JP6582821B2 - 光導波路素子 - Google Patents

光導波路素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6582821B2
JP6582821B2 JP2015192708A JP2015192708A JP6582821B2 JP 6582821 B2 JP6582821 B2 JP 6582821B2 JP 2015192708 A JP2015192708 A JP 2015192708A JP 2015192708 A JP2015192708 A JP 2015192708A JP 6582821 B2 JP6582821 B2 JP 6582821B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
light
light absorbing
absorbing member
waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015192708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017067986A (ja
Inventor
勝利 近藤
勝利 近藤
市川 潤一郎
潤一郎 市川
中野 清隆
清隆 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP2015192708A priority Critical patent/JP6582821B2/ja
Publication of JP2017067986A publication Critical patent/JP2017067986A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6582821B2 publication Critical patent/JP6582821B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路とを備えた光導波路素子に関する。
近年、光通信や光計測の分野において、ニオブ酸リチウム(LN)などの電気光学効果を有する基板上に光導波路を形成すると共に、光導波路内を伝播する光波を制御するための制御電極を形成した導波路型光変調器などの光導波路素子が多用されている。
長距離伝送のために、光変調器に入射する光の強度を高くした際には、消光比の劣化、光損失の増大、バイアス点の変動などが問題となる。特に、光入力強度が10mW以上になると、このような問題が顕著となる。
これらの問題は、主に、光変調器に光を入力する入力部及び光変調器内の光導波路などからリークした迷光と、光導波路内を伝播する信号光とが相互に干渉することにより、フォトリフラクティブ現象が発生し、これにより光導波路部にグレーティングを形成していることが、大きな原因であることが知られている。
このような光導波路部に形成されたグレーティングは、光導波路内を進行する信号光を、進行方向とは逆方向に戻しリターンロスを悪化させたり、若しくは、光導波路外へ反射させることにより、信号光の消光比の劣化を引き起こすこととなる。
フォトリラクティブ現象とは、光が当たることにより物質の屈折率が変化する現象である。具体的には、光により物質中の電荷移動が発生する特性から、光干渉などにより空間的な光の強度分布が生じると、該光の強度分布に応じて電荷の再分布が起こる。そして、電荷の再分布により生じた電荷の偏在により内部電界が局所的に変化する。内部電場は物質の屈折率を変化させるため、結果として、光の強度分布に対応した物質の屈折率分布が形成される。
しかも、フォトリフラクティブ現象は、物質に光を当て続けると、次第に屈折率が変化し、散乱が時間と共に強くなるという特性を有するため、長時間にわたる光変調器の駆動に際しては、特に、消光比の劣化や光損失の増大など光変調器特性の悪化が顕著となる。
そこで、フォトリラクティブ現象を緩和させるための種々の手法が検討されている。例えば、LN基板に溝を形成して光導波路を迷光から遮蔽する方法や、その溝に光吸収材料を充填する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、LN基板への溝形成(及び光吸収材料の充填)による温度特性の劣化や、不純物拡散に起因するLN基板表面の荒れによる光導波損失の増大が懸念される。
また、フォトリラクティブ現象を緩和させるための別の手法として、例えば、Mg、Zn添加LiNbO3の利用や、高い素子温度での使用等が提案されている(特許文献2、3参照)。しかしながら、Mg、Zn添加LiNbO3結晶をLN変調器に用いた場合、分極反転閾値が低くなり、使用可能な印加電圧が小さくなってしまうため、集積化には不向きである。また、LN変調器の素子温度を上げた場合、温度制御の電力が必要であることや、LN変調器固有のDCドリフト現象を増大させてしまうことから、適用が困難である。
特開2004−93905号公報 特許第4067845号公報 特許第4111075号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記のような問題を解決し、基板材料のフォトリフラクティブ効果に起因する現象を抑制できる光導波路素子を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の光導波路素子は以下のような技術的特徴を有する。
(1) 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路とを備えた光導波路素子において、該光導波路は、該光導波路素子の外部から光が入力される入力導波路部と、該入力導波路部に入力された光を複数の分岐導波路部に分岐させるY字状の分岐部とを有し、該分岐部の上側を少なくとも覆うように、光吸収により発熱する光吸収部材が配置されたことを特徴とする。
