JP6583766B2 - タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット - Google Patents
タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット Download PDFInfo
- Publication number
- JP6583766B2 JP6583766B2 JP2015018394A JP2015018394A JP6583766B2 JP 6583766 B2 JP6583766 B2 JP 6583766B2 JP 2015018394 A JP2015018394 A JP 2015018394A JP 2015018394 A JP2015018394 A JP 2015018394A JP 6583766 B2 JP6583766 B2 JP 6583766B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- supernatant
- solution
- precipitate
- sample
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Description
例えば、疾患プロテオーム解析は、病態と正常で発現しているタンパク質の網羅的解析を行い、疾病特異的に異常な挙動(増加、減少、機能変化)を示すタンパク質を見出そうとするものである。比較の対象となる試料は、臓器、細胞、血液、血清、血漿、尿など多岐にわたっている。
なかでも血液は、体内のあらゆる情報を含んでいるため、有用な解析対象物である。しかし、血清又は血漿中のタンパク質分析は組織、臓器に比べて非常に難しく、世界的にも満足な分析が出来ていない。その主な理由は、血清又は血漿中のアルブミン(Alb)やIgGなどの約20種類の高濃度タンパク質(血清又は血漿中の濃度が数mg/mL以上のタンパク質)が総タンパク量の99%を占めていること。これに対して、解析対象としたい組織由来成分、インターロイキンなどのタンパク質の濃度は非常に小さく(数μg/mL〜数pg/mL)、血清又は血漿中のタンパク質の濃度のダイナミックレンジが1010〜1011と非常に幅広いこと(非特許文献1参照)、さらに、血清又は血漿中のタンパク質の切断や翻訳後修飾は多様であり、非常に多成分で複雑な状態にあることにある。ちなみに、細胞中のタンパク質の濃度のダイナミックレンジは105程度である。このため、現在、血清又は血漿を対象としたほぼ全ての研究において、Alb、AlbとIgG等、Alb, IgG等を含む3〜14種類の高濃度タンパク質を除去する除去カラム(主に抗体カラム)が使用されている。このうち、12〜14種類の高濃度タンパク質を除去する除去カラムでは、血清又は血漿中の全タンパク質の約90%以上を除去可能であることが知られている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、試料中のタンパク質を簡便に分離可能な、タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キットの提供を課題とする。
前記第一の沈殿物を除いた前記第一の上清と界面活性剤又はカオトロピック試薬とを混合して溶液IIを得て、前記溶液IIから第二の沈殿物及び第二の上清を分離することを特徴とするタンパク質分離方法。
(2)前記溶液Iに含まれる前記アミノ酸の濃度が0.1mmol/L〜飽和濃度である前記(1)に記載のタンパク質分離方法。
(3)前記試料に添加する前記アミノ酸が、前記アミノ酸を含むアミノ酸溶液であり、前記アミノ酸溶液の濃度が0.1mmol/L〜飽和濃度である前記(1)又は(2)に記載のタンパク質分離方法。
(4)前記溶液Iを分離処理することにより、前記第一の沈殿物及び前記第一の上清を分離する前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のタンパク質分離方法。
(5)前記溶液IIを分離処理することにより、前記第二の沈殿物及び前記第二の上清を分離する前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のタンパク質分離方法。
(6)前記試料が体液である前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のタンパク質分離方法。
(7)前記試料が血清又は血漿である前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のタンパク質分離方法。
(8)前記試料、前記第一の沈殿物、前記第一の上清、前記第二の沈殿物又は前記第二の上清から、アルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去する工程をさらに含む前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のタンパク質分離方法。
(9)前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のタンパク質分離方法で、
前記第二の沈殿物を分析対象物として得ること、
前記第二の上清を分析対象物として得ること、
