JP6657614B2 - 電動車両の制動力制御装置 - Google Patents
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Description
また、回生制動力の最大値を制限せず、モータジェネレータの回生電力をできる限り多くできるのは、変速機でのダウンシフトが生じ得ない領域(最ロー変速段)となる。そのため、ダウンシフト時には回生制動力の制動力が制限されることになり、ダウンシフトに伴って動力伝達経路が切れても、回生制動力抜けが大きくなることはない。その一方で、最ロー変速段のときには、モータジェネレータの回生電力をできる限り多くすることができるため、回生電力の低減防止を図ることができる。
この結果、再加速時の駆動力発生の遅れを防止しつつ、回生電力の低減防止を達成することができる。
まず、構成を説明する。
実施例1の制動力制御装置は、駆動系構成要素として、1つのエンジンと、2つのモータジェネレータと、3つの係合クラッチを有する多段歯車変速機と、を備えたハイブリッド車両(電動車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1における電動車両の制動力制御装置の構成を、「全体システム構成」、「変速制御系構成」、「変速段構成」、「制動力制御処理構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の制動力制御装置が適用された車両の駆動系及び制御系を示す。以下、図1に基づき、全体システム構成を説明する。
なお、第1モータジェネレータMG1は、制動力要求時、回生を行うことでロータを負荷とし、車両に制動力を作用させる回生減速を行う。ここで、「制動力要求時」とは、例えばアクセル足離し操作や、ブレーキペダルの踏込操作である。
この多段歯車変速機1は、変速機ケース10内に互いに平行に配置され、歯車が設けられる6つの歯車軸11〜16と、歯車対を選択する変速要素である3つの係合クラッチC1,C2,C3と、を備える。歯車軸としては、第1軸11と、第2軸12と、第3軸13と、第4軸14と、第5軸15と、第6軸16が設けられる。係合クラッチとしては、第1係合クラッチC1と、第2係合クラッチC2と、第3係合クラッチC3が設けられる。ここで、第1,第2,第3係合クラッチC1,C2,C3は、いずれも摩擦締結要素を持っておらず、変速時に噛み合い状態を解放して動力伝達経路を切るドグクラッチである。なお、変速機ケース10には、ケース内の軸受け部分や歯車の噛み合い部分に潤滑オイルを供給する電動オイルポンプ20が付設される。
そして、第6歯車106は第1軸11の第2歯車102に噛み合い、第7歯車107はデファレンシャル歯車17の第16歯車116と噛み合い、第8歯車108は第1軸11の第3歯車103に噛み合う。第9歯車109は第2軸12の第4歯車104に噛み合い、第10歯車110は第2軸12の第5歯車105に噛み合う。
そして、第11歯車111は第1軸11の第1歯車101に噛み合い、第12歯車112は第1軸11の第2歯車102と噛み合い、第13歯車113は第2軸12の第4歯車104と噛み合う。
「トルク制御」では、力行時、目標駆動力に対して分担する目標モータトルクが決まると、実モータトルクを目標モータトルクに追従させる制御を行う。「回転数FB制御」では、走行中に係合クラッチC1,C2,C3の何れかを噛み合い締結する変速要求があると、クラッチ入出力回転数を回転同期させる目標モータ回転数を決め、実モータ回転数を目標モータ回転数に収束させるようにFBトルクを出力する制御を行う。
実施例1の多段歯車変速機1は、変速要素として、噛み合い締結による係合クラッチC1,C2,C3(ドグクラッチ)を採用することにより引き摺りを低減することで効率化を図った点を特徴とする。そして、係合クラッチC1,C2,C3のいずれかを噛み合い締結させる変速要求があると、クラッチ入出力の差回転数を、第1モータジェネレータMG1(係合クラッチC3の締結時)又は第2モータジェネレータMG2(係合クラッチC1,C2の締結時)により回転同期させ、同期判定回転数範囲内になると噛み合いストロークを開始することで実現している。また、締結されている係合クラッチC1,C2,C3のいずれかを解放させる変速要求があると、解放クラッチのクラッチ伝達トルクを低下させ、解放トルク判定値以下になると解放ストロークを開始することで実現している。以下、図2に基づき、多段歯車変速機1の変速制御系構成を説明する。
