JP6654986B2 - 核燃料貯蔵用ラック群 - Google Patents
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Description
この場合、使用済み核燃料集合体は、冷却ピット内に設置された使用済み核燃料貯蔵用ラックに貯蔵される(例えば、特許文献1参照)。
このようなフリースタンディングラックを複数備えた核燃料貯蔵用ラック群は、核燃料貯蔵用ラックの支持格子と他の核燃料貯蔵用ラックの支持格子とを連結する連結部材を有する。
上記連結部材を用いて、複数の核燃料貯蔵用ラックを連結することで、例えば、地震等が発生した際に、核燃料貯蔵用ラック同士が衝突することを抑制することが可能となる。
また、連結部材が破損した場合、核燃料貯蔵用ラック同士が衝突することを抑制できなくなるとともに、連結部材を取り外すことが困難となるため、個々の核燃料貯蔵用ラックを分離できなくなる可能性があった。
また、蓋体の下方側に延在するとともに、互いに隣り合う核燃料貯蔵用ラックの支持格子部材の上面に下端が当接される支持部を有することで、保護部材に飛来物が衝突した際の衝撃が、複数の連結部材に伝わることを抑制できる。
これにより、複数の連結部材の上方に配置された蓋体の位置がずれて、複数の連結部材の上面が蓋体から露出されることを抑制できる。
また、互いに隣り合う核燃料貯蔵用ラックに設けられた上部支持格子の間に設けられた複数の連結部材の上方から互いに隣り合う核燃料貯蔵用ラックに設けられた下部支持格子の間に設けられた複数の連結部材に飛来物が衝突することを抑制できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る核燃料貯蔵用ラック群の概略構成を模式的に示す斜視図である。図1では、説明の便宜上、第1の実施形態の核燃料貯蔵用ラック群10を構成する複数のラックセルの図示を省略している。また、図1において、X方向はY方向及びZ方向に対して直交する方向、Y方向はX方向及びZ方向に対して直交する方向、Z方向は鉛直方向をそれぞれ示している。
なお、以下の説明では、X方向及びY方向に対して平行な面方向を水平面方向という。水平面方向は、Z方向に対して直交する方向である。
図2において、A〜Cは、それぞれ領域(以下、「領域A〜C」という)を示している。また、図2では、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
核燃料貯蔵用ラック群10は、使用済燃料プールの壁に固定されていない状態で使用済燃料プール内の床11上に配置されている。
図4は、図3に示す第1の連結部材の配設位置を説明するための核燃料貯蔵用ラック群の斜視図である。図4では、一対の第1の連結部材21に対して装着される保護部材25も合わせて図示する。図4において、図1〜図3に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図6は、図2に示す核燃料貯蔵用ラック群のうち、領域Cに対応する部分を拡大した図である。図6において、図1〜図5に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
核燃料貯蔵用ラック15は、フリースタンディングラックであり、ベースプレート27と、複数の脚部29と、支持格子部材を構成する下部支持格子31、中部支持格子32、及び上部支持格子33と、外周板37,38と、複数のラックセル41と、を有する。
複数の脚部29は、ベースプレート27の下面に設けられている。複数の脚部29は、ベースプレート27を支持している。複数の脚部29は、床11上に載置されている。
下部支持格子31は、X方向及びY方向に配置され、ラックセル41の下部(具体的には、下端)が挿入される四角柱形状とされた開口部を複数有する。
下部支持格子31は、水平面方向に配置され、かつZ方向に延在する複数のラックセル41の下部を支持する。
上述した下部支持格子31、中部支持格子32、及び上部支持格子33よりなる支持格子部材は、複数のラックセル41の水平面方向への移動や転倒を抑制するための部材ある。
外周板38は、矩形とされた中部支持格子32の外枠と、矩形とされた上部支持格子33の外枠と、の間から露出される複数のラックセル41の側面を四方から覆うように複数枚設けられている。
なお、図示してはいないが、第1の連結部材21は、Y方向にも配置されている。
突出部45は、互いに隣り合う位置に配置された2つの核燃料貯蔵用ラック15のうち、一方の核燃料貯蔵用ラック15の上部支持格子33に設けられている。突出部45は、他方の核燃料貯蔵用ラック15の上部支持格子33に向かう方向に突出している。
