JP6597669B2 - テーパー鋼板の矯正方法および矯正装置 - Google Patents

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本発明は、矯正用のロールを駆動する電動機がロールごとに設置されロール正転逆転を繰り返して長手方向に板厚が変化するテーパー鋼板の歪を矯正する、テーパー鋼板の矯正方法および矯正装置に関するものである。
テーパー鋼板とは、鋼板の長手方向に板厚が変化する鋼板であり、一般に、橋梁材、造船材としての需要が多い鋼板である。このようなテーパー鋼板に平坦度不良が生じた場合、平坦度不良を修正するために、ローラーレベラー方式の矯正装置(ホットレベラー、コールドレベラー)やプレス装置を用いた矯正が行われる。
一般的に、平板をローラーレベラー方式の矯正装置により矯正する場合には、板厚が鋼板長手方向の一端から他端にかけて均一であり、またローラーレベラーのギャップ(圧下量)の設定値が1つであることから、鋼板の矯正作業中の圧下量を自動で制御する自動矯正により行われる。
しかし、テーパー鋼板をローラーレベラー方式の矯正装置により矯正する場合には、鋼板の矯正作業中に板厚が鋼板長手方向で変化するため、自動矯正により全長に渡り、均一な矯正を行うことが困難である。
そのため、一般的には、オペレーターが、矯正中のモータ電流値変化等から板厚の変化を目視で判断し、手動操作で圧下量を調整しながらテーパー鋼板の矯正作業を行っている。
テーパー鋼板の矯正装置として、例えば特許文献1には、矯正装置入側に設置した板厚検出器により板厚一定の平行部の厚さを実測した後、実測板厚に基づき調整された圧下量を圧下駆動用電動機に入力して、最初の圧下量を平行部の実際板厚に応じて変化させ、鋼板材を搬送する搬送ローラーの回転数より圧下量調整を開始する時刻を求めると共に圧下量を調整する速度を制御する技術が開示されている。
特開昭49−109256号公報
従来の手動操作により圧下量を調整する矯正作業では、オペレーターが鋼板の矯正中のモータ電流値の変化等からテーパー部を認識し、圧下量の変更位置を調整していた。しかし、この方法では、モータ電流値の変化等からテーパー部を認識する際、判断に個人差が生じる。そのため、テーパー部が始まる位置(始点)あるいはテーパー部が終わる位置(終点)を正確に判断できない問題がある。
この問題に対しては、正確にテーパー部の始点と終点を認識するために、マイクロメータを用いて板厚を実測し、板厚が変化する位置を鋼板上に罫書くことで解決可能である。しかし、矯正対象となる鋼板ごとにマイクロメータを用いて板厚を実測して鋼板上に罫書くことは、膨大な時間を必要とし、現実的ではない。
また、特許文献1に記載の技術では、矯正装置入側に設けた板厚検出器を用いてテーパー部を認識し、鋼板の搬送速度からテーパー部が矯正装置に差し掛かるタイミングを計算して圧下量の変更位置を調整するため、一般的に高価な設備である板厚検出器を導入する必要があった。
さらに、搬送ローラーの回転数、ローラー直径を用いた所定の式で搬送速度を求めて、圧下量を調整するタイミングを計算するが、搬送中に加減速を行う場合には調整するタイミングを計算できなくなることや、ローラー直径が矯正圧延により経時変化した場合には計算された調整するタイミングと実際の調整するタイミングとの間に誤差が生じるという問題がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、テーパー鋼板の長手方向でテーパー部の位置を正確に認識し、全長にわたって矯正装置の圧下量の制御を自動運転できる、テーパー鋼板の矯正方法および矯正装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、テーパー鋼板の矯正作業中における矯正ロールを駆動する電動機(以下、電動機または駆動電動機とも称する)の電流値を監視することで、この電流値の変化から鋼板のテーパー部の位置を早く正確に認識できることを見出した。
矯正を行う場合、各ロールに矯正トルクが発生するため、そのトルクを供給するために各ロールを駆動する電動機が仕事をする。テーパー部で板厚が変更する場合、この矯正トルクが変動する(板厚が薄い部分から厚い部分に変化するテーパー部矯正方向では、矯正トルクは増加する、また逆に、厚い部分から薄い部分に変化するテーパー部矯正方向では、矯正トルクは減少する)ため、駆動電動機の仕事量が変動する。
この変動は駆動電動機の電流値に現れるため、この電流値からテーパー部を捉えることができる。テーパー部が矯正装置に差し掛かったタイミングで変動するため、板厚検出器も不要で、搬送速度の変動も問題にならない。また、荷重で検出する方法は広く使われているものの、テーパー部を検出するためには実仕事を行うロールの駆動電動機の電流から検出することにより一番早く検出できることを確かめた。
