以下の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[第1の実施の形態]
《概略》
本実施の形態のシステムの画像形成装置は、図1及び図2を参照して説明したように、部署により、時間帯により、曜日によりその稼働状況が異なる。そのため、加熱定着部が休止状態になるまでの時間も時間帯により、曜日により、画像形成装置が設置された部署により、異なる。本実施の形態に係る画像形成装置はそのため、特許文献2と同様に、時間帯ごと、曜日ごとの稼働状況から、自動的に省エネ動作パターンを学習する。どのような動作をするかユーザに分かりづらい、という従来技術の課題を解決するため、本実施の形態に係る画像形成装置では、学習結果を図3に示す表50のような形式でユーザに対して分かりやすく表示する。
図3を参照して、表50は、2次元の表形式となっている。表50において、横軸には曜日をとり、縦軸には一日24時間を1時間ずつの時間帯に区切って取ってある。
本実施の形態のシステムの画像形成装置では、各セルは、その曜日のその時間帯に対して設定された省エネ動作パターンを、そのセルの表示色で表している。図3はカラーではないため、互いに異なるハッチングで表しているが、例えばセル66は最も頻繁に使用される「高パフォーマンス」モードであり、赤色で表示されている。セル64は、「高パフォーマンス」ほどではないがかなり高い頻度で画像形成装置100が使用される「パフォーマンス」モードであり、ピンク色で表示される。セル62は、「パフォーマンス」モードの時間帯よりも使用頻度が低い「バランス」モードの時間帯を示し、水色で示される。セル60は最も使用頻度が低い「省電力」モードの時間帯であり、緑色で示される。このように各セルの色を変えて表示することにより、4つの省エネ動作パターンを視覚的に明確に理解できる。画像形成装置100のタッチパネルディスプレイ130及び管理者用のパーソナルコンピュータ(以下「PC」と呼ぶ。)190のディスプレイのいずれに表50を表示しても、時間帯別にどのように画像形成装置100が稼働しているのかを管理者が容易にかつ直感的に理解できる。
省エネ動作パターンが「高パフォーマンス」の場合、画像形成装置の加熱定着部が動作を停止してから休止状態に移行するまでの時間(以下この時間を「移行時間」と呼ぶ。)は最も長い。「パフォーマンス」のときの時間はその次に長く設定される。「バランス」の場合には、画像形成装置は「パフォーマンス」のときよりもずっと短い時間でシャットオフする。「省電力」の場合には、画像形成装置は動作終了後最短時間でシャットオフする。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、このような省エネ動作パターンを、過去のジョブログに基づいて自動的に学習する機能を持つ。さらに画像形成装置100は、このように学習により省エネ動作パターンを決定する日とは別に、特定の日については、ユーザがマニュアルで省エネ動作パターンを設定できるよう、そうした特定の日と、それら特定の日における画像形成装置100の省エネ動作パターンとをマニュアルで設定する機能を持つ。この場合、省エネ動作パターンは時間帯別にマニュアルで設定できる。設定できるモードは上記した4つのモードのいずれかであるが、学習結果を用いるように指定することもできる。上記した学習の際には、このようにして設定された特定日のうち、マニュアルで動作モードが設定された時間帯(以下これら時間帯を「特定時間帯」と呼ぶ。)については学習の対象とせず、かつ他の日の省エネ動作パターンの学習において、特定日の特定時間帯のジョブログは、学習に用いない。
本実施の形態のシステムの画像形成装置におけるこれらの機能の詳細、及びそれら機能を実現するための構成については後に詳細に説明する。
《構成》
この画像形成装置は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成する。この画像形成装置は、動作モードとして、コピーモード、ファクシミリモード、ドキュメントファイリングモード及びメールモードを持つ。この画像形成装置は、さらにネットワークプリンタモードを持っていてもよい。印刷方式は加熱定着部のように、一旦休止状態になった後は、動作可能となるまでに比較的時間がかかる部位を持つものであれば、電子写真方式に限定されない。
<画像形成装置:制御ブロック構成>
図4を参照して、本実施の形態のシステムの画像形成装置100は、原稿読取部(スキャナ)102、画像形成部104、給紙部106、排紙処理装置108、及び操作ユニット120を含む。操作ユニット120は、タッチパネルディスプレイ130と操作キー部140とを含む。タッチパネルディスプレイ130は、液晶パネル等で構成された表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたユーザの指で押圧された位置を検出するタッチパネル134とを含む。操作キー部140には、図示しないいくつかの機能キーと、テンキーとが配置される。
図4を参照して、画像形成装置100はさらに、CPU(中央演算処理装置)166と、プログラム等を記憶するためのRead−Only Memory(ROM:読出専用メモリ)172と、通電が遮断された場合であってもプログラム及びデータ等を記憶可能な不揮発性記憶装置であるハードディスク168と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRandom Access Memory(RAM:随時読出書込可能メモリ)174とを含む。
画像形成装置100はさらに、原稿読取部102、画像形成部104、FAX通信部160、ネットワークI/F170、操作ユニット120、CPU166、ROM172、ハードディスク168、及びRAM174に接続されるバス176を含む。CPU166は、ハードディスク168等に記憶されたプログラムをRAM174にロードして実行することにより画像形成装置の各部を制御し、画像形成のための各種機能を実現する。
画像形成装置100はさらに、バス176を介して画像形成装置100の各部と通信可能であり、CPU166からのコマンドにしたがって、画像形成部104に関する給紙の制御を実行するための給紙部106と、同じくバス176に接続され、CPU166からのコマンドにしたがって画像形成部104からの記録用紙の排出を制御する排紙処理装置108とを含む。
ハードディスク168には、この画像形成装置100でスキャンした原稿の画像データのファイルが、フォルダ別に、保存日時及び保存ユーザ名ととともに記憶される。また、ハードディスク168には、各動作モードの初期画面データが記憶される。
ROM172には、画像形成装置100の動作を制御するのに必要なプログラム及びデータ等が記憶されている。このROM172にプログラムとともに記憶するデータとして、各動作モードの初期画面データを記憶するようにしても良い。CPU166は、ROM172に格納されているプログラム及びデータに従って画像形成装置100の制御を行なうとともに画像形成装置100の各機能に関する制御を実行する。
図4に示すように、この画像形成装置100のFAX通信部160には公衆回線が接続され、ネットワークI/F170はネットワーク回線に接続される。このネットワーク回線には、この画像形成装置100をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、インターネットを介して指定されたURL(Uniform Resource Locator)により特定されるコンピュータ等が接続されたりする。このようにインターネットに接続されると、画像形成装置100は、インターネットを介して、必要な情報を取得できる。後述するように、画像形成装置100における省エネ動作パターンの学習結果、特定日の省エネ動作パターンは、ネットワーク上の管理者用コンピュータから確認したり、修正したり、追加したりできる。
RAM174は、CPU166による演算及び処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
原稿読取部102、画像形成部104、操作ユニット120を構成するタッチパネルディスプレイ130及び操作キー部140、給紙部106、排紙処理装置108、ROM172、ハードディスク168、並びにRAM174に対する制御は、CPU166が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット120は、入出力I/Fを介してCPU166と通信する。
操作ユニット120は、ユーザが目視しやすいように傾斜して設けられた板状のパネルである。操作ユニット120の表面には、その左側の領域にタッチパネルディスプレイ130が、右側の領域に操作キー部140が、備えられている。タッチパネルディスプレイ130及び操作キー部140は、操作ユニット120が全体として一体となるように構成されている。
<省エネ動作パターンの学習処理>
以下、画像形成装置100における省エネ動作パターンの学習処理について説明する。この画像形成装置100は、省エネ動作パターンをジョブログに基づいて自動的に学習すること、ユーザに学習結果を分かりやすく表示すること、ユーザが省エネ動作パターンを設定できること、設定されたユーザモードを学習結果とともに分かりやすく表示できること、ユーザが設定できる省エネ動作パターンが、予め複数通り登録できること、等の特徴を持つ。
図5を参照して、通常、画像形成装置100は、ネットワークシステム180を介して複数のPC190、192及び194等と通信を行ない、これらからの印刷要求に応じて印刷処理を行なったり、画像形成装置100でスキャンした画像を特定のサーバに送信したり、メールとして所望のメールアドレスに送信したりする。しかしここでは、省エネ動作パターンの設定に関連しない事項については、理解を容易にするためにその詳細は説明しない。
図5において、PC190は画像形成装置100の管理者用であり、PC192及び194は一般ユーザ用であるものとする。図3を参照して説明したような表50による省エネ動作パターンの表示及び設定の変更は、画像形成装置100の操作ユニット120により行なっても良いが、管理者用のPC190からも行なえると便利である。画像形成装置100では、そうした処理も可能である。
図6は、画像形成装置100のうち、省エネ設定に関連する省エネ動作モードに関連する機能部分のみを抽出して省エネ設定部260として示したものである。図6を参照して、省エネ設定部260は、画像形成装置100の各機能部の動作記録をジョブログとして取得するログ取得部270と、ログ取得部270により取得されたジョブログを記憶するためのログ記憶部272と、外部から与えられるトリガーにより起動され、ログ記憶部272に記憶された過去の所定期間のジョブログに基づき、画像形成装置100の省エネ動作パターンのスケジュールを自動的に更新するオートパターン更新部274と、定期的(例えば毎日午前0時等)にオートパターン更新部274によるスケジュール更新処理をトリガーするためのタイマ276と、オートパターン更新部274により作成(更新)された省エネ動作パターンのスケジュールパターンを記憶し、画像形成部104の加熱定着部等に与えるためのパターン記憶部278とを含む。なお、オートパターン更新部274は、ユーザにより指定された、月単位の特定日の、特定時間帯のジョブログについては、曜日別の省エネパターンの学習の際に用いない。このように、特定日の特定時間帯のジョブログをパターン更新のための学習データから除外することにより、特定日の特定時間帯以外の省エネ動作パターンが、特定時間帯の動作パターンによる影響を受けることが防止できる。
