JP6595855B2 - 蒸留塔を備えた蒸留装置 - Google Patents

蒸留塔を備えた蒸留装置

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Description

本発明は、蒸留塔を備えた蒸留装置に関し、より詳しくは蒸留塔の塔頂部からの蒸気を、蒸気圧縮機を使用してリボイラーの加熱源に再利用する省エネルギー型の蒸留装置に関するものである。
蒸留塔を備えた蒸留装置では、省エネルギー化を図るために、ヒートポンプとして機能する蒸気圧縮機を設け、蒸留塔からの蒸気を圧縮昇温しリボイラーの加熱源とする構成の省エネルギー型の蒸留装置が知られている。このような蒸留装置において、蒸気圧縮機目標とする高濃度まで蒸発濃縮する場合は、圧縮比を大きくする必要があり、そのため蒸気圧縮機の大型化を招来するという課題がある。そこで、かかる課題を解決するため、低温蒸発缶と高温蒸発缶とを設け、原液を低温蒸発缶に供給して、中濃度にまで蒸発濃縮したのち、高温蒸発缶に導いて最終の高い濃度にまで蒸発濃縮することが提案されている(以下の特許文献1、2参照)。
特公平1−44081号公報 実公平7−161号公報
しかし、上記従来例では、蒸発缶を2個必要であり、装置の大型化及びコストの増大を招くことになる。
そこで、装置のコンパクト化及びコストの低減を図るようにした蒸留装置が所望されていた。
本願発明は、上記課題に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、装置のコンパクト化及びコストの低減を図るようにした蒸留塔を備えた蒸留装置を提供することである。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、蒸留塔と、蒸留塔の塔底部に貯留される貯留液を加熱するリボイラーと、蒸留塔の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラーの加熱源とする蒸気圧縮機とを備えた蒸留装置であって、前記リボイラーに加熱蒸気を注入する加熱蒸気注入手段を備え、前記貯留液の濃度が、前記蒸気圧縮機の圧縮能力の範囲内であって前記蒸気圧縮機の使用によって前記蒸留装置における蒸発濃縮が可能な低濃度域である場合には、前記蒸気圧縮機の駆動によって蒸留塔の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラーの加熱源とし、前記貯留液の濃度が、前記蒸気圧縮機の圧縮能力の範囲外であって前記蒸気圧縮機の使用によっては前記蒸留装置における蒸発濃縮が不可能な高濃度域である場合には、前記加熱蒸気注入手段によって加熱蒸気をリボイラーに注入して蒸発濃縮運転を行うことを特徴とする。
上記構成によれば、大型の蒸気圧縮機を用いることなく、1つのリボイラー(蒸発缶に相当)で低濃度域から高濃度域までの蒸発濃縮運転を円滑に行うことができる。この結果、従来例に比べて、装置のコンパクト化及びコストの低減を図ることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸留塔を備えた蒸留装置であって、前記リボイラーは前記蒸留塔の塔底部に一体的に接続されている請求項1記載の蒸留塔を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、さらなる蒸留装置のコンパクト化が図れる。また、工場においてリボイラーを蒸留塔の塔底部に組み込む作業が行われているので、例えば、設置現場において蒸留塔とリボイラーとを配管接続する設置作業が不要となり、設置現場での設置作業の効率化や、設置作業に要する時間の短縮化が図れる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の蒸留塔を備えた蒸留装置であって、前記加熱蒸気注入手段によってリボイラーに注入する加熱蒸気は、前記蒸気圧縮機で圧縮昇温された圧縮蒸気の温度よりも高いことを特徴とする。
