JP6582707B2 - エンジンのオイル昇温構造 - Google Patents

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本発明は、エンジンの始動時等にオイルの油温を上昇させることができるエンジンのオイル昇温構造に関する。
車両用のエンジンにおいては、低温の環境下で始動して低負荷の運転を続けると、エンジンの各部を潤滑するオイルの油温が十分に上昇せずに運転が継続される場合がある。この場合、燃焼により発生した水蒸気がオイルに混入したまま蒸発せずにオイル中に溜まってエンジン内部の潤滑不良を引き起こす現象が発生する。また、エンジンの始動直後で油温が十分に上昇していないと、オイルの粘性が高くなってメカロスが大きくなり、燃費の悪化を招く、という現象も発生する。このような現象を回避するため、例えば、特許文献1に開示される構成が知られている。
特許文献1のエンジンは、オイルが流れる油路を分岐して形成されたオイル通路(曲がり管)を備え、オイル通路には蓋が溶接されている。また、エンジンに接続される排気管の中間部分には開口が形成され、この開口の周囲にはフランジ付き取付座が溶接されている。そして、フランジ付き取付座に蓋を取り付けることによって、オイル通路の中間部が排気管の内部に配置される。従って、オイル通路は、排気管の内部を流れる高温の排気ガスに曝されてオイル通路を流れるオイルが加熱、昇温され、上述した現象の回避を図っている。
特開2007−278256号公報
しかしながら、特許文献1にあっては、オイル通路を排気管の内部に配置するため、蓋やフランジ付き取付座を設ける必要があり、それらの溶接部分等から排気漏れが発生するおそれがある、という問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、エンジンからの排気熱によって油温を昇温でき、排気管での排気漏れ発生のおそれを排除することができるエンジンのオイル昇温構造を提供することを目的とする。
本発明のエンジンのオイル昇温構造は、エンジン外部へ排気を排出する該エンジンの排気出口形成部に設けられたオイル加熱通路と、前記オイル加熱通路へのオイルの流れを制御するオイルコントロールバルブとを備えたエンジンのオイル昇温構造であって、記排気出口形成部は、前記排気管をシリンダヘッドに固定するクランプを含み、前記エンジンの排気管と別体に設けられ、前記オイル加熱通路は、前記エンジンの排気熱によって加熱された前記排気出口形成部からの熱を内部のオイルに伝導して加熱し、前記クランプに連なって設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、エンジンの排気出口形成部にオイル加熱通路を設けたので、高温となる排気熱を利用してオイル加熱通路を流れるオイルを加熱、昇温させることができる。更に、排気管とは別体となる排気出口形成部にオイル加熱通路を設けたので、排気管に対し、オイル加熱通路を接続するための開口を形成したり溶接を行ったりする加工をなくすことができる。このような加工をなくすことによって、従来のような排気管にオイル加熱通路を接続することに起因した排気漏れ発生のおそれを排除することができる。更に、エンジンから排出された直後の排気によって加熱されるクランプを介してオイルを加熱することができ、オイルを短時間で効率良く昇温させることができる。また、クランプとオイル加熱通路とを一体として部品点数を少なくすることができる。
上記エンジンのオイル昇温構造において、前記排気出口形成部は、前記エンジンのシリンダヘッドの一部となる排気出口周り領域を含み、該排気出口周り領域に前記オイル加熱通路が連なって設けられているとよい。この構成では、シリンダヘッドの一部を利用してオイル加熱通路を形成でき、エンジンから外部に排出される直前及び直後の排気によってオイルを加熱することができる。
上記エンジンのオイル昇温構造において、前記オイルコントロールバルブは、前記エンジンにおけるシリンダ、シリンダヘッド、及び排気管で囲まれた空間に配置されるとよい。この構成では、オイルコントロールバルブがない場合にはデッドスペースとなる空間を有効利用でき、他の部品のレイアウト変更を回避することができる。
上記エンジンのオイル昇温構造において、前記オイルコントロールバルブは、油温センサの検出結果に基づいて制御弁を作動させ、前記オイル加熱通路へのオイル流量を制御するとよい。この構成では、油温センサの検出結果に応じてオイル流量に制御を微調整することができる。
本発明によれば、排気管と別体の排気出口形成部にオイル加熱通路を設けたので、エンジンからの排気熱によって油温を昇温でき、排気管での排気漏れ発生のおそれを排除することができる。
