添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
[第1実施形態]
図1から図6を参照しながら、第1実施形態に係る監視システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る監視システム、サーバ及び携帯端末を示す図である。図2から図5は、第1実施形態に係る基準画像の例を示す図である。図6は、第1実施形態に係る視野画像の例を示す図である。
監視システム1は、図1に示すように、基準画像取得部11と、視野画像取得部12と、判定部13と、送信部14とを備える。これらは、例えば、監視システム1が有するメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。
監視システム1は、ネットワークNWを介してサーバ2及び携帯端末3に接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、企業内のイントラネットである。サーバ2は、例えば、作業を発注した事業者の各地方の支店に設置されている。携帯端末3は、例えば、監視を行っている監視員が携帯しているスマートフォン、タブレット、携帯電話である。なお、監視システム1は、携帯端末3に含まれていてもよい。また、監視システム1の構成は、下記の構成に限定されるものではない。
基準画像取得部11は、監視されるべき領域である監視領域を描出する基準画像を取得する。例えば、基準画像取得部11は、監視員が作業員の監視を始める前に、図2に示した基準画像E、図3に示した基準画像W、図4に示した基準画像S及び図5に示した基準画像Nを取得する。これら四つの基準画像は、例えば、携帯端末3のカメラにより、鉄塔Tをそれぞれ東西南北から撮影して得られる。なお、基準画像が撮影される方向は、特に限定されない。また、基準画像取得部11が取得する基準画像の数は、特に限定されない。また、基準画像が描出する対象は、鉄塔Tに限られず、例えば、電柱、ビルの屋上に設置された構造物でもよい。
視野画像取得部12は、視野画像を取得する。例えば、視野画像取得部12は、図6に示した視野画像Vを取得する。視野画像Vは、監視員の視野の少なくとも一部を描出しているため、監視員の視野の方向によっては図6に示した鉄塔Tや監視対象である作業員Xを描出していることがある。視野画像Vは、基準画像と異なり、例えば、監視員が身に着けているヘルメットや眼鏡に取り付けられたカメラ又は携帯端末3のカメラにより、監視員が行う作業員の監視と同時並行で撮影される。
判定部13は、基準画像が描出する監視領域と視野画像とを照合し、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれているか否かを判定する。ここで言う基準画像は、例えば、図2に示した基準画像E、図3に示した基準画像W、図4に示した基準画像S、図5に示した基準画像Nである。また、ここで言う視野画像は、例えば、図6に示した視野画像Vである。
例えば、判定部13は、図2に示した監視領域EB、図3に示した監視領域WB、図4に示した監視領域SB又は図5に示した監視領域NBが描出する鉄塔Tの輪郭と、図6に示した画像VBが描出する鉄塔Tの輪郭とを照合する。そして、判定部13は、これら二つの輪郭の少なくとも一部が合致する場合、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていると判定し、これら二つの輪郭の少なくとも一部が合致しない場合、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないと判定する。なお、これら四つの監視領域は、監視員が鉄塔Tを昇り降りする作業員を監視する必要があるため、鉄塔T全体を描出している。
また、判定部13は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。例えば、判定部13は、作業員が作業を終えていることを示す情報が携帯端末3に入力されたことを検知することにより、作業員が作業を終えていると判定する。
なお、判定部13が上述した判定を行う頻度は、任意に設定することができ、例えば、携帯端末3の処理能力やバッテリーの性能により決定されてもよい。
送信部14は、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないと判定された場合、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないことを示す注意情報を送信する。例えば、送信部14は、所定時間前記監視領域が監視されていなかった回数及び時刻の少なくとも一方を示す情報を更に含む注意情報を図1に示したサーバ2に送信する。或いは、送信部14は、監視領域が監視されていないことを報知する情報を更に含む注意情報を図1に示した携帯端末3に送信する。注意情報は、サーバ2や携帯端末3に記録され、各監視員の監視成績の把握に利用されてもよい。また、注意情報は、携帯端末3に送信され、自身が行っている監視の状況を把握する目的で各監視員により利用されてもよい。