上記の如く、加熱蒸気注入手段によって供給される加熱蒸気を、蒸気圧縮機で圧縮昇温された圧縮蒸気の温度よりも高くするという簡単な構成により、貯留液の濃度が高濃度域である場合にも蒸発濃縮することが可能となる。
ここで、蒸気圧縮機はターボ形蒸気圧縮機、ルーツ形蒸気圧縮機、あるいはその他の蒸気圧縮機のいずれであってもよい。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の蒸留塔を備えた蒸留装置であって、少なくとも、原液を前記蒸留塔の塔底部、あるいは前記リボイラー、あるいは前記蒸留塔の塔底部又は前記リボイラーに接続される配管部であって且つ原液又は原液が濃縮された濃縮液が循環する流路となり得る配管部のいずれかに供給するように構成された請求項1記載の蒸留塔を備えた蒸留装置。
ここで、「前記蒸留塔の塔底部又は前記リボイラーに接続される配管部であって且つ原液又は原液が濃縮された濃縮液が循環する流路となり得る配管部」とは、原液又は原液が濃縮された濃縮液(以下、濃縮液と略称する)の循環流路を構成する管(実施の形態1では循環流路h1を構成する管70、管71、実施の形態2では循環流路h2を構成する管14がそれぞれ相当)とそれ以外に、実質的に原液又は濃縮液が循環する流路とみなし得る配管部も含まれる。実質的に原液又は濃縮液が循環する流路とみなし得る配管部とは、例えば、実施の形態1の管60が該当する。その理由は、実施の形態1に則して説明すれば以下の通りである。即ち、蒸留塔2の塔底部に貯留する原液又は濃縮液は管70を介して水平管型蒸発器(リボイラーに相当)3に供給され、水平管型蒸発器3の上部で薄膜蒸発した蒸気が管60を介して蒸留塔の塔底部に供給され、一方、薄膜蒸発しなかった残余の原液又は濃縮液(循環液)は、蒸発缶5の底部から管71を介して蒸留塔2の塔底部に供給される。従って、原液又は濃縮液は、蒸留塔2の塔底部→管70→水平管型蒸発器(リボイラーに相当)3→管71→蒸留塔2の塔底部を巡ることにより、管70及び管71は、原液又は濃縮液の循環流路h1を構成する管に該当する。一方、管60は当該循環流路h1を構成する管に該当しないけれども、原液又は濃縮液が蒸発し蒸気となって管60を介して蒸留塔2の塔底部に供給される構成であり、そのため、蒸留塔2の塔底部→管70→水平管型蒸発器(リボイラーに相当)3→管60→蒸留塔2の塔底部を巡る流路は、広義の原液又は濃縮液の循環流路とみなし得る。よって、実施の形態1の管60は、実質的に原液又は濃縮液が循環する流路とみなし得る配管部に該当する。
また、本発明の作用・効果は、以下の通りである。即ち、通常の蒸留塔では、原液は蒸留塔の中間部に供給され、濃縮部と回収部が存在する。しかし、上記構成の本発明においては、原液は蒸留塔の塔底部あるいはリボイラーに直接供給されるため、回収部が不要となり、構造が簡略化され、コストの削減も図ることが可能となる。
本発明によれば、大型の蒸気圧縮機を用いることなく、1つのリボイラー(蒸発缶に相当)で低濃度域から高濃度域までの蒸発濃縮運転を円滑に行うことができる。この結果、従来例に比べて、装置のコンパクト化及びコストの低減を図ることができる。
実施の形態1に係る蒸留装置の全体構成図。 実施の形態2に係る蒸留装置の全体構成図。
以下、本発明を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る蒸留装置の全体構成図である。本実施の形態1では、蒸留装置として、高沸点有機溶剤含有排水を蒸留処理し、回収液と処理水とに分離する用途に使用される蒸留装置を挙げて説明する。