本実施の形態に係るエンジンの右側面図である。 本実施の形態に係るエンジンの底面図である。 本実施の形態に係るエンジンを図1の矢印A方向から見た図である。 本実施の形態に係るオイルの流れを示すフロー図である。 オイルコントロールバルブの説明用断面図である。 オイルコントロールバルブの説明用断面図である。 図5の部分拡大図である。 図6の部分拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明のエンジンを自動二輪車に搭載されるV型エンジンとした例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本発明に係るエンジンの適用対象をバギータイプの自動三輪車、自動四輪車にしてもよく、本発明に係るエンジンを単気筒エンジンや、並列2気筒エンジンとしてもよい。また、以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。
図1及び図2を参照して、本実施の形態に係るエンジンの概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るエンジンの右側面図であり、図2は、本実施の形態に係るエンジンの底面図である。ここで、以下の図においては、自動二輪車(不図示)の車体前方を矢印FR、車体後方を矢印RE、車体左側を矢印L、車体右側を矢印R、車幅方向を矢印W、上側を矢印T、下側を矢印Bでそれぞれ示す。
図1に示すように、V型エンジンとなるエンジン(内燃機関)10は、自動二輪車(不図示)に搭載される場合、自動二輪車を構成するフレームによって懸架された状態で支持される。エンジン10は、クランクケース11上に前部バンク13及び後部バンク14をV字状に配置して構成されている。クランクケース11の下部には、オイルが貯留されるオイルパン15が一体的に形成されている。オイルパン15のオイルは、オイルポンプ(不図示)によりオイルコントロールバルブ(OCV)16に圧送され、潤滑及び冷却等に利用される。クランクケース11内には、クランクシャフト(不図示)が車幅方向(左右方向)に向けて収容され、これにより、エンジン10は横置き状態とされる。クランクケース11の車幅方向の一側部(右側部)には、クラッチ室を形成するクラッチカバー17が取り付けられ、車幅方向の他側部(左側部)には、マグネト室を形成するマグネトカバー18(図1では不図示)が取り付けられる。
続いて、前部バンク13について説明する。前部バンク13は、クランクケース11の上部に前部シリンダ20を配置し、この前部シリンダ20に前部シリンダヘッド21、及び、前部ヘッドカバー22を取り付けて外形が構成される。前部シリンダ20の軸中心位置は、前方に向かうに従って上昇する方向に傾斜している。前部シリンダヘッド21の後側には吸気口21aが開口し、この吸気口21aに吸気管(インテークパイプ、不図示)が接続される。
前部シリンダヘッド21の前側には排気管(エキゾーストパイプ)24が接続され、その接続位置には、エンジン10の外部へ排気(燃焼ガス)を排出するための排気出口形成部26(詳細は後述)が排気管24とは別体で設けられている。排気管24は、前部シリンダヘッド21の下方から前部シリンダ20の下方、クランクケース11の前方を通過し、クランクケース11の下方で後方に延出している。
OCV16は、前部シリンダ20の下面側に2本のボルト16a(図3参照、図1及び図2では不図示)を介して固定され、図1に示すように車体側面視で前部シリンダ20、前部シリンダヘッド21、及び排気管24で囲まれた空間に配置される。かかる空間は、OCV16がない場合にはデッドスペースとなるものの、OCV16を配置したことで空間の有効利用が図られ、その分、他の部品のレイアウトの自由度を向上させることができる。
ここで、図4を参照して、本実施の形態に係るエンジンのオイルの流れについて説明する。図4は、本実施の形態に係るオイルの流れを示すフロー図である。図4に示すように、同図中最下位に記載のオイルパン15に貯留されたオイルは、オイルストレーナ31を通過した後、オイルポンプ32によってOCV16に圧送される。本実施の形態では、オイルポンプ32から圧送されるオイルの全量がOCV16に送出される。OCV16は、オイルの圧送先を制御し、圧送先としては、オイルヒータとなるオイル加熱通路33と、オイルクーラ34とになる。従って、OCV16では、オイル加熱通路33を通って再びOCV16に戻った後オイルクーラ34に圧送されるオイルと、オイルクーラ34に直接圧送されるオイルとに分配される。
オイルクーラ34に圧送されたオイルは、オイルクーラ34を通過して冷却された上でオイルフィルタ35によって濾過される。濾過されたオイルは、オイルギャラリ36に圧送され、エンジン10の各部に分配して供給される。エンジン10の各部を潤滑、冷却したオイルは、再びオイルパン15に回収される。