前記第二の沈殿物又は前記第二の上清を得て、前記第二の沈殿物又は前記第二の上清からアルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去して分析対象物として得ること、或いは、
前記試料を準備し又は前記第一の上清を得て、前記試料又は前記第一の上清からアルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去して、前記第二の沈殿物、又は前記第二の上清を分析対象物として得ること、の後、
前記分析対象物を分析対象に用いることを特徴とするタンパク質分析方法。
(10)前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のタンパク質分離方法に用いられるタンパク質分離キットであって、アミノ酸を備えることを特徴とするタンパク質分離キット。
(11)界面活性剤又はカオトロピック試薬をさらに備える前記(10)に記載のタンパク質分離キット。
本発明のタンパク質分析方法によれば、試料中のタンパク質を高精度に分析することができる。
本発明のタンパク質分離キットによれば、試料中のタンパク質を分離することができる。
本発明のタンパク質分離方法は、
タンパク質を含有する試料中からタンパク質を分離する方法であって、前記試料にアミノ酸を添加し、前記アミノ酸及びタンパク質を含む溶液Iを得て、前記溶液Iから第一の沈殿物及び第一の上清を分離するものである。
また、本発明においては、試料中のタンパク質を分離可能な範囲において、2つ以上のアミノ酸がペプチド結合してなる低分子のポリペプチドを、上記アミノ酸として添加してもよい。当該ポリペプチドを構成するアミノ酸の数は、2〜50個が好ましく、2〜10個がより好ましく、2〜5個がさらに好ましい。
血清及び血漿中のタンパク質分析は、血液中に含まれるタンパク質の濃度のダイナミックレンジが1010〜1011と非常に幅広い。血清中には、アルブミンや免疫グロブリンといった22種類の主要タンパク質が総タンパク質量の99%を占めている。従って、疾患に関与するタンパク質を発見するためには残り1%に含まれる数千種類の微量なタンパク質を比較解析しなければならない。そのため、血液、血清、及び血漿中のタンパク質分析は、組織、臓器中のタンパク質分析に比べて非常に難しいという問題があった。しかし、本発明のタンパク質分離方法によれば、試料として血液並びにその液体成分である血清及び血漿を用いた場合であっても、簡便に該タンパク質の分離が可能である。
溶液Iから分離される第一の上清は、溶液Iにおいて、前記第一の沈殿物以外の部分とすることができる。溶液Iから上記第一の沈殿物を実質的に除いたものを、第一の上清として取得することできるが、このとき溶液Iから完全に第一の沈殿物が除かれている必要はない。また、第一の上清の調製物等(ただし、後述する第二の上清は除く)であっても、第一の上清に由来するものでれば、第一の上清として扱うことができる。
本実施形態のタンパク質分離方法は、タンパク質を含有する試料からタンパク質を分離する方法であって、前記試料にアミノ酸を添加し、前記アミノ酸及びタンパク質を含む溶液Iを得て、前記溶液Iを分離処理することにより、前記溶液Iから第一の沈殿物及び第一の上清を分離するものである。
試料に添加するアミノ酸がアミノ酸溶液の形態である場合、前記アミノ酸溶液のアミノ酸濃度は、タンパク質を含有する試料中に前記タンパク質の沈殿物を生じさせる程度とすればよい。前記アミノ酸溶液のアミノ酸濃度は、0.1mmol/L〜飽和濃度であることが好ましく、1mmol/L〜飽和濃度であることがより好ましく、10mmol/L〜飽和濃度であることがさらに好ましく、50mmol/L〜飽和濃度であることが特に好ましい。
試料にアミノ酸溶液を複数回にわけて添加する場合、添加したアミノ酸溶液の合計で、アミノ酸濃度を算出するものとする。
当該アミノ酸溶液において、アミノ酸を溶解する液としては、水、各種緩衝液等が挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸溶液は、実質的に水及びアミノ酸からなるアミノ酸の水溶液であってもよい。
。ここで、溶液Iに含まれる前記アミノ酸の濃度とは、本発明において試料に人為的に添加されたアミノ酸に係る濃度である。例えば、試料が被験者から得られた血清である場合、本来の血清には含まれていない、血清に添加されたアミノ酸に係る濃度である。
試料にアミノ酸を添加することのみでも、試料中のタンパク質の沈殿物が生じるなどして、タンパク質が分離され得るが、溶液Iを分離処理することで、より効率的にタンパク質を分離できる。
一例として、分離処理として遠心分離を行った場合、第一の沈殿物は第一の画分とすることができ、前記溶液Iから第一の沈殿画分及び第一の上清を分画することとなる。
本実施形態のタンパク質分離方法によれば、アルブミン等の高濃度タンパク質を第一の上清として分離可能である。このことは、第一の沈殿物として、アルブミン等の高濃度タンパク質が除去された画分を取得可能である、と言い換えることができる。
前記除去カラムは抗体カラムであるので、生理的な条件下で使用されることが前提となる。生理的な条件下では、例えば、生理的な条件下でアルブミン等の高濃度タンパク質と結合しているタンパク質は、そのままアルブミン等の高濃度タンパク質と結合した状態であり、アルブミン等の高濃度タンパク質が除去されるとともに除去されてしまう。
