の底面から離間する側)に位置するため、天板4530を本体部材510(収容部511)に配設した際に、当接部材4532の長手方向一端側によりレバー部材570を下方へ押し下げることができる。これにより、後述するように、パネル部材4520の取り付け忘れを抑制できる。
なお、収容部511に凹設される凹部511c(パネル部材4520を収容するための空間)の凹設寸法(深さ寸法)は、パネル部材4520の高さ寸法(図34(b)上下方向寸法)よりも十分に大きな寸法に設定される。
よって、パネル部材4520を、天板4530に締結固定せずに、凹部511cに収容し、天板4530を収容部511に配設する場合(即ち、パネル部材4520と天板4530とを別々に装着する場合)には、パネル部材4520の上面が天板4530(当接部材4532の長手方向他端側)の底面から離間されるため、当接部材4532の長手方向他端側がパネル部材4520によって凹溝4534内に押し込まれた状態が形成できず、当接部材4532の長手方向一端側を天板4530の底面から離間させる(図34(b)の状態を形成する)ことができない。よって、当接部材4532の長手方向一端側によるレバー部材570の下方への押し下げを不能とできる。
即ち、作業者が、例えば、パネル部材4520の交換作業の工程を簡略化するために、パネル部材4520の天板4530への締結固定を意図的に行わずに、或いは、締結固定する必要があることを知らずに、これらパネル部材4520と天板4530とを別々に本体部材510に配設した場合には、レバー部材570の押し下げを不能とできる。即ち、内枠4に対して前扉5を閉じることができず、遊技可能な状態を形成することができない。これにより、パネル部材4520の上面と天板4530の底面との間の隙間から異物を挿入され難くすることができ、不正行為を抑制しやすくできる。
次いで、第4実施形態における抑制機構の操作方法について、図35から図37を参照して説明する。図35から図37は、抑制機構の状態遷移を説明するための図であり、図35(a)から図37(a)は、図32の矢印XXXV方向視における背面部材550の正面図であり、図35(b)から図37(b)は、図35(a)から図37(a)のXXXVb−XXXVb線からXXXVIIb−XXXVIIb線における背面部材550の断面図である。
なお、図35(a)及び図36(b)では、天板4530が断面視して図示される。また、図35(b)から図37(b)では、ロック部材560が断面視されずに図示されると共に、前扉5の上側部分における全体構造が図示される。
図35に示すように、ロック部材560が第1位置に押し込み操作された状態では、天板4530の挿通筒部541にロック部材560が挿通され、天板4530が本体部材510の収容部511から取り外し不能とされる。
図35に示す状態から、ロック部材560が背面部材550の背面側へ引き出し操作され、第2位置に達すると、ロック部材560(基部材562)が天板4530の挿通筒部541から抜き取られると共に、ロック部材560(基部材562)の基端の端面がレバー部材570を越える位置まで後退される。
これにより、レバー部材570がねじりばねSP1の弾性回復力により回転され、その先端側が上方へ跳ね上げられる。この場合、レバー部材570の上面には天板4530の当接部材4532の長手方向一端側が当接されているので、かかる当接部材4532がレバー部材570によって上方へ押し上げられることで、図36に示すように、天板4530の後方側(突片部531と反対側)が上方に持ち上げられる。よって、上方へ持ち上げられた部分を把持することができ、図37に示すように、天板4530を本体部材510から取り外す作業における作業性の向上を図ることができる。
取り外した天板4530からパネル部材4520を取り外し、別のパネル部材4520に交換した後は、図36に示すように、別のパネル部材4520が装着(締結固定)された天板4530を本体部材510の収容部511に取り付ける。この場合、天板4530の正面側に形成される突片部531を本体部材510のスライド溝511aに係合(挿通)させる。これにより、天板4530の当接部材4532の長手方向一端側がレバー部材570の上面に当接(載置)されることで、図36に示すように、天板4530が、その後方側(突片部531と反端側)が上方に持ち上げられた姿勢で、本体部材510の収容部511に配設される。
この状態(図36に示す状態)から、天板4530の後方側が下方へ押し込まれると、ねじりばねSP1の弾性回復力に抗しつつ、レバー部材570が当接部材4532の長手方向一端側によって下方へ押し下げられ、レバー部材570の先端側が背面部材550の挿通孔551よりも下方へ配置されると共に、天板4530の挿通筒部541が本体部材510の保持部511e及び背面部材550の挿通孔551と一直線上となる位置(即ち、挿通筒部541の両端開口が保持部511e及び挿通孔551に対面される位置)に配置される。
よって、第2位置にあるロック部材560を第1位置へ向けて押込み操作することで、かかるロック部材560の基端側(基部材562)が、天板4530の挿通筒部541及び本体部材510の保持部511eに順に挿通され、図35に示す状態が形成される。即ち、天板4530が本体部材510から取り外し不能とされた状態が形成される。
一方、取り外した天板4530からパネル部材4520を取り外したが、別のパネル部材4520に交換すること(天板4530に別のパネル部材4520を装着(締結固定)すること)を忘れた場合には、天板4530を本体部材510の収容部511に取り付けても、当接部材4532の長手方向一端側が上方(天板4530の底面側)に位置するため(図33(b)参照)、その当接部材4532の長手方向一端側によってレバー部材570を下方へ押し下げることができない。即ち、レバー部材570の先端側が背面部材550の挿通孔551に対面した姿勢に維持され、第2位置にあるロック部材560を第1位置へ向けて押込み操作することが規制された状態に維持されるので、内枠4に対して前扉5を閉じることができない。
ここで、例えば、第1実施形態の場合、介設板540を所定位置に配設しなければ、内枠4に対して前扉5を閉じることができないので、介設板540の戻し忘れを抑制できる。しかしながら、この場合、前扉5を閉じることができるか否かには、介設板540のみが作用し、パネル部材520を作用させることはできない。即ち、パネル部材520を取り付け忘れていても、前扉5を閉じることができるので、かかるパネル部材520の取り付け忘れを抑制することはできない。
これに対し、本実施形態では、天板4530にパネル部材4520が装着(締結固定)されていない場合には、かかる天板4530を所定位置(収容部511)に配設しても、第2位置にあるロック部材560を第1位置へ向けて押込み操作することができず、内枠4の正面と前扉5の背面との間にロック部材560が介在される状態を維持するので、内枠4に対して前扉5を閉じることができない状態を形成できる。これにより、作業者に対してパネル部材4520の取り付け忘れを認識させることができる。
一方で、レバー部材570を下方へ押し下げるための部材(当接部材4532)が、天板4530に配設され、かかる当接部材4532の姿勢を、パネル部材4520の装着(締結固定)の有無により切り替える構造であるので、パネル部材4520のみを本体部材510の所定位置(凹部511c)に配設し、天板4530を本体部材510の所定位置(収容部511)に配設し忘れた場合にも、内枠4に対して前扉5を閉じることができない状態を形成できる。これにより、作業者が天板4530を取り付け忘れることを抑制できる。
次いで、図38から図44を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、ロック部材560を間に介在させる(挟ませる)ことで、内枠4に対して前扉5を閉じられなくする場合を説明したが、第5実施形態では、施錠機構による施錠を不能とすることで、内枠4に対して前扉5を閉じられなくする。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図38は、第5実施形態における前扉5の上側部分の分解正面斜視図である。なお、図38では、背面部材5550の正面に配設される各種部材の一部(例えば、一対のスピーカーの一方)の図示が省略されると共に、昇降部材5565の下端側の図示が省略される。
図38に示すように、第5実施形態における前扉5は、背面部材5550の支持軸5556に回転可能に軸支される回転プレート5563と、その回転プレート5563の上端側をロック部材560の基部材562に連結する連結棒5564と、上下方向に延設される案内溝(図示せず)に配設され回転プレート5563の回転に伴って昇降される昇降部材5565とを備える。
連結棒5564は、ロック部材560がスライド操作に伴う変位を回転プレート5563に伝達するための棒状の部材であり、ロック部材560に連結される一端側または回転プレート5563に連結される他端側の少なくとも一方がロック部材560又は回転プレート5563に回転可能に軸支される。
回転プレート5563には、その長手方向中央に軸支孔5563aが開口形成されると共に、下端側の側面から突設ピン5563bが突設される。軸支孔5563aは、背面部材5550の支持軸5556が挿通される孔であり、回転プレート5563の長手方向に沿って延設される長円形状の孔(即ち、支持軸5556が回転可能かつ摺動可能な溝)として形成される。よって、ロック部材560のスライド操作が連結棒5564を介して回転プレート5563の上端側に伝達されると、軸支孔5563a内を支持軸5556が相対的に摺動されることで、回転プレート5563が高さ位置を変化させつつ回転される(図40及び図43参照)。
昇降部材5565には、ロック部材560のスライド操作の方向と平行に延設される長穴形状の摺動溝5565aが開口形成されると共に、側面から複数本(本実施形態では3本)の押下げピン5565bが突設される。摺動溝5565aには、回転プレート5563の突設ピン5563bが摺動可能に挿通される。
よって、回転プレート5563が高さ位置を変化させつつ回転されると、その回転プレート5563の高さ位置の変化が、突設ピン5563b及び摺動溝5564aを介して、昇降部材5565に伝達され、かかる昇降部材5565が昇降される(図40及び図43)。
各押下げピン5565bは、鉤部材166a〜166c(図5参照)の後端側をそれぞれ押し下げるための部位であり、鉤部材166a〜166cの上方に配置されるように、上下方向に所定間隔を隔てつつ並設される。
なお、鉤部材166a〜166cは、支持軸5557に回転可能に軸支されると共に背面部材5550の背面から先端側を突出させた姿勢で背面部材5550に配設され、その先端側の係合部が内枠4の鉤受け部材167に係合されることで、内枠4に対する前扉5の施錠機構を構成する(図40及び図41参照)。
次いで、第5実施形態における抑制機構について、図39から図44を参照して説明する。
図39(a)及び図39(b)は、ロック部材560が第1位置にスライド操作された状態における遊技機主部3の断面図であり、図38のXXXIX−XXXIX線における断面図に対応する。図40及び図41は、ロック部材560が第1位置にスライド操作された状態における遊技機主部3の断面図であり、図38のXL−XL線における断面図に対応する。なお、図39(a)及び図40では、内枠4に対して前扉5が開放された状態が、図39(b)及び図41では、内枠4に対して前扉5を閉じた状態が、それぞれ図示される。
図42(a)及び図42(b)は、ロック部材560が第2位置にスライド操作された状態における遊技機主部3の断面図であり、図38のXXXIX−XXXIX線における断面図に対応する。図43及び図44は、ロック部材560が第2位置にスライド操作された状態における遊技機主部3の断面図であり、図38のXL−XL線における断面図に対応する。なお、図42(a)及び図43では、内枠4に対して前扉5が開放された状態が、図42(b)及び図44では、内枠4に対して前扉5を閉じた状態が、それぞれ図示される。
ここで、内枠4には、鉤受け部材167の後方(図40右側)に受け板5028が配設される。受け板5028は、弾性的に圧縮変形された圧縮ばねSP3の弾性回復力により鉤受け部材167へ向けて付勢される。
また、本実施形態における内枠4には、ロック部材560に対面する領域に逃げ部5004aが凹設される。逃げ部5004aは、ロック部材560が第2位置へスライド操作された状態で、内枠4に対して前扉5が閉じられた場合に、その逃げ部5004aの内部空間にロック部材560(先端部材561)を収納可能な大きさ(即ち、ロック部材560と内枠4とを非干渉とできる大きさ)に形成される。
図39から図41に示すように、ロック部材560が第1位置にスライド操作された状態では、そのロック部材560の第1位置へのスライド操作に伴い、連結棒5564と支持軸5556との間の距離が拡大されるため、回転プレート5563及び昇降部材5565が上方へ持ち上げられる。
これにより、昇降部材5565の押下げピン5565bが鉤部材166aの後端側の上面よりも上方に位置される。よって、鉤受け部材28に係合するための鉤部材166aの支持軸557を中心とする回転が許容されるので、図39(a)及び図40に示す状態から、内枠4に対して前扉5を閉じると、図39(b)及び図41に示すように、鉤部材166aの係合部を鉤受け部材167に係合させて、施錠された状態を形成できる。
なお、この場合、鉤部材166aによって受け板5028が後方へ押し込まれているため、鉤部材166a及び鉤受け部材167の係合を解除(開錠)した際には、圧縮ばねSP3の弾性回復力により鉤部材166aを押し返すことができる。即ち、内枠4に対して前扉5を閉じた状態から開放する際には、その開放に要する力を圧縮ばねSP3の弾性回復力により補助することができる。よって、内枠4に対して前扉5を開放させる際の作業者の作業性の向上を図ることができる。
一方、図42から図44に示すように、ロック部材560が第2位置にスライド操作された状態では、そのロック部材560の第2位置へのスライド操作に伴い、連結棒5564と支持軸5556との間の距離が縮小されるため、回転プレート5563及び昇降部材5565が下方へ押し下げられる。
これにより、昇降部材5565の押下げピン5565bが鉤部材166aの後端側の上面を下方に押し下げることで、かかる鉤部材166aを、その先端側の係合部が上方へ持ち上げられた姿勢、即ち、鉤受け部材167に係合不能な姿勢とすることができる。
よって、図42(a)及び図43に示す状態(即ち、介設板540が所定位置(収容部511)に配設されていない状態)から、内枠4に対して前扉5を閉じると、図42(b)及び図44に示すように、鉤部材166aの係合部を鉤受け部材167に係合させず、施錠された状態が形成されることを規制できる。即ち、介設板540が所定位置に配設されていない状態では、施錠を規制して、開錠状態に維持することができるので、内枠4に対して前扉5を閉じることができない状態を形成できる。その結果、介設板540が配設されていないことを作業者へ認識させることができる。また、意図的に介設板540を所定位置へ配設しない行為を抑制できる。
この場合、内枠4に対して前扉5を閉じた際に、施錠が行なわれないだけでは、内枠4の正面に前扉5が重なっていることで、閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、鉤受け部材167の後方に、受け板5028及び圧縮ばねSP3を設けたので、鉤部材166aが、その先端側の係合部が上方へ持ち上げて、鉤受け部材167に係合不能な姿勢とされた状態で、内枠4に対して前扉5を閉じた場合には、図44に示すように、鉤部材166aによって浮き板5028を後方へ押し込ませて、圧縮ばねSP3を更に圧縮させることができる。
その結果、圧縮ばねSP3の弾性回復力により鉤部材166aを前方(図44左方向)へ押し返して、内枠4に対して前扉5を開放方向へ変位させることができる。即ち、内枠4に対して前扉5を閉じても、かかる前扉5が開放されるため、閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識することを抑制できる。その結果、介設板540が配設されていないことを作業者へ認識させやすくできる。
また、このように、内枠4に対して前扉5を閉じる際には、鉤部材166aにより受け板5028を後方へ押し込ませて、圧縮ばねSP3を圧縮変形させることができるので、その緩衝作用により衝撃を吸収して、破損を抑制することができる。
特に、本実施形態では、内枠4に逃げ部5004aが凹設されるので、内枠4に対して前扉5を閉じる際の衝撃による破損を抑制できる。即ち、例えば、第1実施形態の場合では、介設板540を所定位置に戻さないまま、内枠4に対して前扉5を閉じると、内枠4と前扉5との間にロック部材560(先端部材561)が部分的に介在され(挟まれて)、そのロック部材560周辺に衝突時の力が集中するため、面圧が大きくなり、破損しやすい。
これに対し、本実施形態によれば、介設板540を所定位置に戻さないまま、内枠4に対して前扉5を閉じても、図42(b)及び図44に示すように、ロック部材560(先端部材561)が逃げ部5004aに受け入れられるので、内枠4と前扉5との間にロック部材560が部分的に介在されず(挟まれず)、内枠4の正面と前扉5の背面とを全面で当接(衝突)させることができる。その結果、衝突時の力を全面に分散させ、面圧を下げることができ、破損を抑制できる。
次いで、図45から図50を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、ロック部材560の第1位置から第2位置へのスライド操作が、レバー部材570により規制される場合を説明したが、第6実施形態では、ロック部材560の第1位置から第2位置へのスライド操作が、スライド板6540により規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図45は、第6実施形態における前扉5の上側部分の分解背面斜視図である。図45に示すように、本体部材510の上面には、スライド板6540をスライド操作可能に配設するための収容部6511が凹設され、その収容部6511の一部には、作業空間6511aが凹設される。作業空間6511aには、所定の部材(機器)が収容される。
スライド板6540は、作業空間6511aを遮蔽する遮蔽位置(図47(a)参照)と、作業空間6511aを開放する開放位置(図47(b)参照)との間でスライド操作が可能とされる。即ち、通常は、スライド板6540が遮蔽位置に配置され、作業空間6511aに収容される所定の部材の交換、メンテナンス(調整)、設定の変更・切換、スイッチ操作などを行う際には、スライド板6540が遮蔽位置から開放位置にスライド操作される。ここで、スライド板6540について、図46を参照して説明する。
図46(a)は、スライド板6540の上面図であり、図46(b)は、図46(a)の矢印XLVIb方向視におけるスライド板6540の側面図であり、図46(c)は、図46(b)のXLVIc−XLVIc線におけるスライド板6540の断面図であり、図46(d)は、図46(b)のXLVId−XLVId線におけるスライド板6540の断面図である。
図46に示すように、スライド板6540は、長尺板状の上面板6541と、その上面板6541の長手方向一端側(図46(b)右側)における底面から突出される直方体状の箱状部6542とを備えて形成される。
上面板6541には、その長手方向に沿う縁部から板状の突片部6541aがそれぞれ突設され、各突片部531が本体部材6510の突片部6510a及び背面部材6550の突片部6550a(それぞれ図48参照)の下面に係合されることで、スライド板6540が収納部6511から取り外し不能とされる。
上面板6541は、収容部6511の作業空間6511aと反対側の底面(作業空間6511aが凹設される底面よりも高さが一段高くされた底面)に載置され、その底面上を摺動される。
箱状部6542には、ロック部材560が挿通可能に形成される挿通孔6542aが貫通形成される。即ち、挿通孔6542aは、スライド板6540が遮蔽位置に配置されると(図47参照)、後述する本体部材6510の保持部511e及び背面部材6550の挿通孔551と一直線上となる位置(即ち、挿通孔6542aの両端開口が保持部511e及び挿通孔551に対面される位置)に配置される(図48参照)。
箱状部6542は、収容部6511の作業空間6511aが凹設される底面に載置され、その底面上を摺動される。この場合、箱状部6542の長手方向端面(図46(b)左側)が、収容部6511の底面における段差(上面板6541が載置される底面と箱状部6542が載置される底面との間の段差)に当接されることで、スライド板6540の収容部6511からの取り外しが不能とされると共に、スライド板6540が開放位置に配置される。
図45に戻って説明する。本体部材6510には、保持部511eが、背面部材6550には、挿通孔551及びロック部材560が、それぞれ形成または配設される。これら本体部材6510の保持部511e並びに背面部材6550の挿通孔551及びロック部材560は、第1実施形態における本体部材510の保持部511e並びに背面部材550の挿通孔551及びロック部材560と配設位置が異なる点を除き、他の構成は実質的に同一であるので、同じ符号を付してその説明は省略する。
次いで、第6実施形態における抑制機構の操作方法について、図47から図50を参照して説明する。
図47(a)は、スライド板6540及びロック部材560がそれぞれ遮蔽位置および第1位置にスライド操作された状態における前扉5の上面図であり、図47(b)はスライド板6540及びロック部材560がそれぞれ開放位置および第2位置にスライド操作された状態における前扉5の上面図である。
また、図48は、図47(a)のXLVIII−XLVIII線における前扉5の断面図であり、図49は、図48に示す状態からロック部材560が第2位置にスライド操作された状態における前扉5の断面図であり、図50は、図47(b)のLI−LI線における前扉5の断面図である。
作業空間6511aにおける所定の部材の交換またはメンテナンスを行うに際しては、ロック部材560のスライド操作(押し込み操作または引き出し操作)を可能とするべく、まず、内枠4に対して前扉5を開放する。
図47(a)及び図48に示すように、ロック部材560が第1位置に押し込み操作された状態では、スライド板6540の挿通孔6542aにロック部材560が挿通され、挿通孔6542aの一端側から突出するロック部材560(基部材562)の基端が本体部材6510の保持部511e内に保持されると共に、挿通孔6542aの他端側から突出するロック部材560(先端部材561)の先端が背面部材6550の挿通孔551に保持される。よって、スライド板6540は、スライド操作が不能とされ、遮蔽位置(所定位置)に保持される。
図47(a)及び図48に示す状態から、ロック部材560が背面部材6550の背面側へ引き出し操作され、第2位置に達すると、図49に示すように、ロック部材560(基部材562)がスライド板6540の挿通孔6542aから抜き取られる。これにより、スライド板6540を遮蔽位置から解放位置へスライド操作することが可能とされる。
図47(b)及び図50に示すように、スライド板6540が開放位置に配置されると、作業空間6511aが開放されるので、かかる作業空間6511aに収容される所定の部材の交換やメンテナンスなどの作業が可能とされる。
このスライド板6540が開放位置に配置された状態では、ロック部材560が引き出し操作により第2位置に配置されており、かかるロック部材560が第2位置に配置された状態では、背面部材6550の背面からロック部材560(先端部材561)が突出される。
そのため、上述したように、内枠4の正面と前扉5の背面との間にロック部材560が介在されることで、内枠4に対して前扉5を閉じることができない。これにより、作業者に対してスライド板6540の遮蔽位置(所定位置)への戻し忘れを認識させることができる。
また、本実施形態では、スライド板6540が開放位置に配置された状態では、かかるスライド板6540が前扉5から突出された状態を形成できる。これにより、作業者に対してスライド板6540の遮蔽位置への戻し忘れを認識させることができる。
特に、スライド板6540は、前扉5の回動先端側(回転中心と反対側)の側方へ向けて突出され、かかるスライド板6540が、前扉5を開閉する作業者の動作を阻害することとなるため、作業者に対してスライド板6540の遮蔽位置への戻し忘れを認識させることができる。一方で、スライド板6540は前扉の側方へ突出されるので、かかるスライド板6540が突出された状態で作業者が不用意に前扉5を内枠4に対して閉じた場合でも、スライド板6540と内枠4との干渉を回避して、その破損を抑制できる。
また、この状態(スライド板6540を遮蔽位置へ戻し忘れている状態)では、スライド板6540の箱状部6542の背面(後端面)が、ロック部材560の基部材652の基端に対面されることで、ロック部材560の第1位置への押し込み操作が規制される。ロック部材560を第1位置へ押し込み操作する(即ち、前扉5を内枠4に対して閉じることが可能な状態を形成する)ためには、スライド板6540を所定位置(遮蔽位置)へ配置する必要がある。即ち、スライド板6540を所定位置へ戻さない限り、ロック部材560を第1位置へ押し込み操作すること(前扉5を内枠4に対して閉じること)ができないので、スライド板6540の遮蔽位置への戻し忘れを抑制することができる。
更に、本実施形態によれば、ロック部材560を第2位置に配置した後は、そのロック部材560の第1位置への押し込み操作を、スライド板6540の箱状部6542の背面(後端面)により規制することができる。即ち、第1実施形態の場合のように、レバー部材570を設ける必要がないので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図51を参照して、第7実施形態について説明する。第2実施形態では、内枠4に対して前扉5を閉じた状態において、圧縮ばねSP2が先端部材2561により軸方向に押し込まれて圧縮変形される場合を説明したが(図23参照)、第7実施形態における圧縮ばねSP2は、先端部材2561に加え、保持部511eの挿入片7511fによっても軸方向に押し込まれて圧縮変形される。なお、上記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図51は、第7実施形態における内枠4及び前扉5の部分拡大断面図であり、図23に対応する。図51に示すように、ロック部材7560の基部材7562の後端には、その基部材7562の少なくとも上面(図51上側の面)及び後端面(図51左側の面)を含む領域が切り欠かれることで開口が形成され、かかる開口が切り欠き部7562fとされる。
一方、本体部材510の保持部511eには、その凹部の内壁面および底面から突出される挿入片7511fが、ロック部材7560の切り欠き部7562fに対応する位置に形成される。よって、保持部511eにロック部材7560(基部材7562)の基端が保持されると、基部材7562の切り欠き部7562fから摺動案内部2562b内へ挿入片7511fが挿入され、圧縮ばねSP2を圧縮変形させる。
このように、本実施形態によれば、内枠4に対して前扉5を閉じた状態では、内枠4の正面に当接された棒状部2561aが、上述した寸法L1(図19参照)の分だけ摺動案内部2562b内へ押し込まれることで、圧縮ばねSP2を圧縮変形させることに加え、保持部511eの挿入片7511fが摺動案内部2562b内へ挿入されることでも、圧縮ばねSP2を更に圧縮変形させることができる。即ち、第2実施形態の場合(図23参照)と比較して、圧縮ばねSP2の圧縮変形量を大きくして、先端部材2561を突出方向(図51右方向)へ付勢する付勢力を大きくできる。
