JP6645581B2 - エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法 - Google Patents

エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法に関する。
(メタ)アクリル酸エステル化合物のようなエチレン性不飽和基含有化合物は、他の重合性モノマーと共重合して、光学材料、レジスト材料、コーティング材料、ラミネート材料などの種々の用途に用いられる。
ラクトン骨格は極性を有しており、アクリラートモノマーにラクトン骨格を導入し、該モノマーを重合して得られるポリマーの極性を向上させ、特性を向上させることが試みられている。例えば、5員環ラクトン(γ−ブチロラクトン)骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル系化合物として、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類(特許文献1)やβ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類(特許文献2)が知られており、特に、α位に置換基を有するα−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類は工業的に提供され、化学増幅型レジスト組成物に有用に用いられている。
また、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類はα−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類と比べて酸による脱保護反応特性やリソグラフィー特性に優れていることが知られており、工業的かつ安価に製造できる製法の確立が求められている(非特許文献1)。
γ−ブチロラクトン骨格を生成する方法として、β−プロピオラクトン骨格を有する化合物を異性化してγ−ブチロラクトン骨格とすることが知られている(非特許文献2)。この方法を用いてγ−ブチロラクトン類のヒドロキシ体化合物の製造を行う場合には、γ−ブチロラクトン類のヒドロキシ体化合物に対応するβ−プロピオラクトン骨格を有するヒドロキシメチル体化合物を予め製造する必要がある。
β−プロピオラクトン骨格を有する化合物の製造方法としては、例えば、脂肪族アルデヒド類とケテン類を反応させる方法(特許文献3)が知られており、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、β−カプロラクトンなどのベーター骨格を有する低分子量ラクトンの合成に用いることが開示されている。
しかし、この方法を利用してβ−プロピオラクトン骨格を有するヒドロキシ体化合物の製造を行うことは、その原料となる化合物の製造が難しく入手が困難であったり、副反応が多く反応選択性が悪かったりして工業的に実施することは難しい。したがって、γ−ブチロラクトン類のβ−ヒドロキシ体化合物の工業的な製造は依然難しい。
β−プロピオラクトン骨格を有する化合物の製造方法として、エポキシドを一酸化炭素と反応させることによりラクトン化する方法も知られている。
例えば、エポキシドのカルボニル化によりラクトンを製造するための、費用がかからないかつ有効な方法として、市販されているコバルト化合物及びAlアルキル化合物を触媒として用い、エナンチオマー純粋なオキシラン化合物から出発して、相応する3−ヒドロキシプロピオン酸ラクトンが得られること、その用途として、生分解性ポリマーが開示されている(特許文献4)。
エポキシドからβ−ラクトンへのカルボニル化触媒は活発に研究されており、例えば、ポルフィリン系の触媒[(OEP)Cr(THF)2][Co(CO)4](OEP=オクタエチルポルフィリナト;THF=テトラヒドロフラン)が提案されている(非特許文献3)。
また、エポキシド等の複素環を、特定の触媒を用いることで、低CO圧条件下カルボニル化する方法が開示されている(特許文献5)。
特開平10−274852号公報 特開平10−212283号公報 特公昭47−25065号公報 国際公開第2004/012860号 米国特許第7569709号明細書
Koji Nozaki and Ei Yano, "New Protective Groups in Alicyclic Methacrylate Polymers for 193−nm Resists" Journal of Photopolymer Science and Technology,1997,10,545−550 Johan Mulzer, et al."Relative Migratory Aptitude of Substituents and Stereochemistry of Dyotropic Ring Enlargements of β−Lactones" Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1997,36,1476−1478 Joseph A.R. Schmidt, Emil B.Lobokovsky, and Geofferey W. Coates "Chromium(III) Octaethylporphyrinato Tetracarbonylcobaltate:A Highly Active, Selective, and Versatile Catalyst for Epoxide Carbonylation" Journal of the American Chemical Society 2005,127,11426−11435
本発明は、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類を含む、エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を、安価で入手容易な触媒を用いて高選択的に得る工業的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、エチレン性不飽和基含有β−プロピオラクトン誘導体であるβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンが、熱エネルギーなどにより異性化し、エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体であるβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンとなることを見出した。
しかしながら、一酸化炭素によるカルボニル化で、エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端に有するエステル化合物をラクトン化しようとすると、末端のエチレン性不飽和基が反応し、ポリマーが生成することが予想された。
実際に、本発明者らがグリシジルエーテルの一酸化炭素によるラクトン化について検討したところ、特許文献4に記載の方法では所望のエチレン性不飽和基含有ラクトン誘導体を得ることが出来ない、又は得られても収率が低いことがわかった。そして、更なる検討の結果、ポリマーが形成されていることが確認された。
本発明者らは鋭意研究の結果、重合禁止剤を用いることで、エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物からエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を得られることを見出した。
さらに鋭意研究した結果、原料であるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の初期濃度を所定の範囲内とすることで、高い転化率、高いγ選択率でエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を得られることを見出した。また、エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の初期濃度を所定の範囲内とすることで、重合禁止剤を用いなくても、高い転化率、高いγ選択率でエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を得られることを見出した。