一方、本実施形態のタンパク質分離方法では、必ずしも生理的な条件に依存することなく実施することが可能である。そのため、除去対象のタンパク質に結合していたタンパク質を、除去対象のタンパク質とは別の分離物として第一の沈殿物に分離可能である。
本実施形態のタンパク質分離方法は、
タンパク質を含有する試料中からタンパク質を分離する方法であって、
前記試料にアミノ酸を添加し、前記アミノ酸及びタンパク質を含む溶液Iを得て、前記溶液Iを分離処理することにより、前記溶液Iから第一の沈殿物及び第一の上清を分離し、
前記第一の上清と界面活性剤又はカオトロピック試薬とを混合して溶液IIを得て、前記溶液IIを分離処理することにより、前記溶液IIから第二の沈殿物及び第二の上清を分離するものである。
溶液IIから分離される第二の上清は、溶液IIにおいて、前記第二の沈殿物以外の部分とすることができる。、溶液IIから上記第二の沈殿物を実質的に除いたものを、第二の上清として取得することできるが、このとき溶液IIから完全に第二の沈殿物が除かれている必要はない。また、第二の上清の調製物等であっても、第二の上清に由来するものでれば、第二の上清として扱うことができる。
界面活性剤としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、デオキシコール酸ナトリウム等の陰イオン界面活性化剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、トリトン(登録商標)X−100、n−Octyl−β−D−glucoside等の非イオン界面活性剤等を挙げることができるが、これらに限定されず、好ましい界面活性剤を適宜選択することができる。なかでも、本実施形態のタンパク質分離方法においては、界面活性剤としては、陰イオン界面活性化剤又は非イオン界面活性剤が好ましい。
溶液II中の界面活性化剤の濃度は、0.0001〜1(w/v)%であることが好ましく、0.002〜0.05(w/v)%であることがより好ましく、0.005〜0.5(w/v)%以下であることがさらに好ましい。
界面活性剤が陰イオン界面活性化剤、特にSDSである場合、溶液II中の界面活性化剤の濃度は、0.001〜0.05(w/v)%であることがさらに好ましく、0.005〜0.008(w/v)%であることが特に好ましい。
このように比較的低い濃度の界面活性剤を用いることにより、効果的にタンパク質を分離することができる。
血液並びにその液体成分である血清及び血漿中では、アルブミンやIgGなどの約20種類の高濃度タンパク質が総タンパク量の99%を占めている。本実施形態のタンパク質分離方法では、試料として、血液、血清、血漿を用いた場合であっても、第一の上清と界面活性剤又はカオトロピック試薬とを混合することで、高濃度タンパク質に結合していたタンパク質と高濃度タンパク質との相互作用が弱められ、分離可能なタンパク質の種類が種類を飛躍的に増加させることができる。
本実施形態のタンパク質分離方法は、
タンパク質を含有する試料中からタンパク質を分離する方法であって、
前記試料にアミノ酸を添加し、前記アミノ酸及びタンパク質を含む溶液Iを得て、前記溶液Iを分離処理することにより、前記溶液Iから第一の沈殿物及び第一の上清を分離し、
前記第一の上清と界面活性剤又はカオトロピック試薬とを混合して溶液IIを得て、前記溶液IIを分離処理することにより、前記溶液IIから第二の沈殿物及び第二の上清を分離し、
前記第二の上清から、アルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去するものである。
アポリポプロテインとしては、アポリポプロテインA-I、アポリポプロテインA-II、アポリポプロテインB-100等を例示できる。
しかし、本実施形態のタンパク質分離方法では、第一の上清と界面活性剤又はカオトロピック試薬とを混合して得られた溶液IIから分離された第二の上清をさらに分離するものである。例えば、試料中ではアルブミンと結合していたタンパク質であっても、第二の上清中では、界面活性剤又はカオトロピック試薬の作用より、該タンパク質はアルブミンから解離されている。したがって、第二の上清から、さらに、アルブミン等の高濃度タンパク質を除去する操作を行っても、従来法ではアルブミン除去時にアルブミンと一緒に除去されていたタンパク質を抽出することが可能である。
また、本実施形態においては、第二の上清から、上記アルブミン等の高濃度タンパク質を除去することを例示したが、試料からアルブミン等の高濃度タンパク質を先ず除去してから、本発明のタンパク質分離方法を行うことを妨げるものではない。
本発明のタンパク質分析方法は、本発明のタンパク質分離方法で得られた分離物を分析対象に用いるものである。
本発明のタンパク質分離方法で得られた分離物とは、試料にアミノ酸を添加し、前記アミノ酸及びタンパク質を含む溶液Iを得て、前記溶液Iから第一の沈殿物及び第一の上清を分離することにより得られた物であって、例えば、上述した第一の沈殿物、第一の上清、第二の沈殿物、第二の上清、並びに第二の上清から、アルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去して得られた物を例示できる。
本発明のタンパク質分離キットは、本発明のタンパク質分離方法に用いられるタンパク質分離キットであって、アミノ酸を備えるものである。