(2) 上記(1)に記載の光導波路素子において、該光吸収部材は、該入力導波路部の全体の上側、または、該入力導波路の一部の上側を更に覆うように配置されたことを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光導波路素子において、該光吸収部材は、該光導波路に沿って延びる所定幅の部材であることを特徴とする。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光導波路素子において、該光吸収部材の一部に、該光導波路に沿って貫通孔を設けたことを特徴とする。
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光導波路素子において、該光吸収部材は接地されていることを特徴とする。
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光導波路素子において、該光導波路と該光吸収部材の間にスペーサを設けたことを特徴とする。
(7) 上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の光導波路素子において、該光導波路は、前記複数の分岐導波路部からの光を合成するY字状の合成部と、該合成部で合成された光を該光導波路素子の外部に出力する出力導波路部とを有し、該合成部の上側を少なくとも覆うように、該光吸収部材が配置されたことを特徴とする。
(8) 上記(7)に記載の光導波路素子において、
該光吸収部材は、該出力導波路部の全体の上側、または、該出力導波路の一部の上側を更に覆うように配置されたことを特徴とする。
(9) 上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の光導波路素子において、該光吸収部材は、該光導波路に沿って複数配置され、前記複数の光吸収部材の各々による光の吸収量は、光の伝搬方向における該光吸収部材の配置順に小さいことを特徴とする。
(10) 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路とを備えた光導波路素子において、該光導波路は、該光導波路素子の外部から光が入力される複数の入力導波路部と、前記複数の入力導波路部に入力された光を合成するY字状の合成部と、該合成部で合成された光を該光導波路素子の外部に出力する出力導波路部とを有し、該合成部の上側を少なくとも覆うように、光吸収により発熱する光吸収部材が配置されたことを特徴とする。
(11) 上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の光導波路素子において、該基板を収容する筐体を備え、該基板における該光吸収部材の配置部分を、該筐体の内面から離隔させたことを特徴とする。
本発明の光導波路素子は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路とを備えた光導波路素子において、該光導波路は、該光導波路素子の外部から光が入力される入力導波路部と、該入力導波路部に入力された光を複数の分岐導波路部に分岐させる分岐部とを有し、該入力導波路部及び該分岐部において、光強度が高くなる部分の上側を少なくとも覆うように、光吸収により発熱する光吸収部材が配置されたので、該光導波路を伝播する光による光吸収部材の発熱によってフォトリフラクティブ効果を低減させることができ、フォトリフラクティブ効果に起因する現象を抑制することができる。また、光導波路を発熱させる必要がある箇所に光吸収部材を配置するだけで局所的な加熱を行うことができ、加熱用に付加的な電源を設ける必要がない。
本発明の一実施形態に係る光導波路素子の第1構成例を示す図である。 入力光量を変化させた場合の入力側基板領域の温度変化を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光導波路素子の第2構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光導波路素子の第3構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光導波路素子の第3構成例の変形例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光導波路素子の第4構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光導波路素子の第5構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光導波路素子の第6構成例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明に係る光導波路素子は、図1、図3〜図5に示すように、電気光学効果を有する基板1と、該基板1に形成された光導波路2とを備えた光導波路素子において、該光導波路2の少なくとも一部の上側を覆うように、光吸収により発熱する光吸収部材3が配置されたことを特徴とする。
図1には、本発明に係る光導波路素子の第1構成例を示してある。
光導波路素子に使用する基板1としては、LiNbO3,LiTaO5又はPLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)などの電気光学効果を有する基板を用いることが好ましい。