また、例えば、送信部14は、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないと判定されてから一定時間が経過した後に注意情報を送信する。また、送信部14は、視野画像取得部12が取得している視野画像が一定時間を超えて変化しない場合、注意情報を送信してもよい。なお、送信部14は、監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定部13が判定した後に注意情報を送信してもよい。
図7を参照しながら、第1実施形態に係る監視システムが行う処理の例を説明する。図7は、第1実施形態に係る監視システムが行う処理の例を示すフローチャートである。
ステップS11において、基準画像取得部11は、基準画像を取得し、処理をステップS12へ進める。
ステップS12において、視野画像取得部12は、視野画像を取得し、処理をステップS13へ進める。
ステップS13において、判定部13は、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれているか否かを判定する。基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていると判定した場合(ステップS13:Yes)、判定部13は、処理をステップS15へ進める。一方、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないと判定した場合(ステップS13:No)、判定部13は、処理をステップS14へ進める。
ステップS14において、送信部14は、注意情報を送信し、処理をステップS15へ進める。
ステップS15において、判定部13は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した場合(ステップS15:Yes)、判定部13は、処理を終了させる。一方、監視員が監視している作業員が作業を終えていないと判定した場合(ステップS15:No)、判定部13は、処理をステップS12に戻す。
なお、監視システム1は、ステップS14において、送信部14に注意情報を送信させる代わりに、判定部13に基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないことを示す情報を記録させ、ステップS15の後、送信部14に当該情報を送信させてもよい。
以上、本発明の一例である第1実施形態について説明した。第1実施形態に係る監視システム1は、監視されるべき領域である監視領域を描出する基準画像を取得する基準画像取得部11と、監視員の視野の少なくとも一部を描出する視野画像を取得する視野画像取得部12と、基準画像が描出する監視領域と視野画像とを照合し、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれているか否かを判定する判定部13と、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないと判定された場合、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれていないことを示す注意情報を送信する送信部14と、を備える。
したがって、監視システム1は、監視員が監視領域を監視しているか否かを確実に監視することにより、監視員に作業員を確実に監視することを促し、作業員がより安全に作業を行うことを可能にすることができる。また、監視システム1は、注意情報をサーバ2や携帯端末3に送信するため、監視員の監視成績を把握させ、今後行われる作業の安全性を更に高めることができる。
[第2実施形態]
図8から図10を参照しながら、第2実施形態に係る監視システムについて説明する。図8は、第2実施形態に係る監視システム、サーバ及び携帯端末を示す図である。図9は、第2実施形態に係る監視領域の画像及びこれに重ねて表示された監視空間情報の例を示す図である。図10は、第2実施形態に係る監視空間の例を示す図である。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と重複する説明を省略する。
監視システム4は、図8に示すように、監視空間情報取得部41と、視野空間情報取得部42と、判定部43と、送信部44とを備える。また、監視システム4は、ネットワークNWを介してサーバ5及び携帯端末6に接続されている。
監視空間情報取得部41は、監視されるべき領域である監視領域を含む監視空間を特定する監視空間情報を取得する。監視空間は、監視員が視認している空間である。監視領域は、監視すべき対象が位置する領域である。監視員が正しく監視作業を行っている場合、監視空間は、監視領域を含んでいる。監視空間情報とは、監視空間に含まれる座標、監視領域が位置する方向及び監視領域までの距離の少なくとも一つを含む。監視空間情報取得部41は、図9に示した画像IMを使用して監視空間情報を取得することができる。画像IMは、例えば、携帯端末6のカメラを使用して撮影され、携帯端末6のディスプレイに表示される。