従って、内枠4に対して前扉5を開放する際に、圧縮ばねSP2の付勢力により先端部材2561をより強い力で突出させることができるので、内枠4を開放方向(前扉5から離間する方向、図51右方向)へ押し出す動作、及び、その反作用により前扉5を開放方向(内枠4から離間する方向、図51左方向)へ押し出す動作を確実に行わせることができる。その結果、前扉5の重量が比較的大きな場合であっても、内枠4に対して前扉5を開放させやすくして、作業者の負担を軽減できる。
一方で、ロック部材7560が第2位置にスライド操作(引き出し操作)された状態では(例えば、図20及び図21参照)、保持部511eの挿入片7511fが切り欠き部7562fから抜き取られた状態とされ、圧縮ばねSP2を基部材7562(摺動案内部2562b)の後端面と先端部材2561のピストン部2561bとの間で圧縮変形させることができる。
即ち、挿入片7511fが挿入されていない分、先端部材2561の押し込み方向(図20及び図21の左方向)へのストローク可能量を確保できるので、ロック部材7560が第2位置にある状態(即ち、介設板540を戻し忘れた状態)で、内枠4に対して前扉5が閉じられる場合に(図24及び図25参照)、圧縮ばねSP2の弾性的な圧縮変形による緩衝作用を発揮させやすくできる。その結果、衝突の勢いを弱めて、レバー部材570の破損を抑制できる。
次いで、図52から図58を参照して、第8実施形態における抑制機構について説明する。
まず、第8実施形態における遊技機主部8003の全体構成について、図52及び図53を参照して説明する。図52は、第8実施形態における遊技機主部8003の分解正面斜視図である。図53(a)は、内枠8004の正面図であり、図53(b)は、図53(a)のLIIIb−LIIIb線における内枠8004の断面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図52及び図53に示すように、第8実施形態における内枠8004には、後述するロック部材8560が挿通するための挿通孔8004aと、誘導レール75の間に後述する突出部材8713が突出するための開口8004bとが正面から背面に亘って貫通形成される。
挿通孔8004aは、内枠8004の回転軸側(図53(a)左側)の上方に形成されると共に、ロック部材8560の正面視の外形と略同一もしくは大きく形成され、内側にロック部材8560が挿通される。
開口8004bは、誘導レール75の間に形成されると共に、突出部材8713の正面視における外形と略同一もしくは大きく形成され、内側に突出部材8713が挿通される。
内枠8004の背面には、打出規制部材8710が配設される。打出規制部材8710は、貫通孔8004aの正面視右側に配設される押込部材8711と、押込み部材8711の下方に配置されるスライド片8712と、スライド片8712の下方に配置される突出部材8713とを主に備える。
押込部材8711は、ロック部材8560に押圧されることで、前後方向に摺動する部材であり、ロック部材8560と少なくとも一部が左右方向(図53(a)左右方向)に重なって配置される。また、押込部材8711は、側面視台形状に形成されると共に、先端に向かって上下方向の厚みが小さく(細く)なる先細りに形成される。即ち、押込部材8711には、下面側が先端(正面)へ向かうほど上方へ上昇傾斜する傾斜面8711aが形成される。
スライド片8712は、L字の短辺側の先端を点対称に2つ連結した側面視形状に形成されると共に、左右方向に所定の厚みを備えて形成される。また、スライド片8712の上下両端部には、中心に向かって傾斜する傾斜面8712aと傾斜面8712bとが形成される。即ち、傾斜面8712a及び傾斜面8712bは、正面へ向かうに従って上方へ上昇傾斜される。
傾斜面8712aは、押込部材8711の傾斜面8711aと当接する面であり、その傾斜角度は、押込部材8711の傾斜面8711aの傾斜角度と合わせて略直角に設定される。また、傾斜面8712bは、下端側に形成される面であり、後述する突出部材8713の傾斜面8713cと当接して配置される。
突出部材8713は、上述した開口8004bから突出する部材であり、正面視における左右(図53(a)左右側)の側面が誘導レール75の円弧軸と同一の軸を備えた湾曲形状に形成される。また、突出部材8713は、側面視略台形に形成され、正面側の端面に遊技盤の平面と略平行に形成された突出面8713aと、背面側に先端に向かって下方傾斜する傾斜面8713bと、傾斜面8713bの基部から連結すると共に、上方に突出した板状の突壁8713cとを主に備える。
傾斜面8713bは、上述したスライド片8712の傾斜面8712bと当接する面であり、その傾斜角度はスライド片8712の傾斜面8712bの傾斜角度と合わせて略直角に形成される。
突壁8713cの前方には、圧縮ばねSP4が配置される。圧縮ばねSP4は、突壁8713cと遊技盤13との間に所定量縮まった様態で配置されており、圧縮ばねSP4の付勢力により突出部材8713が常に後方に付勢された状態で配設される。また、突壁8713cは、突出部材8713が後方に位置する際に、スライド片8712の前面と当接した状態で配置される。これにより、突出部材8713が圧縮ばねSP4により所定位置よりも引き込まれることを抑制できる。
なお、突出部材8713cが圧縮ばねSP4の付勢力により、後方に引き込まれた状態では、突出面8713aが、遊技盤13の前面と面一に配置される。これにより、突出面8713aが、遊技領域PEに発射される(誘導レール75の間を通過する)遊技球に影響を与えない。
次に、図54を参照して、ロック部材8560について説明する。図54(a)は、ロック部材8560の正面斜視分解図であり、図54(b)は、ロック部材8560の側面図であり、図54(c)は、図54(b)のLIVc−LIVc線におけるロック部材8560の断面図である。
図54(a)から図54(c)に示すように、ロック部材8560は、先端部材8561と、その先端部材8561の基端側に連結される基部材8562とを主に備え、基部材8562の基端側には、複数の張出部562aが張り出し形成される。
先端部材8561は、その基端側の厚み寸法が小さくされ、その厚み寸法が小さくされた部分に軸支孔8561aが穿設される。一方、基部材8562は、厚み方向に2分割され、一方の分割体の先端側に軸部8562bが突設される。軸部8562bをねじりバネSP5と軸支孔8561aに挿通した状態で、両分割体がボルトBTにより締結固定されて一体化されることで、先端部材8561の基端側に基部材8562が回転可能に連結される。即ち、ロック部材8560が屈曲可能に形成される。
また、先端部材8561と基部材8562との延設方向が同一(一直線上)に配置された状態において、先端部材8561の基端側の一側(図54(c)上側)の面には、基部材8562と当接する当接面8561bが形成されると共に、他側(図54(c)下側)の面には、軸支孔8561aの軸と同一の軸を有する円弧状に形成された湾曲面8561cを備える。
これにより、基部材8562に対する先端部材8561の回転は、一方向(図53(c)時計回り)のみに規制される。即ち、先端部材8561と基部材8562との延設方向が同一に配置された状態では、先端部材8561の当接面8561bが基部材8562に当接する様態で配置される。よって、基部材8562に対して先端部材8561は、一側方向(図53(c)反時計回り)に回転不能となる。一方、他側方向の回転は、湾曲面8561cにより、先端部材8561の回転に必要なスペースが確保されるので、先端部材8561を回転させることができる。
ここで、上述したように、基部材8562の軸部には、ねじりバネSP5が配設される。図54(b)に示すように、ねじりバネSP5は、一端側に延びる端部が、先端部材8561を一側方向に付勢し、他端側に延びる端部が、基部材8562を一側方向に付勢した様態で配置される。
これにより、ロック部材8560は、先端部材8561と基部材8562との延設方向が、常に同一となるように、ねじりバネSP5により付勢される。その結果、先端部材8561に他側方向の外力が作用し、先端部材8561が基部材8562に対して回転したとしても、他側方向の作用する外力を解除することで、先端部材8561がねじりバネSP5の付勢により回転して、先端部材8561と基部材8562との延設方向を同一(外力が作用する前の状態)にすることができる。
次に、図55を参照して、外枠8002について説明する。図55(a)は、外枠8002の正面斜視図であり、図55(b)は、外枠8002の正面図であり、図55(c)は、図55(b)のLVc−LVc線における折込部材8002aの断面図である。
図55(a)及び図55(b)に示すように、外枠8002には、その内側に突出した折込部8002aが形成される。折込部8002aは、ロック部材8560が当接した際にロック部材8560の先端部材8561を基部材8562に対して回転させる部材であり、ロック部材8560の後方に配置される。
また、図55(c)を参照すると、折込部8002aは、断面略三角形に形成されると共に前方側に突出する第1折込部8002a1と、第1折込部8002a1の基端側と連結する第2折込部8002a2とを主に備えて形成される。
次いで、図56を参照して、ロック部材8560の動作について説明する。図56(a)から図56(d)は、外枠8002から開放された遊技機主部8003を閉鎖する動作の各状態におけるパチンコ機1の上面図である。
図56(a)及び図56(b)に示すように、遊技機主部8003を外枠8002から一端を軸に回転させることで、内枠8004の背面にロック部材8560が操作可能に露出される。
遊技機主部8003を外枠8002から一端を軸に回転させた状態で、ロック部材8560が、内枠8004から後方に引き抜かれると、第1実施形態と同様に、レバー部材570の先端側が上方へ跳ね上げられて、介設板540を上方へ押し上げる。また、レバー部材570の先端側が、背面部材8550の挿通孔8551に対面する位置に配置される。これにより、ロック部材8560の押込み方向への移動が規制される。
次に、図56(c)及び図56(d)を参照して、介設板540を取り外した状態で遊技機主部8003を外枠8002に対して回転させて閉鎖した場合の説明をする。ロック部材8560は、内枠8004から後方に引き抜かれると、先端部材8561が内枠8004から突出した状態で配置される。この先端部材8561が内枠8004から突出した状態で、遊技機主部8003を外枠8002に閉鎖すると、ロック部材8560の先端部材8561が外枠8002の折込部8002aと当接する。
この場合、先端部材8561は、折込部8002aの第1折込部8002a1と初めに当接する。第1折込部8002a1は、上述したように、断面略三角形状に傾斜して形成されるので、第1折込部8002a1の傾斜により、ロック部材8560の後方への変位に従って、ロック部材8560に先端部材8561を回転させる外力を作用させることができる。
更に、第1折込部8002aにより、先端部材8561が基部材8562に回転させられると、先端部材8561の端部が、第1折込部8002a1と第2折込部8002a2との連結部分に到達し、第2折込部8002a2の側面をスライド変位する。これにより、先端部材8561が基部材8562に対して回転するための外力を作用させると共に、その回転距離を確保することができる。
また、図56(d)を参照すると基部材8562に対して回転した先端部材8561は、その側面が、隣接して配設された押込部材8711の背面と当接する。よって、先端部材8561が基部材8562に対して回転するに従って、押込部材8711を前方に押し込むことができる。
次に、図57を参照して、打出規制部材8710の動作について説明する。図57(a)及び図57(b)は、内枠8004の断面図であり、図53(a)のLIIIb−LIIIb線における断面に対応する。
上述したように、ロック部材8560の先端部材8561が基部材8562に対して回転させられると、その側面で、押込部材8711の背面を押圧する。これにより、押込部材8711を前方に変位させることができる。
押込部材8711が前方に変位すると、押込部材8711の傾斜面8711aがスライド片8712の傾斜面8712aを摺動する。これにより、押込部材8711が押込まれた際の変位が、スライド片8712を下方に変位させる動作となる。更に、スライド片8712が、上述した押込部材8711の変位により、下方にスライド変位すると、スライド片8712の傾斜面8712bが突出部材8713の傾斜面8713bを摺動する。よって、押込部材8711により変位させられたスライド片8712の変位により、突出部材8713を前方に押し出すことができる。
即ち、ロック部材8560を後方に引き抜いた(介設板540を取り外した)状態で遊技機主部8003を回転させて、外枠8002の内側に配置すると、押込部材8711が、先端部材8561の回転により押し込まれ、突出部材8713が前方に押し出される。
これにより、作業者が、介設板540を戻し忘れ、介設板540が本体部材に配設されていない状態で、遊技機主部8003を回転させて外枠8002の内側に配置すると、突出部材8713が、誘導レール75の間から突出する。これにより、作業者に対して、介設板540の取り付け忘れを認識させることができる。
次に、図58を参照して、突出部材8713と遊技球との関係について説明する。図58(a)は、遊技機主部8003の正面図であり、図58(b)は、図58(a)のLVIIIb−LVIIIb線における遊技機主部8003の断面図である。なお、図58(b)には、ガラス8が、2点鎖線で図示される。
突出部材8713と外レール77(誘導レール75)との間隔L1は、遊技球Tの直径L2よりも小さく、且つ、遊技球の直径L2の半分よりも大きく設定される(L2/2<L1<L2)。また、突出部材8713の突出面8713aからガラス8までの距離L3は、遊技球L2の直径よりも小さく設定される(L3<L2)。
よって、間隔L1が遊技球Tの直径L2よりも小さく設定されるので、誘導レール75に打出しされた球は、誘導レール75の間を通過することができないため、遊技球Tが遊技領域PEに発射(流入)されることを規制することができる。
即ち、突出部材8713が誘導レール75の間から突出して、遊技領域PEに遊技球Tが流入することを規制することで、遊技が行われることを不能とするので、遊技球Tが遊技領域PEの入球口に入球することを回避して、不正行為を伴った遊技が行われることを抑制できる。また、不正行為に関与しない遊技者が、意図せずに遊技を行う場合に、遊技を行うことが不能であることを認識させやすくすることができる。
更に、突出部材8713は、遊技球Tが発射される誘導路75の間に突出するので、遊技を行うことが不能であることを遊技者に認識させやすくできる。この場合、不正行為に関与しない遊技者が、遊技を行うことが不能であること認識できなかった際にも、発射された球が遊技領域PEに発射されることが規制されるので、発射された球を下皿50へ返却することができる。よって、遊技者に不利益を与えることを回避できる。
なお、突出部材8583は、戻り防止部材68の近傍に配設されることが好ましい。これにより、発射手段から発射された遊技球の行方を目視する遊技者に、突出部材8713の存在を認識させやすくすることができる。
また、この場合、突出部材8713の引込動作は、介設板540を所定位置に取り付け、ロック部材8560を第1位置に戻すことで解除することができる。即ち、介設板540を所定の位置に戻さないと、突出部材8713が前方に位置して、遊技不能の状態とされるので、介設板540の戻し忘れを抑制できる。
ここで、誘導路42の間に、突出部材8713が突出して、遊技球Tを遊技領域PEに発射できないようにするものであると、突出部材8713が没入された通常の遊技状態において、突出部材8713の引込み位置のばらつきや、突出部材8713と開口8004bとの隙間により、誘導路42を通過する遊技球に負荷を与えてしまい、遊技球Tを安定したスピードで遊技領域PEに発射できないおそれがある。また、上述したばらつきや隙間に起因する段差により飛び跳ねた遊技球Tがガラス8に衝突して破損させるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、上述したように、突出部材8713と誘導レール75との間隔L1は、遊技球Tの直径L2の半分よりも大きく形成される。よって、発射される遊技球Tは、発射した遠心力により外側の誘導レール75に接触しながら遊技領域PEまで誘導されるところ、通常の遊技状態では、遊技球Tが接触しない位置に突出部材8713が配置される(遊技球Tの半径よりも大きな間隔が突出部材8713と入口部分75bとの間に形成される)ので、通常の遊技状態での遊技球Tの誘導に負荷を与えることがなく、安定したスピードで遊技球Tを遊技領域PEに発射することができる。また、段差での遊技球Tの飛び跳ねを抑制して、ガラス8の破損を抑制できる。
また、上述したように、突出部材8713の引込み位置のばらつきが発生したとしても、遊技球Tの誘導に負荷を与えなくすることができるので、突出部材8713の突出誤差および組み付け誤差を必要以上に考慮する必要がない。よって、部品の製造を簡易にすることができ、製造コストを削減することができる。
次に、図59から図63を参照して、第9実施形態における抑制機構について説明する。
図59は、第9実施形態部における遊技機主部9003の分解正面斜視図である。図60(a)は、遊技機主部9003の背面図であり、図60(b)は、図60(a)のLXb−LXb線における遊技機主部9003の断面図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図59及び図60に示すように、第9実施形態における前扉9005には、回転軸から遠方側(ハンドル側)にハンドル突出部材9720が配置される。ハンドル突出部材9720は、背面部材550の挿通孔551の背面視左側に隣接して配置されるスライド部材9721と、スライド部材9721の下方に一端が連結されて上下方向に延設された連結部材9722と、連結部材9722の他端に一端が連結された回転伝達部材9723と、操作ハンドル51の中央に配置されると共に、背面側が回転伝達部材9723に連結される突出部材9724とを主に備える。
スライド部材9721は、側面視台形に形成される。スライド部材9721は、背面側(図60(b)右側)の側面に、先端に延設すると共に下方傾斜した傾斜面9721aが形成され、底面(図60(b)下側の面)に後述する連結部材9722の一端が挿入される所定の深さを有する穴状の連結穴9721bが形成される。
傾斜面9721aは、後述するロック部材9560の先端部材8561が当接して押圧される面である。スライド部材9721は、傾斜面9721aが水平方向に押圧されることで、その押圧力により下方向に変位可能に配置される。
連結穴9721bは、連結部材9722の一端が連結される穴であり、連結部材9722の直径と略同一、又は、小さく形成される。これにより、連結穴9721bに連結部材952の一端を圧入して、スライド部材9721と連結部材9722とが連結される。
連結部材9722は金属部材から形成されると共に、所定の直径を有した丸棒から形成され前扉9005の上下方向に延設される。連結部材9722の一端は、上述したように、スライド部材9721の連結穴9721bに挿入される。一方、連結部材9722の他端は、前扉9005の回転軸と反対方向に屈曲した屈曲部9722aを備える。
回転伝達部材9723は、側面視楕円に形成されると共に、一端に、連結部材9722の屈曲部9722aが挿入される孔状の貫通孔9723aが形成される。また、回転伝達部材9723の他端には、前扉9005の回転軸側(図2(a)左側)に突出する突起9723bが形成される。
貫通孔9723aは、上述したように、連結部材9722の屈曲部9722aが挿入される孔であり、連結部材9722の直径と内径が略同一または、連結部材9722の直径よりも大きく形成される。これにより、回転伝達部材9723は、連結部材9722の屈曲部9722aを軸にして回転可能に配置される。
突起9723bは、前後方向に長穴形状に開口した摺動溝9005aに挿通されると共に、突出部材9724の一端側に形成された係合穴9724aに挿通される。
ここで、回転伝達部材9723は、貫通孔9723aが突起9723bよりも上方に配置される。よって、回転伝達部材9723が、連結部材9722の屈曲部9722aの軸を中心に回転すると、突起9723bが、摺動溝9005aの内部を摺動できる。
また、連結部材9722の屈曲部9722aと回転伝達部材9723の貫通孔9723aとの間にねじりバネ(図示せず)が配設される。ねじりバネは、回転伝達部材9723の回転軸9593aを中心に突起9723b側を後方に付勢した状態(図60(b)では、貫通孔9723aを中心に回転伝達部材9723を右回りに付勢した状態)で配設される。これにより、回転伝達部材9723がスライド部材9721及び連結部材9722の重力により回転することを抑制できる。
突出部材9724は、円柱状に形成され、その延設方向を前後方向(図60(b)左右方向)として、操作ハンドル51の中央部に配設される部材である。突出部材9724は、前後方向に摺動可能に配設され、後方に位置する際にその前面が操作ハンドル51の前面と略同一となって配置される(図60(b)参照)。また、突出部材9724は、背面側の端部に正面視左右方向(図60(a)左右方向)に貫通した孔状の係合穴9724aを備える。
係合穴9724aは、上述した、回転伝達部材9723の突起9723bが挿入される。これにより、回転伝達部材9723が、連結部材9722の屈曲部9722aの軸を中心に回転して、突起9723bが、摺動溝9005aの内部を摺動すると、突起9723bの摺動に連動して、突出部材9724を前後方向に摺動できる。
ロック部材9560は、基部材9562が、第8実施形態の基部材8562と延設方向の長さ寸法が違うのみであり、その他の構成は、同一であるため詳しい説明は省略する。
内枠9004の遊技盤収容部141には、その内面に折込部8002aが形成される。折込部8002aは、ロック部材9560が当接した際に、ロック部材9560の先端部材8561を基部材9562に対して回転させる部材であり、ロック部材9560の後方に配置される。
次いで、図61を参照して、ロック部材9560の動作について説明する。図61(a)から(d)は、内枠9004から開放された前扉9005を閉鎖する動作の各状態における遊技機主部9003の上面図である。なお、図61(a)から図61(d)では、ロック部材9560及び折込部8002aが、破線で図示される。
図61(a)及び図61(b)に示すように、ロック部材9560は、前扉9005を内枠9004の一端を軸に回転させることで、内枠9003の正面側から操作可能に配設される。
前扉9005を内枠9004の一端を軸に回転させた状態で、ロック部材9560が、背面部材550から後方に引き抜かれると、第1実施形態と同様に、レバー部材570の先端側が、上方へ跳ね上げられて、介設板540を上方へ押し上げる。また、レバー部材570の先端側が、背面部材550の挿通孔551に対面する位置に配置される。これにより、ロック部材9560の押込み方向への移動が規制される。
次に、図61(c)及び図61(d)を参照して、介設板540を取り外した(ロック部材9560を後方に引き抜いた)状態で、前扉9005を内枠9004に対して回転させて閉鎖した場合の説明をする。ロック部材9560は、背面部材550から後方に引き抜かれると、先端部材8561が内枠8004から突出した状態で配設される。この(先端部材8561が背面部材550から突出した)状態で、前扉9005を内枠9004に閉鎖すると、ロック部材9560の先端部材8561が内枠9004の折込部8002aに当接する。
ここで、ロック部材9560の先端部材8561が折込部8002aと当接された後のロック部材9560の先端部材8561の動作は、第8実施形態と同様であるため、その詳しい説明は省略する。
次に、図62及び図63を参照して、ハンドル突出部材9720について説明する。図62(a)は、図61(b)の矢印VXIIa方向視における前扉9005の背面図であり、図62(b)は、図61(d)の矢印VXIIb方向視における前扉9005の背面図である。図63(a)は、図62(a)のLXIIIa−LXIIIa線における前扉9005の断面模式図であり、図63(b)は、図62(b)のLXIIIb−LXIIIb線における前扉9005の断面模式図である。なお、図62及び図63は、内枠9004の図示が省略される。
ロック部材9560の先端部材8561が、基部材9562に対して回転させられると、その側面でスライド部材9721の傾斜面9721aを押圧する。これにより、スライド部材9721を、下方にスライド変位させることができる。
また、前扉9005が内枠9004に対して閉鎖された状態(図61(d)の状態)では、ロック部材9560の先端部材8561の底面の少なくとも一部が、スライド部材9721の上面と当接する。これにより、後述する突出部材9724が突出した状態に位置する際に、突出部材9724が押圧される力をロック部材9560の底面と先端部材8561の上面との面で受け止めることができる。その結果、ロック部材9560が破損することを抑制できる。
スライド部材9721が下方に変位すると、スライド部材9721に連結された連結部材9722も同様に下方に変位させられる。これにより、連結部材9722が連結された回転伝達部材9723が下方に押し下げられる。
回転伝達部材9723は、貫通孔9723aを下方に押し下げられると、貫通孔9723aを軸に回転しつつ前方にスライド変位する。よって、回転伝達部材9723の突起9723bと係合した突出部材9724が前方に押し出しされて、突出部材9724の前面が操作ハンドル51の中央部から突出される。
即ち、作業者が介設板540を戻し忘れ、介設板540が本体部材510に配設されていない状態で、前扉9003を内枠9004に閉鎖すると突出部材9724が操作ハンドル51の中央部から突出する。これにより、作業者に対して、介設板540の取り付け忘れを認識させることができる。
この場合、作業者が、突出部材9724の突出を認識できなかったとしても、突出部材9724がハンドル51の前方に突出した状態となるので、遊技者が、ハンドル51を操作できないので、遊技球Tを発射することが規制される。なお、突出部材9724の突出距離は、ハンドル51に対してハンドル51の半径よりも大きな寸法、より好ましくは、ハンドル51の直径よりも大きな寸法に設定されることが好ましい。
即ち、突出部材9724が、ハンドル51に対してハンドル51の半径よりも大きな寸法で突出することで、遊技者がハンドル51を掴むことを抑制することができる。これにより、ロック部材9560が第1位置に配置されていない場合には、遊技が行われることを突出部材9724により、不能とすることができるので、不正行為を伴った遊技が行われることを抑制できる。
また、操作ハンドル51からの突出部材9724の突出は、前扉9005を内枠9004に閉鎖する動作中に開始されるので、その突出部材9724の突出を作業者に認識させやすくすることができる。例えば、内枠9004に対して、前扉9005を閉じた後に、突出部材9724が、操作ハンドル51又は前扉9005から突出する場合には、既にその際には作業者の意識が次の作業に向いているため、突出部材9724が操作ハンドル51又は前扉9003から突出されたことが認識し難い。これに対し、閉じる動作中であれば、作業者の意識が前扉9003に向いている可能性が高いため、少なくとも突出部材9724の突出が開始されたことを作業者に認識させやすくできる。