基板1に形成する光導波路2は、例えば、LiNbO3基板(LN基板)上にチタン(Ti)などの高屈折率物質を熱拡散することにより形成される。また、基板1に光導波路2に沿った凹凸を形成したリッジ型光導波路も利用可能である。また、基板1は、Xカット型であってもよく、Zカット型であってもよい。
光導波路2が形成された基板は、その裏面を研磨して所定厚(例えば9μm)にし、接着剤等を介して保持基板の上に貼り付けられる。
基板1には、光導波路2を伝播する光波を制御するための制御電極を構成する信号電極及び接地電極が形成される。これらの電極は、基板1の表面に、Ti・Auの電極パターンを形成し、金メッキ方法などにより形成することが可能である。更に、必要に応じて、光導波路形成後の基板1の表面に誘電体SiO2等のバッファ層や電荷分散膜等を設け、これらの上に電極を形成することも可能である。
光導波路2は、光導波路2の光入射端に接続されて、光導波路素子の外部から光が入力される入力導波路部21と、入力導波路部21からの光を分岐する分岐部22と、該分岐部で分岐された各光に対して制御電極による制御が行われる複数の作用導波路部23と、各作用導波路部23からの光を合成する合成部24と、光導波路2の光出射端に接続されて、合成部24で合成された光を光導波路素子の外部に出力する出力導波路部25とを有する。
基板1には、更に、光吸収により発熱する光吸収部材3が形成される。図1の例では、入力側の導波路部分(入力導波路部21及び分岐部22)を含む基板領域と、出力側の導波路部分(合成部24及び出力導波路部25)を含む基板領域とを上側から覆うように光吸収部材3を形成してある。
図1のような1つのマッハツェンダー干渉計だけで構成されたシングル構造のマッハツェンダー型導波路の場合には、光の減衰が小さいことから、光の入力側と出力側とで同程度のフォトリフラクティブ効果が発生することが想定される。そのため、入力側の基板領域と出力側の基板領域の2箇所に光吸収部材3を形成してある。
光吸収部材3の材料や形成方法に関しては特に指定はないが、金属膜を光吸収部材3に用いる場合には、例えば、表1を参考にして材料を選定することができる。表1には、Ti拡散導波路を有するXcutのLN基板の表面に金属膜を装荷したときに生じる過剰損失量を示してある。第1構成例では、材料としてAlを用い、スパッタ法にて光吸収部材3を形成している。
Figure 0006582821
図2には、入力光量を変化させた場合の入力側基板領域の温度変化を示してある。本例では、Ti拡散導波路を有するXcutのLN基板で、入力光量と入力側の導波路部分のチップ温度との関係を示してあり、横軸は入力光量(dBm)であり、縦軸はチップ温度(℃)である。また、光吸収部材3の膜を設けない場合を○印でプロットし、Al膜を光吸収部材3として設けた場合を□印でプロットし、Ti膜を光吸収部材3として設けた場合を△印でプロットしてある。
同図に示されるように、光吸収部材3の膜を設けない場合には、入力光量を増加させてもチップ温度は略一定だが、Al膜を設けた場合には、入力光量の増加に伴ってチップ温度が緩やかに上昇しており、Ti膜を設けた場合には、入力光量の増加に伴ってチップ温度が急激に上昇している。つまり、光導波路2の上側に光吸収部材3を配置することで、その部位を伝播する光によって光吸収部材3の発熱効果が得られることが分かる。
また、光吸収部材3の有無によるOn/Off消光比の劣化を比較したところ、吸収部材3を設けることでOn/Off消光比の劣化が改善していることを確認した。
図1に示した第1構成例では、入力側の基板領域と出力側の基板領域の全域を覆うように光吸収部材3を配置してあるが、これは一例に過ぎない。但し、分岐部22や合成部24にフォトリフラクティブ現象が発生すると、分岐比や合成比などに影響が生じて消光比の劣化などが懸念されるので、少なくとも分岐部22及び合成部24に光吸収部材3を形成し、その部分のフォトリフラクティブ現象を抑制することが好ましい。また、入力導波路部21や出力導波路部25は、光の強度が作用導波路部23と比べて高いため、これらの部位にも光吸収部材3を形成し、その部分のフォトリフラクティブ現象を抑制することが好ましい。
なお、入力側の導波路部分(入力導波路部21及び分岐部22)や、出力側の導波路部分(合成部24及び出力導波路部25)について、その全体(全区間)を光吸収部材3で覆うことは必ずしも必要ではなく、光強度が高くなる部分を光吸収部材3で覆うようにしてもよい。入力側の導波路部分では、入力導波路部21の全体、または、入力導波路21の一部と分岐部22の部分において光強度が高くなることが想定されるため、これらのいずれかを少なくとも覆うように光吸収部材3を設ければよい。また、出力側の導波路部分では、出力導波路部25の全体、または、出力導波路部25の一部と合成部24の部分において光強度が高くなることが想定されるため、これらのいずれかを少なくとも覆うように光吸収部材3を設ければよい。
図3には、本発明に係る光導波路素子の第2構成例を示してある。
第2構成例では、入力側の導波路部分(入力導波路部21及び分岐部22)及びその近傍と、出力側の導波路部分(合成部24及び出力導波路部25)及びその近傍を覆うように、光導波路2に沿って延びる所定幅の光吸収部材3を配置してある。このように、光吸収部材3の配置を光導波路2の近傍部分に限定し、光吸収に寄与せずに熱を拡散させてしまう部分の面積を小さくすることで、光導波路2の温度を効率的に上昇させることができる。第2構成例では、第1構成例と同じ材料の光吸収部材3を用いたが、第1構成例よりも光導波路2の温度上昇が高くなり、フォトリフラクティブ現象の抑制効果が改善していた。
図4には、本発明に係る光導波路素子の第3構成例を示してある。
