JP6592996B2 - 熱電発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電素子を用いた熱電発電装置に関する。
熱電発電は、自動車や工場などの廃熱を電気エネルギに変換可能であり、クリーンなエネルギ資源として注目されている。熱電発電に用いられる熱電モジュールは、所定のパターンで配列された熱電素子が2枚の基板に挟まれた構成を有し、2枚の基板間の温度差に応じた電気エネルギを発生させる。
一方、駆動時の熱電モジュールでは、高温側基板が低温側基板よりも大きく熱膨張しようとするため、2枚の基板間の温度差に応じた熱応力が発生する。熱電モジュールでは、この熱応力によって、例えば、発電出力が低下したり、熱電素子が破損したりする場合がある。
特許文献1には、駆動時の熱電モジュールに発生する熱応力を緩和する技術が開示されている。本文献に記載の熱電モジュールでは、高温側基板と熱電素子との間に弾性部材が設けられている。当該弾性部材は、熱電モジュールの駆動時に、熱電モジュールの熱応力が緩和されるように弾性変形する。
特開2009−123964号公報
熱電モジュールには発電出力の向上が望まれている。熱電モジュールの発電出力を向上するために、2枚の基板間の温度差を増大させる技術を採用することが可能である。
ところが、2枚の基板間の温度差を増大させると、熱電モジュールに発生する熱応力も増大してしまう。つまり、熱電モジュールの発電出力を向上するためには、2枚の基板間の温度差を増大させる技術とともに、熱電モジュールの熱応力を緩和する技術も改良される必要がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、熱応力が発生しにくい熱電発電装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る熱電発電装置は、第1基板と、複数の第2基板と、複数の熱電素子と、非拘束性の熱接続層とを具備する。
上記複数の第2基板は、上記第1基板に対向する第1主面と、当該第1主面とは反対の第2主面とを有し、互いに間隔をあけて配列される。
上記複数の熱電素子は、上記第1基板と、上記複数の第2基板のそれぞれの上記第1主面と、の間に配置される。
上記非拘束性の熱接続層は、上記第2主面に設けられる。
この構成では、分割された複数の第2基板がそれぞれ非拘束性の熱接続層を介して集熱器や放熱器に熱接続される。複数の第2基板は、熱接続層に拘束されず、集熱器や放熱器上を移動可能である。したがって、当該熱電発電装置では、第1基板の熱膨張に応じて各第2基板が集熱器や放熱器上を移動可能であるため、熱応力が発生しにくい。
上記第1基板は、一体に形成されていてもよい。
この構成では、部品点数が減少するとともに、製造時におけるハンドリング性が向上する。したがって、当該熱電発電装置では製造コストを低減することが可能である。
上記第1基板は、樹脂材料によって形成されていてもよい。
この構成では、第1基板が低温側基板として用いられる場合に、当該熱電発電装置に発生する熱応力を緩和するように第1基板が弾性変形する。これにより、当該熱電発電装置では更に熱応力が発生しにくくなる。
上記複数の第2基板は、それぞれ一対の上記熱電素子を接続していてもよい。
この構成では、各第2基板によってそれぞれ一対の熱電素子しか拘束されないため、熱電素子が高い自由度で移動可能となる。したがって、当該熱電発電装置では熱応力がより良好に緩和される。
上記非拘束性の熱接続層は、グラファイトシートにより構成されていてもよい。
この構成では、第2基板と放熱器との間の特に良好な熱接続が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る熱電発電装置の斜視図である。 上記熱電発電装置の分解斜視図である。 上記熱電発電装置の図1のA−A'線に沿った断面図である。 上記熱電発電装置の図3の一点鎖線で囲んだ部分の拡大断面図である。 上記熱電発電装置の製造方法を示すフローチャートである。 上記熱電発電装置の高温側基板の平面図である。 上記熱電発電装置の製造過程を示す平面図である。 上記熱電発電装置の製造過程を示す平面図である。 上記熱電発電装置の熱電モジュールの平面図である。 上記熱電発電装置の熱電モジュールの平面図である。 上記熱電発電装置の変形例に係る熱電モジュールの平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る熱電発電装置の熱電モジュールの平面図である。 上記熱電モジュールの平面図である。 上記熱電モジュールの高温側基板の平面図である。 上記熱電モジュールの低温側基板の平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る熱電発電装置の部分断面図である。
次に、図面を参照して本発明の実施形態の詳細について説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[第1の実施形態]
(熱電発電装置1の構成)
図1は本発明の第1の実施形態に係る熱電発電装置1の斜視図である。図2は熱電発電装置1の分解斜視図である。図3は熱電発電装置1の図1のA−A'線に沿った断面図である。図4は熱電発電装置1の図3の一点鎖線で囲んだ部分の拡大断面図である。
熱電発電装置1は、熱電モジュール10と、集熱器11と、放熱器12とを具備する。
熱電モジュール10は、XY平面に沿って延びる平板状であり、集熱器11と放熱器12とによってZ軸方向に挟持されている。熱電モジュール10は、高温側基板100と、複数の熱電素子101と、低温側基板102と、リード線108とを有する。