更に、操作ハンドル51は、前扉9005の回転軸と反対側に配置されているので、内枠9004に対して前扉9005を閉じる動作を作業者が行う際に、その作業者に接触させやすくすることができる。即ち、前扉9005を閉じる場合、作業者は、内枠9004の軸支される側と反対となる前扉9005の幅方向他側を操作する(手で押し込む)ところ、かかる幅方向他側に突出部材9724が配設されることで、前扉9005から突出する突出部材9724を作業者に認識しやすくすることができる。その結果、介設板540の所定位置への戻し忘れを作業者に認識しやすくすることができる。
また、この場合、作業者は、操作ハンドル51を掴んだ状態で、前扉9005を内枠9004に閉じる動作がしやすいところ、介設板540を所定位置に戻し忘れた状態では、操作ハンドル51から、突出部材9724が突出するため、かかる作業者の手に突出部材9724の先端を押し当てやすくすることができる。その結果、介設板540の所定位置への戻し忘れを作業者に認識しやすくすることができる。
次に、図64を参照して、突出部材9724が操作ハンドル51から突出した状態を説明する。図64(a)は、突出部材9724の突出前における操作ハンドル51の断面模式図であり、図64(b)は、突出部材9724の突出後における操作ハンドル51の断面模式図である。
操作ハンドル51は、遊技者が遊技球Tを遊技領域に打出すために、回転操作する回転部材を備えて形成される。なお、回転部材については、その図示を省略する。
図64に示すように、操作ハンドル51の中央に挿入された突出部材9724には、突起9724bが形成される。突起9724bは、突出部材9724から径方向外側に突出する部材であり、操作ハンドル51の内部の空間に配置される。
ここで、突出部材9724が前方に突出されると、突出部材9724に形成された突起9724bも同様に前方に変位する。突起9724bが前方に変位すると、操作ハンドル51に配設される回転部材に係合する。これにより、突出部材9724が突出した状態では、操作ハンドル51の回転部材の操作が不能となる。
よって、操作ハンドル51の回転部材の操作を不能として、遊技が行われることを不能とするので、遊技球Tが遊技領域PEの入球口に入球することを回避して、不正行為を伴った遊技が行われることを抑制できる。また、不正行為に関与しない遊技者が、意図せずに遊技を行う場合に、遊技を行うことが不能であることを認識させやすくすることができる。
また、この場合、不正行為に関与しない遊技者が、遊技を行うことが不能であること認識できなかった際にも、遊技球Tを発射することが規制されるので、遊技者に不利益を与えることを回避できる。
次いで、図65から図70を参照して、第10実施形態における抑制機構について説明する。
まず、第10実施形態における抑制機構の全体構成について、図65から図67を参照して説明する。図65は、第10実施形態における遊技機主部10003の分解正面斜視図である。図66(a)は、遊技機主部10003の上面図であり、図66(b)は、遊技機主部10003の側面模式図である。図67は、図66(a)のLXVII−LXVII線における断面模式図である。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図65から図67に示すように、第10実施形態における前扉10005には、内枠9004に対して回転する回転軸から遠方側の背面に回転規制部材10730が配設される。一方、前扉10005の正面視右側の正面側には、下方に回転軸10750を備えた装飾部材10740が配設される。また、前扉10005には、装飾部材10740の突出部10742が挿入される開口10005bが、突出部10742と対向する位置に貫通形成される。
回転規制部材10730は、背面部材550の挿通孔551の背面視左側に隣接して配置されるスライド部材9721とスライド部材9721の下方に一端が連結されて上下方向に延設された連結部材10592と、連結部材10592の他端に一端が連結された係合部材10731とを主に備える。
連結部材10722は、第9実施形態における連結部材9722と延設長さ寸法が異なるのみであるため、その詳しい説明は省略する。なお、連結部材10722は、第9実施形態の連結部材9722よりも長さ寸法が短く形成される。
係合部材10731は、側面視略L字状に形成されると共に、所定の厚みを備えて形成される。係合部材10731は、側面視略L字状に形成された長辺側(一側)の端部に左右方向(図66(a)左右方向)に貫通した孔の貫通孔10731cが形成されると共に、長辺側(一側)の略中央部に左右方向両方向に突出した回転軸10731bが形成される。一方、側面視略L字状に形成された短辺側(他側)は、後述する装飾部材10740と係合する係合片10731aとして形成される。
回転軸10731bは、係合部材10731が前扉10005の背面に配置された際に、前扉10005に対して回転するための軸部であり、係合部材10731の左右両方向に突出すると共に、円柱状に形成される。
貫通孔10731cは、連結部材10722の屈曲部9722aが挿入される孔であり、連結部材10592の直径寸法よりも大きい孔径に設定される共に、係合部材10731の一側の長手方向に長く開口した長穴形状に形成される。これにより、連結部材10722が延設方向に変位した際に、連結部材10722の屈曲部9722aを貫通孔9723aの内部で摺動させることができる。その結果、係合部材10731は、回転軸10731bの位置を変更することなく、連結部材10722の変位に伴って回転軸10731bを中心に回転変位できる。
係合片10731aは、後述する装飾部材10740の凹溝10742aの内側に嵌ることで、装飾部材10740を変位不能とする部材であり、側面視略円弧状に形成され、その軸心は、回転軸10731bの軸心と同一に設定される。これにより、係合部材10731が回転軸10731bを中心に回転変位する際に、装飾部材10740の凹溝10742aの内側に嵌る断面積の面積を常に一定とできる。その結果、装飾部材10740の凹溝10742aの形状を、係合部材10731の回転変位と緩衝しないように考慮する必要がなく、凹溝10742aの溝幅を最小として形成することができる。
また、係合部材10731の回転軸10731bには、ねじりバネ(図示せず)が配設される。ねじりバネは、係合部材10731の回転軸10731bを常に前方に回転する方向に付勢した状態で配設される。これにより、係合部材10731が、スライド部材9721及び連結部材10722の重力により回転することを抑制できる。
次に、図68を参照して、装飾部材10740について詳しく説明する。図68(a)は、装飾部材10740の上面図であり、図68(b)は、装飾部材10740の背面図であり、図68(c)は、図68(a)のLXVIIIc−LXVIIIcにおける装飾部材10740の断面図である。
装飾部材10740は、上面視略U字状に形成され、前扉10005の前面側に湾曲面が位置して前扉10005に配設される。また、装飾部材10740は、透過性材料からなる部材であり、内部に設けられたLED等の発光手段の点灯、又は点滅が遊技者に視認可能に構成され、前扉10005の回転軸と反対側(正面視右側)に配置される(図65から図67参照)。
装飾部材10740は、上面視略U字状に形成される本体部10743と、回転するための回転軸10750が挿通されるカバー部10741と、係合部材10731の係合片10601bが係合する突出部10742とを主に備える。
本体部10743は、所定の厚みを有する上面視略U字に形成されると共に、下側の背面側に、円弧状に切り欠かれた切欠き10743aを備える。切欠き10743aは、後述する軸孔10741aの軸と略同一の軸から形成される。
カバー部10741は、本体部10743の切欠き10743aの外側の面から突出する部位であり、本体部10743よりも厚みが小さく形成される。また、カバー部10741には、左右方向に貫通した孔の軸孔10741aが形成される。軸孔10741aは、後述する回転軸10750が挿通される孔であり、回転軸10750の直径と略同一、若しくは、大きく形成される。よって、軸孔10741aが本体部10743の背面側に形成されるので、装飾部材10740を長手方向を垂直にして配置した場合、装飾部材10740に前方に傾倒する方向に荷重を与えることができる。
突出部10742は、本体部10743の背面から後方に突出した部位であり、装飾部材10740が前扉10005に配設されると、前扉10005に形成された開口10005bに挿入される部位である。突出部10742は、側面視扇状に形成され、その湾曲が、軸孔10741aの軸と略同一の軸から形成される。また、側面視扇状に形成された内側の湾曲面は、切欠き10743aの湾曲面と連なって形成される。
これにより、装飾部材10740が軸孔10741aの軸心を軸に前方に傾倒した際に、前扉10005の開口10005aの内部を挿通する突出部10742の断面を常に一定にすることができる。即ち、軸孔10741aの軸を中心とした径方向寸法L1を一定にすることができる。その結果、開口10005aと装飾部材10740との間に隙間ができることを抑制できる。
更に、突出部10742には、その先端から上方に軸方向外側に突出した突起10742bが形成される。突起10742bは、装飾部材10740が軸孔10741aの軸心を軸に前方に傾倒した際に、ストッパとして機能する部材であり、突起10742bと突出部10742とを含む軸孔10741aの軸を中心とした径方向寸法L2が、開口10005aよりも大きく形成される。これにより、装飾部材10740が軸孔10741aの軸心を軸に前方に傾倒した際に、突起10742bにより、傾倒する回転量を規制することができる。
また、突出部10742には、上述した、係合部材10731の係合片10731aが挿入されるための凹溝10742aが形成される。凹溝10742aは、係合部材の回転軸10731bの軸を軸心とした側面視扇状に湾曲形成された溝である。また、上述したように、凹溝10742aの内面には、係合片10731aが挿入されるため、凹溝10742aはその溝幅が、係合片10731aの外形よりも大きく形成される。
図67に戻って装飾部材10740の配置について説明をする。図67を参照すると、装飾部材10740が配設される上皿17には、上方に湾曲して突出した突部17aが形成される。
突部17aは、その側面視中央部に回転軸10750が挿入される軸支孔17bが貫通形成される。装飾部材10740は、突部17aの外周面を取り囲む状態で、前扉10005に配置されると共に、その配置された状態で、軸孔10741aに回転軸10750を挿入されることで、前扉10005に取付られる。
また、突部17aは、装飾部材10740の切欠き10743aの湾曲形状と略同一の形状に形成されると共に、その円弧長さが、切欠き10743aよりも大きく設定される。これにより、装飾部材10740が、軸孔10741aを軸に前方に傾倒することができる。
よって、装飾部材10740が前扉10005に配設された状態では、突部17aと切欠き10743aとの間形成される隙間を最小としつつ、装飾部材10740が傾倒した際にも、その隙間が大きくなることを抑制できる。これにより、遊技機前面側に隙間ができることを抑制して、隙間に鋳物が挿入されて不正が行われることを抑制できる。
次に、図69を参照して、ロック部材9560の動作について説明する。図69(a)から図69(d)は、内枠9004から開放された前扉10005を閉鎖する動作の各状態における遊技機主部10003の上面図である。なお、図69(a)から図69(d)では、ロック部材9560及び折込部8002aが破線で図示される。
ここで、図69に示す、内枠9004から開放された前扉10005を閉鎖する動作の各状態の説明は、第9実施形態と前扉10005の形状が異なるのみであり、その他は同一であるため、その説明は省略する。
次に、図70を参照して、回転規制部材10730の動作について説明をする。図70(a)は、図69(b)のLXXa−LXXa線における遊技機主部10003の断面図であり、図70(b)は、図69(d)のLXXb−LXXb線における遊技機主部10003の断面図である。
ロック部材9560の先端部材8561が、基部材9562に対して回転させられると、その側面でスライド部材9721の傾斜面9721aを押圧する。これにより、スライド部材9721を下方にスライド変位させることができる。
スライド部材9721が下方に変位すると、スライド部材9721に連結された連結部材10722も同様に下方に変位させられる。これにより、連結部材10722が連結された係合部材10731が回転軸10731bを中心に回転変位する。
係合部材10731の貫通孔10731c側が下方に変位すると、係合片10731a側が上方に変位する。これにより、装飾部材10740の凹溝10742aの内面から係合片10731aが抜け出る。よって、装飾部材10740と係合部材10731との係合が解除されて、装飾部材10740が、軸孔10741aを軸にして前方に傾倒する。これにより、作業者が介設板540を取り外したあとで、介設板540を戻し忘れたとしても、前扉10005の前面に配設される装飾部材10740を前方に傾倒させることができるので、作業者に介設板540の取り付け忘れを認識させることができる。
また、装飾部材10740の傾倒は、前扉10005を内枠9004に閉鎖する動作中に開始されるので、装飾部材10740の傾倒を作業者に認識させやすくすることができる。
更に、装飾部材10740は、前扉10005の回転軸と反対側に配置されるので、内枠9004に対して前扉10005を閉じる動作を作業者が行う際に、その作業者に接触させやすくすることができる。その結果、介設板540の所定位置への戻し忘れを作業者に認識させやすくすることができる。
また、第10実施形態の場合、前扉10005から傾倒する装飾部材10740は、上下方向に延設された部材であるので、装飾部材10740が傾倒した際に、前扉10005から、装飾部材10740の傾倒した距離を十分に確保することができる。これにより、前扉10005の前方で作業する作業者に確実に装飾部材10740を接触させることができる。その結果、介設板540の所定位置への戻し忘れを作業者に認識させやすくすることができる。
次いで、図71から図77を参照して、第11実施形態について説明する。上記第1実施形態では、ロック部材560が第2位置(挿通筒部541から抜き取られた位置)に配置された状態とされる際に、内枠4に対して前扉5を閉じることが規制される場合について説明したが、第11実施形態では、ロック部材560が第2位置に配置された状態で内枠4に対して前扉11005を閉じると、パネル部材520が変位する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
また、以下で説明するロック部材560の第1位置とは、第1実施形態と同様に、介設板540の挿通筒部541にロック部材560が挿通され、挿通筒部541の一端側から突出するロック部材560(基部材562)の基端が本体部材11510の保持部511e内に保持されると共に、挿通筒部541の他端側から突出するロック部材560(先端部材561)の先端が背面部材550の挿通孔551に保持された状態であり、第2位置とは、ロック部材560が背面部材550の背面側へ引き出し操作され、張出部562aが背面部材550の正面に係合された状態である。
さらに、以下の説明では、第1実施形態と同様に、図1に示すパチンコ機1の紙面手前側を正面側(前方)として、図1に示すパチンコ機1の紙面奥側を背面側(後方)として、図1に示すパチンコ機1の左右方向を左右方向として、図1に示すパチンコ機1の上下方向を重力方向(上下方向)として、説明する。
初めに、図71から図74を参照して、前扉11005の上側部分の全体構成について説明する。図71は、第11実施形態における前扉11005の上側部分の正面図である。図72は、前扉11005の上側部分の分解斜視図である。図73は、遊技機主部11003の上面図である。図74(a)及び図74(b)は、図73のLXXIVa−LXXIVa線における遊技機主部11003の断面模式図である。
なお、図71では、後述する透明領域R1及び不透明領域R2が2点鎖線で囲われて図示されると共に、透明領域R1の背面側に配置された状態のパネル部材11520の外形が鎖線で図示される。また、図73では、天板530及び介設板540が取り外された状態が(透明視されて)図示され、図74(a)及び図74(b)では、それら天板530及び介設板540が取り付けられた状態が図示される。さらに、図74(a)では内枠4に対して前扉11005が閉じられた状態が、図74(b)では内枠4に対して前扉11005が開けられて、ロック部材560が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図71から図74に示すように、第11実施形態における前扉11005の上側部分は、正面側に配設される本体部材11510と、その本体部材11510に収容されるパネル部材11520と、本体部材11510に収容されると共に回転可能な状態で配設される回転部材11810と、その回転部材11810に連結される連結部材11820と、本体部材11510の上面に配設される天板530及び介設板540と、本体部材11510の背面側に締結される背面部材11550と、その背面部材11550に配設されるロック部材560及びレバー部材570とを主に備える。
本体部材11510は、パチンコ機1の正面上部における電飾部を構成するための光透過性材料からなる部材であり、内部に設けられたLED等の発光手段が、大当たり時や所定のリーチ等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、本体部材11510は、正面側に後述するパネル部材11520に対応する領域に透明材料から形成される透明領域R1(図74(a)参照)を備え、その透明領域R1を介してパネル部材11520に表示される機種情報等が視認可能とされる。
また、パネル部材11520の背面側には、パネル部材11520と若干の間隔を隔てる位置に、透明材料から形成される異常表示部材11518が配設される。異常表示部材11518の背面側には、光を発光可能なLEDが搭載されたLED基盤11519が配設される。これにより、LED基盤11519から発光される光は、異常表示部材11518を介してパネル部材11520に入射した後に、パネル部材11520から出射されて透明領域R1に発光(出射)される。
異常表示装置11518は、後述する内枠4に対する前扉11005の閉鎖動作に異常があった場合に、正面側に異常があることを表示する部材であり、部分的に透明な樹脂材料により文字や図形といった形状が形成される。従って、異常表示装置11518の前方(正面側)にパネル部材11520が配置されない場合には、上述した異常表示装置11518の透明な領域を介してLED基盤11520から照射される光を前扉11005を閉鎖動作した作業者に視認させることができる。これにより、作業者は、異常表示装置11518の透明な領域で形成される文字や図形を認識することができ、パチンコ機1に異常があることを把握できる。
なお、本実施形態では、パネル部材11520の背面側(異常表示装置11518側)の側面に複数の凹凸からなる加工が施される。これにより、異常表示装置11518の透明な領域を介して部分的にパネル部材11520へ入射する光を拡散しやすくすることができる。従って、パネル部材11520の正面側全域から光を出射し易くできる。
さらに、本体部材11510は、透明領域R1の下方に不透明材料から形成される不透明領域R2(図74(a)参照)を備える。これにより、本体部材11510の内部に配設される発光部材やスピーカー等の構成材料が遊技者に視認されることを抑制できる。即ち、不透明領域R2を利用して、発光部材やスピーカー等の構成材料を配設することができるので、透明領域R1の背面側の空間を確保してパネル部材11520を配設し易くできると共に、本体部材11510に配設される発光部材やスピーカー等の構成材料を配設する空間を確保できる。
また、本体部11510の正面側(透明領域R1及び不透明領域R2が形成される側)は、側面視において下方に向かって背面側に湾曲する湾曲面に形成される(図74(a)参照)。これにより、パチンコ機1の正面側から本体部11510を視認する場合に、透明領域R1の上下方向(図74(a)上下方向)の可視領域を大きくすることができると共に、不透明領域R2の上下方向の可視領域を小さくすることができる。よって、遊技者側(正面側)から、透明領域R1を介して本体部11510の内部空間を視認できる領域を大きくすることができる。その結果、透明領域R1を介して遊技者にパネル部材11520を視認させやすくすることができる。
さらに、本体部11510の正面側は、上面視において左右の両端から中央部にかけて正面側に張り出す湾曲状に形成される(図73参照)。また、パネル部材11520は、後述するように、本体部11510の内部空間に沿って湾曲形成されるので、本体部11510の左右方向外側から、透明領域R1を介してパネル部材11520を視認できる領域を大きくすることができる。
本体部材11510の上面には、天板530及び介設板540を配設するための収容部511が凹設される。収容部511は、その収容部511の内周縁(内壁面)のうちの互いに対向する左右(図73左右)の内壁面に形成されるスライド溝511aと、底面から下方へ向けて凹設される凹部511c及び逃げ部511dと、その逃げ部511dの正面側に形成される保持部511eと、底面から下方に凹設され一端が凹部511cに連結されると共に他端が背面側(背面部材11550側)に開放する収容溝11513と、その収容溝11513の両側面に凹設される第2収容溝11514とを備える。
収容溝11513は、後述する回転部材11810を収容するための空間であり、かかる回転部材11810が回転可能な大きさに形成される。また、収容溝11513は、収容部511の内周縁のうちの対向する左右の内壁面と離間した位置に一対形成され、後述する一対の回転部材11810がそれぞれの収容溝11513に配設される。
第2収容溝11514は、回転部材11810に連結される連結部材11820を収容する空間であり、連結部材11820が配設される側(本実施形態では、一対の回転部材11810の対向方向内側)の収容溝11513の側面に連なって形成される。これにより、後述する連結部材11820を本体部材11510の内側に配設できる。
また、収容溝11513及び第2収容溝11514には、凹溝11513aが収容部511の底面および第2収容溝11514の底面から下方に向けて凹設される。凹溝11513aは、回転部材11810の軸部11811が配設される空間であり、対向する側面の離間距離(溝幅)が軸部11811の外径よりも若干大きく設定される。これにより、凹溝11513aの内側に軸部11811を配設して回転部材11810を回転可能な状態で保持することができる。
なお、本実施形態では、凹溝11513aに軸部11811を配設した状態において、軸部11811の上方に空間が形成された状態とされるが、軸部11811が凹溝11513aから上方に抜け出ない(移動しない)ように、軸部11811の上方の空間を塞ぐ部材を凹溝11513aに配設してもよい。
回転部材11810は、樹脂材料から形成されると共に、側面視略L字に屈曲する板状体から形成される。また、回転部材11810は、側面視における屈曲部分に板圧方向に貫通する貫通孔が形成され、その貫通孔に金属材料からなる円柱状の軸部11811が内嵌される。
回転部材11810は、一端側の外周面に被締結部11812が円形状に凹設される。被締結部11812は、後述するパネル部材11520を締結固定するための雌ねじであり、かかるパネル部材11520に挿通するネジを被締結部11812に螺合することで、パネル部材11520を被締結部11812に締結固定できる。
また、一対に形成される回転部材11810の一方(連結部材11820が配設される側)には、後述する連結部材11820の挿通部11821が挿通される長孔形状の摺動溝11813が貫通形成される。これにより、連結部材11820が変位された場合に、連結部材11820の変位が摺動溝11813を介して回転部材11810に伝達され、回転部材11810が軸部11811を軸に回転変位される。
なお、摺動溝11813は、一対に形成される回転部材11810の一方に形成される場合を説明したが、一対に形成される回転部材11810の両方に形成されていても良い。この場合、回転部材11810の部品を共通にすることができ、製造コストを削減できる。また、店舗に導入された後に、摺動溝11813が破損した場合に、一対の回転部材11810の配置を反対にすることで、新しい摺動溝11813を使用することができ、部品交換にかかるコストを削減できる。
連結部材11820は、樹脂材料から形成されると共に、側面視矩形状の板状態から形成される。また、連結部材11820は、本体部材11510側の一端側から背面部材11550側の他端側に延設して形成されると共に、一端側に板厚方向に貫通された貫通孔に内嵌される挿通部11821を備え、他端側に板厚方向両側に膨出する膨出部11822を備える。
膨出部11822は、本体部材11510側(連結部材11820の他端側)の側面の他側当接面11822bと背面部材11550側(連結部材11820の一端側)の側面の一側当接面11822aとを備える。
一側当接面11822aは、ロック部材560が第2位置に配置された状態で内枠4に対して前扉11005を閉じた場合に、ロック部材560が当接される面であり、かかるロック部材560の幅方向(ロック部材560の回転軸方向)寸法と略同一の幅方向(図73左右方向)寸法に設定される。これにより、一側当接面11822aにロック部材560が当接した場合の当接面積を最大とすることができるので、連結部材11820にロック部材560が当接した際の衝撃を分散することができ、一側当接面11822a(連結部材11820)が破損することを抑制できる。
また、一側当接面11822aの下方には、他側当接面11822b側に凹設される規制部11822cが凹設される。規制部11822cは、連結部材11820の背面部材11550(背面側)側への変位を規制する部材であり、後述する当接部11558aと対向する位置に形成され、かかる当接部11558aと当接して連結部材11820の背面側への変位が規制される。
他側当接面11822bは、後述するコイルばねSP6が当接され、コイルばねSP6の付勢力が作用される面である。これにより、連結部材11820は、コイルばねSP6の付勢力が作用されて、規制部11822cが当接部11558a側に近づく方向に付勢される。
コイルばねSP6は、螺旋状に複数回旋回されるバネ部材であり、その軸方向(旋回方向)がロック部材560の引き抜き方向(図74(a)左右方向)に設定される。また、コイルばねSP6は、背面部材11550に締結固定される覆設部材11830と、他側当接面11822bとの対向間に若干圧縮された状態で配設される。従って、コイルばねSP6の付勢力により、他側当接面11822b(連結部材11820)を背面部材11550に対して背面側に常時付勢することができる。
覆設部材11830は、上方側および背面部材11550が開放する略箱形状に形成されており、対向する2面の背面部材11550側の端部に外側に向かって立設される立設壁11831が形成される。立設壁11831には、円形状に貫通する貫通孔が複数個形成されており、その貫通孔を介してネジが背面部材11550に締結されることで、覆設部材11830が背面部材11550に締結固定される。
背面部材11550には、介設板540の挿通筒部541に対応する位置に挿通孔551が穿設されると共に、その挿通孔551と後述する中間板11559を挟んだ下方に第2挿通孔11558が穿設される。
第2挿通孔11558は、内部に連結部材11820の膨出部11822が配設される孔であり、膨出部11822の外形寸法(幅寸法及び高さ寸法)よりも若干大きな内縁形状に形成される。また、第2挿通孔11558は、背面部材11550の背面側(内枠4側)の端部の下面に上方に向かって突出する当接部11558aを備える。