カップリングスリーブ51,52,53は、第4軸14,第1軸11,第3軸13に固定された図外のハブを介してスプライン結合により軸方向にストローク可能に設けられたもので、両側に平らな頂面によるドグ歯51a,51b,52a,52b,53a,53bを有する。さらに、カップリングスリーブ51,52,53の周方向中央部にフォーク溝51c,52c,53cを有する。
左側ドグクラッチリング54,55,56は、各係合クラッチC1,C2,C3の左側遊転歯車である各歯車113,103,110のボス部に固定され、ドグ歯51a,52a,53aに対向する平らな頂面によるドグ歯54a,55a,56aを有する。
右側ドグクラッチリング57,58,59は、各係合クラッチC1,C2,C3の右側遊転歯車である各歯車112,102,109のボス部に固定され、ドグ歯51b,52b,53bに対向する平らな頂面によるドグ歯57b,58b,59bを有する。
第1位置の選択時には、シフトロッド62と第1係合クラッチC1のシフトロッド64を連結すると共に、第2係合クラッチC2のシフトロッド65をニュートラル位置にロックする。第2位置の選択時には、シフトロッド62と第2係合クラッチC2のシフトロッド65を連結すると共に、第1係合クラッチC1のシフトロッド64をニュートラル位置にロックする。つまり、第1位置と第2位置のうち、一方の係合クラッチをシフト動作する位置を選択すると、他方の係合クラッチはニュートラル位置でロック固定する機構としている。
回動リンク61,63は、一端が第1,第3電動アクチュエータ31,33のアクチュエータ軸に設けられ、他端がシフトロッド64(又はシフトロッド65),66に相対変位可能に連結される。シフトロッド64,65,66は、ロッド分割位置にスプリング64a,65a,66aが介装され、ロッド伝達力の大きさと方向に応じて伸縮可能とされている。シフトフォーク67,68,69は、一端がシフトロッド64,65,66に固定され、他端がカップリングスリーブ51,52,53のフォーク溝51c,52c,53cに配置される。
さらに、この変速機コントロールユニット23は、カップリングスリーブ51,52,53の位置によって決まる係合クラッチC1,C2,C3の噛み合い締結と解放を制御する位置サーボ制御部(例えば、PID制御による位置サーボ系)を備えている。この位置サーボ制御部は、第1スリーブ位置センサ81、第2スリーブ位置センサ82、第3スリーブ位置センサ83からのセンサ信号を入力する。そして、各スリーブ位置センサ81,82,83のセンサ値を読み込み、カップリングスリーブ51,52,53の位置が噛み合いストロークによる締結位置又は解放位置になるように、電動アクチュエータ31,32,33に電流を与える。即ち、カップリングスリーブ51,52,53に溶接されたドグ歯と遊転歯車に溶接されたドグ歯との双方が噛合した噛み合い位置にある締結状態にすることで、遊転歯車を第4軸14,第1軸11,第3軸13に駆動連結する。一方、カップリングスリーブ51,52,53が、軸線方向へ変位することでカップリングスリーブ51,52,53に溶接されたドグ歯と遊転歯車に溶接されたドグ歯が非噛み合い位置にある解放状態にすることで、遊転歯車を第4軸14,第1軸11,第3軸13から切り離す。
実施例1の多段歯車変速機1は、流体継手などの回転差吸収要素を持たないことで動力伝達損失を低減すると共に、内燃機関ICEをモータアシストすることでICE変速段を減らし、コンパクト化(EV変速段:1-2速、ICE変速段:1-4速)を図った点を特徴とする。以下、図3及び図4に基づき、多段歯車変速機1の変速段構成を説明する。