高温側基板100は、XY平面に沿って延びる平板状に形成された基材103と、基材103のZ軸方向上面(高温側基板100の上側の主面)に形成されたメタライズ層105と、基材103のZ軸方向下面(高温側基板100の下側の主面)に所定のパターンで配列された電極104とを有する。
基材103は、例えば、耐熱性に優れる窒化アルミニウムやアルミナなどのセラミック材料により形成される。本実施形態では、基材103の熱伝導率が高いほど、熱電モジュール10の発電効率が向上するため、基材103を形成する材料として高熱伝導率の窒化アルミニウムを採用した。
また、熱電発電装置1の駆動温度域が比較的低い場合(例えば300℃以下の場合)には、基材103を樹脂材料により形成してもよい。基材103を形成する樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂、エポキシ樹脂が採用可能であり、更にはガラスエポキシなどの繊維強化プラスチックも採用可能である。
電極104は、基材103に金属めっき処理を施すことにより形成される。金属めっきとしては、例えば、金めっきや、ニッケルめっきや、スズめっきが採用可能であり、必要に応じて多層めっきが採用される。各電極104は、互いに隣接する一対の熱電素子101を接続している。
メタライズ層105は、セラミック材料で形成される高温側基板100と、金属材料で形成される集熱器11とを良好に接合可能とするために設けられる。メタライズ層105は、集熱器11と良好に接合可能な金属材料で形成される。メタライズ層105は、必要に応じて、複数種類の金属材料により複数層に形成される。
本実施形態では、メタライズ層105が3層構造を有する。具体的には、メタライズ層105では、高温側基板100上に、第1層105a、第2層105b、第3層105cの順番に積層されている。第1層105aは100μmの銅(Cu)の層であり、第2層105bは3μmのニッケル(Ni)の層であり、第3層105cは0.3μmの金(Au)の層である。
複数の低温側基板102は、XY平面に沿って延びる平板状に形成された基材106と、基材106のZ軸方向上面(低温側基板102の上側の主面)に形成された電極107とを有する。複数の低温側基板102は、電極107ごとに分割された51枚の低温側基板102により構成される。低温側基板102は、XY平面に沿って互いに間隔をあけて配列されている。
基材106は、例えば、窒化アルミニウムやアルミナなどのセラミック材料により形成される。本実施形態では、基材106の熱伝導率が高いほど、熱電モジュール10の発電効率が向上するため、基材106を形成する材料として高熱伝導率の窒化アルミニウムを採用した。
電極107は、基材106に金属めっき処理を施すことにより形成される。金属めっきとしては、例えば、金めっきや、ニッケルめっきや、スズめっきが採用可能であり、必要に応じて多層めっきが採用される。各電極107は、互いに隣接する一対の熱電素子101を接続している。
複数の低温側基板102のうち、Y軸方向端部の2隅にある低温側基板102は、それぞれY軸方向に突出する接続部109を有する。リード線108は、2つの接続部109の電極107にそれぞれ接合されている。リード線108の接続部109への接合には、例えば、はんだや、ろう材や、導電性ペーストを用いることができる。
熱電発電装置1では、リード線108が接合される接続部109が、高温側基板100ではなく、低温側基板102に設けられている。したがって、接続部109は高温になりにくいため、接続部109には高い耐熱性が求められない。そのため、リード線108の接続部109への接合には、ろう材や導電性ペーストよりも耐熱性に劣るものの、より簡単なプロセスで接合可能なはんだを利用可能である。これにより、熱電発電装置1の製造コストが低減される。
複数の熱電素子101は、互いに対を成すP型熱電素子101a及びN型熱電素子101bからなり、高温側基板100のZ軸方向下面と低温側基板102のZ軸方向上面とによってZ軸方向に挟持されている。複数の熱電素子101は、50個のP型熱電素子101aと、50個のN型熱電素子101bとにより構成される。
熱電素子101は、熱電材料により形成されている。つまり、P型熱電素子101aはP型熱電材料により形成され、N型熱電素子101bはN型熱電材料により形成されている。熱電素子101を形成する熱電材料の種類は、熱電発電装置1の駆動温度域などに応じて適宜決定可能である。
熱電素子101を形成する熱電材料としては、例えば、ビスマス−テルル系化合物、シリサイド系化合物、ハーフホイスラー化合物、鉛−テルル系化合物、シリコン−ゲルマニウム系化合物、スクッテルダイト化合物が採用可能である。
各熱電素子101のZ軸方向両面には金属めっき層(不図示)が形成されている。金属めっき層は、熱電素子101を基板100,102の電極104,107に良好に接合可能とするために設けられている。金属めっき層は、例えば、金めっきや、ニッケルめっきや、スズめっきにより形成される。金属めっき層は、必要に応じて、複数種類の金属材料により複数層に形成される。
各熱電素子101は、金属めっき層を介して、高温側基板100の電極104及び低温側基板102の電極107に接合される。熱電素子101と基板100,102との接合方法は、適宜選択可能である。熱電素子101と基板100,102との接合には、例えば、はんだや、ろう材や、導電性ペーストを用いることができる。
特に、熱電素子101と高温側基板100との接合には、耐熱性に優れるろう材や導電性ペーストを用いることが好ましい。一例として、ろう材としてはBAg−7が挙げられ、導電性ペーストとしては銀ナノペーストが挙げられる。