続いて、図1〜図3を参照して、本実施の形態に係るエンジンのオイル昇温構造について説明する。図3は、本実施の形態に係るエンジンを図1の矢印A方向から見た図である。かかるオイル昇温構造は、上述した排気出口形成部26に設けられたオイル加熱通路33と、OCV16と、OCV16にそれぞれ一端部が接続される第1〜第4オイル配管41a〜41dとを備えて構成されている。第1〜第4オイル配管41a〜41dの一部は、適度な柔軟性を発揮するホースによって形成される。第1オイル配管41aの他端部は、クランクケース11に設けられるオイル通路を介して、クランクケース11に設けられるオイルポンプ32(図4参照、図1〜図3では不図示)に接続される。第4オイル配管41dの他端部は、クランクケース11に設けられるオイル通路を介して、クランクケース11に設けられるオイルクーラ34(図4参照、図1〜図3では不図示)に接続される。
排気出口形成部26は、前部シリンダヘッド21の排気出口21b(図1では不図示)周りに排気管24(図2及び図3では不図示)を接続するクランプ46を含んで形成されている。クランプ46は、排気管24が貫通する挿通穴46aが面内中央部に形成されたリング状に形成されている。クランプ46は、左右両端側において、ボルト47を介して前部シリンダヘッド21に締結され、この締結によって排気出口21bと排気管24との気密性が保たれる。
図2及び図3に示すように、オイル加熱通路33は、クランプ46に連なって一体に形成され、クランプ46とオイル加熱通路33とで単一の部品となるように形成されている。オイル加熱通路33は、左右方向に直線的に延びる筒状に形成され、内部にオイルパン15(図1参照)から圧送されるオイルが右端側から左端側に流れるようになっている。このとき、オイル加熱通路33は、排気熱によって高温状態となるクランプ46からの熱を、内部に流れるオイルに伝えて該オイルを加熱、昇温可能に設けられる。オイル加熱通路33の右端側には第2オイル配管41bの他端部が接続され、左端側には第3オイル配管41cの他端部が接続されており、オイル加熱通路33が第2オイル配管41bから第3オイル配管41cを中継する配管となる。
なお、オイル加熱通路33がクランプ46に連なる部分は、筒状のオイル加熱通路33とリング状のクランプ46とが相互に重なるように形成してもよい。また、オイル加熱通路33及びクランプ46が重ならないように形成した場合或いは重ならないように形成した部分では、それらの間を埋めるように連なる架け渡し部を一体に形成してもよい。
図5及び図6は、オイルコントロールバルブの説明用断面図である。図5及び図6に示すように、OCV16は、左右方向に延びる筒状のケース本体50と、ケース本体50内に一部が挿入される軸部材51と、ケース本体50の右側に設けられた駆動部としてのアクチュエータ52とを備えている。
ケース本体50は、第1〜第4オイル配管41a〜41dを支持する第1〜第4支持部54a〜54dを備えた形状に設けられる。各支持部54a〜54dは、ユニオンボルト55を介して各オイル配管41a〜41dを支持する一方、ユニオンボルト55を通じてケース本体50内にオイルを流入又はケース本体50内からオイルを流出する。
ここで、図3に示すように、第1〜第4支持部54a〜54dは、ケース本体50下方から突出するようにそれぞれ形成されている。第1〜第4支持部54a〜54dにおけるケース本体50の周方向に沿う前後位置は、第1支持部54a及び第3支持部54cが同じ位置であり、第2支持部54b及び第4支持部54dが同じ位置である。そして、第1支持部54a及び第3支持部54cは、第2支持部54b及び第4支持部54dの後方に隣り合うように設けられる。但し、図5及び図6は、説明の便宜上、ケース本体50の同図中下部に第1支持部54a及び第3支持部54c、同図中上部に第2支持部54b及び第4支持部54dが位置する切断位置で断面視した図とする。
図5及び図6に示すように、ケース本体50において、第1支持部54aの左側近傍に第3支持部54cが設けられ、第2支持部54bの左側近傍に第4支持部54dが設けられている。そして、左右方向において、第1支持部54a及び第3支持部54cの間に第4支持部54dが位置し、第2支持部54b及び第4支持部54dの間に第1支持部54aが位置するように設けられている。
ケース本体50と軸部材51との間には介在部材57が設けられている。介在部材57の形状については後述する。軸部材51は、右端側がケース本体50からはみ出してアクチュエータ52内に位置するように設けられている。アクチュエータ52は、制御部70での判断結果に応じた電圧が印加されることで電磁石等を介して軸部材51を左右方向に駆動する。なお、図5は、軸部材51が最も左側に変位した状態を示し、図6は、軸部材51が最も右側に変位した状態を示す。
制御部70は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)によって構成される。ECUは、CPU、ROM及びRAMなどから構成されるコンピュータ、アクチュエータ52を作動させるための駆動回路を有している。制御部70には、エンジン10の所定位置に設けられる油温センサ71が電気的に接続されている。制御部70は、油温センサ71の出力結果に基づいてアクチュエータ52の作動を制御する。