ここで、「EV- ICEgen」の変速段は、停車中、内燃機関ICEにより第1モータジェネレータMG1で発電するMG1アイドル発電時、又は、MG1発電にMG2発電を加えたダブルアイドル発電時に選択される変速段である。「Neutral」の変速段は、停車中、内燃機関ICEにより第2モータジェネレータMG2で発電するMG2アイドル発電時に選択される変速段である。「EV- ICE3rd」の変速段は、第1モータジェネレータMG1を停止して内燃機関ICEで3速ICE走行を行う「ICE走行モード」のときに選択される変速段である。
ここで、「EV1st ICE-」の変速段は、内燃機関ICEを停止して第1モータジェネレータMG1で走行(回生)する「EVモード」のとき、又は、内燃機関ICEにより第2モータジェネレータMG2で発電しながら、第1モータジェネレータMG1で1速EV走行(回生)を行う「シリーズHEVモード」のときに選択される変速段である。
ここで、「EV- ICE2rd」の変速段は、第1モータジェネレータMG1を停止して内燃機関ICEで2速ICE走行を行う「ICE走行モード」のときに選択される変速段である。
ここで、「EV2nd ICE-」の変速段は、内燃機関ICEを停止して第1モータジェネレータMG1で走行(回生)する「EVモード」のとき、又は、内燃機関ICEにより第2モータジェネレータMG2で発電しながら、第1モータジェネレータMG1で2速EV走行(回生)を行う「シリーズHEVモード」のときに選択される変速段である。
ここで、「EV- ICE4th」の変速段は、第1モータジェネレータMG1を停止して内燃機関ICEで4速ICE走行を行う「ICE走行モード」のときに選択される変速段である。
図5は、実施例1にて実行される制動力制御処理の流れを示す。以下、制動力制御処理構成の一例をあらわす図5の各ステップについて説明する。
ここで、「制動力要求あり」との判断は、アクセル足離し操作又はブレーキペダルの踏込操作が生じた場合に行う。
ここで、アクセル足離し操作に基づく制動力要求時の要求制動力の大きさは、ドライバーがアクセル足離し操作を行った時に違和感を感じない大きさの制動力(いわゆるエンジンブレーキ程度の制動力)であり、予め設定した大きさとする。一方、ブレーキペダルの踏込操作に基づく制動力要求時の要求制動力の大きさは、ブレーキ踏力或いは、ブレーキストロークに応じて設定する。このブレーキ踏力及びブレーキストロークは、フットブレーキセンサ79によって検出する。
ここで、実施例1のハイブリッド車両では、制動力要求時には内燃機関ICEを停止すると共に、第1モータジェネレータMG1によって回生を行う。このため、「最ロー変速段」とは「EV1st ICE-」の状態を指す。また、「非最ロー変速段」とは、「EV2nd ICE-」の状態を指す。
ここで、「第1モータジェネレータMG1によって生じさせることができる回生制動力」とは、第1モータジェネレータMG1の回生時に設定した回生トルクによって生じる制動力である。そして、「最大回生制動力(MAX制動力)」とは、第1モータジェネレータMG1において設定可能な最大回生トルクによって生じる制動力である。つまり、第1モータジェネレータMG1による回生制動力の最大値を「最大回生制動力(MAX制動力)」に設定するとは、第1モータジェネレータMG1による回生制動力を制限しないことであり、第1モータジェネレータMG1の回生電力ができる限り多くなるように回生トルクを設定することができる。
ここで、「第1モータジェネレータMG1によって生じさせることができる回生制動力」とは、第1モータジェネレータMG1の回生時に設定した回生トルクによって生じる制動力である。そして、「制限時回生制動力(制限制動力)」とは、ダウンシフトを行った際、ドライバーが許容可能な車両の制動力変化量と同等の大きさの制動力である。すなわち、「EV- ICE2nd」から「EV- ICE1st」へのダウンシフト時、第3係合クラッチC3は「Left」→「N」→「Right」へと変化する。このため、第1モータジェネレータMG1から駆動輪19への動力伝達経路が切れ、ダウンシフト中に回生制動力抜けが生じて車両の制動力の変化(低下)が発生する。これに対し、ダウンシフト時にドライバーが違和感を感じることを防止するため、抜けてしまう回生制動力をドライバーが許容できる大きさに制限しておく必要がある。