P型熱電素子101aとN型熱電素子101bとは、基板100,102に沿って、X軸方向にもY軸方向にも交互に並ぶように、互い違いに配置されている。また、互いに隣接して対を成すP型熱電素子101aとN型熱電素子101bとは、高温側基板100の電極104、又は低温側基板102の電極107により接続されている。
これらの構成により、熱電モジュール10では、2つのリード線108間において、すべてのP型熱電素子101a及びN型熱電素子101bが、高温側基板100の電極104及び低温側基板102の電極107を介して、交互に直列接続されている。これにより、熱電モジュール10では、すべての熱電素子101が発生させる発電出力の合計である総発電出力が得られる。
集熱器11は、XY平面に沿って延びる熱拡散板110と、熱拡散板110のZ軸方向上面に配列された集熱フィン111とを有する。各集熱フィン111は、Z軸方向に延び、矩形の断面を有する棒状である。集熱フィン111の構成は、これに限定されず、適宜変更可能である。
集熱器11は、熱伝導性の高い金属材料で形成される。集熱器11を形成する材料は、熱源の温度に応じて決定可能である。一例として、集熱器11を形成する材料として耐熱性の高いステンレスを選択することが可能である。
集熱器11は、熱源に対向するように、つまり集熱フィン111が熱源に向くように配置される。集熱器11は、主に集熱フィン111の表面から熱源が発する熱を回収する。集熱器11では、集熱フィン111の表面が入り組んでいるため、熱源が発する熱を回収可能な面を広く確保することができる。
なお、集熱器11は、熱源が発する熱を回収可能であればよく、上記の構成に限定されない。更に、集熱器11は、付加的構成を有していてもよく、例えば光を熱に変換する機構を有し、当該機構により得られる熱を利用可能に構成されていてもよい。
集熱器11は、熱電モジュール10の高温側基板100上に設けられる。より詳細には、熱拡散板110のZ軸方向下面が、高温側基板100のZ軸方向上面のメタライズ層105に接合層13を介して接合される。
接合層13としては、例えば、はんだや、ろう材や、熱伝導性ペーストが用いられる。特に、熱源の温度が高い場合には、接合層13として耐熱性に優れるろう材や熱伝導性ペーストを用いることが好ましい。一例として、ろう材としてはBAg−7が採用可能であり、熱伝導性ペーストとしては銀ナノペーストが採用可能である。
このように、接合層13と集熱器11との接合、及び接合層13とメタライズ層105との接合は、いずれも金属同士の接合であり、集熱器11と高温側基板100とは隙間なく、強固に接合可能である。これにより、集熱器11と高温側基板100との間の熱抵抗が低くなるため、集熱器11によって回収された熱が良好に熱電モジュール10の基板100に伝達されるようになる。
熱電発電装置1は、任意の熱源に対して適用可能である。特に本実施形態では250℃以上の高温の熱源を想定している。このような熱源としては、例えば、自動車や自動二輪車などの廃熱(排気ガスなど)、工場(化学、鉄鋼、機械など)の廃熱、他の発電(火力発電、原子力発電など)の廃熱が挙げられる。
放熱器12は、XY平面に沿って延びる熱拡散板120と、熱拡散板120のZ軸方向下面に配列された放熱フィン121とを有する。各放熱フィン121は、Z軸方向に延び、矩形の断面を有する棒状である。放熱フィン121の構成は、これに限定されず、適宜変更可能である。
放熱器12は、熱伝導性の高い金属材料で形成される。放熱器12は高温になりにくいため、放熱器12を形成する材料には、集熱器11を形成する材料ほどの高い耐熱性は要求されない。放熱器12を形成する材料としては、例えば、アルミニウムやステンレスを選択することが可能である。
熱電発電装置1では、ファン(不図示)によって放熱器12の放熱フィン121に外気を吹き付けるように構成されている。これにより、放熱器12が温度上昇する場合に、放熱フィン121の表面に接触する外気に熱を放出可能である。放熱器12では、放熱フィン121の表面が入り組んでいるため、外気に熱を放出可能な面を広く確保することができる。
なお、放熱器12は、熱を放出可能であればよく、上記の構成に限定されない。放熱器12としては任意の公知の放熱器を用いることができる。また、放熱器12は、種々の放熱技術が組み合わされて構成されていてもよい。
放熱器12は、熱電モジュール10の低温側基板102上に設けられる。より詳細には、熱拡散板120のZ軸方向上面が、低温側基板102のZ軸方向下面(低温側基板102の下側の主面)に接続される。
熱電発電装置1では、熱拡散板120のZ軸方向上面と、低温側基板102のZ軸方向下面との間に熱接続層14が設けられる。熱接続層14は、熱拡散板120のZ軸方向上面と、低温側基板102のZ軸方向下面との間に隙間なく充填され、熱拡散板120と低温側基板102とを熱接続する。つまり、熱接続層14は、熱拡散板120と低温側基板102との間の熱抵抗を低下させるように作用する。これにより、低温側基板102から放熱器12へと熱が良好に伝達されるようになる。
熱接続層14は、熱伝導性が高く、かつ、流動性又は半流動性を有する材料により形成される。このような材料としては、例えば、熱伝導性グリースや液体金属が採用可能である。一例として、熱伝導性グリースとしては一般的なシリコングリースが挙げられ、液体金属としてはガリウムや低融点合金が挙げられる。
熱電発電装置1では、各低温側基板102と放熱器12との接続が熱接続層14のみにより、各低温側基板102は放熱器12に固定されていない。したがって、各低温側基板102は、放熱器12によって拘束されることなく、熱接続層14によって潤滑された放熱器12のZ軸方向上面に沿ってスムーズに移動可能である。
駆動時の熱電発電装置1では、熱電モジュール10の各構成が温度上昇するが、集熱器11によって直接加熱される高温側基板100の温度上昇が最も大きく、放熱器12によって冷却される低温側基板102の温度上昇が最も小さい。