本実施の形態のシステムの画像形成装置における省エネ動作パターンは、後述するように曜日別、時間帯別に4段階で表される。これらは1,2,3及び4という数値で表される。省エネ動作パターンは、曜日別のレコードを7つ含む。各レコードには、そのレコードが属する省エネ動作パターンの名称(識別子)と、曜日を表す値と、各時間帯別に省エネ動作パターンを示す値の集まりとからなる。例えば図3の月曜日の例で言うと、そのレコードの、時間帯別の省エネ動作パターンを示す部分は、「1,1,1,1,1,1,1,1,2,4,4,3,1,2,2,4,2,3,3,3,1,1,1,1」となる。なお、装置の出荷時等、省エネ動作パターンが未確定の場合、省エネ動作パターンを表す値は0とする。
なお、以下の実施の形態では、画像形成装置の稼働日を週単位で曜日により7つの第1のグループに分類し、各グループについて省エネ動作パターンを学習する方法と、画像形成装置の稼働日を、年月日のうちの日のみにより31個の第2のグループに分類し、そのうちの特定のグループ(すなわち特定の日)を指定して、マニュアルで省エネ動作パターンを指定する方法との双方を使用する。もちろん、これらの分類方法は1例であって、これ以外の分類方法も色々と可能である。例えば10日を1サイクルとして作業が行なわれる事業所では、第1のグループの数は10個とすることが合理的である。2週間を1サイクルとして作業が行なわれる事業所では、第1のグループの数は14個とすることが合理的である。第2のグループについても、例えば半年単位で特定の作業が行なわれるような事業所では、稼働日を6×31=186個のグループに分けることが望ましい。もっとも、第1のグループは曜日で分類し、第2のグループは日のみで分類する方法が最も普通であろう。
ログ記憶部272、パターン記憶部278等は図4に示すハードディスク168等により実現される。
省エネ設定部260はさらに、ネットワークI/F170に接続されたウェブサーバ280を含む。ウェブサーバ280は、この画像形成装置100の各種機能に関する設定を外部のPCからブラウザベースで行なうために画像形成装置100中で動作するものである。ウェブサーバ280は、外部から与えられる多様な要求について、各要求に付随するパラメータにしたがって適切なプログラム又は処理部に処理を振り分け、処理結果であるウェブ文書をブラウザに返信する機能を持つ。ここでは、説明を簡略にするために、ウェブサーバ280を介して外部から与えられる要求を処理する機能ブロックのうち、省エネ動作パターンの設定に関するもの以外は示していない。
省エネ設定部260はさらに、ウェブサーバ280を介して外部から受けた要求に応答して、現在画像形成装置100に設定されている省エネ動作パターンスケジュールをパターン記憶部278から読出し、視覚的に表示するためのウェブ文書を作成して返信するための表示処理部286と、ウェブサーバ280を介して、外部PCで表示されているスケジュールの内容を変更する要求を受け、要求にしたがって定まる省エネ動作パターンのスケジュールを視覚的に表示するためのウェブ文書を作成し返信するための更新処理部288と、ウェブサーバ280を介して外部から受ける、画像形成装置100の省エネ動作スケジュールのパターンを設定するための要求に応答し、設定されたパターンをパターン記憶部278に書込むための登録処理部290とを含む。
省エネ設定部260はさらに、ウェブサーバ280を介して、外部PCを利用してユーザが省エネ動作スケジュールのパターンを作成する処理に関する要求を処理し、ユーザにより作成されたパターンの保存が指定されたときにはそのパターンをコンピュータ読取可能な形式で保存するユーザパターン保存処理部292と、ウェブサーバ280を介して、外部PCでユーザが省エネ動作スケジュールのパターンを作成しているときに、ユーザの入力に応じて外部PCにおける省エネ動作スケジュールの表示を書き換えるためのウェブ文書を作成し返信するための表更新処理部294と、ユーザパターン保存処理部292により保存されるユーザパターンを各ユーザパターンのパターン名とともに記憶するためのユーザパターン記憶部284と、画像形成装置100が自動的に省エネ動作パターンの学習を行なう動作モードか否かを示すオートフラグ、現在の省エネ動作パターンのスケジュールがユーザパターンであるときのパターン名、及び一部の時間帯にジョブログが存在しないときにどのような処理をするか、等、画像形成装置100の省エネ動作パターンに関する設定を記憶するための設定記憶部282とを含む。設定記憶部282は、省エネ設定部260の各部から参照可能であり、各機能ブロックは、設定記憶部282に記憶された設定情報に基づいて動作する。設定記憶部282に記憶される情報には、移行時間を定めるために使用される稼働率の算出方法、及び稼働率に基づきどのように省エネパターンを定めるかを決めるルールがある。
次のテーブル1に、本実施の形態のシステムの画像形成装置における稼働率の算出方法を示す。テーブル2には、算出された稼働率と、稼働率に応じて採用される省エネパターン名、及び各省エネパターンに対応する動作(移行時間と移行後の状態)を示す。
なお、オートフラグは、1のときにオートモード、0のときにマニュアルモードを示す。オートフラグのデフォルト値は1とすることが望ましい。実際に装置が設置された後、その稼働状況を管理者が把握できるまでは自動的に省エネ動作パターンを学習することが望ましいからである。
省エネ設定部260はさらに、ユーザに特定日を設定させる機能、特定日の省エネ動作パターン(「特定日パターン」と呼ぶ。)をユーザに設定させる機能、休日をユーザに設定させる機能、特定日パターンについてデフォルトのパターンを作成する機能、及びログから週単位の省エネ動作パターンを学習する際に、特定日として登録された日のログを、学習のためのデータから除外して学習する機能を持つ。
具体的には、省エネ設定部260はさらに、特定日の設定画面(図9〜図11)を生成するための特定日設定画面生成部302と、図9に示される特定日登録画面680を用い、ユーザとの対話により特定日の登録を行なうための特定日登録部300と、図11に示される休日登録画面830を用い、休日の登録を行なうための休日登録部298と、図10に示される特定日パターン登録画面720を用い、特定日の省エネ動作を定める特定日パターンの登録を行なうための特定日パターン登録部296とを含む。これらはいずれもウェブサーバ280の制御のもと、ウェブサーバ280が受信したフォームデータに基づいて、選択的に実行される。各処理部は、指定された処理を実行した後、その結果を示す画面を相手端末のウェブブラウザに送信し表示させる。特定日登録部300、休日登録部298、特定日パターン登録部296が出力する画面はそれぞれ図9、図11、及び図10に示す特定日登録画面680、休日登録画面830、及び特定日パターン登録画面720である。
省エネ設定部260はさらに、特定日パターン登録部296、休日登録部298、特定日登録部300、及び特定日設定画面生成部302に接続され、特定日パターン登録部296、休日登録部298、特定日登録部300を用いて設定された特定日パターン情報、休日情報、及び特定日情報を記憶するための特定日情報記憶部304と、ログ記憶部272に記憶されたジョブログ及び特定日情報記憶部304に記憶された特定日情報に基づいて、特定日パターン登録部296から特定日のデフォルトパターンの作成要求を受けたことに応答して、前月の当該特定日に対応する日のログを読出して、その特定日のためのデフォルトの省エネ動作パターンを生成して特定日パターン登録部296に返すためのデフォルトパターン作成部306とを含む。
図7を参照して、ログ記憶部272に記憶されるジョブログ320は、一般的にジョブID(識別子)と、ジョブモードと、そのジョブを投入したコンピュータ名及びそのユーザ名と、ユーザのログイン名と、画像形成装置100がそのジョブを開始した開始日時及び終了した終了日時と、ジョブが開始された日の曜日と、そのジョブにより印刷された記録用紙の枚数とをジョブごとに記録する。このようなジョブログ320をとる機能は、画像形成装置100に限らず、現在の一般的な画像形成装置では標準的に備えられている。こうしたジョブログは、例えば画像形成装置が故障したときに、それまでの動作を確認して故障の原因を探ったり、ジョブの種類を見ることにより、次回のリプレースのときにどのような機能を重点的に考慮して機種を定めるべきかを検討したり、どのユーザがどの程度の頻度で画像形成装置を使用し、どれ程の記録用紙を使用しているかを調べたりするために使用できる。本実施の形態のシステムでは、このようなジョブログ320を省エネ動作パターンの学習に利用する。
図8に、本実施の形態のシステムの画像形成装置100において、省エネ動作パターンを設定する省エネルギー設定画面を示す。図8を参照して、省エネルギー設定画面は、ヘッダ部に表示された登録ボタン350、更新ボタン352、モード選択ラジオボタン354、及びユーザパターン名設定用のプルダウンメニュー356と、中央部に表示された、画像形成装置100に現在設定されている省エネ動作パターンを、図3に示した例と同様、視覚的に表示する省エネ動作パターンテーブル358とを含む。
この画面のテール部にはさらに、ユーザパターンの編集を行なうか否かをユーザが設定するためのチェックボックス360と、いずれもチェックボックス360がチェックされるとアクティブになる、省エネモード選択用のプルダウンメニュー362、曜日選択用のプルダウンメニュー364、設定対象の時間帯を指定するための開始時間プルダウンメニュー366及び終了時間プルダウンメニュー368、並びにこれらの要素により指定された条件にしたがって、省エネ動作パターンテーブル358の表示を更新するよう指示を出すための表の更新ボタン370が表示される。これらの下にはさらに、ユーザパターンを保存する際にユーザがそのパターン名を入力するパターン名フィールド372と、ユーザパターンを保存することを指示する際に使用する保存ボタン374と、登録ボタン380及び更新ボタン382とが表示される。
図8に示す画面の上下にはそれぞれ、特定日における画像形成装置100の動作の設定に関する情報の登録を行なう画面(特定日動作設定画面)を呼出すためのボタン660及び662が配置されている。この特定日情報登録画面は、図9に示す特定日登録画面680、図10に示す特定日パターン登録画面720,及び図11に示す休日登録画面830からなる。
図9を参照して、特定日登録画面680は、上記した特定日登録画面680、特定日パターン登録画面720、及び休日登録画面830のパネルを切替えるためのタブが表示されるタブ領域690と、入力した特定日情報を画像形成装置100内の特定日情報記憶部304(図6)に登録することを指示するための登録ボタン692と、最大で3つの特定日を登録するための、第1、第2、及び第3の特定日情報指定領域694,696,及び698とを含む。
タブ領域690は、特定日登録画面680を表示させるための特定日タブ710と、特定日パターン登録画面720を表示させるためのパターンタブ712と、休日登録画面830を表示させるための休日タブ714とを含む。
第1、第2、及び第3の特定日情報指定領域694,696,及び698はいずれも同様の構成となっている。したがってこれらを代表して、以下第1の特定日情報指定領域694について説明する。
第1の特定日情報指定領域694は、第1の特定日を登録するか否かを指定するチェックボックス730と、特定日を特定する情報を入力するための特定日設定領域732と、この特定日の画像形成装置100のための動作パターン(特定日パターン)を予め定められたいくつかの特定日パターン、及び後述するデフォルトパターン(画像形成装置100が自動的に設定するパターン)の中から選択するためのプルダウンメニュー734と、この特定日が休日に当たった場合に、特定日を休日前に繰上げるか、休日後に繰下げるか、休日動作を実行しないかを指定するための休日動作指定領域736とを含む。