つまり、第1モータジェネレータMG1による回生制動力の最大値を「制限時回生制動力(制限制動力)」に設定するとは、第1モータジェネレータMG1による回生制動力が、最大でも、ダウンシフト時にドライバーが許容可能な車両の制動力変化量と同等の大きさに制限されることである。ダウンシフト前の回生制動力を、最大でも「ダウンシフト時にドライバーが許容可能な車両の制動力変化量」と同等にすることで、ダウンシフト中に回生制動力抜けが生じても、ダウンシフト時の違和感発生を防止することができる。
ここで、第1モータジェネレータMG1による回生制動力による車両制動力の制御は、車両の減速度変化が、要求制動力による減速度変化と一致するように目標回生トルクを設定することで行う。
このとき、第1モータジェネレータMG1による回生制動力を、許容されている範囲で最大となるように制御し、不足する制動力を液圧制動力によって補償することで、できるだけ回生電力を回収する。
ここで、ダウンシフト要求は、シフトマップ(図6参照)上の回生領域(Driving Forceがマイナスの領域:斜線で示す)に存在する運転点(マイナスのDriving Force=要求制動力と、車速VSPにより決まる点)が、回生領域のEV2から回生領域のEV1へと移動したときに出力される。
ここで、多段歯車変速機1の回生減速中のダウンシフトは、まず第1モータジェネレータMG1の目標回生トルクをゼロに設定し、第3係合クラッチC3における伝達トルクを低減する。そして、第3電動アクチュエータ33によってシフトロッド66を駆動し、カップリングスリーブ53を解放ストロークさせて、ドグ歯53bと右側ドグクラッチリング59のドグ歯59bとの噛み合いを解除させる。続いて、第1モータジェネレータMG1によって第10歯車110を回転させ、この第10歯車110に固定された左側ドグクラッチリング56をカップリングスリーブ53に回転同期させる。そして、左側ドグクラッチリング56とカップリングスリーブ53とが回転同期したら、第1モータジェネレータMG1の目標駆動トルクをゼロに設定し、第3係合クラッチC3における伝達トルクを低減する。そして、第3電動アクチュエータ33によってシフトロッド66を駆動し、カップリングスリーブ53を締結ストロークさせて、ドグ歯53aと左側ドグクラッチリング56のドグ歯56aとを噛み合わせる。第3係合クラッチC3の噛み合いが完了したら、第1モータジェネレータMG1の目標回生トルクを要求制動力に合わせて設定する。
ここで、「停車」の判断は、車速センサ71によって検出された車速が、停車と判断できる所定値以下になったことで行う。また、「再加速」の判断は、アクセル開度センサ72によって検出されたアクセル開度がゼロ以上になったことで行う。
実施例1の車両の制動力制御装置における作用を、「最ロー変速段時回生減速作用」、「運転フィーリング悪化防止作用」、「協調制動作用」に分けて説明する。
図7は、ドライバーからの制動要求時に減速する際の車速・MG1回転数・車両制動力・要求制動力・MG1トルク・車両ブレーキ力・第3係合クラッチ状態の各特性を示すタイムチャートである。以下、図5に示すフローチャート及び図7に示すタイムチャートに基づき、制動要求時に減速する際の車両制動作用を説明する。
なお、「MG1回転数」とは、第1モータジェネレータMG1の出力回転数である。「車両制動力」とは、車両に作用する制動力である。この「車両制動力」が変化することで、車両に作用する減速度が変化する。「MG1トルク」とは、第1モータジェネレータMG1の出力トルクであり、プラス側が駆動トルクを示し、マイナス側が回生トルクを示す。「車両ブレーキ力」とは、機械制動による摩擦トルク(液圧制動力)である。
図7に示す時刻t1時点にてブレーキペダルの踏込操作が行われると、図5に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進み、図示しないブレーキ踏力等に基づいてドライバーの要求制動力が設定される。