本発明のタンパク質分離キットは、アミノ酸を備えているので、簡便にタンパク質の分離を行うことができる。
本発明のタンパク質分離キットが、さらに界面活性剤を備えることで、タンパク質間の相互作用を低減させるため、分離可能なタンパク質の種類が種類を増加させることができる。
このように、タンパク質の分離に必要な試薬類をキット化することにより、本発明のタンパク質分離方法をより簡便に行うことができる。
ヒトから採取した血清45 μLを[溶液1(100 mMのCysteinの水溶液)]2 mLに滴下し攪拌後、17,000 × g, 15 min, 4 ℃で遠心し、沈殿物及び上清を得た。上清は後述のSF2法に使用した。得られた沈殿物に前記[溶液1]500μLを添加し撹拌後、19,000× g, 15 min, 4 ℃で遠心し、得られた沈殿物をSF1として回収した。
上記のSF1法で回収した上清2mLに[溶液2(0.5 (w/v)% SDSの水溶液)]45 μLを滴下し攪拌後、17,000 × g, 15 min, 4 ℃で遠心し、沈殿物及び上清を得た。得られた沈殿物に前記[溶液2]800μLを添加し撹拌後、19,000× g, 15 min, 4 ℃で遠心し、得られた沈殿物をSF2として回収した。
上記のSF2法で回収した上清をAlb/IgG除去カラム(シグマ・アルドリッチ社製ProteoPrep immunoaffinity Albumin and IgG Depletion Kit)により処理し、これをSF3として回収した。
ヒトから採取した血清45 μLをAlb/IgG除去カラム(シグマ・アルドリッチ社製ProteoPrep immunoaffinity Albumin and IgG Depletion Kit)により処理し、これをアルブミン(Alb)、免疫グロブリンG(IgG)等が除去されたAlb/IgG除去血清として回収した。
図4に以下の各試料の電気泳動結果を示す。
レーン1:分子量マーカー
レーン2:未処理血清
レーン3:Alb/IgG除去血清
レーン4〜6:SF1
レーン7〜9:SF2
レーン10〜12:SF3
(a):Alb/IgG除去血清
(b):SF1
(c):SF3
(d):SF2
Claims (11)
- タンパク質を含有する試料中からタンパク質を分離する方法であって、前記試料にアミノ酸を添加し、前記アミノ酸及びタンパク質を含む溶液Iを得て、前記溶液Iから第一の沈殿物及び第一の上清を分離し、
前記第一の沈殿物を除いた前記第一の上清と界面活性剤又はカオトロピック試薬とを混合して溶液IIを得て、前記溶液IIから第二の沈殿物及び第二の上清を分離することを特徴とするタンパク質分離方法。 - 前記溶液Iに含まれる前記アミノ酸の濃度が0.1mmol/L〜飽和濃度である請求項1に記載のタンパク質分離方法。
- 前記試料に添加する前記アミノ酸が、前記アミノ酸を含むアミノ酸溶液であり、前記アミノ酸溶液の濃度が0.1mmol/L〜飽和濃度である請求項1又は2に記載のタンパク質分離方法。
- 前記溶液Iを分離処理することにより、前記第一の沈殿物及び前記第一の上清を分離する請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパク質分離方法。
- 前記溶液IIを分離処理することにより、前記第二の沈殿物及び前記第二の上清を分離する請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質分離方法。
- 前記試料が体液である請求項1〜5のいずれか一項に記載のタンパク質分離方法。
- 前記試料が血清又は血漿である請求項1〜6のいずれか一項に記載のタンパク質分離方法。
- 前記試料、前記第一の沈殿物、前記第一の上清、前記第二の沈殿物又は前記第二の上清から、アルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去する工程をさらに含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンパク質分離方法。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質分離方法で、
前記第二の沈殿物を分析対象物として得ること、
前記第二の上清を分析対象物として得ること、
前記第二の沈殿物又は前記第二の上清を得て、前記第二の沈殿物又は前記第二の上清からアルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去して分析対象物として得ること、或いは、
前記試料を準備し又は前記第一の上清を得て、前記試料又は前記第一の上清からアルブミン、IgG、トランスサイレチン、補体系タンパク質、トランスフェリン、フィブリノーゲン、IgA、サイロキシン結合グロブリン、α2−マクログロブリン、IgM、アンチトリプシン、ハプトグロビン、リポプロテイン、アポリポプロテイン、α1−酸性糖タンパク質、及びそれらの断片からなる群から選ばれる一種以上のタンパク質を除去して、前記第二の沈殿物、又は前記第二の上清を分析対象物として得ること、の後、
前記分析対象物を分析対象に用いることを特徴とするタンパク質分析方法。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質分離方法に用いられるタンパク質分離キットであって、アミノ酸を備えることを特徴とするタンパク質分離キット。