当接部11558aは、上述したように連結部材11820の規制部11822cが当接される部分であり、その突出寸法が、規制部11822cの上下方向(図74(a)上下方向)の凹設幅よりも小さく設定される。これにより、当接部11558aに規制部11822cを当接させることができる。
また、当接部11558aは、その厚み方向(前面から背面の方向(図74(a)左右方向))の寸法が、規制部11822cの凹設寸法(図74(a)左右方向の寸法)と略同一に設定される。これにより、連結部材11820がコイルばねSP6により付勢され、規制部11822cが当接部11558aに当接された状態では、一側当接面11822aを背面部材11550の内枠4側の背面(図74(a)右側側面)と面一にすることができる。これにより、ロック部材560が第2位置とされる場合に、ロック部材560の基部材562を一側当接面11822aに当接させることができる。
さらに、当接部11558aは、その突出先端から挿通孔551の上端面までの離間距離が、ロック部材560の先端部材561の延設方向(図74(a)左右方向)の寸法よりも大きくされる位置に設定される。これにより、ロック部材560が第2位置とされる場合に、ロック部材560の先端部材561が当接する部分を一側当接面11822aのみとすることができる。即ち、先端部材561が当接部11558aに当接することを抑制できる。
中間板11559は、上面が挿通孔551の内面の一部から形成されると共に、下面が第2挿通孔11558の一部から形成される。また、中間板11559は、背面部材11550の正面側(本体部材11510側)の側面(前面)に連なって形成されると共に、背面部材11550の背面側(内枠4側)の側面(背面)から、ロック部材560の先端部材561の厚み方向(図74(a)上下方向)の幅よりも大きい距離離間する位置に形成される。
上述したように、ロック部材560が第2位置とされる場合には、先端部材561が当接部11558aに当接することが抑制されるので、ロック部材560を第2位置に維持したまま、先端部材561を挿通孔551及び第2挿通孔11558の内側に挿入することができる。従って、ロック部材560が第2位置とされる場合に、内枠4に対して前扉11005を閉じると、先端部材561の背面側(内枠4側)が内枠4に当接して正面側(本体部材11510側)に押し出され、先端部材561が挿通孔551及び第2挿通孔11558の内側に挿入される。
パネル部材11520は、本体部材11510の凹部511cの内部空間に沿った湾曲形状に樹脂材料から形成されると共に、軸部11811の軸方向視において湾曲軸が軸部11811の軸と略同一の位置に設定される。これにより、回転部材11810を回転させてパネル部材11520を変位させた場合の、パネル部材11520の変位軌跡の領域を最小とすることができる。その結果、凹部511cの内部空間に他の部材を配置するスペースとして利用しやすくできる。
また、パネル部材11520は、左右方向(図73左右方向)の両端部の下方に、左右方向に突出する締結部11521が形成されており、その締結部11521に形成される貫通孔に挿通されるネジが、回転部材11810の被締結部11812に螺合されることで、回転部材11810に締結される。
次いで、図74及び図75を参照して、パネル部材11520を交換する手順について説明する。図75(a)及び図75(b)は、遊技機主部11003の断面模式図である。なお、図74(a)から図75(a)は、パネル部材11520を交換する場合の順番に、図74(a)、図74(b)、図75(a)が図示される。また、図75(b)では、ロック部材560が第1位置に戻されずに(第2位置のまま)内枠4に対して前扉11005が閉鎖された状態が図示される。さらに、図75(a)及び図75(b)は、図74(a)に対応する。
図74(a)に示すように、ロック部材560が第1位置に押込み操作された状態では、第1実施形態と同様に、介設板540の挿通筒部541にロック部材560が挿通され、挿通筒部541の一端側から突出するロック部材560(基部材562)の基端が本体部材11510の保持部511e内側に保持されると共に、挿通筒部541の他端側から突出するロック部材560(先端部材561)の先端が背面部材11550の挿通孔551に保持される。よって、介設板540が本体部材11510の収容部511から取り外し不能とされる。
図74(b)に示すように、図74(a)に示す状態から、ロック部材560が背面部材11550の背面側(後方)へ引き出し操作され、張出部562aが背面部材11550の正面に係合される第2位置に達すると、ロック部材560のそれ以上の引出し操作が不能とされる。
この引き出し操作により、ロック部材560(基部材562)が介設板540の挿通筒部541から抜き取られると共に、ロック部材560(基部材562)の基端の端面がレバー部材570を超える位置まで後退される。即ち、レバー部材570の上方に空間が形成される。これにより、レバー部材570がねじりバネSP1の弾性回復力により回転され、その先端側が上方へ跳ね上げられる。この場合、レバー部材570の先端側の上面には介設板540の被当接部543が当接されているので、かかる被当接部543がレバー部材570によって上方へ押し上げられることで、介設板540の長手方向一端側(レバー部材570が配置された側)が上方に持ち上げられる。これにより、パネル部材11520を交換する作業者は、介設板540の長手方向一端側(図73左右方向左側)を手で掴んで、介設板540を取り外すことができる。
図75(a)に示すように、図74(b)に示す状態から、介設板540が、本体部材11510から取り外されることで、天板530の後方(背面側、背面部材11550側)に空間が形成されるので、かかる空間を利用して、天板530を後方にスライド変位(後退)させることができる。その結果、天板530の前方が開放され、パネル部材11520の交換が可能とされる。なお、パネル部材11520の交換は、天板530の前方の開放された空間からドライバー等を挿入して、パネル部材11520と回転部材11810とを締結しているネジを取り外すことで行われる。一方、パネル部材11520を交換した後は、取り外しと反対の手順の作業を行うことで、パネル部材11520を図74(a)に示す状態に戻すことができる。
次いで、図75(b)を参照して、作業者がパネル部材11520を交換した後に、ロック部材560を第2位置から第1位置に戻し忘れた状態で、前扉11005を内枠4に対して閉めた場合について説明する。
図75(b)に示すように、ロック部材560を第2位置に配置した状態で、作業者が介設板540を下方に押し込んで前扉11005を内枠4に対して閉めた場合には、ロック部材560の先端部材561が内枠4の前面(正面)により前方に押し出される。即ち、ロック部材560の先端部材561が、背面部材11550の挿通孔551及び第2挿通孔11558の内側に挿入される。
上述したように、ロック部材560が第2位置に配置される場合には、ロック部材560の先端部材561が連結部材11820の一側当接面11822aと当接した状態とされる。従って、ロック部材560が内枠4により前方に押し出されることで、連結部材11820がロック部材560の変位分前方にスライド変位される。
また、連結部材11820が前方にスライド変位されると、連結部材11820の挿通部11821により摺動溝11813の内面が前方に押し出される。これにより、回転部材11810を、軸部11811を中心に回転させることができる。その結果、回転部材11810の被締結部11812側を下方に変位させることができる。その結果、被締結部11812に締結されるパネル部材11520が下方に変位される。
ここで、上述したように、透明領域R1の背面側(後方)には、異常表示部材11518が配設される。従って、パネル部材11520が下方(不透明領域R2の背面側)に変位されることで、異常表示部材11518の表示が前方側から視認可能とされる。これにより、パネル部材11520を交換した作業者にパチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。なお、異常表示部材11518の表示内容としては、例えば、「異常あり」や「係員(作業者)をお呼び下さい」等の文字表示、若しくは、「×」等の図形表示が例示される。
また、第11実施形態では、本体部材11510の正面側は、移動前の状態とされるパネル部材11520に対応する領域(透明領域R1)が透明材料から形成されており、移動後の状態とされるパネル部材11520に対応する領域(不透明領域R2)が不透明材料から形成される。従って、パネル部材11520が移動された状態とされる場合に本体部材11510を介してパネル部材11520を視認しにくくさせることができる。その結果、作業者に対してロック部材560の戻し忘れを認識させることができる。
さらに、上述したように、内枠4と前扉11005とは、ヒンジ18により連結されており、ヒンジ18を回転軸として内枠4に対する前扉11005の開閉が行われる。従って、前扉11005を内枠4に対して開閉動作させる作業者は、ヒンジ18側と反対側に位置する場合が多い。上述したように、本体部11510の正面側は、上面視において左右の両端から中央部にかけて正面側に張り出す湾曲状に形成されることで、透明領域R1を介してパネル部材11520を視認できる領域が大きくされる。従って、内枠4に対して前扉11005を閉鎖する作業者からパネル部材11520を視認させやすくすることができる。よって、内枠4に対して前扉11005を閉鎖する作業者にパネルb図愛11520が移動する変位を視認させやすくすることができる。その結果、作業者に対してロック部材560の戻し忘れを認識させることができる。
ここで、上述した第8から第10実施形態では、ロック部材8560,9560,10560を作業者が戻し忘れて、内枠4に対して前扉11005を閉じた際に、パネル部材520以外の部材を変位させて、作業者にロック部材8560,9560,10560の戻し忘れを認識させる場合について説明した。
しかしながら、上述した第8から第10実施形態では、作業者にロック部材8560,9560,10560の戻し忘れを認識させる必要があるために、変位させる部材が遊技者の遊技にとって邪魔となる位置(例えば、ハンドル51)に変位される。そのため、作業者が変位された部材の変位に気が付かなかった場合に、遊技者には、遊技しにくい状態または、一見すると遊技可能に見えるが実際には遊技不可能な状態とされる。従って、遊技者の興趣を大きく損なう恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、遊技者がパチンコ機1を遊技する場合に、遊技に直接関わることがないパネル部材11520を変位させるので、作業者が、ロック部材560を戻し忘れたことに気が付かず、内枠4に対して前扉11005を閉じた場合に作業者がパネル部材11520の変位に気が付かなかったとしても、遊技者の遊技に支障が出る(遊技しにくい状態になる)ことを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
また、第11実施形態では、作業者が交換する交換対象のパネル部材11520が変位される。従って、作業者は、通常その交換の作業の後に交換対象(パネル部材11520)が適切な状態および位置に配置されているか確認するところ、かかる交換対象が変位されることでパチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。
さらに、交換対象(パネル部材11520)は、移動後に本体部材11510の不透明領域の背面側に配置されるので、作業者が交換対象のパネル部材11520を交換後に確認した際に、作業者からパネル部材11520を視認しにくくすることができる。従って、作業者にパネル部材11520の交換後の異常をその配置位置で判断させる必要がなくなり、作業者に交換対象が適切な位置でないことを認識させやすくできる。その結果、パチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。
また、上述したように、コイルばねSP6は、ロック部材560の移動方向に伸縮可能に配設される。従って、ロック部材560の先端部材561が、内枠4により前方に変位させる際に、コイルばねSP6の付勢力によりロック部材560にブレーキをかけることができる。その結果、ロック部材560が早い速度で変化することを抑制でき、ロック部材560が破損することを抑制できる。
なお、作業者が、介設板540を取り付けずに(戻し忘れて)また、介設板540を下方に押し込まずに前扉11005を内枠4に対して閉めた場合には、ロック部材560の基部材562の先端がレバー部材570の側面と当接することにより、ロック部材560のスライド変位が規制される。その結果、内枠4の正面と前扉11005の背面との間にロック部材560の先端部材561が介在されることで、内枠4に対して前扉11005を閉じることが規制される。その結果、作業者に対して介設板540の戻し忘れを認識させることができる。
次いで、図76及び図77を参照して、図75(b)に示す状態からロック部材560の位置を第1位置に戻す場合の説明をする。図76(a)は、図75(a)のLXXVIa−LXXVIa線における遊技機主部11003の断面模式図である。図76(b)は、図75(b)のLXXVIb−LXXVIb線における遊技機主部11003の断面模式図である。図77(a)及び図77(b)は遊技機主部11003の断面模式図である。
なお、図76(a)及び図76(b)では、ロック部材560、内枠4及び背面部材11550以外の図示が省略される。また、図77(a)では、図75(b)に示した状態から内枠4に対して前扉11005が開けられた状態が、図77(b)では、図77(a)に示す状態から内枠4に対して前扉11005が閉じられた状態が、それぞれ図示される。
初めに、図76を参照して第11実施形態におけるロック部材560の基部材562について説明する。第11実施形態における基部材562には、軸部562bの軸方向両側の側面に周囲がコの字状に開口された突出部11562cが形成される。
突出部11562cは、軸部562b側が外面に連結して形成されており、基部材561の基端側(前面側(図76(a)左側))に向かって延設される。また、突出部11562cには、その先端側から突出部11562cの軸部562bの軸方向(図76(a)上下方向)外側に半円状に膨出する係合部11562c1が形成される。
一対の突出部11562cの互いの係合部11562c1の最大の離間距離L4(図76(b)参照)は、挿通孔551の水平方向の対向間の寸法L5(図76(b)参照)よりも大きく設定される(L4>L5)。また、第2位置とされるロック部材560(図76(b)参照)の係合部11562c1の基端からの背面までの離間距離L6(図76(b)参照)は、背面部材11550の厚み寸法L7(図76(b)参照)と略同一に設定される(L6=L7)。
これにより、図76(a)に示すように、パネル部材11520を交換する(ロック部材11561を背面側に引き抜いた)際には、ロック部材560の係合部11562c1が背面部材11550の挿通孔551の内側に挿入される。この場合、突出部11562cは、周囲がコの字状に開口されるので、軸支孔561aの軸方向に撓むことが許容される。従って、対向間の寸法L5よりも大きい寸法の離間距離L4に設定される係合部11562c1は、撓んだ状態で挿通孔551の内側に配置される。
一方、図76(b)に示すように、ロック部材560を第1位置に戻し忘れて内枠4に対して前扉11005を閉じた際には、上述したように内枠4の前面にロック部材560の基部材562が押し出される。これにより、係合部11562c1が、挿通孔551から背面部材11550の前方に突出される。よって、ロック部材560が背面側に変位される場合には、係合部11562c1を挿通孔551の前面端部に当接させることができるので、ロック部材560を背面側にスライド変位しにくくできる。
また、作業者がロック部材560を第1位置から後方に引き抜く場合には、ロック部材560の変位の終端位置で係合部11562c1を挿通孔551の内面に当接させることができる。よって、ロック部材560の変位の終端位置で摺動抵抗を大きくしてロック部材560の変位にブレーキをかけることができる。その結果、作業者が勢いよくロック部材560を引き抜き抜いた場合に、停止の際の速度を遅くすることができるので、ロック部材560が破損することを抑制できる。また、ロック部材560の抵抗が大きくされることで、作業者に変位の終端位置を認識させやすくすることができる。その結果、作業者は、変位の終端位置で変位速度を落とすことができるので、ロック部材560が破損することを抑制できる。
次いで、図77を参照して説明する。図77(a)に示すように、ロック部材560が第2位置に配置された状態で内枠4に対して初めて前扉11005が閉じられた状態から前扉11005が開放されると、連結部材11820が、コイルばねSP6の付勢力により背面側に変位される。これにより、連結部材11820の一側当接面11822aにロック部材560の基部材562が背面側に押し出される。その結果、基部材562が軸部562bを軸に回転され、軸部562bと反対側の端部が上方に跳ね上げられる。
ここで、ロック部材560は、スライド変位可能に形成されるので、連結部材11820のスライド変位により、ロック部材560全体が背面側に押し出される可能性がある。これに対し、上述したように、ロック部材560の先端部材561が挿通孔551の内部に配置される場合には、係合部11562c1が挿通孔551の前方に位置した(挿通孔551から出された)状態とされるので、ロック部材560の基部材562を背面側にスライド変位しにくくでき、先端部材561のみを変位させやすくできる。その結果、連結部材11820は、先端部材561を押し出す動作によって先端部材561のみを回転変位させることができる。なお、この場合の、先端部材561の回転角度は、45°以上が好ましく、本実施形態では、約70度に設定される。これにより、後述する内枠4の閉鎖動作により、ロック部材560を第1位置に配置しやすくできる。
次いで、図77(a)及び図77(b)に示すように、内枠4に対して前扉11005が開けられた状態から、再び前扉11005が閉じられた場合には、連結部材11820の一側当接面11822aにより回転された先端部材561の軸部562bと反対側(背面側)の端面に内枠4の前面が当接される。これにより、先端部材561及び基部材562(ロック部材560)が前方にスライド変位される。その結果、ロック部材560が第1位置へ配置される。
即ち、第11実施形態では、作業者がパネル部材11520を交換した後にロック部材560の第1位置への配置を忘れた場合に、作業者に再び前扉11005を内枠4に対して開けさせてから閉じさせることで、ロック部材560を第1位置へ配置することができると共に、本体部材の不透明領域R2の背面に配置されたパネル部材11520を透明領域R1の背面に配置することができる。
よって、例えば、作業者がパネル部材11520を交換した後に初めて前扉11005を内枠4に対して閉じた後に異常に気が付いて再び前扉11005を開けた場合に、異常の原因が分からなかったとしても、再び前扉11005を内枠4に対して閉じさせることでロック部材560及びパネル部材11520を正常な位置に配置させることができる。
さらに、作業者がロック部材560を操作することなく、ロック部材560及びパネル部材11520を正常な位置に配置することができるので、ロック部材560を戻し忘れた場合の作業者の作業工程を減らすことができる。
次いで、図78及び図79を参照して、第12実施形態について説明する。上記第11実施形態では、パネル部材11520全体が一体の樹脂材料で形成される場合について説明したが、第12実施形態では、パネル部材12520が複数の分割板から形成される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
図78(a)及び図78(b)は、第12実施形態における遊技機主部12003の断面模式図である。図79は、図78(b)のLXXIX−LXXIX線における遊技機主部12003の断面模式図である。なお、図78(a)は、図74(a)に、図78(b)は図75(b)にそれぞれ対応する。
図78(a)に示すように、第12実施形態におけるパネル部材12520は、複数に分割された板部材から形成され、それぞれの板部材が上下方向にずれて配置される。なお、本実施形態では、パネル部材12520が4枚の板部材から形成されており、それぞれ上から順に第1分割板12520a,第2分割板12520b,第2分割板12520c及び第4分割板12520dの符号が付与される。
また、第12実施形態における回転部材12810は、樹脂材料から形成されると共に、側面視略L字に屈曲する板状体から形成される。また、回転部材12810は、その屈曲部分に軸部11811を備える。なお、回転部材12810に連結される連結部材12820は、第11実施形態における連結部材11820(第12実施形態では、連結部材12820)と、回転部材11810(第12実施形態では、回転部材12810)との連結位置が異なるのみであるので、その詳しい説明は省略する。
回転部材12810は、一端側の外周面に被締結部11812が円形状に凹設される。なお、第12実施形態では、パネル部材12520は、回転部材12810の先端側の下面に連結される。従って、第12実施形態では、被締結部11812は、回転部材12810の先端側の下面に形成される。
第1分割板12520aから第4分割板12520dは、回転部材12810の回転軸(軸部11811)を中心とする湾曲形状に形成されると共に、前後方向にずれて配置される。また、第1分割板12520aから第4分割板12520dは、上下方向にずれて配設される(図78(a)の状態の)際に、それぞれの前面の装飾を連ねて視認することで1の装飾(模様やキャラクタ−)が表示される。なお、第12実施形態では、パネル部材12520が1の装飾を表示する(第1分割板12520aから第4分割板12520dが、上下方向にずれて配設される)場合に、第4分割板12520dは、本体部材11510の不透明領域R2の背面側に配設され、第3分割板12520cは、透明領域R1の背面側に配設される。
さらに、第1分割板12520aから第4分割板12520dは、それぞれ回転軸(軸部11811)を中心に回転可能に構成される。なお、第1分割板12520aから第4分割板12520dの変位態様については後述する。
第1分割板12520aから第3分割板12520cには、それぞれ下方の端面から下側壁部12522が背面側に突設される。また、第2分割板12520bから第4分割板12520dには、それぞれ上方の端面から上側壁部12523が正面側に突設される。
下側壁部12522及び上側壁部12523は、第1分割板12520aから第4分割板12520dの周方向への変位量を規制する部分であり、第1分割板12520aの下側壁部12522に第2分割板12520bの上側壁部12523が当接することで第2分割板12520bの変位が規制され、第2分割板12520bの下側壁部12522に第3分割板12520cの上側壁部12523が当接することで第3分割板12520cの変位が規制され、第3分割板12520cの下側壁部12522に第4分割板12520dの上側壁部12523が当接することで第4分割板12520dの変位が規制される。
また、図79に示すように、第1分割板12520aから第3分割板12520cには、背面に断面略L字状の係止部12524が突設される。係止部12524は、背面側に突出する第1係止部12524aと第1分割板12520aから第3分割板12520cの延設方向中央側に向かって屈曲する第2係止部12524bとから形成される。
第1係止部12524aは、1の分割板(第1分割板12520aから第3分割板12520c)の後方に配設される分割板(第2分割板12520bから第4分割板12520dのいずれか)の延設方向(図79左右方向)外側に形成される。また、第1係止部12524aは、その突設先端が、後方に配設される分割板よりも後方(図79下側)に位置される。これにより、1の分割板の後方に配設される分割板が、その延設方向に位置ずれすることを抑制できる。
第2係止部12524bは、第1係止部12524aの突設先端部から各分割板(第1分割板12520aから第3分割板12520c)の延設方向中央側に屈曲して形成される。これにより、1の分割板の後方に配設される分割板が、1の分割板に対して背面側に位置ずれすることを抑制できる。
以上のように構成される第12実施形態のパネル部材12520によれば、図78(b)に示すように、作業者がパネル部材12520を交換した後に、ロック部材560を第2位置から第1位置に戻し忘れた場合に、各分割板を前後方向に重ねて配置することができる。
詳しく説明すると、第11実施形態と同様に、第2位置に配置されたロック部材560が背面部材11560により前方に押し出されると、連結部材12820が前方にスライド変位されることで、回転部材12510が軸部11511を中心に回転される。これにより、回転部材12810の先端側(被締結部11812側)が下方に変位され、回転部材12510の先端側に締結されるパネル部材12520が下方に変位される。
パネル部材12520が下方に変位されると、パネル部材12520の第4分割板12520dが、凹部511cの凹設底面の当接面12511c1に当接して、第4分割板12520dのそれ以上の変位が規制される。よって、引き続き回転部材12510に回転変位が継続されると、第4分割板12520dに対して、他の分割板(第1分割板12520aから第3分割板12520c)が変位する状態とされ、次に第3分割板12520cが、第4分割板12520dの前方に配置されると共に、当接面12511cに当接される。このように、下方に配置される各分割板から順に当接面12511cに当接されることで、各分割板を前後方向に重ねた状態に配置することができる。
前後方向に重ねた状態のパネル部材12520は、本体部材11510の不透明領域R2の背面側に配置される。これにより、作業者が交換対象のパネル部材12520を交換後に確認した際に、作業者からパネル部材12520を視認しにくくすることができる。従って、作業者にパネル部材12520の交換後の異常をその配置位置で判断させる必要がなくなり、作業者に交換対象が適切な位置でないことを認識させやすくできる。その結果、パチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。
また、作業者が交換する交換対象のパネル部材12520が変位される。従って、作業者は、通常その交換の作業の後に交換対象(パネル部材12520)が適切な状態および位置に配置されているか確認するところ、かかる交換対象が変位されることでパチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。
さらに、第12実施形態では、パネル部材12520を前後方向に重ねた状態で本体部材11510の内部に配置されるので、第11実施形態のように、パネル部材12520が変位するための空間を本体部材11510の内部に設ける必要がない。その結果、本体部材11510の内部空間を他の部材(例えば、LEDなどの発光装置)を配設する空間として利用することができ、本体部材11510の内部空間を効率良く利用することができる。
また、パネル部材12520は、前後方向に重ねることができるので、パネル部材12520のみを販売した際に、その梱包に必要な体積を小さくすることができる。従って、パネル部材12520を梱包しやすくできる。その結果、梱包にかかるコストを抑えることができる。