特定日設定領域732は、毎月の特定日をその日付で指定するか、毎月末として指定するかを選択するための2つのラジオボタンと、日付で指定するときに、その日付を選択するためのプルダウンメニューとを含む。
休日動作指定領域736は、休日時に特定日の指定を繰上げるか、繰下げるか、実行しないかを選択するための3つのラジオボタンを含む。
図10を参照して、特定日パターン登録画面720は、特定日タブ710、パターンタブ712、休日タブ714及び登録ボタン692に加え、特定日パターンの番号、及びその特定日パターンの名称を指定するためのパターン識別領域750と、設定する特定日パターンの内容を表示するパターン表示領域752と、特定日パターンについて、1日を24時間に分け、各時間帯について、予め設定された4つの動作モード、及びその週について本実施の形態のシステムでの方法により指定された設定、の全部で5つの選択肢のうちのいずれの動作モードで動作するかを指定するためのスケジュール設定領域754とを含む。特定日パターン登録画面720の最下部には、登録ボタン692と同様の機能を持つ登録ボタン756が表示される。
パターン識別領域750は、設定する対象として、第1〜第5の特定日パターンを選択するためのプルダウンメニュー770と、設定する対象の特定日パターンのパターン名を入力するためのテキストフィールド772とを含む。本実施の形態では、パターン名は全角及び半角で20文字以内に制限されている。
パターン表示領域752は、設定対象の特定日パターンの動作モードのスケジュールを、1時間単位で24時間分表示するスケジュール表示領域790と、設定対象の特定日パターンの元になる特定日パターンがあればその特定日パターンを指定するためのプルダウンメニュー792と、プルダウンメニュー792により指定された特定日パターンを、設定対象の特定日パターンにコピーする際にユーザが使用するコピー実行ボタン794とを含む。後述するように、プルダウンメニュー792には、第1〜第5の特定日パターンだけではなく、新たに特定日が指定されたときに自動的に生成されるデフォルトパターンの番号も表示される。
スケジュール設定領域754は、対象となる時間帯の開始時刻を指定するプルダウンメニュー812と、終了時刻を指定するプルダウンメニュー814と、プルダウンメニュー812及び814により指定された時間帯に設定すべき省エネ動作モードを指定する5つのラジオボタン810とを含む。5つのラジオボタン810により設定可能な動作モードは、第1及び第2のジョブ開始優先モードと、第1及び第2の省エネ優先モードと、週間設定にしたがう動作モードとである。
第1のジョブ開始優先モードは、画像形成装置100が使用されてから1時間、画像形成装置100が操作されなかったときに画像形成装置100の動作モードをオートパワーシャットオフに移行させる。第2のジョブ開始優先モードは、画像形成装置100が使用されてから30分、画像形成装置100が操作されなかったとき(すなわち、操作という事象が発生しなかったとき)に画像形成装置100の動作モードをオートパワーシャットオフに移行させる。第1の省エネ優先モードは、画像形成装置100が使用されてから5分間、画像形成装置100が操作されなかったときに画像形成装置100をオートパワーシャットオフに移行させる。第2の省エネ優先モードは、画像形成装置100に対する操作が終了すると、最短時間で画像形成装置100はオートパワーシャットオフに移行させる。週間設定にしたがう動作モードでは、本実施の形態のシステムの画像形成装置100において行なわれたのと同様の処理で設定された週間スケジュールにしたがって画像形成装置100を動作させる。
スケジュール設定領域754はさらに、パターン識別領域750で指定された特定日パターンの、プルダウンメニュー812及び814で設定された時間帯の動作モードを、ラジオボタン810により指定された動作モードに設定させるときにユーザが操作するスケジュールの追加ボタン816を含む。プルダウンメニュー812及びプルダウンメニュー814で処理対象の時間帯を選択し、ラジオボタン810で設定したい動作モードを選択し、追加ボタン816を押すと、スケジュール表示領域790に表示されたスケジュールのうち、プルダウンメニュー812及び814で指定された部分が、ラジオボタン810で選択された動作モードに対応する色に変更される。
図11を参照して、休日登録画面830は、特定日タブ710、パターンタブ712、休日タブ714と、休日一覧を表示させるためのボタン840と、休日となる曜日を指定するための曜日指定領域842と、曜日により指定された休日を特定日情報記憶部304に登録させるための登録ボタン862と、一定期間中の特定日を個別に指定するための期間指定領域844と、期間指定領域844により指定された特定日を休日として特定日情報記憶部304に記憶させるための登録ボタン890とを含む。
曜日指定領域842には、各曜日について、休日にするか否かを指定する7つのチェックボックス860が表示される。
期間指定領域844は、休日を指定する対象となる期間を3ヶ月単位で指定するプルダウンメニュー880と、プルダウンメニュー880により指定された期間の休日が最後に登録された日時を表示する最終登録時刻フィールド882と、プルダウンメニュー880で指定された3ヶ月の各々について、日毎に休日とするか否かを指定するためのチェックボックスが表示されるチェックボックス欄884と、チェックボックス欄884に表示された全てのチェックボックスをチェックするための全選択ボタン886と、逆に全てのチェックボックスのチェックをはずすための選択解除ボタン888とを含む。
図12を参照して、図11に示すボタン840を押したときに表示される休日一覧画面910は、この画面を閉じるためのOKボタン920及び926と、曜日指定の休日を表示する領域922と、期間指定により個別に指定された休日を表示する領域924とを含む。
図13を参照して、特定日情報記憶部304(図6参照)に記憶される特定日情報940は、3つの特定日に関する情報を記憶する3つの特定日情報レコード950と、4つの特定日パターンに関する情報を記憶する特定日パターンレコード952と、曜日別に休日に指定されているか否かを記憶する曜日別フラグレコード954と、期間指定により個別に指定された休日を3ヶ月単位で24ヶ月分記憶する期間休日レコード956とを含む。
特定日情報レコード950は、特定日登録画面680(図9)により指定される情報を記憶するためのものである。特定日情報レコード950の各レコードは、そのレコードに対応する特定日が指定されているか否かを示す使用フラグと、その特定日の日付と、その特定日に使用する特定日パターンの番号と、休日にこの特定日を繰上げるか、繰下げるか、実行しないかを示す休日動作フラグと、この特定日情報レコード950の最終更新日とを含む。特定日の日付は、1〜31又は99で指定される。1〜31は指定された日付を表し、99は月末であることを示す。休日動作フラグは0〜2の3つの値のいずれかで表される。0、1及び2はそれぞれ、特定日の繰上、繰下、及び特定日の実行なしを表す。
特定日パターンレコード952は、特定日パターン登録画面720(図10)により設定される情報を記憶するためのものである。各レコードは、その特定日パターンのパターン番号(1〜4)と、パターン名と、そのパターンによる時間別の動作パターンの配列と、そのパターンの最終更新日とを含む。
曜日別フラグレコード954は、休日登録画面830(図11)のうち、曜日指定領域842により設定される情報を記憶するためのものである。曜日別フラグレコード954は、曜日別に用意された、休日か否かを示す7つのフラグを含む。
期間休日レコード956は、休日登録画面830(図11)のうち、期間指定領域844により設定される情報を記憶するためのものである。期間休日レコード956の各レコードは、そのレコードに対応する3ヶ月の期間の1ヶ月目、2ヶ月目及び3ヶ月目の日別の休日配列と、最終登録日時情報とを含む。
<プログラム構成>
以下の説明では、説明を簡略にするために、外部PCからウェブサーバ280を経由して画像形成装置100の省エネ動作パターンを設定する場合の構成についてのみ説明するが、全く同じ考え方で、画像形成装置100において、タッチパネルディスプレイ130を用いた対話型処理により省エネ動作パターンを設定できる。画像形成装置100のタッチパネルディスプレイ130でブラウザを起動し、ウェブサーバ280をアクセスする構成とする場合には、画像形成装置100においてスタンドアロンで設定を行なうプログラムは必要ではない。
図14を参照して、図6に示す表示処理部286を実現するためのプログラムは、画像形成装置100のウェブサーバにログインすることで表示されるメニュー画面から呼び出されて起動される。このプログラムは、図6に示す設定記憶部282から画像形成装置100の設定のうち、省エネ動作パターンに関する設定を読出すステップ330と、図8に示す画面のヘッダ部分を出力するステップ332と、現在画像形成装置100が実行中の省エネ動作パターンのスケジュールをパターン記憶部278から読出すステップ334と、ステップ334で読出された情報に基づいて、図8の省エネ動作パターンテーブル358を表示するための文書を作成し出力するステップ336と、図8に示す画面のテール部分を出力し処理を終了するステップ338とを含む。
本実施の形態のシステムでは、このプログラムによりウェブサーバ280を介してPCに送信される文書がウェブ文書となるようにプログラムが構成されており、PCでは通常のウェブブラウザで図8に示す画面を表示できる。
図15を参照して、図14に示すステップ336のプログラムルーチンは、この処理とは別の処理でも呼び出されるため、ここでサブルーチンとして記載する。スクリプト形式のプログラム言語によりこの処理を実現する際には、実際にはこの部分のプログラムを独立したファイルにしておき、実行時にこのファイル内のスクリプトを他のプログラムにインクルードするような形とすることが好ましい。
このプログラムは、ウェブ文書において、省エネ動作パターンテーブル358を表示するために、テーブル開始タグを出力するステップ400と、以下に説明するステップ404,406,408,410、及び412を、全ての時間帯に対して繰返すことでテーブル本体を作成するステップ402と、ステップ402の繰返しが完了した後に、テーブル終了タグを出力して処理を終了するステップ414とを含む。
ステップ402で各時間帯に対して実行される処理は、その時間帯の情報を表示する行の開始タグを出力するステップ404と、時間帯を示す文字を出力するステップ406と、月曜日から日曜日までの各曜日について、以下のステップ410を繰返すことにより、特定の時間帯に関するテーブルの1行を作成するステップ408と、ステップ408により作成された行の終了を示す行終了タグを出力するステップ412とを含む。ステップ410では、各セルについて開始タグと終了タグとを出力するが、その際、セルの横幅を固定の値に指定するとともに、セルの背景色をパターンによりその曜日のその時間帯に割当てられている省エネ動作パターンに応じて指定する情報を開始タグ中に埋め込む。
図15のプログラムを実行することにより、図8に示す省エネ動作パターンテーブル358のような表示を実現できる。
(登録プログラム)
図16に示す登録プログラムは、図8に示す登録ボタン350又は登録ボタン380が押されることによりウェブサーバ280により起動される。この際、図8の画面上の各要素に設定された値に応じたパラメータがこのプログラムに引数として渡される。引数としては、動作モードとしてオートモードが指定されたかマニュアルモードが指定されたか、という情報と、マニュアルモードが指定されたときに選択されたユーザパターン名と、ユーザパターンの編集を行なうか否かを示すフラグ(チェックボックス360の状態)と、チェックボックス360がチェックされたときに有効となる、省エネパターン名(省エネモード選択用のプルダウンメニュー362の選択結果)、曜日(曜日選択用のプルダウンメニュー364の選択結果)、設定対象の時間帯の開始時間(開始時間プルダウンメニュー366)及び終了時間(終了時間プルダウンメニュー368)がある。このプログラムには、パターン名フィールド372の情報は渡されない。