すなわち、図8に示すように、第1モータジェネレータMG1の最大回生制動力(MAX制動力)は、車速に応じて決まっている。一方、「制限時回生制動力(制限制動力)」は、ダウンシフト時にドライバーが許容可能な車両の制動力変化量と同等の大きさの制動力として設定され、車速に拘らず一定値になっている。そして、多段歯車変速機1が「EV2nd ICE-」(図8では「EV2」)のときには、第1モータジェネレータMG1によって生じさせることができる回生制動力の最大値は、「制限制動力」に設定される。
そして、ステップS6へと進んで、第1モータジェネレータMG1による回生制動力の最大値が要求制動力以上であるか否かを判断する。ここで、時刻t1時点では、図8に示すように、回生制動力の最大値<要求制動力となるため、ステップS8に進み、要求制動力に対して第1モータジェネレータMG1による回生制動力では不足する制動力(不足制動力)を、機械制動による摩擦トルク(液圧制動力)によって補償しながら回生減速を行う。
つまり、第1モータジェネレータMG1の回生トルクを制御して、回生制動力を最大で「制限制動力」に設定する一方、機械制動による摩擦トルク(液圧制動力)を、要求制動力から「制限制動力」を差し引いた「不足制動力」に設定する。これにより、車両制動力を要求制動力に追従させることができる。
すなわち、まず第1モータジェネレータMG1の回生トルクを低減する。時刻t3時点で第1モータジェネレータMG1の回生トルクがゼロになったら、カップリングスリーブ53の解放ストロークを開始する。時刻t4時点で、カップリングスリーブ53と右側ドグクラッチリング59との噛み合いが解除され、第3係合クラッチC3が「N」状態になったら、第1モータジェネレータMG1の回転数を上昇して左側ドグクラッチリング56をカップリングスリーブ53に回転同期させる。なお、このとき、第3係合クラッチC3を介して第1モータジェネレータMG1から駆動輪19へと繋がる動力伝達経路が遮断される。また、このときには、第1モータジェネレータMG1からは回転数制御を行うための駆動トルクが出力される。
これにより、ステップS3→ステップS4へと進み、第1モータジェネレータMG1によって生じさせることができる回生制動力の最大値が「最大回生制動力(MAX制動力)」に設定される。
すなわち、図8に示すように、多段歯車変速機1が「EV1st ICE-」(図8では「EV1」)のときには、第1モータジェネレータMG1によって生じさせることができる回生制動力の最大値と、第1モータジェネレータMG1おいて設定可能な最大回生トルクによって生じる制動力(MAX制動力)とが同一となるように設定され、第1モータジェネレータMG1による回生制動力は、「最大回生制動力(MAX制動力)」に対して制限されることはない。
つまり、時刻t7以降、第1モータジェネレータMG1による回生制動力が「要求制動力」になるように回生トルクを制御し、これにより、車両制動力を要求制動力に追従させていく。
再加速要求が生じた場合にはエンドへ進み、この制動力制御処理は終了する。このとき、多段歯車変速機1の変速段は、最ロー変速段(EV1st ICE-)であるため、要求駆動力が大きくてもダウンシフトを不要とすることができ、要求駆動力を速やかに出力することができる。つまり、この実施例1では、減速に伴うダウンシフトの実行を禁止していないため、再加速時の駆動力発生の遅れを防止することができる。
実施例1の多段歯車変速機1は、回生減速に伴ってダウンシフトを実行する際、図7に示すように、変速中に第3係合クラッチC3を「N」状態にする必要がある。このため、ダウンシフト中に第1モータジェネレータMG1から駆動輪19への動力伝達経路が切れる。
そして、動力伝達経路が切れると、第1モータジェネレータMG1によって生じる回生制動力を駆動輪19に作用させることができなくなる。そのため、回生制動力分の制動力抜けが生じ、車両制動力が低下する。