次いで、図80から図84を参照して、第13実施形態について説明する。上記第1実施形態では、ロック部材560が第2位置(挿通筒部541から抜き取られた位置)に配置された状態とされる際に、内枠4に対して前扉5を閉じることが規制される場合について説明したが、第13実施形態では、ロック部材13560が第2位置に配置された状態で内枠4に対して前扉13005を閉じると、パネル部材13520が変位する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
初めに、図80から図82を参照して、前扉13005の上側部分の全体構成ついて説明する。図80は、第13実施形態における前扉13005の上側部分の分解斜視図である。図81は、遊技機主部13003の上面図である。図82(a)は、図81のLXXXIIa−LXXXIIa線における遊技機主部13003の断面模式図であり、図82(b)は、図82(a)のLXXXIIb−LXXXIIb線における遊技機主部13003の断面模式図であり、図82(c)は、図82(b)のLXXXIIc−LXXXIIc線における遊技機主部13003の断面模式図である。
なお、図81では、天板13530及び介設板540が取り外された(透明視されて)状態が図示され、図82(a)では、天板13530及び介設板540が取付られた状態が図示される。
図80から図82に示すように、第13実施形態における前扉13005の上側部分は、正面側に配設される本体部材13510と、その本体部材13510に収容されるパネル部材13520と、本体部材13510に収容されると共に回転可能な状態で配設される回転部材13810と、その回転部材13810の隣合う位置に配置される係合部材13850と、本体部材13510の上面に配設される天板530及び介設板13540と、本体部材13510の背面側に固定される背面部材11550と、その背面部材11550に配設されるロック部材13560及びレバー部材570とを主に備える。
本体部材13510は、パチンコ機1の正面上部における電飾部を構成するための光透過性材料からなる部材であり、内部に設けられたLED等の発光手段が、大当たり時や所定のリーチ等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、本体部材13510の正面側には、パネル部材13520に対応する領域が透明材料から形成され、その透明材料の部分を介してパネル部材13520に表示される機種情報等が視認可能とされる。
本体部材13510の上面には、天板530及び介設板540を配設するための収容部511が凹設される。収容部511は、その収容部511の内周縁(内壁面)のうちの互いに対向する左右の内壁面に形成されるスライド溝511aと、底面から下方へ向けて凹設される凹部511c及び逃げ部511dと、その逃げ部511dの正面側に形成される保持部511eと、底面から下方へ向けて凹設され一端が凹部511cに連結されると共に他端が背面側(背面部材11550側)に開放する収容溝13513と、その収容溝13513の両側面に凹設される第2収容溝13514とを備える。
収容溝13513は、後述する回転部材13810を収容するための空間であり、かかる回転部材13810が回転可能な大きさに形成される。また、収容溝13513は、収容部511の内周縁のうちの対向する左右の内壁面と離間した位置に一対形成され、後述する一対の回転部材13810がそれぞれの収容溝13513に配設される。
第2収容溝13514は、回転部材13810の隣に配置される係合部材13850を収容する空間であり、係合部材13850が配設される側(本実施形態では、一対の回転部材13810の対向方向外側)の収容溝13513の側面に連なって形成される。これにより、後述する係合部材13850を変位させて回転部材13810に当接させることができる。
また、収容溝13513及び第2収容溝13514には、凹溝11513aが収容部511の底面から下方に向けて凹設される。凹溝11513aは、回転部材13810の軸部11811が配設される空間であり、対向する側面の離間距離(溝幅)が軸部11811の外径よりも若干大きく設定される。これにより、凹溝11513aの内側に軸部11811を配設して回転部材13810を回転可能な状態で保持することができる。
回転部材13810は、樹脂材料から形成されると共に、側面視において矩形状の板状体から形成される。また、回転部材13810は、長手方向の一端側の外周面に被締結部11812が凹設されると共に、長手方向の他端側の外周面に半円形に膨出する当接部13814と、後述する係合部材13850が配置される側の面に凹設される凹部13815と、板厚方向に貫通する貫通孔に内嵌される円柱状の軸部11811とを備える。
また、回転部材13810は、本体部材13510との間に付勢手段(バネ等)が介設される。これにより、回転部材13810には、長手方向他端側(被締結部11812側)を上方に変位させる付勢力が作用される。従って、回転部材13810に外力が作用しない状態とされる場合には、軸部11811を中心に長手方向他端側が上方に回転変位される。
凹部13815は、後述する係合部材13850の突起13853が挿入される部分であり、突起13853が挿入された状態とされることで、回転部材13810が変位(回転)することを規制できる。なお、凹部13815と突起13853との係合状態についての詳しい説明は後述する。
当接部13814は、係合部材13850の突起13853が凹部13815から抜き出された場合に、係合部材13850が回転部材13810と上面視において交わること(係合部材13850が回転部材13810を超える位置に回転すること)を規制する部分であり、回転部材13810の軸部11811の軸と同軸からなる扇状に形成される。
パネル部材13520は、本体部材13510の凹部511cの内部空間に沿った湾曲形状に形成される。また、パネル部材13520は、軸部11811の軸方向視において湾曲軸が軸部11811の軸と略同一の位置に設定される。これにより、回転部材13810を回転させてパネル部材13520を変位させた場合のパネル部材13520の変位軌跡の領域を最小とすることができる。その結果、凹部511cの内部空間を、他部部材を配置するスペースとして利用しやすくできる。
また、パネル部材13520は、左右方向の両端部の下方に締結部11521と、上方の端部に前後方向に膨出する膨出部13522とを備える。また、パネル部材13520は、上端(膨出部13522)が天板13530と本体部材13510との間に配置される。
膨出部13522は、上方の端部に向かうに従って前後方向に膨出して形成される。これにより、膨出部13522が遊技機主部13003の外部から押し込まれた場合に、膨出部13522を天板13530の前方端面もしくは、膨出部13522を本体部材13510の端部に当接させることができる。その結果、パネル部材13520が遊技機主部13003の外部から操作されることを抑制できる。
また、膨出部13522と当接される本体部材13510の端部および天板13530の前方端面は、膨出部13522の外形に沿った傾斜面に形成される。これにより、遊技者が、膨出部13522と本体部材13510又は天板13530との隙間から不正物を挿入することを防止できる。
係合部材13850は、上面視において、円環状に形成される円環部13851と、その円環部13851の外縁から回転部材13810の凹部13815(前方)に向かって突設される係合部13852とを備える。
係合部13852は、その突出先端側(円環部13851側の反対側)が、上面視において回転部材13810と隣合う位置に配置されると共に、突出先端から回転部材13810側に向かって突起13853が突設される。
円環部13851は、その外周面から径方向外側に突出する解除部材13554と、円環部13851の上面から下方に凹設される収容部13856と、その収容部13856の内側に回転可能な状態で配設される第2解除部材13855とを備える。
また、円環部13851は、その内縁部に円柱状の軸部材13857が内嵌されており、軸部材13857が、本体部材13510の第2収容溝11514の凹設底面に凹設される円柱状の凹部(図示しない)に挿入されることで、係合部材13850が、本体部材13510に対して回転可能な状態で保持される。また、係合部材13850及び本体部材13510には、付勢手段(バネ等)が介在されており、係合部材13850の係合部13852が回転部材13810側に近づく方向に常に付勢される。これにより、係合部13852の突起13853と回転部材13810の凹部13815とが対向する場合に、突起13853を凹部13815の内側に挿入することができる。その結果、係合部材13850により回転部材13810の回転を規制することができる。
解除部材13554は、後述する天板13530が、前後方向にスライド変位された場合の突起13533の変位領域に配置される。これにより、天板13530をスライド変位させた場合に、天板13530の突起13533を当接させて、係合部材13850を回転変位させることができる。
なお、詳しい説明は後述するが、突起13533は、天板13530を後方にスライド変位した場合に、係合部材13850の解除部材13554と当接する位置に形成される。これにより、天板13530をスライド変位させることに連動して、解除部材13554と係合部材13850とを当接させることができる。
収容部13856は、後述する第2解除部材13855が、回転変位された場合に、その第2解除部材13855を収容する空間であり、第2解除部材13855の変位方向に向かって凹設される。
第2解除部材13855は、円環部13851の軸方向上方に突出する長方体に形成されると共に、下方の端部に円形に貫通形成される貫通孔13855aを備える。また、第2解除部材13855は、後述するロック部材13560の係合凹部13563aの内側に配置される。
貫通孔13855aは、その内側にカラー(図示しない)を配置した状態でネジが挿通される。従って、第2解除部材13855は、貫通孔13855aを挿通するネジを収容部13856に螺合することで係合部材13850に対して回転可能な状態とされる。
また、第2解除部材13855は、正面側の下端に湾曲する非当接部13855bを備える。非当接部13855bは、第2解除部材13855が回転される場合に、収容部13856の内面と第2解除部材13855とが接触することを防止する部分であり、貫通孔13855aの軸を中心とする湾曲状に形成される。
これにより、第2解除部材13855の貫通孔13855aから遠方側の端部(図82(c)上端部)が背面側(図82(c)右側)に変位する場合に、第2解除部材13855と収容部13856の内面とが接触することを防止して、第2解除部材13855を回転変位させることができる。従って、後述するロック部材13560が背面側に変位されて、係合凹部13563aの内面と第2解除部材13855とが接触されることで、第2解除部材13855を回転させることができる。
なお、非当接部13855bは、第2解除部材13855の前面側のみに形成される。従って、後述するロック部材13560が正面側に変位されて、係合凹部13563aの内面と第2解除部材13855とが接触される場合には、第2解除部材13855の外面を収容部13856の内面に当接させることができる。即ち、ロック部材13560が正面側に変位される場合には、第2解除部材13855の回転が規制され、ロック部材13560の変位を第2解除部材13855を介して、係合部材13850の円環部13851に伝達させることができる。
また、第2解除部材13855と収容部13856との間には、付勢手段(ねじりバネ等)が配設されており、これにより、第2解除部材13855の貫通孔13855aから遠方側の端部が上方に変位され、第2解除部材13855の外面を収容部13856の内面に接触させた状態とされる。また、後述するロック部材13560の操作により第2解除部材13855が回転変位された場合に、付勢手段の付勢力で変位前の位置に戻すことができる。
ロック部材13560は、先端部材561と、その先端部材561の基端側に連結される基部材562と、基部材562の先端側から先端側(前面側)に突設される突設部13563とを主に備える。
突設部13563は、上述した係合部材13850の上方に配置されると共に、係合部材13850の第2解除部材13855と水平方向に略同一にの位置(図82(b)上下方向に重なる位置)に配置される。また、突設部13563の先端側への突設距離は、第2解除部材13855を超える長さに設定される。
突設部13563には、第2解除部材13855と対応する位置に係合凹部13563aが凹設される。係合凹部13563aは、突設部13563の突設方向(図82(a)左右方向)の幅寸法が、第2解除部材13855の幅寸法よりも長く設定されており、内側に第2解除部材13855を収容した状態で配設される。
ロック部材13560の下方には、付勢部材13840が配設される。付勢部材13840は、背面視において第2位置に配置されるロック部材13560の先端部材561の外形よりも大きい矩形状に形成されると共に、先端部材561の前方に配置される。また、付勢部材13840の前面には、圧縮状態の付勢ばねSP6が接触する状態で配設されており、付勢部材13840が後方(背面側)に付勢される。
さらに、付勢部材13840は、背面に一側被当接面13842を備え、その一側被当接面13842の下方に本体部材13510側に向かって(前方)凹設される規制部13841を備える。規制部13841は、当接部11558aに当接されて付勢部材13840の後方への移動を規制する部材であり、背面部材11550の当接部11558aの前面側に形成されると共に、付勢部材13840の背面から当接部11558aの板厚分隔てた位置に形成される。これにより、付勢部材13840は、付勢ばねSP6に付勢された状態とされる場合に、背面部材11550の背面と面一に配設される。
次いで、図82から図84を参照して、パネル部材13520を交換する手順について説明する。図83(a)、図83(b)、図84(a)及び図84(b)は、遊技機主部11003の断面模式図である。なお、図83(a)及び図84(a)は、図82(a)に、図83(b)及び図84(b)は、図82(b)にそれぞれ対応する。また、図82から図84は、パネル部材13520を交換する場合の順番に、図82(a)、図83(a)、図84(a)及び図82(b)、図83(b)、図84(b)が図示される。
図82(a)及び図82(b)に示すように、ロック部材13560が第1位置に押込み操作された状態では、第1実施形態と同様に、介設板540の挿通筒部541にロック部材560が挿通され、挿通筒部541の一端側から突出するロック部材13560の基端(基部材562)が本体部材13510の保持部511eの内側に保持されると共に、挿通筒部541の他端側から突出するロック部材13560の先端(先端部材561)が背面部材11550の挿通孔551に保持される。よって、介設板540が本体部材11510の収容部511から取り外し不能とされる。
また、この場合、回転部材13810の凹部13815の内側に係合部材13850の突起13853が挿入された状態とされる。これにより、回転部材13810が、回転部材13810及び本体部材13510の間に介設される付勢手段(ねじりバネ)の付勢力で回転されることを規制できる。
さらに、回転部材13810の回転が係合部材13850により規制された状態では、回転部材13810に締結固定されるパネル部材13520は、上端面の位置が、天板530の上端面の位置と面一の位置に配置される。即ち、パネル部材13520が、本体部材11510の凹部511cの内部空間に配設された状態とされる。
また、ロック部材13560の先端(基部材562)が背面部材11550の挿通孔551の内側に挿入され保持された状態では、ロック部材13560の係合凹部13563aの内側に、係合部材13850の第2解除部材13855が配置された状態とされる。
図83(a)及び図83(b)に示すように、図82(a)及び図82(b)に示す状態から、ロック部材13560が背面部材11550の背面側へ引出し操作され、張出部562aが背面部材11550の正面に係合される第2位置に達すると、ロック部材560のそれ以上の引出し操作が不能とされる。
この引出し操作により、ロック部材13560(基部材562)が介設板540の挿通筒部541から抜き取られると共に、ロック部材13560(基部材562)の基端の端面がレバー部材570を超える位置まで後退される。即ち、レバー部材570の上方に空間が形成される。これにより、レバー部材570がねじりバネSP1の弾性回復力により回転され、その先端側が上方へ押し上げられる。これにより、パネル部材13520を交換する作業者は、介設板540の長手方向一端側を手で掴んで、介設板540を取り外すことができる。
なお、第13実施形態では、介設板540に形成される挿通筒部541の内側にロック部材13560の突設部13563が挿通された状態とされるが、挿通筒部541は、下方の壁部の一部に、ロック部材13560の引き抜き方向に切り欠かれる切欠き部13541aを備えており、かかる切欠き部13541aを介して突設部13563を挿通筒部541の内側から抜き出すことができる。これにより、介設板540を作業者が取り外すことができる。
また、図82(b)に示すように、ロック部材13560の先端(先端部材561)が背面部材11550の挿通孔551の内側に挿入され保持された状態では、ロック部材13560の係合凹部13563aの内側に、係合部材13850の第2解除部材13855が配置された状態とされる。そのため、ロック部材13560を引き出すことで、係合凹部13563aの内側と第2解除部材13855とが接触される。
この場合、第2解除部材13855は、非当接部13855bにより、収容部13856の内面と接触することが防止される方向に回転される。よって、ロック部材13560が引き抜き動作にされる場合には、第2解除部材13855を回転させて、第2解除部材13855を係合凹部13563aの外側に配置することができる。即ち、ロック部材13560の引き抜き動作は、円環部13851への力の伝達が遮断された状態とされる。
図84(a)及び図84(b)に示すように、図83(a)及び図83(b)に示す状態から、介設板540が、本体部材13510から取り外されることで、天板530の後方(背面側、背面部材11550)側に空間が形成されるので、かかる空間を利用して、天板530を後方にスライド変位(後退)させることができる。
この場合、天板13530に形成される突起13533が、係合部材13850の解除部材13554と当接する。これにより、係合部材13850が後方に押し出され、円環部13851の軸を中心に係合部材13850を回転させることができる。
係合部材13850が回転されると、回転部材13810の凹部13815の内側に係合部材13850の突起13853が挿入された状態が解除される(凹部13815の内側から突起13853が引き抜かれる)。回転部材13810は、本体部材13510との間に介設される付勢手段(ねじりバネ)により付勢されるので、その付勢手段により回転部材13810を回転させることができる。その結果、回転部材13810の前方側(被締結部11812側)が上方に跳ね上げられて、パネル部材11520が凹部511cの内側から外側に排出される。
従って、天板13530をスライド変位させることで、パネル部材11520を変位させることができるので、パネル部材11520を交換する作業者に次の交換作業手順を認識させやすくできる。即ち、天板13530の動作の次にパネル部材11520を交換することを認識させやすくできる。
また、パネル部材13520と回転部材13810との締結部分(回転部材13810の被締結部11812)が、天板13530のスライド変位により形成された開口側に変位されるので、作業者にパネル部材13520の交換作業をさせやすくすることができる。即ち、パネル部材11520を交換する場合には、天板13530及び本体部材13510との間に形成される開口からドライバー等を挿入して、回転部材13810の被締結部11812に締結されるネジを取り外す必要があるため、締結部分(被締結部11812)が開口から離れた位置にあるとネジが取り外し難くなる。これに対し、第13実施形態では、締結部分が開口側に近づくので螺合されるネジを取り外し易くできる。
パネル部材13520を交換した後は、取り外しと反対の手順の作業を行って、図82(a)に示す位置に天板13530、介設板540及びロック部材13560を戻した後に、パネル部材13520を本体部材13510の凹部511cの内側に押し入れることで、回転部材13810が回転され、回転部材13810の凹部13815が係合部材13850の突起13853と対向する位置に移動されることで、凹部13815に突起13853が挿入される。これにより、パネル部材13520及び回転部材13810を図82(a)に示す位置に戻すことができる。
次いで、図85を参照して、作業者がパネル部材13520を交換した後に、ロック部材13560を第2位置から第1位置に戻し忘れた状態で、前扉13005を内枠4に対して閉めた場合について説明する。
図85(a)及び図85(b)は、遊技機主部13003の断面模式図である。なお、図85(a)は図82(a)に、図85(b)は図82(b)にそれぞれ対応する。なお、図85(a)では、ロック部材13560を第2位置から第1位置に戻し忘れた状態(図83(a)の状態)で、前扉13005を内枠4に対して閉めた場合の状態が図示される。
図85に示すように、ロック部材13560を第2位置に配置した状態で、作業者が介設板540を下方に押し込んで前扉13005を内枠4に対して閉めた場合には、ロック部材13560の先端部材561が、内枠4の前面(正面)により前方に押し出される。即ち、ロック部材13560の先端部材561が、背面部材11550の挿通孔551及び第2挿通孔11558の内側に挿入される。
ロック部材560が第2位置に配置される場合には、ロック部材560の先端部材13561が、付勢部材13840の一側被当接面13842と当接した状態とされる。従って、ロック部材13560が内枠4により前方に押し出されることで、付勢部材13840がロック部材13560の変位分前方(図85(a)左方向)にスライド変位され、先端部材561を第2挿通孔11558の内側に挿入できる。
また、ロック部材13560は、第2位置に配置された状態(図83(a)及び図83(b)の状態)における突設部13563の先端端から、係合部材13850の第2解除部材13855の端部までの離間距離S1(図83(b)参照)が、第2位置に配置されるロック部材13560の先端部材561の厚み寸法S2(図83(a)参照)よりも小さく設定される。
よって、ロック部材13560を第2位置に配置した状態で、作業者が介設板540を下方に押し込んで前扉13005を内枠4に対して閉めた場合には、ロック部材13560が先端部材561の厚み寸法S2(図83(a)参照)分、前方にスライド変位される。これにより、突設部13563の先端と第2解除部材13855とを当接させることができる。
上述したように、ロック部材13560が正面側に変位される場合には、第2解除部材13855の回転が規制され、ロック部材13560の変位が第2解除部材13855を介して、係合部材13850の円環部13851に伝達される。これにより、係合部材13850が、円環部13851の軸を中心に回転され、回転部材13810の凹部13815の内側に係合部材13850の突起13853が挿入された状態が解除される(凹部13815の内側から突起13853が引き抜かれる)。その結果、回転部材13810の前方側(被締結部11812側)を上方に跳ね上げられて、パネル部材11520が凹部511cの内側から外側に排出される。
これにより、作業者がロック部材13560を戻し忘れた場合には、交換対象のパネル部材13520が変位される。従って、作業者は、通常その交換の作業の後に交換対象(パネル部材13520)が適切な状態および位置に配置されているか確認するところ、かかる交換対象が変位されることで、パチンコ機1に異常がある(ロック部材13560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。
さらに、交換対象(パネル部材13520)は、本体部材11510の内部から外側に張り出した状態(配設空間から飛び出た)状態とされるので、パチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。即ち、パチンコ1の外観を変更することができるので、パチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。
なお、作業者が、介設板540を取り付けずに(戻し忘れて)また、介設板540を下方に押し込まずに前扉13005を内枠4に対して閉めた場合には、ロック部材13560の基部材562の先端がレバー部材570の側面と当接することにより、ロック部材13560のスライド変位が規制される。その結果、内枠4の正面と前扉13005の背面との間にロック部材13560の先端部材561が介在されることで、内枠4に対して前扉13005を閉じることが規制される。その結果、作業者に対して介設板540の戻し忘れを認識させることができる。
また、ロック部材13560の先端部材561が、背面部材11550の挿通孔551及び第2挿通孔11558の内側に挿入された状態(図85(a)に示す状態)から、ロック部材13560を第1位置に戻す場合は、第11実施形態と同様であるので、その詳しい説明は省略する。
次いで、図86から図88を参照して、第14実施形態について説明する。上記第1実施形態では、内枠4に対して前扉5を開放した後に、ロック部材560を引き抜くことで、天板530がスライド変位可能にされる場合を説明したが、第14実施形態では、内枠4に対して前扉14005を開放することで、天板14530がスライド変位可能とされる。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその詳しい説明は省略する。
初めに、図86及び図87を参照して、第14実施形態における前扉14005の上側部分の全体構成について説明する。図86は、第14実施形態における前扉14005の上側部分の分解斜視図である。図87(a)は、遊技機主部14003の上面図であり、図87(b)は、図87(a)のLXXXVIIb−LXXXVIIb線における遊技機主部14003の断面模式図である。
図86及び図87に示すように、第14実施形態における前扉14005の上側部分は、正面側に配設される本体部材14510と、その本体部材14510に収容されるパネル部材520と、本体部材14510に収容されると共に上下方向に摺動可能な状態で配設される係合部材14860と、本体部材14510の上面に配設される天板14530と、本体部材14510の背面側に固定される背面部材14550とを備える。
本体部材14510は、パチンコ機1の正面上部における電飾部を構成するための光透過性材料からなる部材であり、内部に設けられたLED等の発光手段が、大当たり時や小堤のリーチ等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。また、本体部材14510の正面側には、パネル部材520に対応する領域が透明材料から形成され、その透明材料の部分を介して、パネル部材520に表示される機種情報等が視認可能とされる。
本体部材14510の上面には、天板530及び介設板540を配設するための収容部511が凹設される。収容部511は、その収容部511の内周縁(内壁面)のうちの互いに対向する左右の内壁面に形成されるスライド溝511aと、底面から下方に向けて凹設される凹部511c及び逃げ部511dと、その逃げ部5111dの正面側に形成される保持部511eと、上面側から凹設されると共に背面側が開放される収容部14515とを備える。