第3構成例では、第2構成例の光吸収部材3に対して、光導波路2と交わる方向の複数のスリットを光導波路2に沿って設けてある。このように、光吸収部材3の一部に、光導波路2に沿って図示したスリットのような貫通孔を設けることで、貫通孔の箇所での光吸収を抑制できるので、光強度の減衰量と発熱量とを調整しやすくなる。このような形状の光吸収部材3は、Al膜のように光吸収効率が低い材料を用いる場合よりも、Ti膜のように光吸収効率が高い材料を用いる場合に好適である。
なお、図4では、光吸収部材3に複数の貫通孔を設けることで、光吸収部材3の配置区間内において光導波路2を光吸収部材3で覆う部分と覆わない部分とを交互に形成し、光強度の減衰量と発熱量とを調整しているが、図5に変形例を示すように、光吸収部材3を光導波路2上に離散的に配置することでも、光吸収部材3の配置区間内において光導波路2を光吸収部材3で覆う部分と覆わない部分とを交互に形成でき、光強度の減衰量と発熱量とを調整できる。
図6には、本発明に係る光導波路素子の第4構成例を示してある。
第4構成例の光導波路素子における光導波路2は、入力導波路部21からの光を分岐部22で2つのマッハツェンダー型導波路部に分岐し、各々のマッハツェンダー型導波路部を伝播してきた光をマッハツェンダー型導波路部毎に設けた出力導波路部25から出力する構造となっている。このような構造の場合、入力側の光強度よりも出力側の光強度の方が弱く、出力側は入力側に比べてフォトリフラクティブ現象が発生しにくいので、入力側の導波路部分(入力導波路部21及び分岐部22)のみに光吸収部材3を配置している。
なお、ここでは光吸収部材3を入力側の導波路部分(入力導波路部21及び分岐部22)のみに配置する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、光導波路2に沿って複数の光吸収部材3を配置し、各々の光吸収部材3による光の吸収量を光の伝搬方向における光吸収部材3の配置順に小さくする構成としてもよい。ここで、光吸収部材3は、入力側の分岐部22及びその後段の分岐部22’の全てに対して設ける構成としてもよく、これら分岐部の一部に対して光吸収部材3を設ける構成としてもよい。また、各々の分岐部について、その分岐部及びその前段に接続された導波路部分に全体的に光吸収部材3を設けてもよく、そのうちの光強度が高くなる部分(例えば、分岐部前段の導波路部分全体、または、その導波路部分の一部と分岐部)だけに光吸収部材3を設けてもよい。光の吸収量は、光吸収部材3が光導波路2を覆う面積を調整したり、光吸収部材3の材料を選択することで調整してもよい。
図7には、本発明に係る光導波路素子の第5構成例を示してある。
第5構成例では、平面光波回路(PLC)の後段に光導波路素子(LN)を接続した構造となっている。すなわち、平面光波回路(PLC)で分岐された複数の光が、光導波路素子(LN)が持つ複数の入力導波路21にそれぞれ入力され、各々の入力導波路21に接続された複数の作用導波路部23で制御電極による制御が行われた後に、その後段の各合成部24’で合成され、その後さらに合成部24で合成された後に、出力導波路部25から光導波路素子(LN)の外部に出力される構造となっている。このような構造の場合、入力側の光強度よりも出力側の光強度の方が強く、出力側は入力側に比べてフォトリフラクティブ現象が発生し易いので、出力側の導波路部分(合成部24及び出力導波路部25)のみに光吸収部材3を配置している。
なお、ここでは光吸収部材3を出力側の導波路部分(合成部24及び出力導波路部25)のみに配置する構成としたが、出力側の合成部24及びその前段の合成部24’の全てに対して設ける構成としてもよく、これら合成部の一部に対して光吸収部材3を設ける構成としてもよい。また、各々の合成部について、その合成部及びその後段に接続された導波路部分に全体的に光吸収部材3を設けてもよく、そのうちの光強度が高くなる部分(例えば、合成部後段の導波路部分全体、または、その導波路部分の一部と合成部)だけに光吸収部材3を設けてもよい。
図8には、本発明に係る光導波路素子の第6構成例を示してある。
図8では、基板1を筐体4に収容した様子を示してあり、(a)は側面断面図、(b)は平面断面図である。本例では、筐体4の底面部分に所定高さの台座41を設け、台座41の上に基板1を載置することで、基板1を筐体4の上面や側面だけでなく基板1の底面からも離隔させている。また、基板1における光吸収部材3の配置部分は、台座41にも接しないように台座41からはみ出させてある。このように、基板1における光吸収部材3の配置部分を筐体4の内面部分から離隔させることで、筐体4による熱の拡散を抑制し、光導波路2を効率的に温度上昇させることができる。なお、本例では、基板1と筐体4の内面部分との間隔を1〜2mm程度取っているが、筐体4に対する基板1の実装の仕方に応じて基板1と筐体4の内面部分との間隔を決めればよい。
以上のように、光導波路2の少なくとも一部の上側を覆うように光吸収部材3を配置することで、光導波路2を伝播する光による光吸収部材3の発熱によってフォトリフラクティブ効果を低減させることができ、フォトリフラクティブ効果に起因する現象を抑制することができる。また、光導波路2を発熱させる必要がある箇所に光吸収部材3を配置するだけで局所的な加熱を行うことができ、加熱用に付加的な電源を設ける必要がない。
なお、光吸収部材3のチャージアップが懸念されるため、光吸収部材3から熱が逃げない程度に、光吸収部材3を接地電位に接続しておくことが好ましい。