これらの知見をもとに、本発明者らは、エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を基質として用い、ジコバルトオクタカルボニル、トリアルキルアルミニウムの存在下で、選択的にエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体が得られる方法を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下に記載の構成を含むエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法が提供される。
[1] 式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を、ジコバルトオクタカルボニルおよびトリアルキルアルミニウムの存在下、一酸化炭素と反応させるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法であって、
前記式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の初期濃度が10質量%以上70質量%以下であることを特徴とする製造方法。
Figure 0006645581
式(1)中、R〜R5はそれぞれ独立して、H又は炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基を、RはH又は炭素数1〜10の分岐していてもよいアルキル基を表す。
[2] 反応温度が60℃以上100℃以下である、[1]に記載の製造方法。
[3] 反応時間が180分以上である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 一酸化炭素の圧力が4MPa以上5MPa以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 溶媒として2−アセトキシ−1−メトキシプロパンを用いる、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] さらにラジカル重合禁止剤の存在下で行う、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] 前記ラジカル重合禁止剤として、フェノール系化合物、アミン系化合物、およびニトロキシド化合物系からなる群より選択される少なくとも1種を用いる、[6]に記載の製造方法。
[8] 前記ラジカル重合禁止剤がフェノール系化合物を含む、[7]に記載の製造方法。
[9] 前記ラジカル重合禁止剤を前記エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物に対して100質量ppm以上5000質量ppm以下含有する、[6]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
本発明により、エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を原料として用い、安価で入手容易な、ジコバルトオクタカルボニル、トリアルキルアルミニウムの存在下で、高選択的にエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を製造できる方法が提供される。
実験例1、3、4、6及び7の、グリシジルメタクリレートの初期濃度とγ選択率の関係を示すグラフである。
本発明は、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を、ジコバルトオクタカルボニル、トリアルキルアルミニウムの存在下、一酸化炭素と反応させることを特徴とする、エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法である。
Figure 0006645581
式(1)中、R〜Rはそれぞれ独立して、H又は炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基を、RはH又は炭素数1〜10の分岐していてもよいアルキル基を表す。
炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基とは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基などの直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基を意味する。
炭素数1〜10の分岐していてもよいアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基などの直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜10のアルキル基を意味する。
式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物は、公知の方法、例えばエポキシアルコールと(メタ)アクリル酸のようなエチレン性不飽和基を有する酸を縮合反応させることによって製造することができる。また、市販されているものを入手して用いてもよい。
式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物としては、グリシジルメタクリレート、2−メチル−2,3−エポキシプロピルメタクリレート、2,3−エポキシブチルメタクリレート、2,3−エポキシ−1−メチル−プロピルメタクリレート、2,3−エポキシ−1,2−ジメチル−プロピルメタクリレート、2,3−エポキシ−1−メチルブチルメタクリレート、2,3−エポキシ−2−メチルブチルメタクリレートなどが挙げられる。中でも、経済性の観点から、グリシジルメタクリレートが好ましい。
エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の初期濃度、すなわち、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物、溶媒及び触媒の合計質量に対する式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の濃度は、通常10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、γ−ブチロラクトン誘導体の生成率向上の観点から、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%未満、より好ましくは55質量%以下、より好ましくは54質量%以下、より好ましくは53質量%以下である。副生成物抑制や重合反応の抑制の観点から、反応温度が高い場合、初期濃度は低いほうが好ましい。例えば、反応温度が90℃以上の場合、初期濃度は20質量%以上60質量%未満が好ましく、反応温度が80℃以上90℃未満の場合、初期濃度は25質量%以上60質量%未満が好ましく、反応温度が70℃以上80℃未満の場合、初期濃度は30質量%以上60質量%未満が好ましく、反応温度が60℃以上70℃未満の場合、初期濃度は35質量%以上60質量%未満が好ましい。
初期濃度を上記範囲とすることにより、反応中の重合を抑制でき、エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の生成率を35%以上と高くすることができる。なお、後述のラジカル重合禁止剤を用いる場合は、初期濃度は、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物、溶媒、触媒及びラジカル重合禁止剤の合計質量に対する式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の濃度である。
本発明において、ジコバルトオクタカルボニルとトリアルキルアルミニウムは錯体を形成し、触媒として作用する。このように安価で入手が容易な触媒を用いることにより、安価かつ簡便に、エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を製造することができる。
ジコバルトオクタカルボニルは、市販のものを用いることができる。
ジコバルトオクタカルボニルの含有量は、反応性の観点から、0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、経済性の観点から、5.0質量%以下、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
トリアルキルアルミニウムは、式(3)で表される。
Figure 0006645581