上記課題は、以下の発明によって解決できる。
[1] 鋼板の長手方向に板厚が変化するテーパー部を有するテーパー鋼板を矯正するテーパー鋼板の矯正方法であって、
前記テーパー鋼板の平行部を矯正中の矯正ロールを駆動する電動機の電流値を計測し、
計測された電流値が、矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と+a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を超えた場合、または、
矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と−a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を下回った場合には、
前記テーパー鋼板のテーパー部が開始したと判断して、テーパー部の板厚に対して矯正圧下の圧下量を変更する制御を行うことを特徴とするテーパー鋼板の矯正方法。
[2] 鋼板の長手方向に板厚が変化するテーパー部を有するテーパー鋼板を矯正するテーパー鋼板の矯正装置であって、
前記テーパー鋼板が通過するパスラインの上側と下側にそれぞれ複数配置され、前記テーパー鋼板に矯正トルクを供給する矯正ロールと、
該矯正ロールを個別に駆動する電動機と、
該電動機の電流値を調整する電動機コントローラと、
前記矯正ロールに圧下力を付与する圧下装置と、
該圧下装置の圧下量を制御する矯正制御装置とを具備し、
該矯正制御装置で矯正中の前記テーパー鋼板のテーパー部開始を判断するにあたっては、
前記電動機コントローラで計測された前記テーパー鋼板の平行部の電流値が、矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と+a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を超えた場合、または、
矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と−a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を下回った場合には、
前記テーパー部開始と判断することを特徴とするテーパー鋼板の矯正装置。
[3] 上記[1]に記載のテーパー鋼板の矯正方法を用いて、
鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造方法。
本発明によれば、テーパー鋼板の矯正中に発生する矯正装置の駆動電動機の電流値の変化を監視することにより、テーパー部の位置を早く高精度で認識することができる。そのため、鋼板長手方向位置における適切な圧下量の自動調整が可能となり、全長にわたって最適な矯正を実現できる。また、全長にわたって高精度かつ自動運転で矯正できるため、従来の矯正方法に比べて矯正効果が大幅に向上し、矯正後の鋼板の平坦度にも優れる。
ローラーレベラー方式の矯正装置の装置構成例を示す図である。 矯正作業に絡む主要構成例を示す図である。 テーパー鋼板の一断面例を示す図である。 本発明によるテーパー部検出例を説明する図である。 本発明に係るテーパー鋼板の矯正方法の処理例を示す図である。 本発明を適用してテーパー鋼板の矯正を行った結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、テーパー鋼板の矯正を行うローラーレベラー方式の矯正装置の装置構成例を示す図である。そして、図2は、矯正作業に絡む主要構成例を示す図である。
図中、1は矯正装置、2は矯正ロール、3はバックアップロール、4はロールフレーム、5はロール撓み補正装置、6は圧下装置、7はテーパー鋼板、8は電動機、9は電動機コントローラ、および10は矯正制御装置をそれぞれ表す。
図1に示すように、ローラーレベラー方式の矯正装置1は、例えば、複数の矯正ロール2、複数のバックアップロール3、ロールフレーム4、ロール撓み補正装置5、圧下装置6を有する。テーパー鋼板7は、パスラインに沿って紙面矢印方向(矯正方向)に正転逆転を繰り返して搬送され、複数の矯正ロール2にて矯正される。なお、図1中、テーパー鋼板7は、簡略化して平板として図示している。
矯正ロール2は、テーパー鋼板7が通過するパスラインに対して上側と下側に千鳥状に配置された複数本のロールからなる。ここでは、上側に配置された4本のロールを上側矯正ロール2U、下側に配置された5本のロールを下側矯正ロール2Dとして示している。