また、上記の各構成例では、光導波路2の上側に光吸収部材3を直接重ねて形成しているが、光導波路2と光吸収部材3の間にスペーサを設けることで、光吸収効率の調整を行うようにしてもよい。すなわち、例えば、光導波路2の上に(リアクティブ)スパッタにてスペーサを形成し、その後、光吸収部材3を蒸着にて形成する。スペーサとしては、種々の材料のものを用いることができる。例えば、SiO2,SiN,Al23等のようにLNよりも屈折率が低い材料の膜を用いる場合には、膜が厚くなるに従って光吸収量が減少する。また例えば、TiO2,Si,Cu2O等のようにLNよりも屈折率が高い材料の膜を用いる場合には、膜の厚さによって光吸収量が変化する。つまり、スペーサの材料やその厚さに応じて光吸収効率を適宜に調整できる。
また、上記の各構成例では、光吸収部材3として金属膜を用いたが、光吸収により発熱する他の材料を用いても構わない。例えば、酸素欠損している酸化金属、半導体等を光吸収部材3として用いることができる。また、メタマテリアル等の構造を利用して光吸収を調整する方法などもある。
また、光導波路2を伝播する光の偏波面に応じて光吸収部材3の光吸収量による発熱量が変化する特性を利用して、光導波路2に対する入力光の偏波面を調整する偏波面調整機構を設け、偏波面調整機構により入力光の偏波面を調整することで、光吸収部材3の光吸収量による発熱量を調整してもよい。
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能であることはいうまでもない。
以上説明したように、本発明によれば、基板材料のフォトリフラクティブ効果に起因する現象を抑制できる光変調素子を提供することができる。
1 基板
2 光導波路
3 光吸収部材
4 筐体
21 入力導波路部
22,22’ 分岐部
23 作用導波路部
24,24’ 合成部
25 出力導波路部
41 台座

Claims (11)

  1. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路とを備えた光導波路素子において、
    該光導波路は、該光導波路素子の外部から光が入力される入力導波路部と、該入力導波路部に入力された光を複数の分岐導波路部に分岐させるY字状の分岐部とを有し、
    該分岐部の上側を少なくとも覆うように、光吸収により発熱する光吸収部材が配置されたことを特徴とする光導波路素子。
  2. 請求項1に記載の光導波路素子において、
    該光吸収部材は、該入力導波路部の全体の上側、または、該入力導波路の一部の上側を更に覆うように配置されたことを特徴とする光導波路素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光導波路素子において、
    該光吸収部材は、該光導波路に沿って延びる所定幅の部材であることを特徴とする光導波路素子。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光導波路素子において、
    該光吸収部材の一部に、該光導波路に沿って貫通孔を設けたことを特徴とする光導波路素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光導波路素子において、
    該光吸収部材は接地されていることを特徴とする導波路素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光導波路素子において、
    該光導波路と該光吸収部材の間にスペーサを設けたことを特徴とする光導波路素子。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光導波路素子において、
    該光導波路は、前記複数の分岐導波路部からの光を合成するY字状の合成部と、該合成部で合成された光を該光導波路素子の外部に出力する出力導波路部とを有し、
    該合成部の上側を少なくとも覆うように、該光吸収部材が配置されたことを特徴とする光導波路素子。
  8. 請求項7に記載の光導波路素子において、
    該光吸収部材は、該出力導波路部の全体の上側、または、該出力導波路の一部の上側を更に覆うように配置されたことを特徴とする光導波路素子。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の光導波路素子において、
    該光吸収部材は、該光導波路に沿って複数配置され、
    前記複数の光吸収部材の各々による光の吸収量は、光の伝搬方向における該光吸収部材の配置順に小さいことを特徴とする光導波路素子。
  10. 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路とを備えた光導波路素子において、
    該光導波路は、該光導波路素子の外部から光が入力される複数の入力導波路部と、前記複数の入力導波路部に入力された光を合成するY字状の合成部と、該合成部で合成された光を該光導波路素子の外部に出力する出力導波路部とを有し、
    該合成部の上側を少なくとも覆うように、光吸収により発熱する光吸収部材が配置されたことを特徴とする光導波路素子。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の光導波路素子において、
    該基板を収容する筐体を備え、
    該基板における該光吸収部材の配置部分を、該筐体の内面から離隔させたことを特徴とする光導波路素子。