- 界面活性剤又はカオトロピック試薬をさらに備える請求項10に記載のタンパク質分離キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015018394A JP6583766B2 (ja) | 2015-02-02 | 2015-02-02 | タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015018394A JP6583766B2 (ja) | 2015-02-02 | 2015-02-02 | タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016141648A JP2016141648A (ja) | 2016-08-08 |
JP6583766B2 true JP6583766B2 (ja) | 2019-10-02 |
Family
ID=56569736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015018394A Active JP6583766B2 (ja) | 2015-02-02 | 2015-02-02 | タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6583766B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7148948B2 (ja) * | 2018-02-07 | 2022-10-06 | 学校法人北里研究所 | タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6164259A (ja) * | 1984-09-07 | 1986-04-02 | テルモ株式会社 | 血漿蛋白質分画分離剤および装置 |
AT391808B (de) * | 1986-11-03 | 1990-12-10 | Immuno Ag | Verfahren zur herstellung einer faktor viii (ahf)-haeltigen fraktion |
DE3904354A1 (de) * | 1989-02-14 | 1990-08-16 | Behringwerke Ag | Pasteurisiertes, gereinigtes von willebrand-faktor-konzentrat und verfahren zu seiner herstellung |
US5525519A (en) * | 1992-01-07 | 1996-06-11 | Middlesex Sciences, Inc. | Method for isolating biomolecules from a biological sample with linear polymers |
JP4771594B2 (ja) * | 1999-02-12 | 2011-09-14 | バクスター アクチェンゲゼルシャフト | フィブリノーゲンおよびフィブロネクチンをベースとする製剤を生成するための方法ならびにこの方法により入手可能なタンパク質組成物 |
JP4571228B2 (ja) * | 2007-08-08 | 2010-10-27 | 学校法人北里研究所 | 体液試料における、低分子量タンパク質及びペプチドの濃縮方法 |
-
2015
- 2015-02-02 JP JP2015018394A patent/JP6583766B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016141648A (ja) | 2016-08-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE60204669T2 (de) | Verfahren und vorrichtung zur gel-freien qualitativen proteomanalyse und deren verwendungen | |
Cañas et al. | Trends in sample preparation for classical and second generation proteomics | |
Guerrier et al. | Reduction of dynamic protein concentration range of biological extracts for the discovery of low-abundance proteins by means of hexapeptide ligand library | |
US7396468B2 (en) | Methods and system for protein separation | |
Moreda-Piñeiro et al. | A review on preparative and semi-preparative offgel electrophoresis for multidimensional protein/peptide assessment | |