そして、上側および下側の矯正ロール2U、2Dは、さらにそれらの上側および下側に設けたバックアップロール3U、3Dによりそれぞれ支持される。
上側および下側のバックアップロール3U、3Dは、さらにそれらの上側および下側に設けたロールフレーム4U、4Dにより支持される。
そして、ロール撓み補正装置5は、上側ロールフレーム4Uの上側に配置され、矯正反力により矯正ロール2U、2Dに生じる撓みを補正する装置であり、各矯正ロールの幅方向の圧下量を個別に調整する。
圧下装置6は、矯正装置1の上部、鋼板の入側と出側に、それぞれ配置される。圧下装置6は、入側と出側の圧下量を個別に調整し、上側および下側矯正ロール2U、2Dの間のギャップ(圧下量)を調整して、上側および下側矯正ロール2U、2Dに圧下力を付与する。
テーパー鋼板(以下、鋼板と称する場合もある)を矯正する場合には、上側矯正ロール2Uをロールフレーム4ごと傾斜させて、入側の上側および下側矯正ロール2U、2Dの間隔と出側の上側および下側矯正ロール2U、2Dの間隔を調整する。矯正ロールにより繰り返し曲げを付与することにより、鋼板の反りや波打ちなどの形状不良が矯正される。
図2に示すように、上側矯正ロール2U(#2、#4、#6、#8)および下側矯正ロール2D(#1、#3、#5、#7、#9)には、駆動用としてそれぞれ個別に9台の電動機8が設置される。そして、電動機コントローラ9により個別に9台の電動機8の電流値が調整されて、上側矯正ロール2Uおよび下側矯正ロール2Dのそれぞれの回転(正転・逆転も含めて)が制御される。
矯正制御装置10は、圧下装置6の圧下量を制御して、テーパー鋼板の矯正圧下を行う。矯正を行う場合、各ロールに矯正トルクを発生させるため、そのトルクを供給するために各ロールを駆動する電動機8が仕事をする。テーパー部で板厚が変更するので、矯正トルクが変動する(板厚が薄い部分から厚い部分に変化するテーパー部矯正方向では、矯正トルクは次第に増加する、また逆に、厚い部分から薄い部分に変化するテーパー部矯正方向では、矯正トルクは次第に減少する)ため、電動機の仕事量も変動する。そして、この変動は、電動機の電流値に現れるため、本発明では後述するようにこの電流値の変化からテーパー部を早く正確に捉えようとするものである。
図3は、テーパー鋼板の一断面例を示す図である。テーパー鋼板とは、鋼板の長手方向で板厚が変化する鋼板であり、1つ以上のテーパー部を有する。テーパー鋼板には、例えば、鋼板の全長で板厚が増加または減少する1方向テーパー鋼板や、板厚が凸型に増減する2方向テーパー鋼板などがある。また、鋼板の先端、尾端などに板厚が均一となる平行部を1つ以上有する鋼板や、2種類以上の高さが異なる平行部を有する鋼板がある。
図3では、一例として、平行部を有する1方向テーパー鋼板7を示しており、鋼板の長手方向(圧延方向)に板厚が均一となる平行厚部aと、この平行厚部aに連続して設けられ長手方向に板厚が減少するテーパー部bと、このテーパー部bに連続して設けられ長手方向に板厚が均一でかつ平行厚部よりも板厚が薄い平行薄部cが形成される。
一般に、平板を矯正する場合には、鋼板長手方向の一端から他端にかけて板厚が均一のため、ローラーレベラーの圧下量の設定値は1つでよい。一方、テーパー鋼板を矯正する場合には、鋼板長手方向に板厚の異なる平行部を2つ以上有するため、ローラーレベラーの圧下量の設定値は2つ以上必要である。特に、テーパー部の矯正では、平坦度、荷重などを考慮した上で、最適なローラーレベラーの圧下量に制御することが要求される。しかし、テーパー部は、鋼板の長手方向で板厚が連続的に変化するため、テーパー部の板厚に対して圧下量を適正範囲に補正することは難しい。
そこで、本発明では、テーパー鋼板の矯正作業中における矯正ロールを駆動する電動機の電流値に基づいて、テーパー部を早く正確に認識できることを特徴とする。
図4は、本発明によるテーパー部検出例を説明する図である。図3に示したテーパー鋼板を、平行厚部a〜テーパー部b〜平行薄部cへと矯正作業中における矯正ロールを駆動する電動機の電流値の時系列変化を模式的に示している。
テーパー鋼板の移動にともなった矯正中に入側に配置される矯正ロールが、平行厚部からテーパー部を通過する際、矯正ロールを駆動する電動機の電流値は、テーパー部開始位置を過ぎてからは一定の傾斜で暫時減少していく。そして、テーパー部が終わり平行薄部を通過した後は、電動機の電流値はほぼ一定値になる。
しかしながら、電動機の電流値は、矯正ロールのトルク変化を早く捉えることができるものの、鋼板の歪などにより安定しない値を示す。このため、テーパー部開始検出を電流値の単位時間変化がしきい値を超えたことにより判断しようとすると、例えば図4に示すように、平行部でも電流値の単位時間変化が大きくなることがあり、テーパー部開始と誤検出しまうという可能性がある。
そこで、本発明では、同じ種類の鋼板に対して板厚ごとの平行部における矯正時の電流値を計測し、データベースに事前に保存しておく。同種の鋼板(降伏応力が一定)では、板厚が異なるごとに、矯正時の電流値が異なる(例えば、板厚が厚くなると矯正時の電流値が増加する)。データベースには、板厚に対応した電流値が保存される。
そして、矯正対象材のテーパー鋼板の平行部(厚部、薄部)の板厚に対して、板厚が±a%異なる板厚に対応した電流値を閾値として、テーパー部開始の判断として用いる。例えば、上記a%が5%とすれば、平行部の板厚が10mmのテーパー鋼板に対して、±5%板厚が異なる鋼板(すなわち、板厚10.5mmまたは9.5mmの鋼板)の電流値(データベースに保存した)を閾値として用いる。
具体的には、上記例では、板厚が10mmの鋼板の平行部を矯正時に計測される電流値を監視し、データベースに保存した板厚10.5mmの電流値を超えた場合には、板厚が増える方向のテーパー部が始まったと判断し、また逆に、データベースに保存した板厚9.5mmの電流値を下回った場合には、板厚が少なくなる方向のテーパー部が始まったと判断するというものである。
なお、上記±a%については、前述したように、テーパー鋼板の平行部矯正時で誤検出することなく、明確にテーパー部を検知できる値を設定すべきものである。しかしながら、現実的には、鋼種、テーパー条件、矯正条件などにより異なり、一意に決められるものでない。矯正結果などを確認しながら、データ蓄積を重ねて適宜修正を加えて確定すべきものである。
図5は、本発明に係るテーパー鋼板の矯正方法の処理例を示す図である。矯正圧下量制御処理を行う矯正制御装置10には、鋼板移動距離計測手段、圧下量計測手段、電流計測手段、テーパー部検出手段、圧下量調整手段を有する。矯正対象のテーパー鋼板の先端(平行部)が矯正装置に到着した段階で処理がスタートし、Step01の処理に進む。
なお、Step01の処理がされる前に、矯正制御装置10に、対象となるテーパー鋼板の製品寸法に基づき平行厚部と平行薄部における矯正ロールの各圧下量の設定、テーパー部を認識するための条件などの条件設定が、予め行われる。
テーパー鋼板の製品寸法とは、例えば、テーパー鋼板の全長、平行部やテーパー部の長さ・板厚等の情報である。また、テーパー部を認識するための条件とは、例えば、前述した閾値、すなわち、対象となるテーパー鋼板の平行部の板厚に対して±a%板厚が異なる鋼板で予め保存しておいた電流値等の情報である。
この電流値は、後述のStep02でテーパー部であるか否かを判断する基準となる閾値であり、例えば、誤検出や検出タイミングの遅れが生じない位置を考慮して決定される。なお、これらの情報は、矯正制御装置10の上位コンピュータ(図示せず)より送信される。
まず、Step01では、鋼板移動距離計測手段、圧下量計測手段、電流計測手段により、矯正圧下中におけるテーパー鋼板の長手方向位置、テーパー鋼板の長手方向位置に対する矯正ロールの圧下位置および矯正ロールの電動機の電流値についての計測が、それぞれ行われる。そして、テーパー鋼板の長手方向位置に対する矯正ロールの圧下位置、矯正ロールの電動機の電流値がテーパー鋼板の移動にともなってトラッキングされる。
テーパー鋼板の長手方向位置の計測は、鋼板移動距離計測手段により、テーパー鋼板の先端部を検出後、鋼板長手方向の移動距離を計測することにより、例えば、搬送ロールに設置されたPLG(ロール回転数検出)を用いる。また、矯正ロールの圧下位置の計測は、圧下量計測手段により、圧下装置6のシリンダ位置を計測することにより行う。
次に、Step02では、テーパー部の検出が行われる。テーパー部の検出は、テーパー部検出手段により、Step01で計測された電流値と、±a%異なる板厚に対応した電流値を閾値として比較することにより行われる。計測された電流値が、+a%異なる板厚に対応した電流値を超えた場合には、板厚が増える方向のテーパー部が始まったと判断し、また逆に、-a%異なる板厚に対応した電流値を下回った場合には、板厚が少なくなる方向のテーパー部が始まったと判断する。
ここで、テーパー部が始まったと判断した場合(Yes)では、Step03に進み、圧下量調整手段により、対象となるテーパー部に見合った矯正圧下の圧下量の設定を変更する制御が行われる。すなわち、対象となるテーパー部の傾斜と鋼板の搬送速度に基づいた圧下量の移動速度を圧下装置6に指示する。