蒸留装置1は、多段の蒸留塔2と、蒸留塔2の塔底部に貯留される貯留液を加熱するリボイラー3と、蒸留塔2の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラー3の加熱源とするヒートポンプとしての蒸気圧縮機4とを備える。本実施の形態1に係る蒸留装置1の特徴の概略を説明すれば、前記貯留液の濃度が低濃度域である場合には、蒸気圧縮機4の駆動によって蒸留塔2の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラー3の加熱源とし、貯留液の濃度が高濃度域である場合には、加熱蒸気をリボイラー3に注入して蒸発濃縮運転を行うように構成されていることである。ここで、「低濃度域」とは、蒸気圧縮機4の使用で蒸発濃縮可能な濃度範囲を意味する。「高濃度域」とは、蒸気圧縮機4の使用では蒸発濃縮不可能な濃度範囲を意味する。つまり、「高濃度域」とは、蒸気圧縮機4の圧縮能力を超えたときの濃度ということになる。以下、上記の特徴的構成を含めて、蒸留装置1の具体的構成を説明する。
本実施の形態では、リボイラー3として水平管型蒸発器(水平管式熱交換器に相当)が使用されている。このような水平管型蒸発器を用いることにより、より少ない温度差で溶液を再加熱することができ、省エネルギー化が図れる。
水平管型蒸発器は蒸発缶5を含み、この蒸発缶5は筒形に形成されている。蒸発缶5の上部には、左右一対のヘッダー6a,6bと、この両ヘッダー6a,6bの間を繋ぐ多数本の水平伝熱管6cとから成る加熱器6が設けられている。また、加熱器6のヘッダー6bの底部は、管33を介して凝縮器32の下部32aと接続されており、凝縮器32の下部32aは管37を介して散布器9に接続されている。凝縮器32の下部32aには凝縮水ポンプ8が設けられている。凝縮器32の下部32aに貯留される凝縮水は凝縮水ポンプ8の駆動によって管37を通って散布器9に移送されるようになっている。また、管37には流量制御弁V5が設けられており、この流量制御弁V5の開度に応じて凝縮水の一部は、熱交換器22を経て処理水として排出されるようになっている。なお、流量制御弁V5に代えて手動式の弁を用いるようにしてもよい。
また、水平管型蒸発器は、原液又は濃縮液の循環流路h1(管70と管71で構成)を有する。循環流路h1には、循環ポンプP1及び散布器13が配置されている。循環ポンプP1は、蒸留塔2の塔底部に接続されている。循環ポンプP1は、管70を通して、蒸留塔2の塔底部に貯留する原液(原液が濃縮された濃縮液を含む)を散布器13に移送することができるように形成されている。また、循環ポンプP1は、原液が濃縮された濃縮液の一部を回収して、管19、熱交換器21を通して、回収液として系外に排出することができるように形成されている。散布器13は、原液を水平伝熱管6cの上方から水平伝熱管6cに向けて散布するように形成されている。なお、蒸発缶5の底部は蒸留塔2の塔底部に管71を介して接続されており、貯留液は蒸発缶5の底部を介して蒸留塔2の塔底部に戻され、貯留室44に貯留されるようになっている。また、水平管型蒸発器の上部は管60を介して蒸留塔2の塔底部に接続されており、水平伝熱管6cの外側で薄膜蒸発した蒸気が蒸留塔2の塔底部に供給されるようになっている。
また、蒸留塔2の塔頂部は管30を介して蒸気圧縮機4の入口側に接続され、蒸気圧縮機4の出口側は管30aを介して加熱器6のヘッダー6aに接続されている。管30は途中で分岐した管31を備え、この管31は凝縮器32に接続されている。管30aには開閉弁V1が設けられ、管31には開閉弁V2が設けられている。
また、凝縮器32には真空ポンプ20が接続されており、更に、ヘッダー6bと管31は管50によって連結されており、このような構造により真空ポンプ20の駆動によって凝縮器32、蒸発缶5、蒸留塔2、及び蒸気圧縮機4の内部が所定の高真空度に保持される。
また、ヘッダー6aには加熱蒸気注入管40が接続されており、この加熱蒸気注入管40には開閉弁V3が設けられている。開閉弁V3が「開」の場合は、加熱蒸気が加熱蒸気注入管40を通ってヘッダー6aに供給されるようになっている。加熱蒸気注入管40を通ってヘッダー6aに供給される加熱蒸気の温度は、蒸気圧縮機4で圧縮昇温された圧縮蒸気の温度T2よりも高い。ここで、蒸気圧縮機4はターボ形蒸気圧縮機、ルーツ形蒸気圧縮機、あるいはその他の蒸気圧縮機のいずれであってもよい。
また、蒸留塔2の塔底部の貯留液(原液または原液が濃縮された濃縮液)を貯留する貯留室44に、当該貯留室44内の液面を検出する水面計42が設けられると共に、原液供給管23に設けた流量制御弁V4を前記水面計42に、当該貯留室44内の液面が水面計42より低くなると開くように関連付けることにより、当該塔底部内に、一定濃度の原液を、当該原液の液面が略一定を保つように供給する。
なお、開閉弁V1、V2、V3、及び流量制御弁V4、V5は、制御回路43によって開閉制御されるようになっている。
次いで、上記構成の蒸留装置1の処理動作について説明する。真空ポンプ20の駆動により、蒸発缶5、蒸留塔2、及び蒸気圧縮機4の内部が所定の高真空度に保持される。原液は原液供給管23を通って蒸留塔2の塔底部に供給され貯留室44に貯留される。次いで、循環ポンプP1の駆動により、塔底部の貯留室44に貯留される循環液(原液及び濃縮水を含む)は管70を通って散布器13に供給され、散布器13から水平伝熱管6cに向かって散布される。散布器13にて散布された循環液は、水平伝熱管6cの表面で薄膜蒸発し、加熱蒸気が発生する。この加熱蒸気は蒸留塔2の塔底部に供給され、蒸留塔2内を上昇する。一方、ヘッダー6bから管33を通って凝縮器32の下部供給された処理水(凝縮水)は、ポンプ8の駆動により散布器9から散布され、蒸留塔2内を流下する。そして、蒸留塔2内部の各段において、蒸留塔2内を上昇する加熱蒸気と蒸留塔2内を流下する処理水(凝縮水)とが気液接触することにより、沸点の異なった成分が分離し、塔底部には高沸点成分の濃縮された液が流下し貯留室44に貯留され、塔頂部からは殆どが低沸点成分から成る蒸気が取り出される。
塔頂部から取り出された蒸気は蒸気圧縮機4に導かれる。蒸気圧縮機4では、供給された蒸気を圧縮昇温し、リボイラー3の熱源とする。即ち、蒸気圧縮機4に導かれた蒸気は、蒸気圧縮機4にて断熱圧縮されて温度及び圧力が上昇した後にヘッダー6aに送られる。ヘッダー6aに進入した蒸気は、水平伝熱管6cの内側に導かれ、水平伝熱管6cの外側に散布された循環液を薄膜蒸発させる。薄膜蒸発により発生した蒸気は再び蒸留塔2の塔底部に供給され蒸留塔2内を上昇し、塔頂部から蒸留塔2内を下降する処理水(凝縮水)と気液接触が行われ、この結果、下降液中の高沸点成分濃度は増加し、上昇蒸気中の高沸点成分濃度は減少する。一方、薄膜蒸発しなかった残余の循環液は、蒸発缶5の底部から管71を介して蒸留塔2の塔底部に供給され、塔底部の貯留室44に貯留される。そして、このような一連の処理が繰り返し行われることにより、循環液は濃縮され、管19から回収液として系外に排出される。
また、上記薄膜蒸発により、水平伝熱管6cの内側に導かれ蒸気は同時に凝縮し、ヘッダー6bに導かれ、その一部は凝縮水として凝縮器32の下部に供給され、ポンプ8の駆動により、管37を通って蒸留塔2の塔頂部に供給され、その一部は高沸点成分が大幅に低減した処理水として管11を通って系外に排出される。
上記の蒸発濃縮処理動作中においては、蒸留塔2の塔底部内には、水面計42と流量制御弁V4とにより、原液を、蒸発濃縮による減量分ずつ供給しながら蒸発濃縮を行う。そして、この蒸発濃縮により、蒸留塔2の塔底部内における貯留液が、所定の高濃度域に達すると、制御回路43によって、開閉弁V1を「閉」、開閉弁V2を「開」、開閉弁V3を「開」とし、更に、流量制御弁V4を水面計42に優先して「閉」とする。
これにより、加熱蒸気がリボイラー3に注入されて蒸発濃縮運転が行われる。具体的に説明すると、加熱蒸気が加熱蒸気注入管40を通ってヘッダー6aに送られる。ヘッダー6aに進入した蒸気は、水平伝熱管6cの内側に導かれ、水平伝熱管6cの外側に散布された循環液を薄膜蒸発させるために用いられる。一方、循環ポンプP1の駆動により、蒸蒸留塔2の塔底部に貯留する循環液(原液及び濃縮液を含む)は管70を通って散布器13に供給され、散布器13から水平伝熱管6cに向かって散布される。散布器13にて散布された循環液は、水平伝熱管6cの表面で薄膜蒸発し、加熱蒸気が発生する。この加熱蒸気は管60を介して蒸留塔2の塔底部に供給され、蒸留塔2内を上昇する。一方、凝縮水ポンプ8により、凝縮器32の下部32aから管37を通って蒸留塔2の塔頂部に供給された処理水(凝縮水)は、蒸留塔2内を流下する。そして、蒸留塔2内部の各段において、蒸留塔2内を上昇する加熱蒸気と蒸留塔2内を流下する処理水(凝縮水)とが気液接触することにより、沸点の異なった成分が分離し、塔底部には高沸点成分の濃縮された液が流下し、塔頂部からは殆どが低沸点成分から成る蒸気が取り出される。
塔頂部から取り出された蒸気は管31を通って凝縮器32に導かれ冷却凝縮される。そして、その一部は凝縮水として再び管37を通って蒸留塔2の塔頂部に供給され、その一部は高沸点成分が大幅に低減した処理水として系外に排出される。
一方、塔底部に流下した濃縮液(循環液)は再び管70を通って散布器13から散布され、薄膜蒸発により蒸気を発生させる。発生した蒸気は再び管60を通って蒸留塔2の塔底部に供給され蒸留塔2内を上昇し、塔頂部から蒸留塔2内を下降する処理水(凝縮水)と気液接触が行われ、この結果、下降液中の高沸点成分濃度は増加し、上昇蒸気中の高沸点成分濃度は減少する。このような一連の処理が繰り返し行われることにより、循環液は濃縮され、管21から回収液として系外に排出される。
上記のようにして、蒸気圧縮機4の駆動によって蒸留塔2の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラー3の加熱源とし、貯留液の濃度が高濃度域である場合には、加熱蒸気をリボイラー3に注入して蒸発濃縮運転を行うことにより、大型の蒸気圧縮機4を用いることなく、低濃度域から高濃度域までの蒸発濃縮運転を円滑に行うことができる。
(実施の形態2)
図2は実施の形態2に係る蒸留装置1Aの全体構成図である。本実施の形態2は上記実施の形態1と類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して詳細な説明は省略する。本実施の形態2に係る蒸留装置1Aは、リボイラー3が蒸留塔2の塔底部に一体的に接続されていることを特徴とする。このようにリボイラー3を蒸留塔2に一体的に接続することにより、リボイラー3と多段蒸留塔2とが分離した構成に比べて、蒸留装置のコンパクト化が図れる。また、リボイラー3と多段蒸留塔2とが分離した構成では、設置現場において蒸留塔とリボイラーとを配管接続する設置作業が必要であるが、本実施の形態では工場においてリボイラー3を蒸留塔2の塔底部に組み込む作業が行われるので、設置現場での設置作業の効率化や、設置作業に要する時間の短縮化が図れる。
以下、具体的な構成を説明する。本実施の形態2では、蒸発缶5底部の貯留液を貯留する貯留室41に、当該貯留室41内の液面を検出する水面計42が設けられると共に、原液供給管23に設けた流量制御弁V4を前記水面計42に、貯留室41内の液面が水面計42より低くなると開くように関連付けることにより、前記貯留室41内に、一定濃度の原液を、当該原液の液面が略一定を保つように供給する。
次いで、上記構成の蒸留装置1Aの処理動作について説明する。先ず、制御回路43によって、開閉弁V1を「開」、開閉弁V2を「閉」、開閉弁V3を「閉」とし、蒸気圧縮機4の駆動によって蒸留塔10の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラー3の加熱源とし蒸発濃縮運転を行う。
蒸発濃縮運転中においては、蒸発缶5における貯留室41内には、水面計42と流量制御弁V4とにより、原液を、蒸発濃縮による減量分ずつ供給しながら蒸発濃縮を行う。そして、この蒸発濃縮により、貯留室41内における貯留液が、所定の高濃度域に達すると、制御回路43によって、開閉弁V1を「閉」、開閉弁V2を「開」、開閉弁V3を「開」とし、更に、流量制御弁V4を水面計42に優先して「閉」とする。