この登録プログラムは、引数に基づき、オートモードが指定されたかマニュアルモードが指定されたかを判定するステップ420と、オートモードが指定されたときに、設定記憶部282のオートフラグに1を格納するステップ422及びオートパターン更新処理(図6のオートパターン更新部274による処理)を実行することにより、最新のジョブログに基づいて省エネ動作パターンを更新するステップ424とを含む。
このプログラムはさらに、ステップ420で動作モードがオートでないと判定されたときに、図6の設定記憶部282のオートフラグに0を格納するステップ426と、引数に基づき、ユーザにより指定されたユーザパターンを図6のユーザパターン記憶部284から読出し、パターン記憶部278に書込むステップ428と、書込まれたユーザパターンのパターン名を設定記憶部282に記憶させるステップ430とを含む。
このプログラムでは、ステップ424及びステップ430の後、制御の流れは合流し、パターン記憶部278に記憶されている、実行中の省エネ動作パターンを読むステップ432が実行され、その結果と、設定記憶部282に記憶されている設定条件とにしたがい、図8に示す省エネルギー設定画面のヘッダ部分を出力するステップ434と、省エネ動作パターンテーブル358を作成するステップ436と、テール部分を出力して処理を終了するステップ438とを含む。ステップ436で実行されるのは、図15に示されるプログラムである。
(ユーザパターンの保存プログラム)
図17に示すユーザパターンの保存プログラムは、図8において保存ボタン374が押されたときにウェブサーバ280により呼び出される。このとき、このプログラムに渡される引数は、表示されている省エネ動作パターンテーブル358に対応する省エネパターンの具体的な値と、パターン名フィールド372に入力されたユーザパターン名とである。
このプログラムは、引数に基づいて、同じ名前のユーザパターンがユーザパターン記憶部284(図6参照)に記憶されているか否かを判定するステップ450と、同じ名前が存在するときに、入力されたユーザパターン名と同じ名前のユーザパターンを省エネ動作パターンテーブル358により表されるパターンで更新するステップ452と、同じ名前が存在しないときに、省エネ動作パターンテーブル358により表されるパターンをユーザパターン記憶部284に追加するステップ454と、追加されたパターン名をユーザパターン記憶部284の索引領域に保存するステップ456とを含む。
このプログラムでは、ステップ452及び456の後、制御の流れは合流し、ステップ458において、ステップ452で更新された、又はステップ454で追加されたユーザパターンをユーザパターン記憶部284から読出し、このユーザパターンを用いて、ヘッダ部分を出力し(ステップ460)、テーブル作成・出力処理をし(ステップ462)、テール部分の出力をして(ステップ464)処理を終了する。この処理の結果、ユーザにより保存することが指定されたユーザパターンがユーザパターン記憶部284に保存され、省エネルギー設定画面には、保存されたユーザパターンにしたがった省エネ動作パターンテーブル358が表示される。
(パターン更新)
図18を参照して、図6に示す更新処理部288を実現するプログラムは、図8に示す更新ボタン352又は更新ボタン382が押されることにより起動される。このプログラムは、モード選択ラジオボタン354から受けた引数に基づいて、指定された動作モードがオートモードかマニュアルモードかを判定するステップ480と、指定された動作モードがオートモードの時に、実行中の省エネ動作パターンをパターン記憶部278から読出すステップ482と、指定された動作モードがマニュアルモードのとき(ステップ480の判定が否定的であるとき)に、ユーザパターン名設定用のプルダウンメニュー356からの引数であるパターン名を持つユーザパターンがユーザパターン記憶部284にあるか否か判定するステップ484と、指定されたパターン名のユーザパターンがあるときに、そのパターンをユーザパターン記憶部284から読出すステップ486と、指定されたパターン名のユーザパターンがないときにエラー用ヘッダ部分を出力するステップ500とを含む。
このプログラムでは、ステップ482及びステップ486の後、制御の流れは合流し、ステップ488でヘッダ部分の出力を行なう。この後、ステップ502でテーブル作成・出力を行ない、ステップ504でテール部分を出力してこのプログラムの実行を終了する。なお、指定されたパターン名のユーザパターンが存在しなかったとき(ステップ484の判定が否定的であったとき)には、ステップ500を実行した後、制御はステップ502に合流する。
(表更新プログラム)
図19を参照して、図6の表更新処理部294を実現するためのプログラムは、図8において表の更新ボタン370が押されたときに起動される。なお、図8において、省エネモード選択用のプルダウンメニュー362、曜日選択用のプルダウンメニュー364、開始時間プルダウンメニュー366、終了時間プルダウンメニュー368及び表の更新ボタン370は、チェックボックス360がチェックされたときのみアクティブになる。チェックボックス360がチェックされていないときにはこれらはアクティブではなく、したがって表の更新ボタン370が押されることもなく、図19のプログラムが実行されることもない。このプログラムが起動されるときには、省エネ動作パターンテーブル358の元となる表データ、省エネパターン名、曜日、開始時間及び終了時間が引数としてウェブサーバ280から渡される。
このプログラムは、省エネ動作パターンテーブル358に表示されている省エネ動作パターンのデータのうち、引数で指定される曜日の、開始時間及び終了時間で指定される範囲の省エネ動作パターンを、省エネパターン名で示される省エネ動作パターンで入れ替えるステップ520と、このようにして更新された省エネ動作パターンのデータに基づいて、ヘッダ部分を出力するステップ522、省エネ動作パターンテーブル358を作成し出力するステップ524、及びテール部分を出力して処理を終了するステップ526を含む。
(オートパターン更新プログラム)
図20を参照して、図6に示すオートパターン更新部274を実現するためのプログラムは、図6に示すタイマ276により定期的に実行される。本実施の形態のシステムでは、オートフラグが0のとき、すなわち自動的に画像形成装置100の稼働状況から省エネ動作パターンを学習しないモードになっているときにも、このオートパターン更新処理を実行し結果を保存しておく。こうすることで、仮にマニュアルで動作しているときでも、実際の稼働状況に応じて更新された省エネ動作パターンを表示させることができ、管理者が画像形成装置100を設定する際に参考にできる。
このプログラムは、ログ記憶部272に記憶されたジョブログの日時をキーとして、直前の所定期間(例えば1週間)のジョブログを全て読出すステップ540と、図13に示す特定日情報レコード950を参照して、特定日及の指定があるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ970と、ステップ970の判定が肯定のときに、さらに図13に示す特定日パターンレコード952、曜日別フラグレコード954、及び期間休日レコード956を読出し、これらレコードにより特定日と指定されていない日のジョブログ、及び特定日として指定されている日のジョブログであって、「週間スケジュールにしたがう」と設定されている時間帯のジョブログのみを用い、曜日別、時間帯別に画像形成装置100の出力枚数、ジョブ数、及び待機時間を集計するステップ972と、ステップ540で読出されたジョブログに基づいて、曜日別、時間帯別に、画像形成装置100による記録用紙の出力枚数、処理したジョブ数、待機時間の合計をそれぞれ集計し稼働率を算出するステップ542とを含む。
ステップ972において、特定日の設定がされている場合には、オートパターン更新部274はさらに、特定日情報940から特定日パターンレコード952、曜日別フラグレコード954、及び期間休日レコード956を読出す。オートパターン更新部274はさらに、読出した情報に基づいて特定日パターンが設定されている日であって、かつ特定パターンが指定された日を特定する。このとき、特定日情報レコード950の日付と曜日別フラグレコード954及び期間休日レコード956から読出された情報とを参照することにより、特定日情報レコード950に特定日として指定された日が休日にあたるか否かを判定する。特定日が休日に当たると判定されたときにはさらに、特定日情報レコード950の休日動作フラグを参照することにより、特定日を繰上げるか、繰下げるか、特定日とはしないかを判定する。
このようにして特定日のスケジュールを実行する日を決定した後、オートパターン更新部274は、そのような特定日のスケジュールを実行する日のうちで「週間設定にしたがう」に設定されている時間帯と、特定日とされていない日の全ての時間帯とについて、ステップ540で取得したログに基づき、曜日別、時間帯別に、画像形成装置100の出力枚数、ジョブ数、及び待機時間を集計する(ステップ972)。この処理により得られる結果から、特定日の「週間設定にしたがう」が設定されている時間帯と、特定日以外の全時間帯との各々について、画像形成装置100の稼働率が計算できる。
このプログラムはさらに、ステップ972が実行された後、又はステップ542が実行された後に実行され、各曜日の各時間帯について、後述の処理546を繰返すステップ544と、設定記憶部282(図6参照)に記憶されているオートフラグが1か否かを判定するステップ562と、オートフラグが1のときに、ステップ544で作成された省エネ動作パターンでパターン記憶部278に記憶された省エネ動作パターンを更新し処理を終了するステップ564と、オートフラグが0のときに、ステップ544で作成された省エネ動作パターンをバックアップとしてユーザパターン記憶部284に追加して記憶し、処理を終了するステップ566とを含む。このようにユーザパターン記憶部284に記憶された省エネ動作パターンは、自動的に学習されたものではあるが、ユーザパターンと同様に扱うことができる。
ステップ544で各曜日の各時間帯に対して実行される処理546は、その曜日の各時間帯に対し、以下に説明するステップ548,550,552,554,556,558及び560を実行する。
処理546は、その曜日のその時間帯について集計された出力枚数、ジョブ数、待機時間が、稼働率「高」とするための条件のいずれかに該当するか否かを判定するステップ548と、ステップ548で条件が充足されると判定されたときに該当曜日の該当時間帯の省エネ動作パターンを「高パフォーマンス」に設定してこの曜日、この時間帯の処理を終了するステップ556と、ステップ548で条件が充足されないと判定されたときに、集計結果が、稼働率「やや高」とするための条件のいずれかに該当するか否かを判定するステップ550と、ステップ550で条件が充足されると判定されたときに該当曜日の該当時間帯の省エネ動作パターンを「パフォーマンス」に設定してこの曜日、この時間帯の処理を終了するステップ558と、ステップ550で条件が充足されないと判定されたときに、集計結果が、稼働率「中」とするための条件のいずれかに該当するか否かを判定するステップ552と、ステップ552で条件が充足されると判定されたときに該当曜日の該当時間帯の省エネ動作パターンを「バランス」に設定してこの曜日、この時間帯の処理を終了するステップ560と、ステップ552で条件が充足されないと判定されたときに、該当曜日の該当時間帯の省エネ動作パターンを「省電力」に設定してこの曜日、この時間帯の処理を終了するステップ554とを含む。
(特定日設定画面の生成プログラム)
図8に示すボタン660又は662を押したときに図9に示す特定日登録画面680を表示する処理(特定日設定画面生成部302の機能に相当する。)を実現するプログラムは、以下のような制御構造を有する。なお、このプログラムはサーバ側で動作して図9に示す特定日登録画面680、図10に示す特定日パターン登録画面720、及び図11に示す休日登録画面830を切替えて表示可能なスクリプトを含むHTMLソースを生成して、ウェブサーバ280を介して相手端末に送信する機能を持つ。
図21を参照して、このプログラムは、図6に示す特定日情報記憶部304から特定日情報940(図13参照)を読出すステップ990と、ステップ990により読出された情報のうち、特定日情報レコード950から読出された情報に基づいて、特定日登録画面680(図9)を表示するためのHTMLソースを生成するステップ992と、ステップ990により読出された情報のうち、特定日パターンレコード952から読出された情報に基づいて、特定日パターン登録画面720(図10)を表示するためのHTMLソースを生成するステップ994と、ステップ990により読出された情報のうち、曜日別フラグレコード954及び期間休日レコード956から読出された情報に基づいて、休日登録画面830(図11参照)を表示するためのHTMLソースを生成するステップ996と、このようにして生成されたHTMLソースを相手端末のブラウザ出表示する際に、特定日登録画面680が最初に表示するスクリプトが実行されるようにHTML文書に特定の変数とその値とを書込むステップ998と、このようにして生成されたHTMLソースのフォームをウェブサーバ経由で相手端末に送信して処理を終了するステップ1000とを含む。
図9に示す特定日登録画面680、図10に示す特定日パターン登録画面720、及び図11に示す休日登録画面830は、それぞれ1又は複数のフォームからなるHTMLソースを表示した画面である。各フォームには、そのフォーム内の所定のボタン等を押したときに、次にウェブサーバ280経由で実行されるべきプログラムのファイル名が記載されている。ボタンを押すと、次に実行すべきファイル名が、そのプログラムで処理すべきデータとともにウェブサーバに送信され、処理される。こうした処理は、ウェブサーバによるフォーム処理としてよく知られた事項である。
なお、特定日登録画面680、特定日パターン登録画面720、及び休日登録画面830の切替は、前述したとおり特定日タブ710、パターンタブ712、及び休日タブ714を押すことにより行なわれる。この切替は、各画面を構成するUI部品を画面別にグループにまとめておき、あるタブが押されたときには、そのタブに対応する画面のUI部品のみが表示され、他の画面のUI部品は表示されなくなるように各UI部品のプロパティを設定すればよい。この処理は、端末側のブラウザで実行されるスクリプトにより実現される。ただしこのスクリプト自体は、図21に示すプログラムの中で、画像形成装置100側で作成され、HTMLソース内に埋め込まれる。
もちろん、特定日登録画面680、特定日パターン登録画面720、及び休日登録画面830をいずれも別々のプログラムで作成するようにしてもよい。この場合、相手端末のブラウザ上で各タブが押されるごとに、対応するプログラムが画像形成装置100で実行され、押されたタブに対応する画面を相手端末のブラウザに送信すればよい。
図10の特定日パターン登録画面720、及び図11の休日登録画面830は、通常のシステムにおけるマスター保守プログラムと同様の考え方で実現できる。しかし図9に示す特定日登録画面680の場合、本実施の形態では通常のマスター保守のための処理に加えて、特定日パターン作成時のユーザ補助のために、デフォルトの特定日パターンを生成する処理を実行することが考えられる。
特定日及び特定時間帯の設定を行なう作業者は、特定日及び特定日時の指定と、その日時における動作パターンとの双方を設定する必要がある。特定日及び特定日時は比較的に簡単に設定できるが、その日時においてどのような動作パターンが適切かについて、作業者は明確に知ることはできない場合もあり得る。こうしたケースに対しては、本実施の形態では、画像形成装置100がある程度適切なデフォルトの動作パターンを自動的に提供する。このような機能を画像形成装置100に実装することにより、作業者の負担を緩和できる。しかもデフォルトの値はジョブログを処理して得られるので、作業者の意図に完全に合致しているとは限らないが、「当たらずとも遠からず」という値に設定できる。
この場合、上記したように、本実施の形態では、特定日は月単位で指定される。したがって、通常の省エネ動作パターンのように週単位での集計ではなく、月単位でデフォルトパターンを集計する必要がある。そうした処理を実行するプログラムの制御構造について、図22及び図23を参照して説明する。
具体的には、この処理を実現するための1つの方法として、前述したように図9の特定日登録画面680において、プルダウンメニュー734の中に「デフォルト設定」という項目を設ける。ユーザがプルダウンメニュー734で「デフォルト設定」を選択して「登録ボタン692を押すと、以下に制御構造を示すプログラムによってデフォルトの動作パターンが生成され、指定された特定日の動作パターンとして設定される。
(特定日の登録)
図22に制御構造を示すプログラム(図6の特定日登録部300に相当する機能を実現する。)は、図9の特定日登録画面680において、ユーザが登録ボタン692を押したときに、画像形成装置100で実行される。図22を参照して、このプログラムは第1の特定日のチェックボックス730(図9参照)がチェックされているか否かを判定し、チェックされていなければ第1の特定日に対する処理をスキップして第2の特定日の処理に制御を進めるステップ1020と、ステップ1020の判定が肯定のときに、プルダウンメニュー734によってデフォルトメニューが指定されているか否かを判定するステップ1022と、ステップ1022の判定が肯定のときに、所定のルーチン(後述)を実行することにより、第1の特定日のためのデフォルトパターンを生成するステップ1024(図6のデフォルトパターン作成部306に相当する機能を実現する。)とを含む。ここで生成されたデフォルトパターンには、仮のパターン番号が割当てられ、対応する特定日パターンレコードが一時的に生成される。ステップ1022の判定が否定のときには、制御はステップ1026に進む。ステップ1022の判定が否定でかつステップ1024の実行が終わったときにも同様、制御はステップ1026に進む。ステップ1026では、第1の特定日のレコードを、入力にしたがって更新する。このとき、プルダウンメニュー734によって特定日パターンのいずれかが指定されていればその特定日パターンが特定日情報レコード950の「使用パターン番号」に代入される。プルダウンメニュー734によってデフォルトパターンが指定されていれば、ステップ1024で生成したデフォルトパターンの仮のパターン番号が「使用番号」に指定される。
ステップ1026の処理が終了すると、制御はステップ1028に進む。ステップ1020の判定が否定のときにも、制御はステップ1028に進む。ステップ1028では、ステップ1020〜1026と同様の処理が第2の特定日に対して行なわれる。このときの処理対象は、図9の第2の特定日情報指定領域696に入力された情報である。
同様にして、第2の特定日に対する処理が終了すると、ステップ1030で第3の特定日に対する処理が行なわれる。処理対象は、図9の第3の特定日情報指定領域698に入力された情報である。
ステップ1030が終了すると、ステップ1032で、図9に示す特定日登録画面680の画面が、ステップ1020〜1030の処理結果に応じた内容で表示される。デフォルトのパターンが指定されている場合には、それらを図10に示す特定日パターン登録画面720により修正し、第1〜第5の特定日パターンに割当てる必要があるため、図9の画面にその旨のメッセージを表示し、デフォルトパターンに仮に割当てられたパターン番号を強調表示するとよい。作業者は、この仮のパターン番号を見て、図10のプルダウンメニュー792にこの仮のパターン番号を指定してコピー実行ボタン794をクリックすることにより、第1〜第5の特定日パターンを、指定されたデフォルトパターンにしたがった初期値に設定し、さらに所望のパターンに修正できる。
なお、こうして作成されたデフォルトパターンは、いずれ削除する必要がある。削除のタイミングとしては、例えば、第1〜第3の特定日の特定日パターン番号のいずれにも、デフォルトのパターン番号が格納されない状態となったときを挙げることができる。
図23を参照して、図22のステップ1024では以下のような制御構造を持つプログラムが実行される。図23を参照して、ステップ1050で、図6のログ記憶部272に記憶されているジョブログのうちから、過去1ヶ月分のログを読出す。続くステップ1052で、特定日として指定された日に該当する日の時間帯別に、画像形成装置100による出力枚数、画像形成装置100が処理したジョブ数、画像形成装置100の待機時間をそれぞれ集計する。この後、ステップ1054で、各時間帯に対して所定の処理を行なう。
ステップ1054で各時間帯に対して行なわれる処理は、ステップ1052で集計された結果のうち、処理対象の時間帯における集計結果が、稼働率「高」とするための条件のいずれかに該当するか否かを判定するステップ1054と、ステップ1054で条件が充足されると判定されたときに該当時間帯の省エネ動作パターンを「高パフォーマンス」に設定してこの時間帯の処理を終了するステップ1058と、ステップ1054で条件が充足されないと判定されたときに、集計結果が、稼働率「やや高」とするための条件のいずれかに該当するか否かを判定するステップ1060と、ステップ1060で条件が充足されると判定されたときに該当時間帯の省エネ動作パターンを「パフォーマンス」に設定して、この時間帯の処理を終了するステップ1062と、ステップ1060で条件が充足されないと判定されたときに、集計結果が、稼働率「中」とするための条件のいずれかに該当するか否かを判定するステップ1064と、ステップ1064で条件が充足されると判定されたときに、該当時間帯の省エネ動作パターンを「バランス」に設定して、この時間帯の処理を終了するステップ1066と、ステップ1064で条件が充足されないと判定されたときに、該当時間帯の省エネ動作パターンを「省電力」に設定して、この時間帯の処理を終了するステップ1068とを含む。
ステップ1054で、全ての時間帯についてステップ1056〜1068の処理が完了すると、ステップ1070で、このパターンに仮のパターン番号を付して図6のパターン記憶部278に出力し、そのパス付きのファイル名と、パターン番号とを特定日情報記憶部304に出力して処理を終了する。仮のパターン番号は図22に示す親ルーチンに返され、例えばステップ1026で第1の特定日のパターン番号に代入される。
《動作》
画像形成装置100は以下のように動作する。なお、以下の説明では、画像形成装置100の各機能のうち、省エネ設定部260に関する動作のみ説明し、他の通常の機能の動作については繰返さない。
<ログの収集>
画像形成装置100の電源が投入されると、ログ取得部270は画像形成装置100のジョブのログを取得し始める。ジョブログはログ記憶部272に記憶される。
<パターンの自動更新処理>
タイマ276は時間を計時しており、1時間ごとにオートパターン更新部274を起動する。
図20を参照して、オートパターン更新部274はログ記憶部272から直前の所定期間分(本実施の形態のシステムでは1週間分)のログを取得し(ステップ540)、以下のような処理をする。オートパターン更新部274はまず、取得したログに基づき、曜日別、時間帯別に、画像形成装置100の出力枚数、ジョブ数、及び待機時間を集計する(ステップ542)。この処理により得られる結果から、稼働率が計算できる。さらに月曜日〜日曜日の各曜日について、ステップ548−554を繰返す。この処理により、各曜日の各時間帯の省エネ動作パターンが設定される。