なお、ボルト47に替えて、ピンを用いる場合には、ねじ穴45Aの替りに貫通穴を用いる。
突出部46は、その下面46aが突出部45の上面45aと重なる高さ(言い換えれば、接触可能な高さ)に配置されている。
突出部46は、X方向に配置され、後述する位置規制部58と接触する側面46b(後述する図8参照)を有する。上述した側面45b及び側面46bは、水平面方向に対して直交する対向面21a(位置規制部58と対向する面)を構成している。
第2の連結部材22を構成する突出部46は、互いに隣り合う位置に配置された2つの核燃料貯蔵用ラック15のうち、他方の核燃料貯蔵用ラック15の中部支持格子32に設けられている。
第3の連結部材23を構成する突出部46は、互いに隣り合う位置に配置された2つの核燃料貯蔵用ラック15のうち、他方の核燃料貯蔵用ラック15の下部支持格子31に設けられている。
図8は、図4に示す2つの核燃料貯蔵用ラック間に保護部材を装着させた状態の核燃料貯蔵用ラック群をE視した図である。図8では、保護部材25の構成を理解しやすくする観点から、核燃料貯蔵用ラック群10を構成する一方の核燃料貯蔵用ラック15のみを図示し、一方の核燃料貯蔵用ラック15に隣り合う他方の核燃料貯蔵用ラック15の図示を省略する。また、図8において、図1〜図4、及び図7に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図10は、図8に示す核燃料貯蔵用ラック群のG−G線方向の断面図である。図10において、図1〜図4、及び図7〜図9に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図11は、図8に示す核燃料貯蔵用ラック群のH−H線方向の断面図である。図11において、図1〜図4、及び図7〜図10に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図9〜図11では、説明の便宜上、図8には図示していない他方の核燃料貯蔵用ラック15を図示する。
第1の蓋部51のY方向の幅は、2つの核燃料貯蔵用ラック15の最外周に配置されたラックセル41間の距離Jよりも小さく、かつ2つの核燃料貯蔵用ラック15を構成する上部支持格子33の外枠33A間の距離Kよりも大きくなるように構成されている。
支持板部52は、第1の蓋部51の下面51bを覆うように配置されている。支持板部52は、第1の蓋部51とは別体とされている。
上記4つの支持部54の下端54Aは、上部支持格子33の外枠33Aの上面33aに当接されている。
上述した支持部54は、例えば、支持板部52と一体に構成することが可能である。
上述した複数の支持部54,55は、第1の蓋部51の上面51aが水平面方向に対して並行となるように、第1の蓋部51及び支持板部52を支持している。
延出部65は、X方向に対して直交する面65a,65bを有する。面65aは、上述した第1の連結部材21の対向面21aに当接されている。つまり、一方の位置規制部58は、2つの第1の連結部材21(一対の連結部材)のうち、一方の第1の連結部材21と対向する他方の第1の連結部材21の対向面21aに当接され、他方の位置規制部58は、他方の第1の連結部材21と対向する一方の第1の連結部材21の対向面21aに当接されている。
これにより、複数の第1の連結部材21の上方に配置された第1の蓋部51の位置がずれて、第1の連結部材21の上面が第1の蓋部51から露出されることを抑制できる。
上述した延出部65は、例えば、支持板部52と一体に構成することが可能である。
補強部66は、延出部65の面65bに対して直交する板状の部材である。つまり、補強部66の厚さ方向は、延出部65の厚さ方向(X方向)に対して直交するY方向とされている。
上述した補強部66は、支持板部52、支持部55、及び延出部65と一体に構成することが可能である。
また、補強部66を有することで、水平地震動が発生した際、延出部65の耐震強度を向上させることができる。
側面保護部62は、X方向に対して直交する板状の部材であり、支持板部52の端52A,52Bの下方に延在している。側面保護部62は、外枠33Aの位置よりも下方の位置まで延在しており、第1の連結部材21と対向している。
突出部64Aは、第1の蓋部51の上面51aに設けられている。突出部64Aは、第1の蓋部51の上面51aからその上方に突出している。貫通穴64Bは、突出部64AをX方向に貫通している。