続いて、図7及び図8を参照して、OCV16におけるケース本体50の内部構造について説明する。図7は、図5の部分拡大図であり、図8は、図6の部分拡大図である。介在部材57には、第1〜第4支持部54a〜54dの内部に連通する位置それぞれにオイル用の第1〜第4流路61a〜61dが形成されている。従って、介在部材57には右から左に向かって順に、第2流路61b、第1流路61a、第4流路61d、第3流路61cが形成される。左右に隣り合う流路61a〜61d間には右から左に向かって順に、第1〜第3連絡流路62a〜62cが形成されている。第1〜第3連絡流路62a〜62cは、それぞれ同一の内周形状に形成されている。
軸部材51は、連絡流路62a〜62cの内側に配置されたときに、オイルの流れを規制(シール)可能な外周形状の第1及び第2シール部63a、63bを備えている。また、軸部材51は、連絡流路62a〜62cの内側に配置されたときに、オイルの流れを許容する外周形状の第1及び第2許容部64a、64bを備えている。ここにおいて、軸部材51と介在部材57によって、オイルの流れを制御する制御弁が構成される。
続いて、OCV16におけるオイルの流れについて説明する。図7に示す状態では、軸部材51が最も左側に変位しており、この状態で、第3連絡流路62cが第2シール部63bによって閉塞されないので、第3連絡流路62cと第2許容部64bとの間のオイルの流れが許容される。また、第1連絡流路62aが第1シール部63aによって閉塞されないので、第1連絡流路62aと第1許容部64aとの間のオイルの流れが許容される。一方、第2連絡流路62bが第1シール部63aによって閉塞され、第2連絡流路62bにおけるオイルの流れが規制される。
従って、図7の点線の矢印で示すように、第1オイル配管41a及び第1支持部54aを通じて第1流路61aに流れ込んだオイルは、第1連絡流路62aと第1許容部64aとの間を経て第2流路61bに流れる。そして、第2流路61bから、第2支持部54bを通じて第2オイル配管41bにオイルが流れ出る。
図3に示すように、OCV16から第2オイル配管41bに流れ出たオイルは、オイル加熱通路33に流れ込む。オイル加熱通路33では、エンジン10の排気熱によって加熱されたクランプ46から伝わる熱を内部のオイルに伝導して加熱する。従って、オイル加熱通路33から第3オイル配管41cに流れ出るオイルは、オイル加熱通路33に流れ込む前より昇温した状態となる。
オイル加熱通路33を経たオイルは、図7の実線の矢印で示すように、第3オイル配管41c及び第3支持部54cを通じて第3流路61cに流れ込む。ここで、第2シール部63bによる第3連絡流路62cのシールは解除されるので、第2連絡流路62bと第2許容部64bの間を通じて第4流路61dにオイルが流れ込む。このとき、第2連絡流路62bが第1シール部63aによって閉塞されるので、第4流路61d及び第1流路61aの間でのオイルの流れが規制される。第4流路61dに流れ込んだオイルは、第4支持部54dを通じて第4オイル配管41dにオイルが流れ出し、クランクケース11(図3参照)内に流れ込む。
図8に示す状態では、軸部材51が最も右側に変位しており、この状態で、第2連絡流路62bが第1シール部63aによって閉塞されないので、第2連絡流路62bと第2許容部64bとの間のオイルの流れが許容される。一方、第1連絡流路62aが第1シール部63aによって閉塞され、第1連絡流路62aにおけるオイルの流れが規制される。また、第3連絡流路62cが第2シール部63bによって閉塞され、第3連絡流路62cにおけるオイルの流れが規制される。
従って、図8の実線の矢印で示すように、第1オイル配管41a及び第1支持部54aを通じて第1流路61aに流れ込んだオイルは、第2連絡流路62bと第2許容部64bとの間を経て第4流路61dに流れる。そして、第4流路61dから、第4支持部54dを通じて第4オイル配管41dにオイルが流れ出し、クランクケース11(図3参照)内に流れ込む。このように、図8に示す状態では、OCV16に流れ込んだオイルがオイル加熱通路33を経ない、つまり、オイル加熱通路33で加熱されずにクランクケース11内に戻される。
以上のように、OCV16において、オイル加熱通路33へオイルを流す場合と、流さない場合との切り替えを行うことができる。油温センサ71から出力された検出結果(温度データ)を制御部70(何れも図5参照)において所定の温度閾値と比較し、オイルの温度が閾値以下となる(又は閾値より小さい)ときに、図5及び図7に示す状態に軸部材51が変位するよう制御する。この制御によって、オイル加熱通路33にオイルを通過させてオイルを昇温することができる。