温度上昇が小さく、かつ、分割されて寸法の小さい低温側基板102の熱膨張量は、高温側基板100の熱膨張量に比べて微小である。したがって、熱電発電装置1の駆動時には、主に高温側基板100が、Z軸方向下側に隣接する各熱電素子101に力を付与して、熱膨張しようとする。
ここで、低温側基板102が放熱器12に固定されている場合を仮定する。この場合、各熱電素子101は、低温側基板102を介して放熱器12に固定されているため、移動することができない。したがって、高温側基板100は熱膨張することができず、高温側基板100が各熱電素子101に付与する力は熱電モジュール10の熱応力となる。
一方、本実施形態に係る熱電発電装置1では、低温側基板102が放熱器12に固定されていないため、熱電素子101は低温側基板102とともに移動可能である。したがって、各熱電素子101は高温側基板100によって付与される力に応じて移動するとともに、高温側基板100が熱膨張する。
つまり、熱電発電装置1では、高温側基板100の熱膨張に応じて、熱電素子101及び低温側基板102が移動することにより、熱応力が緩和される。そのため、熱電発電装置1には熱応力が発生しにくい。
ところで、1枚の低温側基板102によって拘束される熱電素子101が少ないほど、熱電素子101の移動の自由度が高くなるため、高温側基板100の熱膨張に伴う熱応力が良好に緩和されるようになる。
究極的には、仮に、低温側基板102が各熱電素子101ごとに分割されていれば、各熱電素子101は低温側基板102に拘束されることなく、高温側基板100の熱膨張に応じて自由に移動することができる。この場合、高温側基板100の熱膨張に伴う熱応力はほぼ完全に緩和される。
しかし、熱電発電装置1では、各低温側基板102が少なくとも1対の熱電素子101を接続しなければならないため、低温側基板102が、少なくとも一対の熱電素子101、すなわち少なくとも2つの熱電素子101を拘束する。つまり、各低温側基板102が一対の熱電素子101のみを接続している熱電発電装置1の構成は、熱電素子101の移動の自由度が最も高くなる構成である。
このように、本実施形態に係る熱電発電装置1では、熱電発電装置1における高温側基板100の熱膨張に伴う熱応力が特に良好に緩和される。
なお、熱電発電装置1では、各低温側基板102と放熱器12とが互いに固定されていない。そのため、放熱器12は、熱電モジュール10から簡単に取り外し可能である。したがって、熱電発電装置1では、例えば、放熱器12に不具合が生じた場合に、迅速に放熱器12の交換を行うことができる。
また、上記実施形態では、高温側基板100が一体に形成されているが、高温側基板100が低温側基板102と同様に電極104ごとに分割されていても、本発明の目的を達成することができる。つまり、分割された高温側基板100を用いても、熱応力が発生しにくい熱電発電装置1が得られる。
ただし、分割された高温側基板100を用いる場合、部品点数が増加するとともに、基板100,102のいずれも分割されているため製造時のハンドリング性が低下する。
また、高温側基板100が分割されていると、高温側基板100の隙間から熱電モジュール10内に異物が混入する場合がある。特に、熱電発電装置1の駆動時に、高温側基板100と集熱器11とを接続する、はんだ、ろう材、熱伝導性ペーストなどが溶出すると、これらが熱電モジュール10内に滴下する場合がある。この場合、熱電素子101同士のショートや、低温側基板102同士のショートが発生する場合がある。
以上の事情を考慮する場合には、高温側基板100は一体に形成されていることが好ましい。
また、上記実施形態では、高温側基板100と集熱器11とが互いに固定されているが、高温側基板100と集熱器11とは、低温側基板102と放熱器12との接続と同様に、熱接続層を介して接続されていてもよい。なお、この場合、高温側基板100のメタライズ層105は不要である。
ただし、高温側基板100は低温側基板102とは異なり高温となるため、高温側基板100と集熱器11とを接続する熱接続層としては耐熱性の高い液体金属を用いることが好ましい。
なお、低温側基板102と熱拡散板120との間の熱接続層14には、上記に代えて、グラファイトシートを用いることができる。
グラファイトシートも、低温側基板102を熱拡散板120上において拘束することなく低温側基板102と熱拡散板120とを熱接続することができる。したがって、熱接続層14としてグラファイトシートを用いる場合にも、熱電素子101及び低温側基板102が熱拡散板120上において移動可能となるため、熱応力が発生しにくい熱電発電装置1が得られる。
(熱電発電装置1の製造方法)
図5は熱電発電装置1の製造方法を示すフローチャートである。図5に沿って熱電発電装置1の製造方法の一例について説明する。
図6は高温側基板100の平面図である。図6は、高温側基板100の電極104が形成された面を示している。なお、高温側基板100の当該面とは反対の面には予めメタライズ層105が形成されている。
(1)ステップS10
図7に示すように、高温側基板100に熱電素子101を実装する。各熱電素子101は、高温側基板100の電極104に、はんだや、ろう材や、導電性ペーストなどを用いて接合される。一体に形成された高温側基板100を用いることにより、はんだや、ろう材や、導電性ペーストを一括して塗布可能となるため、本ステップを効率的に行うことができるようになる。
また、一体に形成された高温側基板100に熱電素子101を実装するため、本ステップ以降のステップでは、すべての熱電素子101を一体として扱うことができる。そのため、製造プロセスにおけるハンドリング性が向上する。
(2)ステップS20
図8に示すように熱電素子101に低温側基板102を取り付ける。各低温側基板102は、各熱電素子101に、はんだや、ろう材や、導電性ペーストなどを用いて接合される。
なお、ステップS10における高温側基板100と熱電素子101との接合、及びステップS20における熱電素子101と低温側基板102との接合とのいずれにもクリームはんだを用いることができる。この場合、ステップS20の後に例えばリフローなどの加熱工程を行う。
(3)ステップS30
図9A及び図9Bに示すように、低温側基板102の接続部109にリード線108をはんだ付けすることにより、熱電モジュール10が完成する。図9Aは熱電モジュール10の高温側基板100側を示し、図9Bは熱電モジュール10の低温側基板102側を示している。
(4)ステップS40
熱電モジュール10の高温側基板100のメタライズ層105に集熱器11を接続する。高温側基板100と集熱器11とは、はんだや、ろう材や、熱伝導性ペーストなどを用いて接合され、互いに固定される。
(5)ステップS50
熱電モジュール10の低温側基板102に放熱器12を接続する。低温側基板102と放熱器12とは、熱接続層14を介して密着させられる。
以上により、本実施形態に係る熱電発電装置1が完成する。
(実施例及び比較例)
本実施形態の実施例及び比較例に係る熱電発電装置を作製し、評価した。具体的には、各熱電発電装置について故障試験及び発電試験を行った。
(1)故障試験
実施例1−1,1−2に係る熱電発電装置1及び比較例1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6に係る熱電発電装置について故障試験を行った。故障試験では、各熱電発電装置の駆動時における故障の有無を評価した。以下、各熱電発電装置について説明する。
・実施例1−1に係る熱電発電装置1
実施例1−1に係る熱電発電装置1の高温側基板100としては、X軸方向の寸法が30mmであり、Y軸方向の寸法が30mmである矩形の窒化アルミニウム基板を用いた。高温側基板100の電極104の構成は、上記実施形態に係る図1等に示す構成と同様である。
高温側基板100のメタライズ層105は、基板100側から順にCu層(100um)/Ni層(3um)/Au層(0.3um)となる三層構造とした。
低温側基板102としては、上記実施形態に係る図1等に示す構成と同様の51枚の窒化アルミニウム基板を用いた。低温側基板102の接続部109におけるY軸方向の突出量は2mmとした。
熱電素子101としては、上記実施形態に係る図1等に示す構成と同様の50対のP型熱電素子101a及びN型熱電素子101bを用いた。各熱電素子101は、X軸方向の寸法が2.2mm、Y軸方向の寸法が2.2mm、Z軸方向の寸法(高さ)が1mmとなるように形成されている。
P型熱電素子101a及びN型熱電素子101bはシリサイド系化合物により形成した。より具体的には、P型熱電素子101aはマグネシウム−シリコン化合物により形成し、N型熱電素子101bはマンガン−シリコン化合物により形成した。
高温側基板100と集熱器11とは、ろう材(BAg−7)を用いて接合し、互いに固定した。一方、低温側基板102と放熱器12とは、熱伝導性グリースを用いて接続し、互いに固定しなかった。
・実施例1−2に係る熱電発電装置1
実施例1−2に係る熱電発電装置1は、高温側基板100以外について、実施例1−1に係る熱電発電装置1と同様に構成されている。
実施例1−2に係る熱電発電装置1の高温側基板100は、実施例1−1に係る熱電発電装置1の高温側基板100とは異なり、各電極104ごとに分割されている。つまり、この熱電発電装置1は、分割された50枚の高温側基板100を有する。
・比較例1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6に係る熱電発電装置
比較例1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6に係る熱電発電装置は、以下に示す構成以外について、実施例1−1の熱電発電装置1と同様に構成されている。
比較例1−1,1−2,1−5,1−6に係る熱電発電装置の低温側基板102は、実施例1−1に係る熱電発電装置1の低温側基板102とは異なり、一体に形成されている。つまり、すべての熱電素子101が低温側基板102によって拘束されている。
比較例1−3,1−4,1−5,1−6に係る熱電発電装置の低温側基板102は、実施例1−1に係る熱電発電装置1の低温側基板102とは異なり、ろう材(BAg−7)によって放熱器12に固定されている。
比較例1−2,1−4,1−6に係る熱電発電装置の高温側基板100は、実施例1−1に係る熱電発電装置1の高温側基板100とは異なり、各電極104ごとに分割されている。つまり、これらの熱電発電装置は、分割された50枚の高温側基板100を有する。
・故障試験方法
故障試験では、まず、各熱電発電装置について、集熱器11の温度を450℃とし、放熱器12の温度を100℃として、各熱電発電装置を駆動させた。なお、集熱器11の温度は、集熱器11における高温側基板100に隣接する位置で測定し、放熱器12の温度は、放熱器12における低温側基板102に隣接する位置で測定した。
駆動時の熱電発電装置に大きい熱応力が発生すると、熱電素子101や、各熱電素子101と各基板100,102との接合部などに損傷が加わることにより、熱電モジュール10の電気抵抗値が上昇することが確認されている。
そこで、各熱電モジュール10の損傷の有無を確認するために、各熱電発電装置について駆動前後における両リード線108間の交流抵抗値を測定した。駆動後における交流抵抗値が駆動試験における交流抵抗値の110%未満の熱電発電装置を「故障無し」とし、駆動試験後における交流抵抗値が駆動試験前における交流抵抗値の110%以上の熱電発電装置を「故障有り」とした。