さらに、第1の実施形態では、位置規制部の一例として、補強部66を有する位置規制部58を例に挙げて説明したが、補強部66は、必要に応じて設ければよく、必修の構成ではない。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る核燃料貯蔵用ラック群の概略構成を模式的に示す図である。図12では、保護部材71の構成を分かりやすくする観点から、第2の実施形態の核燃料貯蔵用ラック群70を構成する2つの核燃料貯蔵用ラック15のうち、一方の核燃料貯蔵用ラック15のみを図示し、他方の核燃料貯蔵用ラック15の図示を省略する。また、図12において、図1〜図11に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図13は、図12に示す核燃料貯蔵用ラック群の一部をL視した図である。図13において、図12に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
保護部材71は、第1の実施形態で説明した側面保護部62に替えて、側面保護部73を設け、さらに複数の側面保護部位置規制部材74を有すること以外は、保護部材25と同様な構成とされている。
板材75は、X方向またはY方向に配置された複数の側面保護部73(図13の場合Y方向)の外側と接触するように配置されており、複数のボルト76により、側面保護部73に固定されている。
このように、板材75と複数の側面保護部73とをボルト76で固定することで、複数の側面保護部73の位置を規制することができる。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る核燃料貯蔵用ラック群の概略構成を示す図である。図14では、保護部材81の構成を分かりやすくするため、第3の実施形態の核燃料貯蔵用ラック群80を構成する一方の核燃料貯蔵用ラック15のみを図示し、一方の核燃料貯蔵用ラック15と隣り合う他方の核燃料貯蔵用ラック15の図示を省略する。また、図14において、図8に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図15は、図14に示す核燃料貯蔵用ラック群のM―M線方向の断面図である。図15において、図14に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
蓋体83は、第1の蓋部51と、第2の蓋部84と、第3の蓋部85と、がZ方向に異なる高さで設けられた構成とされている。第1ないし第3の蓋部51,84,85は、Z方向において離間した状態で配置されている。
上述したように、保護部材81の蓋体83は、3層構造とされている。
このような構成とされた保護部材を備えた核燃料貯蔵用ラック群は、第3の実施形態の核燃料貯蔵用ラック群80と同様な効果を得ることができる。
さらに、第3の実施形態において、図12に示す側面保護部位置規制部材74、板材75、及びボルト76を適用してもよい。
複数の貫通穴93は、第1の蓋部51及び支持板部52を貫通するように設けられている。
複数の貫通穴94は、Z方向において、複数の貫通穴93が形成された領域と対向しない領域に位置する第2の蓋部84を貫通するように設けられている。
複数の貫通穴95は、Z方向において、複数の貫通穴93,94が形成された領域と対向しない領域に位置する第3の蓋部85を貫通するように設けられている。
また、複数の貫通穴93〜95の形成領域を水平面方向にずらすことで、飛来物が貫通穴93〜95を介して、第1の連結部材21に衝突することを抑制できる。
図18は、本発明の第4の実施形態に係る核燃料貯蔵用ラック群の概略構成を示す図である。図18において、図8に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
複数の板部113は、板部本体114と、凸部115,117と、凹部116と、をそれぞれ含む。
凸部115は、板部本体114の下面114aに設けられている。凸部115は、凹部52Cに対して装着可能な位置に配置されている。凸部115は、下面114aから下方に離間するにつれて、幅が広くなるような形状とされている。凸部115は、凹部52Cに対して着脱可能な構成とされている。
このような構成とされた第4の実施形態に係る核燃料貯蔵用ラック群110は、第1の実施形態に係る核燃料貯蔵用ラック群10と同様な効果を得ることができる。
また、第4の実施形態において、図14及び図15に示す第2及び第3の蓋部84,85を適用してもよい。
また、第1ないし第4の実施形態では、互いに隣り合う位置に配置された2つの核燃料貯蔵用ラック15の中部支持格子32間に第2の連結部材22を設けた場合を例に挙げて説明したが、第2の連結部材22は必要に応じて設ければよく、必須の構成ではない。
Claims (11)
- 複数のラックセルと、前記複数のラックセルの延在方向が鉛直方向となるように、前記鉛直方向に対して直交する水平面方向に配置された前記複数のラックセルを支持する支持格子部材と、を含む複数の核燃料貯蔵用ラックと、
前記水平面方向において、互いに隣り合う前記核燃料貯蔵用ラックに設けられた前記支持格子部材の間を連結する連結部材と、
前記連結部材の上方に配置され、かつ前記連結部材の上面側を覆う蓋体を含む保護部材と、
を有し、
前記保護部材は、前記蓋体の下面側に設けられ、前記蓋体の下方に延在するとともに、前記互いに隣り合う核燃料貯蔵用ラックに設けられた前記支持格子部材の上面に下端が当接される支持部を含むことを特徴とする核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記連結部材は、前記互いに隣り合う核燃料貯蔵用ラック間において、前記水平面方向に対して平行な所定方向に複数配置されており、
前記蓋体は、前記所定方向に配置された複数の前記連結部材の上面側を覆うように、前記所定方向に延在することを特徴とする請求項1記載の核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記複数の連結部材は、前記所定方向において対向配置された一対の連結部材を含み、
前記保護部材は、前記蓋体の下面側に設けられ、前記一対の連結部材よりも下方の位置まで延在する一対の位置規制部を含み、
前記一対の位置規制部のうち、一方の位置規制部は、前記一対の連結部材のうち、一方の連結部材と対向する他方の連結部材の対向面に当接されており、他方の位置規制部は、前記他方の連結部材と対向する前記一方の連結部材の対向面に当接されていることを特徴とする請求項2記載の核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記一対の位置規制部は、前記一方の連結部材の対向面または前記他方の連結部材の対向面に当接される板状の延出部と、
前記対向面と接触する面とは反対側に位置する前記延出部の面に設けられ、前記所定方向に対する前記延出部の位置を規制する補強部と、
を有することを特徴とすることを特徴とする請求項3記載の核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記支持部は、所定の間隔を空けた状態で、前記所定方向に対して複数設けることを特徴とする請求項2ないし4のうち、いずれか1項記載の核燃料貯蔵用ラック群。
- 前記支持格子部材は、前記複数のラックセルの上部を支持する上部支持格子と、前記上部支持格子の下方に配置され、前記複数のラックセルの中部を支持する格子状の中部支持格子と、前記中部支持格子の下方に配置され、前記複数のラックセルの下部を支持する格子状の下部支持格子と、を含み、
前記複数の連結部材は、互いに隣り合う前記核燃料貯蔵用ラックに設けられた前記上部支持格子の間、及び互いに隣り合う前記核燃料貯蔵用ラックに設けられた前記下部支持格子の間に設けられており、
前記蓋体は、前記上部支持格子の間に設けられた前記複数の連結部材の上方に配置することを特徴とする請求項2ないし5のうち、いずれか1項記載の核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記保護部材は、前記所定方向における前記蓋体の両端から該蓋体の下方に延在するとともに、互いに隣り合う前記核燃料貯蔵用ラックに設けられた前記上部支持格子の間に設けられた前記連結部材と対向する側面保護部を含むことを特徴とする請求項6記載の核燃料貯蔵用ラック群。
- 前記側面保護部は、前記下部支持格子の間に設けられた前記連結部材の側壁を覆う位置まで延出しており、
前記側面保護部の位置を規制する側面保護部位置規制部材と、
を有することを特徴とする請求項7記載の核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記蓋体は、前記所定方向に配置された複数の板部で構成されており、
前記複数の板部は、互いに隣り合う位置に配置された前記板部に対して着脱可能な構成であることを特徴とする請求項2ないし8のうち、いずれか1項記載の核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記蓋体は、前記鉛直方向において、異なる高さに配置された複数の蓋部で構成されており、
前記複数の蓋部は、前記鉛直方向において重なる部分を含むことを特徴とする請求項2ないし8のうち、いずれか1項記載の核燃料貯蔵用ラック群。 - 前記蓋体は、前記複数の蓋部のうち、最下層に配置された蓋部の下方から最上層に配置された蓋部の上方に向かう方向に液体を移動させることが可能な流路を含むことを特徴とする請求項10記載の核燃料貯蔵用ラック群。
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