一方、制御部70において、油温センサ71から出力された温度データを所定の温度閾値と比較し、オイルの温度が閾値以上となる(又は閾値より大きい)ときに、図6及び図8に示す状態に軸部材51が変位するよう制御する。この制御によって、オイルがオイル加熱通路33を通過しなくなり、オイル加熱通路33での加熱を回避することができる。
このように、本実施の形態によれば、高温となる排気熱によってクランプ46を伝ってオイル加熱通路33を加熱でき、そのオイル加熱通路33によりオイルを加熱、昇温させることができる。従って、低温環境下であっても、エンジン10の始動時にオイルの油温を迅速に昇温させることができる。特に、クランプ46は、エンジン10の外部であるものの、エンジン10から排出直後の排気によって加熱されるので、クランプ46ひいてはオイル加熱通路33及びオイルを効率良く短時間で昇温させることができる。これにより、エンジン内部の潤滑不良を引き起こしたり、オイルの粘性が高くなってメカロスが大きくなったりすることを回避することができる。
一方、オイルが所定温度まで昇温された場合には、OCV16においてオイル加熱通路33へのオイルが遮断できるので、オイルが加熱され過ぎることも防止される。また、オイルが低油温となった場合には、オイル加熱通路33によるオイルの加熱に簡単に切り替えることができる。
更に、本実施の形態では、クランプ46にオイル加熱通路33を一体に形成したので、部品点数を増やさずに排気熱を利用した昇温構造を採用することができる。しかも、オイル加熱通路33を形成するため、排気管24に加工を行う必要をなくすことができ、かかる加工に起因する排気漏れ発生のおそれを排除することができる。
また、既存のエンジンのクランプを、本実施の形態のオイル加熱通路33が形成されたクランプ46に交換して利用することができ、既存のエンジンであっても上述した本実施の形態の作用を容易に得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、オイル加熱通路33は、上述した構成に限られず、種々の変更が可能である。例を挙げると、クランプ46にオイル加熱通路を連ねて設ける構成として、クランプ46の厚み内であってクランプ46の面方向に平行に延びるオイル加熱通路を形成してもよい。この構成では、クランプ46からオイル加熱通路が突出しないようにすることができ、エンジン10周りのレイアウトの制約を緩和することができる。
また、前部シリンダヘッド21の一部となる排気出口21bの周辺領域を排気出口形成部26に含ませ、かかる周辺領域での前部シリンダヘッド21の肉厚に収まるようにオイル加熱通路を連ねて設けてもよい。かかる構成によれば、クランプ46を使用しないタイプのエンジンであっても、排気管を加工せずにオイル加熱通路を形成することができる。
また、OCV16は、種々の設計変更が可能であり、例えば、制御部70からの信号に応じて制御弁の作動量を適宜変化させ、オイル加熱通路33へのオイル流量を調整するよう制御できる構成としてもよい。これにより、油温センサ71の検出結果に応じ、細かなオイル量制御を行うことができる。
以上説明したように、本発明は、エンジンからの排気熱によって油温を昇温可能としつつ排気管での排気漏れ発生のおそれを排除することができる、という効果を有し、低温環境下で利用される自動二輪車に適用した場合に有用である。
10 エンジン
16 OCV(オイルコントロールバルブ)
20 前部シリンダ(シリンダ)
21 前部シリンダヘッド(シリンダヘッド)
24 排気管
26 排気出口形成部
33 オイル加熱通路
46 クランプ
51 軸部材(制御弁)
57 介在部材(制御弁)
70 制御部
71 油温センサ

Claims (3)

  1. エンジン外部へ排気を排出する該エンジンの排気出口形成部に設けられたオイル加熱通路と、前記オイル加熱通路へのオイルの流れを制御するオイルコントロールバルブとを備えたエンジンのオイル昇温構造であって、
    記排気出口形成部は、前記排気管をシリンダヘッドに固定するクランプを含み、前記エンジンの排気管と別体に設けられ
    前記オイル加熱通路は、前記エンジンの排気熱によって加熱された前記排気出口形成部からの熱を内部のオイルに伝導して加熱し、前記クランプに連なって設けられていることを特徴とするエンジンのオイル昇温構造。
  2. 前記オイルコントロールバルブは、前記エンジンにおけるシリンダ、シリンダヘッド、及び排気管で囲まれた空間に配置されることを特徴とする請求項に記載のエンジンのオイル昇温構造。
  3. 前記オイルコントロールバルブは、油温センサの検出結果に基づいて制御弁を作動させ、前記オイル加熱通路へのオイル流量を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジンのオイル昇温構造。
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