・故障試験結果
表1は、実施例1−1,1−2に係る熱電発電装置1及び比較例1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6に係る熱電発電装置についての故障試験の結果を示している。
Figure 0006592996
表1に示すとおり、実施例1−1,1−2ではいずれも「故障無し」であり、比較例1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6ではいずれも「故障有り」であった。これにより、実施例1−1,1−2に係る熱電発電装置1では、熱電モジュール10に損傷が加わっておらず、つまり駆動時の熱応力が小さいことが確認された。
比較例1−1,1−2,1−5,1−6に係る熱電発電装置では、実施例1−1,1−2に係る熱電発電装置1とは異なり、低温側基板102が一体に形成されており、すべての熱電素子101が低温側基板102によって拘束されている。
したがって、比較例1−1,1−2,1−5,1−6に係る熱電発電装置では、各熱電素子101が、高温側基板100の熱膨張に応じて移動することができない。そのため、高温側基板100の熱膨張により発生する熱応力によって、熱電モジュール10に損傷が加わったものと考えられる。
比較例1−3,1−4に係る熱電発電装置の低温側基板102は、実施例1−1,1−2に係る熱電発電装置1と同様に、分割されているものの、実施例1−1,1−2に係る熱電発電装置1とは異なり、ろう材によって放熱器12に固定されている。つまり、これらの熱電発電装置では、低温側基板102が分割されているものの、すべての熱電素子101が低温側基板102を介して放熱器12によって拘束されている。
したがって、比較例1−3,1−4に係る熱電発電装置では、各熱電素子101が、高温側基板100の熱膨張に応じて移動することができない。したがって、高温側基板100の熱膨張により発生する熱応力によって、熱電モジュール10に損傷が加わったものと考えられる。
(2)発電試験
次に、実施例2−1,2−2,2−3に係る熱電発電装置1について発電試験を行った。発電試験では、各熱電発電装置1の駆動時における発電出力を評価した。以下、各熱電発電装置1について説明する。
・実施例2−1に係る熱電発電装置1
実施例2−1に係る熱電発電装置1は、実施例1−1に係る熱電発電装置1と同様に構成されている。
・実施例2−2に係る熱電発電装置1
実施例2−2に係る熱電発電装置1は、高温側基板100と集熱器11との接続以外について、実施例2−1に係る熱電発電装置1と同様に構成されている。実施例2−2に係る熱電発電装置1では、高温側基板100と集熱器11とが、実施例2−1に係る熱電発電装置1とは異なり、銀ナノペーストを用いて接合されている。
・実施例2−3に係る熱電発電装置1
実施例2−3に係る熱電発電装置1は、高温側基板100と集熱器11との接続以外について、実施例2−1に係る熱電発電装置1と同様に構成されている。実施例2−3に係る熱電発電装置1では、高温側基板100と集熱器11とが、実施例2−1に係る熱電発電装置1とは異なり、グラファイトシートを介して圧着されている。
・発電試験方法
発電試験では、各熱電発電装置1について、集熱器11の温度を450℃とし、放熱器12の温度を100℃として、各熱電発電装置1を駆動させた。なお、集熱器11の温度は、集熱器11における高温側基板100に隣接する位置で測定し、放熱器12の温度は、放熱器12における低温側基板102に隣接する位置で測定した。
駆動時の各熱電発電装置1について、両リード線108間の発電出力(W)を測定した。
・故障試験結果
表1は、実施例2−1,2−2,2−3に係る熱電発電装置1についての発電試験の結果を示している。
Figure 0006592996
表1に示すとおり、実施例2−1に係る熱電発電装置1では20Wの発電出力が得られ、実施例2−2に係る熱電発電装置1では22Wの発電出力が得られた。これに対し、実施例2−3に係る熱電発電装置1では、実施例2−1,2−2に比べて低い15Wの発電出力が得られた。
実施例2−3に係る熱電発電装置1では高温側基板100と集熱器11とがグラファイトシートによって接続されているが、グラファイトシートによる接続は、ろう材を用いた接合(実施例2−1)や銀ナノペーストを用いた接合(実施例2−2)に比べて熱抵抗が高い。
したがって、実施例2−3に係る熱電発電装置1では、集熱器11から高温側基板100への熱の伝達が充分でなく、基板100,102間の温度差が実施例2−1,2−2に係る熱電発電装置1よりも小さかったものと考えられる。そのため、実施例2−3に係る熱電発電装置1では、実施例2−1,2−2に係る熱電発電装置1よりも発電出力が低かったものと考えられる。
以上の結果から、熱電発電装置1では、大き発電出力を得るために、高温側基板100と集熱器11との間の熱抵抗を低くすることが有効であることが確認された。
(変形例)
図10は本実施形態の変形例に係る熱電発電装置1aの熱電モジュール10aを示している。本変形例に係る熱電モジュール10aは、下記に示す低温側基板102aの構成以外について、上記実施形態に係る熱電発電装置1と同様に構成されている。
本変形例に係る熱電モジュール10aの低温側基板102aと、上記実施形態に係る熱電モジュール10の低温側基板102とは分割の態様が異なる。本変形例では、低温側基板102aが複数の電極107ごとに分割されており、つまり各低温側基板102aが複数の電極107を有する。熱電モジュール10aは、16枚の低温側基板102aを有する。
本変形例に係る熱電モジュール10aは、電極107ごとに分割された低温側基板102を有する上記実施形態に係る熱電モジュール10よりも部品点数が少ないため、低コストで製造可能である。