続いてステップ562で、オートフラグが1と等しいか否かが判定される。結果が肯定であれば、パターン記憶部278に記憶されている省エネ動作パターンを新たに算出された省エネ動作パターンで更新し(ステップ564)、処理を終了する。ステップ566の結果が否定であれば、新たに算出された省エネ動作パターンをユーザパターン記憶部284にバックアップのパターンとして記憶し(ステップ566)、処理を終了する。
以上でパターン記憶部278の更新処理は終了である。
<省エネ動作パターンの表示及び更新>
ユーザが例えば図5に示す管理者用のPC190から画像形成装置100にログインすると、管理者用のPC190の画面には画像形成装置100の管理用のメニューが表示される(図示せず)。このメニューには、「省エネ動作パターンの表示及び更新」という項目が表示されている。ユーザがこの項目を選択すると、図6に示すウェブサーバ280によりこの要求が表示処理部286に与えられる。すなわち、図14に示すプログラムが起動される。
表示処理部286はまず、設定記憶部282に記憶されている各種の設定を読込む(図14のステップ330)。この設定は、稼働率算出用のテーブルと、省エネパターン設定用のテーブルと、オートフラグと、現在使用されている省エネ動作パターンとを含む。続いて表示処理部286は、読込んだ設定に基づいて図5に示す省エネルギー設定画面のヘッダ部分を作成し、出力する(ステップ332)。この出力はウェブサーバ280を介して管理者用のPC190に送信され、管理者用のPC190上で動作するウェブブラウザにより表示される。ステップ334で表示処理部286は、現在実行中の省エネ動作パターンをパターン記憶部278から読出す(ステップ334)。読出した省エネ動作パターンにしたがって、ステップ336で図8の省エネ動作パターンテーブル358の表示を作成し、出力する。この表示もウェブサーバ280を介して管理者用のPC190に送信され、管理者用のPC190のブラウザが画面に追加表示する。この結果、管理者用のPC190のブラウザのウィンドウには、ヘッダ部分と省エネ動作パターンテーブル358(図8参照)とが表示される。さらに表示処理部286はテール部分を出力する。この表示もウェブサーバ280を経て管理者用のPC190のブラウザに与えられ、表示される。この結果、図8に示すような画面が管理者用のPC190に表示される。
この表示用データの作成の際、表示処理部286は、モード選択ラジオボタン354及びユーザパターン名設定用のプルダウンメニュー356を、設定にしたがった表示とする。チェックボックス360についてはチェックをいれず、省エネモード選択用のプルダウンメニュー362、曜日選択用のプルダウンメニュー364、開始時間プルダウンメニュー366、終了時間プルダウンメニュー368及び表の更新ボタン370はアクティブではなく、グレイアウト表示される。
ここでユーザが行なえる動作として、(A)オートモードとマニュアルモードとの切替(モードの切替)、(B)ユーザパターンの編集及び保存、(C)画像形成装置100に設定する省エネ動作パターンの変更(登録)がある。以下それらについて説明する。
(A)モードの切替
使用するモードを切替えるときにはユーザは、モード選択ラジオボタン354のうち、選択するモードのラジオボタンを押す。選択したモードがマニュアルモードのときにはさらに、ユーザパターン名設定用のプルダウンメニュー356でどのパターンを使用するかを選択する。
ユーザが更新ボタン352を押すと、図6に示す更新処理部288が起動し、以下のようにして省エネ動作パターンテーブル358を更新する。
図18を参照して、ステップ480で、選択されたのがオートモードか否かを判定する。結果が肯定のときには、パターン記憶部278から実行中の省エネ動作パターンを読出し、結果が否定のときには、ユーザパターン名設定用のプルダウンメニュー356により指定されたユーザパターンをユーザパターン記憶部284から読出す。
ステップ482とステップ486の後、制御の流れは合流し、ステップ488でヘッダ部分を出力し、読出されたパターンにしたがい、ステップ502で省エネ動作パターンテーブル358を出力し、ステップ504でテール部分を出力して処理を終了する。
この処理により、オートモードが指定されたときには、ログから学習された省エネ動作パターンが省エネ動作パターンテーブル358に表示され、マニュアルモードが指定されたときには、指定されたユーザパターンが省エネ動作パターンテーブル358に表示される。
(B)ユーザパターンの編集及び保存
省エネ動作パターンテーブル358に省エネ動作パターンのスケジュールが表示されているときに、ユーザがチェックボックス360をクリックすると、チェックボックス360にチェックが入り、省エネモード選択用のプルダウンメニュー362、曜日選択用のプルダウンメニュー364、開始時間プルダウンメニュー366、終了時間プルダウンメニュー368及び表の更新ボタン370が活性化する。この処理はサーバサイドではなく、クライアントのウェブブラウザ側で実行される。
ユーザは、省エネ動作パターンテーブル358に表示されている各セルのうち、設定を希望するセルの曜日を曜日選択用のプルダウンメニュー364で指定し、時間帯を開始時間プルダウンメニュー366及び終了時間プルダウンメニュー368で指定し、そのセルに設定すべき省エネパターンを省エネモード選択用のプルダウンメニュー362により設定する。表の更新ボタン370を押すと、サーバに表の更新要求が送信され、ユーザの入力に従い表の更新を行なう処理が実行される。すなわち、図6に示す表更新処理部294が起動され、図19に示すプログラムが実行される。
図19を参照して、現在省エネ動作パターンテーブル358に表示されているデータのうち、ユーザ入力により指定された曜日及び時間帯の各セルに、指定された省エネ動作パターンを示す値を入力する(ステップ520)。続いて、ステップ522、524及び526により、修正後の値にしたがって、再度図8に示す画面を作成し、ウェブサーバ280を介してクライアントのブラウザに表示させる。
ユーザが上記処理を繰返し、所望のパターンを作成した場合、ユーザはそのユーザパターンをユーザパターン記憶部284に記憶させる。そのためにユーザは、パターン名フィールド372に所望のユーザパターン名を表示し、図8に示す保存ボタン374を押す。この結果、ユーザパターンの保存要求がウェブサーバ280に送信され、ユーザパターン保存処理部292が起動される。ユーザパターン保存処理部292は、図17に示すプログラムを実行する。なお、パターン名フィールド372には、省エネ動作パターンテーブル358に表示されているユーザパターン名がデフォルトで表示される。
図17を参照して、ステップ450において、ユーザにより入力されたユーザパターン名と同一名のユーザパターンがユーザパターン記憶部284に既に記憶されているか否かを判定する。結果が肯定の場合、ユーザにより入力されたユーザパターンで、ユーザパターン記憶部284に記憶されている同一名のユーザパターンを更新する(ステップ452)。ステップ450の結果が否定の場合、新たなユーザパターンをユーザパターン記憶部284に追加し(ステップ454)、ユーザにより指定されたユーザパターン名をユーザパターン記憶部284のインデックスに保存する(ステップ456)。
ステップ452及び456の後、制御の流れは合流し、ステップ452で更新されたパターン、又はステップ454で追加されたパターンをユーザパターン記憶部284から読出し(ステップ458)、ステップ460、462及び464によりこのパターンにしたがって省エネルギー設定画面を作成して管理者用のPC190のブラウザに表示させて処理を終了する。
以上でユーザパターンの編集及び保存が終了する。
(C)省エネ動作パターンの設定
更新ボタン352で呼び出されたパターンを画像形成装置100に設定する時には、ユーザは登録ボタン350を押す。この結果、パターンの登録要求が図6に示すウェブサーバ280に送られ、登録処理部290が起動される。登録処理部290は図16に制御構造を示すプログラムを実行する。
図16を参照して、登録処理では、ユーザにより指定された省エネ動作モードがオートモードか否かが判定される(ステップ420)。結果が肯定であれば、設定記憶部282に記憶されているオートフラグが1に更新され(ステップ422)、図20に示すオートパターン更新処理が実行される(ステップ424)。ステップ420の結果が否定なら、オートフラグが0に更新され(ステップ426)、ユーザにより指定されたユーザパターンをパターン記憶部278に書込み(ステップ428)、書込まれたパターンのパターン名を現在実行中のパターン名として設定記憶部282に保存する。
ステップ424及びステップ430の後、制御の流れは合流し、現在実行中のパターンをパターン記憶部278から読出し(ステップ432)、ステップ434,436及び438で、そのパターンにしたがった省エネルギー設定画面(図8)を作成し、クライアントに送信して処理を終了する。
このような本実施の形態のシステムでは、週を単位として省エネ動作パターンを自動的に決定している。企業活動のかなりの部分が週を単位として行なわれているので、このように週単位でパターンを決定することには合理性がある。しかし、企業活動の全てが週単位というわけではなく、例えば各月の特定日が特に業務が繁忙する日である場合のように、月単位で省エネ動作パターンを特定したほうがよい場合がある。それだけではなく、年単位のサイクルで省エネ動作パターンを決定しなければならないような場合もあり得る。こうした日がある場合、前述した週単位で決定した省エネ動作パターンが妥当でない場合が多い。そのため、例えばそうした日だけはマニュアルで省エネ動作パターンの設定を行なうようにしてもよい。
しかしこのように、自動的に省エネ動作パターンを学習する方法と、特定の日だけマニュアルで省エネ動作パターンを設定する方法とを混在して用いていると、省エネ動作パターンの学習精度が落ちてしまうという問題がある。
例えば、通常は省エネ動作優先のパターンで設定されている曜日(例えば水曜日)であっても、月末には繁忙になることがあり得る。そうした事情に対処するために、月末が水曜日になったときには、その日だけ省エネ動作パターンをマニュアルで設定する場合が想定される。
ところがこの場合、次のような問題が生じる。すなわち、たまたま月末が水曜日になったものとする。月末で繁忙であったため、かなり多くのログが記録される。次に水曜日の省エネパターンを自動的に設定する時期になると、水曜日のログとして他の日(それほど繁忙ではなかったものとする。)のログとともに、この月末の水曜日のログが読出され、これらログに基づいて水曜日の省エネ動作パターンが設定される。その結果、本来はそれほど多忙ではない曜日であっても、たまたま省エネ動作パターンの設定のためのログ期間中に月末になる日があった場合には、省エネ動作パターンが本来の省エネ優先の設定から、効率優先の設定の方向にずれてしまう可能性がある。
省エネを効率よく進めるためには、このような問題は回避する必要がある。また、そのためのユーザの作業はできるだけ簡単なものとなるようにすることが望ましい。さらに、企業活動では休日の問題もある。例えば上記した例で言うと、月末が水曜日であっても、たまたまその日が企業の休日であれば、繁忙になるとは限らない。おそらく、その前日が繁忙日となるであろう。逆に、休日の次の日が繁忙になる場合もあり得る。場合によっては、企業の休日にもかかわらず、システムは繁忙となることもあり得る。すなわち、上記したような特定の日が休日にあたった場合には、どのようにログを処理して省エネパターンを計算するかが問題となる。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、こうした場合、以下のように動作して上記した問題に対処する。
<特定日の登録>
特定日の登録をするユーザが例えばPC190上でブラウザから画像形成装置100のウェブサーバにアクセスすると、図8に示す省エネルギー設定画面が表示される。この画面に表示される各種のUI部品のうち、ボタン660及び662以外を操作したときの画像形成装置100の動作は、本実施の形態のシステムの画像形成装置100の動作と同じである。ユーザがボタン660又は662をクリックしたものとする。
この操作により、PC190のブラウザから画像形成装置100のウェブサーバ280に対し、特定日設定画面生成部302を実現するためのプログラムのファイル名を指定したリクエストが送信される。ウェブサーバ280はこのリクエストを受信すると、指定されたファイル名の拡張子にしたがってプログラムの実行系を選択し、その実行系に当該ファイル名を渡す。このファイル名を受け取った実行系は、そのファイル名により指定されるファイルをハードディスク168(図4参照)から読出し、そのファイルに含まれるスクリプトを解析して実行する。もちろん、実行系によっては、指定されたファイルがバイナリのオブジェクトファイルである場合もある。
ボタン660又は662に関連付けられているプログラムは、図21に制御構造を示すものである。CPU166(図4参照)がこのプログラムを実行することにより、図6の特定日設定画面生成部302が実現される。すなわち、図21の各ステップがCPU166により実行され、図9に示す特定日登録画面680を表示するためのHTMLソースが作成されてPC190のブラウザに送信される。PC190のブラウザには図9に示す特定日登録画面680が表示される。なお、ここで画像形成装置100からPC190に送信されるHTMLソースには、特定日登録画面680を表示するためのHMTLソースだけではなく、図10の特定日パターン登録画面720及び図11の休日登録画面830を表示するためのHTMLソースと、特定日タブ710、パターンタブ712、及び休日タブ714を操作することにより、クライアントサイドで画面を切替えるためのスクリプトも含まれる。図9の状態では、これらのうち特定日登録画面680を構成するUI部品のみが表示され、他のUI部品については非表示にされている。パターンタブ712を押せば特定日登録画面680及び休日登録画面830を構成するUI部品が非表示となり、特定日パターン登録画面720を構成するUI部品のみが表示される。休日タブ714が押されると、休日登録画面830を構成するUI部品のみが表示され、特定日登録画面680及び特定日パターン登録画面720を構成するUI部品は非表示となる。
図9を参照して、ユーザが例えばチェックボックス730をチェックし、特定日設定領域732で特定日を設定し、プルダウンメニュー734で「デフォルトパターン」を指定したものとする。ここではさらに特定日が休日にあたったときの動作として「繰上げる」を選択したものとする。ユーザはこれらを設定した後、登録ボタン692をクリックする。
登録ボタン692には、図22に制御構造を示すプログラムが関連付けられており、このプログラムのファイル名を指定したリクエストがPC190から画像形成装置100に送信される。画像形成装置100では、図22に制御構造を示すプログラムが実行される。この例では、ステップ1020及び1022の経路を経てステップ1024が実行される。
ステップ1024では、図23に制御構造を示すプログラムが実行される。ステップ1050,1052により、図9の特定日設定領域732により指定された特定日(本実施の形態では1ヶ月前の該当日)のジョブログがログ記憶部272(図6参照)から読出され、そのジョブログをステップ1054〜ステップ1068で処理することにより、デフォルトのパターンが生成される。このデフォルトパターンには仮のパターン番号がパターン番号及びパターン名として割当てられる。ステップ1024では、図13の特定日パターンレコード952に、生成されたデフォルトパターンのレコードが追加される。続くステップ1026で、特定日情報記憶部304内の特定日情報レコード950のうち、第1の特定日に対応するレコードに、使用フラグ(オン)、日付、デフォルトパターンに割当てられた仮のパターン番号、指定された休日動作フラグ(この例では「0」)、及びこの処理が実行された日時が記録される。
この例では、ステップ1028及び1030では何も生成されない。最後に、ステップ1032で、更新後の情報に基づいて、再度、図21と同様の処理が実行され、図9に示す特定日登録画面680を表示するためのHTMLソースが生成され、PC190に送信される。
特定日パターンとしてデフォルトパターンではなく、予め準備されたパターン(第1から第5の特定日パターン、全て第2の省エネ優先モード(図10のラジオボタン810の説明を参照)であるパターン、8:00〜18:00が第1の省エネ優先モードで18:00〜8:00が第2のジョブ開始優先モードであるパターン、のいずれかが選択されたときには、ステップ1024の処理は実行されない。ステップ1026では、指定されたパターン番号が第1の特定日に対応する特定日情報レコード950の「使用パターン番号」に代入される。
ユーザが第1の特定日に対して作成されたデフォルトパターンを修正したい場合には、ユーザは図9に示す特定日登録画面680においてパターンタブ712を押す。すると、図10に示す特定日パターン登録画面720が表示される。修正したい特定日パターンの番号をプルダウンメニュー770で指定すると、スケジュール表示領域790に、選択された特定日パターンに対して登録済のパターンが表示される。第1の特定日に対して作成されたデフォルトパターンの仮のパターン番号をプルダウンメニュー792で選択し、コピー実行ボタン794を押すと、スケジュール表示領域790に、第1の特定日に対して生成済のデフォルトパターンが表示される。
ユーザは、プルダウンメニュー812及び814を用いて、スケジュール表示領域790に表示された時間帯別の動作モードのうち、修正したい時間帯を選択し、ラジオボタン810の中から新たな動作モードを指定して、追加ボタン816を押す。すると、スケジュール表示領域790のうち、指定された時間帯の動作モードが指定されたもので置換される。こうして所望のパターンができれば、ユーザは登録ボタン692又は756を押す。すると、図13に示す特定日パターンレコード952のうち、特定日パターン登録画面720のプルダウンメニュー770により指定された特定日パターンのレコードが、特定日パターン登録画面720の入力内容にしたがって更新される。特定日パターン登録画面720の表示も、この結果にしたがって更新される。
このようにしてデフォルトパターンに基づいて特定日パターンを修正した後、図9に示す特定日登録画面680で第1の特定日のプルダウンメニュー734に、修正後の特定日パターンを指定することで、特定日設定領域732により指定された日の省エネ動作パターンとして、前月の同日のジョブログから得られたパターンを元にしたパターンが登録できる。
ユーザが休日の設定を変更したいときには、ユーザは休日タブ714を押す。するとブラウザウィンドウには図11に示す休日登録画面830が表示される。このときの表示内容は、特定日情報940(図13)の曜日別フラグレコード954及び期間休日レコード956の登録内容にしたがう。ただし、このときに表示される期間(プルダウンメニュー880により特定されるもの)は、本実施の形態では作業日を含む3ヶ月とする。ユーザが曜日指定領域842で休日としたい曜日のチェックボックスをチェックしたりチェックをはずしたりして登録ボタン862を押すと、曜日別フラグレコード954が操作にしたがって更新される。ユーザが図11のプルダウンメニュー880を操作して、設定したい期間を選択すると、休日登録部298は、選択された期間に対応するレコードを特定日情報940の期間休日レコード956から読出し、期間指定領域844をその内容にしたがって更新する。ユーザが、期間指定領域844の各チェックボックスをチェックしたりチェックをはずしたりして登録ボタン890を押すと、特定日情報940の期間休日レコード956のうち、プルダウンメニュー880により指定されたレコードの内容が、チェックボックス欄884の内容にしたがって更新される。休日登録部298は更新結果にしたがって休日登録画面830を更新する。
ユーザが設定済の休日の一覧を見るときには、ユーザは図11の休日登録画面830のボタン840を押す。すると、休日登録部298は、図13の曜日別フラグレコード954及び期間休日レコード956を読出し、その結果に従って図12に示す休日一覧画面910のHTMLソースを生成し、PC190のブラウザに送信する。ブラウザはこのHTMLソースをブラウザウィンドウに表示する。
以上の処理のうち、図10の特定日パターン登録画面720、図11の休日登録画面830、及び図12の休日一覧画面910を生成したり、図13の特定日パターンレコード952、曜日別フラグレコード954、及び期間休日レコード956を更新したりする処理は、通常のデータ管理システムにおけるマスターテーブルの更新処理の技術を用いることにより容易に実現できる。休日一覧画面910の生成は、データの読出しとHTMLソースの生成だけなので、特定日パターン登録画面720、休日登録画面830に関連する処理よりさらに容易に実現できる。
<パターンの自動更新処理>
オートパターン更新部274は、読出した情報に基づいて、画像形成装置100に特定日の設定がされているか否かを判定する。
特定日の設定がされていなければ制御はステップ542に進む。
特定日の設定がされている場合には、オートパターン更新部274はさらに、特定日情報940から特定日パターンレコード952、曜日別フラグレコード954、及び期間休日レコード956を読出す。オートパターン更新部274はさらに、読出した情報に基づいて特定日パターンが設定されている日であって、かつ特定パターンが指定された日を特定する。このとき、特定日情報レコード950の日付と曜日別フラグレコード954及び期間休日レコード956から読出された情報とを参照することにより、特定日情報レコード950に特定日として指定された日が休日にあたるか否かを判定する。特定日が休日に当たると判定されたときにはさらに、特定日情報レコード950の休日動作フラグを参照することにより、特定日を繰上げるか、繰下げるか、特定日とはしないかを判定する。
このようにして特定日のスケジュールを実行する日を決定した後、オートパターン更新部274は、そのような特定日のスケジュールを実行する日のうちで「週間設定にしたがう」に設定されている時間帯と、特定日とされていない日の全ての時間帯とについて、ステップ540で取得したログに基づき、曜日別、時間帯別に、画像形成装置100の出力枚数、ジョブ数、及び待機時間を集計する(ステップ972)。この処理により得られる結果から、特定日の「週間設定にしたがう」が設定されている時間帯と、特定日以外の全時間帯との各々について、画像形成装置100の稼働率が計算できる。以後の処理は、本実施の形態のシステムにおけるオートパターン更新部274の動作と同一である。
《本実施の形態のシステムの効果》
以上のように本実施の形態のシステムに係る画像形成装置100によれば、ログに基づいて自動的に省エネ動作パターンが更新されるだけでなく、そのパターンを画面上で確認できる。したがって、管理者が画像形成装置100がどのようなパターンで動作しているかを知ることができ、画像形成装置100を有効に管理できる。また、自動的に学習されたパターンと、ユーザにより作成されたパターンとを切替えて使用できる。そのために、例えば画像形成装置100の設置部署が変更されたとき等、過去のジョブログから学習したパターンが有効と思われないときには、マニュアルで画像形成装置100を設定できる。稼働の実態に合わないパターンで画像形成装置100が動作することを防止できる。
