JP6608121B2 - 圧力測定用材料、圧力測定用材料セット、圧力測定方法、及び圧力測定用液体セット - Google Patents

圧力測定用材料、圧力測定用材料セット、圧力測定方法、及び圧力測定用液体セット Download PDF

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Description

本開示は、圧力測定用材料、圧力測定用材料セット、圧力測定方法、及び圧力測定用液体セットに関する。
圧力の測定に用いられる材料は、液晶ガラスの貼合せ工程、プリント基板へのハンダ印刷、ローラ間の圧力調整、基板の貼り付け作業時の面圧力調整などの種々の用途への適用が期待されている。圧力の測定に用いられる材料の例として、例えば富士フイルム株式会社から提供されているプレスケール(商品名;登録商標)に代表される圧力測定フィルムがある。
上市されている圧力測定フィルムでは、例えば、以下の方法で、圧力が測定される。
即ち、ローラ間の圧力調整などの場面において、ローラ間の被圧部位に圧力測定フィルムを挟み込んで圧力を与え、被圧部位から圧力測定フィルムを取り出し、取り出した圧力測定フィルムの発色の度合いから圧力の均一性を視覚的に判断することができる。
近年では、例えば圧力測定フィルムの使用用途として、上記の用途以外に、ねじ等の固定部材の締付けを調整又は確認する用途が増す傾向にある。ねじ等の固定部材は、それ全体が締付けの役割を担う。また、締付け用の部材である例えばボルトは一般に金属で作製され、ボルトによる被圧部位はボルト自体で隠れて視認することはできない場合が多い。
このように、締付け用の部材自体が邪魔して被圧部位を観察することができない場合に、被圧部位の圧力ないし圧力分布を把握する手段が求められている。
上記した事情に関連する技術として、例えば、特開2009−19949号公報では、微小な圧力で視認ないし読み取り可能な濃度を得るため、0.05MPaでの加圧前後における発色濃度差ΔDが0.02以上である圧力測定用材料が提案されている。
また、例えば、特開2009−19949号公報には、2枚の平座金の間に発色剤を封入してマイクロカプセル化した粒体が配合された表示部が介在した締付表示体が開示されており、表示部が外部から目視可能にはみ出すはみ出し部を形成して、ねじの締付を目視により確認できることが記載されている。
上記のように、例えば圧力測定フィルムを、ねじ等の固定部材における締付けの確認に適用する場合、締付けた後に圧力測定フィルムの発色度合いを確認するためにはねじを緩める必要がある。この方法では、締付けの点で重複作業が生じるばかりか、締付けたねじ等の締付け度合いの確認が直接的に行えない。
また、従来から提供されている例えば圧力測定フィルムは、製品の高機能化及び高精細化に合わせて、圧力分布を精密に把握する必要性などから、発色像を鮮鋭に発現する性能を有していることが多い。加えて、従来から提供されている例えば圧力測定フィルムは、微小な圧力領域でも圧力分布が把握可能なように、発色部における滲みが発生しにくい性状も有していることが多い。そのため、例えばねじ等の金属製の部材を締付けて固定化するような場合には、被圧部位に配置した圧力測定フィルムがねじ等で隠れてしまい、被圧部位の圧力をねじ等を通して視覚的に把握することは難しい。
上記の通り、特開2009−19949号公報には、締付表示体の表示部によってねじの締付が目視で確認できることが記載されているが、表示部についての詳細がなく、単に感圧フィルムなどを用いてもよいと記載されているに留まる。上記したように、従来の圧力測定フィルムの発色剤層には、色が滲まない設計が施されていることが通例であり、特開2009−19949号公報のように、単に例えばボルトより大サイズの表示部を設けても、圧力が直接与えられないボルトの外側の領域での発色は期待できない。したがって、特開2009−19949号公報に記載の締付表示体では、圧力の度合いに応じた色濃度又は色相を得ることはできず、ひいては圧力分布の表示も不可能である。
さらに、例えば圧力測定フィルムには、ネジ等の固定部材で締付けた際の締付圧の履歴を一定の期間保存しておきたいとの要求もある。
本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものである。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、被圧部位を視認し得ない使用態様における圧力又は圧力分布が視覚的に捉えられる圧力測定用材料、圧力測定用材料セット、圧力測定方法、及び圧力測定用液体セットを提供することにある。
上記の課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 支持体と、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層と、支持体と発色剤層との間に配置され、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層と、を有し、
先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下である、圧力測定用材料である。
<2> 顕色剤層は、空隙量が1ml/m〜10ml/mである<1>に記載の圧力測定用材料である。
<3> 発色剤層は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルの含有量が、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分に対して40質量%以上である<1>又は<2>に記載の圧力測定用材料である。
<4> 顕色剤層は、電子受容性化合物の含有量が、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分に対して、10質量%〜50質量%である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料である。
<5> 電子受容性化合物の平均一次粒子径が10μm以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料である。
<6> 顕色剤層は、更に、水溶性高分子化合物を含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料である。
<7> 水溶性高分子化合物の含有量が、顕色剤層の全固形分に対して、20質量%以上である<6>に記載の圧力測定用材料である。
<8> 発色剤層は、更に、顕色剤層の表面に対する接触角が30°以下であるオイル成分を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料である。
<9> 電子供与性染料前駆体を含む発色剤層を有する発色材料と、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層を有する顕色材料と、を含み、
先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下である、圧力測定用材料セットである。
<10> 顕色剤層は、空隙量が1ml/m〜10ml/mである<9>に記載の圧力測定用材料セットである。
<11> 発色剤層は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルの含有量が、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分に対して50質量%以上である<9>又は<10>に記載の圧力測定用材料セットである。
<12> 2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の一方に、電子受容性化合物を含む顕色剤層用液体を付与し、顕色剤層を形成する工程と、顕色剤層の上又は被圧部位の他方に、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層用液体を付与して発色剤層を形成する工程と、被圧部位に形成された顕色剤層及び発色剤層に対して圧力を与えて発色させる工程と、を有し、
被圧部位における、発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計の付与量に対する、発色剤層用液体の付与量の比率が、質量基準で0.5を超え0.8以下であり、
発色させる顕色剤層及び発色剤層は、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が5mmを越えて10mm以下である、圧力測定方法である。
<13> <1>〜<8>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料又は<9>〜<11>のいずれか1つに記載の圧力測定用材料セットを被圧部位に配置し、顕色剤層及び発色剤層に対して圧力を与えて発色させる工程を有する、圧力測定方法である。
<14> 被圧部位の材質が、金属又は樹脂である<12>又は<13>に記載の圧力測定方法である。
<15> 電子供与性染料前駆体を含む発色剤層用液体と、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層用液体と、を含み、圧力測定に使用される発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計量に対する、発色剤層用液体の量の比率が、質量基準で0.5を超え0.8以下である、圧力測定用液体セットである。
本発明の実施形態によれば、被圧部位を視認し得ない使用態様における圧力又は圧力分布が視覚的に捉えられる圧力測定用材料、圧力測定用材料セット、圧力測定方法、及び圧力測定用液体セットが提供される。
以下、本開示の圧力測定用材料及び圧力測定用材料セット、圧力測定方法、並びに圧力測定用液体セットについて、詳細に説明する。
なお、本明細書中に記載の「〜」の表記は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書中の「工程」の用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば本用語に含まれる。
また、本明細書中において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に相当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書中において、電子供与性染料前駆体を「発色剤」ともいい、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を「顕色剤」ともいう。
<圧力測定用材料>
本開示の圧力測定用材料は、支持体上に、支持体側から順次、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層と、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層と、を有する。そして、本開示の圧力測定用材料は、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下の範囲とされている。
本開示の圧力測定用材料は、電子供与性染料前駆体(発色剤)及び好ましくは溶媒を内包したマイクロカプセルと、電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物(顕色剤)と、を単一の支持体上に設けた、いわゆるモノシートタイプの材料である。
モノシートタイプでは、圧力測定用材料を単独で圧力又は圧力分布を測定したい被圧部位に挟んで加圧し、測定する。
圧力の測定に用いられる材料は、従来から提案され、広く利用されるに至っているが、ガラスの貼合時の圧力分布又はロール対間の圧力分布等のように、被圧部位に圧力測定用の材料を載置又は通過等して圧力を与えた後に材料を取り出し、取り出した材料の発色状態を測定することが多い。ところが、ねじ等の固定部材などの場合、あらかじめ定めた位置に締付けた後に一旦緩める作業を設けなければ、圧力を与えた後に材料を取り出すことができず、したがって発色状態の測定も行えない。
ねじ等の固定部材における締付けの確認を行う場合に、ねじ等を締付けた後に圧力の度合いを確認するためにねじを緩めることは、締付け作業が再度発生するだけでなく、締付けたねじ等が良好に締付けられていることを直接的に確認することができない。
上記の特開2009−19949号公報では、表示部のはみ出しにより締付が目視で確認できるとされているものの、表示部についての具体的な手段に関する開示はなされていない。既述のように、製品の高機能化及び高精細化に鑑みると、従来の例えば圧力測定フィルムにおける発色剤層は一般に色が滲まない設計が施されていることから、特開2009−19949号公報に記載の発明では、ねじ等で隠れて視認し得ない領域の圧力の度合い又は圧力分布を正確に把握することは困難である。
本開示は、上記に鑑みたものであり、ねじ等のように、金属製の部材で作製され、ねじ等によって締付けられた被圧部位がねじ等自体で隠れて視認することはできない場合にも、締付け時の圧力又は圧力分布を視覚的に捉えることが可能になる。
具体的には、圧力測定用材料(具体的には発色剤層及び顕色剤層)に対し、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合に、発色する発色部の直径を5mmを越えて10mm以下の範囲として発色させる。つまり、加圧されて発色する際、被圧部位での発色が周囲に滲み出し、発色部が被圧部位の面積より大きくなることで、被圧部位から外れた領域(例えばボルトによる締付領域の外周部)において圧力に応じた色濃度又は色相を捉えることができる。また、発色部の色濃度の変化又は色相の変化によって圧力分布を把握することも可能である。
本開示の圧力測定用材料では、加圧は、任意の方法により点、線、又は面で圧力(点圧、線圧、又は面圧等)を与えることにより行うことができる。本開示の圧力測定用材料は、特に締付け等によって被圧部位が視認し得ない使用態様において圧力の度合い又は圧力分布を測定するのに適している。
圧力測定用材料は加圧されることで、発色剤層中の電子供与性染料前駆体が顕色剤層において電子受容性化合物と反応することによって着色が発現する。例えば、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含む発色剤層では、マイクロカプセルが破壊されて電子供与性染料前駆体を含む内包物が放出され、加圧する圧力に対応して電子供与性染料前駆体を含む内包物が圧力に応じた量で放出されることにより、電子受容性化合物との反応量が調節され、濃淡のある発色又は色のグラデーションが得られる。
本開示の圧力測定用材料は、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下とされる。これは、直径5mmの端子で加圧されて発色する際、被圧部位での発色が周囲に滲み出し、発色部が被圧部位の面積に対して適度な範囲で大きくなることを示す。
ここで、発色部の「直径」としたのは、端子の先端形状が直径5mmの円形であるとした場合に、直径5mmの円形に対して、放射状に発色部が滲んで大きくなって同心円形になることを想定したものである。したがって、「先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が5mmを越えて10mm以下」であることは、発色部位の大きさ(即ち面積)が、被圧部位の大きさ(即ち面積)に対し、等倍を超えて4倍以下となることを意味する。つまり、被圧部位の形状が円形でない場合、発色部は、被圧部位の大きさ(即ち面積)に対して等倍を超えて4倍以下の範囲で形成される。
発色部の直径が5mmを越えると、発色部の面積拡大が期待できない従来の材料に比べ、被圧部位より面積の大きい発色部が得られ、ねじ等の固定部材のように締付けられる被圧部位が視認し得ない場合の圧力の度合い又は圧力分布を測定するのに適している。特に被圧部位から外れた領域(例えばボルトによる締付領域の外周部)において圧力に応じた色濃度又は色相変化を捉えることができる。
また、発色部の直径が10mm以下であることで、滲み出た色素が多くなり過ぎて垂れる等して測定対象を汚染する虞が少ない。
上記圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径としては、6mm〜10mmが好ましい。更に、発色部の直径は、発色部の視認性の観点からは、7.5mm〜10mmがより好ましく、発色部の視認性が高く、かつ、外観を損なわない観点からは、7.5mm〜9.0mmがより好ましい。
発色部の直径は、プレスケール専用加圧器(FPLH、富士フイルム株式会社製)を用い、円形状の先端を有し、かつ、先端の直径が5mmである端子を圧力測定用材料にあてて50MPaの圧力で加圧して発色した発色部の直径を、スケーラーで測定することにより得られる値である。
上記圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径の調節は、顕色剤層の空隙率、顕色剤層中の顕色剤の含有量もしくは粒子径、発色剤層中のマイクロカプセルもしくはオイル成分の含有量、顕色剤層中の水溶性高分子化合物の有無もしくは含有量、発色剤層中のオイル成分の顕色剤層の表面における接触角、等によって行うことができる。
次に、本開示の圧力測定用材料の発色剤層、顕色剤層及び支持体について詳述する。
−発色剤層−
本開示の圧力測定用材料は、支持体上に形成された顕色剤層の上に発色剤層を有する。
発色剤層は、少なくとも電子供与性染料前駆体を含有し、必要に応じて、更に他の成分を含んでもよい。
発色剤層に含まれる電子供与性染料前駆体は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルの形態で含まれていることが好ましい。
電子供与性染料前駆体がマイクロカプセルに内包されることで、圧力に対応してマイクロカプセルから放出される電子供与性染料前駆体の量が調節され、電子受容性化合物との反応量の変化に起因して発色部の色濃度又は発色分布の変化を良好に発現させることができる。
マイクロカプセルは、発色成分である電子供与性染料前駆体を内包し、好ましくは溶媒を内包し、必要に応じて、更に、補助溶媒、及び添加剤等を内包してもよい。
マイクロカプセルの数平均壁厚δは、カプセル壁材の種類及びカプセル径等の種々の条件に依存するが、微小な圧力(例えば0.05MPaを下回る圧力)で破壊可能である観点から、0.05μm〜1.0μmが好ましく、0.10μm〜0.80μmがより好ましい。
マイクロカプセルの壁厚とは、マイクロカプセルのカプセル粒子を形成する樹脂膜(いわゆるカプセル壁)の厚み(μm)を指し、数平均壁厚とは、5個のマイクロカプセルの個々のカプセル壁の厚み(μm)を走査型電子顕微鏡(SEM)により求めて平均した平均値をいう。具体的には、まずマイクロカプセル液を任意の支持体上に塗布し、乾燥して塗布膜を形成する。得られた塗布膜の断面切片を作成し、その断面をSEMを用いて観察し、任意の5個のマイクロカプセルを選択の上、選択した個々のマイクロカプセルの断面を観察してカプセル壁の厚みを求めて平均値を算出する。
マイクロカプセルの粒子径は、平均一次粒子径で1.0μm〜50.0μmが好ましく、5.0μm〜30.0μmがより好ましい。
マイクロカプセルの平均一次粒子径は、発色剤層形成用の発色剤層用液体に対して、レーザ回折散乱法により測定される値であり、例えば、粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装株式会社製)を用いて測定される。
発色剤層は、乾燥後の発色剤層中におけるマイクロカプセルの含有量を3.0g/m〜100.0g/mの範囲として発色剤層用液体を付与(例えば塗布)し、乾燥させて形成することができる。
マイクロカプセルの発色剤層中における含有量としては、5.0g/m〜50.0g/mが好ましく、10.0g/m〜40.0g/mがより好ましい。
また、発色剤層形成用の発色剤層用液体を塗布して発色剤層を形成する場合、塗布は、公知の塗布法により行うことができ、後述の顕色剤層用液体に使用可能な塗布法と同様である。
マイクロカプセルの含有量(塗布による場合は塗布量)としては、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分質量に対して、40質量%以上が好ましい。マイクロカプセルの含有量が40質量%以上であることは、マイクロカプセルがオイル成分を含む場合に、発色剤層中のオイル量が多いことを示す。オイル量が増えることで、圧力が与えられた際に発色部に滲みを生じさせやすく、発色する発色面積をより拡大しやすくなる。
マイクロカプセルの含有量としては、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分質量に対して、40質量%〜80質量%がより好ましく、50質量%〜75質量%が更に好ましい。マイクロカプセルの含有量が80質量%以下であると、発色能力の点で有利である。
(電子供与性染料前駆体)
発色剤層は、電子供与性染料前駆体の少なくとも一種を含み、電子供与性染料前駆体をマイクロカプセルに内包して含むことが好ましい。
電子供与性染料前駆体は、感圧複写紙あるいは感熱記録紙の用途において公知のものを使用することができる。電子供与性染料前駆体としては、例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物など各種の化合物を使用することができる。
上記の化合物の詳細については、特開平5−257272号公報の記載を参照することができる。
電子供与性染料前駆体は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
電子供与性染料前駆体は、微小な圧力範囲での発色性を高め、微少な圧力で高い濃度、すなわち広い圧力範囲に対応する濃度変化(濃度勾配)を発現する観点から、モル吸光係数εの高いものが好ましい。電子供与性染料前駆体のモル吸光係数εは、10000mol−1・cm−1・L以上であることが好ましく、15000mol−1・cm−1・L以上あることがより好ましく、更には25000mol−1・cm−1・L以上あることが好ましい。
モル吸光係数εが上記の範囲にある電子供与性染料前駆体の好ましい例としては、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド(ε=61000)、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−n−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド(ε=40000)、3−[2,2−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)ビニル]−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−フタリド(ε=40000)、9−[エチル(3−メチルブチル)アミノ]スピロ[12H−ベンゾ[a]キサンテン−12,1’(3’H)イソベンゾフラン]−3’−オン(ε=34000)、2−アニリノ−6−ジブチルアミノ−3−メチルフルオラン(ε=22000)、3−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB2ともいう;ε=50000)、6−ジエチルアミノ−3−メチル−2−(2,6−キシリジノ)−フルオラン(ε=19000)、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン(ε=21000)、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(CVL:クリスタルバイオレットラクトンともいう;ε=16000)、2−アニリノ−6−ジエチルアミノ−3−メチルフルオラン(ε=16000)等が挙げられる。
モル吸光係数εが上記の範囲にある電子供与性染料前駆体を1種単独で用いる場合、あるいはモル吸光係数εが上記の範囲にある電子供与性染料前駆体を含む2種以上を混合して用いる場合、電子供与性染料前駆体の合計量に占める、モル吸光係数εが10000mol−1・cm−1・L以上の電子供与性染料前駆体の割合は、微小な圧力範囲での発色性を高め、広い圧力範囲に対する濃度変化(濃度勾配)を発現させる観点から、10質量%〜100質量%の範囲が好ましく、20質量%〜100質量%の範囲がより好ましく、30質量%〜100質量%の範囲が更に好ましい。
2種以上の電子供与性染料前駆体を用いる場合、モル吸光係数εがそれぞれ10000mol−1・cm−1・L以上のものを2種以上併用するのが好ましい。
モル吸光係数εは、電子供与性染料を95%酢酸水溶液中に溶解したときの吸光度から算出することができる。具体的には、吸光度が1.0以下となるように濃度を調節した電子供与性染料の95%酢酸水溶液において、測定用セルの長さをAcm、電子供与性染料の濃度をB mol/L、吸光度をCとしたときに、下記式によって算出することができる。
モル吸光係数ε= C/(A×B)
電子供与性染料前駆体の発色剤層における含有量(例えば塗布量)は、微小な圧力範囲での発色性を高める観点から、乾燥後の質量で0.1g/m〜5g/mが好ましく、0.1g/m〜4g/mがより好ましく、0.2g/m〜3g/mがさらに好ましい。
(オイル成分)
発色剤層は、更に、顕色剤層の表面に対する接触角が30°以下であるオイル成分を含むことが好ましい。また、発色剤層は、オイル成分をマイクロカプセルに内包して含むことが好ましい。
オイル成分の顕色剤層の表面に対する接触角が30°以下であると、発色剤層から供給されるオイル成分が顕色剤層の表面において濡れ拡がりやすい。そのため、圧力が与えられた際に発色部に滲みを生じさせやすく、発色する発色面積をより拡大しやすくなる。
顕色剤層の表面に対する接触角としては、上記と同様の理由から、低いほど好ましく、25°以下がより好ましい。接触角の下限値は、5°以上が好ましい。
顕色剤層の表面に対する接触角は、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成された顕色剤層の表面にオイル成分を1μL滴下し、0.1秒経過時点で動的接触角測定装置(FIBRO DAT 1100、Fibro社製)により測定される値である。
オイル成分としては、溶媒を挙げることができる。
溶媒としては、感圧複写紙用途において公知のものを使用することができ、例えば、ジイソプロピルナフタレン等のアルキルナフタレン系化合物、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−フェニル−1−エチルフェニルエタン等のジアリールアルカン系化合物、イソプロピルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル等のアルキルビフェニル系化合物、トリアリールメタン系化合物、アルキルベンゼン系化合物、ベンジルナフタレン系化合物、ジアリールアルキレン系化合物、アリールインダン系化合物等の芳香族炭化水素;フタル酸ジブチル、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素、大豆油、コーン油、綿実油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ひまし油、魚油等の天然動植物油等、鉱物油等の天然物高沸点留分等が挙げられる。
オイル成分は、1種単独で含む以外に、2種以上を混合して含んでもよい。
オイル成分をマイクロカプセルに内包させる場合、マイクロカプセルに内包される、オイル成分(好ましくは溶媒)と電子供与性染料前駆体との質量比(オイル成分:前駆体)としては、発色性の点で、98:2〜30:70の範囲が好ましく、97:3〜40:60の範囲がより好ましく、95:5〜50:50の範囲が更に好ましい。
(補助溶媒)
発色剤層は、必要に応じて、補助溶媒をマイクロカプセルに内包して含んでもよい。
補助溶媒としては、沸点が50℃以下である溶媒が挙げられ、例えば、メチルエチルケトン等のケトン系化合物、酢酸エチルなどのエステル系化合物、イソプロピルアルコール等のアルコール系化合物等が含まれる。
(他の成分)
発色剤層は、電子供与性染料前駆体、オイル成分及び補助溶媒に加え、必要に応じて、更に、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、水溶性高分子結着剤、疎水性高分子結着剤、界面活性剤、無機粒子(例えばシリカ粒子)、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、ワックス、臭気抑制剤、及び防腐剤等などを挙げることができる。
上記の添加剤は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルに内包されてもよい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(例えば、第一工業製薬(株)のネオゲンT等)、及びノニオン系界面活性剤であるポリオキシアルキレンラウリルエーテル(例えば、第一工業製薬(株)のノイゲンLP70等)などが挙げられる。
シリカ粒子としては、例えば、気相法シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。上市されている市販品としては、例えば、日産化学(株)のスノーテックスシリーズ(例えばスノーテックス(登録商標)30)等を用いることができる。
マイクロカプセルの作製方法については、特に制限はなく、従来公知の方法を適用することができ、例えば、特開2009−019949号公報の段落番号0036〜0044に記載の方法を参照することができる。
発色剤層の厚みとしては、特に制限はなく、目的等に応じて選択することができる。
発色剤層の厚み(マイクロカプセル径が層厚より大きい場合は層表面から露出したマイクロカプセルを除く厚み)は、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜40μmがより好ましい。
−顕色剤層−
本開示の圧力測定用材料は、支持体上(即ち、支持体と上記発色剤層との間)に顕色剤層を有する。
顕色剤層は、少なくとも顕色剤である電子受容性化合物を含み、好ましくは水溶性高分子化合物を含み、必要に応じて、更に、水溶性高分子化合物以外のバインダー、顔料、及び添加剤等の他の成分を含んでもよい。
本開示の圧力測定用材料における顕色剤層は、空隙量が1ml/m〜10ml/mであることが好ましい。
顕色剤層の空隙量が1ml/m以上であると、被圧部位に対して発色部の色が拡がり(にじみ)過ぎず、被圧部位に対し適切な範囲に色の拡がり(にじみ)を発現させることができる。また、顕色剤層の空隙量が10ml/m以下であることで、被圧部位に対する発色部の色の拡がり(にじみ)が適切な範囲に発現する。
顕色剤層の空隙量としては、2ml/m〜8ml/mがより好ましく、3ml/m〜6ml/mが更に好ましい。
顕色剤層の空隙量は、下記式により求められる値である。
顕色剤層を形成したPETフィルムを10cm×10cmに裁断し、質量(m)を測定する。続いて、PETフィルム上の顕色剤層にジエチレングリコールを浸透させ、表面に残ったジエチレングリコールを拭き取った後、質量(m)を測定する。そして、X=m−mとすると、下記式から空隙量が求められる。なお、ジエチレングリコールの密度は、1.118である。
空隙量(ml/m)= 100×X÷1.118
(電子受容性化合物)
顕色剤層は、電子受容性化合物の少なくとも一種を含む。
電子受容性化合物としては、無機化合物及び有機化合物を挙げることができる。
無機化合物の具体例としては、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、カオリンのような粘土物質等が挙げられる。
有機化合物の具体例としては、芳香族カルボン酸の金属塩、フェノールホルムアルデヒド樹脂、カルボキシル化テンペルフェノール樹脂の金属塩等が挙げられる。
中でも、酸性白土、活性白土、ゼオライト、カオリン、芳香族カルボン酸の金属塩、カルボキシル化テンペルフェノール樹脂の金属塩が好ましく、酸性白土、活性白土、カオリン、芳香族カルボン酸の金属塩であることがより好ましい。
芳香族カルボン酸の金属塩の好ましい具体例としては、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸、3,5−ジ−t−ノニルサリチル酸、3,5−ジ−t−ドデシルサリチル酸、3−メチル−5−t−ドデシルサリチル酸、3−t−ドデシルサリチル酸、5−t−ドデシルサリチル酸、5−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−メチル−5−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−メチルサリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−メチルサリチル酸、3−(α−メチルベンジル)−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−(α,α−ジメチルベンジル)−6−エチルサリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベンジル)サリチル酸、カルボキシ変性テルペンフェノール樹脂、3,5−ビス(α−メチルベンジル)サリチル酸とベンジルクロリドとの反応生成物であるサリチル酸樹脂等の、亜鉛塩、ニッケル塩、アルミニウム塩、カルシウム塩等を挙げることができる。
顕色剤層は、電子受容性化合物の含有量が、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分に対して、10質量%〜50質量%であることが好ましい。電子受容性化合物の含有量が10質量%以上であることで、電子供与性染料前駆体の発色性が良好になり、色濃度又は発色分布の調節に好適である。また、電子受容性化合物の含有量が50質量%以下であると、電子受容性化合物に由来して空隙率がより低減され、発色面積の拡大に好適である。
電子受容性化合物の含有量としては、上記と同様の理由から、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜35質量%が更に好ましい。
電子受容性化合物の顕色剤層中における含有量(塗布による場合は塗布量)は、乾燥質量で2g/m〜30g/mが好ましい。より好ましくは3g/m〜20g/mであり、さらに好ましくは5g/m〜15g/mである。
顕色剤層は、顕色剤層形成用の顕色剤層用液体を調製して成膜することにより形成することができる。顕色剤層は、例えば、支持体上に顕色剤層用液体を塗布等の方法で付与し、乾燥させることにより形成されてもよい。
顕色剤層用液体は、電子受容性化合物を水等に分散した分散液でもよい。
電子受容性化合物を分散した分散液は、電子受容性化合物が無機化合物である場合は、無機化合物を機械的に水に分散処理させることにより調製することができる。また、電子受容性化合物が有機化合物である場合は、顕色剤層用液体は、有機化合物を機械的に水に分散処理するか、又は有機溶媒に溶解することにより調製することができる。
顕色剤層用液体の調製法の詳細については、特開平8−207435号公報に記載の方法を参照できる。
上記した電子受容性化合物を分散した分散液は、そのまま電子受容性化合物を含む顕色剤層を形成するための顕色剤層用液体(例えば塗布液)としてもよい。
電子受容性化合物の粒子径は、平均一次粒子径で10μm以下であることが好ましい。電子受容性化合物の平均一次粒子径が10μm以下であると、オイルの吸収量が少なく、滲みの点で有利である。
電子受容性化合物の平均一次粒子径としては、9μm以下がより好ましく、7μm以下が更に好ましい。
また、電子受容性化合物の平均一次粒子径の下限は、0.1μm以上が好ましい。
電子受容性化合物の平均一次粒子径は、顕色剤層形成用の顕色剤層用液体に対して、レーザ回折散乱法により測定される値であり、例えば、粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装株式会社製)を用いて測定される。
(水溶性高分子化合物)
顕色剤層は、更に、水溶性高分子化合物を含むことが好ましい。顕色剤層が水溶性高分子化合物を含むことで、顕色剤層の空隙量をより低減することができる。
水溶性高分子化合物としては、例えば、親水性部位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、ゼラチン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。
また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
中でも、水溶性高分子化合物としては、特にポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。
ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号等の各公報に記載されたものが挙げられる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹脂の例としては、特開平11−165461号公報の段落0011〜0014に記載の化合物などが挙げられる。
水溶性高分子化合物は、一種単独で用いるほか、二種以上を併用してもよい。
水溶性高分子化合物の含有量が、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。水溶性高分子化合物の含有量が10質量%以上であると、顕色剤層の空隙量の低減に効果があり、空隙量を10ml/m以下に調整しやすい。
水溶性高分子化合物の含有量としては、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分に対して、22質量%〜40質量%が好ましい。
(他の成分)
顕色剤層は、電子受容性化合物に加えて他の成分を含有していてもよい。
他の成分としては、バインダー、顔料、並びに蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、防腐剤等の添加剤等が挙げられる。
バインダーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、ポリアクリル酸、無水マレイン酸−スチレン−共重合体、カゼイン、アラビアゴムが挙げられる。
顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、種々の形態(米粒状、角状、紡錘状、イガ状、球状、アラゴナイト系柱状、無定形等)の軽質炭酸カルシウム、タルク、ルチル型、又はアナターゼ型の二酸化チタン等が挙げられる。
顕色剤層は、乾燥後の顕色剤層中における電子受容性化合物の含有量を0.1g/m〜50g/mの範囲として顕色剤層用液体を付与(例えば塗布)し、乾燥させて形成することができる。
顕色剤層形成用の顕色剤層用液体を塗布して顕色剤層を形成する場合、塗布は、公知の塗布法により行うことができ、既述の発色剤層を形成する場合と同様の塗布法を適用することができる。
−支持体−
本開示の圧力測定用材料は、支持体を有している。
支持体は、シート状、フィルム状、又は板状等のいずれであってもよい。
支持体の具体的な例としては、紙、プラスチックフィルム、合成紙等が挙げられる。
紙の具体例としては、上質紙、中質紙、更紙、中性紙、酸性紙、再生紙、コート紙、マシンコート紙、アート紙、キャストコート紙、微塗工紙、トレーシングペーパー、再生紙等を挙げることができる。
プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース等のセルロース誘導体フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム等を挙げることができる。
合成紙の具体例としては、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート等を二軸延伸してミクロボイドを多数形成したもの(ユポ等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合成繊維を用いて作製したもの、これらを紙の一部、片面もしくは両面に積層したもの等が挙げられる。
中でも、加圧により生じる発色濃度をより高める観点から、支持体としては、プラスチックフィルム、合成紙が好ましく、プラスチックフィルムがより好ましい。
<圧力測定用材料セット>
本開示の圧力測定用材料セットは、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層を有する発色材料と、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層を有する顕色材料と、を含み、
先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下の範囲とされている。
本開示の圧力測定用材料セットは、発色材料及び顕色材料に加え、必要に応じて、他の材料を含んでいてもよい。
本開示の圧力測定用材料セットは、電子供与性染料前駆体(発色剤)及び好ましくは溶媒を内包したマイクロカプセルと、電子供与性染料前駆体と反応して発色させる電子受容性化合物(顕色剤)と、をそれぞれ別個の基材に設けた、いわゆる2シートタイプの材料である。
発色材料は、支持体と、支持体上に配置され、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層と、を有する態様でもよい。
また、顕色材料は、支持体と、支持体上に配置され、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層と、を有する態様でもよい。
発色材料の発色剤層に含まれる電子供与性染料前駆体は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルの形態で含まれていることが好ましい。
電子供与性染料前駆体がマイクロカプセルに内包されることで、圧力に対応してマイクロカプセルから放出される電子供与性染料前駆体の量が調節され、電子受容性化合物との反応量の変化に起因して発色部の色濃度又は発色分布の変化を良好に発現させることができる。
発色材料において、マイクロカプセルの発色剤層中における含有量(塗布による場合は塗布量)としては、発色材料及び顕色材料の合計の全固形分質量に対して、40質量%以上が好ましい。マイクロカプセルの含有量が40質量%以上であることは、マイクロカプセルがオイル成分を含む場合に、発色剤層中のオイル量が多いことを示す。発色剤層中のオイル量が増えることで、圧力が与えられた際に発色部に滲みを生じさせやすく、発色する発色面積をより拡大しやすくなる。
マイクロカプセルの含有量としては、発色材料及び顕色材料の合計の全固形分質量に対して、40質量%〜80質量%がより好ましく、50質量%〜75質量%が更に好ましい。マイクロカプセルの含有量が80質量%以下であると、発色性の点で有利である。
顕色材料の顕色剤層は、空隙量が1ml/m〜10ml/mであることが好ましい。
顕色剤層の空隙量が1ml/m以上であると、被圧部位に対して発色部の色が拡がり(にじみ)過ぎず、被圧部位に対し適切な範囲に色の拡がり(にじみ)を発現させることができる。また、顕色剤層の空隙量が10ml/m以下であることで、被圧部位に対する発色部の色の拡がり(にじみ)が適切な範囲に発現する。
顕色剤層の空隙量としては、2ml/m〜6ml/mがより好ましく、3ml/m〜6ml/mが更に好ましい。
顕色剤層の空隙量は、下記式により求められる値である。
10cm×10cmに裁断した顕色材料の質量(m)を測定する。次いで、ジエチレングリコールを顕色材料の顕色剤層に浸透させ、表面に残ったジエチレングリコールを拭き取った後、質量(m)を測定する。そして、X=m−mとすると、下記式から空隙量が求められる。なお、ジエチレングリコールの密度は、1.118である。
空隙量(ml/m)= 100×X÷1.118
なお、上記のほか、圧力測定用材料セットにおける、発色材料の発色剤層、顕色材料の顕色剤層、及び支持体の詳細については、既述の圧力測定用材料における場合と同様であり、好ましい態様も同様である。
本開示の圧力測定用材料セットは、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下とされる。これは、直径5mmの端子で加圧されて発色する際、被圧部位での発色が周囲に滲み出し、発色部が被圧部位の面積に対して適度な範囲で大きくなることを示す。この点は、既述の圧力測定用材料において説明した通りである。
上記圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径としては、6mm〜10mmが好ましい。更に、発色部の直径は、発色部の視認性の観点からは7.5mm〜10mmがより好ましく、発色部の視認性が高く、かつ、外観を損なわない観点からは7.5mm〜9.0mmがより好ましい。
発色部の直径は、プレスケール専用加圧器(FPLH、富士フイルム株式会社製)を用い、円形状の先端を有し、かつ、先端の直径が5mmである端子を、被圧部位上の顕色材料の上に重ねられた発色材料にあてて、50MPaの圧力で加圧して発色した発色部の直径を、スケーラーで測定することにより得られる値である。
2シートタイプでは、発色剤層を有する発色材料及び顕色剤層を有する顕色材料を、発色材料の発色剤層の表面と顕色材料の顕色剤層の表面とを互いに接触させて重ね、発色材料及び顕色材料を重ねた状態で圧力又は圧力分布を測定したい部位に挟んで加圧し、測定する。
<圧力測定方法>
次に、本開示の圧力測定方法について態様ごとに説明する。
−第1の態様−
本開示の第1の態様の圧力測定方法は、既述の、発色剤層を形成するための発色剤層用液体、及び顕色剤層を形成するための顕色剤層用液体を用いて測定する方法である。
即ち、第1の態様の圧力測定方法は、
2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の一方に、電子受容性化合物を含む顕色剤層用液体を付与し、顕色剤層を形成する工程(以下、「顕色剤層形成工程」ともいう。)と、顕色剤層の上又は被圧部位の他方に、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層用液体を付与して発色剤層を形成する工程(以下、「発色剤層形成工程」ともいう。)と、被圧部位に形成された顕色剤層及び発色剤層に対して圧力を与えて発色させる工程(以下、「発色工程」ともいう。)と、を有し、
被圧部位における、発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計の付与量に対する、発色剤層用液体の付与量の比率を、質量基準で0.5を超え0.8以下とし、かつ、発色させる顕色剤層及び発色剤層は、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が5mmを越えて10mm以下の範囲とされている。
なお、「先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が5mmを越えて10mm以下の範囲」であることについては、既述の通りである。
本開示の第1の態様の圧力測定方法では、被圧部位における、発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計の付与量に対する、発色剤層用液体の付与量の比率を、質量基準で0.5を超え0.8以下の範囲とする。
この場合、発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計の付与量に対する、顕色剤層用液体の付与量の比率は、0.2以上0.5未満の範囲となる。
発色剤層及び顕色剤層を形成するにあたり、発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計の付与量のうち、発色剤層用液体の付与量の比率を、顕色剤層用液体の付与量に対して多くすることで、圧力測定用材料又は圧力測定用材料セットの、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径を、5mmを越えて10mm以下の範囲に調整することができる。
上記のうち、発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計の付与量に対する、発色剤層用液体の付与量の比率は、質量基準で0.6〜0.8が好ましい。
本開示の第1の態様の圧力測定方法では、既述のような圧力測定用材料、又は発色材料及び顕色材料を用意する必要がなく、被測定対象の被圧部位に直接、発色剤層用液体及び顕色剤層用液体を付与することによって、所望とする被圧部位の圧力を簡易に測定することができる。
被圧部位の材質としては、金属又は樹脂であることが好ましい。金属及び樹脂の種類については、特に制限はなく、所望とする材質を適宜選択すればよい。
本開示の第1の態様の圧力測定方法では、例えば、金属製の材料(例えば、ねじで締付けられる金属板)の表面に顕色剤層用液体を付与(例えば塗布)して顕色剤層を形成し、金属板に締付けるボルトが差し込まれるワッシャーの表面に発色剤層用液体を付与(例えば塗布)して発色剤層を形成する。そして、顕色剤層上に、顕色剤層と発色剤層とが接触するようにワッシャーを載置し、ねじを締付けて発色剤層及び顕色剤層に圧力がかかると発色し、ボルトの外側に滲み出た発色部において、圧力の度合い及び圧力分布を測定することができる。
また、例えば、金属製の材料(例えば、ねじで締付けられる金属板)の表面に顕色剤層用液体を付与(例えば塗布)して顕色剤層を形成し、形成された顕色剤層の上に更に発色剤層用液体を重ねて付与(例えば塗布)して発色剤層を積層し、ねじを締付けて発色剤層及び顕色剤層に圧力がかかると発色し、ボルトの外側に滲み出た発色部において、圧力の度合い及び圧力分布を測定することができる。
(顕色剤層形成工程)
顕色剤層形成工程では、2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の一方に、電子受容性化合物を含む顕色剤層用液体を付与し、顕色剤層を形成する。
2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の一方とは、互いに向かい合う位置関係にあって同じ圧力が与えられる2つの材料の片方の部材における被圧部位を指す。
2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の一方としては、2つの材料のうち、視認する方向から見てより遠い位置に配置された材料の被圧部位であることが好ましい。即ち、視認する方向から見てより遠い位置に配置された材料の被圧部位に顕色剤層を形成することが好ましい。
顕色剤層用液体は、電子受容性化合物を水等に分散した分散液でもよい。顕色剤層用液体には、分散液に加え、水溶性高分子化合物、バインダー、顔料、並びに蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、防腐剤等の添加剤などを加えてもよい。
電子受容性化合物を分散した分散液は、電子受容性化合物が無機化合物である場合は無機化合物を機械的に水に分散処理させることにより調製することができる。また、顕色剤層用液体は、電子受容性化合物が有機化合物である場合は、有機化合物を機械的に水に分散処理するか、又は有機溶媒に溶解することにより調製することができる。
顕色剤層用液体の調製法の詳細については、特開平8−207435号公報に記載の方法を参照できる。
顕色剤の顕色剤層用液体中における含有量は、発色剤層と顕色剤層の合計の全固形分に対して、10質量%〜50質量%が好ましく、15質量%〜35質量%がより好ましい。
顕色剤層用液体の付与は、公知の塗布法により行うことができる。
公知の塗布法としては、例えば、エアーナイフコーター、ロッドコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラビアコータ−、エクストルージョンコーター、ダイコーター、スライドビードコーター、ブレードコーター等を用いた塗布法を挙げることができる。
顕色剤層用液体の付与量は、2g/m〜30g/mが好ましく、3g/m〜 20g/mがより好ましい。
(発色剤層形成工程)
発色剤層形成工程では、顕色剤層の上又は被圧部位の他方に、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層用液体を付与して発色剤層を形成する。
2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の他方とは、互いに向かい合う位置関係にあって同じ圧力が与えられる2つの材料のうち、顕色剤層が形成されていない他の片方の部材における被圧部位を指す。
2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の他方としては、2つの材料のうち、視認する方向から見てより近い位置に配置された材料の被圧部位であることが好ましい。即ち、視認する方向から見てより近い位置に配置された材料の被圧部位に発色剤層を形成することが好ましい。
発色剤層は、例えば、支持体上に発色剤層用液体を塗布等の方法で付与し、乾燥させることにより形成されてもよい。
発色剤層に含有されるマイクロカプセルは、既述のように分散液として得てもよい。得られたマイクロカプセルの分散液は、そのまま電子供与性染料前駆体を含む発色剤層を形成するための発色剤層用液体としてもよい。
また、発色剤層用液体は、得られたマイクロカプセルの分散液に、さらに水溶性高分子結着剤(例えば、澱粉又は澱粉誘導体の微粉末、セルロース繊維粉末等の緩衝剤、ポリビニルアルコール等)、疎水性高分子結着剤(例えば、酢酸ビニル系、アクリル系、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス等)、界面活性剤、無機粒子(例えばシリカ粒子)、蛍光増白剤、消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、及び防腐剤等を添加して調製されてもよい。
マイクロカプセルの含有量は、発色剤層及び顕色剤層の合計の全固形分に対して、40質量%〜80質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。
発色剤層用液体の付与は、公知の塗布法により行うことができる。公知の塗布法としては、既述の顕色剤層用液体の付与に使用可能な塗布法と同様である。
発色剤層用液体の付与量は、5g/m〜100g/mが好ましく、10g/m〜50g/mがより好ましい。
(発色工程)
発色工程では、被圧部位に形成された顕色剤層及び発色剤層に対して圧力を与えて発色させる。
圧力の付与は、任意の方法により点、線、又は面で圧力(点圧、線圧、又は面圧等)を与えることにより行うことができる。
圧力は、視認性と圧力分布の確認のしやすさの観点から、1.0MPa〜100MPaの範囲で選択すればよい。
−第2の態様−
本開示の第2の態様の圧力測定方法は、圧力測定用材料又は圧力測定用材料セットを用いて測定する方法である。
即ち、本開示の第2の態様の圧力測定方法は、既述の圧力測定用材料又は既述の圧力測定用材料セットを被圧部位に配置し、顕色剤層及び発色剤層に対して圧力を与えて発色させる工程を有している。
本開示の第2の態様の圧力測定方法では、既述のような圧力測定用材料、又は発色材料及び顕色材料を用い、被圧部位に圧力測定用材料、又は発色材料及び顕色材料を配置して圧力を与えることにより、被圧部位の圧力を測定することができる。
被圧部位の材質には、特に制限はなく、金属又は樹脂であってもよい。金属及び樹脂の種類については、特に制限はなく、所望とする材質を適宜選択すればよい。
圧力測定用材料又は圧力測定用材料セット(発色材料及び顕色材料)の詳細については、既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
圧力の付与は、任意の方法により点、線、又は面で圧力(点圧、線圧、又は面圧等)を与えることにより行うことができる。
<圧力測定用液体セット>
本開示の圧力測定用液体セットは、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層用液体と、電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層用液体と、を含み、圧力測定に使用される発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の固形分合計量に対する、発色剤層用液体の固形分量の比率を、質量基準で0.5を超え0.8以下としたものである。
本開示の圧力測定液体セットは、発色剤層用液体と顕色剤層用液体とを別々に含むものであり、既述の本開示の第1の態様の圧力測定方法に好適である。
なお、電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物、並びに発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の詳細については既述の通りであり、好ましい態様も同様である。
また、「圧力測定に使用される発色剤層用液体及び顕色剤層用液体の合計量に対する、発色剤層用液体の量の比率」についても、既述の通りである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。但し、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」は質量基準である。
(実施例1)
−顕色剤含有液の調製−
電子受容性化合物(顕色剤)である活性白土:シルトンF−242(水澤化学工業株式会社)100部に、40質量%水酸化ナトリウム水溶液5部及び水300部を加えてホモジナイザーで分散し、これに更にカゼインのナトリウム塩の10質量%水溶液(バインダー)50部及びスチレン−ブタジエンラテックス(スマーテックスSN−307R、日本エイアンドエル株式会社製、固形分量=48質量%;バインダー)30部を添加し、電子受容性化合物を含有する顕色剤層用塗布液(顕色剤層用液体)を調製した。
顕色剤層用塗布液中に分散された電子受容性化合物の平均一次粒子径を粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、5μmであった。
−電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液の調製−
ハイゾールSAS−296(日本石油株式会社製のオイル成分(溶媒);1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンの混合物)70部に、電子供与性染料前駆体として3−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB2)9部を溶解し、溶液Aを得た。次に、メチルエチルケトン1部に溶解したエチレンジアミンのブチレンオキシド付加物0.4部を、攪拌している溶液Aに加えて溶液Bを得た。さらに、メチルエチルケトン1部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物2部を、攪拌している溶液Bに加えて溶液Cを得た。そして、水150部にポリビニルアルコール(PVA−205、(株)クラレ)6部を溶解した溶液中に上記の溶液Cを加えて、乳化分散した。乳化分散後の乳化液に水300部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後冷却した。水を加えて濃度を調整し、固形分濃度18質量%の電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(発色剤層用液体)を調製した。
また、マイクロカプセルの平均一次粒子径を粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、8.0μmであった。
−圧力測定用材料の作製−
上記より得た顕色剤層用塗布液を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に固形分塗布量を15g/mとしてバーコーターにより塗布し、顕色剤層を形成した。次いで、顕色剤層の上に重ねて、電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液を、固形分塗布量を35.0g/mとしてバーコーターにより塗布し、発色剤層を形成した。
このようにして、PETフィルム上に顕色剤層と発色剤層との2層が順次積層されたモノシートタイプの圧力測定用材料を作製した。
なお、顕色剤層及び発色剤層の塗布量は、それぞれ塗布前後での、20cm×20cmの質量を上皿天秤により測定して確認した。
−オイル成分の接触角−
電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液の調製に用いたオイル成分(ハイゾールSAS−296)の顕色剤層の表面での接触角は、以下のようにして測定した。
即ち、PETフィルム上に顕色剤層用塗布液を塗布し、乾燥させて形成された顕色剤層の表面に対し、オイル成分を1μL滴下して0.1秒経過した時点で動的接触角測定装置(FIBRO DAT 1100、Fibro社製)により測定した。以下に示す他の実施例及び比較例においても同様に測定した。
−測定・評価1−
上記の圧力測定用材料を用いて、以下の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表3に示す。
[1a.空隙量]
上記と同様にして顕色剤層を形成したPETフィルムを用意し、下記式から顕色剤層の空隙量を求めた。
顕色剤層を形成したPETフィルムを10cm×10cmに裁断し、質量(m)を測定した。次いで、ジエチレングリコールを顕色剤層の表面にのせて浸透させ、表面に残ったジエチレングリコールを拭き取った後、質量(m)を測定した。そして、X=m−mを算出し、下記式から空隙量を求めた。なお、ジエチレングリコールの密度は、1.118である。
空隙量(ml/m)= 100×X÷1.118
[2a.発色部の直径]
プレスケール専用加圧器(FPLH、富士フイルム株式会社製)を用い、円形状の先端を有し、かつ、先端の直径が5mmである端子を、圧力測定用材料の発色剤層の表面にあて、50MPaの圧力で加圧して発色した発色部の直径をスケーラーで測定した。
[3a.視認性]
ステンレス製の板材に設けられた円形の孔(直径10mm)の周りを囲むようにして、ドーナツ形状(内径8mm、外径26mm)に成形した圧力測定用材料を載置し、この圧力測定用材料の上に重ねて外径16mmのワッシャーを載せ、この状態のままボルトを孔に通して50MPaの圧力で締付けた。この際、圧力測定用材料は、ステンレス製の板材上に、PETフィルムが板材に接触するように載置した。
締付け作業の後、圧力測定用材料の発色部(ワッシャーよりはみ出した圧力測定用材料の部分)を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:発色部が1mを超える距離にある場所からでも十分に視認できる。
B:発色部が0.3m以上1m未満の距離離れた場所から視認することができる。
C:発色部が0.3m未満の距離まで接近しても視認することができない。
[4a.圧力分布の確認可否]
上記「3a.視認性」と同様にして締付け作業を実施して圧力測定用材料を発色させ、発色部に対し、以下の評価基準にしたがって圧力分布の確認の可否を判定した。
<評価基準>
可 :5mm径の端子で10MPa及び50MPaの圧力で加圧した際、発色径又は発色濃度の差が確認できる。
不可:5mm径の端子で10MPa及び50MPaの圧力で加圧した際、発色径又は発色濃度の差が確認できない。
[5a.呈色安定性]
上記「3a.視認性」と同様にして締付け作業を実施して圧力測定用材料を発色させ、発色部における呈色安定性を以下の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:圧力測定用材料の発色部を25℃の流水で10秒間洗浄しても発色履歴が確認できた。
B:圧力測定用材料の発色部を25℃の流水で10秒間洗浄すると、発色履歴が例えば流される等で確認できなくなった。
[6a.測定対象物の測定部分の汚れ]
上記「3a.視認性」と同様にして締付け作業を実施して圧力測定用材料を発色させ、測定対象物であるステンレス製の板材及びボルトと圧力測定用材料との接触部分における汚れの程度を以下の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:測定対象物において、圧力測定用材料との接触部分に発色由来の汚れがない。
B:測定対象物において、圧力測定用材料との接触部分に極僅かに発色が付着する。
C:測定対象物において、圧力測定用材料との接触部分に明らかに発色由来の汚れが確認できる。
(実施例2〜13、17、比較例1)
実施例1において、発色剤層及び顕色剤層に対して下記表1及び表2に示す変更を加えたこと以外は、実施例1と同様にして、圧力測定用材料を作製し、実施例1と同様の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表3に示す。
(実施例14)
実施例1において、ガラス基板(ダミーガラス基板、アズワン社製)の上に、実施例1と同様にして調製した顕色剤層用塗布液(顕色剤層用液体)を、固形分塗布量を15g/mとしてバーコーターにより塗布し、顕色剤層を形成した。その後、顕色剤層の上に更に、実施例1と同様にして調製した電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液を、固形分塗布量を35.0g/mとしてバーコーターにより塗布し、乾燥させて発色剤層を形成した。
以上のように、本実施例では、圧力測定用材料又は圧力測定用材料セット(発色材料及び顕色材料)を用いず、ガラス基板上に直接、顕色剤層用塗布液及び電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液を塗布することによって顕色剤層と発色剤層とを付設した。ガラス基板上に付設された顕色剤層及び発色剤層は、圧力測定用材料として機能するものである。
−測定・評価2−
顕色剤層及び発色剤層が付設されたガラス基板に対して、以下の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表3に示す。
[1b.空隙量]
上記と同様にして顕色剤層のみが付設されたガラス基板を用意し、下記式から顕色剤層の空隙量を求めた。なお、顕色剤層の層厚には上記の値を用い、空隙量は上記と同様の方法で求めた。
空隙量(ml/m)= 100×X÷1.118
[2b.発色部の直径]
上記「2a.発色部の直径」において、圧力測定用材料を、顕色剤層及び発色剤層が付設されたガラス基板に代えたこと以外は、同様にして測定した。
[3b.視認性]
上記「3a.視認性」において、圧力測定材料とステンレス製の板材を、顕色剤層及び発色剤層が付設された上記ガラス基板に代えたこと以外は、同様にして測定した。
[4b.圧力分布の確認可否]
上記「3a.視認性」と同様にして発色させた発色部に対して、上記「4a.圧力分布の確認可否」と同じ評価基準にしたがって圧力分布の確認の可否を判定した。
[5b.呈色安定性]
上記「3a.視認性」と同様にして発色させた発色部における呈色安定性を、上記「5a.呈色安定性」と同じ評価基準にしたがって評価した。
[6b.測定対象の測定部分の汚れ]
上記「3a.視認性」と同様にして発色させ、ガラス基板と発色剤層及び顕色剤層との接触部分における汚れの程度を、上記「6a.測定対象の測定部分の汚れ」と同じ評価基準にしたがって評価した。
(実施例15)
−顕色剤シートの作製−
実施例1と同様にして調製した顕色剤層用塗布液(顕色剤層用液体)を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に固形分塗布量を15g/mとしてバーコーターにより塗布し、乾燥させて顕色剤層を形成することにより、顕色剤シート(顕色材料)を作製した。
−発色剤シートの作製−
実施例1と同様にして調製した電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液を、別の厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シートの上に固形分塗布量を35.0g/mとしてバーコーターにより塗布し、乾燥させて発色剤層を形成することにより、発色剤シート(発色材料)を作製した。
以上のようにして、顕色剤シート及び発色剤シートからなる圧力測定用材料セットを作製した。
なお、顕色剤層及び発色剤層の塗布量は、それぞれ塗布前後における、20cm×20cmの質量を上皿天秤により測定して確認した。
−測定・評価3−
作製した圧力測定用材料セットを用い、以下の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表2に示す。
[1c.空隙量]
上記の顕色材料を用い、下記式から顕色剤層の空隙量を求めた。
10cm×10cmに裁断した顕色材料の質量(m)を測定した。次いで、ジエチレングリコールを顕色剤量の顕色剤層の表面にのせて浸透させ、表面に残ったジエチレングリコールを拭き取った後、質量(m)を測定した。そして、X=m−mを算出し、下記式から空隙量を求めた。なお、ジエチレングリコールの密度は、1.118である。
空隙量(ml/m)= 100×X÷1.118
[2c.発色部の直径]
プレスケール専用加圧器(FPLH、富士フイルム株式会社製)を用い、円形状の先端を有し、かつ、先端の直径が5mmである端子を、発色剤層と顕色剤層とが互いに接するように重ねた発色材料及び顕色材料における発色材料のPETフィルム面にあて、50MPaの圧力で加圧して発色した発色部の直径をスケーラーで測定した。
[3c.視認性]
ステンレス製の板材に設けられた円形の孔(直径10mm)の周りを囲むようにして、ドーナツ形状(内径8mm、外径26mm)に成形した発色材料及び顕色材料を、板材側から顕色材料と発色材料とを順に重ねて載置した。発色材料及び顕色材料は、発色剤層と顕色剤層とが互いに接するように重ねた。そして、発色材料の上に重ねて外径16mmのワッシャーを載せ、この状態のままボルトを孔に通して50MPaの圧力で締付けた。締付け作業の後、発色部(ワッシャーよりはみ出した発色材料及び顕色材料の部分)を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:発色部が1mを超える距離にある場所からでも十分に視認できる。
B:発色部が0.3m以上1m未満の距離離れた場所から視認することができる。
C:発色部が0.3m未満の距離まで接近しても視認することができない。
[4c.圧力分布の確認可否]
上記「3a.視認性」と同様にして締付け作業を実施して圧力測定用材料セットを発色させ、発色部に対し、上記「4a.圧力分布の確認可否」と同じ評価基準にしたがって圧力分布の確認の可否を判定した。
[5c.呈色安定性]
上記「3a.視認性」と同様にして締付け作業を実施して圧力測定用材料セットを発色させ、発色部における呈色安定性を上記「5a.呈色安定性」と同じ評価基準にしたがって評価した。
[6c.測定対象の測定部分の汚れ]
上記「3a.視認性」と同様にして締付け作業を実施して圧力測定用材料セットを発色させ、測定対象物であるステンレスの板材及びボルトと圧力測定用材料との接触部分における汚れの程度を上記「6a.測定対象の測定部分の汚れ」と同じ評価基準にしたがって評価した。
(実施例16)
実施例15の顕色剤シートの作製において、実施例1と同様にして調製した顕色剤層用塗布液(顕色剤層用液体)を、下記の顕色剤層用塗布液(顕色剤層用液体)に変更したこと以外は、実施例15と同様にして、顕色剤シート及び発色剤シートを作製し、実施例15と同様の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表2に示す。
〜顕色剤層用塗布液の調製〜
電子受容性化合物(顕色剤)であるシルトンF−242(水澤化学工業株式会社)100部に、40質量%水酸化ナトリウム水溶液5部、水溶性高分子化合物である20質量%PVA−105((株)クラレ製)810部、及び水300部を加えてホモジナイザーで分散した。得られた分散物に、更にカゼインのナトリウム塩の10質量%水溶液(バインダー)50部及びスチレン−ブタジエンラテックス(スマーテックスSN−307R、日本エイアンドエル株式会社製、固形分量=48質量%;バインダー)30部を添加し、電子受容性化合物を含有する顕色剤層用塗布液(顕色剤層用液体)を調製した。
顕色剤層用塗布液中に分散された電子受容性化合物の平均一次粒子径を粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、5μmであった。
(比較例2)
ハイゾールSAS−296(日本石油株式会社製のオイル成分(溶媒);1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンの混合物)70部に、電子供与性染料前駆体として3−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB2)9部、電子受容性化合物としてビスフェノールA9部を溶解し、溶液Aを得た。次に、メチルエチルケトン1部に溶解したエチレンジアミンのブチレンオキシド付加物0.4部を、攪拌している溶液Aに加えて溶液Bを得た。さらに、メチルエチルケトン1部に溶解したトリレンジイソシアナートのトリメチロールプロパン付加物2部を、攪拌している溶液Bに加えて溶液Cを得た。そして、水150部にポリビニルアルコール(PVA−205、(株)クラレ)6部を溶解した溶液中に上記の溶液Cを加えて、乳化分散した。乳化分散後の乳化液に水300部を加え、攪拌しながら70℃まで加温し、1時間攪拌後、冷却した。水を加えて濃度を調整し、マイクロカプセルに電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合物が内包された、固形分濃度18質量%のマイクロカプセル液を調製した。
調製されたマイクロカプセル液をPETフィルムの上に、固形分塗布量を50.0g/mとしてバーコーターにより塗布し、マイクロカプセル層を形成した。
以上のようにして、PETフィルム上に単層のマイクロカプセル層が付設された圧力測定用材料を作製した。
上記で得た圧力測定用材料を用い、実施例1と同様の方法にて測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表2に示す。なお、「1a.空隙量」では、顕色剤層を形成したPETフィルムを上記の圧力測定用材料に代えて行った。
表1及び表2中、「マイクロカプセル含有量」、「顕色剤含有量」、及び「水溶性高分子含有量」は、いずれも、発色剤層及び顕色剤層の固形分に対するそれらの成分の含有量を意味する。
表1及び表2中、顕色剤粒子径は、顕色剤の平均一次粒子径を意味する。
表3中、発色部直径は、5mmの端子で50Mpaの圧力で加圧したときの発色部の直径を指す。
表1及び表2中の成分の詳細は、以下の通りである。
・ODB2:3−ブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、山本化成社
・CVL:クリスタルバイオレットラクトン、土谷化学株式会社
・アルケンL:アルキルベンゼン、JX日鉱日石エネルギー株式会社
・KMC−500:ジイソプロピルビフェニル、呉羽化学工業社
・ガレオンアースSH:活性白土、水澤化学工業株式会社
・ガレオンアースNV:活性白土、水澤化学工業株式会社
・BPA:ビスフェノールA、出光興産株式会社
・鉄板:SECC、板曲げ.com社
・ガラス基板:ダミーガラス基板、アズワン社
表1〜表3に示すように、実施例では、発色部の視認性が良く、圧力分布の確認を容易に行うことができた。
これに対して、比較例1では、発色部が滲み出ないため、顕色剤層中の空隙量が大きくなり過ぎ、視認性に劣り、圧力分布の確認も行えなかった。また、発色剤及び顕色剤を同一層内に含ませた比較例2では、発色部での滲み出しが多過ぎるため、視認性こそ良好になるものの、発色濃度が高くなり過ぎて圧力分布の確認が行えず、しかも測定対象への汚れの付着が認められた。
2017年3月10日に出願された日本特許出願2017−046757の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (14)

  1. 支持体と、
    電子供与性染料前駆体を含む発色剤層と、
    前記支持体と前記発色剤層との間に配置され、前記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層と、
    を有し、
    前記顕色剤層は、空隙量が1ml/m 〜10ml/m であり、かつ、
    先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下である、圧力測定用材料。
  2. 支持体と、
    電子供与性染料前駆体を含む発色剤層と、
    前記支持体と前記発色剤層との間に配置され、前記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層と、
    を有し、
    前記顕色剤層は、前記電子受容性化合物の含有量が、前記発色剤層及び前記顕色剤層の合計の全固形分に対して、10質量%〜50質量%であり、かつ、
    先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下である、圧力測定用材料。
  3. 前記発色剤層は、前記電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルの含有量が、前記発色剤層及び前記顕色剤層の合計の全固形分に対して40質量%以上である請求項1又は請求項2に記載の圧力測定用材料。
  4. 前記電子受容性化合物の平均一次粒子径が10μm以下である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  5. 前記顕色剤層は、更に、水溶性高分子化合物を含む請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  6. 前記水溶性高分子化合物の含有量が、前記顕色剤層の全固形分に対して、20質量%以上である請求項に記載の圧力測定用材料。
  7. 前記発色剤層は、更に、前記顕色剤層の表面に対する接触角が30°以下であるオイル成分を含む請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料。
  8. 電子供与性染料前駆体を含む発色剤層を有する発色材料と、
    前記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層を有する顕色材料と、
    を含み、
    前記顕色剤層は、空隙量が1ml/m 〜10ml/m であり、かつ、
    先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下である、圧力測定用材料セット。
  9. 電子供与性染料前駆体を含む発色剤層を有する発色材料と、
    前記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層を有する顕色材料と、
    を含み、
    前記顕色剤層は、前記電子受容性化合物の含有量が、前記発色剤層及び前記顕色剤層の合計の全固形分に対して、10質量%〜50質量%であり、かつ、
    先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が、5mmを越えて10mm以下である、圧力測定用材料セット。
  10. 前記発色剤層は、前記電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルの含有量が、前記発色剤層及び前記顕色剤層の合計の全固形分に対して40質量%以上である請求項又は請求項に記載の圧力測定用材料セット。
  11. 2つの材料がそれぞれ有する被圧部位の一方に、電子受容性化合物を含む顕色剤層用液体を付与し、顕色剤層を形成する工程と、
    前記顕色剤層の上又は前記被圧部位の他方に、電子供与性染料前駆体を含む発色剤層用液体を付与して発色剤層を形成する工程と、
    前記被圧部位に形成された前記顕色剤層及び前記発色剤層に対して圧力を与えて発色させる工程と、
    を有し、
    前記被圧部位における、前記発色剤層用液体及び前記顕色剤層用液体の合計の固形分付与量に対する、前記発色剤層用液体の固形分付与量の比率が、質量基準で0.5を超え0.8以下であり、
    発色させる前記顕色剤層及び前記発色剤層は、先端の直径が5mmの端子により50MPaの圧力で加圧して発色させた場合の発色部の直径が5mmを越えて10mm以下である、
    圧力測定方法。
  12. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の圧力測定用材料又は請求項〜請求項10のいずれか1項に記載の圧力測定用材料セットを被圧部位に配置し、顕色剤層及び発色剤層に対して圧力を与えて発色させる工程を有する、圧力測定方法。
  13. 前記被圧部位の材質が、金属又は樹脂である請求項11又は請求項12に記載の圧力測定方法。
  14. 電子供与性染料前駆体を含む発色剤層用液体と、
    前記電子供与性染料前駆体を発色させる電子受容性化合物を含む顕色剤層用液体と、
    を含み、圧力測定に使用される前記発色剤層用液体及び前記顕色剤層用液体の固形分合計量に対する、前記発色剤層用液体の固形分量の比率が、質量基準で0.5を超え0.8以下である、圧力測定用液体セット。
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