JP2015192708A 2015-09-30 2015-09-30 光導波路素子 Active JP6582821B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015192708A JP6582821B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 光導波路素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015192708A JP6582821B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 光導波路素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017067986A JP2017067986A (ja) 2017-04-06
JP6582821B2 true JP6582821B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=58492551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015192708A Active JP6582821B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 光導波路素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6582821B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7047469B2 (ja) * 2018-03-05 2022-04-05 住友大阪セメント株式会社 光変調器
JP2020038241A (ja) * 2018-08-31 2020-03-12 国立大学法人東京工業大学 全光スイッチ及び光学装置
WO2023188137A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 住友大阪セメント株式会社 光導波路素子、光変調器、光変調モジュール、及び光送信装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06331829A (ja) * 1993-05-25 1994-12-02 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 光導波路用アッテネータ
JP3234803B2 (ja) * 1997-12-15 2001-12-04 日本碍子株式会社 光導波路素子
JP3898851B2 (ja) * 1999-03-26 2007-03-28 住友大阪セメント株式会社 導波路型光デバイス
US6438280B1 (en) * 1999-12-23 2002-08-20 Litton Systems, Inc. Integrated optics chip having reduced surface wave propagation
JP4544474B2 (ja) * 2005-03-31 2010-09-15 住友大阪セメント株式会社 光変調器
WO2008090685A1 (ja) * 2007-01-23 2008-07-31 Murata Manufacturing Co., Ltd. 光制御素子
JP5917645B2 (ja) * 2014-10-01 2016-05-18 日本電信電話株式会社 光スイッチ素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017067986A (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3827629B2 (ja) 光変調器
US7916981B2 (en) Optical modulator
JP5782974B2 (ja) 光変調器及び光変調器の受光素子の受光量調整方法
US10133014B2 (en) Controlling back scattering in optical waveguide systems
JP5792702B2 (ja) 光変調器
JP5716714B2 (ja) 光導波路素子
JP2008249790A (ja) 光導波路素子、及び光導波路素子の温度クロストーク抑止方法
JP6582821B2 (ja) 光導波路素子
JP7322784B2 (ja) 光導波路素子とそれを用いた光変調デバイス並びに光送信装置
JP5077480B2 (ja) 光導波路素子
JP7259486B2 (ja) 光変調器
US9008468B2 (en) Electro-optic modulator of large bandwidth
JP5166450B2 (ja) 光導波路デバイス
US12025833B2 (en) Optical waveguide element
JP2016142799A (ja) 光制御素子
JP5467414B2 (ja) 光機能導波路
JP2007248944A (ja) 光変調器
US9158077B2 (en) Waveguide lens including planar waveguide and media grating
JP2018017852A (ja) 光変調器
JP2006343412A (ja) 光変調器
US20140169726A1 (en) Waveguide lens with modulating electrode and ground electrodes
JP2020057024A (ja) 光変調器
JPH0315831A (ja) 光偏向素子
JP2017173662A (ja) 光変調器
JPH06347737A (ja) 光制御デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6582821

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150