US20130236984A1 (en) | Method for concentration of low-molecular-weight proteins and peptides in body fluid sample | |
Mahboob et al. | Is isolation of comprehensive human plasma peptidomes an achievable quest? | |
Kim et al. | Human blood plasma preparation for two-dimensional gel electrophoresis | |
US7585955B2 (en) | Protein separation from a protein mixture | |
Salvi et al. | Purification and proteomic analysis of chloroplasts and their sub-organellar compartments | |
Hedrick et al. | Digestion, purification, and enrichment of protein samples for mass spectrometry | |
Beer et al. | In-depth, reproducible analysis of human plasma using IgY 14 and SuperMix immunodepletion | |
Kruszewska et al. | How to effectively prepare a sample for bottom-up proteomic analysis of nanoparticle protein corona? A critical review | |
Linke et al. | Profiling of rat plasma by surface-enhanced laser desorption/ionization time-of-flight mass spectrometry, a novel tool for biomarker discovery in nutrition research | |
JP6583766B2 (ja) | タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット | |
JP7148948B2 (ja) | タンパク質分離方法、タンパク質分析方法、及びタンパク質分離キット | |
WO2011060438A2 (en) | Protein separation via ion-exchange chromatography and associated methods, systems and devices | |
JP2010148442A (ja) | 硫酸化糖鎖を有する糖ペプチドを濃縮する方法及びそのためのキット | |
JP2007139759A (ja) | タンパク質分画デバイスおよびタンパク質の分画・濃縮方法 | |
KR101892481B1 (ko) | 생체시료 내 특정단백질의 추출법 | |
Cheon et al. | Low-molecular-weight plasma proteome analysis using top-down mass spectrometry | |
Hansson et al. | Sample preparation for endopeptidomic analysis in human cerebrospinal fluid | |
JP2005232156A (ja) | 生体成分精製溶液、生体成分分離方法および生体成分分離装置 | |
Jankovicova et al. | Benefits of immunomagnetic separation for epitope identification in clinically important protein antigens: A case study using ovalbumin, carbonic anhydrase I and Tau protein | |
US20070015911A1 (en) | Methods for biomarker discovery and diagnostic screening |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20181122 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190521 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190718 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190813 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190823 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6583766 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |