JP6607650B2 - 画像処理装置、放射線治療装置及びプログラム - Google Patents
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Description
また、治療ビーム照射中にX線透視画像を用いて患者体内を直接観察し、適切な位置に腫瘍が来たときに、治療ビーム照射を行い、それ以外の腫瘍位置では治療ビームを照射しない技術(X線透視式呼吸同期)もある。
なお、ここでは、X線静止画像と、動きを観察することができるX線透視画像の両方とをX線画像と総称する(以下でも、X線画像を、この意味で使用することがある)ものとする。
画質改善に関しては、医用画像の分野その他において、従来、様々な画質改善方法が提案されている。
なお、例示した文献については、後述する本発明に従う画像処理技術との対比説明においても、必要に応じて、後記で参照される。
そのため、このような放射線治療装置において用いられるX線画像に対して画像改善を行おうとする場合には、上記のような要求にも同時に応えうるよう、画質改善のための処理に要する時間として、短時間に画質改善の画像処理を行うことが求められる。
更に、当該領域部分に着目すると、治療ビームの照射対象(標的、ターゲット)としての腫瘍の位置(腫瘍位置については、同図(a)中、白矢印で囲んで示されている)は、画像上、中ほどにあるが、図示例のように、治療天板(像)と重なり腫瘍の端が不明瞭となっている。結果、このようなX線画像の場合は、上記のように画像に基づき腫瘍位置を算出して治療ビーム照射を判断するとき、腫瘍位置検出精度の低下、ひいては治療ビーム照射タイミングの精度の低下要因ともなる。
このような点は、特許文献3、特許文献4の場合も、同様である。
しかし、かかる従来手法は、その計算工数の大きさから計算時間が長くなる。また、患者ごと、そして治療ごとに、天板位置が異なるため、結果、そうした場合、患者ごと、治療ごと等、その都度、上記計算をする必要があり、予め天板位置を確定し、削除することが難しい。このため、例えばリアルタイムに取得するX線透視画像に対して短時間で画像処理を実施することが難しいのはもとより、本質的に、高速な画質向上の手法としては、不向きなものである。
したがって、望ましいのは、被検体をX線撮影して得られる画像の画質の向上を実現することができるとともに、その画質向上に際し、目的とする被検体自体以外の、物体に起因して生ずる物体領域の影響を抑えた画像取得が短時間に実現することができることである。
すなわち、
被検体をX線撮影して得られる画像の画質向上の補正機能を有する画像処理のための装置であって、
前記被検体及び、前記被検体が横たわる治療台、前記被検体に治療ビームを照射する照射装置のカバー、または前記治療台が配設されたガントリ治療室の回転床のいずれか一または二以上を含む、前記被検体以外の物体をX線撮影して得られる画像を連続して取得する画像取得手段と、
該画像取得手段により得られる前記画像に基づき、画像マトリクス配列における配列に沿って延在するピクセル群を処理単位とし、当該処理単位ごとに、その処理単位に属する対象とする全ピクセル値に共通して乗ずるウェイトを算出して決定するウェイト決定手段であって、当該ウェイトを決定する指標として、画像全体の標準偏差の最小化、または分散、平均値、エントロピー、二乗平均平方根のいずれかを使用して、当該ウェイトを算出して決定し、斯くウェイト算出決定処理を、前記画像マトリクス配列の各処理単位に対して、順次に、その処理単位の位置を変えながら繰り返し実行して、当該処理単位ごとのウェイトを算出して決定するウェイト決定手段と、
該ウェイト決定手段により決定される前記処理単位ごとのウェイトを、対応する各処理単位の位置の情報に関連付けて補正テーブルに格納するウェイト格納手段と、
該ウェイト格納手段により前記補正テーブルに格納される前記ウェイトを、補正対象とする前記画像に適用することにより補正後画像を得る補正後画像取得手段と
を有し、
前記補正後画像取得手段は、前記ウェイトが前記補正テーブルに格納された後、前記被検体について所定フレームレートで逐次新しく取得した画像に対して、前記ウェイトを補正乗算係数として適用することにより、前記物体が前記被検体の画像化された領域に与える影響を低減することを特徴とする画像処理装置である。
前記被検体である放射線治療の対象としての患者に対して、放射線治療ビームを照射する放射線治療ビーム照射手段と、
該放射線治療ビーム照射による治療の開始決定のための治療開始決定手段と、
当該開始決定を条件に、前記画像処理装置における画像処理と前記放射線治療ビーム照射手段における放射線治療ビーム照射制御とを実行し、放射線治療中における所定フレームレートにより、前記被検体をX線撮影して得られる連続X線透視撮影をもとに前記画像処理装置により補正対象とする画像を逐次取得し、該画像処理装置で前記補正テーブルを参照し、該連続X線透視撮影により逐次取得した前記画像に対して前記ウェイトを適用する前記画像補正をリアルタイムで行うことにより、前記物体が前記被検体の画像化された領域に与える影響を低減する一方、該画像処理装置による画像処理に基づく前記補正後画像を用いて、前記放射線治療ビーム照射手段でX線透視式呼吸同期照射による放射線治療制御を行うよう前記画像処理装置及び前記放射線治療ビーム照射手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする放射線治療装置である。