式(3)中、R7、R8、R9は同一であっても異なってもよく、炭素原子数1〜18のアルキル基を表す。
7、R8、R9の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどが挙げられる。
トリアルキルアルミニウムの具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられ、中でも、R7、R8、R9としてはそれぞれ独立に炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましく、トリエチルアルミニウムが特に好ましい。
トリアルキルアルミニウムはトリエチルアルミニウム(ヘキサン溶液)などの溶媒に溶解された状態で用いることができる。
トリアルキルアルミニウム源は市販のものを用いることができる。例えば、トリエチルアルミニウム(約15%ヘキサン溶液、1.0mol/L、和光純薬工業株式会社)、トリエチルアルミニウム(約15%トルエン溶液,1.0mol/L、東京化成工業株式会社)等が挙げられる。
トリアルキルアルミニウムは、ジコバルトオクタカルボニルに対して通常等モル量以上用いる。トリアルキルアルミニウムの含有量がジコバルトオクタカルボニルの含有量より多い場合、系内の水分を除去する反応が進行することが推測される。そのため、トリアルキルアルミニウムは、ジコバルトオクタカルボニル1モルに対して好ましくは1.5モル以上、より好ましくは2モル以上である。一方、トリアルキルアルミニウムは原料や目的とする生成物と反応し、開環重合する可能性が考えられる。反応時間と収率のバランスから、トリアルキルアルミニウムは、ジコバルトオクタカルボニル1モルに対して通常5モル以下、好ましくは4モル以下、より好ましくは3.2モル以下である。
本発明の一実施態様においては、エステル化合物を一酸化炭素と反応させる工程において、本発明の効果を損なわない範囲で、ラジカル重合禁止剤の存在下で行うことができる。
本発明者らの鋭意検討の結果、エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物としてグリシジルメタクリレートを用いた反応で生成されるポリマーがメタクリル酸エステル重合物であることが同定できた。このことから、ラジカル重合が生じていることが推定される。ラジカル重合を抑制することで、反応を安定させ、反応時間を低減することが期待される。
重合禁止剤としては、フェノール系化合物、アミン系化合物、キノン系化合物およびニトロキシド化合物が好適に用いられる。
フェノール系化合物としては、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン等が挙げられる。
アミン系化合物としては、フェノチアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
キノン系化合物としては、ベンゾキノン等が挙げられる。
ニトロキシド化合物としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウム等が挙げられる。
好ましくは、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、フェノチアジン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウム、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、N,N’−ジフェニル‐p−フェニレンジアミンが挙げられる。
重合禁止剤としては一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましい組合せとしては、N,N’−ジフェニル‐p−フェニレンジアミンと4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)との組み合わせ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノールと4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)との組み合わせ、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウムと4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)との組み合わせ、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルとN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウムと4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)との組み合わせ、などが挙げられる。
黄味を抑制したい場合は4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を用いないことが好ましく、赤味を抑制したい場合はアミン系化合物を用いないことが好ましく、着色を抑制したい用途に用いる場合は3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルがより好ましい。また、特に、着色抑制および精製の観点から3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシルが好ましい。
重合禁止剤は市販のものであってもよく、例えば、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076(以上、BASF社製、商品名)、Q1301(和光純薬工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。
重合禁止剤の含有量はエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の質量に対して、効果的な重合抑制の観点から、100質量ppm以上、好ましくは200質量ppm以上、より好ましくは500質量ppm以上であり、経済性の観点から、5000質量ppm以下、好ましくは3000質量ppm以下、より好ましくは2500質量ppm以下である。この含有量は、2種以上の重合禁止剤を用いる場合は合計の含有量である。
本発明においては、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物、ジコバルトオクタカルボニル及びトリアルキルアルミニウムを溶媒中で混合し、反応に供する。
溶媒は、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物が溶解し、反応を阻害しなければ特に制限はなく、公知の有機溶媒を用いることができる。
例えば、PMA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(2−アセトキシ−1−メトキシプロパン)、THF;テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸n−ペンチル、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、が挙げられる。溶媒は一種を用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、副生物抑制および経済性の観点から、好ましくは2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、テトラヒドロフランである。
本発明の製造方法は、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を原料とし、ジコバルトオクタカルボニル、トリアルキルアルミニウムの存在下、一酸化炭素(CO)と反応させる工程を備える。
本発明の製造方法をより詳細に説明するが、以下に限定されるものではない。
式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を原料とし、ジコバルトオクタカルボニル、トリアルキルアルミニウムの存在下、一酸化炭素と反応させる工程では、例えば、まず式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物、ジコバルトオクタカルボニル及びトリアルキルアルミニウムを溶媒中でオートクレーブ容器中に入れ、混合する。この際、反応性の観点から、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
混合後、COガスラインをオートクレーブに取り付け、COガスで置換する。置換は複数回行ってもよく、オートクレーブ内を反応時の圧力に調整する。エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルはCOとモル比1:1で反応しラクトンを生成するが、反応速度、収率の観点から、COを過剰にすることが好ましい。
その後、加熱して反応させる。
反応速度とエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体(以下、単に「γ−ブチロラクトン」ともいう)の収率、純度のバランスの観点から、反応温度は通常60℃以上100℃以下で行う。好ましくは70℃以上であり、好ましくは90℃以下である。この温度範囲のうち、より高い反応温度では反応の進行が早く、収率が向上することから好ましい。また、より低い反応温度では、副反応や重合反応を抑えることができ好ましい。本発明者らの検討によると、反応温度を10℃上げることで反応速度が約2倍となることが見出された。一方、反応温度が高くなると、比較的低沸点の化合物が副生成しやすいことが見出された。
反応時の圧力は、0.1MPa以上70MPa以下が好ましく、0.1MPa以上6MPa以下がより好ましい。γ選択率向上の観点から、4MPa以上5MPa以下が特に好ましい。反応は、ガス流量計を用い、内圧を一定にして行うこともできる。
反応時間は、ガス吸収が認められなくなった時点を反応終了とみなして求めることができる。反応時間は、通常20分以上300分以下、好ましくは60分以上、より好ましくは180分以上である。本発明者らの検討によると、本実施態様の製造方法は、比較的短時間でラクトン化が進行しラクトン生成率がほぼ一定になり、反応時間とともにγ選択率が高くなり、γ−ブチロラクトンの生成率が高くなる。
反応終了後、圧力を低下させ、冷却する。その後、触媒を分離し、目的のエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を回収することができる。すなわち、反応粗液から、洗浄、濃縮、蒸留などの精製操作を行い、式(2)で表されるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体が得られる。
ガスクロマトグラフィー(GC)で、原料として用いたエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を定量分析することにより、転化率が求められる。転化率は、原料であるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を基質として、以下の式により算出する。
Figure 0006645581
収率は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて生成物を定量分析することにより求められる。ラクトン生成率、γ−ブチロラクトンの収率は、以下の式により算出する。
Figure 0006645581
例えば、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物としてグリシジルメタクリレートを用いる場合、反応後、GCによりグリシジルメタクリレートを定量分析することにより、転化率が求められる。また、HPLCにて、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン及びβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンを定量分析することにより、収率を求めることができる。
このように、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を原料とし、ジコバルトオクタカルボニル、トリアルキルアルミニウムの存在下、一酸化炭素と反応させることにより、安価で入手容易な触媒により、高転化率で、高選択的にエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を得ることができる。
Figure 0006645581
式(1)中、R1〜R5はそれぞれ独立して、H又は炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキル基を、R6はH又は炭素数1〜10の分岐していてもよいアルキル基を表す。
本実施態様により得られるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体は、式(2)で表される。
Figure 0006645581
式(2)中、R1〜R5はそれぞれ式(1)のR〜R5のいずれかと同じであり、R6は式(1)のR6と同じである。
本発明の一実施態様の製造方法により得られる生成物は、式(2)で表されるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体と式(4)で表されるエチレン性不飽和基含有β−プロピオラクトンとの混合物で有り得る。
Figure 0006645581
式(4)中、R1〜R5はそれぞれ式(1)のR〜R5のいずれかと同じであり、R6は式(1)のR6と同じである。
例えば、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物としてグリシジルメタクリレートを用いる場合、反応後、HPLCにて、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン及びβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンを定量分析することにより、それぞれの生成量を求めることができる。
本実施態様に係る製造方法により、高選択的にラクトンを製造することができる。なお、本明細書において、γ選択率は、HPLCにより求められるγ/(β+γ)比、すなわち、ラクトン生成量に対するγ−ブチロラクトン生成量の比を意味する。また、γ選択率が高いとは、γ選択率が15%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは60%以上であることを意味する。
このように、式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を原料とし、ジコバルトオクタカルボニル、トリアルキルアルミニウムの存在下、一酸化炭素と反応させることにより、少ない工程数で、簡便に、エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を高選択的に得ることができる。また、市販されている化合物を触媒として用いるため、入手が容易で、安価に製造することができる。
また、反応時間、反応温度、エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の初期濃度を制御することで、γ選択率を向上することができる。
式(2)で表されるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体は、例えば、他の重合性モノマーを共重合して得られたポリマー成分、重合性モノマー成分、多官能重合性モノマー成分、熱又は光重合開始剤、溶剤などを組み合わせて提供される直接パターニングして用いるレジスト材料用の重合性モノマー成分として、また、複数の重合性モノマーを共重合して得られたポリマー成分、光酸発生剤、溶剤などを組み合わせて提供されるフォトレジスト材料用の重合性モノマーとして用いることができる。
特に、R6=Hの場合、式(2)で表されるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体はβ−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類であり、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン類と比べて酸による脱保護反応特性やリソグラフィー特性に優れていることが知られており、レジスト材料などに非常に有用である。