これにより、加熱蒸気がリボイラー3に注入されて蒸発濃縮運転が行われる。具体的に説明すると、加熱蒸気が加熱蒸気注入管40を通ってヘッダー6aに送られる。ヘッダー6aに進入した蒸気は、水平伝熱管6cの内側に導かれ、水平伝熱管6cの外側に散布された循環液を薄膜蒸発させるために用いられる。一方、循環ポンプ12の駆動により、蒸発缶5底部に貯留する循環液(原液及び濃縮液を含む)は原液又は濃縮液の循環流路h2を構成する管14を通って散布器13に供給され、散布器13から水平伝熱管6cに向かって散布される。散布器13にて散布された循環液は、水平伝熱管6cの表面で薄膜蒸発し、加熱蒸気が発生する。この加熱蒸気は蒸留塔2内を上昇する。一方、凝縮水ポンプ8により、凝縮器32の下部32aから管37を通って蒸留塔2の塔頂部に供給された処理水(凝縮水)は、蒸留塔2内を流下する。そして、蒸留塔2内部の各段において、蒸留塔2内を上昇する加熱蒸気と蒸留塔2内を流下する処理水(凝縮水)とが気液接触することにより、沸点の異なった成分が分離し、塔底部には高沸点成分の濃縮された液が流下し、塔頂部からは殆どが低沸点成分から成る蒸気が取り出される。
塔頂部から取り出された蒸気は管31を通って凝縮器32に導かれ冷却凝縮される。そして、その一部は凝縮水として再び管37を通って蒸留塔2の塔頂部に供給され、その一部は高沸点成分が大幅に低減した処理水として管11を通って系外に排出される。
一方、塔底部に流下した濃縮液(循環液)は再び管14を通って散布器13から散布され、薄膜蒸発により蒸気を発生させる。発生した蒸気は再び蒸留塔10内を上昇し、塔頂部から蒸留塔2内を下降する処理水(凝縮水)と気液接触が行われ、この結果、下降液中の高沸点成分濃度は増加し、上昇蒸気中の高沸点成分濃度は減少する。このような一連の処理が繰り返し行われることにより、循環液は濃縮され、管15から回収液として系外に排出される。
上記のようにして、蒸気圧縮機4の駆動によって蒸留塔2の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラー3の加熱源とし、貯留液の濃度が高濃度域である場合には、加熱蒸気をリボイラー3に注入して蒸発濃縮運転を行うことにより、大型の蒸気圧縮機4を用いることなく、低濃度域から高濃度域までの蒸発濃縮運転を円滑に行うことができる。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態1では、蒸留塔2の塔底部内に水面計42を設け、貯留液の濃度が所定値に達したか否かを判断し、加熱蒸気をリボイラー3に注入するように制御したけれども、貯留液の濃度は蒸留塔2の塔底部以外の箇所で測定するようにしてもよい。
(2)また、上記実施の形態1,2のような水面計42の使用に代えて、貯留液の温度T3を検出する温度計と、蒸気圧縮機4で圧縮昇温された圧縮蒸気の温度T2を検出する温度計とを設け、T3−T2が所定値を超えたときに、加熱蒸気をリボイラー3に注入するようにしてもよい。
(3)また、蒸気圧縮機4の入口側蒸気圧力P1を検出する圧力計と、蒸気圧縮機4の出口側蒸気圧力P2を検出する圧力計とを設け、P2−P1が所定値を超えたときに、加熱蒸気をリボイラー3に注入するようにしてもよい。
(4)また、貯留液の濃度が高濃度域の場合は、蒸気圧縮機4の圧縮能力を超えたときの濃度であるため、例えば、蒸気圧縮機4の電流値が所定範囲内から外れたときに、加熱蒸気をリボイラー3に注入するようにしてもよい。ここで、「蒸気圧縮機4の電流値が所定範囲内から外れたとき」とは具体的に説明すると、蒸気圧縮機4が例えばルーツ形圧縮機の場合には、電流値が所定値より大きくなったときを意味し、蒸気圧縮機4が例えばターボ形圧縮機の場合には、電流値が所定値より小さくなったときを意味する。なぜなら、ルーツ形圧縮機の場合には、圧縮機が送る体積が一定になるように制御するため、電流値が所定値より大きくなったときに、「蒸気圧縮機4の圧縮能力を超えたとき(つまり高濃度)」と判断するからであり、また、ターボ形圧縮機の場合には、電流値が所定値より小さくなったときに、「蒸気圧縮機4の圧縮能力を超えたとき(つまり高濃度)」と判断するからである。
(5)上記実施の形態1、2では、水面計42を用いて貯留液の濃度を検出するようにしたけれども、本発明はこれに限定されず、濃度計あるいはその他の方法(例えば、水面計と原液の流量計とを組み合わせて、投入した原液量および水面位置によって濃度を検出する方法など)で貯留液の濃度を検出するように構成してもよい。
(6)上記実施の形態1,2では、リボイラー3として水平管式熱交換器を用いたが、縦型伝熱管を使用した熱交換器を用いるようにしてもよい。但し、縦型伝熱管を使用した熱交換器よりも水平管式熱交換器を用いた方が、蒸留塔と熱交換器とが一体的に接続された構成物の高さが低くなり、その分コンパクト化が図れる。従って、上記実施の形態1,2のように水平管式熱交換器を用いた場合は、設置場所等に高さの制限が課せられているような場合等にも利用可能であり、利便性が向上する。
(7)上記実施の形態1では、原液は蒸留塔2の塔底部に供給され、上記実施の形態2では、原液は水平管式熱交換器(リボイラー3に相当)の蒸発缶5の底部(より詳しくは貯留室41)に供給されるように構成されていた。しかし、原液の供給すべき部位は、これに限定されるものではなく、蒸留塔2の塔底部又はリボイラー3に接続される配管部であって且つ原液又は原液が濃縮された濃縮液が循環する流路となり得る配管部に供給するように構成してもよい。例えば、実施の形態1における管70又は管71や、実施の形態2における管14、更には、実施の形態1における管60が該当する。
(8)また、加熱蒸気注入手段によって加熱蒸気をリボイラーに注入して蒸気濃縮運転を行う場合の例として、加熱蒸気が加熱蒸気注入管を通ってヘッダーに供給する例を説明した。しかしながら、加熱蒸気が加熱蒸気注入管を通ってヘッダーに供給することに代えて、リボイラーの貯留室に電気ヒーターなどの加熱手段を設け、貯留室内の液を加熱することによって加熱蒸気とする構成としてもよい。
本発明は、蒸留塔の塔頂部からの蒸気を、蒸気圧縮機を使用してリボイラーの加熱源に再利用する省エネルギー型の蒸留装置に適用することが可能である。
1:蒸留装置 2:蒸留塔
3:リボイラー(水平管式熱交換器) 4:蒸気圧縮機
32:凝縮器 40:加熱蒸気注入管
43:制御回路 V1、V2、V3:開閉弁
V4:流量制御弁 42:水面計

Claims (5)

  1. 蒸留塔と、蒸留塔の塔底部に貯留される貯留液を加熱するリボイラーと、蒸留塔の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラーの加熱源とする蒸気圧縮機とを備えた蒸留装置であって、
    前記リボイラーに加熱蒸気を注入する加熱蒸気注入手段を備え、
    前記貯留液の濃度が、前記蒸気圧縮機の圧縮能力の範囲内であって前記蒸気圧縮機の使用によって前記蒸留装置における蒸発濃縮が可能な低濃度域である場合には、前記蒸気圧縮機の駆動によって蒸留塔の塔頂部から供給される蒸気を圧縮昇温しリボイラーの加熱源とし、前記貯留液の濃度が、前記蒸気圧縮機の圧縮能力の範囲外であって前記蒸気圧縮機の使用によっては前記蒸留装置における蒸発濃縮が不可能な高濃度域である場合には、前記加熱蒸気注入手段によって加熱蒸気をリボイラーに注入して蒸発濃縮運転を行うことを特徴とする蒸留塔を備えた蒸留装置。
  2. 前記リボイラーは前記蒸留塔の塔底部に一体的に接続されている請求項1記載の蒸留塔を備えた蒸留装置。
  3. 前記加熱蒸気注入手段によってリボイラーに注入する加熱蒸気は、前記蒸気圧縮機で圧縮昇温された圧縮蒸気の温度よりも高い請求項1又は2記載の蒸留塔を備えた蒸留装置。
  4. 少なくとも、原液を前記蒸留塔の塔底部、あるいは前記リボイラー、あるいは前記蒸留塔の塔底部又は前記リボイラーに接続される配管部であって且つ原液又は原液が濃縮された濃縮液が循環する流路となり得る配管部のいずれかに供給するように構成された請求項1記載の蒸留塔を備えた蒸留装置。
  5. 前記貯留液が、水よりも沸点の高い高沸点溶剤を含有する高沸点溶剤含有排水である請求項1〜4のいずれか1項に記載の蒸留塔を備えた蒸留装置。
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