収容部14515は、後述する係合部材14860を収容するための空間であり、上面視において係合部材14860の外形よりも大きい内縁形状に形成される。また、収容部14515の下方への凹設寸法は、係合部材14860の厚み寸法(図87(b)上下方向の寸法)よりも大きく設定される。これにより、係合部材14860が厚み方向へ摺動可能とされる。
係合部材14860は、上面視矩形状の板状体に形成される。係合部材14860は、上面に円柱状の突起14861が突設されると共に、下面にコイルばねSP7が連結される。
突起14861は、後述する天板14530に凹設される被係合部14534に挿入可能な外径に形成されると共に、前扉14005が内枠4に対して閉じられる場合に天板14530の被係合部14534と対応する位置に形成される。これにより、前扉14005が内枠4に対して閉じられる場合には、突起14861を被係合部14534に挿入して、天板14530と係合部材14860とを係合させることができる。
コイルばねSP7は、螺旋状に複数回旋回されるバネ部材であり、上方の端部が係合部材14860の下面に連結されると共に、下方の端部が本体部材14510の収容部14515の凹設底面に連結される。また、コイルばねSP7は自由長(負荷をかけていない状態の上下方向の長さ)が、収容部14515の凹設底面から収容部511の凹設底面までの距離寸法から係合部材14860の厚み寸法を引いた距離寸法S3(図87(b)参照)よりも小さく設定される。従って、コイルばねSP7に連結される係合部材14860は、コイルばねSP7に負荷がかかっていない状態では、収容部511の凹設底面よりも下方(収容部14515の内側)に配置される。
天板14530は、上面視において本体部材14510の収容部511及び後述する背面部材14550の上面凹部14550bに対応する大きさに形成される。また、天板14530は、その厚み寸法が収容部511及び背面部材14550の上面凹部の下方への凹設寸法と略同一に設定される。これにより、天板14530を本体部材14510及び背面部材14550に配設した場合に、天板14530、本体部材14510及び背面部材14550の上面と面一に配設できる。
また、天板14530は、左右の縁部から突設される突変部531が突設されると共に、下面に被係合部14534が上方に向かって凹設される。これにより、突片部531をスライド溝511aに挿入して天板14530を本体部材14510に対してスライド変位可能にできると共に、被係合部14534に突起14861を挿入して係合させることができる。
背面部材14550は、上端面が本体部材14510の上面と同一の高さに設定され、本体部材14510の背面側に配設される。また、背面部材14550は、上端面から下方に向かって上面凹部14550bが凹設され、その上面凹部14550bと凹設底面から係合部材14860の板厚分離間した位置に挿通孔14550cが貫通形成される。
上面凹部14550bは、前面側に配設される本体部材14510の収容部511の背面側に凹設されると共に、凹設寸法が収容部511の凹設寸法と略同一に設定される。これにより、上面凹部14550bの内側に天板14530を配設できる。
挿通孔14550cは、後述する内枠4に配設されるロック部材14560が挿通される孔であり、ロック部材14560の先端を挿通させて本体部材14510側に張り出させることができる。
ロック部材14560は、内枠4の前面側から本体部材14510側に突設されて形成されると共に、突設寸法が背面部材14550の厚み寸法よりも大きく設定される。また、ロック部材14560は、上下方向の寸法が距離寸法S3(図87(b)参照)と略同一に設定される。これにより、背面部材14550の前面から張り出すロック部材14560の先端側が、係合部材14860の下面側に配置されることで、係合部材14860の上面を本体部材14510の収容部511の凹設底面と略同一の高さに配置することができる。
ロック部材14560には、突出先端の上部に基端側に向かって上方傾斜する傾斜面14564が形成される。傾斜面13564は、内枠4に対して前扉14005を閉鎖した場合に、係合部材14860と当接する面であり、これにより、係合部材14860を上方に変位させることができる。なお、傾斜面14564と係合部材14860との当接状態についての詳しい説明は後述する。
次いで、図87及び図88を参照して、パネル部材11520を交換する手順について説明する。図88(a)及び図88(b)は、遊技機主部14003の断面模式図である。なお、図88(a)及び図88(b)は、図87(b)と対応する。また、図87(b)、図88(a)及び図88(b)は、パネル部材520を交換する場合の順番に図87(b)、図88(a)及び図88(b)が図示される。
図87(b)に示すように、前扉14005が内枠4に対して閉じられた状態では、係合部材14860が収容部14515の内側に配置されるロック部材14560の上面に載置された状態とされる。これにより、コイルばねSP7が引き伸ばされた状態とされると共に、係合部材14860の突起14861が被係合部14534の内側に挿入される。その結果、天板14530のスライド変位が規制される。
図88(a)に示すように、図87(b)に示す状態から、前扉14005が内枠4に対して開放されると、背面部材14550の挿通孔14550cの内側からロック部材14560が引き抜かれた状態とされる。これにより、係合部材14860の下側には、ロック部材14560が配置された状態から空間が形成された状態とされる。
上述したように、係合部材14860は、コイルばねSP7が連結されるので、下側に空間が形成される分、コイルばねSP7により下方に引き込まれる。これにより、係合部材14860の突起14861が天板14530の被係合部14534の内部から引き抜かれ、係合部材14860と天板14530との係合が解除される。その結果、天板14530のスライド変位の規制が解除される。
図88(b)に示すように、図88(a)に示す状態から、天板14530を背面側(内枠4側)にスライド変位させることで、本体部材14510の前方に開口を形成することができる。これにより、本体部材14510の開口を介して、本体部材14510に配設されるパネル部材520を交換することができる。
パネル部材520を交換した後に遊技機主部14003を元の位置(図C2(b)に示す位置)に戻す場合は、天板14530を前方にスライド変位させて、本体部材14510の前方の開口を封鎖した後に、内枠4に対して前扉14005を閉める。これにより、ロック部材14560の先端が背面部材14550の挿通孔14550cを介して本体部材14510の収容部14515の内側に張り出される。この場合、ロック部材14560の先端に形成される傾斜面14564に係合部材14860が当接される。これにより、係合部材14860が傾斜面14564の傾斜に沿って上方に案内(変位)され、係合部材14860の突起14861が天板14530の被係合部14534に挿入される。その結果、天板14530のスライド変位が規制される。
よって、第14実施形態では、内枠4に対して前扉14005を閉鎖する動作のみで、天板14530のスライド変位を規制することができ、パネル部材520を遊技機主部14003の外部から取り外し不能にすることができるので、作業者の作業を簡易にできる。
即ち、第1実施形態では、介設板540を元の位置に戻した後に、ロック部材560を第2位置から第1位置に戻すことで、天板530のスライド変位を規制することができるが、作業者に介設板540を元の位置に戻す作業とロック部材560を第1位置に戻す作業とをさせる必要があるため、作業者の作業が複雑となる。これに対し、第14実施形態では、内枠4に対して前扉14005を閉鎖する動作のみで、天板14530のスライド変位を規制することができる。そのため、作業者の作業を簡易にできる。
次いで、図88(b)を参照して天板14530を背面側(内枠4側)にスライド変位させた状態で、内枠4に対して前扉14005を閉めた場合について説明する。
図88(b)に示すように、ロック部材14560の傾斜面14564の基端側の端部までの突出距離S4(図88(b)参照)は、天板14530を背面側にスライド変位させた場合の係合部材14860の背面側の端部から天板14530の背面部材14550から張り出した側(背面側)の端部までの距離寸法S5(図88(b)参照)よりも大きく設定される(S4>S5)。これにより、天板14530が背面側にスライド変位された(天板14530の前方が開放された)状態で、内枠4に対して前扉14005が閉められた場合に、天板14530の背面側の端部が内枠4の前面に当接して天板14530が破損することを抑制できる。
詳しく説明すると、天板14530が背面側にスライド変位された(天板14530の前方が開放された)状態で、内枠4に対して前扉14005が閉められた場合に、天板14530が背面部材14550の前面に当接する前に、ロック部材14560を係合部材14860に当接させることができる。従って、係合部材14860が上方に変位される。
天板14530が背面側にスライド変位された状態では、係合部材14860の突起14861が被係合部14534に挿入されず、天板14530の下面に当接する状態とされる。よって、係合部材14860の下面と収容部14515の凹設底面との対向間にロック部材14560を挿入できる隙間が形成されず、ロック部材14560の挿入が規制される。その結果、内枠4に対して前扉14005が閉められることを規制でき、天板14530の背面側の端部が内枠4の前面に当接して天板14530が破損することを抑制できる。
また、天板14530の後方へのスライド変位量は、係合部材14860の突起14861の外縁部から背面部材14550の背面側の端部までの距離寸法S6(図88(b)参照)よりも小さく設定される。これにより、天板14530が背面側にスライド変位された場合に、天板14530の被係合部14534が背面部材14550の背面側に配置されることを抑制できる。その結果、被係合部14534が改造されることを抑制できる。
なお、被係合部14534が改造されるとは、例えば、被係合部14534の外径を大きくして、係合部材14860の突起14561を被係合部14534に挿入しやすくする改造などが例示される。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第4実施形態では、パネル部材4520を天板4530の底面に締結固定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の固定方法であっても良い。例えば、他の固定方法として、弾性的な変形を利用した係合・嵌合・圧入、弾性的に変形させない係合・嵌合、接着剤や接着テープを利用した接着などが例示される。
上記第4実施形態では、凹部511cの凹設寸法(深さ寸法)が、パネル部材4520の高さ寸法よりも十分に大きな寸法に設定され、パネル部材4520が天板4530に締結固定されずに凹部511cに収容された場合には、当接部材4532の長手方向他端側がパネル部材4520によって凹溝4534内に押し込まれず、当接部材4532の長手方向一端側によるレバー部材570の下方への押し下げが不能とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、凹部511cの凹設寸法(深さ寸法)を、パネル部材4520の高さ寸法に対応(略一致)する寸法に設定しても良い。
この場合には、パネル部材4520を天板4530に締結固定せずに凹部511cに収容した場合でも、天板4530を収容部511に取り付けると、当接部材4532の長手方向他端側をパネル部材4520によって凹溝4534内に押し込ませ、当接部材4532の長手方向一端側によるレバー部材570の下方への押し下げが可能となる。
よって、パネル部材4520を天板4530に締結固定する作業を不要として、その分、作業の簡素化を図ることができる。また、パネル部材4520が凹部511cに収納されていなければ、レバー部材570を下方へ押し下げられない(即ち、内枠4に対して前扉5を閉じることができない)ので、パネル部材4520の取り付け忘れを作業者に認識させることができる。
上記各実施形態では、介設板540,3540、天板4530、スライド板6540及びパネル部材4520(第3部材、対象部材)が所定位置に取り付けられていない場合に、内枠4(第1枠部材または第2枠部材)に対して前扉5(第2枠部材または第1枠部材)を閉じることが規制される場合を説明したが、所定位置への取り付け忘れを抑制する対象となる部材(第3部材)、及び、取り付け忘れ時に閉じることが規制される部材(第1枠部材および第2枠部材)は、上記実施形態で例示した部材には限定されない。
例えば、第3部材または対象部材の取り付け忘れ時に閉じることが規制される部材(第1枠部材および第2枠部材)の組み合せとしては、例えば、外枠2及び内枠4、前扉5と下皿ユニット15、前扉5及び外枠2、内枠4及び裏パックユニット6、前扉5及び通路形成ユニット160、樹脂ベース140及び遊技球発射機構142、或いは、内枠4及びファール球通路165などが例示される。即ち、一方に対して他方が開閉可能(回動可能)とされる部材どうしの組み合せであればどのような部材に適用しても良い。
上記各実施形態では、介設板540,3540、天板4530或いはスライド板6540が所定位置に取り付けられていない場合に、内枠4に対して前扉5を閉じることが規制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、介設板540,3540、天板4530或いはスライド板6540が所定位置に取り付けられていない状態で、内枠4に対して前扉5を閉じる動作が少なくとも行われた場合に、(内枠4に対して前扉5を閉じた状態が形成可能か否かに関わらず、)パネル部材520,4520を所定の状態とするように形成しても良い。所定の状態としては、例えば、パネル部材520,4520が、折れ曲がる、凹部511cから飛び出す(脱落する)、凹部511c内で傾斜する等が例示される。パネル部材520,4520の交換等の作業を行った後は、作業者は、パネル部材520,4520の状態を確認するのが通常であるので、作業者に介設板540等の取り付け忘れを認識させやすくできる。
上記各実施形態では、介設板540,3540、天板4530或いはスライド板6540が所定位置に取り付けられていない場合に、内枠4に対して前扉5を閉じることが規制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、パチンコ機1の電源がオンの状態で、介設板540,3540、天板4530或いはスライド板6540が所定位置に取り付けられずに、内枠4に対して前扉5を閉じる動作が少なくとも行われると、パチンコ機1の電源がオフされるように形成しても良い。この場合、パチンコ機1の電源のオフは、全体(全構成ユニット)の電源をオフしても良く、取り付け忘れに対応する部分(例えば、パネル部材520を照射するLED等の発光手段)のみをオフするようにしても良い。介設板540等の取り付け忘れを作業者や遊技者に認識させやすくできる。
一方、パチンコ機1の電源がオフの状態で、介設板540,3540、天板4530或いはスライド板6540が所定位置に取り付けられずに、内枠4に対して前扉5を閉じる動作が少なくとも行われると、パチンコ機1の電源がオンされるように形成しても良い。この場合、パチンコ機1の電源のオンは、全体(全構成ユニット)の電源をオンしても良く、取り付け忘れに対応する部分(例えば、パネル部材520を照射するLED等の発光手段)のみをオンするようにしても良い。介設板540等の取り付け忘れを作業者や遊技者に認識させやすくできる。
上記各実施形態では、パチンコ機1を例に説明したが、必ずしもこれに限られるものでなく、本発明を異なるタイプの遊技機に適用しても良い。異なるタイプの遊技機としては、例えば、スロットマシンが例示される。この場合、例えば、上記第8実施形態では、突出部材8713が遊技領域PEへ突出することで遊技を不能とする場合を説明したが、スロットマシンの場合には、突出部材8713に対応する部材の変位を利用することで、セレクターを操作して、コインの投入を不能(投入ができない又は投入しても排出される)としても良い。また、例えば、上記第9実施形態では、突出部材9724が変位されることで、操作ハンドル51の回転部材の操作が不能とされる場合を説明したが、スロットマシンの場合には、突出部材9724に対応する部材の変位を利用することで、操作レバーの操作を不能としても良い。こられの場合にも、第8及び第9実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第11実施形態では、異常表示装置11518の一部を透明な材料で形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、全体(一体)が透明な材量から形成される異常表示装置11518に光を透過させる領域のみ開口されたシール等を添付してもよい。また、シールに限らず、異常表示装置11518に光を透過させる領域以外を塗装しても良い。
この場合、異表示装置11518を一体の部品として形成することができるので、異常表示装置11518の形成を簡易にすることができる。その結果、異常表示装置11518の製造コストを削減することができる。
上記第11実施形態では、パネル部材11520を不透明領域R2の背面側に配置することで、作業者に異常を気が付かせる場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、作業者がロック部材560を戻し忘れて前扉11005を内枠4に対して閉鎖した場合に、回転部材11810を第11実施形態と反対方向に回転させても良い。
この場合、パネル部材11520を可撓性の樹脂材料から形成することで、パネル部材11520を天板530と回転部材11810との間に挟んで変形させることができる。その結果、パネル部材11520に異常があることをパネル部材11520の状態を作業者に視認させることができる。その結果、作業際にパチンコ機1が異常であることを判断させやすくできる。
上記第12実施形態では、パネル部材12520が1の装飾を表示する(第1分割板12520aから第4分割板12520dが、上下方向にずれて配設される)場合に、第4分割板12520dは、本体部材11510の不透明領域R2の背面側に配設され、第3分割板12520cは、透明領域R1の背面側に配設される場合を説明したが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部材11510の前面全域を透明領域R1で形成しても良いし、第4分割板12520dの前方側まで透明領域R1が形成されていても良い。
この場合、作業者がパネル部材12520を交換した後に、ロック部材560を第2位置から第1位置に戻し忘れた場合に、各分割板が前後方向に重ねて配置された態様を作業者に視認させやすくできる。よって、作業者に、パネル部材12520の異常を認識しやすくできる。その結果、パチンコ機1に異常がある(ロック部材560を戻し忘れた)ことを作業者に認識させやすくできる。
上記第12実施形態では、回転部材12810が変位(回転)されると、パネル部材12520の複数の分割板が前後方向に重なり、回転部材12810の変位(回転)を戻すことで、パネル部材12520の複数の分割板が上下方向にずれた位置に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パネル部材12520の複数の分割板は、一度前後方向に重なった状態とされるとその状態で固定され、回転部材12810の変位を戻しても、元(回転部材12810が変位前)の形状に戻らないようにしても良い。
この場合、遊技者が不正を行った後に内枠4に対して前扉12004を閉める場合に、ロック部材560の操作を間違えることで、パネル部材12520が変形した状態とされるので、店員にパチンコ機1に不正な操作がされたことを認識させやすくできる。
上記第13実施形態では、回転部材13810が回転した後に先端側(被締結部11812側)が本体部材13510及び天板13530との間の開口部分に近づく場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、回転部材13810が回転した後に先端側(被締結部11812側)が本体部材13510及び天板13530との間の開口から張り出す状態とされても良い。
この場合、パネル部材13520及び回転部材13810の締結(螺合)部分を遊技機主部13003の外側に張り出させることができるので、回転部材13810からパネル部材13520を外しやすくできる。
上記第13実施形態では、パネル部材13520が回転部材13810に締結された状態とされ、回転部材13810が回転されることで、パネル部材13520が遊技機主部13003の外方に張り出される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パネル部材13520は、回転部材13810の先端に係合される状態とされ、回転部材13810が回転されることで、遊技機主部の外方に張り出されると共に、回転部材13810との係合が解除されても良い。
この場合、パネル部材13520の交換作業に問題がある(ロック部材13560を第2位置から第1位置に戻し忘れる)と、パネル部材13520を遊技機主部13003から脱落させることができるので、パネル部材13520を交換する作業者に、パチンコ機1に異常がある(ロック部材13560を戻し忘れた)ことを認識させやすくできる。
上記第13実施形態では、作業者がロック部材13560を戻し忘れた場合に、パネル部材13520が、本体部材13510の上方背面側に向かって張り出す(飛び出す)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体部材13510の上方正面側に向かって張り出すように回転部材13810を構成しても良い。
この場合、本体部材13510の正面側にパネル部材13520が張り出すので、内枠4に対して前扉13005を閉鎖した際に、作業者がパネル部材13520の張り出しに気が付かなかった場合に、作業者にパチンコ機1を左右横方向から視認させることで、一部(パネル部材13520)が正面側に張り出していることを認識させやすくできる。その結果、パネル部材13520を交換する作業者または他の作業者に、パチンコ機1に異常がある(ロック部材13560を戻し忘れた)ことを認識させやすくできる。
さらに、この場合、本体部材13510から張り出すパネル部材13520が、パチンコ機1を正面視した際に、本体部材13510と重なる位置にパネル部材13520の張り出し先端の少なくとも一部が重なる位置に配置されることが好ましい。これによれば、本体部材13510がパネル部材13520に隠れる(重なる)ことで、本体部材13510の一部が視認し難くされる。その結果、パネル部材13520を交換する作業者または他の作業者に、パチンコ機1に異常がある(ロック部材13560を戻し忘れた)ことを認識させやすくできる。
上記第11から第13実施形態では、回転部材11810,12810,13810を回転させることで、その回転部材11810,12810,13810に締結されるパネル部材11520,12520,13520の位置を変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、パネル部材11520,12520,13520が締結される部材をスライド変位させてパネル部材11520,12520,13520の位置を変位させるものであって良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<ワンウェイクラッチ3580を一例とする発明の概念について>
第1枠部材と、その第1枠部材に開閉可能に取着される第2枠部材と、前記第1枠部材または第2枠部材の一方の所定位置に配設される第3部材と、を備え、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位可能に形成された遊技機において、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放されることで、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位することが許容されると共に、前記第3部材が前記所定位置に配置されていない状態では、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、第1枠と、その第1枠に開閉可能に取着される第2枠と、第1枠または第2枠の一方に配設される第3部材(デコレーションパネル25)とを備え、その第3部材が所定位置から少なくとも変位可能に形成された遊技機が知られている(特開2001−104546号)。
この遊技機によれば、第3部材が所定位置から少なくとも変位される(又は、取り外される)ことで、作業者による所定の操作(例えば、点検や調整、部品の交換など)が可能とされる。一方、第3部材を所定位置に戻すことで、作業者や遊技者によって所定の操作が行われることを規制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第3部材を所定位置に戻し忘れるおそれがあるという問題点があった。第3部材を所定位置に戻し忘れると、第3部材が配置されるべき部分が開放されるので、その開放された部分を利用して不正が行われるおそれがある。
これに対し、遊技機A1によれば、第1枠部材に対して第2枠部材が開放されることで、第3部材が所定位置から少なくとも変位することが許容されると共に、第3部材が所定位置に配置されていない状態では、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されるので、第3部材を所定位置に戻し忘れることを抑制できる。
即ち、遊技機A1によれば、第3部材を所定位置から少なくとも変位させるためには、第1枠部材に対して第2枠部材を開放させることが必要とされるので、第3部材を所定位置から少なくとも変位させた場合には、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作を必須の作業として作業者に必ず行わせることができる。この場合、第3部材を所定位置に戻さなければ、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることができず、遊技可能な状態を形成できないため、第3部材を所定位置に戻し忘れることを確実に抑制できる。
なお、第3部材を少なくとも変位させるとは、第1枠部材または第2枠部材の一方に第3部材が配設された状態のまま変位される場合だけでなく、第1枠部材または第2枠部材の一方から第3部材が取り外される形態も含む。また、第3部材を少なくとも変位させて行われる所定の操作としては、対象となる部品または機器を、取り外して交換する場合、その配設方向を調整する場合、スイッチを操作する場合などが例示される。
遊技機A1において、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放され、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位されると、前記第1枠部材に対して第2枠部材が、前記開放されている位置から少なくとも閉じる方向へ変位することを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1枠部材に対して第2枠部材が開放され、第3部材が所定位置から少なくとも変位されると、第1枠部材に対して第2枠部材が、その開放されている位置から少なくとも閉じる方向へ変位することを禁止する禁止手段を備えるので、第3部材を所定位置に戻し忘れることを抑制できる。
即ち、第3部材を所定位置に戻さなければ、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることができないようにすることで、第3部材の戻し忘れを抑制することができる。しかしながら、この場合、例えば、第1枠部材に第2枠部材が重なった状態で、両者の間に所定の部材を介在させることで、閉じた状態を形成できなくさせる構造(即ち、第1枠部材に対する第2枠部材の閉じる方向への変位は許容される構造)では、実際に閉じた状態が形成されていなくても、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じる方向へ変位され、両者が重なっていることで、閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識する恐れがある。また、閉じる動作が大きな力で行われると、第1枠部材に対して第2枠部材が所定の部材を挟み込みつつ衝突して、破損する恐れがある。
これに対し、遊技機A2によれば、第3部材が所定位置から少なくとも変位されると、第1枠部材に対して第2枠部材が少なくとも閉じる方向へ変位することを禁止手段により禁止させることができるので、閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識することを抑制しやすくできる。また、閉じる方向への変位が禁止されることで、その閉じる動作に伴う衝突により破損することを回避できる。
遊技機A2において、前記禁止手段は、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放方向へ変位することは許容することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、禁止手段は、第1枠部材に対して第2枠部材が開放方向へ変位することは許容するので、第1枠部材と第2枠部材との連結部分の故障や異物噛み込みとは異なる動作を形成して、第3部材の所定位置への戻し忘れであることを作業者に認識させやすくできる。
遊技機A3において、前記禁止手段は、ワンウェイクラッチを備え、そのワンウェイクラッチの動作により、前記第1枠部材に対して第2枠部材が閉じる方向へ変位することを禁止すると共に、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放方向へ変位することを許容するように形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、第1枠部材に対する第2枠部材の閉じる方向への変位の禁止と第1枠部材に対する第2枠部材の開放方向への変位の許容とをワンウェイクラッチの動作により形成するので、開放方向へ変位されると、その位置からの閉じる方向への変位を禁止できるので、作業者が第2枠部材を変位させる度に、第1枠部材に対する第2枠部材の開放の角度を大きくすることができる。よって、第3部材の所定位置への戻し忘れであることを作業者に認識させやすくでき、その結果、第2枠部材を閉じる方向へ無理に押し込んで破損することを抑制できる。
遊技機A1において、前記第1枠部材に対して第2枠部材を施錠する施錠装置を備え、前記第3部材が前記所定位置に配置されていない状態では、前記施錠装置が開錠状態とされることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1枠部材に対して第2枠部材を施錠する施錠装置を備え、第3部材が所定位置に配置されていない状態では、施錠装置が開錠状態とされるので、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる方向へ変位させても、施錠が行なわれない状態を形成できる。よって、第3部材が所定位置に配置されていないことを作業者へ認識させることができ、第3部材を所定位置に戻し忘れることを抑制できる。
遊技機A5において、前記第3部材が前記所定位置に配置されていない状態で前記第1枠部材に対して第2枠部材が閉じる方向へ変位された場合に、前記第2枠部材を開放方向へ付勢する付勢部材を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、第3部材が所定位置に配置されていない状態で第1枠部材に対して第2枠部材が閉じる方向へ変位された場合に、第2枠部材を開放方向へ付勢する付勢部材を備えるので、第3部材が所定位置に配置されていないことを作業者へ認識させやすくできる。
即ち、例えば、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる方向へ変位させた場合に、施錠が行なわれないだけでは、第1枠部材に第2枠部材が重なっていることで、閉じた状態が形成されたと作業者が誤認識する恐れがある。これに対し、遊技機A6によれば、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる方向へ変位させた場合には、付勢部材の付勢力により第2枠部材を開放方向へ押し返して、開放された状態を形成することができる。よって、第3部材が所定位置に配置されていないことを作業者へ認識させやすくできる。
また、閉じる動作が大きな力で行われると、第1枠部材に対して第2枠部材が衝突して、破損する恐れがあるところ、かかる衝突を付勢部材の付勢力で緩衝することができるので、破損を抑制することができる。
遊技機A6において、前記付勢部材は、前記第1枠部材に対して第2枠部材が閉じた状態において、前記第2枠部材を開放方向へ付勢可能に形成されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、付勢部材は、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じた状態において、第2枠部材を開放方向へ付勢可能に形成されるので、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた状態から開放する際に、開放に要する力を付勢部材の付勢力により補助することができる。よって、第1枠部材に対して第2枠部材を開放させる際の作業者の作業性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA7において、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位された状態で前記第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられた場合に前記第1枠部材および第2枠部材の間に介在され弾性変形される付勢部材を備えることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の奏する効果に加え、第3部材が所定位置から少なくとも変位された状態で第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられた場合に第1枠部材および第2枠部材の間に介在され弾性変形される付勢部材を備えるので、かかる付勢部材の弾性変形に伴う緩衝作用により第1枠部材および第2枠部材の衝突の勢いを弱めることができる。その結果、衝突に伴う破損や損傷を抑制できる。
遊技機A8において、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放された状態で少なくとも第1位置または第2位置に操作可能に形成される操作部材を備えると共に前記第2位置に操作された前記操作部材が前記第1枠部材および第2枠部材の間に介在されることで前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制され、前記付勢部材は、前記操作部材に収容されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、第1枠部材に対して第2枠部材が開放された状態で少なくとも第1位置または第2位置に操作可能に形成される操作部材を備えると共に第2位置に操作された操作部材が第1枠部材および第2枠部材の間に介在されることで第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制され、付勢部材は、操作部材に収容されるので、付勢部材を第1枠部材および第2枠部材の間で弾性変形させやすくすることができると共に、スペース効率の向上を図ることができる。
遊技機A9において、前記付勢部材は、前記第1枠部材に第2枠部材を閉じた状態では、前記第1枠部材および第2枠部材の間で弾性変形されていることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、付勢部材は、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた状態では、第1枠部材および第2枠部材の間で弾性変形されているので、第1枠部材に対して第2枠部材を開放する場合には、付勢部材の弾性回復力を開放の動作に補助する力として利用して、作業者による開放動作を補助することができる。
遊技機A10において、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた状態において、前記付勢部材を弾性変形させる変形付与部を備え、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放された状態では、前記変形付与部による前記付勢部材の弾性変形が解除されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた状態において、付勢部材を弾性変形させる変形付与部を備え、第1枠部材に対して第2枠部材が開放された状態では、変形付与部による付勢部材の弾性変形が解除されるので、第1枠部材に対して第2枠部材を開放する場合には、付勢部材の弾性回復力を大きくして、開放の動作を補助しやすくできる一方、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる場合には、付勢部材の弾性変形可能量を確保して、第1枠部材および第2枠部材の衝突の勢いを弱めやすくできる。
<ロック部材560を一例とする発明の概念について>
第1枠部材と、その第1枠部材に開閉可能に取着される第2枠部材と、前記第1枠部材または第2枠部材の一方の所定位置に配設される第3部材と、を備え、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位可能に形成された遊技機において、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放された状態で少なくとも第1位置または第2位置に操作可能に形成される操作部材を備え、前記操作部材が前記第1位置から第2位置へ操作されることで、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位することが許容され、前記第3部材が前記所定位置に配置されることで、前記操作部材の前記第2位置から第1位置への操作が可能とされ、前記操作部材が少なくとも前記第1位置に操作されていない状態では、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されることを特徴とする遊技機B1。
ここで、第1枠と、その第1枠に開閉可能に取着される第2枠と、第1枠または第2枠の一方に配設される第3部材(デコレーションパネル25)とを備え、その第3部材が所定位置から少なくとも変位可能に形成された遊技機が知られている(特開2001−104546号)。
この遊技機によれば、第3部材が所定位置から少なくとも変位される(又は、取り外される)ことで、作業者による所定の操作(例えば、点検や調整、部品の交換など)が可能とされる。一方、第3部材を所定位置に戻すことで、作業者や遊技者によって所定の操作が行われることを規制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第3部材を所定位置に戻し忘れるおそれがあるという問題点があった。第3部材を所定位置に戻し忘れると、第3部材が配置されるべき部分が開放されるため、その開放された部分を利用して不正が行われるおそれがある。
これに対し、遊技機B1によれば、操作部材を第1位置から第2位置へ操作することで、第3部材が前記所定位置から少なくとも変位することが許容されるところ、操作部材が少なくとも第1位置に配置されていない状態では、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制され、かかる操作部材を第2位置から第1位置へ操作するためには、第3部材を所定位置に配置することが必要とされるので、第3部材を所定位置に戻し忘れることを抑制できる。
即ち、遊技機B1によれば、第3部材を所定位置から少なくとも変位させるためには、操作部材を第1位置から第2位置へ操作することが必要とされると共に、操作部材が第1位置に操作されていない状態では、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されるので、操作部材を第2位置から第1位置へ操作する動作を必須の作業として作業者に必ず行わせることができる。この場合、第3部材を所定位置に戻さなければ、操作部材を第2位置から第1位置へ操作することができないため、第3部材を所定位置に戻し忘れることを確実に抑制できる。
遊技機B1において、前記操作部材が前記第2位置に操作された状態では、その操作部材が前記第1枠部材および第2枠部材の間に介在されることで、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、操作部材が少なくとも第2位置に操作された状態では、その操作部材が第1枠部材および第2枠部材の間に介在されることで、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されるので、製品コストの削減を図ることができる。即ち、操作部材に、第3部材の変位の規制および許容を切り替える役割と、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることを規制する役割とを兼用させることができ、後者の役割のための部材を別途設けることを不要とできる。よって、部品点数を削減して、その分、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機B2において、前記第1枠部材または第2枠部材の一方に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に付勢力を付与する付勢部材と、を備え、前記操作部材が前記第1位置から第2位置へ操作されると、その操作部材の前記第2位置から第1位置への移動を規制する位置へ前記変位部材が前記付勢部材の付勢力により変位されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、第1枠部材または第2枠部材の一方に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に付勢力を付与する付勢部材と、を備え、操作部材が第1位置から第2位置に操作されると、その操作部材の第2位置から第1位置への移動を規制する位置へ変位部材が付勢部材の付勢力により変位されるので、操作部材が第2位置に位置する状態のままで第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられた場合に、操作部材が第2位置から第1位置へ移動することを確実に抑制できる。即ち、第3部材が所定位置に戻されていない状態で、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた状態が形成されることを抑制できる。
遊技機B3において、前記変位部材は、前記第3部材が前記所定位置に配置された場合に、前記操作部材の前記第2位置から第1位置への移動を許容する位置へ変位可能とされることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第3部材を所定位置へ戻し忘れることを抑制できる。即ち、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じるためには、操作部材を第2位置から第1位置へ操作する必要があるところ、かかる操作のためには、変位部材を、操作部材の第2位置から第1位置への移動を許容する位置へ変位させる必要があり、この変位部材の変位のためには、第3部材を所定位置へ配置することが必要とされる。よって、第3部材を所定位置に戻さなければ、操作部材を第2位置から第1位置へ操作することができず、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じること(即ち、遊技可能な状態を形成すること)ができないため、第3部材を所定位置に戻し忘れることをより確実に抑制できる。
遊技機B4において、前記変位部材は、前記第3部材が前記所定位置に配置される際にその第3部材が直接的または間接的に作用されることで、前記操作部材の前記第2位置から第1位置への移動を許容する位置へ変位されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、第3部材が所定位置に配置される際にその第3部材が直接的または間接的に作用されることで、変位部材が、操作部材の第2位置から第1位置への移動を許容する位置(変位許容位置と称す)へ変位されるので、作業性の向上を図ることができる。即ち、第3部材を所定位置に配置すれば、その動作に伴って、変位部材を変位許容位置へ変位させることができ、かかる変位部材を変位許容位置へ変位させる動作を別途行うことを不要とできる。これにより、作業性の向上を図ることができる。
また、変位部材を変位許容位置へ変位させる動作が別途必要な構造では、かかる変位部材の変位許容位置への変位を行っていない状態で、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じると、操作部材の移動を変位部材が規制して、これら操作部材や変位部材などの破損を招くところ、遊技機B5によれば、第3部材を所定位置に配置すれば、これに伴って、変位部材が変位許容位置へ変位されるので、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた際に、操作部材や変位部材などが破損することを抑制できる。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、前記操作部材が前記第1位置から第2位置へ操作され、その操作部材の前記第2位置から第1位置への移動を規制する位置へ前記変位部材が前記付勢部材の付勢力により変位されると、その変位部材が前記第3部材に直接的または間接的に作用して、前記第3部材を所定量だけ変位させることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B3からB5のいずれかの奏する効果に加え、操作部材が第1位置から第2位置へ操作され、その操作部材の第2位置から第1位置への移動を規制する位置へ変位部材が付勢部材の付勢力により変位されると、その変位部材が第3部材に直接的または間接的に作用して、第3部材を所定量だけ変位させる(例えば、浮き上がらせる)ので、かかる第3部材を変位または取り外しやすくすることができ、作業性の向上を図ることができる。
遊技機B3からB5のいずれかにおいて、前記操作部材は、先端側が屈曲可能に形成され、その屈曲された先端側が前記第1枠部材および第2枠部材の間に挟持されることで、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B3からB5のいずれかの奏する効果に加え、操作部材は、先端側が屈曲可能に形成され、その屈曲された先端側が第1枠部材および第2枠部材の間に挟持されることで、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されるので、操作部材が第2位置に操作された状態で、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられた場合でも、操作部材が変位部材へ向けて押し込まれることを抑制でき、これにより、これら操作部材や変位部材が破損することを抑制できる。
遊技機B7において、前記操作部材は、前記先端側が屈曲される際の回転軸を水平方向に沿わせた姿勢で配設されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機b7の奏する効果に加え、操作部材は、先端側が屈曲される際の回転軸を水平方向に沿わせた姿勢で配設されるので、かかる先端側をその自重により下方へ傾倒させることができる。よって、例えば、作業者が操作部材を屈曲させる操作を行わなくても、操作部材を重力の作用により屈曲した姿勢とすることができ、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられた場合には、それらの間に操作部材の先端側を確実に挟持させることができる。その結果、かかる操作部材が押し込まれることを抑制して、操作部材や変位部材が破損することを抑制できる。
遊技機B1からB8において、前記第3部材を前記所定位置から少なくとも変位させることで前記第1枠部材または第2枠部材の一方から取り外し可能となる対象部材を備え、前記対象部材が前記第1枠部材または第2枠部材の一方に配設されていない状態では、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、第3部材を所定位置から少なくとも変位させることで第1枠部材または第2枠部材の一方から取り外し可能となる対象部材を備え、対象部材が第1枠部材または第2枠部材の一方に配設されていない状態では、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されるので、対象部材を戻し忘れることを抑制することができる。
遊技機B9において、前記対象部材は、前記第3部材に取り付け可能に形成され、前記対象部材が前記第3部材に取り付けられた状態で、前記第3部材が前記所定位置に配設されていない状態では、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、対象部材が第3部材に取り付け可能に形成され、対象部材が第3部材に取り付けられた状態で、第3部材が所定位置に配設されていない状態では、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制されるので、対象部材のみを配設し、第3部材を配設し忘れた場合にも、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることができない状態を形成できる。これにより、第3部材を戻し忘れることを抑制できる。
遊技機B1又はB2において、前記第3部材は、前記第1枠部材または第2枠部材の一方に前記所定位置および開放位置の間で変位可能に配設され、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放され且つ前記第3部材が前記所定位置に変位された状態では、前記操作部材が第1位置または第2位置に操作可能とされ、前記第3部材が前記開放位置に配置された状態では、前記操作部材が前記第2位置から第1位置へ操作されることが前記第3部材により規制されることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、第3部材は、第1枠部材または第2枠部材の一方に所定位置および開放位置の間で変位可能に配設され、第1枠部材に対して第2枠部材が開放され且つ第3部材が所定位置に変位された状態では、操作部材が第1位置または第2位置に操作可能とされ、第3部材が開放位置に配置された状態では、操作部材が第2位置から第1位置へ操作されることが第3部材により規制されるので、操作部材が第2位置から第1位置へ移動することを規制するための部材を別途設ける必要がなく、かかる部材の役割を第3部材に兼用させることができる。これにより、部品点数を削減して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機B11において、前記第3部材は、開放位置に変位されると、前記第1枠部材または第2枠部材の一方から外方へ突出されることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、第3部材は、開放位置に変位されると、第1枠部材または第2枠部材の一方から外方へ突出されるので、第3部材を作業者に認識させやすくできる。即ち、第3部材がと第1枠部材または第2枠部材の一方から外方へ突出されていることで、第3部材を所定位置へ戻し忘れた状態で、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられることを抑制できる。
<打出規制部材8710を一例とする発明の概念について>
所定位置から少なくとも変位可能に形成される所定位置配設部材を備え、その所定位置配設部材が少なくとも変位されると、前記所定位置において所定の作業が可能となる遊技機において、前記所定位置配設部材が前記所定位置に配置されていない場合には遊技を行えない状態が形成されることを特徴とする遊技機C1。
ここで、所定位置から少なくとも変位可能(又は取り外し可能)に形成される所定位置配設部材(デコレーションパネル25)を備えた遊技機が知られている(特開2001−104546号)。
この遊技機によれば、所定位置配設部材が所定位置から少なくとも変位される(又は、取り外される)ことで、作業者による所定の操作(例えば、点検や調整、部品の交換など)が可能とされる。一方、所定位置配設部材を所定位置に戻すことで、作業者や遊技者によって所定の操作が行われることを規制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、所定位置配設部材を所定位置に戻し忘れるおそれがある。所定位置配設部材を所定位置に戻し忘れると、その所定位置配設部材が本来配置されるべき部分が開放されるため、これに起因して、不正行為を伴った遊技が行われるおそれがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、所定位置配設部材が所定位置に配置されていない場合には遊技が行えない状態が形成されるので、不正行為を伴った遊技が行われることを抑制できる。
なお、遊技機が行えない状態とは、例えば、パチンコ機1であれば、少なくとも遊技球が遊技領域へ流入されない状態を意味する。よって、遊技球を発射可能な状態であっても、その発射された遊技球が遊技領域に流入されない状態であれば、遊技が行われない状態に該当する。また、例えば、スロットマシンであれば、コインが投入できない状態、或いは、コインの投入の可否に関わらず、操作レバーの操作が不能とされる状態を意味する。
遊技機C1において、前記遊技不能化手段は、遊技領域へ遊技球が流入されることを規制することで、遊技が行われることを不能とすることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技不能化手段は、遊技領域へ遊技球が流入されることを規制することで、遊技が行われることを不能とするので、遊技球が遊技領域の入球口に入球することを回避して、不正行為を伴った遊技が行われることを抑制できる。また、不正行為に関与しない遊技者が意図せず遊技を行う場合に、遊技を行うことが不能であることを認識させやすくすることができる。
遊技機C2において、遊技者の操作に伴って遊技球を発射する発射手段と、その発射手段により発射された遊技球を前記遊技領域まで誘導する誘導路とを備え、前記遊技不能化手段は、前記所定位置配設部材が前記所定位置に配置されていない場合に、前記誘導路を遊技球が通過することを規制することで、遊技が行われることを不能とすることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、遊技不能化手段は、所定位置配設部材が所定位置に配置されていない場合に、誘導路を遊技球が通過することを規制することで、遊技が行われることを不能とするので、発射された遊技球を発射装置または下皿へ返球することができる。即ち、不正行為に関与しない遊技者が意図せず遊技を行う場合に、遊技を行うことが不能であることを認識させやすくすることができると共に、かかる遊技者に不利益を与えることを回避できる。
遊技機C3において、前記遊技不能化手段は、前記所定位置配設部材が前記所定位置に配置されていない場合に前記誘導路に視認可能に突出される突出部材を備え、前記誘導路に突出された突出部材が、前記誘導路における遊技球の通過を規制することで、遊技が行われることを不能とすることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、遊技不能化手段は、所定位置配設部材が所定位置に配置されていない場合に誘導路に視認可能に突出される突出部材を備え、かかる誘導路に突出された突出部材によって、誘導路における遊技球の通過を規制するので、遊技を行うことが不能であることを遊技者に認識させやすくすることができる。
なお、突出部材は、戻り球防止部材(遊技領域へ放出された遊技球が誘導路へ戻ることを防止するために誘導路の終端に配設される部材)の近傍(遊技球の直径の10倍以下の距離)に配設されることが好ましい。これにより、発射手段から発射された遊技球の行方を目視する遊技者に、突出部材の存在を認識させやすくすることができる。
遊技機C4において、前記誘導路は、円弧状に湾曲して形成され、前記突出部材は、前記円弧状に湾曲した前記誘導路の湾曲内側に配設されると共に前記誘導路の湾曲外側には前記突出部材の非形成領域が形成されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、誘導路は、円弧状に湾曲して形成され、突出部材は、円弧状に湾曲した誘導路の湾曲内側に配設されると共に誘導路の湾曲外側には突出部材の非形成領域が形成されるので、誘導路に誘導される遊技球を遠心力により湾曲外側、即ち、突出部材の非形成領域を通過させることができる。よって、遊技球が飛び跳ねることを抑制できる。
即ち、突出部材が後退されている状態(突出されていない状態)であっても、部品の組立公差や寸法公差に起因して、誘導路と突出部材との間には段差が形成される。そのため、誘導路に誘導される遊技球が段差を通過すると、飛び跳ねるおそれがある。この場合、遊技球の遊技領域への安定した流入が阻害されるだけでなく、飛び跳ねた遊技球がガラス枠のガラスに衝突して破損させるおそれがある。これに対し、突出部材の非形成領域を通過させることができれば、段差による影響を抑制して、遊技球が飛び跳ねることを抑制できる。
遊技機C1において、遊技球を発射するために遊技者に操作される操作ハンドルを備え、前記遊技不能化手段は、前記所定位置配設部材が前記所定位置に配置されていない場合に、前記操作ハンドルの操作を規制することで、遊技が行われることを不能とすることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技不能化手段は、所定位置配設部材が所定位置に配置されていない場合に、操作ハンドルの操作を規制することで、遊技が行われることを不能とするので、遊技球が遊技領域の入球口に入球することを回避して、不正行為を伴った遊技が行われることを抑制できる。また、不正行為に関与しない遊技者が意図せず遊技を行う場合に、遊技を行うことが不能であることを認識させやすくすることができる。
遊技機C4において、第1枠部材と、その第1枠部材に開閉可能に取着される第2枠部材とを備え、前記所定位置配設部材は、前記第1枠部材または第2枠部材の一方における前記所定位置に配設され、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放されることで、前記所定位置配設部材が所定位置から少なくとも変位することが許容され、前記遊技不能化手段は、前記所定位置配設部材が所定位置に配置されていない場合に、前記第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられる際の作用によって、前記突出部材の突出が行われることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C6において、第1枠部材と、その第1枠部材に開閉可能に取着される第2枠部材とを備え、前記所定位置配設部材は、前記第1枠部材または第2枠部材の一方における前記所定位置に配設され、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放されることで、前記所定位置配設部材が所定位置から少なくとも変位することが許容され、前記遊技不能化手段は、前記所定位置配設部材が所定位置に配置されていない場合に、前記第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられる際の作用によって、前記操作ハンドルの操作の規制が行われることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C7又はC8によれば、遊技機C5又はC6の奏する効果に加え、突出部材の突出または操作ハンドルの操作の規制が、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられる際の作用によって行われるので、かかる突出部材の突出または操作ハンドルの操作の規制のための駆動源を別途設けることを不要として、その分、製品コストを削減できる。
また、所定位置配設部材を所定位置から少なくとも変位させるためには、第1枠部材に対して第2枠部材を開放させることが必要とされるので、所定位置配設部材を所定位置から少なくとも変位させた場合には、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作が必ず行われるようにすることができる。よって、所定位置配設部材を所定位置に戻し忘れて、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた場合に、遊技が行われることを不能とする状態を確実に形成できる。
<ハンドル突出部材9720を一例とする発明の概念について>
第1枠部材と、その第1枠部材に開閉可能に取着される第2枠部材と、前記第1枠部材または第2枠部材の一方の所定位置に配設される第3部材と、を備え、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位可能に形成された遊技機において、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放されることで、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位することが許容されると共に、前記第3部材が前記所定位置に配置されていない状態で前記第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられると、所定の報知が行われることを特徴とする遊技機D1。
ここで、第1枠と、その第1枠に開閉可能に取着される第2枠と、第1枠または第2枠の一方に配設される第3部材(デコレーションパネル25)とを備え、その第3部材が所定位置から少なくとも変位可能に形成された遊技機が知られている(特開2001−104546号)。
この遊技機によれば、第3部材が所定位置から少なくとも変位される(又は、取り外される)ことで、作業者による所定の操作(例えば、点検や調整、部品の交換など)が可能とされる。一方、第3部材を所定位置に戻すことで、作業者や遊技者によって所定の操作が行われることを規制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第3部材を所定位置に戻し忘れるおそれがあるという問題点があった。第3部材を所定位置に戻し忘れると、第3部材が配置されるべき部分が開放されるので、その開放された部分を利用して不正が行われるおそれがある。
これに対し、遊技機D1によれば、第1枠部材に対して第2枠部材が開放されることで、第3部材が所定位置から少なくとも変位することが許容されると共に、第3部材が所定位置に配置されていない状態で第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられると、所定の報知が行われるので、その所定の報知に基づいて、作業者に第3部材の所定位置への戻し忘れを認識させることができる。その結果、第3部材の所定位置への戻し忘れを抑制することができる。
即ち、遊技機D1によれば、第3部材を所定位置から少なくとも変位させるためには、第1枠部材に対して第2枠部材を開放させることが必要とされるので、第3部材を所定位置から少なくとも変位させた場合には、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作を必須の作業として作業者に必ず行わせることができる。よって、第2枠部材を閉じるという作業者が必ず行う手順の一つにおいて、所定の報知が行われることで、第3部材の所定位置への戻し忘れを作業者に認識させやすくすることができる。
遊技機D1において、前記所定の報知は、所定の部材を前記第1枠部材または第2枠部材から外方へ向けて突出させることで行われることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、所定の報知は、所定の部材を第1枠部材または第2枠部材の一方から外方へ向けて突出させることで行われるので、その所定の部材の突出に関連させて、作業者に第3部材の所定位置への戻し忘れを認識させることができる。
遊技機D2において、前記所定の部材の前記第2枠部材からの突出は、少なくとも前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作中に開始されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、所定の部材の第2枠部材からの突出は、少なくとも第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作中に開始されるので、その所定の部材の突出を作業者に認識させやすくすることができる。例えば、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた後に、所定の部材が第2枠部材から突出される場合には、既にその際には、作業者の意識が次の作業に向いているため、所定の部材が第2枠部材から突出されたことが認識され難い。これに対し、閉じる動作中であれば、作業者の意識が第2枠部材に向いている可能性が高いため、少なくとも所定の部材の突出が開始されたことを作業者に認識させやすくできる。
遊技機D2又はD3において、前記所定の部材は、前記第2枠部材の前面に配設され、下方側を支点として上方側を前方へ傾倒させることで、前記第2枠部材から突出されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、所定の部材は、第2枠部材の前面に配設され、下方側を支点として上方側を前方へ傾倒させることで、第2枠部材から突出されるので、かかる所定の部材の第2枠部材の前面からの突出を、第2枠部材を閉じる作業者に認識させやすくすることができる。
遊技機D4において、前記第2枠部材は、前記第1枠部材に対して幅方向一側が開閉可能に軸支され、前記所定の部材は、前記第2枠部材の幅方向他側に配設されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第2枠部材は、第1枠部材に対して幅方向一側が開閉可能に軸支され、所定の部材は、第2枠部材の幅方向他側に配設されるので、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作を作業者が行う際に、その作業者に所定の部材を接触させやすくすることができる。即ち、第2枠部材を閉じる場合、作業者は、第1枠部材に軸支される側と反対となる第2枠部材の幅方向他側を操作する(手で押し込む)ところ、かかる幅方向他側に所定の部材が配設されることで、前方へ傾倒して第2枠部材の前面に突出される所定の部材を作業者に接触させやすくできる。その結果、第3部材の所定位置への戻し忘れを作業者に認識させやすくすることができる。
遊技機D3において、前記第2枠部材は、前記第1枠部材に対して幅方向一側が開閉可能に軸支され、前記所定の部材は、前記第2枠部材の幅方向他側に配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、第2枠部材は、第1枠部材に対して幅方向一側が開閉可能に軸支され、所定の部材は、第2枠部材の幅方向他側に配設されるので、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作を作業者が行う際に、その作業者に所定の部材が突出されていることを認識させやすくすることができる。即ち、第2枠部材を閉じる場合、作業者は、第1枠部材に軸支される側と反対となる第2枠部材の幅方向他側を操作する(手で押し込む)ところ、かかる幅方向他側に所定の部材が配設されることで、操作する作業者の手に所定の部材の突出先端を押し当てやすくすることができる。その結果、第3部材の所定位置への戻し忘れを作業者に認識させやすくすることができる。
なお、所定の部材は、遊技球の発射の強度を調整するための操作ハンドルから突出されるようにしても良い。第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作を行う場合、作業者が操作ハンドルを操作する(手で押し込む)ことが多いため、かかる作業者の手に所定の部材の突出先端を押し当てやすくすることができる。
遊技機D2又はD3において、遊技球を発射するために遊技者に操作される操作ハンドルを備え、前記所定の部材は、操作ハンドルから突出されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、所定の部材は、操作ハンドルから突出されるので、かかる所定の部材の操作ハンドルからの突出を遊技者に認識させやすくすることができる。
遊技機D7において、前記所定の部材は、操作ハンドルの正面から突出されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、所定の部材は、操作ハンドルの正面から突出されるので、かかる操作ハンドルを遊技者が操作することを所定の部材により阻害することができる。その結果、操作ハンドルからの突出を遊技者に認識させやすくすることができる。
遊技機D2からD8において、前記第3部材が前記所定位置に配置されることで、前記第2枠部材から突出された前記所定の部材が、突出前の状態に復帰可能とされることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D2からD8のいずれかにおいて、第3部材が所定位置に配置されることで、第2枠部材から突出された所定の部材が、突出前の状態に復帰可能とされる、即ち、第3部材を所定位置へ戻さないと、所定の部材が第2枠部材から突出された状態が維持されるので、第3部材の所定位置への戻し忘れを抑制できる。
遊技機D2からD9のいずれかにおいて、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作が直接的または間接的に作用されることで、前記所定の部材が前記第2枠部材から突出されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D2からD9のいずれかの奏する効果に加え、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作が直接的または間接的に作用されることで、所定の部材が第2枠部材から突出されるので、かかる所定の部材を突出させるための駆動源を別途設けることを不要として、その分、製品コストを削減できる。
また、第3部材を所定位置から少なくとも変位させるためには、第1枠部材に対して第2枠部材を開放させることが必要とされるので、第3部材を所定位置から少なくとも変位させた場合には、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作が必ず行われるようにすることができる。よって、第3部材を所定位置に戻し忘れて、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた場合には、所定の部材が第2枠部材から突出された状態を確実に形成できる。
遊技機D1において、前記第2枠部材に配設されると共に情報を表示するパネル部材を備え、前記所定の報知は、前記パネル部材を変位させることで行われることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、所定の報知は、パネル部材を変位させることで行われるので、そのパネル部材の変位に関連させて、作業者に第3部材の戻し忘れを認識させることができる。
特に、パネル部材の変位であれば、遊技者の遊技が阻害される(遊技し難くなる)ことを抑制できる。よって、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
なお、パネル部材に表示される情報としては、例えば、遊技機の機種、スペック、キャラクターの画像などが例示される。即ち、表示の形態は、文字に限定されず、写真や絵、グラフなど任意とされる。
遊技機D11において、前記所定の報知は、前記パネル部材を変位させることで、前記パネル部材の少なくとも一部が視認不能な状態を形成することを特徴とする遊技D12。
遊技機D12によれば、遊技機D11の奏する効果に加え、所定の報知は、パネル部材を変位させることで、パネル部材の少なくとも一部が視認不能な状態を形成するので、パネル部材が変位される前の状態との差を大きくして、パネル部材が変位されていることを作業者に認識させやすくできる。その結果、作業者に第3部材の戻し忘れをより確実に認識させることができる。
遊技機D12において、第4部材を備え、前記所定の報知は、前記パネル部材の少なくとも一部を前記第4部材の背面側へ変位させることで、前記パネル部材の少なくとも一部が視認不能な状態を形成することを特徴とする遊技機D13。
遊技機D13によれば、遊技機D12の奏する効果に加え、所定の報知は、パネル部材の少なくとも一部を第4部材の背面側へ変位させることで、第4部材による遮蔽を利用して、パネル部材の少なくとも一部が視認不能な状態を確実に形成できる。よって、パネル部材が変位されていることを作業者に認識させやすくでき、作業者に第3部材の戻し忘れをより確実に認識させることができる。
遊技機D12において、前記パネル部材は変形可能に形成され、前記所定の報知は、前記パネル部材の変位に伴い前記パネル部材を変形させることで、前記パネル部材の少なくとも一部が視認不能な状態を形成することを特徴とする遊技機D14。
遊技機D14によれば、遊技機D12の奏する効果に加え、所定の報知は、パネル部材の変位に伴いパネル部材を変形させることで、パネル部材の少なくとも一部が視認不能な状態を形成するので、パネル部材が変位されていることを作業者に認識させやすくできることに加え、パネル部材を変位させるために必要なスペース(変位されたパネル部材を受け入れるために必要なスペース)を抑制できる。よって、その分、他の部材の配設スペースを確保できる。
なお、パネル部材の変形の態様としては、例えば、パネル部材を可撓性材料から形成し、他の部材に押し当てられたパネル部材を撓ませる(例えば、湾曲または屈曲させる)態様、パネル部材を蛇腹状(山折りと谷折りとが繰り返された形状)に形成し、他の部材に押し当てられたパネル部材を折りたたませる態様、パネル部材を複数の分割体に分割すると共にそれら各分割体どうしを変位可能に連結し、他の部材に押し当てられたパネル部材の分割体どうしを相対変位させる態様などが例示される。
遊技機D12において、前記所定の報知は、前記パネル部材を前記第2枠部材から外方へ向けて突出させることで行われることを特徴とする遊技機D15。
遊技機D15によれば、遊技機D12の奏する効果に加え、所定の報知は、パネル部材を第2枠部材から外方へ向けて突出させることで行われるので、パネル部材が変位されていることを作業者に認識させやすくでき、作業者に第3部材の戻し忘れをより確実に認識させることができる。
遊技機D11からD15のいずれかにおいて、前記所定の報知が行われた状態から前記第1枠部材に対して前記第2枠部材が開放された後、前記第1枠部材に対して前記第2枠部材が閉じられると、前記第3部材が前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機D16。
遊技機D16によれば、遊技機D11からD15のいずれかの奏する効果に加え、所定の報知が行われた状態から第1枠部材に対して第2枠部材が開放された後、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられると、第3部材が前記所定位置に配置されるので、作業者の作業負担を軽減できる。
即ち、所定の報知が行われたということは、第3部材が所定位置に配置されていない状態で第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられており、この場合には、第1枠部材に対して第2枠部材を開放して、第3部材を所定位置へ配置した後、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じるという三工程が必要となるところ、本発明によれば、第3部材を所定位置へ配置する工程を作業者が行うことを省略でき、作業者は、第1枠部材に対して第2枠部材を開放して閉じるという二工程のみを行えば良い。よって、その分、作業者の作業負担を軽減できる。
また、所定の報知(パネル部材の変位)を認識した作業者が、第1枠部材に対して第2枠部材を開放したが、例えば、作業者が第3部材の存在を知らず、異常の原因を把握できなかった場合でも、その後、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられることで、第3部材を所定位置へ配置することができる。即ち、作業者が意識的に作業しなくても、第3部材を所定位置へ復帰させることができる。
遊技機D16において、前記所定の報知が行われた状態から前記第1枠部材に対して前記第2枠部材が開放された後、前記第1枠部材に対して前記第2枠部材が閉じられると、前記第3部材が前記所定位置に配置されると共に、前記パネル部材が前記所定の報知が行われる前の配置に変位されることを特徴とする遊技機D17。
遊技機D17によれば、遊技機D16の奏する効果に加え、所定の報知が行われた状態から第1枠部材に対して第2枠部材が開放された後、第1枠部材に対して第2枠部材が閉じられると、第3部材が所定位置に配置(復帰)されるだけでなく、パネル部材も所定の報知が行われる前の配置に変位されるので、その分、作業者の作業負担を軽減できる。また、作業者が意識的に作業しなくても、パネル部材を初期位置(所定の報知が行われる前の配置)へ復帰させることができる。
遊技機D11からD17のいずれかにおいて、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作が直接的または間接的に作用されることで、前記パネル部材が変位されることを特徴とする遊技機D18。
遊技機D18によれば、遊技機D11からD17のいずれかの奏する効果に加え、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作が直接的または間接的に作用されることで、パネル部材が変位されるので、かかるパネル部材を変位させるための駆動源を別途設けることを不要として、その分、製品コストを削減できる。
また、第3部材を所定位置から少なくとも変位させるためには、第1枠部材に対して第2枠部材を開放させることが必要とされるので、第3部材を所定位置から少なくとも変位させた場合には、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じる動作が必ず行われるようにすることができる。よって、第3部材を所定位置に戻し忘れて、第1枠部材に対して第2枠部材を閉じた場合には、パネル部材が変位された状態を確実に形成できる。
遊技機A1からA11,B1からB12,C1からC8及びD1からD18のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11,B1からB12,C1からC8及びD1からD18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11,B1からB12,C1からC8及びD1からD18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、第1枠と、その第1枠に開閉可能に取着される第2枠と、第1枠または第2枠の一方に配設される第3部材とを備え、その第3部材が所定位置から少なくとも変位可能に形成された遊技機がある(特許文献1:特開2009−100994号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第3部材を所定位置に戻し忘れるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、第3部材の所定位置への戻し忘れを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、第1枠部材と、その第1枠部材に開閉可能に取着される第2枠部材と、前記第1枠部材または第2枠部材の一方の所定位置に配設される第3部材と、を備え、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位可能に形成されたものであり、前記第1枠部材に対して第2枠部材が開放された状態で少なくとも第1位置または第2位置に操作可能に形成される操作部材を備え、前記操作部材が前記第1位置から第2位置へ操作されることで、前記第3部材が前記所定位置から少なくとも変位することが許容され、前記第3部材が前記所定位置に配置されることで、前記操作部材の前記第2位置から第1位置への操作が可能とされ、前記操作部材が少なくとも前記第1位置に操作されていない状態では、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記操作部材が前記第2位置に操作された状態では、その操作部材が前記第1枠部材および第2枠部材の間に介在されることで、前記第1枠部材に対して第2枠部材を閉じることが規制される。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記第1枠部材または第2枠部材の一方に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に付勢力を付与する付勢部材と、を備え、前記操作部材が前記第1位置から第2位置へ操作されると、その操作部材の前記第2位置から第1位置への移動を規制する位置へ前記変位部材が前記付勢部材の付勢力により変位される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、第3部材を所定位置に戻し忘れることを抑制できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、製品コストの削減を図ることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、操作部材が第2位置から第1位置へ移動することを確実に抑制できる。