式(2)で表されるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体と組み合わせたり、共重合させたりすることが可能な化合物の例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、ビニルエーテル誘導体、スチレン誘導体、無水マレイン酸などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸のカルボン酸の水素を、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリシクロデシル[5.2.1.02,6]、アダマンチル、ノルボニル、イソボルニル、ヒドロキシエチル、プロポキシエチル、ブトキシエチル、2−メチル−2−アダマンチル、2−エチル−2−アダマンチル、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、テトラヒドロピラニル、メトキシテトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニルなどで置き換えた化合物である。ビニルエーテル誘導体は、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテルなどである。スチレン誘導体は、スチレン、パラヒドロキシスチレン、パラメトキシスチレン、パラt−ブトキシスチレンなどである。これらの共重合可能な化合物は単独または2種以上を用いることができる。
式(2)で表されるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体を、重合や共重合させてポリマー成分を得る方法は特に限定されず、定法により実施できる。例えば、溶媒中に所望のモル比となるようにそれぞれの化合物を添加して混合し、重合開始剤を添加し加熱や光照射して重合や共重合させ、生成物を分離し、必要に応じて精製処理をしてポリマー成分を得ることができる。
以上、本発明を具体的な実施態様に即して説明したが、各実施態様は例として提示されたものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本明細書に記載された各実施態様は、その趣旨を逸脱しない範囲内で、様々に変形することができ、かつ、実施可能な範囲内で、他の実施態様により説明された特徴と組み合わせることができる。
以下、本発明を実験例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実験例に限定されるものではない。なお、下記実験例1〜15のうち、実験例8は比較例であり、他の実験例は本発明の実施例である。
<実験例1>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート(GMA)21.3g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン85.24g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)(BBHT)0.02g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)3.0ml、ジコバルトオクタカルボニル0.256gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:20質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて240分間反応を行った。
反応終了後、GC(GC装置;島津製作所GC−2014、カラム;アジレント J&W キャピラリーGCカラム DB−1 60m×0.25mmID×0.25μm)でグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLC(HPLC装置:島津製作所LC−20シリーズ)にてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.2%、ラクトン生成率は60.1%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=60:40であった。
エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物であるグリシジルメタクリレートの初期濃度(質量%)とγ選択率(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン生成量/(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンとβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンの生成量の合計)×100)(%)の関係を図1に示す。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例2>
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)を添加しなかった以外は実験例1と同様にして、反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.4%、ラクトン生成率は62.7%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=62:38であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例3>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート27.0g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン76.0g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)0.03g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)3.8ml、ジコバルトオクタカルボニル0.325gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:25質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて240分間反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.4%、ラクトン生成率は63.4%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=68:32であった。
エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物であるグリシジルメタクリレートの初期濃度(質量%)とγ選択率(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン生成量/(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンとβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンの生成量の合計)×100)(%)の関係を図1に示す。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例4>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート32.0g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン70.0g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)0.03g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)4.5ml、ジコバルトオクタカルボニル0.390gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:30質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて240分間反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.0%、ラクトン生成率は61.2%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=73:27であった。
エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物であるグリシジルメタクリレートの初期濃度(質量%)とγ選択率(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン生成量/(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンとβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンの生成量の合計)×100)(%)の関係を図1に示す。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例5>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート39.0g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン65.2g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)5.5ml、ジコバルトオクタカルボニル0.470gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:35質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて240分間反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.2%、ラクトン生成率は64.6%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=76:24であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例6>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート44.0g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン59.0g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)0.04g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)6.2ml、ジコバルトオクタカルボニル0.530gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:40質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて240分間反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は98.8%、ラクトン生成率は57%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=80:20であった。
エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物であるグリシジルメタクリレートの初期濃度(質量%)とγ選択率(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン生成量/(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンとβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンの生成量の合計)×100)(%)の関係を図1に示す。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例7>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート53.0g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン 48.3g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)0.05g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)7.5ml、ジコバルトオクタカルボニル0.64gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:50質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて240分間反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は98.7%、ラクトン生成率は60.5%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=83:17であった。
エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物であるグリシジルメタクリレートの初期濃度(質量%)とγ選択率(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン生成量/(β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンとβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンの生成量の合計)×100)(%)の関係を図1に示す。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例8>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート90.0g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン10.0g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)0.09g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)12.7ml、ジコバルトオクタカルボニル1.08gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:80質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて240分間反応を行ったところ、重合反応が進行し、転化率等は測定できなかった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例9>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート21.32g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン85.23g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)0.02g、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン0.005g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製3.0ml、ジコバルトオクタカルボニル0.256gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:20質量%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて30分間反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.2%、ラクトン生成率は63.3%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=17:83であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例10>
反応時間を60分間に変更した以外、実験例9と同様にして反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.5%、ラクトン生成率は62.9%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=29:71であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例11>
反応時間を120分間に変更した以外、実験例9と同様にして反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.5%、ラクトン生成率は62.2%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=47:53であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例12>
反応時間を240分間に変更した以外、実験例9と同様にして反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.5%、ラクトン生成率は57.3%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=69:31であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例13>
窒素雰囲気のグローボックス内で、グリシジルメタクリレート21.32g、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン85.23g、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)0.02g、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン0.005g、1mol/Lトリエチルアルミニウム(15%ヘキサン溶液、和光純薬工業製)3.0ml、ジコバルトオクタカルボニル0.256gを200mlオートクレーブ容器に入れ混合した(初期濃度:20%)。COガスラインをオートクレーブに取り付け、3回COガスで置換した。COガスを圧力5.0MPaまで導入し加熱した。温度90℃で内圧4.8〜5.0MPaの範囲にて45分間反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.5%、ラクトン生成率は62.8%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=19:81であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例14>
反応温度を80℃に変更し、反応時間を75分間に変更した以外は実験例13と同様にして、反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.6%、ラクトン生成率は67.0%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=21:79であった。実験条件及び結果を表1に示す。
<実験例15>
反応温度を70℃に変更し、反応時間を180分間に変更した以外は実験例13と同様にして、反応を行った。
反応終了後、GCでグリシジルメタクリレートを定量分析し、HPLCにてβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトンおよびβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトンを定量分析した。その結果、グリシジルメタクリレートの転化率は99.6%、ラクトン生成率は66.9%、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(γ)とβ−メタクリロイルオキシメチル−β−プロピオラクトン(β)の比率は、γ:β=21:79であった。実験条件及び結果を表1に示す。
Figure 0006645581
本発明の製造方法により得られるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体は、レジスト材料、光学材料、コーティング材料、ラミネート材料などに用いることができ、本発明の製造方法により高い転化率、高いγ選択率、高い収率、短時間で効率的にエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体が得られ、工業的な利用が促進される。特に、半導体素子などの製造工程に用いるフォトレジスト材料において有用に用いられる。

Claims (12)

  1. 式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物を、ジコバルトオクタカルボニルおよびトリアルキルアルミニウムの存在下、一酸化炭素と反応させるエチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体の製造方法であって、
    前記式(1)で表されるエポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物の初期濃度が10質量%以上70質量%以下であり、
    反応温度が60℃以上100℃以下であり、
    反応時間が30分以上であり、
    前記エチレン性不飽和基含有γ−ブチロラクトン誘導体が式(2)で表される化合物であることを特徴とする製造方法。
    Figure 0006645581

    式(1)中、R〜R5はそれぞれ独立して、H又は炭素数1〜6の分岐していてもよ
    いアルキル基を、RはH又は炭素数1〜10の分岐していてもよいアルキル基を表す。
    Figure 0006645581

    式(2)中、R 1 〜R 6 はそれぞれ式(1)のR 〜R 6 と同じである。
  2. 反応温度が90℃以上100℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 反応時間が120分以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 反応時間が180分以上である、請求項に記載の製造方法。
  5. 一酸化炭素の圧力が4MPa以上5MPa以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 溶媒として2−アセトキシ−1−メトキシプロパンを用いる、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. さらにラジカル重合禁止剤の存在下で行う、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記ラジカル重合禁止剤として、フェノール系化合物、アミン系化合物、キノン系化合物およびニトロキシド化合物からなる群より選択される少なくとも1種を用いる、請求項に記載の製造方法。
  9. 前記フェノール系化合物は、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及び1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオンからなる群より選択される少なくとも1種;であり
    前記アミン系化合物は、フェノチアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、及びN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種;であり
    前記キノン系化合物は、ベンゾキノンであり、
    前記ニトロキシド化合物は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、及びN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種;である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記ラジカル重合禁止剤がフェノール系化合物を含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記ラジカル重合禁止剤を前記エポキシ基及びエチレン性不飽和基を末端基として有するエステル化合物に対して100質量ppm以上5000質量ppm以下含有する、請求項10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記式(1)及び(2)中、R 〜R 5 が水素であり、R 6 が水素又はメチルである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
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