なお、本変形例に係る熱電モジュール10aでは、各低温側基板102aが複数対の熱電素子101を拘束するため、各低温側基板102が一対の熱電素子101のみを拘束する上記実施形態に係る熱電モジュール10よりも、熱電素子101の移動の自由度は低くなる。
しかし、熱電モジュール10,10aに求められる熱応力の緩和の程度は、熱電発電装置1,1aの駆動条件などによって様々である。したがって、例えば、熱電モジュール10aが熱電モジュール10よりも小さい温度差で駆動される場合などには、熱電モジュール10aにおいても熱応力を充分に緩和することができる場合がある。
同様に、分割された低温側基板102,102aは、その分割の態様によらず、熱電モジュール10,10aの熱応力を緩和させるように作用する。したがって、低温側基板102の分割の態様は、熱電発電装置1,1aの駆動条件などに応じて適宜様々に変更することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る熱電発電装置2は、以下に説明する構成以外について、第1の実施形態に係る熱電発電装置1と同様に構成されている。熱電発電装置2について、熱電発電装置1と同様の構成には熱電発電装置1と同様の符号付す。
図11A及び図11Bは本実施形態に係る熱電発電装置2の熱電モジュール20の平面図である。図11Aは熱電モジュール20の高温側基板200側を示し、図11Bは熱電モジュール20の低温側基板202側を示している。
図12Aは熱電モジュール20の高温側基板200の平面図であり、図12Bは熱電モジュール20の低温側基板202の平面図である。図12Aは高温側基板200の電極204が形成された面を示し、図12Bは低温側基板202の電極207が形成された面を示している。
高温側基板200の電極204は、第1の実施形態に係る高温側基板100の電極104とは異なるパターンで配列されている。高温側基板200のY軸方向の端部における2隅には、電極204が形成されておらず、つまり熱電素子101が配置されないスペースsが設けられている。
低温側基板202の電極207のパターンも、高温側基板200の電極204のパターンと合うように構成されているため、第1の実施形態に係る低温側基板102の電極107のパターンとは異なる。低温側基板202は隣接する2つの電極207ごとに分割されている。熱電モジュール20は25枚の低温側基板202を有し、各低温側基板202はそれぞれ2対の熱電素子101を拘束している。
熱電モジュール20では、49対の熱電素子101が、高温側基板200の電極204及び低温側基板202の電極207によって直列接続されている。
低温側基板202には、高温側基板200のスペースsに対向する位置に、リード線108が接続される接続部209が設けられている。熱電モジュール20では、高温側基板200に熱電素子101が配置されないスペースsを設け、低温側基板202のスペースsに対向する位置に接続部209を設けることにより、接続部209が突出しないように構成されている。
本実施形態に係る熱電モジュール20を用いた熱電発電装置2でも、第1の実施形態に係る熱電発電装置1と同様に、高温側基板200の熱膨張に応じて、熱電素子101及び低温側基板202が移動することにより、熱応力が緩和される。そのため、熱電モジュール20を用いた熱電発電装置2にも熱応力が発生しにくい。
同様に、熱電発電装置1,2では、低温側基板102,202が移動可能に構成されてさえいれば、電極104,107,204,207のパターンや熱電素子101の対数などの基本構成によらずに、駆動時の熱応力が緩和する効果が得られる。したがって、本技術は、あらゆる基本構成を有する熱電発電装置に適用可能である。
[第3の実施形態]
(熱電発電装置3の構成)
本発明の第3の実施形態に係る熱電発電装置3は、以下に説明する構成以外について、第1の実施形態に係る熱電発電装置1と同様に構成されている。熱電発電装置3について、熱電発電装置1と同様の構成には熱電発電装置1と同様の符号付す。
図13は、本実施形態に係る熱電発電装置3の部分断面図である。
熱電発電装置3では、第1の実施形態に係る熱電発電装置1とは反対に、高温側基板300が分割され、低温側基板302が一体に形成されている。
つまり、熱電発電装置3では、複数の高温側基板300が、電極304ごとに分割された51枚の高温側基板300により構成される。高温側基板300は、XY平面に沿って互いに間隔をあけて配列されている。
なお、低温側基板302は、高温側基板300と同様に、分割されていても構わない。
高温側基板300と集熱器11との間には熱接続層33が設けられ、高温側基板300は熱接続層33を介して集熱器11に熱接続されている。
熱接続層33は、非拘束性を有し、高温側基板300を集熱器11上に沿って移動可能とする。つまり、熱接続層33は、高温側基板300を集熱器11上の一定の位置に拘束することなく、高温側基板300が集熱器11上において多少移動することを許容する。
熱接続層33は、熱伝導性が高く、かつ、変形可能な材料によって形成される。このような材料としては、例えば、グラファイトシート、熱伝導性グリース、液体金属が挙げられる。高温側基板300や集熱器11に対する密着性ないし接触熱抵抗の観点から、熱接続層33としてグラファイトシートを用いることが好ましい。
熱電発電装置3では、相互に離間した高温側基板300が集熱器11上において移動可能に構成されているため、高温側基板300が熱膨張しても熱応力が発生しにくい。
更に、熱電発電装置3では、低温側基板302の熱膨張に応じて、分割された高温側基板300が移動することにより、熱応力が緩和される。
このように、熱電発電装置3には熱応力が発生しにくい。