そのため、ダウンシフトの実行により第1モータジェネレータMG1の回生トルクをゼロにした後、第3係合クラッチC3を「N」にして第1モータジェネレータMG1から駆動輪19への動力伝達経路が切れたことで、制動力抜けが発生して車両制動力が低下しても、この低下する制動力をドライバーが許容できる大きさにすることができる。
そのため、回生制動力のみよって要求制動力を負荷ながら回生減速するため、機械制動による摩擦トルク(液圧制動力)を用いることなく要求制動力を負荷することができ、違和感のない運転フィーリングを得ることができる。
実施例1では、回生減速時、要求制動力に対して第1モータジェネレータMG1による回生制動力の最大値が不足する場合(回生制動力の最大値<要求制動力)には、不足する制動力(不足制動力)を、機械制動による摩擦トルク(液圧制動力)によって補償する。
そして、図8に示す「不足制動力」を、機械制動による摩擦トルク(液圧制動力)によって補償し、この液圧制動力と回生制動力によって要求制動力を負荷するように制御しつつ、回生減速を行う。これにより、要求制動力を満足させることができる。
そして、図10に示す「不足制動力」を、機械制動による摩擦トルク(液圧制動力)によって補償し、この液圧制動力と回生制動力によって要求制動力を負荷するように制御しつつ、回生減速を行う。これにより、要求制動力を満足させることができる。
実施例1の電動車両の制動力制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
前記変速機(多段歯車変速機1)は、前記回生減速に伴ってダウンシフトを行うと共に前記ダウンシフト時に前記動力伝達経路を切り、
前記制動力コントローラ(モータコントロールユニット22)は、前記回生減速中に前記変速機(多段歯車変速機1)の変速段が最ロー変速段(EV1st ICE-)のとき、前記モータジェネレータ(第1モータジェネレータMG1)による回生制動力の最大値を、前記最大回生制動力(MAX制動力)に対して制限しない構成とした。
このため、再加速時の駆動力発生の遅れを防止しつつ、回生電力の低減防止を達成することができる。
このため、(1)の効果に加え、ダウンシフト時に回生制動力が抜けても、違和感のない運転フィーリングを得ることができる。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、回生電力を回収しつつ、要求制動力を満足させることができる。
MG1 第1モータジェネレータ(モータジェネレータ)
MG2 第2モータジェネレータ
C1 第1係合クラッチ
C2 第2係合クラッチ
C3 第3係合クラッチ(変速要素)
1 多段歯車変速機(変速機)
19 駆動輪
22 モータコントロールユニット(制動力コントローラ)
Claims (2)
- 動力源となるモータジェネレータから駆動輪までの動力伝達経路に、複数の変速段を実現する変速機が搭載されると共に、前記モータジェネレータの最大回生制動力の範囲内で、要求制動力に応じて前記モータジェネレータの回生制動力を制御することで回生減速を行う制動力コントローラを備えた電動車両において、
前記変速機は、前記回生減速に伴ってダウンシフトを行うと共に、前記ダウンシフト時に前記動力伝達経路を切り、
前記制動力コントローラは、前記回生減速中に前記変速機の変速段が最ロー変速段のとき、前記モータジェネレータの回生制動力の最大値を、前記最大回生制動力に対して制限せず、
前記回生減速中に前記変速機の変速段が非最ロー変速段のとき、前記モータジェネレータの回生制動力の最大値を、前記最大回生制動力に対して制限すると共に、この回生制動力の最大値の制限量を、ダウンシフト時に生じる制動力変化量に基づいて設定する
ことを特徴とする電動車両の制動力制御装置。 - 請求項1に記載された電動車両の制動力制御装置において、
前記制動力コントローラは、前記モータジェネレータの回生制動力の最大値が、前記要求制動力に対して不足するとき、前記回生減速以外の制動手段による制動力によって不足制動力を補償する
ことを特徴とする電動車両の制動力制御装置。
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