監視空間情報取得部41は、例えば、監視員が作業員の監視を始める前に、監視領域の中心に位置する鉄塔Tが画像IMを撮影するカメラから見て北の方向に位置していることを示す情報を取得することができる。監視空間情報取得部41は、例えば、この情報を携帯端末6の電子コンパス又はGPS(Global Positioning System)を利用して取得する。この情報は、図9に示すように、画像IMの中央付近に表示された画像Aにより示されている。画像Aに示されている「N」、「NNW」及び「NNE」は、それぞれ「北」、「北北西」及び「北北東」を意味している。なお、この情報は、鉄塔Tが画像IMを撮影するカメラから見て北以外の方向に位置していることを示す情報であってもよい。また、監視空間情報取得部41が取得する監視空間情報の数は、特に限定されない。
また、監視空間情報取得部41は、例えば、携帯端末6のGPSを利用することにより、鉄塔Tが画像IMを撮影するカメラから「25m」の距離に位置していることを示す情報を取得することができる。或いは、監視空間情報取得部41は、事前に取得した鉄塔Tの実際の長さ及び画像IMが描出している鉄塔Tの長さに基づいて、当該情報を取得することもできる。或いは、監視空間情報取得部41は、携帯端末6に入力された情報に基づいて、当該情報を取得してもよい。これらの方法により取得された情報は、例えば、図9に示すように、画像IMの中央付近に表示された画像Dにより示されている。ここで、鉄塔Tの実際の長さは、携帯端末6に予め登録されていてもよいし、携帯端末6に入力されてもよい。
さらに、監視空間情報取得部41は、例えば、監視空間に含まれる座標「X:−5°,Y:+12°,Z:0°」、「X:+5°,Y:+12°,Z:0°」、「X:−5°,Y:−1°,Z:0°」及び「X:+5°,Y:−1°,Z:0°」を取得ことができる。これらのX座標、Y座標及びZ座標は、それぞれ画像IMを撮影するカメラを基準とした監視空間内の点の方位角、仰俯角及び偏波角を表している。これら四つの座標は、図9に示すように、それぞれ画像IMの左上に表示されたアイコンUL、画像IMの右上に表示されたアイコンUR、画像IMの左下に表示されたアイコンLL、画像IMの右下に表示されたアイコンLRにより示されている。
また、監視空間情報取得部41は、一つの監視空間を特定するために、複数の点から監視空間情報を取得することもできる。例えば、監視空間情報取得部41は、図10に示すように、中心に鉄塔Tが位置している監視領域を含む監視空間SPを特定するために、点P、点Q及び点Rから鉄塔Tの画像を撮影し、監視空間情報を取得することもできる。なお、当該画像を撮影する点は、必ずしも監視領域を取り囲んでいる必要は無い。
視野空間情報取得部42は、監視員の視野の少なくとも一部を含む視野空間を特定する視野空間情報を取得する。視野空間情報とは、視野空間に含まれる座標を含む。視野空間情報は、監視空間情報と異なり、例えば、監視員が身に着けているヘルメットや眼鏡に取り付けられたカメラ又は携帯端末6のカメラにより、監視員が行う作業員の監視と同時並行で撮影された画像を使用して取得される。
判定部43は、監視空間情報と視野空間情報とを比較し、監視空間と視野空間とに重なりがあるか否かを判定する。例えば、判定部43は、図10に示した監視空間SPと視野空間とに重なりがあるか否かを判定する。
また、判定部43は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。
送信部44は、監視空間と視野空間とに重なりが無いと判定された場合、監視領域が視野空間に含まれていないことを示す注意情報を送信する。なお、送信部44は、視野空間情報取得部42が取得している視野空間情報が一定時間を超えて変化しない場合、注意情報を送信してもよい。
図11を参照しながら、第2実施形態に係る監視システムが行う処理の例を説明する。図11は、第2実施形態に係る監視システムが行う処理の例を示すフローチャートである。
ステップS21において、監視空間情報取得部41は、監視空間情報を取得し、処理をステップS22へ進める。
ステップS22において、視野空間情報取得部42は、視野空間情報を取得し、処理をステップS23へ進める。
ステップS23において、判定部43は、監視空間と視野空間とに重なりがあるか否かを判定する。監視空間と視野空間とに重なりがあると判定した場合(ステップS23:Yes)、判定部43は、処理をステップS25へ進める。一方、監視空間と視野空間とに重なりがないと判定した場合(ステップS23:No)、判定部43は、処理をステップS24へ進める。
ステップS24において、送信部44は、注意情報を送信し、処理をステップS25へ進める。
ステップS25において、判定部43は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した場合(ステップS25:Yes)、判定部43は、処理を終了させる。一方、監視員が監視している作業員が作業を終えていないと判定した場合(ステップS25:No)、判定部43は、処理をステップS22に戻す。