低温側基板302と放熱器12との間には熱接続層34が設けられ、低温側基板302は熱接続層34を介して放熱器12に熱接続されている。
熱接続層34は、熱接続層33と同様に非拘束性の熱接続層34として構成されていても、はんだ、ろう材、熱伝導性ペーストなどの接合材によって構成されていてもよい。
熱接続層34を非拘束性とすることにより、熱電発電装置3において更に熱応力が発生しにくくなる。特に、分割された低温側基板302を用いる場合に、高い効果が得られる。
一方、熱接続層34として接合材を用いることによって、低温側基板302と放熱器12との間の熱抵抗を更に低下させることができる。また、この場合、熱電モジュール30が放熱器12に固定されるため、熱電モジュール30が所定の位置からずれることをより確実に防止することができる。
また、低温側基板302の基材306は、セラミック材料ではなく、樹脂材料によって形成されていてもよい。これにより、低温側基板302が弾性変形可能となるため、熱電発電装置3に更に熱応力が発生しにくくなる。
低温側基板302の基材306を形成する樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、フッ素樹脂、エポキシ樹脂が採用可能であり、更にはガラスエポキシなどの繊維強化プラスチックも採用可能である。
(実施例)
・実施例3−1に係る熱電発電装置3
実施例3−1に係る熱電発電装置3は、高温側基板300の構成及び熱接続が第1の実施形態の実施例1−1に係る熱電発電装置1とは異なる。実施例301に係る熱電発電装置3では、分割された高温側基板300を用い、高温側基板300と集熱器11との間の熱接続層33としてグラファイトシートを用いた。
・実施例3−2に係る熱電発電装置3
実施例3−2に係る熱電発電装置3は、低温側基板302の構成が実施例3−1に係る熱電発電装置3とは異なる。実施例301に係る熱電発電装置3では、一体に形成された低温側基板302を用いた。
・実施例3−3に係る熱電発電装置3
実施例3−3に係る熱電発電装置3は、低温側基板302の熱接続が実施例3−1に係る熱電発電装置3とは異なる。実施例301に係る熱電発電装置3では、低温側基板302と放熱器12との間の熱接続層34としてろう材を用いた。
・実施例3−4に係る熱電発電装置3
実施例3−4に係る熱電発電装置3は、低温側基板302の構成が実施例3−3に係る熱電発電装置3とは異なる。実施例304に係る熱電発電装置3では、一体に形成された低温側基板302を用いた。
・実施例3−5に係る熱電発電装置3
実施例3−5に係る熱電発電装置3は、低温側基板302の構成が実施例3−2に係る熱電発電装置3とは異なる。実施例305に係る熱電発電装置3では、低温側基板302として一体に形成されたポリイミド基板を用いた。
・実施例3−6に係る熱電発電装置3
実施例3−6に係る熱電発電装置3は、低温側基板302の構成が実施例3−4に係る熱電発電装置3とは異なる。実施例306に係る熱電発電装置3では、低温側基板302として一体に形成されたポリイミド基板を用いた。
表3は、実施例3−1〜1−6に係る熱電発電装置3についての故障試験の結果を示している。
Figure 0006592996
表3に示すとおり、実施例3−1〜3−6ではいずれも「故障無し」であった。これにより、実施例3−1〜3−6に係る熱電発電装置3では、熱電モジュール30に損傷が加わっておらず、つまり駆動時の熱応力が小さいことが確認された。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態に係る熱電発電装置では、熱電素子の配列が格子状であるが、熱電素子の配列は適宜決定可能である。熱電発電装置では、熱電素子の配列に応じて、高温側基板及び低温側基板の電極のパターンや、低温側基板の分割の態様が適宜決定可能である。
また、上記実施形態に係る熱電発電装置は、集熱器を含むが、この構成に限られない。例えば、熱電発電装置は、熱源によって直接高温側基板が加熱されるように構成されていてもよい。この場合、高温側基板のメタライズ層は不要である。なお、熱電発電装置は、ユーザによって、熱源の構成に合った集熱器が選択され、当該集熱器が高温側基板に接合されることを可能とするために、高温側基板のメタライズ層を含み、集熱器を含まない構成であってもよい。
1…熱電発電装置
10…熱電モジュール
11…集熱器
12…放熱器
13…接合層
14…熱接続層
100…高温側基板
101…熱電素子
102…低温側基板
104…電極
105…メタライズ層
107…電極
108…リード線

Claims (4)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板に対向する第1主面と、当該第1主面とは反対の第2主面とを有し、互いに間隔をあけて配列される複数の第2基板と、
    前記第1基板と、前記複数の第2基板のそれぞれの前記第1主面と、の間に配置される複数の熱電素子と、
    前記第2主面に設けられ、グラファイトシートにより構成される非拘束性の熱接続層と
    を具備する熱電発電装置。
  2. 請求項1に記載の熱電発電装置であって、
    前記第1基板は、一体に形成されている
    熱電発電装置。
  3. 請求項2に記載の熱電発電装置であって、
    前記第1基板は、樹脂材料によって形成されている
    熱電発電装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱電発電装置であって、
    前記複数の第2基板は、それぞれ一対の前記熱電素子を接続している
    熱電発電装置。
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