したがって、画像形成装置100の消費するエネルギーを、稼働状態を勘案しつつ少なくできる。
画像形成装置100の動作について、週単位ではない繰返し単位(本実施の形態では月単位)で、週単位と異なる特定日を指定して、週単位で自動算出したスケジュールとは異なるスケジュールを設定できる。したがって、事業所の実情により適合した省エネ動作スケジュールで画像形成装置100を稼働させることができる。さらに、週単位で画像形成装置100の省エネ動作パターンを算出する際に、特定日の中で特定の省エネ動作モードが指定されているような時間帯については、計算から除外する。そのため、週単位で計算される省エネ動作パターンは、他の異なる得意な動作パターンで画像形成装置100が稼働する日の影響を受けなくなり、省エネ動作パターンの精度を高めることができる。
特定日の動作パターンを指定する際には、デフォルトパターンの算出を指定すると、画像形成装置100のデフォルトパターン作成部306がその特定日について過去の該当日(本実施の形態では前月の該当日)におけるジョブログに基づいて、デフォルトの省エネ動作パターンが生成される。この省エネ動作パターンは、前月の該当日のジョブログに基づいているので、特定日として設定すべき動作パターンとして「当たらずとも遠からず」の動作パターンである。作業者は特定日の動作パターンを決定するために種々の統計を計算したり、装置の稼働状況を観察したりする必要はない。その結果、特定日を設定する際の作業者の負担を軽減できる。
[第2の実施の形態]
以上説明した第1の実施の形態では、デフォルトパターン作成部306、オートパターン更新部274、特定日パターン登録部296、休日登録部298、特定日登録部300、及び特定日設定画面生成部302等はいずれも画像形成装置100の省エネ設定部260内に設けられている。また図12に示す休日一覧画面910も休日登録部298で生成されている。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、これらの機能を別のサーバで実現するようにしてもよい。また、休日等は、事業所全体で統一する方が通常であるから、休日一覧画面910については、画像形成装置ごとではなく事業所内のサーバで統一的に管理する方が好ましい。この第2の実施の形態は、こうした考えにしたがい、パターンの更新及ぶ実績との比較、並びに特定日の設定等については省エネ管理サーバで行ない、休日に関しては休日管理用サーバで行なうという実施の形態である。
図24に、この第2の実施の形態に係るネットワークシステム1100の概略ブロック図を示す。ネットワークシステム1100が第1の実施の形態のネットワークシステム180と異なるのは、インターネット1114への接続をネットワークシステム1100に対して提供するルータ1112と、いずれもインターネット1114に接続された省エネ管理サーバ1116及び休日管理サーバ1118とを含む点である。さらにネットワークシステム1100は、図14に示す画像形成装置100に代えて、省エネ管理サーバ1116及び休日管理サーバ1118と通信する機能を持ち、省エネ管理サーバ1116により決定された省エネ動作パターンにしたがって稼働する機能を持つ画像形成装置1110を含む。
省エネ管理サーバ1116は、図6に示す第1の実施の形態におけるオートパターン更新部274と、特定日登録部300と、特定日パターン登録部296と、デフォルトパターン作成部306とに相当する機能を持つ。省エネ管理サーバ1116はさらに、定期的にネットワークシステム1100内の画像形成装置1110等の画像形成装置からジョブログを収集する機能を持つ。
省エネ管理サーバ1116は、PC190等からの操作に応答して、画像形成装置1110の特定日と、特定日パターンとを管理する機能と、画像形成装置1110等のジョブログを収集する機能と、定期的に各画像形成装置の省エネ動作パターンを決定する機能とを持つ。これらについては、第1の実施の形態における画像形成装置100のオートパターン更新部274、特定日登録部300、特定日パターン登録部296、デフォルトパターン作成部306、特定日情報記憶部304等を省エネ管理サーバ1116に設け、休日情報については休日管理サーバ1118から必要な情報を得ることにより実現できる。
休日管理サーバ1118は、第1の実施の形態の画像形成装置100の休日登録部298の機能を持つことにより、PC190からの操作に応答して画像形成装置1110で統一して管理すべき休日情報を管理できる。休日管理サーバ1118は、画像形成装置1110及びPC190等から休日に関する情報の要求があれば、必要な情報を返す。そのために必要な機能は、第1の実施の形態で休日登録部298及び図11の休日登録画面830に関連して説明したとおりである。
なお、省エネ管理サーバ1116と休日管理サーバ1118とを1つのサーバにまとめてもよいことは言うまでもない。その場合、図6に示した省エネ設定部260をほぼそのままサーバに移動させ、ログ取得部270にはネットワークシステム1100内の各画像形成装置のジョブログを収集する機能を持たせ、ログ記憶部272には画像形成装置ごとにジョブログを記憶する機能を持たせる。画像形成装置ごとに第1の実施の形態と同様の処理を行なうことにより、各画像形成装置について、各曜日についての省エネ動作パターンと、特定日についての特定日パターンと、特定日についての実績パターンとが形成される。画像形成装置ごとに作成された省エネ動作パターン及び特定日パターンはそれぞれ、画像形成装置を区別する情報とともにパターン記憶部278及び特定日情報記憶部304に記憶される。これら情報は、適切なときに対応する画像形成装置に送信され、記憶される。各画像形成装置は、これら省エネ動作パターン及び特定日パターンに基づいて、第1の実施の形態の画像形成装置100と同様に自分の動作モードを制御する。
なお、上記実施の形態では、週単位と異なる特定日の集計単位として月単位を例とした。しかし本発明はそのような実施の形態には限定されない。多くの場合には週単位でオートパターン登録をし、特定日については月単位で計算すればよいが、月より長い単位として、例えば3ヶ月ごとに特定日を定めるようにしても良い。この場合、月ごとの集計とともに3ヶ月ごとに稼働率を集計する。月より短い単位として10日単位とか2週間単位で特定日を設けることも可能である。これらはいずれも実際のビジネスの遂行過程により定まるものであって、ビジネスの実情により容易にシステムを適合させることができる。
以上のように本発明によれば、ある一定期間(例えば週単位)でログを集計することにより、画像形成装置の省エネ動作パターンを決定すると共に、特定日を設け、特定日については、上記した一定期間とは異なる期間(例えば1ヶ月)を単位としてログを集計してその特定日の省エネ動作パターンを決定できる。ビジネス上の取引又は処理が2種類以上のサイクルで繰返される場合、双方について最適な省エネ動作パターンを設定できる。その結果、例えば週単位で繰り返されるスケジュールと、例えば月単位で繰り返されるスケジュールのように、異なる繰り返し単位で画像形成装置の動作状況が異なる場合にも、作業効率が落ちることを防止しながら、画像形成装置の省エネ効果を維持させることができる。
なお、部署によっては例えば夜間は画像形成装置100の電源が完全に切断されたりする場合が考えられる。そうした場合にはその時間帯のログを取得できない。したがって、そうした場合には、オートモードではその時間帯の省エネ動作パターンを決定できなくなるという問題がある。そうした場合の考え方として、予めデフォルトの省エネ動作パターン(デフォルトスケジュール)を決定しておき、ログが取得できなかった時間帯についてはそのデフォルトの省エネ動作パターンを割当てるようにすればよい。通常は、デフォルトは「省電力」動作モードとするのが適切と思われる。ログが取得できないということは、その時間帯に画像形成装置100を動作させておく必要があまりないということだからである。
こうした場合、図8に示す省エネ動作パターンテーブル358の表示については、デフォルト値が割当てられたときには他の部分とは異なる表示(例えばグレー表示)をするようにしてもよいし、割当てられた表示と同じ表示をするようにしてもよい。両者を切替えることができるようにすればより便利である。
なお上記本実施の形態のシステムの説明では、画像形成装置100の外部にある管理者用のPC190から画像形成装置100の内部のウェブサーバを経由して省エネ動作パターンの確認と設定とを行なっている。しかし本実施の形態のシステムで省エネ動作パターンの設定を行なう際には、既に述べたように、画像形成装置100のタッチパネルディスプレイ130を使用して同様の設定を行なうことが可能である。
上記本実施の形態のシステムでは、省エネ動作パターンの学習及び設定は、特定日別かつ1時間ごとの時間帯別であった。しかし本実施の形態のシステムはそのような実施の形態には限定されない。例えば時間帯は、より短い時間を単位とするようにしても良いし、より長い時間を単位とするようにしても良い。全ての時間帯について同じ長さとなるようにしなくてもよい。たとえば日中は1時間単位で管理し、夜間は3時間単位で管理するようにしてもよい。
上記本実施の形態のシステムでは、表50の各セルの色を別々にしている。しかしこのシステムはそのような実施の形態には限定されない。文字、図形又はアイコン等で省エネ動作パターンを表しても良い。
省エネ動作パターンテーブル358は、その全体が画面に表示される例を示したが、画面の高さが小さい場合に備え、省エネ動作パターンテーブル358の部分を上下にスクロール可能にしてもよい。また、曜日別又は時間帯別にタブ表示するようにし、画面上で切替えるようにしてもよい。ただし、図8に示すように24時間単位、1週間単位で表示すると視覚的にも分かりやすいので好ましい。
上記本実施の形態のシステムでは、稼働率に応じて省エネ動作パターンを4段階に分けている。しかしこのシステムはそのような実施の形態には限定されない。より多くの段階に分けても良いし、段階数をより少なくしても良い。また、稼働率を上記した変形例等のように数値で算出するようにし、その数値に対する関数として、連続的に休止状態までの時間を変化させるようにしても良い。
上記実施の形態では、第1のグループは曜日によって分類され、第2のグループは日のみによって分類されている。したがって、例えば第1のグループに属する各グループは、一定の順番で規則的に(周期的に)繰返し出現し、その頻度はいずれのグループも同じである。第2のグループは大小の月があるため、それとはやや事情はことなるが、ほぼ同様の形で各グループが順序良く出現する。しかし、本発明がそのようなグループ分類に限定されないことはもちろんである。
例えば、あるグループに属する日が出現する頻度が他のグループに属する日が出現する頻度より高かったり、低かったりするようなグループの出現順序も考えられる。例えば隔週で金曜日の事業所の作業パターンが異なるような場合には、月曜〜木曜日についてはそれぞれ1グループずつ、金曜日については隔週で異なるので2グループ、合計8グループに分類する事が考えられる。これ以外にも種々のグループ分けの変形が考えられるが、それは事業所の実情によって適宜対応可能なものである。
上記実施の形態では、特定日としては最大で3日が設定可能である。しかし、設定可能な特定日を3日だけに限定する必要はない。例えば年単位で繰返す特定日の場合、その数が3日よりはるかに多くなることもあり得る。その場合でも、基本的には上記実施の形態において、特定日の数を3より大きな任意の数に設定することで容易に対応できる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。