以上、本発明の一例である第2実施形態について説明した。第2実施形態に係る監視システム4は、監視されるべき領域である監視領域を含む監視空間を特定する監視空間情報を取得する監視空間情報取得部41と、監視員の視野の少なくとも一部を含む視野空間を特定する視野空間情報を取得する視野空間情報取得部42と、監視空間情報と視野空間情報とを比較し、監視空間と視野空間とに重なりがあるか否かを判定する判定部43と、監視空間と視野空間とに重なりが無いと判定された場合、監視領域が視野空間に含まれていないことを示す注意情報を送信する送信部44と、を備える。したがって、第2実施形態に係る監視システム4は、第1実施形態に係る監視システム1と同様の効果を奏する。
また、第2実施形態に係る監視システム4は、基準画像が描出する監視領域が視野画像に含まれるか否かを判定する第1実施形態に係る監視システム1と異なり、監視空間と視野空間とに重なりがあるか否かを判定する。したがって、第2実施形態に係る監視システム4は、第1実施形態に係る監視システム1よりも容易に注意情報を送信すべきか否かを判定することができる。
[第3実施形態]
図12及び図13を参照しながら、第3実施形態に係る監視システムについて説明する。図12は、第3実施形態に係る監視システム、サーバ及び携帯端末を示す図である。図13は、第3実施形態に係る呼称録の例を示す図である。
監視システム7は、図12に示すように、音取得部71と、判定部73と、送信部74とを備える。これらは、例えば、監視システム7が有するメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現することができる。
監視システム7は、ネットワークNWを介してサーバ8及び携帯端末9に接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、企業内のイントラネットである。サーバ8は、例えば、作業を発注した事業者の各地方の支店に設置されている。携帯端末9は、例えば、監視を行っている監視員が携帯しているスマートフォン、タブレット、携帯電話である。なお、監視システム7は、携帯端末9に含まれていてもよい。また、監視システム7の構成は、下記の構成に限定されるものではない。
音取得部71は、音を取得する。この音は、監視されるべき領域である監視領域を監視すべき監視員が作業員を監視している際に発する「補助フックよし」、「上下作業よし」、「胴綱よし」、「D環よし」、「気を付けろ」等の音声である。また、これらの音声は、監視員が携帯する携帯端末9のマイクを使用して録音することにより得られる。或いは、これらの音声は、携帯端末9とは別に設けられたマイクを使用して録音されてもよい。
判定部73は、音取得部71が取得した音声と予め登録されている基準音声とを照合し、双方が一致するか否かを判定する。基準音声は、事前に携帯端末9に文字列として入力されたものでもよいし、作業員の監視を始める前に監視員が携帯端末9に吹き込んだものでもよい。また、ここで言う一致とは、部分一致及び完全一致を含み、双方の意味が類似していることを含んでいてもよい。さらに、判定部73は、双方が部分一致するか否かを判定することが好ましい。なぜなら、音取得部71が取得する音声と基準音声とが完全に一致するとは限らないからである。このため、基準音声は、複数の監視員が共通して発するキーワードであることが好ましい。例えば、「注意して下さい」と発する監視員と「注意しろ」と発する監視員がいる場合、基準音声は、「注意」であることが好ましい。なお、判定部73が音声と基準音声とを照合する方法は、特に限定されない。
また、判定部73は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。例えば、判定部73は、携帯端末9に入力された情報により当該判定を行う。
なお、判定部73が上述した判定を行う頻度は、任意に設定することができ、例えば、携帯端末9の処理能力やバッテリーの性能により決定されてもよい。
送信部74は、例えば、音取得部71が取得した音声、当該音声が取得された時刻、判定部73が一致すると判定した音声の文言及び判定部73が一致すると判定した音声の前後n(n>0)秒の音声の少なくとも一つを図12に示した携帯端末9に送信する。携帯端末9は、例えば、図13に示すように、『ホジョフックヨシ』、『ジョウゲサギョウヨシ』、『ドウツナヨシ』、『ディーカンヨシ』及び『キヲツケロ』と、これらが取得された時刻とを時系列に表示する。なお、送信部74は、音取得部71が取得した音声等を図12に示したサーバ8に送信してもよい。
また、送信部74は、音声と基準音声とが一致しないと判定された場合、双方が一致しないことを示す注意情報を送信する。例えば、送信部74は、所定時間前記監視領域が監視されていなかった回数及び時刻の少なくとも一方を示す情報を更に含む注意情報を図12に示したサーバ8に送信する。或いは、送信部74は、監視領域が監視されていないことを報知する情報を更に含む注意情報を図12に示した携帯端末9に送信する。ここで、携帯端末9は、例えば、監視を行っている監視員が携帯しているスマートフォン、タブレット、携帯電話である。
ここで、サーバ8は、例えば、作業を発注した事業者の各地方の支店に設置されている。また、携帯端末9は、例えば、監視を行っている監視員が携帯しているスマートフォン、タブレット、携帯電話である。注意情報は、サーバ8や携帯端末9に記録され、各監視員の監視成績の把握に利用されてもよい。
また、例えば、送信部74は、音取得部71が取得した音声と予め登録されている基準音声とが一致しないと判定されてから一定時間が経過した後に注意情報を送信する。なお、送信部74は、監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した後に注意情報を送信してもよい。
図14を参照しながら、第3実施形態に係る監視システムが行う処理の例を説明する。図14は、第3実施形態に係る監視システムが行う処理の例を示すフローチャートである。
ステップS31において、音取得部71は、音声を取得し、処理をステップS32へ進める。
ステップS32において、判定部73は、ステップS31で取得された音声と予め登録されている音声とが一致するか否かを判定する。双方が一致すると判定した場合(ステップS32:Yes)、判定部73は、処理をステップS34へ進める。一方、双方が一致しないと判定した場合(ステップS32:No)、判定部73は、処理をステップS33へ進める。
ステップS33において、送信部74は、注意情報を送信し、処理をステップS34へ進める。
ステップS34において、送信部74は、音声等を送信し、処理をステップS35へ進める。例えば、送信部74は、音取得部71が取得した音声、当該音声が取得された時刻、判定部73が一致すると判定した音声の文言及び判定部73が一致すると判定した音声の前後n(n>0)秒の音声の少なくとも一つを送信する。
ステップS35において、判定部73は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した場合(ステップS35:Yes)、判定部73は、処理を終了させる。一方、監視員が監視している作業員が作業を終えていないと判定した場合(ステップS35:No)、判定部73は、処理をステップS31に戻す。
なお、監視システム7は、ステップS33において、送信部74に注意情報を送信させる代わりに、判定部73に音取得部71が取得した音声と予め登録されている基準音声とが一致していないことを示す情報を記録させてもよい。そして、監視システム7は、ステップS34の後、当該情報をサーバ8や携帯端末9に送信させてもよい。
以上、本発明の一例である第3実施形態について説明した。第3実施形態に係る監視システム7は、音声を取得する音取得部71と、音声と予め登録されている基準音声とを照合し、音声と基準音声とが一致するか否かを判定する判定部73と、音声と基準音声とが一致しないと判定された場合、双方が一致しないことを示す注意情報を送信する送信部74と、を備える。したがって、監視システム7は、監視員が作業員を監視する際に発する必要がある言葉を確実に発することを促し、作業員がより安全に作業を行うことを可能にすることができる。
また、第3実施形態に係る監視システム7は、第1実施形態に係る監視システム1及び第2実施形態に係る監視システム4と異なり、音声を使用する。したがって、第3実施形態に係る監視システム7は、第1実施形態に係る監視システム1又は第2実施形態に係る監視システム4と併用されることにより、監視員に作業員を確実に監視することを更に促すことができる。
[第4実施形態]
図15から図19を参照しながら、第4実施形態に係る監視システムについて説明する。図15は、第4実施形態に係る監視システム、サーバ及び携帯端末を示す図である。図16は、第4実施形態に係る携帯端末及びこれを使用して位置情報を取得する際に表示される画像の例を示す図である。図17は、第4実施形態に係る判定部が監視員の視野の方向が監視領域内に含まれる点の方を向いていると判定する場合の例を示す図である。図18は、第4実施形態に係る判定部が監視員の視野の方向が監視領域内に含まれる点の方を向いていると判定する場合の例を示す図である。図19は、第4実施形態に係る判定部が監視員の視野の方向が監視領域内に含まれる点の方を向いていないと判定する場合の例を示す図である。なお、第4実施形態の説明では、第1実施形態又は第2実施形態と重複する説明を省略する。
監視システム20は、図15に示すように、位置情報取得部201と、視野方向情報取得部202と、判定部203と、送信部204とを備え、ネットワークNWを介してサーバ21及び携帯端末22に接続されている。
位置情報取得部201は、監視領域内に含まれる点の位置を示す位置情報を取得し、当該点の位置の測定誤差を示す誤差情報を更に取得してもよい。位置情報は、例えば、当該点の緯度及び経度である。当該緯度及び経度は、携帯端末22のGPSが起動している状態で図16に示した監視領域Bまで監視員が移動し、監視領域Bの中で監視員が携帯端末22に表示されたボタンを押下することにより取得される。或いは、当該緯度及び経度は、携帯端末22のディスプレイに表示された地図に表示された監視領域Bをタッチすることにより取得される。また、誤差情報は、例えば、位置情報の取得に利用されたGPSの位置の測定精度に基づいて決定される。
視野方向情報取得部202は、例えば、携帯端末22の電子コンパスを利用して監視員の視野の方向を取得する。また、視野方向情報取得部202は、第2実施形態に係る視野空間情報取得部42と異なり、監視員が携帯する携帯端末22が向いている方向、例えば、携帯端末22の方位角を取得し、携帯端末22の仰俯角及び偏波角を取得しない。
判定部203は、監視員の視野の方向が監視領域に含まれる点の方を向いているか否かを判定する。例えば、判定部203は、図17に示すように、監視員Mが携帯する携帯端末22が向いている方向を示す図形VWが監視領域に含まれる点TPを中心とする誤差円C全体の方を向いている場合、監視員Mの視野の方向が監視領域に含まれる点の方を向いていると判定する。また、例えば、判定部203は、図18に示すように、図形VWが誤差円Cの一部の方を向いている場合、監視員Mの視野の方向が監視領域に含まれる点の方を向いていると判定する。一方、判定部203は、図19に示すように、図形VWが誤差円Cの方を向いていない場合、監視員Mの視野の方向が監視領域に含まれる点の方を向いていないと判定する。なお、誤差円Cの半径は、任意に調整可能であり、例えば、点TPの緯度及び経度を取得する際に利用されたGPSの測定精度に基づいて決定される。
また、判定部203は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。
送信部204は、監視員の視野の方向が監視領域に含まれる点の方を向いてないと判定された場合、監視員の視野の方向が監視領域に含まれる点の方を向いていないことを示す注意情報を送信する。また、送信部204は、例えば、監視員の視野の方向が監視領域に含まれる点の方を向いてないと判定されてから一定時間が経過した後に注意情報を送信してもよい。なお、送信部204は、監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定部203が判定した後に注意情報を送信してもよい。
図20を参照しながら、第4実施形態に係る監視システムが行う処理の例を説明する。図20は、第4実施形態に係る監視システムが行う処理の例を示すフローチャートである。
ステップS41において、位置情報取得部201は、監視領域内に含まれる点の位置を示す位置情報及び点の位置の測定誤差を示す誤差情報を取得し、処理をステップS42へ進める。
ステップS42において、視野方向情報取得部202は、監視員の視野の方向を取得し、処理をステップS43へ進める。
ステップS43において、判定部203は、ステップS42で取得された視野の方向がステップS41で取得された点の方を向いているか否かを判定する。視野の方向が当該点の方向を向いていると判定した場合(ステップS43:Yes)、判定部203は、処理をステップS45へ進める。一方、視野の方向が当該点の方向を向いていないと判定した場合(ステップS43:No)、判定部203は、処理をステップS44に進める。
ステップS44において、送信部204は、注意情報を送信し、処理をステップS45へ進める。
ステップS45において、判定部203は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した場合(ステップS45:Yes)、判定部203は、処理を終了させる。一方、監視員が監視している作業員が作業を終えていないと判定した場合(ステップS45:No)、判定部203は、処理をステップS42に戻す。
以上、本発明の一例である第4実施形態について説明した。第4実施形態に係る監視システム20は、監視領域内に含まれる点の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部201と、監視員の視野の方向を取得する視野方向情報取得部202と、視野の方向が点の方を向いているか否かを判定する判定部203と、視野の方向が点の方を向いていないと判定された場合、視野の方向が点の方を向いていないことを示す注意情報を送信する送信部204と、を備える。したがって、第4実施形態に係る監視システム20は、第1実施形態に係る監視システム1と同様の効果を奏する。
また、第4実施形態に係る監視システム20は、監視空間情報及び視野空間情報を取得する第2実施形態に係る監視システム4と異なり、これらよりも簡易である位置情報、誤差情報及び監視員の視野の方向を取得する。したがって、第4実施形態に係る監視システム20は、第2実施形態に係る監視システム4よりも簡易に注意情報を送信すべきか否かを判定することができる。
[第5実施形態]
図21を参照しながら、第5実施形態に係る監視システムについて説明する。図21は、第5実施形態に係る監視システム、サーバ及び携帯端末を示す図である。なお、第5実施形態の説明では、第3実施形態と重複する説明を省略する。
監視システム23は、図21に示すように、音取得部231と、判定部233と、送信部234とを備える。また、監視システム23は、ネットワークNWを介してサーバ24及び携帯端末25に接続されている。
音取得部231は、音を取得する。この音は、監視員の周辺で発生している音であり、作業により発生する音その他の音及び監視員が発する音声を含む。
判定部233は、例えば、音声認識を利用することにより、音取得部231が取得した音に音声が含まれているか否かを判定する。なお、ここで言う音声認識とは、人間が発した音声をコンピュータに認識させる技術を意味する。
また、判定部233は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。なお、送信部234は、監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した後に注意情報を送信してもよい。
図22を参照しながら、第5実施形態に係る監視システムが行う処理の例を説明する。図22は、第5実施形態に係る監視システムが行う処理の例を示すフローチャートである。
ステップS51において、音取得部231は、音を取得し、処理をステップS52へ進める。
ステップS52において、判定部233は、ステップS51で取得された音に音声が含まれているか否かを判定する。音声が含まれていると判定した場合(ステップS52:Yes)、判定部233は、処理をステップS54へ進める。一方、音声が含まれていないと判定した場合(ステップS52:No)、判定部233は、処理をステップS53へ進める。
ステップS53において、送信部234は、注意情報を送信し、処理をステップS54へ進める。
ステップS54において、判定部233は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した場合(ステップS54:Yes)、判定部233は、処理を終了させる。一方、監視員が監視している作業員が作業を終えていないと判定した場合(ステップS54:No)、判定部233は、処理をステップS51に戻す。
以上、本発明の一例である第5実施形態について説明した。第5実施形態に係る監視システム23は、音を取得する音取得部231と、音に音声が含まれているか否かを判定する判定部233と、音に音声が含まれていないと判定された場合、音に音声が含まれていないことを示す注意情報を送信する送信部234と、を備える。したがって、第5実施形態に係る監視システム23は、監視員が作業員を監視する際に声を発することを促し、作業員がより安全に作業を行うことを可能にすることができる。
また、第5実施形態に係る監視システム23は、音声と基準音声とを照合する第3実施形態に係る監視システム7と異なり、取得された音に音声が含まれているか否かを判定する。したがって、第5実施形態に係る監視システム23は、第3実施形態に係る監視システム7よりも簡易に注意情報を送信すべきか否かを判定することができる。
[第6実施形態]
図23を参照しながら、第6実施形態に係る監視システムについて説明する。図23は、第6実施形態に係る監視システム、サーバ及び携帯端末を示す図である。第6実施形態に係る監視システム26は、第1実施形態に係る監視システム1、第2実施形態に係る監視システム4、第4実施形態に係る監視システム20の上位概念に相当し、これらの実施形態以外の実施形態に係る監視システムを包含する。
監視システム26は、図23に示すように、監視領域特定部261と、視認領域特定部262と、判定部263と、出力部264とを備え、ネットワークNWを介してサーバ27及び携帯端末28に接続されている。
監視領域特定部261は、監視すべき領域である監視領域を特定する。また、監視領域特定部261は、例えば、上述した基準画像取得部11、監視空間情報取得部41及び位置情報取得部201であり、監視領域の特定を実行し得るその他の構成要素も含む。
視認領域特定部262は、監視員が視認している領域である視認領域を特定する。また、視認領域特定部262は、例えば、上述した視野画像取得部12、視野空間情報取得部42及び視野方向情報取得部202であり、視認領域を特定し得るその他の構成要素も含む。
判定部263は、監視領域と視認領域とを比較し、監視領域と視認領域とが重なっているか否かを判定する。また、判定部263は、例えば、上述した判定部13、判定部43及び判定部203であり、監視領域と視認領域とが重なっているか否かを判定し得るその他の構成要素も含む。
出力部264は、判定部263による判定結果を出力する。また、出力部264は、例えば、上述した送信部14、送信部44及び送信部204であり、判定部263による判定結果を出力し得るその他の構成要素も含む。
図24を参照しながら、第6実施形態に係る監視システムが行う処理の例を説明する。図24は、第6実施形態に係る監視システムが行う処理の例を示すフローチャートである。
ステップS61において、監視領域特定部261は、監視すべき領域である監視領域を特定し、処理をステップS62へ進める。
ステップS62において、視認領域特定部262は、監視員が視認している領域である視認領域を特定し、処理をステップS63へ進める。
ステップS63において、判定部263は、ステップS61で特定した監視領域とステップS62で特定した視認領域とが重なっているか否かを判定する。双方が重なっていると判定した場合(ステップS63:Yes)、判定部263は、処理をステップS65へ進める。一方、双方が重なっていないと判定した場合(ステップS63:No)、判定部263は、処理をステップS64へ進める。
ステップS64において、出力部264は、判定結果を出力し、処理をステップS65へ進める。
ステップS65において、判定部263は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した場合(ステップS65:Yes)、判定部263は、処理を終了させる。一方、監視員が監視している作業員が作業を終えていないと判定した場合(ステップS65:No)、判定部263は、処理をステップS62に戻す。
本発明の一例である第6実施形態について説明した。第6実施形態に係る監視システム26は、監視すべき領域である監視領域を特定する監視領域特定部261と、監視員が視認している領域である視認領域を特定する視認領域特定部262と、監視領域と視認領域とを比較し、監視領域と視認領域とが重なっているか否かを判定する判定部263と、判定部による判定結果を出力する出力部264と、を備える。したがって、第6実施形態に係る監視システム26は、監視員が監視領域を監視しているか否かを確実に監視することにより、監視員に作業員を確実に監視することを促し、作業員がより安全に作業を行うことを可能にすることができる。
[第7実施形態]
図25を参照しながら、第7実施形態に係る監視システムについて説明する。図25は、第7実施形態に係る監視システム、サーバ及び携帯端末を示す図である。第7実施形態に係る監視システム26は、第3実施形態に係る監視システム7、第5実施形態に係る監視システム23の上位概念に相当し、これらの実施形態以外の実施形態に係る監視システムを包含する。
監視システム29は、図25に示すように、音取得部291と、判定部293と、出力部294とを備え、ネットワークNWを介してサーバ30及び携帯端末31に接続されている。
音取得部291は、音を取得する。また、音取得部291は、例えば、上述した音取得部71及び音取得部231であり、音を取得し得るその他の構成要素も含む。
判定部293は、監視員が監視されるべき領域である監視領域を監視しているか否かを音取得部291が取得した音に基づいて判定する。また、判定部293は、例えば、上述した判定部73及び判定部233であり、監視員が監視されるべき領域である監視領域を監視しているか否かを音取得部291が取得した音に基づいて判定し得るその他の構成要素も含む。
出力部294は、判定部293による判定結果を出力する。また、出力部294は、例えば、上述した送信部74及び送信部234であり、判定部293による判定結果を出力し得るその他の構成要素も含む。
図26を参照しながら、第7実施形態に係る監視システムが行う処理の例を説明する。図26は、第7実施形態に係る監視システムが行う処理の例を示すフローチャートである。
ステップS71において、音取得部291は、音を取得し、処理をステップS71へ進める。
ステップS72において、判定部293は、監視員が監視されるべき領域である監視領域を監視しているか否かを判定する。監視員が監視されるべき領域である監視領域を監視していると判定した場合(ステップS72:Yes)、判定部293は、処理をステップS74へ進める。一方、監視員が監視されるべき領域である監視領域を監視していないと判定した場合(ステップS72:No)、判定部293は、処理をステップS73へ進める。
ステップS73において、出力部294は、ステップS72での判定結果を出力し、処理をステップS74へ進める。
ステップS74において、出力部294は、監視員が監視している作業員が作業を終えているか否かを判定する。監視員が監視している作業員が作業を終えていると判定した場合(ステップS74:Yes)、出力部294は、処理を終了させる。一方、監視員が監視している作業員が作業を終えていないと判定した場合(ステップS74:No)、出力部294は、処理をステップS71に戻す。
以上、本発明の一例である第7実施形態について説明した。第7実施形態に係る監視システム29は、音を取得する音取得部291と、監視員が監視されるべき領域である監視領域を監視しているか否かを音に基づいて判定する判定部293と、判定部293による判定結果を出力する出力部294と、を備える。したがって、第7実施形態に係る監視システム29は、監視員が作業員を監視する際に声を発することを促し、作業員がより安全に作業を行うことを可能にすることができる。
なお、上述した七つの実施形態に係る監視システムは、各々の処理を中断する機能及び中断していた処理を再開する機能を更に備えていてもよい。これらの機能は、例えば、監視員が監視する場所を変更する場合や監視員が休憩を取る場合に使用される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。