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置(方法)を適用できる、医用システムや医用装置などの一例としての、放射線(粒子線)による治療システム(治療装置)を模式的に示す概要図である。
図1において、参照符号100を付して全体を示すシステムは、本例では、加速された荷電粒子のビームを、治療用の治療ビームとして、患者1(被照射体)の照射対象に照射し治療を施す放射線治療装置(粒子線治療装置)を有して構成される。
上記治療台制御装置60による制御の対象となる治療台62は、患者1が横たわる天板61(治療天板)、該天板61を移動可能に支持する治療台本体部等を有して構成されており、X線撮影装置70とともに、図1中、参照符号80を付して模式的に示した、照射室(治療室、照射治療室)に設置される(X線撮影装置70や天板61などを含めた、照射室における、機器類の設置等に関する好適な実際的構成については、後記にその具体例が示される)。
上記X線管Xrtとフラットパネル検出器DFPDとは、照射室80において治療台62(天板61)上に横たわる患者1を介して対向するよう配置され、撮影時には、当該患者1(X線撮影との関係では、その体内情報・体内形態情報(腫瘍位置、患者位置情報等を含む)を得る対象である被検体としての患者)を撮影して得られる医用画像としての2次元X線画像(デジタル画像)の取得の用に供される。
本例では、X線撮影装置70の構成要素部分のほか、照射装置30の構成要素部分や、治療台62構成要素部分などの機器類の設置等の具体的な様子の一例も示されている。
治療ビーム照射のための照射装置30は、本例においては、室80内上方から垂架して設けられるとともに、室80内において照射装置構造部等が直接に露出しないよう、これを覆ってカバーするための照射装置カバー31を備える構成を有する。
治療台62は、多軸制御可能な構成によるものすることができる。そして、これは、患者寝台(カウチ:couch)となる天板61に対する治療台制御装置60による制御のもとに、患者1(照射対象1a)に関するX線画像を用いた所要の位置決めがなされるよう、制御することができる。
本例では、2方向X線撮影のため、X線管Xrt1及びフラットパネル検出器DFPD1による組と、X線管Xrt2及びフラットパネル検出器DFPD2による組との2組のX線撮影系(X線撮影システム、X線透視システム)が用いられる構成を有する。そして、それら各X線撮影方向がアイソセンタ(Isocenter)部分で交差するよう、それぞれの組のX線管Xrt1,Xrt2とフラットパネル検出器DFPD1,DFPD2とが、対向して設けられる。
X線管Xrt1,Xrt2は室80下部に設けられ、フラットパネル検出器DFPD1,DFPD2は、室80内上部に設けられる。具体的には照射装置30近傍に、好適には図2に示す如くに、上方から垂架される照射装置カバー31部分において、その吊り下げ部分の下縁部に一体的構造をもって取り付け設置される構成のものとすることができる。なお、図示の構成は一例であって、適用可能なX線撮影系の構成要素部分は、任意の位置に設置も可能であり、本発明はそのようにして実施することを妨げない。
上記制御装置40としては、図中、一の制御系として図示したが、本システム100において実行される加速器制御、ビーム照射制御、及び画像処置制御その他の制御(治療台制御等含む)を分散処理によって実行させる場合、複数のコンピュータを有して構成されるものであって良い。ここに、コンピュータ(計算機)は、既知の如く、データの計算・加工等の演算やプログラム実行などを司るものとしての主制御手段である中央処理装置(CPU等)、データやプログラムを記憶する記憶装置としてのメモリ、及び入出力装置等から構成される。
図示例では、制御装置40は、演算処理部41と、後記にプログラムフローチャート等とともにその内容の詳細を示すX線画像処理制御のための画像処理制御部42と、治療ビーム照射制御のためのビーム照射制御部43と、加速器10及びビーム輸送系20を制御する加速器制御部44と、入力部45と、出力部46と、記憶部47とからなる各機能部を有する構成とすることができる。
入力部45や出力部46は、同様に画像処理との関係では、入力部45にあっては、例えばX線撮影装置70のX線管Xrt(Xrt1,Xrt2)に関するX線撮影指示その他指令などの入力等に用いられる。出力部46にあっては、画像データ(上記X線画像処理制御により補正のための画像処理が実施された補正後画像によるものを含む)の画面表示のためのディスプレイへの表示機能や、画像データを利用する他系統等へのデータ送出などに用いられて良い。
ここに、特に体幹部治療では、呼吸性移動により、腫瘍(被照射部位、標的)と臓器が経時的に位置変動する。このため、そうした状況に対応し得ないと、被照射部位として標的となる腫瘍位置が治療ビーム照射野内から外れてしまう可能性がある。かかる位置変動への対応照射制御等を可能とする目的のためには、患者体内の腫瘍位置をリアルタイムに把握する必要があり、X線画像を用いたIGRT装置も臨床現場に導入し使用することによって、その効果を発揮させることができる。
なお、記憶部47には、当該プログラムにおいて作成され、かつ、補正対象画像に対し適用されることとなる補正テーブル47A(図12参照)が記憶格納されるとともに、画像処理中において使用される制御変数、関数などのデータ等の記憶の用にも供される。ここに、変数としては、後述する画像の画質向上のための補正に用いられ、当該補正テーブルに記憶格納されるウェイト(w)(重み付け係数)等が含まれる。
なお、図4〜図7は、本実施形態に係る画質向上の補正処理の説明の用に供する手順等の例を示す図、図8は同じく説明の用に供する、2次元x−y平面の画像マトリクス配列の一例を模式的に示す図、図9は同じく説明の用に供する、同マトリクス配列における、画像を構成する各ピクセル位置(x,y)のピクセルを表す図である。図10〜図11及び図13はそれぞれ画像処理でのウェイト(w)算出決定過程の一例及び補正後(画質改善処理後)画像の一例の説明に供する図、そして、図12は上記した補正テーブル47Aの一例を示す図である。
そして、上記で決定される処理単位ごとのウェイト(w)は、これを、図12に例示するデータ構成のように、w(1),w(2),・・・,w(m-1),w(m)として、対応する各処理単位の位置の情報に関連付けて(対応させて)記憶格納し、これによって補正テーブル47Aを作成する。
画像補正処理は、補正対象画像に対して、このようにして決定し格納される補正テーブル47Aのウェイト(w)を図13に例示する如くに適用することにより補正後画像を得る。
ここに、図6は、画像処理フローチャート(図5)における、ステップS21に相当する補正テーブル作成(第1処理)の内容の具体例を示す補正テーブル作成プログラムのフローチャート(補正テーブル作成フロー)、図7は、同じく画像処理フローチャート(図5)における、ステップS22に相当する補正適用(第2処理)の内容の具体例を示すフローチャート(画像処理適応フロー)である。
フラットパネル検出器DFPD画像(Im)の読み込み:
“Import DFPD image (Im)”
ウェイト(重み付け係数)(w(x)=1,x=1,・・・,列番号)の初期化:
“Initialize weighting factor (w(x)=1,x=1,・・・,column number)”
k番目の列のウェイト(w(k))を変更:
“Change weighting factor at kth column (w(k))”
(画像)Imにウェイトw(k)を適用 (Im’=Im×w(k)):
“Apply the weighting factor to Im (Im’=Im×w(k))”
n回の反復後、(Im×w(k)画像)Im’中の標準偏差を計算 SD(n):
“Calculate standard deviation within Im’after nth iteration SD(n)”
標準偏差SD(n)は最小か:
“SD(n) is lowest?”
全ての列が終了か:
“All column are complete?”
次の列にシフト (k=k+1)(列に関し、kを値1だけインクリメント):
“Shift next column (k=k+1)”
処理終了:
“Complete”
フラットパネル検出器DFPD画像(Im)の読み込み:
“Import DFPD image (Im)”
画像(Im)にウェイト適用:
“Apply the weighting factor to (Im)”
処理終了:
“Complete”
患者1のX線画像を取得する。
既述したように、X線撮影装置(X線撮影システム)によるX線撮影方向は2方向以上取得する場合でも、1方向X線撮影の場合であっても良い。
このX線画像は、計算機へ転送され、(手順:1−2)以降の画像処理が行われる。
次に、ウェイト(w)の初期化を行う。当該初期化処理は、図6ではステップS212に相当する(w(x)=1)。
図8は、補正テーブル作成等による画像処理の説明に供する図で、ピクセルがx−y平面に「m行×m列」のマトリクス状に配列された画像マトリクス配列の一例を模式的に示し、図9は、画像処理開始前における、各ピクセル位置での画像ピクセル値等の説明に供する図である。
これらの図の如く、画像ピクセル位置(x,y) のピクセル(ピクセル値)をIm(x,y)と示す(同各図)。y方向は、患者頭尾方向である。
つまり、初期状態では、初期値として値1なるw(x)を掛けた場合に得られることとなる画像と元画像(読み込み元画像)とは同じとなる。
なお、図9では、図示簡略化の点から、画像マトリクス配列上、単に縦1列分の列ピクセル群だけを該領域Az部分として表示してあるが、例えば、先に触れた図14(a)のX線画像例における矢印Aaを付して示す像部分(太い縦線部分)のように、実際は、こうした領域Az部分は、連続する(隣接する)複数列分(x方向上、複数ピクセル幅分)に亘る、例えば、単一様の(1本の)線状領域のものとして出現することがある。
また、これら図示簡略化等の点は図10以下においても同様の表現形態としてある。
次に、上記のような列ピクセルを処理単位とし、例えばX線画像端(x=1)(図9中、x座標左端)から、(ウェイト計算を開始する位置(列位置)を当該X線画像端として)順次、求めるべきウェイトw(x)を計算し決定する。
まず、画像y方向の1列目におけるウェイト(w(1))を、上記初期値(=値1)から変化させ、その都度、画像全体の標準偏差を計算する。そして、標準偏差値が最も小さくなるまでウェイト(w(1))を変化させる。なお、このときのウェイトを効率よく求めるために、例えば最適化計算を用いることで、短時間に最終的な値w(1)を求めることができる。
このようにして、画像y方向1番目(x=1)の列のウェイトw(1)を決定する。
上記処理は、図6ではステップS213−S214−S215−S216−S213のループに相当する。
次に、画像y方向1番目(x=1)の列ピクセルIm(1,y)にw(1)最終値を掛けた画像を用いて、画像y方向2番目(x=2)の列のウェイト(w(2))の決定を行う。
なお、図10は、画像y方向の列、図示例では1列目に関するウェイト(w(1))を計算・決定する過程の様子を例として示すもので、列ピクセルIm(1,y)に、w(1)最終値を、共通した乗算係数として乗じた場合のデータの例を、「Im(1,1)×w(1),Im(1,2)×w(1),・・・,Im(1,m-1) ×w(1),Im(1,m) ×w(1)」として、図中に、該当する各ピクセル位置に対応させて現すためのものでもある。
上記の手順で画像y方向x番目の列の位置を変えながら、(手順:1−3)から(手順:1−4)を繰り返す。
このようにして、画像y方向の全列に関し、順に、ウェイト計算・決定処理を実行し、全ての列に対して上述の処理を行うことで、補正テーブル47Aを作成する。
上記処理は、図6では、上記したステップS213−S214−S215−S216−S213のループ、及び該ループを含んだ、ステップS213−S214−S215−S216−S217−S218−S213のループに相当する。
具体的には、図6のステップS217では、本ステップ実行ごと、全列に対してウェイト算出決定処理が実行されたか否かをチェックし、全ての列に対するウェイト算出決定の処理が実行された場合、補正テーブル作成を完了することとなる。
Im(x,y)×w(x), w(x)= min(std(Im(x,y)×w(x))) ・・・(式1)
上記std()は、「Im(x,y)×w(x)」について、標準偏差を算出する関数を意味し、min()は、当該関数「std()」について、最小値を算出する関数を意味する。
治療ビーム照射前に、作成をしておく。
かくして、画像y方向の列ごとのウェイトw(1),w(2),・・・,w(m-1),w(m)が決定され、決定される列ごとのウェイトw(x)は、図12に示す如く、列を示す情報(列位置のx座標データ(1,2,・・・,k,・・・,m-1,m))に関連付けて(対応付けて)、記憶部47(制御装置40)の補正テーブル47Aに記憶格納される。
補正テーブル47Aに格納されたウェイトw(x)は、これを補正対象となる画像に適用することにより、補正後画像を得るのに好適に使用することが可能である。
すなわち、図5のステップS22の補正適用(第2処理)では、画像処理制御部42(制御装置40)において上記補正テーブル47Aを参照して、ウェイトw(x)を補正対象画像(例えば、所定フレームレートで取得した画像)に適用する。
かかる補正適用処理は、図7では、ステップS221〜S222に相当する。
画像処理制御部42は、この場合、新たに、上記(手順:1−3)〜(手順:1−4)等の再計算(演算)処理をしないで済み、記憶部47に格納させたせた上記補正テーブル47A中から読み出された計算済みのウェイト(w(x))データを用い、これを適用することだけで画像処理を実行し得て、上記を可能とする。
同図に見るとおり、画像y方向1番目(x=1)の列ピクセル、同y方向2番目(x=2)の列ピクセル、同y方向3番目(x=3)の列ピクセル、・・・、同y方向k番目(x=k)の列ピクセル、・・・、同y方向m−1番目(x=m−1)の列ピクセル、同y方向m番目(x=m)の列ピクセルのそれぞれに対し、列単位で、対応する共通した上記計算済みウェイトw(1),w(2) ,w(3),・・・,w(k)・・・w(m-1),w(m)がそれぞれ乗算補正係数として適用される様子が表されており、その結果また、画像全体の画面全体としても、「m×m」個の全ピクセルに対して、それぞれ該当する補正係数(ウェイト)が適用されて、画質向上がなされることが表されている。
図13はまた、天板等の領域Azにつき、上記画質向上の結果として、前記図9〜図11と対比して、その低減・軽減等がなされた様子(図13中、一点鎖線の状態で示してある)をも表す。更に、図13は、画像中、領域Azが単一様の(1本の)線状領域のものであっても、補正後画像ではそれが低減等された状態を示すものでもある。
したがってまた、例えば、呼吸性移動による腫瘍位置のリアルタイム把握を目的としたX線画像(X線透視画像)における画質改善用途に適用して、好適なものとなる。
同図(a)の画像処理前の画像と、同図(b)の画像処理後の画像とを比べると、同図(b)の処理後の画像では、画像全体の画質が向上している。
更に、本X線画像例は肺腫瘍患者の例であり、同図(a)の上記画像処理実施前の画像では、腫瘍位置(同図(a)中、画像、中ほどにある、白矢印で囲んで示した領域部分)が、治療天板61(像)と重なり腫瘍の端が不明瞭となっていることも既に述べたが、これに対しても、同図(b)の処理後の画像では、処理後は、治療天板領域が軽減されているため、腫瘍の端が簡易に認識できるようになっている。
したがって、このような補正後画像が取得できる結果、既述のようにX線画像に基づき腫瘍位置を算出して治療ビーム照射を判断するときでも、腫瘍位置検出精度の低下が避けられ、治療ビーム照射タイミングの精度の向上を図ることもできる。
既述したように、上記照射装置カバー31部分に対し、これと一体的なものとして、X線撮影装置70におけるフラットパネル検出器DFPD(DFPD1,DFPD2)を設置することができると、室80内上部(空間)にフラットパネル検出器を配置設計しようとするとき、該フラットパネル検出器を支持するための専用の支持構造部等を用いないでも良いなどの点で、その分、効果的な構成となる一方で、そのような配置構成のフラットパネル検出器によるX線画像中に、照射装置カバー31に起因するものが画像化される場合がある。
図14(a)の画像中、治療天板(像)部分の、その右側に参照符号Abを付した矢印で示す、若干細い白い縦線は、このような照射装置カバー31の陰影の例であり、治療天板(像)とは別個に、線状領域のものとして、同図(a)の処理前の画像上には現れているが、これについても、同図(b)の処理後の画像では、改善されている。
以下に述べるように、ガントリ治療室の場合、上記図14の画像例で見たようなケースの同様の場合、X線撮影の対象となる患者以外の物体によるもの(図13に示す像領域Az)として、回転床のX線高吸収部分によるものが、患者(像)と重なる場合が生ずることがあり、そうした状況は、X線画像に基づき腫瘍位置を算出して治療ビーム照射を判断するとき、治療天板(寝台)領域等と同様、腫瘍位置検出精度の低下要因となる可能性がある。
なお、同図は、上記のような治療天板(寝台)の領域部分等も、同時に現れている画像例をも示すものである。
これに対し、本実施形態に従う上記画像処理を適応すると、同図(b)の処理後の画像の如く、そうした回転床を含む、患者以外の物体領域が低減されることが分かる。同図(b)に示す如く、回転床領域も低減されおり(符号Acを付した矢印部分参照)、かつまた、治療天板(寝台)領域部分等についても、低減されている。
したがって、このような補正後画像が取得できる結果、上記したのと同様、腫瘍位置検出精度の低下が避けられ、ひいては治療ビーム照射タイミングの精度の向上を図ることもできる。
本実施形態に従う上記画像処理は、このような場合にも適用して、効果を発揮させることができる。
具体的には、散乱X線を除去するグリッドを使用する場合を対象としており、一般に、散乱線グリッドは、鉛などの金属を用いた1〜2mm厚のものを、その厚さ間隔で平行に、または格子状に並べたモノである。よって、目をこらさないと、グリッドを認識することが難しいことからも、その減弱対象とした「縞状ノイズ成分」は、かなり細い成分からなるものとなる。
また、モアレは干渉縞であり、上記で記載したような、幅の狭い、また周期(繰り返し周波数)の高い模様であって、しかも、モアレが発生するには、これら縞の周波数のズレが発生する必要がある。つまり、ある程度大きな縞模様が必要となる。言い換えると、1本の縞ではモアレは発生しない。したがって、これらのことからも、同文献5の場合、一定周期の細い縞模様による問題にのみ対応しようとするものであり、グリッドを用いたX線画像のモアレ減弱方法を開示するに留まるといえる。
更に、上記図14及び図15に見るとおり、低減、軽減等の対象とした患者1以外の物体として着目したものは、具体的には例示したような治療天板(寝台)領域、照射装置カバー領域、回転床領域は、それぞれ、個々に、独立して、かつまた、様々な形態(例えば、X線高減弱物質等の性状による、その線状領域幅の大小(太い、あるいは若干細いなど)や、それぞれ同時に画像化された場合におけるそれぞれの領域の間隔など位置関係等が区々の状態等)で画像中に画像化される可能性があるなどの、特殊性を有するものであり、こうした場合であっても、本実施形態に従う上記画像処理では、上述のように、高速に画質向上が実現できる上、そのような患者1以外の種々の物体によるものが画像に及ぼす影響を効果的に低減できるものであり、したがって、同文献5によるものとは、この点でも着眼点を別異にする。
本実施形態に従う上記画像処理によると、そのよう場合であっても、上述のようにリアルタイム性を可能ならしめることから、容易に取得X線透視画像全てに対して、画像処理を実施することができ、このような点からも、本実施形態に従う上記画像処理は好適なものである。
上記実施形態では、(手順1−3)等で述べたように、X線画像端(x=1)(図9中、x座標左端)から、順次、各列のウェイトを計算していく態様について説明したが、これは、任意の位置(任意の列位置)から開始しても良い。
もっとも、その場合も、連続的に(例えば、列を1列ごとシフト(図6のS218等参照)させるように)ウェイトを計算する必要があり、そのようにすることが好適なものとなる。仮に、飛び飛びの位置(飛び飛びの列の位置)のウェイトを計算していくと、期待した結果(前記図13〜図15に見たような、画像全体の画質向上を実現することができるとともに、患者1以外の物体に起因して生ずる領域を低減し得てその影響を抑えた画像取得を短時間に実現する補正処理機能を有する画像処理結果)が得られないことがある。
このため、このような点からは、かかる補正機能と同等のものとして、それが常に得られるよう確保するようになす上で、ウェイト算出決定処理においては、処理単位について、連続的に位置を変えるようにしてウェイトを計算することが好ましい。
本実施形態は、このようにして実施しても良い。
上記実施形態では、(手順:1−3)に先立つ(手順:1−2)等において、ウェイトの初期化にあたり、当該時点((手順:1−2)、図6のS212)で、一律、初期値として値1を設定するような態様について説明したが、更なる、計算時間短縮を図るべく、図16に例をもって示すような、以下のような処理内容としても良い。
同図に示す如く、例えば、X線画像端(x=1)(図9中、x座標左端)側から、画像y方向1番目(x=1)の列、同画像y方向2番目(x=2)の列、同画像y方向3番目(x=3)の列、・・・、同画像y方向k−1番目(x=k−1)の列のこの順で、次々と、ウェイト算出決定がなされてきて、今、画像y方向のk列目におけるウェイトw(k)について、上述したような繰り返し手順((手順:1−3)、図6のS213−S214−S215−S216−S213のループ)により当該ウェイトw(k)を計算(算出)して決定するようなケースであるとする。
一律、ウェイト初期値として値1を設定する上記態様の場合は、ウェイトw(k)についても、初期値1から、変数としてのウェイト値を変化させて、都度、既述の補正機能を得るべく、画像全体の標準偏差を最小化するようにして、求めるべきウェイトw(k)最終値を決定していくこととなる。
これに対して、更なる改良を加えるべく、計算時間短縮化のためには、これから計算しようとする(今回、ウェイト算出決定処理のための繰り返し手順による処理ループで計算しようとしている)処理単位に関し、その一つ前の処理単位(隣接する位置の列)に対する処理で既に決定されているウェイト値(計算済みの該当隣接処理単位に関するウェイト決定値)は、これを有効に活用することができる。
本応用変形形態は、このような着想に基づくものである。
本実施形態は、このようにして実施しても良い。
また、上記実施形態では、(手順:1−3)、(手順:1−4)等において例示したように、ウェイト算出決定処理では、画像全体の標準偏差値が最も小さくなるまでウェイトを変化させ、最終的な値を決定するようにしている。
図17は、本実施形態における画像処理装置(方法)を示すもので、所定条件のもと、画像再取得、及びこれに基づくウェイト(w(x))計算(補正テーブル(47A)再作成処理)を実行するよう、前記実施形態(第1実施形態)に対して、更に、所要の処理を付加した場合のX線画像処理の内容の一例を示すプログラムフローチャートである。
なお、本実施形態は、前記第1実施形態及びその各応用変形形態の変形例等でもある。したがって、前記第1実施形態おけるのと同一乃至同様の構成部分等については、詳細な説明を省略する。
同図において、ステップS410(X線撮影:治療台62(天板61)に横たわる患者のX線画像を取得)は、第1実施形態における図4のステップS10であって良く、また、ステップS420(ウェイト(w(x))計算、(補正テーブル(47A)作成))は、第1実施形態における図5のステップS21相当(図6のフロー相当)であって良い。
また、ステップS430(補正テーブル(47A)参照(画像補正))は、第1実施形態における図5のステップS22相当、図7のフロー相当であって良い。
追加された上記ステップS440は、例えば、ステップS420からステップS430へと処理が進められた後、ステップS430−ステップS440−ステップS450−ステップS430のループ処理の実行中、当該ステップS440実行の度に、画像再取得(ステップS410)、及びこれに基づく、新たなウェイト計算等(ステップS420)が必要であるどうかをチェック(モニタ、監視)することを可能にするものであり、このようなステップS440を設けることにより、その判断結果が肯定(Yes)であった場合には、処理を上記ステップS410へと戻すべく切り換えることができるよう、本X線画像処理制御を実行させることができる。
本プログラム例では、このようなステップS450を設けることにより、当該判断結果が否定(No)の場合、上記ステップS430(補正テーブル参照:画像補正)での処理を、その後に逐次得られるX線画像(動きを観察することができる連続撮影画像)に対しても繰り返して実行させるべく、処理をステップS430に戻す制御を行うことができる一方、当該ステップS450での判断結果が肯定(Yes)になったときに、治療台62(天板61)に横たわった当該患者1に対する治療ビーム照射による治療が終了したとみて、本X線画像処理制御も終了させることができる。
画像取得(また、該当する場合の、画像再取得)として、次の(手順:2−1.1)〜(手順:2−1.2)の内容からなる。
治療台62(天板61)に横たわる患者1のX線画像を取得する(図17のステップS410参照)。
かかる(手順:2−1.1)は、具体的には、前記第1実施形態において説明した、(手順:1−1)と同様であって良い。
ウェイト(w(x))を計算する(図17のステップS420参照)。
この(手順:2−1.2)についても、具体的には、前記第1実施形態において説明した、(手順:1−2)〜(手順:1−4)の内容と同様であって良い。
なお、画像再取得時には、かかるウェイト(w(x))計算についても、再取得画像に基づき、ウェイト算出決定についての再処理がなされることとなる。
ここに、画像処理適応として、本実施形態の画像処理では、次の(手順:2−2.1)、(手順:2−2.2)を有する。
上記(手順:2−1.1)(図17のステップS420)により作成された補正テーブル(47A)を参照して、既述したような補正機能による画像補正を実行する。
かかる(手順:2−2.1)は、基本的に、前記第1実施形態において説明した(手順:1−5)の内容と同様である。
本実施形態の画像処理では、上記(手順:2−1.1)(図17のステップS410)で取得したX線画像または、その後に取得したX線画像に対して、(手順:2−1.2)(図17のステップS420)で得られたウェイト(w(x))を掛ける。
治療台62(天板61)の移動等があるかについて判断する(図17のステップS440参照)。
これにより、治療台62(天板61)が移動したときは、画像再取得すべきときに該当するかどうかを判断することができる。また、ここでの判断の対象となるケースとしては、当該治療台62(天板61)に横たわる患者1が、例えば故意に動き患者位置が予め設定された状態を超えてずれたような場合も対象とすることができる。
既に述べた如く、X線画像を用いて患者1体内の経時変化、例えば、呼吸、心拍、嚥下などの生理現象を含む、経時変化を確認しながら体幹部治療を行うとき、こうした呼吸、心拍、嚥下などの以外に、上記のように故意に患者1が動き患者位置が大きくずれるような場合、その程度如何によっては、既述のような画像処理による補正機能による、患者1以外の物体に起因する領域Az等に対する低減等(図13〜図15等)が効果的に実行されない場合がある。これは、治療台制御装置60による治療台62(天板61)の移動制御の場合も、その移動によって、画像中(画面上)の天板等の像領域Az等の向き(マトリクス配列の配列方向に対する方向性)が傾くなどして、同様の状況が生じうる。
したがって、このような場合に該当するときは、その治療台62(天板61)の移動等の後の状態に合わせて、的確な画像処理結果が得られるよう、本実施形態のX線画像処理では、呼吸、心拍、嚥下など以外に、故意に患者が動き患者位置が大きくずれ、患者以外の物体像がうまく低減されない場合、または、治療台が移動したときなど、画像再取得以下の処理がなされるよう、上記(手順:2−1)の画像取得のフローに戻ることができるようにしたものである。
図18は、本実施形態の応用変形形態を示すもので、IGRTに適用した場合における、X線画像処理及び治療ビーム照射制御の内容等の一例を示すフローチャートである。
なお、本フローチャートに示す部分以外は、前記図17における対応するステップ部分と同様であり、したがって、図18では、その一部を示してある。
これにより、既述した如く、照射装置30による治療ビーム照射前に、ウェイト(w(x))計算、及び補正テーブル(47A)作成処理がなされた後にのみ、以下の内容の並列処理からなるIGRTが開始されるよう制御することが確保され、効果的なものとなる。
本実施形態は、このように実施しても良い。
なお、本実施形態(第2実施形態)についても、上記の応用変形形態を含めて、前記第1実施形態の各応用変形形態における、一または二以上を、組み合わせるような形態で実施することもできる。
図19は、患者1以外の物体の領域が、X線画像に対して水平・垂直の方向の向きになく、傾くなどしているとき、その方向性に関する調整のため処理を付加した場合の一例を示すフローチャートであり、図20は、その説明に供するものであって、例えば、天板領域Az等の方向について、方向性の調整が必要となる場合の例を示す。
具体的には、図20は、当該方向性に関する調整のため処理が必要とされる場合の様子の一例の説明に供する図で、天板等の領域Azの方向が、画像y方向(列方向)(また、同時に、に画像x方向(行方向))と平行でない状態の一例を示している。
本実施形態は、このような着想に基づくものである。
したがって、この場合、本ステップS20aとステップS21(補正テーブル作成(第1処理))とからなる部分は、前記図4のステップS20(画像処理)の変形例にも相当する。
なお、図19において、ステップS22(補正適用(第2処理))は、前記図4ステップS22と同様のものであって良い。
したがって、本実施形態によれば、患者1以外の物体に起因して画像化されることとなる天板等の領域Azの向きが、画像マトリクスの様々な方向を向いていても、上記の補正機能を有する画像処理を好適に実施することを可能ならしめ、同様にして、画像全体の画質の向上を実現することができるとともに、患者1以外の物体に起因して生ずる領域の影響を抑えた画像取得が短時間に実現できる。
なお、本実施形態(第3実施形態)についても、前記第1実施形態の各応用変形形態、並びに第2実施形態、及びその応用変形形態における、それぞれの、一または二以上を、組み合わせるような形態で実施することができる。
なお、以下に、更に、その他の応用例等について述べる。
冒頭でも触れ、また前記図1等に関連しても述べたとおり、X線画像の用途として患者位置決めプロセスがある。
これについて、付言すると、例えば、図1に示すシステム100において、治療計画で指示された腫瘍位置(1a)へ照射装置30により治療ビームBを照射する場合、治療計画時と照射時の患者位置を同じにする必要がある。もし、患者位置に誤差を含んでいる場合、腫瘍位置(1a)に正しく治療ビームB照射ができないこととなる。このため、治療前の患者1をX線撮影装置70によりX線撮影し、これにより得られるX線画像と既述の如くの治療計画時に使用したCT画像(これが基準位置となる)から治療前の患者位置誤差を低減するプロセス(患者位置決め)を行う。
本発明に従う画像処理技術は、既述もしてきたとおり、例えばX線透視画像をリアルタイムに画質改善するアルゴリズムに基づいており、X線透視画像を用いる放射線治療装置に搭載することで、治療精度を向上することを可能ならしめるものである。
しかして、ここでは、かように放射線治療を中心に述べてきたが、これに限らず、例えば、様々な角度からX線画像取得を行う血管造影などの診断領域にも適応することで、診断能の向上が可能となるものでもある。
40…制御装置
42…画像処理制御部
47…記憶部
47A…補正テーブル
70…X線撮影装置(X線撮影システム)
Claims (9)
- 被検体をX線撮影して得られる画像の画質向上の補正機能を有する画像処理のための装置であって、
前記被検体及び、前記被検体が横たわる治療台、前記被検体に治療ビームを照射する照射装置のカバー、または前記治療台が配設されたガントリ治療室の回転床のいずれか一または二以上を含む、前記被検体以外の物体をX線撮影して得られる画像を連続して取得する画像取得手段と、
該画像取得手段により得られる前記画像に基づき、画像マトリクス配列における配列に沿って延在するピクセル群を処理単位とし、当該処理単位ごとに、その処理単位に属する対象とする全ピクセル値に共通して乗ずるウェイトを算出して決定するウェイト決定手段であって、当該ウェイトを決定する指標として、画像全体の標準偏差の最小化、または分散、平均値、エントロピー、二乗平均平方根のいずれかを使用して、当該ウェイトを算出して決定し、斯くウェイト算出決定処理を、前記画像マトリクス配列の各処理単位に対して、順次に、その処理単位の位置を変えながら繰り返し実行して、当該処理単位ごとのウェイトを算出して決定するウェイト決定手段と、
該ウェイト決定手段により決定される前記処理単位ごとのウェイトを、対応する各処理単位の位置の情報に関連付けて補正テーブルに格納するウェイト格納手段と、
該ウェイト格納手段により前記補正テーブルに格納される前記ウェイトを、補正対象とする前記画像に適用することにより補正後画像を得る補正後画像取得手段と
を有し、
前記補正後画像取得手段は、前記ウェイトが前記補正テーブルに格納された後、前記被検体について所定フレームレートで逐次新しく取得した画像に対して、前記ウェイトを補正乗算係数として適用することにより、前記物体が前記被検体の画像化された領域に与える影響を低減することを特徴とする画像処理装置。 - 前記補正後画像取得手段による画像補正において、前記画像取得手段による画像再取得が必要か否かをチェックし、必要と判断した場合には、画像再取得を行わせ、当該再取得した画像に基づく前記ウェイト算出決定処理以降を新たに行わせる画像再取得手段を、更に有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記治療台が移動した場合、または該治療台上の前記被検体の位置が予め設定された状態を超えてずれた場合に、前記画像再取得を行わせることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記被検体のX線撮影の結果、前記物体に起因して画像化された領域が、前記画像マトリクス配列における配列に沿う方向に向いていない場合、当該領域が該画像マトリクス配列の配列方向に沿うよう、方向性に関する調整をする方向性調整手段を、更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記方向性調整手段は、補正前画像を回転させることによって、または前記物体に対する座標を定義することによって、前記方向性に関する調整をすることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記ウェイト決定手段は、前記処理単位ごとに、当該処理単位ごとのウェイトを算出して決定していく前記ウェイト算出決定処理において、当該ウェイト算出決定処理の開始位置を、画像端から、または任意の処理単位の位置から開始して、連続的に、隣接する処理単位へと位置を変えるようにして当該ウェイト算出決定処理を実行することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記ウェイト決定手段において、前記処理単位となす配列の方向は、前記被検体の体軸方向であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記被検体である放射線治療の対象としての患者に対して、放射線治療ビームを照射する放射線治療ビーム照射手段と、
該放射線治療ビーム照射による治療の開始決定のための治療開始決定手段と、
当該開始決定を条件に、前記画像処理装置における画像処理と前記放射線治療ビーム照射手段における放射線治療ビーム照射制御とを実行し、放射線治療中における所定フレームレートにより、前記被検体をX線撮影して得られる連続X線透視撮影をもとに前記画像処理装置により補正対象とする画像を逐次取得し、該画像処理装置で前記補正テーブルを参照し、該連続X線透視撮影により逐次取得した前記画像に対して前記ウェイトを適用する前記画像補正をリアルタイムで行うことにより、前記物体が前記被検体の画像化された領域に与える影響を低減する一方、該画像処理装置による画像処理に基づく前記補正後画像を用いて、前記放射線治療ビーム照射手段でX線透視式呼吸同期照射による放射線治療制御を行うよう前記画像処理装置及び前記放射線治療ビーム照射手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする放射線治療装置。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理装置、又は、請求項8に記載の放射線治療装置を、コンピュータに実現させるためのプログラム。
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