ここで、テーパー部がまだ始まっていないと判断した場合(No)では、それまでの圧下量を維持し、(Yes)との判断がでるまでStep02での判断処理を継続する。
なお、鋼板の先端または尾端では鋼板噛み込み開始または噛み込み終了時の衝撃等により、計測される電流値が異常値を示す場合がある。そのため、鋼板移動距離計測手段を用いて、鋼板噛み込み開始または噛み込み終了時でのStep02での判断は行わないようにするとよい。
そして、ここでは、簡単のために、テーパー部が一箇所の場合を想定しStep03の処理の後、矯正圧下量制御処理は終了するフローを示したが、テーパー部が複数存在す場合は、Step03の処理の後、Step02に戻る処理フローとするとよい。
図6は、本発明を適用してテーパー鋼板の矯正を行った結果の一例を示す図である。鋼板の平行厚部〜テーパー部〜平行薄部の順に、本発明を適用して矯正を行った際における電流値の時系列変化の一例を示したものである。
楕円形破線で示したタイミングにおいてテーパー部を自動で検知し、テーパー部の板厚に対して矯正圧下の圧下量を変更することができている。なお、矢印bで示すタイミングにおいて電流が急に増加し、その後にほぼ一定値となっている。これは、テーパー部終了を検知し、矢印bのタイミングで次の平行薄部用の圧下設定に変更したためである。
本発明の適用にあたっては、鋼種や板厚での制約はなく、また、矯正が厚部から薄部となる形状の鋼板のみを対象に本発明の適用を行った。この結果、それまでの矯正NG率を20%低減することができた。
以上、本発明によれば、テーパー鋼板の矯正中に発生する矯正装置の駆動電動機の電流値の変化を監視することにより、テーパー部の位置を早く高精度で認識することができ、矯正ロールの圧下量の設定変化位置が適切になり、全長において適切なギャップで矯正できた。そして矯正能力が向上した結果、テーパー鋼板の再矯正率が大幅に低減した。
1 矯正装置
2 矯正ロール
3 バックアップロール
4 ロールフレーム
5 ロール撓み補正装置
6 圧下装置
7 テーパー鋼板
8 電動機
9 電動機コントローラ
10 矯正制御装置

Claims (3)

  1. 鋼板の長手方向に板厚が変化するテーパー部を有するテーパー鋼板を矯正するテーパー鋼板の矯正方法であって、
    前記テーパー鋼板の平行部を矯正中の矯正ロールを駆動する電動機の電流値を計測し、
    計測された電流値が、矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と+a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を超えた場合、または、
    矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と−a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を下回った場合には、
    前記テーパー鋼板のテーパー部が開始したと判断して、テーパー部の板厚に対して矯正圧下の圧下量を変更する制御を行うことを特徴とするテーパー鋼板の矯正方法。
  2. 鋼板の長手方向に板厚が変化するテーパー部を有するテーパー鋼板を矯正するテーパー鋼板の矯正装置であって、
    前記テーパー鋼板が通過するパスラインの上側と下側にそれぞれ複数配置され、前記テーパー鋼板に矯正トルクを供給する矯正ロールと、
    該矯正ロールを個別に駆動する電動機と、
    該電動機の電流値を調整する電動機コントローラと、
    前記矯正ロールに圧下力を付与する圧下装置と、
    該圧下装置の圧下量を制御する矯正制御装置とを具備し、
    該矯正制御装置で矯正中の前記テーパー鋼板のテーパー部開始を判断するにあたっては、
    前記電動機コントローラで計測された前記テーパー鋼板の平行部の電流値が、矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と+a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を超えた場合、または、
    矯正中の前記テーパー鋼板の平行部の板厚と−a%異なる板厚の鋼板で予め計測しておいた電流値を下回った場合には、
    前記テーパー部開始と判断することを特徴とするテーパー鋼板の矯正装置。
  3. 請求項1に記載のテーパー鋼板の矯正方法を用いて、
    鋼板を製造することを特徴とする鋼板の製造方法。
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